JP2007229801A - 接合部材、接合部材の製造方法、及び接合方法 - Google Patents

接合部材、接合部材の製造方法、及び接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接合部材が被接合材の耐熱温度よりもかなり高い融点を有する材料から構成されていたとしても、この構成材料の融点よりも低く前記耐熱温度を越えない温度条件下で被接合材を接合することができ、さらには、このように接合された接合部の熱サイクルによる耐久性を確保することができることを提案する。
【解決手段】被接合材21,22同士の接合を行うための接合部材1であり、粒状の核材11と、該核材11を被覆する被覆材12とを少なくとも備えたものであって、接合部材1の核材11の粒径は、5〜100nmであり、接合部材1の被覆材12の厚みは、5〜100nmである。
【選択図】図2

Description

本発明は、被接合材を接合する接合部材、その製造方法、及び接合方法であって、特に、電子部品などの接合に好適な接合部材、その製造方法、及び接合方法に関する。
従来から、機械装置を構成する部品を接合する際には、Sn−Pb系はんだが幅広く用いられてきたが、環境負荷物質の低減の世界的動向の中で、このSn−Pb系はんだに代わるものとして、鉛(Pb)フリーの接合部材の研究、開発が活発に行われてきている。例えば、研究段階として、Au−Sn系はんだ、Bi−Ag系はんだなどの高温用の鉛フリーはんだを用いた例が挙げられるが、これらのはんだは、金属間化合物を多量に含むため脆く、特にAuは、貴金属であるため非常に高価である。そして、このようなはんだを、半導体デバイスとベース材と(被接合材同士)の間に使用した場合には、半導体デバイスの発熱による熱応力を緩和することができず、デバイスの破壊、はんだ接続部の亀裂の発生などを引き起してしまい、信頼性の高い接合を行うことができなかった。
そこで、このような部品(被接合材)同士の接合の信頼性を高めるために、例えば粒径0.05〜1mmの、銅、アルミニウム又は樹脂からなるボール状のコア材(核材)を包囲するように、厚さ3〜50μmの銀及びスズの合金からなるはんだ層(被覆材)を形成したはんだ被覆ボールが提案されている。
特開2004−128262号公報
特許文献1に記載の如き、はんだ被覆ボールは、2つの被接合材のうち一方の被接合材の接合面にはんだ被覆ボールを配列し、他方の被接合材の接合面を、配列したはんだ被覆ボールに当接させ、この状態で、はんだ被覆ボールのはんだ層の融点近傍まで加熱することにより、2つの被接合材を接合するものであるが、この場合、半導体デバイスなどの電子部品(被接合材)の耐熱温度を考慮して、被覆されるはんだ層の材料は、銀及びスズの合金の如く、低融点(約220℃程度)の材料を選定しなければならなかった。この結果、このはんだ被覆ボールのはんだ層が溶融して形成された接合部は、はんだ層に低融点の材料を用いたため高温強度を期待することはできなかった。そして、このような接合部には、電子部品の繰返し使用に伴う熱サイクルによって熱応力が作用し、該熱応力により接合部に亀裂が発生する損傷するおそれがあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、接合部材が、被接合材の耐熱温度よりもかなり高い融点を有する材料から構成されていたとしても、この構成材料の融点よりも低く前記耐熱温度を越えない温度条件下で被接合材を接合することが可能となり、さらには、このように接合された接合部の熱サイクルによる耐久性を確保することができる接合部材を提案することにある。
このような目的を達成すべく、発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、接合部材をナノオーダまで微細化することにより、接合部材の表面の活性は高まり、接合部材同士は結合し易くなると考えた。
そして、発明者らは、このような考えに基づいて、微細化した接合部材を、核材と該核材の表面を被覆する被覆材とにより構成し、該核材の粒径及び被覆材の厚みが所定の範囲を満たした場合には、接合部材の群が結合した結合体(接合部)は、せん断強度などの機械的強度が向上し、熱サイクルによる耐久性を確保することができるとの新たな知見を得た。
本発明は、この新たな知見に基づくものであり、本発明に係る接合部材は、被接合材同士の接合を行うための接合部材であり、該部材は、粒状の核材と、該核材の表面に被覆した被覆材とを少なくとも備えたものであって、前記接合部材の核材の粒径は、5〜100nmであり、前記接合部材の被覆材の厚みは、5〜100nmであることを特徴としている。
本発明の如き接合部材は、このような範囲の核材の粒径と被覆材の厚みにすることにより、接合部材の表面の活性を高めることができ、接合部材は結合し易くなる。その結果として、このような接合部材を介して被接合材同士の接合を行う場合には、接合部材の被覆材の融点よりも低い温度条件、具体的には被覆材の融点の絶対温度30%程度の温度条件で、接合部材がその周りの接合部材及び被接合材に結合し、被接合材同士の接合を行うことができる。また、このような接合を行うことにより、被接合材間において接合部材の群が結合した接合部(結合体)は、核材と被覆材の融点近傍まで、耐熱性を確保することができる。
さらに、接合部材は、核材表面に上記の厚さの被膜を形成したものであるので、接合部材を複数用いて接合を行ったとしても、接合により得られた接合部内の核材が偏り集まることはなく、均一に分散される。その結果、均一分散した粒状の核材は、粒形状に起因して接合部の残留応力を緩和させると共に接合部の亀裂の進展を抑制するように作用し、熱サイクルによる接合部の強度の低下を抑制することができる。
そして、核材の粒径が5nmよりも小さい場合には、粒径が小さすぎるため、核材の粒形状に起因した接合部の残留応力の緩和、接合部の亀裂進展の抑制の効果を得ることができない。また、核材の粒径が100nmよりも大きい場合には、接合部材の表面は活性を充分に高めることができないため、接合部材の結合性は低下する。さらに、被覆材の厚みが5nmよりも小さい場合には、核材に対して被覆材の割合が少ないため、接合部材の結合性は低下する。また、被覆材の厚みが、100nmよりも大きい場合には、上述と同様に、接合部材の表面は活性を高めることができないため、被接合材の結合性は低下する。
さらに、接合後の接合部に介在する核材の形状が保持することができるのであれば、核材の融点と被覆材の融点との関係は特に限定されるものではないが、より好ましくは、本発明に係る接合部材は、接合部材の核材の融点が、前記被覆材の融点よりも高いことが好ましい。このような融点となるように核材と被覆材とを選定した場合には、接合時に、被覆材の融点近傍まで接合部材を加熱したとしても核材の形状を保持することができ、接合により得られた接合部は上述の如き核材の作用を発揮することができる。さらに、このような核材の作用を効果的にもたらすためには、核材は、被覆材よりも、引張り強度及び硬さが高いものが好ましい。
また、本発明に係る接合部材の被覆材の融点は、250℃以上であることが好ましい。このように、被覆材の融点を、半導体デバイスなどの一般的な電子部品の耐熱温度よりも高い温度にすることにより、電子部品の信頼性を高めることができる。
さらに、被覆材の融点は1500℃以下であることがより好ましい。このように、被覆材の融点が1500℃の被覆材を含む接合部材を用いたとしても、被覆材の融点以下の温度条件であって、かつ、一般的な電子部品の耐熱温度を超えない温度条件で、被接合材の接合を行うことができる。
さらに、このような核材の材料としては、金属、セラミックス、樹脂、又はこれらを組み合わせた混合物等が挙げられる。例えば、金属の場合には、Al,Bi,Cr,Cu,Au,Fe,Mg,Ni,Pd,Pt,Ag,Ti,Zn等の元素のうちの一種からなる材料、これらのうち2種以上を組み合わせた材料、または、これらの合金材料などが挙げられる。また、セラミックスの場合には、アルミナ(酸化アルミニウム),シリカ,酸化チタン,窒化アルミニウム,窒化チタン,窒化ケイ素,炭化ケイ素,炭化チタン等のうち一種からなる材料又はこれらのうちの2種以上の組み合わせた材料が好ましい。さらに、樹脂の場合には、ポリイミド,ポリアミドイミド、又はこれらの混合物が好ましい。
さらに、このような被覆材の材料としては、前記核材とはことなる材料であって、Al,Bi,Cr,Cu,Au,Fe,Mg,Ni,Pd,Pt,Si,Ag,Ti,Zn等の元素のうちの一種からなる材料、又はこれらのうちの2種以上を組み合わせた材料、または、エポキシ,ウレタン,アクリル,又はポリイミドなどのいずれかの樹脂であることが好ましい。特に、低温環境下で使用する場合には、エポキシ,ウレタン,アクリルが好ましく、高温環境下で使用する場合には、ポリイミドが好ましい。
そして、核材と被覆材との最適な材料の組み合わせとしては、まず、接合後に得られる接合部の使用環境(たとえば温度)に応じて選定しなければならない。また、熱サイクルにより、接合部の核材の界面からクラックが発生することを抑制すべく、核材と被覆材との熱膨張係数の差が小さい材料を選定することが好ましい。さらに、核材と被覆材の元素が相互に拡散して、核材と被覆材との界面強度を向上させることができるような材料を選定することが好ましい。
以上の点を考慮すると、核材と被覆材との材料のより好ましい組み合わせは、核材が、酸化アルミニウムからなり、被覆材が、ニッケルからなる組み合わせである。このような材料を選択することにより、酸化アルミニウムとニッケルが、核材と被覆材との界面において相互拡散し、界面の強度を向上させることができる。さらに、接合後の接合部は、アルミニウムとニッケルの熱膨張率が近いため、これら材料の熱膨張差の影響を受け難い。そして、接合により得られた接合部は、従来使用されているPb‐Sn系はんだからなる接合部よりも機械的強度が高く、熱サイクルによる耐久性に優れている。
さらに本発明は、前記接合部材を製造するに好適な製造方法をも以下に開示する。本発明に係る接合部材の製造方法は、被接合材同士の接合を行うための接合部材の製造方法であって、前記製造方法は、粒径5〜100nmの粒状の核材の表面に、厚さ5〜100nmの被覆材を被覆することを特徴としている。
このような核材に被覆材を被覆する方法としては、例えば、核材となる粉末を被覆材の材料により鍍金する方法が挙げられる。また、別の被覆する方法としては、界面活性作用を利用して被覆材の元素を含む化合物を核材の周りに凝集させ、凝集した化合物を加熱することにより加水分解し、無水物となった化合物を被覆材として核材に形成させる方法などが挙げられる。そして、被覆材が上記の如き厚さの範囲を満たすことができるのであれば、その被覆方法は特に限定されるものではないが、より簡易的に被覆材の厚みを調整して、核材の表面に被覆材を被覆するためには、このような被覆方法を化学気相成長法(CVD)または物理気相成長法(PVD)により行うことがより好ましい。
また、接合部材の製造方法において、核材の融点が、前記被覆材の融点よりも高いことが好ましい。このような核材と被覆材とを選定することにより、たとえ、被覆材となる材料を溶融して核材に鍍金を行った場合、又は、スパッタリングなどのPVDにより被覆した場合であっても、核材は溶融することなく、その形状を保持することができる。このような条件を満たす接合部材の製造方法として、核材に酸化アルミニウムを用い、前記被覆材にニッケルを用いることがより好ましい。また、接合部の使用環境を考慮すると、前記被覆材の融点は、250℃以上であることがより好ましい。
さらに、本発明は上述した如き接合部材を用いて、被接合材の接合面同士を接合するに好適な接合方法についても開示する。前記接合部材を介して、被接合材の接合面同士を接合する接合方法であって、少なくとも一方の前記接合面に複数の前記接合部材を配置する工程と、前記接合面同士が対向するように前記被接合材を配置する工程と、前記対向した接合面により前記接合部材を加圧すると共に前記接合部材を加熱しながら前記接合面同士を接合する工程と、を含むことを特徴としている。
このような加圧は、接合部材が接合するためのエネルギーを接合部材に与え、この加圧によるエネルギーと、ナノオーダにまで微細化された接合部材の表面エネルギーとにより、接合時における加熱温度を低く設定することができる。
そして、接合面に複数の前記接合部材を配置する方法としては、たとえば、複数の接合部材をスプレーなどにより接合面に噴霧する方法、複数の接合部材を溶媒中に分散させた液体を接合面に噴霧後、接合面を加熱して溶媒を除去する方法、接合部材を溶媒中に分散させたペーストを接合面に塗布後、接合面を加熱して溶媒を除去する方法、などが挙げられる。
さらに、接合面同士を接合する工程において、接合部材への加圧力は大きい方が、加熱温度を低くすることができるので好ましいが、接合部材への加圧力は、被接合材の材料強度等を考慮して調整されるとよい。また、このような接合部材は、被覆材の融点よりも低い温度条件、具体的には被覆材の融点の絶対温度の30%程度の温度条件で、被接合材同士を接合することができるので、被接合材に過大な熱負荷与えないためにも、接合部材の加熱は、前記被覆材の融点よりも低い温度条件で加熱されることがより好ましい。
そして、これらの接合方法は、耐熱温度が200〜300℃程度と低く、熱サイクルによる耐久性を持続することが必要とされるインバータなどの電子機器に使用されることが好ましい。具体的には、接合方法により接合面同士を接合した被接合材を備えたインバータであって、一方の被接合材は、前記インバータを構成する半導体デバイスであり、他方の被接合材は、前記インバータを構成するベース材であることが好ましい。
本発明によれば、接合部材が、被接合材の耐熱温度よりも高い融点を有する材料から構成されていたとしても、この構成材料の融点よりも低く前記耐熱温度を越えない温度条件下で被接合材を接合することが可能となり、さらには、このように接合された接合部の熱サイクルによる耐久性を確保することができる。
以下、図面に基づき本発明に係る被接合材の接合方法を好適に行うことができる接合部材の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る接合部材の全体構成図であり、図2は、この接合部材を用いた被接合材の接合方法を説明するための図である。
図2に示すように、本実施形態に係る接合部材1は、被接合材21,22同士の接合を行うための接合部材であり、図1に示すように、粒状の核材11と、該核材を被覆する被覆材12とを少なくとも備えている。そして、この接合部材1の核材11の粒径は、5〜100nmの範囲にあり、接合部材1の被覆材12の厚みは、5〜100nmの範囲にある。さらに、この核材の融点は、前記被覆材の融点よりも高くなるように、核材と被覆材の材料が選定されており、さらに、被覆材の融点が、250℃〜1500℃の範囲となるように、被覆材の材料が選定されている。
そして、このような接合部材1は、複数の部材1,1,・・・として、図2(a)に示すように、被接合材21,22のいずれか一方の接合面21a,22aに配置され、被接合材21,22の接合面21a,22a同士が対向するように被接合材21,22を配置し、さらに対向した接合面21a,22aにより接合部材1,1,・・・を加圧すると共に接合部材1,1,・・・を加熱しながら接合面21a,22a同士を接合する。このようにして接合された被接合材21,22の間には、図2(b)に示すように、接合部材1の被覆材12同士が焼結により結合して接合部10を形成するので、この接合部10には、核材11が均一に分散されることになる。
このような、ナノオーダ範囲の核材11の粒径と被覆材12の厚みとなるように接合部材1を介して被接合材21,22の接合面21a,22aを接合する場合には、接合部材1の表面の活性が高いため、被覆材12の融点よりも低い温度で、被接合材同士を接合することができる。そして、接合後の接合部10は、この核材11と被覆材12の融点近傍まで、耐熱性を確保することができる。さらに、接合部10の粒状の核材11が、接合部10の残留応力を緩和し、接合部10の亀裂の進展を抑制し、接合部10の機械的強度を向上させることができる。
なお、図1に示すように、本実施形態に係る接合部材1の核材11は球形であり、接合部材1の被覆材12の厚さは略一定であるが、この核材11は粒状であればその形状は特に限定されず、被覆材12の厚さも、このような厚さの範囲内にあるのであれば、その厚さも一定である必要はない。
本実施形態による実施例を以下に説明する。
[実施例1]
<被接合材>
被接合材として、図3に示すような直径d5mm、高さh2mmの小径円柱片21(無酸素銅)、及び直径D10mm、高さH5mmの大径円柱片22(無酸素銅)を製作した。
<接合部材>
この2つの円柱片の端面を接合面として接合を行うための接合部材として、図1に示すような粒状の核材11と、該核材11を被覆する被覆材12とを備えた接合部材1を製作した。具体的には、以下の表1の(○)に示す如き核材11の粒径と被覆材12の厚みの組み合わせとなるように、接合部材1の核材11にアルミナ(酸化アルミニウム)を用い、接合部材1の被覆材12にニッケルを用い、核材の粒径を5〜100nmの範囲とし(具体的には粒径が5nm,60nm,100nmのいずれかの粒径とし)、この核材の表面に、ニッケル金属ターゲットを用いたアンバランスドマグネトロンスパッタリング装置(神戸製鋼所製)を用いて、物理気相成長法(PVD)によりスパッタリングを行い、核材の表面に、被覆材の厚みが5〜100nmの範囲となるように(具体的には、被覆材の厚みが5nm,30nm,60nm,100nmのいずれかの被覆材の厚みとなるように)、被覆材を形成した。
<接合方法>
これら接合部材のうち1つを選択し、エタノール溶媒中に複数の接合部材を分散してペースト状にして、前述した小径円柱片21の端面(接合面)に塗布し、大気中100℃×30分で溶媒を除去した。さらに、真空条件下で、接合部材が塗布された小径円柱片21の端面と大径円柱片22の端面とを対向させて、接合部材を圧力5MPaで加圧すると共に、接合部材の温度が300℃になるように加熱した。そして、接合部材からなる接合部10の厚さが50μmとなるように、小径円柱片21と大径円柱片22とを接合し、図3に示すような、試験片を製作した。
<性能評価試験1(せん断強度測定試験)>
図3に示す試験片の大径円柱片側を保持し、接合した小径円柱片21の側面に荷重を負荷させて、試験片の接合部10にせん断力を与え、接合部10のせん断強度の測定を行った。この結果を表1に示す。
<性能評価試験2(冷熱サイクル耐久試験)>
さらに、上記と同様の試験片を製作し、この試験片を40℃〜250℃に加熱しさらに250℃〜40℃に冷却する工程を1サイクルとし、このサイクルを1000サイクル繰り返した。そして、この試験後の接合部の組織観察及び上記と同様のせん断強度測定試験を行った。この結果を以下の表2に示す。
[比較例1]
実施例1と同じようにして試験片の製作を行った。実施例1と異なる点は、表1の(●)に示す如き核材の粒径と被覆材の厚みの組み合わせとなるようにして、接合部材を製作した。具体的には、前述した実施例の接合部材のうち、核材の粒径又は被覆材の厚みのいずれか一方又は双方を3nm(5nmよりも小さく)した接合部材、核材の粒径又は被覆材の厚みのいずれか一方又は双方を150nm(100nmよりも大きく)した接合部材、または、核材の粒径又は被覆材の厚みのいずれか一方を3nmとし、他方を150nmにした接合部材を製作した。そして、これらの接合部材を用いて実施例1と同様の接合方法により試験片を製作し、せん断強度測定試験を行った。この結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1と同じ被接合材を用いて、試験片を製作した。実施例1と異なる点は、接合部材の代わりにSn−Pb系の高温はんだを用いて試験片を接合した点である。そして、実施例と同じように、せん断強度測定試験及び冷熱サイクル耐久試験をおこなった。この結果を表1及び表2に示す。
Figure 2007229801
Figure 2007229801
[結果]
表1に示すように、比較例1,2に比べて、実施例1の試験片のせん断強度は高かった。また、比較例1の試験片のせん断強度は、比較例2に比べて、低かった。表2に示すように、比較例2に比べて、実施例1の冷熱サイクル耐久試験後のせん断強度の低下はほとんどなかった。さらに、比較例2の冷熱サイクル耐久試験後の試験片の接合部には、大きな亀裂が発生していたが、実施例1の試験片の接合部には、損傷はみられなかった。
[考察]
このような結果から、実施例の試験片1は、被覆材の融点よりも低い300℃の温度条件(被覆材の融点の絶対温度30%程度の温度条件)下で接合したにもかかわらず、たとえ、接合温度に近い温度である250℃の熱サイクルを接合部に加えたとしても、安定した接合状態が維持可能であることがわかった。これは、実施例1の接合部材の如く、核材の粒径を、5〜100nmとし、被覆材の厚みを、5〜100nmと、ナノオーダの大きさの粒子としたことにより、接合部材が結合し易くなったことによると考えられる。さらに、この接合部に介在した核材により、接合部の残留応力の緩和、接合部の亀裂進展の抑制が可能となり、熱サイクルにより機械的強度の低下が低減され、耐久性が向上したと考えられる。
そして、比較例1の試験片のうち核材の粒径が5nmよりも小さいものは、核材の粒形状に起因した接合部の残留応力の緩和、接合部の亀裂進展の抑制の効果を得ることができず、核材の大きさが100nmよりも大きいものは、接合部材の表面が活性を高めることができないため、接合部材同士が結合し難く、実施例1よりもせん断強度(機械的強度)が小さくなったものと考えられる。
さらに、比較例1の試験片のうち被覆材の厚みが5nmよりも小さいものは、接合部材同士を結合する被覆材の割合が少ないため充分なせん断強度を得ることができず、被覆材の厚みが100nmよりも大きいものは、接合部材の表面は活性を充分に高めることができないため、接合部材同士が結合し難く、実施例1よりもせん断強度が小さくなったものと考えられる。
なお、実施例1においては、核材の材料にアルミナ、被覆材の材料に、ニッケルを用いたが、この接合部のせん断強度の向上には、核材の粒径及び被覆材の厚みが大きく起因しているため、例えば、核材に金属合金、セラミックス、樹脂を用いても良く、被覆材としては、所望のせん断強度を含む接合強度が確保できるのであれば、他の金属,またはその合金,樹脂であっても同様の効果を期待することができると考えられる。
本発明の如き接合部材は、低温条件下で接合することができ、接合により形成された接合部は、高温環境下においても耐久性を確保することができるので、例えば、インバータを構成する半導体デバイスとそのベース材との接合を行う際に利用されることが好ましい。
本実施形態に係る接合部材の全体構成図。 (a)は、図1に示す接合部材を被接合材に配置した模式図であり、(b)は、(a)の状態で、接合面により前記接合部材を加圧すると共に前記接合部材を加熱しながら接合面同士を接合して得られた接合部の模式図。 実施例1及び比較例1,2の試験片を示した模式図。
符号の説明
1:接合部材,10:接合部,11:核材,12:被覆材,21,22:被接合材,21a,22a:接合面

Claims (11)

  1. 被接合材同士の接合を行うための接合部材であり、該部材は、粒状の核材と、該核材の表面に被覆した被覆材とを少なくとも備えたものであって、
    前記接合部材の核材の粒径は、5〜100nmであり、
    前記接合部材の被覆材の厚みは、5〜100nmであることを特徴とする接合部材。
  2. 前記核材の融点は、前記被覆材の融点よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の接合部材。
  3. 前記被覆材の融点は、250℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の接合部材。
  4. 前記核材は、酸化アルミニウムからなり、前記被覆材は、ニッケルからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の接合部材。
  5. 被接合材同士の接合を行うための接合部材の製造方法であって、
    前記製造方法は、粒径5〜100nmの粒状の核材の表面に、厚さ5〜100nmの被覆材を被覆することを特徴とする接合部材の製造方法。
  6. 前記核材の融点は、前記被覆材の融点よりも高いことを特徴とする請求項5に記載の接合部材の製造方法。
  7. 前記被覆材の融点は、250℃以上であることを特徴とする請求項5または6に記載の接合部材の製造方法。
  8. 前記核材に酸化アルミニウムを用い、前記被覆材にニッケルを用いることを特徴とする請求項5〜7に記載の接合部材の製造方法。
  9. 前記請求項1〜4のいずれかに記載の接合部材を介して、被接合材の接合面同士を接合する接合方法であって、
    少なくとも一方の前記接合面に複数の前記接合部材を配置する工程と、前記接合面同士が対向するように前記被接合材を配置する工程と、前記対向した接合面により前記接合部材を加圧すると共に前記接合部材を加熱しながら前記接合面同士を接合する工程と、を含むことを特徴とする接合方法。
  10. 前記接合部材の加熱は、前記被覆材の融点よりも低い温度条件で加熱されることを特徴とする請求項9に記載の接合方法。
  11. 前記請求項9又は10に記載の接合方法により接合面同士を接合した被接合材を備えたインバータであって、前記一方の被接合材は、前記インバータを構成する半導体デバイスであり、前記他方の被接合材は、前記インバータを構成するベース材であることを特徴とするインバータ。
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