JP2007241164A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面にトナー像が形成される像担持体と、前記像担持体に接触し像担持体とニップを形成する転写体と、前記ニップ領域内で転写体を介して像担持体に対向し、転写体裏面に接する転写部材を備え、前記転写部材にトナーと逆極性のバイアスを印加することで像担持体上のトナー像を転写体上に静電的に転写する転写工程を有する画像形成装置において、像担持体3上のトナー帯電量Aと転写体12上に転写されたトナー帯電量Bの関係がA>Bを満たすようにトナー帯電量を低下させるトナー帯電量調整手段33を有する画像形成装置である。
【選択図】図2
Description
このため転写チリ、転写率の低下などの転写に関する不良を防止するためにはトナーの帯電量を適正に制御することが重要である。特にカラー画像形成装置の場合は複数色のトナー像を順次重ねて画像を形成するので、1色目のトナー像は下流の色の転写バイアスを印加された部分を複数回通過することになり、トナーの帯電量が上がってしまい、転写チリの原因となっている。
また2色目以降のトナー像については先に形成されたトナー像の上に重ねるために転写しにくくなって、同じ転写バイアスでは転写率が低下してしまう。このとき転写バイアスを高くしていくと静電気力は強くなり2色目以降のトナー像も移動しやすくなるが、転写バイアスを上げていくと転写部分の電界強度が高くなり放電が発生する。この放電もまたトナー帯電量の変化、転写チリの原因になっている。
特許文献2においては装置条件、トナー特性、トナー帯電量変化を適正範囲に維持することで問題の解決を提案している。帯電量に関しては転写体上のトナー帯電量(b)と像担持体上のトナー帯電量(a)の比が1<(b/a)<1.5の範囲が適正としている。
他の改善策として帯電手段を用いて積極的にトナー帯電量を調整する方法も提案されている。特許文献3では中間転写体上に転写済みのトナー像に対し、現像されるトナーと同極性として且つ低い帯電量とするトナー像帯電手段を設けている。帯電手段により逆極性トナーを変換し、次の1次転写時での混色を防止するとともに、トナー帯電量を下げることで転写率の低下を防止している。
また特許文献4では転写前帯電手段により感光体上のトナー像の帯電量を調整する方法が提案されている。各色の帯電手段の出力設定で像担持体上のトナー帯電量を制御することで、転写効率の向上を図っている。
トナー帯電量の調整とは別の方法であるが特許文献5には転写部材の下流に導電性部材を配置し、トナー帯電量が高くなる状況の時には導電性部材にトナーと同極性のバイアスを印加して、転写部位下流側の空間の電界を調整することで転写チリを防止する方法が提案されている。
そこで、本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、転写チリなどの異常画像を防止し、高画質かつ高効率が可能な画像形成装置を提供することである。
本発明においては以上の問題の要因となるトナー帯電量に注目し、転写部位のニップ領域内にトナー帯電量調整手段を設けることで改善を図っている。
本発明は、表面にトナー像が形成される像担持体と、前記像担持体に接触し像担持体とニップを形成する転写体と、前記ニップ領域内で転写体を介して像担持体に対向し、転写体裏面に接する転写部材を備え、前記転写部材にトナーと逆極性のバイアスを印加することで像担持体上のトナー像を転写体上に静電的に転写する転写工程を有する画像形成装置において、像担持体上のトナー帯電量Aと転写体上に転写されたトナー帯電量Bの関係が
A>B
を満たすようにトナー帯電量を低下させるトナー帯電量調整手段を有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明は、前記トナー帯電量調整手段が、ニップ領域内の転写部材下流で転写体裏面に接触し、トナーと同極性のバイアスを印加するバイアス印加部材であることを特徴とする。
本発明は、前記転写体が転写ベルトであり、前記転写ベルトの体積抵抗の電界依存性が大きく、体積抵抗は電界が強くなると小さくなる電界依存性を有することを特徴とする。
本発明は、前記転写体の体積抵抗の電界依存性が
|ΔlogRv|/1kV>3
であることを特徴とする。
本発明は、前記転写体の表面抵抗の電界依存性が
|ΔlogRs|/1kV<1
であることを特徴とする。
本発明は、前記トナー帯電量調整手段であるバイアス印加部材に印加するバイアスをトナー像の付着量に応じて制御することを特徴とする。
本発明は、使用するトナーの体積抵抗が1010〜1015Ω・cmであることを特徴とする。
本発明を適応した画像形成装置の一例としてカラー複写機の構成、動作を図1により説明する。カラー複写機は、装置本体中央部に位置する画像形成部1と、前記画像形成部1の右方に位置する給紙部14と、画像形成部1の上方に位置する図示しない画像読取部を有している。
画像形成部1には、水平方向に延びる転写面を有する中間転写体としての中間転写ベルト12が配置されており、前記中間転写ベルト12の上面には、画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、画像を形成する4種のトナー(Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、B:黒)による像を担持可能な像担持体としての4個の感光体3が中間転写ベルト12の転写面に沿って並置されている。
各感光体3はそれぞれ同じ方向(反時計回り方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周りには、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置5、光書き込み手段としての書き込み装置2、現像装置4、1次転写装置7、及びクリーニング装置6が配置されている。各現像装置4には、それぞれのトナーが収容されている。
中間転写ベルト12は、駆動ローラ9と2次転写対向ローラ10に掛け回されて感光体3との対峙位置において同方向に移動可能な構成を有している。駆動ローラ9と対向する位置には、中間転写ベルト12の表面をクリーニングするクリーニング装置8が設けられている。
転写を終えた感光体3上に残留しているトナーはクリーニング装置6により除去される。また、転写後、図示しない除電ランプにより感光体3の電位は初期化され、次の作像工程に備えられる。
上記各感光体3を備えた作像部は、単一色若しくは複数色の画像形成モードに応じて選択使用されるようになっており、選択された画像形成モードに対応した作像部が上述した作像工程を実施するようになっている。
感光体3から中間転写ベルト12上に1次転写されたトナー像は、図示しないバイアス印加手段により2次転写ローラ20に印加されるバイアスにより搬送される記録材に対して静電的に2次転写される。
画像を転写された記録材21は搬送ガイド22を通りニップを形成したローラ対で構成され、設定温度に制御された定着装置に搬送され、記録材上のトナー像は加熱され、溶融して記録材に定着する。
図2に本発明の転写部の断面図を示す。感光体3に中間転写ベルト12が巻きついて転写ニップ30を形成している。中間転写ベルト12の裏面には転写部材、トナー帯電量調整手段として導電性ゴムブレード33が接している。転写ニップほぼ中央には転写部材である転写ブレード34が配置され、トナー像と逆極性のバイアス(本説明ではマイナス帯電トナーに対しプラスバイアス)を印加して、トナー像を感光体3から中間転写ベルト12に転写している。トナー帯電量調整ブレード33は転写ブレード34の下流で転写ニップ出口32近傍に配置され、マイナスバイアスが印加されている。トナー帯電量調整ブレード33は少なくとも上流側の端部が感光体3と中間転写ベルト12が形成するニップ領域内に配置されている。これにより、転写後のトナー帯電量を低くすることができ、トナー間の静電反発力が弱くなり、転写チリを防止することができる。また、ニップ領域内でトナー帯電量を調整するので、ニップ直後の空間での転写チリを防止できる。
中間転写ベルト12の抵抗の電界依存性を表すグラフが図5、6である。ここで、PVDFはポリフッ化ビニリデン、ETFEはエチレン−テトラフルオロエチレン樹脂、PCはポリカーボネート、PURはポリウレタン、PIはポリイミド、PAIはポリアミドイミドを示す。グラフの傾きが電界依存性の大きさを表している。電界依存性を示すグラフの傾き|ΔlogRv|/1kV>3であることが望ましい。図5を見ると体積抵抗はETFE、PC、PI、PAIの電界依存性が大きいことが分かる。つまりバイアスを印加している転写ベルト厚さ方向には抵抗が小さく、転写ブレードに印加したバイアスが効率よく、転写電界として利用できる。これに対し、搬送方向の電界は強くなく、抵抗は大きくなっているので、ニップ上流および下流領域までバイアス印加の影響を及ぼすことはない。
これにより、ベルト厚み方向の抵抗が小さくなるので効率よく電界を形成でき、ベルト搬送方向には抵抗が高く、バイアスの影響をニップ上下流に及ぼさない。
中間転写ベルト12の厚さに関しては薄いほうが効率よく転写バイアスを印加することが可能であるが、薄すぎるとベルトの搬送性、耐久性が悪くなる。ベルトの弾性率が高いほうが薄くすることが可能で、弾性率3000Mpa以上であれば厚さ60μmでも使用可能である。本実施例ではPIの厚さ60μmのベルトを使用している。
図7に本発明の他の例を示す。転写部材、トナー帯電量調整手段として導電性ゴムブレードではなく金属板43を用いたもので、それ以外の構成は実施例1と同じである。金属板43の弾性を利用して中間転写ベルト12に接触させていて、ほとんど磨耗や変形しないのでゴムブレードより耐久性が高くなっている。摺動性をよくするために中間転写ベルト12との接触面にコーティングまたはテープ貼り付けなどの処理を施してもよい。
図8に本発明の他の例を示す。転写部材、トナー帯電量調整手段としてローラ53を用いたものである。ローラ53を用いると転写部材とトナー帯電量調整手段の間隔はあまり狭くできなくなるが、摺動による磨耗や中間転写ベルト12搬送性の問題がなくなるので、感光体3のサイズが比較的大きい高速機には適している。
図9に本発明の他の例を示す。実施例1と同じ導電性ゴムブレードを用いているがブレード33を傾け、低荷重でブレードの角を接触させている。低荷重にすることで中間転写ベルト12の搬送性はよくなるが、感光体3と中間転写ベルト12の接触安定性は悪くなるので、ニップ形成の手段としてブレード33と別にニップ形成ローラ37、38を設けることで均一なニップを形成している。
また、使用するトナーの体積抵抗が1010〜1015Ω・cmであることを特徴とする。これにより、トナーの体積抵抗が前記範囲であれば、トナー帯電量調整手段で調整した帯電量が安定する。
2 書き込み装置
3 感光体
4 現像装置
5 帯電装置
6 クリーニング装置
7 1次転写装置
8 中間転写ベルトクリーニング装置
9 駆動ローラ
10 2次転写対向ローラ
11 支持ローラ
12 中間転写ベルト
13 トナー
14 給紙部
15 給紙トレイ
16 給紙コロ
17 搬送ローラ
18 搬送ガイド
19 レジストローラ
20 2次転写ローラ
21 記録材
22 搬送ガイド
23 ヒーター
24 定着ローラ
25 加圧ローラ
30 ベルトと感光体の接触している転写ニップ
31 転写ニップ入口
32 転写ニップ出口
33 トナー帯電量調整手段
34 転写部材
35 トナー層
36 転写ローラ
37 ニップ形成ローラ
38 ニップ形成ローラ
43 金属板
53 ローラ
Claims (7)
- 表面にトナー像が形成される像担持体と、前記像担持体に接触し像担持体とニップを形成する転写体と、前記ニップ領域内で転写体を介して像担持体に対向し、転写体裏面に接する転写部材を備え、
前記転写部材にトナーと逆極性のバイアスを印加することで像担持体上のトナー像を転写体上に静電的に転写する転写工程を有する画像形成装置において、
前記画像形成装置は、像担持体上のトナー帯電量Aと転写体上に転写されたトナー帯電量Bの関係が
A>B
を満たすようにトナー帯電量を低下させるトナー帯電量調整手段を有する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、前記トナー帯電量調整手段が、ニップ領域内の転写部材下流で転写体裏面に接触し、トナーと同極性のバイアスを印加するバイアス印加部材である
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、前記転写体が転写ベルトであり、
前記転写ベルトの体積抵抗の電界依存性が大きく、
体積抵抗は電界が強くなると小さくなる電界依存性を有する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、前記転写体の体積抵抗の電界依存性が
|ΔlogRv|/1kV>3
である
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、前記転写体の表面抵抗の電界依存性が
|ΔlogRs|/1kV<1
である
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至5のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、前記トナー帯電量調整手段であるバイアス印加部材に印加するバイアスをトナー像の付着量に応じて制御する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至6のいずれか一つに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、使用するトナーの体積抵抗が1010〜1015Ω・cmである
ことを特徴とする画像形成装置。
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