JP2007223436A - リレー回路及びこれを用いた電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

リレー回路及びこれを用いた電動パワーステアリング制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リレー回路のリレー接点間に異物が挟まったり、接点が酸化したりすること等により導通異常となり、システム全体が動作不可となることを回避する。
【解決手段】リレー回路RLY1〜RLY3を、中立位置付きの双方向接点構造を有するリレー回路で構成し、導通制御するときには、リレー回路RLY1〜RLY3の可動接点tmと一方の固定接点t1とを導通させ、その導通確認の結果、異常の場合には可動接点tmの接続先を他方の固定接点t2に切り換える。その導通確認の結果、正常である場合には可動接点tmと固定接点t1との間が導通異常であることを記録し、可動接点tm及び固定接点t2を介して電力供給を行う。リレー回路RLY1〜RLY3の何れかにおいて可動接点tmと固定接点t1及びt2との接続が共に導通異常となるとき警報装置30を作動させ、遮断回路27の導通異常を運転者に通知する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、操舵系に操舵補助力を付与する電動モータに対して電力供給を行うための、電力供給用ラインに設けられたリレー回路の動作不良に伴うシステムダウンを回避することの可能なリレー回路及び電動パワーステアリング制御装置に関するものである。
この種の電動パワーステアリング制御装置では、操舵系に操舵補助力を付与するための電動モータに対して電力供給を行うための電力供給用ラインにリレー回路を設け、前記電動モータの駆動制御を行うための駆動制御装置や電動モータの異常等を検出した場合には、前記リレー回路を遮断することで、電動モータが誤動作し、運転者が意図しない操舵補助力が操舵系に付与されることを回避するようにしている。また、リレー回路の溶着異常やリレー接点間の異物の検出等を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−240655号公報
ところで、上述のように、リレー接点間の異物の検出を行うことによって、リレー回路が実際に導通状態となったかどうかを検出することができる。しかしながら、リレー回路が異物の混入等によって実際に導通状態とならなかった場合には、このままでは電動モータへの電力供給が行われないことから、操舵系に、操舵補助力を付与するアシスト処理を行うことができない。つまり、電動パワーステアリング制御装置としてのシステム自体は正常に動作可能な状態であっても、リレー接点間に異物が混入し、導通状態とならないためにシステム全体を作動させることができずシステムダウンとなり、アシスト処理を行うことができない。このため、異物の混入等の影響によってシステムがダウンすることなく、システムの信頼性をより向上させることの可能な電動パワーステアリング制御装置が望まれていた。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、システム自体は正常であるにも関わらず、異物等の影響により導通不可となることを回避することの可能なリレー回路及びこれを用いた電動パワーステアリング制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るリレー回路は、第1の回路と第2の回路との間に介挿されこれら間を導通及び遮断可能なリレー回路であって、前記リレー回路の前記第1の回路と接続される側の第1の結合点と前記第2の回路と接続される側の第2の結合点との間を導通する第1の状態と、前記第1の結合点と前記第2の結合点との間を導通し且つ前記第1の結合点及び前記第2の結合点間の配線が、前記第1の状態における前記第1の結合点及び第2の結合点間の配線と並列関係となる第2の状態と、前記第1の状態における前記配線及び前記第2の状態における前記配線上のこれら配線が分離している位置において、これら配線をそれぞれ独立に遮断する第3の状態と、を実現可能なことを特徴としている。
この請求項1に記載の発明では、第1の回路と第2の回路との間に介挿されたリレー回路が、第1の状態、第2の状態、第3の状態を実現可能に構成されている。第1の状態は、リレー回路の、第1の回路と接続される側の第1の結合点と、第2の回路と接続される側の第2の結合点との間を導通し、第2の状態は、第1の結合点と第2の結合点との間を導通し、且つ第1の結合点及び第2の結合点間の配線が、第1の状態における第1の結合点及び第2の結合点間の配線と並列関係となる。このため、例えば第1の状態で前記第1の結合点及び第2の結合点間の導通が不可となった場合であっても第2の状態を実現することで、第1の結合点及び第2の結合点間を導通させることが可能となる。つまり、第1の状態及び第2の状態のいずれか一方のみが導通異常となったときには他方の状態を実現することによりリレー回路は導通可能であり、第1の状態及び第2の状態が共に導通異常となったときに初めてリレー回路が導通不可となるから、リレー回路が導通不可となる可能性が低減されることになる。
また、請求項2に係るリレー回路は、中立位置付きの双方向接点構造により、前記第1の状態、前記第2の状態及び前記第3の状態を実現することを特徴としている。
また、請求項3に係るリレー回路は、前記第1の結合点及び前記第2の結合点間を導通及び遮断可能な開閉手段と、前記第1の結合点及び前記第2の結合点間を短絡可能な短絡手段と、前記開閉手段と前記短絡手段との何れかを前記第1の結合点及び前記第2の結合点間に介挿する切換手段とにより前記第1の状態、前記第2の状態及び前記第3の状態を実現することを特徴としている。
また、請求項4に係るリレー回路は、前記第1の結合点及び前記第2の結合点間を導通及び遮断可能な第1の開閉手段と、当該第1の開閉手段と並列に接続され且つ前記第1の結合点及び前記第2の結合点間を導通及び遮断可能な第2の開閉手段とにより前記第1の状態、前記第2の状態及び前記第3の状態を実現することを特徴としている。
この請求項2から請求項4に記載の発明では、中立位置付きの双方向接点構造を用いること、或いは、第1の結合点及び第2の結合点間に、これら間を導通又は遮断可能な開閉手段及びこれら間を短絡する短絡手段を切換手段により選択的に介挿すること、或いは、第1の結合点及び第2の結合点間を導通又は遮断可能な第1の開閉手段及び第2の開閉手段を、前記第1の結合点及び第2の結合点間に並列に設けることによって、前記第1から第3の状態が容易に実現される。
また、請求項5に係るリレー回路は、前記第1の状態及び前記第2の状態における前記第1の結合点及び前記第2の結合点間の電気的特性は、同一であることを特徴としている。
この請求項5に記載の発明では、第1の結合点及び第2の結合点間の電気的特性は、第1の状態及び第2の状態共に同一であるから、第1の結合点及び第2の結合点間を第1の状態及び第2の状態の何れによって導通させた場合であっても、リレー回路の電気的特性が変化することはない。
また、請求項6に係るリレー回路は、前記第1の開閉手段は機械的接点を有し、前記第2の開閉手段は電気的接点を有することを特徴としている。
この請求項6に記載の発明では、第1の開閉手段及び第2の開閉手段は、それぞれ機械的接点と電気的接点とを有し、種類の異なる接点を有するから第1の開閉手段及び第2の開閉手段が同等のタイミングで導通不可となる可能性が低減される。
さらに、請求項7に係るリレー回路は、前記第1の状態における前記配線には、機械的接点が介挿されていることを特徴としている。
この請求項7に記載の発明では、第1の状態における配線には、機械的接点が介挿されており、特に、機械的接点は異物の混入や接点の酸化等による導通不可が生じる可能性がある。第1の状態においてその機械的接点に導通不可が生じた場合には、第2の状態に切り換えることで、第1の結合点と第2の結合点との間が導通不可となり、リレー回路が導通不可となる可能性が低減されることになる。
また、本発明の請求項8に係る電動パワーステアリング制御装置は、操舵系に対して操舵補助力を付与する電動モータと、当該電動モータを駆動制御するモータ駆動制御手段と、前記電動モータを駆動制御するための電力供給用ラインに介挿された、前記請求項1から請求項7の何れか1項に記載のリレー回路からなる電力供給用リレー回路と、当該電力供給用リレー回路を制御するリレー回路制御手段と、前記電力供給用リレー回路の導通異常を検出する導通異常検出手段と、を備え、前記リレー回路制御手段は、前記電動モータへの電力供給を行うときに前記電力供給用リレー回路を前記第1の状態に切り換え、前記導通異常検出手段で前記第1の状態での前記電力供給用リレー回路の導通異常が検出されたとき前記電力供給用リレー回路を前記第2の状態に切り換えることを特徴としている。
この請求項8に記載の発明では、電動モータへの電力供給を行うときには、電力供給用ラインに介挿された電力供給用リレー回路を第1の状態に切り換え、この電力供給用リレー回路の第1の結合点と第2の結合点とを導通させる。この第1の状態において、第1の結合点と第2の結合点との間の導通異常が検出されたときには、電力供給用リレー回路を、第2の状態に切り換えることで、第1の結合点及び第2の結合点間を導通させることが可能となる。つまり、第1の状態及び第2の状態の何れか一方のみが導通不可となったときには、他方の状態を実現することで電力供給用リレー回路は導通状態となり、第1の状態及び第2の状態が共に導通不可となった時点で初めて電力供給用リレー回路は導通不可となるから、電力供給用リレー回路が導通不可となる可能性を低減することが可能となる。
また、請求項9に係る電動パワーステアリング制御装置は、前記導通異常検出手段は、前記第1の状態及び前記第2の状態共にその導通異常を検出したときにのみ、前記電力供給用リレー回路の導通異常として通知を行うことを特徴としている。
この請求項9に記載の発明では、第1の状態及び第2の状態が共に導通異常となったときにのみ電力供給用リレー回路の導通異常として通知し、第1の状態及び第2の状態の何れか一方のみが導通異常のときには電力供給用リレー回路の導通異常として通知しないから、第1の状態及び第2の状態のうち導通可能な状態を実現することで電力供給が可能な状態であるにも関わらず電力供給用リレー回路が導通異常と判断され、電動パワーステアリング制御装置がシステムダウンすることが回避される。
また、本発明の請求項10に係る電動パワーステアリング制御装置は、操舵系に対して操舵補助力を付与する電動モータと、当該電動モータを駆動制御するモータ駆動制御手段と、前記電動モータを駆動制御するための電力供給用ラインに介挿され、前記電動モータへの電力供給を行うときに導通状態に制御される電力供給用リレー回路と、当該電力供給用リレー回路を制御するリレー回路制御手段と、を備え、前記電力供給用リレー回路は、当該電力供給用リレー回路の、前記電力供給用ラインと接続される第1の結合点及び第2の結合点間を導通及び遮断可能な第1の開閉手段と、当該第1の開閉手段と並列に接続され且つ前記第1の結合点及び前記第2の結合点間を導通及び遮断可能な第2の開閉手段とで構成され、前記リレー回路制御手段は、前記電力供給を行うときには前記第1の開閉手段及び前記第2の開閉手段を共に導通状態に制御する電動パワーステアリング制御装置であって、前記第1の開閉手段及び前記第2の開閉手段の導通異常を個別に検出する導通異常検出手段と、当該導通異常検出段で前記第1の開閉手段及び前記第2の開閉手段のうちの何れか一方についてのみその導通異常を検出したとき前記モータ駆動制御手段による前記電動モータの駆動制御量を制限する制御量制限手段と、を備えることを特徴としている。
この請求項10に記載の発明では、電力供給用リレー回路の、第1の結合点と第2の結合点との間の電力供給用ラインに、これら間を導通又は遮断する第1の開閉手段と、この第1の開閉手段と並列に接続されこれら間を導通又は遮断する第2の開閉手段とが介挿され、電動モータへの電力供給を行うときには、これら第1の開閉手段及び第2の開閉手段が共に導通状態に制御され、この第1の開閉手段を通る経路及び第2の開閉手段を通る経路の双方の経路を介して電力供給が行われる。そして、第1の開閉手段及び第2の開閉手段の何れか一方のついてのみその導通異常が検出されたとき、つまり、第1の開閉手段及び第2の開閉手段のうちの何れか一方のみによって電動モータへの電力供給が可能な状況にあるときには、モータ駆動制御手段により電動モータの駆動制御量が制限される。このため、第1の開閉手段及び第2の開閉手段の何れか一方を介して、モータ駆動制御手段により制限された駆動制御量相当の電力供給を行うことで、操舵補助力は抑制されるが操舵補助を行うことが可能となる。
また、請求項11に係る電動パワーステアリング制御装置は、前記導通異常検出手段は、前記第1の開閉手段及び第2の開閉手段が実際に導通状態に切り換わったとみなすことの可能な所定時間が経過した個別のタイミングで、それぞれの異常検出を行うことを特徴としている。
この請求項11に記載の発明では、第1の開閉手段及び第2の開閉手段を同じタイミングで導通制御した場合であっても、これら第1の開閉手段及び第2の開閉手段の種類が異なる場合等にはこれらが実際に導通状態に切り換わるタイミングが異なる。これら第1の開閉手段及び第2の開閉手段のそれぞれが実際に切り換わるまでの所要時間に応じたタイミングでこれら第1の開閉手段及び第2の開閉手段が導通したかどうかを判断することで実際に導通状態に切り換わる前に異常判断が行われることに起因する誤判断が回避される。
また、請求項12に係る電動パワーステアリング制御装置は、前記第1の開閉手段は機械的接点を有し、前記第2の開閉手段は電気的接点を有することを特徴としている。
この請求項12に記載の発明では、第1の開閉手段は機械的接点を有し、第2の開閉手段は電気的接点を有しており、第1の開閉手段及び第2の開閉手段は種類が異なるから、例えば絶縁膜が形成されること等により第1の開閉手段及び第2の開閉手段が共に導通異常となる可能性が低減され、電力供給用リレーが導通不可となる可能性が低減されることになる。
さらに、請求項13に係る電動パワーステアリング制御装置は、前記導通異常検出手段は、前記第1の開閉手段及び前記第2の開閉手段共にその導通異常を検出したときにのみ、前記電力供給用リレー回路の導通異常として通知を行うことを特徴としている。
この請求項13に記載の発明では、第1の開閉手段及び第2の開閉手段が共に導通異常となったときにのみ電力供給用リレー回路の導通異常として通知し、第1の開閉手段及び第2の開閉手段の何れか一方のみが導通異常のときには電力供給用リレー回路の導通異常として通知しないから、第1の開閉手段及び第2の開閉手段のうち導通可能な開閉手段を介しての電力供給が可能な状態であるにも関わらず電力供給用リレー回路が導通異常と判断され、電動パワーステアリング制御装置がシステムダウンすることが回避される。
本発明の請求項1から請求項4に係るリレー回路によれば、リレー回路の第1の結合点と第2の結合点との間を導通する第1の状態と、第1の結合点と第2の結合点との間を導通し且つ第1の結合点及び第2の結合点間の配線が、第1の状態における第1の結合点及び第2の結合点間の配線と並列関係となる第2の状態と、第1の状態における配線及び第2の状態における配線上の、これら配線が分離している位置において、これら配線をそれぞれ独立に遮断する第3の状態と、を実現可能に構成したから、第1の状態及び第2の状態を切り換えることで、これら第1の状態及び第2の状態が共に導通不可となったときに初めてリレー回路が導通不可となるため、リレー回路が導通不可となる可能性を低減することができる。
また、請求項5に係るリレー回路によれば、第1の状態及び第2の状態における第1の結合点及び第2の結合点間の電気的特性を同一に構成したから、第1の結合点及び第2の結合点間を第1の状態及び第2の状態の何れによって導通させた場合であっても、リレー回路の電気的特性が変化することを回避するができる。
また、請求項6に係るリレー回路によれば、第1の開閉手段及び第2の開閉手段は、それぞれ機械的接点と電気的接点とを有し、種類の異なる接点を有するから第1の開閉手段及び第2の開閉手段が同等のタイミングで導通不可となる可能性を低減することができる。
さらに、請求項7に係るリレー回路によれば、第1の状態における第1の結合点及び第2の結合点間の配線に機械的接点が介挿されており、異物の混入や接点の酸化等による導通不可が生じる可能性がある場合であっても、第1の状態においてその導通異常を検出した場合には第2の状態に切り換えることで、リレー回路が導通異常となる可能性を低減することができる。
また、本発明の請求項8に係る電動パワーステアリング制御装置によれば、第1の結合点と第2の結合点とを導通させる第1の状態と、この第1の状態における第1の結合点及び第2の結合点間の配線が第1の状態における第1の結合点及び第2の結合点間の配線と並列関係となる第2の状態と、前記第1の状態における前記配線及び前記第2の状態における前記配線上のこれら配線が分離している位置において、これら配線をそれぞれ独立に遮断する第3の状態とを実現可能なリレー回路を、電動モータに電力供給を行うときに導通状態に制御される電力供給用リレー回路に適用し、第1の状態において導通異常となったときには、第2の状態に切り換え、第2の状態を経由しての電力供給を行うようにしたから、第1の状態及び第2の状態が共に導通異常となった時点で初めて電力供給用リレー回路が導通異常となるため、電力供給用リレー回路が導通異常となる可能性を低減することができ、すなわち、電動パワーステアリング制御装置がシステムダウンとなる可能性を低減することができる。
また、請求項9に係る電動パワーステアリング制御装置によれば、第1の状態及び第2の状態共にその導通異常を検出したときにのみ、電力供給用リレー回路の導通異常として通知するから、第1の状態及び第2の状態のうち導通可能な状態を実現することで電力供給が可能な状態であるにも関わらず電力供給用リレー回路が導通異常と判断され、電動パワーステアリング制御装置がシステムダウンすることを回避することができる。
また、本発明の請求項10に係る電動パワーステアリング制御装置によれば、電力供給用リレー回路を、第1の開閉手段及びこれと並列に接続された第2の開閉手段とで構成し、電動モータへの電力供給を行うときには、第1の開閉手段及び第2の開閉手段を共に経由して電力供給を行い、第1の開閉手段及び第2の開閉手段の何れか一方のみ導通異常を検出したときには、モータ駆動制御手段により電動モータの駆動制御量を制限するようにしたから、導通異常が生じていない方方の開閉手段を介して電力供給を行うことで、操舵補助力は抑制されるが操舵補助を行うことができる。
また、請求項11に係る電動パワーステアリング制御装置によれば、第1の開閉手段及び第2の開閉手段のそれぞれが実際に切り換わるまでの所要時間に応じたタイミングでこれら第1の開閉手段及び第2の開閉手段が導通したかどうかを判断するから、導通異常として誤判断されることを回避することができる。
また、請求項12に係る電動パワーステアリング制御装置によれば、第1の開閉手段及び第2の開閉手段は種類が異なるから、これら第1の開閉手段及び第2の開閉手段が共に導通異常となる可能性を低減することができ、すなわち、電力供給用リレーが導通不可となり電動パワーステアリング制御装置がシステムダウンとなる可能性を低減することができる。
さらに、請求項13に係る電動パワーステアリング制御装置によれば、第1の開閉手段及び第2の開閉手段共にその導通異常を検出したときにのみ、電力供給用リレー回路の導通異常として通知するから、第1の開閉手段及び第2の開閉手段のうち導通可能な開閉手段を介しての電力供給が可能な状態であるにも関わらず電力供給用リレー回路が導通異常と判断され、電動パワーステアリング制御装置がシステムダウンすることを回避することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した電動パワーステアリング装置の一実施形態を示す全体構成図であって、図中、1は、ステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力が、入力軸2aと出力軸2bとを有するステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端は操舵トルク検出手段としてのトルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
そして、出力軸2bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント4を介してロアシャフト5に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント6を介してピニオンシャフト7に伝達される。このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ8を介してタイロッド9に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。ここで、ステアリングギヤ8は、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8aとこのピニオン8aに噛合するラック8bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで直進運動に変換している。
ステアリングシャフト2の出力軸2bには、操舵補助力を出力軸2bに伝達する操舵補助機構10が連結されている。この操舵補助機構10は、出力軸2bに連結した減速ギヤ11と、この減速ギヤ11に連結された操舵補助力を発生する、3相ブラシレスモータ12とを備えている。
トルクセンサ3は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、例えば、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介挿した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を抵抗変化や磁気変化に変換して検出するように構成されている。
また、図2に示すように、前記3相ブラシレスモータ12は、例えば、U相コイル、V相コイル及びW相コイルの一端が互いに接続されてスター結線とされ、各コイルの他端が操舵補助制御装置20に接続されて個別にモータ駆動電流Iu、Iv及びIwが供給されると共に、ロータの回転位置を検出するホール素子、レゾルバ等で構成されるロータ位置検出回路13を備えている。
そして、これら、トルクセンサ3から出力されるトルク検出値Tや、ロータ位置検出回路13で検出されたロータ回転角θは、操舵補助制御装置20に入力されると共に、車速センサ21で検出した車速検出値Vも前記操舵補助制御装置20に入力され、さらに、3相ブラシレスモータ12の各相コイルに供給されるモータ駆動電流Iu、Iv及びIwのうち、何れか2つ、例えば、Iu及びIwを検出するモータ電流検出回路22から出力されるモータ駆動電流検出値Iud及びIwdが入力されている。
この操舵補助制御装置20は、トルク検出値T及び車速検出値Vとモータ電流検出値Iud及びIwdとロータ回転角θとに基づいて操舵補助電流目標値を演算し、これを電流指令値Iut、Ivt及びIwtとし、この電流指令値Iut、Ivt及びIwtに基づいて決定したデューティ比Du、Dv及びDwのPWM(パルス幅変調)信号を出力する制御演算装置23と、3相ブラシレスモータ12を駆動する電界効果トランジスタ(FET)で構成されるモータ駆動回路24と、制御演算装置23から電流指令値Iut、Ivt及びIwtに基づいてモータ駆動回路24の電界効果トランジスタのゲート電流を制御するFETゲート駆動回路26と、モータ駆動回路24及び3相ブラシレスモータ12との間に接続された遮断回路27とを備えている。
前記モータ駆動回路24は、図2に示すように、2つの電界効果トランジスタQua及びQubが直列に接続された直列回路と、この直列回路と並列に接続された同様に2つの電界効果トランジスタQva及びQvbの直列回路、電界効果トランジスタQwa及びQwbの直列回路とで構成されるインバータ回路で構成される。このインバータ回路の電界効果トランジスタQua及びQubの接続点、電界効果トランジスタQva及びQvbの接続点並びに電界効果トランジスタQwa及びQwbの接続点が3相ブラシレスモータ12のスター結線された各励磁コイルに接続される。
また、FETゲート駆動回路26は、モータ駆動回路24の各電界効果トランジスタを、後述する制御演算装置23から出力される電流指令値Iut、Ivt及びIwtに基づいて決定されるデューティ比Du、Dv及びDwのPWM(パルス幅変調)信号によってON/OFFさせ、これによって、実際に3相ブラシレスモータ12に流れる電流Imu、Imv及びImwの大きさが制御される。
また、前記遮断回路27は、3相ブラシレスモータ12の各相コイルと、モータ駆動回路24の電界効果トランジスタQua,Qub、Qva,Qvb及びQwa,Qwbの接続点との間に個別に介挿された、常時開型のリレー回路RLY1、RLY2及びRLY3で構成されている。このリレー回路RLY1〜RLY3は、3相ブラシレスモータ12と、モータ駆動回路24との間の接続を電気的に遮断するためのものであって、電動パワーステアリング制御装置による操舵補助制御処理が非作動時には3相ブラシレスモータ12とモータ駆動回路24との間を遮断することで、3相ブラシレスモータ12とモータ駆動回路24とが導通した状態でステアリングホイール1を回転させたときに、3相ブラシレスモータ12とモータ駆動回路24との間を循環する電流が流れることにより、ステアリングホイールがロックする現象を回避する。また、電動パワーステアリング制御装置が作動時には3相ブラシレスモータ12とモータ駆動回路24とを導通状態に制御し、3相ブラシレスモータ12への電力供給を可能とする。そして、電動パワーステアリング制御装置が作動中に、モータ駆動回路24を構成する各電界効果トランジスタの異常や、モータ電流検出回路26の検出結果に基づき実際の3相ブラシレスモータ12に供給される電流値の異常等を検出したとき、3相ブラシレスモータ12とモータ駆動回路24との間を遮断し、3相ブラシレスモータ12が誤動作することを回避する。
また、前記制御演算装置23は、トルクセンサ3で検出したトルク検出値T及び車速検出値Vとモータ電流検出値Iud及びIwdとロータ回転角θとに基づいて、公知の操舵補助制御処理を実行し、トルク検出値T及び車速検出値Vに応じた操舵補助力を3相ブラシレスモータ12で発生させるためのパルス幅変量(PWM)信号を形成し、これらをFETゲート駆動回路26に出力する。例えば、トルク検出値T及び車速検出値Vに応じた操舵補助力を3相ブラシレスモータ12で発生するための操舵補助指令値IM *を公知の手順で算出し、モータ電流検出回路22で検出したV相及びW相の相電流であるモータ電流検出値Iud及びIwdに基づいて、相電流Ivdを算出し、操舵補助指令値IM *とロータ回転角θとに基づいて3相ブラシレスモータ12のU相、V相及びW相の目標相電流値Iud*、Ivd*及びIwd*に変換する三相分相処理を行い、モータ電流検出回路22で検出したモータ電流検出値Iud及びIwd及びこれに基づき算出したIvdと、目標相電流Iud*、Ivd*及びIwd*に基づいて両者の偏差にPID処理を行って電流指令値Iut、Ivt及びIwtを算出する電流フィードバック処理を行い、算出した各相の電流指令値Iut、Ivt及びIwtに対応するパルス幅変量(PWM)信号を形成する。
また、制御演算装置23は、前記操舵補助制御処理に伴って3相ブラシレスモータ12を作動させる時には、前記遮断回路27の各リレー回路RLY1〜RLY3に対して、これらを導通状態に制御するためのリレー制御信号を出力すると共に、この各リレー回路RLY1〜RLY3が実際に導通状態となったかどうかを確認し、導通異常が検出されたときには、例えば運転席近傍に設けられた警報装置30を作動させ音声或いはランプを点灯すること等により導通異常を通知する。
また、前記操舵補助制御処理終了後、前記遮断回路27の各リレー回路RLY1〜RLY3に対してこれらを開放状態に制御するためのリレー制御信号を出力する。また、前記操舵補助制御処理実行中、前記モータ電流検出回路22で検出されるモータ電流検出値Iud及びIwd等、各種信号に基づいて公知の手順で電動パワーステアリング制御装置のシステム各部の異常監視を行い、異常を検出したときには、操舵補助制御処理を中止すると共に、遮断回路27を開放状態に制御し、モータ駆動回路24と3相ブラシレスモータ12と間の接続を遮断する。
図3は、前記遮断回路27を構成するリレー回路RLY1〜RLY3の構成を示したものである。
前記リレー回路RLY1〜RLY3は同一に構成されているので、ここでは、リレー回路RLYとして説明する。
このリレー回路RLYは、図3に示すように、1つの可動接点tmと2つの固定接点t1及びt2とを備えた中立位置付きの双方向接点構造に構成され、例えば、励磁コイルとこの励磁コイルにより制御される可動切片とを備えたリレー回路等の、機械的接点を有する機械式リレーで構成されている。そして、リレー回路RLYの、モータ駆動回路24と接続される側の端子(第1の結合点)k1と前記可動接点tmとが接続され、リレー回路RLYの、3相ブラシレスモータ12と接続される側の端子(第2の結合点)k2には前記固定接点t1及びt2が共に接続される。つまり、固定接点t1及び固定接点t2の何れを可動接点tmと導通させた場合でも、リレー回路RLYを導通状態に制御可能に構成されている。
そして、非制御時には、前記可動接点tmは中立に位置してリレー回路RLYは開放状態(第3の状態)となり、制御時には、固定接点t1又は固定接点t2と可動接点tmとが導通状態に制御され、可動接点tm及び固定接点t1が導通された状態(第1の状態)又は、可動接点tm及び固定接点t2が導通された状態(第2の状態)により、リレー回路RLYの一方の端子k1と他方の端子k2との間が導通される。
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
図4は、前記制御演算装置23で実行される遮断回路27を導通状態に制御する際のリレー制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
制御演算装置23では、例えば、電動パワーステアリング制御装置の起動時等予め設定されたタイミングで前記リレー制御処理を実行し、遮断回路27を導通状態に制御する。
まず、ステップS1で、遮断回路27の各リレー回路RLY1〜RLY3を導通状態に制御するための、リレー回路RLY1〜RLY3の可動接点tmと固定接点t1とを導通状態に制御するためのリレー制御信号を出力する。
次いで、ステップS2に移行し、各リレー回路RLY1〜RLY3が導通状態となったかどうかを確認するための導通確認処理を行う。
この導通確認処理は、公知の手順で行えばよく、例えば、3相ブラシレスモータ12が回転しない程度の電流供給を行うようモータ駆動回路24を駆動制御し、モータ電流検出回路22で検出されるモータ電流検出値Iud及びIwdに基づいて、各相に相電流が流れたかどうかを検出したり、或いは各リレー回路RLY1〜RLY3の両端の電圧を検出し、これらが同等であるかを検出したりすること等によって、導通状態の確認を行う。
この導通確認処理の結果、各リレー回路RLY1〜RLY3が導通状態となったことが確認されたならば、遮断回路27は正常として、ステップS3からそのまま処理を終了する。
そして、電動パワーステアリング制御装置を構成する各部を起動させ所定の初期設定を行った後、前述の操舵補助制御処理を開始し、各種センサの検出信号に基づいて、前記モータ駆動回路24を制御して3相ブラシレスモータ12を駆動制御し、トルク検出値T及び車速検出値Vに応じた操舵補助力を発生させる。
一方、導通確認処理の結果、何れかのリレー回路RLY1〜RLY3が導通状態とならないことが検出された場合、例えば、可動接点tmと固定接点t1との間に、ほこり、ごみ等の異物が混入していたり、接点が酸化し絶縁膜が形成されていたりすること等により、リレー回路RLY1〜RLY3が導通状態とならない場合には、ステップS3からステップS4に移行し、今度は、可動接点tmと固定接点t2とを導通状態に制御するためのリレー制御信号を出力する。
なお、前記可動接点tmの接続先の切り換えは、導通異常が検出されたリレー回路についてのみ行ってもよく、また、全てのリレー回路RLY1〜RLY3についてその接続先を切り換えても良い。
続いてステップS5に移行し、可動接点tmと固定接点t2とが導通状態になったかどうかを確認するための導通確認処理を行う。この導通確認処理は、ステップS2での導通確認処理と同様に行えばよい。
次いで、ステップS6に移行し、ステップS5での導通確認処理の結果、各リレー回路RLY1〜RLY3の可動接点tmと固定接点t2とが導通状態となったことが確認されたならばステップS7に移行する。
ここで、この時点では、可動接点tmと固定接点t1とは導通状態とならないが、可動接点tmと固定接点t2とは導通状態であるから、モータ駆動回路24から3相ブラシレスモータ12への電力供給は可能であり、すなわち電動パワーステアリング制御装置のシステムとして作動させることが可能な状態である。このため、ステップS7では、導通異常の通知は行わず、可動接点tmと固定接点t1との間に導通異常が生じていることのみを所定の記憶領域に記憶し、そのまま処理を終了する。つまり、導通異常が生じていない可動接点tm及び固定接点t2を通る経路を介して電力供給を行う。
そして、電動パワーステアリング制御装置を構成する各部を起動させ所定の初期設定処理を行った後、前述の操舵補助制御処理を開始し、トルク検出値T及び車速検出値Vに応じた操舵補助力を発生させる。
一方、ステップS6で、各リレー回路RLY1〜RLY3において、可動接点tmと固定接点t2とが導通状態となったことが確認されない場合には、ステップS8に移行し、固定接点t1及びt2が共に可動接点tmと導通状態とならず、遮断回路27が導通状態とならないことから、遮断回路27の異常を通知するための警報装置30を作動させ、遮断回路27に導通異常が生じたことを通知する。そして処理を終了する。この場合、操舵補助制御処理を行ったとしても、3相ブラシレスモータ12を駆動させることはできないから操舵補助制御処理は行わない。
ここで、機械的接点を有するリレー回路においては、接点の酸化やリレー接点間にほこり等の異物が混入することによりリレー回路を導通状態に制御した場合であっても、実際には導通状態とならない場合がある。
しかしながら、上述のように、可動接点tmと固定接点t1との間が導通異常である場合には、固定接点t1に替えて固定接点t2と可動接点tmとを導通状態に制御し、この固定接点t2及び可動接点tmを介して3相ブラシレスモータ12への電力供給を行うようにしているから、固定接点t1のリレー接点間に異物が混入している場合であっても、固定接点t2のリレー接点間に異物が混入していなければ、固定接点t2を介して3相ブラシレスモータ12への電力供給を行うことができ操舵補助制御処理を行うことができる。したがって、電動パワーステアリング制御装置のシステム自体には異常がないにも関わらず異物の混入等に伴ってシステムが動作不可となることを抑制することができる。
特に、2つの固定接点を有する双方向接点構造のリレー回路において、固定接点t1及び固定接点t2共に、そのリレー接点間に異物等が混入するということは稀であるから、固定接点t1及び固定接点t2を経由した二つの経路の何れかを介して電力供給を行うように構成することで、システムが動作不可となることを効果的に抑制することができる。
また、このように、固定接点t1との導通異常を検出した場合であっても、固定接点t2との導通が正常である場合には、導通異常と判断せずに、操舵補助制御処理を実行するようにしているため、運転者は遮断回路27に導通異常が生じていることを認識することはできないが、上述のように、導通異常が生じたことを所定の記憶領域に記憶しているから、この所定の記憶領域に記憶されている導通異常の発生情報を参照することで、運転者は導通異常が生じていることを認識することができ、システムダウンの発生を抑制しつつ、且つ、導通異常に対して速やかに対応することができる。
また、可動接点tmと固定接点t1及びt2の何れとを接続した場合であっても、リレー回路RLYの端子k1及びk2間の電気的特性は変わらないから、固定接点t1及びt2を切り換えた場合であってもリレー回路RLYの電気的特性が変化することはない。
なお、上記第1の実施の形態においては、リレー回路RLY1〜RLY3として、中立位置付きの双方向接点構造を有するリレーを用いた場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、a接点構造を有するリレー回路を複数並列に接続してリレー回路RLYを構成し、これらのうちの何れかのリレー回路のみを導通状態に制御してリレー回路RLYを導通させ、この導通異常が生じた場合には、他のリレー回路を導通状態にし、並列に接続された複数のリレー回路のうち、導通可能なリレー回路を導通させるようにしてもよい。このように複数のリレー回路を用いてリレー回路RLYを構成することにより、全てのリレー回路が導通異常となる可能性を低減することができるから、すなわち、遮断回路27が導通異常となりシステムダウンとなる可能性を低減することができ効果的である。
また、上記第1の実施の形態においては、可動接点tmと固定接点t1とをまず接続し、導通異常が検出されたときに可動接点tmの接続先を固定接点t2に切り換える場合について説明したが、これに限るものではなく、固定接点t2を先に接続してもよく、先に接続する固定接点が、固定接点t1と固定接点t2とで交互となるようにしてもよい。
ここで、上記第1の実施の形態において、3相ブラシレスモータ12が電動モータに対応し、操舵補助制御装置20がモータ駆動制御手段に対応し、遮断回路27の各リレー回路RLY1〜RLY3が電力供給用リレー回路に対応し、図4のリレー制御処理がリレー回路制御手段に対応し、図4のステップS2及びステップS4の処理が導通異常検出手段に対応している。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、遮断回路27及びこの遮断回路27に対するリレー制御処理の処理手順が異なること以外は同様であるので同一部には同一符号を付与しその詳細な説明は省略する。
図5は、第2の実施の形態における遮断回路27のリレー回路RLY1〜RLY3の構成を示したものである。
第2の実施の形態におけるリレー回路RLYは、図5に示すように、c接点構造の切り換えリレー101と、この切り換えリレー101の一方の固定接点t11に直列に接続され且つ機械的接点を有する常開型の開閉リレー102とから構成される。この開閉リレー102の固定接点t13と、前記切り換えリレー101の他方の固定接点t12とが、リレー回路RLYの、3相ブラシレスモータ12と接続される側の端子k2と接続され、前記切り換えリレー101の可動接点tm1が、リレー回路RLYの、モータ駆動回路24と接続される側の端子k1と接続されている。
前記切り換えリレー101において、固定接点t11は常閉接点、固定接点t12は常開接点であって、非制御時には、可動接点tm1と固定接点t11とが導通状態、開閉リレー102が開放状態に維持されてリレー回路RLYの端子k1及びk2間が遮断される(第3の状態)。この状態から開閉リレー102を導通状態に制御することで、切り換えリレー101及び開閉リレー102を経由して電力供給が行われる(第1の状態)。また、切り換えリレー101を制御した場合には、切り換えリレー101の可動接点tm1と固定接点t12とが導通状態となり、リレー回路RLYの端子k1及びk2間を導通する短絡経路(短絡手段)が形成され(第2の状態)、この短絡経路を介して電力供給が行われる。
次に、上記第2の実施の形態の動作を説明する。
図6は、第2の実施の形態において、前記制御演算装置23において実行されるリレー制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
制御演算装置23では、予め設定されたタイミングでリレー制御処理を実行し、まず、ステップS11で、各リレー回路RLY1〜RLY3を導通状態に制御するため、開閉リレー102を導通状態に制御するためのリレー制御信号を出力する。
次いで、ステップS12に移行し、開閉リレー102が導通状態となったかどうかを検出するための導通確認処理を、上記第1の実施の形態と同様の手順で行い、この導通確認処理の結果、開閉リレー102が導通状態となったことが確認されたならば、各リレー回路RLY1〜RLY3は導通状態であって遮断回路27は正常として、ステップS13からそのまま処理を終了する。
そして、所定の処理を行った後、操舵補助制御処理を開始しトルク検出値T及び車速検出値Vに応じた操舵補助力を発生させる。
一方、導通確認処理の結果、何れかのリレー回路RLY1〜RLY3の開閉リレー102が導通状態とならないことが検出された場合には、ステップS13からステップS14に移行し、今度は、切り換えリレー101において可動接点tm1の接続先を切り換えるためのリレー制御信号を出力する。つまり、可動接点tm1の接続先を、固定接点t11から固定接点t12に切り換える。
なお、切り換えリレー101の可動接点tm1の接続先の切り換えは、導通異常が検出したリレー回路についてのみ行うようにしてもよく、また全てのリレー回路RLY1〜RLY3についてその接続先を切り換えるようにしてもよい。
そして、ステップS15に移行し、可動接点tm1と固定接点t12とが導通状態となったかどうかを確認するための導通確認処理を上記と同様に行い、続いてステップS16に移行し、ステップS15での導通確認処理の結果、各リレー回路RLY1〜RLY3が導通状態となったことが確認されたならばステップS17に移行する。
ここで、この状態は、開閉リレー102は導通状態とならないが、切り換えリレー101は、可動接点tm1と固定接点t12とが導通状態となり、リレー回路RLYの端子k1及びk2間の短絡経路が形成され、この短絡経路を介してモータ駆動回路24から3相ブラシレスモータ12への電力供給は可能な状態である。つまり、電動パワーステアリング制御装置のシステムとして作動させることが可能な状態である。このため、ステップS17では、開閉リレー102に導通異常が生じていることのみを所定の記憶領域に記憶させ、そのまま処理を終了する。
そして、所定の処理を行った後、操舵補助制御処理を開始し、トルク検出値T及び車速検出値Vに応じた操舵補助力を発生させる。
一方、ステップS16で、各リレー回路RLY1〜RLY3が導通状態となったことが確認されない場合には、ステップS18に移行し、開閉リレー102が導通状態とならず、また、短絡経路も形成されない状態であり、リレー回路RLY1〜RLY3が導通状態とならない状態であることから、遮断回路27は導通状態とならず異常と判断し、警報装置30を作動させ遮断回路27に導通異常が生じたことを通知する。そして、この状態で操舵補助制御処理を行ったとしても、3相ブラシレスモータ12を駆動させることはできないから操舵補助制御処理は行わない。
このように、この第2の実施の形態においては、開閉リレー102が導通異常の場合には、切り換えリレー101の接続先を切り換えることで、リレー回路RLYの端子t1及びt2間を短絡する短絡経路を形成するようにしたから、この場合も上記第1の実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。
また、この第2の実施の形態の形態においては、切り換えリレー101と、開閉リレー102との異なる回路を組み合わせてリレー回路RLYを構成しているから、リレー接点に絶縁膜が形成されること等により、切り換えリレー101及び開閉リレー102が共に導通不可となる可能性は低い。したがって、開閉リレー102が導通異常となり、且つ切り換えリレー101が切り換え不可となる状況が生じる可能性を低減することができる。したがって、電動パワーステアリング制御装置がシステムダウンとなる可能性を低減することができる。
また、この場合もリレー回路RLYの端子k1及びk2間を、開閉リレー102を介して導通した場合と短絡経路を形成して導通した場合とで、前記端子k1及びk2間の電気的特性は変わらないから、切り換えリレー101を切り換えた場合であってもリレー回路RLYの電気的特性が変化することはない。
なお、上記第2の実施の形態においては、c接点構造の切り換えリレーを用いて1つの短絡経路を形成する場合について説明したが、例えば、3以上の固定接点を有する切り換えリレーを用い、複数の短絡経路を形成するようにしてもよい。このように複数の短絡経路を構成することで、切り換えリレーの全ての固定接点が、可動接点との導通が不可となる可能性を低減することができるから、リレー回路RLYが導通異常となる可能性を低減することができ効果的である。
また、前記切り換えリレー101を、例えばa接点構造のリレー回路を複数並列に接続して構成し、この並列に接続されたリレー回路のうち何れかを導通状態とすることで、開閉リレー102と短絡経路とを切り換えるようにすることも可能である。
また、上記第2の実施の形態においては、リレー回路RLYの端子k1及びk2間を、まず開閉リレー102を介して導通させ、異常が生じたときに切り換えリレー101を切り換える場合について説明したが、これに限るものではなく、先に切り換えリレー101を切り換え短絡経路を介して導通させるようにしてもよく、先に導通させる経路を、開閉リレー102を介した経路と短絡経路とで交互に変更するようにしてもよい。
ここで、上記第2の実施の形態において、開閉リレー102が開閉手段に対応し、切り換えリレー回路101が切換手段に対応し、図6のリレー制御処理がリレー回路制御手段に対応し、図6のステップS12及びステップS15の処理が導通異常検出手段に対応している。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
この第3の実施の形態は、図7に示すように、上記第1の実施の形態において、遮断回路27のリレー回路RLY1〜RLY3が、図7に示すように、機械的接点を有する、メカニカルリレー201と、このメカニカルリレー201と並列に接続された電気的接点を有するエレクトリカルリレー202とで構成される。
前記メカニカルリレー201は、例えば、a接点構造を有する常開型の機械的接点を有するリレー回路で構成される。また、エレクトリカルリレー202は、例えば、トランジスタ等の半導体スイッチング素子で構成されるスイッチ回路や、半導体スイッチング素子及びフォトカプラ等の光半導体で構成される無接点リレー等、機械的接点を持たない電気的なリレー回路で構成される。そして、メカニカルリレー201及びエレクトリカルリレー202が共に開放状態のときリレー回路RLYの端子k1及びk2間は遮断され(第3の状態)、メカニカルリレー201のみが導通状態に制御されたとき(第1の状態)及びエレクトリカルリレー202のみが導通状態に制御されたとき(第2の状態)、リレー回路RLYの端子k1及びk2間が導通される。
制御演算装置23では、上記第1の実施の形態と同様に所定のタイミングで図8に示すリレー制御処理を実行する。
具体的には、まず、ステップS21で、遮断回路27に対して、各リレー回路RLY1〜RLY3の、メカニカルリレー201を導通状態に制御するためのリレー制御信号を出力する。
次いで、ステップS22に移行し、各リレー回路RLY1〜RLY3が導通状態となったかどうかを検出するための導通確認処理を上記と同様の手順で行い、各リレー回路RLY1〜RLY3が導通状態となったことが確認されたならば、遮断回路27は正常として、ステップS23からそのまま処理を終了し、所定の初期を行った後、操舵補助制御処理を開始する。
一方、導通確認処理の結果、何れかのリレー回路RLY1〜RLY3が導通状態とならないことが検出された場合、つまりメカニカルリレー201が導通異常であることが検出された場合には、ステップS23からステップS24に移行し、今度はメカニカルリレー201に替えてエレクトリカルリレー202を導通状態に制御するためのリレー制御信号を出力する。
なお、このエレクトリカルリレー202の制御は、導通異常が発生したリレー回路についてのみ行うようにしてもよく、また、全てのリレー回路RLY1〜RLY3において切り換えるようにしてもよい。
続いてステップS25に移行し、エレクトリカルリレー202が導通状態になったかどうかを検出するための導通確認処理を上記と同様の手順で行い、導通確認処理の結果、各リレー回路RLY1〜RLY3が導通状態となったことが確認されたならばステップS26からステップS27に移行し、メカニカルリレー201に異常が生じたことを所定の記憶領域に記憶した後、処理を終了し、所定の処理を行った後、操舵補助制御処理を開始する。
一方、ステップS26で、各リレー回路RLY1〜RLY3が導通状態となったことが確認されない場合には、ステップS28に移行し、メカニカルリレー201及びエレクトリカルリレー202が共に導通状態とならず、リレー回路RLY1〜RLY3、すなわち遮断回路27が導通状態とならないことから異常と判断し、警報装置30を作動させ、遮断回路27に導通異常が生じたことを通知し、操舵補助制御処理は行わない。
したがって、この場合も上記各実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。
また、この第3の実施の形態では、上述のようにメカニカルリレー201とエレクトリカルリレー202とを並列に用いている。
ここで、メカニカルリレー201と並列に接続されるリレー回路としてエレクトリカルリレーに替えてメカニカルリレーを用いた場合、これらエレクトリカルリレーとして、通常、同時期に製造された同ロットのリレーを用いることが多い。この場合、例えば接点に酸化膜が生成されて導通不可となる時期は、これらメカニカルリレーにおいて同等となることが予測されるため、メカニカルリレーを並列に接続したとしても、一方のエレクトリカルリレーが導通異常となるのと同時期に、他方のエレクトリカルリレーも導通異常となる可能性がある。
上述のように、メカニカルリレー201に対し、これと並列にエレクトリカルリレー202を接続することによって、これらリレーが導通不可となるタイミングをずらすことができ、遮断回路27が導通異常となる可能性を低減することができる。
また、異物の混入等により導通不可となる可能性のあるメカニカルリレー201に対し、導通異常の発生の要因である異物の混入等が比較的生じにくいエレクトリカルリレー202を用いているから、メカニカルリレー201と、エレクトリカルリレー202とが共に導通不可となる可能性を低減することができる。
また、この場合も、リレー回路RLYの端子k1及びk2間を、メカニカルリレー201を介して導通した場合とエレクトリカルリレー202を介して導通した場合とで、端子k1及びk2間の電気的特性は変わらないから、メカニカルリレー201を導通させた場合とエレクトリカルリレー202を導通させた場合とで、リレー回路RLYの電気的特性が変化することはない。
なお、この場合も、メカニカルリレー201を先に導通させるようにしているが、エレクトリカルリレー202を先に導通させるようにしてもよく、また、先に導通させるリレーをメカニカルリレー201とエレクトリカルリレー202とで交互に変更するようにしてもよい。
ここで、メカニカルリレー201が第1の開閉手段に対応し、エレクトリカルリレー202が第2の開閉手段に対応し、図8のリレー制御処理がリレー回路制御手段に対応し、図8のステップS22及びステップS25の処理が導通異常検出手段に対応している。
なお、上記第1から第3の実施の形態においては、モータ駆動回路24と3相ブラシレスモータ12との間に、介挿された遮断回路27に適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、図示しないバッテリとモータ駆動回路24との間に介挿される、モータ駆動回路24への電力供給を遮断するためのリレー回路に適用することも可能である。
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
この第4の実施の形態における、遮断回路27のリレー回路RLY1〜RLY3は、前記図7に示すように、メカニカルリレー201とエレクトリカルリレー202とが並列に接続されて構成されているが、リレー回路RLYを導通制御する場合には、これらメカニカルリレー201及びエレクトリカルリレー202を共に、導通させるようになっている。
制御演算装置23では、所定のタイミングで、図9に示すリレー制御処理を実行し、まず、ステップS31で、各リレー回路RLY1〜RLY3を導通状態に制御するため、メカニカルリレー201及びエレクトリカルリレー202を共に導通状態に制御するためのリレー制御信号を出力する。
次いで、ステップS32に移行し、まず、エレクトリカルリレー202が導通状態となったかどうかを判断するための導通確認処理を行う。この導通確認処理は上記と同様に行えばよい。なお、微量の電流供給を行い、モータ電流検出回路22で検出されるモータ電流検出値Ivd及びIwdを用いて導通確認を行う場合には、メカニカルリレー201が導通状態に切り換わる以前に行えばよい。
次いで、ステップS33に移行し、エレクトリカルリレー202が導通状態となったと判断された場合にはステップS34に移行し、ステップS31でメカニカルリレー201へのリレー制御信号を出力した時点から、このリレー制御信号を受けてメカニカルリレー201が導通状態に切り換わったとみなすことの可能な所定時間が経過したときステップS35に移行し、メカニカルリレー201が導通状態に切り換わったかどうかを確認するための導通確認処理を行う。この導通確認処理は、例えば、エレクトリカルリレー202と並列に接続されたメカニカルリレー201側の配線を流れる電流を検出すること等により行えばよい。
次いでステップS36に移行し、ステップS35でのメカニカルリレー201の導通確認の結果、導通状態であると確認された場合には、遮断回路27は正常として、ステップS36からステップS37に移行し、補助操舵制御処理による通常アシスト可能と判断し、通常アシスト許可の判断結果を、アシスト種別判断結果として所定の記憶領域に格納する。つまり、トルク検出値T及び車速検出値Vに応じた操舵補助力を付与するための操舵補助制御処理の実行を指示する。そして、処理を終了する。
一方、ステップS35での導通確認の結果、導通異常であると判断されたならば、ステップS36から後述のステップS44に移行する。
一方、前記ステップS32でのエレクトリカルリレー202の導通確認の結果、導通異常と判断された場合には、ステップS33からステップS41に移行する。このステップS41、ステップS42及びステップS43の処理は、上記ステップS34、ステップS35及びステップS36の処理と同様である。そして、メカニカルリレー201の導通確認の結果、導通異常である場合、つまり、メカニカルリレー201及びエレクトリカルリレー202共に導通異常である場合には、ステップS45に移行し、前記図4のステップS8の処理と同様の手順で、警報装置30を作動させ、運転者に対して遮断回路27が導通異常であることを通知する。
一方、ステップS42でのメカニカルリレー201の導通確認の結果、導通状態であると判断されたとき、つまり、エレクトリカルリレー202は導通異常であるがメカニカルリレー201は正常であると判断された場合にはステップS43からステップS44に移行する。また、前記ステップS35で導通異常と判断されたとき、つまり、エレクトリカルリレー201は導通状態であるが、メカニカルリレー202は導通異常と判断されるときにもステップS36からステップS44に移行する。
ここで、このステップS44の時点では、メカニカルリレー201及びエレクトリカルリレー202のうち、何れか一方のみが導通状態となっている。つまり、通常、これらメカニカルリレー201及びエレクトリカルリレー202の両方を介して電力供給を行うのに対し、何れか一方のリレーのみを介して電力供給を行うことになる。このため、メカニカルリレー201或いはエレクトリカルリレー202の許容入力電圧、許容入力電流等、その仕様によっては、3相ブラシレスモータ12に対して十分な電力供給を行うことができない状況となる可能性がある。このため、エレクトリカルリレー201やメカニカルリレー202の仕様等を考慮して電力供給量を制限する必要があるため、通常アシストの許可は行わず、アシスト制限必要との判断結果を、アシスト種別判断結果として所定の記憶領域に記憶する(ステップS44)。そして、処理を終了する。つまり、トルク検出値T及び車速検出値Vに応じた操舵補助力を付与するための通常の操舵補助制御処理ではなく、メカニカルリレー201やエレクトリカルリレー202の仕様等に応じて3相ブラシレスモータ12への電力供給量を制限した、アシスト制限時の操舵補助制御処理の実行を指示する。
このようにしてリレー制御処理を行った後、所定の処理を行い、操舵補助制御処理を実行するタイミングとなると、この第4の実施の形態では、図10に示す操舵制御起動処理を行い、まず、前記図9のリレー制御処理においてステップS37又はステップS44の処理で所定の記憶領域に格納したアシスト種別判断結果を参照し、通常アシストの許可が行われたかどうかを判断する。そして、通常アシスト許可が行われた場合には、ステップS51からステップS52に移行し、トルク検出値T及び車速検出値Vに応じた操舵補助力を発生させるための通常の操舵制御処理を起動する。そして処理を終了する。
一方、通常アシスト許可が行われていない場合には、ステップS51からステップS53に移行し、アシスト制限必要と判断されたかどうかを判断し、アシスト制限必要と判断されたときにはステップS54に移行し、3相ブラシレスモータ12への電力供給量を制限して3相ブラシレスモータ12を駆動制御するための、アシスト制限時の操舵制御処理を起動する。そして、処理を終了する。また、アシスト許可及びアシスト制限必要の何れでもない場合には、遮断回路27の導通異常として何れの操舵補助制御処理も起動せずそのまま処理を終了する。
このように、この第4の実施の形態においては、メカニカルリレー201とエレクトリカルリレー202とを併用するようにしたから、何れか一方が導通異常となった場合には、他方のリレーを用いて電力供給を行うことができる。したがって、操舵補助制御処理におけるアシスト制限は行うものの、システムダウンとなる可能性を低減することができる。
また、上述のように、リレー回路RLY1〜RLY3として、メカニカルリレー201及びエレクトリカルリレー202を併用しており、種類の異なるリレー回路を用いているから、これらが共に、導通不可となり、遮断回路27が導通異常となってシステムダウンとなる可能性を低減することができる。また、3相ブラシレスモータ12に供給される電流量を、メカニカルリレー201とエレクトリカルリレー202とで分担すればよいからそれぞれの許容入力電流は、1つのリレー回路で構成する場合に比較して小さくてよい。
したがって、メカニカルリレー201及びエレクトリカルリレー202共に、大入力電流用のリレー回路を用いる必要はないから、比較的安価な小入力電流用のリレー回路で実現することができ、コスト削減を図ることができる。
なお、この第4の実施の形態においては、メカニカルリレー201とエレクトリカルリレー202とを併用する場合について説明したが、例えば、種類の異なるメカニカルリレーどうし、或いは、種類の異なるエレクトリカルリレーどうしを併用することで、リレー回路RLY1〜RLY3を構成することも可能である。
また、メカニカルリレー201及びエレクトリカルリレー202の何れか一方が導通異常となったときには、アシスト制限のみを行うようにしているが、この場合も上記各実施の形態と同様に、メカニカルリレー201或いはエレクトリカルリレー202の何れかが導通異常となったことを所定の記憶領域に記憶するようにしてもよい。
ここで、上記第4の実施の形態において、メカニカルリレー201が第1の開閉手段に対応し、エレクトリカルリレー202が第2の開閉手段に対応し、図9のリレー制御処理がリレー回路制御手段に対応し、図9のステップS32、S34及びS35の処理が導通異常検出手段に対応し、ステップS44の処理が制御量制限手段に対応している。
なお、上記各実施の形態においては、モータ電流検出回路22では、2つの相の相電流を検出する場合について説明したがこれに限らず3相全ての相電流を検出する場合であっても適用することができる。また、3相ブラシレスモータ12に限るものではなく、単相或いは3相以上等、他の形式の電動モータであっても適用することができ、また、モータの制御方法は上記以外の制御方法であっても適用することができる。
本発明を適用した電動パワーステアリング制御装置の一例を示す概略構成図である。 図1の操舵補助制御装置の具体的構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態におけるリレー回路RLYの回路図である。 第1の実施の形態において、制御演算装置で実行されるリレー制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態におけるリレー回路RLYの回路図である。 第2の実施の形態におけるリレー制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態におけるリレー回路RLYの回路図である。 第3の実施の形態におけるリレー制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態におけるリレー制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第4の実施の形態において、制御演算装置で実行される操舵制御起動処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 トルクセンサ
8 ステアリングギヤ
10 操舵補助機構
11 減速ギヤ
12 3相ブラシレスモータ
13 ロータ位置検出回路
20 操舵補助制御装置
21 車速センサ
22 モータ電流検出回路
23 制御演算装置
24 モータ駆動回路
26 FETゲート駆動回路
27 遮断回路
30 警報装置
101 切り換えリレー
102 開閉リレー
201 メカニカルリレー
202 エレクトリカルリレー
RLY1〜RLY3 リレー回路

Claims (13)

  1. 第1の回路と第2の回路との間に介挿されこれら間を導通及び遮断可能なリレー回路であって、
    前記リレー回路の前記第1の回路と接続される側の第1の結合点と前記第2の回路と接続される側の第2の結合点との間を導通する第1の状態と、
    前記第1の結合点と前記第2の結合点との間を導通し且つ前記第1の結合点及び前記第2の結合点間の配線が、前記第1の状態における前記第1の結合点及び第2の結合点間の配線と並列関係となる第2の状態と、
    前記第1の状態における前記配線及び前記第2の状態における前記配線上のこれら配線が分離している位置において、これら配線をそれぞれ独立に遮断する第3の状態と、を実現可能なリレー回路。
  2. 中立位置付きの双方向接点構造により、前記第1の状態、前記第2の状態及び前記第3の状態を実現することを特徴とする請求項1記載のリレー回路。
  3. 前記第1の結合点及び前記第2の結合点間を導通及び遮断可能な開閉手段と、
    前記第1の結合点及び前記第2の結合点間を短絡可能な短絡手段と、
    前記開閉手段と前記短絡手段との何れかを前記第1の結合点及び前記第2の結合点間に介挿する切換手段とにより前記第1の状態、前記第2の状態及び前記第3の状態を実現することを特徴とする請求項1記載のリレー回路。
  4. 前記第1の結合点及び前記第2の結合点間を導通及び遮断可能な第1の開閉手段と、
    当該第1の開閉手段と並列に接続され且つ前記第1の結合点及び前記第2の結合点間を導通及び遮断可能な第2の開閉手段とにより前記第1の状態、前記第2の状態及び前記第3の状態を実現することを特徴とする請求項1記載のリレー回路。
  5. 前記第1の状態及び前記第2の状態における前記第1の結合点及び前記第2の結合点間の電気的特性は、同一であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載のリレー回路。
  6. 前記第1の開閉手段は機械的接点を有し、前記第2の開閉手段は電気的接点を有することを特徴とする請求項4記載のリレー回路。
  7. 前記第1の状態における前記配線には、機械的接点が介挿されていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載のリレー回路。
  8. 操舵系に対して操舵補助力を付与する電動モータと、
    当該電動モータを駆動制御するモータ駆動制御手段と、
    前記電動モータを駆動制御するための電力供給用ラインに介挿された、前記請求項1から請求項7の何れか1項に記載のリレー回路からなる電力供給用リレー回路と、
    当該電力供給用リレー回路を制御するリレー回路制御手段と、
    前記電力供給用リレー回路の導通異常を検出する導通異常検出手段と、を備え、
    前記リレー回路制御手段は、前記電動モータへの電力供給を行うときに前記電力供給用リレー回路を前記第1の状態に切り換え、
    前記導通異常検出手段で前記第1の状態での前記電力供給用リレー回路の導通異常が検出されたとき前記電力供給用リレー回路を前記第2の状態に切り換えることを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  9. 前記導通異常検出手段は、前記第1の状態及び前記第2の状態共にその導通異常を検出したときにのみ、前記電力供給用リレー回路の導通異常として通知を行うことを特徴とする請求項8記載の電動パワーステアリング制御装置。
  10. 操舵系に対して操舵補助力を付与する電動モータと、
    当該電動モータを駆動制御するモータ駆動制御手段と、
    前記電動モータを駆動制御するための電力供給用ラインに介挿され、前記電動モータへの電力供給を行うときに導通状態に制御される電力供給用リレー回路と、
    当該電力供給用リレー回路を制御するリレー回路制御手段と、を備え、
    前記電力供給用リレー回路は、当該電力供給用リレー回路の、前記電力供給用ラインと接続される第1の結合点及び第2の結合点間を導通及び遮断可能な第1の開閉手段と、当該第1の開閉手段と並列に接続され且つ前記第1の結合点及び前記第2の結合点間を導通及び遮断可能な第2の開閉手段とで構成され、
    前記リレー回路制御手段は、前記電力供給を行うときには前記第1の開閉手段及び前記第2の開閉手段を共に導通状態に制御する電動パワーステアリング制御装置であって、
    前記第1の開閉手段及び前記第2の開閉手段の導通異常を個別に検出する導通異常検出手段と、
    当該導通異常検出段で前記第1の開閉手段及び前記第2の開閉手段のうちの何れか一方についてのみその導通異常を検出したとき前記モータ駆動制御手段による前記電動モータの駆動制御量を制限する制御量制限手段と、を備えることを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  11. 前記導通異常検出手段は、前記第1の開閉手段及び第2の開閉手段が実際に導通状態に切り換わったとみなすことの可能な所定時間が経過した個別のタイミングで、それぞれの異常検出を行うことを特徴とする請求項10記載の電動パワーステアリング制御装置。
  12. 前記第1の開閉手段は機械的接点を有し、前記第2の開閉手段は電気的接点を有することを特徴とする請求項10又は請求項11記載の電動パワーステアリング制御装置。
  13. 前記導通異常検出手段は、前記第1の開閉手段及び前記第2の開閉手段共にその導通異常を検出したときにのみ、前記電力供給用リレー回路の導通異常として通知を行うことを特徴とする請求項10から請求項12の何れか1項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
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