JP2007244463A - ミシンの布保持枠移送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 布保持枠の移動をアシストする適当なアシスト力を適当な方向に出力して、縫製作業者の意志に基づいて布保持枠を自由に且つ円滑に且つ適正に移送することができる、ミシンの布保持枠移送装置を提供する。
【解決手段】 縫製作業者が手動操作によりキャリッジ19に装着された布保持枠6を移動させようとして、布保持枠6に外力を加えた場合に、前記外力による布保持枠6の移動をアシストする適当なアシスト力を適当な方向に出力し、縫製作業者の意志に基づいて布保持枠6を自由に且つ円滑に且つ適正に移送する。
【選択図】 図6
【解決手段】 縫製作業者が手動操作によりキャリッジ19に装着された布保持枠6を移動させようとして、布保持枠6に外力を加えた場合に、前記外力による布保持枠6の移動をアシストする適当なアシスト力を適当な方向に出力し、縫製作業者の意志に基づいて布保持枠6を自由に且つ円滑に且つ適正に移送する。
【選択図】 図6
Description
本発明は、布保持枠に縫製作業者から外力が加えられた場合に、その外力による布保持枠の移動をアシストするミシンの布保持枠移送装置に関するものである。
従来、刺繍ミシンは、縫針を下端部に装着した針棒を昇降駆動する針棒昇降機構と、回転釜を有する糸捕捉機構と、加工布を縫製可能に保持する布保持枠と、布保持枠を水平に支持して移送する布保持枠移送装置を備え、これら針棒昇降機構と糸捕捉機構と布保持枠移送装置等の協動により、布保持枠に保持された加工布に刺繍模様が縫製される(例えば、特許文献1参照)。
布保持枠移送装置は、布保持枠が着脱自在に装着されるキャリッジと、このキャリッジを水平面内で交差する2方向に夫々移動駆動する送りモータを有するキャリッジ駆動機構を備え、送りモータとしてはステッピングモータやDCサーボモータが適用される。また、この送りモータの制御用に変位量を検出するロータリーエンコーダも備えているものもある。
刺繍ミシンでは、縫製作業者が制御装置に対して所望の刺繍模様を指定して、布保持枠をキャリッジに装着した状態で縫製開始スイッチをオンすると、制御装置により、針棒昇降機構と糸捕捉機構(ミシンモータ)が駆動制御されるとともに、キャリッジ駆動機構(送りモータ)が駆動制御されて、布保持枠移送装置により布保持枠が自動的に移送され、指定した刺繍模様が加工布に自動的に縫製される。
この場合、布保持枠移送装置では、制御装置が、指定した刺繍模様の複数の針落ち点を規定する刺繍データを読み込んで、その刺繍データに基づいて、縫針が加工布よりも上方にある針上区間において、縫針が加工布上の次の針落ち点へ針落ち可能な位置に加工布を移動させるように、キャリッジ駆動機構を駆動制御する。
一方、キャリッジとキャリッジ駆動機構を含む刺繍機をミシンベッド部に着脱可能に装着して、前記のように布保持枠を水平に支持して自動的に移送し、加工布に刺繍模様を縫製できる刺繍縫製モードと、刺繍機を取り外して、加工布自体を針板に沿って移送し、その加工布にサテン模様等の通常模様を縫製できる通常縫製モードとに切り換え可能なミシンが実用に供されている(例えば、特許文献2参照)。
この種のミシンでは、通常縫製モードに切り換えられた状態で、一般的なミシンのように、加工布が押え足により針板に押えられて送り歯により一定方向に送られ、その際に、縫製作業者が加工布に手を添えて加工布の向きを変えて、加工布に対する通常模様の縫目方向を変えることができる。送り歯による加工布の送り量(縫目ピッチ)については縫製前や縫製中に操作して設定することができ、縫製速度については縫製速度ツマミやフットコントローラ等を操作して調節することができる。
特許文献1のような刺繍専用のミシンでは、刺繍模様の刺繍データにより縫製を行うように構成されているため、縫製作業者が加工布を針板に沿って移送し、その加工布に適当な縫目ピッチで縫目方向を自由に変えて縫製する、所謂フリーモーションキルトのような縫製を行うことはできない。
特許文献2のようなミシンでは、刺繍機を取り外して通常縫製モードに切り換えると、通常模様を適当な縫目ピッチで縫目方向を変えて縫製できるが、通常縫製モードと刺繍縫製モードとの切り換えのために、刺繍機を着脱する作業が必要になるため作業が繁雑で不便である。そこで、特許文献1,2のような刺繍縫製が可能なミシンにおいて、縫製の際に、キャリッジ駆動機構を非作動状態にして、縫製作業者が手動操作によりキャリッジに装着された布保持枠に外力を加えて、布保持枠を自由に移動させて縫製を行うことが考えられる。
しかし、キャリッジとキャリッジ駆動機構の送りモータとは連動連結されているため、送りモータへの通電を停止してキャリッジ駆動機構を非作動状態にしても、送りモータに働くディテントトルクやキャリッジ駆動機構の負荷に抗してキャリッジを移動させなければならない。このため、キャリッジに装着された布保持枠を移動させるためには、大きな外力が必要であり、布保持枠を所望の方向に円滑に移動させることは困難である。つまり、布保持枠に保持された加工布に適当な縫目ピッチで縫目方向を自由に変えて縫製することは困難であり、実用性が乏しい。
尚、一般的なミシンでは、加工布が押え足により針板に押えられて送り歯により送られるため、縫製中に加工布の向きを円滑に変えて、通常模様の縫目方向を望み通り変えることは初心者には難しいという問題があり、また、送り歯による加工布の送り量(縫目ピッチ)を縫製前や縫製中に操作して設定すること、縫製速度を縫製速度ツマミやフットコントローラ等を操作して調節すること、等も初心者には操作が多くなって不便な場合もある。
本発明の目的は、縫製作業者が手動操作によりキャリッジに装着された布保持枠を移動させようとして、布保持枠に外力を加えた場合に、その外力による布保持枠の移動をアシストする適当なアシスト力を適当な方向に出力して、縫製作業者の意志に基づいて布保持枠を自由に且つ円滑に且つ適正に移送し、布保持枠に保持された加工布に所望の通常模様を簡単確実に縫製可能にすること、刺繍縫製可能なミシンに適用して、不便な作業を要することなく、刺繍模様を縫製でき且つ上記のように通常模様も容易に縫製可能にすること、構成を簡単化すること、利便性を良くすること、等である。
請求項1のミシンの布保持枠移送装置は、加工布を保持する布保持枠が着脱自在に装着されるキャリッジと、このキャリッジを水平面内で交差する2方向に夫々移動駆動するアクチュエータを有するキャリッジ駆動機構とを備えたミシンの布保持枠移送装置において、前記キャリッジに装着された前記布保持枠に縫製作業者から加えられた外力を間接的又は直接的に検出する外力検出手段と、前記外力による布保持枠の移動をアシストする為のアシスト力を出力するアシスト力出力手段と、前記外力検出手段で検出された前記外力に基づいて前記アシスト力出力手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
この布保持枠移送装置は、加工布を保持する布保持枠が着脱自在に装着されるキャリッジと、このキャリッジを水平面内で交差する2方向に夫々移動駆動するアクチュエータを有するキャリッジ駆動機構とを備えたものである。従って、この布保持枠移送装置を備えたミシンでは、加工布に刺繍模様を縫製することが可能であり、言い換えれば、刺繍縫製が可能なミシンに、本発明の布保持枠移送装置を適用することができる。
この布保持枠移送装置では、外力検出手段により、キャリッジに装着された布保持枠に縫製作業者から加えられた外力が間接的又は直接的に検出される。例えば、外力検出手段は、キャリッジ駆動機構又はキャリッジ又は布保持枠又はこれら何れかの近傍に設けられ、前記外力の大きさと方向が検出され、制御手段によるアシスト力出力手段の制御に反映される。例えば、前記外力を間接的に検出する外力検出手段として、前記外力によるキャリッジ駆動機構の変位量を検出するもの(例えば、キャリッジ駆動機構の回転軸の変位角を検出するロータリーエンコーダ)を適用してもよいし、前記外力を直接的に検出する外力検出手段として、布保持枠に加えられた圧力を検出するもの(例えば、キャリッジと布保持枠との連結部に設けられた圧力センサ)を適用してもよい。
制御手段により、外力検出手段で間接的又は直接的に検出された外力に基づいてアシスト力出力手段が制御され、このアシスト力出力手段により、前記外力による布保持枠の移動をアシストする為のアシスト力が出力される。つまり、縫製作業者が手動操作によりキャリッジに装着された布保持枠を移動させようとして、布保持枠に外力を加えた場合に、その外力の大きさや方向に応じて、前記外力による布保持枠の移動をアシストとする適当なアシスト力が適当な方向に出力され、縫製作業者の意志に基づいて布保持枠を自由に且つ円滑に且つ適正に移送することが可能になる。
請求項1の発明には次の構成を採用可能である。
前記制御手段は、前記外力検出手段で検出された前記外力の大きさが所定のしきい値以上の場合に、前記アシスト力出力手段を作動させる(請求項2)。前記制御手段は、前記外力検出手段で検出された前記外力の方向に前記アシスト力を出力させるように、前記アシスト力出力手段を作動させる(請求項3)。
前記制御手段は、前記外力検出手段で検出された前記外力の大きさが所定のしきい値以上の場合に、前記アシスト力出力手段を作動させる(請求項2)。前記制御手段は、前記外力検出手段で検出された前記外力の方向に前記アシスト力を出力させるように、前記アシスト力出力手段を作動させる(請求項3)。
前記外力検出手段は、前記キャリッジ駆動機構の第1方向移動用のアクチュエータと第2方向移動用のアクチュエータの変位量を夫々検出する第1方向変位センサと第2方向変位センサからなる(請求項4)。前記アシスト力出力手段が、前記キャリッジ駆動機構と兼用される前記第1方向移動用のアクチュエータと前記第2方向移動用のアクチュエータを有する(請求項5)。前記第1方向移動用のアクチュエータと前記第2方向移動用のアクチュエータが夫々ステッピングモータであり、前記第1方向変位センサと前記第2方向変位センサが夫々ロータリーエンコーダである(請求項6)。
前記アシスト力出力手段が前記キャリッジ駆動機構からなり、前記制御手段は、前記外力検出手段で検出された前記外力の方向に前記布保持枠を移動駆動するように前記キャリッジ駆動機構を制御する(請求項7)。縫針を装着した針棒の上下方向の位置を検出する針棒位置検出手段を備え、前記制御手段は、前記針棒位置検出手段で検出された前記針棒の上下方向の位置に基づいて、前記縫針が前記加工布よりも上方にある針上区間でのみ前記アシスト力出力手段を作動させる(請求項8)。前記制御手段は、前記縫針が前記加工布に刺さっている針下区間のときに前記外力検出手段で検出された前記外力に基づいて、前記アシスト力出力手段を制御する(請求項9)。
前記制御手段は、前記外力検出手段で検出された前記外力の大きさに応じて前記布保持枠の移動量を変化させるように、前記キャリッジ駆動機構を制御する(請求項10)。前記制御手段は、前記外力検出手段で検出された前記外力の大きさに関わらず前記布保持枠の移動量を一定とするように、前記キャリッジ駆動機構を制御する(請求項11)。
前記制御手段は、前記外力検出手段で検出された前記外力の大きさに応じて、縫針を装着した針棒を昇降駆動するミシンモータを制御する(請求項12)。前記制御手段は、前記外力検出手段で検出された前記外力の方向を主方向とし、その主方向に予め設定された所定の縫い目を形成するように前記アシスト力を出力するように、前記アシスト力出力手段を作動させる(請求項13)。
請求項1のミシンの発明によれば、キャリッジに装着された布保持枠に縫製作業者から加えられた外力を間接的又は直接的に検出する外力検出手段、前記外力による布保持枠の移動をアシストする為のアシスト力を出力するアシスト力出力手段、外力検出手段で検出された外力に基づいてアシスト力出力手段を制御する制御手段を備えた。従って、縫製作業者が手動操作によりキャリッジに装着された布保持枠を移動させようとして、布保持枠に外力を加えた場合に、前記外力による布保持枠の移動をアシストする適当なアシスト力を適当な方向に出力して、縫製作業者の意志に基づいて布保持枠を自由に且つ円滑に且つ適正に移送し、布保持枠に保持された加工布に所望の通常模様を簡単確実に縫製することが可能になり、所謂フリーモーションキルト縫製が可能になる。しかも、この布保持枠移送装置を備えたミシンでは、加工布に刺繍模様を縫製可能であり、故に、刺繍縫製が可能なミシンに本発明の布保持枠移送装置を適用して、不便な作業を要することなく、刺繍模様を縫製でき且つ上記のように通常模様も容易に縫製することが可能になる。
請求項2の発明によれば、制御手段は、外力検出手段で検出された外力の大きさが所定のしきい値以上の場合に、アシスト力出力手段を作動させるので、縫製作業者が布保持枠を移動させようとした場合にのみ、アシスト力出力手段を作動させることができる。
請求項3の発明によれば、制御手段は、外力検出手段で検出された外力の方向にアシスト力を出力させるように、アシスト力出力手段を作動させるので、縫製作業者が布保持枠を移動させようとする方向にアシスト力を確実に出力できる。
請求項4の発明によれば、外力検出手段は、キャリッジ駆動機構の第1方向移動用のアクチュエータと第2方向移動用のアクチュエータの変位量を夫々検出する第1方向変位センサと第2方向変位センサからなるので、縫製作業者が布保持枠に外力を加えると、その外力はキャリッジを介してキャリッジ駆動機構に伝達されるが、その外力によるキャリッジ駆動機構の第1方向移動用のアクチュエータと第2方向移動用のアクチュエータの変位量で以て前記外力を間接的に確実に検出することができる。
請求項5の発明によれば、アシスト力出力手段が、キャリッジ駆動機構と兼用される第1方向移動用のアクチュエータと第2方向移動用のアクチュエータを有するので、全体構成を簡単化でき低コスト化を図ることができる。
請求項6の発明によれば、第1方向移動用のアクチュエータと第2方向移動用のアクチュエータが夫々ステッピングモータであり、第1方向変位センサと第2方向変位センサが夫々ロータリーエンコーダであるので、前記外力によるステッピングモータの変位量(変位角)を確実に検出することができ、また、ステッピングモータの制御用のロータリーエンコーダを変位センサとして利用することで、全体構成を簡単化できる。
請求項7の発明によれば、アシスト力出力手段がキャリッジ駆動機構からなり、制御手段は、外力検出手段で検出された外力の方向に布保持枠を移動駆動するようにキャリッジ駆動機構を制御するので、縫製作業者が布保持枠を移動させようとする方向に布保持枠を移動駆動し、つまり、縫製作業者が布保持枠を移動させようとする方向にアシスト力を確実に出力でき、しかも、全体構成を簡単化でき低コスト化を図ることができる。
請求項8の発明によれば、縫針を装着した針棒の上下方向の位置を検出する針棒位置検出手段を備え、制御手段は、針棒位置検出手段で検出された針棒の上下方向の位置に基づいて、縫針が加工布よりも上方にある針上区間でのみアシスト力出力手段を作動させるので、縫針が加工布に刺さっている針下区間で布保持枠を移動させないようにして、縫針の折損や加工布の損傷を防止することができる。
請求項9の発明によれば、制御手段は、縫針が加工布に刺さっている針下区間のときに外力検出手段で検出された外力に基づいて、アシスト力出力手段を制御するので、針上区間ではアシスト力の出力により前記外力を正確に検出することが難しい場合を想定して、針下区間で前記外力を正確に検出し、その検出された外力を制御手段によるアシスト力出力手段の制御に反映させることができる。
請求項10の発明によれば、制御手段は、外力検出手段で検出された外力の大きさに応じて布保持枠の移動量を変化させるように、キャリッジ駆動機構を制御するので、縫製の際に、縫製作業者が布保持枠に加える外力の大きさを変化させて、布保持枠の移動量、つまり加工布に形成される縫目ピッチを変化させることができ、利便性が良くなる。
請求項11の発明によれば、制御手段は、外力検出手段で検出された外力の大きさに関わらず布保持枠の移動量を一定とするように、キャリッジ駆動機構を制御するので、加工布に一定の縫目ピッチの縫目を確実に形成することができる。
請求項12の発明によれば、制御手段は、外力検出手段で検出された外力の大きさに応じて、縫針を装着した針棒を昇降駆動するミシンモータを制御するので、縫製の際に、縫製作業者が布保持枠に加える外力の大きさを変化させて、針棒の昇降速度、つまり縫製速度を変化させることができ、利便性が良くなる。
請求項13の発明によれば、制御手段は、外力検出手段で検出された外力の方向を主方向とし、その主方向に予め設定された所定の縫い目を形成するようにアシスト力を出力するように、アシスト力出力手段を作動させるので、縫製作業者は、縫目を形成しようとする方向へ布保持枠を移動させるように外力を加えると、その方向(外力の方向)を主方向として、その主方向に所定の縫い目を容易に形成することが可能になる。
本発明のミシンの布保持枠移送装置は、加工布を保持する布保持枠が着脱自在に装着されるキャリッジと、このキャリッジを水平面内で交差する2方向に夫々移動駆動するアクチュエータを有するキャリッジ駆動機構と、キャリッジに装着された布保持枠に縫製作業者から加えられた外力を間接的又は直接的に検出する外力検出手段と、前記外力による布保持枠の移動をアシストする為のアシスト力を出力するアシスト力出力手段と、外力検出手段で検出された外力に基づいてアシスト力出力手段を制御する制御手段を備えている。
図1〜図3に示すように、多針ミシンMは、左右二股状の支持脚1と、この支持脚1の後端部から立設された脚柱部2と、脚柱部2の上端部から前方に延びるアーム部3と、アーム部3の先端部に左右方向へ移動可能に装着された針棒ケース4と、脚柱部2の下端部から前方に延びるシリンダベッド部5と、加工布を着脱自在に保持する布保持枠6と、布保持枠6をシリンダベッド部5の上側において水平に支持して移送する布保持枠移送装置7と、縫製作業者が種々の操作を行う為のディスプレイ8aとタッチパネル8bを有する操作パネル8と、多針ミシンMの制御全般を司る制御装置9を備えている。
図1に示すように、針棒ケース4には、縫針10を夫々下端部に装着した6本の針棒11と、これら針棒11と対応する6個の天秤12とが夫々左右方向に並設状に装着され、針棒ケース4の上端部分には、アーム部3の前半部上側へ張り出す糸調子台13が設けられ、この糸調子台13に6個の糸調子器14が装着されている。アーム部3の後半部に糸駒台15が載置状に設けられ、その糸駒台15の上側に糸案内バー15aが配設されている。糸駒台15には6個の糸駒を立ててセット可能であり、セットされた各糸駒から延びる上糸が糸案内バー15aと糸調子器14と天秤12等を経由して縫針10に供給される。
脚柱部2にはミシンモータ16(図3参照)が配設され、アーム部3には、ミシンモータ16により主軸を介して駆動される針棒昇降機構及び天秤揺動機構と、針棒ケース4を左右方向に移動させて、6本の針棒11と6個の天秤12のうちから対応する1本の針棒11と1個の天秤12を択一的に使用位置へ切り換える針棒ケースモータ17(図3参照)を有する針棒天秤切換機構が設けられている。
この針棒天秤切換機構により使用位置に切り換えられた1本の針棒11のみが針棒昇降機構により昇降駆動され、また、使用位置に切り換えられた1個の天秤12のみが天秤揺動機構により上下に揺動駆動される。シリンダベッド部5にはミシンモータ16により駆動される回転釜を有する糸捕捉機構が設けられ、この糸捕捉機構と昇降される縫針10等の協動により、シリンダベッド部5上の加工布に縫目が形成される。
布保持枠移送装置7について説明する。
図1〜図3に示すように、布保持枠移送装置7は、布保持枠6が枠ホルダー18を介して着脱自在に装着されるキャリッジ19と、キャリッジ19をX方向(第1方向である左右方向)に移動駆動するXキャリッジ駆動機構20と、キャリッジ19をY方向(第2方向である前後方向)に移動駆動するYキャリッジ駆動機構30とを備えている。
図1〜図3に示すように、布保持枠移送装置7は、布保持枠6が枠ホルダー18を介して着脱自在に装着されるキャリッジ19と、キャリッジ19をX方向(第1方向である左右方向)に移動駆動するXキャリッジ駆動機構20と、キャリッジ19をY方向(第2方向である前後方向)に移動駆動するYキャリッジ駆動機構30とを備えている。
Xキャリッジ駆動機構20は、支持脚1の上側に配設された左右方向に細長い下端開放状に可動ケース21の内部に収容されて、キャリッジ19を直接支持してX方向へ移動駆動するように構成されている。このXキャリッジ駆動機構20は、キャリッジ19をX方向へ移動自在にガイド支持するガイド部22と、ステッピングモータからなるXモータ23(第1方向移動用のアクチュエータ23)と、Xモータ23の駆動力をキャリッジ19に伝達する無端状のタイミングベルト24を備えている。タイミングベルト24は2個のピニオン25,26に掛装され且つキャリッジ19に連結され、ピニオン25がXモータ23により回転駆動される。
Yキャリッジ駆動機構30は、支持脚1の内部に収容されて、キャリッジ19と共にXキャリッジ駆動機構20及び可動ケース21を支持してY方向へ移動駆動するように構成されている。このYキャリッジ駆動機構30は、Xキャリッジ駆動機構20のフレームから下方へ延びる左右1対の脚部20aをガイド支持する1対のガイド部と、ステッピングモータからなるYモータ31(第2方向移動用のアクチュエータ31)と、Yモータ31の駆動力を1対の脚部20aに伝達する1対の無端状のタイミングベルト等を備えている。1対のタイミングベルトは夫々2個のピニオンに掛装され且つ1対の脚部20aに連結され、各対一方のピニオンがYモータ31により回転駆動される。
ここで、図3に示すように、ミシンモータ16により回転駆動される主軸の位相角を検出する主軸位相角検出センサ40が、主軸又はミシンモータ16に付随して設けられ、この主軸位相角検出センサ40は、例えば、主軸の基準位置を検出可能な第1のエンコーダと、主軸の変位角を所定角度(例えば、0.5度)毎に検出可能な第2のエンコーダとを有し、針棒11の上下方向の位置を検出する針棒位置検出手段に相当する。
また、Xモータ23の変位量(変位角)を所定角度(例えば、0.5度)毎に検出可能なXロータリーエンコーダ41(第1方向変位センサ)が、Xモータ23に付随して設けられ、Yモータ31の変位量(変位角)を所定角度(例えば、0.5度)毎に検出可能なYロータリーエンコーダ42(第2方向変位センサ)が、Yモータ31に付随して設けられている。尚、ロータリーエンコーダ41,42は、夫々、X,Yモータ23,31の駆動軸に固定されて周方向微少間隔に複数本のスリットが放射状に形成されたディスクと、このディスクを挟んで発光部と受光部とを有する光学検出器を備えたものである。
更に、キャリッジ19のX方向の原点位置を検出するXキャリッジ原点位置検出センサ43が、可動ケース21の内部に設けられ、キャリッジ19のY方向の原点位置を脚部20aの位置で以て検出するYキャリッジ原点位置検出センサ44が、支持脚1の内部に設けられ、例えば、これらX,Yキャリッジ原点位置検出センサ44,45は、夫々、キャリッジ19と脚部20aに取り付けられた被検出部を検出する近接スイッチからなる。
布保持枠移送装置7を含む多針ミシンMの制御系について説明する。
図3に示すように、先ず、この布保持枠移送装置7は、操作パネル8、制御装置9、Xモータ23、Yモータ31、主軸位相角検出センサ40、Xロータリーエンコーダ41、Yロータリーエンコーダ42、Xキャリッジ原点位置検出センサ43、Yキャリッジ原点位置検出センサ44、フットコントローラ45を備えている。
図3に示すように、先ず、この布保持枠移送装置7は、操作パネル8、制御装置9、Xモータ23、Yモータ31、主軸位相角検出センサ40、Xロータリーエンコーダ41、Yロータリーエンコーダ42、Xキャリッジ原点位置検出センサ43、Yキャリッジ原点位置検出センサ44、フットコントローラ45を備えている。
制御装置9は、CPU9aとROM9bとRAM9cとバス9dを含むコンピュータと、このコンピュータに各種の信号を入出力する入出力インターフェース9e(I/O9e)とを有し、このI/O9eに、前記操作パネル8(ディスプレイ8aとタッチパネル8b)とフットコントローラ45、前記モータ16,17,23,31を夫々駆動する駆動回路16a,17a,23a,31a、前記センサ類40〜44が電気的に接続され、制御装置9は、タッチパネル8b、センサ類40〜44から受ける信号に基づいて、ディスプレイ8a、モータ16,17,23,31を制御する。
ROM42には、キャリッジ19に装着された布保持枠6を自動的に移送して、布保持枠6に保持された加工布に刺繍模様を縫製する刺繍模様縫製制御、キャリッジ19に装着された布保持枠6を縫製作業者が手動操作により移送して、布保持枠6に保持された加工布に通常模様を縫製する通常模様縫製制御、等を実行可能にする一連の制御プログラムが格納されている。
特に、制御装置9が実行する通常模様縫製制御では、縫製作業者が手動操作によりキャリッジ19に装着された布保持枠6を移動させようとして布保持枠6に外力を加えた場合に、外力検出手段としてのX,Yロータリーエンコーダ41,42により、X,Yモータ23,31の変位量が検出されて、キャリッジ19に装着された布保持枠6に縫製作業者から加えられた外力が間接的に検出され、その外力に基づいてアシスト力出力手段としてのX,Yキャリッジ駆動機構20,30(X,Yモータ23,31)が制御され、前記外力による布保持枠6の移動をアシストする為のアシスト力を出力する。
この場合、制御装置9は、縫針10が布保持枠6に保持された加工布よりも上方にある針上区間で検出された外力の大きさが所定のしきい値以上の場合に、その針上区間でのみ、前記外力の方向にアシスト力を出力させ、前記外力の大きさに応じて布保持枠6の移動量を変化させるように、X,Yキャリッジ駆動機構20,30を制御して作動させる。
次に、制御装置9が実行する一連の制御について、図4〜図6のフローチャート(尚、図中のSi(i=1,2,3・・・)は各ステップを示す)に基づいて説明する。
図4に示すように、この制御が開始されると、初期設定(S1)の後、縫製モードが刺繍模様縫製モードであるか通常模様縫製モードであるか判定され(S2、S3)、その何れのモードでもない場合(S2;No、S3;No)、リターンする。縫製モードについては、縫製作業者が操作パネル8を用いて設定することができる。
図4に示すように、この制御が開始されると、初期設定(S1)の後、縫製モードが刺繍模様縫製モードであるか通常模様縫製モードであるか判定され(S2、S3)、その何れのモードでもない場合(S2;No、S3;No)、リターンする。縫製モードについては、縫製作業者が操作パネル8を用いて設定することができる。
刺繍模様縫製モードである場合(S2;Yes )、刺繍模様縫製前設定処理(S4)において、縫製作業者が操作パネル8を用いて制御装置9に対して所望の刺繍模様を設定し、必要に応じて、刺繍模様のサイズや各模様部の色の変更等の編集を行うことができ、縫製速度等の縫製条件を設定することができる。
その後、縫製作業者の操作により縫製開始が指示されると、刺繍模様縫製制御(S5)が実行されて、S4で設定された刺繍模様の複数の針落ち点と各模様部の色を規定する刺繍データが読み込まれ、この刺繍データに基づいて、モータ16,17,23,31が制御されて刺繍縫製が行われ、キャリッジ19に装着された布保持枠6が自動的に移送され、縫製中に適宜針棒が切り換えられて糸色が変更され、布保持枠6に保持された加工布に設定された刺繍模様が自動的に縫製される。
一方、通常模様縫製モードである場合(S2;No、S3;Yes )、通常模様縫製前設定処理(S6)において、縫製作業者が操作パネル8を用いて制御装置9に対して所望の通常模様の種類と縫目ピッチを設定することができる。但し、この実施例1では、通常模様の種類として直線模様が設定され、縫目ピッチについては設定されないものとする。その後、通常模様縫製制御(S7)が実行される。
図5に示すように、この通常模様縫製制御が開始されると、先ず、フットコントローラ45の踏込量が検出されて、その踏込量が規定値以上の場合(S10;Yes )、その踏込量に応じた主軸回転速度が設定され(S11)、その主軸回転速度となるようにミシンモータ16が駆動制御される。
S11の後、或いは、S10;Noの場合、次に、主軸位相角検出センサ40から受ける信号に基づいて、縫針10が布保持枠6に保持された加工布よりも上方にある針上区間であると判定された場合(S12;Yes )、送り制御(S13)が実行され、S13の後、或いは、S12;Noの場合、次に、縫製終了が指示された場合(S14;Yes )、リターンし、縫製終了が指示されない場合(S14;No)、S10へ再度移行する。
図6に示すように、S13の送り制御が開始されると、先ず、Xモータ23のXモータ位相角「XM」と、Xエンコーダ角「XE」が読み込まれ(S20)、これらXMとXEの差であるX変位量「ΔX←XE−XM」が算出され(S21)、同様に、Yモータ31のYモータ位相角「YM」と、Yエンコーダ角「YE」が読み込まれ(S22)、これらYMとYEの差であるY変位量「ΔY←YE−YM」が算出され(S23)、その後、XY合成変位量「ΔXY←(ΔX2+ΔY2)1/2」が算出される(S24)。
ここで、XM,XEは縫製開始の際にキャリッジ19がX方向原点位置のときにリセットされ、YM,YEは縫製開始の際にキャリッジ19がY方向原点位置のときにリセットされる。XM,YMはバッファ等に更新されつつ記憶され、XE,YEはX,Yロータリーエンコーダ41,42により検出された最新のエンコーダ角である。縫製作業者が布保持枠6に外力を加えた場合、その外力が大きい程ΔXYが大きくなり、このΔXYが前記外力を間接的に検出した数値である。
次に、ΔXYが規定値「SV」(このSVが所定のしきい値である)以上か否か判定され(S25)、ΔXYがSV未満の場合(S25;No)、リターンする。ΔXYがSV以上の場合(S25;Yes )、Xモータ位相角「XM←XM+k・ΔX・(ΔXY−SV)/ΔXY」が算出されて、Xモータ23が、ここで算出された位相角XMになる必要位相角分駆動され(S26)、同様に、Yモータ位相角「YM←YM+k・ΔY・(ΔXY−SV)/ΔXY」が算出されて、Yモータ31が、ここで算出された位相角YMになる必要位相角分駆動され(S27)、リターンする。ここで、kは微少時間に対する移動量係数である。
以上のように、針上区間にある場合(S12;Yes )、S13の送り制御のS20〜S25が繰り返し行われ、そこで、縫製作業者が布保持枠6に外力を加えることで、XY合成変位量「ΔXY」が規定値「SV」以上になった場合(S25;Yes )、S20〜S27が繰り返し行われ、X,Yモータ23,31が駆動されて、キャリッジ19に装着された布保持枠6が前記外力の方向へ移送され、加工布に直線縫目が形成され、XY合成変位量「ΔXY」が大きくなると、X,Yモータ23,31の駆動量、つまり、布保持枠6の移送量が大きくなり、加工布に形成される縫目ピッチが大きくなる。
この布保持枠移送装置7によれば、以上のように、キャリッジ19に装着された布保持枠6に縫製作業者から加えられた外力を間接的に検出する外力検出手段として、X変位量「ΔX」とY変位量「ΔY」を検出するX,Yロータリーエンコーダ41,42を設け、前記外力による布保持枠6の移動をアシストする為のアシスト力を出力するアシスト力出力手段として、X,Yキャリッジ駆動機構20,30を設け、X,Yロータリーエンコーダ41,42で検出された外力(ΔX,ΔY)に基づいてX,Yキャリッジ駆動機構20,30を制御する制御装置9を設けた。
従って、縫製作業者が手動操作によりキャリッジ19に装着された布保持枠6を移動させようとして、布保持枠6に外力を加えた場合に、前記外力による布保持枠6の移動をアシストする適当なアシスト力を適当な方向に出力し、縫製作業者の意志に基づいて布保持枠6を自由に且つ円滑に且つ適正に移送し、布保持枠6に保持された加工布に所望の通常模様を簡単確実に縫製することが可能になり、所謂フリーモーションキルト縫製が可能になる。しかも、この布保持枠移送装置7を備えたミシンMでは、加工布に刺繍模様を縫製可能であり、故に、刺繍縫製が可能なミシンに本発明の布保持枠移送装置7を適用して、不便な作業を要することなく、刺繍模様を縫製でき且つ上記のように通常模様も容易に縫製することが可能になる。
制御装置9は、X,Yロータリーエンコーダ41,42で検出された外力(ΔX,ΔY)の大きさ(XY合成変位量「ΔXY」)が所定のしきい値(規定値「SV」)以上の場合に、X,Yロータリーエンコーダ41,42で検出された外力の方向にアシスト力を出力させるように、X,Yキャリッジ駆動機構20,30を作動させるので、縫製作業者が布保持枠6を移動させようとした場合にのみ、X,Yキャリッジ駆動機構20,30を作動させ、縫製作業者が布保持枠6を移動させようとする方向にアシスト力を確実に出力できる。
縫製作業者が布保持枠6に外力を加えると、その外力はキャリッジ19を介してX,Yキャリッジ駆動機構20,30に伝達されるが、外力検出手段として、X,Yキャリッジ駆動機構20,30のX,Yモータ23,31の変位量を夫々検出するX,Yロータリーエンコーダ41,42を利用することで、X,Yモータ23,31の外力が無い場合の位置に対する変位量で以て前記外力を間接的に確実に検出することができる。
X,Yキャリッジ駆動機構20,30により、前記外力による布保持枠6の移動をアシストする為のアシスト力を出力するので、縫製作業者が布保持枠6を移動させようとする方向に布保持枠6を移動駆動し、つまり、縫製作業者が布保持枠6を移動させようとする方向にアシスト力を確実に出力することができ、別途アシスト力を出力する手段を設ける必要がないため、全体構成を簡単化でき低コスト化を図ることができる。
針棒11の上下方向の位置を検出する針棒位置検出手段として主軸位相角検出センサ40を設け、制御装置9は、主軸位相角検出センサ40で検出された針棒の上下方向の位置に基づいて、縫針10が加工布よりも上方にある針上区間でのみX,Yキャリッジ駆動機構20,30を作動させるので、縫針10が加工布に刺さっている針下区間で布保持枠6を移動させないようにして、縫針10の折損や加工布の損傷を防止することができる。
制御装置9は、X,Yロータリーエンコーダ41,42で検出された外力(ΔX,ΔY)の大きさ(XY合成変位量「ΔXY」)に応じて布保持枠6の移動量を変化させるように、X,Yキャリッジ駆動機構20,30を制御するので、縫製の際に、縫製作業者が布保持枠6に加える外力の大きさを変化させて、布保持枠6の移動量、つまり加工布に形成される縫目ピッチを変化させることができ、利便性が良くなる。
実施例2の布保持枠移送装置7は、実施例1の制御装置9が実行する通常模様縫製制御を変更したものであり、その他の構成は実施例1と同様である。
実施例2の制御装置9が実行する通常模様縫製制御では、実施例1と同様に、縫製作業者が手動操作によりキャリッジ19に装着された布保持枠6を移動させようとして布保持枠6に外力を加えた場合に、X,Yロータリーエンコーダ41,42により、X,Yモータ23,31の変位量が検出されて、キャリッジ19に装着された布保持枠6に縫製作業者から加えられた外力が間接的に検出され、ロータリーエンコーダ41,42で検出された外力に基づいてX,Yキャリッジ駆動機構20,30(X,Yモータ23,31)が制御され、前記外力による布保持枠6の移動をアシストする為のアシスト力を出力する。
この場合、制御装置9は、縫針10が布保持枠6に保持された加工布に刺さっている針下区間で検出された外力の大きさが所定のしきい値以上の場合に、縫針10が布保持枠6に保持された加工布よりも上方にある針上区間でのみ、前記外力の方向にアシスト力を出力させると共に、前記外力の大きさに関わらず布保持枠6の移動量を一定とするように、X,Yキャリッジ駆動機構20,30を制御して作動させる。
次に、制御装置9が実行する通常模様縫製制御について、図7〜図9のフローチャート(図中のSi(i=30,31,32・・・)は各ステップを示す)に基づいて説明する。ここで、この通常模様縫製制御を含む一連の制御は、実施例1の図5と同様であるので説明を省略するが、S6の通常縫製前設定処理では、縫製作業者が操作パネル8を用いて制御装置9に対して縫目ピッチを予め設定しておくものとする。
図7に示すように、この通常模様縫製制御が開始されると、先ず、フットコントローラ45の踏込量が検出されて、その踏込量が規定値以上の場合(S30;Yes )、その踏込量に応じた主軸回転速度が設定され(S31)、その主軸回転速度となるようにミシンモータ16が駆動制御され、S31の後、或いは、S30;Noの場合、次に、縫針10が加工布の上方に位置する針上区間であるか否か判定される(S32)。
針下区間の場合(S32;No)、外力移動量算出処理(S33)が実行され、針上区間の場合(S32;Yes )、送り制御(S34)が実行され、S33、S34の後、縫製終了が指示された場合(S35;Yes )、リターンし、縫製終了が指示されない場合(S35;No)、S30へ再度移行する。
図8に示すように、外力移動量算出処理が開始されると、先ず、実施例1の図6のS20〜S25と同様のS40〜S45が実行され、XY合成変位量「ΔXY」が規定値「SV」未満の場合(S45;No)、リターンし、ΔXYがSV以上の場合(S45;Yes )、X移動量「ΔXM←P・ΔX/ΔXY」が算出され(S46)、Y移動量「ΔYM←P・ΔY/ΔXY」が算出され(S47)、リターンする。ここで、「P」はS6において予め設定された縫目ピッチに対応するモータ角である。
図9に示すように、送り制御が開始されると、先ず、S46とS47で算出されたΔXMとΔYMが共に0であるか否か判定され(S50)、ΔXM=ΔYM=0の場合(S50;Yes )、リターンする。ΔXM=ΔYM≠0の場合(S50;Yes )、S31で設定された主軸回転速度に基づいて、縫針10が針上区間に滞在する針上時間が算出され(S51)、次に、S51で算出された針上時間とS46とS47で算出されたΔXMとΔYMとに基づいて、X,Yパルスレートが算出される(S52)。
S52では、S51で算出された針上時間内で、予め設定された縫目ピッチ分の布保持枠6の移送が完了するように、つまり、S46で算出されたΔXM分のXモータ23の駆動とS47で算出されたΔYM分のYモータ31の駆動が完了するように、X,Yパルスレートとして、Xモータ23とYモータ31の駆動開始時期と、Xモータ23とYモータ31へ出力するパルス周波数が算出される。ここで、針上時間内に針上時間に略比例するように移送時間(具体的には、針上時間の大部分を占める時間)を算出し、その移送時間で布保持枠6の移送を実行するようにX,Yパルスレートを算出してもよい。
その後、Xモータ23が、S52で算出されたXパルスレートに従って、S46で算出されたΔXM分駆動されると共に、Yモータ31が、S52で算出されたYパルスレートに従って、S47で算出されたΔYM分駆動される(S53)。次に、Xモータ移送角「XM←XM+ΔXM」とYモータ移送角「YM←YM+ΔYM」が更新記憶され(S54)、最後に、X移動量「ΔXM←0」とY移動量「ΔYM←0」が0にクリアされ(S55)、リターンする。
以上のように、縫製作業者が布保持枠6に外力を加えることで、針下区間において、XY合成変位量「ΔXY」が規定値SV以上になった場合、X移動量「ΔXM」とY移動量「ΔYM」が算出されて、その後、針上区間において、X,Yモータ23,31が算出されたΔXM,ΔYM分駆動されて、キャリッジ19に装着された布保持枠6が前記外力の方向へ予め設定された一定の移送量(縫目ピッチ)だけ移送され、加工布に直線縫目が形成される。
この布保持枠移送装置7によれば、制御装置9は、縫針10が加工布に刺さっている針下区間のときにX,Yロータリーエンコーダ41,42で検出された外力に基づいて、X,Yキャリッジ駆動機構20,30(X,Yモータ23,31)を制御するので、針上区間ではアシスト力の出力により前記外力を正確に検出することが難しい場合を想定して、針下区間で前記外力を正確に検出し、その検出された外力を制御装置9によるX,Yキャリッジ駆動機構20,30の制御に反映させることができる。
また、制御装置9は、X,Yロータリーエンコーダ41,42で検出された外力の大きさに関わらず布保持枠6の移動量を一定とするように、X,Yキャリッジ駆動機構20,30を制御するので、加工布に一定の縫目ピッチの縫目を確実に形成することができる。その他の作用・効果は基本的に実施例1と同様である。
実施例3の布保持枠移送装置7は、実施例2の制御装置9が実行する図7のS33の外力移動量算出処理を変更したものであり、その他の構成は実施例2と同様である。
実施例3の制御装置9が実行する外力移動量算出処理について、図10のフローチャート(図中のSi(i=60,61,62・・・)は各ステップを示す)に基づいて説明する。但し、図4のS6の通常縫製前設定処理では、縫製作業者が操作パネル8を用いて制御装置9に対して所望の通常模様「サテン模様」と、そのサテン模様の縫目方向ピッチと幅方向ピッチ(縫目方向と直交する方向の幅)を予め設定しておくものとする。
図10に示すように、外力移動量算出処理が開始されると、先ず、実施例2の図8のS40〜S47と同様のS60〜S67が実行される。但し、S66とS67で算出されたX移動量「ΔXM」とY移動量「ΔYM」は、Xモータ23とYモータ31の最終的なX移動量とY移動量ではなく、X移動過程量とY移動過程量であり、その算出で使用される「P」はサテン模様の縫目方向ピッチに対応するモータ角である。
次に、図11に示すように、極性フラグ「SF」が0か1か判定される(S68)。尚、SFは外力移動量算出処理の開始時に0(又は1)にリセットされる。SF=0の場合(S68;Yes )、SF←1、SS←Sとされ(S69)、SF=1の場合(S68;No)、SF←0、SS←−Sとされる(S70)。ここで、「S」はサテン模様の幅方向ピッチに対応するモータ角である。
次に、図12に示すように、S66で算出されたX移動過程量「ΔXM」にサテンピッチが合成されて、X移動「ΔXM←ΔXM−SS・ΔY/ΔXY」が算出され(S71)、S67で算出されたY移動過程量「ΔYM」にサテンピッチが合成されて、Y移動「ΔYM←ΔYM+SS・ΔX/ΔXY」が算出され(S72)、リターンし、図9のS53において、針上区間で、Xモータ23が、S71で算出されたΔXM分駆動され、Yモータ31が、S72で算出されたΔYM分駆動される。
以上のように、針下区間において、縫製作業者が布保持枠6に外力を加えることで、XY合成変位量「ΔXY」が規定値SV以上になった場合、X移動過程量「ΔXM」とY移動過程量「ΔYM」が算出されて、それにサテンピッチが合成されてX移動量「ΔXM」とY移動量「ΔYM」が算出され、その後、針上区間において、Xモータ23、Yモータ31が算出されたΔXMとΔYM分駆動されて、キャリッジ19に装着された布保持枠6が前記外力の方向へ予め設定された一定の移送量だけ移送され、その方向を主方向として予め設定された一定幅のサテン模様が加工布に形成される。
この布保持枠移送装置7によれば、制御装置9は、X,Yロータリーエンコーダ41,42で検出された外力の方向を主方向とし、その主方向に予め設定された所定の縫い目を形成するようにアシスト力を出力するように、X,Yキャリッジ駆動機構20,30を作動させるので、縫製作業者は、縫目を形成しようとする方向へ布保持枠6を移動させるように外力を加えると、その方向(外力の方向)を主方向として、その主方向に所定の縫い目を容易に形成することが可能になる。その他の作用・効果は実施例2と同様である。
実施例4の布保持枠移送装置7は、実施例3の制御装置9が実行する図11のS68〜S72を変更したものであり、その他の構成は実施例3と同様である。
実施例4の制御装置9が実行する外力移動量算出処理について、図10のS60〜S67の後に、図13のS80〜S85が実行される。尚、図13のSi(i=80,81,82・・・)は各ステップを示す。但し、S6においてサテン模様を設定した場合、そのサテン模様の模様データとして、例えば、図14に示すように、サテン模様のデータ数「N」分の幅データが準備されている。この例ではN=74となる。
図13に示すように、データポンイタ「P」がNか否か判定され(S80)、P≠Nの場合(S80;No)、Pがインクリメント(P←P+1)され(S81)、P=Nの場合(S80;Yes )、Pがリセット(P←0)される(S82)。
次に、データポンイタ「P」に対する模様データ(幅データ)が読み込まれ(S83)、そのデータがSSとされて、S66で算出されたX移動過程量「ΔXM」に模様データが合成されて、X移動「ΔXM←ΔXM−SS・ΔY/ΔXY」が算出され(S84)、S67で算出されたY移動過程量「ΔYM」に模様データが合成されて、Y移動「ΔYM←ΔYM+SS・ΔX/ΔXY」が算出され(S85)、リターンし、図9のS53において、針上区間で、Xモータ23が、S84で算出されたΔXM分駆動され、Yモータ31が、S85で算出されたΔYM分駆動される。
以上のように、針下区間において、縫製作業者が布保持枠6に外力を加えることで、XY合成変位量「ΔXY」が規定値SV以上になった場合、X移動過程量「ΔXM」とY移動過程量「ΔYM」が算出されて、それに模様データが合成されてX移動量「ΔXM」とY移動量「ΔYM」が算出され、その後、針上区間において、Xモータ23、Yモータ31が算出されたΔXMとΔYM分駆動されて、図15に示すように、キャリッジ19に装着された布保持枠6が前記外力の方向へ予め設定された一定の移送量だけ移送され、その方向を主方向として、加工布に幅が変化する通常模様が形成され、この縫製が連続して行われて、図16に示すように、通常模様群が連続的に形成される。この布保持枠移送装置7によれば、実施例3と同様の作用・効果を奏する。
実施例5の布保持枠移送装置7は、実施例1の制御装置9が実行する通常模様縫製制御を変更したものであり、その他の構成は実施例1と同様である。
実施例5の制御装置9が実行する通常模様縫製制御では、実施例1と同様に、縫製作業者が手動操作によりキャリッジ19に装着された布保持枠6を移動させようとして布保持枠6に外力を加えた場合に、X,Yロータリーエンコーダ41,42により、X,Yモータ23,31の変位量が検出されて、キャリッジ19に装着された布保持枠6に縫製作業者から加えられた外力が間接的に検出され、ロータリーエンコーダ41,42で検出された外力に基づいてX,Yキャリッジ駆動機構20,30(X,Yモータ23,31)が制御され、前記外力による布保持枠6の移動をアシストする為のアシスト力を出力する。
この場合、制御装置9は、縫針10が布保持枠6に保持された加工布に刺さっている針下区間で検出された外力の大きさが所定のしきい値以上の場合に、縫針10が布保持枠6に保持された加工布よりも上方にある針上区間でのみ、前記外力の方向にアシスト力を出力させると共に、前記外力の大きさに関わらず布保持枠6の移動量を一定とするように、X,Yキャリッジ駆動機構20,30を制御して作動させると共に、検出された外力の大きさに応じてミシンモータ16を作動させるように制御する。
次に、制御装置9が実行する通常模様縫製制御について、図17〜図20のフローチャート(図中のSi(i=80,81,82・・・)は各ステップを示す)に基づいて説明する。ここで、この通常模様縫製制御を含む一連の制御は、実施例1の図5と同様であるので説明を省略するが、S6の通常縫製前設定処理では、縫製作業者が操作パネル8を用いて制御装置9に対して縫目ピッチを予め設定しておくものとする。
図17に示すように、この通常模様縫製制御が開始されると、縫製開始が指示された場合(S90;Yes )、縫針10が加工布の上方に位置する針上区間であるか否か判定され(S91)、針下区間の場合(S91;No)、外力処理(S92)と縫製速度制御(S93)が実行され、針上区間の場合(S91;Yes )、送り制御(S94)が実行され、S93、S94の後、縫製終了が指示された場合(S95;Yes )、リターンし、縫製終了が指示されない場合(S95;No)、S91へ再度移行する。
図18に示すように、外力処理が開始されると、先ず、実施例1の図6のS20〜S25と同様のS100〜S105が実行され、XY合成変位量「ΔXY」が規定値「SV」未満の場合(S105;No)、リターンし、ΔXYがSV以上の場合(S105;Yes )、X移動量「ΔXM←P・ΔX/ΔXY」とX移動速度「VX←K・ΔX/ΔXY」が算出され(S106)、Y移動量「ΔYM←P・ΔY/ΔXY」とY移動速度「VY←K・ΔY/ΔXY」が算出され(S107)、リターンする。ここで、「P」はS6において予め設定された縫目ピッチに対応するモータ角であり、「K」は所定の移送速度である。
図19に示すように、縫製速度制御が開始されると、S106とS107で算出されたX移動速度「VX」とY移動速度「VY」とに基づいて、縫製速度「VM←60・0.5・P/(VX2+VY2)1/2 )が算出され(S110)、このVMが主軸回転速度(縫製速度)に設定され(S111)、即ち、この主軸回転速度となるようにミシンモータ16が駆動制御され、リターンする。
図20に示すように、送り制御が開始されると、先ず、S106とS107で算出されたΔXMとΔYMが共に0であるか否か判定され(S120)、ΔXM=ΔYM=0の場合(S120;Yes )、リターンする。ΔXM=ΔYM≠0の場合(S120;Yes )、Xモータ23が、S106で算出された速度VXでΔXM分駆動されると共に、Yモータ31が、S107で算出された速度VYでΔYM分駆動される(S121)。次に、Xモータ移送角「XM←XM+ΔXM」とYモータ移送角「YM←YM+ΔYM」が更新記憶され(S122)、最後に、X移動量「ΔXM←0」とY移動量「ΔYM←0」が0にクリアされ(S123)、リターンする。
この布保持枠移送装置7によれば、制御装置9は、X,Yロータリーエンコーダ41,42で検出された外力の大きさに応じて、縫針10を装着した針棒11を昇降駆動するミシンモータ16を制御するので、縫製の際に、フットコントローラ45等の操作を必要とせずに、縫製作業者が布保持枠6に加える外力の大きさを変化させて、針棒11の昇降速度、つまり縫製速度を変化させることができ、利便性が良くなる。その他の作用・効果は基本的に実施例1,2と同様である。
尚、実施例1〜5を次のように変更可能である。
1]キャリッジに装着された布保持枠6に縫製作業者から加えられた外力を間接的に検出する外力検出手段としては、X,Yロータリーエンコーダ41,42の代わりに、X,Yキャリッジ駆動機構20,30のX,Yモータ23,31以外の変位量(例えば、キャリッジ19、ベルト等)を検出するものを適用してもよい。この場合、その変位量を機械的に検出するものや光学的に検出するものを適用してもよい。
1]キャリッジに装着された布保持枠6に縫製作業者から加えられた外力を間接的に検出する外力検出手段としては、X,Yロータリーエンコーダ41,42の代わりに、X,Yキャリッジ駆動機構20,30のX,Yモータ23,31以外の変位量(例えば、キャリッジ19、ベルト等)を検出するものを適用してもよい。この場合、その変位量を機械的に検出するものや光学的に検出するものを適用してもよい。
2]キャリッジに装着された布保持枠6に縫製作業者から加えられた外力を直接的に検出する外力検出手段を採用してもよい。この外力検出手段として、例えば、布保持枠6に加えられた圧力を検出するために、キャリッジ19(枠ホルダー18)と布保持枠6との連結部に1又は複数の圧力センサを設けてもよい。
3]前記外力による布保持枠6の移動をアシストする為のアシスト力を出力するアシスト力出力手段として、X,Yキャリッジ駆動機構20,30とは別に設けられたアクチュエータ(例えば、エアシリンダ等)を有する機構を適用してもよい。
4]X,Yキャリッジ駆動機構20,30の代わりに、キャリッジをR−θ方向へ移動駆動するキャリッジ駆動機構等の種々の機構を採用可能である。
4]X,Yキャリッジ駆動機構20,30の代わりに、キャリッジをR−θ方向へ移動駆動するキャリッジ駆動機構等の種々の機構を採用可能である。
5]X,Yモータ23,31として、ステッピングモータの代わりにDCサーボモータを適用してもよいし、その他、エアシリンダ等のアクチュエータの適用も考えられる。
6]針棒11を揺動駆動可能として、布保持枠6の移動と同期して針振りできるようにした場合、縫針10が加工布に刺さった針下区間でも布保持枠6を移動させることができるため、針下区間で前記アシスト力を出力するように構成してもよい。
7]外力の方向に対して模様データを合成する際に、外力の方向とは直交する方向への合成だけでなく、外力に沿った方向を含めた各方向成分を持った任意の模様を合成するように構成してもよい。
8]その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前記開示事項以外の種々の変更を付加して実施可能であり、また、実施例で説明した多針ミシンM以外に、種々の刺繍ミシン(工業用の多針ミシンや家庭用の単針ミシン)に、本発明を適用可能である。
6]針棒11を揺動駆動可能として、布保持枠6の移動と同期して針振りできるようにした場合、縫針10が加工布に刺さった針下区間でも布保持枠6を移動させることができるため、針下区間で前記アシスト力を出力するように構成してもよい。
7]外力の方向に対して模様データを合成する際に、外力の方向とは直交する方向への合成だけでなく、外力に沿った方向を含めた各方向成分を持った任意の模様を合成するように構成してもよい。
8]その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前記開示事項以外の種々の変更を付加して実施可能であり、また、実施例で説明した多針ミシンM以外に、種々の刺繍ミシン(工業用の多針ミシンや家庭用の単針ミシン)に、本発明を適用可能である。
M 多針ミシン
6 布保持枠
9 制御装置
16 ミシンモータ
19 キャリッジ
20 Xキャリッジ駆動機構
23 Xモータ
30 Yキャリッジ駆動機構
31 Yモータ
40 主軸位相角検出センサ
41 Xロータリーエンコーダ
42 Yロータリーエンコーダ
6 布保持枠
9 制御装置
16 ミシンモータ
19 キャリッジ
20 Xキャリッジ駆動機構
23 Xモータ
30 Yキャリッジ駆動機構
31 Yモータ
40 主軸位相角検出センサ
41 Xロータリーエンコーダ
42 Yロータリーエンコーダ
Claims (13)
- 加工布を保持する布保持枠が着脱自在に装着されるキャリッジと、このキャリッジを水平面内で交差する2方向に夫々移動駆動するアクチュエータを有するキャリッジ駆動機構とを備えたミシンの布保持枠移送装置において、
前記キャリッジに装着された前記布保持枠に縫製作業者から加えられた外力を間接的又は直接的に検出する外力検出手段と、
前記外力による布保持枠の移動をアシストする為のアシスト力を出力するアシスト力出力手段と、
前記外力検出手段で検出された前記外力に基づいて前記アシスト力出力手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするミシンの布保持枠移送装置。 - 前記制御手段は、前記外力検出手段で検出された前記外力の大きさが所定のしきい値以上の場合に、前記アシスト力出力手段を作動させることを特徴とする請求項1に記載のミシンの布保持枠移送装置。
- 前記制御手段は、前記外力検出手段で検出された前記外力の方向に前記アシスト力を出力させるように、前記アシスト力出力手段を作動させることを特徴とする請求項2に記載のミシンの布保持枠移送装置。
- 前記外力検出手段は、前記キャリッジ駆動機構の第1方向移動用のアクチュエータと第2方向移動用のアクチュエータの変位量を夫々検出する第1方向変位センサと第2方向変位センサからなることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のミシンの布保持枠移送装置。
- 前記アシスト力出力手段が、前記キャリッジ駆動機構と兼用される前記第1方向移動用のアクチュエータと前記第2方向移動用のアクチュエータを有することを特徴とする請求項4に記載のミシンの布保持枠移送装置。
- 前記第1方向移動用のアクチュエータと前記第2方向移動用のアクチュエータが夫々ステッピングモータであり、前記第1方向変位センサと前記第2方向変位センサが夫々ロータリーエンコーダであることを特徴とする請求項4又は5に記載のミシンの布保持枠移送装置。
- 前記アシスト力出力手段が前記キャリッジ駆動機構からなり、
前記制御手段は、前記外力検出手段で検出された前記外力の方向に前記布保持枠を移動駆動するように前記キャリッジ駆動機構を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のミシンの布保持枠移送装置。 - 縫針を装着した針棒の上下方向の位置を検出する針棒位置検出手段を備え、
前記制御手段は、前記針棒位置検出手段で検出された前記針棒の上下方向の位置に基づいて、前記縫針が前記加工布よりも上方にある針上区間でのみ前記アシスト力出力手段を作動させることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のミシンの布保持枠移送装置。 - 前記制御手段は、前記縫針が前記加工布に刺さっている針下区間のときに前記外力検出手段で検出された前記外力に基づいて、前記アシスト力出力手段を制御することを特徴とする請求項8に記載のミシンの布保持枠移送装置。
- 前記制御手段は、前記外力検出手段で検出された前記外力の大きさに応じて前記布保持枠の移動量を変化させるように、前記キャリッジ駆動機構を制御することを特徴とする請求項7に記載のミシンの布保持枠移送装置。
- 前記制御手段は、前記外力検出手段で検出された前記外力の大きさに関わらず前記布保持枠の移動量を一定とするように、前記キャリッジ駆動機構を制御することを特徴とする請求項7に記載のミシンの布保持枠移送装置。
- 前記制御手段は、前記外力検出手段で検出された前記外力の大きさに応じて、縫針を装着した針棒を昇降駆動するミシンモータを制御することを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載のミシンの布保持枠移送装置。
- 前記制御手段は、前記外力検出手段で検出された前記外力の方向を主方向とし、その主方向に予め設定された所定の縫い目を形成するように前記アシスト力を出力するように、前記アシスト力出力手段を作動させることを特徴とする請求項1〜9の何れに記載のミシンの布保持枠移送装置。
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DE50205513D1 (de) * | 2001-12-19 | 2006-03-30 | Gegauf Fritz Ag | Verfahren und Vorrichtung zum Regeln des Stofftransportes bei einer Näh- oder Stickmaschine |
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