JP2007220374A - アルカリ亜鉛一次電池 - Google Patents

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【課題】 プレス成形された正極成形体がハンドリング時に破壊され電池製造歩留まりを低下させることのない電池を提供する。
【解決手段】 正極活物質である水酸化ニッケル系化合物と二酸化マンガンの混合物と、黒鉛と、バインダーと、アルカリ電解液からなる正極合剤2において、該バインダーが、疎水性バインダー、親水性バインダー、または疎水性バインダーと親水性バインダーの混合物であり、かつ該バインダーが正極活物質100質量部に対して0.1〜2質量部の割合で配合されていることを特徴とするアルカリ亜鉛一次電池。
【選択図】 図1

Description

本発明はアルカリ亜鉛一次電池に関し、特に電池製造時の作業性及び放電容量を改善したアルカリ亜鉛一次電池に関するものである。
ノート型パソコン、CDプレーヤー、MDプレーヤー、液晶テレビ等の携帯用AV機器また、携帯電話などの超重負荷、重負荷の用途が最近のアルカリ乾電池に要求されてきている。大電流を長時間取り出すためには、大電流放電時の電圧降下を抑制する必要がある。正極の放電に伴う電圧降下は、(1)二酸化マンガン自身のプロトン拡散性、及び(2)正極中の反応物質の拡散性に大きく依存しているとされている。これらの点を改善するために、従来電解二酸化マンガンの基本的物性についての検討が行われ、その製造方法の改善が試みられている。また、正極中の二酸化マンガンの表面積を増大させれば反応物質の拡散性に寄与するため、電解二酸化マンガンの小粒径化が検討され、さらに充填性の改善が検討されている。
また、アルカリマンガン電池において高性能化を実現させるため、正極合剤中の二酸化マンガン含有率を増加させることも検討されている。しかしながら、二酸化マンガンの含有率を増加させることは、必然的に正極合剤中に含まれている導電剤の黒鉛粉末の含有率を低下させることになる。その結果、正極合剤の成形性・導電性の低下及び正極缶との接触抵抗の増加をまねき、短絡電流の低下や重負荷特性を低下させる原因となる。
高率放電特性の良好な電池として、水酸化ニッケル系化合物または水酸化ニッケル系化合物と二酸化マンガンの混合物を正極活物質、亜鉛を負極活物質とする、インサイドアウト型の形状をしているアルカリ電池が知られている。これらの電池においては、正極合剤は、正極活物質と黒鉛に、アルカリ電解液を添加して混合し、プレス成形により中空円筒状に成形されており、これがセパレータ、ゲル状亜鉛負極とともに有底円筒状の正極缶に収容され電池が構成されている。水酸化ニッケル系化合物を用いたアルカリ電池においても、放電容量を向上させる試みがなされており、直接放電容量に寄与しない黒鉛の含有量を削減しようとすることも考えられる。ところで、この正極活物質である水酸化ニッケル系化合物は、粒径が小さいため、形状保持が困難であり、正極合剤から黒鉛配合量を削減しようとすると、その形状維持が問題となる。すなわち、プレス成形によって中空円筒状体に形成された正極合剤を正極缶中に収納する際に、そのハンドリングの力によって破壊され、歩留まり低下の原因となる。
そこでバインダーとして、疎水性バインダー、親水性バインダー、あるいはこれらの混合物からなるバインダーを用いて、正極活物質のハンドリング時の上記問題を解決することが知られている(特許文献1参照)。しかしながら、この電池においては、正極活物質が、オキシ水酸化ニッケル系化合物のみからなっているため、特にCDプレーヤー、MDプレーヤーなどの中負荷機器もしくはラジオなどの軽負荷機器に応用する場合に、電池特性の改善が求められている。
特開2003−017042号公報
本発明は、ハンドリング時に破壊され電池製造歩留まりを低下させることのない高容量の電池を提供することを目的とする。
本発明は、正極活物質である水酸化ニッケル系化合物40質量部から80質量部と二酸化マンガン60質量部から20質量部の範囲である混合物と、黒鉛と、バインダーと、アルカリ電解液からなる正極合剤において、該バインダーが、疎水性バインダー、親水性バインダー、または疎水性バインダーと親水性バインダーの混合物であり、かつ該バインダーが正極活物質100質量部に対して0.1〜2質量部の割合で配合されていることを特徴とするアルカリ亜鉛一次電池である。
上記本発明において、さらに水酸化ニッケル系化合物と二酸化マンガンとの混合比率は、水酸化ニッケル系化合物が40質量部から60質量部および二酸化マンガン60質量部から40質量部の範囲とすることが好ましい。水酸化ニッケル系化合物の量がこの範囲を下回ると、重負荷特性における特性において不利であり、一方、水酸化ニッケル系化合物の量がこの範囲を上回ると、中乃至軽負荷の特性において不利である。
上記本発明において、水酸化ニッケル系化合物粒子の表面が、オキシ水酸化コバルト、三酸化二コバルト、一酸化コバルト、水酸化コバルト、金属ニッケル、金属コバルトから選ばれる少なくとも一つの物質により被覆されているものであっても良い。
また上記本発明において、バインダーが、疎水性バインダーと親水性バインダーとの混合物であり、その混合比率が9:1〜5:5の範囲であることが好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、電池製造の歩留まりを低下させることなく、高容量を実現できる電池を提供することができる。
以下、本発明の電池の詳細な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明をいわゆるインサイドアウト構造(電池缶体が正極側、電池蓋側が負極側となっている構造)と呼ばれているJIS規格のLR6形(単3形)の電池に応用した例である。
図1において1は、正極端子を兼ねる有底円筒形の金属缶であり、この金属缶1の内部に中空円筒状に成形された正極活物質を含有する正極合剤2が金属缶1の内面に接触するように収容されている。この正極合剤2の中空内部にはアセタール化ポリビニルアルコール繊維の不織布などからなる有底円筒状のセパレータ3を介して、ゲル状亜鉛負極材料4が充填されている。そして、この負極材料4には黄銅製の金属棒からなる負極集電棒5が挿着され、この負極集電棒5の一端は負極材料4の表面から突出してリング状金属板7及び陰極端子を兼ねる金属封口板8に電気的に接続されている。そして、正極となる金属缶1内面と、負極集電棒5の突出部外周面には、二重環状のポリアミド樹脂からなる絶縁ガスケット6が配設され、これらは絶縁されている。また、金属缶1の開口部はかしめられて液密に封止されている。
以下に、本発明の正極合剤、負極材料、及び電解液について詳細に説明する。
(正極合剤)
本発明において、正極合剤は、水酸化ニッケル系化合物粒子40質量部から80質量部および二酸化マンガン60質量部から20質量の範囲である混合物からなる正極活物質、黒鉛からなる導電剤、アルカリ電解液、及びバインダーから構成されるものであり、これらが混合され、プレス成形により、その外径が電池外装材の金属缶の内径にほぼ等しい中空円筒形状に成形して製造される。そして、成形された正極合剤は、正極活物質粒子、および導電剤粒子が相互に結着し、粒子間の粒界には電解液が充填されている。
上記正極活物質において、二酸化マンガンが60重量%より多くなると、重負荷特性が低下する点で好ましくないため、水酸化ニッケル系化合物が40重量%から80重量%の範囲および二酸化マンガンが60重量%から20重量%の範囲であることが好ましい。
また水酸化ニッケル系化合物が40重量%から80重量%の範囲および二酸化マンガンが60重量%から20重量%の範囲とした正極活物質を用いて、本発明の実施例と同じバインダーの種類および配合とした場合、同様な効果が得られた。
本発明においては、上記正極合剤において、正極合剤構成成分の結着を図るために、バインダーが採用されている。このバインダーとしては、疎水性バインダー、親水性バインダー、あるいはこれらの混合物が用いられる。本発明で用いられる疎水性バインダーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレンなどが上げられ、これらの内で特にポリエチレンは熱変形温度が低くバインダー機能が高い上安価である理由で好ましい。また、本発明で用いられる親水性バインダーとしては、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロースなどがあげられる。本発明において、これらのバインダーの配合量(正極合剤に対する)は、0.1〜2質量%の範囲が望ましい。バインダー量が、この範囲を下回った場合、正極合剤成形体の強度が低く、電池組み立ての際のハンドリングに耐えることができない。一方、バインダー量が上記範囲を上回った場合、制限されている電池缶中における正極活物質の容積が削減されることになり、容量低下の原因となる。
また、本発明においては、このバインダーとして、疎水性バインダー単独、あるいは、親水性バインダー単独、もしくは、これらの混合物が用いられる。疎水性バインダーを単独で用いる場合には、強度改善の効果が高く、少量で十分な保形性を示す。しかしながら、このバインダーは、アルカリ電解液との親和性が少なく、かつ電気絶縁性であるため、正極合剤としては、内部抵抗が高くなり高率放電特性が劣化する。一方、親水性バインダーを単独で用いる場合には、アルカリ電解液との親和性が高いため、内部抵抗増加のおそれはないが、合剤成形後電池組み立て工程において、このバインダーがアルカリ電解液を吸収して膨潤し、成形合剤を変形させるおそれがある。従って、本発明においては、これら2種のバインダーを混合して用いることが好ましい。本発明において、疎水性バインダーと親水性バインダーとの配合割合は、質量比で9:1〜5:5の範囲が好ましい。
本発明において用いられる水酸化ニッケル系化合物としては、水酸化ニッケル及びオキシ水酸化ニッケルが上げられる。本発明において用いられる前記正極活物質であるオキシ水酸化ニッケル化合物は、水酸化ニッケルを一部酸化した化合物であり、ニッケル原子の価数が3価のγ−オキシ水酸化ニッケルでもよいし、水酸化ニッケルのニッケル原子の価数である4価のニッケル原子と、完全にオキシ水酸化物となっているニッケル原子の3価の中間的な価数を持っている化合物であってもよい。
また、本発明において用いられる水酸化ニッケル系化合物粒子の表面は、オキシ水酸化コバルト、三酸化二コバルト、一酸化コバルト、水酸化コバルト、金属ニッケル、金属コバルトより選ばれる少なくとも一つの物質により被覆されていても良い。
さらに、正極活物質である水酸化ニッケル系化合物自体が、亜鉛もしくはコバルト単独あるいはその両方と共晶しているものであってもよい。この正極活物質は低電解液比率でも安定した放電が行えるという特徴を有している。この水酸化ニッケル系化合物に共晶させる亜鉛もしくはコバルトの量としては、4〜12%の範囲が好ましい。亜鉛の量がこの範囲を下回ると、利用率低下の問題が発生し、またこの範囲を上回ると、比重低下により容量密度が低下する問題があるからである。
また、上記正極活物質に、Y、Er、Yb、Caの化合物を添加することにより、貯蔵時の容量維持率を改善することができる。本発明において用いられる上記化合物としては、例えばY、Er、Yb、などの金属酸化物、およびCaFなどの金属フッ化物があげられる。これらの金属酸化物および金属フッ化物は、正極活物質に対して、0.1〜10質量%の範囲で用いることができる。金属酸化物もしくは金属フッ化物の配合量が上記範囲を下回った場合、十分な効果が得られない。一方配合量が上記範囲を上回った場合、容量低下の問題が発生し好ましくない。このような本発明において、正極活物質に金属酸化物あるいは金属フッ化物を添加するには、水性媒体に分散した正極活物質に、上記金属酸化物粒子もしくは金属フッ化物粒子を添加することにより製造することができる。
上記本発明の水酸化ニッケル粒子は、次の方法によって製造することができる。水酸化ニッケルは、硫酸ニッケル水溶液に、攪拌しながら水酸化ナトリウム水溶液及びアンモニア水溶液を徐々に添加し、液のpHを13〜14に維持することにより製造することができる。この際に、硫酸ニッケル水溶液に、硫酸亜鉛、硫酸コバルト水溶液を混合した溶液を用いることにより亜鉛、コバルトがドープされた水酸化ニッケルを製造することができる。また、オキシ水酸化ニッケルは、こうして製造された水酸化ニッケルに次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤を添加し、酸化を進めることにより製造することができる。さらに、これらの水酸化ニッケル系化合物粒子表面にコバルト系もしくはニッケル系物質を被覆するには、例えば水酸化ニッケル粒子に、水酸化コバルトを添加し、大気雰囲気中で攪拌しながら水酸化ナトリウム水溶液を噴霧し、引き続きマイクロウェーブ加熱を施すことによって、水酸化ニッケル表面にコバルト高次酸化物の層が形成された複合水酸化ニッケル粒子を製造することができる。この方法によって導電性が優れた正極活物質を得ることができる。
また、本発明においては、前記正極合剤中に黒鉛粒子を配合し導電性を改善する。本発明においては、前記正極合剤中のかかる黒鉛粒子の含有量を10質量%以下とすることが望ましい。正極合剤中の黒鉛粒子の含有量を大きくしすぎると、限られた金属缶の容積中に充填することのできる正極活物質量自体が減少することと、黒鉛粒子が酸化されて生じる炭酸イオンが自己放電を加速して、放電容量が減少するからである。そのためには、正極合剤中の炭素粒子の含有量は、10質量%以下が好ましく、より好ましくは3質量%から7質量%の範囲である。
(負極材料)
本発明で用いられる負極材料は、負極活物質である亜鉛合金を主成分とする負極材料であり、公知のアルカリマンガン一次電池で使用されている亜鉛ゲルを用いることができる。この負極材料は、ゲル状であることが取り扱いの点で望ましい。負極材料をゲル状とするためには、負極活物質に電解液及び増粘剤を添加することにより容易にゲル化することができる。
本発明において用いる亜鉛合金は、無汞化亜鉛合金として知られている水銀及び鉛を含まない亜鉛合金を用いることができる。具体的には、インジウム0.01〜0.06質量%、ビスマス0.005〜0.02質量%、アルミニウム0.0035〜0.015質量%を含む亜鉛合金が、水素ガス発生の抑制効果があり望ましい。特にインジウム、ビスマスは放電性能を向上させるため望ましい。負極作用物質として純亜鉛ではなく亜鉛合金を用いる理由は、アルカリ性電解液中での自己溶解速度を遅くし、密閉系の電池製品とした場合の電池内部での水素ガス発生を抑制して、漏液による事故を防止するためである。
また、亜鉛合金の形状は、表面積を大きくして大電流放電に対応できるように粉末状とすることが望ましい。本発明において好ましい亜鉛合金の平均粒径は、90〜210μmの範囲が好ましい。亜鉛合金の平均粒径が上記範囲を上回った場合、表面積が比較的小さくなり大電流放電に対応することは困難になる。また、平均粒径が上記範囲を下回った場合、電池組み立て時の取り扱いが難しく、電解液及びゲル化剤と均一に混合することが困難になるばかりでなく、表面が活性であることから酸化されやすく不安定である。
また、本発明において用いられる増粘剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、CMC、アルギン酸などを用いることができる。特に、ポリアクリル酸が、強アルカリに対する耐薬品性に優れているため好ましい。
(電解液)
本発明で用いられる電解液は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ物質を電解質として用いた水溶液が好ましく、特に、水酸化カリウムを電解質として用いることが、好ましい。また、本発明においては、上記水酸化カリウムなどの電解質を水に溶解して電解液とするが、さらに電解液中に亜鉛化合物を添加することが望ましい。かかる亜鉛化合物としては、酸化亜鉛、水酸化亜鉛などの化合物が挙げられるが、特に酸化亜鉛が好ましい。
電解液として少なくとも亜鉛化合物を含有するアルカリ性水溶液を用いるのは、アルカリ性水溶液中での亜鉛合金の自己溶解が酸性系の電解液と比較して格段に少なく、更には亜鉛合金のアルカリ性電解液中での自己溶解を亜鉛化合物、例えば酸化亜鉛を溶解して亜鉛イオンを予め存在させておくことにより更に抑制するためである。電解液の濃度は、7〜11mol/lの範囲とすることが、高い電気導電率を得るために最適である。
以下、本発明の実施例および比較例について詳細に説明する。
(実施例1)
まず、オキシ水酸化ニッケル粉末50質量部および電解二酸化マンガン50質量部に、導電剤として黒鉛8質量部を加え、続いてバインダーとして粒子状のポリエチレン樹脂0.1質量部を加えてから乾式攪拌を10分間、回転数300rpmで行なった後、練液である40質量%苛性カリ水溶液5質量部を加え、湿式攪拌を10分間、回転数300rpmで行ない、さらに、均一に混合するため、湿式攪拌を回転数600rpmで10分間行なって攪拌合剤とした。続いて、攪拌合剤を圧縮強度1.96×103MPa(200kg/mm)で圧粉を行ない、薄片状態のものを作製した。さらに、分級機を用い薄片状態のものを破砕することにより顆粒合剤を作製した。その後、この顆粒合剤を中空円筒状に加圧成形し、正極合剤ペレットを作製し、正極缶内部に挿入される。このようにして図1に示す単3形のアルカリ亜鉛一次電池を組立てた。
(実施例2〜24)
バインダーの種類および配合量を表1の通りとしたこと以外は、実施例1と同様にして電池を製作した。
(比較例1〜17)
バインダーの種類および配合量を表2の通りとしたこと以外は、実施例1と同様にして電池を製作した。
Figure 2007220374
Figure 2007220374
(評価)
上記方法により製作した電池について以下の方法により評価を行った。
[正極合剤成形体の強度測定方法]
中空円筒状の正極合剤成形体を径方向に圧縮し、破壊されたときの強度をレオメーターで測定する。
[成形体の膨張率測定方法]
中空円筒状の正極合剤成形体の内径・外径・高さを測定し体積を求める。40質量%苛性カリ水溶液に10分間浸漬後、取り出し、再度内径・外径・高さを測定する。これから浸漬前の体積で除算し、成形体の膨張率とする。
[放電性能測定方法]
20℃中で1,000mA 10s/m*1時間/日放電を行ない、閉路電圧が0.9Vに到達するまでの放電容量を測定する。上記3種の評価において、比較例1を100%としたときの相対値を表1および表2に示す。
上記、実施例1〜24、及び比較例1〜17の結果から、成形体の強度をみると、バインダーとしてポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリアクリル酸を単独使用した場合及びポリエチレンとポリアクリル酸の混合物を使用した場合のいずれにおいても、添加量を増すほど、強度アップすることが分かる。添加量としては0.1質量部以上とすることで、無添加の比較例1に対して10%以上の強度アップを実現し、電池製造の歩留まりを向上することが出来る。成形体の膨張率では、疎水性のバインダーを添加した場合、無添加の比較例1の膨張率と比較して減少するが、親水性のバインダーを添加した場合は増加する。膨張率比が116%を超えた比較例7、比較例15および比較例17は、所定のゲルを充填することが出来ず、電池製造が出来なかった。放電性能としては、疎水性バインダーの添加量が少量の場合、正極合剤の膨張率が少なくなるため正極活物質の接触が良好で放電性能が向上するが、添加量が2質量部を超えると絶縁物としての影響が大きくなり添加による容量低下以上の性能劣化が発生している。一方親水性バインダーの場合は、添加量が増えることによって、電解液の保液能力が向上するため放電性能も向上している。ただし、添加量が2質量部を超えると、バインダー添加による活物質の容量減により性能アップ率が低下している。更に膨張率が高すぎて電池製造上の不都合が生じることが判明した。
(実施例25〜29、比較例18〜28)
正極活物質の種類及び配合量、バインダーの種類および配合量を、それぞれ表3の通りとしたこと以外は、実施例1と同様にして電池を製作し、実施例1と同様にして電池の性能を評価した。その結果を表3に併記する。また下記の評価を追加した。
[追加放電性能測定方法]
20℃中で150mA連続放電を行ない、閉路電圧が0.9Vに到達するまでの放電容量を測定した。上記表3の各評価においては、各検査項目の値は、比較例1を100%としたときの相対値で示した。
Figure 2007220374
表3の結果から明らかなように、正極活物質の配合及びバインダーの配合が、本件発明の範囲内にある場合には、高容量であって、かつ、重負荷放電特性の優れた電池が、製造歩留まりよく製造することができることが明らかとなった。

本発明を適用するのに適したインサイドアウト型電池の一例を示す断面図。
符号の説明
1…金属容器
2…正極合剤
3…セパレータ
4…ゲル状負極
5…負極集電棒
6…絶縁ガスケット
7…金属板
8…金属封口板

Claims (4)

  1. 正極活物質である水酸化ニッケル系化合物と二酸化マンガンとからなる混合物と、黒鉛と、バインダーと、アルカリ電解液からなる正極合剤において、
    該バインダーが、疎水性バインダー、親水性バインダー、または疎水性バインダーと親水性バインダーの混合物であり、かつ該バインダーが正極活物質100質量部に対して0.1〜2質量部の割合で配合されていることを特徴とするアルカリ亜鉛一次電池。
  2. 前記正極活物質が、水酸化ニッケル系化合物が40質量部から80質量部および二酸化マンガン60質量部から20質量部の範囲とする混合物であることを特徴とする請求項1記載のアルカリ亜鉛一次電池。
  3. 前記正極活物質が、水酸化ニッケル系化合物が40質量部から60質量部および二酸化マンガン60質量部から40質量部の範囲とする混合物であることを特徴とする請求項1記載のアルカリ亜鉛一次電池。
  4. 上記バインダーが、疎水性バインダーと親水性バインダーとの混合物であり、その混合比率が9:1〜5:5の範囲であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のアルカリ亜鉛一次電池。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022012296A1 (zh) * 2020-07-16 2022-01-20 瑞海泊有限公司 疏水电极及其制备方法和电池

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