JP2007234241A - 有機el素子 - Google Patents

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Kazuki Nishimura
和樹 西村
Yuji Hamada
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Abstract

【課題】発光層形成に際しての工程の簡略化及びコストの低減を図ることができるだけでなく、発光効率を高めることが可能とされている有機EL素子を提供する。
【解決手段】発光層として、青色発光領域11、赤色発光領域12及び緑色発光領域13をそれぞれ形成するための青色発光層B、赤色発光層R及び緑色発光層Gを有し、緑色発光層Gが、赤色発光領域12において、赤色発光層Rの陰極側の面を覆うように設けられた緑色発光層延長部G1を有するように構成されている、3色塗分け方式で緑色発光層、赤色発光層及び青色発光層が形成されている有機EL素子1。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子に関し、特に、赤色、緑色及び青色の発光領域を形成するための赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層が薄膜形成法によりそれぞれ形成されている構造を有する有機EL素子に関する。
有機EL素子からなるディスプレイでは、視野角が広く、コントラストが高く、応答速度が速く、軽量化及び薄型化が容易である。従って、有機EL素子は、携帯機器用ディスプレイとしての応用が期待されている。しかしながら、携帯機器は電池で駆動されるため、ディスプレイに対しては消費電力が小さいことが求められている。また、携帯機器の価格の低下に伴い、ディスプレイの低コスト化も要求されている。
有機EL素子によりディスプレイを構成する場合、フルカラー方式としては、白色発光とカラーフィルターとを組み合わせた方式、青色発光と色変換フィルターとを組み合わせた方式、RGBの塗分け方式の3種類の方式が知られている。
上記3種類の方法のうち、有機発光材料を用いた有機EL素子の特徴を活かせるのは、RGB塗分け方式である。この方法では、有機発光材料自体が持っている鮮やかな発光色を利用することができる。従って、フルカラー表示において、NTSC色再現性を高めることができる。
例えば、白色発光とカラーフィルターとを組み合わせた方式では、色再現性がカラーフィルターの性能により制限されるため、色再現性は40〜50%と低かった。これに対して、RGB塗分け方式では、70〜100%といった高い色再現性を実現することができる。このような色再現性は、CRTやPDP(プラズマディスプレイ・パネル)と同等のレベルであり、従って、非常に鮮やかな映像を表示することができる。
上記RGB塗分け方式を用いた有機ELディスプレイの製造方法では、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3原色の発光領域に、それぞれ個別の発光層を形成することにより構成されている。この場合、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層は、それぞれ、シャドウマスクを用いて蒸着法などの薄膜形成方法により形成されていた。そのため、3原色を個別に塗分けねばならず、言い換えれば、各発光層をそれぞれマスクを用いて個別に蒸着しなければならなかった。従って、各マスクを発光層が形成される基板上に位置合わせする作業が煩雑であり、またマスクずれが生じるおそれがあった。マスクずれが生じると、画面上において色ずれが生じ、画像品位が著しく損なわれることになる。
従って、RGBの3色塗分け方式では、精細なシャドーマスクを3枚必要とし、しかも3枚のシャドーマスクを高精度に位置決めしなければならなかった。そのため、高価な精細なシャドーマスクを用意しなければならず、しかも3枚のシャドーマスクを高精度に位置決めしなければならないため、位置決めに時間を要し、かつ工程が煩雑になりがちであった。そのため、有機EL素子のコストが高くなるおそれがあった。
なお、3色塗分け法により得られた有機EL素子として、下記の非特許文献1には、図5に示す有機EL素子が開示されている。この有機EL素子101では、陽極102と陰極103との間にホール注入層104、ホール輸送層105、発光層106及び電子輸送層107が配置されている。そして、発光層106では、3色塗分け方式により、赤色発光層106aと、緑色発光層106bと、青色発光層106cとが形成されている。ここでは、赤色発光領域に赤色発光層106aが、緑色発光領域に緑色発光層106bが形成されており、青色発光層106cは、青色発光領域だけでなく、他の2色の発光層の片面をも覆うように形成されている。この構造によれば、青色発光層106cは、発光層が形成される全領域に形成されればよい。従って、赤色発光層106aを形成する際のマスクと、緑色発光層106bを形成するためのマスクとの2種類のマスクを用いるだけでよい。すなわち、マスクの使用数を3枚から2枚に低減することが可能である。
H.D.Kim,K.J.Yoo,M.H.Kim,S.T.Lee and H.K.Chung,"Challenges to Am−oled Technology for Mobile Display",IDW/AD’05,pp267−270,(2005)
非特許文献1に記載の有機EL素子101では、使用するマスクの数を低減することができ、それによってコストの低減及び生産性の向上を図ることができる。
しかしながら、有機EL素子をディスプレイとして用いた場合、コストの低減だけでなく、前述したように、低消費電力化を果たすために発光効率の向上が強く求められている。
本発明の目的は、従来技術の現状に鑑み、色再現性に優れた3色塗分け方式により得られる有機EL素子であって、コストの低減及び生産性の向上を図り得るだけでなく、各色の発光効率に優れ、従って、低消費電力化を果たすことが可能な有機EL素子を提供することにある。
本発明に係る有機EL素子は、陽極と、陰極と、前記陽極と陰極との間に配置された発光層とを備え、前記発光層として、赤色発光領域、青色発光領域及び緑色発光領域をそれぞれ形成するための赤色発光層、青色発光層及び緑色発光層を有し、前記緑色発光層が、前記赤色発光領域において前記赤色発光層の前記陰極側の面を覆うように設けられた緑色発光層延長部を有し、それによって前記緑色発光層が、前記緑色発光領域だけでなく、前記赤色発光領域に至るように形成されていることを特徴とする。
通常、赤色発光層に用いられるホスト材料の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギー準位は、緑色発光層におけるホスト材料のLUMOのエネルギー準位よりも低い。従って、緑色発光層延長部が赤色発光層に積層されている部分においては、緑色発光層延長部に陰極側から移動してきた電子が、赤色発光層にトラップされ、再結合領域が赤色発光層に局在化することとなる。また、緑色発光層における電子の励起エネルギーは、赤色発光層の電子の励起エネルギーよりも大きいため、赤色発光層で発生した励起子は緑色発光層側に移動し難い。他方、陽極側に位置しているホール輸送層は、青色の蛍光を有しており、この励起エネルギーは、赤色発光層における励起エネルギーよりも大きい。従って、赤色発光層中の励起子は、ホール輸送層側には移動し難い。よって、赤色発光層に励起子が効果的に閉じ込められ、赤色発光層の発光効率が効果的に高められる。
本発明においては、より好ましくは、前記緑色発光層が、前記青色発光層の陰極側の面を覆う緑色発光層第二延長部をさらに有し、前記緑色発光層が、緑色発光領域、前記赤色発光領域及び前記青色発光領域からなる全ての発光領域に形成されている。
この場合には、緑色発光層を形成するに際してマスクを必要としないため、使用するマスクの数を3枚から2枚に低減することができ、コストの低減及び生産性の向上を図ることができる。
加えて、緑色発光層第二延長部が青色発光層の陰極側の面を覆っている場合、緑色発光層のホスト材料のLUMOと、青色発光層のホスト材料のLUMOがほぼ同じであるため、陰極側から移動してきた電子が、青色発光層に速やかに移動されることになる。そして、青色発光層の上記緑色発光層第二延長部と積層されている側とは反対側の面にはホール輸送層が位置しているため、電子は、青色発光層において、ホール輸送層側に移動し、青色発光層のホール輸送層側領域において電子濃度が高くなる。従って、再結合領域が青色発光層の上記ホール輸送層との界面近傍領域に局在することとなる。従って、青色発光層のみから発光が生じ、緑色の発光は生じず、青色発光層における発光効率が改善される。
本発明においては、好ましくは、前記発光層が、マスクを用いた薄膜形成法により形成された複数の薄膜からなる。この場合には、上記のように緑色発光層延長部、あるいは緑色発光層延長部及び緑色発光層第二延長部を有するように緑色発光層を形成すればよいため、使用するマスクの数の低減あるいはマスク位置合わせ作業の工程の簡略化を図ることができる。
本発明に係る有機EL素子では、好ましくは、前記緑色発光領域の面積が、前記青色発光領域及び前記赤色発光領域の面積よりも小さくされている。通常、緑色発光領域は、他の2色の発光領域よりも小さくされる。これは、緑色が視感度が最も高いためである。しかしながら、最も面積が小さい発光領域では、薄膜形成法により発光層を形成した場合の色ずれが生じ易いが、本発明では、緑色発光層が、緑色発光層延長部を有するように比較的大きな領域に形成すればよい。従って、色ずれが生じ難い。
本発明に係る有機EL素子では、緑色発光層が、緑色発光層延長部を有し、該緑色発光層延長部が赤色発光領域において赤色発光層の陰極側の面を覆うように設けられている。従って、青色発光層及び赤色発光層を形成した後に、緑色発光層を形成するに際して、緑色発光層を形成するためのマスクを、赤色発光層を形成した際のマスクと同様に青色発光領域と赤色発光領域との端縁に沿ってのみ位置決めすればよく、緑色発光層を形成するためのマスクは、その他の部分において高精度に位置決めする必要がない。従って、位置決め作業の簡略化を果たすことができ、コストを低減することができるとともに、色ずれも生じ難い。
加えて、上記赤色発光層に、緑色発光層上部が重ねられていることにより、赤色発光層の発光効率が高められる。それによって、発光効率が高く、消費電力の低減を果たし得る有機EL素子を提供することが可能となる。
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
(使用材料の略語及びその内容)
以下の実施例で用いられる材料の略語の意味及び構造等は下記の通りである。
(1)NPB
NPBは、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジンであり、以下の構造を有している。
Figure 2007234241
(2)TBADN
TBADNは、2−ターシャリー−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセンであり、以下の構造を有している。
Figure 2007234241
(3)BCP
BCPは、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンであり、以下の構造を有している。
Figure 2007234241
(4)HAT−CN6
HAT−CN6は、ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボンニトリルであり、以下の構造を有している。
Figure 2007234241
(5)化合物R
化合物Rとは、ジベンゾテトラフェニルペリフランセンであり、以下の構造を有している。
Figure 2007234241
(6)C545T
C545Tは、10−(2−ベンゾチアゾリル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル1−1H,5H,11H−〔1〕ベンゾピラノ〔6,7,8,ij〕キノリジン−11−オンであり、以下の構造を有している。
Figure 2007234241
(7)TBP
TBPは、2,5,8,11−テトラ−ターシャリー−ブチルペリレンであり、以下の構造を有している。
Figure 2007234241
(実施例1)
図1(a)は本発明の実施例1に係る有機EL素子を示す模式的正面断面図であり、(b)はその発光層を模式的に示す正面図である。
有機EL素子1は、基板2上に薄膜形成法により複数の薄膜を積層することにより形成されている。なお、本実施例では、基板2はガラス基板からなる。もっとも、基板2としては、アクティブ表示型の有機ELディスプレイを形成するために、TFT基板を用いてもよい。
ガラス基板からなる基板2上に、薄膜形成法により、ITO膜を形成することにより、陽極3が形成されている。この陽極3上に、ホール注入層として、厚み1.5nmのCFx膜及び厚み5nmのHAT−CN6膜を形成した。すなわち、CFx(フッ化炭素)膜と、HAT−CN6膜の積層膜によりホール注入層6を形成した。
次に、真空蒸着法により、ホール注入層6上に、30nmのNPB膜からなるホール輸送層7を形成した。
しかる後、ホール輸送層7上に、後述の発光層5を蒸着法により形成した。
ここで、発光層5としては、青色発光領域11に青色発光層Bを、赤色発光領域12に赤色発光層Rを形成し、赤色発光層Rを形成した後に、緑色発光層Gを、緑色発光領域13上だけでなく、赤色発光領域12において、赤色発光層Rの陰極側の、すなわち電子輸送層側の面に積層された緑色発光層延長部G1を有するように成膜した。
青色発光層Bについては、ホスト材料として、TBADNを有し、青色発光ドーパント材料として、ホスト材料に対して2重量%の割合のTBPを用いた。また、赤色発光層Rとしては、ホール輸送性ホスト材料としてrubreneを70重量%と、電子輸送性ホスト材料として30重量%のTBADNからなるホスト材料に対し、1重量%の化合物Rを赤色発光ドーパント材料として含有する組成の材料を蒸着し、40nmの厚みの赤色発光層Rを形成した。緑色発光層Gとしては、電子輸送性ホスト材料としての90重量%のTBADNと、ホール輸送性ホスト材料としての10重量%のNPBからなるホスト材料に対し、1重量%の緑色発光ドーパント材料としてのC545Tを含有する組成の材料を40nmの厚みで蒸着することにより形成した。なお、該緑色発光層は、図1(b)に示されているように、緑色発光層延長部G1を有し、緑色発光層延長部G1は、同じく40nmの厚みでああり、上記赤色発光層Rの片面に積層されている。
上記発光層5を形成した後に、厚み20nmの厚みのBCPからなる電子輸送層8を真空蒸着法により形成し、さらにLiが1nmであり、Alの厚みが200nmとなるようにこれらを積層してなる積層膜からなる陰極4を蒸着法により形成した。実施例1の有機EL素子の構成の詳細を表1にまとめて示す。
上記のようにして得られた有機EL素子について、陽極3と陰極4から下記の表2に示す駆動電圧を印加し、発光特性を測定した。発光特性のうち、赤色発光特性を下記の表2に示す。表2から明らかなように、3.7Vの駆動電圧で、色度は(0.65,0.35)であり、パワー(電力)効率は10.5lm/Wであり、発光効率は12.3cd/Aであった。
(実施例2)
電子輸送層8としてのBCP膜の厚みを20nmから5nmに変化させたことを除いては、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。実施例1と同様にして、発光特性を測定したところ、赤色発光に関し、駆動電圧3.6Vで、色度は(0.64,0.35)であり、パワー(電力)効率は9.5lm/Wであり、発光効率は11.0cd/Aであった。
(比較例1)
緑色発光層Gが緑色発光層延長部G1を有しないことを除いては、実施例1と同様にして、すなわち従来の3色塗分け方式に従って、有機EL素子を作製した。従って、緑色発光層Gの作製に際し、緑色発光領域のみを開口部とするマスクを用い、青色発光領域を形成するための第1のマスク、赤色発光領域を形成するための第2のマスクによる位置決めに加え、緑色発光領域を開口部とする第3のマスクを高精度に位置決めしなければならなかった。
このようにして得られた比較例1の有機EL素子について、実施例1と同様にして発光特性を測定した。赤色発光について、駆動電圧は3.4Vで、色度は(0.66,0.34)であり、パワー(電力)効率は4.6lm/Wに留まり、かつ発光効率も4.9cd/Aと低かった。
上記のように、比較例1に比べて、緑色発光層延長部G1が赤色発光層Rの片面に積層されている実施例1,2において、赤色発光の発光効率及び電力効率が高められているのは、以下の理由によると考えられる。
すなわち、図3に示すように、赤色発光層のLUMOのエネルギー準位は、緑色発光層のTBADNのLUMOのエネルギー準位よりも低い。従って、電子は図3に示すように移動し、赤色発光層Rにトラップされ、電子とホールとの再結合領域が赤色発光層に局在化する。また、緑色発光層における励起エネルギーは、赤色発光層における励起エネルギーよりも大きいため、赤色発光層で発生した励起子は緑色発光層延長部G1には移動し難い。従って、該励起子が緑色発光層Gや緑色発光層延長部G1に移行して発光し難い。他方、ホール輸送層すなわちNPBは青色の蛍光を有しており、この励起エネルギーは、赤色発光層Rの励起エネルギーよりも大きい。従って、赤色発光層R中の励起子が、ホール輸送層に移動して青色に発光することもない。従って、赤色発光層Rにおける励起子の閉じ込め効率が高められ、赤色の発光層における色度等が低下し難く、かつ発光効率が効果的に高められていると考えられる。
(実施例3)
発光層5の形成に際し、TBADNを電子輸送性ホスト材料として用い、これに青色発光性ドーパント材料として2重量%のTBPを用いて40nmの厚みの青色発光層Bを蒸着法により形成し、次に、赤色発光層Rを実施例1と同様にして形成した。しかる後、緑色発光層Gを、90重量%のTBADNを電子輸送性ホスト材料として、10重量%のNPBをホール輸送性ホスト材料として含み、ホスト材料100重量%に対し1重量%のC545Tを緑色発光ドーパント材料として含む組成からなる緑色発光層を、緑色発光領域Gだけでなく、青色発光層B及び赤色発光層Rの陰極側の、すなわち電子輸送層側の面をも覆うように形成した。従って、緑色発光層Gは、図3に模式的に示すように、緑色発光層延長部G1と、緑色発光層第二延長部G2とを有する。この場合、緑色発光層G及び緑色発光層延長部G1,緑色発光層第二延長部G2の厚みは40nmとした。
その他の点については、実施例1と同様にして有機EL素子を得た。なお、緑色発光層Gを形成するに際し、全発光領域11〜13に至るように緑色発光層構成材料を蒸着すればよいため、緑色色発光層Gを形成するに際してマスクは必要ではなかった。従って、使用するマスクは青色発光層B及び赤色発光層Rを形成するための2つのマスクを用意するだけでよかった。実施例3で得た有機EL素子の構成の詳細を下記の表3に示す。
上記のようにして得た実施例3の有機EL素子について実施例1と同様にして発光特性を評価した。その結果、青色発光特性において、駆動電圧4.0Vとした場合、色度は(0.16,0.24)であり、パワー(電力)効率は5.0lm/Wであり、発光効率は6.4cd/Aであった。
(実施例4)
BCPからなる電子輸送層の厚みを下記の表3に示すように5nmに変更したことを除いては、実施例3と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。その結果、青色発光については、駆動電圧4.1Vで、色度は(0.15,0.21)であり、パワー(電力)効率は5.3lm/Wであり、発光効率は6.9cd/Aであった。
(比較例2)
緑色発光層Gの形成に際し、緑色発光層延長部G1及び緑色発光層第二延長部G2を設けなかったことを除いては、すなわち比較例1と同様にして有機EL素子を作製した。このようにして得られた比較例2の有機EL素子における青色発光についての特性を実施例3と同様にして評価した。その結果、駆動電圧3.6Vで、色度は(0.14,0.10)であり、パワー(電力)効率は3.3lm/W、青色発光効率は3.7cd/Aであった。
従って、比較例2と実施例3,4の比較から明らかなように、緑色発光層第二延長部G2が設けられている場合、実施例3,4では、青色発光の色度の低下がほとんど見られず、しかも電力効率及び発光効率が改善されていることがわかる。これは、以下の理由によると考えられる。
すなわち、図4に示すように、青色発光層Bに、緑色発光層第二延長部G2が積層されている部分では、電子輸送層としてのBCPにおけるLUMOのエネルギー準位と、緑色発光層第二延長部G2及び青色発光層のホスト材料であるTBADNのLUMOのエネルギー準位がほぼ等しいため、BCPから電子が緑色発光層第二延長部G2を経て、青色発光層Bに速やかに移動する。他方、ホール輸送層としてのNPBのLUMOはTBADNのLUMOとエネルギー準位が同じであるが、ホール輸送性である。従って、電子はNPBとTBADNとの界面において、TBADN膜側に留まることになる。そのため、青色発光層Bとホール輸送層との界面近傍の青色発光層B内の電子濃度が高くなり、再結合領域が青色発光層Bの上記界面近傍に局在化することになる。そのため、青色発光層Bに緑色発光層第二延長部G2が積層されていたとしても、発光は青色発光層のみから起こり、しかも青色発光層における発光効率が高められることになると考えられる。
Figure 2007234241
Figure 2007234241
Figure 2007234241
Figure 2007234241
なお、実施例1〜4において、緑色発光層Gにおける発光特性は、駆動電圧3.5Vにおいて、色度は(0.32,0.64)であり、パワー(電力)効率は11.0lm/W、発光効率は12.1cd/Aであった。すなわち、緑色発光層Rは本来的に電力効率及び発光効率が高い。
上記実施例1〜4では、ホール注入層6、ホール輸送層7及び電子注入層8は、上記特定の材料により形成したが、ホール注入層6及びホール輸送層7は、適宜のホール輸送性材料により形成されることができる。また、電子輸送層8についても、適宜の電子輸送性材料により形成することができる。さらに、青色発光層B、緑色発光層G及び赤色発光層Rを構成するホスト材料及びドーパント材料についても、上記特定の材料に限定されず、適宜の電子輸送性ホスト材料、ホスト輸送性ホスト材料及び適宜の発光色に応じたドーパント材料を含むように変更することができる。
(a)は本発明の実施例1に係る有機EL素子を模式的に示す正面断面図であり、(b)はその発光層の要部を模式的に示す正面図である。 実施例3で用意される有機EL素子の発光層を模式的に示す正面図である。 実施例1において、赤色発光層の発光効率が高められる理由を説明するための模式図。 実施例3において青色発光層の発光効率が改善される理由を説明するための模式図。 従来の有機EL素子の一例を示す正面断面図。
符号の説明
1…有機EL素子
2…基板
3…陽極
4…陰極
5…発光層
6…ホール注入層
7…ホール輸送層
8…電子輸送層
11…青色発光領域
12…赤色発光領域
13…緑色発光領域
B…青色発光層
G…緑色発光層
G1…緑色発光層延長部
G2…緑色発光層第二延長部
R…赤色発光層

Claims (5)

  1. 陽極と、陰極と、前記陽極と陰極との間に配置された発光層とを備え、前記発光層として、赤色発光領域、青色発光領域及び緑色発光領域をそれぞれ形成するための赤色発光層、青色発光層及び緑色発光層を有し、
    前記緑色発光層が、前記赤色発光領域において前記赤色発光層の前記陰極側の面を覆うように設けられた緑色発光層延長部を有し、それによって前記緑色発光層が、前記緑色発光領域だけでなく、前記赤色発光領域に至るように形成されていることを特徴とする、有機EL素子。
  2. 前記緑色発光層が、前記青色発光層の前記陰極側の面を覆う緑色発光層第二延長部をさらに有し、前記緑色発光層が、前記緑色発光領域、前記赤色発光領域及び前記青色発光領域からなる全ての発光領域に形成されている、請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記発光層が、マスクを用いた薄膜形成法により形成された複数の薄膜からなる、請求項1または2に記載の有機EL素子。
  4. 前記緑色発光領域の面積が、前記青色発光領域及び前記赤色発光領域の面積よりも小さくされている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  5. 前記緑色発光層のホスト材料が、アントラセン誘導体からなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機EL素子。
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