JP2007238602A - 血管弾力性向上剤 - Google Patents

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Tetsuharu Hori
徹治 堀
Masashi Sakai
正士 酒井
Rika Ebina
里夏 海老名
Toshihito Kato
豪人 加藤
Katsuhisa Harada
勝寿 原田
Toshiro Sone
俊郎 曽根
Masaki Yoshikawa
雅樹 芳川
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Abstract

【課題】血管障害に密接に関連していると考えられる血管組織そのものの物理的性質の変化、特に血管の弾力性の低下を抑制する作用を有する安全性に優れた食品素材由来の血管弾力性向上剤を新たに提供すること。
【解決手段】Nepetoideae植物又はその抽出物を有効成分として含有する血管弾力性向上剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、血管障害に伴う血管組織の物理的変化の改善剤、即ち、血管弾力性向上剤に関する。
近年、食生活の欧米化や高齢化に伴って、動脈硬化、高血圧、脳卒中等、いわゆる生活習慣病と呼ばれる疾患や症状が急増し、社会的な問題となっている。これら疾患は、主に、血管の障害によって引き起こされることも知られている。また、従来から「ヒトは血管と共に老いる」といわれており、血管の障害は、ヒトの老化現象に対しても密接に関連する重要な疾患の一つとして考えられている(非特許文献1)。
血管の障害に伴う疾患においては、長い期間を経て動脈組織の周径の拡大、長軸方向への伸展、動脈壁の肥厚を誘発しながら、血管組織の機械的強度の低下、伸展性或いは弾力性の低下等、血管組織の物理的性質の変化に伴い動脈硬化や血栓が生じ易くなり、脳卒中や心筋梗塞等の心疾患や脳疾患等の重篤な疾患に繋がることが知られている。
このような血管障害に伴う血管組織の物理的性質の変化を積極的に抑制するものとしては、ワイン搾汁粕抽出物(特許文献1)が報告されているのみである。また、高脂血症や肥満患者のコレステロール濃度を低減することでこれら患者の血管障害を減少させることができると一般的にいわれているが、一方でコレステロール濃度と脳卒中との関連は疫学的調査では認められないとの報告もある(非特許文献2)。
古くからシソ科(Lamiaceae)の亜科であるNepetoideae植物は、広く漢方薬、民間薬に使用され、これまでに様々な生理活性を有することが報告されている。
Nepetoideaeに分類されるエンメイソウは生薬として用いられ、別名「ヒキオコシ」とも呼ばれており、このエンメイソウには、ヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用(特許文献2〜5)、白内障の予防又は治療作用(特許文献6)、抗インフルエンザウイルス作用(特許文献7)、高脂血症や肥満の予防・治療作用(特許文献8及び9)等を有することが報告されている。
また、Nepetoideaeに分類されるレモンバームには、活性酸素消去や抗酸化作用(特許文献10)、また育毛作用(特許文献11)を有することが報告されている。
また、レモンバームやローズマリーは、麦麹を配合すると血中の総コレステロールや中性脂肪等を減少させるという有効性が認められているが、単独ではこれらの有効性が認められないとの報告がなされている(特許文献12)。
また、Nepetoideaeに分類されるシソには、α−グルコシダーゼ阻害による血糖値の急上昇抑止や肥満防止作用(特許文献13)、また、TNF産生抑制によるアトピー性皮膚炎の改善効果(特許文献14)を有することが報告されている。
しかしながら、これらNepetoideae植物及びその抽出物が、血管障害に伴う血管組織の物理的性質の変化に対して直接的に如何なる作用を有するかについてはなんら報告されていない。
特開2000−135071号公報 特開平8−119872号公報 特開平9−52839号公報 特開平9−52840号公報 特開2004−115536号公報 特開2002−371001号公報 特開2004−59463号公報 特開平9−262066号公報 特開平10−203990号公報 特開2001−122757号公報 特願平11−14528号公報 特開平10−203990号公報 特開2000−102383号公報 特開平7−215884号公報 Arterial Stiffness動脈壁の硬化と老化、No.9、2006、p8-9 Chudzik W. et al., pol Merkuriusz. 2005 Oct, Vol.19(112):p591-595
本発明の目的は、血管障害に密接に関連していると考えられる血管組織そのものの物理的性質の変化、特に血管の弾力性の低下を抑制する作用を有する安全性に優れた食品素材由来の血管弾力性向上剤を新たに提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を行った結果、一般的に高脂血症や肥満患者の血中コレステロール濃度を低下させることがこれら患者の血管障害の改善に繋がるといわれているが、Nepetoideae植物を長期間投与すると、血中総コレステロール濃度は低下せず対照群の総コレステロール濃度とほぼ同等であったにもかかわらず、血管組織そのものの物理的性質の変化、特に血管の弾力性の低下に対して直接的に優れた改善効果が認められることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、Nepetoideae植物又はその抽出物を有効成分として含有する血管弾力性向上剤を提供するものである。
本発明は、生薬の天然素材を原料としているため副作用の心配が少なく、血管組織そのものの物理的性質の変化、特に血管弾力性の低下の改善、即ち血管障害の予防のために、長期間安心して摂取することができる。
本発明の血管弾力性向上剤の有効成分であるNepetoideae(ヤマハッカ亜科)植物には、Mentheae(連)植物やElsholtzieae(連)植物が含まれる。そして、Mentheae(連)の植物としては、セイヨウヤマハッカ属(Melissa)、ハッカ属(Mentha)、ヤグルマハッカ属(Monarda)、ヤマハッカ属(Plectranthus)、ウツボグサ属(Prunella)、アワモリハッカ属(Pycnanthemum)、アキギリ属(Salvia)、タイム属(Thymus)等の植物が挙げられ、Elsholtzieae(連)の植物としては、シソ属(Perilla)、シモバシラ属(Labiatae)等の植物が挙げられる(文献;A Synoptical Classification of the Lamiales(http://depts.washington.edu/phylo/classifications /Lamiales.html))。
このうち、セイヨウヤマハッカ属(Melissa)、ハッカ属(Mentha)、シソ属(Perilla)、ヤマハッカ属(Plectranthus)、アキギリ属(Salvia)、タイム属(Thymus)等の植物が好ましく、中でもセイヨウヤマハッカ属(Melissa)、シソ属(Perilla)、ヤマハッカ属(Plectranthus)の植物等がより好ましい。
本発明におけるヤマハッカ属(Plectranthus)植物には、ヤマハッカ、エンメイソウ、 アキチョウジ等が挙げられるが、エンメイソウが好ましい。
本発明におけるエンメイソウは、ヤマハッカ属(Plectranthus)に属する一般にエンメイソウと呼ばれる一群の植物を意味し、例えば、ヒキオコシ(Isodon japonica)、クロバナヒキオコシ(Isodon trichocarpus)、タカクマヒキオコシ(Isodonsikokianus var. intermodius)等を挙げることができる。
本発明におけるセイヨウヤマハッカ属(Melissa)植物には、レモンバーム、ムラサキニイタカハッカ等が挙げられるが、レモンバームが好ましい。
本発明におけるレモンバームは、セイヨウヤマハッカ属(Melissa)に属する一般的にレモンバーム(Melissa officinalis)と呼ばれる一群の植物を意味し、別名として、コウスイヤマハッカ(Kosuiyamahakka)、セイヨウヤマハッカ(Seiyoyamahakka)、メリッサ(Melissa)、バームミント(Balm mint)、スウイートバーム(Sweet balm)とも呼ばれる。
本発明におけるシソ属(Perilla)植物には、シソ、エゴマ、レモンエゴマ等が挙げられるが、シソが好ましい。
本発明におけるシソは、シソ属(Perilla)に属し、多くの変種や品種を含む一般にシソ(Perilla frutescens)と呼ばれる一群の植物を意味する。
本発明における植物は、全草又は葉、茎、芽、花、根、根茎、種子若しくは果実等の各部位を使用してもよいが、エンメイソウおよびレモンバームについては全草を、シソについては葉を用いるのが好ましい。
本発明の血管弾力性向上剤の有効成分であるNepetoideae植物又はその抽出物は、特に限定されないが、上記の植物をそのまま或いは圧搾抽出することにより得られる搾汁を使用してもよく、また、水性溶媒で抽出して得られる粗抽出物若しくはその精製物として用いてもよい。当該植物をそのまま使用する場合には、適宜、細断、粉砕して使用すればよい。また、そのままの他、半乾燥若しくは乾燥、又は凍結等したものを使用することもできる。一方、当該植物抽出物を使用する場合には、抽出物をそのまま、濃縮若しくは希釈したもの又は水性溶媒を留去したものを用いることができる。従って、抽出物の形態としては、搾汁若しくは抽出液それ自体、それらの濃縮液、希釈液、乾燥物又は顆粒物として使用することが可能である。
本発明の植物抽出物の抽出方法としては、公知の天然有機化合物の抽出に用いられる一般的な方法を使用することができる。例えば、未乾燥若しくは乾燥した当該植物をそのまま又は細断若しくは粉砕し、常温又は加温(各水性溶媒の融点〜沸点の範囲)で、水性溶媒に1分〜1ヶ月浸漬若しくは攪拌等して抽出する方法等を挙げることができる。
本発明の植物抽出に用いる水性溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコール類;酢酸エチル等のエステル類;エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレンアルコール、グリセリン等のグリコール類;ジエチルエーテル、石油エーテル等のエーテル類;アセトン等のケトン・アルデヒド類;酢酸等のカルボン酸類;ベンゼン、ヘキサン、キシレン等の炭化水素類等を挙げることができ、単独で用いてもよく、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも水又は/及び低級アルコール類が好ましい。
抽出する水性溶媒の植物乾燥1重量部に対する重量比は、水性溶媒5〜50重量部が好ましく、10〜30重量部がより好ましい。抽出温度は、20〜100℃が好ましく、80〜100℃がより好ましく、このときの抽出時間は10〜60分が好ましく、20〜40分がより好ましい。
得られた植物抽出物は、濾過又は遠心分離によって固形物を除いた後、そのまま用いるか又は濃縮、若しくは乾燥して用いてもよい。また、必要に応じて、吸脱着、カラムクロマトグラフィー、液−液抽出、分別沈殿等の公知の天然有機化合物の分離や精製に用いる方法によって精製することもできる。用いられる充填剤としては、例えば、活性炭、セライト、シリカゲル、ポリマー系担体等が挙げることができる。
本発明の血管弾力性向上剤は、上記の植物又はその抽出物を有効成分として含有するものであり、その投与方法は、血管障害に伴う血管組織の物理的変化を改善させる効果を十分に得られるものであれば、特に制限されることはなく、経口又は非経口投与のいずれであってもよい。
また、本発明の血管弾力性向上剤は、医薬製剤とする場合だけでなく、飲食品等に配合して使用することもできる。
ここで、「血管弾力性向上」とは、血管障害に伴う血管組織の物理的変化の改善をいい、例えば、血管組織の機械的強度の改善や血管組織の伸展性或いは弾力性の低下の改善等が挙げられ、血管組織の弾力性低下の改善がより好ましい。
例えば、投与に際して、有効成分を経口投与、直腸内投与、注射等の投与方法に適した固体又は液体の医薬用無毒性担体と混合して、慣用の医薬品製剤の形態で投与することができる。このような製剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、散在、カプセル剤等の固形剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤、凍結乾燥製剤等が挙げられる。これらの製剤は製剤上の常套手段により調製することができる。
上記の医薬用無毒性担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミノ酸、ゼラチン、アルブミン、水、生理食塩水等が挙げられる。また、必要に応じて、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張化剤等の慣用の添加剤を適宜添加することもできる。
本発明の飲食品は、上記の植物又はその抽出物をそのまま又は種々の栄養成分を加えて若しくは飲食品中に含有せしめて、血管障害に伴う血管組織の物理的変化の改善に対する治療及び予防に有用な保健用食品又は食品素材として食されるものである。例えば、上記の植物又はその抽出物を飲食品に使用する場合、上述した適当な助剤を添加した後、慣用の手段を用いて、食用に適した形態、即ち、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル、ペースト等に成形して食用に供してもよく、また種々の食品、例えば、ハム、ソーセージ等の食肉加工食品、かまぼこ、ちくわ等の水産加工食品、パン、菓子、バター、粉乳、発酵乳製品に添加したり、水、果汁、牛乳、清涼飲料等の飲料に添加してもよい。
本発明の医薬製剤及び飲食品に用いる当該植物又はその抽出物は、広い用量範囲に渡って有効であるため、当該植物又はその抽出物を医薬製剤及び飲食品に配合する場合の含有量は、約0.001〜99重量%、好ましくは、約0.005〜50重量%の範囲とすればよい。
本発明の血管弾力性向上剤の有効投与量は、患者の年齢、体重、症状、患者の程度、投与経路、投与スケジュール、製剤形態等により、適宜決定されるが、例えば、経口投与の場合、一般に1日当たり1〜200mg/kg体重程度で十分であり、1日に数回に分けて投与してもよい。
また、本発明の血管弾力性向上剤は、長期間をかけて既に発症した血管障害を改善する効果だけでなく、後発的な血管障害の発症を予防する効果をも期待できることから、その投与期間は、特に限定されず、継続的に投与されることが好ましい。
以下に、実施例及び試験例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等になんら制約されるものではない。
製造例1:エンメイソウ熱水抽出物の製造
10Lの加熱したイオン交換水(約85℃)に乾燥エンメイソウ(全草・粗切)500gを加え、90℃以上で30分間温浸した。約40℃に放冷した後、4重のガーゼでろ過し、ろ液を凍結乾燥した。凍結乾燥後、ミキサーで粉砕した。なおエンメイソウ抽出物の凍結乾燥粉末重量は、乾燥原料100gあたり16.2gであった。
試験例1:エンメイソウ抽出物における雄性脳卒中易発症高血圧自然発症ラット試験
製造例1で得られたエンメイソウ凍結乾燥物(抽出物)を精製水に再溶解して0.5%エンメイソウ溶液(以下、エンメイソウ群とする。)に調製し、比較品としてアミノグアニジン(AG)を0.1%AG溶液(以下、AG群とする。)に調製した。対照群(以下、コントロール群ともいう。)は精製水を用いた。また、動物は、4週齢の雄性脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP/Izm)を15匹使用した。
ラットは、1週間予備飼育後、コントロール群、エンメイソウ群、AG群の3群(各5匹)に分け、9週間飲水投与した。これら各群のラットの体重を1週間ごとに測定した。
9週間飼育後、各群のラットから血液を採取するとともに胸部大動脈を摘出した。
各群の血中のコレステロール濃度は、コレステロール測定キット(コレステロールE-テストワコー)を用いて測定した。
また、各群の血管弾力性は、摘出した胸部大動脈を大動脈弓から0〜1cmの部位で切り取り、皮膚粘弾性測定機(CUTOMETER SEM575(Courage+Khazaka electronic GmbH製)を用いて測定した。
試験例1の結果
これら各群のラットの体重変化を図1に示した。
コレステロール濃度(mg/dL)及び血管弾性率(%)を測定した結果をそれぞれ図2及び3に示した。
各群のラットの体重は、試験開始時から試験終了時まで有意な差は認められなかった(図1)。
各群の血中のコレステロール濃度に関して、コントロール群のコレステロール濃度は、53.7±3.2(平均値±標準偏差)mg/dLであったのに対し、AG群とほぼ同様にエンメイソウ群では56.0±2.0mg/dLであり、両群で有意な差は認められなかった(図2)。
各群の血管弾力性は、コントロール群を100%とした場合、エンメイソウ群で135%、AG群で127%であり、共にコントロール群に比べ有意に増加した(それぞれP<0.01、P<0.05)(図3)。
製造例2:レモンバーム熱水抽出物の製造
10Lの加熱したイオン交換水(約85℃)に乾燥レモンバーム(全草・粗切)500gを加え、90℃以上で30分間温浸した。約40℃に放冷した後、4重のガーゼでろ過し、ろ液を凍結乾燥した。凍結乾燥後、ミキサーで粉砕した。なおレモンバーム抽出物の凍結乾燥粉末重量は、乾燥原料100gあたり23.1gであった。
試験例2:レモンバーム抽出物における雄性脳卒中易発症高血圧自然発症ラット試験
0.5%エンメイソウ溶液に代えて製造例2で得られたレモンバーム凍結乾燥物(抽出物)を精製水に再溶解して0.5%レモンバーム溶液(以下、レモンバーム群とする。)に調製し、試験例1と同様に行った。
各群の収縮期血圧(SBP)及び拡張期血圧(DBP)を非観血式自動血圧測定装置(Softron BP-98A)を用いて測定した。
試験例2の結果
レモンバーム群のラットの体重は、試験開始時から試験終了時までコントロール群との間で有意な差は認められなかった(表1)。
収縮期血圧(SBP)及び拡張期血圧(DBP)の測定結果を図4に示した。レモンバーム群は、コントロール群との間で有意な差は認められなかった。
血中コレステロール濃度を測定した結果を図5に示した。レモンバーム群は、コントロール群との間で有意な差は認められなかった。
動脈の厚さ及び弾力性を測定した結果をそれぞれ図6及び7に示した。
動脈の厚さは、AG群及びレモンバーム群ともにコントロール群との間に有意差が認められなかった。
各群の動脈の弾力性は、コントロール群100%とした場合、AG群で116%、レモンバーム群で112%(有意差P<0.05)であった。
製造例3:シソ熱水抽出物の製造
10Lの加熱したイオン交換水(約85℃)に乾燥シソ(葉・粗切)500gを加え、90℃以上で30分間温浸した。約40℃に放冷した後、4重のガーゼでろ過し、ろ液を凍結乾燥した。凍結乾燥後、ミキサーで粉砕した。なおシソ抽出物の凍結乾燥粉末重量は、乾燥原料100gあたり 19.6gであった。
試験例3:シソ抽出物における雄性脳卒中易発症高血圧自然発症ラット試験
0.5%エンメイソウ溶液に代えて製造例3で得られたシソ凍結乾燥物(抽出物)を精製水に再溶解して0.5%シソ溶液(以下、シソ群とする。)に調製し、その他は試験例1と同様に行った。
各群のラットの体重は、試験開始時から試験終了時まで有意な差は認められなかった。
各群の血中のコレステロール濃度に関して、コントロール群のコレステロール濃度は、53.7±3.2(平均値±標準偏差)mg/dLであったのに対し、AG群とほぼ同様にシソ群では52.7±4.0mg/dLであり、コントロール群との間で有意な差は認められなかった。
各群の動脈の弾力性は、コントロール群を100%とした場合、AG群で127%、シソ群で117%であった(図8)。
一般的に高コレステロール血症を改善すると脳卒中等の血管障害を改善することができるといわれているが、非特許文献2では疫学的に血中総コレステロールと脳卒中との相関関係が認められないとの報告もある。
本発明者らは、本実施例においてエンメイソウ抽出物、レモンバーム抽出物、シソ抽出物を長期間投与すると、対照群と比較して、血中のコレステロール濃度は低下しないにもかかわらず、血管弾力性が増加する結果を得た。
以上のことから、エンメイソウ、レモンバーム、シソを長期間投与することによって、高脂血症の改善とは関係なく直接的に種々の血管障害に対する予防・治療ができることを明らかにした。
本発明の植物又はその抽出物は、生薬の天然素材を原料としているため副作用の心配が少なく、血管組織そのものの物理的性質の変化、特に血管の弾力性の低下の改善、即ち血管障害の予防のために、長期間安心して摂取することができる。
本発明の植物又はその抽出物は、このように血管組織の物理的性質の変化を改善することで、種々の血管障害に対する予防・治療だけでなく、血管障害と密接に関連するヒトの老化現象に対しても有益な効果が期待される。
試験例1における各群のラット(0.5%エンメイソウ群、0.1%AG群、コントロール群)の1週間ごとの体重を示す図面である。 試験例1における各群のラット(0.5%エンメイソウ群、0.1%AG群、コントロール群)の飲水投与9週間後のコレステロール濃度(mg/dL)を示す図面である。 試験例1における各群のラット(0.5%エンメイソウ群、0.1%AG群、コントロール群)の血管(動脈)の弾性率(コントロール群を100%とした場合)を示す図面である。 試験例2における各群のラット(0.5%レモンバーム群、0.1%AG群、コントロール群)の収縮期血圧(SBP)(mmHg)及び拡張期血圧(DBP)(mmHg)を示す図面である。 試験例2における各群のラット(0.5%レモンバーム群、0.1%AG群、コントロール群)の飲水投与9週間後のコレステロール濃度(mg/dL)を示す図面である。 試験例2における各群のラット(0.5%レモンバーム群、0.1%AG群、コントロール群)の動脈の厚さ(mm)を示す図面である。 試験例2における各群のラット(0.5%レモンバーム群、0.1%AG群、コントロール群)の血管(動脈)の弾性率(コントロール群を100%とした場合)を示す図面である。 試験例3における各群のラット(0.5%シソ群、0.1%AG群、コントロール群)の血管(動脈)の弾性率(コントロール群を100%とした場合)を示す図面である。

Claims (4)

  1. Nepetoideae植物又はその抽出物を有効成分として含有する血管弾力性向上剤。
  2. Nepetoideae植物の抽出物が、水性溶媒により抽出されたものである請求項1記載の血管弾力性向上剤。
  3. Nepetoideae植物が、Mentheae植物及びElsholtzieae植物から選ばれるものである請求項1又は2記載の血管弾力性向上剤。
  4. Mentheae植物がヤマハッカ属(Plectranthus)植物及びセイヨウヤマハッカ属(Melissa)植物であり、Elsholtzieae植物がシソ属(Perilla)植物である請求項3記載の血管弾力性向上剤。
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