JP2007222265A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】着用者の体圧が加わった状態下において、液の吸収速度が低下しづらい吸収性物品を提供すること。
【解決手段】吸収性物品は、繊維材料20,23及び高吸収性ポリマー21の粒子を含む吸収体10を備えている。吸収体10には、更に疎水性の非吸水材料からなる圧力緩和材22が含まれている。圧力緩和材22は、飽和膨潤した高吸収性ポリマー21の粒子の2kPa荷重下における粒径よりも、径が大きいものである。吸収体10に含まれている繊維材料は、長繊維のウエブ又はパルプからなる。圧力緩和材22は、高吸収性ポリマー21の粒子の重量の0.1〜2倍含まれていることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品に関する。
吸収性物品の吸収体に、大表面積の連続気泡の親水性ポリマー発泡体粒子を含有させることが提案されている(特許文献1参照)。この発泡体粒子は、1000μm未満の乾燥粒径をもつ。また、この発泡体粒子は、連続気泡を有することに起因して、毛管吸引性によって液体を吸収するものである。
しかし、図7に示すように、この吸収性物品においては、吸収体100に含まれる発泡体粒子122が親水性で且つ吸水性を有するものなので、自体が***された液を吸収して、平面方向への液の拡散が起こりやすくなる。その結果、吸収体100の厚さ方向への液の透過が起こりにくくなり、液の吸収速度が遅くなってしまう。しかも同図に示すように、吸収体100の肌対向面側で液が平面方向に拡散するので、液が蒸散しやすく、着装内が蒸れやすくなってしまう。なお同図中、符号121は高吸収性ポリマーの粒子を示し、123はパルプを示す。
特表2002−506689号公報
従って本発明の目的は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品を提供することにある。
本発明は、繊維材料及び高吸収性ポリマーの粒子を含む吸収体を備えた吸収性物品であって、
前記吸収体に、更に疎水性の非吸水材料からなる圧力緩和材が含まれており、
前記圧力緩和材は、飽和膨潤した前記高吸収性ポリマーの粒子の2kPa荷重下における粒径よりも、径が大きいものである吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明の吸収性物品によれば、平面方向への液の拡散が抑制され且つ厚み方向への液の拡散が促進され液の吸収速度が向上し、吸収体の肌対向面側に液が残りづらくなる。その結果、着装内が蒸れにくくなり、また肌のかぶれ等が起こりにくくなる。特に本発明の吸収性物品によれば、着用者の体圧が加わらない状態だけでなく、体圧が加わった状態下においても、液の吸収速度が低下しづらくなる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の吸収性物品は、主として尿や経血等の***体液を吸収保持するために用いられるものである。本発明の吸収性物品には例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等が包含されるが、これらに限定されるものではなく、人体から排出される液の吸収に用いられる物品を広く包含する。
本発明の吸収性物品は、典型的には、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を具備している。表面シート及び裏面シートとしては、当該技術分野において通常用いられている材料を特に制限無く用いることができる。例えば表面シートとしては、親水化処理が施された各種不織布や開孔フィルム等の液透過性のシートを用いることができる。裏面シートとしては、熱可塑性樹脂のフィルムや、該フィルムと不織布とのラミネート等の液透過性ないし撥水性のシートを用いることができる。裏面シートは水蒸気透過性を有していてもよい。吸収性物品は更に、該吸収性物品の具体的な用途に応じた各種部材を具備していてもよい。そのような部材は当業者に公知である。例えば吸収性物品を使い捨ておむつや生理用ナプキンに適用する場合には、表面シート上の左右両側部に一対又は二対以上の立体ガードを配置することができる。
図1には、本実施形態の吸収性物品における吸収体の断面の構造が模式的に示されている。同図に示す吸収体10は、長繊維のウエブ(以下、ウエブという)20の単層構造からなる。ウエブ20中には高吸収性ポリマー21の粒子が含まれている。高吸収性ポリマー21の粒子は、ウエブ20中に均一に埋没担持されている。
吸収体10は、液の吸収速度が高いことによって特徴付けられるものである。特に、着用者の体圧が加わらない状態だけでなく、体圧が加わった状態下においても、液の吸収速度が低下しづらいことによって特徴付けられる。そのような特徴は、図1に示すように、吸収体10に圧力緩和材22が含まれていることによって実現される。
圧力緩和材22は、吸収性物品の着用中に吸収体10に体圧が加わった状態において、その体圧に抗して高吸収性ポリマー21の粒子が近接ないし密着しないようにするための空間形成材ないしスペーサとしての役割を有するものである。圧力緩和材22は、体圧によって吸収体10及びそれに含まれる高吸収性ポリマー21が潰れてしまうことを防止するための柱として作用する。その結果、吸収体10に体圧が加わった状態においても高吸収性ポリマー21の粒子どうしが近接ないし密着しづらくなり、図2に示すように、吸収体10の厚さ方向において通液路が確保される。これによって吸収体10の厚さ方向における液の吸収速度が向上する。また体圧が加わっても吸収体10及びそれに含まれる高吸収性ポリマー21が潰れにくくなることから、高吸収性ポリマー21の液吸収能力が最大限に発揮され、吸収体10の性能が向上する。
特に、吸液後の高吸収性ポリマー21の粒子は膨潤するので、膨潤後においては粒子どうしの距離が膨潤前に比較して小さくなり、粒子どうしが一層近接ないし密着しやすい状態にある。つまり高吸収性ポリマー21どうしの接着によって通液路がふさがれてしまう現象であるゲルブロッキングが起こりやすい状態にある。このような状態であっても、吸収体10に圧力緩和材22を含ませることで、ゲルブロッキングが起こりづらくなる。つまり吸収体10が繰り返し液を吸収した後であっても、図2に示すように、吸収体10の厚さ方向への透過が妨げられにくくなり、吸収体10の厚さ方向における液の吸収速度が低下しづらくなる。
圧力緩和材22によって吸収体10の厚さ方向における液の吸収速度を高める観点から、圧力緩和材22として疎水性の非吸水性材料からなるものを用いる。圧力緩和材22として親水性の材料を用いると、液が吸収体の平面方向へ拡散しやすくなり(図7参照)、吸収体の厚さ方向における液の吸収速度を高めづらい。また圧力緩和材22として吸水性の材料を用いると、圧力緩和材自体が液を保持してしまい、吸収体の厚さ方向への液の透過が促進されづらい。更に、着用者の肌側に近い部分に位置する圧力緩和材22に液が保持されると、その液が蒸散することに起因して着装内が蒸れやすくなる。
圧力緩和材22の構成材料は、疎水性の尺度として接触角法(協和界面科学株式会社(FACE)製の接触角計CA-A型、液滴法)を用いた場合に、接触角度が90度以上のものであることが、吸収体の厚さ方向への液の透過を促進させやすい点から好ましい。
前述の通り、圧力緩和材22は非吸水性材料からなる。ここで言う非吸水性とは、水分を全く吸収しないことを意味するものではなく、少量の水分を吸収することは許容される。材料そのものの自重に対して20%程度までの水分を吸収する材料は、本発明にいう非吸水性の材料に包含される。なお、このような材料であっても、それを多孔質等に加工して、毛管現象等の物理的な作用によって水を保持するようにした場合には、非吸水性に当たらない。
圧力緩和材22は、空間形成材ないしスペーサとしての役割を有する限り、その形状に特に制限はない。例えば図1及び図2に示すように、圧力緩和材22は粒子状のものであり得る。或いは、図示していないが、圧力緩和材22は単繊維又はその集合体であり得る。圧力緩和材22が粒子状のものである場合、その粒子形状としては、例えば球形、楕円球形、柱形などが挙げられる。一方、圧力緩和材22が単繊維の集合体である場合、該集合体は、例えば球状、楕円球状、棒状、不定形などの形状であり得る。
圧力緩和材22が粒子状、又は単繊維若しくはその集合体のいずれの場合であっても、該圧力緩和材22は、その大きさが、飽和膨潤した高吸収性ポリマー21の粒子の粒径よりも大きいことが、空間形成材ないしスペーサとしての役割を十分に果たし得る点から重要である。特に、着用者の体圧によって圧縮された状態にある飽和膨潤した高吸収性ポリマー21の粒子の粒径よりも大きいことが重要である。この観点から、圧力緩和材22は、その径を、飽和膨潤した前記高吸収性ポリマーの粒子の2kPa荷重下における粒径(以下、この粒径をポリマー膨潤粒径という)よりも大きくする必要がある。2kPaの荷重は、吸収性物品を装着したときの体圧にほぼ相当する圧力である。圧力緩和材22の径とは、該圧力緩和材22が粒子状である場合は粒径を意味し、単繊維である場合は繊維の直径を意味し、単繊維の集合体である場合にはその集合体の短径を意味する。
圧力緩和材22の径が、ポリマー膨潤粒径よりも大きければ、圧力緩和材22は空間形成材ないしスペーサとしての役割を十分に発揮する。もっとも、圧力緩和材22の径があまりにも大きすぎると、装着違和感を生じやすい傾向にある。そこで、圧力緩和材22の径を、ポリマー膨潤粒径の1.1〜3倍、特に1.3〜2倍とすることが好ましい。
吸収性物品に用いられる一般的な高吸収性ポリマーは、それを飽和膨潤させたときの粒径がおおよそ300〜3000μmである。従って、圧力緩和材22の径は好ましくは330〜9000μm、特に好ましくは390〜6000μmである。本発明において高吸収性ポリマー21を飽和膨潤させる条件は次の通りである。目開き63μm(JIS 8801−2000)のナイロン網で作製したティーバッグ(縦20cm、横10cmの長方形の袋)に、高吸収性ポリマー1.000gを秤量し入れる。そしてティーバッグを、生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)500ml中に60分間浸漬させる。
高吸収性ポリマー21の飽和膨潤粒径は、その100gをJIS Z−8801−1982準拠のフルイを用いて分級し、分級したポリマーを上記の方法で飽和膨潤させ、その各々のフラクションで飽和膨潤させたポリマーを無作為に10個取り出し、光学顕微鏡にて10倍の倍率で写真をとり、粒径を測定することで求められる。
一方、圧力緩和材22が粒子状である場合、その径は次のようにして求める。圧力緩和材22を100g秤量し、JIS Z−8801−1982準拠のフルイを用いて分級する。各フラクションの重量分率より平均粒径を求め、その値を圧力緩和材22の径とする。
圧力緩和材22として単繊維を用いる場合には、その横断面の直径が、ポリマー膨潤粒径よりも大きいものを用いる。或いは、横断面の直径が、ポリマー膨潤粒径よりも小さい単繊維であっても、(イ)繊維をクリンプさせる、(ロ)繊維の横断面が異形のもの(つまり円形以外のもの)を用いる、(ハ)繊維をフィブリル化させるなどして、繊維の占有体積を大きくして、その体積における直径を、ポリマー膨潤粒径よりも大きくしたものであれば本発明において使用可能である。例えばクリンプさせた単繊維を用いる場合、繊維の占有体積における直径は、図3(a)において符号Dで示される値となる。異形断面の繊維を用いた場合の直径は図3(b)において符号Dで示される値となる。フィブリル化させた繊維の占有体積における直径は、図3(c)において符号Dで示される値となる。
単繊維の占有体積を大きくさせる方法は、その体積における直径が、ポリマー膨潤粒径よりも大きくなる限り特に制限はない。例えば、占有体積を大きくした状態の単繊維を吸収体10中に混合してもよい。或いは、吸収体10に混合したときの状態が直線状の単繊維であり、占有体積が小さい場合であっても、その後に水、圧力、熱などの外部からの作用によって、吸収体10中で占有体積を大きくしてもよい。
圧力緩和材22が単繊維の集合体である場合、該集合体としては、(イ)疎水性の単繊維の集合体、(ロ)綿やコットン、レーヨン等の親水性繊維を疎水化した単繊維の集合体、(ハ)親水性繊維と疎水性繊維の混合物からなり、全体として疎水性を示す単繊維の集合体などが挙げられる。
飽和膨潤した高吸収性ポリマー21は、粒径に分布を持つのが一般的であることから、圧力緩和材22は、空間形成材ないしスペーサとしての役割を有するかぎりにおいて、その径に分布をもたせてもよく、或いは径に分布がない単一径でもよい。また、圧力緩和材22は、そのすべてがポリマー膨潤粒径よりも、径が大きいことが望ましいが、上述の通りポリマー膨潤粒径には分布があるので、圧力緩和材22全体として空間形成材ないしスペーサとしての役割が発現する限りにおいて、ポリマー膨潤粒径よりも小さな径を有する圧力緩和材22が吸収体10中に一部含まれていてもよい。
圧力緩和材22は、吸収性物品の着用中に加わる着用者の体圧に抗して空間形成材ないしスペーサとしての役割を発揮する必要がある観点から、圧力によって変形しづらい剛性の高い材料から構成されていることが好ましい。しかし、剛性が高すぎると、装着違和感を生じやすい傾向にある。従って、ある程度の柔らかさを有することも好ましい。これらの観点から、圧力緩和材22を構成する材料は、その圧縮弾性率が0.001〜0.5MPa、特に0.005〜0.2MPa、とりわけ0.01〜0.1MPaであることが好ましい。
以上の点を総合的に勘案すると、圧力緩和材22として好ましい材料としては、例えばシリコーンゲル、合成樹脂のエラストマー材料、ゴム等が挙げられる。
吸収体10における圧力緩和材22の配合量は、高吸収性ポリマー21の配合量との関係で決定される。圧力緩和材22の配合量を適切な値とすることで、高吸収性ポリマー21のゲルブロッキングが効果的に防止され、吸収体10の厚さ方向へ液が透過するための通液路が確実に確保される。この観点から、吸収体10には圧力緩和材22が、高吸収性ポリマー21の粒子の重量の0.1〜2倍、特に0.5〜1.5倍含まれていることが好ましい。
本実施形態においては、吸収体10に圧力緩和材22を配合することで、高吸収性ポリマーのゲルブロッキングを防止して、吸収体10の液吸収速度を高めている。従って本実施形態においては、繊維材料であるウエブ20の量に対して高吸収性ポリマー21の量を相対的に大きくすることが容易である。このことは、吸収体10を厚くすることなくその液吸収容量を向上させ得る点から非常に有利である。この観点から、吸収体10においては、高吸収性ポリマー21と長繊維との重量比(高吸収性ポリマー/長繊維)を好ましくは2以上に設定し、更に好ましくは3以上に設定する。長繊維に対する高吸収性ポリマー21の重量比の上限値は、高吸収性ポリマー21の極端な移動や脱落防止の観点から決定される。長繊維の捲縮の有無や捲縮の程度にもよるが、該上限値が10程度であれば、着用者が激しい動作を行っても高吸収性ポリマーの極端な移動や脱落は起こりにくい。
高吸収性ポリマー21としては、吸収性物品用として従来用いられているものと同様のものを用いることができる。例えばポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアクリル酸カリウム、並びにポリアクリル酸セシウム等が挙げられる。
図1に示す実施形態においては、圧力緩和材22は、高吸収性ポリマー21の粒子と共に吸収体10中に均一に混合分散されている。しかし、圧力緩和材22の分布はこれに限られない。例えば圧力緩和材22は、ウエブ20の肌対向面側に偏倚していてもよい。或いは、圧力緩和材22は、ウエブ20中において、ウエブ20の肌非対向面側に偏倚していてもよい。圧力緩和材22が、ウエブ20の肌対向面側又は肌非対向面側に偏倚している場合、圧力緩和材22の存在量は、ウエブ20の厚み方向に関して連続的に変化していてもよく、或いは段階的に変化していてもよい。
図4には本発明の吸収性物品に係る吸収体10の他の例が示されている。本実施形態の吸収体10は、同種又は異種のウエブ20,20及び圧力緩和材22の散布層を備えている。吸収体10はウエブ20を複数備えており、ウエブ20,20間に圧力緩和材22の散布層が位置している。ウエブの層数の上限の数に特に制限はなく、吸収性物品の具体的な用途に応じて適切な数のウエブが用いられる。圧力緩和材22はその一部がウエブ20内に担持されている。また、ウエブ20内には、高吸収性ポリマー21の粒子が埋没担持されている。本実施形態の吸収体10は、ウエブ20の厚さ方向中央部に、圧力緩和材22が偏倚したものと捉えることができる。
図5には本発明の吸収性物品に係る吸収体10の更に他の例が示されている。本実施形態の吸収体10は、高吸収性ポリマー21の粒子を含む長繊維のウエブ20の上面に、圧力緩和材22の散布層が形成されている。なお図示していないが、これらはその全体が、液透過性を有する被覆シートで被覆されている。本実施形態の吸収体10によれば、ウエブ20の上面に位置している圧力緩和材22が、着用者の体圧を受け止めて分散させるので、高吸収性ポリマー21の粒子は、それが吸水膨潤した状態下に体圧を受けても、粒子どうしが近接ないし密着しづらくなり、吸収体10の厚さ方向へ液が透過するための通液路が確保される。
図1、図4及び図5のいずれの場合においても、ウエブ20を構成する長繊維は親水性を有するものであることが好ましい。親水性を有する長繊維として本発明において用いられるものには、本来的に親水性を有する長繊維、及び本来的には親水性を有さないが、親水化処理が施されることによって親水性が付与された長繊維の双方が包含される。好ましい長繊維は本来的に親水性を有する長繊維であり、特にアセテートやレーヨンの長繊維が好ましい。とりわけアセテートは湿潤しても嵩高性が保持されるので特に好ましい。アセテートとしては、セルローストリアセテート及びセルロースジアセテートが好ましい。
ウエブ20を構成する長繊維は、吸収体10の平面方向に一方向に配向していることが好ましい。長繊維が一方向に配向していることに起因して、吸収体10に液が吸収されると、該液は長繊維の配向方向へ優先的に拡散する。つまり吸収体10の平面方向に優先的に拡散する。逆に、長繊維の配向方向と直交する方向への拡散は抑制される。長繊維が吸収性物品の長手方向に配向している場合には、吸収性物品の側部からの液漏れ(横漏れ)が効果的に防止される。一方、長繊維が吸収性物品の幅方向に配向している場合には、吸収性物品の長手方向への拡散が抑制され、スポット吸収性が得られる。
ウエブ20を構成する長繊維としては捲縮しているものを用いることが好ましい。長繊維はその捲縮率(JIS L0208)が10〜90%、特に10〜60%、とりわけ20〜50%であることが好ましい。捲縮した長繊維からウエブ20を形成することで、ウエブ20中に高吸収性ポリマー21を安定的に且つ多量に埋没担持することが容易となる。長繊維を捲縮させる手段に特に制限はない。また、捲縮は二次元的でもよく或いは三次元的でもよい。捲縮率は、長繊維を引き伸ばしたときの長さAと、元の長繊維の長さBとの差の、伸ばしたときの長さAに対する百分率で定義され、以下の式から算出される。
捲縮率=(A−B)/A × 100 (%)
元の長繊維の長さとは、長繊維が自然状態において、長繊維の両端部を直線で結んだ長さをいう。自然状態とは、長繊維の一方の端部を水平な板に固定し、繊維の自重で下方に垂らした状態をいう。長繊維を引き伸ばした時の長さとは、長繊維の捲縮がなくなるまで伸ばした時の最小荷重時の長さをいう。
長繊維の捲縮率は前述の通りであり、捲縮数は1cm当たり2〜25個、特に4〜20個、とりわけ10〜20個であることが好ましい。
長繊維の繊維径は、高吸収性ポリマーの担持性に関連している。ウエブ20の坪量が同一であることを条件として、1.0〜7.8dtex、特に1.7〜7.8dtexの長繊維を用いることで満足すべき担持性が得られる。本発明において長繊維とは、繊維長をJIS L1015の平均繊維長測定方法(C法)で測定した場合、好ましくは70mm以上、更に好ましくは80mm以上、一層好ましくは100mm以上である繊維のことをいう。ただし、測定対象とするウエブの全長が100mm未満である場合には、当該ウエブ中の繊維の好ましくは50%以上、更に好ましくは70%以上、一層好ましくは80%以上がウエブ全長にわたって延びている場合に、当該ウエブの繊維は長繊維であるとする。本発明で用いられる長繊維は一般に連続フィラメントと呼ばれるものである。また、連続フィラメントの束は一般にトウと呼ばれている。従って、本発明における長繊維とは、連続フィラメントを含む概念のものである。また長繊維が配向したウエブとは、ウエブを形成する原料としての長繊維の束(いわゆるトウ)と、連続フィラメントのトウ層を含む概念のものである。
図1、図4及び図5に示す構造を有する吸収体10の厚さや坪量は、吸収性物品の具体的な用途に応じて適切な値が選択される。例えば乳幼児用の使い捨ておむつの吸収体として用いる場合には、各ウエブ20はその坪量が5〜200g/m2、特に10〜100g/m2であることが好ましい。圧力緩和材22の散布坪量は10〜300g/m2、特に25〜150g/m2であることが好ましい。高吸収性ポリマー21の散布坪量は50〜500g/m2、特に100〜300g/m2であることが好ましい。
生理用ナプキンの吸収体として用いる場合には、各ウエブ20はその坪量が5〜100g/m2、特に10〜50g/m2であることが好ましい。圧力緩和材22の散布坪量は1〜80g/m2、特に3〜30g/m2であることが好ましい。高吸収性ポリマー21の散布坪量は10〜200g/m2、特に15〜100g/m2であることが好ましい。失禁パッドの吸収体として用いる場合には、各ウエブ20はその坪量が5〜200g/m2、特に10〜100g/m2であることが好ましい。圧力緩和材22の散布坪量は3〜300g/m2、特に5〜200g/m2であることが好ましい。高吸収性ポリマー21の散布坪量は10〜500g/m2、特に15〜350g/m2であることが好ましい。
吸収体10におけるウエブ20、圧力緩和材22及び高吸収性ポリマー21の合計の坪量は、吸収体10を例えば使い捨ておむつに用いる場合には、好ましくは120〜400g/m2、特に150〜300g/m2である。生理用ナプキンに用いる場合には、好ましくは35〜200g/m2、特に50〜150g/m2である。失禁パッドに用いる場合には、好ましくは35〜500g/m2、特に50〜400g/m2である。
吸収体10は、圧力緩和材22及び高吸収性ポリマー21が含まれたウエブ20のみから構成されていてもよく、或いはこれらを含むウエブ20が、例えば各種シート材料によって包まれていてもよい。また、ウエブ20の上面及び/又は下面に各種シート材料が配されていてもよく、更にそれら全体が別のシート材料によって包まれていてもよい。前記シート材料としては、フラッフパルプやティッシュペーパーなどの紙、乾式パルプシート、不織布(例えばエアスルー不織布、エアレイド不織布)等が挙げられる。吸収体10が使い捨ておむつに用いられる場合には、該吸収体10が前記のどのような形態である場合でもその厚みが1〜4mm、特に1.5〜3mmという薄型のものであることが好ましい。生理用ナプキンに用いられる場合には、0.5〜3mm、特に1〜2mmであることが好ましい。失禁パッドとして用いられる場合には、0.5〜4mm、特に1〜3mmであることが好ましい。
吸収体10の厚みは、吸収体10上に5cm×5cmの大きさのアクリル板を載せ、更にその上に重りを載せ、2.5g/cm2の荷重が加わった状態下に測定される。本実施形態においては、キーエンス社のLK080クラス2レーザー変位計を用いて厚みを測定した。測定点数は5点の平均とし、20%以上測定値が振れた場合はそのデータを削除し、別の測定値を追加した。試料には予め250g/cm2の荷重を12時間掛けて、しわを伸ばした状態としておいた。
図6には本発明の吸収性物品に係る吸収体10の更に他の例が示されている。同図に示す吸収体10は、それに含まれる繊維材料の種類が、これまでに説明した実施形態と異なる。詳細には、これまでに説明した実施形態においては、吸収体10の繊維材料として長繊維のウエブを用いたが、本実施形態においては繊維材料としてパルプを用いている。図6に示す吸収体10は、パルプ23、圧力緩和材22及び高吸収性ポリマー21の粒子を含んで構成されている。これら三者は均一に混合されている。
本実施形態においても、圧力緩和材22の空間形成材ないしスペーサとしての作用によって、吸収体10に体圧が加わった状態においても高吸収性ポリマー21の粒子どうしが近接ないし密着しづらくなる。これによって吸収体10の厚さ方向において通液路が確保され、吸収体10の厚さ方向における液の吸収速度が向上する。なお図6に示す実施形態に関し特に説明しない点については、先に述べた実施形態に関する説明が適宜適用される。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば図1、図4及び図5に示す実施形態においては、ウエブ20の下側に、高吸収性ポリマーを含むか又は含まないパルプの積繊層を配置して吸収体を構成してもよい。
また図1、図4、図5及び図6に示す実施形態においては、圧力緩和材22として粒子状のものを用いた状態が示されているが、これに代えて又はこれに加えて圧力緩和材として単繊維及び/又はその集合体を用いてもよい。
本発明の吸収性物品に係る吸収体の一例の断面構造を示す模式図である。 図1に示す吸収体による液吸収の状態を示す模式図である。 占有体積を大きくした状態の繊維を示す模式図である。 本発明の吸収性物品に係る吸収体の他の例の断面構造を示す模式図である。 本発明の吸収性物品に係る吸収体の更に他の例の断面構造を示す模式図である。 本発明の吸収性物品に係る吸収体の更に他の例の断面構造を示す模式図である。 従来の吸収性物品における吸収体による液吸収の状態を示す模式図である。
符号の説明
10 吸収体
20 長繊維のウエブ
21 高吸収性ポリマー
22 圧力緩和材
23 パルプ

Claims (5)

  1. 繊維材料及び高吸収性ポリマーの粒子を含む吸収体を備えた吸収性物品であって、
    前記吸収体に、更に疎水性の非吸水材料からなる圧力緩和材が含まれており、
    前記圧力緩和材は、飽和膨潤した前記高吸収性ポリマーの粒子の2kPa荷重下における粒径よりも、径が大きいものである吸収性物品。
  2. 前記吸収体に含まれている前記繊維材料が、長繊維のウエブ又はパルプからなる請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記圧力緩和材が、粒子又は単繊維若しくはその集合体から構成されている請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 前記圧力緩和材の構成材料が、シリコーンゲル、エラストマー樹脂、ゴムである請求項1ないし3の何れかに記載の吸収性物品。
  5. 前記圧力緩和材が、前記高吸収性ポリマーの粒子の重量に対して0.1〜2倍含まれている請求項1ないし4の何れかに記載の吸収性物品。
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