JP2007263225A - 流体軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸部に対するハブ部の固定精度および締結強度を高め、流体軸受装置の高回転精度化および低コスト化に寄与する。
【解決手段】ハブ部9は、軸部2をインサートしてポリフェニレンサルファイド(PPS)等をベース樹脂とする樹脂組成物で射出成形されている。ハブ部9は、軸部2の外周面2aのうち、ハブ部9との固定領域に設けられた凹部12で前記軸部2と軸方向および円周方向に係合し、抜け止めおよび回り止めが図られている。
【選択図】図2

Description

本発明は、流体軸受装置に関するものである。
流体軸受装置は、軸受部材と回転部材との相対回転により、軸受隙間に生じる流体の潤滑膜で回転部材を回転自在に支持するものである。この流体軸受装置は、高速回転、高回転精度、低騒音等の特徴を有するものであり、近年ではその特徴を活かして、情報機器、例えばHDD、FDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置等のディスク装置に搭載するスピンドルモータ用の軸受等として広く用いられている。
この種の流体軸受は、軸受隙間内の流体(例えば、潤滑油)に動圧を発生させる動圧発生手段を備えた動圧軸受と、動圧発生手段を備えていない、いわゆる真円軸受(軸受面が真円形状である軸受)とに大別される。
例えば、上記のスピンドルモータに組込まれる流体軸受装置では、回転部材を構成する軸部(軸部材)をラジアル方向に支持するラジアル軸受部が設けられ、該ラジアル軸受部は動圧軸受で構成される場合が多い。また、この種の流体軸受装置には、回転部材をスラスト方向に支持するスラスト軸受部が設けられ、該スラスト軸受部としては、動圧軸受が用いられる場合と、軸部の一端を接触支持する構造の軸受(いわゆるピボット軸受)が用いられる場合とがある。
上記スピンドルモータには、ディスクを支持するハブ部(ディスクハブ)が設けられる。ハブ部は軸部と別体の金属材料で形成され、圧入、溶接、焼きばめ、塑性流動加工等適宜の手段で、軸部の一端外径側に固定される。軸部には、さらに、ハブ部との間でディスクを挟持するクランパが固定され、このクランパは、例えば軸部のうち、ハブ部との固定部内径側に設けられたねじ穴にねじ止め固定される(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−235766号公報
近年のディスク装置の大容量化に伴ってディスクの記録・再生の高密度化が進展している。これに伴い、スピンドルモータ用の流体軸受装置には、軸振れ等のない高い回転精度が要求されている。また、HDD等のディスク装置に搭載される流体軸受装置では、ディスクの高い回転精度を維持できるよう、ディスクを搭載するハブ部と軸部との間には高い締結強度も求められる。
従来構成において、軸部のうち、ハブ部の固定部となる領域の肉厚は、その内径側にねじ穴が設けられているため薄肉となる。そのため、圧入や塑性流動加工のように圧入力を伴う方法で固定する場合には、固定部が圧入に伴って変形するおそれがあり、また、溶接や焼きばめのように高温加熱が必要な方法で固定する場合には、熱変形するおそれがある。したがって、従来構成では、軸部に対するハブ部の組付け精度や締結強度を確保し、高回転精度化の要求に対応するのが困難である。
その一方で、近年のディスク装置の低価格化に伴って、流体軸受装置に対するコスト低減の要求が厳しさを増している。
本発明の課題は、軸部に対するハブ部の組付け精度および締結強度を高め、流体軸受装置の高回転精度化を図ることにある。また本発明の他の課題は、流体軸受装置の低コスト化を図ることにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る流体軸受装置は、軸受部材と、軸受部材に対して相対回転する回転部材と、軸受部材と回転部材との間のラジアル軸受隙間に生じる流体の潤滑膜で回転部材をラジアル方向に回転自在に支持するラジアル軸受部とを備え、回転部材は、軸受部材の内周に挿入され、一端部にねじ穴を有する軸部と、軸部の外周面のうち、ねじ穴の外径側に固定されたハブ部とを有するものであって、ハブ部が軸部をインサートして樹脂で射出成形され、かつこのハブ部が、軸部の外周面のうち、ハブ部との固定領域に設けられた凹部で軸部と軸方向および円周方向に係合していることを特徴とするものである。ここでいうハブ部として、例えば、磁気ディスク等を支持するディスクハブやターンテーブル等が挙げられる。
上記のように、軸部をインサートしてハブ部を射出成形(インサート成形)すれば、型精度を高めておくだけで、軸部に対する組付け精度を高めることができる。このハブ部は、軸部の外周面のうち、ハブ部との固定領域に設けられた凹部で軸部と軸方向および円周方向に係合していることから、軸部に対する抜け止め、さらには回り止めが図られ、軸部との締結強度が高められる。またインサート成形であれば、ハブ部の成形と組付けを一工程で行うことができるため製造コストの低廉化が図られ、さらに射出材料として樹脂を用いれば、ハブ部を金属で形成する場合に比べて軽量化および低コスト化を図ることができる。
軸部に設けられる凹部は、加工コストを抑制し、また凹部の成形に伴う変形を防止してハブ部の組付け精度を高める観点から、例えば切削等の機械加工で容易に形成可能な構成とするのが望ましく、例えば、円環溝と、該円環溝の溝底面の一部領域に形成された平坦面とで構成することができる。あるいは、凹部は、円環溝と、該円環溝に繋がる軸部の外周面の一部領域に形成された平坦面とで構成することができる。ハブ部の射出成形時に軸部の凹部にも充填されて固化した部分が、円環溝の両側壁と軸方向に係合することにより、ハブ部の軸部に対する軸方向両側への相対移動が規制され、かつ、平坦面と円周方向に係合することにより、ハブ部の軸部に対する円周方向両側への相対移動が規制される。これにより、ハブ部の軸部に対する抜け止めと回り止めが同時に達成され、ハブ部と軸部との締結強度が高められる。
ハブ部には、それ自体の強度も必要とされるから、射出成形に用いる樹脂は、射出成形可能な樹脂のなかでも、特に高強度なポリフェニレンサルファイド(PPS)あるいは液晶ポリマー(LCP)をベース樹脂とする樹脂組成物が望ましい。
本発明に係る流体軸受装置は、ステータコイルと、ロータマグネットとを有するモータに好ましく用いることができ、特に本発明の流体軸受装置は、上記のような特徴を有することから、モバイル用のディスク装置に搭載されるスピンドルモータに好ましく用いることができる。
以上より、本発明によれば、軸部に対するハブ部の組立精度や締結強度を高め、流体軸受装置の高回転精度化を図ることができる。また、ハブ部を備えた流体軸受装置の低コスト化を図ることもできる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る流体軸受装置(流体動圧軸受装置)1を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。このスピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部2を備えた回転部材3を回転自在に支持する流体軸受装置1と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4およびロータマグネット5と、ブラケット6とを備えている。ステータコイル4はブラケット6の内周に取付けられ、ロータマグネット5は回転部材3の外周に取付けられる。流体軸受装置1のハウジング7は、ブラケット6の内周に装着される。回転部材3には、図示は省略するが、磁気ディスク等のディスク状情報記録媒体(以下単に、ディスクと称す)が一又は複数枚保持される。ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間の電磁力でロータマグネット5が回転し、それに伴って、回転部材3および回転部材3に保持されたディスクが軸部2と一体に回転する。
図2は、上記スピンドルモータで使用される流体軸受装置1の一例を示すものである。この流体軸受装置1は、軸受部材10と、軸受部材10に対して相対回転する回転部材3とを主要な構成部品として備える。本実施形態において、軸受部材10は、ハウジング7と、ハウジング7の内部に保持された軸受スリーブ8とで構成されている。なお、以下説明の便宜上、ハウジング7の底部7bが設けられた側を下側、その軸方向反対側を上側として説明を進める。
ハウジング7は、金属材料あるいは樹脂材料で略円筒状に形成された側部7aと、側部7aの下端開口部を閉塞する底部7bとで構成される。側部7aの外周には、上方に向かって漸次拡径するテーパ状の外壁7a3が形成されている。側部7aの下端内径側には、底部7bが固定される段部7a4が形成され、この段部7a4を除き、側部7aの内周面7a1は同径でストレートな円筒面に形成されている。底部7bは、段部7a4の内周に、接着、圧入、圧入接着、溶着等、形成材料に合わせて適宜の手段で固定される。
ハウジング7のうち、側部7aの上側端面7a2の全面または一部環状領域は、第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受面となり、該スラスト軸受面となる領域には、図示は省略するが、例えばスパイラル形状に配列された複数の動圧溝が形成されている。動圧溝は、ハウジング7の上側端面7a2とスラスト軸受隙間を介して対向するハブ部9の下側端面9a1に形成してもよい。なお動圧溝形状は、スパイラル形状の他、例えばヘリングボーン形状等に形成することもできる。
軸受スリーブ8は、例えば、焼結金属からなる多孔質体、特に銅を主成分とする燒結金属の多孔質体で円筒状に形成され、ハウジング7の内周面7a1の所定位置に圧入、接着、あるいは圧入接着等の手段で固定される。なお、焼結金属に限らず、多孔質体ではない他の金属材料、例えば黄銅等の軟質金属で軸受スリーブ8を形成することも可能である。
軸受スリーブ8の内周面8aには、第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2のラジアル軸受面となる上下2つの領域が軸方向に離隔して設けられ、該2つの領域には、例えば図3(a)に示すようなヘリングボーン形状の動圧溝8a1、8a2がそれぞれ形成される。上側の動圧溝8a1は、軸方向中心m(上下の傾斜溝間領域の軸方向中央)に対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている。一方、下側の動圧溝8a2は軸方向対称に形成され、その上下領域の軸方向寸法はそれぞれ上記軸方向寸法X2と等しくなっている。この場合、軸部材2の回転時には、動圧溝による潤滑油の引き込み力(ポンピング力)は下側の対称形の動圧溝8a2に比べ、上側の動圧溝8a1で相対的に大きくなる。動圧溝形状としては、公知のその他の形状、例えばスパイラル形状等に形成することもできる。なお、軸受スリーブ8の外周面8bには、1本又は複数本の軸方向溝8b1が軸方向全長に亘って形成されており、本実施形態では、3本の軸方向溝8b1が円周方向等間隔に形成されている。
また、軸受スリーブ8の下側端面8cの一部または全部環状領域には、第2スラスト軸受部T2のスラスト軸受面が形成され、当該スラスト軸受面となる領域には、例えば図3(b)に示すようなスパイラル形状の動圧溝8c1が形成される。なお、動圧溝形状は、スパイラル形状の他、例えばヘリングボーン形状等に形成することもできる。またスラスト軸受面(動圧溝)は、スラスト軸受隙間を介して対向するフランジ部11の上側端面11aに形成してもよい。
回転部材3は、軸受スリーブ8の内周に挿入される軸部2と、該軸部2をインサートして樹脂で射出成形(インサート成形)されたハブ部(ディスクハブ)9と、軸部2の下端に固定されたフランジ部11とで構成される。
軸部2は、例えばステンレス鋼等の金属材料で略円筒状に形成される。軸部2aの上端部内周にはねじ穴2a1が設けられ、該ねじ穴2a1に、ハブ部9との間でディスクを挟持するクランパ(図示省略)がねじ止め固定される。また、軸部2の下端部内周にもねじ穴2a2が設けられ、軸部2の抜け止めとして、金属製のフランジ部11がねじ止め固定される。軸部2の外周面2aは、ハブ部9の固定部となる領域を除き、動圧溝等のない平滑な円筒面に形成されている。
軸部2の外周面2aのうち、ハブ部9の固定部となる領域には、図2および図4に示すような凹部12が例えば切削等の機械加工で形成されており、この凹部12にはハブ部9を構成する樹脂材料が充填され固化している。本実施形態において、凹部12は、軸方向の一又は複数箇所(図示例では1箇所)で全周に亘って設けられた円環溝12aと、円環溝12aの溝底面の一部領域に形成された平坦面12bとで構成されている。本実施形態では、2つの平坦面12bが180度対向した領域に形成されている。また、各平坦面12bは軸線と平行に形成されている。凹部12に充填されて固化したハブ部9の部分が、円環溝12aの両側壁と軸方向に係合することにより、ハブ部9の軸部2に対する軸方向両側への相対移動が規制され、かつ、平坦面12bと円周方向に係合することにより、ハブ部9の軸部2に対する円周方向両側への相対移動が規制される。これにより、ハブ部9の軸部2に対する抜け止めと回り止めが同時に達成され、ハブ部9と軸部2との締結強度が高められる。尚、円環溝12aの深さや軸方向幅、および平坦面12bの大きさは、クランパをねじ止め固定する際の締結強度に悪影響を与えず、かつハブ部9の抜け止めおよび回り止め強度を確保し得る適切な値(例えば、最深部が肉厚の半分程度)となるように設定される。また、図示例では平坦面12bを、180度対向した円周方向の2箇所に設けているが、これを円周方向の1箇所または3箇所以上に設けることもできる。
ハブ部9は、ハウジング7の上方に配置された円盤部9aと、円盤部9aの外周部から軸方向下方に延びた筒状部9bと、筒状部9bの外周に設けられたディスク搭載面9cおよび鍔部9dとを備えている。図示しないディスクは、円盤部9aの外周に外嵌され、ディスク搭載面9cに載置される。そして、図示しないクランパとの間でディスクが挟持される。
ハブ部9の筒状部9bの内周面9b1は、ハウジング7の側部7aの外壁7a3との間に、ハウジング7の下端側から上方に向けて半径方向寸法が漸次縮小した環状のシール空間Sを形成する。このシール空間Sは、回転部材3の回転時、第1スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間の外径側と連通する。
上記ハブ部9を成形する樹脂材料としては、射出可能であれば結晶性樹脂あるいは非晶性樹脂を問わず使用可能であるが、特に高強度で寸法安定性に優れるポリフェニレンサルファイド(PPS)あるいは液晶ポリマー(LCP)をベース樹脂とする樹脂組成物が用いられる。上記ベース樹脂には、必要に応じて、強化材(繊維状、粉末状等の形態は問わない)や導電材等の各種充填材を一又は二種以上配合してもよい。
なお、ベース樹脂としては、上記以外にも、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の結晶性樹脂のほか、例えば、ポリサルフォン(PSU)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニルサルフォン(PPSU)、ポリエーテルイミド(PEI)等の非晶性樹脂も使用可能である。これらは、あくまでも使用可能なベース樹脂を例示したものであり、もちろん、この他の公知の樹脂材料をベース樹脂として使用することもできる。
また、特に重量等が問題とならないのであれば、射出材料として金属を用いることも可能である。金属材料としては、例えば、マグネシウム合金やアルミニウム合金等の低融点金属材料が使用可能である。この場合、樹脂材料を使用する場合に比べて、強度を一層向上させることができる。この他、金属粉とバインダーの混合物で射出成形した後、脱脂・焼結するいわゆるMIM成形を採用することもできる。さらにこの他、セラミックを使用することもできる。
上記構成の流体軸受装置1において、回転部材3が回転すると、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面となる上下2箇所に離隔して設けられる領域は、それぞれ軸部2の外周面2aとラジアル軸受隙間を介して対向する。そして、回転部材3の回転に伴い、上記ラジアル軸受隙間に生じる潤滑膜は、動圧溝の動圧作用によってその油膜剛性が高められ、回転部材3がラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、回転部材3をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが形成される。
また、回転部材3が回転すると、ハウジング7の上側端面7a2のスラスト軸受面となる領域がハブ部9の下側端面9a1と所定のスラスト軸受隙間を介して対向し、軸受スリーブ8の下側端面8cのスラスト軸受面となる領域がフランジ部11の上側端面11aと所定のスラスト軸受隙間を介して対向する。そして回転部材3の回転に伴い、両スラスト軸受隙間に形成された潤滑油膜は、動圧溝の動圧作用によってその油膜剛性が高められ、回転部材3が両スラスト方向に回転自在に非接触支持される。これにより、回転部材3をスラスト方向に回転自在に非接触支持する第1スラスト軸受部T1と第2スラスト軸受部T2とが形成される。
本実施形態では、ハブ部9を、軸部2をインサートして射出成形したので、型精度を高めておくだけで軸部2に対する組付け精度が高められ、また成形と組付けを同一工程で行えるため製造コストの低廉化が図られる。さらに、軸部2に凹部12を設け、この凹部12の円環溝12aでハブ部9を軸部2と軸方向に係合させ、かつ平坦面12bでハブ部9を軸部2と円周方向(接線方向)に係合させたので、ハブ部9の抜け止め、および回り止めが図られ、軸部2とハブ部9の締結強度を高めることができる。
以上の説明では、凹部12を構成する平坦面12bを、同じく凹部12を構成する円環溝12aの溝底面の一部領域に形成する形態を例示したが、例えば図5に示すように、平坦面12bを、円環溝12aに繋がる軸部2の外周面の一部領域に形成することもできる。この場合、円環溝12aが形成された領域で軸部2は断面真円状に、また平坦面12bが形成された領域で軸部2は断面Dカット状となる。この構成では、図4に示す構成と比べ、平坦面12bを外径側に設けることができる分、平坦面の面積を大きくすることができるので、円周方向両側への係合力、すなわち回り止めを強固なものとすることができる。なお、図5では、平坦面12bを円環溝12aに繋がる領域に設けた構成としたが、平坦面12bはハブ部9の固定部となる軸方向領域内であるかぎり、円環溝12aと軸方向に離隔した領域に設けることもできる。
以上、本発明の一実施形態について説明を行ったが、本発明の構成は上記構成からなる流体軸受装置1のみならず、他の構成からなる流体軸受装置にも好ましく適用することができる。以下、流体軸受装置の他の構成例について説明を行うが、図2に示すものと同一の機能・作用を有する構成部材には同一の参照番号を付与し、重複説明を省略する。
図6は、本発明に係る流体軸受装置1の第2実施形態を示している。図示例の流体軸受装置1は、別体のハウジング7(の側部7a)と軸受スリーブ部8とで構成された軸受部材を、一体の軸受部材17で構成した点で図2に示す実施形態と構成を異にする。このように軸受部材17を単一部品とすることで、部品点数および組立工数の削減を通じて一層低コスト化を図ることもできる。この場合、軸受部材17の内周面17aと軸部2の外周面2aとの間にラジアル軸受部R1、R2が形成され、軸受部材17の上側端面17bとハブ部9の下側端面9a1との間、および軸受部材17の下側端面17cとフランジ部11の上側端面11aとの間にそれぞれスラスト軸受部T1、T2が形成される。
図7は、本発明に係る流体軸受装置の第3実施形態を示している。図示例の流体軸受装置1は、主に回転部材を構成する軸部21とフランジ部22とが一体に形成された点、シール空間Sが、ハウジング7の一端内周に固定されたシール部材19の内周面19aと軸部21の外周面21aとの間に形成された点、およびスラスト軸受部がフランジ部22の両端面22a、22bが面するスラスト軸受隙間に形成される点で図2に示す実施形態と構成を異にする。なお、本実施形態では、軸受部材を別体のハウジング7(の側部7a)と軸受スリーブ8とで構成する形態を例示しているが、図6に示すものと同様、一体の軸受部材で構成することもできる。
以上の説明では、ラジアル軸受部R1、R2およびスラスト軸受部T1、T2として、ヘリングボーン形状やスパイラル形状の動圧溝により潤滑油の動圧作用を発生させる構成を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図示は省略するが、ラジアル軸受部R1、R2の一方又は双方は、例えば、ラジアル軸受面となる領域に複数の軸方向溝を円周方向等間隔に設けた、いわゆるステップ軸受や、ラジアル軸受面となる領域に複数の円弧面を設けた、いわゆる多円弧軸受等を採用しても良い。また、スラスト軸受部T1、T2の一方又は双方は、例えば、スラスト軸受面となる領域に、複数の半径方向溝を円周方向所定間隔に設けた、いわゆるステップ軸受、いわゆる波型軸受(ステップ型が波型になったもの)等を採用しても良い。
また、以上の説明では、第1ラジアル軸受部R1および第2ラジアル軸受部R2の双方を動圧軸受で構成する形態を例示したが、第1ラジアル軸受部R1および第2ラジアル軸受部R2の一方又は双方を真円軸受で構成することもできる(図示省略)。
また、以上の説明では、スラスト軸受部を動圧軸受で構成する形態を例示したが、スラスト軸受部を、軸部2の一端を凸球状に形成し、該軸端を軸受部材10(ハウジング7)の底部7bで接触支持するいわゆるピボット軸受とすることもできる。
以上の説明では、流体軸受装置1の内部に充満する流体として潤滑油を例示したが、それ以外にも、例えば空気等の気体や、磁性流体等を使用することもできる。
ディスク装置用のスピンドルモータを概念的に示す断面図である。 流体軸受装置の第1実施形態を示す断面図である。 (a)図は軸受スリーブの断面図、(b)図は軸受スリーブの下側端面を示す図である。 軸部の一端部の拡大断面図である。 軸部の一端部の他の構成例を示す拡大断面図である。 流体軸受装置の第2実施形態を示す断面図である。 流体軸受装置の第3実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1 流体軸受装置
2 軸部
3 回転部材
7 ハウジング
8 軸受スリーブ
9 ハブ部
10 軸受部材
12 凹部
12a 円環溝
12b 平坦面
R1、R2 ラジアル軸受部
T1、T2 スラスト軸受部
S シール空間

Claims (5)

  1. 軸受部材と、該軸受部材に対して相対回転する回転部材と、前記軸受部材と前記回転部材との間のラジアル軸受隙間に生じる流体の潤滑膜で前記回転部材をラジアル方向に回転自在に支持するラジアル軸受部とを備え、前記回転部材は、前記軸受部材の内周に挿入され、一端部にねじ穴を有する軸部と、該軸部の外周面のうち、前記ねじ穴の外径側に固定されたハブ部とを有する流体軸受装置において、
    前記ハブ部が前記軸部をインサートして樹脂で射出成形され、かつこのハブ部が、前記軸部の外周面のうち、ハブ部との固定領域に設けられた凹部で前記軸部と軸方向および円周方向に係合していることを特徴とする流体軸受装置。
  2. 前記凹部を、円環溝と、該円環溝の溝底面の一部領域に形成された平坦面とで構成した請求項1記載の流体軸受装置。
  3. 前記凹部を、円環溝と、該円環溝に繋がる前記軸部の外周面の一部領域に形成された平坦面とで構成した請求項1記載の流体軸受装置。
  4. 前記樹脂が、ポリフェニレンサルファイドあるいは液晶ポリマーをベース樹脂とする樹脂組成物である請求項1記載の流体軸受装置。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の流体軸受装置と、ステータコイルと、ロータマグネットとを有するモータ。
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