JP2007248622A - 防眩ミラー - Google Patents

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隆志 加藤
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浩二 高久
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Abstract

【課題】高い調光機能を有する防眩ミラーを提供すること。
【解決手段】少なくとも一方が透明電極である一対の電極間に、少なくとも一種の下記一般式(1)で表される置換基を有する二色性色素と、少なくとも一種のホスト液晶と、を含有することを特徴とする防眩ミラー。一般式(1)中、Hetは酸素原子又は硫黄原子を表し、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表す。但し、(p+r)×nは3〜10の整数である。
一般式(1):−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
【選択図】なし

Description

本発明は、防眩ミラーに関し、特にゲストホスト方式の防眩ミラーの技術分野に属する。
環境に対する関心の高まりにともなって、光の量を電気的に調節できるミラー、いわゆる電気的な防眩ミラーの重要性が高まっている。これまで、電気的な防眩ミラーとしては、酸化還元反応を利用したエレクトロクロミック方式が提案されている。しかしながら、エレクトロクロミック方式では電流駆動による大面積化が難しい点、エレクトロクロミック色素の耐久性に課題が残されているなどの問題があり、その改善が求められていた。
ゲストホスト方式を用いた防眩ミラーは明るい調光が可能であり、大面積の調光が容易である点で調光用途に適した方式として期待されている。しかしながら、これまでに提案されているもの(例えば、特許文献1参照。)は、依然としての調光性能が満足すべきレベルにない場合があり、その改善が求められていた。
特開昭59−71030号公報
本発明の目的は、調光性能の高いゲストホスト方式による防眩ミラーを提供することである。
通常のゲストホスト方式を利用した防眩ミラーでは、満足すべき調光性能を得ることが難しかった。そこで、本発明者は、鋭意努力したところ、特定の二色性色素と組合せることで非常に高い調光性能を与える防眩ミラーが実現できるという知見を得、この知見に基づいてさらに検討して本発明を完成するに至った。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] 少なくとも一方が透明電極である一対の電極間に、少なくとも一種の下記一般式(1)で表される置換基を有する二色性色素と、少なくとも一種のホスト液晶と、を含有する液晶層を有することを特徴とする防眩ミラー。
一般式(1): −(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
式中、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、(p+r)×nは3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
[2] 更に、紫外線吸収層を有することを特徴とする前記[1]に記載の防眩ミラー。
[3] 少なくとも1つ以上の反射層を有し、且つ、透明電極を備えた一対の支持体間に、前記液晶層が挟持されてなり、
着色状態の光の反射率Tに対する透明状態T0の光の反射率の比(T0/T)が、2〜1000の範囲であることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の防眩ミラー。
[4] 前記二色性色素の少なくとも一種が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の防眩ミラー。
Figure 2007248622
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子又は置換基である。Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、(p+r)×nは3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は同一でも異なっていてもよい。
[5] 前記二色性色素の少なくとも一種が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の防眩ミラー。
Figure 2007248622
式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子又は置換基である。Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、(p+r)×nは3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は同一でも異なっていてもよい。
[6] 前記ホスト液晶が、ネマチック液晶であることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の防眩ミラー。
[7] 前記液晶層と前記反射層の間にλ/4板を有することを特徴とする前記[3]〜[6]のいずれか1項に記載の防眩ミラー。
[8] 前記ホスト液晶が、カイラル剤を含むことを特徴とする前記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の防眩ミラー。
[9] 前記ホスト液晶が、ポリマーを含むことを特徴とする前記[1]〜[8]のいずれか1項に記載の防眩ミラー。
[10] 透明着色状態と無色透明状態とに変化して調光する、又は散乱着色状態と無色透明状態とに変化して調光することを特徴とする前記[1]〜[9]のいずれか1項に記載の防眩ミラー。
[11] 更に配向膜を有することを特徴とする前記[1]〜[10]のいずれか1項に記載の防眩ミラー。
[12] 前記配向膜が、ポリイミド配向膜、又はシランカップリング剤で形成されてなる膜であることを特徴とする前記[11]に記載の防眩ミラー。
[13] 更に、反射防止膜を有することを特徴とする前記[1]〜[12]のいずれか1項に記載の防眩ミラー。
本発明によれば、高い調光性能を示す防眩ミラーを提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。
本発明の防眩ミラーは、少なくとも一種の下記一般式(1)で表される置換基を有する二色性色素と、少なくとも一種のホスト液晶と、を含有する液晶層を有する。
一般式(1): −(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
式中、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、(p+r)×nは3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
本発明の防眩ミラーは、ホスト液晶の配向状態を変化させることで、透明着色状態と無色透明状態とに変化させて調光したり、又は散乱着色状態と無色透明状態とに変化させて調光させたりすることができる。特に本発明の防眩ミラーは、前記一般式(1)で表される置換基を有する二色性色素を用いるため、着色状態と透明状態における光の吸収量の差が良好となり、ホスト液晶の配向状態が支持体の面に対して水平状態の時には高い発色を示し、配向状態が支持体の面に対して垂直状態の時には、光の反射率が高くなるという、高い調光性能を示す。
本発明の防眩ミラーは、少なくとも前記二色性色素及び前記ホスト液晶を含有する液晶層を少なくとも1層設けてなる。なお、本明細書においては、液晶層を構成する組成物を「液晶組成物」と称し、該液晶組成物は、少なくとも前記二色性色素と、前記ホスト液晶と、を含有し、更に他の添加剤を含有することもできる。
<液晶層>
(二色性色素)
本発明の防眩ミラーに用いられる二色性色素は、少なくとも1つ以上の下記一般式(1)で表される置換基を有することを特徴とする。
一般式(1): −(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
式中、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、(p+r)×nは3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
本発明の防眩ミラーにおいて、二色性色素は、ホスト液晶中に溶解し、光を吸収する機能を有する化合物と定義される。本発明の二色性色素としては、吸収極大ならびに吸収帯に関しては、いかなるものであってもよいが、イエロー域(Y)、マゼンタ域(M)、あるいはシアン域(C)に吸収極大を有する場合が好ましい。また、二色性色素は2種類以上を用いてもよく、Y、M、Cに吸収極大を有する二色性色素の混合物を用いるのが好ましい。イエロー色素、マゼンタ色素ならびにシアン色素を混合することによるフルカラー化表示を行う方法については、「カラーケミストリー」(時田澄男著、丸善、1982年)に詳しい。ここでいう、イエロー域とは、430〜490nmの範囲、マゼンタ域とは、500〜580nmの範囲、シアン域とは600〜700nmの範囲である。
次に、本発明の二色性色素に用いられる発色団について説明する。
前記二色性色素の発色団はいかなるものであってもよいが、例えば、アゾ色素、アントラキノン色素、ペリレン色素、メロシアニン色素、アゾメチン色素、フタロペリレン色素、インジゴ色素、アズレン色素、ジオキサジン色素、ポリチオフェン色素、フェノキサジン色素などが挙げられる。好ましくはアゾ色素、アントラキノン色素、フェノキサジン色素であり、特に好ましくはアントラキノン色素、フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)である。
アゾ色素はモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ペンタキスアゾ色素などいかなるものであってもよいが、好ましくはモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素である。
アゾ色素に含まれる環構造としては芳香族基(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかにも複素環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アントラキノン色素の置換基としては、酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アリールアミノ基である。該置換基の置換数はいかなる数であってもよいが、ジ置換、トリ置換、テトラキス置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であってもよいが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。
フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)の置換基としては、酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アリールアミノ基である。
下記一般式(1)で表される置換基について説明する。
一般式(1):−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
式中、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表す。jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、(p+r)×nは3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、特に好ましくは硫黄原子である。
1及びB2は、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、いずれも置換基を有していてもいなくてもよい。
1及びB2で表されるアリーレン基としては、好ましくは炭素数6〜20のアリーレン基であり、より好ましくは炭素数6〜10のアリーレン基である。好ましいアリーレン基の具体例を挙げると、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環の基である。特に好ましくは、ベンゼン環、置換ベンゼン環の基であり、さらに好ましくは1、4−フェニレン基である。
1及びB2で表わされるヘテロアリーレン基としては、好ましくは炭素数1〜20のヘテロアリーレン基であり、より好ましくは炭素数2〜9のヘテロアリーレン基である。好ましいヘテロアリーレン基の具体例は、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環及びトリアゾール環からなる基、及びこれらが縮環して形成される縮環ヘテロアリーレン基である。
1及びB2の表す2価の環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは、炭素数3〜20、より好ましくは炭素数4〜10の2価の環状脂肪族炭化水素基である。好ましい2価の環状脂肪族炭化水素基としては、シクロヘキサンジイル、シクロペンタンジイルであり、より好ましくはシクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロペンタンー1,3−ジイル基であり、特に好ましくは、(E)−シクロヘキサン−1、4−ジイル基である。
1及びB2の表す2価のアリーレン基、ヘテロアリーレン基及び2価の環状脂肪族炭化水素基は、さらに置換基を有していてもよく、置換基としては、下記の置換基群Vが挙げられる。
(置換基群V)
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シアノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、モルホリノカルボニル)、炭素数0〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ピペリジノスルフォニル)、ニトロ基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ、p−メチルフェノキシ、p−クロロフェノキシ、ナフトキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、トリクロロアセチル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホニル基(例えばメタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルフィニル基(例えばメタンスルフィニル、エタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8の置換又は無置換のアミノ基(例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ、4−メチルフェニルアミノ、4−エチルフェニルアミノ、3−n−プロピルフェニルアミノ、4−n−プロピルフェニルアミノ、3−n−ブチルフェニルアミノ、4−n−ブチルフェニルアミノ、3−n−ペンチルフェニルアミノ、4−n−ペンチルフェニルアミノ、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、3−ピリジルアミノ、2−チアゾリルアミノ、2−オキサゾリルアミノ、N,N−メチルフェニルアミノ、N,N−エチルフェニルアミノ)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜6のアンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のヒドラジノ基(例えばトリメチルヒドラジノ基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のウレイド基(例えばウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のイミド基(例えばスクシンイミド基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ)、炭素数6〜80、好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、2−ピリジルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ)、炭素数1〜80、好ましくは炭素数1〜40、更に好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ、4−ピリジルチオ、2−キノリルチオ、2−フリルチオ、2−ピロリルチオ)、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−ベンジルオキシカルボニル)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリーロキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の無置換アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の置換アルキル基{例えばヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル、カルボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、アセチルアミノメチル、またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれることにする}、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、更に好ましくは炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−カルボキシフェニル、p−ニトロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェニル、p−トリル、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、更に好ましくは炭素数4〜6の置換又は無置換のヘテロアリール基(例えばピリジル、5−メチルピリジル、チエニル、フリル、モルホリノ、テトラヒドロフルフリル)。
これら置換基群Vはベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造もとることができる。さらに、これらの置換基上にさらに此処までに説明したVの説明で示した置換基が置換していてもよい。
置換基群Vとして好ましいものは、上述のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基、ヒドロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であり、更に好ましくは、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子である。
1は2価の連結基を表す。好ましくは、炭素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1種の原子から構成される原子団からなる連結基である。Q1が表す2価の連結基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、シクロヘキシル−1,4−ジイル)、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルケニレン基(例えば、エテニレン)、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルキニレン基(例えば、エチニレン)、アミド基、エーテル基、エルテル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、カルボニル基、−NR−基(ここで、Rは水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、Rで表されるアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜10のアルキル基であり、Rで表されるアリール基としては、好ましくは炭素数6〜14、より好ましくは6〜10のアリール基である。)、アゾ基、アゾキシ基、複素環2価基(好ましくは、炭素数2〜20、より好ましくは炭素数4〜10の複素環2価基であり、例えば、ピペラジン−1,4−ジイル基である。)を1つ又はそれ以上組み合わせて構成される炭素数0〜60の2価の連結基が挙げられる。
1の表す2価の連結基として、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、エステル基、カルボニル基、及びそれらを組み合わせた基である。
1はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Vが挙げられる。
1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表す。C1が表すアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基には、置換基を有するそれぞれの基も含むものとする。
1は好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキル及びシクロアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、ペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、4−エチルシクロヘキシル、4−プロピルシクロヘキシル、4−ブチルシクロヘキシル、4−ペンチルシクロヘキシル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル)、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアシル基(例えばアセチル、ホルミル基、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル)、又は炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−ベンジルオキシカルボニル)を表す。
1は特に好ましくは、アルキル基又はアルコキシ基であり、さらに好ましくは、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基又はトリフルオロメトキシ基である。
1はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Vが挙げられる。
1で表されるアルキル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
1で表されるシクロアルキル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基であることが好ましい。
1で表されるアルコキシ基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
1で表されるアルコキシカルボニル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
1で表されるアシル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
1で表されるアシルオキシ基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
jは0又は1を表し、好ましくは0である。
p、q及びrは各々0〜5の数を表し、nは1〜3の数を表し、B1及びB2で表される基の総数、すなわち(p+r)×nは、3〜10の整数であり、より好ましくは3〜5の整数である。なお、p、q、又はrが2以上のとき、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、nが2以上のとき、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
好ましいp、q、r及びnの組合せを以下に記す。
(i) p=3、q=0、r=0、n=1
(ii) p=4、q=0、r=0、n=1
(iii) p=5、q=0、r=0、n=1
(iv) p=2、q=0、r=1、n=1
(v) p=2、q=1、r=1、n=1
(vi) p=1、q=1、r=2、n=1
(vii) p=3、q=1、r=1、n=1
(viii) p=2、q=0、r=2、n=1
(ix) p=1、q=1、r=1、n=2
(x) p=2、q=1、r=1、n=2
特に好ましくは、(i)p=3、q=0、r=0、n=1;(iv)p=2、q=0、r=1、n=1;及び(v)p=2、q=1、r=1、n=1;の組合せである。
なお、−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1としては、液晶性を示す部分構造を含むことが好ましい。ここでいう液晶とは、いかなるフェーズであってもよいが、好ましくはネマチック液晶、スメクチック液晶、ディスコティック液晶であり、特に好ましくは、ネマチック液晶である。
−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない(下記化学式中、波線は連結位置を表す)。
Figure 2007248622
Figure 2007248622
本発明に用いられる二色性色素は、−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1で表される置換基を1以上有しているのが好ましく、1〜8個有しているのがより好ましく、1〜4個有しているのがさらに好ましく、特に好ましくは1又は2個有している場合である。
前記一般式(1)で表される置換基の好ましい構造は、下記の組み合わせである。
〔1〕 Hetが硫黄原子であり、B1がアリール基又はヘテロアリール基を表し、B2がシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1を表す構造。
〔2〕 Hetが硫黄原子であり、B1がアリール基又はヘテロアリール基を表し、B2がシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1を表す構造。
特に好ましい構造は、
〔I〕 Hetが硫黄原子を表し、B1が1,4−フェニレン基を表し、B2がトランス−シクロヘキシル基を表し、C1がアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基)を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1である下記一般式(a−1)で表される構造、
〔2〕 Hetが硫黄原子を表し、B1が1,4−フェニレン基を表し、B2がトランス−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基)を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1である下記一般式(a−2)で表される構造、
である。
Figure 2007248622
前記一般式(a−1)及び(a−2)中、Ra1〜Ra12は各々独立に、水素原子又は置換基を表す。該置換基としては、前述の置換基群Vから選ばれる置換基が挙げられる。
a1〜Ra12は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基であるのが好ましい。Ra1〜Ra12で表わされるアルキル基、アリール基、及びアルコキシ基のうち、好ましいものは、前述の置換基群Vに記載のアルキル基、アリール基、及びアルコキシ基と同義である。
前記一般式(a−1)及び(a−2)中、Ca1及びCa2は各々独立してアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。特に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基またはノニル基を表す。
前記一般式(a−1)及び(a−2)のうち、前記一般式(1)で表される置換基としては、特に、Ca1及びCa2が炭素数3から10の長鎖アルキル基の場合に、ホスト液晶への溶解性が向上し、着色状態における光吸収量が増加するため防眩ミラーに好適である。この理由は明らかとなっていないが、ホスト液晶との相溶性が向上するためではないかと推測される。
アゾ色素はモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ペンタキスアゾ色素などいかなるものであってもよいが、好ましくはモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素である。
アゾ色素に含まれる環構造としては芳香族環(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかヘテロ環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アントラキノン色素の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基である。
該置換基の置換数はいかなる数であってもよいが、ジ置換、トリ置換、テトラキス置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であってもよいが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。
アントラキノン系色素としては、より好ましくは、下記一般式(2)で表される化合物であり、フェノキサゾン色素として、より好ましくは、下記一般式(3)で表される化合物である。
Figure 2007248622
一般式(2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に、水素原子又は置換基である。
Figure 2007248622
一般式(3)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の少なくとも一つ以上は、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他はそれぞれ水素原子又は置換基である。
ここで、一般式(2)及び一般式(3)におけるHet、B1、B2、Q1、j、p、q、r、n、及びC1は、一般式(1)におけるHet、B1、B2、Q1、j、p、q、r、n、及びC1と同定義である。
一般式(2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8で表される前記置換基としては、上記置換基群Vが挙げられるが、好ましくは、炭素数6〜80、より好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、4−メチルフェニルチオ、4−エチルフェニルチオ、4−n−プロピルフェニルチオ、2−n−ブチルフェニルチオ、3−n−ブチルフェニルチオ、4−n−ブチルフェニルチオ、2−t−ブチルフェニルチオ、3−t−ブチルフェニルチオ、4−t−ブチルフェニルチオ、3−n−ペンチルフェニルチオ、4−n−ペンチルフェニルチオ、4−アミルペンチルフェニルチオ、4−ヘキシルフェニルチオ、4−ヘプチルフェニルチオ、4−オクチルフェニルチオ、4−トリフルオロメチルフェニルチオ、3−トリフルオロメチルフェニルチオ、2−ピリジルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ)、炭素数1〜80、より好ましくは炭素数1〜40、更に好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ、4−ピリジルチオ、2−キノリルチオ、2−フリルチオ、2−ピロリルチオ)、置換若しくは無置換のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ、フェネチルチオ)、置換若しくは無置換のアミノ基(例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ、4−メチルフェニルアミノ、4−エチルフェニルアミノ、3−n−プロピルフェニルアミノ、4−n−プロピルフェニルアミノ、3−n−ブチルフェニルアミノ、4−n−ブチルフェニルアミノ、3−n−ペンチルフェニルアミノ、4−n−ペンチルフェニルアミノ、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、3−ピリジルアミノ、2−チアゾリルアミノ、2−オキサゾリルアミノ、N,N−メチルフェニルアミノ、N,N−エチルフェニルアミノ)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子)、置換若しくは無置換のアルキル基(例えば、メチル、トリフルオロメチル)、置換若しくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、トリフルオロメトキシ)、置換若しくは無置換のアリール基(例えば、フェニル)、置換若しくは無置換のヘテロアリール基(例えば、2−ピリジル)、置換若しくは無置換のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシ基(例えば、3−チエニルオキシ)などである。
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8として好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、置換若しくは無置換の、アリールチオ基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基又はアリーロキシ基であり、特に好ましくは水素原子、フッ素原子、置換若しくは無置換の、アリールチオ基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基又はアリールアミノ基である。
また、更に好ましくは、一般式(2)において、R1、R4、R5、及びR8の少なくとも一つが、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1の場合である。
一般式(3)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17で表される置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルバモイル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アミド基であり、特に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリールチオ基、アミド基である。
16として、好ましくはアミノ基(アルキルアミノ、アリールアミノ基を含む)、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基又はアリールオキシ基であり、特に好ましくはアミノ基である。
以下に、本発明に使用可能な二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2007248622
Figure 2007248622
Figure 2007248622
Figure 2007248622
以下に、本発明に使用可能なアゾ系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2007248622
以下に本発明に使用可能なジオキサジン系二色性色素ならびにメロシアニン系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2007248622
前記一般式(1)で表される置換基を有する二色性色素は、公知の方法を組み合わせて合成することができる。例えば、特開2003−192664号公報等の記載の方法に従い合成することができる。
(ホスト液晶)
本発明の防眩ミラーに使用可能なホスト液晶とは、電界の作用により、その配向状態を変化させ、ゲストとして溶解されている前記一般式(1)で表される二色性色素の配向状態を制御する機能を有する化合物と定義される。
本発明に使用可能なホスト液晶としては、二色性色素と共存しうるものであれば特に制限はないが、ネマチック相を示す液晶化合物が利用できる。ネマチック液晶の場合には、スメクチック液晶に比べて、配列状態の変化に必要な電圧が低くなる。さらに、カイラル剤と組み合わせた場合に螺旋構造を形成しやすく、表示性能が向上するという利点がある。
ネマチック液晶化合物の具体例としては、アゾメチン化合物、シアノビフェニル化合物、シアノフェニルエステル、フッ素置換フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フッ素置換シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、シアノフェニルシクロヘキサン、フッ素置換フェニルシクロヘキサン、シアノ置換フェニルピリミジン、フッ素置換フェニルピリミジン、アルコキシ置換フェニルピリミジン、フッ素置換アルコキシ置換フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン系化合物、フッ素置換トラン系化合物、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリルなどが挙げられる。「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第154〜192頁および第715〜722頁に記載の液晶化合物を用いることができる。例えば、Merck社の液晶(ZLI−4692、MLC−6267、6284、6287、6288、6406、6422、6423、6425、6435、6437、7700、7800、9000、9100、9200、9300、10000など)、チッソ社の液晶(LIXON5036xx、5037xx、5039xx、5040xx、5041xxなど)、旭電化社の液晶(HA−11757)が挙げられる。
本発明に使用するホスト液晶の誘電率異方性は、正であっても負であってもよい。正の誘電率異方性を有するホスト液晶を用いる場合には、水平配向の配向膜と組み合わせて用いることが好ましく、負の誘電率異方性を有するホスト液晶を用いる場合には、垂直配向の配向膜と組み合わせて用いることが好ましい。
ホスト液晶を、配向膜や二周波駆動などの原理を利用して水平配向させた場合には、液晶分子が水平に配向しているために二色性色素も追従して水平となる。本発明にかかる二色性色素はオーダーパラメーターが正であるため、この状態において光を吸収する。一方、液晶分子が垂直配向する状態では二色性色素も垂直となる。オーダーパラメーターが正の二色性色素の場合には、この状態において光を透過する。
更に、高分子材料を組み合わせる等の方法によって、散乱状態と透明状態とを切り替えることができる。詳細は後述する。
誘電率異方性が負の液晶となるためには、液晶分子の短軸に誘電率異方性が大きくなる構造にする必要があるが、例えば、「月刊デイスプレイ」(2000年、4月号)の第4頁〜9頁に記載のもの、Syn Lett.,第4巻、第389頁〜396頁、1999年に記載のものが挙げられる。例えば、Merck社の液晶(ZLI−2806など)が挙げられる。中でも、電圧保持率の観点から、フッ素系置換基を有する誘電率異方性が負の液晶が好ましい。例えば、Merck社の液晶(MLC−6608、6609、6610など)が挙げられる。
さらに、本発明の防眩ミラーは、二波長駆動性を示す液晶を用いることもできる。二周波駆動液晶とは、該液晶に印加される電場の周波数が低周波数領域の場合に正の誘電率異方性を示し、高周波数領域の場合に誘電率異方性の符号が負に逆転する液晶である。日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第189〜192頁に詳しい。その具体例として、アルドリッチ社製の二周波駆動液晶である二周波駆動用液晶1を示す。
Figure 2007248622
市販の二周波駆動液晶材料として、チッソ社製DF−02XX、DF−05XX、FX−1001、FX−1002、メルク社製MLC−2048などを挙げることができる。
具体な骨格としては、アゾメチン化合物、シアノビフェニル化合物、シアノフェニルエステル、フッ素置換フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フッ素置換シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、シアノフェニルシクロヘキサン、フッ素置換フェニルシクロヘキサン、シアノ置換フェニルピリミジン、フッ素置換フェニルピリミジン、アルコキシ置換フェニルピリミジン、フッ素置換アルコキシ置換フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン系化合物、フッ素置換トラン系化合物、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリルなどが挙げられる。
本発明で用いられる二周波駆動液晶は、複数の液晶化合物の混合物であってもよい。さらに、印加される電場の低周波数領域と高周波数領域で誘電率異方性の符号が逆転しない液晶化合物を含んでもよい。
該液晶に印加される電場の周波数領域は、好ましくは0.1Hz〜10MHzの囲であり、より好ましくは1Hz〜1MHzである。ここで、低周波数領域として用いられるのは0.1Hz〜100kHzであり、好ましくは、1Hz〜10kHzであり、より好ましくは10Hz〜10kHzである。高周波数領域として用いられるのは100Hz〜10MHzであり、好ましくは、100Hz〜1MHzであり、より好ましくは1kHz〜1MHzである。
なお、本発明に用いるホスト液晶の屈折率異方性(Δn)は、透明着色状態と透明状態を切り替える場合には、Δnの絶対値が小さなものが好ましく、散乱着色状態と透明状態を切り替える場合には、Δnの絶対値が小さなものが好ましい。ここでいう屈折率異方性(Δn)とは、液晶分子の長軸方向の屈折率(n‖)と液晶分子の短軸方向の屈折率(n⊥)との差として定義される。
Δn = n‖ − n⊥
透明着色状態と透明状態を切り替える方式として相転移方式を用いる場合には、Δnの絶対値が小さな液晶としてΔn=0.1以下のものが好ましい。Δnが小さいとらせん構造におけるウエーブガイドが抑制されて光漏れが小さくなり、調光性能が向上するためである。
また、透明着色状態と透明状態を切り替える方式としてλ/4板を用いた方式の場合、Δnの絶対値は特に制限はなく、いかなるものであってもよい。
一方、散乱着色状態と透明状態を切り替える方式として相転移方式を用いる場合には、Δnの絶対値が大きな液晶としてΔn=0.1以上のものが好ましい。さらに好ましくはΔn=0.12以上である。これは、ランダムなフォーカルコニック状態に基づく散乱状態ではホスト液晶のΔnが大きいほど散乱強度が高くなり、調光性能が向上するためである。
本発明の防眩ミラーにおけるホスト液晶及び二色性色素の含有量については特に制限はないが、二色性色素の含有量はホスト液晶の含有量に対して0.1〜15質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、1〜8質量%であることが更に好ましい。また、ホスト液晶および二色性色素の含有量は、双方を含む液晶組成物を調製し、その液晶組成物を封入した液晶セルの吸収スペクトルをそれぞれ測定して、液晶セルとして所望の光学濃度を示すのに必要な色素濃度を決定することが望ましい。
(その他の添加剤)
本発明の防眩ミラーには、ホスト液晶の物性を所望の範囲に変化させることを目的として(例えば、液晶相の温度範囲を所望の範囲にすることを目的として)、液晶性を示さない化合物を添加してもよい。また、カイラル化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの化合物を含有させてもよい。そのような添加剤は、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第199〜202頁に記載のTN、STN用カイラル剤が挙げられる。
カイラル剤を添加すると、コレステリック液晶相を形成し、ネマチック液晶に溶解した二色性色素がらせん状に配列されることになる。よって、互いに直交する直線偏光に関して、両方の偏光を吸収することができるため、着色状態における光の吸収量が増加するため好適である。一方、一軸配向されたネマチック液晶層を用いた場合には、光は理論上半分しか吸収されないこととなる。
カイラル剤の添加量は液晶組成物中、0.1〜30質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましく、1.0〜10質量%であることが更に好ましい。30質量%よりも多い場合、可視域に選択反射を示す場合があり調光性能が低下する、あるいは、カイラル剤がホスト液晶から析出しやすくなる場合がある。また、カイラル剤は複数種類使用してもよい。とくに、カイラルピッチの温度依存性が正のものと負のものとを組合せ使用することで、カイラルピッチの温度依存性が小さくなる場合が好ましい。
以下に本発明に用いられるカイラル剤の具体例を示す。
Figure 2007248622
Figure 2007248622
Figure 2007248622
本発明の防眩ミラーにおける調光性能については、その着色状態の光の反射率Tに対する透明状態の光の反射率T0の比(T0/T)が、2〜1000の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、5〜1000の範囲であり、特に好ましくは、8〜1000の範囲である。

本発明の防眩ミラーに用いる液晶組成物は、ポリマーと共存させてもよい。本発明の防眩
ミラーが、散乱着色状態と透明状態を切り替える方式の場合、ポリマーと共存させることが
好ましい。
本発明の防眩ミラーに用いる液晶組成物をポリマー中に分散含有するポリマー媒体層は、例えば、液晶組成物を分散したポリマー溶液を、基板上に塗設することにより形成することができる。ポリマー溶液中に液晶組成物を分散する方法としては、機械的攪拌、加熱、超音波、あるいはその組合せなどを利用して行うことができる。
前記ポリマー媒体層において、ポリマー中に分散された液晶組成物とポリマー媒体との質量比は、1:10〜10:1が好ましく、1:1〜8:2がより好ましい。
ポリマー媒体層を形成する方法としては、ポリマー(以下、適宜「高分子」と称する。)と液晶組成物とを溶解させた溶液を、基板上に塗設する方法もしくは液晶組成物とポリマーとを共通の溶媒に溶解した後、基板上に塗設し、溶媒を蒸発させる方法が好ましい。
前記ポリマー媒体層に用いるポリマーには特に制限はない。シロキサンポリマー、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン、ポリビニルブチラール、ゼラチン等の水溶性高分子、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、酢酸ビニルやポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアルコール誘導体類、トリアセチルセルロースのようなセルロース誘導体類、ポリウレタン類、スチレン類等の非水溶性高分子が用いられる。
本発明の防眩ミラーに用いる高分子としては、ホスト液晶との相溶性が高いという観点からシロキサンポリマー、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類が好ましい。
以下に、本発明のシロキサンポリマーの具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2007248622
Figure 2007248622
Figure 2007248622
さらに、ポリマー媒体層中には、液晶組成物の分散を安定化することを目的として、界面活性剤を用いることができる。本発明に適用できる界面活性剤に特に制限はないが、非イオン系界面活性剤が好ましく、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキエチレンアルキルエーテル類、フルオロアルキルエチレンオキシド類等が用いられる。
特に、本発明に係る二色性色素は一般式(1)で表される置換基を有するため、ポリマーとして芳香族基を有するものを用いると、ポリマーとの相溶性が高くなり、防眩ミラーの調光性能を高めることができる。
本発明の防眩ミラーにおいて、前記ポリマー媒体層の厚みは、1〜50μmであることが好ましく、2〜40μmであることがより好ましく、5〜30μmであることが更に好ましい。
また、カイラル剤の添加濃度は近赤外域に選択反射帯がくるように調整すると、螺旋の回数が増えて二色性色素による光吸収率が高くなるため、着色状態における発色性が向上する。
なお、本発明の防眩ミラーは、1つの液晶層中に複数の二色性色素を混合してもよい。呈示する色についても、いかなるものであってもよい。
また、各色を呈する液晶層を別層にして積層してもよい。更には、各色を呈する液晶層(液晶部)を並置してもよい。
<防眩ミラーの構成>
(基本構造)
防眩ミラーは、少なくとも一方が透明電極である一対の支持体間に、少なくとも前記ホスト液晶と前記二色性色素とを含有する液晶層が存在すればよい。
一方の支持体上に反射層を存在させてなる態様が好ましい。一方の支持体に反射層を備える場合には、入射光側ではない支持体側であって、電極が設けられていない面側の支持体に反射層を設けることが好ましい。反射層を設けると、反射光の変化を観察する防眩ミラーとなる。
具体的な防眩ミラーの構成の一態様としては、入射光側から順に、支持体、透明電極基板、配向膜、液晶層、配向膜、透明電極、支持体、λ/4板、反射層が積層されている場合を挙げることができる。
更に、入射光側の支持体には、紫外線防止層や反射防止膜を設けてもよい。加えて、支持体の外側には、バリア層やハードコート層を設けてもよい。
本発明の防眩ミラーは、(1)カイラル剤とネマチック液晶組成物を含むカイラルネマチック液晶の相転移方式、(2)高分子とネマチック液晶組成物を含むポリマー分散方式、(3)一軸配向させたネマチック液晶組成物とλ/4板との組み合わせによるλ/4方式、(4)一軸配向させたネマチック液晶層を互いに直交させた積層型ゲストホスト方式を利用することができる。
(調光方法)
上記(1)の方式では、既述の通り、カイラル剤の添加により液晶層がコレステリック液晶相を形成し、ネマチック液晶組成物に溶解した二色性色素がらせん状に配列されることになる。よって、互いに直交する直線偏光に関して、両方の偏光を吸収することができるため、着色状態における光の吸収量が増加するので、防眩ミラーに好適に適用することができる。
したがって、(1)の方法では、ネマチック液晶の配向状態に応じて、防眩ミラーを着色状態と透明状態とに切り替えることができ、着色状態Tにおける光の反射率に対する透明状態T0における光の反射率の比率(T0/T)や反射率の比率を高くすることができる。
上記(2)の方法では、高分子中にネマチック液晶組成物が分散されているため、高分子とネマチック液晶組成物との間に界面が生じる。ネマチック液晶組成物の配向状態に応じて、ネマチック液晶と高分子材料の間の屈折率差が変化する。この屈折率差が小さいときには光が散乱されることなく入射光が透過し、屈折率差が大きいときには光が散乱する。更に、ネマチック液晶組成物中には本発明にかかる二色性色素を含むので、散乱着色状態と無色透明状態との切り替えを行うことができる。
なお、高分子中でのネマチック液晶組成物の分散状態は、海島状態であっても、マイクロカプセルの形状として分散させてもよい。
上記(3)の方式では、一軸配向させた液晶層とλ/4板を用いる。λ/4板とは、直交する偏光成分間に波長の1/4の位相差(つまり位相差90°)を生じさせるものである。このλ/4板を反射層と液晶との間に備える。その場合、一軸配向した二色性色素により片側の直線偏光のみが吸収されて、もう片側の直線偏光となる。この直線偏光がλ/4板により円偏光となり、この円偏光が反射層にて反射されることになる。ここで、反射層をたとえば金属などの表面が平滑な反射層にして円偏光の向きを逆にすれば、反射された円偏光は回転の向きが入射された円偏光を逆になり、λ/4板により一軸配向した二色性色素と同じ向きの直線偏光となる。その結果、反射された光も二色性色素に吸収されることになり、一軸配向した二色性色素で両方の直線偏光が吸収されることになる。
したがって、λ/4板を備える防眩ミラーは、単純な一軸配向された液晶層が使用できて、かつ、良好な透明反射状態と着色状態を切り換えることが可能となる。
本発明においてλ/4板については特に制限することなく、公知のものを適宜適用することができる。
上記(4)の方式では、一軸配向させたネマチック液晶層を互いに直交させることにより、両方の直線偏光を吸収する。したがって、当該構成を有する防眩ミラーは、単純な一軸配向された液晶層のみを用いることで、良好な透明反射状態と着色状態を切り換えることが可能となる。
(各構成部材)
−電極基板−
電極基板としては、通常ガラスあるいはプラスチック(ポリマー)からなる基板上に、電極層を形成したものを用いることができる。好ましくはプラスチック基板である。プラスチック基板としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、PESあるいはPENなどが挙げられる。基板については、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第218〜231頁に記載のものを用いることができる。基板上に形成される電極層は、好ましくは透明電極層である。例えば、酸化インジウム、ITO(インジウム錫オキサイド)、酸化スズ等から形成することができる。透明電極については、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第232〜239頁に記載のものが用いられる。
−スペーサー−
本発明の防眩ミラーは、例えば、一対の基板をスペーサーなどを介して、1〜50μm間隔で対向させ、基板間に形成された空間に液晶組成物を配置することにより作製することができる。前記スペーサーについては、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第257〜262頁に記載のものを用いることができる。本発明の防眩ミラーは、基板上に塗布あるいは印刷することにより基板間の空間に配置することができる。
本発明の防眩ミラーの場合、液晶層の厚さ、すなわちスペーサーにより形成される基板間の間隔は、1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは2〜40μmである。50μmより厚いと透明状態における反射率が低下しやすくなり、1μmより薄いと部分的な欠陥による通電のため表示ムラが生じやすくなり好ましくない。
−反射層−
反射層としては、金属薄膜が好適に用いられる。例えば、アルミニウムが好ましい。
−その他の部材−
その他の部材としては、例えば、バリア膜、紫外線吸収層、反射防止層、ハードコート層、汚れ防止層、有機層間絶縁膜、位相差板、配向膜などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
バリア膜は、防眩ミラーにおいて、水及び/又は酸素の通過を阻止するのに好適である。
バリア膜としては、有機ポリマー系、無機系、有機−無機の複合系いずれでもよい。有機ポリマー系としてはエチレンービニルアルコール(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA/PVOH)、ナイロンMXD6(NーMXD)、ナノコンポジット系ナイロンなどが挙げられる。無機系としてはシリカ、アルミナ、ニ元系などが挙げられる。その詳細は、例えば「ハイバリア材料の開発、成膜技術とバリア性の測定・評価方法」(技術情報協会、2004年)に記載されている。
本発明の防眩ミラーにおいて、バリア膜は、製造しやすさの観点から支持体上の透明電極が設置されていない面側に設置することが好ましい。また、対向する2つの支持体の双方に設けられていてもよく、片方にのみ設けられていてもよい。
本発明では、防眩ミラーの紫外線による劣化を防止するために紫外線吸収層を設けることが好ましい。
紫外線吸収層としては、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤:2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
本発明の防眩ミラーにおいて、紫外線吸収層は、製造しやすさの観点から支持体上の透明電極が設置されていない面側に設置することが好ましい。また、対向する2つの支持体の双方に設けられていてもよく、片方にのみ設けられていてもよいが、紫外線吸収層の機能を発揮するよう、少なくとも光の入射側の支持体に設けられていることが好ましい。
また、入射する光が防眩ミラーの表面で反射するのを抑え、防眩ミラーに光が充分に入射するよう、反射防止膜を設けることが好ましい。
反射防止膜は、無機材料または有機材料を用いて形成され、膜構成としては、単層であってもよく、または多層であってもよい。さらにまた、無機材料の膜と有機材料の膜との多層構造であってもよい。反射防止膜は、防眩ミラーの一面側又は両面に設けることができる。両面に設ける場合、両面の反射防止膜は、同じ構成であっても別の構成であっても良い。例えば、一方の面の反射防止膜を多層構造とし、他方の面側の反射防止膜を簡略化して単層構造とすることも可能である。また、透明電極又は支持体上に直接反射防止膜を設けることができる。
反射防止膜に用いる無機材料としては、SiO2、SiO、ZrO2、TiO2、TiO、Ti23、Ti25、Al23、Ta25、CeO2、MgO、Y23、SnO2、MgF2、WO3等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。これらの中でも、レンズがプラスチック製のレンズであるので、低温で真空蒸着が可能なSiO2、ZrO2、TiO2、Ta25が好ましい。
無機材料で形成される多層膜としては、レンズ側からZrO2層とSiO2層の合計光学的膜厚がλ/4、ZrO2層の光学的膜厚がλ/4、最表層のSiO2層の光学的膜厚がλ/4の、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に成膜する積層構造が例示される。ここで、λは設計波長であり、通常520nmが用いられる。最表層は、屈折率が低く、かつ反射防止膜に機械的強度を付与できることからSiO2とすることが好ましい。
無機材料で反射防止膜を形成する場合、成膜方法は例えば真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法、飽和溶液中での化学反応により析出させる方法等を採用することができる。
反射防止膜に用いる有機材料としては、例えばFFP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)等を挙げることができ、レンズ材料やハードコート膜(有する場合)の屈折率を考慮して選定される。成膜方法は、真空蒸着法の他、スピンコート法、ディップコート法などの量産性に優れた塗装方法で成膜することができる。
ハードコート層としては、公知の紫外線硬化もしくは電子線硬化のアクリル系もしくはエポキシ系の樹脂を用いることができる。
汚れ防止膜としては、含フッ素有機重合体のような撥水撥油性材料を使用することができる。
配向膜としては、ポリイミド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコール、ゼラチンなどを用いることが好ましく、ポリイミド、シランカップリング剤を用いることが、配向能力、耐久性、絶縁性、コストの観点から好ましい。配向方法については、ラビング処理していても、していなくてもよい。配向状態に関しても、水平状態および垂直状態いずれであってもよい。
<用途>
本発明の防眩ミラーは、高い調光性能を与えることができるため、調光、車載用途、インテリア、広告、情報表示板として好適に利用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の主旨から逸脱しない限り適宜変更することができる従って本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
[実施例1]
<防眩ミラーの調製>
1.二色性色素および液晶の調製
二色性色素(1−2)及び(1−8)は、特開2003−192664号記載の方法に従い合成した。二色性色素(1−13)は、特開2005−120334号記載の方法に従い合成した。ホスト液晶ZLI−1132(ネマチック液晶)はメルク社から購入した。カイラル剤R−1011はメルク社から購入した。
2.防眩ミラーの調製
透明電極であるITO付きガラス基板上に、ITO側にポリイミド水平配向膜(日産化学製)をスピンコート、焼成により付設した。また、別の透明電極であるITO付きガラス基板において、ITO側にポリイミド水平配向膜(日産化学製)をスピンコート、焼成により付設し、ITOが付設されていない側にアルミニウムを蒸着して反射層を設置した。
ホスト液晶(ZLI−1132、Δn=0.13)1.0g中に、下表1に示した二色性色素と、カイラル剤(R−1011)とを、表2に示す組み合わせで加熱して溶解させた後、室温下1日放置させた。各々の二色性色素の添加量は、上記液晶組成物を8μmの液晶評価用セルに注入した場合における反射率が5%となるように調整した。表2中、カイラル剤量は、液晶組成物の総質量に対する質量(質量%)を示す。
得られた液晶組成物に10μmの球状スペーサー(積水化学製)を少量混合し、上記2種類のITO付きガラス基板を配向膜側が液晶層に接するように挟んで、光硬化型シール剤(積水化学製)にて、封止した。
Figure 2007248622
3.評価
得られた本発明の防眩ミラーは、電圧無印加時に着色状態であった。信号発生器(テクトロニクス株式会社製)を用いて、電圧(100V、60Hz)を印加した場合には、液晶層は透明状態となり鏡として機能した。また、二色性色素の極大吸収波長における散乱着色状態と透明状態におけるUV/vis吸収スペクトル測定(島津製UV2400)を行い、散乱着色状態と透明状態の反射率を測定した。着色状態と透明状態における反射率の比(T(透明)/T(着色時))を表2に示す。
表2に示す通り、本発明の防眩ミラーは、電気的に光の反射率を制御できる調光機能を有することが確認された。
Figure 2007248622
[比較例1]
下記に示すイエロー色素Y−1、マゼンタ色素M−1、シアン色素C−1を用いた以外は、実施例1と同様にして防眩ミラーを作製し、実施例1と同様に評価し、その結果を表2に示した。
表2に示すように、本発明の防眩ミラーに比べ、比較の防眩ミラーでは、反射率の比が低く調光機能が低いことが明らかとなった。
Figure 2007248622
[実施例2]
<防眩ミラーの調製>
1.プラスチック基板の作製
特開2000−105445号公報の実施例1の試料110の作製と同様にPEN(Dupont-Teijin Q65A)に対し下塗り層及びバック層を作製した。すなわち、ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー100重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(チバ・ガイギーCiba-Geigy社製)2重量部とを乾燥した後、300℃にて溶融後、T型ダイから押し出し、140℃で3.3倍の縦延伸を行ない、続いて130℃で3.3倍の横延伸を行い、さらに250℃で6秒間熱固定して厚さ90μmの本発明のプラスチック基板(PEN)を得た。
2.透明電極層の作製
上記で得られたプラスチック基板の片面に、導電性のインジウム酸化スズ(ITO)をコーティングして、厚さ200nmの均一な薄膜を積層した。面抵抗約20Ω/cm2、光透過率(500nm)85%であった。つぎに、ITO表面上に反射防止膜としてSiO2薄膜(100nm)をスパッタにより付設した。光透過率(500nm)90%であった。また、ITOが付設されていない側に反射層としてアルミニウムを蒸着で付設した基板も同様に調整した。ITO上に配向膜として、オクタデシルシランカップリング剤処理を施した。
3.液晶層の調製
上記支持体を用いて、ホスト液晶として、ZLI−2806(メルク社製、ネマチック液晶、Δn=0.043)を用いた点を除いて、実施例1と同様の操作にて、本発明の防眩ミラーを調製した。
4.バリア層の付設
ソアノールD2908(日本合成化学工業(株)製、エチレン−ビニルアルコール共重合体)8gを1−プロパノール118.8g及び水73.2gの混合溶媒に80℃で溶解した。この溶液の10.72gに2N塩酸を2.4ml加えて混合した。この溶液を攪拌しながらテトラエトキシシラン1gを滴下して30分間攪拌を続けた。次いで、得られた塗布液を前記防眩ミラーの支持体上にワイヤバーで塗布した。その後120℃で5分間乾燥することにより、防眩ミラーに膜厚約1μmの有機−無機ハイブリッド層を形成した。
5.紫外線吸収層の付設
水42g、シラノール変性ポリビニルアルコール(クラレ社製:商品名R2105)40g、紫外線フィルター用カプセル液13.5gを混合した後、50質量%の2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールの水溶液17g、20質量%のコロイダルシリカ分散液(日産化学社製:商品名スノーテックス0)65g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル(東邦化学社製 ネオスコアCM57)2.5gとポリエチレングリコールドデシルエーテル(花王社製 エマルゲン109P)2.5gを混合し、紫外線フィルター層用塗布液を得た。
次いで、得られた塗布液を前記防眩ミラーのバリア層上にワイヤバーで塗布した。その後120℃で5分間乾燥することにより、防眩ミラーに膜厚約1μmの紫外線吸収層を形成した。
6.表示性能の評価
得られた本発明の防眩ミラーを実施例1と同様に評価したところ、コントラスト比の高い調光が可能であることが確認された。
さらに、図1に示すように、本発明の防眩ミラー10を自動車のバックミラー20に装着させ、電気的に散乱着色状態と透明鏡面状態が切り換えられることを確認した。すなわち、本発明の防眩ミラーがバックミラーとして作用できることを確認した。
[実施例3]
<防眩ミラーの調製>
透明電極であるITO付きガラス基板上に、ITO側にポリイミド水平配向膜(日産化学製)をスピンコート、焼成により付設し、ラビング処理を施した。
一方、ポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムを蒸着して反射板を作製し、その上にλ/4板(WRF−5、帝人(株)製)を遅相軸方向がラビング方向に対して45°の方向になるように粘着剤で貼り付け、前記λ/4板とガラス基板とが接するように貼り付けた。
ホスト液晶(ZLI−5081、ネマチック液晶、△n=0.08)1.0g中に、上記表1に示した二色性色素を加熱溶解させた後、室温下1日放置させた。各々の二色性色素の添加量は、上記液晶組成物を10μmの液晶評価用セルに注入した場合における反射率が5%となるように調整した。得られた液晶組成物に10μmの球状スペーサー(積水化学製)を少量混合し、上記2種類のITO付きガラス基板を配向膜側が液晶層に接するように挟んで、光硬化型シール剤(積水化学製)にて、封止した。
(防眩ミラーの評価)
実施例1と同様の評価を行ったところ、本発明の防眩ミラーは良好な調光機能を示すことが確認された。
(光耐久性の評価)
さらに、光耐久性の評価を行った。Xeランプ(10万ルクス)を上記防眩ミラーに照射(300時間)したところ、本発明の防眩ミラーは電気的な特性に変化はなかった。すなわち、本発明の防眩ミラーは光耐久性に優れていることが確認された。
[実施例4]
<防眩ミラーの調製>
実施例1において、ホスト液晶を下記二周波駆動用液晶1(アルドリッチ製、二周波駆動ネマチック液晶)に変更した以外は実施例1と同様の操作により本発明の防眩ミラーを調製した。
<評価>
本発明の防眩ミラーは、低周波数の電圧(100V、100Hz)を印加した場合には透明鏡面状態に、高周波数の電圧(100V、100kHz)を印加した場合には着色状態に変化し、高い調光性を示すことが確認された。また、その応答速度は、20msec以下であることが確認された。
Figure 2007248622
[実施例5]
<防眩ミラーの調製>
実施例1において、ホスト液晶をホスト液晶HA−11757(旭電化製、ネマチック液晶、Δn=0.20)に変更した点以外は実施例1と同様の操作により本発明の防眩ミラーを調製した。
<評価>
実施例1と同様の評価を行ったところ、本発明の防眩ミラーはコントラスト比の高い調光が可能であることが確認された。
[実施例6]
<防眩ミラーの調製>
ホスト液晶E−63(メルク製、ネマチック液晶、Δn=0.13)1.0g中に、下記表3のシロキサンポリマー(10質量%)、カイラル剤(1.5質量%)および二色性色素を加熱溶解させて、液晶組成物を調整した。補助溶剤としてアセトンを使用した。各々の二色性色素の添加量は、上記液晶組成物を10μmの液晶評価用セルに注入した場合における反射率が5%となるように調整した。カイラル剤量及びシロキサンポリマー量は、液晶組成物の総質量に対する質量(質量%)を示す。その他は、実施例1と同様の操作により本発明の防眩ミラーを調整した。
シロキサンポリマーは下記スキームに従い合成した。
Figure 2007248622
Figure 2007248622
<評価>
実施例1と同様の評価を行ったところ、上記表3に示すように、本発明の防眩ミラーはコントラスト比の高い調光が可能であることが確認された。また、高分子とカイラル剤とを組み合わせて用いることでも、高い調光性能を与えることが確認された。
本発明の調光材料子を自動車バックミラーの内側に用いた図。
符号の説明
10 防眩ミラー
20 自動車のバックミラー

Claims (11)

  1. 少なくとも一方が透明電極である一対の電極間に、少なくとも一種の下記一般式(1)で表される置換基を有する二色性色素と、少なくとも一種のホスト液晶と、を含有する液晶層を有することを特徴とする防眩ミラー。
    一般式(1): −(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
    〔式中、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、(p+r)×nは3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。〕
  2. 更に、紫外線吸収層を有することを特徴とする請求項1に記載の防眩ミラー。
  3. 少なくとも1つ以上の反射層を有し、且つ、透明電極を備えた一対の支持体間に、前記液晶層が挟持されてなり、
    着色状態の光の反射率Tに対する透明状態T0の光の反射率の比(T0/T)が、2〜1000の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の防眩ミラー。
  4. 前記ホスト液晶が、ネマチック液晶であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の防眩ミラー。
  5. 前記液晶層と前記反射層の間に、λ/4板を有することを特徴とする請求項3〜請求項4のいずれか1項に記載の防眩ミラー。
  6. 前記ホスト液晶が、カイラル剤を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の防眩ミラー。
  7. 前記ホスト液晶が、ポリマーを含むことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の防眩ミラー。
  8. 透明着色状態と無色透明状態とに変化して調光する、又は散乱着色状態と無色透明状態とに変化して調光することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の防眩ミラー。
  9. 更に配向膜を有することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の防眩ミラー。
  10. 前記配向膜が、ポリイミド配向膜、又はシランカップリング剤で形成されてなる膜であることを特徴とする請求項9に記載の防眩ミラー。
  11. 更に、反射防止膜を有することを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の防眩ミラー。
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