JP2007254843A - 溶銑の脱硫処理方法 - Google Patents

溶銑の脱硫処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007254843A
JP2007254843A JP2006082370A JP2006082370A JP2007254843A JP 2007254843 A JP2007254843 A JP 2007254843A JP 2006082370 A JP2006082370 A JP 2006082370A JP 2006082370 A JP2006082370 A JP 2006082370A JP 2007254843 A JP2007254843 A JP 2007254843A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
desulfurization
mass
iron
hot metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006082370A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4977863B2 (ja
Inventor
Akitoshi Matsui
章敏 松井
Seiji Nabeshima
誠司 鍋島
Naoki Kikuchi
直樹 菊池
Yoshiyuki Tanaka
芳幸 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2006082370A priority Critical patent/JP4977863B2/ja
Publication of JP2007254843A publication Critical patent/JP2007254843A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4977863B2 publication Critical patent/JP4977863B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

【課題】 溶銑の段階で極低硫鋼レベルの硫黄濃度まで安定して脱硫することのできる、溶銑の脱硫方法を提供する。
【解決手段】 金属Mgの配合量を5〜30質量%、金属Alの配合量を5〜30質量%、CaO系フラックスの配合量を40質量%以上とし、金属Mgと金属AlとCaO系フラックスとを混合した粒状及び/または粉状の脱硫剤が鉄系帯材で被覆された鉄被覆脱硫用ワイヤー4を、ワイヤーフィーダー5を介して溶銑2に供給して脱硫処理する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、脱硫剤を鉄系帯材で被覆した鉄被覆脱硫用ワイヤーを用いて溶銑中の硫黄を除去する脱硫処理方法に関するものである。
高炉から出銑された溶銑は、珪素、燐、硫黄などの不純物を比較的多量に含んでいる。近年、高級鋼製造のニーズ増大に伴ない、転炉での脱炭精錬に先立って、脱珪、脱燐、脱硫の各種処理が行われるようになった。特に、鋼中の硫黄は、鋼材の加工性や耐食性を損なう要因となるため、硫黄濃度の低い低硫鋼が求められている。
低硫鋼のうちで硫黄濃度が0.001質量%以下の極低硫鋼の製造においては、酸化精錬である転炉の前に機械攪拌式脱硫法などによって溶銑段階での脱硫処理が行われ、更に転炉精錬を経た出鋼後、二次精錬工程で仕上げ脱硫処理を行うことが広く採用されている。しかし、二次精錬工程では鋼中酸素濃度が高く、脱硫効率が低くなりがちである。そのために、脱硫効率を高めるべく石灰(以下「CaO」と記す)に滓化促進剤として蛍石(CaF2 )を配合したCaO−CaF2 系フラックスを用いているが、CaF2の耐火物への悪影響やコスト面を考えると、必ずしも好ましい手段とはいえない。また、二次精錬工程が煩雑になる。
そこで、溶銑段階において可能な限り低い硫黄濃度まで低下させることが有利であるとして、種々の溶銑脱硫方法が検討されている。例えば、特許文献1には、機械攪拌式脱硫法において、インペラ(「攪拌羽根」とも呼ぶ)の羽根の高さを交互に高低差をつけて脱硫処理を行う方法が開示されている。特許文献1によれば、この形状のインペラを用いることで、インペラ上部へのスラグの堆積が抑制され、脱硫剤が溶銑中へ侵入しやすくなり、脱硫効率が向上するとしている。しかし、このインペラを用いてCaO−CaF2 系フラックスで処理した実施例における処理後の硫黄濃度は0.0020〜0.0040質量%程度であり、このインペラを用いても極低硫鋼の要求に満足しうる硫黄濃度には到達していない。
また、特許文献2や特許文献3には、CaO系フラックスにソーダ系フラックスを加えた脱硫方法が開示されている。しかし、ソーダ系フラックスを使用すると発生するスラグのNa2 O濃度が高くなるため、スラグをセメント材料や路盤材に有効利用することが難しくなる。
一方、CaO系フラックスによる脱硫以外にも、金属マグネシウムを用いた脱硫方法もいくつか提案されている。一般にマグネシウムの方がCaO系よりも硫黄との親和力が強いため、低硫化にはマグネシウムの方が有利と考えられている。例えば、特許文献4には、Al:40〜95質量%、Mg:5〜60質量%を含むMg−Al合金線材からなる脱硫剤が開示されている。しかし、Mg+S→MgSの反応によって脱硫が進行するものの、MgSは極めて不安定な化合物であることから溶銑への復硫が懸念される。更に、Mgを合金化する必要があることから、経済的な制約があることも否めない。
また、特許文献5には、金属Mgを5〜25質量%配合し、残部にMgO、CaO及びCaF2 を所定の割合で配合した脱硫剤が開示されている。この方法においては、MgSはCaO+MgS→CaS+MgOとなるために復硫の懸念は無いものの、脱硫剤中にAlなどの脱酸剤が配合されていないので、Mg+S→MgSの反応が起こる以前に、Mg+O→MgOの反応が起こってしまい、脱硫反応に対するMgの利用効率低下が懸念される。
特開2004−204303号公報 特開2002−266013号公報 特開2003−253315号公報 特開平7−207317号公報 特開平9−209026号公報
上記の説明のように、従来、溶銑の脱硫処理においては、極低硫鋼レベルの硫黄濃度まで安定して脱硫する手段は開発されておらず、やむなく二次精錬工程において再度の脱硫処理を実施して対処しているのが実情である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、溶銑の段階で極低硫鋼レベルの硫黄濃度まで安定して脱硫することのできる、溶銑の脱硫処理方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る溶銑の脱硫処理方法は、金属Mgの配合量を5〜30質量%、金属Alの配合量を5〜30質量%、CaO系フラックスの配合量を40質量%以上とし、金属Mgと金属AlとCaO系フラックスとを混合した粒状及び/または粉状の脱硫剤が鉄系帯材で被覆された鉄被覆脱硫用ワイヤーを、溶銑中に供給して脱硫処理することを特徴とするものである。
第2の発明に係る溶銑の脱硫処理方法は、第1の発明において、前記脱硫剤中の金属Mgの一部または全部をMgOで代替し、且つ、金属Mgの配合量及びMgOの配合量が下記の(1)式を満足することを特徴とするものである。
Figure 2007254843
第3の発明に係る溶銑の脱硫処理方法は、第1または第2の発明において、前記脱硫剤中の金属Alの一部または全部を炭化水素系の固体物質で代替し、且つ、金属Alの配合量及び炭化水素系固体物質の配合量が下記の(2)式を満足することを特徴とするものである。
Figure 2007254843
第4の発明に係る溶銑の脱硫処理方法は、第1ないし第3の発明の何れかにおいて、前記鉄被覆脱硫用ワイヤーの供給速度を溶銑トン当たり0.10〜0.50kg/minとすることを特徴とするものである。
本発明によれば、組成を所定の範囲に調整した、金属Mg、金属Al及びCaO系フラックスを含有する脱硫剤を薄鉄系帯材の内部に充填した鉄被覆脱硫用ワイヤーを溶銑中へ投入して脱硫するので、Mgと溶銑とが効率的に接触し、従来と比較して高効率且つ安定的に極低硫溶銑を製造することが可能となる。その結果、溶銑段階において、極低硫鋼で要求される硫黄濃度レベルまで低減可能になるため、二次精錬工程における脱硫処理が不要になるなど、工業上有益な効果がもたらされる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明者等は、溶銑の段階で極低硫鋼レベルの硫黄濃度まで安定して脱硫することのできる脱硫方法の開発を目的として、溶銑の脱硫挙動を詳細に調査・解析した。その結果、Mgを利用して溶銑を脱硫処理することで、極低硫鋼レベルの硫黄濃度まで安定して脱硫できることを知見した。以下に、本発明に至った経緯を説明する。
先述のとおり、CaO系フラックスよりも金属マグネシウムの方が硫黄との親和力が強いので、脱硫反応は金属マグネシウムを用いた方が有利である。しかし、生成するMgSは非常に不安定であることから復硫が懸念された。また、金属マグネシウムは雰囲気中や溶銑中の酸素、水分などとの反応によりMgOとなりやすいため、マグネシウムの利用効率は低下していた。そこで、本発明者等は、復硫を防止し且つマグネシウムの利用効率を高めるべく、金属Mg粉と金属Al粉とCaO系フラックス粉とを混合し、この混合物を鉄系帯材で被覆した鉄被覆脱硫用ワイヤーを作製し、この鉄被覆脱硫用ワイヤーを用いて脱硫処理することを検討し、種々の実験を行った。
検討を進めるうちに、金属Mg、金属Al、CaO系フラックスの配合に最適な範囲があることを見出した。即ち、金属Mgが少なすぎると、当然ながら脱硫は進行しにくくなり、また、金属Alが少なすぎると、金属Mgが十分に配合されていても、Mgの酸化を防止できなくなるために脱硫効率が悪化することが分かった。一方、金属Mg及び金属Alを多量に配合しすぎると、CaO系フラックスが相対的に減少するために復硫を防止できず、結果として脱硫効率が低下することも分かった。また、金属Mg及び金属Alを多量に使用することは経済的にも好ましいことではない。これらの検討の結果から、最適な脱硫剤の配合組成は、金属Mgを5〜30質量%、金属Alを5〜30質量%、CaO系フラックスを40質量%以上とすることが最適であることが分かった。
更に実験を進めるうちに、金属Mgの一部或いは全部をMgO(酸化マグネシウム)で代替できる可能性を見出した。MgOはAlと共存することにより、4MgO+2Al→3Mg+MgO・Al23 の反応が起こり、Mgが生成して、このMgにより金属Mgを添加した場合と同様に脱硫が進行する。この反応におけるMgOとMgの当量比は4:3であるので、1モルのMgOから生成するMgは3/4モルであり、MgOの分子量は40、Mgの分子量は24であるので、「MgO質量=(4/3)×(40/24)×Mg質量≒2.2×Mg質量」の関係が成立する。これは金属Mgを代替するにはその2.2倍のMgOが必要なことを示している。
従って、金属Mgの代替としてMgOを配合する場合には、Mg源の必要最小配合量として、金属Mgの配合量(質量%)とMgOの配合量(質量%)とが、下記の(1)式の範囲を満足する必要のあることが分かった。また、この場合もCaO系フラックスの質量が相対的に減少した場合には脱硫率が悪化するので、CaO系フラックスの配合量は40質量%以上必要であることが分かった。
Figure 2007254843
上記(1)式の関係に基づいて、脱硫剤中の金属Mgの一部或いは全部をMgOで代替した脱硫処理を行ったが、Mg源として金属Mgのみを用いた場合の脱硫処理と変わらない脱硫率を得られることが分かった。
更に、脱酸剤である金属Alを他の脱酸剤で代替することについても種々検討を行った。高価な金属Alを安価な物質で代替できれば経済的にも有益である。検討の結果、優れた脱硫効率を維持し、且つ安価な物質として炭化水素系の固体物質が適していることを見出した。炭化水素系固体物質は高温下において炭素と水素とに分解し、炭素及び水素はそれぞれ酸素との結合が強いため、十分に脱酸剤として活用できることが分かった。一般的な炭化水素系固体物質としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチックが挙げられる。ポリエチレンやポリプロピレンなどは硫黄を含有しておらず、約87質量%程度が炭素、残り13質量%程度が水素である。
プラスチックを金属Alの代替として考えた場合、1kgの金属Alが脱酸しうる酸素量は約0.62Nm3 である。プラスチック中の炭素濃度を87質量%、水素濃度を13質量%と考えると、0.62Nm3の酸素を脱酸するために必要なプラスチック量は約0.4kgとなる。即ち、金属Alの代替としてプラスチックからなる炭化水素系固体物質を配合する場合には、脱酸剤の必要最小配合量として、金属Alの配合量(質量%)と炭化水素系固体物質の配合量(質量%)とが、下記の(2)式の範囲を満足する必要のあることが分かった。また、この場合もCaO系フラックスの質量が相対的に減少した場合には脱硫率が悪化するので、CaO系フラックスの配合量は40質量%以上必要であることが分かった。
Figure 2007254843
上記(2)式の関係に基づいて、脱硫剤中の金属Alの一部或いは全部を炭化水素系の固体物質で代替した脱硫処理を行ったが、脱硫剤として金属Alのみを用いた場合の脱硫処理と変わらない脱硫率を得られることが分かった。但し、炭化水素系固体物質は分解時の吸熱量が大きいので、溶銑温度の低下を招く。従って、これを防止するために、炭化水素系固体物質の配合量は10質量%以下とするのが好ましい。また、炭化水素系固体物質として廃プラスチックを利用することは、廃プラスチックにおいてはリサイクル体制も整備されており、逆有償で入手可能なことから経済性の面でも非常に優れている。
更に、試験を進めた結果、鉄被覆脱硫用ワイヤーの供給速度にも最適範囲があることが明らかになった。鉄被覆脱硫用ワイヤーの添加速度が遅すぎると、鉄被覆脱硫用ワイヤーの鉄系被覆材の溶解が浴中の浅い位置で起こり、鉄被覆脱硫用ワイヤー中のMgが溶銑の浅い位置でMg蒸気となるため、溶銑中の硫黄と反応する時間が短くなり、脱硫効率が低下する。逆に、鉄被覆脱硫用ワイヤーの供給速度を速くしすぎると、溶銑飛散が激しくなり操業安全性に問題がある。これらから、鉄被覆脱硫用ワイヤーの供給速度は溶銑トン当たり0.10〜0.50kg/min(以下「kg/min・t」と記す)に制御することが好ましいことが分かった。
本発明は、これらの試験結果に基づいてなされたものであり、金属Mgの配合量を5〜30質量%、金属Alの配合量を5〜30質量%、CaO系フラックスの配合量を40質量%以上とし、金属Mgと金属AlとCaO系フラックスとを混合した粒状及び/または粉状の脱硫剤が鉄系帯材で被覆された鉄被覆脱硫用ワイヤーを、溶銑中に供給して脱硫処理することを特徴としている。以下、添付図面を参照して本発明の具体的な方法を説明する。
図1は、脱硫処理設備で本発明に係る脱硫方法を実施する例を示す概略図である。図1に示すように、脱硫処理設備1には、鉄被覆脱硫用ワイヤー4のコイル4aと、コイル4aを巻き戻して鉄被覆脱硫用ワイヤー4を溶銑2に供給するためのワイヤーフィーダー5とが配置されている。ワイヤーフィーダー5の出口側には、鉄被覆脱硫用ワイヤー4をガイドするための供給導管6が設置されている。鉄被覆脱硫用ワイヤー4はワイヤーフィーダー5によって送り出され、供給導管6を介して転炉装入鍋7に収容された溶銑2に添加される。図1では、溶銑2は転炉装入鍋7に収容された例を示しているが、本発明を実施する際に溶銑2を収容する容器は転炉装入鍋7に限る訳ではなく、ある程度の溶銑深さが確保できるならば容器形状は問わず、例えば溶銑鍋などでも構わない。
鉄被覆脱硫用ワイヤー4は、金属Mg及び/またはMgOと、金属Al及び/または炭化水素系固体物質と、CaO系フラックスとを、上記の配合割合で混合した脱硫剤を鉄系帯材で被覆したものである。
溶銑2に送り込まれた鉄被覆脱硫用ワイヤー4の鉄被覆材が溶解し、内部の脱硫剤が溶銑中に分散して、溶銑2の脱硫反応が進行する。即ち、脱硫剤中の金属MgまたはMgOが還元されて生成するMgと溶銑中の硫黄とが反応してMgSが形成し、形成したMgSは脱硫剤中のCaO系フラックスと反応して安定型のCaSとなり、溶銑2の脱硫反応が進行する。また、脱硫剤に含まれるCaO自体も溶銑中の硫黄と反応して脱硫反応に貢献する。脱硫剤は浮上してスラグ3が形成される。この場合、鉄被覆脱硫用ワイヤー4を添加することにより発生するMgガスによって、溶銑2は攪拌されるので、別途溶銑2の攪拌装置は不要であるが、脱硫生成物の浮上分離促進の観点からインジェクションランスなどから吹き込む攪拌用ガスで、或いはインペラを用いて攪拌しても構わない。
用いる溶銑2としてはどのような組成であっても処理することができ、本発明に係る脱硫処理の前に脱珪処理や脱燐処理などが施されていても構わない。因みに、脱硫処理前の溶銑2の主な化学成分は、炭素:3.8〜5.0質量%、珪素:0.3質量%以下、硫黄:0.05質量%以下、燐:0.2質量%以下程度である。また、溶銑温度は1200℃以上であれば問題なく脱硫処理することができる。
脱硫剤として使用するCaO系フラックスは、CaOを主体とするものであり、生石灰や炭酸カルシウム、水酸化カルシウムなどが挙げられるが何れを用いても構わない。また、蛍石やAl23 系フラックスなどの滓化促進剤が混入しても構わないが、本発明においてはスラグ3の滓化性はさほど問題にならない。特に、スラグ3からのフッ素溶出量を抑えて環境を保護する観点から、蛍石は使用しないことが望ましい。但し、フッ素が不純物成分として不可避的に混入した物質については使用しても構わない。また、ドロマイトは、CaO源とMgO源の両者を兼ね備えており、安価であることからも有効なフラックスである。
金属Al源としては、安価に入手できることから、アルミニウムスクラップを溶解再生するときに発生するアルミドロス粉末(金属Alを30〜50質量%程度含有する)が好ましいが、アルミニウム融液をガスでアトマイズして得られるアトマイズAl粉末やアルミニウム合金を研磨・切削する際に発生する切削粉などを用いることもできる。
更に、これらの脱硫剤を鉄系帯材で被覆しているが、Al系帯材で被覆しても構わない。但し、Al系帯材で被覆した場合には、鉄系帯材に比べて、高価である、或いは、被覆材の溶解速度が速くなるなどのことを考慮する必要がある。
脱硫剤の投入量は、溶銑中硫黄濃度や温度にもよるが、最大でも溶銑トン当たり20kg程度あれば十分である。また、鉄被覆脱硫用ワイヤー4の供給速度は、前述したように、0.10〜0.50kg/min・tとすることが好ましい。
このようにして溶銑2を脱硫処理することで、Mgと溶銑とが効率的に接触し、従来と比較して高効率且つ安定的に極低硫溶銑を製造することが可能となる。また、滓化促進剤としてのCaF2 などのフッ化物を使用していなくても、高い脱硫効率で脱硫処理することができるので、転炉装入鍋7の耐火物の溶損を抑制することも可能になる。
高炉から出銑された溶銑に対して本発明に係る脱硫処理を実施した(本発明例)。高炉で製造された溶銑に対し、脱珪処理及び脱燐処理を施し、生成したスラグを排滓した後、転炉装入鍋に溶銑を装入し、図1に示す脱硫処理設備において脱硫処理を実施した。比較のために本発明の範囲外の条件でも脱硫処理を実施した(比較例)。表1に、本発明例及び比較例における脱硫処理条件及び処理結果を示す。
Figure 2007254843
本発明例1〜10においては、金属Mg、金属Al及びCaOが最適な割合で配合されており、処理後には硫黄濃度が低い溶銑が得られていた。本発明例11〜14は、脱硫剤中の金属Mgの一部或いは全部をMgOで代替した脱硫処理であり、金属Mgのみを配合した脱硫剤と比較しても遜色ない硫黄濃度まで低減されていた。
本発明例15〜21は、脱硫剤中の金属Alの一部或いは全部を炭化水素系のプラスチックで代替したものであり、金属Alのみを配合した脱硫剤と比較して同程度の硫黄濃度が得られていた。尚、本発明例15〜21において、プラスチックの配合量を増加させるにしたがって、温度降下が大きくなっており、プラスチックの配合割合は10質量%以下程度が望ましいことが分かった。
本発明例22〜23は、金属Mg及び金属Alを、同時にMgO及びプラスチックで代替したが、硫黄濃度は十分に低下しており、なんら問題はなかった。本発明例24〜28は、金属Mgの配合量を10質量%、金属Alの配合量を10質量%、CaOの配合量を80質量%の一定とした条件において、脱硫剤の供給速度を0.10〜0.50kg/min・tの範囲で変化させて脱硫した。脱硫剤の供給速度が0.10〜0.50kg/min・tの範囲では硫黄濃度が低い溶銑が得られていた。
これに対して、比較例1〜8は、金属Mg或いは金属Alが少ないかまたは過剰な配合となっているため、処理後の硫黄濃度が高くなっていた。また、比較例9〜10は、金属MgをMgOで代替した際にCaOの配合割合が相対的に少なくなってしまい、硫黄濃度は若干高いものとなってしまった。
本発明例における、脱硫剤の供給速度の硫黄濃度に及ぼす影響を図2に示す。図2に示すデータは、金属Mgの配合量を10質量%、金属Alの配合量を10質量%、CaOの配合量を80質量%とする脱硫剤の条件で揃えている。図2からも明らかなように、脱硫剤の供給速度は0.10〜0.50kg/min・tの範囲で制御することが好ましいことが分かった。
以上の結果から、本発明方法を用いることで、硫黄濃度が0.0010質量%以下の極低硫溶銑を安定して製造できることが分かった。
脱硫処理設備で本発明に係る脱硫方法を実施する例を示す概略図である。 脱硫剤の供給速度と処理後の硫黄濃度との関係を示す図である。
符号の説明
1 脱硫処理設備
2 溶銑
3 スラグ
4 鉄被覆脱硫用ワイヤー
5 ワイヤーフィーダー
6 供給導管
7 転炉装入鍋

Claims (4)

  1. 金属Mgの配合量を5〜30質量%、金属Alの配合量を5〜30質量%、CaO系フラックスの配合量を40質量%以上とし、金属Mgと金属AlとCaO系フラックスとを混合した粒状及び/または粉状の脱硫剤が鉄系帯材で被覆された鉄被覆脱硫用ワイヤーを、溶銑中に供給して脱硫処理することを特徴とする、溶銑の脱硫処理方法。
  2. 前記脱硫剤中の金属Mgの一部または全部をMgOで代替し、且つ、金属Mgの配合量及びMgOの配合量が下記の(1)式を満足することを特徴とする、請求項1に記載の溶銑の脱硫処理方法。
    金属Mg配合量(質量%)+[MgO配合量(質量%)/2.2]≧5 …(1)
  3. 前記脱硫剤中の金属Alの一部または全部を炭化水素系の固体物質で代替し、且つ、金属Alの配合量及び炭化水素系固体物質の配合量が下記の(2)式を満足することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の溶銑の脱硫処理方法。
    金属Al配合量(質量%)+[炭化水素系固体物質配合量(質量%)/0.4]≧5 …(2)
  4. 前記鉄被覆脱硫用ワイヤーの供給速度を溶銑トン当たり0.10〜0.50kg/minとすることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の溶銑の脱硫処理方法。
JP2006082370A 2006-03-24 2006-03-24 溶銑の脱硫処理方法 Active JP4977863B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006082370A JP4977863B2 (ja) 2006-03-24 2006-03-24 溶銑の脱硫処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006082370A JP4977863B2 (ja) 2006-03-24 2006-03-24 溶銑の脱硫処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007254843A true JP2007254843A (ja) 2007-10-04
JP4977863B2 JP4977863B2 (ja) 2012-07-18

Family

ID=38629367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006082370A Active JP4977863B2 (ja) 2006-03-24 2006-03-24 溶銑の脱硫処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4977863B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008133490A (ja) * 2006-11-27 2008-06-12 Jfe Steel Kk 溶銑の脱硫方法
JP2012026012A (ja) * 2010-07-26 2012-02-09 Nippon Steel Corp 溶銑の脱硫方法
JP2022053706A (ja) * 2020-09-25 2022-04-06 Jfeスチール株式会社 溶銑脱硫設備および溶銑脱硫方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06330128A (ja) * 1993-05-17 1994-11-29 Kawasaki Steel Corp 溶銑の脱硫剤及びそれを用いた脱硫方法
JPH07207316A (ja) * 1994-01-20 1995-08-08 Nisshin Steel Co Ltd 脱硫効率が高い溶銑脱硫用ワイヤ
JPH07207318A (ja) * 1994-01-20 1995-08-08 Nisshin Steel Co Ltd Mg−Al合金ワイヤを使用した溶銑脱硫方法及び脱硫用ワイヤ
JPH09209026A (ja) * 1996-02-06 1997-08-12 Nisshin Steel Co Ltd 溶鋼の同時脱酸脱硫剤およびそれを使用した溶鋼の同時脱酸脱硫方法
JPH10317035A (ja) * 1997-05-19 1998-12-02 Nkk Corp 鉄系溶融合金の脱硫方法および脱硫剤

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06330128A (ja) * 1993-05-17 1994-11-29 Kawasaki Steel Corp 溶銑の脱硫剤及びそれを用いた脱硫方法
JPH07207316A (ja) * 1994-01-20 1995-08-08 Nisshin Steel Co Ltd 脱硫効率が高い溶銑脱硫用ワイヤ
JPH07207318A (ja) * 1994-01-20 1995-08-08 Nisshin Steel Co Ltd Mg−Al合金ワイヤを使用した溶銑脱硫方法及び脱硫用ワイヤ
JPH09209026A (ja) * 1996-02-06 1997-08-12 Nisshin Steel Co Ltd 溶鋼の同時脱酸脱硫剤およびそれを使用した溶鋼の同時脱酸脱硫方法
JPH10317035A (ja) * 1997-05-19 1998-12-02 Nkk Corp 鉄系溶融合金の脱硫方法および脱硫剤

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008133490A (ja) * 2006-11-27 2008-06-12 Jfe Steel Kk 溶銑の脱硫方法
JP2012026012A (ja) * 2010-07-26 2012-02-09 Nippon Steel Corp 溶銑の脱硫方法
JP2022053706A (ja) * 2020-09-25 2022-04-06 Jfeスチール株式会社 溶銑脱硫設備および溶銑脱硫方法
JP7342829B2 (ja) 2020-09-25 2023-09-12 Jfeスチール株式会社 溶銑脱硫設備および溶銑脱硫方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4977863B2 (ja) 2012-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101276921B1 (ko) 강 스크랩 중의 구리 제거방법
JP6693536B2 (ja) 転炉製鋼方法
JP4977863B2 (ja) 溶銑の脱硫処理方法
JP4998691B2 (ja) 金属帯被覆脱硫用ワイヤー及び溶鉄の脱硫処理方法
JP5061598B2 (ja) 溶銑の脱硫方法
JP5268019B2 (ja) 溶銑の脱りん方法
JP4765374B2 (ja) 含クロム溶銑の脱硫処理方法
JP5200324B2 (ja) 溶鋼の脱硫方法
JP5333542B2 (ja) 溶鋼ならびに溶融鉄合金の脱硫方法
JP4082365B2 (ja) 鋼の製造方法
UA73898C2 (en) A method for direct steel alloying
JP4714655B2 (ja) 含クロム溶鉄の脱硫方法
JP4998677B2 (ja) 脱硫スラグの再利用方法
JP4984928B2 (ja) 溶銑の脱硫方法
JP3769875B2 (ja) 鉄系溶融合金の脱硫方法および脱硫剤
JP2000345224A (ja) 溶銑の脱硫方法
JP2006241561A (ja) 溶銑輸送容器からの発塵防止方法
JP6273947B2 (ja) 溶鋼の脱硫処理方法
JP5326591B2 (ja) 鋼屑を鉄源とした溶銑の製造方法
JP4360239B2 (ja) 真空脱ガス設備における溶鋼の脱硫処理方法
JP3728870B2 (ja) 鉄系溶融合金の脱硫方法および脱硫剤
JP5803866B2 (ja) 溶鋼の脱硫剤及びそれを使用した脱硫方法
JP5481899B2 (ja) 溶銑の脱硫剤及び脱硫処理方法
JP2004250745A (ja) スロッピング防止方法
JP2014031562A (ja) 溶銑の脱りん処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120313

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120321

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120327

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120326

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150427

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4977863

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250