JP2007205378A - プーリ - Google Patents
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Abstract
【課題】回転変動の伝達を低減することができると共に、弾性体の耐久性を向上することができるプーリを提供する。
【解決手段】回転軸3に固定されるハブ5と、ハブ5の外周に回転可能に設けられる筒状のプーリ本体7と、ハブ5から回転軸3を中心とする半径方向に向かってプーリ本体7近傍まで突出するハブ側回転伝達突部9を有する突部回転体21と、プーリ本体7から回転軸3に向かってハブ5近傍まで突出する本体側回転伝達突部11と、ハブ側回転伝達突部9と本体側回転伝達突部11の間に形成された複数の弾性体収容スペース13内にそれぞれ収容される弾性体15とを備え、ハブ5には、弾性体15による回転変動吸収機能が働かなくなる程の過大なトルクが入力されるとプーリ本体7とハブ5間の回転の伝達を遮断する制限部材17を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】回転軸3に固定されるハブ5と、ハブ5の外周に回転可能に設けられる筒状のプーリ本体7と、ハブ5から回転軸3を中心とする半径方向に向かってプーリ本体7近傍まで突出するハブ側回転伝達突部9を有する突部回転体21と、プーリ本体7から回転軸3に向かってハブ5近傍まで突出する本体側回転伝達突部11と、ハブ側回転伝達突部9と本体側回転伝達突部11の間に形成された複数の弾性体収容スペース13内にそれぞれ収容される弾性体15とを備え、ハブ5には、弾性体15による回転変動吸収機能が働かなくなる程の過大なトルクが入力されるとプーリ本体7とハブ5間の回転の伝達を遮断する制限部材17を設けた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、巻掛け伝動機構に使用され、駆動側の回転変動に起因するベルトの張力変動を吸収できるプーリに関する。
特許文献1に、エンジンのトルクをベルトを介して補機(エアーコンディショナ、パワーステアリング、オルタネータ、ウォータポンプ等)に入力する補機駆動用プーリが記載されている。
この補機駆動用プーリは、補機の入力軸に固定されるハブと、ハブの外周に相対的に回動可能に設けられたプーリ本体と、プーリ本体とハブとの間のトルクの伝達を行うトルク伝達手段とで構成され、トルク伝達手段は弾性部材を備えている。
このような補機駆動用プーリでは、ベルトを介してプーリ本体に伝達された回転変動を含むトルクが、弾性部材を介してハブ及び回転軸に伝達されることになるので、その回転変動を弾性部材の弾性変形によって吸収して補機側の入力軸に伝えることができる。従って、プーリ本体に巻回するベルトにかかる張力の変動を低減することができるので、ベルトの寿命の向上を図ることができる。
特開2004−232778号公報(図1)
上記のような補機駆動用プーリでは、弾性部材によって回転変動を吸収している。このため、通常はプーリ本体に入力されるトルクを弾性部材によって吸収することができ、ハブ側に回転変動が伝達することを低減することができる。
しかしながら、プーリ本体に入力されるトルクが弾性部材による回転変動吸収機能が働かなくなる程の過大な入力の場合、弾性部材は回転変動を吸収することができなくなり、ベルトに掛かる張力の変動や異音の低減が十分にできず、ベルトの耐久性が低下してしまう。また、この場合、弾性部材が必要以上に潰されており、この状態が長く続くと弾性部材が破損する恐れがあると共に、弾性部材の耐久性が低下してしまう。
そこで、この発明は、回転変動の伝達を低減することができると共に、ベルト及び弾性体の耐久性を向上することができるプーリの提供を目的としている。
請求項1の発明は、回転軸に固定されるハブと、該ハブの外周に回転可能に設けられる筒状のプーリ本体と、前記ハブから前記回転軸を中心とする半径方向に向かって前記プーリ本体近傍まで突出するハブ側回転伝達突部と、前記プーリ本体から前記回転軸に向かって前記ハブ近傍まで突出する本体側回転伝達突部と、前記ハブ側回転伝達突部と前記本体側回転伝達突部の間に形成された複数の弾性体収容スペース内にそれぞれ収容される弾性体とを備え、前記プーリ本体と前記ハブ間の回転が前記弾性体を介して伝達されるプーリにおいて、前記ハブには、前記弾性体に過大なトルクが入力されると前記プーリ本体と前記ハブ間の回転の伝達を遮断する制限部材が設けられていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載のプーリであって、前記ハブは、前記回転軸に固定される円筒固定部と、該円筒固定部の外周に円筒固定部と一体回転可能に設けられ、前記ハブ側回転伝達突部が形成された突部回転体とを備え、前記円筒固定部と前記突部回転体との間に前記制限部材が設けられていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2記載のプーリであって、前記制限部材は、前記弾性体に過大なトルクが入力されると前記円筒固定部と前記突部回転体との間で回転するスリップリングであることを特徴とする。
請求項1のプーリは、ハブには弾性体による回転変動吸収機能が働かなくなる程の過大なトルクが入力されるとプーリ本体とハブ間の回転の伝達を遮断する制限部材が設けられているので、プーリ本体とハブ間の回転の伝達が遮断される。
従って、制限部材によって、弾性体による回転変動吸収機能が働かなくなる程の過大なトルクが入力された場合、プーリ本体とハブ間の回転の伝達が遮断されるので、弾性体が必要以上に潰されることがなく、弾性体の耐久性が向上する。また、弾性体が潰れることがなく、弾性体による回転変動の吸収ができるので、ベルトに掛かる張力の変動や異音の低減ができ、ベルトの耐久性も向上する。
請求項2のプーリは、ハブの円筒固定部と突部回転体との間に制限部材が設けられているので、弾性体による回転変動吸収機能が働かなくなる程の過大なトルクが入力された場合、円筒固定部と突部回転体間の回転の伝達が遮断される。これにより、プーリ本体と突部回転体とが一体回転するが、プーリ本体と円筒固定部間の回転の伝達が遮断され、請求項1と同様にベルトと弾性体の耐久性を向上できる。
請求項3のプーリは、制限部材がスリップリングであるので、弾性体による回転変動吸収機能が働かなくなる程の過大なトルクが入力されると円筒固定部と突部回転体との間でスリップリングが回転する。これにより、円筒固定部と突部回転体とが空回りした状態となり、円筒固定部と突部回転体間の回転の伝達が遮断されるので、プーリ本体とハブ間の回転の伝達が遮断され、請求項1と同様にベルトと弾性体の耐久性を向上できる。
図1〜図4を用いて実施形態について説明する。
本実施形態のプーリ1は、回転軸3に固定されるハブ5と、ハブ5の外周に回転可能に設けられる筒状のプーリ本体7と、ハブ5から回転軸3を中心とする半径方向に向かってプーリ本体7近傍まで突出するハブ側回転伝達突部9を有する突部回転体21と、プーリ本体7から回転軸3に向かってハブ5近傍まで突出する本体側回転伝達突部11と、ハブ側回転伝達突部9と本体側回転伝達突部11の間に形成された複数の弾性体収容スペース13内にそれぞれ収容される弾性体15とを備えている。そして、ハブ5には、弾性体15による回転変動吸収機能が働かなくなる程の過大なトルクが入力されるとプーリ本体7とハブ5間の回転の伝達を遮断する制限部材17が設けられている。
図1、図2、図4に示すように、ハブ5は、内周面に回転軸3の先端部が螺合によって固定される円筒状の円筒固定部23と、円筒固定部23の一側の端部に一体的に形成された円板部25とを備えている。円板部25の中心部には、回転軸3を螺合する際に使用する治具が挿入される6角孔27が形成されている。また、円筒固定部23の他側の外周面と回転軸3に圧入されるカラー29の外周面に、軸受31のインナレース33が圧入されている。さらに、円筒固定部23の外周面には、突部回転体21が圧入されている。
突部回転体21は、円筒状に形成され、外周面から180度対向位置に回転軸3を中心とする半径方向に向かってプーリ本体7近傍まで突出する2つのハブ側回転伝達突部9を備えている。また、突部回転体21の内周面には、制限部材17であるスリップリング35が圧入されている。
スリップリング35は、内周面と外周面に複数の突部37が形成されている。この複数の突部37は、後述する弾性体15による回転変動吸収機能が働かなくなる程の過大なトルクが入力された場合、ハブ5と突部回転体21とが独立して回転するように、その個数が設定されている。
プーリ本体7は、外周面にベルト(不図示)が巻掛けられる円筒状のリム部39と、このリム部39の内周面には180度対向位置に回転軸3に向かってハブ5近傍まで突出する2つの本体側回転伝達突部11とを備えている。ハブ5の2箇所のハブ側回転伝達突部9とプーリ本体7の2箇所の本体側回転伝達突部11は、同一円周上に配置され、且つ、それぞれ90度だけ回転位置がオフセットして配置されている。そして、隣り合うハブ側回転伝達突部9及び本体側回転伝達突部11によって4つの弾性体収容スペース13が形成されている。また、リム部39の一側の内周面には、軸受31のアウタレース41が圧入されている。さらに、弾性体収容スペース13には、弾性体15が収容されている。
各弾性体15は、例えばゴム材から形成され、各弾性体収容スペース13に1つずつ収容されている。この弾性体15のばね特性によって、プーリ本体7側からの回転変動を吸収してトルクをハブ5側に伝達することができる。また、軸受31のアウタレース41とプーリ本体7の本体側回転伝達突部11に挟まれて金属製のスペーサ19が設けられている。このスペーサ19は、弾性体15が圧縮された際に軸受31への侵入を防いでいる。
このように構成されたプーリ1は、駆動側プーリ(不図示)の回転によってベルト(不図示)に移動力が作用すると、ベルト(不図示)との摩擦力によってプーリ1のプーリ本体7にトルクが伝達される。そして、プーリ本体7の各本体側回転伝達突部11が弾性体15及び突部回転体21を介してハブ5のハブ側回転伝達突部9にトルクを伝達する。このハブ5の回転によって補機(不図示)側の回転軸3が回転される。
この回転伝達過程にあって、駆動側の回転に回転変動が発生すると、この回転変動にベルト(不図示)が追従するように移動速度を変動させ、ベルト(不図示)には張力の変動が生じることになる。一方、ハブ5及び回転軸3は慣性によって一定回転数で回転しようとする。しかし、プーリ本体7の回転に回転変動があると弾性体15が弾性変形してその回転変動を吸収しつつハブ5に回転を伝達する。
ここで、図3に示すように、従来のプーリ101では、弾性体115による回転変動吸収機能が働かなくなる程の過大なトルクがプーリ本体107に入力されると、弾性体115がそれ以上弾性変形できずに潰された状態で、トルクがハブ105側に伝達される。これにより、プーリ本体107に巻回されたベルト(不図示)の張力に起因する回転変動を弾性体115が吸収することが十分にできなくなる。
そこで、図4に示すように、プーリ1では、ハブ5の円筒固定部23と突部回転体21との間に制限部材17であるスリップリング35が配置されている。このスリップリング35は、通常、ハブ5と突部回転体21とが一体回転可能となるように回転する。そして、このスリップリング35は、弾性体15による回転変動吸収機能が働かなくなる程の過大なトルクに対しては、ハブ5と突部回転体21とが独立して回転するように回転する。このため、突部回転体21のみが回転するので、ハブ5の円筒固定部23にはトルクが伝達されない。なお、スリップリング35は、弾性体15のばね定数等に合わせて、複数の突部37の個数、スリップリング35の径等が設定されている。
このようなプーリ1では、ハブ5には弾性体15による回転変動吸収機能が働かなくなる程の過大なトルクが入力されるとプーリ本体7とハブ5間の回転の伝達を遮断する制限部材17であるスリップリング35が設けられているので、プーリ本体7とハブ5間の回転の伝達が遮断され、回転変動が伝達されることがない。
また、スリップリング35によって、弾性体15による回転変動吸収機能が働かなくなる程の過大なトルクが入力された場合、プーリ本体7とハブ5間の回転の伝達が遮断されるので、弾性体15が必要以上に潰されることがなく、弾性体15の耐久性が向上する。また、弾性体15が潰れることがなく、弾性体15による回転変動の吸収ができるので、ベルトに掛かる張力の変動や異音の低減ができ、ベルトの耐久性も向上する。
なお、従来では、プーリ本体107の内周面に凹部を設け、ハブ105のハブ側回転伝達突部109に凸部を設けて、この凹部と凸部とを凹凸嵌合することによって、弾性体115による回転変動吸収機能が働かなくなる程の過大なトルクが入力された場合に弾性体115が必要以上に潰されることを回避していた。この構成では、弾性体115の特性に合わせてプーリ本体107とハブ105とを加工しなければならないため、製造コストが増加してしまう。これに対して、プーリ1では、弾性体15の特性に合わせてスリップリング35のみの設定を変更すれば良く、製造コストを低減することができる。
1…プーリ
3…回転軸
5…ハブ
7…プーリ本体
9…ハブ側回転伝達突部
11…本体側回転伝達突部
13…弾性体収容スペース
15…弾性体
17…制限部材
19…スペーサ
21…突部回転体
23…円筒固定部
35…スリップリング
37…突部
3…回転軸
5…ハブ
7…プーリ本体
9…ハブ側回転伝達突部
11…本体側回転伝達突部
13…弾性体収容スペース
15…弾性体
17…制限部材
19…スペーサ
21…突部回転体
23…円筒固定部
35…スリップリング
37…突部
Claims (3)
- 回転軸に固定されるハブと、該ハブの外周に回転可能に設けられる筒状のプーリ本体と、前記ハブから前記回転軸を中心とする半径方向に向かって前記プーリ本体近傍まで突出するハブ側回転伝達突部と、前記プーリ本体から前記回転軸に向かって前記ハブ近傍まで突出する本体側回転伝達突部と、前記ハブ側回転伝達突部と前記本体側回転伝達突部の間に形成された複数の弾性体収容スペース内にそれぞれ収容される弾性体とを備え、前記プーリ本体と前記ハブ間の回転が前記弾性体を介して伝達されるプーリにおいて、
前記ハブには、前記弾性体に過大なトルクが入力されると前記プーリ本体と前記ハブ間の回転の伝達を遮断する制限部材が設けられていることを特徴とするプーリ。 - 請求項1記載のプーリであって、
前記ハブは、前記回転軸に固定される円筒固定部と、該円筒固定部の外周に円筒固定部と一体回転可能に設けられ、前記ハブ側回転伝達突部が形成された突部回転体とを備え、前記円筒固定部と前記突部回転体との間に前記制限部材が設けられていることを特徴とするプーリ。 - 請求項2記載のプーリであって、
前記制限部材は、前記弾性体に過大なトルクが入力されると前記円筒固定部と前記突部回転体との間で回転するスリップリングであることを特徴とするプーリ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006022154A JP2007205378A (ja) | 2006-01-31 | 2006-01-31 | プーリ |
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JP2006022154A JP2007205378A (ja) | 2006-01-31 | 2006-01-31 | プーリ |
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JP2007205378A true JP2007205378A (ja) | 2007-08-16 |
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ID=38485025
Family Applications (1)
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JP2006022154A Pending JP2007205378A (ja) | 2006-01-31 | 2006-01-31 | プーリ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2007205378A (ja) |
-
2006
- 2006-01-31 JP JP2006022154A patent/JP2007205378A/ja active Pending
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