JP2007205639A - 溶鉱炉及びそれを用いた銑鉄の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マイクロ波を用いた溶鉱炉において、エネルギー効率を高めながら高純度の銑鉄の量産を可能とした溶鉱炉及びそれを用いた銑鉄の製造方法を提供する。
【解決手段】溶鉱炉11は酸化鉄含有化合物及び炭素化合物からなる原料混合物22を収容する炉本体12、マイクロ波を照射することにより原料混合物22を加熱するマイクロ波照射装置13、及び原料混合物から生成した溶融銑鉄を炉本体12外に誘導する誘導路20から構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶鉱炉及びそれを用いた銑鉄の製造方法に関し、さらに詳しくは低温高酸素ポテンシャルによる迅速に且つ高純度銑鉄を製造するための溶鉱炉及びそれを用いた銑鉄の製造方法に関する。
一般に、各種鋼の原料となる銑鉄(通常、炭素含有量が約2%を超える高炭素鉄)は鉄鉱石等の酸化鉄含有化合物を還元・浸炭することにより得られる。かかる銑鉄の量産は、例えば特許文献1に開示されるような溶融炉(高炉)において行なわれる。まず、高炉の炉頂より熱源及び還元剤としての炭素源(コークス等)と鉄鉱石やペレット等を層状になるよう投入するとともに、炉下部より熱(空気)を高速で吹き込んで炭素を燃焼させ、炉内部を加熱する。次に、加熱によって炭素源から発生する一酸化炭素により鉄鉱石を還元・浸炭・溶融させるとともに溶融銑鉄を炉下部より流下回収することにより行なわれる。このとき、上部の鉄鉱石とコークスの重量は、最下層のコークスによって保持されている。また、最下層のコークスは炉床としての機能に加え、燃焼による燃焼熱を上部の鉄鉱石に熱伝導させるとともに燃焼により発生した一酸化炭素を供給する働きがある。しかしながら、鉄鉱石の熱伝導性は良好ではなく、また酸化鉄の還元反応は吸熱反応であるためエネルギーを多大に消費するとともに反射炉型反応炉では敷き詰め可能な層の厚さには制限あるため増産等に容易に対応することができないという問題があった。また、従来の高炉法においては、還元、溶融、浸炭には約1600℃において6時間以上を要し、エネルギー効率は決して高いものではなかった。
また、従来より、エネルギー効率を高めた鉄鉱石の還元方法として特許文献2に開示されるマイクロ波を用いた金属還元方法が知られている。かかる金属還元方法は、まず鉄鉱石、コークス等の炭素源及び炭酸カルシウム等の炭酸塩からなる混合物をコンベア上のトレイに載置する。そして、マイクロ波を照射することによりマイクロ波エネルギーによって混合物が900℃以上に加熱され、鉄鉱石が還元されるものである。
特開平11−229007号公報 特開平6−116616号公報
ところが、特許文献2に記載される金属還元方法は、鉄鉱石の溶融を伴うものではなくトレイ上において鉄鉱石を還元させることにより還元金属粉を生成させるものである。したがって、鉄鉱石中の不純物は分離されることなく金属鉄粉中に存在する。また、コンベア上のトレイで搬送する方式ではマイクロ波の漏洩が十分でないという問題があった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、マイクロ波を用いた溶鉱炉において、エネルギー効率を高めながら高純度の銑鉄の量産を可能とした溶鉱炉及びそれを用いた銑鉄の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の溶鉱炉は、酸化鉄含有化合物及び該酸化鉄含有化合物を還元するための炭素化合物からなる混合物を収容する収容部、該収容部内部にマイクロ波を照射することにより前記混合物を加熱するマイクロ波発生部、及び前記酸化鉄含有化合物と炭素化合物が反応することにより生成した溶融銑鉄を炉床から収容部外に誘導する誘導部を備えてなる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の溶鉱炉において、前記炉床は、少なくとも一部が斜め下方に傾斜される傾斜部を有するとともに前記溶融銑鉄は傾斜部から誘導部へ流出するよう構成されている。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の溶鉱炉において、前記炭素化合物は、石炭、コークス、チャー、活性炭、木炭及び有機物を含む廃棄物の乾留物から選ばれる少なくとも一種である。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の溶鉱炉において、さらに不活性ガス導入部を有する。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の溶鉱炉において、前記不活性ガスは窒素及びアルゴンから選ばれる少なくとも一種である。
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載される溶鉱炉において、さらに前記混合物から排出される排気ガスを回収する排気ガス回収部を有する。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の溶鉱炉において、さらに前記排気ガス回収部において回収した排気ガスの熱エネルギーを用いて前記不活性ガス及び混合物の少なくとも一つを予熱する予熱部を設けた。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の溶鉱炉において、前記混合物は、赤鉄鉱及び磁鉄鉱の少なくとも一方を含有するとともに前記予熱部により混合物が予熱される。
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれか一項記載の溶鉱炉において、前記誘導部の吐出側先端には、溶融銑鉄を貯留するための貯留容器が接続されている。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の溶鉱炉において、前記貯留容器は、底部に出銑口が設けられている。
請求項11記載の発明は、請求項10記載の溶鉱炉において、前記出銑口は、少なくとも開口時に金属製の網で外側が被覆されることによりマイクロ波が外部に漏洩しないように構成されている。
請求項12記載の発明は、請求項1記載の溶鉱炉において、前記炉床には銑鉄よりも融点が高くマイクロ波によって自己発熱可能なマイクロ波吸収体が充填されている。
請求項13記載の発明は、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載される溶鉱炉を用いた銑鉄の製造方法において、酸化鉄含有化合物及び該酸化鉄含有化合物を還元するための炭素化合物からなる混合物を収容部内に充填する工程、前記マイクロ波発生部からマイクロ波を照射することにより前記混合物を加熱する工程、加熱により溶融した混合物から分離した溶融銑鉄が誘導部から収容部外に誘導される工程からなる。
請求項14記載の発明は、請求項13記載の銑鉄の製造方法において、前記混合物の溶融は、酸素分圧10-13〜10-11atmの雰囲気下で行なわれる。
請求項15記載の発明は、請求項13又は請求項14記載の銑鉄の製造方法において、前記混合物の溶融は、1250〜1450℃の雰囲気下で行なわれる。
本発明によれば、マイクロ波を用いた溶鉱炉において、エネルギー効率を高めながら高純度の銑鉄を量産することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の溶鉱炉を具体化した第1の実施形態を図1にしたがって説明する。
図1に示されるように、溶鉱炉11は原料が充填される収容部としての有蓋円筒状の炉本体12、及び該炉本体12の内部12aと連通されるように炉本体12に接続されているマイクロ波発生部としてのマイクロ波照射装置13から構成されている。炉本体12には、さらに原料を内部12aに投入するための原料投入装置15、不活性ガスを内部12aに充填するための不活性ガス導入部としての不活性ガス導入装置16及び原料より発生した排気ガス(粉塵、ダストを含む)を回収するための排気ガス回収部として排気ガス回収装置14がそれぞれ内部12aと連通されるように接続されている。炉本体12には、溶融した銑鉄を一時貯留可能とした貯留部としての貯留容器21が炉本体12の内部12aと連通されるように炉本体12の側方下部に接続されている。
炉本体12は、耐火物17によって内張された金属(例えばステンレス)製の外套18から構成されている。耐火物17は、マイクロ波の吸収が小さく断熱性及び耐浸食性が高いセラミックス系のライナーが好ましく適用され、具体的にはアルミナ系耐火物、ムライト系耐火物、シリカ系耐火物、ジルコニア系耐火物及び窒化珪素系耐火物等が挙げられる。原料還元時におけるエネルギー効率を向上させるために外套18と耐火物17の間にはさらに断熱材19を配設することが好ましい。断熱材19としては、アルミナファイバーや発泡アルミナ等が挙げられる。炉本体12の高さは、酸化鉄含有化合物の充填量、製造される銑鉄量等に応じて適宜設定されるが、3m以内が好ましい。
炉本体12の底部には原料投入装置15から投入された原料が堆積される炉床部12bが設けられ、該炉床部12bには原料混合物から溶融分離した溶融銑鉄を貯留容器21へ導く管状の誘導部としての誘導路20が接続されている。炉床部12bの長さは溶鉱炉11の規模等により適宜設定されるが、1m以内が好ましい。炉床部12bは斜め下方に傾斜される傾斜部12cを有するとともに傾斜部12cの最下部には傾斜部12cの傾きを延長するように前記誘導路20が斜め下方に向けて配されている。傾斜部12cの角度は平行状態を0°とすると1〜35°、好ましくは10〜25°、より好ましくは18〜22°である。傾斜部12cの角度が1°未満であると溶融銑鉄が十分に流れないおそれがあり、35°を超えると固体不純物が溶融銑鉄とともに流れ落ちるおそれがある。誘導路20は炉本体12と連通する断熱材19及び耐火物17で内張りされた外套18から構成されている。
貯留容器21は筒状に構成されるとともに、上部側面において管状の誘導路20の吐出側端部と接続されている。貯留容器21の内部には、誘導路20から連通される耐火物17で内張りされた外套18によって囲まれることにより炉本体12の内部12aと連通される貯留空間21aが設けられている。貯留空間21aは重力により傾斜部12cから誘導路20へ通過することにより流入した溶融銑鉄22aを一時貯留可能に構成されている。貯留容器21の底部には溶融銑鉄22aを間歇的あるいは連続的に溶鉱炉11外部に放出する出銑口21bが設けられている。出銑口21bは貯留容器21の底部に設けられているため溶融銑鉄22aが貯留された際、貯留空間21aが溶融銑鉄22aによって密閉されるよう構成されている。そのため貯留空間21aと連通される炉本体12の内部12aに放射されたマイクロ波、排気ガス及び不活性ガスが誘導路20を通り溶鉱炉11外部へ漏れ出すことを防止する。
排気ガス回収装置14、原料投入装置15及び不活性ガス導入装置16はドーム状の炉本体12の上部に設けられている。原料投入装置15は投入管15a及び該投入管15aの内部に配される原料搬送手段15bより構成される。原料搬送手段15bは回転軸15cと該回転軸15cに螺旋状に取り付けられるスクリュウ羽根15dから構成されている。原料投入装置15は投入管15aの吐出側先端が炉本体12のドーム状の上部において斜め向きに突き刺されるように取り付け固定される。回転軸15cの回転に伴うスクリュウ羽根15dの回転を調節することにより所望量の粉末状又は粒子状の原料混合物22を炉本体12内の傾斜部12c上に投入することができる。
排気ガス回収装置14は、粉末又は粒状の原料混合物22から噴出されるダスト及び原料混合物が加熱・溶融される過程で排出される水素ガス、メタンガス、窒素ガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等の排出ガスを回収する。排気ガス回収装置14は、炉本体12のドーム状の上部の頂点部に取り付けられる。排気ガス回収装置14は、例えばダストを捕捉回収するためのフィルタ、コンデンサを用いた亜鉛や鉛の回収、吸収法や接触式完全燃焼法を用いた炭酸ガス、炭化水素等の処理を行う。不活性ガス導入装置16は、炉本体12内の雰囲気を調製するために不活性ガスとしてアルゴン、窒素ガス等を炉本体12内に導入する。
マイクロ波照射装置13は、マイクロ波発振器13aと導波管13bとから構成され、マイクロ波発振器13aは導波管13bを介して炉本体12に接続されている。マイクロ波発振器13aから出力されるマイクロ波は、導波管13bを経由して断熱材19及び耐火物17を透過することにより炉本体12の内部12aに入射されるよう構成されている。マイクロ波の周波数は、0.9〜100GHzが好ましく、0.9〜10GHzがより好ましく、特に2.45GHzが好ましい。この周波数が0.9GHz未満では、波長が長くなりすぎるとともにマイクロ波の吸収率が低下するため好ましくない。逆に100GHzを超える場合には、マイクロ波発振器13aのコストの上昇を招くため好ましくない。炉本体12に設けられるマイクロ波発振器13aの数は適用されるマイクロ波の周波数、投入される原料混合物の量等により適宜決定されるが、第1の実施形態においては2.45GHzのマイクロ波を出力するマイクロ波発振器13aが使用される。
マイクロ波の出力は、高く設定することにより原料混合物22の加熱速度を上昇させることができる一方、エネルギー効率の低下を招くおそれがあるため、原料混合物の種類、生産量、エネルギー効率等により適宜設定される。例えば、1日間に銑鉄1トン当たりを生産するためのマイクロ波発振器13aの出力は、150〜300kW、好ましくは200kWに設定されることにより効率よく銑鉄を製造することができる。また、原料混合物の加熱速度を上昇させた場合、製造される銑鉄中において、酸化鉄含有化合物及び炭素化合物由来の珪素、マグネシウム、リン酸、チタン、イオウ、マンガン及びそれらの酸化物等の不純物濃度を低下させることができる。これは急速に加熱されることにより内部12a酸素分圧の上昇(例えば10-13〜10-11atm)を招き、不純物の還元溶融が抑制されるためである。一方、マイクロ波の出力を上げることにより加熱速度を上昇させた場合、銑鉄中の炭素濃度は上昇する。これは高酸素分圧下(例えば10-13〜10-11atm)においては、固体の炭素化合物と固体の酸化鉄が1154℃の共晶温度以上で接触すると、接触点で銑鉄の液相が生成し、液相中に生じる炭素の拡散と液相の対流により速やかに炭素が炭素化合物から固体酸化鉄に移動し、固体酸化鉄を銑鉄(還元鉄)として溶融する。そして溶融により増した還元鉄の液相は炭素化合物と固体酸化鉄を濡らし、炭素化合物と溶融銑鉄と固体酸化鉄の接触面積を急速に拡大させて、それが炭素の移動(浸炭)をさらに加速するためである。マイクロ波の出力(加熱速度)を調節することにより、内部12aの酸素分圧及び銑鉄中の不純物濃度や炭素量を調整することができる。
炉本体12内に投入される原料混合物22は、粉末状又は粒子状に粉砕された酸化鉄含有化合物及び該酸化鉄含有化合物を還元するための炭素化合物からなる混合物である。原料混合物22は熱伝導性を向上させるために粉末状又は粒子状で内部12aに投入してもよい。また、粉塵・ダストの発生防止及び取り扱い性向上のため粉砕された酸化鉄含有化合物等を特定粒径のペレットにして投入してもよい。炭素化合物は酸化鉄含有化合物を還元するための還元剤として配合されるとともに、還元鉄中に浸炭されることにより銑鉄に変換させるために配合される。原料混合物22中における酸化鉄含有化合物と炭素化合物の配合量は、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化鉛等の還元され易い全ての金属酸化物中の全ての酸素をCO、CO2又はこれらの混合ガスとして除去するために必要とされる炭素量と、所定の炭素濃度を有する銑鉄を得るために必要とされる炭素量の合計の炭素量を含む量である。例えば、酸化鉄含有化合物として鉄鉱石である磁鉄鉱を使用する場合、鉄鉱石1質量比に対し、炭素化合物0.12〜0.4質量比、好ましくは0.15〜0.3質量比、より好ましくは0.2〜0.25質量比である。酸化鉄含有化合物としては、鉄鉱石、製鋼ダスト、チタン鉄鉱としてのイルメナイト等が挙げられる。
鉄鉱石の種類は、酸化鉄鉱石としての赤鉄鉱(ヘマタイト、Fe23)及び磁鉄鉱(マグネタイト、Fe34)が挙げられる。それら中でもマイクロ波吸収率の高い磁鉄鉱が好ましい。原料混合物22として磁鉄鉱を適用した場合、マイクロ波を照射することにより効率よく原料混合物22を加熱することができる。一方、赤鉄鉱を適用する場合、マイクロ波吸収率が磁鉄鉱より低いためマイクロ波吸収率が高い炭素源等を発熱体として原料に投入する必要がある。なお、鉄鉱石に赤鉄鉱が含まれる場合、予め原料を500〜800℃に予熱することにより赤鉄鉱の一部をマイクロ波吸収率の高い磁鉄鉱に還元することができる。
炭素化合物としては、石炭、コークス、チャー、活性炭、木炭、有機物を含む廃棄物の乾留物等の炭素源が挙げられる。これらの炭素化合物のうちコークス等の不純物の少ない炭素源を使用することにより不純物の少ない銑鉄を得ることができる。かかる炭素源が酸化鉄含有化合物と加熱されることにより、例えば、Fe34+2C→3Fe+2CO2の反応により酸化鉄が還元鉄(本実施形態においては銑鉄)に還元される。還元剤として投入される炭素源としての炭素化合物は高マイクロ波誘導体である。したがって、マイクロ波照射により加熱され、炭素源において生じた熱が酸化鉄へ直接熱伝導により伝達されるため原料混合物を効率よく且つ急速に加熱することができる。酸化鉄は直接接触する炭素によって還元及び浸炭溶融される。還元剤としての炭素化合物は、酸化鉄と炭素源の接触面積を増加させるために粒状又は粉末状とすることが好ましい。それにより、酸化鉄への熱伝導、還元、浸炭の速度を向上させることができる。また、炭素源と酸化鉄との接触面積を増加させることにより酸化鉄の還元開始温度を低下させることができる。その他、原料混合物中にスラグ除去を目的として石灰石等の他の成分を適宜配合してもよい。
炉本体12にはさらに図示しない内部12aの雰囲気を測定するための温度センサ、圧力センサ等の各種センサを取り付けてもよい。
次に、上記のように構成された溶鉱炉11の作用について説明する。
まず、酸化鉄含有化合物と炭素化合物を粉末状又は粒状に粉砕するとともに所定の配合比で混合することにより原料混合物のペレットを作成する。原料混合物は原料投入装置15により炉本体12の内部12aに投入され、炉床部12b上において所定量積層される。次に、不活性ガス導入装置16からアルゴン、窒素等の不活性ガスを導入することにより内部12aに不活性ガスを充填させる。そして、マイクロ波照射装置13によりマイクロ波を原料混合物22に照射し、原料混合物22を加熱する。原料混合物22中の酸化鉄はマイクロ波により自身が加熱されることにより又はマイクロ波により加熱された炭素化合物としての炭素源から熱伝導を受けることにより急速に加熱される。
酸化鉄含有化合物は、温度上昇に伴い還元反応が進行するとともに水素ガス、メタンガス、窒素ガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等の揮発性ガスを吹き出しながら数分で約1000℃付近に達する。内部12aは揮発性ガスが排気ガス回収装置14により回収されるとともに不活性ガス導入装置16からは不活性ガスが導入される。それにより、原料混合物22の加熱は常に不活性ガス雰囲気下で行われる。そのとき炉本体12の内部12aの酸素分圧は10-13〜10-11atm、好ましくは10-12〜10-11atm、より好ましくは10-12atmに維持される。かかる高酸素分圧下においては、酸化鉄は還元・溶融されるが、酸化鉄含有化合物又は炭素化合物由来の珪素、マグネシウム、リン酸、チタン、イオウ、マンガン及びそれらの酸化物等の不純物の還元・溶融は抑制される。一方、溶融により生じた還元鉄の液相は炭素化合物と固体酸化鉄を濡らし、炭素化合物と溶融銑鉄と固体酸化鉄の接触面積を急速に拡大し、それが炭素の還元鉄への移動(浸炭)をさらに加速させる。内部12aの酸素分圧は排気ガス回収装置14、不活性ガス導入装置16及び原料混合物の加熱速度によって調節される。
そしてさらに原料混合物がマイクロ波により加熱され、1250〜1450℃、好ましくは1300〜1400℃、より好ましくは1350〜1370℃の雰囲気下に維持される。かかる加熱温度はマイクロ波の照射出力を調節することにより調整することができる。上記の酸素分圧及び温度雰囲気下において、酸化鉄のみが還元・溶融されるとともに溶融還元鉄中への浸炭が加速される。その一方、酸化鉄含有化合物又は炭素化合物由来の珪素、マグネシウム、リン酸、チタン、イオウ、マンガン及びそれらの酸化物等の不純物は、還元・溶融が抑制されるため高純度の銑鉄が生成される。酸化鉄含有化合物からは加熱により還元・溶融されるとともに浸炭されることにより生成した溶融銑鉄は表面張力により凝集しながら重力により傾斜部12cから誘導路20へ導かれ、貯留容器21中に一時貯留される。貯留容器21中に貯留された溶融銑鉄22aは炉本体12の内部12aからの反射により入射されるマイクロ波の照射を受けることにより溶融状態が維持される。溶融銑鉄22aは間歇的あるいは連続的に出銑口21bから溶鉱炉11外部に放出する。炉本体12の内部12aに残った未還元状態の不純物は図示されない炉本体12又は貯留容器21に設けられた取り出し口から掻き出される。
第1の実施形態の溶鉱炉11によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1の実施形態において、鉄鉱石等の酸化鉄含有化合物及び還元剤としての炭素化合物からなる原料混合物にマイクロ波を照射することにより還元・溶融させた。したがって、マイクロ波が酸化鉄を直接又は炭素化合物からの熱伝導により急速(短時間)且つ効率的に加熱することができる。つまり、酸化鉄に接触する炭素化合物は、銑鉄の炭素源になるとともに熱源にもなるため還元・浸炭・溶融過程における反応効率及びエネルギー効率の向上を図ることができる。
(2)第1の実施形態において、溶融銑鉄を炉床部12bから内部12a空間外に誘導するための誘導路20を設けた。したがって、溶鉱炉11の内部12aにおいて還元反応により生成した溶融銑鉄を炉外に排出しながら、原料投入装置15から新たに原料混合物を投入することができる。つまり、マイクロ波を用いた銑鉄の製造において連続的な量産が可能となる。
(3)第1の実施形態において、炉床部12bは斜め下方に傾斜される傾斜部12cを有するとともに傾斜部12cの最下部には傾斜部12cの傾きを延長するように誘導路20が斜め下方に向けて配されている。したがって、所定の加熱雰囲気下において、粉末状態の不純物と溶融した銑鉄を重力により容易に分離することができる。
(4)第1の実施形態において、炭素原料として天然物を原料とした活性炭、木炭、有機物を含む廃棄物の乾留物を使用した場合、温暖化の原因となる炭酸ガスの排出量の増加を抑制することができる。
(5)第1の実施形態において、原料混合物の加熱は、不活性ガス導入装置16から窒素ガス、アルゴン等の不活性ガスを供給しながら不活性ガス雰囲気下で行なった。したがって、不活性ガスの流量の制御により炉本体12の内部12aの一酸化炭素濃度等を制御することにより酸素分圧も変化させることができるため、溶融銑鉄中の炭素及び不純物濃度を制御することができる。
(6)第1の実施形態において、原料混合物から発生する粉塵・ダスト及び酸化鉄鉱石等の酸化鉄含有化合物が加熱されることにより排出される排気ガスを回収する排気ガス回収装置14を炉本体12の上部に設けた。したがって、排ガス中の熱及び特定成分を再利用することができる。
(7)第1の実施形態において、底部に出銑口21bが形成された貯留容器21を誘導路20の端部に取り付けることにより溶融銑鉄22aを一時貯留可能に構成した。したがって、銑鉄が生成されるごとに銑鉄の取り出し作業を行う必要がなく、炉本体12における銑鉄の連続的な製造が可能となるとともに生成した溶融銑鉄22aを適宜取り出すことが可能となる。また、銑鉄を溶融状態で出銑口21bから取り出すことができるため後処理において銑鉄の成分調整を容易に行なうことができる。
(8)第1の実施形態において、貯留容器21は断熱性の高い耐火物17により貯留空間21aを構成した。また、マイクロ波が照射される炉本体12の内部12aと連通されるよう構成した。したがって、貯留容器21の溶融銑鉄22aの溶融状態を維持することができる。
(9)第1の実施形態において、原料混合物の溶融は、酸素分圧10-13〜10-11の雰囲気下で行なった。かかる雰囲気下においては、固体の炭素化合物と固体の酸化鉄が1154℃の共晶温度以上で接触すると、接触点で銑鉄の液相が生成し、液相中に生じる炭素の拡散と液相の対流により速やかに炭素が炭素化合物から固体酸化鉄に移動し、固体酸化鉄を銑鉄(還元鉄)として溶融する。そして溶融により増した還元鉄の液相は炭素化合物と固体酸化鉄を濡らし、炭素化合物と溶融銑鉄と固体酸化鉄の接触面積を急速に拡大させて、それが炭素の移動(浸炭)をさらに加速する。また、鉄鉱石等の酸化鉄含有化合物及び石炭等の炭素化合物由来の珪素、マグネシウム、リン酸、チタン、イオウ、マンガン及びそれらの酸化物等の不純物は、還元及び溶融が抑制される。そのため還元・溶融される銑鉄中に不純物が溶け込まれることはなく、不純物の含有量を低減させることにより高純度の銑鉄を製造することができる。この高酸素ポテンシャル雰囲気下は、熱源としてマイクロ波を用い、急速に原料混合物を加熱することにより形成することができる。
(10)第1の実施形態において、原料混合物の溶融は、1250〜1450℃の雰囲気下で行なった。したがって、酸化鉄の還元反応を低温で行なうことができるため消費エネルギーを低減させることができる。また、かかる低温高酸素ポテンシャルにおいては、還元エネルギーを炭素の燃焼で供給する必要がないため温暖化の原因となる炭酸ガスの発生を抑制することができる。
(11)第1の実施形態において、原料混合物は粉末状又は粒状の酸化鉄含有化合物と炭素化合物を使用した。したがって、酸化鉄と炭素化合物の接触面積を増加させることができるため、熱の伝達速度の上昇、還元処理速度及び還元鉄の浸炭と溶融速度の向上を図ることができる。
(12)第1の実施形態において、排気ガス回収装置14は、炉本体12のドーム状の上部の頂点部に取り付けられる。したがって、加熱により発生した排気ガスを効率よく回収することができる。
(13)第1の実施形態において、耐火物17及び断熱材19の構成により熱の漏洩を防止し、エネルギー効率を高めることができる。
(14)第1の実施形態において、原料混合物として粒子又はペレットを使用した場合においてもマイクロ波を用いて加熱することにより原料混合物の表面のみならず内部も急速に加熱することができ、温度及び酸素分圧を上記範囲内に容易に上昇させることができる。
なお、上記第1の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、貯留容器21を1つ設けた。しかしながら、貯留容器の取り付け数は特に限定されず複数設けてもよい。例えば、図2に示されるように左右両側に貯留容器21を設けてもよい。かかる場合、炉床部12bの略中央部を頂点として左右両方向の下方へ傾斜するように傾斜部12cを設け、該傾斜部12cの傾きを延長するように誘導路20を斜め下方に向けてそれぞれ配することにより構成することができる。かかる複数の貯留容器を設ける構成を採用することにより、炉床部12b上の溶融銑鉄を効率よく、炉本体12外へ誘導することができる。
・上記実施形態において、原料投入装置15は投入管15aの吐出側先端が炉本体12のドーム状の上部において斜めに突き刺されるように取り付けた。しかしながら、図3に示されるように原料投入装置を投入管が吐出側先端と炉本体12の頂上部が連通されるよう水平状態で取り付けた原料投入装置36のように構成してもよい。かかる場合、排気ガス回収部としての排気ガス回収装置37をその近傍に取り付けるよう構成してもよい。かかる構成により、原料混合物を炉床部12bの中央部へ投入することができる。また、炉本体12内の熱が原料投入装置15を介して外部へ流出することを抑制することができる。
・上記実施形態において、貯留容器21内に貯留された溶融銑鉄22aは、図4に示されるような出銑口21bの下部に配設される取鍋38で受けることにより取り出してもよい。取鍋38は例えば内側が耐火物38aによって内張された金属(例えばステンレス)製の外套38bから構成されている。また、出銑口21bが開口され溶融銑鉄22aを取鍋38で受ける際、マイクロ波の外部への漏洩を防止するために、金属(例えば銅)製のマイクロ波遮蔽網39で取鍋38を含め被覆することが好ましい。取鍋38により溶融銑鉄22aの他、スラグ、脈石、過剰炭素源等を取り出してもよい。
・上記実施形態において、炉床部12b全面において斜め下方に傾斜される傾斜部12cを構成した。しかしながら、炉床部12bの少なくとも一部に傾斜部を設けても良い。かかる傾斜部の下端に誘導路を連通させることにより、溶融銑鉄を炉外に放出することができる。
・上記実施形態において、マイクロ波照射装置13は太陽光、水力、風力、地熱又は原子力から選ばれる少なくとも一種によって発電される電力によって稼働されるように構成してもよい。かかる電力源は火力発電に比べ二酸化炭素の発生を抑制することができるため環境に配慮した銑鉄製造を行なうことができる。
・上記実施形態において、排気ガス回収装置14において回収した排気ガスの熱エネルギーを用いて窒素、アルゴン等の不活性ガス又は原料混合物を予熱する予熱部をさらに設けてもよい。かかる構成により銑鉄の製造におけるエネルギー効率をさらに向上させることができる。また、鉄鉱石に赤鉄鉱が含まれる場合、予熱部により予め原料を500〜800℃に予熱することにより赤鉄鉱の一部をマイクロ波吸収率の高い磁鉄鉱に還元することができる。
・上記実施形態において、誘導路20を斜め下方に向けて構成した。しかしながら、誘導路を水平又は斜め上方に向けて構成するとともに吸引等により溶融銑鉄を回収できるように構成してもよい。
・上記実施形態において、酸化鉄含有化合物中の固体不純物が溶融銑鉄とともに流れ出ること防止するため傾斜部12c上に網目構造、凹状段差、凸状段差等のフィルタ構造を設けてもよい。また、耐火性の球状の粒子からなる複数の充填体をフィルタとして配設させてもよい。
(第2の実施形態)
以下、本発明の溶鉱炉を具体化した第2の実施形態を図5にしたがって説明する。
図5に示されるように、溶鉱炉23は炉床部24及び該炉床部24の真上において垂直に建てられる収容部としての円筒状の炉体25から構成されている。溶鉱炉23には、マイクロ波発生部としてのマイクロ波照射装置26、原料混合物から排出されるダスト及び排気ガスを回収する排気ガス回収部としての排気ガス回収装置27、原料投入装置28及び不活性ガス導入部としての不活性ガス導入装置29がそれぞれ溶鉱炉23の内部23aに連通されるように接続されている。炉床部24は溶融銑鉄を炉体外に導く誘導部としての誘導路30及び溶融銑鉄を炉外に放出する出銑口31が備えられている。
炉体25は、耐火物32によって上部は薄く下部は厚くなるよう内張された金属(例えばステンレス)製の外套33から構成される。耐火物32は、マイクロ波の吸収が小さく断熱性が高いセラミックス系のライナーが好ましく適用され、具体的にはアルミナ系耐火物、ムライト系耐火物、シリカ系耐火物、ジルコニア系耐火物及び窒化珪素系耐火物等が挙げられる。炉体25の断面形状は円形、楕円形、多角形等が挙げられ、これらのうち内部23aの温度を均一にすることが容易な円形が好ましい。炉体25は上方から下方に向かって拡径方向に開くテーパ状をなし、該テーパ状をなす角度は0〜45°の範囲が好ましく、5〜20°の範囲がより好ましい。炉体25の高さは、酸化鉄含有化合物の充填量、銑鉄の製造量等に応じて適宜設定されるが、3m以内が好ましい。
炉体25の上端部には、原料投入装置28が接続され、該原料投入装置28から投入された原料混合物は炉体25内に搬入されるよう構成されている。具体的原料投入装置として第1の実施形態に記載される原料投入装置15を適用することができる。炉体25の下端は炉床部24に接続され、炉体25内の原料混合物は炉床部24内の炉床24a上へと誘導される。炉床24aの幅は特に限定されないが、0.5m以内が好ましい。炉床部24は、炉体25と同様に耐火物32によって内張された金属製の外套33から構成される。耐火物32は、炉体25において適用される耐火物32と同様にマイクロ波の吸収が小さく断熱性が高いセラミックス系のライナーが好ましく適用される。炉床24aの上面は誘導路20の高さ位置と同一又は高い位置に設けられ、溶融銑鉄を重力により誘導路20へ導くように構成されている。
炉床24a上には還元生成される銑鉄よりも融点が高くマイクロ波によって自己発熱可能なマイクロ波吸収体34が充填されている。マイクロ波吸収体34の材料としては、ジルコニア及び炭素系化合物(例えば、炭化珪素、炭化窒素)等が挙げられる。炉床24a上に充填されるマイクロ波吸収体34の大きさ・形状は特に限定されないが、加熱により溶融・凝集した銑鉄がマイクロ波吸収体34の隙間を通じて、誘導路30へ流動されるように径の大きい(積層された際隙間の大きい)球状が好ましい。マイクロ波吸収体34の充填量は、特に限定されない。また、好ましくは固体不純物の流出を防止するために誘導路30の近傍に配設される。排気ガス回収装置27は、粉末又は粒子状の原料混合物から発生するダスト又は原料混合物が加熱・溶融される過程で排出される水素ガス、メタンガス、窒素ガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等の排出ガスを回収する。不活性ガス導入装置29からは、溶鉱炉23の内部23aの雰囲気を調製するために不活性ガスとしてアルゴン、窒素ガス等が導入される。
マイクロ波照射装置26は、マイクロ波発振器26aと導波管26bとから構成され、マイクロ波発振器26aは導波管26bを介して炉床部24に接続されている。マイクロ波発振器26aから出力されるマイクロ波は、導波管26bを経由して溶鉱炉23の内部23aに入射されるよう構成されている。マイクロ波の周波数は、0.9〜100GHzが好ましく、0.9〜10GHzがより好ましく、特に2.45GHzが好ましい。
炉体25内に投入される原料混合物35は、粉末又は粒子状に粉砕された酸化鉄含有化合物及び該酸化鉄含有化合物を還元するための還元剤としての炭素化合物からなる混合物である。炭素化合物は酸化鉄含有化合物を還元するための還元剤として配合されるとともに、還元鉄中に浸炭されることにより銑鉄に変換させるために配合される。原料混合物22中における酸化鉄含有化合物と炭素化合物の配合量は、酸化鉄含有化合物中の酸化鉄、酸化亜鉛、酸化鉛等の還元され易い全ての金属酸化物中の全ての酸素をCO、CO2又はこれらの混合ガスとして除去するために必要とされる炭素量と、所定の炭素濃度を有する銑鉄を得るために必要とされる炭素量の合計の炭素量を含む量である。例えば、酸化鉄含有化合物として鉄鉱石である磁鉄鉱を使用する場合、鉄鉱石1質量比に対し、炭素化合物0.12〜0.4質量比、好ましくは0.15〜0.3質量比、より好ましくは0.2〜0.25質量比である。
酸化鉄含有化合物としては、鉄鉱石、製鋼ダスト、チタン鉄鉱としてのイルメナイト等が挙げられる。鉄鉱石の種類は、酸化鉄鉱石としての赤鉄鉱(Fe23)及び磁鉄鉱(Fe34)が挙げられる。炭素化合物は、石炭、コークス、チャー、活性炭、木炭、有機物を含む廃棄物の乾留物等の炭素源が挙げられる。還元剤としての炭素化合物は、酸化鉄と炭素源の接触面積を増加させるために粒状又は粉末状とすることが好ましい。それにより、酸化鉄への熱伝導、還元、浸炭の速度を向上させることができる。その他、原料混合物中にスラグ除去を目的として石灰石等の他の成分を適宜配合してもよい。
次に、上記のように構成された溶鉱炉23の作用について説明する。
まず、第1の実施形態と同様に酸化鉄含有化合物と還元剤としての炭素化合物からなる原料混合物のペレットを原料投入装置28から炉体25の内部23aに投入するとともに内部23aにおいて所定量積層させる。次に、不活性ガス導入装置29からアルゴン、窒素等の不活性ガスを導入することにより内部23aに不活性ガスを充填させる。そして、マイクロ波照射装置26によりマイクロ波を原料混合物35及びマイクロ波吸収体34に照射することにより原料混合物35及びマイクロ波吸収体34を加熱する。原料混合物35中の酸化鉄含有化合物はマイクロ波により自身が加熱されることにより又はマイクロ波により加熱された炭素化合物としての炭素源から熱伝導を受けることにより急速に加熱される。
酸化鉄含有化合物は、温度上昇に伴い還元反応が進行するとともに水素ガス、メタンガス、窒素ガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等の揮発性ガスを吹き出しながら数分で約1000℃付近に達する。内部23aは揮発性ガスが排気ガス回収装置27により回収されるとともに不活性ガス導入装置29からは不活性ガスが導入されることにより、原料混合物35の加熱は不活性ガス雰囲気下で行われる。そのとき内部23aの酸素分圧は10-13〜10-11atm、好ましくは10-12〜10-11atm、より好ましくは10-12atmに維持される。かかる高酸素分圧下においては、酸化鉄は還元・溶融されるが、酸化鉄含有化合物又は炭素化合物由来の珪素、マグネシウム、リン酸、チタン、イオウ、マンガン及びそれらの酸化物等の不純物の還元・溶融は抑制される。一方、溶融により生じた還元鉄の液相は炭素化合物と固体酸化鉄を濡らし、炭素化合物と溶融銑鉄と固体酸化鉄の接触面積を急速に拡大し、それが炭素の還元鉄への移動(浸炭)をさらに加速させる。内部23aの酸素分圧は排気ガス回収装置27、不活性ガス導入装置29及び原料混合物の加熱速度によって調節される。
そしてさらに原料混合物がマイクロ波により加熱され、1250〜1450℃、好ましくは1300〜1400℃、より好ましくは1350〜1370℃の雰囲気下に維持される。かかる加熱温度はマイクロ波の照射出力を調節することにより調整することができる。上記の酸素分圧及び温度雰囲気下において、酸化鉄のみが還元・溶融されるとともに溶融還元鉄中への浸炭が加速される。その一方、酸化鉄含有化合物及び炭素化合物由来の珪素、マグネシウム、リン酸、チタン、イオウ、マンガン及びそれらの酸化物等の不純物は、還元・溶融が抑制されるため高純度の銑鉄が生成される。溶融・浸炭することにより生成した溶融銑鉄はマイクロ波により加熱されたマイクロ波吸収体34により加熱されながらマイクロ波吸収体34の隙間を通り炉床24a上に流出する。炉床24a上に流出された溶融銑鉄は表面張力により凝集しながら重力により又は吸引により誘導路30を通過し、最終的に出銑口31から溶鉱炉23外に放出される。
第2の実施形態の溶鉱炉23によれば、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、以下のような効果を得ることができる。
(1)第2の実施形態において、炉床24a上には銑鉄よりも融点が高くマイクロ波によって自己発熱可能なマイクロ波吸収体34を充填した。かかる構成により、マイクロ波により加熱されたマイクロ波吸収体34から熱伝導を受けることにより一層急速に酸化鉄含有化合物を加熱することができる。また、マイクロ波により還元・溶融した銑鉄はマイクロ波により加熱されたマイクロ波吸収体34からの熱伝導により溶融状態を維持することができる。一方、溶融銑鉄の溶融状態を維持するために、さらに誘導加熱コイル等の設備を設けて溶鉱炉23を外部から加熱した場合、かかる加熱は熱伝導を伴うものであるためエネルギー効率を高めることはできない。溶融銑鉄に接触するマイクロ波吸収体34を直接加熱することができるためエネルギー効率を高めることができる。
また、溶融銑鉄の溶融状態を維持するために還元エネルギーを炭素の燃焼で供給する必要がないため温暖化の原因となる炭酸ガスの発生を抑制することができる。
(2)第2の実施形態において、炉床24a上の誘導路30近傍にマイクロ波吸収体34を充填した。したがって、複数のマイクロ波吸収体34がフィルタの役目をすることにより鉄鉱石等の酸化鉄含有化合物中の固体として存在する不純物が溶融銑鉄とともに流れ出ることを防止することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の溶鉱炉は、竪型溶鉱炉として構成されてもよい。かかる構成においても上述した効果を得ることができる。
・マイクロ波吸収体は、炉床24a上において全面に積層させてもよく、誘導路30近傍等の一部に充填してもよい。
・上記実施形態において、第1の実施形態と同様に傾斜部の構成、誘導路30の吐出側先端に底部に出銑口を有する貯留容器、取鍋及びマイクロ波遮蔽網の構成を採用してもよい。かかる構成を採用することにより第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、実施例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。
(実施例1〜3)
図1に示される溶鉱炉を使用して、マグネタイト鉄鉱石粉及び炭素化合物としての石炭粉を1:0.25の質量比で混合される直径約20mmのペレットを原料混合物として使用した。原料混合物を炉内部に投入するとともに窒素ガス雰囲気下において表1に示される実施例1〜3のペレット10g当たりのマイクロ波出力条件下においてマイクロ波加熱を行なった。加熱による還元溶融により生成した各銑鉄は傾斜部において固体不純物と分離されながら誘導路を通過し貯留容器に一時貯留された。貯留容器から取り出された各銑鉄中の炭素濃度及び不純物としての珪素、リン、チタンの濃度を測定した。測定結果を表1に示す。なお、表1における各成分の配合を示す数値の単位は質量%である。また、炉内部の温度(縦軸)とマイクロ波照射時間(横軸)の関係を示す表を図6に示す。
Figure 2007205639
図6に示されるように、いずれの実施例においてもマイクロ波を照射することにより、上昇開始時間に差はあるが急速に原料混合物は加熱され、各実施例において約1370℃において溶融銑鉄が生成したことが確認された。また、実施例1に示されるようにマイクロ波の出力を上げることにより加熱速度も上昇することが確認された。1500℃以上の高温を必要とする従来の高炉法と比べ、マイクロ波を使用した製造方法は、低温且つ迅速に銑鉄を生成させることができる。
また、表1に示されるように生成された銑鉄中の不純物濃度は実施例1においてSiが0.01質量%未満、Pが0.0039質量%、Tiが0.006質量%となった。これらの値は従来の高炉法を用いた方法と比べ約1桁小さい値である。これはマイクロ波により原料混合物を急速に所定温度に加熱したことにより高酸素分圧下(約10-12atm)となった内部雰囲気下において、酸化鉄のみが還元されたことによるものである。また、マイクロ波の出力が高いほど不純物濃度が低下することが確認された。これはマイクロ波の出力を上げ、急速に原料混合物を加熱すると内部酸素分圧のさらなる上昇を招くため、不純物の還元溶融が一層抑制されたことによるものである。また、銑鉄中の炭素濃度は実施例1においては、2.7質量%であった。従来より低い加熱温度であっても浸炭が進行することが確認された。また、マイクロ波の出力を上げることにより銑鉄中の炭素濃度は前記不純物濃度とは逆に上昇することが確認された。かかる結果からもマイクロ波の出力を上げ、急速に原料混合物を加熱することにより、炉内及びペレット内は熱力学的に高酸素分圧雰囲気下に導かれることが確認される。
以上により、マイクロ波を用いた本実施形態の溶鉱炉を使用したことにより、酸化鉄のみが還元される雰囲気下(高酸素ポテンシャル下)に容易に導くことができるとともに、容易に不純物と分離されるため高純度の銑鉄を製造することができる。従来よりも高速且つ低温で高純度の銑鉄を製造することができるため、エネルギー効率を向上させることができる。
(比較例)
比較例において外部からの熱伝導によってペレット状の原料混合物を加熱した場合において、原料混合物の表面及び内部(中心)のそれぞれについて温度と酸素分圧を計測した。マグネタイト鉄鉱石粉及び炭素化合物としての石炭粉を1:0.25の質量比で混合される直径約22mmのペレットを原料混合物として使用した。原料混合物中の温度と酸素分圧は図7に示されるようなペレットの表面と内部にそれぞれ配される酸素センサと温度センサを使用した。酸素センサは管内部に標準電極として三酸化二クロムとクロムの混合物が充填される二酸化ジルコニア系固体電解質−端閉管を用いた。温度は白金電極に溶接される白金熱電対(R型)により測定される。ペレット状の原料混合物を約1350℃に加熱した窒素ガス雰囲気下の炉内に投入した後、経時的に温度と酸素分圧を計測した。測定結果を図8に示す。
図8に示されるように、投入直後ペレット表面においては急速に約1350℃に加熱され、酸素分圧は約10-12atmとなった。かかる雰囲気下は鉄と酸化鉄の平衡酸素分圧がこの値より少し高い程度であるので酸化鉄のみが還元される条件となっている。一方、ペレットの内部は加熱が熱伝導を伴うため表面温度よりは遅れて温度が上昇し始め、約1000度付近で上昇速度が低下する。これは酸化鉄の還元反応が吸熱反応であるために生ずるものである。その後、内部温度はゆっくりと上昇し続ける。また、ペレットの内部における酸素分圧は一旦上昇するが、酸化鉄のみが還元される酸素分圧下に到達することはなかった。尚、ペレット内部において炭材が存在するにもかかわらず酸素分圧が高くなるのは温度が急速に上昇するため反応により生成した二酸化炭素ガスが一酸化炭素より拡散し難く、相対的に二酸化炭素分圧が一酸化炭素分圧より高くなるためである。
本願発明のマイクロ波を用いた銑鉄の製造方法は、ペレットの表面のならず内部も急速に温度を上昇させることができるためマイクロ波の出力を調節することにより短時間で高純度の銑鉄を製造することができる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)前記貯留容器は複数設けられている溶鉱炉。従って、この(a)に記載の発明によれば、炉内の溶融銑鉄を効率よく迅速に収容部外に溶出させることができる。
(b)前記マイクロ波発生部は太陽光、水力、風力、地熱又は原子力から選ばれる少なくとも一種によって発電される電力によって稼働される溶鉱炉。
第1の実施形態の溶鉱炉の断面図。 別の実施形態の溶鉱炉の断面図。 別の実施形態の溶鉱炉の要部断面図。 別の実施形態の溶鉱炉の要部断面図。 第2の実施形態の溶鉱炉の断面図。 マイクロ波照射時間(横軸)と炉内温度(縦軸)との関係を示すグラフ。 比較例における原料混合物の温度と酸素分圧の測定方法を示す図。 比較例における原料混合物を加熱した際の温度と時間及び酸素分圧と時間との関係を示すグラフ。
符号の説明
11,23…溶鉱炉、12…炉本体、12b,24…炉床部、12c…傾斜部、13,26…マイクロ波照射装置、14,27…排気ガス回収装置、16,29…不活性ガス導入装置、20,30…誘導路、21…貯留容器、21b,31…出銑口、22,35…原料混合物、22a…溶融銑鉄、24a…炉床、25…炉体、34…マイクロ波吸収体、38…取鍋、39…マイクロ波遮蔽網。

Claims (15)

  1. 酸化鉄含有化合物及び該酸化鉄含有化合物を還元するための炭素化合物からなる混合物を収容する収容部、該収容部内部にマイクロ波を照射することにより前記混合物を加熱するマイクロ波発生部、及び前記酸化鉄含有化合物と炭素化合物が反応することにより生成した溶融銑鉄を炉床から前記収容部外に誘導する誘導部を備えてなる溶鉱炉。
  2. 前記炉床は、少なくとも一部が斜め下方に傾斜される傾斜部を有するとともに前記溶融銑鉄は傾斜部から誘導部へ流出するよう構成されている請求項1記載の溶鉱炉。
  3. 前記炭素化合物は、石炭、コークス、チャー、活性炭、木炭及び有機物を含む廃棄物の乾留物から選ばれる少なくとも一種である請求項1又は請求項2記載の溶鉱炉。
  4. さらに不活性ガス導入部を有する請求項1から請求項3のいずれか一項記載の溶鉱炉。
  5. 前記不活性ガスは、窒素及びアルゴンから選ばれる少なくとも一種である請求項4記載の溶鉱炉。
  6. さらに前記混合物から排出される排気ガスを回収する排気ガス回収部を有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載される溶鉱炉。
  7. さらに前記排気ガス回収部において回収した排気ガスの熱エネルギーを用いて前記不活性ガス及び混合物の少なくとも一つを予熱する予熱部を設けた請求項6記載の溶鉱炉。
  8. 前記混合物は、赤鉄鉱及び磁鉄鉱の少なくとも一方を含有するとともに前記予熱部により混合物が予熱される請求項7記載の溶鉱炉。
  9. 前記誘導部の吐出側先端には、溶融銑鉄を貯留するための貯留容器が接続されている請求項1から請求項8のいずれか一項記載の溶鉱炉。
  10. 前記貯留容器は、底部に出銑口が設けられている請求項9記載の溶鉱炉。
  11. 前記出銑口は、少なくとも開口時に金属製の網で外側が被覆されることによりマイクロ波が外部に漏洩しないように構成されている請求項10記載の溶鉱炉。
  12. 前記炉床には銑鉄よりも融点が高くマイクロ波によって自己発熱可能なマイクロ波吸収体が充填されている請求項1記載の溶鉱炉。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載される溶鉱炉を用いた銑鉄の製造方法において、
    酸化鉄含有化合物及び該酸化鉄含有化合物を還元するための炭素化合物からなる混合物を収容部内に充填する工程、前記マイクロ波発生部からマイクロ波を照射することにより前記混合物を加熱する工程、加熱により溶融した混合物から分離した溶融銑鉄が誘導部から収容部外に誘導される工程からなる銑鉄の製造方法。
  14. 前記混合物の溶融は、酸素分圧10-13〜10-11atmの雰囲気下で行なわれる請求項13記載の銑鉄の製造方法。
  15. 前記混合物の溶融は、1250〜1450℃の雰囲気下で行なわれる請求項13又は請求項14記載の銑鉄の製造方法。
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