JP2007233147A - 像ぶれ補正機能付きズームレンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】よりコンパクトな構成でありながら諸収差が良好に補正されて安定した撮影画像を得ることが可能な像ぶれ補正機能付きズームレンズを提供する。
【解決手段】この像ぶれ補正機能付きズームレンズは、正の第1レンズ群G1と、負の第2レンズ群G2と、正のG31群と正のG32群とG33群とを有する正の第3レンズ群G3と、正の第4レンズ群G4とを物体側から順に備える。第2レンズ群G2の移動により変倍を行い、第4レンズ群G4の移動により変倍動作による像面変動の補正と合焦とを行う。像ぶれの補正については、G32群全体を光軸Z1に対して垂直方向に移動させることにより行う。G31群およびG32群が正の屈折力を有することからG32群およびG33群に各々入射する光束の径が縮小されるので、G31群およびG32群の各々を構成するレンズの径も小さくてすむ。したがって、第3レンズ群G3の全体構成がコンパクト化される。
【選択図】図1
【解決手段】この像ぶれ補正機能付きズームレンズは、正の第1レンズ群G1と、負の第2レンズ群G2と、正のG31群と正のG32群とG33群とを有する正の第3レンズ群G3と、正の第4レンズ群G4とを物体側から順に備える。第2レンズ群G2の移動により変倍を行い、第4レンズ群G4の移動により変倍動作による像面変動の補正と合焦とを行う。像ぶれの補正については、G32群全体を光軸Z1に対して垂直方向に移動させることにより行う。G31群およびG32群が正の屈折力を有することからG32群およびG33群に各々入射する光束の径が縮小されるので、G31群およびG32群の各々を構成するレンズの径も小さくてすむ。したがって、第3レンズ群G3の全体構成がコンパクト化される。
【選択図】図1
Description
本発明は、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を用いたデジタルカメラや民生用ビデオカメラなどの小型の撮像装置への搭載に好適な像ぶれ補正機能付きズームレンズに関する。
近年、パーソナルコンピュータの一般家庭等への普及に伴い、撮影した風景や人物像等の画像情報をパーソナルコンピュータに入力することができるデジタルスチルカメラ(以下、単にデジタルカメラという。)が急速に普及しつつある。
これらの撮像装置では、CCDやCMOSなどの撮像素子が用いられている。近年の撮像素子の高画素化に伴い、撮像装置に搭載される光学系に対しても高解像、高性能化への対応が求められてきている。同時に、撮像素子の小型化も進んでおり、装置全体としての小型化も強く要求されている。こうした背景から、光学系の途中に反射部材を設け、光軸を折り曲げることで、レンズの奥行き方向の厚みを薄くするようにした屈曲系の撮像レンズが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、上記のような撮像装置を用いて移動する車などの移動物体から撮影しようとすると、撮影系に振動が伝わり撮影画像にぶれが生じることが多い。特に、最近の小型化、軽量化された撮像装置では手ぶれによる像ぶれが生じやすい傾向にあり、良好な撮影画像を得るにあたっての妨げとなっている。こうしたことから従来より、撮影光学系の振動に伴う撮影画像のぶれを防止する機能を有する防振光学系が種々提案されている。例えば、特許文献2では、最も被写体側に屈折型可変頂角プリズムを配置し、撮影系の振動に対応させてこのプリズムの頂角を変化させることにより画像を偏向させ、その安定化を図っている。また、特許文献3に開示された変倍光学系は、物体側より順に、変倍および合焦の際に固定される正の第1レンズ群と、変倍機能を有する負の第2レンズ群と、正の第3レンズ群と、変倍動作により変動する像面を補正する補正機能と合焦機能との双方の機能を有する正の第4レンズ群とを備え、第3レンズ群が負の第31レンズ群および正の第32レンズ群を有し、この第32レンズ群を光軸と垂直方向に移動させることにより変倍光学系が振動したときの撮影画像のぶれを補正するようにしている。さらに、特許文献4には、物体側から順に、変倍時および合焦時に固定の正の第1レンズ群と、変倍機能を有する正の第2レンズ群と、正の第3レンズ群と、変倍による像面変動の補正機能と合焦機能とを有する正の第4レンズ群とを備え、第3レンズ群が正の第3aレンズ群、負の第3bレンズ群および単レンズからなる第3cレンズ群を有し、この第3bレンズ群を光軸と垂直方向に移動させることにより変倍光学系が振動したときの撮影画像のぶれを補正するようにしている。
特開2003−202500号公報
特開昭61−223819号公報
特開平11−237550号公報
特開2005−148437号公報
しかしながら、特許文献2では、屈折型可変頂角プリズムを用いて防振していることから、特に望遠側において防振時に偏芯心倍率色収差の発生量が多くなるという問題点がある。また、特許文献3では、第3レンズ群において負の屈折力のレンズを先行させるような構成としているので、防振を行う際に移動させる第32レンズ群へ入射する光束径が拡がることとなる。このため、第32レンズ群のレンズ外径が大きくなってしまい、レンズ系全体の構成が大型化すると共にレンズの駆動系への負担が増大するという問題がある。さらに、特許文献4の変倍光学系では、コンパクト性という点で不十分なところがある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、よりコンパクトな構成でありながら諸収差が良好に補正されて安定した撮影画像を得ることが可能な像ぶれ補正機能付きズームレンズを提供することにある。
本発明の像ぶれ補正機能付きズームレンズは、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを物体側から順に備えるようにしたものである。ここでは、第2レンズ群を光軸上で移動させることにより変倍動作を行うと共に第4レンズ群を光軸上で移動させることにより変倍動作による像面変動の補正と合焦とを行うようになっている。また、第3レンズ群は正の屈折力を有する第1サブレンズ群(G31群)と正の屈折力を有する第2サブレンズ群(G32群)と正または負の屈折力を有する第3サブレンズ群(G33群)とが物体側から順に配置されたものであり、第2サブレンズ群全体を光軸に対して垂直方向に移動させることにより振動に伴う像のぶれを補正するようになっている。
本発明の像ぶれ補正機能付きズームレンズでは、第3レンズ群における第1サブレンズ群および第2サブレンズ群の屈折力が正であることから、第2サブレンズ群および第3サブレンズ群にそれぞれ入射する光束の径が縮小される。このため、第1サブレンズ群および第2サブレンズ群の各々を構成するレンズの径についても小さくてすむ。したがって、良好な像ぶれ補正機能を確保しつつ、第3レンズ群の全体構成がコンパクト化される。
本発明の像ぶれ補正機能付きズームレンズでは、屈曲光学系を構成するための反射面が第1レンズ群に設けられていてもよい。この場合、第1レンズ群は、例えば物体側から順に、少なくとも1枚の負レンズと反射面を有する反射部材と少なくとも1枚の正レンズとを含むように構成される。
本発明の像ぶれ補正機能付きズームレンズでは、さらに、下記の条件式(1)および条件式(2)を共に満足するように構成されていることが望ましい。
3.0<f3/fw<5.0 ……(1)
1.2<f32/f3<2.0 ……(2)
但し、f3は第3レンズ群の焦点距離、fwは広角端での全系の焦点距離、f32は第2サブレンズ群の焦点距離である。
3.0<f3/fw<5.0 ……(1)
1.2<f32/f3<2.0 ……(2)
但し、f3は第3レンズ群の焦点距離、fwは広角端での全系の焦点距離、f32は第2サブレンズ群の焦点距離である。
本発明の像ぶれ補正機能付きズームレンズでは、第1サブレンズ群および第2サブレンズ群がそれぞれ単レンズによって構成されてもよい。その場合、第1サブレンズ群の単レンズは、物体側の面が光軸から離れて周縁部へ向かうほど正の屈折力を弱めるような非球面形状をなし、かつ、像側の面が光軸から離れて周縁部へ向かうほど負の屈折力を弱めるような非球面形状をなすように構成されており、第2サブレンズ群の単レンズは、物体側の面が光軸から離れて周縁部へ向かうほど正の屈折力を強めるような非球面形状をなすように構成されていることが望ましい。
また、本発明の像ぶれ補正機能付きズームレンズでは、第3サブレンズ群が正レンズと負レンズとによって構成された接合レンズを有するようにするとよい。このようにすると、特に色収差の低減に有利となる。
本発明の像ぶれ補正機能付きズームレンズによれば、正の第1レンズ群と負の第2レンズ群と正の第3レンズ群と正の第4レンズ群とを物体側から順に備え、第2レンズ群を光軸上で移動させることにより変倍動作を行うと共に第4レンズ群を光軸上で移動させることにより変倍動作による像面変動の補正と合焦とを行い、正の第1サブレンズ群と正の第2サブレンズ群と正または負の第3サブレンズ群とを物体側から順に配置することにより第3レンズ群を形成し、振動発生時に第2サブレンズ群全体を光軸に対して垂直方向に移動させるようにしたので、良好な像ぶれ補正機能を発揮しつつ第3レンズ群の小型化および軽量化を達成することができる。よって、高い結像性能を確保しつつ、全体構成のコンパクト化を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明における一実施の形態としての像ぶれ補正機能付きズームレンズ(以下、単にズームレンズという。)の第1の構成例を示している。この構成例は、後述の第1の数値実施例(実施例1:図3〜図5)のレンズ構成に対応している。また、図2は、本実施の形態としてのズームレンズの第2の構成例を示している。第2の構成例は後述の第2の数値実施例(実施例2:図6〜図8)のレンズ構成に対応している。特に、図1(A)および図2(A)は広角端における無限遠合焦時のレンズ配置を示し、図1(B)および図2(B)は望遠端における無限遠合焦時のレンズ配置を示している。なお、図1(B)および図2(B)において、符号Siは、最も物体側の構成要素の面を1番目として、像側(結像側)に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面を示す。符号Riは、面Siの曲率半径を示す。符号Diは、i番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸Z1上の面間隔を示す。なお、各構成例共に基本的な構成は同じなので、以下では、図1に示したズームレンズの構成例を基本にして説明し、必要に応じて図2の構成例についても説明する。
このズームレンズは、例えばコンパクトカメラ、デジタルスチルカメラおよび民生用のビデオカメラ等に搭載されて使用されるものである。このズームレンズは、光軸Z1に沿って、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とを備えている。第3レンズ群G3の内部には開口絞りStが配置されている。このズームレンズの結像面Simgには、図示しないCCD(電荷結合素子)等の撮像素子の撮像面が配置される。第4レンズ群G4と結像面Simgとの間には、例えば赤外線カットフィルタ等の各種のフィルタGCが配置されていてもよい。
このズームレンズでは、第2レンズ群G2を光軸Z1上で移動させることにより変倍動作を行う。例えば広角側から望遠側へと変倍させる際には、物体側から像側に向かうように第2レンズ群G2を移動させる。第2レンズ群G2の移動軌跡は図1に示したようにほぼ直線状となっている。この第2レンズ群G2の移動の際、併せて第4レンズ群G4を光軸Z1上で移動させることにより、変倍動作による像面変動の補正が行われるように構成されている。この第4レンズG4の移動により、併せて合焦も行われる。なお、第4レンズ群G4は、図1に実線で表した曲線状の軌跡を描くように移動する。一方、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3は、変倍および合焦の際には移動しない固定群となっている。
第1レンズ群G1は、4枚のレンズL11〜L14によって構成されている。レンズL11は、例えば物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズである。レンズL12は、入射面および射出面が平面である光路変換素子である。レンズL13は、例えば像側に凸面を向けた平凸レンズである。レンズL14は、例えば両凸形状をなしている。レンズL14の両面S7,S8については、それぞれ非球面形状としてもよい。
第2レンズ群G2は、例えば3枚のレンズL21〜L23によって構成されている。レンズL21およびレンズL22は、例えば、いずれも両凹形状をなしている。レンズL23は、例えば物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズ(実施例1)である。あるいは、レンズL23については、実施例2のように、両凸レンズとしてもよい。なお、いずれの場合も、レンズL22とレンズL23とによって接合レンズが構成されている。
第3レンズ群G3は、正の屈折力を有するG31群と、正の屈折力を有するG32群と、開口絞りStと、正または負の屈折力を有するG33群とが物体側から順に配置されたものである。
G31群は、例えば少なくとも1つの非球面を有する単一のレンズL31によって構成されている。レンズL31は、例えば光軸Z1近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズである。レンズL31の面S14,S15は双方とも非球面形状であることが望ましい。その場合、物体側の面S14は光軸Z1から離れて周縁部へ向かうほど正の屈折力を弱めるような非球面形状であり、像側の面S15は光軸Z1から離れて周縁部へ向かうほど負の屈折力を弱めるような非球面形状であることが特に望ましい。
G32群は、例えば少なくとも1つの非球面を有する単一のレンズL32によって構成されている。レンズL32は、例えば光軸Z1近傍において両凸形状をなしている。レンズL32の面S16,S17は双方とも非球面形状であることが望ましい。特に、物体側の面S16は、光軸Z1から離れて周縁部へ向かうほど正の屈折力を強めるような非球面形状をなしていることが望ましい。また、G32群(レンズL32)は防振用の移動群であり、これが光軸Z1に対して垂直方向に移動することによって振動に伴う像のぶれを補正するようになっている。
G33群は、例えば正の屈折力を有するレンズL33と、負の屈折力を有するレンズL34とからなる接合レンズである。実施例1では、レンズL33が両凸形状をなすと共にレンズL34が両凹形状をなしており、G33群全体として正の屈折力を有するようになっている。一方、実施例2では、レンズL33が物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズであると共にレンズL34が物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズであり、G33群全体として負の屈折力を有するようになっている。
第4レンズ群G4は、例えば、接合レンズを形成するレンズL41およびレンズL42と、レンズL43とが物体側から順に配置されたものである。レンズL41は、例えば物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズであり、レンズL42は、例えば物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズである。レンズL43は、例えば両面S25,S26が非球面であり、光軸Z1近傍において両凸形状をなしている。
さらに、このズームレンズは以下の条件式(1),(2)を共に満足するように構成されているとよい。但し、第3レンズ群G3の焦点距離をf3とし、広角端での全系の焦点距離をfwとし、G32群の焦点距離をf32としている。
3.0<f3/fw<5.0 ……(1)
1.2<f32/f3<2.0 ……(2)
3.0<f3/fw<5.0 ……(1)
1.2<f32/f3<2.0 ……(2)
次に、以上のように構成された本実施の形態のズームレンズの作用および効果を説明する。
本実施の形態のズームレンズでは、正のG31群と正のG32群と正または負のG33群とを物体側から順に配置することにより第3レンズ群G3を構成している。このような構成の第3レンズ群G3では、G31群が正の屈折力を有することから、これを透過したのちG32群に入射する光束の径が小さくなり、これに伴ってレンズL32の径も小さくてすむ。さらにG32群も正の屈折力を有することから、これを透過したのちG33群に入射する光束の径も小さくなるので、G33群のレンズL33,L34の径も小さくてすむ。したがって、第3レンズ群G3の全体構成がコンパクト化され、第1レンズ群G1や第2レンズ群G2よりも小型かつ軽量なものとなる。振動に伴う像ぶれを補正する際には、単一のレンズL32からなる軽量かつ小型のG32群を光軸Z1に対して垂直方向に移動させるようにしていることから、駆動機構への負担を低減することができる。したがって、駆動機構の小型化にも有利となる。
また、第3レンズ群G3がG31群、G32群およびG33群の3つに分割されているので、像ぶれ補正時に移動するG32群の偏芯感度を適切に設定することが容易となっている。G31群およびG32群にそれぞれ少なくとも1つの非球面を設けるようにした場合には、G31群およびG32群のレンズ構成が簡略化されるので、第3レンズ群G3全体のさらなるコンパクト化に有利となる。特に、面S14が光軸Z1から離れて周縁部へ向かうほど正の屈折力を弱めるような非球面形状をなし、面S15が光軸Z1から離れて周縁部へ向かうほど負の屈折力を弱めるような非球面形状をなすようにレンズL31を構成すると共に、面S16が光軸Z1から離れて周縁部へ向かうほど正の屈折力を強めるような非球面形状をなすようにレンズL32を構成した場合には、像ぶれ補正時の偏芯コマ収差の発生が低減され、かつ、像ぶれ補正時以外の場合においても諸収差がいっそう良好に補正される。また、G33群を、正のレンズL33と負のレンズL34とによって構成された接合レンズとすることにより、色収差の発生が抑制される。
さらに条件式(1)を満足するようにした場合には、第3レンズ群G3の屈折力が適正化され、バックフォーカスの確保と、レンズ全長の短縮化との両立が達成される。条件式(1)は、広角端での全系の屈折力(1/fw)に対する第3レンズ群G3の屈折力(1/f3)の大きさを表す量(f3/fw)の適正範囲を表す式である。ここで、条件式(1)の下限を下回って第3レンズG3の正の屈折力が強くなりすぎるとレンズ全長の短縮化が達成されるものの、バックフォーカスの確保が不十分となってしまう。一方、条件式(1)の上限を上回って第3レンズ群G3の正の屈折力が弱くなりすぎるとレンズ全長が増大し、コンパクト化が困難となってしまう。
さらに条件式(2)を満足するようにすると、像ぶれ補正の際、G32群(レンズL32)の移動量の低減と、偏芯感度の適正化との両立が達成される。条件式(2)は、第3レンズ群G3の屈折力(1/f3)に対するG32群の屈折力(1/f32)の大きさを表す量(f32/f3)の適正範囲を表す式である。ここで、条件式(2)の下限を下回ってG32群の正の屈折力が強くなりすぎると、像ぶれ補正時の偏芯感度が高くなり、画像の劣化を招くこととなる。一方、条件式(2)の上限を上回ってG32群の正の屈折力が弱くなりすぎると、像ぶれ補正に要するG32群の移動量が大きくなり、第3レンズ群G3の大型化を招いてしまう。
このような理由により、本実施の形態のズームレンズは、良好な像ぶれ補正機能を発揮しつつ、第3レンズ群G3の全体構成がよりコンパクト化されたものとなっている。
次に、本実施の形態に係るズームレンズの具体的な数値実施例について説明する。
以下では、第1および第2の数値実施例(実施例1,2)をまとめて説明する。図3〜図5は第1の数値実施例であり、図1(A),(B)に示したズームレンズの断面構成に対応する具体的なレンズデータを示している。また図6〜図8は第2の数値実施例であり、図2(A),(B)に示したズームレンズの断面構成に対応している。図3および図6には、各実施例のレンズデータのうち基本的なデータ部分を示し、図4および図7には、各実施例のレンズデータのうち非球面形状に関するデータ部分を示す。
図3および図6に示した基本レンズデータにおける面番号Siの欄には、各実施例のズームレンズについて、図1および図2にそれぞれ示した符号Siに対応させて、最も物体側にある構成要素の面を1番目として、像側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目(i=1〜28)の面の番号を示している。曲率半径Riの欄には、図1および図2で示した符号Riに対応させて、物体側からi番目の面の曲率半径の値を示す。面間隔Diの欄についても、図1および図2で付した符号に対応させて、物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸上の間隔を示す。曲率半径Riおよび面間隔Diの値の単位はミリメートル(mm)である。Ndj,νdjの欄には、それぞれ、光学部材GCも含めて、物体側からj番目(j=1〜15)のレンズ要素のd線(587.6nm)に対する屈折率およびアッベ数の値を示す。なお、フィルタGCの両面の曲率半径R27,R28の値が0(ゼロ)となっているが、これは平面であることを示す。また、絞りの面間隔Diの欄には、光軸上における絞りStと面S19との距離(mm)を示す。図3および図6の欄外には、諸データとして、全系の焦点距離f(mm)、Fナンバー(FNO.)および画角2ω(°)の値を示す。
実施例1,2のズームレンズでは、合焦の際には第4レンズ群G4と、第3レンズ群G3および結像面Simgとの間隔が変化することとなるが、レンズデータとしては無限遠方に合焦したときの値を示す。
さらに、実施例1,2のズームレンズでは、変倍に伴って第2レンズ群G2および第4レンズ群G4が光軸Z1上を移動するので、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の面間隔D8、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間の面間隔D13、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の面間隔D21、第4レンズ群G4と光学部材GCとの間の面間隔D26の各値はいずれも可変となっている。これら面間隔D8,D13,D21,D26の変倍時のデータをその他のデータとして、広角端、中間および望遠端における値を、図5および図8に示す。図5および図8には、併せて、広角端、中間および望遠端での焦点距離fの値(mm)についても示す。
図3および図6において、面番号Siの左側に付された記号「*」は、そのレンズ面が非球面形状であることを示す。各実施例共に、レンズL14、レンズL31、レンズL32、レンズL43における全ての両面が非球面形状となっている。基本レンズデータには、これらの非球面の曲率半径として、光軸近傍(近軸近傍)の曲率半径の数値を示している。
図4および図7の各非球面データには、以下の式(ASP)によって表される非球面形状の式における各係数Ai,KAの値を記す。Zは、より詳しくは、光軸から高さhの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)を示す。
Z=C・h2/{1+(1−KA・C2・h2)1/2}+A3・h3+A4・h4+A5・h5+A6・h6+A7・h7+A8・h8+A9・h9+A10・h10 ……(ASP)
但し、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
KA:離心率
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
Ai:第i次(i=3以上の整数)の非球面係数
但し、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
KA:離心率
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
Ai:第i次(i=3以上の整数)の非球面係数
各実施例共に、レンズL14、レンズL31、レンズL32、レンズL43における全ての非球面形状は、非球面係数として、偶数次の係数A4,A6,A8,A10(一部A12)のみならず、奇数次の非球面係数A3,A5,A7,A9(一部A11)をも有効に用いていたものとなっている。
図9は、上述の条件式(1)および(2)に対応する値を、各実施例についてまとめて示したものである。図9に示したように、各実施例の値が、いずれも条件式(1)および(2)の各数値範囲内に収まっている。
図10(A)〜10(D)は、実施例1のズームレンズにおける広角端での球面収差、非点収差、ディストーション(歪曲収差)および倍率色収差をそれぞれ示している。図11(A)〜11(D)は、中間域における同様の各収差をそれぞれ示している。図12(A)〜12(D)は、望遠端における同様の各収差をそれぞれ示している。各収差図には、d線を基準波長とした収差を示すが、球面収差図には、波長460.0nmの光線および波長615.0nmの光線についての収差も示す。非点収差図において、実線はサジタル方向、破線はタンジェンシャル方向の収差を示す。非点収差図、歪曲収差図および倍率色収差図におけるωは半画角を示す。
同様に、実施例2についての諸収差を、広角端については図13(A)〜13(D)に示し、中間域については図14(A)〜14(D)に示し、望遠端については図15(A)〜15(D)に示す。
以上の各レンズデータおよび各収差図から明らかなように、各実施例について、極めて良好な収差性能が発揮されている。同時に、全長のコンパクト化も達成されている。
以上、いくつかの実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔および屈折率の値は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。また、上記実施の形態および実施例では、第1サブレンズ群(G31群)および第2サブレンズ群(G32群)がそれぞれ単一のレンズからなり、それぞれの両面がいずれも非球面となるようにしたが、これに限定されるものではない。
また、本発明では、屈曲光学系を構成するための反射面を第1レンズ群に設けるようにしてもよい。図16は、図1に示したズームレンズの変形例であり、レンズL12の光路変換素子として、反射面RSを有する直角プリズムを採用している。こうすることにより、反射面RSによって光路が屈曲する屈曲系のズームレンズが構成でき、全体として薄型化を図ることができる。
G1〜G4…第1レンズ群〜第4レンズ群、G31〜G33…第1サブレンズ群〜第3サブレンズ群、Si…物体側から第i番目のレンズ面、Ri…物体側から第i番目のレンズ面の曲率半径、Di…物体側から第i番目と第(i+1)番目のレンズ面との面間隔、Z1…光軸。
Claims (8)
- 正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを物体側から順に備え、
前記第2レンズ群を光軸上で移動させることにより変倍動作を行うと共に、前記第4レンズ群を光軸上で移動させることにより前記変倍動作による像面変動の補正と合焦とを行うように構成され、
前記第3レンズ群は、正の屈折力を有する第1サブレンズ群と、正の屈折力を有する第2サブレンズ群と、正または負の屈折力を有する第3サブレンズ群とが物体側から順に配置されたものであり、
前記第2サブレンズ群全体を光軸に対して垂直方向に移動させることにより、振動に伴う像のぶれを補正するように構成されている
ことを特徴とする像ぶれ補正機能付きズームレンズ。 - 屈曲光学系を構成するための反射面が、前記第1レンズ群に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の像ぶれ補正機能付きズームレンズ。 - 前記第1レンズ群は、物体側から順に、少なくとも1枚の負レンズと、前記反射面を有する反射部材と、少なくとも1枚の正レンズとを含んでいる
ことを特徴とする請求項2に記載の像ぶれ補正機能付きズームレンズ。 - さらに、下記の条件式(1)および条件式(2)を共に満足するように構成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の像ぶれ補正機能付きズームレンズ。
3.0<f3/fw<5.0 ……(1)
1.2<f32/f3<2.0 ……(2)
但し、
f3:第3レンズ群の焦点距離
fw:広角端での全系の焦点距離
f32:第2サブレンズ群の焦点距離 - 前記第1サブレンズ群および第2サブレンズ群は、それぞれ少なくとも1つの非球面を有していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の像ぶれ補正機能付きズームレンズ。
- 前記第1サブレンズ群および第2サブレンズ群は、それぞれ単レンズからなることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の像ぶれ補正機能付きズームレンズ。
- 前記第1サブレンズ群を構成する単レンズは、物体側の面が光軸から離れて周縁部へ向かうほど正の屈折力を弱めるような非球面形状をなし、かつ、像側の面が光軸から離れて周縁部へ向かうほど負の屈折力を弱めるような非球面形状をなすように構成されており、
前記第2サブレンズ群を構成する単レンズは、物体側の面が光軸から離れて周縁部へ向かうほど正の屈折力を強めるような非球面形状をなすように構成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の像ぶれ補正機能付きズームレンズ。 - 前記第3サブレンズ群は、正レンズと負レンズとによって構成された接合レンズを有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の像ぶれ補正機能付きズームレンズ。
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JP2006056233A JP2007233147A (ja) | 2006-03-02 | 2006-03-02 | 像ぶれ補正機能付きズームレンズ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009198721A (ja) * | 2008-02-20 | 2009-09-03 | Olympus Imaging Corp | ズームレンズ及びそれを用いた撮像装置 |
JP2010266504A (ja) * | 2009-05-12 | 2010-11-25 | Fujifilm Corp | ズームレンズおよび撮像装置 |
-
2006
- 2006-03-02 JP JP2006056233A patent/JP2007233147A/ja active Pending
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