JP2007215816A - パルスドプラ計測装置、その方法及びそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パルスドプラ計測装置1は、反射波から、周波数毎の位相を検出するフーリエ変換手段31と、周波数毎の位相について位相差を演算する位相差演算手段33と、その位相差に対して、予め定めた異なる複数の位相修正パターンで2πの整数倍の位相を加算又は減算する位相差修正手段341と、周波数と当該周波数における位相差とを座標点とする座標系において、位相修正パターン毎に周波数毎の座標点を直線に近似することで、その直線の傾きとその誤差とを演算する直線近似手段342と、その誤差が最小となる直線の傾きを、移動速度に対応する位相差の傾きとして選択する速度特定手段36と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
ここで、図9を参照して、従来のパルスドプラ法について、その概念を説明する。
パルスドプラ法は、図9(a)に示すように、送波器Sから、一定周期で超音波(送波パルス)を、動きを伴う対象物(例えば、血流)Bに送波し、受波器Rで、対象物Bからの反射波を受波する。このとき、1番目の送波と2番目の送波との間に対象物BがΔxだけ移動したとすると、図9(b)に示すように、伝播時間差Δtだけ受波波形がシフトする。
この移動量Δxと伝播時間差Δtとの関係は、伝播媒質中の音速をc〔m/s〕とすると、以下の(1)式で表される。
ここで、送波パルスの中心周波数をωc、ωcにおける位相差をΔθcとすると、図9(d)の直線の傾きはΔθc/ωcとなる。これが伝播時間差Δtに相当するため、前記(2)式より、以下の(3)式を得ることができる。
そして、このパルスドプラ法を用いた診断装置は、血流の速度を表示装置上にカラー表示させることにより、心臓、肝臓等の診断、血行動態のリアルタイムの診断等、多くの診断に利用されている。
しかし、パルスドプラ法を用いた診断装置では、前記(3)式に示すように、血流計測を反射波の位相変化により行っているため、図9(e)に示すように、血流の速さによっては、位相の折り返し(いわゆるエイリアシング)が発生し、正しい計測結果が得られないという問題がある。
また、別の手法として、パルスを異なる周期で対象物に送波し、それぞれ送波したパルスと反射波との位相差をとり、周期の差により発生する位相差の差を利用することで、対象物の速度を計測する手法(以下、2周期法という)が提案されている(特許文献3参照)。
また、従来の手法では、実際の血流計測において、血管壁、骨等の動きのない反射体からの反射波を拾ってしまうクラッタ成分を除去するため、反射波の位相の差に基づいて、動きのない反射体からの反射波の信号を除去するMTI(Moving Target Indication)フィルタを使用している。
しかし、実際の生体内の血流計測において、精度を高めることができない原因は、各々の赤血球からの反射波の干渉による位相の変動であることを、本発明者は解明した。
これに対し、従来の手法(2周波法、2周期法)は、干渉による位相変動の影響を考慮していないため、計測の精度を高めることができなかった。すなわち、従来の手法においては、位相差の差を求めるため、位相の変動による影響を強く受けることになり、エイリアシングの問題は解決できても、計測の精度を逆に劣化させることとなっていた。
また、パルスドプラ計測装置は、スペクトル解析手段によって、反射波から、周波数毎の位相を検出する。すなわち、スペクトル解析手段は、送波したパルスにおける1つの周波数だけでなく、予め定めた複数の周波数における位相を検出する。
そして、パルスドプラ計測装置は、位相差修正手段によって、周波数毎の位相差に対して、予め定めた異なる複数の位相修正パターンで2πの整数倍の位相を加算又は減算することで位相差を修正する。この位相修正パターンは、どの周波数の位相差に対して2πの整数倍の位相を加算又は減算するかを示すものである。なお、この位相修正パターンは、最大周波数から順に2πの整数倍を加算又は減算するパターンが望ましい。これによって、位相の折り返し(エイリアシング)が発生する場合であっても、その折り返しを補正する方向に位相差が修正されることになる。
そして、パルスドプラ計測装置は、速度特定手段によって、直線近似手段で演算された誤差が最小となる直線の傾きを、対象物の移動速度に対応する位相差の傾きとして選択する。
さらに、パルスドプラ計測方法は、位相差演算ステップで、スペクトル解析ステップで検出された周波数毎の位相について、周期毎に位相差を演算する。この位相差は、対象物が移動することによる移動量に相当するため、対象物の速度に対応することとなる。
また、パルスドプラ計測方法は、直線近似ステップで、周波数と当該周波数における位相差とを座標点とする座標系において、予め定めた複数の位相修正パターン毎に、周波数毎の座標点を直線に近似することで、その直線の傾きと、その誤差とを演算する。
そして、パルスドプラ計測方法は、速度特定ステップで、直線近似ステップで演算された誤差が最小となる直線の傾きを、対象物の移動速度に対応する位相差の傾きとして選択する。
さらに、パルスドプラ計測プログラムは、位相差演算手段によって、スペクトル解析手段で検出された周波数毎の位相について、周期毎に位相差を演算する。
そして、パルスドプラ計測プログラムは、位相差修正手段によって、周波数毎の位相差に対して、予め定めた異なる複数の位相修正パターンで2πの整数倍の位相を加算又は減算することで位相差を修正する。
そして、パルスドプラ計測プログラムは、速度特定手段によって、直線近似手段で演算された誤差が最小となる直線の傾きを、対象物の移動速度に対応する位相差の傾きとして選択する。
請求項1、請求項4又は請求項5に記載の発明によれば、反射波の位相差にエイリアシングが発生する場合であっても、その発生したエイリアシングを複数の周波数における位相差によって、修正することができる。これによって、本発明は、対象物の速度を計測する際の誤計測を防止することができる。
[パルスドプラ計測方法(広帯域ドプラ法)の基本原理]
最初に、図3及び図4を参照して、本発明に係るパルスドプラ計測方法の基本原理について説明する。なお、ここでは、本発明に係るパルスドプラ計測方法を「広帯域ドプラ法」と呼び、一般的なパルスドプラ計測方法を「従来のパルスドプラ法」と呼ぶこととする。
図4は、広帯域ドプラ法におけるエイリアシングが発生した場合の位相差の修正を説明するためのグラフ図である。なお、図4では、横軸を周波数、縦軸を位相差としている。
すなわち、従来のパルスドプラ法は、中心周波数ωcのみを使用するため、比較的パルス長の長い狭帯域なバースト波を用いるのに対し、広帯域ドプラ法は、逆に、複数の周波数を使用するため、広帯域のパルス波を用いることとしている。
なお、ここでは、位相差に2πを加算する例を示しているが、対象物B(図1参照)の動きが逆の場合は、位相差の傾きが負となるため、位相差から2πを減算ことにより位相差の修正を行うこととする。
以下、この広帯域ドプラ法を実現するためのパルスドプラ計測装置の構成とその動作について詳細に説明を行う。
まず、図1を参照して、本発明に係るパルスドプラ計測装置の構成について説明する。図1は、パルスドプラ計測装置の構成を示すブロック図である。
図1に示したパルスドプラ計測装置は、対象物に対して超音波を一定の周期で送波し、その反射波に基づいて、対象物の移動速度を計測するものである。なお、ここでは、パルスドプラ計測装置1は、生体内の血流の速度を計測するものとして機能させることとする。
図1に示すように、パルスドプラ計測装置1は、送受波装置2と、制御装置3とを備えている。
例えば、従来使用されていたパルス長が2.4μs(マイクロ秒)に対し、1.0μsのパルス長の送波パルスを使用する。このパルス長は、その帯域内に複数の周波数(図3(b)参照)が設定可能な長さであればよい。
ここで、時刻tにおける(k−1)番目の反射波をfk−1(t)、フーリエ変換後の周波数ωにおけるスペクトル値をFk−1(ω)とする。また、時刻(t+T)におけるk番目の反射波をfk(t)=fk−1(t+Δt)とする。ここでTは送波パルスの時間間隔で、Δtは対象物Bの移動により生じた伝搬時間の変化量である。すると、k番目の反射波fk(t)をフーリエ変換した後の周波数ωにおけるスペクトル値Fk(ω)は、以下の(4)式で表される。
このMTIフィルタ32でフィルタリングされたフィルタリングされた信号は、位相差演算手段33に出力される。
そこで、従来のパルスドプラ法では、MTIフィルタにおいて、図5(a)に示すように、ブラインド速度が発生しない速度範囲(例えば、図中、速度範囲W)でフィルタリングを行い、速度の計測を行っている。
図1に戻って、パルスドプラ計測装置の構成について、説明を続ける。
すなわち、位相差演算手段33は、送受波をa回行う場合、以下の(5)式により平均クロススペクトルC(ω)を演算する。ただし、*は複素共役を示している。
この位相差演算手段33で演算された位相差(平均クロススペクトルの位相)は、位相差傾き演算手段34に出力される。
なお、位相差は、通常、以下の(6)式で表されるため、位相差演算手段33は、送受波をa回行う場合、以下の(7)式により平均の位相差Δθを求めることとしてもよい。
なお、ここでは、最大周波数から順に位相差に2πを加算する例を示しているが、対象物B(図1参照)の動きの逆の場合は、2πを減算する。
図6で説明した位相の傾きを修正するため、ここでは、位相差傾き演算手段34は、位相差修正手段341と、直線近似手段342とを備えている。
ここでは、位相差修正手段3411〜341nが、周波数毎に位相差に2πを加算する処理を並列処理する。これによって、例えば、図6(b)〜(d)で示した位相差に2πを加算する処理が、個々の位相差修正手段3411〜341nによって、並列に処理される。
この位相差修正手段341で修正された位相差(平均クロススペクトルの位相)の値は、当該位相差修正手段341に対応する直線近似手段342に出力される。
そして、直線近似手段342は、近似した直線の傾き(位相差の傾き)と、最小二乗法における誤差とを速度特定手段36に出力する。
まず、平均クロススペクトルの位相θnを以下の(8)式、振幅qnを以下の(9)式とする。
また、直線の傾き(位相差の傾き)kは、以下の(10)式で表される。
このとき、平均クロススペクトルの振幅(振幅スペクトル)qnで重み付けられた誤差の二乗和、すなわち、eTQeを最小にする傾きkの推定量keは、以下の(11)式で求められる。
ここでは、修正パターン記憶手段35には、位相修正の対象となる周波数分の位相修正パターンが記憶されている。なお、この位相修正パターンには、位相を加算する対象となる周波数を示す位置と、その加算量を記述しておく。
この位相修正パターンにおいて、「0」は位相の加算を行わないことを示す。また、「1」、「2」、「3」、「4」はそれぞれ「1×2π」、「2×2π」、「3×2π」、「4×2π」の位相の加算を行うことを示している。
また、ここでは、2πの整数倍の位相を加算する位相修正パターンのみを示しているが、この位相修正パターンは、対象物の動きが逆の場合は、逆に2πを減算するパターンを示すこととする。また、対象物の動きの方向が予め定まっていない場合は、2πを加算するパターンと、減算するパターンとを合わせて設定しておくことが望ましい。
図1に戻って、パルスドプラ計測装置の構成について、説明を続ける。
なお、この誤差が最小となる直線は、位相差の位相の折り返し(エイリアシング)を適正に修正したものであるため、対象物Bの動きにより位相の折り返しが発生する場合であっても、正しく対象物Bの速度が特定されることになる。
ここでは、位相差修正手段341と直線近似手段342とを複数備え、並列に位相差の傾き(直線の傾き)を求めることとしたが、位相差修正手段341と直線近似手段342とをそれぞれ1つの構成とし、位相差の傾き(直線の傾き)をシリアルに順次演算することとしてもよい。
なお、パルスドプラ計測装置1は、生体内の血流を計測する以外にも、前記した飛行機の速度測定や、雲の動きを測定する気象レーダ等、動きのある物体の速度計測に利用することができる。
次に、図2を参照(適宜図1参照)して、本発明に係るパルスドプラ計測装置の動作について説明する。図2は、パルスドプラ計測装置の動作を示すフローチャートである。
まず、パルスドプラ計測装置1は、送受波装置2の送波手段21によって、超音波を一定の周期で対象物Bに送波し(ステップS1)、受波手段22によって、対象物Bから反射される反射波を受波する(ステップS2)。この受波した反射波は、デジタル信号に変換されて制御装置3に出力される。
そして、パルスドプラ計測装置1は、制御装置3のフーリエ変換手段31によって、反射波に対して高速フーリエ変換(FFT)を行うことで、スペクトルを検出する(ステップS3)。
(フィルタリングステップ)
そして、パルスドプラ計測装置1は、MTIフィルタ32によって、ステップS3で検出されたスペクトルの位相回転の大きさによって、クラッタ成分を除去する(ステップS4)。
そして、パルスドプラ計測装置1は、位相差演算手段33によって、隣接する周期間における位相差を周波数毎に演算する(ステップS5)。なお、ここでは、位相差として、前記(5)式に示すように、平均クロススペクトルの位相を演算する。
すなわち、パルスドプラ計測装置1は、位相差修正手段3411によって、当該位相差修正手段3411に対応する位相修正パターンを修正パターン記憶手段35から読み出す(ステップS61)。
そして、位相差修正手段3411は、周波数毎の位相差(平均クロススペクトルの位相)に、位相修正パターンに対応して、2πの整数倍の位相を加算する(ステップS71)。
その後、パルスドプラ計測装置1は、直線近似手段3421によって、周波数と当該周波数における位相差とを座標点とする座標系において、各座標点を、最小二乗法により原点を通る直線に近似することで、その直線の傾き(前記(11)式参照)と、その誤差(前記(12)式参照)とを演算する(ステップS81)。
ステップS62〜ステップS82、…、ステップS6n〜ステップS8nの動作については、ステップS61〜ステップS81の動作において、位相修正パターンが異なるだけであるため説明を省略する。
なお、ここでは、位相差傾き演算手段34の動作を、位相修正パターン毎に並列に動作させることとしたが、単一の位相差修正手段341と直線近似手段342とにより、ステップS61〜ステップS81、ステップS62〜ステップS82、…、ステップS6n〜ステップS8nの動作を順次行うこととしてもよい。
そして、パルスドプラ計測装置1は、速度特定手段36によって、ステップS81、S82、…、S8nで演算された誤差が最小となる直線の傾きを、対象物Bの移動速度に対応する位相差の傾きとして選択する(ステップS9)。
以上の動作によって、パルスドプラ計測装置1は、広帯域の周波数を用いて計測を行うため、対象物Bの動きにより位相差において位相の折り返しが発生する場合であっても、正しく対象物Bの速度を特定することができる。また、パルスドプラ計測装置1は、個々の周波数においてブラインド速度が発生しても、計測する周波数領域において、ブラインド速度が発生しないため、推定可能な速度領域を従来よりも拡大させることができる。
最後に、従来の手法(従来のパルスドプラ法、2周波法)と、本発明に係るパルスドプラ計測装置1による広帯域ドプラ法との速度推定の評価結果について説明する。
ここでは、一次元多数散乱体モデルを用いて、速度推定のシミュレーションを行った。シミュレーションの条件は、以下の表に示す通りである。
また、図8(b)に示すように、従来の2周波法では、エイリアシングは発生していないものの、干渉による位相変動の影響を受けるため、推定した速度に大きなばらつきが発生している。なお、このシミュレーション結果は、従来の2周期法にも同様のことが言える。
しかし、図8(c)に示すように、本発明に係る広帯域ドプラ法では、エイリアシングが発生せず、さらに図8(a)の従来のパルスドプラ法に比べ、推定速度のばらつきが小さく、±1.4m/sの範囲で精度よく速度推定がなされている。
このように、本発明に係る広帯域ドプラ法は、エイリアシングが発生せず、散乱体からの反射波の干渉の影響が少なく、精度よく速度推定を行うことができる。
2 送受波装置
21 送波手段
22 受波手段
3 制御装置
31 フーリエ変換手段(スペクトル解析手段)
32 MTIフィルタ(フィルタリング手段)
33 位相差演算手段
34 位相差傾き演算手段
341 位相差修正手段
342 直線近似手段
35 修正パターン記憶手段
36 速度特定手段
Claims (5)
- 対象物に対して超音波を一定の周期で送波し、その反射波に基づいて、前記対象物の移動速度を計測するパルスドプラ計測装置であって、
前記超音波を前記対象物に送波する送波手段と、
前記対象物からの前記超音波に対する反射波を受波する受波手段と、
この受波手段で受波した反射波から、周波数毎の位相を検出するスペクトル解析手段と、
このスペクトル解析手段で検出された周波数毎の位相について、前記周期毎に位相差を演算する位相差演算手段と、
前記周波数毎の位相差に対して、予め定めた異なる複数の位相修正パターンで2πの整数倍の位相を加算又は減算することで前記位相差を修正する位相差修正手段と、
前記周波数と当該周波数における位相差とを座標点とする座標系において、前記複数の位相修正パターン毎に、前記周波数毎の座標点を直線に近似することで、その直線の傾きと、その誤差とを演算する直線近似手段と、
この直線近似手段で演算された前記誤差が最小となる直線の傾きを、前記移動速度に対応する位相差の傾きとして選択する速度特定手段と、
を備えていることを特徴とするパルスドプラ計測装置。 - 前記位相差演算手段は、前記周波数毎の位相差を、予め定めた送受波回数毎に平均化することを特徴とする請求項1に記載のパルスドプラ計測装置。
- 前記スペクトル解析手段で検出された位相に基づいて、クラッタ成分を除去するフィルタリング手段を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパルスドプラ計測装置。
- 対象物に対して超音波を一定の周期で送波し、その反射波に基づいて、前記対象物の移動速度を計測するパルスドプラ計測方法であって、
前記超音波を前記対象物に送波し、前記対象物からの反射波を受波する送受波ステップと、
前記反射波から、周波数毎の位相を検出するスペクトル解析ステップと、
このスペクトル解析手段で検出された周波数毎の位相について、前記周期毎に位相差を演算する位相差演算ステップと、
前記周波数毎の位相差に対して、予め定めた異なる複数の位相修正パターンで2πの整数倍の位相を加算又は減算することで前記位相差を修正する位相差修正ステップと、
前記周波数と当該周波数における位相差とを座標点とする座標系において、前記複数の位相修正パターン毎に、前記周波数毎の座標点を直線に近似することで、その直線の傾きと、その誤差とを演算する直線近似ステップと、
この直線近似ステップで演算された前記誤差が最小となる直線の傾きを、前記移動速度に対応する位相差の傾きとして選択する速度特定ステップと、
を含んでいることを特徴とするパルスドプラ計測方法。 - 対象物に対して一定の周期で送波された超音波に対する反射波に基づいて、前記対象物の移動速度を計測するために、コンピュータを、
前記反射波から、周波数毎の位相を検出するスペクトル解析手段、
このスペクトル解析手段で検出された周波数毎の位相について、前記周期毎に位相差を演算する位相差演算手段、
前記周波数毎の位相差に対して、予め定めた異なる複数の位相修正パターンで2πの整数倍の位相を加算又は減算することで前記位相差を修正する位相差修正手段、
前記周波数と当該周波数における位相差とを座標点とする座標系において、前記複数の位相修正パターン毎に、前記周波数毎の座標点を直線に近似することで、その直線の傾きと、その誤差とを演算する直線近似手段、
この直線近似手段で演算された前記誤差が最小となる直線の傾きを、前記移動速度に対応する位相差の傾きとして選択する速度特定手段、
として機能させることを特徴とするパルスドプラ計測プログラム。
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