以下、本発明に係る雀球遊技機の実施形態として、遊技場等に設置される雀球遊技機について図1ないし図13を参照して説明する。本実施形態では、27種の牌の図柄を各4個、計108個の牌を使用して遊技を行う雀球遊技機1を例にして説明する。この27種の牌の図柄は、例えば、萬子が「一萬」〜「九萬」の9種、筒子が「一筒」〜「九筒」の9種、索子が「一索」と「九索」の2種、字牌が「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」の7種である。従って、萬子と筒子が数牌となり、索子の「一索」と「九索」は、順子を形成することができないので字牌に含めている。これにより、本実施形態における牌種とは、上記の「萬子」、「筒子」、「字牌」の3種を示すことになる。
なお、上記した2種の数牌は、例えば、萬子を「一萬」〜「九萬」の9種類の図柄、索子を「一索」〜「九索」の9種類の図柄から構成し、字牌は筒子の「一筒」と「九筒」、及び「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」から構成される麻雀牌の図柄を有する雀球遊技機にすることも可能である。また例えば、索子を「一索」〜「九索」の9種類の図柄、筒子を「一筒」〜「九筒」の9種類の図柄から構成し、字牌は筒子の「一萬」と「九萬」、及び「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」から構成される麻雀牌の図柄を有する雀球遊技機にすることも可能である。
図1は、本実施形態における雀球遊技機1の全体を示す正面図である。同図に示すように、本雀球遊技機1は遊技機本体1aを備えてなり、該遊技機本体1aの前面部は、基本的には遊技盤面部(遊技領域)2、操作パネル3、操作パネル3の下方に設けられた遊技球発射レバー4、メダル受け皿5、音声や効果音(以下、一括して音声ともいう)を出力する音声出力装置であるスピーカ6、ランプ装置7等から構成されている。なお、図1に示す符号1bは、遊技機本体1aに対して開閉可能に支持された前扉を示している。
図1及び図2に示すように、ガイドレール8に囲まれた遊技盤面部2の略中央部には、手牌図柄等を表示する表示装置14(後述)とは別の表示画面を有する、所要の演出表示を行うための液晶表示装置等から構成される表示装置38が配置される。また該表示装置38の上方には、可変入球口(特別入球口とも言う)としてのアタッカー9が配置されている。またアタッカー9の上方にはドットマトリクス表示器39(図5参照)及びセグメント表示器(図示せず)を有する表示部37が配置され、表示装置38の左右には、遊技球振り分け装置12の振り分け部材12a、12bが配設され、アタッカー9の左右には、遊技球が通過可能な可変入球口作動口としてのアタッカー作動通過口10a、10bが配置されている。
上記表示装置38は、遊技盤面部2から図1紙面の奥側に後退するように配置されている。また、上記遊技球振り分け装置12は、雀球遊技機1の電源がオンされた時点から絶えず左右方向に連続的に往復移動する振り分け部材12a、12bの当該移動を妨げないようにするため、該振り分け部材12a、12b以外の箇所が図1紙面の奥側に後退するように構成されている。これら表示装置38、及び遊技球振り分け装置12の振り分け部材12a、12b以外の箇所の下部には、後述する入球口11c、11d、11e、…の上方に若干の隙間をあけた形で当該入球口11c、11d、11e、…の略全域に亘るように左右方向に延在する遊技球ステージSが設けられている。これら入球口11c〜11e、…と遊技球ステージSとの間には、入球口11c〜11e、…の直ぐ上方にて各入球口の入球幅を規制するための多数の障害釘(図示せず)が打ち込まれている。なお、遊技盤面部2には、風車(図示せず)や上記とは別の障害釘(図示せず)が多数設けられている。
また、表示装置38と表示部37との間における左右には入球口11a、11bが配置されており、上記遊技球ステージSの下方には、複数個(本実施形態では25個)の入球口11c、11d、11e、…が配設されている(以下、複数の入球口11a〜11e、…全体を指して「入球口11」ともいう)。入球口11a、11b、11c、11d、11e、…は、二索から八索までの索子牌を除いた牌の図柄27種(図柄は図示せず)に対応して、27個が設けられている。入球口11a、11bには夫々「一索」と「九索」が表示されており、また入球口11cには「一萬」、入球口11dには「二萬」、入球口11eには「三萬」というように、所要の麻雀牌図柄が順次表示されている。
操作パネル3には、図3に示すように、液晶表示装置等から構成される表示装置14、メダル投入口15、及び各種の操作ボタンが設けられている。この各種の操作ボタンは、13個のボタンが横方向に並設された捨て牌ボタン16a、16b、…、16m、自摸牌捨てボタン17、リーチボタン18、牌選択右シフトボタン19、牌選択左シフトボタン20、自摸牌決定ボタン21、払い出しボタン22、遊技終了ボタン23、遊技開始ボタン24、リジェクト(REJECT)ボタン25から構成されている。なお、遊技者がこれらの各ボタンを操作する(押下してスイッチをオンする)と、例えば、自摸牌決定ボタン21を操作すると自摸牌決定信号が発生し、この信号がマイクロコンピュータから構成される制御基板に入力される。そして、制御基板に搭載されているソフトウエア(プログラム)は、入力された信号ごとに、ゲームを進行させるために予め設定された処理を実行するようになっている。
表示装置14には、その表示面に種々の表示部が設定され、遊技者に対してゲームの進行に応じて必要な情報や画像及び演出用画像をこの表示部に表示するようにしている。例えば、図4に示すように、表示面の上部横方向には、遊技メダル貯留枚数表示部26、残り遊技球数表示部27、風牌表示部28、表ドラ表示部29、裏ドラ表示部30、和り牌表示部31、特別遊技のうち、ビッグゲームの権利を得ることができる和り役を示すビッグゲーム和り役表示部32、更に、チャンスゲームの権利を得ることができる和り役を示すチャンスゲーム和り役表示部33、捨て牌の図柄を表示する捨て牌表示部34が設けられ、ゲームの進行に応じて牌の図柄、演出画像、数値等が表示される。
なお、上述した、ビッグゲームの権利を得ることができる和り役及びチャンスゲームの権利を得ることができる和り役を、以下「特別役」とも称すると共に、該特別役以外の和り役を「通常役」と称する。
更に、表示装置14の表示面の下部横方向には、13個の手牌の図柄を表示する手牌表示部35、及び自摸した牌の図柄を表示する自摸牌表示部36が設けられている。なお、手牌表示部35及び自摸牌表示部36に表示している各図柄の下部には、捨て牌ボタン16a、16b、…、に対応するボタン名(A、B、C、D、E、・・・)が表示されている。また、表示される麻雀牌の図柄はカラーで表示される。
ついで、本雀球遊技機1の制御系に関して詳細に説明する。即ち、雀球遊技機1の内部の所定位置には、本実施形態の雀球遊技機1の作動を制御するための制御基板が搭載されている。この制御基板は、例えば、図5に示すように、メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb、画像制御基板Kc、画像制御基板Kdから構成されている。メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb、画像制御基板Kc、画像制御基板Kdは、それぞれCPU40、ROM41、RAM42、各種センサや捨て牌ボタン16a等の各種操作ボタン等との信号の入出力を行うための入出力インターフェイス回路43、及び制御基板Ka、Kb、Kc、Kd間の通信を行うための通信用インターフェイス回路44等を備えたマイクロコンピュータから構成されている。なお、メイン制御基板Kaの入出力インターフェイス回路43における「入出力」とは、各種操作ボタン等からの信号を「入力」し、当該入力信号に基づいた信号(コマンド等)を「出力」するという、一方向の信号の流れを意味する。
そして、雀球遊技機1の作動を制御、或いは表示装置14、表示装置38及び表示部37に情報や画像を表示するための各種のソフトウエア(プログラム)は、各制御基板Ka、Kb、Kc、Kdに搭載されたROM41に記憶されている。また、各RAM42は、これらプログラムが作動するときに各種のデータの読み込みやデータの作成、計算等を行うための記憶エリア、計算エリアとして使用される。また、メイン制御基板Kaとサブ制御基板Kb、サブ制御基板Kbと画像制御基板Kc、サブ制御基板Kbと画像制御基板Kdとは、ケーブル線T1、T2により接続されてデータ通信ができるようになっている。なお、CPU40としては、各メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb、画像制御基板Kc、画像制御基板Kdの処理機能に対応して8ビット、16ビット或いは32ビットのCPUや、これらを超えるビット数のCPU等のうち何れかを採用することができる。
メイン制御基板Kaの入出力インターフェイス回路43には、ドットマトリクス表示器39が接続され、サブ制御基板Kbの入出力インターフェイス回路43にはランプ装置7が接続され、画像制御基板Kcの入出力インターフェイス回路43には、スピーカ6及び表示装置14が接続され、画像制御基板Kdの入出力インターフェイス回路43には表示装置38が接続されている。
なお、サブ制御基板Kbに搭載されているROM41の所定の記憶番地には、画像制御基板Kcを介して表示装置14及びスピーカ6に、また画像制御基板Kdを介して表示装置38に夫々表示するための各種の画像データ、各種の音声データが記憶されている。この画像データとしては、27種の牌の図柄データ、雀球遊技機1の電源をONした時に初期画面として表示する画像データ、遊技者が和り役を完成させたとき等に表示する各種の演出用画像データがある。また、各種の音声データとしては、遊技の進行に伴って遊技者に対してゲームの進行を支援するための音声、或いは演出用の効果音を出力するためのデジタルデータがある。
(メイン制御基板Kaの構成・動作)
メイン制御基板Kaに搭載されているROM41には、雀球遊技機1の遊技の進行を制御するための各種のプログラムが記憶されている。メイン制御基板KaのROM41に搭載されているプログラムは、例えば、図6に示すように、メイン基板動作制御プログラムP1、通信制御プログラムP2、メダル管理プログラムP3、遊技球管理プログラムP4、自動配牌プログラムP5、特別役選定プログラムP6、ドラ抽選プログラムP7、入賞判定プログラムP8、操作支援プログラムP9、特別遊技制御プログラムP10、特別遊技継続制御プログラムP11、特別遊技中自摸牌選択プログラムP12、及び図柄表示プログラムP13等から構成される。
メイン基板動作制御プログラムP1は、雀球遊技機1の全体の動作を統括するプログラムであり、主に下記のような処理を行う。
(1)遊技機1の電源がONされたときの初期化の処理、例えば、電源ON時の初期化制御コマンドをサブ制御基板Kb、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。この制御コマンドに基づいて、サブ制御基板Kbと画像制御基板Kc、Kdは電源ON時の初期化処理を行う。これにより、画像制御基板Kc、Kdは、電源ON時の演出用画像や音声等を出力することができる。
(2)各種の入出力センサから入力される信号を解析し、その信号に対応した処理を行うように雀球遊技機1の動作を制御する。例えば、遊技者が遊技球を発射したときに入球した入球口からの入球信号を解析し、この入球口に対応する牌の図柄を自摸牌として手牌データに追加(自摸の操作)する処理、或いは遊技者が捨て牌ボタン16a等を操作して手牌から不要な牌を切る操作(捨て牌操作)を行ったときに、どの捨て牌ボタンからの信号であるかを解析し、この捨て牌ボタンに対応する牌の図柄を手牌データから削除する処理、等を行う。
(3)自動配牌プログラムP5が作動してゲーム開始時の14個の手牌が決定されたときに、この手牌の図柄データをRAM42に手牌データとして手牌記憶領域に記憶する処理、この手牌データをサブ制御基板Kbに送信するための処理、及び上記(1)、(2)の処理において遊技者が捨て牌操作、自摸の操作を行う都度、現在の手牌データ、捨て牌、自摸牌に関する牌の図柄データ(以下、図柄コードという)をサブ制御基板Kbに送信するための処理、等を行う。
通信制御プログラムP2は、サブ制御基板Kbとの通信を行うためのプログラムであり、送信するデータは如何なる処理を行うかを予め設定した制御コマンドと共に、この制御コマンドに必要なデータが送信される。また、画像制御基板Kc、Kdにデータを送信する場合には、サブ制御基板Kbを経由してデータが送信されることになる。
メダル管理プログラムP3は、ゲームの進行に伴ってメダルの貯留枚数の管理と払い出しの処理を行うためのプログラムである。メイン基板動作制御プログラムP1はメダル投入口15からメダルの投入信号等を検出すると、メダル管理プログラムP3に下記の処理を行わせる。
(A)メダル投入口15からメダルの投入信号を検出すると、RAM42に記憶している遊技メダル貯留枚数を「1」加算する。
(B)遊技開始ボタン24からの信号を検出すると、上記遊技メダル貯留枚数を「3」減算する。
(C)和り時に、遊技終了ボタン23からの信号を検出すると、その和り役で獲得したメダル枚数をRAM42に記憶している遊技メダル貯留枚数に加算する。
(D)払い出しボタン22の信号を検出したとき、貯留枚数分のメダルをメダル受け皿5に払い出すように制御信号を出し、メダルがメダル受け皿5に1枚払い出されるごとに遊技メダル貯留枚数を「1」減算する処理を行う。
遊技球管理プログラムP4は、メイン基板動作制御プログラムP1の制御に基づいて、次の処理を行うプログラムである。
(a)ゲーム開始時に、RAM42に記憶する残り遊技球数を14個に設定する。
(b)捨て牌ボタン16a等から捨て牌の操作信号を検出すると、遊技球発射位置(図示せず)に遊技球を1球送る制御を行う。
(c)遊技球発射レバー4から発射された遊技球が入球口11a、11b、11c、…の何れかに入球し、その入球信号が検出されると、残り遊技球数を「1」減算し、入球した入球口に対応する牌の図柄コードを作成する。
自動配牌プログラムP5は、1ゲームの開始時に、14個の配牌の図柄をランダムに自動的に決定するためのプログラムである。この自動配牌プログラムP5は、乱数発生手段により発生した乱数を利用して、本雀球遊技機1で使用する108個の麻雀牌から14個の配牌の図柄を決定する処理を行う。
自動配牌プログラムP5は、例えば、次のような処理を行うことにより、ゲーム開始時に、必要とする14個の牌の図柄を決定することができる。
(ア)本雀球遊技機1において使用される牌の図柄は、二索から八索までの索子牌を除く27種の牌、計108個である。これら使用される牌には、表1に示すように、27種の牌の図柄に、01H〜1BHの図柄コード(16進数)を付与し、更に、各27種から構成される計108個の図柄に0〜107までの数値を4個割り付けたデータテーブルを予めROM40に登録しておく。
(イ)自動配牌プログラムP5には、例えば、5桁の乱数を発生させる乱数発生プログラムを備えておく。そして、自動配牌プログラムP5は、乱数発生プログラムで発生させた5桁の乱数を108で除算し、その余りを算出する。続いて、表1を参照してこの余りの値に対応する牌の図柄コードを01H〜1BHから求め、この図柄コードを配牌される図柄として決定する。
(ウ)上記(イ)の処理を計14回実施して、ゲーム開始時に、必要とする14個の牌の図柄を決定する。なお、この5桁の乱数を発生させるプログラムには、毎回異なる乱数が発生するようにランダマイズ処理を行うプログラムを付加しておく必要がある。このような処理により決定した14個の配牌の図柄コードはRAM42の手牌記憶領域に記憶しておく。なお、手牌記憶領域に記憶した14個の配牌データは図柄コードの上昇順にソートして記憶する。
特別役選定プログラムP6は、予め設定されている和り役の中から1ゲームごとに特別遊技の権利を獲得できる和り役(特別役)を抽選により選定し、該選定に係る信号を出力するプログラムである。選定されたビッグ役及びチャンス役の内容は、後述の画面表示プログラムP32によって、図4に示すビッグゲーム和り役表示部32とチャンスゲーム和り役表示部33に夫々表示される。
なお、特別役には、ビッグゲームの権利を獲得できる特別役と、チャンスゲーム(レギュラーゲームとも言う)の権利を獲得できる特別役とがある。例えば、ビッグゲームの権利を獲得できる特別役は、「大三元」、「国士無双」、「九連宝燈」の3種の和り役から1種を抽選により選定する。また、チャンスゲームの権利を獲得できる特別役は、例えば、「一気通貫」、「七対子」、「三暗刻」、「平和」、「一盃口」、「タンヤオ」の6種の和り役から2種を抽選により選定する。なお、この特別役を抽選により選定する方法は、プログラム処理により所定桁数の乱数を発生させてRAM42に記憶し、この乱数を利用して決定することができる。
ドラ抽選プログラムP7は、ゲーム開始時に、抽選により表ドラ及び裏ドラを決定するためのプログラムである。抽選によりドラを決定する方法は、特別役の選定と同様にして行うことができる。
入賞判定プログラムP8は、自動配牌プログラムP5により14個の手牌が決定したとき、及び遊技者が自摸の操作を行ったときに、手牌が予め設定された和り役の組合せになっているか否かを判定するためのプログラムである。和り役の情報は、表2に示すような構成のデータテーブル、即ち、和り役のコード(表2には和り役のコードは表示せず)と、その和り役に対して遊技者が獲得できる得点(獲得メダル枚数)とを対応づけたテーブルにより管理されており、予め入賞判定プログラムP8、又はROM41に記憶されている。そして、現在の14個の手牌について、入賞判定プログラムP8が和り役を完成していると判定した場合には、メイン制御基板Kaは、和り役完成の制御コマンドとその和り役のコード、獲得した得点等を、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに伝送する処理を行う。
操作支援プログラムP9は、遊技者に対して、表示装置14の画面と対話方式によりゲーム進行に関する操作を支援するためのプログラムである。特に操作支援プログラムP9は、画面表示プログラムP32に信号出力し、例えば「自摸を行ってください」、「捨て牌を選んでください」等の表示を表示装置14の画面上に行って、遊技者の操作を支援する。
特別遊技制御プログラムP10は、特別役が成立した場合、アタッカー作動通過口10a、10bに設けられた入球センサ(図示せず)をONし、アタッカー9の開放の契機となるアタッカー作動通過口10a、10bへの入球の有効/無効を判定するプログラムである。つまり、当該特別遊技制御プログラムP10が、アタッカー作動通過口10a、10bへの入球の有効を判定すると、アタッカー9が開放されて自由選択自摸が可能となる特別遊技の権利が生じることになり、これによって、特別遊技が開始制御されることになる。
特別遊技継続制御プログラムP11は、ビッグ役が成立した場合、次ゲーム以降から例えば13ゲーム(当該ゲームを含め14ゲーム)の間、継続させてアタッカー作動通過口10a、10bに設けられた入球センサ(図示せず)をONにさせるプログラムである。つまり、当該特別遊技継続制御プログラムP11が、アタッカー作動通過口10a、10bへの入球の有効を次ゲーム以降から13ゲームの間継続させると、特別遊技が当該ゲーム(役成立時に進行中のゲーム)を含めて14ゲーム(つまり14ラウンド)継続するビッグゲームの権利が生じた状態となる。なお、本実施形態における上記アタッカー作動通過口10a、10bへの「入球」とは、一般的な意味の「入球」と共に、ゲートを単に通過する旨も含む概念である。
特別遊技中自摸牌選択プログラムP12は、特別遊技の権利を獲得したゲームにおいて、アタッカー9に遊技球が入球した信号が入力されると、遊技者に対して、自摸する牌の図柄を自由選択する操作を行わせるためのプログラムである。つまり、本雀球遊技機1においては、例えば捨て牌の枚数(同じ牌が4枚まで)等の制限以外、遊技者が自由に好みの牌の図柄を選択して入手し、交換したのと同じようにすることができる。
図柄表示プログラムP13は、メイン基板動作制御プログラムP1により検出される手牌及び捨て牌に関する情報と、ドラ抽選プログラムP7により検出される表ドラに関する情報と、ドラ抽選プログラムP7により検出される裏ドラに関する情報と、メダル管理プログラムP3により検出される遊技メダル貯留枚数及び遊技メダル獲得枚数に関する情報と、遊技球管理プログラムP4により検出される残り遊技球数に関する情報とを受けて、夫々の情報に応じた表示をドットマトリクス表示器39(図5参照)やセグメント表示器(図示せず)に行わせる制御を実行する。
(サブ制御基板Kbの構成・動作)
サブ制御基板KbのROM41に搭載されているプログラムは、図7に示すように、サブ基板動作制御プログラムP21、通信制御プログラムP22、ランプ制御プログラムP23、和り牌判定プログラムP24、配牌予告演出制御プログラムP25等から構成されている。更に、この和り牌判定プログラムP24は、聴牌パターン判定プログラムP241、和り牌種判定プログラムP242、和り牌判定抽出プログラムP243を備えて構成される。
サブ基板動作制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから伝送された各種の制御コマンドを解読し、各制御コマンドに対応して上記各プログラムの実行を制御するプログラムである。
通信制御プログラムP22は、メイン制御基板Kaからのデータの受信と画像制御基板Kc、Kdとの通信処理を行うプログラムである。画像制御基板Kc、Kdは、サブ制御基板Kbから送信されたこれら各種の制御コマンドとその制御データ等を受信すると、プログラム処理により表示装置14や表示装置38に演出用の画像や情報を表示し、更に、音声・効果音出力プログラムP41(図8参照)を介してスピーカ6から演出用の音声や効果音を出力する。
ランプ制御プログラムP23は、メイン制御基板Kaから伝送された制御コマンドとその制御データに基づいて、ランプ7等の点灯と消灯の制御を行うためのプログラムである。
和り牌判定プログラムP24は、遊技者が捨て牌の操作を行った後に、メイン制御基板Kaから送信された現在の13個の手牌に基づいて、予め設定された和り役を完成させるために遊技者が行う所要の操作を支援(例えば、自摸すべき牌をアシスト)するためのプログラムである。この和り牌判定プログラムP24は、遊技者が現在の13個の手牌に自摸の操作を行って1個の牌を追加した場合に、和り役を完成させることができる牌(和り牌)の有無を判定すると共に、予め自摸すべき牌を支援する処理(図1及び図2の表示装置38や図4の和り牌表示部31への表示処理)を、後述の画面表示プログラムP32を介して行うためのプログラムである。そして、和り牌判定プログラムP24は、和り役を完成させるため自摸すべき牌が抽出された場合には、この牌の図柄を画像制御基板Kcを介して表示させる制御を行う。
メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は、遊技者が遊技球を発射して自摸の操作を行って手牌が14個になると、入賞判定プログラムP8を作動させて和り役を完成させたか否かの判定を行う。そして、和り役を完成していない場合には、遊技者が14個の手牌の中から不要な1個の牌を捨てる「捨て牌の操作」を行う都度、手牌記憶領域に記憶している13個になった手牌の図柄コードを制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信する。このとき、13個の図柄コードは上昇順にソートされてサブ制御基板Kbに送信される。サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、この13個の手牌の図柄コードを受信すると、受信したデータをRAM42に記憶した後、制御を和り牌判定プログラムP24に移行させる。すると、和り牌判定プログラムP24は、順次、聴牌パターン判定プログラムP241、和り牌種判定プログラムP242、和り牌判定抽出プログラムP243を作動させる。
聴牌パターン判定プログラムP241は、リーチボタン18が操作された際、手牌図柄の組合せが和り役の組合せを完成する直前の聴牌状態であるか否かを判定する聴牌状態判定手段、及びリーチボタン18が操作された際、図柄の組合せが和り役の組合せを完成する直前の状態であるか否かを判定する直前状態判定手段を構成している。すなわち、聴牌パターン判定プログラムP241は、リーチボタン18が押圧操作された際、このときに手牌表示部35及び自摸牌表示部36に表示されている手牌図柄の図柄コードの組合せが和り役を完成する直前の聴牌状態であるか否かを判定し、その判定結果を出力すると共に、聴牌状態の手牌図柄を変更不能にし、かつ和り役として立直役を1つ付加する。
なお、和り牌判定抽出プログラムP243が、所定の処理で判定して抽出し、RAM42に記憶した和り牌の図柄コードの全てを画像制御基板Kc、Kdに制御コマンドと共に送信して、画像制御基板Kc、Kdに対してこの和り牌の図柄コードに対応する図柄を表示させるための制御を行った際、サブ制御基板Kbの和り牌判定プログラムP24は、和り牌の図柄コードを受信した時点で、画面表示プログラムP32のゲーム演出表示プログラムP3212等を介して、受信した和り牌の図柄コードの図柄を和り牌の候補として和り牌表示部31及び表示装置38に表示する。このとき、スピーカ6から音声を出力させるようにしてもよい。この場合、和り牌表示部31及び表示装置38双方には和り牌のアシスト(支援)等に関する表示が同時進行的に行われるが、その際、表示装置38上の表示は、和り牌等の表示に加えて、演出用キャラクタを用いた画像表示が行われる。
メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は、自動配牌プログラムP5により14個の手牌(配牌)が決定されると、手牌記憶領域に記憶しているそれら14個の手牌の図柄コードを制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信する。このとき、14個の図柄コードは上昇順にソートされてサブ制御基板Kbに送信される。
サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、この14個の手牌の図柄コードを受信すると、受信したデータをRAM42に記憶した後、制御を配牌予告演出プログラムP25に移行させる。
配牌予告演出制御プログラムP25は、RAM42に記憶されている14個の手牌の図柄コード(配牌図柄コード)を参照し、配牌図柄の組み合わせが、配牌予告を行う所定の配牌状態(例えば、天和、聴牌などの状態や、特定の牌(又は牌の組み合わせ)を含んでいる状態など)となっているか否かを判定する。例えば天和であるか否かは、メイン制御基板Kaの入賞判定プログラムP8の判定結果を利用して(又は同様のロジックにより)、また聴牌であるか否かは、上述の和り牌判定プログラムP24を利用して(又は同様のロジックにより)、判定することができる。
配牌予告を行う配牌状態の情報は、表3に示すような構成のデータテーブル、即ち、配牌状態のコード(表3には配牌状態コードは表示せず)と、その配牌状態に対して実施する配牌予告演出のコードと、オブジェクトの種類/サイズや演出タイプなどの情報とを対応づけたテーブルにより管理されており、予め配牌予告演出制御プログラムP25、又はROM41に記憶されている。
配牌予告演出コードは、表3に示すように、配牌予告演出において表示するオブジェクトの種類/サイズ等に応じて割り当てられており、良い配牌状態であるほど演出度の高い演出が行われるように、配牌状態コードと配牌予告演出コードとの対応関係が設定されている。
ここで、上記演出度とは、「表示内容の派手さ」を意味している。例えば、配牌がドラ牌を2つ以上含んでいる場合、小サイズの所定のキャラクタが表示され、普通の演出として実行される。また、配牌状態が、「聴牌」ではないが順子又は刻子を3つ以上含んでいる場合、中サイズの所定のキャラクタが表示され、所謂やや熱い演出として実行される。また例えば、配牌状態が、獲得メダル枚数が3枚以下の和り役での「聴牌」の場合、小サイズの「竜巻」オブジェクトが表示され、より高レベルでの所謂やや熱い演出として実行される。また、配牌状態が、獲得メダル枚数が5枚以上の和り役での「聴牌」の場合、中サイズの「竜巻」オブジェクトが表示され、所謂激熱の演出として実行される。また、配牌状態が「天和」の場合、大サイズの「竜巻」オブジェクトが表示され、より高レベルの所謂激熱の演出として実行される。
配牌予告を行う配牌状態となっている場合、配牌予告演出制御プログラムP25は、表3を参照して配牌予告演出コードを選択し、画像制御基板Kc、Kdに制御コマンドと共に送信して、画像制御基板Kc、Kdに対してこの配牌予告演出コードに対応する演出を表示させるための制御を行う。
これにより、各画像制御基板Kc、Kdの演出制御プログラムP323は、配牌予告演出コードに応じて表示装置(表示部)14や表示装置38等の演出表示を変化させる。また、画像制御基板Kcの音声・効果音出力プログラムP41は、配牌予告演出コードに応じてスピーカ6から演出用の音声や効果音を出力する。
配牌予告演出制御プログラムP25による処理が終了すると、制御は、再びサブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21に移行し、RAM42に記憶されている配牌図柄コードが画像制御基板Kcに送信される。
ここで、表3に示すように、配牌予告演出には、1画面単体タイプと2画面連動タイプの2種類が存在する。1画面単体タイプのものは、原則として従来の配牌予告演出と同様である。この場合、配牌予告演出制御プログラムP25は、配牌予告演出コードに応じて表示装置14又は表示装置38のいずれかに配牌予告演出を表示させるため、画像制御基板Kc又はKdのいずれか対応する一方に、制御コマンドと共に配牌予告演出コードを送信する。なお、配牌予告演出制御プログラムP25は、表示装置38に配牌予告演出を表示させる場合でも、配牌予告演出コードに応じて配牌予告演出に応じた音声や効果音をスピーカ6から出力させるため、画像制御基板Kcに、制御コマンドと共に配牌予告演出コードを送信する。
一方、2画面連動タイプのものである場合、配牌予告演出制御プログラムP25は、配牌予告演出コードに応じて表示装置14及び表示装置38の双方に配牌予告演出を表示させるため、及び配牌予告演出コードに応じて配牌予告演出に応じた音声や効果音をスピーカ6から出力させるため、画像制御基板Kc及びKdの双方に、制御コマンドと共に配牌予告演出コードを送信する。また、表示装置14及び表示装置38において配牌予告演出コードに基づいて連動表示が行われるように制御する。
以下、2画面連動タイプの配牌予告演出として、表示装置38に表示された竜巻又はこれに類する現象をモデル化したオブジェクト(竜巻オブジェクト)が、表示装置14に移動していくような演出(竜巻予告)を想定し、図9のフローチャート及び図10の画面例を参照して連動表示について説明する。なお、各工程(符号が付与されていない部分的な工程を含む)は、処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる(かかる点は、他のフローチャートについても同様とする)。また、図10の各画面例に示す矢印は、竜巻オブジェクトの移動方向や経路を示すためのものであり、このよう矢印が実際に表示されるわけではない。
配牌予告演出制御プログラムP25は、まず、画像制御基板Kc及びKdの双方に、配牌予告演出の開始を示す制御コマンドと、表3を参照して選択した配牌予告演出コードを送信する(S100)。これを受けて、各画像制御基板Kc、Kdの演出制御プログラムP323は、竜巻予告の演出表示を開始する(S200、S300)。ただし、この段階では、竜巻オブジェクトの表示は行われず、図10(a)に示すように例えば雷等のオブジェクトの表示によって、竜巻予告の演出表示が行われる。
次に、配牌予告演出制御プログラムP25は、画像制御基板Kdに対して、連動表示オブジェクトの表示開始を示す制御コマンドを送信する(S101)。これを受けて、画像制御基板Kdの演出制御プログラムP323は、竜巻オブジェクトの表示を開始する(S201)。この段階では、竜巻オブジェクトは表示装置38の表示画面内を移動するが、連動表示のための移動はまだ行われない(図10(b)、(c)参照)。
なお、画像制御基板Kdに送信した配牌予告演出の開始を示す制御コマンドが、連動表示オブジェクトの表示開始を示す制御コマンドを兼ねていてもよく、この場合はS101は省略できる。
次に、配牌予告演出制御プログラムP25は、画像制御基板Kdに対して、連動表示オブジェクトの移動開始を示す制御コマンド(移動開始コマンド)を送信する(S102)。これを受けて、画像制御基板Kdの演出制御プログラムP323は、竜巻オブジェクトの連動表示のための移動(連動移動)を開始する(S202)。具体的には、竜巻オブジェクトを表示装置14の方へ(すなわち、下方へ)移動させ、最終的に竜巻オブジェクトが表示装置38の表示画面下端を超えて画面外に出るまで移動させる(図10(d)、(e))。なお、竜巻オブジェクトの一部が連動移動終了後に表示装置38の画面内に残るようにしてもよい。
次に、配牌予告演出制御プログラムP25は、画像制御基板Kdに対して移動開始コマンドを送信したタイミングからカウントして、竜巻オブジェクトの表示装置38から表示装置14への移動時間(オブジェクト移動時間)Tが経過したか否かを判断する(S103)。
オブジェクト移動時間Tは、表示装置38において竜巻オブジェクトが連動移動を開始してから、その下部が画面外に出るまでの時間T1、表示装置38の表示画面下端と表示装置14の表示画面上端との距離L、及び、竜巻オブジェクトの移動速度Vとに基づいて、T=T1+L/Vのように予め設定される。このうち、T1、Vは演出内容に応じて任意に設定できるが、スムーズな連動表示を実現するためには、Vが画面内外において一定であるか、又は徐々に変化する(例えば、定加速度)ものであることが望ましい。一方、距離Lは、表示装置38と表示装置14との位置関係に基づいて固定的に決定される。
オブジェクト移動時間が経過した場合、配牌予告演出制御プログラムP25は、表示装置14における竜巻オブジェクトの表示タイミングが到来したと判断し、画像制御基板Kcに対して、連動表示オブジェクトの表示開始を示す制御コマンドを送信する(S104)。これを受けて、画像制御基板Kcの演出制御プログラムP323は、竜巻オブジェクトの表示を開始する(S301)。具体的には、表示装置14の表示画面上端から竜巻オブジェクトの下部が進入してくるような演出表示を行う(図10(f)、(g))。
このように、表示装置38と表示装置14の位置関係に応じて決定されるオブジェクト移動時間Tに基づき、表示装置14における竜巻オブジェクトの移動後の表示タイミングを決定し、それによって竜巻オブジェクトの連動表示が行われるように制御することで、表示装置38から表示装置14への竜巻オブジェクトの移動を両表示装置の物理的な位置関係を反映させた自然なものとすることが可能となる。その結果、2画面の表示内容を違和感なく連動させて配牌予告演出を行うことができ、リアルさを向上させて、遊技者の配牌への期待感や遊技への熱中度をより高めることができる。
(画像制御基板Kc、Kdの構成・動作)
次いで、図8を参照して、画像制御基板Kc、KdのROM41に搭載されているプログラムについて説明する。このプログラムは、画像基板動作制御プログラムP31、画像表示プログラムP32、及び音声・効果音出力プログラムP41(画像制御基板Kcのみ)等から構成されている。以下、これらプログラムの処理内容の概要について説明する。
画像基板動作制御プログラムP31は、サブ制御基板Kbから送信された各種の制御コマンドを解読し、これら制御コマンドに対応して上記各プログラムの実行を制御するプログラムである。
画面表示プログラムP32は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、表示装置14や表示装置38に各種の演出用の画像や数値等の遊技情報などを表示する処理を行うプログラムであり、通常遊技画面表示プログラムP321と、特別遊技画面表示プログラムP322と、演出制御プログラムP323とを備えて構成される。
通常遊技画面表示プログラムP321は、雀球遊技機1の電源ON時から、遊技者が通常の遊技を行っているときに、表示装置14や表示装置38に各種の演出画像や遊技者に対して支援する各種の画像を表示する処理を行うプログラムであり、サブプログラムとして、初期演出表示プログラムP3211、ゲーム演出表示プログラムP3212などを備えている。
初期演出表示プログラムP3211は、電源ON時の演出画面、例えば、風景画面を表示装置14や表示装置38に表示する等の処理を行う。
ゲーム演出表示プログラムP3212は、通常遊技の進行に伴う各種の演出画像や遊技者に対して支援する各種の画像を表示する等の処理を行う。
例えば、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、図4に示すような内容の画面を表示装置14に表示する機能、遊技の進行に伴って遊技者が捨て牌の操作、通常遊技のゲームの場合は遊技球の発射による自摸牌の操作等を行うごとに、メイン制御基板Kaからサブ制御基板Kbを経由して送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、現在の手牌の図柄、捨て牌の図柄、及びサブ制御基板Kbから送信されてきた和り牌と判定された牌の図柄を表示する処理、和り役を完成したときその和り役により獲得した得点数を表示する処理等、各種の表示機能を備えたプログラムから構成される。
また例えば、ゲーム演出表示プログラムP3212は、遊技者に手牌の中から不要な1個の牌を捨てる操作を促すための画面表示を行う制御コマンドを画像制御基板Kc、Kdが受信した際、手牌の中から不要な1個の牌を捨てる操作を促すためのメッセージを表示装置14や表示装置38に表示する処理を行う。
特別遊技画面表示プログラムP322は、入賞判定プログラムP8によりチャンス役又はビッグ役の成立が判定され、特別遊技制御プログラムP10による特別遊技の開始制御を受けて、各種の演出用の画面を表示装置14に表示する処理を行うプログラムであり、サブプログラムとして、権利獲得演出表示プログラムP3221、自摸牌候補選択支援プログラムP3222などを備えている。
権利獲得演出表示プログラムP3221は、遊技者が特別遊技の権利を獲得することができる和り役を完成した時点に演出表示する等の処理を行う。
例えば、画像制御基板Kcの権利獲得演出表示プログラムP3221は、表示装置14の和り牌表示部31に和り役の説明表示と、チャンスゲーム権利成立又はビッグゲーム権利成立の表示とを所定の時間間隔で交互に表示し、遊技者にチャンスゲーム又はビッグゲームの権利が成立したことを知らせる処理を行う。
自摸牌候補選択支援プログラムP3222は、遊技者が特別遊技の権利を獲得したときに作動され、特別遊技中自摸牌選択プログラムP12による自由選択自摸を支援するための処理を行う。
例えば、画像制御基板Kcの自摸牌候補選択支援プログラムP3222は、表示装置14に表示された自摸牌の候補の図柄を、遊技者による牌選択右シフトボタン19、或いは牌選択左シフトボタン20の操作に基づいてスクロールさせながら、対話方式により自摸すべき牌の図柄を選択する操作を支援する。
演出制御プログラムP323は、表示装置14や表示装置38に、配牌予告演出といった所定の演出用の画像を表示する処理を行うプログラムである。
例えば、演出制御プログラムP323は、配牌予告演出制御プログラムP25によって選択された配牌予告演出コード、各種の制御コマンドに応じて、表示装置14や表示装置38の演出表示を変化させる。このために、各画像制御基板の演出制御プログラムP323は、配牌予告演出に用いる各演出データを格納するデータテーブルDTを、各表示装置のROM41に記憶された形で有しており、該データテーブルDTから対応する演出データを選定して表示装置14や表示装置38に表示するように制御する。
図11は、各表示装置(各画像制御基板)に対応するデータテーブルDTのデータ構造例を説明する図である。同図に示すように、データテーブルDTは、配牌予告演出制御プログラムP25が送信する配牌予告演出コード、各種の制御コマンド(配牌予告演出開始コマンド、連動表示オブジェクト表示開始コマンド、連動表示オブジェクト移動開始コマンドなど)に対応づけて、各演出データを格納している。
なお、表示装置14への表示制御において、画像制御基板Kcの演出制御プログラムP323は、図4に示すように表示装置14上に表示されている手牌表示部35及び自摸牌表示部36を除く他の領域、即ち、捨て牌表示部34、ビッグゲーム和り役表示部32、チャンスゲーム和り役表示部33、和り牌表示部31、遊技メダル貯留枚数表示部26、残り遊技球数表示部27、表ドラ表示部29、裏ドラ表示部30、及び風牌表示部28を、所定の時間だけ一旦消去する形で、該消去した領域の全体に、上記選定した演出データに基づく演出を上書き表示する。この際、後述の音声・効果音出力プログラムP41により、表示装置14上の演出に対応するように予め設定された効果音がスピーカ6から出力される。上書き表示する時間(つまり、上記所定の時間)は、設計に応じて適宜変更し得るものであるが、例えば、10〜20秒程度の比較的短い時間に設定することがゲーム全体の進行をスムーズにする上で好ましい。そして、演出制御プログラムP323は、上記所定の時間が経過した時点で上記演出データの出力を停止し、表示装置14の表示を図4に示す状態に復帰させる。
音声・効果音出力プログラムP41は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、遊技の進行に伴って各種の演出用音声や効果音或いは警告音をスピーカ6から出力するためのプログラムである。
なお、上記説明では、画像制御基板Kc、Kdの双方が有するプログラムについてはまとめて説明したが、例えば画面表示プログラムP32によって表示される各表示装置への表示内容は、画像制御基板KcとKdとで異なっていてよい。例えば、和り牌に係るアシスト時の演出に関しては、画像制御基板Kcの画面表示プログラムP32により表示装置14に表示されるアシスト演出用画像と、画像制御基板Kdの画面表示プログラムP32により表示装置38に表示されるアシスト演出用画像とでは、異なる内容が表示される。
上記した各制御基板Ka、Kb、Kc、Kdの動作を制御するプログラムは、アセンブラ言語、C言語或いはVisual Basic言語等を利用して開発され、各基板のCPU40が実行可能なプログラムである機械語プログラムに翻訳したプログラムとして各制御基板Ka、Kb、Kc、KdのROM41に記憶されている。
続いて、上述した雀球遊技機1の遊技手順とこの手順に伴う各プログラムの処理の概要について、図12のフローチャートを参照しつつ説明する。
1遊技(ゲーム)は、遊技者がメダル投入口15へメダルを投入して、遊技開始ボタン24を押圧して、自動配牌プログラムP5が14個の手牌を配牌することによりスタートする。そして、1遊技は、遊技者による捨て牌ボタン16a、16b、…、等の各種の操作ボタンの押下や、センサから発生する入力信号及び制御信号に基づいて作動する各プログラムの制御に従って進行して行くことになる。
まず、ステップS1の初期設定処理において、雀球遊技機1の電源がONされると、メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は、メイン制御基板KaのRAM42の記憶領域を初期化する。続いて、メイン基板動作制御プログラムP1は、電源ON時の初期化制御コマンドをサブ制御基板Kbに、サブ制御基板Kbはこの初期化制御コマンドを画像制御基板Kc、Kdに伝送する。サブ制御基板Kb、画像制御基板Kc、Kdはこの初期化制御コマンドを受信すると、RAM42の記憶領域を初期化すると共に、画像制御基板Kcに搭載されている初期演出表示プログラムP3211は、電源ON時の演出画面、例えば、風景画面を表示装置14に表示する等の処理を行う。
なお、サブ制御基板Kbがこの電源ON時の初期化制御コマンドを受信すると、サブ基板動作制御プログラムP21は、前記したようにサブ制御基板KbのROM41に記憶している各種の画像データ、音声・効果音データを画像制御基板Kcに伝送し、画像制御基板Kcの画像基板動作制御プログラムP31は、受信したこれら画像、音声・効果音データをRAM42に記憶する処理を行う。
そして、ステップS2の遊技進行処理において、遊技者がメダル投入口15にメダルを投入すると、メイン基板動作制御プログラムP1がそのメダル投入信号を検出し、これに伴いメダル管理プログラムP3が遊技メダル貯留枚数を「1」加算する処理を行う。続いて、遊技者が遊技開始ボタン24を押圧し、メイン基板動作制御プログラムP1がこの遊技開始ボタン24からゲーム開始信号を検出すると、1ゲームの遊技が開始できる状態になる。すると、メイン基板動作制御プログラムP1は、ゲーム開始の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに伝送する。画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、この制御コマンドに基づいて、ゲーム開始時の演出画像を表示装置14に表示すると共に、音声・効果音出力プログラムP41により音声をスピーカ6から出力する。このようにして、雀球遊技機1の1ゲームが開始される。
続いて、ステップS3の配牌処理では、メイン基板動作制御プログラムP1の制御により、自動配牌プログラムP5が作動して、ゲームを開始するために必要な14個の配牌の図柄をプログラム処理により自動的に決める。自動配牌プログラムP5は、自動配牌した14個の図柄コードをRAM42の手牌記憶領域に順次記憶した後、所定の順序、例えば、図柄コードの上昇順、すなわち、萬子、筒子、索子、風牌、三元牌の順に並び替えて(ソート)手牌記憶領域に記憶する。
引き続き、自動配牌プログラムP5は、この14個の配牌された図柄コードを、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信する。
サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、この配牌された図柄コードを受信すると、RAM42に記憶すると共に、配牌予告演出制御プログラムP25に制御を移行する。その結果、上述した配牌予告演出が実行される。
配牌予告演出が終了すると、サブ基板動作制御プログラムP21は、画像制御基板Kcに14個の配牌された図柄コードを送信する。また、現時点の遊技の場において開示されている牌の開示個数を開示個数テーブルにカウントする処理を行う。
画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、14個の配牌の図柄コードを受信すると、図4に示すような牌の図柄の画像を表示装置14の手牌表示部35と自摸牌表示部36に表示する処理を行う。なお、14個の自動配牌が決定されていない間は、手牌表示部35、自摸した牌の図柄を表示する自摸牌表示部36には、初期画面として牌の裏面又は無表示の図柄を表示する処理を行う。
そして、ステップS4のドラ抽選処理では、メイン制御基板Kaのドラ抽選プログラムP7は、表ドラ及び裏ドラを抽選して、その牌の図柄コードについて、入賞判定プログラムP8、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212に送信する。該ゲーム演出表示プログラムP3212は、送信されてきた表ドラ及び裏ドラの牌の図柄コードに基づき、図4に示すような表ドラ及び裏ドラの牌の図柄の画像を表示装置14の表ドラ表示部29と裏ドラ表示部30に表示する処理を行う。また、入賞判定プログラムP8は、後述の和り役が成立した際に(S9)、表ドラ及び裏ドラの牌の図柄コードに基づき、当該和り役に対して点数を加算する(表2参照)。
続いて、ステップS5の特別遊技役等決定表示処理では、特別役選定プログラムP6(ただし、通常遊技の遊技を行っているときに作動し、ビッグ役成立時の継続中のゲームにおいては作動しない)が作動して、不図示のテーブルを選択・抽選して、ビッグ役及びチャンス役の選定を行う。そして、特別役選定プログラムP6の処理により決定されたビッグ役及びチャンス役の和り役の各データ(コード化されたデータ)は、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信される。
画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、ビッグ役及びチャンス役を獲得できる和り役のコードを受信すると、ビッグ役とチャンス役をそれぞれビッグゲーム和り役表示部32、チャンス和り役表示部33に表示する処理を行う。
そして、ステップS6の遊技開始処理において、メイン基板動作制御プログラムP1は、自動配牌された14個の牌の図柄、ビッグ役、チャンス役、表ドラ等を表示装置14に表示させる制御が完了すると、表示装置14に遊技の開始条件が整ったことを遊技者に画面表示又は音声で知らせるように制御する。続いて、メイン基板動作制御プログラムP1は、入賞判定プログラムP8を作動させて、自動配牌された14個の手牌が既に和り役を完成しているか否かを判定させる処理を行う。なお、サブ制御基板Kbの配牌予告演出制御プログラム25において配牌に関する入賞判定プログラムP8の判定結果を利用する場合は、ステップS3において自動配牌プログラムP5に続いて入賞判定プログラムP8を作動させて、その結果をサブ制御基板Kbに送信するように構成する。
自動配牌された14個の牌の図柄が和り役を完成していない場合には、メイン基板動作制御プログラムP1は、遊技者に手牌の中から不要な1個の牌を捨てる操作を促すための画面表示を行う制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kc、Kdに送信する。画像制御基板Kc、Kdがこの制御コマンドを受信した際、ゲーム演出表示プログラムP3212は、手牌の中から不要な1個の牌を捨てる操作を促すためのメッセージを表示装置14及び表示装置38に表示する処理を行う。このとき、音声・効果音出力プログラムP41を作動させて、音声と共に促す処理を行うようにしてもよい。
また、万が一、この判定処理で和り役を完成している場合には、入賞判定プログラムP8は、予め設定された如何なる和り役で上がっているかの判定と遊技者が獲得できる得点(獲得メダル枚数)を前記表2のデータを参照して決定する。更に、入賞判定プログラムP8は、これら和り役、獲得した得点等を、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。画像制御基板Kcは、これら和り役と獲得した得点等を受信すると、ゲーム演出表示プログラムP3212は、表示装置14に和り役、獲得した得点、その他の演出画像を表示装置14に所定の時間ほど表示する処理を行う。
また、この和り役を完成している場合において、上記選定されたビッグ役及びチャンス役が成立している際は、チャンスゲーム又はビッグゲームの特別遊技が開始制御される。
上述のように、自動配牌された14個の牌の図柄が和り役を完成していない場合には、ステップS7の捨て牌・自摸牌処理において、遊技者は、手牌表示部35と自摸牌表示部36に表示されている牌の図柄から、捨て牌を選択する操作を行うことになる。そして、遊技者は捨てる牌の図柄を決定すると、この捨て牌の図柄に対応する捨て牌ボタン16a、16b、16c、…、或いは自摸牌捨てボタン17のいずれか1つを選択(オン)してこの牌を捨てる。この捨て牌選択信号に基づいて、メイン基板動作制御プログラムP1は、捨て牌操作を行って捨て牌とした牌の図柄コードをRAM42に記憶し、更に、RAM42の手牌記憶領域に記憶している手牌の中から捨て牌とした図柄コードを削除して、手牌を13個にする処理を行う。
続いて、メイン基板動作制御プログラムP1は、捨て牌とした図柄コードと、13個になった手牌の図柄コードを制御コマンドと共に、サブ制御基板Kbとサブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する処理を行う。画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、捨て牌とした図柄コードを受信するとその図柄コードに対応する牌の図柄を捨て牌表示部34に表示し、13個の手牌の図柄コードを受信するとこれらの図柄コードに対応する牌の図柄を手牌表示部35に表示する処理を行う。このとき、自摸牌表示部36には、図4に示すように、牌の裏面等を表示するようにする。
一方、サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、上記13個の手牌の図柄コードを受信すると、和り牌判定プログラムP24を構成する聴牌パターン判定プログラムP241、和り牌種判定プログラムP242、和り牌判定抽出プログラムP243を作動させて、前記したように、現在の13個の手牌に対して、和り役を完成させるために次に自摸すべき牌(自摸牌)の有無を判定し、和り役を完成させる牌(自摸牌)が抽出された場合には、この牌の図柄を表示装置14に表示させる処理を行う。
続いて、ステップS8の遊技球発射処理において、メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は、上記した遊技者による捨て牌・自摸牌の操作に関する処理が終了すると、遊技球管理プログラムP4を作動させて、遊技球を遊技球発射位置に一球送る処理を行う。すると、遊技者は、遊技球発射レバー4を操作して、遊技盤面2内に遊技球を発射できる状態になる。
遊技者が遊技球を発射し、この遊技球が入球口11a、11b、11c、…の何れかに入球すると、入球口11夫々に設けられたセンサの対応するものが遊技球を検出し、それにより入球信号が発生する。遊技球管理プログラムP4はこの入球信号を解読し、入球した入球口に対応する牌(自摸牌)の図柄コードを手牌記憶領域に記憶する処理を行う。
続いて、ステップS9の手牌判定処理において、入賞判定プログラムP8が作動し、14個となった手牌が和り役を完成しているか否かを判定する。そして、手牌が和り役を完成している場合には、前記したように、予め設定された如何なる和り役で上がっているかの判定と遊技者が獲得できる得点を求め、これらのデータを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する処理を行う。一方、和り役を完成していない場合には、前記したように、遊技者は14個の手牌の中から不要と思われる1個の牌を捨てる捨て牌の操作を行うことになる。
このようにして、遊技者が遊技球発射レバー4を操作して遊技盤面2内に遊技球を発射して、聴牌状態になり、かつ残り遊技球数表示部27に「1」以上の数値の表示がある場合、遊技者は牌を捨てる操作を行う前に、リーチボタン18を操作してリーチをかけることができる。ただし、前記条件を満たしていない場合(聴牌状態になっていない場合)には、リーチボタン18を操作してリーチをかけることができない。リーチボタン18を操作した後は、捨て牌ボタン16a、16b、16c、…のいずれか1つを操作して手牌の中から1つの牌の図柄を捨てるか、自摸牌捨てボタン17を操作して自摸牌切りを行うと、捨て牌表示部34に捨て牌の図柄が横向きに表示するようにする。また、裏ドラ表示部30には裏ドラの図柄を表示するようにする。
このリーチ操作に関する制御では、例えば、次のような処理を行う。まず、メイン基板動作制御プログラムP1は、捨て牌ボタン16a、16b、等からの操作信号を検出し、聴牌パターン判定プログラムP241の聴牌判定処理により現在の手牌が聴牌状態になっているとの判定結果が得られた後、リーチボタン18の操作信号を検出すると、リーチがかかったという制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、上記制御コマンドを受信すると、この直後に送信されてくる捨て牌の図柄コードの図柄は、捨て牌表示部34に横向きに表示する処理を行う。
なお、ゲームの場がリーチ状態になると、遊技者が発射した遊技球が入球口11a、11b、11c、…に入球した図柄に対応する牌(自摸牌)が和り役を完成させる牌にならないときには、メイン基板制御プログラムP1は、この自摸牌を自動的に捨て牌として処理するようにすると、遊技者は、リーチ操作後は捨て牌ボタン16a、…等を操作する必要がなくなる。
ところで、入賞判定プログラムP8の制御により、1ゲームで獲得できる得点は、例えば、最高10点までとしその上限が設定されている。また、和り役が2種類以上同時に成立した場合には、それぞれの和り役に与えられる得点が加算された得点がそのゲームの得点になる。同様に、手牌中に表ドラ及び裏ドラと同一の牌の図柄が含まれている場合には、そのドラ牌に対しても得点、例えば、ドラ1個に付き1点の得点が加算される。ゲームで獲得した得点の1点がメダル1枚に該当する。ただし、当該ゲームで獲得した得点数の合計が10点を超えた場合は、獲得できるメダル枚数(得点)は全て10枚になる。
ついで、ステップS10の遊技終了処理では、入賞判定プログラムP8は、遊技が終了するまでの間に、つまり、残り遊技球数が0になって遊技終了ボタン23が押下されたとき、或いは遊技開始ボタン24が押下されたときに、表2の和り役の組合せが完成していない場合、ゲーム終了の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。すると、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212が、表示装置14に「ゲームオーバー」を表示し、遊技者に当該ゲームの終了を知らせる。
また、上記遊技終了処理では、和り役の組合せが完成した場合でも、残り遊技球数表示部27の表示(残り球個数)が「1」以上であるときは、更に自摸牌捨てボタン17、或いは捨て牌ボタン16a、16b、16c、…を操作した際、メイン基板動作制御プログラムP1の制御でゲーム継続の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。これにより、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212が、表示装置14に表示した和り役の説明及び獲得した得点の表示を消し、当該ゲームを続行できる状態にする。
また、和り役が完成して表示装置14に和り役の説明が表示されている場合に、遊技者が遊技終了ボタン23又は遊技開始ボタン24を操作した際には、メイン基板動作制御プログラムP1が、この入力信号の種類を解読してメダル管理プログラムP3を作動させ、RAM42に記憶しているメダル貯留枚数にこのゲームで獲得した得点を加算し、このメダル貯留枚数を、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。すると、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212が、メダル貯留枚数表示部26にこのメダル貯留枚数を表示する。そして、遊技者が遊技終了ボタン23を操作した後、遊技開始ボタン24を操作した際には、貯留したメダルの投入動作が自動的に行われ、メイン基板動作制御プログラムP1は、次のゲームを行うことができる状態にするために、画面表示の初期化の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の雀球遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した雀球遊技機も、本発明の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、竜巻オブジェクトを移動させる配牌予告演出について説明したが、オブジェクトとして何をモデル化したものを用いるかは設計に応じて定めることができる。また、上記実施形態では、表示装置38から表示装置14へオブジェクトを移動させているが、これとは逆に表示装置14から表示装置38へ移動させてもよく、例えば、表示装置14から表示装置38へ捨て牌オブジェクトを飛散させる画像表現にも適用できる。
また上記実施形態では、表示装置38と表示装置14の位置関係に応じて決定されるオブジェクト移動時間Tに基づき、表示装置14における竜巻オブジェクトの移動後の表示タイミングを決定する構成について説明したが、このような構成に加えて/代えて、表示装置38と表示装置14の位置関係に基づいて各表示装置における竜巻オブジェクトの表示サイズ又は/及び表示位置を制御する構成としてもよい。
例えば、配牌予告演出が一つの竜巻オブジェクトを表示装置38及び表示装置14にわたって表示する演出を含む場合を想定する。このとき、各表示装置に表示される竜巻オブジェクトの表示サイズ及び表示位置は、図13に模式的に示すように、表示装置38と表示装置14の位置関係に基づいて、竜巻オブジェクトが表示装置38と表示装置14との間の領域にも存在するものとして決定する。配牌予告演出制御プログラムP25は、画像制御基板Kc、Kdに対して、前記決定した竜巻オブジェクトの表示サイズ及び表示位置の情報を送信し、表示装置38及び表示装置14における竜巻オブジェクトの表示サイズ及び表示位置を制御して、連動表示を実現する。
このように構成することで、表示装置38及び表示装置14にわたって竜巻オブジェクトを表示する場合に、その表示を両表示装置の物理的な位置関係を反映させた自然なものとすることが可能となる。その結果、2画面の表示内容を違和感なく連動させて配牌予告演出を行うことができ、リアルさを向上させて、遊技者の配牌への期待感や遊技への熱中度をより高めることができる。
また例えば、14牌の配牌図柄コードが配牌予告を行う所定の配牌状態となっていない場合であっても、ダミーの配牌予告演出を行なうように構成してもよい。ダミーの配牌予告演出とは、通常の配牌予告演出と同じような内容で演出が開始されるが、配牌予告演出の最後まで実行されずに演出が終了するといったものである。このようなダミーの配牌予告演出をも採用することで、遊技者に配牌予告演出に対する興味を持続させることができ、遊戯の趣向性を更に高めることができる。特に、上記実施形態では、予告演出制御プログラムP25によるオブジェクト表示開始コマンドの送信をトリガーとして各表示装置におけるオブジェクトの表示を開始する構成としていることから、配牌予告演出制御プログラムP25が、表示装置38の画像制御基板Kdにオブジェクト表示開始コマンドを送信する一方、表示装置14の画像制御基板Kcにはオブジェクト表示開始コマンドを送信しないように制御すれば、上記のようなダミーの配牌予告演出を容易に実現することができる。
なお、上記実施形態では、配牌予告演出制御プログラムP25がオブジェクト表示開始コマンド等を送信して連動表示における表示タイミングを制御する構成としているが、画像制御基板Kc、Kdそれぞれについて予め連動表示が実現されるように表示タイミングや表示サイズ、表示位置などを設定した演出データを作成しておき、配牌予告演出制御プログラムP25が、画像制御基板Kc、Kdに対して同期を取って前記作成した演出データに基づく演出開始を指示することで、連動表示を実現するように構成してもよい。