JP2007197306A - 単層カーボンナノチューブの製造方法、単層カーボンナノチューブおよび電子素子の製造方法 - Google Patents

単層カーボンナノチューブの製造方法、単層カーボンナノチューブおよび電子素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】制御された構造を有する高品質の単層カーボンナノチューブを容易に製造することができ、しかも直径が極めて小さい単層カーボンナノチューブを含み、かつ直径の分布幅が極めて狭い単層カーボンナノチューブを容易に製造することができる単層カーボンナノチューブの製造方法を提供する。
【解決手段】エタノールなどのアルコールまたはアルコールの水溶液を気化させることにより得られるガスを反応ガスに用い、化学気相成長法により常圧で単層カーボンナノチューブを成長させる。化学気相成長装置の反応部の外部でアルコールまたはアルコールの水溶液を自然蒸発などで気化させることにより得られるガスをこの反応部に導入することにより反応を行う。アルコールの水溶液のアルコール濃度は例えば50%以上95%以下とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、単層カーボンナノチューブの製造方法、単層カーボンナノチューブおよび電子素子の製造方法に関し、例えば、単層カーボンナノチューブを用いる各種の電子素子に適用して好適なものである。
単層カーボンナノチューブ(SWNT)は、特有の電気的、機械的、電気光学的および電気機械的特性を有するために、電界放出素子、電界効果トランジスタ、単電子トランジスタ、分子センサーなどの将来のナノサイズ電子素子の魅力的な構成単位とみなされてきた(例えば、非特許文献1〜5参照。)。そのような魅力的な応用を実現するためには、制御された構造を有する高品質の単層カーボンナノチューブを製造することが必然的に望まれる。単層カーボンナノチューブを製造するために過去10年間にわたって多くの努力が払われてきており、高品質の単層カーボンナノチューブを高収率かつ低コストで製造するために、アーク放電(例えば、非特許文献6参照。)、レーザーアブレーション(例えば、非特許文献7参照。)および化学気相成長(CVD)(例えば、非特許文献8〜10参照。)を含む様々な技術が開発されてきた。単層カーボンナノチューブの応用(例えば、非特許文献11参照。)および基礎科学(例えば、非特許文献12〜16参照。)は、製造に新しいアプローチおよびフレキシビリティーを要求している。
上記のCVD法は、一般に、高品質の単層カーボンナノチューブを低コストで製造するための一つの有力な方法と考えられている。このため、触媒の組成、担持/基板材料、反応温度および炭素源ガスを探索することによりCVD法を最適化するために多くの研究が集中的に行われてきた(例えば、非特許文献17〜20参照。)。最近、エタノールが高品質の単層カーボンナノチューブをCVD法により減圧条件下で製造するための理想的な炭素源であると報告されている(例えば、非特許文献21〜23参照。)。また、酸素を有する化合物からなる炭素源または酸素を有する化合物と炭素を有する化合物との混合物を加熱温度下に触媒と接触させることにより単層カーボンナノチューブをCVD法により減圧条件下で製造する方法が提案されており、上記の炭素源の例としてエタノールなどのアルコール類またはエーテル類が、上記の混合物の例として水とアセチレンなどの炭化水素との混合物や、NOx 、SOx とアセチレンなどの炭化水素との混合物などが挙げられている(例えば、特許文献1参照。)。
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しかしながら、CVD法により減圧条件下で単層カーボンナノチューブを製造する場合には、単層カーボンナノチューブの成長パラメータを制御することが難しいため、制御された構造を有する高品質の単層カーボンナノチューブを製造することは難しい。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、制御された構造を有する高品質の単層カーボンナノチューブを容易に製造することができ、しかも直径が極めて小さい単層カーボンナノチューブを含み、かつ直径の分布幅が極めて狭い単層カーボンナノチューブを容易に製造することができる単層カーボンナノチューブの製造方法、この方法により製造された単層カーボンナノチューブおよびこの方法を用いる電子素子の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために、第1の発明は、
アルコールまたはアルコールの水溶液を気化させることにより得られるガスを反応ガスに用い、化学気相成長法により常圧で単層カーボンナノチューブを成長させるようにしたことを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造方法である。
第2の発明は、
アルコールまたはアルコールの水溶液を気化させることにより得られるガスを反応ガスに用い、化学気相成長法により常圧で単層カーボンナノチューブを成長させることにより製造されることを特徴とする単層カーボンナノチューブである。
第3の発明は、
単層カーボンナノチューブを用いた電子素子の製造方法において、
アルコールまたはアルコールの水溶液を気化させることにより得られるガスを反応ガスに用い、化学気相成長法により常圧で上記単層カーボンナノチューブを成長させるようにしたことを特徴とするものである。
この発明においては、典型的には、化学気相成長装置の反応部の外部でアルコールまたはアルコールの水溶液を自然蒸発などで気化させることにより得られるガスをこの反応部に導入することにより反応を行う。アルコールの水溶液のアルコール濃度(体積濃度)は0%より大きく100%未満であり、この範囲内であれば基本的にはアルコール濃度は問わないが、アルコール濃度が75%以上では100%に近いほどより小さい直径の単層カーボンナノチューブを製造することができ、アルコール濃度が50%以上95%以下、好適には50%以上80%以下とすると直径の分布幅が狭い単層カーボンナノチューブを製造することができ、特にアルコール濃度が70%以上80%以下では直径の分布幅が極めて狭い単層カーボンナノチューブを製造することができる。
単層カーボンナノチューブの成長温度は、一般的には500℃以上1500℃以下であるが、好適には、650℃以上900℃以下、より好適には800℃以上900℃以下とするが、これに限定されるものではない。単層カーボンナノチューブの成長は、典型的には、この成長温度において、アルコールまたはアルコールの水溶液を気化させることにより得られるガスを金属触媒に接触させることにより行う。金属触媒としては、カーボンナノチューブの成長に従来より用いられている公知の各種のものを用いることができる。
アルコールとしては基本的にはどのようなものを用いてもよく、一価アルコールでも多価アルコールでもよく、飽和アルコールでも不飽和アルコールでもよい。一般に炭素数が少ない一価アルコールは常温で液体であり、水と任意に混和するため、アルコール濃度が高い水溶液も容易に調製することができ、好ましい。アルコールとしては、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロパノール)、1−ブタノール、2−ブタノール(sec−ブタノール)、2−メチル−1−プロパノール(イソブタノール)、2−メチル−2−プロパノール(tert−ブタノール)、1−ペンタノールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルコールの水溶液のアルコール濃度および/またはアルコールの水溶液の気化速度を調節することにより、単層カーボンナノチューブの直径および/または直径の分布を制御することができる。アルコールの水溶液の気化速度は、例えば、アルコールの水溶液を入れる容器の温度を変えることにより調節することができる。
好適には、化学気相成長法により単層カーボンナノチューブを成長させた後、生成物の組成的な精製を行う。これは、生成物には一般に、単層カーボンナノチューブ以外にアモルファスカーボンや金属不純物などが含まれることから、これらを除去するためである。この精製は、好適には、塩酸を用いた酸処理、硝酸を用いた還流および空気酸化により行う。
この単層カーボンナノチューブは、その特有の電気的、機械的、電気光学的あるいは電気機械的特性を応用する素子であれば、どのような素子にも適用することができる。例えば、この単層カーボンナノチューブを用いる電子素子としては、具体的には、電界放出素子、電界効果トランジスタ(FET)(薄膜トランジスタ(TFT)も含む)、単電子トランジスタ、分子センサー、太陽電池、光電変換素子、発光素子、メモリーなどが挙げられる。
上述のように構成されたこの発明においては、化学気相成長法により常圧で単層カーボンナノチューブを成長させることにより、化学気相成長法により減圧下で単層カーボンナノチューブを成長させる場合に比べて、成長パラメータの制御が容易であり、制御された構造を有する高品質の単層カーボンナノチューブの成長が容易である。また、アルコールまたはアルコールの水溶液を気化させることにより得られるガスを反応ガスに用いることにより、直径が極めて小さい単層カーボンナノチューブを含み、かつ直径の分布幅が極めて狭い単層カーボンナノチューブの成長が可能となる。
この発明によれば、制御された構造を有する高品質の単層カーボンナノチューブを容易に製造することができ、しかも直径が極めて小さい単層カーボンナノチューブを含み、かつ直径の分布幅が極めて狭い単層カーボンナノチューブを容易に製造することができる。そして、この方法により製造された単層カーボンナノチューブを用いることにより、高性能の電子素子を得ることができる。
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
この一実施形態においては、基板上に金属触媒を形成し、アルコール(炭素源)またはアルコールの水溶液を気化させることにより得られるガスを反応ガスに用いてCVD法により常圧で単層カーボンナノチューブを合成する。この場合、CVD装置の反応部(炉の中に入っている反応管の部分)の外部でアルコールまたはアルコールの水溶液を気化させることにより得られるガスをこの反応部に導入することにより反応を行う。この後、こうして合成された単層カーボンナノチューブの組成的な精製を行う。
単層カーボンナノチューブを成長させる基板は、無機材料および/または有機材料からなる基板であり、必要に応じてその材料が選ばれる。無機材料からなる基板としては、例えば、シリコン基板(表面にSiO2 膜が形成されたものを含む)、ガラス基板、石英基板などが用いられる。有機材料からなる基板としては、例えば、ポリマー基板が用いられる。無機材料および有機材料からなる基板としては、これらの材料を組み合わせたものが用いられる。
基板上に形成する金属触媒としては、例えば、Fe、Co、Ni、Mo、Pt、Pd、Rh、Irなどの金属や、これらの金属のうちの二種以上を組み合わせたもの、例えば、Fe−Co、Ni−Co、Fe−Mo、Co−Moなどを用いることができるが、これらに限定されるものはない。この金属触媒は、典型的には、所定の担体に担持させる。この担体としては、例えば、MgO、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ジルコニア、チタニアなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
成長温度は、500℃以上1500℃以下、好適には650℃以上900℃以下、より好適には800℃以上900℃以下とする。
アルコールの水溶液のアルコール濃度は、0%より大きく100%未満であるが、好適には50%以上95%以下、より好適には50%以上80%以下、さらに好適には70%以上80%以下とする。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノールなどを用いることができる。
この実施形態によれば、アルコールまたはアルコールの水溶液を気化させることにより得られるガスを反応ガスに用いてCVD法により常圧で単層カーボンナノチューブを成長させるので、制御された構造を有する高品質の単層カーボンナノチューブを容易に製造することができる。しかも、直径が例えば0.6〜1.8nmと極めて小さい単層カーボンナノチューブを含み、かつ直径の分布幅が例えば0.6〜0.7nmと極めて狭い単層カーボンナノチューブを容易に製造することができる。
〈実施例1〉
(1)触媒の調製
触媒としてFe−Coを、従来の化学的含浸(chemical impregnation)法により作製した。具体的には、まず、硝酸鉄(Fe(NO3 3 9H2 O)および硝酸コバルト(Co(NO3 3 9H2 O)をエタノール(典型的には40ml)に溶解することにより硝酸金属溶液を調製した。次に、炭酸マグネシウム塩の分解により得られた酸化マグネシウム(MgO)を担体としてこの溶液に加えた。次に、こうして得られた混合物を均一化のために3時間超音波処理した。この混合物からロータリーエバポレーターによりエタノールを除去した後、得られた材料を115℃で一晩乾燥させた。この後、この材料を粉末にした。MgO担体における全触媒量は10wt%に固定し、遷移金属のモル比はFe/Co=1:2とした。
(2)常圧CVD
図1は、単層カーボンナノチューブを常圧で製造するために本発明者らが設計したCVD装置を示す。図1に示すように、反応管である石英管11を炉12内に入れる。石英管11の両端は炉12の外部に突き出るようにする。炉12の温度は熱電対13により測定し、温度制御装置14により制御する。炉12の外部にある石英管11の一端の内部に、エタノールまたはエタノール水溶液15が入った容器16を置いた。エタノールまたはエタノール水溶液15の濃度は100〜50%とした。石英ボート17の上に触媒金属微粒子としてFe/Co微粒子を担持したMgOからなる触媒18を約1g載せ、これを炉12の中心部の石英管11の中に挿入した。そして、容器16内のエタノールまたはエタノール水溶液15から気化したエタノールまたはエタノールおよび水のガスをAr/H2 混合ガス流(Ar:250ml/min、H2 :20ml/min)により輸送しながら、常圧において850℃、典型的には30分間の反応時間で単層カーボンナノチューブをCVD法により製造した。エタノールまたはエタノール水溶液15の気化速度の制御は、容器16の底面に鉄片19を固定しておき、石英管11の外部に設けた磁石20を石英管11に沿って移動させることで容器16を移動させ、それによって炉12との間の距離を変化させ、加熱されている石英管11からの輻射熱によるエタノールまたはエタノール水溶液15の温度変化を制御することにより行った。
(3)精製
常圧CVD法による製造直後の試料に対して組成的な精製プロセスを適用した。まず、触媒(MgO担体および金属微粒子の両方)を濃塩酸(HCl)を用いた酸処理により除去した。典型的には、製造直後の試料を30分間、超音波処理を行いながら50mlの6N濃塩酸中に置いた。次に、アモルファスカーボン、残留金属微粒子およびMgO担体を除去するために、HCl処理を行った試料を4N硝酸(HNO3 )溶液中において120℃で12時間還流した。得られた試料の濾過および蒸留水による洗浄を、濾過物の色が透明になるまで行った。精製プロセスの最終段階では、試料を空気中において470℃で30分間加熱した後、再び6N濃塩酸で処理して残留不純物を除去した。試料をリンスし、120℃で乾燥させた後、灰色がかった黒色で薄いマットが最終的に得られた。
(4)キャラクタリゼーション
走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製S−4300、15kV)、高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM、フィリップス社製CM200、200kV)およびラマン分光(632.8nm、Renishaw1000)を用いて試料のキャラクタリゼーションを行った。金属触媒微粒子およびMgO担体(金属不純物)の含有量は熱重量分析装置(TGA、デュポンインスツルメント社製951TGA)を用いて測定した。乾燥空気中において105℃で試料の水分を除去した後、乾燥空気を100ml/min流しながら5℃/minの速度で1000℃に加熱した。残留重量とは、試料中の金属不純物含有量のことをいう。
(5)結果および考察
図2は100%のエタノール濃度を用いて製造した直後の試料のラマンスペクトル、図3はこの試料に対して硝酸による還流を行った後のラマンスペクトル、図4は最終的な精製後の試料のラマンスペクトルを示す。図2より、130〜350cm-1の低周波領域に単層カーボンナノチューブの特徴的なラマン散乱モードの一つである radial-breathing
mode(RBM)が明確に観測される。RBMモードの周波数は単層カーボンナノチューブの直径に逆比例し、その関係はω=223.75/d+6.5と表すことができる(例えば、Lyu,S.C.;Liu,B.C.;Lee,T.J.;Liu,Z.Y.;Yang,C.W.;Park,C.Y.;Lee,C.J.,Chem.Commun.2003,734 参照。)。ただし、ωはcm-1単位のRBM周波数、dはnm単位の単層カーボンナノチューブの直径であり、バンドル効果を考慮に入れている。130〜350cm-1のRBM周波数は0.6〜1.8nmの直径に対応する。1586cm-1のメインピーク(Gバンド)の左側に現れている1552cm-1のショルダーピークはグラファイトのE2gモードの***に由来するものである。このショルダーピークもまた、単層カーボンナノチューブの特徴的なラマン散乱モードの一つである(例えば、A.Kasuya,Y.Sasaki,Y.Saito,K.Tohji,Y.Nishina,Phys.Rev.Lett.1997,78,4434参照。)。これらの特徴的なピークに加えて、1320cm-1に、欠陥により誘起されるモード、いわゆるDバンドが現れており、これは試料がアモルファスカーボンのような欠陥のあるカーボンを含むことを示す。Dバンドに対するGバンドの強度比(G/D比)は2.8であった。G/D比は単層カーボンナノチューブの純度の良い尺度であり、この比は試料の単層カーボンナノチューブ純度の増加にしたがって増加する(例えば、H.Kataura,Y.Kumazawa,Y.Maniwa,Y.Ohtsuka,R.Sen,S.Suzuki,Y.Achiba,Carbon 2000,38,1691 参照。)。
製造直後の試料(図5a)の走査型電子顕微鏡(SEM)像において繊維状の生成物が観測されるが、これはアモルファスカーボンおよび金属微粒子のような不純物を含む単層カーボンナノチューブのバンドルと考えられる。熱重量分析測定により、製造直後の試料の金属不純物含有量は54wt%であることが示された。
図5b、c、dは試料のSEM像を示し、図5bはHCl処理後、図5cはHNO3 還流後、図5dは最終的な精製試料を示す。精製のために、本発明者らは100%エタノール濃度で製造した試料を用いた。HCl処理後に、大量のアモルファスカーボンを含む多数のバンドルが観測された(図5b)。HCl処理により、金属不純物の含有量は54%から18%に減少した。アモルファスカーボンおよび残留金属不純物を除去するために、HCl処理後の試料をHNO3 溶液中で120℃で12時間還流した。還流を行った試料は主として直径が大きいバンドルからなり(図5c)、金属不純物の含有量は8%に減少した。還流を行った試料のラマン分光の結果は、有意の強度を有するDバンドを示した(図3)。本発明者らは、このDバンドは、HNO3 中での還流の間に製造され、単層カーボンナノチューブのバンドル上を被覆するアモルファスカーボンの小片に由来するものと確信している。残留不純物を完全に除去するために、還流を行った試料に対して空気中での470℃の熱処理およびHCl処理を行った。最終的な精製試料のSEM像は不純物がほとんど存在しないことを示している(図5d)。
図6は最終的な精製試料の透過型電子顕微鏡(TEM)像を示し、(a)は低倍率、(b)は高倍率のものである。この試料は基本的には、不純物がほとんど存在しない単層カーボンナノチューブのバンドルからなる。最終的な精製試料のラマンスペクトルは無視できる強度のDバンドを示し(図4)、アモルファスカーボンのほとんどが最終的な精製プロセスの間に除去されたことを示す。G/D比は本発明者らの組成的精製により2.8から100以上に増加した。
試料の単層カーボンナノチューブの純度を確認するために、熱重量分析測定を行った。その結果を図7〜図10に示す。図7は製造直後の試料の測定結果、図8はHCl処理後の試料の測定結果、図9はHNO3 還流後の試料の測定結果、図10は最終的な精製試料の測定結果を示す。図10に示すように、最終的な精製試料の残留重量は2wt%以下であった。重量変化速度(−dW/dT)プロファイルにおいては、585℃付近に最大値を有するただ一つのピークが得られたが、これは、試料が一つの燃焼可能な成分を含むことを意味する。この最大値の温度は、報告された単層カーボンナノチューブの燃焼温度と一致しており、これは、最終的な精製試料が純度98%の単層カーボンナノチューブからなることを示唆している。この示唆はTEM観察により支持される(図6)。
この実施例1においては、単層カーボンナノチューブの直径およびキラリティーは、触媒における生成反応により決定される。したがって、本発明者らは、単層カーボンナノチューブの構造は、エタノール供給速度によって制御することができるという仮説を立てた。この仮説を検証するために、異なるエタノール濃度で単層カーボンナノチューブを製造した。表1に、試験を行ったエタノール濃度および得られた結果をまとめた。直径の分布はラマンスペクトルにおけるRBM周波数から推定した。また、図11に表1の結果をグラフで示した。
Figure 2007197306
図11に示すように、エタノール濃度は明らかに単層カーボンナノチューブの直径の分布に影響を与える。一般に、もしエタノール濃度が高ければ、それに応じてエタノール蒸気濃度も高くなり、カーボンナノチューブの気−液−固(VLS)成長プロセスに基づくずっと多くの種類のカーボン付着をもたらす。これに対し、エタノール濃度が低ければ、それに応じてエタノール蒸気濃度も低くなり、カーボン付着のタイプの種類が減少する。この傾向は図11において見ることができる。
高品質の単層カーボンナノチューブの製造は、CVD装置の反応部の形状のような実験のセットアップに大きく依存する。従来のエタノールCVDにおいては、蒸発したエタノールが液化するのを防止するために、単層カーボンナノチューブは減圧下で製造される。減圧下では、常圧下と比較すると、エタノール濃度のよう成長パラメータを制御することは困難である。図1に示すCVD装置においては、炉12の外部にある石英管11の一端の内部にエタノールまたはエタノール水溶液15を入れた容器16を設置しており、このため、エタノール濃度および気化速度を調整することにより常圧下で高品質の単層カーボンナノチューブを制御された直径の分布で製造することが可能となった。
以上のように、本発明者らが独自に設計したCVD装置を用いて、常圧でエタノールまたはエタノール水溶液から高品質の単層カーボンナノチューブを製造することができる。単層カーボンナノチューブの品質および直径分布はエタノール濃度および気化速度を調節することにより制御される。HCl処理、硝酸の還流および空気酸化を組み合わせた組成的精製方法により、98%の純度の単層カーボンナノチューブが得られた。
〈実施例2〉
実施例1と同様に、Fe−Co/MgO触媒を用い、種々の一価アルコール(濃度100%)を用いて常圧CVD法により単層カーボンナノチューブを製造した。一価アルコールとしては、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノールおよび1−ペンタノールを用いた。これらのエタノール、1−プロパノール、1−ブタノールおよび1−ペンタノールを用いて製造された直後の単層カーボンナノチューブの典型的なSEM像を図12a、b、cおよびdに、ラマンスペクトルを図13a、b、cおよびd(上側の曲線が得られたデータ、下側の曲線はスペクトル解析によりフィットされたピークを示す)に、低周波ラマンスペクトルの3次元比較プロットを図14に、高分解能TEM像を図15a、b、cおよびd(スケールバーは8nmを表す)に、ラマンスペクトルのGバンド領域を図16に示す。図12a、b、cおよびdより、大量の単層カーボンナノチューブが製造されていることが分かる。また、図13a、b、cおよびdならびに図14は、単層カーボンナノチューブが存在していることを示している。また、図15a、b、cおよびdより、単層カーボンナノチューブが存在していることを確認することができる。
図13a、b、cおよびdより、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノールおよび1−ペンタノールの順に、言い換えると、これらの分子の質量に対するOH基の質量の割合が相対的に減少するにしたがい、製造直後の単層カーボンナノチューブの純度が明らかに減少することが分かる。また、改訂 Katauraプロット(Strano,M.S. J.Am.Chem.Soc.2003,125,16148参照。)と詳細な比較を行った結果、140〜180cm-1および200〜280cm-1付近のラマンピークは、それぞれ金属的単層カーボンナノチューブおよび半導体的単層カーボンナノチューブに由来するものであると結論することができる。図13a、b、cおよびdより、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノールおよび1−ペンタノールの順に、半導体的単層カーボンナノチューブと対照的に金属的単層カーボンナノチューブの割合が増加する傾向がある。さらに、この金属的単層カーボンナノチューブの割合の増加は、図16に示すGバンドの解析からも明らかである。タンジェンシャルモード(1500〜1600cm-1)は、金属的単層カーボンナノチューブおよび半導体的単層カーボンナノチューブの特徴的な振る舞いのモードを示すことは周知である。半導体的単層カーボンナノチューブはこの領域で狭いLorentzianを有するのに対し、金属的単層カーボンナノチューブはブロードで低エネルギーの Breit-Wigner-Fanoテールと結合した高周波Lorentzianにより特徴付けられる。金属的単層カーボンナノチューブ中のFano成分は本質的に離散フォノンの電子連続との結合により生じ、その結果、チューブ径が減少するにしたがってこの特徴のより大きなダウンシフトおよびブロード化を生じる。これは再び、図16における金属的単層カーボンナノチューブの増加を示している。
報告された論文(Maruyama,S.;Kojima,R.;Miyauchi,Y.;Chiashi,S.;Kohno,M.,Chem.Phys.Lett.,2002,360,229、Hata,K;Futaba,D.N.;Mizuno,K.;Namai,T.;Yumura,M.;Iijima,S.
,Science 2004,306,1362およびZhang,G.Y.;Mann,D.;Zhang,L.;Javey,A.;Li,Y.M.;Yenilmez,E.,Wang,Q.;McVittie,J.P.;Nishi,Y.;Gibbons,J.;Dai,H.J.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,2005,102,16141)および本発明者らの実験結果によると、金属的単層カーボンナノチューブの増加は一価アルコールからのOHラジカルの選択エッチングの役割に起因する。一価アルコールからのOHラジカルは、半導体的単層カーボンナノチューブに対して金属的単層カーボンナノチューブを選択的にエッチングする。半導体的単層カーボンナノチューブと金属的単層カーボンナノチューブとの相対存在比率は必ずしも、ランダムキラリティー分布に対して期待される2:1の比にしたがわない。
単層カーボンナノチューブの製造プロセス全体を二段階に分けて考察する。第1段階では、単層カーボンナノチューブの成長が支配的であるのに対し、OHラジカルのエッチング効果は副次的であると考えられる(図17参照)。触媒上での一価アルコールの分子の熱分解(Cn 2n+1OH→nC・+(2n+1)H・+OH・(n=2〜5))により放出されるOHラジカルは単層カーボンナノチューブの一部をエッチングするが、単層カーボンナノチューブ全体に対するエッチング量は少ない。カーボンナノチューブの成長速度は時間とともに減少し、これは触媒毒によるものであることが報告されており、触媒微粒子付近のカーボン殻の形成の証拠であり、これは触媒を被毒すると考えられてきている。そこで、第2段階(その後の触媒毒)では、1−ペンタノールの熱分解による炭素原子は最も多くのアモルファスカーボンを生成するが、1−プロパノール、1−ブタノールおよびエタノールの順にアモルファスカーボンの生成量が減少するため、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノールおよび1−ペンタノールの順にOHラジカルによる選択エッチングが難しくなり、これが製造直後の単層カーボンナノチューブの電子的性質および純度の変化をもたらす主たる理由である。アモルファスカーボンの存在は単層カーボンナノチューブの製造中に嫌われるが、製造直後の単層カーボンナノチューブを保護する。さらに、分子の構造よりもむしろ、OHラジカルの選択エッチングにより生じる単層カーボンナノチューブの電子的性質の変化を確認する目的で、1−ブタノールと比較するために、炭素源としてイソブタノールおよびtert−ブチルアルコールを選択した。その結果、基本的には、製造された単層カーボンナノチューブは純度あるいは電子的性質に関して相違はなかった(図18および図19)。
以上のように、一価アルコールからのOHラジカルの選択エッチング効果により単層カーボンナノチューブのキラリティーを制御した成長が可能になった。製造直後の単層カーボンナノチューブの純度および電子的性質は両方とも、これらのアルコールの分子構造には依存せず、アルコール分子の質量に対するOH基の質量の比に基づく。この実施例2の結果は、単層カーボンナノチューブの成長および構造に及ぼすOHラジカルの効果に光明を与え、特殊なエッチングプロセスを解明するためにさらなる研究が行われている。
以上、この発明の一実施形態および実施例について具体的に説明したが、この発明は上述の実施形態および実施例に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態および実施例において挙げたCVD装置の構成、数値、材料、原料、プロセスなどはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なるCVD装置の構成、数値、材料、原料、プロセスなどを用いてもよい。
この発明の実施例1において用いるCVD装置の構成を示す断面図である。 この発明の実施例1において100%のエタノール濃度を用いて製造した直後の試料のラマンスペクトルを示す略線図である。 この発明の実施例1において100%のエタノール濃度を用いて製造した直後の試料に対して硝酸による還流を行った後のラマンスペクトルを示す略線図である。 この発明の実施例1において100%のエタノール濃度を用いて製造した直後の試料の最終的な精製後のラマンスペクトルを示す略線図である。 この発明の実施例1において100%のエタノール濃度を用いて製造した直後の試料、HCl処理後の試料、HNO3 還流後の試料および最終的な精製後の試料のSEM像を示す図面代用写真である。 この発明の実施例1において100%のエタノール濃度を用いて製造した直後の試料に対して最終的に精製まで行った試料のTEM像を示す図面代用写真である。 この発明の実施例1において100%のエタノール濃度を用いて製造した直後の試料の熱重量分析測定の結果を示す略線図である。 この発明の実施例1において100%のエタノール濃度を用いて製造した直後の試料に対してHCl処理まで行った試料の熱重量分析測定の結果を示す略線図である。 この発明の実施例1において100%のエタノール濃度を用いて製造した直後の試料に対してHNO3 による還流まで行った試料の熱重量分析測定の結果を示す略線図である。 この発明の実施例1において100%のエタノール濃度を用いて製造した直後の試料に対して最終的に精製まで行った試料の熱重量分析測定の結果を示す略線図である。 この発明の実施例1においてエタノール濃度を変えて成長を行った単層カーボンナノチューブの直径の分布の測定結果を示す略線図である。 この発明の実施例2において種々の一価アルコールを用いて製造した直後の試料のSEM像を示す図面代用写真である。 この発明の実施例2において種々の一価アルコールを用いて製造した直後の試料のラマンスペクトルを示す略線図である。 この発明の実施例2において種々の一価アルコールを用いて製造した直後の試料の低周波ラマンスペクトルの3次元比較プロットを示す略線図である。 この発明の実施例2において種々の一価アルコールを用いて製造した直後の試料のTEM像を示す図面代用写真である。 この発明の実施例2において種々の一価アルコールを用いて製造した直後の試料のラマンスペクトルのGバンド領域を示す略線図である。 この発明の実施例2において種々の一価アルコールを用いて試料を製造する際の反応機構を説明するための略線図である。 この発明の実施例2においてOHラジカルの選択エッチングにより生じる単層カーボンナノチューブの電子的性質の変化を確認する目的で1−ブタノール、イソブタノールおよびtert−ブチルアルコールを用いて製造した直後の試料のラマンスペクトルを示す略線図である。 この発明の実施例2においてOHラジカルの選択エッチングにより生じる単層カーボンナノチューブの電子的性質の変化を確認する目的で1−ブタノール、イソブタノールおよびtert−ブチルアルコールを用いて製造した直後の試料の低周波ラマンスペクトルの3次元比較プロットを示す略線図である。
符号の説明
11…石英管、12…炉、13…熱電対、14…温度制御装置、15…エタノールまたはエタノール水溶液、16…容器、17…石英ボート、18…触媒、19…鉄片、20…磁石

Claims (12)

  1. アルコールまたはアルコールの水溶液を気化させることにより得られるガスを反応ガスに用い、化学気相成長法により常圧で単層カーボンナノチューブを成長させるようにしたことを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造方法。
  2. 化学気相成長装置の反応部の外部で上記アルコールまたはアルコールの水溶液を気化させることにより得られるガスを上記反応部に導入するようにしたことを特徴とする請求項1記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  3. 上記アルコールの水溶液のアルコール濃度が0%より大きく100%未満であることを特徴とする請求項1記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  4. 上記アルコールの水溶液のアルコール濃度が50%以上95%以下であることを特徴とする請求項1記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  5. 上記アルコールの水溶液のアルコール濃度が50%以上80%以下であることを特徴とする請求項1記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  6. 500℃以上1500℃以下の成長温度で上記単層カーボンナノチューブを成長させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  7. 650℃以上900℃以下の成長温度で上記単層カーボンナノチューブを成長させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  8. 上記アルコールが一価アルコールであることを特徴とする請求項1記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  9. 上記アルコールの水溶液のアルコール濃度および/または上記アルコールの水溶液の気化速度を調節することにより上記単層カーボンナノチューブの直径および/または直径の分布を制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  10. 上記単層カーボンナノチューブを成長させた後、塩酸を用いた酸処理、硝酸を用いた還流および空気酸化を行うことにより精製を行うことを特徴とする請求項1記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  11. アルコールまたはアルコールの水溶液を気化させることにより得られるガスを反応ガスに用い、化学気相成長法により常圧で単層カーボンナノチューブを成長させることにより製造されることを特徴とする単層カーボンナノチューブ。
  12. 単層カーボンナノチューブを用いた電子素子の製造方法において、
    アルコールまたはアルコールの水溶液を気化させることにより得られるガスを反応ガスに用い、化学気相成長法により常圧で上記単層カーボンナノチューブを成長させるようにしたことを特徴とする電子素子の製造方法。
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