JP2007251819A - アンテナ - Google Patents

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和人 中村
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Abstract

【課題】小型化が容易で耐衝撃性に優れ、電波強度の大きさによらず安定して高感度な電波時計用アンテナを提供する。
【解決手段】 表面を絶縁処理した磁性ワイヤ1を複数本有し、これらの磁性ワイヤ1を両端で接続する第一短絡部材2・第二短絡部材3と、高周波パルス電流を前記磁性ワイヤ1に通流する手段と、磁性ワイヤ1のインピーダンス検出手段とを含み、MI効果を利用してアクティブアンテナを実現する。前記複数の磁性ワイヤ1の少なくともいずれかは、ピックアップコイル4が巻線されてなり、磁性ワイヤ1の電極間の電圧を検出する電圧検出手段を備えてなる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、複数のアモルファス薄膜またはワイヤ等の長尺磁性体を用いて、MI効果(Magneto-Impedance effect)による透磁率の増大を行うアンテナに関する。
電波時計は、電波による時刻修正という利点からその適用は増大しつつあるが、最近では腕時計に実装され提供されている。しかしながら、周波数が40kHzおよび60kHzという長波帯であるため、アンテナの小型化と高感度化は難しく、様々な工夫がなされてきた。
たとえば、フェライトによるバーアンテナの構造を長手方向に分割し、中間に永久磁石を配置することで磁界が通過する部分の透磁率を向上させ、小型化と感度向上を目標にしたアンテナ装置が知られている(特許文献1参照)。また、磁界によるホール素子の抵抗変化による電圧変化を増幅して、従来のバーアンテナを小型化し表面状に校正するホール素子型小型アンテナも知られている(特許文献2参照)。さらには、アモルファス薄膜を積層することで、材料による高い透磁率を得ることとフェライトに対する耐衝撃性を得ることを特徴にしたアンテナの磁芯部材や(特許文献3参照)、バーアンテナ等において特に弱磁界強度において共振周波数が標準電波の40kHz、60kHzに共振することにより小型化したアンテナ装置も知られている(特許文献4参照)。また、バーアンテナの両端の開放面積を大きくすることで磁界の吸収量を増大させ、小型で感度向上を目指すバーアンテナも知られており(特許文献5〜6参照)、さらには、腕時計の円形の構造を利用してソレノイド状コイルアンテナを形成して、腕時計の円形面を通過する磁界を捕らえる構成も知られている(特許文献7参照)。この構成では、通過面積が大きいため高感度化が期待でき、直線状のバーアンテナに対して時計内部の専有面積が小さくなると思われる。
特開2004−104430号公報 特開平10−68785号公報 特開2003−110341号公報 特開2004−120261号公報 特開2004−125606号公報 特開2004−274609号公報 特開平6−331759号公報
上記のように様々なアプローチがなされているが、前述の特許文献1においては永久磁石を配置する必要があり、組み立てが複雑になるほか耐衝撃性が不十分である可能性がある。特許文献2における記載内容のホール素子型アンテナは、小型化は有効であるが、高感度化を実現するためには磁界を受けるホール素子面積を大きくする必要があり、さらに受信時にはホール電流を流す必要があり電池の消耗に対する不安要素があった。
特許文献3では、アンテナの磁芯材料をアモルファス積層構造としているが、小型のアンテナにおいては、積層構造にした場合の占積率が大きく取れず、コイル断面積に対する磁束通過の有効面積が低減し、透磁率の高いアモルファスを用いたとしても効果が半減する可能性がある。
特許文献4の「アンテナ装置およびそれを用いた電波時計」では、特に微弱磁界条件で共振周波数が標準電波周波数になるように設計していることを特徴としているが、利得が0.02μT〜1μTで最大になる。このため、小型化が図れるものの、共振条件以外の磁界強度で感度が得られない場合が存在すると思われる。特許文献5〜6のバーアンテナの両端の面積を増加させたものは、基本的に構造が大型化することが懸念される。また特許文献7においては、感度向上と時計構造内部の有効利用が測れるが腕時計の円周上筐体内への埋め込みが必要で、製造上のコストアップや実装精度などの問題がある。
このように、上記特許出願等における従来の電波時計用のアンテナでは、小型化と高感度化において、種々の問題点を有している。
一方、日本における標準電波は40kHzおよび60kHzの2種類の周波数があり、電波時計用アンテナではこの2種の電波に対して感度を有する必要があるため、1つの共振周波数に対して最適設計が行いにくい問題点がある。さらには、既存材料のみでは、高い透磁率が得られないという問題点を有している。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電波感度に優れ、小型化が可能なアンテナを提供することにある。
本願発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討した。その結果、表面層に飽和磁束密度の高い磁性層を形成したアモルファス磁性体またはナノ結晶から構成される磁性体からなるワイヤまたは薄膜を、それぞれ表面を絶縁して束ね、あるいは積層して高周波パルス電流を流してMI効果による前記アモルファスワイヤまたは薄膜の表面微細磁区を制御することで、外部磁界の通過による前記アモルファスワイヤまたは薄膜の磁気インピーダンス効果による両端の電圧変化あるいは巻線の出力電圧変化を電波信号として捕らえることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
MI効果によって高周波電流を流したときの材料の円周表面方向の透磁率を向上させ、かつ高周波電流を流したときの材料表面の透磁率向上をより一層高めるため、アンテナのコア材料として、たとえば、Fe, Coを主成分としたB含有のアモルファスまたはナノ結晶を含んだ材料を用いる。これにより、表面には飽和磁束密度の高い磁性層からなる薄材やワイヤ材料等の長尺磁性体を用い、かつ周波数に同期して高周波電流を増減させ透磁率を可変させることで標準電波に同調させることができる。
磁気インピーダンス効果( Magneto-Impedance Effect:MI効果 ) は、1MHz 以上の高周波電流をアモルファス磁性ワイヤ( FeCoSiB 、CoSiB ) に通電した時にワイヤ両端のインピーダンス( インダクタンスと抵抗) が数Oe から数十Oe という低外部磁界印加に対して10%から80%もの大きな変化が生ずる現象である。MI効果における磁気インピーダンスの変化を次式に示す。
ここで、Z:ワイヤのインピーダンス、a:ワイヤの直径、ρ:比抵抗(Ωm)、Hex:外部磁界(A/m)
DC:直流抵抗(Ω)、ωμ:通電電流の角周波数(rad/sec)、μ:円周方向の透磁率(H/m)

請求項1記載のアンテナは、上記の課題を解決するために、表面が絶縁された複数本の長尺磁性体と、前記複数の長尺磁性体が長手方向両端部またはその近傍でそれぞれ接続された電極構造と、前記複数の長尺磁性体に対し高周波パルス電流を通流する高周波パルス通流手段と、前記両端部電極構造のインピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、を備えたことを特徴としている。
上記の構成によれば、交流電流の通電時には長尺磁性体表面の円周方向の磁区が整列され、電流通流方向の微弱な磁界によって、円周方向の磁界ベクトルと、それと直角な磁界ベクトルの合成ベクトル方向によりワイヤ両端のインピーダンス変化が大きく、アンテナとして有効に機能する。
請求項2記載のアンテナは、上記の課題を解決するために、前記長尺磁性体の少なくともいずれかは、ピックアップコイルが巻線されてなり、長尺磁性体の電極間の電圧を検出する電圧検出手段を備えたことを特徴としている。
上記の構成によれば、MI効果により、電波による磁界強度をピックアップコイルの電圧で検出することができ、複数のピックアップコイルを直列に接続した場合大きな出力を得ることができる。
請求項3記載のアンテナは、上記の課題を解決するために、長尺磁性体が、Fe及び/又はCoを主成分として含んだアモルファスまたはナノ結晶構造体からなる第一磁性層をコア材料とし、かつ、表面に前記コア材料よりも飽和磁束密度の高い第二磁性層を備えたワイヤまたは薄膜リボンであることを特徴としている。
上記の構成によれば、長尺磁性体のコア材料としてアモルファス磁性体やナノ結晶磁性体のワイヤを用いることで、ワイヤ表面の円周方向の磁区が整列される。また、電流通流方向の微弱な磁界によってもワイヤ両端のインピーダンス変化が大きく、アンテナとして有効に機能する。また、長尺磁性体として薄膜リボンの磁性体を用いる場合は、ワイヤに対してさらに占積率が高くなりアンテナ開口部面積に対して通過する磁界の有効利用を図ることができ、感度向上が可能である。
この際、飽和磁束密度のより高い第二磁性層を、第一磁性層の外側に形成することにより、中心のコア材と磁気交換相互作用によりコア材と表面の磁性層は強い相互作用を形成し、長尺磁性体の特性としては、表面の磁性層の単独特性よりもコア材の特性を反映した磁気特性を示すものとなる。ここで、長尺磁性体の表面に飽和磁束密度の高い層を形成して、コア材料にアモルファス磁性体やナノ結晶磁性体を用いた例を示したが、磁性層の厚みや組成によっては、中心に飽和磁束密度の高い磁性層を有し、表面にアモルファス磁性体やナノ結晶磁性体の層を形成することの方が良い場合も生じる。また、上記二種類の磁性層の形成の仕方として、重ねる方法と、蒸着や電気鍍金等による層の形成方法がある。
本発明のように、飽和磁束密度がより高い第二磁性層を形成することにより、ピックアップコイルに出力される電圧が大きく取れる効果が得られる。
アモルファス磁性体とナノ結晶磁性体の比較としては、アモルファス体の場合には飽和磁気特性が劣り、また最大透磁率も低いが、アモルファス磁性体の場合には磁化方向に対する磁歪がないために、微弱な磁界に対する磁化がされやすいという傾向を持つ。このため、電波時計のアンテナのように非常に小さい磁界の場合にはアモルファス磁性体をコア材に用いて、表面にはアモルファス磁性層を熱処理により結晶化させたナノ結晶層を形成したものであることが望ましい。前述のように組み合わせとして、表面にアモルファス磁性層、中心のコア材としてナノ結晶磁性層にした場合でも同様な特性が得られる。
前記長尺磁性体の第一磁性層を構成するコア材料、及び、第二磁性層としては、Fe及び/又はCoを主成分とする合金からなる磁性体であれば特に限定されないが、必要に応じ、Nd、B、Siが含まれていてもよい。これらのうち、Bが適当量含まれていることがより好ましい。
第一磁性層と第二磁性層の形成状態としては、たとえば、長尺状の第一磁性層をコアとし、その周囲を筒状の第二磁性層が覆う構造が最も好ましい。
請求項4に記載のアンテナは、上記の課題を解決するために、前記電圧検出手段は、第一の周波数(たとえば、40kHz)及び第二の周波数(たとえば、60kHz)の2種のフィルタを介して電圧を検出するとともに、前記2種のフィルタの出力値を比較する出力比較手段と、前記出力値の大きさを判断する出力値判定手段と、前記出力値判定手段からの信号によって切り換えられる信号切換手段と、前記信号切換手段からの出力を検波・増幅する検波・増幅手段と、前記信号切替手段から出力された信号の大きさによって高周波パルス信号のピーク値を変調する変調手段と、を備えたことを特徴としている。
上記の構成によればアンテナ自身に共振的機能を持たせ、耐雑音性に優れた小型アンテナを得ることができる。また、MI効果における検出磁束密度の感度は高いが飽和値も小さいため、電波による磁束密度が高く飽和をきたした場合は信号が検出できない。このため、ピックアップコイルの出力がMI効果における飽和磁束密度以内であるように、高周波パルス電流の大きさを変調させ、あるいは高周波パルス電流の変調では飽和磁束密度以内に制御できない場合は、検出した周波数に同期させた外部コイル電流によって磁束そのものを減衰させ、最終的に飽和を生じないようにできる。従って、上記構成によれば、どのような電波の強さの環境においても安定した受信電波が得られる。
請求項5に記載のアンテナは、上記の課題を解決するために、ピックアップコイルの出力の大きさを判断するピックアップコイル出力値判定手段と、変調された高周波パルス信号のゲインを調整する調整手段または磁界印加コイルと、を備えたことを特徴としている。
本発明のアンテナは、以上のように、複数のアモルファスワイヤあるいはリボンなどからなる長尺磁性体をそれぞれ端部で結合して、その複数のアモルファスワイヤやリボンに高周波パルス電流を流す。
こうすることで、MI効果による磁気インピーダンス効果を発生させ、電波による磁界の変化を高感度に捕らえる構成とする。また、ワイヤの長手方向を比較的短く構成し、束ねるワイヤ数を増せば、磁界が通過する面積が増すため、感度が向上する。また、従来の棒状バーアンテナの構造から平面状のアンテナを形成でき、小型化の他薄型化も可能である。また、微細加工によるマイクロコイルを製作すればひとつひとつのアモルファスワイヤやリボンに一体加工ができるので、従来のバーアンテナのようにポリウレタン絶縁電線でコイルを巻線するような複雑で信頼性を低下させる要因の多い工程が不要となる。
また、製造が簡易になるほか、断線や絶縁皮膜破損による短絡等による信頼性劣化も防止でき製造コストも低減できる。さらに、供給する高周波パルス電流のピーク値を電波の検出強度に同期させて変化させることで選択的に同期受信するアクティブアンテナとなる。さらに、MI効果による飽和磁束密度は比較的低いので、磁束密度が高い場合は受信した電波波形が飽和しないように、高周波パルス電流の強度を調整したり、別のコイルから電波信号と同期した磁束を発生させて、受信する磁束密度を飽和磁束密度内に一定に保つフィードバック回路を設けることもできる。こうすることで、どのような電波の強度でも安定して高感度が保てるような効果を得られ、小型で耐雑音性、感度の安定性、妨害比に優れた標準電波用アンテナを提供できる。
本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明すれば以下のとおりである。
本発明のアンテナは、磁性ワイヤと、該磁性ワイヤを両端で電気的に接続し束ねる機構と、前記磁性ワイヤに高周波パルス電流を通流する回路と前記磁性ワイヤ接続端電圧を検出する回路を含んでいる。
〔実施例1〕
図1に、本発明のアンテナに用いられる磁性ワイヤ(長尺磁性体)1の模式図を示す。図1〜図2に示すように、磁性ワイヤ1は、それぞれ絶縁されて両端部で第一短絡部材2、第二短絡部材3によって電気的に結合されている。当然のことであるが、磁性ワイヤ1は、必ずしもワイヤ状である必要はなく、磁性リボンなどの断面が矩形のものでもかまわないし、材料に関しても所望の磁気インピーダンス効果を得られるものであれば代替できることは言うまでもない。図1〜図2では、短絡部材を用いているが必ずしも両端部で短絡する必要はなく、それぞれの磁性ワイヤ1に高周波パルス電流通電できる構成であれば、それでかまわない。また、図2に示すように、磁性ワイヤ1の長手方向を比較的短く構成し、束ねるワイヤ数を増すことで、磁界が通過する面積が増すため、感度が向上するとともに、従来の棒状バーアンテナの構造から平面状のアンテナを形成でき、小型化の他薄型化も可能である。
図3は、磁性ワイヤ1に、ピックアップコイル4を施した状態を示す模式図である。図中、矢線5は、外部より印加される磁界の磁束の方向を示している。MI効果の検出は、原理的には磁性ワイヤ1の両端のインピーダンス変化で検出できるが、一般にこのようにピックアップコイル4によるセンシングが行われている。ピックアップコイルを用いて誘導電圧を検出すれば、数1の虚数部のみを検出することになり、磁界方向の正負判別も可能で出力特性も直線性がある。
図4は、ピックアップコイル4を施した磁性ワイヤ1を図1、図2に示したと同様に複数本接続した模式図であり、高周波パルス電源6から、全ての磁性ワイヤ1にパルス電流が通電されるようになっている。
図5は、本発明の一実施の形態を示す説明図であり、複数の磁性ワイヤ1のピックアップコイル4が、並列接続されて増幅器7に接続され、増幅器7の出力は、第1バンドパスフィルタ8および第2バンドパスフィルタ9に接続されている。 第1バンドパスフィルタ8と第2バンドパスフィルタ9の出力は、切替スイッチ11の入力と比較器兼切替スイッチ制御装置10に接続され、比較器兼切替スイッチ制御装置10の出力が切替スイッチ11に接続されている。切替スイッチ11の出力は、検波回路12を経て受信装置13に入力される。検波回路12の出力は、図示しない波形処理回路26を介して加算器18の一つの負入力に接続され、加算器18の正入力には、加算信号設定器17の出力が接続されている。加算器18の出力は、PI調節器14を介して乗算器15の一入力に、高周波パルス電源6の出力は乗算器15のもう一つの入力に接続され、乗算器15の出力は増幅器16を通してすべての磁性ワイヤ1に通電されるようになっている。
図9は、標準電波の変調に関する模式図である。標準電波は、周波数1Hzで、パルス幅がそれぞれ0.2S、0.5S、0.8Sのパルス信号で10%〜100%まで、40kHzまたは60kHzの信号が変調されて発信されている。図中、波形29(タイムコードパルスで変調された電波波形の模式波形)で示された電波波形模式図が磁性ワイヤ1を通過してピックアップコイルに誘起される。ここでは、増幅器7は、これを増幅しそれぞれ40kHz、60kHzの通過周波数をもつ第1バンドパスフィルタ8、第2バンドパスフィルタ9に入力する。比較器兼スイッチ制御装置は、バンドパスフィルタ8および9の出力のうち、受信した周波数の出力が強い方のバンドパスフィルタへ切替スイッチ11を切り替える。切替スイッチを経た出力信号は、検波回路12内部で検波がなされて、図9の波形28(タイムコードパルスの一部波形)に示したタイムコードパルスが得られる。タイムコードパルスは、図5に示す受信装置13の内部で処理され、年月日時刻データとして受信装置に接続される時計などで時刻標準信号として時刻の校正に用いられる。一方、検波回路12の出力であるタイムコードパルス波形は、波形処理回路26を介して、加算信号設定器17の信号と加算器18で加え合わされPI調節器14に入力される。ここで14は、PI調節器と表現されているが、基本的な動作においては積分要素はほとんどなく、比例成分のみの動作と考えて差し支えない。すなわち、タイムコードパルスというディジタル信号に、加算信号設定器で適切なアナログ量を加算して、それに比例した出力をPI調節器が出力し、アナログ量として乗算器15の一入力に入力され、乗算器15の一方の入力に接続された高周波パルス電源を変調した値が、乗算器15から出力され、増幅器16で増幅されて第1短絡部材2および第2短絡部材3を介して磁性ワイヤ1に高周波パルスが通電される。この働きによって、1秒ごとに送信されるパルスを受信する時のみ磁性ワイヤ1は高周波パルスで励振されるため、不要な電力損失がなくなるほか雑音による誤受信等も回避されるというメリットがある。
図7は、図5の動作のうち高周波パルスによるアモルファスワイヤの励振を受信信号によって変調することは行わない。磁性ワイヤ1の通過磁束がのうち特に低周波磁束が大きくなって飽和を生じないように、外部に空芯コイル24を設け、検波回路12で出力されるタイムコードパルスに同期して低周波の外部磁界をキャンセルさせようとするものである。加算信号設定器17の出力は一般的にゼロに保持され、PI調節器14の目標値がゼロと言うことになる。すなわち、ローパスフィルタ27の出力が低周波成分の検出値でありこれをゼロにするような成分をPI調節器14が出力し、形成されるフィードバックループが作動して空芯コイル24を励磁して低周波成分をキャンセルすることになる。乗算器19は、空芯コイルが常時励磁されて電力消費が増大するのを防止するため、検波回路12の出力信号のタイムコードパルスが出力しているときのみ励磁するように構成されている。波形処理回路26は、タイムパルスコードがないときのオフセット電圧がゼロになるよう調整したり、パルスの立ち上がりや立ち下がりを遅らせて乗算器19などの動作をスムーズにするためのものである。
〔実施例2〕
図6は、基本的動作は図5と同じであるが、ピックアップコイルの出力を直列にしたため増幅器7に入力される信号の電圧が高くなり、回路的に高いS/N比が得られるメリットがある。
図6では、ピックアップコイル4は、実施例1とは違って、それぞれの磁性ワイヤ1のピックアップコイル4が直列に接続されている。この直列接続は、必ずしも全ての磁性ワイヤ1を直列にしなくとも、何本かの磁性ワイヤ1のピックアップコイルを直列接続したものを並列接続してもかまわない。その他の接続は、実施例1と同様である。
〔実施例3〕
図7は、本発明の異なる実施例であり、複数の磁性ワイヤ1のピックアップコイル4が、直列接続されて増幅器7に接続され、増幅器7の出力は、第1バンドパスフィルタ8および第2バンドパスフィルタ9に接続され、第1バンドパスフィルタ8と第2バンドパスフィルタ9の出力は、切替スイッチ11の入力と比較器兼切替スイッチ制御装置10に接続され、比較器兼切替スイッチ制御装置10の出力が切替スイッチ11に接続されている。切替スイッチ11の出力は、検波回路12を経て受信装置13に入力される。検波回路12の出力は、波形処理回路26を介して乗算器19の一方の入力に接続される。増幅器7の出力は、ローパスフィルタ27を介して加算器18の負入力に接続され、加算器18の正入力には加算信号設定器17の出力が接続されている。加算器18の出力は、PI調節器14を介して、乗算器19の一方の入力に接続される。乗算器19の出力は増幅器23を通して空芯コイル24のコイル25に接続されている。高周波パルス電源6の出力は、増幅器16を介して第1短絡部材2および第2短絡部材3を経て磁性ワイヤに通電される。
図8は、磁性ワイヤ1a、1bに高周波パルス電流を通電するための具体的な発振回路を示したもので、直列接続されたインバータ21a、21bと、インバータ21aに並列接続された抵抗器20aと、インバータ21aとインバータ21bの直列回路に並列接続されたコンデンサ22aとから発振回路が構成され、インバータ21bの出力はインバータ21cとインバータ21dを介してコンデンサ22cと抵抗器20cの直列回路でプルアップ接続されている。コンデンサ22bと抵抗器20bの接続点からインバータ21e、21fの入力に接続され、インバータ21e、インバータ21fの出力は、それぞれ抵抗器20d、20eを介して磁性ワイヤ1a、1bにそれぞれ接続された後、接地されている。インバータ21bの出力は、コンデンサ22bと抵抗器20bの直列回路で電源にプルアップ接続され、コンデンサ22bと抵抗器20bの接続点がインバータ21eに入力され、本図面では示さないが、ピックアップコイルの増幅部との検波タイミング信号として用いられる。ここで、インバータ21aとインバータ21bで構成された発振回路すなわち高周波パルス電源は他の構成をとってもよい。
図10は、本発明の他の実施の形態に係る磁性ワイヤ51の概略構成を示す説明図である。同図に示すように磁性ワイヤ51は、アモルファス磁性体またはナノ結晶磁性体からなるコア材料30(第一磁性層)の表面に表面材料31(第二磁性層)を配した二層構造から構成される。このような構成とすることにより、より大きな電圧を出力することができる。
本発明のアンテナの用途としては、電波時計、特に腕時計に内蔵される電波時計用アンテナとしての用途等が挙げられる。腕時計用のアンテナには、小型であること、耐衝撃性が大きいことが必要であるが、40kHz、60kHzの標準電波周波数は長波であり波長が長いため従来のフェライトなどを用いたバーアンテナでは小型化が難しかったが、アモルファスワイヤを励振してMI効果を得るタイプの本発明のアンテナを用いることで、小型で耐衝撃性の高い高感度アンテナが実現できる。同様な特徴が不可欠なアンテナの用途にも適用できる。
本発明の一実施の形態に係る磁性ワイヤの構成例模式図である。 本発明の一実施の形態に係る磁性ワイヤの異なる構成例模式図である。 本発明の一実施の形態に係る磁性ワイヤの模式図である。 本発明の一実施の形態に係る磁性ワイヤの構成模式図である。 本発明の一実施の形態を示すブロック図である。 本発明の異なる実施の形態のブロック図である。 本発明の一実施の形態を示すブロック図である。 磁性ワイヤの高周波パルス発振回路の例である。 標準電波の変調に関する模式図である。 本発明の他の実施の形態に係る磁性ワイヤの概略構成を示す説明図である。
符号の説明
1 磁性ワイヤ(長尺磁性体)
1a〜1b 磁性ワイヤ
2 第一短絡部材
3 第二短絡部材
4 ピックアップコイル
6 高周波パルス電源
7 増幅器
8 第1バンドパスフィルタ
9 第2バンドパスフィルタ
10 比較器兼切替スイッチ制御装置
11 切替スイッチ
12 検波回路
13 受信装置
14 PI調節器
15 乗算器
16 増幅器
17 加算信号設定器
18 加算器
19 乗算器(ゲイン調節器)
20a〜20e 抵抗器
21a〜21e インバータ
22a〜22c コンデンサ
23 増幅器
24 空芯コイル
25 コイル
26 波形処理回路
27 ローパスフィルタ
28 波形
29 タイムコードパルスで変調された電波波形の模式波形
30 コア材料(第一磁性層)
31 表面材料(第二磁性層)

Claims (5)

  1. 表面が絶縁された複数本の長尺磁性体と、前記複数の長尺磁性体が長手方向両端部またはその近傍でそれぞれ接続された電極構造と、前記複数の長尺磁性体に対し高周波パルス電流を通流する高周波パルス通流手段と、前記電極構造のインピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、を備えたことを特徴とするアンテナ。
  2. 前記長尺磁性体の少なくともいずれかは、ピックアップコイルが巻線されてなり、前記長尺磁性体の電極間の電圧を検出する電圧検出手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ。
  3. 長尺磁性体が、Fe及び/又はCoを主成分として含んだアモルファスまたはナノ結晶構造体からなる第一磁性層をコア材料とし、かつ、表面に前記コア材料よりも飽和磁束密度の高い第二磁性層を備えたワイヤまたは薄膜リボンであることを特徴とする請求項1または2記載のアンテナ。
  4. 前記電圧検出手段は、第一の周波数及び第二の周波数の2種のフィルタを介して電圧を検出するとともに、前記2種のフィルタの出力値を比較する出力比較手段と、前記出力値の大きさを判断する出力値判定手段と、前記出力値判定手段からの信号によって切り換えられる信号切換手段と、前記信号切換手段からの出力を検波・増幅する検波・増幅手段と、前記信号切替手段から出力された信号の大きさによって高周波パルス信号のピーク値を変調する変調手段と、を備えたことを特徴とする請求項2または3項記載のアンテナ。
  5. ピックアップコイルの出力の大きさを判断するピックアップコイル出力値判定手段と、変調された高周波パルス信号のゲインを調整する調整手段または磁界印加コイルと、を備えたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載のアンテナ。
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