JP2007247590A - ウォータージャケットスペーサ及びウォータージャケットスペーサの装着方法 - Google Patents

ウォータージャケットスペーサ及びウォータージャケットスペーサの装着方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007247590A
JP2007247590A JP2006074337A JP2006074337A JP2007247590A JP 2007247590 A JP2007247590 A JP 2007247590A JP 2006074337 A JP2006074337 A JP 2006074337A JP 2006074337 A JP2006074337 A JP 2006074337A JP 2007247590 A JP2007247590 A JP 2007247590A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water jacket
cylinder
jacket spacer
bridge
plate portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006074337A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Kubo
雅彦 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2006074337A priority Critical patent/JP2007247590A/ja
Publication of JP2007247590A publication Critical patent/JP2007247590A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】ウォータージャケットスペーサ及びウォータージャケットスペーサの装着方法に関し、ウォータージャケット内において任意の位置に容易に取り付け可能とする。
【解決手段】シリンダの外周における冷却水の流路として該シリンダの周方向へ沿って連設されたウォータージャケットと、該ウォータージャケットの内壁面をなす一側面及び他側面間を該シリンダの径方向へ連結するブリッジと、を有するセミオープンデッキ構造のシリンダブロックに取り付けられるウォータージャケットスペーサ1であって、該ウォータージャケットの該一側面及び該他側面間に配置すべく面状に形成された板部2と、板部2を該ブリッジの下方に吊下すべく板部2の上端部から鉤状に突設形成された鉤部3とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンのウォータージャケットに内装されるウォータージャケットスペーサ及びその装着方法に関する。
従来より、水冷式のエンジンのシリンダブロックには、シリンダの外周部にウォータージャケットと呼ばれる水路が形成され、ウォータージャケット内を流通する冷却水によってエンジンが冷却されている。ウォータージャケットは、例えばシリンダライナとシリンダブロック外壁の間に、円筒状のシリンダに対しその筒面の外周側を囲うように隣接して円筒軸方向に延設されており、シリンダ外周の略全体を冷却しうる形状をなしている。一般に、このウォータージャケットの配設形状に応じて、シリンダブロックはクローズドデッキ,オープンデッキ及びセミオープンデッキに分類されている。
クローズドデッキとは、ウォータージャケットの上面が完全に閉塞されたもののことを指し、比較的高い剛性が得られやすいという特徴がある。一方、オープンデッキとは、ウォータージャケットの上面がシリンダヘッドに対して開放されたもの(閉塞されていないもの)のことを指し、剛性の面ではクローズドデッキに劣るものの、ウォータージャケットの上部を閉塞する部材がない分、シリンダライナの上部を効率的に冷却できるという特徴がある。
セミオープンデッキは、これらのクローズドデッキ及びオープンデッキのメリットを兼ね備えたものであり、シリンダライナとシリンダブロック外壁とを連結して補強するブリッジを設けて、ウォータージャケットの上部を部分的に閉塞したものである。このような構成により、高い剛性を確保しながらシリンダライナ上部の冷却性を向上させることができるようになっている。
ところで、一般的なエンジンではシリンダブロックの上部側で燃焼が行われるため、シリンダライナにおける温度分布は、シリンダの軸方向に均一ではなく、下部側よりも上部側の方が高温となっている。したがって、ウォータージャケット内を流通する冷却水に要求される冷却能力(例えば冷却水温や流量等)をシリンダで発生する全熱量に基づいて算定したとしても、シリンダ軸方向に冷却ムラが生じてシリンダ筒面の上部側を十分に冷却できないことや、シリンダ筒面の下部側が過冷却されてしまうおそれがある。
このような課題に対し、例えば特許文献1に記載されたような冷却構造が提案されている。すなわち、ウォータージャケットの内部に冷却水の水流や流量を調節するためのウォータージャケットスペーサを取り付けたものである。このような構成により、ウォータージャケット内における冷却水の温度分布を調整することができるようになっている。
特開2004−19473号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ウォータージャケットスペーサを取り付け可能な位置が、セミオープンデッキのシリンダブロックにおけるウォータージャケットの上部が開放された部位の下方のみとなっており、ブリッジによって連結された部位の下方にはウォータージャケットスペーサを取り付けることが困難である。
つまり、ウォータージャケットスペーサを取り付けたい位置にはブリッジを配設することができず、シリンダブロックの設計上の制約が大きいという課題がある。一方、例えばシリンダブロックの剛性のみを考慮してブリッジの配設位置を設計すれば、ウォータージャケットスペーサの取り付け位置が制限され、ウォータージャケット内における冷却性能を十分に向上させることができないおそれがある。
このように、セミオープンデッキのシリンダブロックでは、シリンダブロックの剛性とウォータージャケットスペーサの組付性とを両立させることが難しいという課題がある。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、簡素な構成で、ウォータージャケット内において任意の位置に、容易に取り付けが可能なウォータージャケットスペーサ及びウォータージャケットスペーサの装着方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のウォータージャケットスペーサ(請求項1)は、シリンダの外周における冷却水の流路として該シリンダの周方向へ沿って連設されたウォータージャケットと、該ウォータージャケットの内壁面をなす一側面及び他側面間を該シリンダの径方向へ連結するブリッジと、を有するセミオープンデッキ構造のシリンダブロックに取り付けられるウォータージャケットスペーサであって、該ウォータージャケットの該一側面及び該他側面間に配置すべく面状に形成された板部と、該板部を該ブリッジの下方に吊下すべく該板部の上端部から鉤状に突設形成された鉤部とを備えたことを特徴としている。
本発明のウォータージャケットスペーサ(請求項2)は、該板部の下端部において該板部の幅方向の中央部を鉛直上方向へ切欠いた切欠き部を備えたことを特徴としている。
この場合、該切欠き部が、該ウォータージャケットの底面近傍に突設された凸設部と嵌合することが好ましい(請求項3)。
また、該鉤部が、該板部の上端部との間に該ブリッジのシリンダ軸方向の厚みと略同一の間隙を有して形成されていることが好ましい(請求項4)。
あるいは、該鉤部が、該板部の上端部との間に該ブリッジのシリンダ軸方向の厚みよりも大きい間隙を有して形成されていることが好ましい(請求項5)。
なお、該鉤部が、該ブリッジの上端面と接触する面状に形成された係止部と、該係止部よりもさらに下方へ延出形成された延出部とを有していることが好ましい(請求項6)。
本発明のウォータージャケットスペーサの装着方法(請求項7)は、シリンダの外周における冷却水の流路として該シリンダの周方向へ沿って連設されたウォータージャケットと、該ウォータージャケットの内周面をなす一側面及び他側面間を該シリンダの径方向へ連結するブリッジと、を有するセミオープンデッキ構造のシリンダブロックへのウォータージャケットスペーサの装着方法であって、面状に形成された板部の上端部から鉤状に鉤部を形成し、該鉤部を該ブリッジの上面に係止させて該板部を該ブリッジの下方に吊り下げることを特徴としている。
本発明のウォータージャケットスペーサ及びウォータージャケットスペーサの装着方法(請求項1及び7)によれば、従来、ウォータージャケットスペーサを挿入し難かったブリッジの下方にウォータージャケットスペーサを取り付けることができるため、ウォータージャケットの冷却性能を向上させることができ、エンジンの燃費を向上させることができる。
また、ウォータージャケットスペーサの取り付けや取り外しが容易であり、生産性や整備性を向上させることができる。なお、ウォータージャケットスペーサの取り付け位置によってブリッジの配設位置が制限されなくなるため、容易にシリンダブロックの剛性を確保することができ、シリンダブロックの剛性とウォータージャケットスペーサの組付性とを両立させることができる。
また、本発明のウォータージャケットスペーサ(請求項2)によれば、ウォータージャケットスペーサの外周面に取り付けられるスポンジを切欠き部で折り曲げることで、板部の両面に沿って容易にスポンジをウォータージャケットスペーサに固定することができる。また、ウォータージャケットスペーサの下端部において、スポンジを切欠き部のへこみの内部を通るように取り付けることにより、ウォータージャケットスペーサ下端部からのスポンジの脱離を防止することができる。
また、本発明のウォータージャケットスペーサ(請求項3)によれば、切欠き部と凸設部とを嵌合させることにより、ウォータージャケットスペーサの下端部を固定することができる。
また、本発明のウォータージャケットスペーサ(請求項4)によれば、鉤部と板部の上端部との間にブリッジを挟み込むことができ、容易にウォータージャケットスペーサをウォータージャケット内に固定することができる。
また、本発明のウォータージャケットスペーサ(請求項5)によれば、ウォータージャケットスペーサの取り付け時に、上下方向に遊びを設けることができる。これにより、例えばブリッジの下部に形成される凸設部に対して切欠き部を嵌合させて固定するようなことが容易となる。
また、本発明のウォータージャケットスペーサ(請求項6)によれば、鉤部に延出部が形成されているため、鉤部の水平方向への移動を拘束することができる。これにより、さらに堅固にウォータージャケットスペーサを固定しておくことができる。
以下、図面により、本発明の一実施形態について説明する。図1〜図6は、本発明の一実施形態としてのウォータージャケットスペーサを示すものであり、図1は本スペーサを示す斜視図、図2は本スペーサの構成を示す図であり、(a)はその上面図、(b)はその正面図、(c),(d)はその断面図〔(a),(b)におけるA−A断面図とB−B断面図〕、図3は本スペーサが取り付けられるセミオープンデッキのシリンダブロックの構成を示す斜視図、図4は本スペーサが取り付けられるシリンダブロックの断面図、図5は本スペーサのウォータージャケット内への取り付け状態を示す斜視図、図6は本スペーサの上端部を拡大して示す断面図〔図4のC−C断面図〕である。
[構成]
(1)全体構成
本発明に係るウォータージャケットスペーサ1は、図4に示す水冷式のエンジン20に適用されている。このエンジン20は、シリンダブロック6とその上部側に隣接して取り付けられるシリンダヘッド13とを備えて構成されている。シリンダブロック6とシリンダヘッド13との接合面には、気密性を確保するためのガスケット10が挟装されている。また、シリンダブロック6の下部側には、クランクシャフトを支持するクランクケース(共に図示せず)が設けられている。
シリンダヘッド13には、点火プラグ,吸気通路上に介装された吸気弁及び排気通路上に介装された排気弁が備えられており、一方、シリンダブロック6には、その内周面をピストン14が往復摺動するシリンダボア(気筒,以下単にシリンダと呼ぶ)7が形成されている。このシリンダ7は、外周をシリンダライナ(シリンダ7の筒面をなす壁体)16によって筒状に囲まれた、略円筒形状に形成された孔である。シリンダ7内部において、その上端部及び下端部がそれぞれシリンダヘッド13及びピストン14によって閉塞されて、燃焼室が形成されている。なお、図4中にシリンダ7の円筒軸を符号CLで示す。
このシリンダブロック6には、シリンダ7の外周部に、エンジン20を冷却するための冷却水の流路としてのウォータージャケット8が形成されている。ここでは、ウォータージャケット8がシリンダライナ16の外周を囲うように隣接して円筒軸CL方向に延設されており、シリンダ7外周の略全体を冷却しうる形状をなしている。つまり、ウォータージャケット8は、シリンダライナ16を介してシリンダ7に隣接する冷却水通路として穿孔された空洞として形成されている。シリンダブロック6の上端面からの深さは、図4に示すようにHに設定されている。本ウォータージャケットスペーサ1は、このウォータージャケット8内に内挿されている。
図3にシリンダブロック6及びガスケット10の分解斜視図を示す。本実施形態においては、エンジン20は直列3気筒エンジンが適用されており、このため、シリンダブロック6は、三つのシリンダ7を直列に配置した構造を備えている。各シリンダ7の外周部に沿って形成されたウォータージャケット8は、シリンダの周方向へ沿って一体に連設されている。また、ウォータージャケット8の上端部には、その内壁面をなすシリンダライナ(一側面)16とシリンダブロック外壁(他側面)17とをシリンダ7の径方向へ連結して補強するブリッジ9が形成されている。つまり、シリンダブロック6は、ウォータージャケット8の上端部がブリッジ9によって部分的に連結されたセミオープンデッキとして形成されている。
ブリッジ9は、図3に示すように、その上端面がウォータージャケット8の上端面とともに平滑な同一平面となるように形成されており、その厚み(シリンダ軸方向の厚み)はウォータージャケット8の上端面から鉛直下方へ向けてd4となっている。
シリンダブロック6の上面視におけるブリッジ9の配設位置は、各シリンダ7の円筒軸CLを結んだ仮想線L(図3参照)とウォータージャケット8とが交わる付近、及び、各シリンダ7の円筒軸CLから仮想線Lに垂直な仮想線M(図3参照)とウォータージャケット8とが交わる付近となっている。
ガスケット10は、前述の通り、シリンダブロック6とシリンダヘッド13との接合面の僅かな凹凸や組付誤差を吸収して密封(シール)するための板状の部材である。図3に示すように、このガスケット10の厚みはd3となっている。また、ガスケット10には、シリンダブロック6に形成されたブリッジ9,シリンダ7,ウォータージャケット8及びボルト孔11の配設位置に対応するように、鉤穴10a,シリンダ孔10b,水孔10c及びボルト孔10dが形成されている。
(2)ウォータージャケットスペーサ構成
図1及び図2(a)〜(c)に示すように、本ウォータージャケットスペーサ1は、板部2及び鉤部3からなる骨格部と、スポンジ12とを備えて構成される。
板部2は、ウォータージャケット8の内壁面(シリンダライナ16及びシリンダブロック外壁17)に沿った曲面状に形成された部材である。図2(a)に示すように、その上面視において、円弧形状をなして曲成されており、ウォータージャケット8への内挿時にその内壁面に対して間隙を持つ(接触しない)曲率を備えている。また、図2(b)に示すように、正面視においては略矩形形状に形成されている。なお、板部2は熱伝導性を備えた材質からなり、例えば金属製や熱伝導セラミックスでできている。
板部2の上端部には、鉤状に突設された鉤部3が形成されている。この鉤部3は、図2(b)に示すように、板部2から鉛直上方へ突出するとともに、板部2の上端辺に対して所定の間隙d2を持つように水平方向へ延設されたコの字型形状をなす部位である。以下、鉤部3のうち間隙d2の上辺をなす部位を係止部3aと呼ぶ。
図2(c)に示すように、係止部3aから鉤部3の上端辺までの厚みはd1に設定されており、板部2の上端辺から鉤部3全体の上方への突出長はd1+d2となっている。また、本実施形態では、厚みd1がガスケット10の厚みd3と略同一の大きさに設定され、また、間隙d2がブリッジ9の厚みd4と略同一の大きさに設定されている。
一方、板部2の下端部には、板部2の幅方向の中央部を鉛直上方向へ切欠いてなる切欠き部5が形成されている。この切欠き部5は、図2(b)に示すように、板部2の下端辺においてその左右両端を残したまま中央付近を切除して形成された部位である。
この板部2の下端辺から係止部3aまでの高さは、図2(b)に示すように、h1となっており、h1は前述のウォータージャケット8の深さHよりも短く設定されている。
また、板部2の両板面には整流用のスポンジ12を取り付けるための爪4が取り付けられている。この爪4は、図2(d)に示すように、板面に対して略垂直に立設するとともに板面に対して所定の間隙をなしてその先端部を下方へ屈曲形成された部材である。なお、整流用のスポンジ12とは、ウォータージャケット8内部における冷却水の流速や流量を抑制するために内挿される多孔質材料である。
図1では、一方の板面に取り付けた板状のスポンジ12が、その切欠き部5の内部で折り曲げられて他方の板面へU字状に巻回された状態が示されている。スポンジ12の両板面における上端部はかしめられた爪4によって係止されるようになっている。
[作用]
本ウォータージャケットスペーサ1は上記のように構成されて、以下のようにシリンダブロック6へ装着される。
まず、ウォータージャケット8の内壁面に沿った曲面状に形成された板部2の上端部に鉤状に突設された鉤部3が形成された、上述のウォータージャケットスペーサ1を用意する。板部2の下端部には、切欠き部5が形成されており、このウォータージャケットスペーサ1の切欠き部5の内部でスポンジ12が折り曲げられ、ウォータージャケットスペーサ1の両板面に取り付けられる。スポンジ12の上端部は、爪4をかしめることによって固定される。
続いて、このウォータージャケットスペーサ1が、シリンダブロック6の上方からウォータージャケット8の内部へ挿入される。このとき、ウォータージャケットスペーサ1の挿入位置は、ブリッジ9が掛け渡されていない位置である。また、図5に示すように、ウォータージャケットスペーサ1がシリンダ7の周方向(図5中の矢印D方向)へ水平にスライドされ、ブリッジ9の下方へ位置するように移動させられる。
このとき、鉤部3と板部2との間隙d2は、ブリッジ9の厚みd4と略同一の大きさに設定されているため、係止部3aがブリッジ9の上面に当接し、かつ、板部2の上端辺がブリッジ9の下面に当接することになり、間隙d2にブリッジ9が挟み込まれる。これにより、鉤部3がブリッジ9の上面に係止されてウォータージャケットスペーサ1がブリッジ9の下方に吊り下げられた状態で装着される。
また、板部2の下端辺から係止部3aまでの高さh1は、ウォータージャケット8の深さHよりも短いため、図5に示すように、ウォータージャケットスペーサ1の下部に隙間が形成される。
なお、ウォータージャケットスペーサ1の取り付けが完了すると、シリンダブロック6の上面にガスケット10が敷設されるとともにその上方からシリンダヘッド13が取り付けられてボルトで固定される。このとき、図6に示すように、ウォータージャケットスペーサ1の係止部3aから鉤部3の上端辺までの厚みd1がガスケット10の厚みd3と略同一の大きさに設定されているため、シリンダヘッド13は鉤部3に干渉することなくシリンダブロック6の上部に固定される。
[効果]
このように本ウォータージャケットスペーサ1によれば、従来ウォータージャケットスペーサ1を挿入し難かったブリッジ9の下方にウォータージャケットスペーサ1を取り付けることができる。これにより、ウォータージャケット8の冷却性能を向上させることができ、エンジン20の燃費を向上させることができる。また、水平方向へのスライド移動により、ウォータージャケットスペーサ1の取り付けや取り外しが容易であり、エンジン20の生産性や整備性を向上させることができる。
なお、本実施形態ではブリッジ9の下方にウォータージャケットスペーサ1が取り付けられるものを例示しているが、ブリッジ9のない部位の下方にウォータージャケットスペーサ1を取り付ける場合には、公知の技術を用いればよい。つまり、本発明によりウォータージャケットスペーサ1の取付位置がブリッジ9の配設位置によって制限されなくなる。
例えば、シリンダブロック6の剛性から要求されるブリッジ9の配設位置とウォータージャケットスペーサ1の取り付け位置とを一致させる必要がなくなり、設計時の自由度を高めることができるとともに、容易にシリンダブロック6の剛性とウォータージャケットスペーサ1の組付性とを両立させることができるようになる。
また、鉤部3が板部2の上端辺との間にブリッジ9の厚みd4と略同一の間隙d2を有しているため、ブリッジ9をこの間隙d2に挟み込むことができ、容易にウォータージャケットスペーサ1全体を固定することができる。
また、ウォータージャケットスペーサ1に取り付けられるスポンジ12が切欠き部5の内側で折り曲げられるようになっているため、板部の両面に沿って容易にスポンジ12を取り付けることができる。また、ウォータージャケットスペーサ1の下端部において、スポンジ12を切欠き部5の内部を通るように取り付けることにより、ウォータージャケットスペーサ1の下端部からのスポンジ12の脱離を防止することができる。
さらに、図4に示すように、ウォータージャケットスペーサ1の下部に、ウォータージャケット8の深さHと板部2の下端辺から係止部3aまでの高さh1との差の大きさ分の隙間が形成されるため、ウォータージャケット8内部の底部付近において冷却水の流れを良くすることができる。
[第1変形例]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態では、板部2の上端辺に対する鉤部3の間隙d2がブリッジ9の厚みd4と略同一の大きさに設定されているが、間隙d2を厚みd4よりも大きく設定してもよい。例えば図7(a)に示すように、間隙d2を厚みd4よりもd5だけ大きく形成した場合、ウォータージャケットスペーサ1をブリッジ9の下方へ取り付ける際に、上下方向へd5の遊びが設けられることになり、より取り付けが簡単になる。
なお、このような構成の場合、ブリッジ9は板部2の上端辺に当接しないため、単に係止部3aがブリッジ9の上面に係止された状態となり、ブリッジ9の間隙d2への挟み込みによる固定がなされない。
そこで、ウォータージャケットスペーサ1の全体を固定するために、切欠き部5のへこみに嵌合する凸設部15をウォータージャケット8の底面に設けることが考えられる。例えば図7(b)に示すように、ウォータージャケット8の底面のうち、ブリッジ9の下方であってウォータージャケットスペーサ1の取付位置に対応する位置に切欠き部5の幅と略同一幅の凸設部15を突設形成する。
この場合、切欠き部5と凸設部15との嵌合高さが、遊びd5よりも小さければ、ウォータージャケットスペーサ1の取り付けや取り外しが可能である。ウォータージャケットスペーサ1のウォータージャケット8内への取り付け時には、ブリッジ9の下面と板部2の上端辺とを接触させた状態でウォータージャケットスペーサ1を水平方向へスライド移動させ、その後ウォータージャケットスペーサ1全体を下方へ移動させる。
これにより、鉤部3をブリッジ9の上面に係止することができ、ウォータージャケットスペーサ1をブリッジ9の下方に吊り下げることができる。また同時に、切欠き部5と凸設部15とが嵌合するため、ウォータージャケットスペーサ1の全体を固定することができる。
[第2変形例]
また、例えば図8に示すように、鉤部3の先端に係止部3aよりもさらに下方へ延出形成された延出部3bを設けることも考えられる。この場合、ブリッジ9の上面に係止された係止部3aの図中E方向(ウォータージャケットスペーサ1の板面方向)への移動が延出部3bによって拘束されることになるため、よりしっかりとウォータージャケットスペーサ1を固定しておくことが可能となる。
なおこの場合、延出部3bの下端と板部2の上端辺との間の間隙d6は、ブリッジ9の厚みd4よりも大きければよい。
[第3変形例]
また、上述の実施形態では、鉤部3の厚みd1がガスケット10の厚みd3と略同一の大きさに設定されているが、例えば鉤部3の厚みd1を厚みd3程小さくできないような場合には、鉤部3の厚みd1をガスケット10の厚みd3よりも大きく設定してもよい。この場合、例えば図9に示すように、シリンダヘッド13の鉤部3に対向する位置に、シリンダヘッド13の底面よりも上方へへこんだ凹部13aを形成しておけば、鉤部3とシリンダヘッド13との干渉を回避することができる。
なお、凹部13aのへこみ高さd7は、鉤部3の厚みd1とガスケット10の厚みd3との差の厚みよりも大きく設定すればよい。
[第4変形例]
また、例えば図10に示すように、少なくとも鉤部3が係止されるブリッジ9の上面部分をシリンダブロック6の上端面よりも下方へ凹ませて形成することも考えられる。すなわち、ブリッジ9の上面を凹ませることによって、鉤部3の上端をガスケット10の上端よりも下方に位置させることができ、シリンダヘッド13側に加工を施すことなく、鉤部3とシリンダヘッド13との干渉を防止することができる。
この場合、ブリッジ9の上面のうち、係止部3aと接触する部分のみを凹ませてもよいし、ブリッジ9全体の形成高さを下げてもよい。また、ブリッジ9の上面を凹ませる、あるいは下げる高さd8は、鉤部3の厚みd1とガスケット10の厚みd3との差の厚みよりも大きく設定すればよい。
なお、上記の第3変形例,第4変形例とは逆に、鉤部3の厚みd1をガスケット10の厚みd3よりも小さく設定することも可能である。この場合も、鉤部3とシリンダヘッド13との干渉を回避できることは言うまでもない。
[その他]
上述の実施形態では、円弧状に曲成されスポンジ12を取り付けられたウォータージャケットスペーサ1が例示されているが、板部2の具体的な形状に関してはこれに限定されるものではない。つまり、シリンダブロック6のシリンダライナ16とシリンダブロック外壁17との間に配置しうる面状のものであれば、どのような形状のものであっても適用可能である。
同様に、爪4や切欠き部5についても必須の構成要素ではなく、例えばスポンジ12の取り付け方法や取り付け形状に応じて適宜適用すればよい。
本発明の一実施形態としてのウォータージャケットスペーサ示す斜視図である。 図1のウォータージャケットスペーサの骨格部を示す図であり、(a)はその上面図、(b)はその正面図、(c)は(a),(b)におけるA−A断面図、(d)は(a),(b)におけるB−B断面図である。 図1のウォータージャケットスペーサが取り付けられるセミオープンデッキのシリンダブロックの構成を示す斜視図である。 図1のウォータージャケットスペーサが取り付けられるシリンダブロックの断面図である。 図1のウォータージャケットスペーサのウォータージャケット内への取り付け状態を示す斜視図である。 図1のウォータージャケットスペーサの上端部を拡大して示す断面図〔図4のC−C断面図〕である。 本発明の第1変形例としてのウォータージャケットスペーサを示す図であり、(a)はその上端部を拡大して示す断面図、(b)はその側面図である。 本発明の第2変形例としてのウォータージャケットスペーサの上端部を拡大して示す断面図である。 本発明の第3変形例としてのウォータージャケットスペーサの上端部を拡大して示す断面図である。 本発明の第4変形例としてのウォータージャケットスペーサの上端部を拡大して示す断面図である。
符号の説明
1 ウォータージャケットスペーサ
2 板部
3 鉤部
3a 係止部
3b 延出部
4 爪
5 切欠き部
6 シリンダブロック
7 シリンダ
8 ウォータージャケット
9 ブリッジ
10 ガスケット
10a 鉤孔
10b シリンダ孔
10c 水孔
10d ボルト孔
11 ボルト孔
12 スポンジ
13 シリンダヘッド
13a 凹部
14 ピストン
15 凸設部
16 シリンダライナ
17 シリンダブロック外壁
20 エンジン

Claims (7)

  1. シリンダの外周における冷却水の流路として該シリンダの周方向へ沿って連設されたウォータージャケットと、該ウォータージャケットの内壁面をなす一側面及び他側面間を該シリンダの径方向へ連結するブリッジと、を有するセミオープンデッキ構造のシリンダブロックに取り付けられるウォータージャケットスペーサであって、
    該ウォータージャケットの該一側面及び該他側面間に配置すべく面状に形成された板部と、
    該板部を該ブリッジの下方に吊下すべく該板部の上端部から鉤状に突設形成された鉤部と
    を備えたことを特徴とする、ウォータージャケットスペーサ。
  2. 該板部の下端部において該板部の幅方向の中央部を鉛直上方向へ切欠いた切欠き部
    を備えたことを特徴とする、請求項1記載のウォータージャケットスペーサ。
  3. 該切欠き部が、該ウォータージャケットの底面近傍に突設された凸設部と嵌合する
    ことを特徴とする、請求項2記載のウォータージャケットスペーサ。
  4. 該鉤部が、該板部の上端部との間に該ブリッジのシリンダ軸方向の厚みと略同一の間隙を有して形成されている
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のウォータージャケットスペーサ。
  5. 該鉤部が、該板部の上端部との間に該ブリッジのシリンダ軸方向の厚みよりも大きい間隙を有して形成されている
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のウォータージャケットスペーサ。
  6. 該鉤部が、該ブリッジの上端面と接触する面状に形成された係止部と、該係止部よりもさらに下方へ延出形成された延出部とを有している
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のウォータージャケットスペーサ。
  7. シリンダの外周における冷却水の流路として該シリンダの周方向へ沿って連設されたウォータージャケットと、該ウォータージャケットの内周面をなす一側面及び他側面間を該シリンダの径方向へ連結するブリッジと、を有するセミオープンデッキ構造のシリンダブロックへのウォータージャケットスペーサの装着方法であって、
    面状に形成された板部の上端部から鉤状に鉤部を形成し、
    該鉤部を該ブリッジの上面に係止させて該板部を該ブリッジの下方に吊り下げる
    ことを特徴とする、ウォータージャケットスペーサの装着方法。
JP2006074337A 2006-03-17 2006-03-17 ウォータージャケットスペーサ及びウォータージャケットスペーサの装着方法 Pending JP2007247590A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006074337A JP2007247590A (ja) 2006-03-17 2006-03-17 ウォータージャケットスペーサ及びウォータージャケットスペーサの装着方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006074337A JP2007247590A (ja) 2006-03-17 2006-03-17 ウォータージャケットスペーサ及びウォータージャケットスペーサの装着方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007247590A true JP2007247590A (ja) 2007-09-27

Family

ID=38592138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006074337A Pending JP2007247590A (ja) 2006-03-17 2006-03-17 ウォータージャケットスペーサ及びウォータージャケットスペーサの装着方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007247590A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012036745A (ja) * 2010-08-03 2012-02-23 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の冷却通路構造
JP2012036743A (ja) * 2010-08-03 2012-02-23 Honda Motor Co Ltd スペーサ
JP2015075065A (ja) * 2013-10-11 2015-04-20 内山工業株式会社 ウォータジャケットスペーサの製造方法
JP2016008573A (ja) * 2014-06-25 2016-01-18 内山工業株式会社 ウォータジャケットスペーサ
WO2016104478A1 (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 内山工業株式会社 規制部材
WO2017078117A1 (ja) * 2015-11-05 2017-05-11 ニチアス株式会社 シリンダボア壁の保温具、内燃機関及び自動車
JP2019007398A (ja) * 2017-06-23 2019-01-17 内山工業株式会社 スペーサ
US11988131B1 (en) 2022-10-31 2024-05-21 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Engine

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5916541U (ja) * 1982-03-30 1984-02-01 デコマテイツク 洋服等の保護ケ−ス
JPH0613482U (ja) * 1992-08-03 1994-02-22 エステー化学株式会社 防虫材
JP2004019473A (ja) * 2002-06-12 2004-01-22 Toyota Motor Corp シリンダブロックおよびスペーサ
JP2004019472A (ja) * 2002-06-12 2004-01-22 Toyota Motor Corp シリンダブロック用スペーサ及びシリンダブロック

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5916541U (ja) * 1982-03-30 1984-02-01 デコマテイツク 洋服等の保護ケ−ス
JPH0613482U (ja) * 1992-08-03 1994-02-22 エステー化学株式会社 防虫材
JP2004019473A (ja) * 2002-06-12 2004-01-22 Toyota Motor Corp シリンダブロックおよびスペーサ
JP2004019472A (ja) * 2002-06-12 2004-01-22 Toyota Motor Corp シリンダブロック用スペーサ及びシリンダブロック

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012036745A (ja) * 2010-08-03 2012-02-23 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の冷却通路構造
JP2012036743A (ja) * 2010-08-03 2012-02-23 Honda Motor Co Ltd スペーサ
JP2015075065A (ja) * 2013-10-11 2015-04-20 内山工業株式会社 ウォータジャケットスペーサの製造方法
JP2016008573A (ja) * 2014-06-25 2016-01-18 内山工業株式会社 ウォータジャケットスペーサ
WO2016104478A1 (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 内山工業株式会社 規制部材
JPWO2016104478A1 (ja) * 2014-12-22 2017-04-27 内山工業株式会社 規制部材
US10247084B2 (en) 2014-12-22 2019-04-02 Uchiyama Manufacturing Corp. Regulating member
WO2017078117A1 (ja) * 2015-11-05 2017-05-11 ニチアス株式会社 シリンダボア壁の保温具、内燃機関及び自動車
JP2017089435A (ja) * 2015-11-05 2017-05-25 ニチアス株式会社 シリンダボア壁の保温具、内燃機関及び自動車
US10662873B2 (en) 2015-11-05 2020-05-26 Nichias Corporation Cylinder bore wall heat insulation device, internal combustion engine, and automobile
JP2019007398A (ja) * 2017-06-23 2019-01-17 内山工業株式会社 スペーサ
US11988131B1 (en) 2022-10-31 2024-05-21 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Engine

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007247590A (ja) ウォータージャケットスペーサ及びウォータージャケットスペーサの装着方法
JP2006057470A (ja) エンジンのシリンダブロック
JP5468476B2 (ja) シリンダボア壁の保温構造体及び内燃機関
JP2007315196A (ja) ウォータジャケットスペーサ
JP2010159703A (ja) シリンダヘッドの冷却構造
JP2016075192A (ja) シリンダーヘッド
JP2005264765A (ja) エンジンのシリンダヘッド構造
JP4591482B2 (ja) 内燃機関
JP4262756B2 (ja) 多気筒エンジン
JP2007120506A5 (ja)
JP2001234807A (ja) シリンダヘッド
JP2006266184A (ja) エンジンブロック構造
JP4609314B2 (ja) 排気マニホールドの遮熱構造
JP5118729B2 (ja) 内燃機関の冷却通路構造
JP2006097579A (ja) 内燃機関のシリンダヘッド
JP6225505B2 (ja) シリンダヘッド
JP2005194967A (ja) シリンダブロックの冷却構造
CN214787723U (zh) 一种发动机气缸盖的冷却结构及车辆
JP2006144664A (ja) V型エンジンの主軸受構造
JP6687986B2 (ja) シリンダブロックおよびこれを備える内燃機関
JP2007009743A (ja) 水冷式エンジンの冷却構造
JP2007023824A (ja) シリンダブロック冷却構造及びその形成方法
JP2000170600A (ja) シリンダヘッド冷却構造
JPH0134664Y2 (ja)
JP2006002590A (ja) 内燃機関のシリンダブロック

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090831

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20091208

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20100204

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100302

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100428

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100615