JP2007226870A - ディスク製造方法、転写装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板と同一形状の樹脂スタンパを用いた場合でも、精密な転写処理が実行できるようにする。
【解決手段】フランジ付きピンにより、基板に対して、直径がディスク基板と同一の樹脂スタンパとが所定の離間距離で対向させる(F201,F202)。そして基板及びスタンパの周囲としての第1の空間S1を減圧した状態(F203、F204)で、スタンパと基板の外周部分を密着させると、スタンパとディスク基板の間隙部として、減圧空間としての第2の空間S2が形成される(F205)。この状態で第1の空間を大気開放すれば、第1,第2の空間の気圧差により、スタンパをディスク基板に押し付ける力が加わる。従ってフランジ付きピンによる離間距離を小さくしていけば、スタンパが外周側から内周側に向かって密着されていき、良好に凹凸パターンの転写が行われる(F206)。
【選択図】図5
【解決手段】フランジ付きピンにより、基板に対して、直径がディスク基板と同一の樹脂スタンパとが所定の離間距離で対向させる(F201,F202)。そして基板及びスタンパの周囲としての第1の空間S1を減圧した状態(F203、F204)で、スタンパと基板の外周部分を密着させると、スタンパとディスク基板の間隙部として、減圧空間としての第2の空間S2が形成される(F205)。この状態で第1の空間を大気開放すれば、第1,第2の空間の気圧差により、スタンパをディスク基板に押し付ける力が加わる。従ってフランジ付きピンによる離間距離を小さくしていけば、スタンパが外周側から内周側に向かって密着されていき、良好に凹凸パターンの転写が行われる(F206)。
【選択図】図5
Description
本発明はディスク製造方法及び転写装置に関し、特にスタンパを用いて情報記録層を形成する凹凸パターンをディスク基板に転写させる転写工程に関するものである。
図14にブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))としての2層ディスク(デュアルレイヤディスク)の概略的な層構造を示す。
2層ディスクの場合、約1.1mmの厚さのディスク基板101に第1記録層(以下、L0層)が形成され、そのL0層から約25μmの厚みのスペーサ層102を介して第2記録層(以下、L1層)が形成される。そしてL1層上に約75μmの厚みのカバー層103が形成されて、約1.2mmの厚みのディスクとされる。
L0層、L1層は、それぞれ情報ピット列としての凹凸パターンが形成されたもので、カバー層103側からレーザ光が照射されて情報再生が行われる。
2層ディスクの場合、約1.1mmの厚さのディスク基板101に第1記録層(以下、L0層)が形成され、そのL0層から約25μmの厚みのスペーサ層102を介して第2記録層(以下、L1層)が形成される。そしてL1層上に約75μmの厚みのカバー層103が形成されて、約1.2mmの厚みのディスクとされる。
L0層、L1層は、それぞれ情報ピット列としての凹凸パターンが形成されたもので、カバー層103側からレーザ光が照射されて情報再生が行われる。
例えばこのような2層構造の光ディスクを製造する場合の1つの方法として、次のような手順が知られている。まず、L0層の凹凸パターン形状が形成されたスタンパを用いて射出成形によりL0層の凹凸パターンを形成した基板を作成する。
次に、基板上の凹凸パターンに全反射膜を形成してL0層を形成した後、樹脂によるスペーサ層を形成する。
次に、L1層の凹凸パターン形状が形成されたスタンパをスペーサ層に押し付けて、スペーサ層の表面に凹凸パターンを転写する。その後スタンパを剥がす。
次に転写された凹凸パターンに半透過反射膜を形成し、L1層を形成する。
そしてL1層上にカバー層を形成する。
概略的には以上の手順で図14のような2層構造の光ディスクを製造することができる。
次に、基板上の凹凸パターンに全反射膜を形成してL0層を形成した後、樹脂によるスペーサ層を形成する。
次に、L1層の凹凸パターン形状が形成されたスタンパをスペーサ層に押し付けて、スペーサ層の表面に凹凸パターンを転写する。その後スタンパを剥がす。
次に転写された凹凸パターンに半透過反射膜を形成し、L1層を形成する。
そしてL1層上にカバー層を形成する。
概略的には以上の手順で図14のような2層構造の光ディスクを製造することができる。
スタンパを用いて凹凸パターンを転写する方法としては、紫外線硬化型樹脂のスペーサ層を形成した基板と樹脂スタンパを重ね合せ、センターピンや外周リングにより閉空間を作りヴァキューム吸引し大気圧により押圧、又は加圧パッドにより押圧し、或いはその組合せで押圧してスタンパの情報ピットを転写する方法が知られている(上記特許文献1)。
また転写後の樹脂スタンパを剥がす方法としては、中心孔から樹脂層(スペーサ層)と樹脂スタンパの間に楔を入れ、作った隙間からエアを注入して剥がす方法や外周部を押さえて中心孔からエアを注入する方法が知られている(上記特許文献2,3)。
また転写後の樹脂スタンパを剥がす方法としては、中心孔から樹脂層(スペーサ層)と樹脂スタンパの間に楔を入れ、作った隙間からエアを注入して剥がす方法や外周部を押さえて中心孔からエアを注入する方法が知られている(上記特許文献2,3)。
ところで例えばL1層の凹凸パターンの転写のためのスタンパとして、樹脂スタンパを用いることが知られている。
樹脂スタンパは、例えばディスク基板の成型と同様に製造する。即ちL1層の凹凸パターンを有する金属スタンパをセットした金型を用いて、射出成形でL1層の凹凸パターンを有する樹脂スタンパを製造する。この樹脂スタンパは、ディスク基板の直径よりも大きな直径のものとされる。そしてこのように製造された樹脂スタンパが転写工程で用いられてディスク基板上にL1層の凹凸パターンの転写が行われる。
樹脂スタンパは、例えばディスク基板の成型と同様に製造する。即ちL1層の凹凸パターンを有する金属スタンパをセットした金型を用いて、射出成形でL1層の凹凸パターンを有する樹脂スタンパを製造する。この樹脂スタンパは、ディスク基板の直径よりも大きな直径のものとされる。そしてこのように製造された樹脂スタンパが転写工程で用いられてディスク基板上にL1層の凹凸パターンの転写が行われる。
ここで樹脂スタンパとしては、ディスク基板と同一の平面形状(直径及びセンターホール径が同一)のものを使用したいという要望がある。
ディスク基板と同一形状の樹脂スタンパであれば、同一の金型を用いることができ、製造設備負担の低減や、金型兼用による製造の効率化を図ることができる。
また樹脂スタンパは、通常は繰り返し使用に絶えず、1スタンパ1回転写の使い捨てとなる。このため製造するディスクの数と同数の樹脂スタンパが必要になり、つまり製造するディスク数と同数の樹脂スタンパを作成し、かつそれを廃棄しなければならない。ここで樹脂スタンパをディスク基板と同一形状とすれば、スタンパとして使用した後に、そのままディスク基板として利用できる。これは資源的にも、環境的にも、さらには材料や設備としての製造コスト的にも好ましいものとなる。
このような理由から、ディスク基板と同一の平面形状の樹脂スタンパを用いることが考えられているが、上記特許文献1のような従来の転写方法では、ディスク基板より直径のが大きく、かつセンターホールが小径のスタンパを用いることを前提としており、同一平面形状の樹脂スタンパに適用することができない。
また他の転写方法としてローラー圧着方式、スピンボンディング方式、パッド圧着方式などが知られているが、より安定して高品質のディスクを製造できる転写方法が求められている。特に転写時に気泡の発生を低減できる真空中の転写方式が好ましい。
また、特許文献2、3のようにスタンパの剥離方法にあっては、楔やエアを必要とするなど複雑な機構が必要である。
ディスク基板と同一形状の樹脂スタンパであれば、同一の金型を用いることができ、製造設備負担の低減や、金型兼用による製造の効率化を図ることができる。
また樹脂スタンパは、通常は繰り返し使用に絶えず、1スタンパ1回転写の使い捨てとなる。このため製造するディスクの数と同数の樹脂スタンパが必要になり、つまり製造するディスク数と同数の樹脂スタンパを作成し、かつそれを廃棄しなければならない。ここで樹脂スタンパをディスク基板と同一形状とすれば、スタンパとして使用した後に、そのままディスク基板として利用できる。これは資源的にも、環境的にも、さらには材料や設備としての製造コスト的にも好ましいものとなる。
このような理由から、ディスク基板と同一の平面形状の樹脂スタンパを用いることが考えられているが、上記特許文献1のような従来の転写方法では、ディスク基板より直径のが大きく、かつセンターホールが小径のスタンパを用いることを前提としており、同一平面形状の樹脂スタンパに適用することができない。
また他の転写方法としてローラー圧着方式、スピンボンディング方式、パッド圧着方式などが知られているが、より安定して高品質のディスクを製造できる転写方法が求められている。特に転写時に気泡の発生を低減できる真空中の転写方式が好ましい。
また、特許文献2、3のようにスタンパの剥離方法にあっては、楔やエアを必要とするなど複雑な機構が必要である。
そこで本発明は、ディスク基板と直径及びセンターホール径が同一の樹脂スタンパを用いて、高精度に凹凸パターンの転写を実現し、かつスタンパの剥離も容易なディスク製造方法及び転写装置を提供すること目的とする。
本発明のディスク製造方法は、スタンパを用いて情報記録層の凹凸パターンをディスク基板に転写する転写工程を含むディスク製造方法である。そして上記転写工程は、樹脂層が形成された上記ディスク基板と、直径が上記ディスク基板と同径のスタンパとを、減圧された第1の空間内で、支持部材を用いて所定の離間距離を維持するようにして対向させる対向配置工程と、上記ディスク基板と上記スタンパの外周部分のみを密着させ、上記ディスク基板と上記スタンパとの間に減圧された第2の空間を形成する外周密着工程と、上記第1の空間を大気開放するとともに、上記支持部材による離間距離を小さくしていくことで、上記第1の空間と上記第2の空間による差圧により上記ディスク基板と上記スタンパとが外周部分から内周部分に向かって密着されていき、上記凹凸パターンが上記ディスク基板の上記樹脂層に転写されるようにする差圧密着工程とを有する。
また上記スタンパは、直径及びセンターホール径が上記ディスク基板と同径であり、上記支持部材は、上記ディスク基板と上記スタンパの各センターホールの径と略同径であって上記センターホールに挿入可能なピン本体部に、上記センターホールの径より大きいフランジが設けられたフランジ付きピンとされる。そして上記対向配置工程では、上記フランジ付きピンを、上記ディスク基板のセンターホールに挿入するとともに、上記フランジが、上記ディスク基板の表面から所定距離だけ離間した状態に維持され、さらに上記スタンパのセンターホールに上記フランジ付きピンが挿通して、上記スタンパが上記フランジ上に載置される状態とすることで、 上記ディスク基板と上記スタンパとが、所定の離間距離を維持して対向する状態となる。
さらに上記対向配置工程では、上記フランジ付きピンを用いて上記ディスク基板と上記スタンパとを、所定の離間距離で対向させた後、その周囲をチャンバで密閉して上記第1の空間を形成し、該第1の空間内を減圧する。
また上記樹脂層は紫外線硬化型樹脂による樹脂層であり、上記差圧密着工程により上記ディスク基板に上記スタンパを密着させた状態で紫外線照射を行い、上記樹脂層を硬化させる紫外線照射工程をさらに備える。
また上記差圧密着工程により上記ディスク基板に密着させた上記スタンパを、上記支持部材を移動させることで上記ディスク基板から剥離する剥離工程をさらに備える。
さらに上記対向配置工程では、上記フランジ付きピンを用いて上記ディスク基板と上記スタンパとを、所定の離間距離で対向させた後、その周囲をチャンバで密閉して上記第1の空間を形成し、該第1の空間内を減圧する。
また上記樹脂層は紫外線硬化型樹脂による樹脂層であり、上記差圧密着工程により上記ディスク基板に上記スタンパを密着させた状態で紫外線照射を行い、上記樹脂層を硬化させる紫外線照射工程をさらに備える。
また上記差圧密着工程により上記ディスク基板に密着させた上記スタンパを、上記支持部材を移動させることで上記ディスク基板から剥離する剥離工程をさらに備える。
本発明の転写装置は、スタンパを用いて情報記録層の凹凸パターンをディスク基板に転写させる転写装置であり、樹脂層が形成された上記ディスク基板と、直径が同径のスタンパとを、所定の離間距離を維持するようにして対向させる支持部材と、上記ディスク基板及び上記スタンパの周囲空間を密閉して第1の空間を形成するチャンバと、上記第1の空間内を減圧状態とする減圧手段と、上記減圧手段で上記第1の空間が減圧状態とされたときに、上記ディスク基板と上記スタンパの外周部分のみを密着させる外周密着手段とを備える。そして上記外周密着手段により、上記ディスク基板と上記スタンパとの間に減圧された第2の空間を形成させた状態で、上記第1の空間を大気開放するとともに、上記支持部材による上記離間距離を小さくしていくことで、上記第1の空間と上記第2の空間による差圧により上記ディスク基板と上記スタンパとが外周部分から内周部分に向かって密着されていき、上記凹凸パターンが上記ディスク基板の上記樹脂層に転写されるようにする。
このような本発明では、支持部材(フランジ付きピン)により、ディスク基板に対して、直径がディスク基板と同一の樹脂スタンパとが所定の離間距離で対向される。このときディスク基板及びスタンパの周囲としての第1の空間を減圧した状態で、スタンパとディスク基板の外周部分を密着させると、スタンパとディスク基板の間隙部として、減圧空間としての第2の空間が形成される。この状態で第1の空間を大気開放すれば、第1,第2の空間の気圧差により、スタンパをディスク基板に押し付ける力が加わる。従って支持部材による離間距離を小さくしていけば、スタンパが外周側から内周側に向かって密着されていき、良好に凹凸パターンの転写が行われる。
本発明によれば、ディスク基板とスタンパの間である第2の空間は真空吸引によって減圧された空間となっていることや、第1の空間との差圧によってスタンパ平面が均一の力でディスク基板に押し付けられる。このことから本発明では、ディスク基板と同一平面形状の樹脂スタンパを用いても安定した精度の高い転写が可能となるという効果がある。
またディスク基板と同一平面形状の樹脂スタンパを利用できることで、樹脂スタンパの製造負担の低減、樹脂スタンパの基板としての再利用なども可能で、製造設備負担や製造コストの低減、環境的負荷の低減、製造効率の向上が可能である。
また、フランジ付きピンを支持部材として使用することにより、ディスク基板と同形の樹脂スタンパの対向配置や大気圧による転写、さらには転写後のスタンパ剥離が容易に実行できる。
またディスク基板と同一平面形状の樹脂スタンパを利用できることで、樹脂スタンパの製造負担の低減、樹脂スタンパの基板としての再利用なども可能で、製造設備負担や製造コストの低減、環境的負荷の低減、製造効率の向上が可能である。
また、フランジ付きピンを支持部材として使用することにより、ディスク基板と同形の樹脂スタンパの対向配置や大気圧による転写、さらには転写後のスタンパ剥離が容易に実行できる。
以下、本発明のディスク製造方法の実施の形態を説明する。実施の形態では、図14のような2層構造のディスクを製造する例で述べる。
まず、図1〜図4で、ディスク製造工程の全体を説明し、その後に本発明の特徴となる、樹脂スタンパを用いた転写工程について述べることとする。
まず、図1〜図4で、ディスク製造工程の全体を説明し、その後に本発明の特徴となる、樹脂スタンパを用いた転写工程について述べることとする。
図1のステップF101は基板の成型工程を示している。また図2(a)はステップF101で成型される基板1を示している。
ステップF101の基板成形工程では、L0層としての凹凸パターンが形成された金属スタンパをセットした金型を用いた射出成形により例えばポリカーボネートによる基板1が成型される。成型される基板1は、図2(a)のように、一方の面にL0用凹凸パターン2が形成されたものとなる。なお、図2(及び図3,図4)は、基板1や樹脂スタンパ10等をあくまで模式的に示しているものであるが、例えば図2(a)の基板1は、直径120mmで厚みが0.55mmの円盤状とされ、また中心には直径15mmのセンターホールが形成される。
L0用凹凸パターン2とは、再生専用ディスクの製造を想定すれば、L0層において形成される情報ピット列のパターンである。
なお、実施の形態としては、L0層、L1層に情報ピット列が形成された再生専用ディスクの製造方法として説明するが、ライトワンスディスクやリライタブルディスクを本発明の手法を適用できる。ライトワンスディスクやリライタブルディスクの場合、L0層、L1層として記録トラックを形成するウォブリンググルーブ(蛇行溝)が形成されるため、その製造工程で形成されるL0用凹凸パターン2及び後述するL1用凹凸パターン5はL0層及びL1層として形成されるウォブリンググルーブのパターンとなる。
ステップF101の基板成形工程では、L0層としての凹凸パターンが形成された金属スタンパをセットした金型を用いた射出成形により例えばポリカーボネートによる基板1が成型される。成型される基板1は、図2(a)のように、一方の面にL0用凹凸パターン2が形成されたものとなる。なお、図2(及び図3,図4)は、基板1や樹脂スタンパ10等をあくまで模式的に示しているものであるが、例えば図2(a)の基板1は、直径120mmで厚みが0.55mmの円盤状とされ、また中心には直径15mmのセンターホールが形成される。
L0用凹凸パターン2とは、再生専用ディスクの製造を想定すれば、L0層において形成される情報ピット列のパターンである。
なお、実施の形態としては、L0層、L1層に情報ピット列が形成された再生専用ディスクの製造方法として説明するが、ライトワンスディスクやリライタブルディスクを本発明の手法を適用できる。ライトワンスディスクやリライタブルディスクの場合、L0層、L1層として記録トラックを形成するウォブリンググルーブ(蛇行溝)が形成されるため、その製造工程で形成されるL0用凹凸パターン2及び後述するL1用凹凸パターン5はL0層及びL1層として形成されるウォブリンググルーブのパターンとなる。
図1のステップF102は樹脂スタンパの成型工程を示し、図2(d)はステップF102で成型される樹脂スタンパ10を示している。
ステップF102は、ステップF101の基板成型工程と並列的に行われればよい。この樹脂スタンパ成形工程では、L1層としての凹凸パターンが形成された金属スタンパをセットした金型を用いた射出成形により例えばポリカーボネートによる樹脂スタンパ10が成型される。
成型される樹脂スタンパ10は、図2(d)のように、一方の面にL1転写パターン11が形成されたものとなる。
即ちこの樹脂スタンパ10は、基板1と同一形状に形成される。例えば樹脂スタンパ10は、直径120mmで厚みが0.55mmの円盤状とされ、また中心には直径15mmのセンターホールが形成される。
L1転写パターン11とは、L1層において形成される情報ピット列(もしくはウォブリンググルーブ)を転写形成するためのパターンとなる。
ステップF102は、ステップF101の基板成型工程と並列的に行われればよい。この樹脂スタンパ成形工程では、L1層としての凹凸パターンが形成された金属スタンパをセットした金型を用いた射出成形により例えばポリカーボネートによる樹脂スタンパ10が成型される。
成型される樹脂スタンパ10は、図2(d)のように、一方の面にL1転写パターン11が形成されたものとなる。
即ちこの樹脂スタンパ10は、基板1と同一形状に形成される。例えば樹脂スタンパ10は、直径120mmで厚みが0.55mmの円盤状とされ、また中心には直径15mmのセンターホールが形成される。
L1転写パターン11とは、L1層において形成される情報ピット列(もしくはウォブリンググルーブ)を転写形成するためのパターンとなる。
上記ステップF101で成型された基板1については、ステップF103でL0層が形成される。即ち図2(b)に示すようにL0用凹凸パターン2に全反射膜3が成膜される。デュアルレイヤのブルーレイディスクの場合、反射膜の反射率は12〜28%とされるが、この全反射膜3は、銀合金材料を例えば40nm程度の厚みに形成するようにされる。
続いてステップF104で、図2(c)に示すように、L0層の上面にスペーサ層4を形成する処理が行われる。スペーサ層4は、例えば紫外線硬化型樹脂をスピンコートにより25μm程度の厚みに塗布することで形成する。この時点では、紫外線硬化型樹脂は、完全硬化させない、いわゆる半硬化の状態とする。
続いてステップF104で、図2(c)に示すように、L0層の上面にスペーサ層4を形成する処理が行われる。スペーサ層4は、例えば紫外線硬化型樹脂をスピンコートにより25μm程度の厚みに塗布することで形成する。この時点では、紫外線硬化型樹脂は、完全硬化させない、いわゆる半硬化の状態とする。
上記ステップF102で成型された樹脂スタンパ10については、ステップF105で剥離膜が成膜される。即ち図2(e)に示すように、樹脂スタンパ10のL1転写パターン11上に、スパッタにより剥離膜12が形成される。剥離膜12としてはSiNなどが用いられる。
次にステップF106では、樹脂スタンパ10を用いて基板1のスペーサ層4上にL1層を形成するためのL1用凹凸パターンの転写工程が行われる。
図3に転写工程の概要を示している。まず図3(a)のように、半硬化状態の紫外線硬化型樹脂としてのスペーサ層4が塗布された基板1に対して、樹脂スタンパ10のL1転写パターン11の面を対向させる。
そして図3(b)のように樹脂スタンパ10を基板1に圧着させる。その後、スペーサ層4を完全硬化させ、図3(c)のように樹脂スタンパ10を剥離する。なお、このような樹脂スタンパ10の剥離の際の剥離性向上のために、上記ステップF105で樹脂スタンパ10に剥離膜12を形成するようにしているが、良好な剥離ができるのであれば、剥離膜12は必ずしも必要ではない。
以上の処理により、図3(c)のとおり、スペーサ層4上にL1用凹凸パターン5が形成された基板1を得ることができる。
なお、この転写工程の手順及び転写装置の詳細については後述する。
図3に転写工程の概要を示している。まず図3(a)のように、半硬化状態の紫外線硬化型樹脂としてのスペーサ層4が塗布された基板1に対して、樹脂スタンパ10のL1転写パターン11の面を対向させる。
そして図3(b)のように樹脂スタンパ10を基板1に圧着させる。その後、スペーサ層4を完全硬化させ、図3(c)のように樹脂スタンパ10を剥離する。なお、このような樹脂スタンパ10の剥離の際の剥離性向上のために、上記ステップF105で樹脂スタンパ10に剥離膜12を形成するようにしているが、良好な剥離ができるのであれば、剥離膜12は必ずしも必要ではない。
以上の処理により、図3(c)のとおり、スペーサ層4上にL1用凹凸パターン5が形成された基板1を得ることができる。
なお、この転写工程の手順及び転写装置の詳細については後述する。
L1用凹凸パターン5が転写された基板1については、次にステップF107で、図4(a)に示すように、L1用凹凸パターン5上に半透過反射膜6をスパッタにより形成する。この半透過反射膜5は、銀合金材料を例えば20nm程度の厚みに形成するようにされる。これによりL1層が形成される。
続いてステップF108のカバー層形成工程で、図4(b)のように、L1層上に75μm程度のカバー層7を形成する。このカバー層7は、75μm程度の光透過性フィルム(ポリカーボネートフィルムなど)を紫外線硬化型樹脂接着剤で貼り合せるか、又は、紫外線硬化型樹脂を用いたスピンコート法により形成することができる。
続いてステップF108のカバー層形成工程で、図4(b)のように、L1層上に75μm程度のカバー層7を形成する。このカバー層7は、75μm程度の光透過性フィルム(ポリカーボネートフィルムなど)を紫外線硬化型樹脂接着剤で貼り合せるか、又は、紫外線硬化型樹脂を用いたスピンコート法により形成することができる。
一方、ステップF106の転写工程で使用した樹脂スタンパ10は、続いてステップF109で、基板1に貼り合わせるための処理を行う。即ち図4(c)のように、L1転写パターン11が形成された面と反対側の面(平滑面)側に貼り合わせようの接着剤13を塗布する。
次にステップF110では、基板1とスタンパ10の貼り合わせが行われる。即ち図4(d)のように、基板1の一方の面に樹脂スタンパ10の接着剤13を塗布した面を貼り合わせる。基板1と樹脂スタンパ10は、上述したようにそれぞれ約0.55mmの厚みであるので、この貼り合わせにより約1.1mmの厚みのポリカーボネート基板が形成されることになる。
このように貼り合わせを行った後、ステップF111では、図4(e)に示すように、読取面側にハードコート8を施し、またステップF112では印刷面側(レーベル面側)にレーベル印刷14が施されて光ディスクが完成する。
この光ディスクは、印刷面側からみて、約1.1mmの基板(1,10)、L0層、約0.25μmのスペーサ層、L1層、約0.75μmのカバー層7及びハードコート8としての構造とされた、厚み1.2mmの光ディスクとなる。
この光ディスクは、印刷面側からみて、約1.1mmの基板(1,10)、L0層、約0.25μmのスペーサ層、L1層、約0.75μmのカバー層7及びハードコート8としての構造とされた、厚み1.2mmの光ディスクとなる。
このようなディスク製造工程では、樹脂スタンパ10が、スタンパとして使用された後、基板1に貼り合わせられて、実際の光ディスクの基板の一部として利用される。このため、樹脂スタンパ10が無駄に生産され、かつ廃棄されることはない。
また樹脂スタンパ10は基板1と同一形状で形成されるものであり、樹脂スタンパ10の製造に基板1の製造と同じ金型を用いることができる。従って樹脂スタンパ10の製造設備の簡易化が可能で、また樹脂スタンパ10の廃棄設備を設ける必要もない。
従って、製造設備の簡素化、樹脂スタンパのための材料負担や工程負担の解消、製造コストの低減を実現できる。その上で、無駄な樹脂スタンパが生じないことで、資源的及び環境的にも非常に好適となる。
また樹脂スタンパ10は基板1と同一形状で形成されるものであり、樹脂スタンパ10の製造に基板1の製造と同じ金型を用いることができる。従って樹脂スタンパ10の製造設備の簡易化が可能で、また樹脂スタンパ10の廃棄設備を設ける必要もない。
従って、製造設備の簡素化、樹脂スタンパのための材料負担や工程負担の解消、製造コストの低減を実現できる。その上で、無駄な樹脂スタンパが生じないことで、資源的及び環境的にも非常に好適となる。
そしてこのような利点を得るためには、ステップF106の転写工程において、基板1と同一形状の樹脂スタンパ10を用いて、良好にL1用凹凸パターンの転写が行われなければならない。
本実施の形態では、ステップF106での転写工程においては、基板1と同形の樹脂スタンパ10を使用し、大気圧により凹凸パターンの転写を行い、さらに転写後に樹脂スタンパ10を剥離するために、フランジ付きピンをセンターピンとして使用する。
そして転写時には、フランジ付きピンを用いて基板1と樹脂スタンパ10を所定間隔離間させた状態で対向配置させる。また基板1と樹脂スタンパ10の内周側をフランジ付きピンで気密性を確保し、さらに外周部を外周押圧部材で樹脂スタンパを押さえて基板1に密着させることで気密性を確保することで、樹脂スタンパ10と基板1の間に密閉空間を生成する。そして周囲の空間と内部の空間の気圧差を利用して、樹脂スタンパ10を基板1に圧着させる。
樹脂スタンパ10の剥離時にはフランジ付きピンを突き上げてフランジ部分でスタンパを剥離する。
本実施の形態では、ステップF106での転写工程においては、基板1と同形の樹脂スタンパ10を使用し、大気圧により凹凸パターンの転写を行い、さらに転写後に樹脂スタンパ10を剥離するために、フランジ付きピンをセンターピンとして使用する。
そして転写時には、フランジ付きピンを用いて基板1と樹脂スタンパ10を所定間隔離間させた状態で対向配置させる。また基板1と樹脂スタンパ10の内周側をフランジ付きピンで気密性を確保し、さらに外周部を外周押圧部材で樹脂スタンパを押さえて基板1に密着させることで気密性を確保することで、樹脂スタンパ10と基板1の間に密閉空間を生成する。そして周囲の空間と内部の空間の気圧差を利用して、樹脂スタンパ10を基板1に圧着させる。
樹脂スタンパ10の剥離時にはフランジ付きピンを突き上げてフランジ部分でスタンパを剥離する。
以下、このような転写工程及び転写装置について、図5〜図13で説明していく。図5は上記ステップF106の転写工程において行われる詳細な工程を示している。
ステップF201は転写装置に基板1を配置しフランジ付きピンを挿入する工程である。基板1とは、図1のステップF103で半硬化状態のスペーサ層4が形成された図2(c)の状態の基板1である。
図6(a)に示すように、転写装置では基台部20上に基板テーブル21が設けられ、その基板テーブル21上に基板1が載置される。基台部20及び基板テーブル21は、その中央部にピン挿入孔22が形成されている。このピン挿入孔22は、基板1のセンターホール1aの径(約15mm)と略同一の内径の孔とされている。
基板1は、基板テーブル21上において、そのセンターホール位置がピン挿入孔22と一致する状態に載置される。例えば基板テーブル21には基板1の積載面に吸引部が設けられていることで、基板1は基板テーブル21上で吸着固定される。
この図6(a)のように基板1が載置固定された後、図6(b)に正面図及び平面図で示すフランジ付きピン30が挿入される。
フランジ付きピン30は、円柱状であって上下端部がテーパー状とされたピン本体部31と、ピン本体部31の略中央に形成されたフランジ32から成る。
ピン本体部31の直径は約15mmで、基板1のセンターホール1a及びピン挿入孔22に密着状態で挿入可能とされている。
フランジ32は、例えば0.5mm〜1mm程度の厚みであって、その円の直径は17〜19mm程度とされる。
このフランジ付きピン30が、図6(c)のように基板1のセンターホール1a及びピン挿入孔22に挿入される。
ピン挿入孔22の下方にはフランジピン駆動ユニット23及びフランジピン駆動部材24が設けられている。フランジピン駆動ユニット23はフランジピン駆動部材24を上下移動させる機構を備えている。
フランジ付きピン30が挿入される際には、フランジピン駆動部材24は、その先端が高さ位置h1となるように駆動されており、フランジ付きピン30は、フランジピン駆動部材24に当接する位置まで挿入されることになる。
このようにフランジピン駆動部材24によってフランジ付きピン30の挿入深さが規制されることで、図6(c)からわかるように、フランジ付きピン30のフランジ32の下面が基板1の表面から僅かに離れた状態で維持されることになる。
図6(a)に示すように、転写装置では基台部20上に基板テーブル21が設けられ、その基板テーブル21上に基板1が載置される。基台部20及び基板テーブル21は、その中央部にピン挿入孔22が形成されている。このピン挿入孔22は、基板1のセンターホール1aの径(約15mm)と略同一の内径の孔とされている。
基板1は、基板テーブル21上において、そのセンターホール位置がピン挿入孔22と一致する状態に載置される。例えば基板テーブル21には基板1の積載面に吸引部が設けられていることで、基板1は基板テーブル21上で吸着固定される。
この図6(a)のように基板1が載置固定された後、図6(b)に正面図及び平面図で示すフランジ付きピン30が挿入される。
フランジ付きピン30は、円柱状であって上下端部がテーパー状とされたピン本体部31と、ピン本体部31の略中央に形成されたフランジ32から成る。
ピン本体部31の直径は約15mmで、基板1のセンターホール1a及びピン挿入孔22に密着状態で挿入可能とされている。
フランジ32は、例えば0.5mm〜1mm程度の厚みであって、その円の直径は17〜19mm程度とされる。
このフランジ付きピン30が、図6(c)のように基板1のセンターホール1a及びピン挿入孔22に挿入される。
ピン挿入孔22の下方にはフランジピン駆動ユニット23及びフランジピン駆動部材24が設けられている。フランジピン駆動ユニット23はフランジピン駆動部材24を上下移動させる機構を備えている。
フランジ付きピン30が挿入される際には、フランジピン駆動部材24は、その先端が高さ位置h1となるように駆動されており、フランジ付きピン30は、フランジピン駆動部材24に当接する位置まで挿入されることになる。
このようにフランジピン駆動部材24によってフランジ付きピン30の挿入深さが規制されることで、図6(c)からわかるように、フランジ付きピン30のフランジ32の下面が基板1の表面から僅かに離れた状態で維持されることになる。
次にステップF202で、樹脂スタンパ10が配置される。樹脂スタンパ10は図6(c)に示すように、そのセンターホール10aにフランジ付きピン30が挿入されていき、図7(a)に示すようにフランジ32に載置される状態となる。
この状態で基板1と樹脂スタンパ10は所定の離間距離で対向配置されたことになる。図12(a)に対向配置状態を示している。基板1はスペーサ層4としての半硬化状態の樹脂が塗布された面が上面となるように基板テーブル21上に載置されているが、樹脂スタンパ10は、L1転写パターン11側が基板1に対向する。そして樹脂スタンパ10はフランジ32に載置される状態となっていること、及び上述したように、フランジ付きピン30がフランジピン駆動部材24で挿入深さが規制されていることで、基板1と樹脂スタンパ10は例えば2mm程度の離間距離での対向配置状態に保たれる。
なお、このような対向配置における離間距離は、樹脂スタンパ10の厚みや材質の柔軟性、さらには基板1上での凹凸形成範囲(半径位置)などに応じて適正な距離が決められればよい。上記の2mm程度とは、ポリカーボネートによる厚み0.55mmの樹脂スタンパ10を用いたときに、ブルーレイディスクフォーマットでのピット形成範囲(ピット形成する最内周側の半径位置)を考慮して適切と考えられる離間距離である。
この状態で基板1と樹脂スタンパ10は所定の離間距離で対向配置されたことになる。図12(a)に対向配置状態を示している。基板1はスペーサ層4としての半硬化状態の樹脂が塗布された面が上面となるように基板テーブル21上に載置されているが、樹脂スタンパ10は、L1転写パターン11側が基板1に対向する。そして樹脂スタンパ10はフランジ32に載置される状態となっていること、及び上述したように、フランジ付きピン30がフランジピン駆動部材24で挿入深さが規制されていることで、基板1と樹脂スタンパ10は例えば2mm程度の離間距離での対向配置状態に保たれる。
なお、このような対向配置における離間距離は、樹脂スタンパ10の厚みや材質の柔軟性、さらには基板1上での凹凸形成範囲(半径位置)などに応じて適正な距離が決められればよい。上記の2mm程度とは、ポリカーボネートによる厚み0.55mmの樹脂スタンパ10を用いたときに、ブルーレイディスクフォーマットでのピット形成範囲(ピット形成する最内周側の半径位置)を考慮して適切と考えられる離間距離である。
上記のように基板1と樹脂スタンパ10が対向配置されたら、次にステップF203で、チャンバ40により密閉空間S1を形成する。
図7(a)に示すように、基台部22の上方には円筒状のチャンバ40が用意される。チャンバ40は図示しない昇降機構により基台部22の上面側で昇降可能とされている。このチャンバ40が図7(a)のA方向に下降し、図7(b)のように基台部22に接する状態となることで、このチャンバ40と基台部22及びフランジ付きピン30によって密閉された空間S1が形成される。
なお、チャンバ40の内方には、外周部押圧部材41が設けられている。この外周部押圧部材41は外周部押圧ユニット42によってチャンバ40内で昇降可能とされている。またチャンバ40には空気孔43が形成されており、この空気孔43は切換バルブ44を介して真空ポンプ45或いは開放端46に連通させることができる。
図7(a)に示すように、基台部22の上方には円筒状のチャンバ40が用意される。チャンバ40は図示しない昇降機構により基台部22の上面側で昇降可能とされている。このチャンバ40が図7(a)のA方向に下降し、図7(b)のように基台部22に接する状態となることで、このチャンバ40と基台部22及びフランジ付きピン30によって密閉された空間S1が形成される。
なお、チャンバ40の内方には、外周部押圧部材41が設けられている。この外周部押圧部材41は外周部押圧ユニット42によってチャンバ40内で昇降可能とされている。またチャンバ40には空気孔43が形成されており、この空気孔43は切換バルブ44を介して真空ポンプ45或いは開放端46に連通させることができる。
密閉空間S1を形成したら、次にステップF204でチャンバ40内の密閉空間S1を減圧する。即ち図8(a)に示すように、切換バルブ44を真空ポンプ45側に切り換え、真空ポンプ45によって真空吸引を行う。これによって密閉空間S1を略真空状態、つまり減圧状態とする。
次にステップF205で、樹脂スタンパ10の外周部を押圧し、樹脂スタンパ10と基板1の間に第2の密閉空間S2を形成する。
この場合、外周部押圧ユニット42が外周部押圧ユニット42を駆動し、図8(b)のように外周部押圧ユニット42を矢印B方向に移動(下降)させる。外周部押圧部材41は、樹脂スタンパ10の外周部分に相当するリング状の押圧部41aを有しており、下降することで押圧部41aが樹脂スタンパ10の外周に当接する。
この外周部押圧部材41がさらにB方向に下降され、押圧部41aが樹脂スタンパ10の外周部分を更に押し付けることで、図9(a)のように樹脂スタンパ10が湾曲しながら、その外周部分が基板1の外周部分に密着することになる。
この図9(a)の状態を図12(b)に示している。押圧部41aによる押圧力を矢印Cで示すが、押圧力Cにより樹脂スタンパ10が湾曲しながら、その外周部分が基板1の外周部分に密着することで、樹脂スタンパ10と基板1の間に密閉空間S2が形成される。即ち樹脂スタンパ10と基板1の外周部分の全てが密着するとともに、内周のセンターホール1a,10a側はフランジ付きピン30に密着しているため、樹脂スタンパ10と基板1の間隙部分が密閉空間S2となる。
そしてこの空間S2は、空間S1が略真空状態とされた後に形成されるため、空間S2も略真空状態、つまり減圧状態の空間である。
この場合、外周部押圧ユニット42が外周部押圧ユニット42を駆動し、図8(b)のように外周部押圧ユニット42を矢印B方向に移動(下降)させる。外周部押圧部材41は、樹脂スタンパ10の外周部分に相当するリング状の押圧部41aを有しており、下降することで押圧部41aが樹脂スタンパ10の外周に当接する。
この外周部押圧部材41がさらにB方向に下降され、押圧部41aが樹脂スタンパ10の外周部分を更に押し付けることで、図9(a)のように樹脂スタンパ10が湾曲しながら、その外周部分が基板1の外周部分に密着することになる。
この図9(a)の状態を図12(b)に示している。押圧部41aによる押圧力を矢印Cで示すが、押圧力Cにより樹脂スタンパ10が湾曲しながら、その外周部分が基板1の外周部分に密着することで、樹脂スタンパ10と基板1の間に密閉空間S2が形成される。即ち樹脂スタンパ10と基板1の外周部分の全てが密着するとともに、内周のセンターホール1a,10a側はフランジ付きピン30に密着しているため、樹脂スタンパ10と基板1の間隙部分が密閉空間S2となる。
そしてこの空間S2は、空間S1が略真空状態とされた後に形成されるため、空間S2も略真空状態、つまり減圧状態の空間である。
次にステップF206で、空間S1を大気開放すると共に、フランジ付きピン30を下降させる。
即ち図9(b)に示すように、切換バルブ44を開放端46側に切り換える。すると破線で示すようにチャンバ40内に空気が流入する。
なお、外周部押圧部材41は密閉空間を形成するものではなく、図示していないが所要の孔部が設けられるなどして空気は連通している。つまり空間S1は外周部押圧部材41によって空間的に仕切られるものではなく、外周部押圧部材41の内側も空間S1である。
空間S1が大気開放されることで、空間S1と空間S2において気圧差が生じる。このため図9(b)に示すように樹脂スタンパ10の上面から大気圧による矢印Dの圧力が働く。つまり差圧によって樹脂スタンパ10の全面が基板1側に押し付けられるようにする力が加わる。
このときにフランジピン駆動ユニット23はフランジピン駆動部材24を徐々に下降させる。図10(a)のようにフランジピン駆動部材24は矢印E方向に下降され、例えば高さh2より低い位置まで移動される。この場合にフランジ付きピン30は徐々に下降し、図10(a)のようにフランジ32が基板1に当接する位置まで下降することになる。
この状態において、樹脂スタンパ10のL1転写パターン11が基板1のスペーサ層4に押し付けられたことになる。
ここまでの様子を図13(a)(b)に示す。
上述の図12(b)のように樹脂スタンパ10が湾曲して空間S2が形成された後、空間S1が大気開放され圧力Dが生じ、さらにフランジ付きピン30が徐々に下降することで、まず図13(a)のように樹脂スタンパ10のL1転写パターン11は、外周側から順にスペーサ層4に押し付けられていく。そして図13(b)のようにフランジ32が基板1に当接する位置まで来ると、最内周側のL1転写パターン11までが全てスペーサ層4に押し付けられることになる。
即ち図9(b)に示すように、切換バルブ44を開放端46側に切り換える。すると破線で示すようにチャンバ40内に空気が流入する。
なお、外周部押圧部材41は密閉空間を形成するものではなく、図示していないが所要の孔部が設けられるなどして空気は連通している。つまり空間S1は外周部押圧部材41によって空間的に仕切られるものではなく、外周部押圧部材41の内側も空間S1である。
空間S1が大気開放されることで、空間S1と空間S2において気圧差が生じる。このため図9(b)に示すように樹脂スタンパ10の上面から大気圧による矢印Dの圧力が働く。つまり差圧によって樹脂スタンパ10の全面が基板1側に押し付けられるようにする力が加わる。
このときにフランジピン駆動ユニット23はフランジピン駆動部材24を徐々に下降させる。図10(a)のようにフランジピン駆動部材24は矢印E方向に下降され、例えば高さh2より低い位置まで移動される。この場合にフランジ付きピン30は徐々に下降し、図10(a)のようにフランジ32が基板1に当接する位置まで下降することになる。
この状態において、樹脂スタンパ10のL1転写パターン11が基板1のスペーサ層4に押し付けられたことになる。
ここまでの様子を図13(a)(b)に示す。
上述の図12(b)のように樹脂スタンパ10が湾曲して空間S2が形成された後、空間S1が大気開放され圧力Dが生じ、さらにフランジ付きピン30が徐々に下降することで、まず図13(a)のように樹脂スタンパ10のL1転写パターン11は、外周側から順にスペーサ層4に押し付けられていく。そして図13(b)のようにフランジ32が基板1に当接する位置まで来ると、最内周側のL1転写パターン11までが全てスペーサ層4に押し付けられることになる。
このように差圧によって樹脂スタンパ10が基板1に押し付けた状態としたら、そのままの状態でステップF207として紫外線照射を行う。即ち図10(b)のように圧力Dが加えられた状態のまま、例えば上方の紫外線照射部50から紫外線照射を行う。なお、チャンバ40及び外周部押圧部材41は透明材料で形成する。また樹脂スタンパ10は透明である。従って紫外線はスペーサ層4の半硬化状態の紫外線硬化型樹脂に照射され、これによってスペーサ層4がL1転写パターン11が転写された状態で硬化する。
スペーサ層4の硬化が完了したら、ステップF208でフランジ付きピン30を上昇させることで樹脂スタンパ10を剥離する。即ち図11に示すように、フランジピン駆動ユニット23がフランジピン駆動部材24をG方向に移動(上昇)させる。基板1は基板テーブル21上に吸着されているため、フランジピン駆動部材24の上昇でフランジ付きピン30が押し上げられることで、フランジ32に積載されている樹脂スタンパ10が基板1から剥離される。
以上で転写工程が完了し、基板1は図3(c)のようにL1用凹凸パターン5が形成されたものとなる。
このような転写工程によれば、樹脂スタンパ10と基板1の外周部分を密着させ、またセンターホール10a,1a側にはフランジ付きピン30を嵌め込むことで、空間S2を形成する。そして空間S1、S2の気圧差を利用して樹脂スタンパ10を基板1に押し付けるようにすることと、その際にフランジ付きピン30を下降させることで、樹脂スタンパ10のL1転写パターン11を基板1のスペーサ層4に押し付けていく。この場合、樹脂スタンパ10の表面に対して差圧による均一の力が加わることや、外周側から内周側に向かって押付が行われることで、安定した精度の高い転写が可能となる。つまり樹脂スタンパ10を基板1と同一形状のものを使用しても、安定した精度の高い転写工程処理を実現できる。
そして基板1と同一形状の樹脂スタンパ10を利用できることで、上述のように樹脂スタンパを基板の一部として利用することが可能となる。
また、樹脂スタンパ10を基板1に押し付けたままの状態で紫外線照射を行ってスペーサ層4を完全硬化させることも、精密な凹凸パターンの転写に好適である。
また樹脂スタンパ10の剥離はフランジ付きピン30を上昇させるのみで容易に完了でき、剥離のための複雑な機構を必要としない。
このような転写工程によれば、樹脂スタンパ10と基板1の外周部分を密着させ、またセンターホール10a,1a側にはフランジ付きピン30を嵌め込むことで、空間S2を形成する。そして空間S1、S2の気圧差を利用して樹脂スタンパ10を基板1に押し付けるようにすることと、その際にフランジ付きピン30を下降させることで、樹脂スタンパ10のL1転写パターン11を基板1のスペーサ層4に押し付けていく。この場合、樹脂スタンパ10の表面に対して差圧による均一の力が加わることや、外周側から内周側に向かって押付が行われることで、安定した精度の高い転写が可能となる。つまり樹脂スタンパ10を基板1と同一形状のものを使用しても、安定した精度の高い転写工程処理を実現できる。
そして基板1と同一形状の樹脂スタンパ10を利用できることで、上述のように樹脂スタンパを基板の一部として利用することが可能となる。
また、樹脂スタンパ10を基板1に押し付けたままの状態で紫外線照射を行ってスペーサ層4を完全硬化させることも、精密な凹凸パターンの転写に好適である。
また樹脂スタンパ10の剥離はフランジ付きピン30を上昇させるのみで容易に完了でき、剥離のための複雑な機構を必要としない。
なお、以上の説明では、いわゆるROMタイプの再生専用ディスクとしてL0層、L1層に凹凸ピットパターンが形成されたものを想定したが、L0層、L1層としてウォブリンググルーブが形成されたライトワンス側のディスクやリライタブル型のディスクも、上記のような転写工程を含む本発明の製造方法で製造できる。
また、2層ディスクだけでなく、1層ディスクや3層以上のディスクの製造において、スタンパ10による転写工程を含む製造工程であれば、本発明を適用できる。もちろん本発明は、ブルーレイディスクに限らず、DVD(Digital Versatile Disc)方式のディスクなど他の種類の光ディスクの製造にも適している。
また、2層ディスクだけでなく、1層ディスクや3層以上のディスクの製造において、スタンパ10による転写工程を含む製造工程であれば、本発明を適用できる。もちろん本発明は、ブルーレイディスクに限らず、DVD(Digital Versatile Disc)方式のディスクなど他の種類の光ディスクの製造にも適している。
1 基板、2 L0用凹凸パターン、3 全反射膜、4 スペーサ層、5 L1用凹凸パターン、6 半透過反射膜、7 カバー層、8 ハードコート、10 樹脂スタンパ、11 L1転写パターン、12 剥離膜、21 基板テーブル、22 基台、23 フランジピン駆動ユニット、24 フランジピン駆動部材、30 フランジ付きピン、32 フランジ、40 チャンバ、41 外周部押圧部材、42 外周部押圧ユニット、44 切換バルブ、45 真空ポンプ、50 紫外線照射部
Claims (6)
- スタンパを用いて情報記録層の凹凸パターンをディスク基板に転写する転写工程を含むディスク製造方法において、
上記転写工程は、
樹脂層が形成された上記ディスク基板と、直径が上記ディスク基板と同径のスタンパとを、減圧された第1の空間内で、支持部材を用いて所定の離間距離を維持するようにして対向させる対向配置工程と、
上記ディスク基板と上記スタンパの外周部分のみを密着させ、上記ディスク基板と上記スタンパとの間に減圧された第2の空間を形成する外周密着工程と、
上記第1の空間を大気開放するとともに、上記支持部材による離間距離を小さくしていくことで、上記第1の空間と上記第2の空間による差圧により上記ディスク基板と上記スタンパとが外周部分から内周部分に向かって密着されていき、上記凹凸パターンが上記ディスク基板の上記樹脂層に転写されるようにする差圧密着工程と、
を有することを特徴とするディスク製造方法。 - 上記スタンパは、直径及びセンターホール径が上記ディスク基板と同径であり、
上記支持部材は、上記ディスク基板と上記スタンパの各センターホールの径と略同径であって上記センターホールに挿入可能なピン本体部に、上記センターホールの径より大きいフランジが設けられたフランジ付きピンとされ、
上記対向配置工程では、
上記フランジ付きピンを、上記ディスク基板のセンターホールに挿入するとともに、上記フランジが、上記ディスク基板の表面から所定距離だけ離間した状態に維持され、さらに上記スタンパのセンターホールに上記フランジ付きピンが挿通して、上記スタンパが上記フランジ上に載置される状態とすることで、 上記ディスク基板と上記スタンパとが、所定の離間距離を維持して対向する状態となることを特徴とする請求項1に記載のディスク製造方法。 - さらに上記対向配置工程では、
上記フランジ付きピンを用いて上記ディスク基板と上記スタンパとを、所定の離間距離で対向させた後、その周囲をチャンバで密閉して上記第1の空間を形成し、該第1の空間内を減圧することを特徴とする請求項2に記載のディスク製造方法。 - 上記樹脂層は紫外線硬化型樹脂による樹脂層であり、
上記差圧密着工程により上記ディスク基板に上記スタンパを密着させた状態で紫外線照射を行い、上記樹脂層を硬化させる紫外線照射工程を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載のディスク製造方法。 - 上記差圧密着工程により上記ディスク基板に密着させた上記スタンパを、上記支持部材を移動させることで上記ディスク基板から剥離する剥離工程を、
さらに備えることを特徴とする請求項1に記載のディスク製造方法。 - スタンパを用いて情報記録層の凹凸パターンをディスク基板に転写させる転写装置として、
樹脂層が形成された上記ディスク基板と、直径が上記ディスク基板と同径のスタンパとを、所定の離間距離を維持するようにして対向させる支持部材と、
上記ディスク基板及び上記スタンパの周囲空間を密閉して第1の空間を形成するチャンバと、
上記第1の空間内を減圧状態とする減圧手段と、
上記減圧手段で上記第1の空間が減圧状態とされたときに、上記ディスク基板と上記スタンパの外周部分のみを密着させる外周密着手段と、
を備え、
上記外周密着手段により、上記ディスク基板と上記スタンパとの間に減圧された第2の空間を形成させた状態で、上記第1の空間を大気開放するとともに、上記支持部材による上記離間距離を小さくしていくことで、上記第1の空間と上記第2の空間による差圧により上記ディスク基板と上記スタンパとが外周部分から内周部分に向かって密着されていき、上記凹凸パターンが上記ディスク基板の上記樹脂層に転写されるようにすることを特徴とする転写装置。
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Cited By (2)
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JP2011005845A (ja) * | 2009-06-26 | 2011-01-13 | Minuta Technology | 基板真空成形装置及び真空成形方法 |
JP4679664B2 (ja) * | 2007-10-04 | 2011-04-27 | 芝浦メカトロニクス株式会社 | 転写装置 |
-
2006
- 2006-02-22 JP JP2006044868A patent/JP2007226870A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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