JP6110001B1 - インキ供給装置及び方法、インキ供給量制御装置、印刷機 - Google Patents

インキ供給装置及び方法、インキ供給量制御装置、印刷機 Download PDF

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Abstract

【課題】インキ供給装置及び方法、インキ供給量制御装置、印刷機において、印刷濃度を一定に維持して印刷品質の向上を図る。【解決手段】制御装置101の演算部102が印刷速度に応じてインキ供給量を設定し、印刷速度に応じて設定されたインキ供給量を印刷部数に応じて調整し、制御部103がインキキー開度とインキ元ローラ回転数を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、刷版を用いて印刷を行うオフセット輪転印刷機において、刷版にインキを供給するインキ供給装置及び方法、インキ供給量制御装置、インキ供給装置を備える印刷機に関するものである。
例えば、新聞用オフセット輪転印刷機は、給紙装置と印刷装置とウェブパス装置と折機とから構成されている。そして、印刷装置は、多色刷りに合わせて複数の印刷ユニットを有し、各印刷ユニットは、対応するウェブに対してカラー印刷を行う。そして、印刷ユニットは、複数のローラを用いてインキを供給するインキ供給装置と、刷版が装着された版胴と、インキ(画像)を印刷紙に転写するブランケット胴を有している。
インキ供給装置は、インキキーのインキ元ローラに対する隙間量(インキキー開度)によりインキ供給量を調整することができると共に、インキ元ローラの回転数によりインキ供給量を調整することができる。また、インキ供給装置は、印刷幅方向(紙幅方向)に沿って複数のインキキーが配置されており、印刷用紙の幅方向に区画された複数のインキ領域単位でインキ供給量を調整することができる。そのため、オペレータは、絵柄の面積率(画線率)やインキ元ローラの回転数などを考慮して各インキキー開度を調整し、各インキキー開度により供給量が調整されたインキは、インキローラ群を介して版胴の版面に供給され、版面に付着したインキがブランケット胴を介して絵柄として印刷用紙に転写される。
このようなインキ供給装置としては、下記特許文献1に記載されたものがある。
特許第4202342号公報
印刷ユニットは、前述したように、インキキー開度の調整だけでなく、インキ元ローラの回転数を調整することでもインキ供給量を調整することができる。しかし、印刷速度が上昇すると印刷用紙へのインキ供給量が低下して濃度が低下するため、印刷速度に応じてインキ元ローラの回転数を設定する必要がある。一般的に、印刷ユニットは、印刷速度とインキ元ローラの回転数との関係を規定した関数(インキ速度関数)を有しており、このインキ速度関数を用いて印刷速度に対するインキ元ローラの回転数を設定している。
ところが、印刷する絵柄の画線率に応じてインキキー開度が設定され、印刷速度に応じてインキ元ローラの回転数が設定されても、印刷が開始されてから印刷条件が変化すると、印刷濃度が変化してしまうことがある。例えば、印刷機が作動すると、ローラの摩擦熱などによりローラ温度が上昇し、インキ温度や湿し水温度が上昇し、インキや湿し水の乳化特性や転移特性が変動する。また、ローラ温度が上昇すると、ローラ間のニップ圧が変化する。更に、印刷が開始されると、各ローラ、版胴、ブランケット胴にインキや紙粉などの異物が堆積する。その結果、印刷濃度が変動して印刷品質が低下してしまう。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、印刷濃度を一定に維持して印刷品質の向上を図るインキ供給装置及び方法、インキ供給量制御装置、印刷機を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するための本発明のインキ供給装置は、印刷速度に応じてインキ供給量を設定するインキ供給装置において、印刷速度に応じて設定されたインキ供給量を印刷部数に応じて調整する、ことを特徴とするものである。
従って、印刷速度に応じてインキ供給量が設定され、設定されたインキ供給量が印刷部数に応じて調整されることで、印刷部数が増加するときに印刷条件が変動しても、印刷濃度の増減が抑制されることとなり、印刷濃度を一定に維持して印刷品質の向上を図ることができる。
本発明のインキ供給装置では、印刷開始から予め設定された所定の印刷部数まで所定の期間にわたってインキ供給量を増加させることを特徴としている。
従って、印刷開始から所定の印刷部数までインキ供給量を増加させることで、印刷開始時から上昇するローラ温度やインキの乳化などによる印刷濃度の低下が抑制され、印刷濃度を一定に維持することができる。
本発明のインキ供給装置では、印刷開始から前記所定の印刷部数までインキ供給量を徐々に増加させることを特徴としている。
従って、印刷開始から所定の印刷部数までインキ供給量を徐々に増加させることで、刻々に変動する印刷濃度に対してインキ供給量を細かく制御することで、印刷濃度を一定に維持することができる。
本発明のインキ供給装置では、印刷開始から前記所定の印刷部数までインキ供給量を段階的に増加させることを特徴としている。
従って、印刷開始から所定の印刷部数までインキ供給量を段階的に増加させることで、制御の簡素化を図ることができる。
本発明のインキ供給装置では、印刷速度とインキ供給量との関係を規定するインキ速度関数と、印刷部数とインキ供給調整量との関係を規定するインキ部数関数とが設けられ、インキ速度関数を用いてインキ供給量を設定し、インキ部数関数を用いてインキ供給量を調整することを特徴としている。
従って、予めインキ速度関数とインキ部数関数とを設定しておけばよく、簡単な制御により容易にインキ供給量を設定することができ、制御の簡素化を図ることができる。
本発明のインキ供給装置では、前記インキ部数関数は、印刷パターンに応じて調整可能であることを特徴としている。
従って、印刷パターンに応じてインキ部数関数を調整可能とすることで、印刷パターンに合わせたインキ供給量を設定することができる。
本発明のインキ供給装置では、前記インキ部数関数は、異なる印刷パターンに応じて複数設定され、選択的に使用可能であることを特徴としている。
従って、異なる印刷パターンに応じて複数のインキ部数関数を設定し、選択的に使用可能とすることで、インキ部数関数を調整する必要がなく、印刷パターンに合わせたインキ供給量を容易に設定することができる。
本発明のインキ供給装置では、前記インキ部数関数は、異なる印刷条件に応じて調整可能であることを特徴としている。
従って、印刷条件に応じてインキ部数関数を調整可能とすることで、印刷条件に合わせたインキ供給量を設定することができる。
本発明のインキ供給装置では、前記インキ部数関数が記憶される記憶部が設けられ、前記インキ部数関数の調整量に応じて前記記憶部に記憶された前記インキ部数関数が変更可能であることを特徴としている。
従って、インキ部数関数の調整量に応じて記憶部に記憶されたインキ部数関数を変更することで、記憶部のインキ部数関数を随時最新のものにすることができる。
本発明のインキ供給装置では、前記インキ部数関数が記憶される記憶部と、印刷状態を検出する印刷状態検出部が設けられ、前記印刷状態検出部が検出した印刷状態に応じて前記記憶部に記憶された前記インキ部数関数が変更可能であることを特徴としている。
従って、例えば、印刷状態として、自動的に検出された印刷濃度に応じて記憶部に記憶されたインキ部数関数を変更することで、記憶部のインキ部数関数を随時印刷濃度に応じた最新のものにすることができる。
本発明のインキ供給装置では、前記インキ部数関数が記憶される記憶部と、インキ濃度を検出するインキ濃度検出部が設けられ、前記インキ濃度検出部が検出したインキ濃度に応じて前記記憶部に記憶された前記インキ部数関数が変更可能であることを特徴としている。
従って、例えば、インキ濃度として、自動的に検出されたインキにおける含水量に応じて記憶部に記憶されたインキ部数関数を変更することで、記憶部のインキ部数関数を随時インキにおける含水量に応じた最新のものにすることができる。
本発明のインキ供給装置では、インキ供給源と、前記インキ供給源から受け渡されたインキを供給するインキ元ローラと、前記インキ元ローラから供給されたインキを版胴へ搬送する複数のインキ搬送ローラと、印刷部数に応じて前記インキ元ローラの回転数を制御することでインキ供給量を調整する制御装置とを備えることを特徴としている。
従って、印刷部数に応じてインキ元ローラの回転数を制御してインキ供給量を調整することで、インキ元ローラの回転数を増減するという簡単な制御で、印刷用紙の幅方向におけるインキ供給量を均一に調整することができる。
また、本発明のインキ供給方法は、印刷速度に応じてインキ供給量を設定するインキ供給量設定ステップと、印刷速度に応じて設定されたインキ供給量を印刷部数に応じて調整するインキ供給量調整ステップと、印刷部数に応じて調整されたインキ供給量を版胴に供給するインキ供給ステップと、を有することを特徴とするものである。
従って、印刷部数が増加するときに印刷条件が変動しても、印刷濃度の増減が抑制されることとなり、印刷濃度を一定に維持して印刷品質の向上を図ることができる。
また、本発明のインキ供給量制御装置は、印刷速度に応じてインキ供給量を設定し、印刷速度に応じて設定されたインキ供給量を印刷部数に応じて調整する、ことを特徴とするものである。
従って、印刷部数が増加するときに印刷条件が変動しても、印刷濃度の増減が抑制されることとなり、印刷濃度を一定に維持して印刷品質の向上を図ることができる。
また、本発明の印刷機は、前記インキ供給装置と、外周部に装着された刷版に前記インキ供給装置からインキが供給される版胴と、前記版胴から受け取ったインキの画像をウェブに転写するブランケット胴と、を備えることを特徴とするものである。
従って、印刷速度に応じてインキ供給量が設定され、設定されたインキ供給量が印刷部数に応じて調整されることで、印刷部数が増加するときに印刷条件が変動しても、印刷濃度の増減が抑制されることとなり、印刷濃度を一定に維持して印刷品質の向上を図ることができる。
本発明のインキ供給装置及び方法、インキ供給量制御装置、印刷機によれば、印刷速度に応じてインキ供給量を設定し、印刷速度に応じて設定されたインキ供給量を印刷部数に応じて調整するので、印刷濃度を一定に維持して印刷品質の向上を図ることができる。
図1は、本実施形態のインキ供給装置を表す概略構成図である。 図2は、印刷速度関数マップを表すグラフである。 図3は、印刷部数関数マップを表すグラフである。 図4は、別の印刷部数関数マップを表すグラフである。 図5は、新聞用オフセット輪転印刷機を表す概略構成図である。 図6は、新聞用オフセット輪転印刷機における印刷ユニットを表す概略構成図である。 図7は、印刷ユニットにおけるローラ配列を表す概略図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係るインキ供給装置及び方法、インキ供給量制御装置、印刷機の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、複数の実施形態がある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
まず、本実施形態の新聞用オフセット輪転印刷機の構成を簡単に説明する。図5は、本実施形態の新聞用オフセット輪転印刷機を表す概略構成図、図6は、新聞用オフセット輪転印刷機における印刷ユニットを表す概略構成図、図7は、印刷ユニットにおけるローラ配列を表す概略図である。
本実施形態において、図5に示すように、新聞用オフセット輪転印刷機(以下、単に印刷機と称する。)Pは、給紙装置Rと、インフィード装置Iと、印刷装置Uと、ウェブパス装置Dと、折機Fとから構成されている。給紙装置Rは、複数(本実施形態では、5台)の給紙ユニットR1,R2,R3,R4,R5を有し、インフィード装置Iは、複数(本実施形態では、5台)のインフィードユニットI1,I2,I3,I4,I5を有し、印刷装置Uは、複数(本実施形態では、5台)の印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5を有し、ウェブパス装置Dは、1台のウェブパスユニットD1を有し、折機Fは、2台の折ユニットF1,F2を有している。なお、給紙ユニットR1,R2,R3,R4,R5、インフィードユニットI1,I2,I3,I4,I5、印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5の台数は、5台に限定されるものではなく、ウェブパスユニットD1、折ユニットF1,F2は、複数台としてもよい。
給紙装置Rにおいて、給紙ユニットR1,R2,R3,R4,R5は、ほぼ同様の構成をなし、ウェブ(巻取紙)Wがロール状に巻かれた3個の巻取紙を保持する保持アームを有し、この保持アームを回動することで、巻取紙を給紙位置に回動することができる。また、この各給紙ユニットR1〜R5は、図示しない紙継装置を有しており、給紙位置で繰り出されている巻取紙が残り少なくなると、この紙継装置により給紙位置にある巻取紙に対して、待機位置にある巻取紙を紙継することができる。
インフィード装置Iにおいて、インフィードユニットI1,I2,I3,I4,I5は、ほぼ同様の構成をなし、印刷装置Uの各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5に送り込むウェブWのテンションを調整することで、印刷装置Uを走行するウェブWのテンションを適正値に安定して維持するようにしている。例えば、各インフィードユニットI1,I2,I3,I4,I5は、インフィードローラ、ダンサローラ、ガイドローラなどを有している。そして、ダンサローラをウェブWの張り方向に付勢することでウェブWのテンションを適正にし、このダンサローラの揺動に応じてインフィードローラの周速を変更し、ウェブWの適正なテンションを維持している。
印刷装置Uにおいて、印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5は、ほぼ同様の構成をなし、印刷ユニットU1,U2,U3は、2色刷りが可能であり、印刷ユニットU4,U5は、4色刷りが可能である。但し、印刷ユニットU4,U5は、上下に分割することで、それぞれを2色刷りの印刷ユニットとして使用することができる。印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5は、インキ供給装置、版胴、ブランケット胴などを有している。
ウェブパス装置Dにおいて、ウェブパスユニットD1は、印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5に対して設けられている。ウェブパスユニットD1は、ウェブWを縦(ウェブWの天地長手方向、ウェブWの搬送方向)に沿ってその幅方向の中央部で裁断するスリッタD11と、縦裁断したウェブWの走行経路を設定するターンバーD12と、ウェブWにおける天地長手方向における搬送位置を調整するコンペンセータD13などを有している。
折機Fにて、折ユニットF1,F2は、ほぼ同様の構成をなしている。ウェブパスユニットD1から複数のウェブWが重ねられて導入されると、折ユニットF1,F2は、それぞれウェブWを縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙することができる。
ここで、印刷装置Uにおける印刷ユニットU5について詳細に説明する。なお、他の各印刷ユニットU1〜U4もほぼ同様の構成となっている。
印刷ユニットU5は、図6に示すように、4色印刷が可能となるように、H型のタワーユニットとなっている。この印刷ユニットU5は、ウェブWの搬送方向が鉛直方向における上方となっており、下から上に向かって、墨(Black)、藍(Cyan)、紅(Magenta)、黄(Yellow)ごとの4つのスタック21,22,23,24が配置されて構成されている。各スタック21,22,23,24は、それぞれ左右対称となるローラ配列となっている。
各スタック21,22,23,24は、左右に対向してブランケット胴31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bがウェブWの搬送経路を挟んで対接可能であり、各ブランケット胴31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bに版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bが対接している。そして、各スタック21,22,23,24は、各版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bに対して、インキ供給装置51a,51b,52a,52b,53a,53b,54a,54bが設けられている。また、各版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bに対して、湿し装置61a,61b,62a,62b,63a,63b,64a,64bが設けられている。
この場合、スタック21,23は、ブランケット胴31a,31b,33a,33bと版胴41a,41b,43a,43bがハの字形状に配列され、スタック22,24は、ブランケット胴32a,32b,34a,34bと版胴42a,42b,44a,44bが逆ハの字形状に配列されている。そして、各版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bにて、外周面に異なる絵柄を印刷する刷版(図示略)が軸方向、つまり、ウェブWの幅方向に沿って並べて装着可能となっている。
ここで、最も上方側に配置されるスタック24について詳細に説明する。
スタック24は、図7に示すように、鉛直方向における上方向に沿ったウェブWの搬送経路(ウェブ搬送位置)に対して、左側が表面印刷を行う表面印刷ユニットであり、右側が裏面印刷を行う裏面印刷ユニットである。
スタック24は、ブランケット胴34a,34bと、版胴44a,44bと、インキ供給装置54a,54bと、湿し装置64a,64bを有している。このインキ供給装置54a,54bは、インキ元ローラ71a,71bと、インキつぼを構成するインキキー72a,72bと、インキ受渡しローラ73a,73bと、インキ練ローラ74a,74bと、インキ往復ローラ75a,75bと、インキ練ローラ76a,76bと、インキ往復ローラ77a,77bと、2つのインキ着ローラ78a,78b,79a,79bから構成されている。また、湿し装置64a,64bは、水ライダローラ81a,81bと、水往復ローラ82a,82bと、水着ローラ83a,83bとから構成されている。
なお、インキ供給装置54a,54bは、デジタルインキポンプ方式であってもよく、湿し装置64a,64bは、スプレー方式であってもよい。また、使用されるインキ(墨インキ、プロセスインキ)は、下記のラレー粘度のものとすることが好ましい。
[インキつぼ形式]
墨インキ−5〜10Pa・S
プロセスインキ−4〜8Pa・S
[デジタルインキポンプ方式]
墨インキ−8〜10Pa・S
プロセスインキ−6〜8Pa・S
本実施形態のインキ供給装置54a,54bは、インキつぼ方式であって、1つのインキ元ローラ71a,71bに対して複数のインキキー72a,72bが幅方向に沿って配置されて構成されている。そして、インキ元ローラ71a,71b及びインキキー72a,72bは、予め設定された所定の流動性(粘度)を有するインキを貯留することができると共に、インキキー72a,72bを開放することで、所定量のインキを送り出すことができる。このインキ元ローラ71a,71bは、表面が金属により形成され、図示しないフレームに回転自在に支持され、後述する駆動装置により駆動回転可能となっている。
インキ受渡しローラ73a,73bは、インキ元ローラ71a,71bのインキを受け渡すものであって、表面が金属または樹脂により形成され、インキ元ローラ71a,71bに対接するようにフレームに回転自在に支持されている。インキ練ローラ74a,74bは、インキ受渡しローラ73a,73bから受け渡されたインキを練るものであって、表面がゴムにより形成され、インキ受渡しローラ73a,73bに対接するようにフレームに回転自在に支持されている。インキ往復ローラ75a,75bは、インキ練ローラ74a,74bにより練られたインキを幅方向に広げるものであって、表面が金属により形成され、インキ練ローラ74a,74bに対接するようにフレームに回転自在に支持されると共に、軸方向に往復移動可能となっている。
インキ練ローラ76a,76bは、インキ往復ローラ75a,75bから受け渡されたインキを練るものであって、表面がゴムにより形成され、インキ往復ローラ75a,75bに対接するようにフレームに回転自在に支持されている。インキ往復ローラ77a,77bは、インキ練ローラ76a,76bにより練られたインキを幅方向に広げるものであって、表面が金属により形成され、インキ練ローラ76a,76bに対接するようにフレームに回転自在に支持されると共に、軸方向に往復移動可能となっている。
インキ着ローラ78a,78b,79a,79bは、インキ往復ローラ77a,77bにより幅方向に広げられたインキを受け取って供給するものであって、表面がゴムにより形成され、インキ往復ローラ77a,77bに対接するようにフレームに回転自在に支持されている。そして、インキ受渡しローラ73a,73bとインキ往復ローラ75a,75b,77a,77bは、図示しないギアにより同期駆動するように連結され、図示しない駆動装置により駆動回転可能となっている。また、インキ練ローラ74a,74bとインキ着ローラ78a,78b,79a,79bは、駆動回転する各ローラとの摩擦接触による回転伝達により回転可能となっている。
なお、インキ受渡しローラ73a,73b、インキ練ローラ74a,74b、インキ練ローラ76a,76b、インキ往復ローラ77a,77b、インキ着ローラ78a,78b,79a,79bによりインキ搬送ローラが構成される。
また、水ライダローラ81a,81bは、ローラ間で受け渡される湿し水を練るものであり、表面がゴムにより形成され、隣接するローラに対接するようにフレームに回転自在に支持されている。また、水往復ローラ82a,82bは、隣接するローラ間で受け渡される湿し水を幅方向に広げるものであって、表面が金属により形成され、隣接するローラに対接するようにフレームに回転自在に支持されると共に、軸方向に往復移動可能となっている。水着ローラ83a,83bは、水往復ローラ82a,82bにより幅方向に広げられた湿し水を受け取って供給するものであって、表面がゴムにより形成され、水往復ローラ82a,82bに対接するようにフレームに回転自在に支持されている。そして、水往復ローラ82a,82bは、インキ往復ローラ75a,75b,77a,77bと共にギアにより同期駆動するように連結され、駆動回転可能となっている。また、水ライダローラ81a,81bと水着ローラ83a,83bは、駆動回転する各ローラとの摩擦接触による回転伝達により回転可能となっている。
版胴44a,44bは、表面に図示しない刷版が巻き付けられる金属ローラであり、水着ローラ83a,83bの湿し水が刷版の非画線部に受け渡された後、インキ着ローラ78a,78b,79a,79bのインキが刷版の画線部に受け渡される。この版胴44a,44bは、インキ着ローラ78a,78b,79a,79bと水着ローラ83a,83bに対接するようにフレームに回転自在に支持されている。ブランケット胴34a,34bは、表面に図示しないブランケット(ゴム)が巻き付けられるゴムローラであり、版胴44a,44bから受け渡されたインキをウェブWに転写するものであって、版胴44a,44bに対接するようにフレームに回転自在に支持されている。ここで、左右のブランケット胴34a,34bは、所定高さだけ上下方向にずれて配置されている。即ち、左右のブランケット胴34a,34bは、水平線に対して所定角度θだけ回動した位置に配置されることで、左側のブランケット胴34aが右側のブランケット胴34bより所定高さだけ上方に位置している。そして、版胴44a,44bとブランケット胴34a,34bは、図示しないギアにより同期駆動するように連結され、駆動装置により駆動回転可能となっている。
この場合、版胴44a,44bに装着される刷版は、絵柄のある領域(画線部)と絵柄のない領域(非画線部)が形成され、画線部が親油性であり、非画線部が親水性である。そのため、版胴44a,44bに装着された刷版に対して、水着ローラ83a,83bから湿し水が供給された後に、インキ着ローラ78a,78b,79a,79bからインキが供給されると、画線部のみにインキが転写され、非画線部に湿し水が転写される。そして、版胴44a,44bに対してブランケット胴34a,34bが対接して同期回転すると、版胴44a,44bから画線部にあるインキがブランケット胴34a,34bに転写される。
なお、スタック24だけ説明したが、他のスタック21,22,23もほぼ同様の構成である。
以下、本実施形態のインキ供給装置について説明するが、本実施形態のインキ供給装置は、上述したインキ供給装置51a,51b,52a,52b,53a,53b,54a,54bに適用可能となっている。図1は、本実施形態のインキ供給装置を表す概略構成図、図2は、印刷速度関数マップを表すグラフ、図3は、印刷部数関数マップを表すグラフである。
本実施形態のインキ供給装置は、図1に示すように、印刷速度に応じてインキ供給量を設定し、印刷速度に応じて設定されたインキ供給量を印刷部数に応じて調整するものである。
制御装置101は、演算部102と、制御部103を有している。この制御装置101は、操作部104と、部数検出部105と、回転数検出部106が接続されている。また、制御装置101は、サーバー(図示略)から絵柄データ(標準データ/画像情報)が入力される。演算部102は、入力された絵柄データに基づいてインキキーごとの画線率を計算する。制御装置101は、印刷機制御部(図示略)から印刷速度が入力される。操作部104は、オペレータが操作可能であって、例えば、印刷済の新聞に応じて色調整指示値を入力する。部数検出部105は、印刷された新聞の部数をカウントするものであり、検出した新聞の印刷部数を制御装置101に出力する。回転数検出部106は、インキ元ローラ71a,71b(図7参照)の回転数を検出するものであり、検出したインキ元ローラ回転数を制御装置101に出力する。演算部102は、インキキーごとの画線率、印刷速度、色調整指示値、印刷部数、インキ元ローラ回転数に基づいてインキキーごとのインキキー開度とインキ元ローラ回転数を算出する。
また、制御装置101は、記憶部107が接続されている。記憶部107は、インキ速度関数マップと、インキ部数関数マップを記憶している。インキ速度関数マップは、図2に示すように、印刷速度に対するインキ元ローラ回転数を規定するためのグラフであって、印刷速度の上昇に伴ってインキ元ローラ回転数も上昇するものとなっている。インキ部数関数マップは、図3に示すように、印刷部数に対するインキ元ローラ回転数の調整量(調整割合)を規定するためのグラフであって、印刷部数の上昇に伴って印刷開始から予め設定された所定の印刷部数までの所定の期間にわたってインキ元ローラ回転数の調整量も上昇するものとなっている。
即ち、インキ部数関数マップにて、印刷部数が0からN1(例えば、1000部)までの期間は、インキ元ローラ回転数の調整量をR1からR2まで上昇(例えば、5%)させ、印刷部数がN1からN2(例えば、2000部)までの期間は、インキ元ローラ回転数の調整量をR2からR3まで上昇(例えば、7%)させることで、印刷開始から所定の印刷部数N2までインキ供給量を徐々に増加させる。この場合、インキ元ローラ回転数の調整量を徐々に2段階上昇させたが、1段階でもよく、また、3段階以上であってもよい。また、その上昇量も徐々に増加させたり、徐々に減少させたりしてもよい。
輪転印刷機Pでは、印刷開始時と、印刷開始時からある程度の時間が経過した時とでは、インキ濃度が変動(増加または減少)する。インキ濃度が増加する要因としては、インキ温度の上昇や、ローラの摩擦熱などによりローラ温度が上昇することで、ローラ間のニップ圧が増加することなどがある。一方、インキ濃度が減少する要因としては、インキの乳化が進みインキ転移が阻害される場合や、ローラ温度が上がり、ローラ表面のゴムが柔らかくなることによるインキ転移量の減少などがある。更に、印刷が開始されると、各ローラ、版胴、ブランケット胴にインキや紙粉などの異物が堆積する(パイリング)ことでインキ転移量が減少する。また、インキ着ローラを着状態にする前に、ゴムローラへ予めインキを付けておく際に(インキ巻きと称する。)、インキ巻きの量を多めに設定した場合は、印刷初期は濃度は濃いが、徐々に通常の条件に近づくため、濃度が低下するといった要因もある。以上のように、インキ濃度の変動にはさまざまな要因が考えられ、また、運転条件、環境によっても変わる。これらインキ濃度の変動に対し、本実施形態のインキ供給装置は、インキ元ローラ回転数を変えることでインキ供給量を調整(増加または減少)している。
なお、図3では、印刷開始から所定の印刷部数N2までインキ供給量を徐々に増加させるようにしたが、この形態に限定されるものではない。図4に示すように、インキ部数関数マップにて、印刷部数が0からN1(例えば、1000部)までの期間は、インキ元ローラ回転数の調整量をR1で一定とし、印刷部数がN1になると、インキ元ローラ回転数の調整量をR1からR2に上昇(例えば、5%)させ、印刷部数がN1からN2(例えば、2000部)までの期間は、インキ元ローラ回転数の調整量をR2で一定とし、印刷部数がN2になると、インキ元ローラ回転数の調整量をR2からR3まで上昇(例えば、7%)させることで、印刷開始から所定の印刷部数N2までインキ供給量を段階的に増加させる。この場合も、インキ元ローラ回転数の調整量を2段階上昇させたが、1段階でもよく、また、3段階以上であってもよい。また、各段階での上昇量も徐々に増加させたり、徐々に減少させたりしてもよい。
このインキ部数関数マップは、印刷開始から所定の印刷部数N2に到達する所定の期間だけ、インキ供給量を徐々にまたは段階的に増加させるものである。そのため、印刷開始から所定の印刷部数N2に到達した後の期間は、インキ元ローラ回転数の調整量が一定となり、インキ供給量も一定となる。
更に、制御装置101は、インキ元ローラ71a,71b(図7参照)の駆動モータ108が接続されると共に、インキキー72a,72b(図7参照)の駆動モータ109が接続されている。即ち、演算部102は、インキキーごとの画線率と色調整指示値とインキ元ローラ回転数に基づいてインキキーごとのインキキー開度を設定すると共に、印刷速度に基づいてインキ元ローラ回転数を設定し、印刷部数に基づいてインキ元ローラ回転数を調整する。制御部103は、調整したインキ元ローラ回転数に基づいて駆動モータ108の回転数を制御すると共に、設定したインキキーごとのインキキー開度に基づいて駆動モータ109の回転数を制御する。
また、記憶部107は、インキ部数関数マップを記憶しているが、このインキ部数関数マップは、異なる印刷条件や異なる印刷パターンに応じて複数記憶している。インキ部数関数マップは、印刷部数に対するインキ元ローラ回転数の調整量を規定するものであるが、例えば、印刷条件としての温度(インキ温度、インキつぼ温度、ローラ温度、雰囲気温度、潤滑油温度など)、印刷速度、インキキー開度、湿し水供給量、インキゴムローラ含水率などに応じてインキ元ローラ回転数の調整量を微調整してもよい。この場合、印刷部数、温度、印刷速度、インキキー開度、湿し水供給量、インキゴムローラ含水率に対して重み付け係数を設定することが望ましく、例えば、印刷部数を0.8とし、温度と印刷速度とインキキー開度と湿し水供給量とインキゴムローラ含水率を合わせて0.2とする。
また、運転パターンとしての版数(初版、第2版、第3版など)、インキ特性、紙種、紙サイズ、画線率、印刷色数などに応じてインキ元ローラ回転数の調整量を微調整してもよい。輪転印刷機では、一日の印刷開始時とそれ以降では状態が異なる。最初のジョブを印刷する初版では、輪転印刷機全体の温度が低く(コールドスタートと呼ばれている。)、第2版、第3版では、次第に温度が上がる(ホットスタートと呼ばれている。)。そのため、版数に応じてインキ元ローラ回転数の調整量を微調整することも必要である。この場合、版数、インキ特性、紙種、紙サイズ、画線率、版数、印刷色数に対して重み付け係数を設定することが望ましく、例えば、印刷部数を0.8とし、版数、インキ特性、紙種、紙サイズ、画線率、版数、印刷色数を合わせて0.2とする。
このようにインキ部数関数マップは、異なる印刷パターンや異なる印刷条件に応じて調整可能であり、特定の印刷パターンや特定の印刷条件に対する複数のインキ部数関数マップを記憶部107に記憶しておき、選択的に使用してもよい。なお、上述した印刷部数や印刷条件、異なる印刷条件に対する重み付け係数は一例であって、適宜設定すればよいものである。
また、オペレータは、印刷済の新聞の印刷状態に応じて操作部104を用いて色調整指示値を入力することで、インキ元ローラ回転数が調整されるが、このときのインキ元ローラ回転数の調整量をインキ部数関数マップに反映させて学習させるようにしてもよく、学習後のインキ部数関数マップを記憶部107に記憶させてもよい。なお、記憶部107に記憶されたインキ部数関数マップは、呼び出して変更可能である。
なお、制御装置101は、濃度検出部111と、含水量検出部112と、温度検出部113が接続されている。濃度検出部111は、印刷後の新聞の印刷濃度を検出するものであり、検出した印刷濃度が制御装置101に出力される。含水量検出部112は、印刷に使用されるインキの含水量を検出するものであり、検出したインキの含水量が制御装置101に出力される。温度検出部113は、インキ着ローラ78a,78b,79a,79bのローラ表面温度を検出するものであり、検出したインキ着ローラ78a,78b,79a,79bの表面温度が制御装置101に出力される。演算部102は、入力された印刷濃度やインキの含水量(含水率)やインキ着ローラの温度に応じて記憶部107に記憶されているインキ部数関数マップを変更可能であると共に、変更後のインキ部数関数マップを記憶可能である。なお、本実施形態では、温度検出部113が検出する温度をインキ着ローラ78a,78b,79a,79bのローラ表面温度としたが、これに限定されるものではない。インキ供給装置54a,54bの他のローラ温度や、インキ温度、インキつぼ温度、雰囲気温度、潤滑油温度などであってもよい。
そのため、図1及び図7に示すように、例えば、スタック24にて、インキキー72a,72bが所定開度に調整され、インキ元ローラ71a,71bが所定速度で回転することで、調量されたインキがこのインキ元ローラ71a,71bを通してインキ受渡しローラ73a,73bに供給される。
このとき、制御装置101の演算部102は、絵柄データと色調整指示値とインキ元ローラ回転数に基づいてインキキーごとのインキキー開度を設定する。また、演算部102は、印刷速度に基づいてインキ速度関数マップを用いてインキ元ローラ回転数を設定し、印刷部数に基づいてインキ部数関数マップを用いてインキ元ローラ回転数を調整する。そして、制御部103は、調整したインキ元ローラ回転数に基づいて駆動モータ108の回転数を制御すると共に、設定したインキキーごとのインキキー開度に基づいて駆動モータ109の回転数を制御する。即ち、インキ元ローラ71a,71bの駆動モータ108がインキ部数関数マップに基づいて制御されることから、図3または図4に示すように、新聞の印刷開始から所定の印刷部数に到達する所定の期間にわたってインキ供給量が増加するように調整される。
そして、インキ元ローラ71a,71bからインキ受渡しローラ73a,73bに供給されたインキは、インキ練ローラ74a,74bを通してインキ往復ローラ75a,75bに受け渡され、このインキ往復ローラ75a,75bが軸方向に往復移動することで、幅方向に広げられる。また、このインキ往復ローラ75a,75bで幅方向に広げられたインキは、インキ練ローラ76a,76bを通してインキ往復ローラ77a,77bに受け渡され、このインキ往復ローラ77a,77bが軸方向に往復移動することで、さらに幅方向に広げられる。
また、水ライダローラ81a,81bは、湿し水を水往復ローラ82a,82bに付与し、この湿し水が水着ローラ83a,83bにより版胴44a,44bの版面に受け渡される。このとき、水着ローラ83a,83bの湿し水は、版胴44a,44bに装着された刷版の非画線部のみに転写される。一方、各インキ往復ローラ77a,77bにより幅方向に広げられたインキは、インキ着ローラ78a,78b,79a,79bに供給され、このインキ着ローラ78a,78b,79a,79bが回転することで版胴44a,44bの版面に受け渡される。このとき、インキ着ローラ78a,78b,79a,79b上のインキは、版胴44a,44bに装着された刷版の画線部のみに転写される。そして、この版胴44a,44bが回転することで、刷版の画線部にあるインキがブランケット胴34a,34bに受け渡される。
その後、ブランケット胴34a,34bの間のニップ部をウェブWが通過するときに、その印圧により各ブランケット胴34a,34bに転写されたインキ(絵柄)がウェブWの表裏に転写される。即ち、ウェブWの表面に対して、ブランケット胴34aのインキが転写され、ウェブWの裏面に対して、ブランケット胴34bのインキが転写されることで、ウェブWへの両面印刷が行われる。このとき、新聞の印刷開始から所定の印刷部数に到達する所定の期間にわたってインキ供給量が増加するように調整されることから、印刷条件や印刷パターンにより印刷濃度が低下することが抑制される。
このように本実施形態のインキ供給装置にあっては、制御装置101の演算部102が印刷速度に応じてインキ供給量を設定し、印刷速度に応じて設定されたインキ供給量を印刷部数に応じて調整し、制御部103がインキキー開度とインキ元ローラ回転数を制御する。
従って、印刷速度に応じてインキ供給量が設定され、設定されたインキ供給量が印刷部数に応じて調整されることで、印刷部数が増加するときに印刷条件が変動しても、印刷濃度の増減が抑制されることとなり、印刷濃度を一定に維持して印刷品質の向上を図ることができる。濃度に変化を及ぼす要因であるインキ温度やインキの乳化状態やパイリングは、ほぼ印刷機の回転数、つまり印刷部数に比例する。よって、他の条件が変わった場合、例えば、色合わせに時間がかかり、調整が完了してから本刷りに入るまでの時間にばらつきがあったとしても、印刷部数で管理することにより、安定したインキ供給を行うことができる。
本実施形態のインキ供給装置では、印刷開始から予め設定された所定の印刷部数まで所定の期間にわたってインキ供給量を増加させる。従って、印刷開始時から上昇するローラ温度やインキの乳化、印刷開始時から増加するパイリングなどによる印刷濃度の低下が抑制され、印刷濃度を一定に維持することができる。
本実施形態のインキ供給装置では、印刷開始から所定の印刷部数までインキ供給量を徐々に増加させる。従って、刻々に変動する印刷濃度に対してインキ供給量を細かく制御することで、印刷濃度を一定に維持することができる。
本実施形態のインキ供給装置では、印刷開始から所定の印刷部数までインキ供給量を段階的に増加させる。従って、制御の簡素化を図ることができる。
本実施形態のインキ供給装置では、印刷速度とインキ供給量との関係を規定するインキ速度関数と、印刷部数とインキ供給調整量との関係を規定するインキ部数関数とを設け、インキ速度関数を用いてインキ供給量を設定し、インキ部数関数を用いてインキ供給量を調整する。従って、予めインキ速度関数とインキ部数関数とを設定しておけばよく、簡単な制御により容易にインキ供給量を設定することができ、制御の簡素化を図ることができる。
本実施形態のインキ供給装置では、インキ部数関数を印刷パターンに応じて調整可能とする。従って、印刷パターンに合わせたインキ供給量を設定することができる。
本実施形態のインキ供給装置では、インキ部数関数を異なる印刷パターンに応じて複数設定し、選択的に使用可能とする。従って、インキ部数関数を調整する必要がなく、印刷パターンに合わせたインキ供給量を容易に設定することができる。
本実施形態のインキ供給装置では、インキ部数関数を異なる印刷条件に応じて調整可能とする。従って、印刷条件に合わせたインキ供給量を設定することができる。
本実施形態のインキ供給装置では、インキ部数関数が記憶される記憶部107を設け、インキ部数関数の調整量に応じて記憶部107に記憶されたインキ部数関数を変更可能とする。従って、記憶部107のインキ部数関数を随時最新のものにすることができる。
本実施形態のインキ供給装置では、インキ部数関数が記憶される記憶部107と、印刷濃度を検出する濃度検出部111を設けられ、濃度検出部111が検出した印刷濃度に応じて記憶部107に記憶されたインキ部数関数を変更可能とする。従って、自動的に検出された印刷濃度に応じて記憶部107に記憶されたインキ部数関数を変更することで、記憶部107のインキ部数関数を随時印刷濃度に応じた最新のものにすることができる。
本実施形態のインキ供給装置では、インキ部数関数が記憶される記憶部107と、インキの含水量を検出する含水量検出部112を設け、含水量検出部112が検出したインキの含水量に応じて記憶部107に記憶されたインキ部数関数を変更可能とする。従って、自動的に検出されたインキにおける含水量に応じて記憶部107に記憶されたインキ部数関数を変更することで、記憶部107のインキ部数関数を随時インキにおける含水量に応じた最新のものにすることができる。
本実施形態のインキ供給装置では、印刷部数に応じてインキ元ローラ71a,71bの回転数を制御することでインキ供給量を調整する制御装置101を設けている。従って、インキ元ローラ71a,71bの回転数を増減するという簡単な制御で、ウェブWの幅方向におけるインキ供給量を均一に調整することができる。
また、本実施形態のインキ供給方法は、印刷速度に応じてインキ供給量を設定するインキ供給量設定ステップと、印刷速度に応じて設定されたインキ供給量を印刷部数に応じて調整するインキ供給量調整ステップと、印刷部数に応じて調整されたインキ供給量を版胴に供給するインキ供給ステップとを有する。
従って、印刷部数が増加するときに印刷条件が変動しても、印刷濃度の増減が抑制されることとなり、印刷濃度を一定に維持して印刷品質の向上を図ることができる。
また、本実施形態のインキ供給量制御装置は、印刷速度に応じてインキ供給量を設定し、印刷速度に応じて設定されたインキ供給量を印刷部数に応じて調整する。従って、印刷部数が増加するときに印刷条件が変動しても、印刷濃度の増減が抑制されることとなり、印刷濃度を一定に維持して印刷品質の向上を図ることができる。
また、本実施形態の印刷機にあっては、インキを供給するインキ供給装置51a,51b,52a,52b,53a,53b,54a,54bと、インキ供給装置51a,51b,52a,52b,53a,53b,54a,54bから外周部に装着された刷版にインキが供給される版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bと、版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bから受け取ったインキの画像をウェブWに転写するブランケット胴31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bとを設けている。
従って、印刷速度に応じてインキ供給量が設定され、設定されたインキ供給量が印刷部数に応じて調整されることで、印刷部数が増加するときに印刷条件が変動しても、印刷濃度の増減が抑制されることとなり、印刷濃度を一定に維持して印刷品質の向上を図ることができる。
なお、上述した実施形態では、印刷部数に応じてインキ元ローラの回転数を制御することでインキ供給量を調整するようにしたが、印刷部数に応じてインキキー開度を制御したり、デジタルインキポンプによるインキ吐出量を制御したりすることでインキ供給量を調整するようにしてもよい。
P 新聞用オフセット輪転印刷機(印刷機)
R 給紙装置
R1,R2,R3,R4,R5 給紙ユニット
I インフィード装置
I1,I2,I3,I4,I5 インフィードユニット
U 印刷装置
U1,U2,U3,U4,U5 印刷ユニット
D ウェブパス装置
D1 ウェブパスユニット
D11 スリッタ
D12 ターンバー
D13 コンペンセータ
F 折機
F1,F2 折ユニット
21,22,23,24 スタック
31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34b ブランケット胴
41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44b 版胴
51a,51b,52a,52b,53a,53b,54a,54b インキ供給装置
61a,61b,62a,62b,63a,63b,64a,64b 湿し装置
71a,71b インキ元ローラ
72a,72b インキキー
101 制御装置
102 演算部
103 制御部
104 操作部
105 部数検出部
106 回転数検出部
107 記憶部
108 インキ元ローラの駆動モータ
109 インキキーの駆動モータ
111 濃度検出部
112 含水量検出部
113 温度検出部
W ウェブ(印刷用紙)

Claims (15)

  1. 印刷速度に応じてインキ供給量を設定するインキ供給装置において、
    印刷速度に応じて設定されたインキ供給量を本刷り時に印刷部数に応じて調整する、
    ことを特徴とするインキ供給装置。
  2. 印刷開始から予め設定された所定の印刷部数まで所定の期間にわたってインキ供給量を増加させることを特徴とする請求項1に記載のインキ供給装置。
  3. 印刷開始から前記所定の印刷部数までインキ供給量を徐々に増加させることを特徴とする請求項2に記載のインキ供給装置。
  4. 印刷開始から前記所定の印刷部数までインキ供給量を段階的に増加させることを特徴とする請求項2に記載のインキ供給装置。
  5. 印刷速度とインキ供給量との関係を規定するインキ速度関数と、印刷部数とインキ供給調整量との関係を規定するインキ部数関数とが設けられ、インキ速度関数を用いてインキ供給量を設定し、インキ部数関数を用いてインキ供給量を調整することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のインキ供給装置。
  6. 前記インキ部数関数は、印刷パターンに応じて調整可能であることを特徴とする請求項5に記載のインキ供給装置。
  7. 前記インキ部数関数は、異なる印刷パターンに応じて複数設定され、選択的に使用可能であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のインキ供給装置。
  8. 前記インキ部数関数は、異なる印刷条件に応じて調整可能であることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載のインキ供給装置。
  9. 前記インキ部数関数が記憶される記憶部が設けられ、前記インキ部数関数の調整量に応じて前記記憶部に記憶された前記インキ部数関数が変更可能であることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか一項に記載のインキ供給装置。
  10. 前記インキ部数関数が記憶される記憶部と、印刷状態を検出する印刷状態検出部が設けられ、前記印刷状態検出部が検出した印刷状態に応じて前記記憶部に記憶された前記インキ部数関数が変更可能であることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか一項に記載のインキ供給装置。
  11. 前記インキ部数関数が記憶される記憶部と、インキ濃度を検出するインキ濃度検出部が設けられ、前記インキ濃度検出部が検出したインキ濃度に応じて前記記憶部に記憶された前記インキ部数関数が変更可能であることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか一項に記載のインキ供給装置。
  12. インキ供給源と、前記インキ供給源から受け渡されたインキを供給するインキ元ローラと、前記インキ元ローラから供給されたインキを版胴へ搬送する複数のインキ搬送ローラと、印刷部数に応じて前記インキ元ローラの回転数を制御することでインキ供給量を調整する制御装置とを備えることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のインキ供給装置。
  13. 印刷速度に応じてインキ供給量を設定するインキ供給量設定ステップと、
    印刷速度に応じて設定されたインキ供給量を本刷り時に印刷部数に応じて調整するインキ供給量調整ステップと、
    印刷部数に応じて調整されたインキ供給量を版胴に供給するインキ供給ステップと、
    を有することを特徴とするインキ供給方法。
  14. 印刷速度に応じてインキ供給量を設定し、印刷速度に応じて設定されたインキ供給量を本刷り時に印刷部数に応じて調整する、
    ことを特徴とするインキ供給量制御装置。
  15. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のインキ供給装置と、
    外周部に装着された刷版に前記インキ供給装置からインキが供給される版胴と、
    前記版胴から受け取ったインキの画像をウェブに転写するブランケット胴と、
    を備えることを特徴とする印刷機。
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