JP2007192850A - 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子 Download PDF

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裕介 植阪
Yoshihiko Kuroda
美彦 黒田
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Abstract

【課題】高信頼性、高液晶配向性、高ラビング耐性に優れた液晶表示素子を提供することができ、且つ基板再生のために容易に剥離することができる液晶配向膜を提供すること。
【解決手段】テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応により形成されるアミック酸結合単位を有する重合体およびイミド結合単位を有する重合体両方からなる液晶配向剤であって、上記アミック酸結合単位として特定の式で表される繰り返し単位を含有することを特徴とする液晶配向剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、信頼性、低残像、ラビング耐性並びに液晶配向性に優れ、特に大型基板に塗布され、その基板再生のために市販の水系、有機系のいずれの液晶配向膜剥離液により容易に剥離することのできる液晶配向膜を与える液晶配向剤、当該液晶配向膜およびそれを用いた上記液晶表示素子に関する。
従来、透明導電膜を介して液晶配向膜が表面に形成されている2枚の基板の間に、正の誘電異方性を有するネマティック型液晶の層を形成してサンドイッチ構造のセルとし、前記液晶分子の長軸が一方の基板から他方の基板に向かって連続的に90度捻れるようにしたTN(Twisted Nematic)型液晶セルを有するTN型液晶表示素子が知られている。
また、カイラル剤の添加によって当該液晶分子の長軸が基板間で180度以上にわたって連続的に捻れる状態を達成させ、これにより生じる複屈折効果を利用したSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子も存在する。さらに最近においては、対向する基板間に負の誘電異方性を有するホメオトロピック配向状態のネマチック液晶層や螺旋軸が基板法線と平行状態にあるコレステリック液晶層を形成させ、それらの液晶層中に色素を添加したゲスト−ホスト型の反射型液晶表示素子も開発されている。ここに、液晶表示素子を構成する液晶配向膜の材料としては、従来よりポリイミド、ポリアミドおよびポリエステルなどが知られている。特にポリイミドは、耐熱性、液晶との親和性、機械的強度などに優れているため多くの液晶表示素子に使用されている。
しかしながら、最近では液晶表示素子も大型化、軽量化、低消費電力化等の面から高性能な表示素子としてめざましい発展を遂げており、それに伴い液晶配向膜に対する要求性能も益々厳しくなってきている。特に、基板の大型化に伴うプロセス改善及び低コスト化に関する要求が厳しくなってきている。しかし、従来より知られているポリイミドの前駆体であるポリアミック酸や、それを脱水閉環させて得られる構造を有するイミド系重合体などからなる液晶配向膜は、その高信頼性,高配向規制力更に高ラビング耐性を実現させる為に基板に対し高い密着性、塗布性を付与させている。その結果、低コスト化実現のために大型基板を再生しようとして配向膜を市販の水系並びに有機系液晶配向膜剥離液を用いて剥離しようとしても十分に剥離できなかった。一方で、市販の液晶配向膜剥離液を用い容易に剥離できる配向膜は信頼性,配向規制力更にラビング耐性が低下するといった問題を有していた。
本発明の目的は、良好な信頼性、配向特性、ラビング耐性を発現すると共に市販の水系並びに有機系剥離液で容易に剥離できる液晶配向膜を与える液晶配向剤を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の如き優れた諸性能を備えた液晶配向膜を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本発明の液晶配向膜を備えた液晶表示素子を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
本発明の上記目的および利点は、本発明によれば、第1に、アミック酸結合単位を有する重合体およびイミド結合単位を有する重合体(以下、「特定重合体(II)」という場合がある。)両方からなる液晶配向剤であって、上記アミック酸結合単位として下記式(I)で表される繰り返し単位を有する重合体(以下、「特定重合体(I)」という場合がある。)を含有することを特徴とする液晶配向剤によって達成される。
Figure 2007192850
(式中、Pは互いに独立に下記式(a)〜(e)
Figure 2007192850
のそれぞれで表される4価の有機基であり、(a)〜(e)から選ばれる少なくとも一種の結合単位を含有する。Qは2価の有機基である。)
本発明の上記目的および利点は、本発明によれば、第2に、本発明の液晶配向剤から形成された液晶配向膜によって達成される。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第3に、本発明の液晶配向膜を具備する液晶表示素子によって達成される。
本発明によれば、高信頼性、高液晶配向性、高ラビング耐性に優れた液晶表示素子を提供することができ、且つ基板再生のために配向膜を容易に剥離することができる。
本発明の液晶配向剤からなる液晶配向膜を有する液晶表示素子は、TN型およびSTN型液晶表示素子に好適に使用できる以外に、使用する液晶を選択することにより、SH(Super Homeotropic)型、IPS(In−Plane Switching)型、強誘電性および反強誘電性の液晶表示素子などにも好適に使用することができる。
さらに、本発明の液晶表示素子は、種々の装置に有効に使用でき、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、係数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピューター、液晶テレビなどの表示装置に用いられる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の液晶配向膜は、通常、本発明の液晶配向剤を透明電極基板上に塗布した後、乾燥(通常、加熱乾燥)することにより形成され、ラビングなどの膜表面における配向処理を施した後に用いられる。本発明の液晶配向剤は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応により形成されるアミック酸結合単位を有する重合体およびイミド結合単位を有する重合体両方からなる。
本発明の液晶配向膜は、上記液晶配向剤を基板上に塗布、乾燥する工程の際、加熱乾燥を行い、当該液晶配向剤中のアミド結合単位を脱水閉環させて、イミド結合単位とすることもできる。
<特定重合体(I)>
本発明で用いられるポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを、開環重付加させて得られる。
[テトラカルボン酸二無水物]
テトラカルボン酸二無水物としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物から選ばれる少なくとも一種を含有することにより、液晶配向膜を基板から剥離液で容易に剥離することが可能となる。とりわけ、アミック酸結合単位の合計に対して上記5種の化合物が20モル%以上含まれるのが好ましい。
本発明で用いられるポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物として、上記5種の化合物の他に、必要に応じその他のテトラカルボン酸二無水物を含有することができる。
かかる他のテトラカルボン酸二無水物としては、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ピロメリット酸無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、下記式(I)および(II)で示される化合物などの脂肪族および脂環式テトラカルボン酸二無水物;
Figure 2007192850
(式中、RおよびRは、芳香環を有する2価の有機基を示し、RおよびRは、水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するRおよびRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、下記式(1)〜(4)で表される化合物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。これらの他のテトラカルボン酸二無水物は1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
Figure 2007192850
Figure 2007192850
[ジアミン化合物]
ジアミン化合物としては、例えばm−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’−ジトリルフルオロメチル−4,4’−ジアミノジフェニル、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4.4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルなどの芳香族ジアミン;
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族および脂環式ジアミン;
下記式(III) で示されるモノ置換フェニレンジアミン類;下記式(IV)で示されるジアミノオルガノシロキサン(但し、ビスアミノプロピルテトラメチルジシロキサンを除く);
Figure 2007192850
(式中、Xは、−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−から選ばれる2価の有機基を示し、Rは、ステロイド骨格またはトリフルオロメチル基を有する1価の有機基を示す。Rは炭素数1〜12の炭化水素基を示し、複数存在するRは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、pは1〜3の整数であり、qは1〜20の整数である。)
下記式(5)〜(8)で示される化合物などを挙げることができる。これらのジアミン化合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
Figure 2007192850
(式中、yは2〜12の整数であり、zは1〜5の整数である。)
これらのジアミン化合物の内、p−フェニレンジアミン、ビスアミノプロピルテトラメチルジシロキサン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジメチル−4,4−ジミノビフェニルおよび3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが好ましい。
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との使用割合は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物に含まれる酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.4当量となる割合である。テトラカルボン酸二無水物に含まれる酸無水物基の割合が0.2当量未満の場合および2当量を超える場合のいずれにおいても、得られる重合体の分子量が小さくなりすぎ、液晶配向剤の塗布性が劣るものとなる場合がある。
本発明の液晶配向剤を構成するポリアミック酸は、上記テトラカルボン酸二無水物と上記ジアミン化合物との反応により合成される。ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中で、通常、0〜150℃、好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。反応温度が0℃未満であると化合物の溶剤に対する溶解性が劣る場合があり、150℃を超えると得られる重合体の分子量が低下する場合がある。
ポリアミック酸の合成に用いられる有機溶媒としては、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン化合物および反応で生成するポリアミック酸を溶解し得るものであれば特に制限はなく、例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホリルトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を挙げることができる。
有機溶媒の使用量(A)は、反応原料であるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との総量(B)が反応溶液の全量(A+B)に対して0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
なお、上記有機溶媒には、ポリアミック酸の貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類などを、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用することができる。かかる貧溶媒の具体例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プレピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−エチル−3−メトキシブタノール、2−メチル−2−メトキシブタノール、2−エチル−2−メトキシブタノール、3−メチル−3−エトキシブタノール、3−エチル−3−エトキシブタノール、2−メチル−2−エトキシブタノール、2−エチル−2−エトキシブタノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙げることができる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
以上の合成反応によって、ポリアミック酸を溶解してなる重合体溶液が得られる。そして、この重合体溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧下乾燥することによりポリアミック酸を得ることができる。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒で析出する工程を1回または数回行うことにより、ポリアミック酸の精製を行うことができる。
<特定重合体(II)>
本発明の液晶配向剤を構成する特定重合体(II)は、下記方法(1)〜(2)により調製することができる。また、ポリアミック酸の繰り返し単位の一部が脱水閉環された、いわゆるイミド化率が70%以上の重合体も、本発明の液晶配向剤に好適に用いられる。
方法(1):ポリアミック酸を加熱して脱水閉環する方法。
この方法における反応温度は、好ましくは、60〜300℃であり、より好ましくは120〜250℃である。反応温度が60℃未満ではイミド化反応が十分に進行せず、反応温度が300℃を超えると得られるポリイミドの分子量が小さくなることがある。
方法(2):ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤およびイミド化触媒を添加し、必要に応じて加熱する方法。
この方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰り返し単位1モルに対して1.6〜20モルとするのが好ましい。また、イミド化触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることができるが、これらに限定されるものではない。イミド化触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.5〜10モルとするのが好ましい。なお、イミド化反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒と同じものを挙げることができる。そして、イミド化反応の反応温度は、好ましくは、0〜180℃であり、より好ましくは60〜150℃である。
特定重合体(I)の合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、特定重合体(I)の合成に用いられる化合物を使用することができる。
これらのテトラカルボン酸二無水物の内、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオンよりなる群から選ばれる少なくとも2種を用いることが好ましい。
<酸特定重合体(I)および特定重合体(II)の固有粘度>
以上のようにして得られるポリアミック酸およびポリイミドの固有粘度(30℃、N−メチル−2−ピロリドン中で測定。以下において同じ。)は、好ましくは0.05〜10dl/gであり、より好ましくは0.05〜5dl/gである。
<末端修飾型の重合体>
本発明の液晶配向膜を形成する液晶配向剤に用いられるポリアミック酸およびポリイミドは、末端修飾型の重合体であってもよい。この末端修飾型の重合体は、分子量が調節され、本発明の効果を損うことなく、液晶配向剤の塗布特性などを改善することができる。末端修飾型の重合体は、ポリアミック酸を合成する際に、酸無水物、モノアミン化合物、またはモノイソシアネート化合物を反応系に添加することにより合成することができる。
末端修飾型の重合体を得るためポリアミック酸を合成する際の反応系に添加される酸無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げることができる。また、反応系に添加されるモノアミンとしては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどのアルキルアミン類;3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−[N−アリル−N−(2−アミノエチル)]アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−[(3−トリメトキシシリル)プロピル]ジエチレントリアミンなどを挙げることができる。また、モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向膜は、上記ポリイミドおよび/またはポリアミック酸が、通常、有機溶媒中に溶解含有されて構成される液晶配向剤より形成される。
本発明の液晶配向剤を構成する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成反応に用いられるものとして例示した溶媒と同じものを挙げることができる。また、ポリアミック酸の合成反応の際に併用することができるものとして例示した貧溶媒も適宜選択して併用することができる。
本発明の液晶配向膜を与える液晶配向剤における固形分濃度は、粘性、揮発性などを考慮して選択されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲とされる。すなわち、本発明の液晶配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜が形成されるが、固形分濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得難い。固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得難く、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣り易くなる。また、本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは、0℃〜200℃、より好ましくは20℃〜60℃である。
<エポキシ基含有化合物>
本発明の液晶配向膜を形成する液晶配向剤は、必要により分子内に少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物を含有することができる。分子内に少なくとの一つのエポキシ基を有するエポキシ化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタンなどを好ましいものとして挙げることができる。これらエポキシ化合物の配合割合は、重合体100重量部に対して、好ましくは5重量部以下である。
本発明の液晶配向膜を形成する液晶配向剤には、基板表面に対する接着性を向上させる観点から、さらに、官能性シラン含有化合物が含有されていてもよい。かかる官能性シラン含有化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。これら官能性シラン含有化合物の配合割合は、重合体100重量部に対して、好ましくは、40重量部以下である。
<液晶表示素子>
本発明の液晶配向膜を用いて得られる液晶表示素子は、例えば次の方法によって製造することができる。
(1)パターニングされた透明導電膜が設けられている基板の一面に、本発明の液晶配向膜を形成する液晶配向剤を例えばロールコーター法、スピンナー法、印刷法などの方法によって塗布し、次いで、塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。ここに、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができる。これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法や予めマスクを用いる方法が用いられる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板の該表面に、官能性シラン含有化合物、官能性チタン含有化合物などを予め塗布することもできる。液晶配向剤塗布後の加熱温度は、好ましくは80〜300℃であり、より好ましくは120〜250℃である。なお、ポリアミック酸を含有する本発明の液晶配向剤は、塗布後に有機溶媒を除去することによって配向膜となる塗膜を形成するが、さらに加熱することによって脱水閉環を進行させ、よりイミド化された塗膜とすることもできる。形成される塗膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
(2)形成された塗膜面を、例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理を行う。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。
また、本発明の液晶配向剤により形成された液晶配向膜に、例えば特開平6−222366号公報や特開平6−281937号公報に示されているような、紫外線を部分的に照射することによってプレチルト角を変化させるような処理、あるいは特開平5−107544号公報に示されているような、ラビング処理を施した液晶配向膜表面にレジスト膜を部分的に形成し、先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去して、液晶配向膜の液晶配向能を変化させるような処理を行うことによって、液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。
(3)上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、2枚の基板を間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セルを構成するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を、貼り合わせることにより、本発明の液晶表示素子が得られる。
ここに、シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
液晶としては、ネマティック型液晶を挙げることができ、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック型液晶や商品名「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤などを添加して使用することもできる。
また、液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
<液晶配向膜剥離液>
本発明の液晶配向膜を基板から剥離するために用いられる市販の剥離液として、例えば三洋化成工業社製TS-204や横浜油脂工業社製EP-5、J.T.Baker社製PRS-2000などが挙げられる。液晶配向膜に用いられる剥離液には、グリコール系溶剤及びアルカリ性化合物及び/または非イオン系界面活性剤を含む水溶液系剥離液あるいはN−メチルピロリドンまたはγ−ブチロラクトンを含有する有機溶剤系剥離液がある。
上記水溶液系剥離液に含まれるグリコール系溶剤としては、例えばエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
また、アルカリ性化合物としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化二ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソピルアミン、ジイソピルアミン、エタノールアミン、N−メチルピペリジン、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
また、非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
また、上記有機溶剤系剥離液としては、例えばN−メチルピロリドンまたはγ−ブチロラクトンからなるかあるいはそれを20%以上と上記アルカリ性化合物を0〜20%で含有する剥離液などが挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
本明細書の実施例および比較例における液晶配向膜の剥離性は、ガラス基板上の塗膜を剥離液に浸漬する前後での膜の有無を目視により確認することから求めた。また、ラビング耐性はガラス基板上に形成した塗膜を10回ラビングし、そのケズレの有無を確認することから求めた。さらに、その配向膜を用いて作製した液晶表示素子の配向性、並びに信頼性試験は以下の方法により評価した。
(配向性試験)
当該配向膜を塗布した基板にて液晶セルを作成し、そのセルに液晶を真空注入した際に流動配向が生じるか否かを確認することにより配向性の評価とした。
(信頼性試験)
70℃の恒温槽中に液晶表示素子を入れ、駆動波形発生装置「Function /arbitrary waveform generator」(Hewlett Packard社製)にて24hr連続駆動させた後、コントラストムラ、表示欠損の有無を確認した。
合成例1
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物112.09g(0.5モル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン157.15g(0.5モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン90.03g(0.8325モル)、ビスアミノプロピルテトラメチルジシロキサン24.85g(0.1モル)および4−(4'−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート26.3g(0.06モル)、モノアミンとしてアニリン1.396g(0.015モル)をN−メチル−2−ピロリドン4500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.81dl/g、イミド化率0%のポリアミック酸400gを得た。得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、対数粘度0.75dl/gのポリイミド(これを「ポリイミド(A−1)」とする)18.01gを得た。
合成例2
テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物294.22g(1.0モル)、ジアミン化合物として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.24g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、40℃で3時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコール中に注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.91dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(B−1)」とする)465.46gを得た。
合成例3
テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物322.23g(1.0モル)、ジアミン化合物として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.24g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、40℃で3時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコール中に注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.94dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(B−2)」とする)485.45gを得た。
合成例4
テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物310.22g(1.0モル)、ジアミン化合物として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.24g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、40℃で3時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコール中に注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.90dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(B−3)」とする)482.22gを得た。
比較合成例1
テトラカルボン酸二無水物として1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン314.29g(1.0モル)、ジアミン化合物として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.24g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、40℃で3時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコール中に注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.89dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(B−4)」とする)480.22gを得た。
比較合成例2
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸196.12g(1.0モル)、ジアミン化合物として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.24g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、40℃で3時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコール中に注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.89dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(B−5)」とする)369.12gを得た。
実施例1
合成例1で得られたポリイミド(A−1)、合成例2で得られたポリアミック酸(B−1)およびエポキシ基含有化合物とを、γ−ブチロラクトン/N−メチル−2−ピロリドン/ブチルセロソルブ混合溶剤(重量比72/15/13)に溶解させて固形分濃度4重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターを用いて濾過し、液晶配向剤を調製した。なお、ポリイミドとポリアミック酸は、ポリイミド:ポリアミック酸=1:4(重量比)となるような割合で用い、エポキシ基含有化合物は、重合体100重量部に対し、2重量部含むように調製した。上記液晶配向剤を、液晶配向膜塗布用印刷機を用いてITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布し、210℃のホットプレート上で10分間乾燥し、乾燥平均膜厚600オングストロームの被膜を形成した。この被膜をJ.T.Baker社製剥離液PRS-2000に50℃で10分間浸漬した後、目視により液晶配向膜の有無を調べた。ガラス基板には液晶配向膜は見られず、剥離可能であった。この被膜にレーヨン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンにより、ロールの回転数400rpm、ステージの移動速度3cm/秒、毛足押し込み長さ0.4mmでラビング処理を10回行い、ラビング耐性試験を行ったところ削れ、剥がれなどは確認できなかった。一方、ラビング処理を1回施した上記配向膜塗布基板を、水中に1分間浸漬した後、双方の基板を100℃のクリーンオーブン中で10分間乾燥した。次に、一対のラビング処理された液晶挟持基板の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径5.5μmのジビニルベンゼン球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、一対の液晶挟持基板を液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より一対の基板間に、ネマティック型液晶(メルク社製、MLC−6221)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏光板を張り合わせ、液晶表示素子を作製した。流動配向は見られず、信頼性試験後、コントラストムラ、表示欠損は見られなかった。
実施例2、3、比較例1、2
合成例1で得られたポリイミドおよび合成例3、4、比較合成例1、2で得られたポリアミック酸を用いること以外は実施例1と同様にして液晶表示素子を作製した。
Figure 2007192850

Claims (6)

  1. アミック酸結合単位を有する重合体およびイミド結合単位を有する重合体両方からなる液晶配向剤であって、上記アミック酸結合単位として下記式(I)で表される繰り返し単位を含有することを特徴とする液晶配向剤。
    Figure 2007192850
    (式中、Pは互いに独立に下記式(a)〜(e)
    Figure 2007192850
    のそれぞれで表される4価の有機基であり、(a)〜(e)から選ばれる少なくとも一種の結合単位を含有する。Qは2価の有機基である。)
  2. 上記(a)〜(e)で示されるアミック酸結合単位が、アミック酸結合単位の合計に対し20モル%以上である請求項1記載の液晶配向剤。
  3. イミド結合単位を有する重合体を合成するテトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオンよりなる群から選ばれる少なくとも2種を含有する請求項1,2記載の液晶配向剤。
  4. 分子内に少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物を重合体100重量部に対し、0〜5重量部含む請求項1〜3記載の液晶配向剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載された液晶配向剤から形成された液晶配向膜。
  6. 請求項5に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
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