JP2007187868A - 濡れ制御性反射防止光学構造体及び自動車用ウインドウガラス - Google Patents

濡れ制御性反射防止光学構造体及び自動車用ウインドウガラス Download PDF

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聡哉 渋川
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Abstract

【課題】屋外景色などの映り込みを防止することができる反射防止機能と共に、撥水性や親水性を長期に亘って維持することができる濡れ制御性を備えた濡れ制御性反射防止光学構造体と、このような濡れ制御性反射防止光学構造体を用いた自動車用のウインドウガラやメーターフロントカバー、さらにはこれらを用いた反射防止車体構造を提供する。
【解決手段】透明基材の片面又は両面に、透明材料から成り、凸部頂点間隔が可視光線の波長よりも短いサブ波長微細凹凸構造を形成することにより反射防止機能を得る一方、上記微細凹凸構造部分の材料として、水との接触角が90°より大きい透明材料を選択使用することによって超撥水性、90°より小さい材料を用いることによって超親水性を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射防止機能と共に、撥水性又は親水性を備え、例えば、無反射パネルとして各種のメーター類やディスプレイ装置に好適に使用することができ、特に反射防止機能と共に、撥水性あるいは親水性、すなわち雨滴に対する濡れ制御性を発揮させることによって、自動車を始めとする車両や、船舶、航空機などのウインドウガラスとして好適に用いることができる濡れ制御性反射防止光学構造体と、当該光学構造体を適用した自動車用フロントウインドウガラス(ウインドシールド)、サイドウインドウガラス、メーターフロントカバー、さらにはこれらメーターフロントカバーやウインドウガラスを採用した反射防止車体構造に関するものである。
自動車のスピードメータや、燃料計、タコメータなどの各種メーター類や計器類をまとめて収納したディスプレイ部の前面には、メーターフロントカバーが嵌め込まれているが、これらディスプレイ部がフロントウインドウガラスに映り込むことによって、ドライバーの前方視界が妨げられることがある。
また、屋外の景色がフロントウインドウやサイドウインドウを通して上記メーターフロントカバーに映り込むことによって、ディスプレイ部の各種表示が見にくくなることもある。
そこで、従来では、図12及び13に示すように、フロントウインドウガラスとメーターフロントカバーの間にメーターフードを配置し、このメーターフードによってディスプレイ部からの出射光や、屋外からの入射光を遮るようにしていた。
すなわち、図12は、フロントウインドウガラス100とメーターフロントカバー101の間に配設されたメーターフード102がディスプレイ部103からの出射光を遮り、ディスプレイ部103の像がフロントウインドウガラス100に映り込むことを防止する様子を示している。
また、図13は、上記メーターフード102が屋外からの入射光Lを遮り、屋外の景色がディスプレイ部103に取り付けた透明なメーターフロントカバー101に映り込むことを防止、あるいは映り込む景色を極めて狭い範囲内に制限している様子を示すものである。
一方、降雨時にワイパーを作動させずに走行するために、従来では、フロントウインドウガラスに撥水性を持たせて、走行時の風圧によってフロントウインドウ上の水滴をはじいて除去させるべく、フロントウインドウガラスの屋外側表面に撥水剤を塗布することが行なわれていた(例えば、特許文献1参照)。
また、降雨時にサイドウインドウに付着する水滴を除去するためには、サイドウインドウの屋外側表面に上記のような撥水剤を塗布して、同様にサイドウインドウガラスに撥水性を持たせることや、逆にサイドウインドウガラスの屋外側表面に親水化剤を塗布し、サイドウインドウに付着した雨水が水滴状にならないように、全面濡れ状態となるようにして、ドライバーの視認性を確保することが行なわれていた。
特開平8−277388号公報
しかしながら、上記メーターフード102は、ディスプレイ部103の像のフロントウインドウガラス100への映り込みや、屋外の景色のメーターフロントカバー101への映り込みを防止するに必要なものであるが、このような機能を確実なものとするためには、メーターフード102を前後左右に大きく張り出させる必要があり、これが車室内の広さ感を損なわせるばかりでなく、インストルメントパネルの全体的なデザインの自由度を大きく制約するという問題がある。
一方、フロントウインドウガラスの表面に上記のような撥水剤を塗布することによって、ガラス表面に水の接触角で120°程度の撥水性を与えることができ、通常の市街地走行においては、ワイパーを作動させることなく十分な前方視界を得ることが可能である。 しかしながら、徐行時においては、雨滴を十分に飛散させることができず、フロントウインドウガラス上に残存する水滴を除去して視認性をより向上させるためには、ワイパーを作動させざるを得ないのが実状であった。
また、上記のような撥水剤や親水化剤は、一般に、太陽光線による紫外線や熱(赤外線)によって化学的に分解して劣化し易く、時間の経過と共に撥水性や親水親水性が低下し、長期の使用に耐えないという問題点があった。
本発明は、上記メーターフードによるフロントウインドウガラスやメーターフロントカバーへのディスプレイ部や屋外景色の映り込み防止や、撥水剤や親水化剤によるウインドウガラスの濡れ性制御における上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的とするところは、メーターフードのような遮蔽物を配置することなく屋外景色などの映り込みを防止することができる反射防止機能と共に、撥水性や親水性を長期に亘って制御することができる濡れ制御性を備えた濡れ制御性反射防止光学構造体と、当該濡れ制御性反射防止光学構造体を用いた自動車用のフロントウインドウガラス、サイドウインドウガラス及びメーターフロントカバー、さらには当該メーターフロントカバーと共に上記ウインドウガラスを適用した反射防止車体構造を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、透明基材の表面に、可視光線の波長より短い間隔を有するサブ波長レベルの微細な凹凸を形成することによって反射防止機能を付与することができると共に、当該微細構造を形成する透明材料として、種々の材料の中から水との接触角が所望の値となる透明材料を選択することによって、微細凹凸面における濡れ性、すなわち撥水性や親水性を制御することができるようになり、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体は、透明基材の片面又は両面に、透明材料から成る微細凹凸構造を備え、該微細凹凸構造の凸部頂点間隔が可視光線の波長よりも短いことを特徴とする。
また、本発明の自動車用フロントウインドウガラスは、本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体のうち、微細凹凸構造部分の材料の水との接触角が90℃以上であって、超撥水性を備えた構造体を用いたことを特徴としており、又は水との接触角が90℃以下であって、超親水性を備えた構造体を用いたことを特徴としている。
さらに、本発明の自動車用メーターフロントカバーは、反射防止機能を備えた本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体を使用しており、本発明の反射防止車体構造においては、上記メーターフロントカバーをメーターフードのような遮蔽物を設けることなく配置すると共に、上記濡れ制御性反射防止光学構造体から成るフロントウインドウガラス及びサイドウインドウガラスの一方又は両方を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、透明基材の片方又は両方の表面に、凸部頂点が可視光線の波長より短い間隔を有するサブ波長レベルの微細凹凸構造を備えたものとしたため、当該微細凹凸構造表面に入射した光(可視光線)は、その表面において乱反射することなく構造体内部に進入し、しかも最表面部が空気相に近いものとなっていることから、ほとんど屈折することなく直進することになって、当該表面での光の反射を抑えることができる。加えて、上記微細凹凸構造は、上記反射防止機能と同時に、当該微細凹凸を形成している素材の濡れ性、すなわち当該素材の水に対する接触角によって、微細凹凸構造表面部が空気相又は水相として機能することから、超撥水性又は超親水性をも発揮するため、反射防止機能と濡れ制御性を兼ね備えた濡れ制御性反射防止光学構造体を提供することができる。
したがって、本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体は、例えば、自動車のウインドウガラスやメーターフロントカバーなどに適用することによって、屋外景色やディスプレイ部の映り込み防止による視認性の確保や、降雨時における雨滴に対する濡れ性制御による進行方向視界の視認性向上が可能なものとなる。
以下、本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体について、その製造方法や実施形態などについてさらに詳細に説明する。
本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体は、上記したように、透明基材の表面に、透明材料から成り、凸部頂点間隔が可視光線の波長より短い微細凹凸構造を備えたものであるが、当該濡れ制御性反射防止性光学構造体の一例を図1及び図2に示す。
なお、凸部頂点間隔が可視光線の波長よりも短い微細凹凸構造のことを以下では、サブ波長微細凹凸構造と呼ぶこととする。
図1に示す濡れ制御性反射防止光学構造体1は、透明基材2自体に微細凹凸構造3が形成されており、この微細凹凸構造3における隣り合う凸部の頂点間の距離、すなわちピッチPが可視光線の最小波長である370nmよりも短かくしてある。なお、この微細凹凸構造は、一定の周期構造を有し、規則的な間隔を有していることが望ましい。
また、図2に示すように、透明基材2の表面に、例えば塗布などの手段によって透明材料から成る被膜4を施し、この透明被膜4に微細凹凸構造3を形成し、この微細凹凸構造3の隣り合う凸部の頂点間の距離であるピッチPを可視光線の最小波長である370nmよりも短かくすることによって、同様の濡れ制御性反射防止光学構造体1とすることも可能である。
透明基材2あるいは透明材料から成り、隣り合う凸部の頂点間の距離(ピッチ)Pが可視光線の最小波長である370nmよりも短い微細凹凸構造3においては、表面の凸部頂点間に空気が存在し、空気の割合が深さ方向に連続的に減少することから、微細凹凸構造3における屈折率が深さ方向に連続的に増加する結果、可視光線の反射防止膜として機能することになる。
ここで、図1に示した濡れ制御性反射防止光学構造体1の透明基材2の素材としては、透明性があり、その表面にサブ波長微細凹凸構造を形成することができる素材であればよい。なお、透明であれば、着色されていても差し支えない。
例えば、熱成型できる素材、又は活性エネルギー線によって重合して硬化する素材が考えられ、その一例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニール、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ガラス強化ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶性ポリマー、フッ素樹脂、ポリアレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂、及びこれらを2種以上ブレンドした材料、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアミドビスマレイミド、ポリビスアミドトリアゾール等の熱硬化性樹脂、及びこれらを2種以上ブレンドした材料、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート樹脂等の光硬化性樹脂を用いることができる。
また、ガラス等の無機系透明材料を用いることも可能である。
また、図1に示した濡れ制御性反射防止光学構造体1において、微細凹凸構造3を成型する方法としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いる場合には、例えば、微細凹凸構造を有する第1の型に透明基材フィルムを貼着させた上から、微細凹凸構造の第2の型を載せた後、全体を熱プレス成型する方法がある。
また、光硬化性樹脂を用いる場合には、例えば、光透過性の型を用いて、微細凹凸構造の第1の型に透明基材フィルムを貼着させた上から、微細凹凸構造の第2の型を載せた後、全体に光線を照射し、光硬化成型する方法がある。
さらに、ガラス等の無機系材料の表面に上記のような微細凹凸構造3を形成する方法としては、電子ビーム等によってガラス表面を切削する方法や、微細凹凸構造の第1型の上から、溶融したガラス等の無機系透明材料を流し込み、その上から微細凹凸構造の第2型を載せた後、全体を冷却し、成型する方法がある。
なお、第2の型は、透明基材2の両面に微細凹凸構造3を形成するために使用するものであるから、片面のみに微細凹凸構造3を形成する場合には、第2の型に微細凹凸構造は不要なものとなる。
一方、図2に示した濡れ制御性反射防止光学構造体1における透明基材2の素材としても透明性の素材であればよく、図1の濡れ制御性反射防止光学構造体1の透明基材2の素材と同様な素材を使用することができる。
そして、当該透明基材2に施す被膜4を構成する透明材料の素材としては、同様に透明性があり、その表面にサブ波長微細凹凸構造を形成することができる素材であればよく、図1に示した濡れ制御性反射防止光学構造体1の透明基材2に用いるものと同様な樹脂材料と共に、ゾルゲル法によって形成される酸化物や、この酸化物にフッ素系樹脂、色素等の各種有機化合物を添加した材料を用いることができる。
なお、ゾルゲル法とは、シリコンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド等のゾルを加水分解・重縮合反応により、流動性を失ったゲルとし、このゲルを加熱して透明基材2の表面に酸化物の膜を形成するものである。
図2に示した濡れ制御性反射防止光学構造体1において、微細凹凸構造3を成型する方法として、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いる場合には、例えば、基材2の表面に透明材料を塗布した上に、微細凹凸構造を備えた型を載せた後、熱プレス成型する方法がある。
また、光硬化性樹脂を用いる場合には、例えば、透明基材2の表面に硬化前の光硬化性樹脂を塗布し、この上に微細凹凸構造を形成した光透過性の型を載せた後、全体に光線を照射し、光硬化成型する方法がある。
さらに、酸化物及びこの酸化物にフッ素系樹脂、色素等の各種有機化合物を添加した材料を用いる場合は、例えば、基材2の表面にシリコンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド等のゾルを塗布し、加水分解・重縮合反応をある程度進行させて、流動性を失ったゲルとし、この上から、微細凹凸構造を備えた型を載せた後、全体を加熱し、加水分解・重縮合反応により固化させて、基材2の表面に微細凹凸形状の酸化物をゾルゲル法によって成型する方法がある。
図3及び図4は、上記のようなサブ波長微細凹凸構造3を備えた本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体1を自動車のメーターフロントカバーと共に、フロントウインドウガラスやサイドウインドウガラスに適用することによって、メーターフード102(図12及び13参照)の除去を可能にした反射防止車体構造の一例を示すものである。
すなわち、図3は自動車のメーターフードを取り除いた時の、メーターのディスプレイ部付近からドライバーの頭部付近までの領域を自動車の側面から見た時の、概略断面図であって、フロントウインドウガラス11としては、図1又は2に記載の濡れ制御性反射防止光学構造体1が配置され、その両面にサブ波長微細凹凸構造3を備えている。
図に示す車体構造においては、メーターフードが無いために、ディスプレイ部12からの出射光L1はフロントウインドウガラス11に照射されるものの、フロントウインドウガラス11は、両面に微細凹凸構造3を備えた濡れ制御性反射防止光学構造体1から成るものであるため、ディスプレイ部12からの出射光L1は、フロントウインドウガラス11で反射されず、ドライバーの視野には届かない。
したがって、フロントウインドウガラス11にディスプレイ部12が映り、前方視界が妨げられるという不都合を解消することができる。
そして、屋外からの入射光L2は、メーターフードが無いためにメーターフロントカバー13に照射されるが、メーターフロントカバー13は、両面に微細凹凸構造3を備えた濡れ制御性反射防止光学構造体1から成るものであるため、屋外からの入射光L2はメーターフロントカバー13で反射されず、ドライバーの視界には届かない。
したがって、メーターフロントカバー13に屋外の景色が映り、ディスプレイ部12の表示が見難くなるという不都合も解消されることになる。
また、本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体1は、上記のようにフロントウインドウやディスプレイ前面の透明パネル(メーターフロントカバー)だけでなく、サイドウインドウに適用することも可能である。
すなわち、図4は、自動車のメーターフードを取り除いた時の、メーターのディスプレイ部付近からドライバーの頭部付近までの領域を自動車の上部から見下ろした時の、概略断面図であって、サイドウインドウガラス14として、図1又は2に記載の濡れ制御性反射防止光学構造体1が配置され、その両面にサブ波長微細凹凸構造3を備えている。
図4において、ディスプレイ部12からの出射光L1はサイドウインドウガラス14に照射されるが、サイドウインドウガラス14は、両面に微細凹凸構造3を備えた濡れ制御性反射防止光学構造体1から成るものであるため、ディスプレイ部12からの出射光L1は、サイドウインドウガラス14で反射されず、ドライバーの視野には届かない。
サイドウインドウガラス14にディスプレイ部12が映り込んだとしても、必ずしも前方の視認性が妨げられるものではないが、本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体1をサイドウインドウに適用することによって、側方をも含めた進行方向前方側の視認性をより向上させることが可能となる。
なお、本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体1の反射防止機能を利用する場合、車室側の面のみに微細凹凸構造3を形成するだけでは、屋外側の面からの反射が生じることから、図3及び図4に示したように、車室側、屋外側の両面に微細凹凸構造3を形成することが望ましい。
次に、本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体1における濡れ制御性のうち、先ず撥水性について、図5〜図7に基づいて説明する。
図5に示す濡れ制御性反射防止光学構造体1は、透明基材2の材料として、水との接触角が90°より大きい透明材料を使用したものであって、この透明基材自体に微細凹凸構造3が形成されており、この微細凹凸構造3における隣り合う凸部の頂点間の距離(ピッチ)Pが可視光線の最小波長である370nmよりも短かくなるように成形されている。
また、図6に示す濡れ制御性反射防止光学構造体1は、透明基材2自体に微細凹凸構造3を形成して成る図1に示したような光学構造体の微細凹凸構造部分の表面に、例えばシリコーン樹脂やフッ素系樹脂のように、水との接触角が90°より大きい樹脂から成るコーティング層5を形成したものである。
なお、このとき、透明基材2を形成する材料自体の水に対する接触角については、何ら限定されることはない。
さらに、図7に示す濡れ制御性反射防止光学構造体1においては、透明基材2に、水との接触角が90°より大きい透明材料から成る被覆4が施されており、この被覆4に微細凹凸構造3が形成された構造を有している。
ここで、これらの濡れ制御性反射防止光学構造体が超撥水性を示すことを、代表例として、図6に示したコーティング構造を有する光学構造体1の表面に水を置いた場合を想定して説明する。
図6に示した濡れ制御性反射防止光学構造体1は、上記したように、図1に示した光学構造体の表面に、水との接触角が90°よりも大きい樹脂をコーティングしたものであるが、このコーティング剤として、例えば、水との接触角が110°である樹脂を用いたものの上に水を置くと、当該濡れ制御性反射防止光学構造体1は超撥水性を示し、この上に置かれた水は水滴状となる。
すなわち、上記濡れ制御性反射防止光学構造体1の凸部頂点間隔は、サブ波長レベルであって、水滴の直径よりも小さく、水滴の下に空気が閉じ込められるために、水滴は固体の凸部先端と閉じ込められた空気とから成る複合表面に載ることになる。ここで、凸部先端の接触角は110°であり、空気の接触角は180°と見なせることから、この複合表面の実際の接触角は110°と180°の間の値となる。
このとき、水滴が接触するこの複合表面における固体相と空気相との相対的割合をφs、1−φsとすると、φsが小さくなる程、この複合表面の実際の接触角は大きくなり、超撥水性を示すことになる。実際に測定した結果、接触角は160°となり、超撥水性を示すことが確認された。
したがって、図5〜7に示したような濡れ制御性反射防止光学構造体1における微細凹凸構造面を屋外側に向けた状態で、フロントウインドウやサイドウインドウに用いることによって、ワイパーを作動させることなく、走行時の風圧により雨滴を吹き飛ばすことができるようになり、前方及び側方の視認性を向上させることができる。
本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体1における濡れ制御性のうち、親水性について、図8及び図9に基づいて説明する。
図8に示す濡れ制御性反射防止光学構造体1は、透明基材2の材料として、水との接触角が90°より小さい透明材料を使用したものであって、この透明基材自体に微細凹凸構造3が形成されており、この微細凹凸構造3における隣り合う凸部の頂点間の距離、すなわちピッチPが可視光線の最小波長である370nmよりも短かくなるように成形されている。
一方、図9に示す濡れ制御性反射防止光学構造体1においては、透明基材2に、水との接触角が90°より小さい透明材料から成る被覆4が施されており、この被覆4に同様の微細凹凸構造3が形成された構造を有している。
例えば、図8に示した濡れ制御性反射防止光学構造体1の透明基材2を構成する材料の水との接触角が20°とした場合、このような透明材料から成る濡れ制御性反射防止光学構造体1の微細凹凸構造3上に水を置くと、透明基材自体の水との接触角が90°より小さいので、微細凹凸構造3の溝内に水が浸透するため、水は固体である凸部先端と溝に浸透した水から成る複合表面に載ることになる。
このとき、複合表面の凸部先端の接触角は20°であり、溝に浸透した水相との接触角は0°であることから、この複合表面の実際の接触角は0°と20°の間の値となる。
ここで、水が接触することになる複合表面の固体相と水相との相対的割合をφs、1−φsとする時、φsが小さくなる程、この複合表面の実際の接触角は0°に近づき、超親水性を示すことになる。実際に測定したところ、接触角は2°となり、超親水性を示すことが確認された。
したがって、図8又は図9に示したような濡れ制御性反射防止光学構造体1における微細凹凸構造面を屋外側に向けた状態でサイドウインドウに使用することによって、サイドウインドウガラスに雨水が付着した場合に、水滴となって付着することなく、全面濡れ状態となることから、進行方向の側方やサイドミラーの視認性が向上することになる。
上記のように、図5〜図7に示したような濡れ制御性反射防止光学構造体1における超撥水性や、図8及び図9に示したような濡れ制御性反射防止光学構造体1における超親水性は、微細凹凸構造という形状に基づく物理的現象であるからして、透明材料自体が劣化しない限り、太陽光線やその熱によって超撥水性や超親水性が低下することはなく、長期に亘って効果が持続することになる。
本発明のフロントウインドウガラスやサイドウインドウガラスは、上記のような微細凹凸構造を備えた本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体を用いたものであり、上記微細凹凸構造を屋外側に向けることによって、超撥水性や超親水性を発揮するものであるが、両面に微細凹凸構造を備えた構造体を使用することにより、車室内側をも微細凹凸構造とすることによって、上記のような雨滴に対する濡れ性制御と同時に、図3及び4に示したような反射防止効果が得られることになる。
一方、車室内側には雨滴の濡れ性に対する考慮は不要であるからして、屋外側のみに上記微細凹凸構造を形成し、車室内側面には、従来から使用されている多層干渉反射防止膜を設けるようにすることも可能である。
なお、ここで言う多層干渉反射防止膜とは、屈折率の異なる複数のフィルムをその順番に積層し、各層間の屈折率差を緩和することによって各層での反射を抑えるようにしたものである。
サブ波長微細凹凸構造における単位凸部の形状としては特に限定されず、後述する実施例に記載するような四角錘の他に、例えば図10に示すように、角錐台(a)や円錐台(b)、円錐(c)、紡錘状の円錐のように錘の側面が膨らんだり、凹んだりした形状の錘(d)などを最密に配列したものや、間隔を空けて配列したもの、さらには角柱(e)や円柱(f)などを間隔を空けて配列したものとすることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されないことは言うまでもない。
(実施例1)
〈フロントウインドウ〉
透明基材2として、厚さ6mmの板ガラス(水の接触角:20°)を使用し、この両面にサブ波長微細凹凸構造3をこのサブ波長微細凹凸構造3の反転凹凸形状を持つ金型を使用した熱成型法によって形成し、その片側、すなわち屋外側となる面に、水との接触角が90°より大きい接触角110°のフッ素系樹脂をコーティングし、厚さ5nmの薄い撥水膜を形成したものをフロントウインドウガラスとして、メーターフードを取り外した状態の車体に装着した。
なお、上記微細凹凸構造3は、図11(a)及び(b)に、断面図及び斜視図を示すように、高さ500nm、底辺250nmの四角錘形状の単位凸構造を縦横に配列した集合体である。したがって、隣り合う単位凸部の頂点間距離、すなわちピッチPは250nmとなる。
〈サイドウインドウ〉
厚さ6mmの板ガラスの両面に、上記フロントウインドウの場合と同様の微細凹凸構造3を形成し、その片側の屋外側となる面にのみ、上記同様に接触角110°のフッ素系撥水剤を同様の厚さにコーティングし、これをサイドウインドウガラスとして車体の装着した。
〈メーターフロントカバー〉
透明基材2として、厚さ1.5mmのアクリル樹脂(PMMA)から成る板を使用し、この両面に、上記同様の形状、サイズのサブ波長微細凹凸構造3をこのサブ波長微細凹凸構造3の反転凹凸形状を持つ金型を使用した熱成型法によって形成し、これをメーターのディスプレイ部に装着した。
〈評価方法〉
フロントウインドウ及びサイドウインドウについては、屋外側表面の水の接触角を測定すると共に、フロントウインドウについては水滴移動側を測定した。
なお、水滴移動速度は、フロントウインドウを微細凹凸面を上にした状態で、水平面に対して30°の傾斜となるように保持し、この上に30μLの水滴を滴下し、この水滴が5cm移動するのに要する時間を測定することによって算出したものであって、この値が大きい程、フロントウインドウ表面における雨滴の除去性が優れることを意味することになる。
また、水の接触角については、これら試料にJIS B7754に規定のキセノンアーク灯式耐光性及び耐候性試験を施すことによって、5年相当の耐光耐久試験を行なった後についても測定した。
さらに、メーターフードを取り外した上で、上記ウインドウガラス及びメーターフロントカバーを搭載した自動車(図3及び4参照)について、8人による視認性の官能評価を実施した。
すなわち、晴天時に屋外走行した場合におけるウインドウガラスへのメーターディスプレイ部の映り込みや、メーターフロントカバーへの車外景色の映り込みの程度をメーターフードのみを取り除いた従来構造の自動車(後述する比較例1に相当)における映り込み具合と比較し、8人のうち、7人以上が「改善された」と評価した場合を「○」とし、2人以上が「改善されない」と判断した場合を「×」と表記した。
〈評価結果〉
その結果、表1及び2に示すように、フロントウインドウガラスの水との接触角が160°であると共に、水滴移動速度が50mm/sであった。なお、この移動速度は、降雨時の市街地走行において、ワイパーを作動させなくても前方視界が確保できるレベルである。
また、水の接触角は、5年相当の耐光耐久試験後でも150°であって、撥水効果が少なくとも5年間は持続することが確認された。
そして、反射防止による視認性の改善効果については、フロントウインドウ及びサイドウインドウへのメーターディスプレイの移り込み、メーターフロントカバーへの車外景色の映り込み共に、8人の全員が「改善された」との評価を下した。
(実施例2)
〈フロントウインドウ及びサイドウインドウ〉
透明基材2として、厚さ6mmのフッ素樹脂微粒子含有アクリル樹脂板(水の接触角:110°)を使用し、この両面に上記同様のサブ波長微細凹凸構造3をこのサブ波長微細凹凸構造3の反転凹凸形状を持つ金型を使用した熱成型法によって形成したものをフロントウインドウガラス及びサイドウインドウガラスとして車体に装着した。
〈メーターフロントカバー〉
上記実施例1と同様のものを装着した。
〈評価結果〉
同様の評価試験の結果、表1及び2に併せて示すように、耐光耐久試験後における水の接触角が155°であったことを除いて、実施例1と同様のものであった。
(実施例3)
〈フロントウインドウ及びサイドウインドウ〉
透明基材2として、厚さ6mmの板ガラスを使用し、この両面に透明なシリコーン樹脂(水の接触角:100°)を塗布した上に、微細凹凸構造の型を載せて硬化させることによって、上記同様のサブ波長微細凹凸構造3を形成したものをフロントウインドウガラス及びサイドウインドウガラスとして車体に装着した。
〈メーターフロントカバー〉
上記実施例1と同様のものを装着した。
〈評価結果〉
同様の評価試験の結果、表1及び2に示すように、水滴移動速度は47mm/sであって、同様に、降雨時の市街地走行において、ワイパーを作動させることなく前方視界が確保できるレベルであった。また、フロントウインドウ及びサイドウインドウにおける水の接触角は初期品で147°、耐光耐久試験後では145°であったこと以外は、実施例1と同様のものであった。
(実施例4)
〈フロントウインドウ〉
厚さ6mmの板ガラスの両面にサブ波長微細凹凸構造3を形成し、その屋外側面に水との接触角が90°より大きい接触角110°のフッ素系樹脂をコーティングして成る上記実施例1と同じ構造のものフロントウインドウガラスとして車体に装着した。
〈サイドウインドウ〉
厚さ6mmの板ガラスの両面に同様のサブ波長微細凹凸構造3を形成し、撥水剤をコーティングすることなく、そのままサイドウインドウガラスとして車体の装着した。
〈メーターフロントカバー〉
厚さ1.5mmのアクリル樹脂から成る板の片面側、すなわちディスプレイ側と成る面にのみ、サブ波長微細凹凸構造3を同様に形成する一方、車室側表面には、屈折率1.1の第1層(上層側)と、屈折率1.3の第2層(下層側)から成り、各々の膜厚が10μmの2層干渉反射防止膜を形成し、これをメーターのディスプレイ部に装着した。
〈評価結果〉
同様の評価試験の結果、表1及び2に示すように、水滴移動速度は50mm/sであった。また、サイドウインドウ屋外側表面における水の接触角は0であって、超親水性を示したことを除いて、実施例1と同様のものであった。
(実施例5)
〈フロントウインドウ〉
厚さ6mmの板ガラスの片側、屋外側面にサブ波長微細凹凸構造3を形成し、水との接触角が90°より大きい接触角110°のフッ素系樹脂をコーティングする一方、車室側面には微細凹凸構造を形成することなく、上記実施例4のメーターフロントカバーに用いたものと同様の2層干渉反射防止膜を形成し、これをフロントウインドウガラスとして車体に装着した。
〈サイドウインドウ〉
厚さ6mmの板ガラスの片側、屋外側面にサブ波長微細凹凸構造3を形成し、接触角110°のフッ素系撥水剤をコーティングする一方、車室側面には微細凹凸構造を形成することなく、上記実施例4と同様の2層干渉反射防止膜を形成し、これをサイドウインドウガラスとして車体に装着した。
〈メーターフロントカバー〉
厚さ1.5mmのアクリル樹脂板の片面側に微細凹凸構造3、他面側に2層干渉反射防止膜を形成した上記実施例4と同様のものをメーターのディスプレイ部に装着した。
〈評価結果〉
同様の評価試験の結果、表1及び2に併せて示すように、実施例1と同様のものであったが、反射防止による視認性の改善効果については、8人うち7人が「改善された」との評価を下した。
(実施例6)
〈フロントウインドウ及びサイドウインドウ〉
厚さ6mmの板ガラスの両面に、同様のサブ波長微細凹凸構造3を形成し、いずれの面にも撥水剤をコーティングすることなく、そのままフロントウインドウガラス及びサイドウインドウガラスとして車体に装着した。
〈メーターフロントカバー〉
厚さ1.5mmのアクリル樹脂板の両面に、上記同様のサブ波長微細凹凸構造3を形成して成る上記実施例1と同様のものをメーターのディスプレイ部に装着した。
〈評価結果〉
同様の評価試験の結果、表1及び2に示すように、フロントウインドウ、サイドウインドウ共に、超親水性を示し、水滴移動は認められず、水の接触角もほとんど0°であったが、反射防止による視認性の改善効果については、実施例1と同様の評価が得られた。
(比較例1)
通常の平滑なガラス板をフロントウインドウ及びサイドウインドウとして使用すると共に、平滑なアクリル樹脂板をメーターフロントカバーとして使用し、それぞれメーターフードを取り外した車体に装着した。
同様の評価試験の結果、表1及び2に併せて示すように、フロントウインドウにおける水の接触角は40°であって、水滴は移動しなかった。したがって、降雨時にはワイパーが必要となる。また、耐光耐久試験後の接触角は38°であった。
そして、反射防止による視認性の改善効果については、フロントウインドウ及びサイドウインドウへのメーターディスプレイの移り込み、メーターフロントカバーへの車外景色の映り込み共に、「改善されない」との評価であった。
(比較例2)
サイドウインドウの屋外側表面に接触角110°の撥水剤をコーティングしたこと以外は、上記比較例1と同様のものをメーターフードを取り外した車体にそれぞれ装着した。
同様の評価試験の結果、表1及び2に併せて示すように、サイドウインドウにおける水の接触角については、当初は110°と撥水性を示したものの、5年相当の耐光耐久試験後には、45°に低下し、撥水剤による水滴付着防止効果がなくなることが判明した。
(比較例3)
サイドウインドウの屋外側表面に接触角0°の親水化剤をコーティングしたこと以外は、上記比較例1と同様のものをメーターフードを取り外した車体にそれぞれ装着した。
同様の評価試験の結果、表1及び2に示すように、サイドウインドウにおける水の接触角については、当初は0°と親水性を示したが、5年相当の耐光耐久試験後には、38°となって、コーティング以前のレベルに戻り、浸水化剤の効果がなくなることが確認された。
Figure 2007187868
Figure 2007187868
本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体の実施形態として透明基材自体に微細凹凸構造が形成されている例を示す概略断面図である。 本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体の他の実施形態として透明基材に施した被覆に微細凹凸構造が形成されている例を示す概略断面図である。 本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体による反射防止機能を説明する自動車運転席の概略縦断面図である。 本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体による反射防止機能を説明する自動車運転席の概略水平断面図である。 本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体の実施形態として水との接触角が90°を超える透明基材を用いた場合の超撥水性を説明する概略断面図である。 図5に示した微細凹凸構造に水との接触角が90°を超える樹脂をコーティングした状態を示す概略断面図である。 水との接触角が90°を超える透明材料を透明基材に被覆し、これに微細凹凸構造を形成した例を示す概略断面図である。 本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体の別の実施形態として水との接触角が90°未満の透明基材を用いた場合の超親水性を説明する概略断面図である。 水との接触角が90°未満の透明材料を透明基材に被覆し、これに微細凹凸構造を形成した例を示す概略断面図である。 (a)〜(f)は本発明の濡れ制御性反射防止光学構造体における微細凹凸構造の単位凸部の形状例を示す斜視図である。 本発明の実施例における微細凹凸構造を示す断面図(a)及び斜視図(b)である。 フロントウインドウガラスにディスプレイ部の像が映り込むことを防止するためのメーターフードの配置要領を説明する運転席の縦断面図である。 メーターフロントカバーに車外の景色像が映り込むことを防止するためのメーターフードの配置要領を説明する運転席の縦断面図である。
符号の説明
1 濡れ制御性反射防止光学構造体
2 透明基材
3 微視凹凸構造
4 被膜(透明材料)
5 コーティング層
11 フロントウインドウガラス
12 ディスプレイ部
13 メーターフロントカバー
14 サイドウインドウガラス

Claims (18)

  1. 透明基材の少なくとも片側表面に、透明材料から成る微細凹凸構造を備え、該微細凹凸構造の凸部頂点間隔が可視光線の波長よりも短いことを特徴とする濡れ制御性反射防止光学構造体。
  2. 前記微細凹凸構造の凸部頂点間隔が一定の周期を有していることを特徴とする請求項1に記載の濡れ制御性反射防止光学構造体。
  3. 透明基材自体に前記微細凹凸構造が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の濡れ制御性反射防止光学構造体。
  4. 前記透明基材の水との接触角が90°より大きいことを特徴とする請求項3に記載の濡れ制御性反射防止光学構造体。
  5. 前記透明基材の水との接触角が90°より小さいことを特徴とする請求項3に記載の濡れ制御性反射防止光学構造体。
  6. 前記微細凹凸構造が形成されている部分に、水との接触角が90°より大きい樹脂がコーティングされていることを特徴とする請求項3に記載の濡れ制御性反射防止光学構造体。
  7. 前記微細凹凸構造が形成されている部分に、水との接触角が90°より小さい樹脂がコーティングされていることを特徴とする請求項3に記載の濡れ制御性反射防止光学構造体。
  8. 前記透明基材の表面に透明材料から成る被膜が形成され、該被膜に微細凹凸構造を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の濡れ制御性反射防止光学構造体。
  9. 前記透明材料の水との接触角が90°より大きいことを特徴とする請求項8に記載の濡れ制御性反射防止光学構造体。
  10. 前記透明材料の水との接触角が90°より小さいことを特徴とする請求項8に記載の濡れ制御性反射防止光学構造体。
  11. 請求項4、6及び9のいずれか1つの項に記載の濡れ制御性反射防止性光学構造体を用いたことを特徴とする自動車用フロントウインドウガラス。
  12. 屋外側表面にのみ前記微細凹凸構造を備え、車室内側には多層干渉反射防止膜を備えていることを特徴とする請求項11に記載の自動車用フロントウインドウガラス。
  13. 請求項4、6及び9のいずれか1つの項に記載の濡れ制御性反射防止光学構造体を用いたことを特徴とする自動車用サイドウインドウガラス。
  14. 請求項5又は請求項10に記載の濡れ制御性反射防止光学構造体を用いたことを特徴とする自動車用サイドウインドウガラス。
  15. 請求項5、7及び10のいずれか1つの項に記載の濡れ制御性反射防止性光学構造体を用いたことを特徴とする自動車用フロントウインドウガラス。
  16. 屋外側表面にのみ前記微細凹凸構造を備え、車室内側には多層干渉反射防止膜を備えていることを特徴とする請求項13又は14に記載の自動車用サイドウインドウガラス。
  17. 請求項1〜10のいずれか1つの項に記載の濡れ制御性反射防止光学構造体を用いたことを特徴とする自動車用メーターフロントカバー。
  18. 傾斜したフロントウインドウガラスの下方に、請求項17に記載のメーターフロントカバーを光を遮る遮蔽物を設けることなく配置すると共に、請求項1〜10のいずれか1つの項に記載の濡れ制御性反射防止光学構造体をフロントウインドウガラス及び/又はサイドウインドウガラスに用いたことを特徴とする反射防止車体構造。
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