JP2007207679A - 燃料電池用中空白金触媒粒子、膜電極接合体、それらの製造方法および燃料電池 - Google Patents

燃料電池用中空白金触媒粒子、膜電極接合体、それらの製造方法および燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】中空白金触媒粒子を用いて、高活性で、物質移動に優れ、かつ白金粒子の連結した構造を有し、電子伝導性に優れた燃料電池用膜電極接合体を提供する。
【解決手段】酸またはアルカリにより溶解除去される一次粒径が5nm以上5μm以下の粒子からなる基体11の表面に白金薄膜12を被覆してなる白金被覆粒子18において、該白金被覆粒子から前記基体を溶解除去して中空部分14を形成してなる中空白金触媒粒子1を含有する燃料電池用触媒電極を、固体高分子電解質膜の片側あるいは両面に配置してなる燃料電池用膜電極接合体。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池用中空白金触媒粒子、膜電極接合体、それらの製造方法および燃料電池に関する。
近年、エレクトロニクス分野においては、携帯電話や携帯情報端末(PDA)、ノートPC、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなど携帯用電子機器の多機能化及び処理情報量の増大化が進み、消費電力量が益々大きくなっている。これに応じて、搭載電池の高エネルギー密度化及び高出力密度化は強く要望されている。
現在、携帯電子機器用バッテリーとしての主流はLiイオン二次電池であり、さらに電池容量を上げるための技術開発は盛んに行なわれてはいるが、そのエネルギー密度を現在の段階からユーザーニーズを満たすほどに飛躍的に向上させることは難しい。そこで、従来の二次電池の延長ではない、新しいコンセプトの導入、即ち燃料電池の登場が期待されている。
燃料電池は水素と酸素を化学反応させて得られる化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換するものである。そして、水素自身のエネルギー密度が高い点と、酸素を外気から取り入れる場合はカソード側の活物質を持たなくて良い点から、体積及び重量あたりのエネルギー量を、従来の電池に比べて飛躍的に高めることができる。
中でも固体高分子型燃料電池(PEFC)は、フレキシブルなポリマー膜を電解質とする全固体型のため、ハンドリング性が良く、構造はシンブルであり、低温作動で起動停止が早いなどの特徴を有していることから、携帯用電子機器搭載用に適している。
固体高分子型燃料電池の触媒には、白金黒ないしは白金をカーボン担体に担持させたもの、あるいは白金を含む貴金属をカーボン担体に担持させたものが広く用いられている。これらの触媒粒子は高分子電解質溶液と混練してスラリー状にされ、ポロテトラフルオロエチレン(PTFE)などからなる支持シート上にドクターブレード法などで展開・塗布されることで触媒電極を形成する。次いで、支持シート上に形成された触媒電極を高分子電解質膜の両側に熱転写することで、膜電極接合体を形成する。
燃料電池の特性は、一般にカソード側の過電圧の大きさに律速される。これは電極での触媒活性が、アノードの水素酸化反応に比べ、カソードの酸化還元反応で非常に低いためである。作動温度が低い固体高分子型燃料電池では、カソード過電圧が電池効率ロス全体の実に80%近くを占める。このため、電極単位面積あたりにおいて十分な出力を得るためには、多量の白金触媒の使用が必要となっている。
白金は希少であり、高価な材料であるために、電池コストを引き下げるためにも、白金の利用率を向上して使用量を低減させる必要がある。例えば、特許文献1では、カーボンブラック担体の細孔の内、直径が8nm以下の細孔が占める容積を0.5cm3/g以下とすることで、電解質が入り込めない担体細孔内への白金の担持を防ぎ、利用率を向上させている。
特開平9−167622号公報
このように白金を超微粒子化し、担体へ高分散担持させることで、利用率を高め、使用量の低減が図られている。しかしながら、白金担持カーボンを用いた場合の燃料電池の発電特性は、白金黒を用いた場合の発電特性には及ばないのが現状である。これは、実際の白金担持カーボンにおける電極の被覆状態が、必ずしも理想的な三相界面を形成していないからである。白金担持カーボンは一般に、粒径が10乃至50nmの一次粒子が数珠状に連なった構造のカーボンブラック表面に、粒径1乃至5nmの白金微粒子を担持してなる。白金粒子はカーボンブラック表面の微細孔に埋没したり、高分子電解質が不均一に分布した状態になっていることから高分子電解質に被覆されてなかったりするため、反応に寄与できないものも多く、そのため触媒活性が十分でない。
白金担持カーボンで触媒活性を高めるためには、触媒電極の膜厚を大きくし、白金の担持量を増やす必要があるが、厚膜化することで、特にカソード側においては、酸素供給と生成水の排水という物質移動が妨げられる問題があった。
一方、粒径5乃至10nmの白金黒を触媒電極に用いた場合、単味白金の高活性に加え、担持量を増やしても膜厚を薄くできることから、触媒活性を高めつつも物質移動を妨げるということが無い。さらには、カーボンブラック担体からなる構造でなく、白金単体が連結した構造を有することから、電子伝導性に優れ、発電の抵抗損失分を低減できる。これから、燃料電池の小型・高出力化という観点からは、白金の超微粒子化と担体への分散担持というコンセプトとは別に、白金黒のように担体を用いないバルク様な触媒構成にして、かつ白金使用量を低減された触媒電極が重要であると考えられる。
本発明は、白金の使用量を低減させ、かつ表面積が大きく、高活性な燃料電池用中空白金触媒粒子および燃料電池用触媒電極を提供するものである。
また、本発明は、前記中空白金触媒粒子を用いて、高活性で、物質移動に優れ、かつ白金粒子の連結した構造を有することから電子伝導性に優れた燃料電池用膜電極接合体を提供するものである。
また、本発明は、上記膜電極接合体を用いた燃料電池を提供するものである。
上記課題を解決するための燃料電池用中空白金触媒粒子は、酸またはアルカリにより溶解除去される一次粒径が5nm以上5μm以下の粒子からなる基体の表面に白金薄膜を被覆してなる白金被覆粒子において、該白金被覆粒子から前記基体を溶解除去して中空部分を形成してなることを特徴とする。
上記課題を解決するための燃料電池用触媒電極は、上記の中空白金触媒粒子を含有することを特徴とする。
上記課題を解決するための燃料電池用膜電極接合体は、上記の燃料電池用触媒電極を固体高分子電解質膜の片側あるいは両面に配置してなることを特徴とする。
上記課題を解決するための燃料電池用中空白金触媒粒子の製造方法は、酸またはアルカリにより溶解除去される一次粒径が5nm以上5μm以下の粒子からなる基体の表面に白金薄膜を被覆して白金被覆粒子を得る工程、該白金被覆粒子から前記基体を溶解除去して中空部分を形成する工程を有することを特徴とする。
上記課題を解決するための燃料電池用膜電極接合体の製造方法は、上記の中空白金触媒粒子を含有する燃料電池用触媒電極を、固体高分子電解質膜の片側あるいは両面に配置する工程を有することを特徴とする。
上記課題を解決するための燃料電池用膜電極接合体の製造方法は、酸またはアルカリにより溶解除去される一次粒径が5nm以上5μm以下の粒子からなる基体の表面に白金薄膜を被覆してなる白金被覆粒子を含有する燃料電池用触媒電極を得る工程、前記燃料電池用触媒電極の白金被覆粒子から前記基体を溶解除去して中空部分を形成した中空白金触媒粒子を含有する燃料電池用触媒電極を得る工程、該中空白金触媒粒子を含有する燃料電池用触媒電極を固体高分子電解質膜の片側あるいは両面に配置する工程を有することを特徴とする。
上記課題を解決するための燃料電池用膜電極接合体の製造方法は、酸またはアルカリにより溶解除去される一次粒径が5nm以上5μm以下の粒子からなる基体の表面に白金薄膜を被覆してなる白金被覆粒子を含有する燃料電池用触媒電極を得る工程、該燃料電池用触媒電極を固体高分子電解質膜の片側あるいは両面に配置する工程、前記燃料電池用触媒電極の白金被覆粒子から前記基体を溶解除去して中空部分を形成した中空白金触媒粒子を得る工程を有することを特徴とする。
上記課題を解決するための燃料電池、上記の燃料電池用膜電極接合体を有することを特徴とする。
本発明の中空白金触媒粒子は、酸またはアルカリによる化学処理で溶解除去される微粒子を基体として用い、該基体の表面に連続的に連なる白金薄膜を形成後、該基体を溶解除去することで得られる、該基体の跡形としての中空部分を内部に有することを特徴とする白金触媒粒子に関するものである。
また、中空白金触媒粒子を用いた燃料電池用電極触媒は内部に中空部分を有することから、外壁に加え内壁を有し、白金表面積が大きく高活性であり、かつ触媒粒子自身が細孔径を多く有するため物質移動に優れ、かつ白金粒子の連結した構造を有することから電子伝導性に優れる。
本発明によれば、中空白金触媒粒子がその内部に中空部分を有することから、白金の使用量を低減させ、かつ表面積が大きく、高活性な触媒粒子を提供できる。
該中空白金触媒粒子を用いた燃料電池用触媒電極および膜電極接合体は、触媒が内部に中空部分を有することから、外壁に加え内壁を有し、表面積が大きく高活性であり、かつ触媒粒子自身が細孔径を多く有するため物質移動に優れ、かつ白金粒子の連結した構造を有することから電子伝導性に優れる。
これから、従来のような白金の超微粒子化と凝集を防ぐための担体上への分散担持という構成とは異なる、バルク様な高い触媒活性、拡散性、伝導性を有する燃料電池用触媒電極および膜電極接合体が提供できる。
また、電子機器搭載用としての要求に応え得る、小型かつ高出力な燃料電池を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
中空白金触媒粒子は、酸またはアルカリによる化学処理で溶解除去される、一次粒径が5nm以上5μm以下のナノ乃至マイクロオーダーサイズの微粒子からなる基体を用い、該基体の表面に連続的に連なる白金薄膜を形成して白金被覆粒子を得た後、該基体を溶解除去することで得られる。該基体の跡形としての中空部分を内部に有することを特徴とする。
前記基体は、化学処理によって溶解除去可能であるものならば種類は特に限定されない。例えば、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、錫、鉄等の金属粒子、酸化亜鉛、酸化錫、酸化珪素等の金属酸化物粒子、炭酸リチウム、炭酸カルシウム等の金属炭酸化物等の粒子が挙げられる。
また、前記基体は、球状、棒状、樹枝状、鱗片状、いずれの形状のものでも用いられる。
前記基体に白金薄膜を形成する方法は、公知の方法を用いることができ、溶液法ではめっきや溶液中での分散吸着、気相法では蒸着やスパッタ等の種々の方法があるが、いずれの方法に限定されるものではなく、基体の種類に応じて、適した方法を選べばよい。
前記基体に白金薄膜を被覆した白金被覆粒子は、酸性溶液或いはアルカリ溶液に浸漬させるなどの化学処理によって、基体を溶解除去し、基体の形状を追従した形状を有する単体としての中空白金触媒粒子が形成される。基体に対する白金薄膜の被覆が十分である場合は、中空白金触媒粒子は基体の跡形としての中空部分を内部に有することから、表面積が非常に大きくなり、高活性となる。
基体に白金薄膜を被覆した白金被覆粒子は、酸性溶液或いはアルカリ溶液に浸漬すると、酸性溶液或いはアルカリ溶液は白金薄膜のピンホール等の被覆の欠陥部を通過して内部の基体に接触し基体を溶解する。溶解された基体は、該欠陥部を通過して外部へと溶出していくため、基体を溶解除去することができる。
基体に被覆する白金薄膜の厚さは、0.3nm以上100nm以下、好ましくは1nm以上5nm以下が望ましい。
また、中空白金触媒粒子の大きさは、一次粒径が5nm以上5μm以下、好ましくは10nm以上100nm以下が望ましい。
また、本発明の燃料電池用触媒電極の特徴は、基体の跡形としての中空部分を内部に有する中空白金触媒粒子を含有していることから、白金の使用量を大きく低減させながらも、触媒表面積が大きく高活性である。また、触媒粒子自身が細孔径を多く有するため、燃料供給、生成物の排出という物質移動に優れ、かつ白金粒子の連結した構造を有することから電子伝導性に優れた構成をとることを特徴とする。
また、燃料電池用膜電極接合体の製造方法は、該触媒粒子を用いて膜電極接合体を作製する過程で、該基体を溶解除去することを特徴とする。具体的には、以下の(1)乃至(3)の方法が挙げられるが、いずれの工程をとっても構わない。
(1)中空白金触媒粒子を含有する燃料電池用触媒電極を、固体高分子電解質膜の片側あるいは両面に配置する工程を有する方法である。
(2)基体の表面に白金薄膜を被覆してなる白金被覆粒子を含有する燃料電池用触媒電極を得る工程、前記燃料電池用触媒電極の白金被覆粒子から前記基体を溶解除去して中空部分を形成した中空白金触媒粒子を含有する燃料電池用触媒電極を得る工程、該中空白金触媒粒子を含有する燃料電池用触媒電極を固体高分子電解質膜の片側あるいは両面に配置する工程を有する方法である。
(3)基体の表面に白金薄膜を被覆してなる白金被覆粒子を含有する燃料電池用触媒電極を得る工程、該燃料電池用触媒電極を固体高分子電解質膜の片側あるいは両面に配置する工程、前記燃料電池用触媒電極の白金被覆粒子から前記基体を溶解除去して中空部分を形成した中空白金触媒粒子を得る工程を有する方法である。
上記方法(1)では、基体を溶解除去した中空白金触媒粒子と、高分子電解質分散液とを混合して触媒スラリーを作製し、PTFE支持シート上にドクターブレード法などで展開・塗布されることで触媒電極を形成する。次いで、支持シート上に形成された触媒電極を高分子電解質膜の両側に熱転写することで膜電極接合体を形成する。
上記方法(2)では、基体の表面に白金薄膜を被覆して白金被覆粒子と、高分子電解質分散液とを混合して触媒スラリーを作製し、支持シート上にドクターブレード法などで展開・塗布されることで触媒電極を形成する。支持シート上の触媒電極を硫酸等の酸性溶液中に浸漬することで基体を溶解除去する。次いで、支持シート上に形成された触媒電極を高分子電解質膜の両側に熱転写することで膜電極接合体を形成する。
上記方法(3)では、基体の表面に白金薄膜を被覆して白金被覆粒子と、高分子電解質分散液とを混合して触媒スラリーを作製し、支持シート上にドクターブレード法などで展開・塗布されることで触媒電極を形成する。次いで、支持シート上に形成された触媒電極を高分子電解質膜の両側に熱転写することで、膜電極接合体を形成する。膜電極接合体を硫酸等の酸性溶液中に浸漬することで基体を溶解除去して膜電極接合体を得る。
本発明による中空白金触媒粒子、及びそれを用いた触媒電極を図面を用いて説明すると以下のようになる。
図1は、本発明の中空白金触媒粒子の製造方法の一例を示す説明図である。基体11の表面に白金薄膜12を被覆して白金被覆粒子18を得た後、基体11を化学処理により溶解除去することで、基体の跡形としての中空部分14を内部に有する中空白金触媒粒子1が得られる。該中空白金触媒粒子1は外壁15に加え内壁16を有することから、非常に大きな表面積を有し、触媒活性も高い。
17は白金の被覆の欠陥部であり、酸性溶液或いはアルカリ溶液は該欠陥部を通過して内部の基体に接触し基体を溶解する。溶解された基体は、該欠陥部を通過して外部へと溶出していくことで、基体の溶解除去を可能ならしめる。
図2は、図1で示した中空白金触媒粒子を用いた触媒電極の構成の一例を示す説明図である。触媒電極2は中空白金触媒粒子1と高分子電解質21を3次元的に分散配置させた構成からなる。
基体の跡形としての中空部分を内部に有する中空白金触媒粒子1を含有することから、白金の使用量を大きく低減させながらも、触媒表面積が大きく高活性である。また、中空白金触媒粒子自身が細孔径を多く有するため、燃料供給、生成物の排出という物質移動に優れ、かつ白金粒子の連結した構造を有することから電子伝導性に優れた構成をとる。
図3は、膜電極接合体の構成の一例を示す説明図である。固体高分子電解質膜32の両側に、触媒電極31として、図2で示した触媒電極2を、水素極及び空気極として配置してある。また、該触媒電極31は水素極或いは空気極としてどちらか一方に配置される構成でも構わない。
図4は、燃料電池の構成の一例を示す説明図である。固体高分子電解質51、アノード触媒電極52、カソード触媒電極53、アノード側集電板54、カソード側集電板55、外部出力端子56、燃料導入ライン57、燃料排出ライン58、アノード側燃料拡散層59、カソード側燃料拡散層60から成り、触媒電極表面の三相界面で化学反応が起こることで電力が発生する。ここで、セルの構成として、例えば図4に示す構成を複数層形成することで発生電圧値及び出力値を高めることができる。この場合、半導体プロセスを応用して上記セルを作製することで、燃料電池システムの小型化、高出力化が可能となる。
また、例えば、燃料としてアノード側に水素、カソード側に空気を用いた場合、アノード側に供給された燃料がもれることのないようにパッキングをすることが重要であり、カソード側は燃料が供給されやすいように空気に対して開放されている事が重要である。また拡散層とは、触媒電極への燃料の均一な供給と、セル反応の集電を担うために設置された高気孔率を有する導電性部材であり、炭素繊維織物やカーボンペーパー等を好適に用いることができる。
以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
基体の表面に白金薄膜を形成して、白金被覆粒子を作製した。基体には一次粒径が200nmの銅粉を用いた。銅粉を塩化白金酸水溶液中に浸漬させる無電解めっきにより、銅粉の表面に白金を析出させた。次いで、純水で洗浄して、銅粉の基体粒子表面上に厚薄の差異はあるが平均的な厚さ5nmの白金薄膜を有する白金被覆粒子を得た。
得られた白金被覆粒子1gに対して、高分子電解質分散溶液として5%ナフィオンアルコール系溶液(デュポン社製)1.5gを加え、水を適宜加えて攪拌し、触媒スラリーを作製した。この触媒スラリーをPTFEシート上にバーコーターにより100μmの厚さで展開・塗布して、触媒電極を形成した。シート上に形成された触媒電極を適当なサイズに切り出した後、固体高分子電解質膜としてナフィオン112(デュポン社製)の両面に、触媒電極面を内側に向けるように挟持し、130℃,1分の条件で熱転写して膜電極接合体を形成した。得られた膜電極接合体を硫酸と過酸化水素との混合液に浸漬して、白金被覆粒子の銅粉の基体を溶解除去して中空白金触媒粒子とした。次いで、純水で洗浄して、膜電極接合体を得た。
上記の膜電極接合体を用いて単セルからなる燃料電池を作製した。
燃料電池の拡散層にはカーボンクロスLT1400W(E−TEK社製)を使用し、集電板には表面に金メッキを施したSUS板を使用した。また、アノード側の封止のためにバイトン(DuPont社製)O−リングをシール材として使用し、これらをSUS材のプレートで上下から挟持し、締結することで燃料電池の構成となる。アノード側は水素供給ラインに繋がれていて、燃料として水素が供給される。また、カソード側には空気が自然拡散により供給される。燃料を供給した状態で燃料電池を電子負荷装置に接続し、発電特性を測定した。
実施例2
実施例1において触媒電極の形成時に、触媒スラリーを150μmの厚さで展開・塗布したものを用いた膜電極接合体を作製した。
比較例1
比較例1として、50重量%白金担持カーボン粉末に5%ナフィオンアルコール系溶液を混合して触媒スラリーを作製し、PTFEシート上に100μmの厚さで展開・塗布して触媒電極を作製した。実施例1と同様のサイズに切り出した触媒シートをナフィオン112膜に挟持して熱転写し、膜電極接合体を作製した。
比較例2
比較例1において触媒電極の形成時に、触媒スラリーを150μmの厚さで展開・塗布したものを用いた膜電極接合体を作製した。
図5は、実施例1及び2、比較例1及び2の単電池を駆動させて得られた電流−電圧曲線を示す。
触媒電極をともに100μmで形成した場合、実施例1は比較例1よりも電池特性が高くなった。これは、本実施例で作製した膜電極接合体の触媒電極が、基体の跡形としての中空部分を内部に有する中空白金触媒粒子で構成されていることから、触媒表面積が大きく高活性であり、かつ触媒粒子自身が細孔径を多く有する。また、カソード側の酸素供給や生成水の排出に優れ、また白金粒子の連結した構造を有することから電子伝導性に優れているためと考え得られた。
また、触媒電極を150μmで形成した場合、実施例2では実施例1よりも特性が高くなったのに対し、比較例2では比較例1よりも特性が低下した。これは、白金担持カーボンを用いた触媒電極は、厚膜化によって触媒活性の増加は図れるものの、炭素粒子の連結した構造を有することから電子抵抗が大きくなる。また、物質の移動、特にカソード側への酸素の供給量が低減されてたためと考えられる。一方、本実施例で作製した触媒電極では、厚膜化によって触媒活性が向上しつつも、電子伝導性や物質移動を妨げることはなかった。
これから、白金の使用量を同じように低減させる試みを持ちつつも、従来のような白金の超微粒子化と担体上への分散担持という構成とは異なる、バルク様な構成の、高い触媒活性、拡散性、伝導性を有する触媒電極が提供できた。
本発明の燃料電池用中空白金触媒粒子は、触媒粒子がその内部に中空部分を有することから、表面積を大きくでき、高活性な触媒粒子を作製することができる。
また、該中空白金触媒粒子を用いた燃料電池用触媒電極を作製することで、十分な触媒活性、電子伝導性、及び物質移動性を保ちつつも、貴金属触媒の使用量を大きく低減させ、電池コストを下げることができる。
また、該触媒電極を用いることで、電子機器搭載用としての要求に応え得る、小型かつ高出力な燃料電池に利用することができる。
本発明の中空白金触媒粒子の製造方法の一例を示す説明図である。 図1で示した中空白金触媒粒子を用いた触媒電極の構成の一例を示す説明図である。 膜電極接合体の構成の一例を示す説明図である。 燃料電池の構成の一例を示す説明図である。 実施例1及び2、比較例1及び2の燃料電池の電流−電圧特性を示す図である。
符号の説明
1 中空白金触媒粒子
11 基体
12 白金薄膜
14 中空部分
15 外壁
16 内壁
17 被覆欠陥部
18 白金被覆粒子
2 触媒電極
21 高分子電解質
3 膜電極接合体
31 触媒電極
32 固体高分子電解質
51 固体高分子電解質
52 アノード触媒電極
53 カソード触媒電極
54 アノード側集電板
55 カソード側集電板
56 外部出力端子
57 燃料導入ライン
58 燃料排出ライン
59 アノード側燃料拡散層
60 カソード側燃料拡散層

Claims (8)

  1. 酸またはアルカリにより溶解除去される一次粒径が5nm以上5μm以下の粒子からなる基体の表面に白金薄膜を被覆してなる白金被覆粒子において、該白金被覆粒子から前記基体を溶解除去して中空部分を形成してなることを特徴とする燃料電池用中空白金触媒粒子。
  2. 請求項1に記載の中空白金触媒粒子を含有することを特徴とする燃料電池用触媒電極。
  3. 請求項2に記載の燃料電池用触媒電極を固体高分子電解質膜の片側あるいは両面に配置してなることを特徴とする燃料電池用膜電極接合体。
  4. 酸またはアルカリにより溶解除去される一次粒径が5nm以上5μm以下の粒子からなる基体の表面に白金薄膜を被覆して白金被覆粒子を得る工程、該白金被覆粒子から前記基体を溶解除去して中空部分を形成する工程を有することを特徴とする燃料電池用中空白金触媒粒子の製造方法。
  5. 請求項1に記載の中空白金触媒粒子を含有する燃料電池用触媒電極を、固体高分子電解質膜の片側あるいは両面に配置する工程を有することを特徴とする燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  6. 酸またはアルカリにより溶解除去される一次粒径が5nm以上5μm以下の粒子からなる基体の表面に白金薄膜を被覆してなる白金被覆粒子を含有する燃料電池用触媒電極を得る工程、前記燃料電池用触媒電極の白金被覆粒子から前記基体を溶解除去して中空部分を形成した中空白金触媒粒子を含有する燃料電池用触媒電極を得る工程、該中空白金触媒粒子を含有する燃料電池用触媒電極を固体高分子電解質膜の片側あるいは両面に配置する工程を有することを特徴とする燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  7. 酸またはアルカリにより溶解除去される一次粒径が5nm以上5μm以下の粒子からなる基体の表面に白金薄膜を被覆してなる白金被覆粒子を含有する燃料電池用触媒電極を得る工程、該燃料電池用触媒電極を固体高分子電解質膜の片側あるいは両面に配置する工程、前記燃料電池用触媒電極の白金被覆粒子から前記基体を溶解除去して中空部分を形成した中空白金触媒粒子を得る工程を有することを特徴とする燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  8. 請求項3に記載の燃料電池用膜電極接合体を有することを特徴とする燃料電池。
JP2006027532A 2006-02-03 2006-02-03 燃料電池用中空白金触媒粒子、膜電極接合体、それらの製造方法および燃料電池 Pending JP2007207679A (ja)

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