JP2007206567A - プロジェクタ、およびプロジェクタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像を劣化させずに効率よくブラックマトリクスを目立たなくさせるプロジェクタを提供する。
【解決手段】プロジェクタ1は、液晶パネル51の光束射出面に圧電素子71を介して平行平板部材7を一体的に取り付けた。これにより、液晶パネル51および平行平板部材7の取り付け精度を良好にできる。また、光学筐体10に液晶パネル51および投写レンズ6を取り付けた後、これらの位置関係のみを設定すればよいので、簡単にプロジェクタ1を組み立てることができ、画像劣化も防止することができる。
【選択図】図1
【解決手段】プロジェクタ1は、液晶パネル51の光束射出面に圧電素子71を介して平行平板部材7を一体的に取り付けた。これにより、液晶パネル51および平行平板部材7の取り付け精度を良好にできる。また、光学筐体10に液晶パネル51および投写レンズ6を取り付けた後、これらの位置関係のみを設定すればよいので、簡単にプロジェクタ1を組み立てることができ、画像劣化も防止することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、画像光を投写するプロジェクタ、およびプロジェクタの製造方法に関する。
従来、液晶表示素子から投写される投写画像のブラックマトリクスを目立たなくさせる装置が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
この特許文献1に記載のものは、光源と、放物面鏡と、液晶表示素子と、投写レンズと、平行平板ガラスと、回転機構とからなる投写型液晶表示装置である。この液晶表示装置では、液晶表示素子と投写レンズとの間に配置される平行平板ガラスを回転機構により光束に回転振動させて光軸を光束に平行移動させることで、ブラックマトリクスを目立たなくさせる構成が採られている。
また、特許文献2に記載のものは、空間光変調素子と当社レンズとの間に平板プリズムを光軸法線に対して斜めに挿入し、フィールド毎にフレーム画素の大きさの光軸シフトを実施する表示装置であり、この光軸シフトにより投写画像の解像度を増加させている。
ところで、上記のような特許文献1や特許文献2に記載のような従来の投写型液晶表示装置では、ブラックマトリクスを目立たなくさせるために、投写レンズと液晶表示素子との間に回転振動される平行平板ガラスを新たに配置させている。しかしながら、投写レンズで画像の光束を拡大投写することで、光軸の微小な変化も拡大されて投写されるので、液晶表示素子や空間光変調素子と、投写レンズの位置関係を正確にして、さらに平行平板ガラスや平板プリズムを精度よく取り付けないと、画像が劣化してしまうおそれがあるという問題が挙げられる。
本発明は、上記のような問題に鑑み、画像を劣化させずに効率よくブラックマトリクスを目立たなくさせるプロジェクタ、およびプロジェクタの製造方法を提供することを1つの目的とする。
本発明に係るプロジェクタは、光束を射出する照明光学系と、射出された光束を光変調する固定画素型の表示素子と、光変調された光束を投写する投写光学系とを備えたプロジェクタであって、前記表示素子に、投写画像の画素位置を移動させる画素位置移動手段が一体的に設けられたことを特徴とする。
この発明によれば、画素位置移動手段は、固定画素型の表示素子に一体的に設けられている。これにより、画素位置移動手段の取り付け精度を良好にできる。つまり、拡大投写される投写画像において、結像の状態を決める投写光学系と、拡大投写される画像を形成する表示素子との2つの位置関係が重要となり、表示素子に画素位置移動手段を取り付けることで、画素位置移動手段の取り付け精度を良好にできる。また、光学筐体に、上記のような画素位置移動手段が一体的に取り付けられた表示素子および投写光学系を設置した後、これらの表示素子および投写光学系の位置関係が正確になるように設置するだけでよいため、組み立て性が良好になり、画像劣化をも防止することができる。
本発明では、前記画素位置移動手段は、前記表示素子の光束射出面に一体的に設けられることが好ましい。
この発明によれば、画素位置移動手段は、投写画像の各画素およびブラックマトリクスを形成する表示素子に一体に設けられているので、これらの画素およびブラックマトリクスの移動をより正確にすることができ、画像劣化をより確実に防止することができる。
この発明によれば、画素位置移動手段は、投写画像の各画素およびブラックマトリクスを形成する表示素子に一体に設けられているので、これらの画素およびブラックマトリクスの移動をより正確にすることができ、画像劣化をより確実に防止することができる。
また、本発明のプロジェクタは、光束を射出する照明光学系と、射出された光束を光変調する固定画素型の表示素子と、光変調された光束を投写する投写光学系とを備えたプロジェクタであって、前記投写光学系に、投写画像の画素を移動させる画素位置移動手段が一体的に設けられたことを特徴とする。
この発明によれば、画素位置移動手段は、投写光学系に一体的に設けられているので、画素位置移動手段との取り付け精度を良好にすることができる。つまり、拡大投写される投写画像において、結像の状態を決める投写光学系と、拡大投写される画像を形成する表示素子との2つの位置関係が重要となり、投写光学系に画素位置移動手段を取り付けることで、画素位置移動手段の取り付け精度を良好にできる。また、光学筐体に、上記のような画素位置移動手段が一体的に取り付けられた表示素子および投写光学系を設置した後、これらの表示素子および投写光学系の位置関係が正確になるように設置するだけでよいため、組み立て性が良好になり、画像劣化をも防止することができる。
この発明によれば、画素位置移動手段は、投写光学系に一体的に設けられているので、画素位置移動手段との取り付け精度を良好にすることができる。つまり、拡大投写される投写画像において、結像の状態を決める投写光学系と、拡大投写される画像を形成する表示素子との2つの位置関係が重要となり、投写光学系に画素位置移動手段を取り付けることで、画素位置移動手段の取り付け精度を良好にできる。また、光学筐体に、上記のような画素位置移動手段が一体的に取り付けられた表示素子および投写光学系を設置した後、これらの表示素子および投写光学系の位置関係が正確になるように設置するだけでよいため、組み立て性が良好になり、画像劣化をも防止することができる。
この時、本発明では、前記画素位置移動手段は、前記投写光学系の内部に設けられることが好ましい。
ここで、画素位置移動手段は、投写光学系の内部に設けられている構成であれば、投写光学系を構成する光学レンズのいずれに一体的に設けられていてもよく、投写光学系の光学レンズを取り付ける筐体などに一体的に設けられていてもよい。
また、投写光学系は、表示素子にて光変調された光束を投写してスクリーンなどに結像させる機能を有する、つまり、投写画像の拡大率を変化させたり、あるいは投写距離を可変して投写画像を投写させたりするので、投写画像の結像状態を保持されたままで光軸を移動させることが好ましい。したがって、画素位置移動手段は、光束の光軸の角度を変えないように平行に移動させることが好ましい。これにより、投写画像の拡大率を変化させたり、あるいは投写距離を可変にして投写画像を投射させたりしても、投写画像は平行移動するだけなので、投写画像が台形に歪んだり、投写画像内でピントが合わない部分ができたりする不都合を回避できる。
この発明によれば、画素位置移動手段は、投写光学系の内部に設けられているので、投写光学系と画素位置移動手段との取り付け精度を良好にできる。また、画素位置移動手段が外部に露出せず、装置の小型化を促進できる。さらに、投写光学系内で光束が集光された位置であれば、画素位置移動手段をその位置に設置して、画素位置移動手段を比較的小型のものにすることができる。
ここで、画素位置移動手段は、投写光学系の内部に設けられている構成であれば、投写光学系を構成する光学レンズのいずれに一体的に設けられていてもよく、投写光学系の光学レンズを取り付ける筐体などに一体的に設けられていてもよい。
また、投写光学系は、表示素子にて光変調された光束を投写してスクリーンなどに結像させる機能を有する、つまり、投写画像の拡大率を変化させたり、あるいは投写距離を可変して投写画像を投写させたりするので、投写画像の結像状態を保持されたままで光軸を移動させることが好ましい。したがって、画素位置移動手段は、光束の光軸の角度を変えないように平行に移動させることが好ましい。これにより、投写画像の拡大率を変化させたり、あるいは投写距離を可変にして投写画像を投射させたりしても、投写画像は平行移動するだけなので、投写画像が台形に歪んだり、投写画像内でピントが合わない部分ができたりする不都合を回避できる。
この発明によれば、画素位置移動手段は、投写光学系の内部に設けられているので、投写光学系と画素位置移動手段との取り付け精度を良好にできる。また、画素位置移動手段が外部に露出せず、装置の小型化を促進できる。さらに、投写光学系内で光束が集光された位置であれば、画素位置移動手段をその位置に設置して、画素位置移動手段を比較的小型のものにすることができる。
さらに、本発明のプロジェクタは、光束を射出する照明光学系と、射出された光束を複数の色光束に分離する色分離光学系と、分離された各色光束のそれぞれに対応して複数設けられるとともに、前記色光束を光変調する固定画素型の表示素子と、光変調されて射出された各色光束を色合成する色合成光学系と、色合成された光束を表示手段に拡大投写する投写光学系と、を備えたプロジェクタであって、前記色合成光学系に、投写画像の画素を移動する画素位置移動手段および前記表示素子が一体的に設けられたことを特徴とする。
この発明によれば、照明光学系から射出された光束を色分離光学系にて複数の色光束、例えばRGB(赤色光束、緑色光束、青色光束)に色分離し、これらの色光束をそれぞれ表示素子にて光変調し、光変調した光束を色合成光学系にて色合成し、色合成された光束を投写光学系から投写するプロジェクタにおいて、色合成光学系に画素位置移動手段を一体的に設けている。これにより、画素位置移動手段の取り付け精度を良好にできる。つまり、拡大投写による投写画像を考えた場合、結像の状態を決める投写光学系と拡大投写される表示素子の2つの位置関係が非常重要となるが、この場合、色合成光学系に表示素子が一体的に設けているので、色合成光学系に画素位置移動手段を取り付けることで、画素位置移動手段の取り付け精度を良好にできることになる。また、色合成表示素子、表示素子、および画素位置移動手段を一体化しているので、これら3つの取り付け精度を良好にできる。また、プロジェクタの光学筐体に取り付ける際にも、色合成表示素子、表示素子、および画素位置移動手段を一体化したものを取り付けるため、簡単に取り付け作業ができ、組み立て性も良好になる。
この発明によれば、照明光学系から射出された光束を色分離光学系にて複数の色光束、例えばRGB(赤色光束、緑色光束、青色光束)に色分離し、これらの色光束をそれぞれ表示素子にて光変調し、光変調した光束を色合成光学系にて色合成し、色合成された光束を投写光学系から投写するプロジェクタにおいて、色合成光学系に画素位置移動手段を一体的に設けている。これにより、画素位置移動手段の取り付け精度を良好にできる。つまり、拡大投写による投写画像を考えた場合、結像の状態を決める投写光学系と拡大投写される表示素子の2つの位置関係が非常重要となるが、この場合、色合成光学系に表示素子が一体的に設けているので、色合成光学系に画素位置移動手段を取り付けることで、画素位置移動手段の取り付け精度を良好にできることになる。また、色合成表示素子、表示素子、および画素位置移動手段を一体化しているので、これら3つの取り付け精度を良好にできる。また、プロジェクタの光学筐体に取り付ける際にも、色合成表示素子、表示素子、および画素位置移動手段を一体化したものを取り付けるため、簡単に取り付け作業ができ、組み立て性も良好になる。
この時、本発明では、前記画素位置移動手段は、前記色合成光学系の光束射出面に一体的に設けられることが好ましい、
この発明によれば、画素位置移動手段が色合成光学系の光束射出面に一体的に設けられている。これにより、色合成光学系にて色合成された光束を画素位置移動手段で移動させているので、画素位置移動手段を表示素子に対応して複数設ける必要がなく、1つのみ設ければよいので、構成を簡単にできる。
この発明によれば、画素位置移動手段が色合成光学系の光束射出面に一体的に設けられている。これにより、色合成光学系にて色合成された光束を画素位置移動手段で移動させているので、画素位置移動手段を表示素子に対応して複数設ける必要がなく、1つのみ設ければよいので、構成を簡単にできる。
そして、本発明のプロジェクタの製造方法は、光束を射出する照明光学系と、射出された光束を光変調する固定画素型の表示素子と、色合成された光束を投写する投写光学系と、前記照明光学系、前記投写光学系、および前記投写光学系を取り付け可能な光学筐体を備えたプロジェクタの製造方法であって、投写画像の画素を所定寸法だけ移動させる画素位置移動手段を前記表示素子の光束射出面に一体的に設けた後、この表示素子を前記光学筐体に取り付けることを特徴とする。
この発明によれば、表示素子と画素位置移動手段とを一体化し、この表示素子および画素位置移動手段を一体化したものを光学筐体に取り付けるため、表示素子と画素位置移動手段との取り付け精度が良好になり、画素の劣化を抑えることができる。また、投写光学系と画素位置移動手段とを一体化したものを光学筐体に取り付けるので、取り付け作業が容易に実施できる。
この発明によれば、表示素子と画素位置移動手段とを一体化し、この表示素子および画素位置移動手段を一体化したものを光学筐体に取り付けるため、表示素子と画素位置移動手段との取り付け精度が良好になり、画素の劣化を抑えることができる。また、投写光学系と画素位置移動手段とを一体化したものを光学筐体に取り付けるので、取り付け作業が容易に実施できる。
また、本発明では、光束を射出する照明光学系と、射出された光束を光変調する固定画素型の表示素子と、色合成された光束を投写する投写光学系と、前記照明光学系、前記投写光学系、および前記投写光学系を取り付け可能な光学筐体を備えたプロジェクタの製造方法であって、投写画像の画素を所定寸法だけ移動させる画素位置移動手段を前記投写光学系に一体的に設けた後、この表示素子を前記光学筐体に取り付けることを特徴とする。
この発明によれば、投写光学系と画素位置移動手段とを一体化した後、この一体化された投写光学系および画素位置移動手段を光学筐体に設置している。このため、投写光学系と画素位置移動手段との取り付け精度を良好にできる。また、一体化された投写光学系および画素位置移動手段を光学筐体に設置しているので、取り付け作業が容易に実施できる。
この発明によれば、投写光学系と画素位置移動手段とを一体化した後、この一体化された投写光学系および画素位置移動手段を光学筐体に設置している。このため、投写光学系と画素位置移動手段との取り付け精度を良好にできる。また、一体化された投写光学系および画素位置移動手段を光学筐体に設置しているので、取り付け作業が容易に実施できる。
さらに、本発明のプロジェクタの製造方法は、光束を射出する照明光学系と、射出された光束を複数の色光束に分離する色分離光学系と、分離された各色光束に対応して複数設けられるとともに、色光束を光変調する固定画素型の表示素子と、複数の表示素子から光変調されて射出された色光束を色合成する色合成光学系と、色合成された光束を表示手段に投写する投写光学系と、を備えたプロジェクタの製造方法であって、投写画像の画素を所定寸法だけ移動させる画素位置移動手段を前記色合成光学系の光束入射面および光束射出面のうち少なくともいずれか一方に一体的に設けた後、この色合成光学系を前記光学筐体に取り付けることを特徴とする。
この発明によれば、画素位置移動手段を色合成光学系に一体的に設けてから、この画素位置移動手段および色合成光学系を一体化したものを光学筐体に取り付けている。これにより、画素位置移動手段と色合成光学系との取り付け精度を良好にでき、また光学筐体への取り付け作業の簡単に実施できる。
この発明によれば、画素位置移動手段を色合成光学系に一体的に設けてから、この画素位置移動手段および色合成光学系を一体化したものを光学筐体に取り付けている。これにより、画素位置移動手段と色合成光学系との取り付け精度を良好にでき、また光学筐体への取り付け作業の簡単に実施できる。
〔第一の実施の形態〕
以下、本発明における第一の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第一の実施の形態に係るプロジェクタの光学系の概略を模式的に示す図である。図2は、第一の実施の形態における液晶パネルを示す斜視図である。図3は、第一の実施の形態における画素移動手段としての平行平板部材を模式的に示す側面図である。
以下、本発明における第一の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第一の実施の形態に係るプロジェクタの光学系の概略を模式的に示す図である。図2は、第一の実施の形態における液晶パネルを示す斜視図である。図3は、第一の実施の形態における画素移動手段としての平行平板部材を模式的に示す側面図である。
[プロジェクタの構成]
図1において、1は、本発明に係るプロジェクタであり、このプロジェクタ1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し、スクリーン等の投写面上に拡大投写する。このプロジェクタ1は、照明光学系としてのインテグレータ照明光学系2と、色分離光学系3と、リレー光学系4と、光学装置5と、投写光学系としての投写レンズ6と、光学筐体10と、図示しない表示制御手段としての制御回路部と、などを備えている。光学筐体10は、インテグレータ照明光学系2、色分離光学系3、リレー光学系4、および光学装置5を内部に収納している。
図1において、1は、本発明に係るプロジェクタであり、このプロジェクタ1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し、スクリーン等の投写面上に拡大投写する。このプロジェクタ1は、照明光学系としてのインテグレータ照明光学系2と、色分離光学系3と、リレー光学系4と、光学装置5と、投写光学系としての投写レンズ6と、光学筐体10と、図示しない表示制御手段としての制御回路部と、などを備えている。光学筐体10は、インテグレータ照明光学系2、色分離光学系3、リレー光学系4、および光学装置5を内部に収納している。
制御回路部は、例えばプロジェクタ1に形成される図示しないコネクタなどの外部入力部、電源ボタンや再生ボタンなどを構成する図示しない制御ボタン、および図示しない電源供給部などに電気的に接続されている。そして、外部入力部や制御ボタンなどから入力される操作信号を認識し、電源供給部からの電力をインテグレータ照明光学系2や、光学装置5などに供給する。また、制御回路部は、例えば外部入力部から入力された画像信号に基づいて光学装置5を制御し、画像信号に基づいた画像を投写させる制御をする。さらに、制御回路部は、後述する画素位置移動手段を構成する圧電素子に所定量の電圧を印加し、画素位置移動手段を構成する平行平板部材7の傾斜状態を制御する。
インテグレータ照明光学系2は、光源から射出された光束を照明光軸直交面内における照度を均一にするための光学系である。このインテグレータ照明光学系2は、光源装置21、第1レンズアレイ22、第2レンズアレイ23、偏光変換素子24、及び重畳レンズ25を備えて構成される。
光源装置21は、光源ランプおよびリフレクタを備えている。そして、光源ランプから射出された放射状の光束は、リフレクタで反射されて略平行光束とされ、外部へと射出される。本実施の形態では、光源ランプとして、高圧水銀ランプを採用し、リフレクタとして、放物面鏡を採用している。なお、光源ランプとしては、高圧水銀ランプに限らず、例えばメタルハライドランプやハロゲンランプ等を採用してもよい。また、リフレクタとして放物面鏡に限らず、楕円面鏡からなるリフレクタの射出面に平行化凹レンズを配置した構成を採用してもよい。
第1レンズアレイ22は、照明光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備する。各小レンズは、光源ランプから射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸方向に射出する。
第2レンズアレイ23は、第1レンズアレイ22と略同様の構成であり、小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備する。この第2レンズアレイ23は、重畳レンズ25とともに、第1レンズアレイ22の各小レンズの像を光学装置5の後述する固定画素型の表示素子としての液晶パネル51上に結像させる機能を有する。
偏光変換素子24は、第2レンズアレイ23からの光を略1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、光学装置5での光の利用効率が高められている。具体的に、偏光変換素子24によって略1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ25によって最終的に光学装置5の後述する液晶パネル51上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル51を用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源ランプからの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子24を用いることにより、光源ランプから射出された光束を略1種類の偏光光に変換し、光学装置5における光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子24は、例えば、特開平8−304739号公報に紹介されている。
色分離光学系3は、2枚のダイクロイックミラー31,32と、反射ミラー33とを備える。インテグレータ照明光学系2から射出された複数の部分光束は、2枚のダイクロイックミラー31,32により赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離される。
リレー光学系4は、入射側レンズ41と、リレーレンズ42と、反射ミラー43,44とを備える。このリレー光学系4は、色分離光学系3で分離された色光である青色光を光学装置5の後述する青色光用の液晶パネル51まで導く機能を有している。
この際、色分離光学系3のダイクロイックミラー31では、インテグレータ照明光学系2から射出された光束のうち、青色光成分と緑色光成分とは透過し、赤色光成分は反射する。ダイクロイックミラー31によって反射した赤色光は、反射ミラー33で反射し、フィールドレンズ45を通って、後述する赤色光用の液晶パネル51に到達する。このフィールドレンズ45は、第2レンズアレイ23から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光、青色光用の液晶パネル51の光入射側に設けられたフィールドレンズ45も同様である。
また、ダイクロイックミラー31を透過した青色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー32によって反射し、フィールドレンズ45を通って、後述する緑色光用の液晶パネル51に到達する。一方、青色光は、ダイクロイックミラー32を透過してリレー光学系4を通り、さらにフィールドレンズ45を通って、後述する青色光用の液晶パネル51に到達する。
なお、リレー光学系4には、3つの色光のうちの青色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、赤色光を通す構成としてもよい。
入射側偏光板52は、偏光変換素子24で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射され、入射された光束のうち、偏光変換素子24で揃えられた光束の偏光軸と略同一方向(第1偏光方向)の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。この入射側偏光板52は、図示を省略するが、透光性基板上に偏光膜が貼付された構成を有している。また、透光性基板を用いずに、偏光膜をフィールドレンズ45に貼り付ける構成を採用してもよい。
液晶パネル51は、図示は省略するが、複数の矩形状のパネル部材を敷き詰めて構成されており、これらのパネル部材に電気光学物質である液晶が密閉封入されている。そして、前記制御回路部から出力される画像信号に応じて、各パネル部材の前記液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板52から射出された偏光光束の偏光方向を変調する。また、液晶パネルの各パネル部材は、例えば格子状の配線により囲まれており、この格子状の配線部では遮光されている。これにより、液晶パネル51に光を透過させると、図5および図6に示すように、各パネル部材を透過して光変調された画像光により各画素81が形成され、これらの画素81を囲うように、配線部で遮光された部分であるブラックマトリクス82が形成される。
また、液晶パネル51の光束射出面側において、液晶パネル51は枠511と例えば接着剤で接合されている。枠511は、略矩形板状に形成され、中央部に矩形状の孔部511Aが形成されている。そして、この孔部511Aを液晶パネル51から射出した光束が通過する。そして、枠511には、図1および図2に示すように、液晶パネル51には、画素位置移動手段としての平行平板部材7が圧電素子71を介して一体的に取り付けられ、枠511を通過した光束が平行平板部材7に入射するようになっている。この平行平板部材7は、例えばガラスなどの光束を透過する部材にて、液晶パネル51と略同一寸法の矩形板状に形成されている。そして、この平行平板部材7は、矩形の4隅にそれぞれ圧電素子71(圧電素子71A,圧電素子71B,圧電素子71C,圧電素子71D)を備えており、この圧電素子71を介して、液晶パネル51の結合された枠511に一体的に接続固定されている。これにより、液晶パネル51の光束射出面側に画素位置移動手段である平行平板部材7が一体的に取り付けられた構成となる。なお、枠511を無くして圧電素子71だけを介して、液晶パネル51の光束射出面側に平行平板部材7を一体的に設けても構わない。
これらの圧電素子71は、それぞれ制御回路部に電気的に接続されており、制御回路部の制御により印加される電圧により伸長伸縮され、平行平板部材7の4隅をそれぞれ個別に液晶パネル51の面と略直交する法線方向に沿って進退移動させる。これにより、平行平板部材7は、所定の揺動角度θで揺動駆動される。
そして、この平行平板部材7の揺動により、液晶パネル51から射出された光束は、平行平板部材7を透過する際に、図3に示すように、光の屈折作用によって光軸がシフト移動される。ここで、この光軸のシフト移動距離Δは、次式のようになる。
Δ=d・θ・(n−1)/n …(1)
上記(1)式において、dは、平行平板部材7の厚み寸法であり、nは、平行平板部材7の屈折率である。ここで、平行平板部材7は、投写画像の画素の移動距離がブラックマトリクス82の幅寸法と略同一寸法となるように、シフト移動距離Δを設定、すなわち光束透過部材732の厚み寸法d、傾斜角度θ、屈折率nを設定している。
投写レンズ6は、光学筐体10の一面に設けられる開口に臨んで設けられており、先端部分がプロジェクタ1の図示しない外装ケースから露出可能に配置されており、クロスダイクロイックプリズム54にて形成されたカラー画像を拡大投写する。
[プロジェクタの動作]
次にプロジェクタ1の動作について図面に基づいて説明する。図4は、第一の実施の形態における圧電素子への印加電圧の状態と、平行平板部材の状態との関係を示す図である。図5は、図4の平行平板部材の各状態に対応する投写画像の画素の移動状態を模式的に示す図である。図6は、図5の投写画像を時間積分した状態を模式的に示す図である。
次にプロジェクタ1の動作について図面に基づいて説明する。図4は、第一の実施の形態における圧電素子への印加電圧の状態と、平行平板部材の状態との関係を示す図である。図5は、図4の平行平板部材の各状態に対応する投写画像の画素の移動状態を模式的に示す図である。図6は、図5の投写画像を時間積分した状態を模式的に示す図である。
プロジェクタ1を駆動させると、先ず、制御回路部はインテグレータ照明光学系2の光源装置21を駆動させ、照明光を主光軸に沿って射出させる。そして、インテグレータ照明光学系2から射出された光は、色分離光学系3およびリレー光学系4により、赤色光、青色光、および緑色光の三色に分離され、光学装置5の液晶パネル51に入射する。この時、制御回路部は、入力された画像信号に応じて適宜液晶パネル51の各パネル部材の液晶の配向状態を変化させる。
そして、この液晶パネル51にて光変調された光束は、平行平板部材7に入射し、平行平板部材7の傾斜角度に応じて光軸がシフト移動される。この後、液晶パネル51にて光変調された光は、クロスダイクロイックプリズム54に入射する。このクロスダイクロイックプリズム54では、各色の液晶パネル51から入射される各色光を合成して画像光を生成し、投写レンズ6に射出する。
そして、この液晶パネル51にて光変調された光束は、平行平板部材7に入射し、平行平板部材7の傾斜角度に応じて光軸がシフト移動される。この後、液晶パネル51にて光変調された光は、クロスダイクロイックプリズム54に入射する。このクロスダイクロイックプリズム54では、各色の液晶パネル51から入射される各色光を合成して画像光を生成し、投写レンズ6に射出する。
ここで、制御回路部は、圧電素子71に印加する電圧を変化させ、平行平板部材7の傾斜方向を図4に示すように周期的に変化させる。これにより、図5に示すように、投写画像も平行平板部材7の傾斜方向に応じてシフト移動される。
例えば、図4の状態(A)に示すように、4つの圧電素子71のうち、圧電素子71Aおよび圧電素子71Bに例えば+5Vの正の電圧を印加し、圧電素子71Cおよび圧電素子71Dに例えば−5Vの負の電圧を印加すると、圧電素子71Aおよび圧電素子71Bが伸長して、圧電素子71Cおよび圧電素子71Dが縮小する。これにより、平行平板部材7は、傾斜角度θにて傾斜される。したがって、この状態(A)では、平行平板部材7を透過した光束の光軸は、シフト移動距離Δだけ+Z方向に移動される。したがって、投写レンズ6により像が反転して投写画像は、図5(A)に示すように、−Z側に移動する。
次に、図4における状態(B)に示すように、圧電素子71Bにのみ例えば+5Vの正の電圧を印加し、その他の圧電素子71A,71C,71Dに例えば−5Vの負の電圧を印加すると、平行平板部材7は傾斜する。これにより、光束の光軸は、+Z−X方向にシフト移動される。したがって、図5(B)に示すように、投写レンズ6により像が反転して投写画像も−Z+X方向に移動する。
次に、図4における状態(C)に示すように、圧電素子71B,71Cに例えば+5Vの正の電圧を印加し、その他の圧電素子71A,71Dに例えば−5Vの負の電圧を印加すると、平行平板部材7は傾斜する。これにより、光束の光軸は、−X方向にシフト移動される。したがって、図5(C)に示すように、投写レンズ6により像が反転して投写画像も+X方向に移動する。
次に、図4における状態(C)に示すように、圧電素子71B,71Cに例えば+5Vの正の電圧を印加し、その他の圧電素子71A,71Dに例えば−5Vの負の電圧を印加すると、平行平板部材7は傾斜する。これにより、光束の光軸は、−X方向にシフト移動される。したがって、図5(C)に示すように、投写レンズ6により像が反転して投写画像も+X方向に移動する。
次に、図4における状態(D)に示すように、圧電素子71Cにのみ例えば+5Vの正の電圧を印加し、その他の圧電素子71A,71B,71Dに例えば−5Vの負の電圧を印加すると、平行平板部材7は傾斜する。これにより、光束の光軸は、−Z−X方向にシフト移動される。したがって、図5(D)に示すように、投写レンズ6により像が反転して投写画像も+Z+X方向に移動する。
次に、図4における状態(E)に示すように、圧電素子71C,71Dに例えば+5Vの正の電圧を印加し、その他の圧電素子71A,71Bに例えば−5Vの負の電圧を印加すると、平行平板部材7は傾斜する。これにより、光束の光軸は、−Z方向にシフト移動される。したがって、図5(E)に示すように、投写レンズ6により像が反転して投写画像も+Z方向に移動する。
次に、図4における状態(E)に示すように、圧電素子71C,71Dに例えば+5Vの正の電圧を印加し、その他の圧電素子71A,71Bに例えば−5Vの負の電圧を印加すると、平行平板部材7は傾斜する。これにより、光束の光軸は、−Z方向にシフト移動される。したがって、図5(E)に示すように、投写レンズ6により像が反転して投写画像も+Z方向に移動する。
次に、図4における状態(F)に示すように、圧電素子71Dにのみ例えば+5Vの正の電圧を印加し、その他の圧電素子71A,71B,71Cに例えば−5Vの負の電圧を印加すると、平行平板部材7は傾斜する。これにより、光束の光軸は、−Z+X方向にシフト移動される。したがって、図5(F)に示すように、投写レンズ6により像が反転して投写画像も+Z−X方向に移動する。
次に、図4における状態(G)に示すように、圧電素子71A,71Dに例えば+5Vの正の電圧を印加し、その他の圧電素子71B,71Cに例えば−5Vの負の電圧を印加すると、平行平板部材7は傾斜する。これにより、光束の光軸は、+X方向にシフト移動される。したがって、図5(G)に示すように、投写レンズ6により像が反転して投写画像も−X方向に移動する。
次に、図4における状態(H)に示すように、圧電素子71Aにのみ例えば+5Vの正の電圧を印加し、その他の圧電素子71B,71C,71Dに例えば−5Vの負の電圧を印加すると、平行平板部材7は傾斜する。これにより、光束の光軸は、+Z+X方向にシフト移動される。したがって、図5(H)に示すように、投写レンズ6により像が反転して投写画像も−Z−X方向に移動する。
次に、図4における状態(G)に示すように、圧電素子71A,71Dに例えば+5Vの正の電圧を印加し、その他の圧電素子71B,71Cに例えば−5Vの負の電圧を印加すると、平行平板部材7は傾斜する。これにより、光束の光軸は、+X方向にシフト移動される。したがって、図5(G)に示すように、投写レンズ6により像が反転して投写画像も−X方向に移動する。
次に、図4における状態(H)に示すように、圧電素子71Aにのみ例えば+5Vの正の電圧を印加し、その他の圧電素子71B,71C,71Dに例えば−5Vの負の電圧を印加すると、平行平板部材7は傾斜する。これにより、光束の光軸は、+Z+X方向にシフト移動される。したがって、図5(H)に示すように、投写レンズ6により像が反転して投写画像も−Z−X方向に移動する。
そして、制御回路部は、上記のような状態(A)から(H)の傾斜状態を、例えば60Hz以上で周期的に切り替える。これにより、投写画像を時間積分すると、画素81とブラックマトリクス82とが合成されて、図6に示すようなブラックマトリクス82が目立たない画像を表示させることができる。なお、図5では、液晶パネルが図1において液晶パネル51Gと同じ位置に配置されていることを前提としているが、液晶パネルが図1において液晶パネル51Bや液晶パネル51Rと同じ場所に配置される場合には、クロスダイクロイックプリズム54の反射面で像の移動する方向が更に反転して画像が投写される。したがって、3つの液晶パネルの投写画像において移動方向が全て揃うように、3つの液晶パネルにおいて平行移動の方向がそれぞれ最適化されている。
[プロジェクタの製造方法]
ここで、上記のようなプロジェクタ1の製造方法について、図面に基づいて説明する。図7は、プロジェクタの製造方法のフローチャートである。
上記のようなプロジェクタ1では、先ず、液晶パネル51に枠511と圧電素子71を介して平行平板部材7を一体的に取り付ける(平行平板部材取付工程)。このように、液晶パネル51を光学筐体10に組み込む前に、液晶パネル51に平行平板部材7を一体的に取り付けることにより、平行平板部材7を液晶パネル51に精度よく平行に取り付けることができる。したがって、平行平板部材7と液晶パネル51との取り付け精度を良好にでき、画像劣化も防止することができる。
ここで、上記のようなプロジェクタ1の製造方法について、図面に基づいて説明する。図7は、プロジェクタの製造方法のフローチャートである。
上記のようなプロジェクタ1では、先ず、液晶パネル51に枠511と圧電素子71を介して平行平板部材7を一体的に取り付ける(平行平板部材取付工程)。このように、液晶パネル51を光学筐体10に組み込む前に、液晶パネル51に平行平板部材7を一体的に取り付けることにより、平行平板部材7を液晶パネル51に精度よく平行に取り付けることができる。したがって、平行平板部材7と液晶パネル51との取り付け精度を良好にでき、画像劣化も防止することができる。
この後、光学筐体10にインテグレータ照明光学系2、色分離光学系3、クロスダイクロイックプリズム54、投写レンズ6、および平行平板部材取付工程にて平行平板部材7を一体的に取り付けた液晶パネル51を取り付ける(光学系組立工程)。ここで、平行平板部材7が一体化された液晶パネル51を光学筐体10に取り付けるため、平行平板部材7を別部材として光学筐体10に取り付ける場合に比べて、取り付け作業が簡単にできる。
次に、プロジェクタ1の図示しない外部ケースに制御回路部を取り付け、この制御回路部と、光源装置21、液晶パネル51、圧電素子71、および投写レンズ6などとを接続する(接続工程)。
そして、制御回路部を制御して、光源装置21を点灯させて光束を射出させる。この時、射出された光束が液晶パネル51に照明されるように、インテグレータ照明光学系2および色分離光学系3を構成する各光学部材、具体的には、光源装置21、第1および第2レンズアレイ22,23、偏光変換素子24、重畳レンズ25、ダイクロイックミラー31,32、反射ミラー33などの位置や角度を適宜調整する(第一調整工程)。
この後、液晶パネル51に所定の調整用信号を入力し、図示しないスクリーンなどの投写面に調整用の画像パターンを表示させる。そして、この調整用の画像パターンを確認しながら、投写レンズ6と液晶パネル51との位置関係を変更し、RGBの各色の色ずれの調整や、各液晶パネル51R,51B,51Gのピントを合わせ、投写レンズ6および液晶パネル51の位置関係を決定する(第二調整工程)。上記のような製造方法では、光学筐体10に各光学部材を設置した後、改めて平行平板部材7と投写レンズ6との位置関係を設定する必要がないため、プロジェクタ1をより容易に製造することができる。
[第二の実施の形態]
次に本発明の第二の実施の形態に係るプロジェクタについて図面に基づいて説明する。図8は、第二の実施の形態に係るプロジェクタの光学系を模式的に示す図である。なお、以下の説明において、第一の実施の形態と同様の構成は同一符号で示し、その説明を省略もしくは簡略する。
次に本発明の第二の実施の形態に係るプロジェクタについて図面に基づいて説明する。図8は、第二の実施の形態に係るプロジェクタの光学系を模式的に示す図である。なお、以下の説明において、第一の実施の形態と同様の構成は同一符号で示し、その説明を省略もしくは簡略する。
第二の実施の形態では、図8に示すように、プロジェクタ1Aは、第一の実施の形態と同様に、インテグレータ照明光学系2と、色分離光学系3と、リレー光学系4と、光学装置5と、投写レンズ6と、光学筐体10とを備えている。ここで、第二の実施の形態の光学装置5を構成する液晶パネル51は、光束射出面に平行平板部材7が設けられておらず、投写レンズ6の光束入射面6Aに平行平板部材7が一体的に設けられている。
この平行平板部材7は、投写レンズ6の光束入射面6Aに、例えば接着剤により枠511と複数(例えば4つ)の圧電素子71を介して一体的に設けられている。これらの圧電素子71は、第一の実施の形態と同様に制御回路部に電気的に接続されており、制御回路部の制御により所定の電圧が印加される。そして、枠511を通過した光束が平行平板部材7に入射する。これにより、平行平板部材7の傾斜状態が変化し、光束の光軸進行方向を例えばブラックマトリクスの幅寸法と略同一寸法だけシフト移動させる。なお、枠511の孔部511Aは矩形以外に円形であってもよく、枠511、孔部511Aや平行平板部材7の大きさも適宜変更しても構わない。また、枠511を無くして圧電素子だけを介して、投写レンズ6の光束入射面6Aと平行平板部材7を一体的に設けても構わない。
そして、この平行平板部材7の傾斜状態を第一の実施の形態のように切り替えることにより、図5のように傾斜状態に応じて投写画像の各画素が移動される。ここで、平行平板部材7の傾斜状態を例えば60Hzなどの人の目により認識不可能な速度にて周期的に切り替えて時間積分すると、図6に示すような、ブラックマトリクス82が目立たない投写画像を表示させることができる。
次に、上記のようなプロジェクタ1Aの製造方法についで説明する。
上記のようなプロジェクタ1Aは、図7に示すような製造工程、すなわち平行平板部材取付工程、光学系組立工程、接続工程、第一調整工程、第二調整工程により製造できる。
上記のようなプロジェクタ1Aは、図7に示すような製造工程、すなわち平行平板部材取付工程、光学系組立工程、接続工程、第一調整工程、第二調整工程により製造できる。
具体的には、先ず、平行平板部材組立工程において、投写レンズ6の光束入射面6Aに枠511と圧電素子71を介して平行平板部材7を一体的に取り付ける。このように、投写レンズ6を光学筐体10に組み込む前に、投写レンズ6に平行平板部材7を一体的に取り付けることにより、平行平板部材7を投写レンズ6に精度よく取り付けることができる。したがって、平行平板部材7と投写レンズ6との取り付け精度を良好にでき、画像劣化も防止することができる。
この後、光学系組立工程にて、光学筐体10にインテグレータ照明光学系2、色分離光学系3、クロスダイクロイックプリズム54、液晶パネル51、および投写レンズ6を取り付ける。ここで、平行平板部材7が一体化された投写レンズ6を光学筐体10に取り付けるため、第一の実施の形態と同様に、取り付け作業が簡単にできる。
次に、接続工程にて、プロジェクタ1Aの図示しない外部ケースに制御回路部を取り付け、この制御回路部と、光源装置21、液晶パネル51、圧電素子71、および投写レンズ6などとを接続する。
そして、第一調整工程にて、制御回路部を制御して、光源装置21を点灯させて光束を射出させ、射出された光束が液晶パネル51に照明されるように、インテグレータ照明光学系2および色分離光学系3を構成する各光学部材、具体的には、光源装置21、第1および第2レンズアレイ22,23、偏光変換素子24、重畳レンズ25、ダイクロイックミラー31,32、反射ミラー33などの位置や角度を適宜調整する。
この後、液晶パネル51に所定の調整用信号を入力し、図示しないスクリーンなどの投写面に調整用の画像パターンを表示させる。そして、第二調整工程にて、この調整用の画像パターンを確認しながら、投写レンズ6と液晶パネル51との位置関係を変更し、RGBの各色の色ずれの調整や、各液晶パネル51R,51B,51Gのピントを合わせ、投写レンズ6および液晶パネル51の位置関係を決定する。上記のような製造方法では、光学筐体10に各光学部材を設置した後、平行平板部材7と液晶パネル51との位置関係を改めて設定する必要がないため、プロジェクタ1Aをより容易に製造することができる。
[第三の実施の形態]
次に本発明の第三の実施の形態に係るプロジェクタ1Bについて図面に基づいて説明する。図9は、第三の実施の形態に係るプロジェクタの光学系を模式的に示す図である。なお、第三の実施の形態の説明に当たり、第一および第二の実施の形態と同一の構成は同一符号にて示し、その説明を省略もしくは簡略する。
次に本発明の第三の実施の形態に係るプロジェクタ1Bについて図面に基づいて説明する。図9は、第三の実施の形態に係るプロジェクタの光学系を模式的に示す図である。なお、第三の実施の形態の説明に当たり、第一および第二の実施の形態と同一の構成は同一符号にて示し、その説明を省略もしくは簡略する。
前記第二の実施の形態では、投写レンズ6の光束入射面6Aに平行平板部材7を一体的に取り付ける例を示したが、第三の実施の形態では、投写レンズ6の内部に平行平板部材7を取り付けている。具体的には、第三の実施の形態のプロジェクタ1Bは、前記第二の実施の形態のプロジェクタ1Aと同様に、インテグレータ照明光学系2と、色分離光学系3と、リレー光学系4と、光学装置5と、投写レンズ6と、光学筐体10とを備えている。
投写レンズ6は、図9に示すように、複数の光学レンズ61を備えた組レンズ62を備えている。そして、これらの光学レンズ61のうちの1つ、例えば最も光学装置5に近接して配置される光学レンズ61に、例えば接着剤などにより枠511と圧電素子71を介して平行平板部材7が設けられている。つまり、投写光学系である投写レンズ6の内部に画素位置移動手段としての平行平板部材7が設けられている。また、圧電素子71は前記実施の形態と同様に、制御回路部に電気的に接続されており、制御回路部の制御により所定の電圧が印加されて平行平板部材7が傾斜される。なお、枠511の孔部511Aは矩形以外に円形であってもよく、枠511を無くして圧電素子71だけを介して光学レンズ61と平行平板部材7とを一体的に設けてもよい。
そして、上記第一および第二の実施の形態と同様に、この平行平板部材7の傾斜状態を切り替えることにより、図5のように傾斜状態に応じて投写画像の各画素が移動される。ここで、平行平板部材7の傾斜状態を例えば60Hzで周期的に切り替えて投写画像を時間積分すると、図6に示すような、ブラックマトリクス82が目立たない投写画像を表示させることができる。
次に上記のようなプロジェクタ1Bの製造方法を説明する。
上記のようなプロジェクタ1Bは、図7に示すような製造工程、すなわち平行平板部材取付工程、光学系組立工程、接続工程、第一調整工程、第二調整工程により製造できる。
上記のようなプロジェクタ1Bは、図7に示すような製造工程、すなわち平行平板部材取付工程、光学系組立工程、接続工程、第一調整工程、第二調整工程により製造できる。
具体的には、先ず、平行平板部材取付工程にて、投写レンズ6を構成する光学レンズ61に枠511と圧電素子71を介して平行平板部材7を一体的に取り付ける。この時、平行平板部材7を取り付ける面は光束射出面であってもよく、光束入射面であってもよい。そして、平行平板部材7を一体的に取り付けた光学レンズ61およびその他の組レンズ62を構成する光学レンズ61を投写レンズ6の枠部材に取り付ける。このように、投写レンズ6を光学筐体10に組み込む前に、投写レンズ6の光学レンズ61に平行平板部材7を一体的に取り付けることにより、第二の実施の形態と同様に、平行平板部材7を投写レンズ6に精度よく取り付けることができる。したがって、平行平板部材7と投写レンズ6との取り付け精度を良好にでき、画像劣化も防止することができる。
この後、光学系組立工程にて、光学筐体10にインテグレータ照明光学系2、色分離光学系3、クロスダイクロイックプリズム54、液晶パネル51、および投写レンズ6を取り付ける。ここで、平行平板部材7が一体化された投写レンズ6を光学筐体10に取り付けるため、上記第一および第二の実施の形態と同様に、取り付け作業が簡単にできる。
次に、接続工程にて、プロジェクタ1Bの図示しない外部ケースに制御回路部を取り付け、この制御回路部と、光源装置21、液晶パネル51、圧電素子71、および投写レンズ6などとを接続する。
そして、第一調整工程にて、制御回路部を制御して、光源装置21を点灯させて光束を射出させ、射出された光束が液晶パネル51に照明されるように、インテグレータ照明光学系2および色分離光学系3を構成する各光学部材、具体的には、光源装置21、第1および第2レンズアレイ22,23、偏光変換素子24、重畳レンズ25、ダイクロイックミラー31,32、反射ミラー33などの位置や角度を適宜調整する。
この後、液晶パネル51に所定の調整用信号を入力し、図示しないスクリーンなどの投写面に調整用の画像パターンを表示させる。そして、第二調整工程にて、この調整用の画像パターンを確認しながら、投写レンズ6と液晶パネル51との位置関係を変更し、RGBの各色の色ずれの調整や、各液晶パネル51R,51B,51Gのピントを合わせ、投写レンズ6および液晶パネル51の位置関係を決定する。上記のような製造方法では、光学筐体10に各光学部材を設置した後、平行平板部材7と液晶パネル51との位置関係を設定する必要がないため、プロジェクタ1Bをより容易に製造することができる。
[第四の実施の形態]
次に本発明の第四の実施の形態に係るプロジェクタ1Cについて図面に基づいて説明する。図10は、第四の実施の形態に係るプロジェクタの光学系を模式的に示す図である。なお、第四の実施の形態の説明に当たり、第一の実施の形態と同一の構成は同一符号にて示し、その説明を省略もしくは簡略する。
次に本発明の第四の実施の形態に係るプロジェクタ1Cについて図面に基づいて説明する。図10は、第四の実施の形態に係るプロジェクタの光学系を模式的に示す図である。なお、第四の実施の形態の説明に当たり、第一の実施の形態と同一の構成は同一符号にて示し、その説明を省略もしくは簡略する。
第四の実施の形態では、図10に示すように、プロジェクタ1Cは、第一の実施の形態と同様に、インテグレータ照明光学系2と、色分離光学系3と、リレー光学系4と、光学装置5と、投写レンズ6と、光学筐体10とを備えている。ここで、第四の実施の形態の光学装置5を構成する液晶パネル51は、光束射出面に平行平板部材7が設けられておらず、クロスダイクロイックプリズム54の光束射出面に平行平板部材7が一体的に設けられている。また、クロスダイクロイックプリズム54の光の入射面側には、光学装置5を構成する3つの液晶パネル51がクロスダイクロイックプリズム54に一体的に設けられている。
具体的には、光学装置5を構成する3つの液晶パネル51、3つの光学変換板53、およびクロスダイクロイックプリズム54は、保持枠および保持部材を有する光学装置保持体50により一体化されて光学筐体10に取り付けられている。そして、クロスダイクロイックプリズム54の光束射出面には、例えば、接着剤などにより枠511と圧電素子71とを介して平行平板部材7が一体的に取り付けられている。つまり、クロスダイクロイックプリズム54を射出した光束が枠511を通過して、平行平板部材7に入射する。また、圧電素子71は、上記第一の実施の形態と同様に、制御回路部に電気的に接続されており、制御回路部の制御により伸縮して平行平板部材7の傾斜状態を切り替える。なお、枠511の孔部511Aは矩形以外に例えば円形であってもよく、枠511、孔部511Aや平行平板部材7の大きさも適宜変更してもよい。また、枠511を無くして圧電素子だけを介して、クロスダイクロイックプリズム54と平行平板部材7を一体的に設ける構成としてもよい。
そして、この平行平板部材7の傾斜状態を第一の実施の形態のように切り替えることにより、図5のように傾斜状態に応じて投写画像の各画素が移動される。ここで、平行平板部材7の傾斜状態を例えば60Hzで周期的に切り替えて投写画像を時間積分すると、図6に示すような、ブラックマトリクス82が目立たない投写画像を表示させることができる。
次の上記のようなプロジェクタ1Cの製造方法について説明する。
上記のようなプロジェクタ1Bは、図7に示すような製造工程、すなわち平行平板部材取付工程、光学系組立工程、接続工程、第一調整工程、第二調整工程により製造できる。
上記のようなプロジェクタ1Bは、図7に示すような製造工程、すなわち平行平板部材取付工程、光学系組立工程、接続工程、第一調整工程、第二調整工程により製造できる。
具体的には、先ず、平行平板部材取付工程にて、クロスダイクロイックプリズム54の光束射出面に枠511と圧電素子71とを介して平行平板部材7を一体的に取り付ける。これにより、平行平板部材7とクロスダイクロイックプリズム54との取り付け精度を良好にできる。
この後、光学系組立工程にて、光学筐体10に、インテグレータ照明光学系2、色分離光学系3、クロスダイクロイックプリズム54およびその他の光学装置5を構成する光学部材、すなわち入射側偏光板52やフィールドレンズ45を取り付ける。
次に、接続工程にて、光源装置21、液晶パネル51、投写レンズ6、圧電素子71を制御回路部に接続する。そして、第一調整工程にて、制御回路部を制御して、光源装置21を点灯させて光束を射出させ、射出された光束が液晶パネル51に照明されるように、インテグレータ照明光学系2および色分離光学系3を構成する各光学部材、具体的には、光源装置21、第1および第2レンズアレイ22,23、偏光変換素子24、重畳レンズ25、ダイクロイックミラー31,32、反射ミラー33などの位置や角度を適宜調整する。
そして、液晶パネル51に所定の調整用信号を入力し、図示しないスクリーンなどの投写面に調整用の画像パターンを表示させる。そして、第二調整工程にて、この調整用の画像パターンを確認しながら、投写レンズ6と光学装置保持体50との位置関係を変更し、RGBの各色の色ずれの調整や、各液晶パネル51R,51B,51Gのピントを合わせる。そして、投写レンズ6を光学筐体10に取り付け、液晶パネル51および光学変換板53を光学装置保持体50によりクロスダイクロイックプリズム54に取り付ける。これにより、投写レンズ6および各液晶パネル51の位置関係を決定する。よって、平行平板部材7、液晶パネル51をクロスダイクロイックプリズム54に一体的に取り付けることにより、液晶パネル54と平行平板部材7との位置関係における取り付け精度を良好にできる。上記のような製造方法では、光学筐体10に各光学部材を設置した後、平行平板部材7と液晶パネル51との位置関係、もしくは平行平板部材7と投写レンズ6との位置関係を改めて設定する必要がないため、プロジェクタ1Bをより容易に製造することができる。
[実施の形態の変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記第一および第二の実施の形態では、液晶パネル51に枠511と圧電素子71とを介して平行平板部材7を一体的に取り付けた後、光学筐体10にインテグレータ照明光学系2、色分離光学系3、クロスダイクロイックプリズム54、平行平板部材7と一体化された液晶パネル51、および投写レンズ6を取り付け、この後、各部材の位置を調整することでプロジェクタ1を製造する例を示したが、各部材の位置調整は、これに限らず、例えばクロスダイクロイックプリズム54の角度調整など、他の工程が入るものであってもよい。
また、上記実施の形態において、投写画像の画素の移動距離がブラックマトリクスの幅寸法と略同一寸法となるように、光軸のシフト移動距離Δを設定し、平行平板部材7の傾斜角度θ、屈折率n、厚み寸法dを決定したが、これに限らない。例えば、平行平板部材7にて光軸のシフト移動距離Δを変更することで、解像度を向上させてブラックマトリクス82を目立たなくさせる構成としてもよい。これには、例えば図11に示すように、各圧電素子71に印加する電圧を大きくし、投写画像の画素移動距離が画素ピッチを略同一寸法となるようにシフト移動距離Δを設定する。すなわち、図11の状態(A)に示すように、圧電素子71Bに例えば+15Vの正の電圧を印加し、その他の圧電素子71A,71C,71Dに例えば−15Vの負の電圧を印加すると、投写画像は、図12(A)に示すように、画素ピッチと略同一寸法だけ。−Z+X方向に移動する。また、図11の状態(B)に示すように、圧電素子71Cに例えば+15Vの正の電圧を印加し、その他の圧電素子71A,71B,71Dに例えば−15Vの負の電圧を印加すると、投写画像は、図12(B)に示すように、+Z+X方向に移動される。さらに、図11の状態(C)に示すように、圧電素子71Dに例えば+15Vの正の電圧を印加し、その他の圧電素子71A,71B,71Cに例えば−15Vの負の電圧を印加すると、投写画像は+Z−X方向に移動される。さらには、図11の状態(D)に示すように、圧電素子71Aに例えば+15Vの正の電圧を印加し、その他の圧電素子71B,71C,71Dに例えば−15Vの負の電圧を印加すると、投写画像は−Z−X方向に移動される。そして、上記のような状態(A)ないし(D)を例えば画像送信号の切り替え周期(フレームレート)と同期して周期的に切り替えると、図13に示すように、解像度を向上させた投写画像を表示させることができる。また、平行平板の傾斜角度の変化を変更することで、投写画像を移動は2次元方向に限らず一次元方向に移動するようにしても構わない。この場合、擬似的に解像度を向上させる構成以外に左右の目の視差を利用した立体画像表示装置に利用する構成に利用できる。
第二の実施の形態において、投写レンズ6の光束入射面6Aに平行平板部材7を一体的に取り付ける例を示したが、これに限らず、例えば投写レンズ6の光束射出面に平行平板部材7を取り付ける構成としてもよい。
第三の実施の形態において、光学装置5に最も近接する光学レンズ61に平行平板部材7を取り付けたが、その他の光学レンズ61に一体的に取り付ける構成としてもよい。また、投写光学系は、レンズだけで構成されるものに限らずミラーを含む構成であっても構わず、そのミラーに平行平板部材7を取り付けた構成であってもよい。また、本発明の実施の形態では、投写光学系である投写レンズ6と画素位置移動手段を構成する平行平板部材7とを一体的に設けるために、投写レンズ6を構成するレンズに画素位置移動手段を取り付けたが、投写レンズ6の鏡筒を構成する筒などを介して投写光学系やその内部に画素位置移動手段を一体的に設ける構成としてもよい。
また、第四の実施の形態において、クロスダイクロイックプリズム54の光束射出面に平行平板部材7を一体化する例を示したが、これに限定されない。例えば、クロスダイクロイックプリズム54および3つの液晶パネル51との間に、平行平板部材7を設ける構成としてもよい。この場合、例えばクロスダイクロイックプリズム54の光束入射面にそれぞれ平行平板部材7を取り付ける構成とすればよい。
さらに、上記実施の形態において、画素位置移動手段として、平行平板部材7を枠511と圧電素子71とを介して液晶パネル51、投写レンズ6、クロスダイクロイックプリズム54に取り付ける構成としてしたが、画素位置移動手段としてはこれに限定されない。例えば、図14に示すようなプロジェクタ1Dを例示することができる。すなわち、図14において、プロジェクタ1Dは、インテグレータ照明光学系2と、色分離光学系3と、リレー光学系4と、光学装置5と、投写レンズ6と、光学筐体10と、を備えている。また、光学装置5を構成する3つの液晶パネル51、3つの光学変換板53、およびクロスダイクロイックプリズム54は、保持枠および保持部材を有する光学装置保持体50により一体化されて光学筐体10に取り付けられている。そして、クロスダイクロイックプリズム54の3つの光束入射面には、それぞれ画素位置移動手段として、液晶部材9が一体的に設けられている。
この液晶部材9は、偏光方向制御用液晶パネル91と、水晶板92とを備えている。偏光方向制御用液晶パネル91は、2枚の透明電極が設けられたガラス基板で、液晶が封入された1つのセルを挟持して形成されている。そして、ガラス基板の透明電極が制御回路部に電気的に接続されており、制御回路部の制御により、所定の電圧が印加されると、セルに封入された液晶の配向状態が変化する。すなわち、制御回路部から所定の電圧が印加されると、セルの液晶の配向状態が光軸に対して平行となり、電圧が印加されない状態では、セルの配向状態が光軸に対して例えば90度傾斜した状態となる。これにより、偏光方向制御用液晶パネル91は、電圧が印加された状態において、入射光束をそのまま透過して射出させ、電圧が印加されない状態において、入射光束の偏向方向を90度偏向させて射出させる。
また、水晶板92は、復屈折現象により、偏光方向制御用液晶パネル91にて偏向されなかった光束を直進させ、偏光方向制御用液晶パネル91にて偏向方向が90度変更された光束の光路をシフト移動させる。この時、投写画像の各画素がブラックマトリクス82の幅寸法と略同一寸法だけ移動するように、光路のシフト移動距離を設定する。
そして、偏光方向制御用液晶パネル91への電圧印加を周期的にON/OFFすることで、上記実施の形態と同様に、周期的に画素を移動させることができ、ブラックマトリクス82を目立たなくさせることができる。
このような構成のプロジェクタ1Dの製造方法では、上記第一の実施の形態と略同様に、先ず、液晶パネル51の光束射出面に液晶部材9を取り付けて一体化する。この後、液晶パネル51、および他の光学部材を光学筐体10に取り付ける。このように製造することで、液晶パネル51と液晶部材9との取り付け精度が良好になり、画像劣化も防止することができる。
なお、上記の例において、液晶部材9を1つのみ取り付ける例を示したが、これに限らず、複数設ける構成としてもよく、この場合、画素を2次元に移動させることができるので、より効率よくブラックマトリクス82を目立たなくさせることができる。
また、液晶パネル51に液晶部材9を一体に取り付ける例を示したが、例えば第二の実施の形態のように投写レンズ6に一体化して取り付けてもよく、第四の実施の形態のように、クロスダイクロイックプリズム54の光束射出面に一体に取り付けてもよい。
さらに、プロジェクタ1,1A,1B,1C,1Dにおいて、インテグレータ照明光学系2により光束を射出する構成を示したが、たとえば、有機EL素子から光束を射出させる構成、半導体レーザからレーザ光束を射出させる構成としてもよい。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。同時に、光学系や表示素子の種類に関しても本発明を逸脱しない範囲で変更することができる。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明は、画像光をスクリーンに投写させるプロジェクタに利用できる。
1,1A,1B,1C,1D…プロジェクタ、2…インテグレータ照明光学系、3…色分離光学系、6…投写光学系としての投写レンズ、7…画素位置移動手段としての平行平板部材、9…画素位置移動手段としての液晶部材、10…光学筐体、51…固定画素型の表示素子としての液晶パネル、54…クロスダイクロイックプリズム。
Claims (8)
- 光束を射出する照明光学系と、射出された光束を光変調する固定画素型の表示素子と、光変調された光束を投射する投写光学系とを備えたプロジェクタであって、
前記表示素子に、投写画像の画素位置を移動させる画素位置移動手段が一体的に設けられた
ことを特徴とするプロジェクタ。 - 光束を射出する照明光学系と、射出された光束を光変調する固定画素型の表示素子と、光変調された光束を投写する投写光学系とを備えたプロジェクタであって、
前記投写光学系に、投写画像の画素位置を移動させる画素位置移動手段が一体的に設けられた
ことを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記画素位置移動手段は、前記投写光学系の内部に設けられた
ことを特徴とするプロジェクタ。 - 光束を射出する照明光学系と、射出された光束を複数の色光束に分離する色分離光学系と、分離された各色光束のそれぞれに対応して複数設けられるとともに、前記色光束を光変調する固定画素型の表示素子と、光変調されて射出された各色光束を色合成する色合成光学系と、色合成された光束を表示手段に投写する投写光学系と、を備えたプロジェクタであって、
前記色合成光学系に、投写画像の画素を移動する画素位置移動手段、および前記表示素子が一体的に設けられた
ことを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項4に記載のプロジェクタにおいて、
前記画素位置移動手段は、前記色合成光学系の光束射出面に一体的に設けられた
ことを特徴とするプロジェクタ。 - 光束を射出する照明光学系と、射出された光束を光変調する固定画素型の表示素子と、色合成された光束を投写する投写光学系と、前記照明光学系、前記投写光学系、および前記投写光学系を取り付け可能な光学筐体を備えたプロジェクタの製造方法であって、
投写画像の画素を所定寸法だけ移動させる画素位置移動手段を前記表示素子の光束射出面に一体的に設けた後、この表示素子を前記光学筐体に取り付ける
ことを特徴としたプロジェクタの製造方法。 - 光束を射出する照明光学系と、射出された光束を光変調する固定画素型の表示素子と、色合成された光束を投写する投写光学系と、前記照明光学系、前記投写光学系、および前記投写光学系を取り付け可能な光学筐体を備えたプロジェクタの製造方法であって、
投写画像の画素を所定寸法だけ移動させる画素位置移動手段を前記投写光学系に一体的に設けた後、この表示素子を前記光学筐体に取り付ける
ことを特徴としたプロジェクタの製造方法。 - 光束を射出する照明光学系と、射出された光束を複数の色光束に分離する色分離光学系と、分離された各色光束に対応して複数設けられるとともに、色光束を光変調する固定画素型の表示素子と、複数の表示素子から光変調されて射出された色光束を色合成する色合成光学系と、色合成された光束を表示手段に投写する投写光学系と、を備えたプロジェクタの製造方法であって、
投写画像の画素を所定寸法だけ移動させる画素位置移動手段を前記色合成光学系の光束入射面および光束射出面のうち少なくともいずれか一方に一体的に設けた後、この色合成光学系を前記光学筐体に取り付ける
ことを特徴としたプロジェクタの製造方法。
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JP2006027680A JP2007206567A (ja) | 2006-02-03 | 2006-02-03 | プロジェクタ、およびプロジェクタの製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2006
- 2006-02-03 JP JP2006027680A patent/JP2007206567A/ja not_active Withdrawn
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