JP2007206385A - 正帯電性トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的はアモルファスシリコン感光体を用いた画像形成装置に用いるトナーにおいて、感光体上に付着物、傷を生じさせることなく、長寿命の品質に優れたトナーを提供することである。
【解決手段】少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と複数の外添剤とからなる、アモルファスシリコン感光体を用いた画像形成装置に用いる正帯電性トナーであって、外添剤が少なくともマイクロトラック法による上からの累積50%の平均粒子径D50が0.5〜2.5μm、上からの累積3%の粒子径D3が7μm以下、上からの累積94%の粒子径D94が0.3μm以上であり、かつモース硬度が9〜14の無機微粒子(A)とシリカヒドロゾル及びシリコーンオイルにより表面処理されたモース硬度が5以下の金属塩化合物である無機微粒子(B)とからなることを特徴とする正帯電性トナーである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アモルファスシリコン感光体を用いた、電子写真法、静電記録法、静電印刷法を利用する電子写真複写機、レーザービームプリンタ、静電記録法を利用する静電記録装置における静電潜像の現像のために使用されるトナーに関する。詳しくは、コピー品質に優れ、且つ耐熱性、保存安定性のある正帯電性トナーに関する。
電子写真法、静電記録法、静電印刷法を利用する電子写真複写機、レーザービームプリンタ、静電記録法を利用する静電記録装置に搭載される感光体(静電荷像担持体)としてはヒ素−セレン、セレン−テルル等のセレン系感光体、有機光半導体を用いた感光体(以下OPCとする)、アモルファスシリコン感光体の3種類に大別することができる。セレン系感光体は昨今その有毒性、耐久性の弱さから衰退し大幅にシェアは低下しており、現在はOPC、アモルファスシリコン感光体が主流となっている
OPCとアモルファスシリコン感光体を比較した場合、OPCは廉価であるが寿命が10万枚程度の耐刷レベルであり、定期的なメンテナンス、交換が必要であること、一方、アモルファスシリコン感光体は寿命が長いが高価なものであることであり、両者を用途に応じて使い分けている。
アモルファスシリコン感光体は、耐久性は非常に優れたものであり、100万枚以上の枚数の使用においても感光体としての性能の劣化することなく寿命はなきに等しいものである。そのためアモルファスシリコン感光体に用いるトナーにおいては、トナー成分が感光体に傷をつけたり、付着してしまうことは致命的な問題となってしまうことであり、極力アモルファスシリコン感光体を汚染しないようにトナー材料、特に外添剤を設計する必要がある。
外添剤としては通常、流動化剤、研磨剤、導電性付与剤、滑剤等を使用することは周知の通りであり、これらの材料を複数使うことによりトナーとしての特性を満足するよう調製して用いている。
例えば、疎水性シリカ、疎水化処理された炭酸カルシウム、疎水化処理された炭化ケイ素と複数の外添剤を用いることにより耐久性、転写効率の上昇、優れたクリーニング性
再転写の改善を実現することが提案されている。(特許文献1、2参照)
また当社においても、アモルファスシリコン感光体を用いた画像形成装置に用いるトナーにおいて、研磨剤として凝固粒子量を10〜60%の割合に調製した炭化ケイ素微粉体を用いることによりアモルファスシリコン感光体に対して傷、付着の汚染を生じさせないトナーを得る技術が見い出せたものの、トナー母体に使用する原材料が限定的であったり、炭化ケイ素の製造コストが高くなってしまったりして満足の行くものとは言い難い現状である。(特許文献3参照)
また滑剤として、一次平均粒径が0.01〜0.5μm、比表面積が25〜200m2/gの範囲の炭酸塩微粒子をトナーに用いることも提案されている。(特許文献4)
またゴム、合成樹脂用の補強性充填剤として、アルカリ土類金属の炭酸塩、硫酸塩をシリカヒドロゾル、有機シラン化合物で表面処理することも知られている。(特許文献5)
特開平8−227171号公報 特開2005−70187号公報 特開2004−163560号公報 特開平9−325513号公報 特公昭52−39061号公報 しかし、これらの外添剤、特に流動化剤、研磨剤、滑剤を用いても、長期にわたりアモルファスシリコン感光体を汚染することなく、かつ良好な画像を得ることは困難であった。
本発明の課題はアモルファスシリコン感光体を用いた画像形成装置に用いるトナーにおいて、感光体上に付着物、傷を生じさせることなく、長寿命の品質に優れたトナーを提供することである。特に当社において、以前検討を行った特許文献3の技術を更に改善し、品質を向上させたトナーを提供することである。

本発明者は、アモルファスシリコン感光体を用いた画像形成装置に用いるトナーにおいて、繰り返し、連続複写して用いた場合の感光体表面へのトナー成分の付着、研磨剤による傷の発生が起こらず、更に画像品質にも優れたトナーを提供するべく鋭意検討を行った結果、特定の無機微粒子(A)と特定の無機微粒子(B)とを少なくとも外添剤として用いて正帯電性トナーを得ることにより、さらには特定の性質を満足する材料を用いることにより前記問題点が解決されることを見出して本発明を成したものである。
すなわち本発明とは、以下の(1)〜(6)の発明に関するものである。
(1)少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と複数の外添剤とからなる、アモルファスシリコン感光体を用いた画像形成装置に用いる正帯電性トナーであって、外添剤が少なくともマイクロトラック法による上からの累積50%の平均粒子径D50が0.5〜2.5μm、上からの累積3%の粒子径D3が7μm以下、上からの累積94%の粒子径D94が0.3μm以上であり、かつモース硬度が9〜14の無機微粒子(A)とシリカヒドロゾル及びシリコーンオイルにより表面処理されたモース硬度が5以下の金属塩化合物である無機微粒子(B)とからなることを特徴とする正帯電性トナーである。
(2)無機微粒子(A)の含有量が、トナー母粒子100重量部に対して、0.5〜2.0重量部、かつ無機微粒子(B)の含有量が、トナー母粒子100重量部に対して、0.5〜2.0重量部であることを特徴とする(1)記載の正帯電性トナーである。
(3)無機微粒子(A)が無機炭化物であることを特徴とする(1)または(2)に記載の正帯電性トナーである。
(4)無機炭化物が炭化ケイ素であることを特徴とする(3)に記載の正帯電性トナーである。
(5)無機微粒子(B)が炭酸カルシウムであることを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載の正帯電性トナーである。
(6)無機微粒子(B)の形状が長径(L)と短径(S)の比、L/Sが2以上であることを特徴とする(1)〜(5)いずれかに記載の正帯電性トナーである。
外添剤として少なくとも特定の無機微粒子(A)と特定の無機微粒子(B)とを用いて正帯電性トナーを得ることにより、研磨機能と研磨抑制機能が調和し、アモルファスシリコン感光体を用いる画像形成装置の使用において、感光体へのトナー成分の付着、傷を生じることなく、耐刷性、耐久性に優れ画像品質に優れたトナーを得ることができた。
本発明のアモルファスシリコン感光体を用いた画像形成装置に用いる正帯電性トナーにおいては、外添剤としてマイクロトラック法による上からの累積50%の平均粒子径D50が0.5〜2.5μm、上からの累積3%の粒子径D3が7μm以下、上からの累積94%の粒子径D94が0.3μm以上であり、かつモース硬度9〜14の無機微粒子(A)とシリカヒドロゾル及び有機シラン化合物により表面処理されたモース硬度5以下の金属塩化合物である無機微粒子(B)とをともに用いることによって、画像品質、耐久性、耐刷性に優れ、かつ感光体へのトナー成分の付着、傷のいずれも生じさせないトナーを得ることができる。
ここで無機微粒子(A)は研磨剤として機能するものであるが、従来の研磨剤(ここでは特許文献3に記載される研磨剤)と比して研磨能力を高めた材料である。これはモース硬度9〜14の材料を用いて、かつマイクロトラック法による上からの累積50%の平均粒子径D50が0.5〜2.5μm、上からの累積3%の粒子径D3が7μm以下、上からの累積94%の粒子径D94が0.3μm以上の粒度分布となるように粒度分布範囲を調整し、微粒子の凝集体等の凝固粒子をなくし単独の粒子として存在させることによりなされるものである。しかしながら無機微粒子(A)の存在だけでは、研磨能力が高いためアモルファスシリコン感光体に傷をつけ致命的な欠陥となってしまい、そこで無機微粒子(B)のはたらきが大きな役割を果たす。
無機微粒子(B)はシリカヒドロゾル及びシリコーンオイルにより表面処理されたモース硬度5以下の金属塩化合物であるが、トナーの感光体への付着を弱める役割を有するものであり、研磨を抑制するものである。特に表面をシリコーンオイルにて処理することにより滑り性を持たせることは感光体への付着を防止する大きな効果を有するものである。
トナー母粒子上に無機微粒子(A)と無機微粒子(B)は外添され、トナー表面上に存在しているが、実際にアモルファスシリコン感光体上で現像される際には、無機微粒子(A)と無機微粒子(B)とはともに共存しながら、研磨機能、研磨抑制保護機能を有しながら現像されている。これにより無機微粒子(A)の機能が過度にはたらき感光体に傷をつけることもなく、また無機微粒子(B)の機能が過度にはたらき感光体にトナー成分、無機微粒子(B)の成分が付着してしまうこともなくバランスが取れた状態で安定した現像を行うことができる。このように無機微粒子(A)及び無機微粒子(B)はともに共存することではたらき、個々の単独の使用ではトナーの所望の品位を得ることができない。シリカヒドロゾルで処理された無機微粒子(B)はゴム、合成樹脂用の補強性充填剤として知られているもののトナーに用いられる実績はこれまでになく本発明の無機微粒子(A)と無機微粒子(B)との併用により初めてその効用が見い出されたものである。
また無機微粒子(A)と無機微粒子(B)との配合比、添加量は感光体への傷の防止、トナー成分の付着を防止する上で、トナーの特性に大きく寄与するものである。無機微粒子(A)に対する無機微粒子(B)の使用量は、無機微粒子(A)1に対して無機微粒子(B)が0.5〜2の範囲の割合で用いることが好ましい。より好ましくは0.7〜1.8の範囲の割合である。そして無機微粒子(A)と無機微粒子(B)の合計含有量が1.0重量部以上、3.5重量部以下であることが好ましい。両者の合計含有量が1.0重量部よりも少なくなると研磨剤、研磨抑制剤のいずれも機能しなくなり感光体上にトナー成分が付着してしまうこととなる。また3.5重量部を超えてしまうと、無機微粒子(B)による研磨抑制機能が及ばなくなってしまい感光体上に傷を発生させてしまったり、機内飛散、画像濃度低下、かぶりの増加等の問題が生じてしまうこととなる。
以下無機微粒子(A)、無機微粒子(B)を始め、本発明の正帯電性トナーに用いることのできる材料及び製造の条件等について以下詳述する。
本発明の正帯電性トナーに用いられる無機微粒子(A)は、上記のとおりマイクロトラック法による上からの累積50%の平均粒子径D50が0.5〜2.5μm、上からの累積3%の粒子径D3が7μm以下、上からの累積94%の粒子径D94が0.3μm以上であり、かつモース硬度9〜14の無機微粒子であることが必要である。平均粒子径D50が0.5μmより小さい、あるいは粒子径D94が0.3μmより小さいと、研磨機能が十分に得られず感光体にトナー成分が付着してしまい好ましくない。平均粒子径D50が2.5μmより大きい、あるいは粒子径D3が7μmより大きいと、10μm以上の粗大粒子が1次粒子として存在するようになり、粗大粒子が感光体のクリーニングブレードに滞留して感光体上に深い傷をつけてしまい好ましくない。無機微粒子(A)の特に好ましい平均粒子径D50の範囲は1〜2μmであり、粒子径D3の範囲は5μm以下であり、また粒子径D94の範囲は0.4μm以上である。
無機微粒子(A)の平均粒子径D50,D94,D3の測定は、測定装置としてマイクロトラックFRA(マイクロトラック社製)を用い、次のようにして行った。まず、試料の無機微粒子(A)約50mgを100ccビーカーに入れ、これに市水100ccを注入し、3分間超音波処理を行って、測定試料を作製する。循環モジュール内を洗浄してSet Zeroを行う。この時Flux4chが0.05以上の時は再洗浄を行う。前記調製した試料を循環モジュールに注入し、規定濃度にする。循環モジュールの攪拌を3秒以上停止させ、泡抜きした後、攪拌を再開する。計測を選択して粒度分布測定を行った。
また無機微粒子(A)の添加量は、トナー母粒子(分級されたトナー粒子)100重量部に対して、0.5〜2.0重量部であることが好ましい。0.5重量部よりも少ないと十分な研磨効果が得られず、感光体表面にトナー成分が付着してしまう場合があり、また2.0重量部よりも多くなってしまうと研磨過多により、感光体上に傷を発生させる危険性がある。またより好ましい範囲はトナー母粒子(分級されたトナー粒子)100重量部に対して0.7〜1.5重量部である。また前記述べたように無機微粒子(A)の添加量は常に無機微粒子(B)の添加量とのバランスが大切であり影響を及ぼし合うことを考慮する必要がある。
無機微粒子(A)として好ましいものは、モース硬度9〜14の特性を有する、炭化ケイ素、炭化タングステン、炭化チタン、炭化タンタル等の無機炭化物、窒化ケイ素、窒化チタン等の無機窒化物があげられるが、中でも無機炭化物を用いることが好ましい。ここでモース硬度が9に満たない粒子を用いてしまうと、研磨機能が十分得られず感光体にトナー成分が付着してしまい好ましくない。中でも炭化ケイ素が画像特性を損なうことなく安定した研磨性を有する点において優れている。
無機微粒子(A)は湿式粉砕、湿式分級、乾燥を行うことにより最終的に所望の粒度分布を得ることができる。無機微粒子(A)として市販されている微粉末を以下の方法により湿式粉砕、湿式分級することにより粒度分布を調整すればよい。
湿式粉砕工程は粉砕媒体を使用するものが好ましく、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌式ミル等が用いられる。中でも媒体攪拌式ミルが好ましく、マイクロビーズを充填した粉砕メディアを使用することが好ましい。
粉砕メディアの種類としては、無機微粒子(A)の硬度、比重及び粉砕、分散の要求粒度に応じて、ジルコンビーズ(ZrO 69%、SiO 31%)、ジルコニアビーズ(ZrO 95%以上)、アルミナ(Al 90%以上)、チタニア(TiO 77.7%、Al 17.4%)、スチールボール等が使用可能であるが、中でも良好な粉砕性を得るためには、ジルコニアビーズ、スチールボールを用いることが好ましい。
また粉砕メディアの粒子径(直径)は0.1mm〜3.0mmの範囲において使用可能であるが、中でも0.3〜1.4mmの範囲であることが好ましい。0.1mmよりも小さいと、粉砕機内の負荷が大きくなり、発熱により無機微粒子(A)が凝集し粉砕が困難になってしまい、また3.0mmよりも大きいと、十分な粉砕能力を得ることができない。
また、本発明に好ましく使用される湿式粉砕機内部のアジテーターディスクも粉砕性を制御する上で重要なものである。ディスクの周速は、4〜16m/sであることが好ましく、4m/sよりも小さいと粉砕に時間がかかってしまい、16m/sよりも大きいと粉砕メディア(媒体)の接触により発熱してしまい、粒子が凝集してしまい好ましくない。アジテーターディスクの材質としては、焼入鋼、ステンレススチール、アルミナ、ジルコニアなどを用いることが可能であるが、中でも、ジルコニアを用いることが好ましい。
また湿式粉砕機内壁のグライディングシリンダーの材質としては、特殊焼入鋼、ステンレススチール、アルミナ、ジルコニア、ZTA、ガラス、ポリエチレン等があげられる。中でもZTAと称されるジルコニア強化アルミナセラミックスを用いることが好ましい。
湿式粉砕において用いる溶媒は、粉砕助剤として機能するものであり、水、メタノール、エタノール、水とこれらアルコールの混合物等が好ましい。
湿式分級工程は粗大粒子の除去、微粉の除去の2つの工程を経ることが好ましい。湿式分級の手段としては、重力沈降を利用した沈降槽、液体サイクロン、強制回転方式によるものがあげられる。中でも重力沈降を利用した沈降槽を用いることが、簡単で確実な方法である。これは液体中を自然沈降する粒子の速度差を利用する方法である。粗大粒子の除去のためには最も早く沈降する部位を除去し、微粉の除去のためには上澄みに残る部位を除去すればよい。
またこのような粒度分布の特性を得るためには、無機微粒子(A)の製造工程において湿式下での粉砕、分級工程を経た後に、流動式の乾燥機、または超音波を利用し衝撃波による乾燥機による乾燥工程を経ることが好ましい。これにより無機微粒子(A)が凝固することを防ぎ所望の粒度分布を得ることができる。特に、瞬時に脱水、乾燥のできる点、粒子の凝固を防ぎ粒度分布を制御できる点においては超音波を利用し衝撃波による乾燥機は有効である。具体的にはパルテック社のハイパルコン等が好ましい乾燥機である。
また本発明の粒度分布を得るためには、分級工程において粗粒子、微粒子の除去が必要であり、最終的には250μm以下の篩を通過させることが好ましい。
無機微粒子(A)として好ましく用いられる炭化ケイ素は次のような方法により製造される。炭化ケイ素は天然には存在しない化合物であり、Acheson法により製造されたα−炭化ケイ素を、乾式粉砕法により粗粉砕し、更に湿式粉砕により微粉砕する。次いで、得られたスラリーを所望の粒度の炭化ケイ素が得られるまで重力沈降を利用した沈降槽を用いて必要回数湿式分級した後、粗粒子、微粒子の除去を行った後、上記の手段で乾燥し、必要であれば解砕、篩の工程を経て不必要に大きい粒子を除去し、上記物性を有する炭化ケイ素微粉体を得る。
本発明の正帯電性トナーに用いられる無機微粒子(B)は、上記のとおりシリカヒドロゾル及びシリコーンオイルにより表面処理されたモース硬度5以下の金属塩化合物であることが必要である。無機微粒子(B)は前記述べたように、感光体ドラムの過度の研磨を抑制する目的で使用されるものである。特に感光体上で前記無機微粒子(A)にて研磨された部分にトナー成分が付着、融着しないように無機微粒子(B)により感光体表面を保護する効果が求められるものである。無機微粒子(B)はトナーと感光体との付着を弱める効果を有し、無機微粒子(A)の研磨剤の過剰な研磨を防止、抑制するものである。
無機微粒子(B)の基材となる金属塩化合物としては、モース硬度が5以下の特性を有していることが好ましい。モース硬度が5を超えてしまうと、研磨剤として働き、無機微粒子(A)の研磨性を抑制することができず感光体に傷をつけてしまうこととなる。
具体的な金属塩化合物としては、アルカリ土類金属の炭酸化物、硫酸化物が好ましく、中でも炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等があげられる、特に炭酸カルシウム、硫酸バリウムの2つが好ましいものである。
炭酸カルシウムとしては、天然炭酸カルシウム、合成炭酸カルシウムの2種に大別されるが、形状をコントロールすることを考慮すれば合成炭酸カルシウムを用いることが好ましく、その中でも軽微性炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウムを用いることが好ましい。
また硫酸バリウムは比重が重く、物理的にも化学的にも非常に安定である点で好ましい材料であるが、天然の重晶石と呼ばれるバライト鉱物の粉砕品(バライト粉)と、化学反応で製造した沈降性硫酸バリウムとがあるが、合成時の条件により粒子の大きさを制御することができ、極めて微細な硫酸バリウムを製造することができる点で沈降性硫酸バリウムを用いることが好ましい。
また研磨を抑制することを目的とすることから、無機微粒子(B)の形状は所謂、紡錘形であることが好ましい。すなわち粒子の形状として、長径(L)と短径(S)との比、L/Sの値が2以上であるものが好ましい。この比を有する紡錘形の形状であるならば、感光体上で転がるようにはたらき、また両端部は先鋭状であることからクリーニング不良を起こしてしまう問題も生じない。特に軽微性炭酸カルシウムは紡錘形を有していることから好ましい材料である。
無機微粒子(B)はアモルファスシリコン感光体に対して、滑り性を持たせるために、少なくともシリカヒドロゾルとシリコーンオイルで表面処理を行うことが必要である。基材となる金属塩化合物はそのままシリコーンオイルのみで表面処理を行うと粒子に均一にコーティングを施すことができないため、シリカヒドロゾルを用いてシリカ処理を行い粒子表面をシリカ化した後にシリコーンオイルで表面処理を行うことが重要である。これにより、アモルファスシリコン感光体へのトナーの付着を防止することができる。

シリカヒドロゾルはシリコンアルコキシドの加水分解、あるいはケイ酸塩と無機酸との反応により得られる。ケイ酸塩と無機酸との反応の場合は、ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸アンモニウム等があり、無機酸としては、硫酸、硝酸、塩酸等があげられ、一般的にはケイ酸ナトリウム、硫酸を用いることが多い。この場合、ケイ酸ナトリウムと硫酸を反応させ、水洗することにより硫酸ナトリウムを除去することによりシリカヒドロゾルを得ることができる。金属塩化合物の表面処理を考慮するとシリカヒドロゾルのSiO濃度は5〜20重量%の範囲であることが好ましい。5重量%以下では処理効率が悪くなり、20重量%を超えると基材である金属塩化合物が凝集してしまう。
シリカヒドロゾルによる処理方法としては、基材である金属塩化合物にシリカヒドロゾルを噴霧し攪拌処理する半乾式法、基材の懸濁液にシリカヒドロゾルを加えて攪拌処理する湿式法のいずれかの方法を用いることができるが、基材の粒子表面を均一に処理するためには湿式法が好ましい。湿式法の場合は、基材の水懸濁液にケイ酸ナトリウム溶液を加え、攪拌しながら無機酸、または有機酸等の酸性物質を滴下して生成する活性なシリカヒドロゾルによって粒子表面を処理するのが好ましい。酸性物質の添加量は、基材の水懸濁液に加えたケイ酸ナトリウム溶液を中和するのに要する量を滴下すればよく、ケイ酸ナトリウム溶液を加えた基材の水懸濁液のpHが中性から微アルカリ性(pH7〜9)の範囲であればよい。このようにシリカ処理された基材はシリカヒドロゾルが粒子に強く、均一に付着、処理されたものとなる。
またシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルなどのストレートシリコーンオイル、更には変性シリコーンオイルが使用できる。変性シリコーンオイルに用いられる変性基としては、メチルスチレン基、長鎖アルキル基、ポリエーテル基、カルビノール基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、高級脂肪酸基、メルカプト基、メタクリル基等があげられる。
さらにシリコーンオイルの処理としては、シリコーンオイル、あるいはその溶剤希釈した溶液をシリカ処理基材の乾燥粉末に攪拌下で噴霧処理した後乾燥するか、または湿式法で得られたシリカ処理された基材の溶液またはペースト品に添加して攪拌処理、乾燥する方法を用いることができる。シリカ処理された金属塩化合物の表面処理を考慮するとシリコーンオイルの含有量は0.05〜20重量%の範囲であることが好ましい。より好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。0.05重量%以下では処理効率が悪くなり、20重量%を超えてもその増量による効果は認められない上に凝集してしまう。
またシリコーンオイルの特性としては、25℃における粘度が0.5〜10000センチストークス、好ましくは1〜1000センチストークスの物が用いられる。
シリコーンオイル処理の方法としては、シリカ処理された金属塩化合物とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合してもよいし、ベースとなるシリカ処理された金属塩化合物にシリコーンオイルを噴霧する方法を用いてもよい。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ処理された金属塩化合物を加え混合し溶剤を除去する方法でもよい。
無機微粒子(B)の平均粒子径の長径(L)は、0.5〜5μmであることが好ましい。長径(L)が0.5μmよりも小さいと機内飛散、画像濃度の低下、かぶりの増加等の問題が生じ、長径(L)が5μmよりも大きいと研磨抑制機能が低下してしまう。より好ましい長径(L)は0.8〜4μmである。ここで無機微粒子(B)の平均粒子径の長径(L)は走査型電子顕微鏡SEMにより観察することにより算出した。また平均粒子径の長径(L)と短径(S)との関係は前記述べたようにL/Sが2以上であることが好ましく、平均粒子径の短径(S)は2μm以下であることが好ましい。一方で、無機微粒子(B)は針状の粒子になってしまうと、研磨抑制機能が低下してしまうことからL/Sの範囲は2以上5以下であることが好ましい。またL/Sの範囲が2よりも小さいとクリーニング機能が低下してしまいクリーニング不良が発生しやすくなってしまう。このような特性から好ましい短径(S)の値は自ら決まってくるものである。
このようなクリーニング特性から本発明の正帯電性トナーはアモルファスシリコン感光体にクリーニングブレードを有する装置に用いることが適している。
また無機微粒子(B)の添加量は、トナー母粒子(分級されたトナー粒子)100重量部に対して、0.5〜2.0重量部であることが好ましい。0.5重量部よりも少ないと十分な研磨抑制効果が得られず、感光体表面を傷つけてしまう危険性があり、また2.0重量部よりも多くなってしまうと機内飛散、画像濃度の低下、かぶりの増加等の問題が生じてしまう危険性がある。またより好ましい範囲はトナー母粒子(分級されたトナー粒子)100重量部に対して0.7〜1.5重量部である。また前記述べたように無機微粒子(B)の添加量は常に無機微粒子(A)の添加量とのバランスが大切であり影響を及ぼし合うことを考慮する必要がある。
トナー粒子を構成する結着樹脂としては、従来磁性トナーあるいは磁性粉を含まない非磁性トナーの結着樹脂として用いられているもののいずれをも用いることができる。結着樹脂としては、具体的には、スチレン系重合体、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレン−ジエチルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレン−ブチルアクリレート−ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体等のスチレン系共重合体;架橋されたスチレン系重合体など:ポリエステル樹脂、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジアルコール、ジフェノール類から選択される単量体を構造単位として有するポリエステル樹脂、架橋したポリエステル樹脂など:その他ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、ロジン変成マレイン樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、キシレン樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、石油樹脂などを挙げることができる。
上記スチレン−アクリル系共重合体を構成するアクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。更に、これらスチレン、アクリル系単量体と共に用いることができる単量体として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、マレイン酸、マレイン酸ブチルなどのマレイン酸ハーフエステル、あるいはジエステル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類が挙げられる。
また、上記の架橋したスチレン系重合体を製造するために用いる架橋剤としては、主として不飽和結合を2個以上有する化合物を挙げることができ、具体的には、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等の不飽和結合を2個以上有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び不飽和結合を3個以上有する化合物を、単独で或いは混合して使用することができる。上記架橋剤は、結着剤樹脂に対して、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%で用いられる。
これらの樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。これら樹脂のうち、スチレン系重合体、ポリエステル樹脂は、優れた帯電特性を示すため特に好ましいものである。また、GPC(ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー)により測定される分子量分布で3×10〜5×10の領域に少なくとも一つのピークを有し、かつ10以上の領域にも少なくとも一つのピークあるいはショルダーを有するスチレン系共重合体、更には2種以上の樹脂、例えば前記スチレン樹脂とスチレン−アクリル系共重合体との併用あるいは2種以上のスチレン−アクリル系共重合体の併用などによりこのような分子量分布を有するようにされた樹脂組成物が、トナーの粉砕性、定着性などの点から好ましい。
更に、加圧定着方式を用いる場合には、圧力定着トナー用結着剤樹脂を使用することができる。このような樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチレン、ポリウレタンエラストマー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、線状飽和ポリエステル、パラフィン及等のワックス類を挙げることができる。
本発明の正帯電性トナーにおいて用いられる着色剤としては、従来トナーに使用される、以下に示すイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各有機顔料、カーボンブラック、磁性体が好適に用いられる。
イエローの有機顔料としては、ベンズイミダゾロン化合物、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191等が好適に用いられる。中でもベンズイミダゾロン化合物を用いることが好ましい。
マゼンタの有機顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254等が好適に用いられる。中でもキナクリドン化合物を用いることが好ましい。
シアンの有機顔料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が好適に用いられる。中でも銅フタロシアニン化合物を用いることが好ましい。
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラックのなどの各種いずれも使用できるが、ファーネスブラックカーボンの方が、画像特性においてカブリ(白地部の地汚れ)が低減される効果があり好ましいものである。
本発明の正帯電性トナーが磁性トナーである場合には、トナー粒子中に更に磁性粉が含有される。磁性粉としては、鉄、コバルト、ニッケル、マンガンなどの強磁性金属や強磁性金属の合金の粉末、γ−酸化鉄、マグネタイト、フェライトなど鉄、コバルト、ニッケル、マンガンなどを含む化合物が使用できる。これらの磁性微粒子は窒素吸着法によるBET比表面積が好ましくは2〜20m/g、特に2.5〜12m/g、さらにモース硬度が5〜7の磁性粉が好ましい。また、その平均粒子径は0.1〜0.8μmであり、この磁性粉の含有量は、トナー量に対して10〜70重量%、好ましくは15〜50重量%とされる。
本発明の正帯電性トナーにおいては荷電制御剤を用いることが好ましい。具体的に使用できる荷電制御剤としては、良好な正帯電性を付与できるものであり、ニグロシン染料、脂肪酸金属誘導体、トリフェニルメタン系染料、四級アンモニウム塩化合物、ジオルガノスズオキサイド、ジオルガノスズボレート等を単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。中でもニグロシン染料を用いることが好ましい。また荷電制御剤は結着樹脂100部に対して、0.5〜10重量部で用いられ、0.7〜8重量部が優れた帯電性の保持、無機微粒子(B)、アモルファスシリコン感光体とのバランスを取り、現像性能を安定させることができる点で好ましい。
ニグロシン染料としては、ニグロシンベース、或いはニグロシンベースをマレイン酸樹脂、キシレン樹脂等で変性したものが好ましく、具体的にはオリエント化学社製N−01,N−04,N−07、ニグロシンベースEX、中央合成化学社製CCA−1,CCA−3等があげられる。
四級アンモニウム塩化合物としては、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸塩、トリブチルベンジルアンモニウム−2−ヒドロキシ−8−ナフタレンスルホン酸塩、トリエチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸塩、トリプロピルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸塩、トリプロピルベンジルアンモニウム−2−ヒドロキシ−6−ナフタレンスルホン酸塩、トリヘキシルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸塩、テトラオクチルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸塩等があげられる。具体的にはオリエント化学社製P−51,P−53、保土谷化学社製TP−302,TP−415等があげられる。
本発明に用いる荷電制御剤においては、荷電制御剤の体積平均粒径(D50:メディアン径)が3〜10μmの範囲であることが好ましい。(粒度分布についてはベックマンコールター社マルチサイザーにて測定を行った。)この範囲を満足することで、荷電制御剤の結着樹脂中への分散が均一になされ、トナーとして安定した正帯電量を保つことが可能となる。荷電制御剤の粒子径D50が10μmを超えてしまうと結着樹脂中に荷電制御剤を均一に分散することが困難になってしまい、結果として荷電制御剤の含有量の偏りが生じてしまい、カブリ、機内飛散の原因になってしまう。また荷電制御剤の粒子径D50が3μmよりも小さくなると、単位重量あたりの荷電制御剤の比表面積が増大してしまい、トナーの帯電量の過度な上昇(チャージアップ)を引き起こしてしまうこととなり、低温低湿の環境下で現像スリーブ上の波模様が生じ画像欠陥に繋がり好ましくない。
本発明の正帯電性トナーに用いる離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等のポリオレフィン類、フィーシャートロプシュワックス等の炭化水素系ワックス類、合成エステルワックス類、カルナウバワックス、ライスワックス等の天然エステル系ワックス類の群の中から選ばれた離型剤が用いられる。
離型剤の含有量は結着樹脂100重量部に対して0.5〜6重量部であることが好ましい。また離型剤の含有量が6重量部よりも多くなると、離型剤が過剰になり、キャリアへのスペント、現像スリーブへのフィルミング等を引き起こしてしまい、トナーの機内飛散、かぶりの増加、感光体への離型剤成分の付着が生じ、品質が悪化してしまったり、トナー中に離型剤を分散、分配(均一に配合すること)ができなくなってしまう。また0.5重量部よりも少なくなると、離型剤を添加する効果が見られず、すなわち、定着性能が低下してしまい、オフセットが発生しやすくなってしまう。
本発明の正帯電性トナーに用いられる外添剤としては、前記述べた無機微粒子(A)、無機微粒子(B)以外に、流動化剤を使用することが好ましい。本発明において使用される流動化剤の基材としては、例えばシリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、非晶質珪素−アルミニウム共酸化物、非晶質珪素−チタニウム共酸化物などの無機酸化物の微粉末を用いることができる。また外添剤としての流動化剤はトナーに流動性を付与する目的のみならず、トナーの帯電性付与及び制御の役割をも担っている。つまり外添剤はトナーの最表部に付着することによって、トナーの帯電性に大きな影響を及ぼす。
流動化剤は、表面処理を行わずそのまま用いてしまうと、吸湿性により環境安定性が損なわれてしまうことと、流動化剤が感光体ドラム表面に付着して、フィルミングを起こしてしまい画像欠陥を引き起こしてしまう問題がある。吸湿性による環境安定性が損なわれる問題については、高湿環境下では流動化剤が水分の影響を受けてしまい、トナーの帯電減衰を引き起こし、画像上のカブリの発生、トナーの機内飛散の原因となってしまう。そこで流動化剤に用いる粒子の表面処理を行い、疎水性持たせることが好ましい。またこの表面処理に用いる処理剤の選択により、正極性及び負極性の所望の極性を持たせトナーの帯電性を制御し安定させることができる。使用する表面処理剤の選択を行う必要がある。本発明において用いられる流動化剤の表面処理剤としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のオルガノアルコキシシラン類、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン等のオルガノクロロシラン類、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン類、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン等のオルガノアミノシラン類、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルなどのストレートシリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が使用できる。
また変性シリコーンオイルに用いられる変性基としては、メチルスチレン基、長鎖アルキル基、ポリエーテル基、カルビノール基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、高級脂肪酸基、メルカプト基、メタクリル基等があげられる。シリコーンオイル等の化合物を使用することができる。
本発明の正帯電性トナーは、前記の材料を、乾式ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボールミル等により予備混合し、しかる後この混合物を熱ロール、ニーダー、一軸または二軸のエクストルーダー等の熱混練機によって溶融混練し、得られた混練物を冷却後粉砕し、必要に応じ所望の粒径に分級する方法により製造するのが好ましい。そして分級され得られたトナー母粒子は最終的に後処理工程において、外添剤を添加し最終的にトナーとされる。しかし、本発明の正帯電性トナーの製造方法については、この混練・粉砕法に限られるものではなく、例えば結着樹脂溶液中にトナー構成材料を分散した後、噴霧乾燥する方法、あるいは、結着樹脂を構成すべき単量体に所定材料を混合して乳化懸濁液とした後に重合させてトナーを得る方法等の従来公知の方法のいずれの方法によってもよいことは勿論である。本発明の正帯電性トナーは、体積平均粒径が3〜20μmであることが好ましく、5〜15μmが更に好ましい。
後処理工程は通常ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどが用いられる。後処理工程は無機微粒子(A)、無機微粒子(B)及び流動化剤のトナー表面上の付着状態を制御する上で重要な工程である。後処理工程条件の違いによりこれら外添剤の付着状態は大きく変わる。良好に研磨機能、研磨抑制機能のバランスを得るためには、通常ミキサーの周速で10〜40m/sec.の条件で混合することが好ましい。40m/sec.を超える条件で混合すると初期の画像濃度が低下する問題があり、一方、10m/sec.よりも低くなると外添剤が遊離してしまい無機微粒子(B)による研磨抑制機能がはたらかず、感光体上に傷をつけてしまう問題が生じてしまう。
外添剤を添加、混合した後の最終工程として、トナー中の異物除去の目的で篩い工程を経てトナーは製造される。篩の種類としては振動篩い機、超音波振動篩い機、ジャイロシフター等を用いることができる。その際に篩いに使用するメッシュの目開きがトナーの品質に影響を与える。本発明においては篩いのメッシュの目開きが40〜300μmのものを用いることが好ましい。更には45〜180μmの範囲が好ましい。300μmよりも目開きの大きなメッシュを使用してトナーの製造を行うと、トナー母粒子に含まれる粗粒子がトナー中に混入したり、また外添剤の凝集体がトナー中に含まれてしまい、画像特性、研磨機能、研磨抑制機能に弊害を来たしてしまう。すなわち現像剤中にトナー粗粒子や外添剤の凝集体の存在によりベタ画像での白抜けが発生、白地部の斑点の発生、感光体上の傷、トナー成分の付着等の問題が起きてしまう。一方、40μmよりも目開きの小さなメッシュを使用してトナーの製造を行うと、トナーのメッシュ通過時に物理的ストレスを受けてしまいトナー表面が傷められてしまい、外添剤がトナーから脱落してしまい研磨機能、研磨抑制機能のバランスが損なわれてしまう。またメッシュの種類としては平織り構造が好ましく、綾織り構造のものも使用することは可能であるが、トナー表面の劣化を考えると好ましくない。これはメッシュの構造上綾織り構造の方が平織り構造と比べて、通過時に摩擦、接触によるストレスを受けやすいためである。
本発明の正帯電性トナーが二成分系乾式現像剤として用いられる場合には、キャリアが含まれる。本発明の正帯電性トナーとともに用いられるキャリアは、従来二成分系乾式現像剤において用いられるキャリアのいずれであってもよく、例えば、鉄粉等の強磁性金属あるいは強磁性金属の合金粉、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、バリウム等の元素から構成されるフェライト粉、マグネタイト粉等が好ましいものとして挙げられる。これらキャリアは、スチレン・メタクリレート共重合体、スチレン重合体、シリコーン樹脂等の樹脂で被覆されたものでよい。キャリアを樹脂により被覆する方法としては、被覆用樹脂を溶剤に溶解し、これを浸漬法、スプレー法、流動床法等によりコア粒子上に塗布し、乾燥させた後必要に応じ加熱して塗膜を硬化する方法等公知の任意の方法によることができる。またキャリアの平均粒径は、通常15〜200μm、好ましくは20〜100μmのものを用いることができる。
以下実施例および比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の態様がこれらの例に限定されるものではない。なお以下については、部数は全て重量部を表す。また下記の実施例、比較例の詳細な条件、結果を以下の表1、表2に示す。
結着樹脂 スチレン−アクリル系共重合体 100部
着色剤 磁性体 (マグネタイト:比表面積 5.7m/g) 93部
荷電制御剤 ニグロシン染料(ニグロシンベース:D50径 7μm) 6部
ワックス 炭化水素系ワックス 2部
上記成分を均一に混合した後、混練、粉砕、分級して平均粒径10.3μmの正帯電性トナー粒子を得た。次いで、このトナー粒子100部に対して、ジメチルジクロロシランで表面処理した疎水性シリカ微粒子0.4部、平均粒子径D50が1.38μm、粒子径D3が3.45μm、粒子径D94が0.64μm、モース硬度が13の超音波を利用し衝撃波による乾燥工程を経て得られた炭化ケイ素微粒子(A)1.0部、及びL/Sが2.7、モース硬度が3のシリカヒドロゾルとメチルフェニルシリコーンオイルで表面処理した炭酸カルシウム微粒子(軽微性炭酸カルシウム)(B)1.0部を添加、混合して正帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、アモルファスシリコン感光体を搭載したプロセススピードが300mm/secの市販のデジタル複写機において、A4の用紙にて、初めに常温常湿(23℃、50%RH)環境下で20万枚、次に高温高湿(30℃、85%RH)環境下で10万枚、次に低温低湿(10℃、20%RH)環境下で10万枚、最後に常温常湿(23℃、50%RH)環境下で10万枚、合計50万枚の実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においても感光体上へのトナーの付着は見られず、また感光体上の傷も認められなかった。さらに50万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び50万枚複写時の画像濃度(I.D.)は各々1.38、1.41であり、また初期及び50万枚複写時のカブリは各々0.4、0.7であった。
なお、画像濃度はマクベス光度計を用いて行い、画像濃度は1.35以上の濃度であればよい。また、カブリはフォトボルトにて、反射率を測定することにより行った。1.5%以下が良好な値である。更に、トナーの機内飛散は、複写機の転写チャージャー上に飛散トナーが存在するか否かを確認することにより行った。転写チャージャー上にトナー飛散が見られる場合、これに伴う画像汚れが発生する。画像濃度及びカブリの測定、トナー飛散の有無は以下の実施例及び比較例においても同様な方法で行った。
[実施例2]
実施例1で用いた炭化ケイ素微粒子(A)1.0部を平均粒子径D50が0.57μm、粒子径D3が2.62μm、粒子径D94が0.31μm、モース硬度が13の超音波を利用し衝撃波による乾燥工程を経て得られた炭化ケイ素微粒子0.7部に、炭酸カルシウム微粒子(B)1.0部をL/Sが2.6、モース硬度が3のシリカヒドロゾルとメチルフェニルシリコーンオイルで表面処理した炭酸カルシウム微粒子(軽微性炭酸カルシウム)0.5部に代えることを除き、実施例1と同様にして正帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においても感光体上へのトナーの付着は見られず、また感光体上の傷も認められなかった。さらに50万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び50万枚複写時の画像濃度(I.D.)は各々1.44、1.43であり、また初期及び50万枚複写時のカブリは各々1.1、0.8であった。
[実施例3]
実施例1で用いた炭化ケイ素微粒子(A)1.0部を平均粒子径D50が2.45μm、粒子径D3が6.30μm、粒子径D94が0.81μm、モース硬度が13の超音波を利用し衝撃波による乾燥工程を経て得られた炭化ケイ素微粒子2.0部に、炭酸カルシウム(B)1.0部をL/Sが2.3、モース硬度が3のシリカヒドロゾルとジメチルシリコーンオイルで表面処理した炭酸カルシウム微粒子(軽微性炭酸カルシウム)1.0部に代えることを除き、実施例1と同様にして正帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においても感光体上へのトナーの付着は見られず、また感光体上の傷も認められなかった。さらに50万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び50万枚複写時の画像濃度(I.D.)は各々1.42、1.43であり、また初期及び50万枚複写時のカブリは各々0.5、0.6であった。
[実施例4]
実施例1で用いた炭化ケイ素微粒子(A)1.0部を平均粒子径D50が0.57μm、粒子径D3が2.62μm、粒子径D94が0.31μm、モース硬度が13の超音波を利用し衝撃波による乾燥工程を経て得られた炭化ケイ素微粒子1.5部に、炭酸カルシウム(B)1.0部をL/Sが2.8、モース硬度が3のシリカヒドロゾルとジメチルシリコーンオイルで表面処理した炭酸カルシウム微粒子(軽微性炭酸カルシウム)2.0部に代えることを除き、実施例1と同様にして正帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においても感光体上へのトナーの付着は見られず、また感光体上の傷も認められなかった。さらに50万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び50万枚複写時の画像濃度(I.D.)は各々1.35、1.36であり、また初期及び50万枚複写時のカブリは各々1.4、1.3であった。
[実施例5]
実施例1で用いた炭化ケイ素微粒子(A)1.0部を平均粒子径D50が1.17μm、粒子径D3が4.15μm、粒子径D94が0.47μm、モース硬度が9の超音波を利用し衝撃波による乾燥工程を経て得られた炭化チタン微粒子1.5部に代えることを除き、実施例1と同様にして正帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においても感光体上へのトナーの付着は見られず、また感光体上の傷も認められなかった。さらに50万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び50万枚複写時の画像濃度(I.D.)は各々1.39、1.37であり、また初期及び50万枚複写時のカブリは各々0.8、0.6であった。
[実施例6]
実施例1で用いた炭化ケイ素微粒子(A)1.0部を平均粒子径D50が1.95μm、粒子径D3が4.86μm、粒子径D94が0.70μm、モース硬度が13の超音波を利用し衝撃波による乾燥工程を経て得られた炭化ケイ素微粒子1.0部に、炭酸カルシウム(B)1.0部をL/Sが2.5、モース硬度が3.5のシリカヒドロゾルとジメチルシリコーンオイルで表面処理した硫酸バリウム微粒子(沈降性硫酸バリウム)1.0部に代えることを除き、実施例1と同様にして正帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においても感光体上へのトナーの付着は見られず、また感光体上の傷も認められなかった。さらに50万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、初期及び50万枚複写時の画像濃度(I.D.)は各々1.40、1.41であり、また初期及び50万枚複写時のカブリは各々1.2、1.2であった。
[比較例1]
実施例1で用いた炭化ケイ素微粒子(A)1.0部を平均粒子径D50が0.33μm、粒子径D3が0.70μm、粒子径D94が0.17μm、モース硬度が13の超音波を利用し衝撃波による乾燥工程を経て得られた炭化ケイ素微粒子1.0部に代えることを除き、実施例1と同様にして正帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)環境下の約5千枚を過ぎたあたりから、研磨効果が十分でない場合に起こる複写紙上の白点(ホワイトスポット)の発生が認められ、感光体上にトナーが付着していたため実写試験を中止した。
[比較例2]
実施例1で用いた炭化ケイ素微粒子(A)1.0部を平均粒子径D50が3.02μm、粒子径D3が8.00μm、粒子径D94が1.31μm、モース硬度が13の超音波を利用し衝撃波による乾燥工程を経て得られた炭化ケイ素微粒子1.5部に代えることを除き、実施例1と同様にして正帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、低温低湿(10℃、20%RH)環境下の約35万枚を過ぎたあたりから、複写紙上に筋の発生が認められ、感光体上に炭化ケイ素の粗大粒子による深い傷がついていたため実写試験を中止した。
[比較例3]
実施例1で用いた炭化ケイ素微粒子(A)1.0部を平均粒子径D50が1.44μm、粒子径D3が4.11μm、粒子径D94が0.60μm、モース硬度が7のシリカ微粒子1.0部に代えることを除き、実施例1と同様にして正帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)環境下の約8万枚を過ぎたあたりから、研磨効果が十分でない場合に起こる複写紙上の白点(ホワイトスポット)の発生が認められ、感光体上にトナーが付着していたため実写試験を中止した。
[比較例4]
実施例1で用いた炭酸カルシウム微粒子(B)1.0部をL/Sが2.8、モース硬度が3、シリカヒドロゾルを用いずにメチルフェニルシリコーンオイルのみで表面処理した炭酸カルシウム微粒子(軽微性炭酸カルシウム)1.0部に代えることを除き、実施例1と同様にして正帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)環境下の約12万枚を過ぎたあたりから、複写紙上の白点(ホワイトスポット)の発生が認められ、感光体上にトナーが付着していたため実写試験を中止した。
[比較例5]
実施例1で用いた炭酸カルシウム微粒子(B)1.0部をL/Sが1.8、モース硬度が7のメチルフェニルシリコーンオイルで表面処理したシリカ微粒子1.0部に代えることを除き、実施例1と同様にして正帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、低温低湿(10℃、20%RH)環境下の約30万枚を過ぎたあたりから、ハーフトーン(I.D.約0.3)の複写紙上に濃度ムラの発生が認められ、感光体上に研磨し過ぎによる傷ムラが発生していた。またクリーニング不良による黒筋も認められたため実写試験を中止した。
以下表1に使用した無機微粒子(A)、無機微粒子(B)の一覧を、表2に画像試験結果を示す。
Figure 2007206385
Figure 2007206385
本発明の正帯電性トナーはアモルファスシリコン感光体を用いた画像形成装置に好ましく用いることができ、またトナー成分が感光体へ悪影響を及ぼさず耐久性、耐刷性に優れており、かつ画像特性にも十分満足の行く品質の優れたトナーを提供することができる。

Claims (6)

  1. 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と複数の外添剤とからなる、アモルファスシリコン感光体を用いた画像形成装置に用いる正帯電性トナーであって、外添剤が少なくともマイクロトラック法による上からの累積50%の平均粒子径D50が0.5〜2.5μm、上からの累積3%の粒子径D3が7μm以下、上からの累積94%の粒子径D94が0.3μm以上であり、かつモース硬度が9〜14の無機微粒子(A)とシリカヒドロゾル及びシリコーンオイルにより表面処理されたモース硬度が5以下の金属塩化合物である無機微粒子(B)とからなることを特徴とする正帯電性トナー。
  2. 無機微粒子(A)の含有量が、トナー母粒子100重量部に対して、0.5〜2.0重量部、かつ無機微粒子(B)の含有量が、トナー母粒子100重量部に対して、0.5〜2.0重量部であることを特徴とする請求項1記載の正帯電性トナー。
  3. 無機微粒子(A)が無機炭化物であることを特徴とする請求項1または2に記載の正帯電性トナー。
  4. 無機炭化物が炭化ケイ素であることを特徴とする請求項3に記載の正帯電性トナー。
  5. 無機微粒子(B)が炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の正帯電性トナー。
  6. 無機微粒子(B)の形状が長径(L)と短径(S)の比、L/Sが2以上であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の正帯電性トナー。
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