JP2007189122A - チップ形電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、絶縁基板にクラックが発生しても特性不良になるということはなく、信頼性において優れているチップ形電子部品を提供することを目的とするものである。
【解決手段】矩形状の絶縁基板11と、この絶縁基板11の上面の対向する二辺近傍に設けられた一対の上面電極と、前記一対の上面電極と電気的に接続されるように設けられた抵抗体(機能素子)とを備え、前記絶縁基板11における一対の上面電極を設けた側の端辺の幅寸法を絶縁基板11の上面側より裏面側が大きくなるように構成したものである。
【選択図】図2
【解決手段】矩形状の絶縁基板11と、この絶縁基板11の上面の対向する二辺近傍に設けられた一対の上面電極と、前記一対の上面電極と電気的に接続されるように設けられた抵抗体(機能素子)とを備え、前記絶縁基板11における一対の上面電極を設けた側の端辺の幅寸法を絶縁基板11の上面側より裏面側が大きくなるように構成したものである。
【選択図】図2
Description
本発明は各種電子機器に用いられるチップ形電子部品に関するものであり、特に微小のチップ形電子部品に関するものである。
以下、従来のチップ形電子部品について、図面を参照しながら説明する。
図10は従来のチップ形電子部品の一例であるチップ抵抗器の断面図を示したもので、この図10において、1はアルミナ等の磁器からなる絶縁基板で、この絶縁基板1の上面の左右両端部には一対の上面電極2が設けられている。3は前記一対の上面電極2に両端部が重なるように前記基板1の上面に設けられた抵抗体である。4は前記一対の上面電極2と対向するように絶縁基板1の裏面に設けられた一対の裏面電極である。5は前記抵抗体3の全体を覆うように設けられた保護膜である。6は前記一対の上面電極2および一対の裏面電極4と電気的に接続されるように絶縁基板1の両端面に設けられた一対の端面電極である。7は前記一対の上面電極2の表面の一部と一対の端面電極6の表面および一対の裏面電極4の表面に設けられたニッケルめっき層である。8はニッケルめっき層7を覆うように設けられたはんだめっき層である。
次に、従来のチップ形電子部品の一例であるチップ抵抗器の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図11(a)〜(f)は従来のチップ抵抗器の製造工程図を示したもので、この図11(a)〜(f)に基づいて、その製造方法を以下に説明する。
まず、図11(a)に示すように、上面と裏面にそれぞれ1次分割溝1aと2次分割溝1bをあらかじめ形成したアルミナ等の磁器からなる絶縁性を有するシート状の絶縁基板1cを用意し、そしてこのシート状の絶縁基板1cの上面に,前記1次分割溝1aを跨ぐように複数の上面電極2をスクリーン印刷法で形成する。なお、図示していないが、シート状の絶縁基板1cの裏面にも、前記1次分割溝1aを跨ぐように複数の裏面電極4をスクリーン印刷法で形成する。
次に、図11(b)に示すように、複数の上面電極2に一部が重なるように前記シート状の絶縁基板1cの上面に抵抗体3をスクリーン印刷法で形成するとともに、抵抗体3における全抵抗値が所定の抵抗値の範囲内に入るようにレーザ等により抵抗体3にトリミング溝3aを施す。
次に、図11(c)に示すように、複数の抵抗体3を覆うように保護膜5をスクリーン印刷法で形成する。
次に、図11(c)に示す1次分割溝1aの部分で分割することにより、図11(d)に示すような短冊状の基板1dを得るとともに、短冊状の基板1dの両端面に、上面電極2および裏面電極4と電気的に接続されるように端面電極6を塗着形成する。
次に、図11(d)に示す短冊状の基板1dにおける2次分割溝1bの部分で分割することにより、図11(e)に示すような個片状の基板1eを得る。この場合、分割によって個片状の基板1eを形成する時に斜め方向に割れたり、バリが発生することがあり、これにより、個片状の基板1eの上面と裏面のいずれかに突出部9が形成されてしまう場合があった。
最後に、図11(f)に示すように、上面電極2の表面の一部と裏面電極4の表面および端面電極6の表面にニッケルめっき層7(図示せず)を形成した後、はんだめっき層8を形成することにより、従来のチップ抵抗器を製造していた。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平7−86003号公報
上記した従来のチップ形電子部品においては、電子機器への取り付け位置を修正するために、ピンセットでチップ形電子部品をつまんで手直しすることがあるが、この場合、チップ形電子部品は横方向から荷重を受けることになり、そしてこの横方向からの荷重を受けた場合、個片状の基板1eの突出部9に荷重が集中するため、図12に示すように突出部9付近にクラック10が発生する。特に機能素子である抵抗体3が設けられている面側に突出部9がある場合は、図12に示すようにクラック10が抵抗体3を分断してしまい特性不良を引き起こすという課題があった。このことは、個片状の基板1eの厚みが薄くてピンセットでつまむ程度の弱い荷重でもクラック10が発生してしまう微小なチップ形電子部品では特に問題になりやすいものであった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、絶縁基板にクラックが発生しても特性不良になるということはなく、信頼性において優れているチップ形電子部品を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、矩形状の絶縁基板と、この絶縁基板の上面の対向する二辺近傍に設けられた一対の上面電極と、前記一対の上面電極と電気的に接続されるように設けられた機能素子とを備え、前記絶縁基板における一対の上面電極を設けた側の端辺の幅寸法を絶縁基板の上面側より裏面側が大きくなるように構成したもので、この構成によれば、絶縁基板における一対の上面電極を設けた側の端辺の幅寸法を絶縁基板の上面側より裏面側が大きくなるように構成しているため、ピンセットでチップ形電子部品をつまんで手直しする際にピンセットによる横方向からの荷重を受けたとしても、その荷重は幅寸法が大きい絶縁基板の裏面側に集中することになり、たとえ絶縁基板にクラックが入ってもそのクラックは機能素子が存在しない絶縁基板の裏面側に向かって進行するため、従来のように絶縁基板の上面側の機能素子が破壊されて電子部品としての機能が損なわれるということはなく、その結果、特性不良のない信頼性に優れているチップ形電子部品が得られるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、矩形状の絶縁基板における一対の上面電極を設けた側の端辺の幅寸法を絶縁基板の上面側より裏面側が5μm以上大きくなるように構成したもので、この構成によれば、ピンセットでチップ形電子部品をつまんで手直しする際にピンセットによる横方向からの荷重を絶縁基板が受けた場合に絶縁基板にクラックが発生したとしても、そのクラックは機能素子が存在しない絶縁基板の裏面側に向かって進行するため、従来のように絶縁基板の上面側の機能素子が破壊されて電子部品としての機能が損なわれるということはないという作用効果を有するものである。
以上のように本発明のチップ形電子部品は、矩形状の絶縁基板における一対の上面電極を設けた側の端辺の幅寸法を絶縁基板の上面側より裏面側が大きくなるように構成しているため、ピンセットでチップ形電子部品をつまんで手直しする際にピンセットによる横方向からの荷重を受けたとしても、その荷重は幅寸法が大きい絶縁基板の裏面側に集中することになり、たとえ絶縁基板にクラックが入ってもそのクラックは機能素子が存在しない絶縁基板の裏面側に向かって進行するため、従来のように絶縁基板の上面側の機能素子が破壊されて電子部品としての機能が損なわれるということはなく、その結果、特性不良のない信頼性に優れているチップ形電子部品が得られるという優れた効果を奏するものである。
以下、本発明の一実施の形態におけるチップ形電子部品の一例であるチップ抵抗器について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施の形態におけるチップ形電子部品の一例であるチップ抵抗器の断面図を示したものである。
この図1において、11は焼成済みのアルミナ等の磁器からなる矩形状の絶縁基板で、この絶縁基板11の上面の左右両端部には、金を含有した金レジネートペーストからなる一対の第1の上面電極12が設けられている。13は前記第1の上面電極12に両端部が重なって電気的に接続されるように前記絶縁基板11の上面に設けられた機能素子である酸化ルテニウム系の抵抗体である。14は前記抵抗体13を覆うように設けられたエポキシ系樹脂を主成分とする保護膜で、この保護膜14は端部が前記第1の上面電極12の上に重なるように設けられている。15は前記第1の上面電極12と対向するように絶縁基板11の裏面に設けられた一対の裏面電極で、この一対の裏面電極15は、スパッタ等の薄膜形成技術を用いて絶縁基板11の裏面から端面にかけて略L字形に形成されるもので、絶縁基板11の短辺側の幅全体に形成されている。なお、この裏面電極15は絶縁基板11の端面に位置する部分が端面電極16を構成するとともに、その端部は前記第1の上面電極12に電気的に接続されるものである。
17は前記一対の第1の上面電極12の上に重ねて形成される一対の第2の上面電極で、この一対の第2の上面電極17は、スパッタ等の薄膜形成技術を用いて絶縁基板11の上面側から端面側にかけて略L字形に形成されるもので、絶縁基板11の短辺側の幅全体に形成されている。そしてこの第2の上面電極17は、絶縁基板11の端面側に位置する部分が前記裏面電極15における端面電極16を構成する部分に電気的に接続されるものである。また、この第2の上面電極17における絶縁基板11の上面側に位置する部分は、前記第1の上面電極12の上に重なるとともに、その端部が前記保護膜14の上に重なっている。18は前記略L字形の第2の上面電極17の表面と裏面電極15の表面を覆うニッケルからなる第1のめっき層、19は第1のめっき層18の表面を覆う錫からなる第2のめっき層である。
図2は同チップ抵抗器の斜視図を示したもので、前記絶縁基板11は、図2に示すように、機能素子である抵抗体が電気的に接続される一対の上面電極を設けた側の端辺の幅寸法を絶縁基板11の上面側よりも裏面側が約10μm大きくなるように構成しているものである。また、前記絶縁基板11の長辺側両端、すなわち一対の上面電極を設けた側の両端には、絶縁基板11の上面側から端面を通って裏面側に至る略コの字形の第1のめっき層、第2のめっき層19が設けられており、これらは図1に示す第2の上面電極17や裏面電極15に電気的に接続されるものである。そしてまた、前記一対の上面電極に電気的に接続される抵抗体は保護膜14で完全に覆われている。さらに、前記第2のめっき層19には、図2に示すように、絶縁基板11の短辺側両端より外方に突出する突出部19aが形成されるもので、この突出部19aは絶縁基板11の短辺側の幅方向全体に図1に示す第2の上面電極17や裏面電極15を形成し、そしてこの上に、第1のめっき層18と第2のめっき層19を形成した際に形成されるものである。
次に、本発明の一実施の形態におけるチップ形電子部品の一例であるチップ抵抗器の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図3(a)〜(c)、図4(a)〜(c)、図5(a)〜(c)および図6(a)〜(c)は本発明の一実施の形態におけるチップ形電子部品の一例であるチップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図である。
まず、図3(a)に示すように、焼成済みのアルミナ等の磁器からなるシート状の絶縁基板11aを用意する。そしてこのシート状の絶縁基板11aの上面に、金を含有した金レジネートペーストをスクリーン印刷し、ピーク温度850℃の焼成プロファイルで焼成することにより、複数の第1の上面電極12を升目状に並べて形成する。なお、シート状の絶縁基板11aの周辺部には、第1の上面電極12を形成しない領域を設けておく。
次に、図3(b)に示すように、複数の第1の上面電極12に一部が重なるように、すなわち複数の第1の上面電極12と電気的に接続されるように、スクリーン印刷工法により酸化ルテニウム系の複数の抵抗体13を前記シート状の絶縁基板11aの上面に形成し、ピーク温度850℃の焼成プロファイルで焼成することにより、抵抗体13を安定な膜とする。この抵抗体13の形成により、前記第1の上面電極12とこの抵抗体13は一列につながって形成されるもので、この列を多数平行に並べて形成する。
次に、図3(c)に示すように、第1の上面電極12間の抵抗値を測定しながら、抵抗体13にレーザでトリミング溝20を形成して、第1の上面電極12間の抵抗値を所望の値に調整する。
次に、図4(a)に示すように、複数の抵抗体13を覆うように、スクリーン印刷工法によりエポキシ系樹脂を主成分とする保護膜14を形成し、ピーク温度200℃の硬化プロファイルで硬化させることにより、保護膜14を安定な膜とする。
次に、図4(b)に示すように、シート状の絶縁基板11aを第1の上面電極12を形成した面を上にしてUVテープ(図示せず)に貼り付け、高速回転するブレードによるダイシング工法により、抵抗体13と第1の上面電極12からなる列と直交する方向に、抵抗体13を切断することなく第1の上面電極12が切断されるようにシート状の絶縁基板11aに第1のスリット溝21を形成する。なお、この第1のスリット溝21は、シート状の絶縁基板11aの周辺部を残して形成する。
次に、シート状の絶縁基板11aをUVテープ(図示せず)から引き剥がす。
次に、図4(c)に示すように、メタルマスク(図示せず)によってシート状の絶縁基板11aの裏面側の第1のスリット溝21の間の中央部をマスクした状態で、シート状の絶縁基板11aの裏面側から薄膜形成技術であるスパッタを行うことにより、シート状の絶縁基板11aの裏面の一部と第1のスリット溝21の壁面に裏面電極15を形成する。この場合、第1のスリット溝21の壁面に位置する裏面電極15が端面電極16を構成するものである。
次に、図5(a)に示すように、メタルマスク(図示せず)によってシート状の絶縁基板11aの上面側の第1のスリット溝21の間の中央部をマスクした状態で、シート状の絶縁基板11aの上面側から薄膜形成技術であるスパッタを行うことにより、シート状の絶縁基板11aの上面の一部と第1のスリット溝21に壁面の第2の上面電極17を形成する。この場合、第1のスリット溝21の壁面に位置する第2の上面電極17は、前記裏面電極15における端面電極16を構成する部分に電気的に接続されるものである。また、前記第2の上面電極17は、シート状の絶縁基板11aの上面側において、第1の上面電極12の露出部分と、保護膜14の一部を覆うように形成されるものである。
なお、前記図4(c)に示す裏面電極15と、図5(a)に示す第2の上面電極17を形成する順番は、本発明の一実施の形態の順番に限定されるものではなく、逆の順番、すなわち、図5(a)に示す第2の上面電極17を先に形成し、その後、図4(c)に示す裏面電極15を形成するようにしてもよく、この場合も特に問題が生じることはない。
次に、図5(b)に示すように、抵抗体13が形成された面がUVテープ22の粘着層22aに接しないようにして、シート状の絶縁基板11aをUVテープ22に貼り付けた後、UVテープ22側から紫外線光23を照射して、粘着層22aを硬化させる。
次に、図5(c)に示すように高速回転するブレード24によって切断するダイシング工法により、抵抗体13と第1の上面電極12からなる列と平行な方向に、抵抗体13を切断しないようにしながら、シート状の絶縁基板11aに第2のスリット溝25を形成する。この場合、ブレード24から受ける荷重で絶縁基板11aがUVテープ22に押し込まれるようにたわみながら切断されるため、UVテープ22に密着した裏面側は上面側よりも幅が広い形状となる。このようなことから、UVテープ22の厚みや硬度とブレード24の送り速度や磨耗量を適正化することによって、絶縁基板11aの側面に所望の勾配をつけることができる。すなわち、UVテープ22の厚みが薄いほど、またUVテープ22の硬度が高いほど、またブレード24の送り速度が速いほど、絶縁基板11aの側面は絶縁基板11aの上面および裏面に対して垂直になる。そしてこの勾配は垂直に近いほど、製品であるチップ形電子部品に横から荷重がかかった時に絶縁基板11aの上面側、すなわち機能素子を有する面が破損する危険性が高まる。
そして上記第2のスリット溝25が形成されることにより、図6(a)に示すようにシート状の絶縁基板11aは個片化されて絶縁基板の個片領域11bに分離される。
次に、UVテープ22から、第1のスリット溝21と第2のスリット溝25の形成により切断されて個片化された複数の絶縁基板の個片領域11bを剥離して、図6(b)に示すような個片化されたチップ抵抗器本体11cを得る。
最後に、図6(c)に示すように、チップ抵抗器本体11cにおける第2の上面電極の表面と端面電極の表面および裏面電極の表面にバレルめっき法により、ニッケルからなる第1のめっき層と、錫からなる第2のめっき層19を形成して、図1に示すようなチップ抵抗器を製造する。
図7は、従来のチップ抵抗器と本発明の一実施の形態におけるチップ形電子部品の一例であるチップ抵抗器に、短辺方向に荷重をかけた場合の抵抗値の変化率を示したものである。この図7から明らかなように、従来のチップ抵抗器においては、荷重が20N以上になると抵抗値が変化するものが発生したが、本発明の一実施の形態におけるチップ形電子部品の一例であるチップ抵抗器においては、30Nの荷重をかけても抵抗値変化は起こっていないことがわかる。これは、短辺方向に荷重が加わった場合に従来のチップ抵抗器では、図12に示すようにクラック10が抵抗体3を有する上面側に向かって進行するため、機能素子である抵抗体3が損傷を受けてしまうのに対して、本発明の一実施の形態におけるチップ形電子部品の一例であるチップ抵抗器においては、図8に示すようにクラック26が抵抗体13の存在しない裏面側に向かって成長するため、たとえクラック26が発生しても機能素子である抵抗体13は影響を受けないからである。
図9は、チップ抵抗器が短辺方向から30Nの荷重を受けた場合に抵抗値が1%以上変化する不良品の発生率と、チップ抵抗器の上面側幅寸法と裏面側幅寸法の差との関係を示したもので、この図9からも明らかなように、チップ抵抗器の裏面側幅寸法が上面側幅寸法より大きくなるほど1%以上抵抗値が変化する不良品の発生率は下がるが、その差は5μm以上あれば充分な効果が得られることは図9からも明らかである。
なお、チップ抵抗器本体11cの上面側幅寸法と裏面側幅寸法の差をあまり大きくしすぎると、寸法精度が損なわれて歩留まりの低下や実装性の低下を招くため、これらは適正な範囲に抑えるべきである。
上記したように、チップ形電子部品の一例であるチップ抵抗器の短辺側に関して裏面側を上面側よりも幅広に形成すると、チップ抵抗器を短辺側方向に搬送する際に製品が転がって搬送異常となることは発生しにくいため、量産性が向上するという効果も得られるものである。
また、本発明の一実施の形態で説明したチップ形電子部品の一例であるチップ抵抗器においては、図6(c)に示すように、チップ抵抗器本体11cにおける第2の上面電極の表面と端面電極の表面および裏面電極の表面にバレルめっき法によりニッケルからなる第1のめっき層と、錫からなる第2のめっき層19を形成するようにしているため、前記第2のめっき層19には、図2に示すように、絶縁基板11の短辺側両端より外方に突出する突出部19aが形成されるもので、そしてこの突出部19aは、チップ抵抗器の側面側から荷重を受けた際にその荷重を緩和するクッションの効果を持つため、チップ抵抗器の側面側から荷重を受けても特性変化が発生しにくいものである。
なお、上記本発明の一実施の形態においては、第1の上面電極12と第2の上面電極17で上面電極を構成した例について説明したが、第1の上面電極12だけで上面電極を構成しても良いものである。
また、上記本発明の一実施の形態においては、チップ形電子部品の一例として、機能素子が抵抗体13であるチップ抵抗器を取り上げ、このチップ抵抗器に本発明を適用したものについて説明したが、抵抗体以外の機能素子、例えばコイルやコンデンサなどを有する電子部品にも本発明は適用できるもので、この場合も上記本発明の一実施の形態と同様の効果が得られるものである。
そしてまた、上記本発明の一実施の形態においては、UV硬化型の粘着層を持つ固定テープでシート状の絶縁基板11aを固定してダイシングする例について説明したが、熱発泡タイプなどその他の固定テープを用いた場合でも、上記本発明の一実施の形態と同様の効果が得られるものである。
本発明に係るチップ形電子部品は、横方向から荷重を受けても特性不良が発生しにくく信頼性に優れているものであり、特に微小のチップ形電子部品に適用することにより有用となるものである。
11 絶縁基板
11a シート状の絶縁基板
11b 絶縁基板の個片領域
11c チップ抵抗器本体
12 第1の上面電極
13 抵抗体(機能素子)
17 第2の上面電極
11a シート状の絶縁基板
11b 絶縁基板の個片領域
11c チップ抵抗器本体
12 第1の上面電極
13 抵抗体(機能素子)
17 第2の上面電極
Claims (2)
- 矩形状の絶縁基板と、この絶縁基板の上面の対向する二辺近傍に設けられた一対の上面電極と、前記一対の上面電極と電気的に接続されるように設けられた機能素子とを備え、前記絶縁基板における一対の上面電極を設けた側の端辺の幅寸法を絶縁基板の上面側より裏面側が大きくなるように構成したチップ形電子部品。
- 矩形状の絶縁基板における一対の上面電極を設けた側の端辺の幅寸法を絶縁基板の上面側より裏面側が5μm以上大きくなるように構成した請求項1記載のチップ形電子部品。
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