JP2007207464A - プラズマディスプレイ用背面板およびその製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイ用背面板およびその製造方法 Download PDF

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【課題】 本発明は、落下衝撃により隔壁欠けを生じにくいプラズマディスプレイ用背面板を提供する。
【解決手段】 ガラス基板と、該ガラス基板上に設けられたストライプ状のアドレス電極と、該アドレス電極を覆う誘電体層と、少なくとも該アドレス電極に平行な主隔壁を含む隔壁を有するPDP用背面板であって、該隔壁頂部表面の点平均粗さRz(μm)および輪郭曲線要素の平均長さSm(μm)が下記式(1)および(2)を満たすことを特徴とするプラズマディスプレイ用背面板である。
・ 8≦RSm≦3.0 (1)
1.2≦Rz/RSm≦2.5 (2)
【選択図】なし

Description

本発明は、プラズマディスプレイ用背面板及び、その製造方法に関する。より詳細には、落下衝撃により隔壁欠けの欠陥を生じにくいプラズマディスプレイ用背面板及び、その製造方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略す)は大画面薄型ディスプレイとして、急速に世界のディスプレイ市場に浸透中である。PDPの大きな特徴としては、(A)自発光型のデバイスであり、「視野角」「応答性」「色再現性」に優れること、(B)光量を画像に応じフレキシブルに調整ができ、エコロジーの観点からも高性能と省電力を両立する最適なデバイスであること、(C)大型ディスプレイとして生産効率やコスト力に優れること、(D)今後更なる大型化にも対応可能であることが挙げられ、PDPは民生用テレビだけでなく商業用/教育/医療など多目的な表示ディスプレイとしてますます期待が高まっている。
PDPは、前面ガラス基板(以下、前面板)と背面ガラス基板(以下、背面板)との間に備えられた放電空間内で電極間にプラズマ放電を生じさせ、上記放電空間内に封入されているXe−Ne混合ガスなどの放電ガスから発生した147nm、172nmの紫外線を、放電空間内に設けた蛍光体に照射することにより表示を行なうものである。代表的なPDPにおいては、前面板は基板上に走査電極、維持電極、誘電体層、保護膜を有し、背面板は基板上にアドレス電極、誘電体層、隔壁、蛍光体層を有している。背面板に設けられた隔壁は、放電の広がりを一定領域に抑えること、表示を規定のセル内で行なわせると同時に均一な放電空間を確保することの役割を担っており、一般におよそ幅20〜120μm、高さ50〜150μmのストライプ状や格子状に形成されている。また、隔壁は有機バインダーを主成分とする有機物とガラスを主成分とする無機物の混合物からなるペーストをガラス基板状に塗布し、サンドブラスト法やフォトリソグラフィー法等によりパターン加工した後、焼成することによって形成することが多い。
ところで、背面板に設けられた隔壁は、PDPの構造上、前面板と対峙しており、PDPに落下衝撃などの大きな負荷がかかった際に、前面板と隔壁間に大きな力が生じる。この際、隔壁の耐衝撃性が低いと隔壁欠けが発生し、PDPのセル不灯が発生するなどの問題があった。そのため、隔壁の耐衝撃性改善や衝撃に強いPDPの構造の開発が行われてきた。例えば、隔壁頂部を半焼結状態として、衝撃により隔壁が前面板に衝突しても隔壁頂部のみが細かく砕け、隔壁欠けによるセル不灯を最小限に防ぐ方法(特許文献1,2)、前面板に透明誘電体からなる突起を設けて、主隔壁と補助隔壁の交差部で隔壁と前面板を接触させ、放電部近傍の隔壁欠けを防ぐ方法(特許文献3)などが開発されている。しかしながら、これらの方法では、半焼結状態の多孔質状態の隔壁によるPDPパネルへの水分や二酸化炭素の持ち込みのためPDPパネルに発光不良が発生したり、突起の影響にるパネルの点灯ムラのため良好なPDPを製造することが難しいという問題があった。また、隔壁欠けの起点となる隔壁の局所的な***を防止する方法として、微小フィラーをもちいて表面粗さが良好な隔壁を形成した例も報告されているが(特許文献4)、ペースト中で微小フィラーが凝集し、かえって隔壁頂部に大きな***が発生し、そのため、衝撃により大きな亀裂が走り、隔壁欠けの発生は改善されなかった。
特開2003−123657号公報 特開2000−149772号公報 特開2003−249173号公報 特開2002―358900号公報
そこで、本発明は、落下衝撃により隔壁欠けを生じにくいプラズマディスプレイ用背面板とその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明はガラス基板と、該ガラス基板上に設けられたストライプ状のアドレス電極と、該アドレス電極を覆う誘電体層と、少なくとも該アドレス電極に平行な主隔壁を含む隔壁を有するPDP用背面板であって、該主隔壁頂部表面の点平均粗さRz(μm)および輪郭曲線要素の平均長さSm(μm)が下記式(1)および(2)を満たすことを特徴とするプラズマディスプレイ用背面板に関する。
1.8≦RSm≦3.0 (1)
1.2≦Rz/RSm≦2.5 (2)
また、上記PDP用背面板の製造方法が少なくとも前記主隔壁が低融点ガラス粉末およびフィラーを含む無機粉末ならびに有機成分を含むガラスペーストを前記ガラス基板上に塗布する工程、焼成する工程を経て設けられ、該隔壁の最上層に用いるペーストに含まれるフィラーの平均粒子径をDf50(μm)、低融点ガラス粉末の平均粒子径をDg50(μm)が以下の式(3)を満足し、低融点ガラス粉末の最大粒子径DgTOP(μm)が5μm以下であることを特徴とするPDP用背面板の製造方法に関し、さらに、前記主隔壁および前記主隔壁と交差する補助隔壁で構成され、該主隔壁が2層構造であり、該主隔壁の下層に用いるガラスペースト中の全無機粉末に対するフィラーの体積含有率が該主隔壁の上層に用いるガラスペースト中の全無機粉末に対するフィラーの体積含有率よりも大きいとこと特徴とするPDP用背面板の製造方法である。
0.5<Dg50≦Df50<3.0 (3)
本発明によれば、落下衝撃により隔壁欠けを生じにくいプラズマディスプレイ用背面板を提供できる。
本発明は、ガラス基板と、該ガラス基板上に設けられたストライプ状もしくは、ストライプに幾何学的なパターンを施したアドレス電極と、該アドレス電極を覆う誘電体層と、少なくとも該アドレス電極に平行な主隔壁を含む隔壁を有するPDP用背面板であって、該隔壁頂部表面の十点平均粗さRz(μm)および輪郭曲線要素の平均長さRSm(μm)が下記式(1)および(2)を満たすこを特徴とするPDP用背面板に関する。
1.8≦RSm≦3.0 (1)
1.2≦Rz/RSm≦2.5 (2)
本発明のPDP用背面板の主隔壁頂部表面は、輪郭曲線要素の平均長さRSm(μm)が式(1)を満たす。RSmが3.0μm以下とすることは、隔壁頂部に微細な突起を多数形成することを意味し、微細な突起を前面板との接触点を多数形成することで、衝撃をによって生じた力を分散し、隔壁欠けを抑制できる。RSm値が1.8μmより小さい場合は隔壁の比表面積が増大し、背面板をPDPパネルにした際に、パネル内に水分、二酸化炭素を持ち込みやすく、PDPを発光させた際に表示領域に発光ムラをを引き起こしやすい。また、RSm値が3.0μmより大きい場合は、前面板との接触点が少なくなり、衝撃による力が局部的に大きくなり、衝撃がかかって隔壁に割れが生じた際に、隔壁の大きな破片を生じやすい。飛散した大きな破片は蛍光体層をはじき飛ばし、不灯セル発生の原因となる。また、本発明によるPDP用背面板は式(2)の範囲であることが好ましい。Rz/RSmが式(2)の範囲であることで、衝撃を緩衝する適切な突起をけいせいすることができる。一方、Rz/RSmが1.2より小さいと、隔壁頂部に形成された衝撃を緩衝する微小な突起がなくなり、衝撃により前面板と衝突した隔壁が破壊されやすくなる。Rz/RSmが2.5より大きい場合は、隔壁の比表面積が大きくなりすぎ、背面板をPDPパネルにした際に、パネル内に水分、二酸化炭素を持ち込みやすく、PDPを発光させた際に表示領域に発光ムラをを引き起こしやすい。ここで、隔壁頂部の表面粗さ値であるRz、RSm値は一般に、触針式表面粗さ測定装置、原子間力顕微鏡、レーザー変位計、走査型プローブ顕微鏡、レーザー顕微鏡で測定可能であるが、本発明ではKeyence社製超深度顕微鏡vK―8500で、測定倍率50倍、測定ピッチ0.1μm、主隔壁頂部の測定長100μmを10回測定した平均値から算出した。
以下に、本発明のPDP用背面板の製造方法を作製手順に沿って説明する。
本発明のディスプレイ部材としての背面板に用いる基板としては、ソーダガラス、PDP用の耐熱ガラスなどを用いることができ、具体的には旭硝子(株)製のPD200や日本電気硝子(株)製のPP8などがあげられる。
該基板上に銀やアルミニウム、クロム、ニッケルなどの金属により概ストライプ状のアドレス電極を形成する。ここで、概ストライプ状とは、ストライプ状のパターンまたはストライプ状のパターンの一部の線幅を変更するなどしたパターンを指す。
電極を形成する方法としては、これらの金属の粉末と有機バインダーを主成分とする金属ペーストを電極パターン状にスクリーン印刷で印刷する方法や、有機バインダーとして感光性有機成分を用いた感光性金属ペーストを塗布した後に、パターンに対応したフォトマスクを用いて電極パターン状に露光を行い、不要な部分を現像工程で溶解除去し、さらに、400〜600℃に加熱・焼成して電極パターンを形成する感光性ペースト法を用いることができる。
次いでアドレス電極を覆うように誘電体層を形成する。誘電体層はガラス粉末と有機バインダーを主成分とするガラスペーストをアドレス電極を覆うように塗布した後に、400〜600℃で焼成することにより形成できる。誘電体層の形成に用いるガラスペーストに使用するガラス粉末としては、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化リンの少なくとも1種類以上を含有し、ガラス粉末全体に対して、これらを20質量%以上とすることで600℃以下での焼成が容易になり、80質量%以下とすることで結晶化を防ぎ透過率の低下を防止することができる。
隔壁は、上述のアドレス電極および、誘電体層を設けた基板上に低融点ガラス粉末およびフィラーを含む無機粉末ならびに有機成分を含むガラスペーストを、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、感光性ペースト法(フォトリソグラフィー法)、金型転写法、リフトオフ法等公知の技術により少なくともアドレス電極に平行な主隔壁を含む、隔壁パターンを形成し、焼成し、有機成分を除去することで形成されるが、隔壁形状制御、均一性等の理由から、中でも感光性ペーストを基板上に塗布、乾燥し感光性ペースト膜を形成し、フォトマスクを介して露光・現像するいわゆる感光性ペースト法(フォトリソグラフィー法)が本発明のPDP用背面板の製造方法では好ましく適用される。
本発明の隔壁は、少なくともアドレス電極に平行な主隔壁を有するが、それ以外に主隔壁と交差する補助隔壁を有しても良い。主隔壁は基板に感光性ペーストを1もしくは2回塗布し、塗布膜を露光、現像して隔壁パターンを形成することができる隔壁である。一方、補助隔壁を有する背面板は、感光性ペーストを塗布し、アドレス電極を交差してフォトマスクで露光し、さらに、その上に感光性ペーストを塗布し、上下2層構造を有する塗布膜を形成し、アドレス電極と平行にフォトマスクで露光し、露光済み基板を現像することによって隔壁パターンを形成すること、もしくは、基板に感光性ペーストを2回塗布し、上下2層構造を有する塗布膜をアドレス電極と交差してフォトマスクで露光することとアドレス電極と平行にフォトマスクで露光し、現像して隔壁パターンを形成することによって得ることができる。
基板に感光性ペーストを塗布する工程は、3回以上繰り返すと製造プロセスが複雑になり歩留まりが低下する可能性がある点から、1回もしくは、2回が好ましい。そして、主隔壁が2層である場合、上層は2〜20μmが好ましく、5〜16μmがより好ましい。2μm未満であると、隔壁の高さバラツキが大きくなる。一方、厚みが20μmを超えると、落下衝撃に対する効果が飽和する。
本発明のPDP用背面板の製造方法に用いるペーストの無機成分は、主に低融点ガラスおよびフィラーからなる。ここで低融点ガラスとは、微粒子であって、一般に350〜700℃で行われる焼成工程において溶融するガラスであって、ガラス転移温度は、350〜500℃であることが好ましく、380〜450℃であることがより好ましい。また、ガラス軟化点は400〜580℃であることが好ましく、450〜550℃であることがより好ましい。ガラス転移温度とガラス軟化点がこの範囲にあると、焼成時に基板の歪みが小さい隔壁層を得ることができる。低融点ガラスの具体的としては、特に、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物、アルミニウム酸化物を必須成分とするガラスが好ましい。
ケイ素酸化物は、無機微粒子中、3〜60重量%の範囲で配合されていることが好ましく、10〜40重量%がより好ましい。3重量%未満であると、ガラス層の緻密性、強度や安定性が低下し、また、熱膨脹係数を所望の範囲内とし、ガラス基板とのミスマッチを防ぐことが困難となる傾向がある。また、60重量%を超えると、熱軟化点が高くなり、ガラス基板への焼き付けが困難になる傾向がある。
ホウ素酸化物は、無機微粒子中、5〜50重量%の範囲で配合することが電気絶縁性、強度、熱膨脹係数、絶縁層の緻密性などの電気、機械および熱的特性を向上する点で好ましく、10〜40重量%がより好ましい。配合量が50重量%未満であると、ガラスの安定性を保つことができなくなる傾向がある。
さらに、酸化ビスマス、酸化鉛、酸化亜鉛のうちの少なくとも1種類を無機微粒子中、合計で5〜50重量%含有させることが、ガラス基板上にパターン加工するのに適した温度特性を有するガラスペーストを得ることができる点で好ましく、10〜30重量%がより好ましい。配合量が50重量%を超えると、線膨張係数を制御することが困難になる傾向がある。特に、前記の酸化物として酸化ビスマスを含有するガラス微粒子を用いると、ペーストのポットライフが長いなどの利点が得られる。ビスマス系ガラス微粒子としては、次の組成のガラス粉末を用いることが好ましい。
酸化ビスマス:10〜40重量%
酸化ケイ素:3〜50重量%
酸化ホウ素:10〜40重量%
酸化バリウム:8〜20重量%
酸化アルミニウム:10〜30重量%
また、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムのうち、少なくとも1種類を3〜20重量%、より好ましくは3〜15重量%含むガラス微粒子を用いてもよい。アルカリ金属酸化物の添加量が、20重量%より大きいと、ペーストの安定性を向上することが困難となる傾向がある。上記3種のアルカリ金属酸化物の内、酸化リチウムがペーストの安定性の点で特に好ましい。リチウム系ガラス微粒子としては、例えば次に示す組成のガラス粉末を用いることが好ましい。
酸化リチウム:2〜15重量%
酸化ケイ素:15〜50重量%
酸化ホウ素:15〜40重量%
酸化バリウム:2〜15重量%
酸化アルミニウム:6〜25重量%
また、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛のような金属酸化物と酸化リチウム,酸化ナトリウム、酸化カリウムのようなアルカリ金属酸化物の両方を含有するガラス微粒子を用いれば、より低いアルカリ含有量で、熱軟化温度や線膨脹係数を容易にコントロールすることができる。
フィラーとは、微粒子であって、感光性ペーストの塗布膜を焼成工程でも溶融せず、微粒子のままの状態でパターン形成した隔壁中にとどまるものをいい、隔壁パターンの形状維持効果がある。フィラーの具体例としては、高融点ガラス微粒子ならびに酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムおよびそれらの複合酸化物などのセラミック微粒子があげられるが、焼成時にも溶融しない高軟化点のものである必要がある。これらの中でも、線膨張係数を容易に制御できる点から、ガラス微粒子、酸化珪素と酸化チタンの複合酸化物などが好ましく、ガラス微粒子としては、高融点ガラス微粒子がより好ましい。フィラーの軟化点は、600〜2000℃が好ましく、650〜2000℃がより好ましい。フィラーの軟化点が600℃未満であると、焼成工程で隔壁の形状が崩れてしまう傾向がある。一方、フィラーの軟化点が2000℃を超えると、焼成工程でガラス成分とのなじみが悪くフィラー成分が分離する傾向がある。
本発明において、上記式(1)および(2)を満足する形状の隔壁を形成するためには、前記主隔壁が低融点ガラス粉末およびフィラーを含む無機粉末ならびに有機成分を含むガラスペーストを前記ガラス基板上に塗布する工程および、焼成する工程を経て設け、該隔壁の最上層に用いるペーストに含まれるフィラーの平均粒子径Df50(μm)、低融点ガラス粉末の平均粒子径Dg50(μm)が以下の式(3)を満足し、低融点ガラス粉末の最大粒子径DgTOP(μm)を5μm以下とすることにより、好ましく製造することができる。
0.5<Dg50≦Df50<3.0 (3)
低融点ガラスの平均粒径Dg50が0.5μm未満であると微粒子が凝集して隔壁表面にガラスの突起を発生する傾向があり、衝撃により凝集物を起点に隔壁欠けが起こりやすくなる。また、3.0μmを超えると、隔壁頂部に局部***を発生することがあり、衝撃により局部***を起点に隔壁欠けが起こりやすくなる。また、フィラーのDf50が0.5μm未満であるとペースト中でフィラーが凝集しやすく、隔壁を形成した際に隔壁頂部にフィラー凝集物を発生し、フィラー凝集物を起点に隔壁欠けが起こりやすくなる。また、3.0μmを越えると、隔壁頂部に局部***を発生することがあり、衝撃により局部***を起点に隔壁欠けが起こりやすくなる。
上記式(1)、(2)を満足する隔壁を形成するためにDg50はフィラーの平均粒径Df50(μm)以下であるとが好ましい。Dg50がDf50より大きい場合はRSm大きくなる傾向があり、隔壁欠けが起こりやすい。また低融点ガラスのDgTOP(μm)は5μm以下であることが好ましい。DgTOPが5μmより大きい場合は、隔壁頂部に5μm程度の局部***を発生することがあり、衝撃により局部***を起点に隔壁欠けが起こりやすい。ここで、低融点ガラスおよび、フィラーの平均粒径とは、メディアン径であり、マイクロトラック粒度分布測定装置により、フィラーなど粉末の全体積を100%として体積の累積頻度曲線を測定したとき、その頻度が50%となる点の粒子径を求めることにより算出することができる。また、最大粒径はマイクロトラック粒度分布測定装置により観測された微粒子中の最大粒径のものをいう。
隔壁におけるフィラーの配合量はガラスペーストの無機粉末中、5〜40体積%含むことが好ましく、10〜40体積%がより好ましい。フィラーの配合量が40体積%を超えると、隔壁が焼成工程で十分に焼結されず、隔壁の表面粗さが増大する傾向がある。一方、フィラーの配合量が5体積%未満であると、破壊靱性が低下するのでチッピングが悪化する傾向がある。
隔壁全体の厚さは、80〜200μmが好ましく、100〜150μmがより好ましい。厚さが200μmを超えると、駆動電圧が上昇し、消費電力が増大する傾向がある。一方、厚さが80μm未満であると、放電の際、電荷が十分に蓄積できずに不灯が発生するなど表示品位が低下する傾向がある。
また、隔壁が主隔壁および主隔壁と交差する補助隔壁で構成される場合、焼成工程時の主隔壁と補助隔壁の双方が収縮するため、主隔壁と補助隔壁の交差部の高さが低くなり、隔壁頂部にうねりを生じるという問題がある。主隔壁と補助隔壁の交差部中心点から、主隔壁方向に補助隔壁間の中心点までの主隔壁の最大高さと最小高さの差をうねりとしたとき、うねりは、6μm未満であることが好ましく、4μm未満がより好ましく、2μm未満がさらに好ましい。隔壁の交差部凹みが、6μm以上であると、放電の際、蓄積された電荷が隣接するセルに漏れるため、データ電圧が上昇し不灯が発生して表示品位を落としたりする傾向がある。そこで、うねりを解決するために、該主隔壁の下層および補助額壁に用いるガラスペースト中の全無機粉末に対するフィラーの体積含有率が該主隔壁の上層に用いるガラスペースト中の無機粉末に対するフィラーの体積含有率よりも大きいことが好ましい。より好ましくは主隔壁の下層に用いるペーストの無機粉末に占めるフィラーは、15〜40体積%含み、上層に用いるペーストは5〜30体積%含むことである。
隔壁の断面形状は、台形や矩形とすることができる。隔壁頂部幅および補助隔壁頂部幅としては20〜100μmであることが好ましく、25〜80μmであることがより好ましい。隔壁の頂部幅が20μm未満では、機械的強度が低下し、前面板との封着時に隔壁が倒れたり、衝撃により隔壁が欠けてしまうという問題が生じやすくなる。また100μmを超えると、パネルの放電面積が低下し、PDPの輝度が低くなる傾向にある。なお、隔壁および補助隔壁の底部幅については、同様の理由により45〜150μmであることが好ましく、50〜110μmであることがより好ましい。
隔壁の高さは、80〜200μmが好ましく、100〜150μmがより好ましい。厚さが200μmを超えると、駆動電圧が上昇し、消費電力が増大する傾向がある。一方、厚さが80μm未満であると、放電の際、電荷が十分に蓄積できずに不灯が発生するなど表示品位が低下する傾向がある。
主隔壁高さは補助隔壁高さより高いことが好ましく、特に主隔壁高さは補助隔壁高さとの差が2〜40μmであることがより好ましく、4〜20μmであることがさらに好ましい。主隔壁高さは補助隔壁高さの差が2μm未満であると背面板と前面板を封着したのちセル内のガスを抜き希ガスを充填する際に、ガス経路が狭くなるために排気が不充分となりガスが残存したり、希ガスの封入が困難となる傾向がある。一方、40μmを超えると補助隔壁の役割(パネル縦方向に隣接するセルの間仕切り)が不充分となり、セル内に蓄積した電荷がパネルの縦方向に抜けてしまうことが懸念される。
本発明のPDP用背面板の製造方法にもちいる感光性ペーストの感光性有機成分としては、感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーのうちの少なくとも1種類から選ばれた感光性成分を含有することが好ましく、さらに、必要に応じて、光重合開始剤、光吸収剤、増感剤、有機溶媒、増感助剤、重合禁止剤を添加する。
感光性モノマーとしては、炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、単官能および多官能性の(メタ)アクリレート類、ビニル系化合物類、アリル系化合物類などを用いることができる。これらは1種または2種以上使用することができる。具体的には、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどがあげられる。
感光性オリゴマー、感光性ポリマーとしては、炭素−炭素2重結合を有する化合物のうちの少なくとも1種類を重合して得られるオリゴマーやポリマーを用いることができる。重合する際に、これらのモノマーの含有率が、10重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上になるように、他の感光性のモノマーと共重合することができる。ポリマーやオリゴマーに不飽和カルボン酸などの不飽和酸を共重合することによって、感光後の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、または、これらの酸無水物などが挙げられる。こうして得られた側鎖にカルボキシル基などの酸性基を有するポリマー、または、オリゴマーの酸価(AV)は、50〜180の範囲が好ましく、70〜140の範囲がより好ましい。以上に示したポリマーまたはオリゴマーに対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させることによって、感光性をもつ感光性ポリマーや感光性オリゴマーとして用いることができる。好ましい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。
光重合開始剤の具体的な例として、ベンゾフェノン、O-ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノンなどが挙げられる。これらを1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤は、感光性成分に対し、好ましくは0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜5重量%の範囲で添加される。重合開始剤の量が0.05重量%より小さいと、光感度が低下する傾向にあり、光重合開始剤の量が10重量%より大きいと、露光部の残存率が小さくなり過ぎる傾向にある。
光吸収剤を添加することも有効である。紫外光や可視光の吸収効果が高い化合物を添加することによって、高アスペクト比、高精細、高解像度が得られる。光吸収剤としては、有機系染料からなるものが好ましく用いられる、具体的には、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アントラキノン系染料、ベンゾフェノン系染料、ジフェニルシアノアクリレート系染料、トリアジン系染料、p−アミノ安息香酸系染料などが使用できる。有機系染料は、焼成後の絶縁膜中に残存しないので、光吸収剤による絶縁膜特性の低下を少なくできるので好ましい。これらの中でも、アゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましく、具体的には、ベーシックブルー26などがあげられる。有機染料の添加量は、0.05〜5重量%が好ましく、より好ましくは、0.05〜1重量%である。添加量が0.05重量%より小さいと、光吸収剤の添加効果が減少する傾向にあり、添加量が5重量%より大きいと、焼成後の絶縁膜特性が低下する傾向にある。
増感剤は、感度を向上させるために添加される。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノンなどが挙げられる。これらを1種または2種以上使用することができる。増感剤を感光性ペーストに添加する場合、その添加量は、感光性成分に対して通常0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。増感剤の量が0.05重量%より小さいと光感度を向上させる効果が発揮されない傾向にあり、増感剤の量が10重量%より大きいと、露光部の残存率が小さくなる傾向にある。
そのほかに、酸化防止剤、チキソトロピー付与剤などが適宜加えられる。酸化防止剤は、アクリル系重合体の酸化を防ぐために添加される。具体例としては、1,6−ヘキサンジオール−ビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チキソトロピー付与剤としては、N,N’−ジ(12−ヒドロキシステアリン酸)ブチレンジアミンなどがあげられる。
有機溶媒としては、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸、ベンジルアルコールなどやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
隔壁パターンを形成する際、補助隔壁を形成する場合、補助隔壁を形成する位置とピッチは、前面板と合わせてプラズマディスプレイとした際に画素を区切る位置に形成することが、ガス放電と蛍光体層の発光の効率の点から好ましい。なお、隔壁幅、補助隔壁幅、隔壁高さはそれぞれ焼成により10〜40%収縮するため、この割合を考慮して焼成前の隔壁および補助隔壁の寸法を決定すれば良い。
感光性ペーストは、通常、上記の無機微粒子や有機成分を所定の組成になるように調合した後、3本ローラーや混練機で均質に混合分散し作製する。次いで感光性ペーストの塗布、乾燥、露光、現像等を行なう。
現像により得られた隔壁・補助隔壁のパターンは焼成炉にて焼成される。焼成雰囲気や温度は、ペーストや基板の種類によって異なるが、空気中、窒素、水素などの雰囲気中で焼成する。焼成温度は、350〜800℃で行なうことが好ましい。また、ガラス基板上に直接隔壁を形成する場合は、450〜620℃の温度で10〜60分間保持して焼成を行なうことが好ましい。
次いで所定のアドレス電極と平行方向に形成された隔壁間に、R(赤)G(緑)B(青)各色に発光する蛍光体層を形成する。蛍光体層は、蛍光体粉末、有機バインダーおよび有機溶媒を主成分とする蛍光体ペーストを所定の隔壁間に塗着させ、乾燥し、必要に応じて焼成することにより本発明のPDP用背面板を形成することができる。
このPDP用背面板を用いて、前面板と封着後、前背面の基板間隔に形成された空間に、ヘリウム、ネオン、キセノンなどから構成される放電ガスを封入後、駆動回路を装着してプラズマディスプレイを作製できる。前面板は、基板上に所定のパターンで透明電極、バス電極、誘電体、保護膜(MgO)を形成した部材である。
次に本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
42インチサイズのPDP背面板を作製し、評価を実施した。製造方法を順に説明する。
なお、Dg50、Df50、DgTOPはマイクロトラック粒度分布測定装置(日機装(株)製HRA(X−100))を用いて粉末の体積累積頻度曲線を測定し、算出した。
[実施例1]
1.アドレス電極の作製
ガラス基板として、590×964×2.8mmの42インチサイズのPD−200(旭硝子(株)製)を使用した。この基板上に、書き込み電極として、以下の組成の感光性銀ペーストを用いて、フォトリソグラフィー法により、ピッチ240μm、線幅100μm、焼成後厚み3μmのストライプ状アドレス電極を形成した。
銀粉末(累積中位径2.0μm):70重量%
ガラス粉末(累積中位径2.2μm):2重量%
(ガラスの組成):酸化ビスマス:69重量%
酸化珪素:24重量%
酸化アルミニウム:4重量%
酸化硼素:3重量%
アクリル酸、メチルメタクリレート、スチレンの共重合体:8重量%
トリメチロールプロパントリアクリレート:7重量%
ベンゾフェノン:3重量%
ブチルカルビトールアクリレート:7重量%
ベンジルアルコール:3重量%
2.誘電体層の作製
1でアドレス電極を作製した基板に、以下の組成を有する誘電体ペーストを塗布した後、580℃で焼成して、厚み10μmの誘電体層を形成した。
低融点ガラスの粉末(フリットガラス):60重量%
(ガラスの組成):酸化ビスマス:78重量%
酸化珪素:14重量%
酸化アルミニウム:3重量%
酸化亜鉛:3重量%
酸化硼素:2重量%
酸化チタン粉末(累積中位径0.2μm):10重量%
エチルセルロース:15重量%
テルピネオール:15重量%
3.隔壁層の作製
低融点ガラス
隔壁形成用の感光性ペーストは以下の組成のものを用いた。
低融点ガラス粉末(軟化点500℃のガラス):30重量%(Dg50:1.5μm、
DgTOP:4.5μm)
(低融点ガラスの組成):
酸化リチウム:8重量%
酸化珪素:27重量%
酸化硼素:30重量%
酸化亜鉛:15重量%
酸化アルミニウム:5重量%
酸化カルシウム:15重量%
フィラー(軟化点760℃の高融点ガラス):8重量%(Df50:1.8μm)
(フィラーの組成):
酸化珪素:38重量%
酸化アルミニウム:35重量%
酸化硼素:10重量%
酸化バリウム:6重量%
酸化マグネシウム:5重量%
酸化カルシウム:4重量%
酸化亜鉛:2重量%
ポリマー:“サイクロマー”P(ACA250、ダイセル化学工業(株)製):15重量%
有機溶剤(1):ベンジルアルコール:14重量%
有機溶剤(2):ブチルカルビトールアセテート:11重量%
モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:18重量%
光重合開始剤:ベンゾフェノン:2重量%
酸化防止剤:1,6−ヘキサンジオール−ビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:1重量%
有機染料:ベーシックブルー26:0.01重量%
チキソトロピー付与剤:N,N’−ジ(12−ヒドロキシステアリン酸)ブチレンジアミン:0.5重量%
界面活性剤:ポリオキシエチレンセチルエーテル:0.49重量%
前記ペーストを、ダイコーターを用いて300μmの厚みに塗布し、クリーンオーブンにて100℃、40分の乾燥を行ない塗布膜を形成した。その後、フォトマスク(ストライプ状、マスク開口部ピッチ:300μm、マスク開口部幅:50μm)とのギャップを150μmもうけて、隔壁パターン部の露光を実施した。
上記のようにして形成した露光済み基板を0.5重量%のエタノールアミン水溶液で現像し、ストライプ状のパターンを形成した。パターン形成終了済み基板を590℃で15分間焼成を行ない、ストライプ状の隔壁を形成した。
4.蛍光体層の形成
赤色、青色、緑色の蛍光体粉末として、それぞれ、赤色蛍光体粉末:(Y,Gd,Eu)BO(BO塩母体にY、Gd、Euを付活した物質)、青色蛍光体粉末:(Eu)BaMgAl1017(BaMgAl1017塩母体にEuを付活した物質)、緑色蛍光体粉末:(Mn)Zn2SiO4(ZnSiO塩母体にMnを付活した物質)を用いた。蛍光体ペーストは以下の組成のものを用いた。
蛍光体粉末:40重量%
ポリマー:エチルセルロース(ハーキュリース社製)、20重量%
有機溶剤(1):ベンジルアルコール:20重量%
有機溶剤(2):ブチルカルビトールアセテート:20重量
前記の隔壁を形成した基板に、各色蛍光体ペーストをスクリーン印刷法を用いて塗布、乾燥、焼成(500℃、30分)して隔壁の側面および底部に蛍光体層を形成し、背面板を作製し、得られた背面板を評価した。なお、実施例2〜5、比較例1〜3については隔壁形成用のペーストが低融点ガラスとフィラーの成分が同じであって、粒度分布が表1に示すものを各々のフィラー体積含有率で配合されたものを用いる以外は、実施例1と同様に背面板を作製した。
5.前面板の作製
以下の工程によって前面板を作製した。
(i)ガラス基板として、590×964×2.8mmの42インチサイズのPD−200(旭硝子(株)製)を使用した。ガラス基板上に、ITOをスパッタ法で形成後、レジスト塗布し、露光・現像処理、エッチング処理によって厚み0.1μm、線幅200μmの透明電極を形成した。また、黒色銀粉末からなる感光性銀ペーストを用いてフォトリソグラフィー法により、焼成後厚み5μmのバス電極を形成した。電極はピッチ375μm、線幅100μmのものを作製した。
(ii)酸化鉛を75重量%含有する低融点ガラスの粉末を70重量%、エチルセルロース20重量%、テルピネオール10重量%を混練して得られたガラスペーストをスクリーン印刷により、表示部分のバス電極が覆われるように50μmの厚みで塗布した後に、570℃15分間の焼成を行なって前面誘電体を形成した。
(iii)誘電体を形成した基板上に電子ビーム蒸着により保護膜として、厚み0.5μmの酸化マグネシウム層を形成して前面板を作製した。
6.PDPの作製
得られた前面ガラス基板を、前記の背面ガラス基板と封着ガラスを用いて封着して、Xe12%含有のNeガスを内部ガス圧66500Paになるように封入した。さらに、駆動回路を実装してPDPを作製し、評価した。
[実施例6]
隔壁層の形成以外は実施例1と同様におこなった。
隔壁層の作製
表1に示す低融点ガラスとフィラーを配合した下層隔壁ペーストを、ダイコーターを用いて250μmの厚みに塗布し、クリーンオーブンにて100℃、40分の乾燥を行ない隔壁下層部の塗布膜を形成した。その後、アドレス電極と垂直にフォトマスク(ストライプ状、マスク開口部ピッチ700μm、マスク開口部幅:45μm)とのギャップを150μmもうけて、補助隔壁パターン部の露光を実施した。さらに、表1に示す低融点ガラスとフィラーを配合した上層隔壁ペーストを、隔壁下層の上にダイコーターを用いて50μmの厚みに塗布し、前記と同様の操作にて上下2層構造を有する塗布膜を形成した。さらに、アドレス電極と平行に、前記と同様の方法にてフォトマスク(ストライプ状、マスク開口部ピッチ300μm、マスク開口部幅:50μm)を用いて、隔壁パターン部の露光を実施した。
上記のようにして形成した露光済み基板を0.5重量%のエタノールアミン水溶液で現像し、主隔壁と補助隔壁が直交する隔壁パターンを形成した。パターン形成終了済み基板を590℃で15分間焼成を行ない、主隔壁の高さと補助隔壁の高さの差が15μmである段違いの格子状隔壁を形成した。
作製した背面板とPDPを評価した。なお、実施例7,8については隔壁形成用のペーストが低融点ガラスとフィラーの成分が同じであって、粒度分布が表1に示すものを各々のフィラー体積含有率で配合されたものを用いる以外は、実施例6と同様に背面板を作製した。
[評価方法]
<表面粗さ>
隔壁頂部の表面粗さ値であるRz、RSm値はKeyence社製超深度顕微鏡vK―8500で、測定倍率50倍、測定ピッチ0.1μm、隔壁頂部測定長100μmを10回測定した平均値から算出した。
なお、RzはJIS B0601(2001)付属書1に、RSmはJIS B0601(2001)に記載された定義に従って求めた。
<隔壁欠け評価>
作製した背面板を、ガラス基板と張り合わせ、ガラス基板側を下にしてスポンジを敷き詰めた木箱に入れる。この木箱を衝撃40Gで落下させ、サンプルに衝撃を与えたのち、背面板に隔壁欠けが発生していないかを画像検査装置(Neptune900、V・テクノロジー社製)で確認をし、背面板1枚あたりの隔壁欠け数をカウントした。以下の評価基準により評価した。PDPとしては40Gでの隔壁欠けは7個未満であることが好ましく、より好ましくは2個未満であることであるが、製品レベルとしては15個未満であっても、製品の輸送等に耐えることができる。
×・・・隔壁欠け=15個以上
△・・・隔壁欠け=7以上15個未満
○・・・隔壁欠け=2個以上7個未満
◎・・・隔壁欠け=2個未満。
<PDP発光評価>
作製したPDPに電圧を印可して、発光評価をおこなった。表示区域にムラなく良好に発光したものを○、背面板の隔壁の吸着水分が多く、PDPを発光した際に表示区域にムラがあり、表示用ディスプレイとして問題があるものを×とする。
<隔壁頂部うねり評価>
作製した背面板の隔壁頂部のうねりを評価した。測定はKeyence社製超深度顕微鏡vK―8500で、測定倍率20倍、測定ピッチ0.2μmでおこなった。測定ポイントは、主隔壁と補助隔壁の交差部から、主隔壁方向に補助隔壁間の中心点までの35μm毎の10点であって、そのポイントで主隔壁の高さを測定し、その間の最大高さと最小高さの差を背面板の面内15点で平均値を算出し、うねりとした。以下の評価基準により評価した。PDPとしてはうねりが4μm未満であることが好ましく、より好ましくは2μm未満である。しかし、PDPの製品レベルとして、うねりが6μm以下であれば、表示に大きな支障がない。うねりが6μm以上であると、PDPに電圧を印可した際に、蓄積された電荷が隣接するセルに漏れるため、データ電圧が上昇し不灯が発生して表示品位を落とし、表示ディスプレイと問題がある。
×・・・うねり=6μm以上
△・・・うねり=4μm以上6μm未満
○・・・うねり=2μm以上4μm未満
◎・・・うねり=2μm未満。
Figure 2007207464
実施例1で得られた背面板は、隔壁欠けが少なく、PDPパネル評価の結果もりょうこうであった。また、実施例1と同様に作製した実施例2〜4についても物性評価は良好な結果であった。比較例1〜6については、隔壁欠けもしくはPDPパネル評価のいずれかに問題が発生し、目標とするPDPの性能が得られなかった。

Claims (3)

  1. ガラス基板と、該ガラス基板上に設けられた概ストライプ状のアドレス電極と、該アドレス電極を覆う誘電体層と、少なくとも該アドレス電極に平行な主隔壁を含む隔壁を有するプラズマディスプレイ用背面板であって、該主隔壁頂部表面の十点平均粗さRz(μm)および輪郭曲線要素の平均長さRSm(μm)が下記式(1)および(2)を満たすことを特徴とするプラズマディスプレイ用背面板。
    1.8≦RSm≦3.0 (1)
    1.2≦Rz/RSm≦2.5 (2)
  2. 前記主隔壁が低融点ガラス粉末およびフィラーを含む無機粉末ならびに有機成分を含むガラスペーストを前記ガラス基板上に塗布する工程および、焼成する工程を経て設けられ、該隔壁の最上層に用いるペーストに含まれるフィラーの平均粒子径Df50(μm)、低融点ガラス粉末の平均粒子径Dg50(μm)が以下の式(3)を満足し、低融点ガラス粉末の最大粒子径DgTOP(μm)が5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ用背面板の製造方法。
    0.5<Dg50≦Df50<3.0 (3)
  3. 前記隔壁が前記主隔壁および前記主隔壁と交差する補助隔壁で構成され、該主隔壁が2層構造であり、該主隔壁の下層に用いるガラスペースト中の全無機粉末に対するフィラーの体積含有率が該主隔壁の上層に用いるガラスペースト中の全無機粉末に対するフィラーの体積含有率よりも大きいとこと特徴とする請求項2記載のプラズマディスプレイ用背面板の製造方法。
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