JP2007186199A - ハイブリッド車両の動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の入力クラッチを介して動力が入力される変速機が備えられても、回転軸方向において小型化を図ることができるハイブリッド車両の動力伝達装置を提供する。
【解決手段】エンジン10と変速機16の第1入力軸28との間においてクラッチC1と直列にすなわちそのクラッチC1の下流側に動力合成分配装置14を配置することによってエンジン10からその電気トルコン装置22すなわち動力合成分配装置14への入力クラッチと変速機16への入力クラッチとが共用されていることから、変速機16の回転軸芯方向においてクラッチが省略されるので、その回転軸芯方向において変速機16が小型となり、ハイブリッド車両の動力伝達装置が小型化される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド車両において所謂電気トルコン装置をエンジンと自動変速機との間に備えた動力伝達装置に関し、特に、自動変速機への入力クラッチの上流側或いは下流側に電気トルコン装置を配置することによってその電気トルコン装置への入力クラッチと自動変速機への入力クラッチとを共用し、動力伝達装置を小型化したり、同じ大きさであっても機能を増加させたりする技術に関する。
燃料の燃焼により作動させられるエンジンと電気エネルギの供給により作動させられる電動モータとを原動機として備え、その原動機から出力された動力を自動変速機を介して駆動輪へ伝達する形式のハイブリッド車両の動力伝達装置が知られている。たとえば、特許文献1に記載されたものがそれである。このようなハイブリッド車両の動力伝達装置においては、エンジンに連結された第1回転要素、電動モータに連結された第2回転要素、および出力部材に連結された第3回転要素との間で機械的に力を合成し或いは分配する合成分配装置が設けられている。その合成分配装置は、たとえばサンギヤ、そのサンギヤと同心に配置されたリングギヤ、それらサンギヤおよびリングギヤと噛み合うピニオンギヤを自転および公転自在に支持するキャリヤを回転要素として備え、それら3つの回転要素のうちの第1回転要素がエンジンにクラッチを介して連結され、第2回転要素が電動モータに連結され、第3回転要素が後段の自動変速機の入力部材と連結された遊星歯車装置であって、電動モータと共に電気トルコン装置とも称される。このような電気トルコン装置によれば、エンジンを作動させたままの状態で電動モータの反力を零から徐々に増大させることにより車両を発進させたりすることが可能とされる。
特開平10−68335号公報 特開平9−79328号公報 特開平10−169728号公報
ところで、上記のようなハイブリッド車両において、特許文献2に記載されたような1対の入力クラッチを介して動力がそれぞれのサンギヤへ入力される1対の遊星歯車装置から成る自動変速機や、特許文献3に記載されたような複数の入力クラッチを介して動力が入力されるラビニヨオ型遊星歯車装置から成る自動変速機が搭載される場合がある。しかしながら、このような場合には、上記自動変速機の入力クラッチに加えて前記電気トルコン装置とエンジンとの間のクラッチが回転軸方向において介在するため、その回転軸方向において小型化を図ることができないという不都合があった。特に、回転軸方向が車幅方向となるように配置される横置きの場合には、かかる不都合が顕著となる。或いは、動力伝達装置の機能を高めるためのクラッチを設けようとすると、上記ハイブリッド車両用動力伝達装置の回転軸方向の寸法が増加することが避けられないという不都合があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、複数の入力クラッチを介して動力が入力される自動変速機が備えられても、回転軸方向において小型化を図ることができるハイブリッド車両の動力伝達装置を提供することにある。或いは、動力伝達装置の機能を高めるためのクラッチを設けたとしても回転軸方向の寸法が増加しないハイブリッド車両の動力伝達装置を提供することにある。
かかる目的を達成するための請求項1に係る発明の要旨とするところは、燃料の燃焼により作動させられるエンジンと、電気エネルギの供給により作動させられる電動モータと、サンギヤ、そのサンギヤと同心に配置されたリングギヤ、それらサンギヤおよびリングギヤと噛み合うピニオンギヤを自転および公転自在に支持するキャリヤを回転要素として有し、それら3回転要素のうちの第1回転要素が前記電動モータに直結された動力合成分配装置と、少なくとも2つの第1入力部材および第2入力部材を有する自動変速機とが回転軸方向において直列的に配置され、電動モータおよびエンジンから出力された動力をその自動変速機へ伝達するハイブリッド車両の動力伝達装置であって、(a) 前記動力合成分配装置の3つの回転要素のうちの第3回転要素が前記エンジンに直結され、(b) その3つの回転要素のうちの第2回転要素が第1クラッチを介して前記回転部材と連結されるとともに、(c) 前記第1入力部材が第2クラッチを介して前記回転部材と連結され、前記第2入力部材が第3クラッチを介して前記回転部材と連結されたことにある。
また、前記目的を達成するための請求項2に係る発明の要旨とするところは、燃料の燃焼により作動させられるエンジンと、電気エネルギの供給により作動させられる電動モータと、サンギヤ、そのサンギヤと同心に配置されたリングギヤ、それらサンギヤおよびリングギヤと噛み合うピニオンギヤを自転および公転自在に支持するキャリヤを回転要素として有し、それら3回転要素のうちの第1回転要素が前記電動モータに直結された動力合成分配装置と、少なくとも2つの第1入力部材および第2入力部材を有する自動変速機とが回転軸方向において直列的に配置され、電動モータおよびそのエンジンから出力された動力をその自動変速機へ伝達するハイブリッド車両の動力伝達装置であって、(a)前記動力合成分配装置の3つの回転要素のうちの第3回転要素が第1クラッチを介して前記エンジンに連結され、(b)その3つの回転要素のうちの第2回転要素が第2クラッチを介して前記第1入力部材に連結されるとともに、第3クラッチを介して前記第2入力部材に連結されたことにある。
請求項1に係る発明によれば、動力合成分配装置に対するエンジンからの入力は直接行われ、第1入力部材または第2入力部材に対する動力合成分配装置からの入力は、回転部材を介して行われる。上記第1クラッチは、動力合成分配装置の第2回転要素と回転部材との間、すなわち自動変速機の第1入力部材との間の係合および解放を行うと同時に、自動変速機の第1入力部材とエンジンとの間の係合および解放も行う機能を兼ね備えている。換言すれば、上記請求項1に係る発明では、エンジンと自動変速機の第1入力部材との間において第1クラッチと直列にすなわちその第1クラッチの上流側或いは下流側に動力合成分配装置を配置することによってエンジンからその電気トルコン装置への入力クラッチと自動変速機への入力クラッチとが共用されている。したがって、自動変速機の回転軸方向においてクラッチが省略されるので、その回転軸方向において自動変速機が小型となり、ハイブリッド車両の動力伝達装置が小型化される。
また、請求項2に係る発明によれば、動力合成分配装置に対するエンジンからの入力は第1クラッチを介して行われ、自動変速機の第1入力部材に対するエンジンからの動力の入力は、第2回転要素と第1入力部材との間の第2クラッチを介して行われ、自動変速機の第2入力部材に対するエンジンからの動力の入力は動力合成分配装置の第2回転要素と第2入力部材との間の第3クラッチを介して行われる。上記第1クラッチは、動力合成分配装置の第1回転要素とエンジンとの間の係合および解放を行うと同時に、自動変速機の第1入力部材及び第2入力部材とエンジンとの間の係合および解放も行う機能を兼ね備えている。換言すれば、上記請求項2に係る発明では、エンジンと自動変速機の第1入力部材との間において第1クラッチと直列にすなわちその第1クラッチの上流側或いは下流側に動力合成分配装置を配置することによってエンジンからその電気トルコン装置への入力クラッチと自動変速機への入力クラッチとが共用されている。したがって、自動変速機の回転軸方向においてクラッチが省略されるので、その回転軸方向において自動変速機が小型となり、ハイブリッド車両の動力伝達装置が小型化される。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例であるハイブリッド車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。この動力伝達装置は、FF駆動用トランスアクスル内に収容されるものであり、車幅方向と平行な方向にエンジンが配置される横置き型である。図1において、自動車用の混合気吸入式内燃機関、燃料噴射式内燃機関、或いは外燃機関などの燃料の燃焼により作動させられるエンジン10と、電気エネルギの供給により電動モータとして作動させられ且つ機械的エネルギを電気エネルギに変換する発電機としても作動させられるモータジェネレータ(以下、MGという)12とは、ハイブリッド車両の原動機として機能するものであり、それらエンジン10およびモータジェネレータ12から出力された動力は、動力合成分配機構すなわち動力合成分配装置14、ギヤ段が自動的に切り換えられる自動変速機16、差動歯車装置18、1対の車軸20を介して図示しない1対の駆動輪へ伝達されるようになっている。
上記動力合成分配装置14は、動力を機械的に合成し或いは分配する機能を備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であって、MG12と共に、電気トルコン装置(ETC)22として機能するものである。動力合成分配装置14は、MG12のロータ24に直接的に連結されたサンギヤ14Sと、そのサンギヤ14Sの外周側においてそれと同心に配設され、エンジン10のクランク軸25とサージ吸収用ダンパ26および第1入力クラッチC1を介して連結されたリングギヤ14Rと、それらサンギヤ14Sおよびリングギヤ14Rとかみ合うプラネタリギヤ14Pを自転および公転可能に支持するキャリヤ14Cとを回転要素として備えるとともに、それら3つの回転要素の相対回転を阻止してそれら3回転要素を一体回転させるために、リングギヤ14Rおよびキャリヤ14Cの間に設けられてそれらを相互に連結するためのクラッチCDとを備えている。このように、動力合成分配装置14は、エンジン10と自動変速機16の第1入力軸28との間の動力伝達経路において、クラッチC1の下流側にそのクラッチC1と直列となるように配設されている。
上記のように構成された動力合成分配装置14においては、たとえばエンジン10を作動させたままの状態でMG12の反力を零から徐々に増大させることにより、車両を滑らかに発進させたりすることが可能となる。このMG12では、たとえばその回生トルクの発生量すなわち発電量が調節されることにより上記反力が制御される。
上記自動変速機16は、車幅方向において動力合成分配装置14を介してエンジン10と回転軸方向すなわち回転軸心方向或いは中心軸方向に直列に配置される前進4速の遊星歯車式自動変速機であって、サンギヤ32Sへ動力を入力させるためにキャリヤ14Cに連結された第1入力軸28と、サンギヤ34Sへ動力を入力させるためにエンジン10のクランク軸25に第2クラッチC2、中心軸41、および衝撃吸収用ダンパ26を介して連結された第2入力軸30と、相互に同心となるように且つ前記遊星歯車装置14と同心となるように互いに隣接して配置されたシングルピニオン型の1対の第1遊星歯車装置32および第2遊星歯車装置34と、それらの軸心と平行な軸心を有する出力軸(カウンタ軸)36上に設けられたシングルピニオン型の第3遊星歯車装置38とを備えている。本実施例では、上記1対の第1入力軸28および第2入力軸30が、自動変速機16へ動力を入力させるための1対の入力部材として機能している。
上記第1遊星歯車装置32は、第1入力軸28に連結されたサンギヤ32Sと、そのサンギヤ32Sの外周側においてそれと同心に配設されたリングギヤ32Rと、それらサンギヤ32Sおよびリングギヤ32Rとかみ合うプラネタリギヤ32Pを自転および公転可能に支持し、カウンタドライブギヤ40に連結されたキャリヤ32Cとを回転要素として備えている。また、上記第2遊星歯車装置34は、第2入力軸30に連結されたサンギヤ34Sと、そのサンギヤ34Sの外周側においてそれと同心に配設され、上記キャリヤ32Cに連結されたリングギヤ34Rと、それらサンギヤ34Sおよびリングギヤ34Rとかみ合うプラネタリギヤ34Pを自転および公転可能に支持し、上記リングギヤ32Rに連結されたキャリヤ34Cとを回転要素として備えている。位置固定部材であるハウジング42と上記サンギヤ34Sとの間にはブレーキB1が設けられており、ハウジング42とキャリヤ34Cとの間には一方向クラッチF1が設けられており、ハウジング42と上記リングギヤ32Rとの間にはブレーキB2が設けられている。
なお、油圧ポンプなどの補機44は、自動変速機16の後端側すなわちエンジン10側とは反対側に配置され、自動変速機16を貫通する中心軸41の軸端に伝動ベルト46を介して作動的に連結されており、エンジン10により駆動されるようになっている。図1では、エンジン10の停止時においても補機44が駆動され得るように出力軸36の軸端に伝動ベルト43を介して作動的に連結されたモータ45が設けられた例が示されている。すなわち、補機44と中心軸41との間、補機44とモータ45との間、モータ45と出力軸36との間には、それぞれクラッチ47、49、51によって連結或いは開放されるようになっており、エンジン10の停止時において油圧が必要な場合には、車両停止時にはクラッチ49を介して補機44とモータ45との間が連結され、車両走行時にはクラッチ49を介して補機44とモータ45との間が連結され、或いはクラッチ49および51を介して補機44と出力軸36との間が連結されるようになっている。
また、第3遊星歯車装置38は、サンギヤ38Sと、そのサンギヤ38Sの外周側においてそれと同心に配設され、且つカウンタドライブギヤ40と噛み合うドリブンギヤ48に連結されたリングギヤ38Rと、それらサンギヤ38Sおよびリングギヤ38Rとかみ合うプラネタリギヤ38Pを自転および公転可能に支持し、クラッチC3を介してサンギヤ38Sに連結されたキャリヤ38Cとを回転要素として備えている。ハウジング42と上記サンギヤ38Sとの間にはブレーキB3と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。そのブレーキB3が係合させられるとサンギヤ38Sが非回転状態とされるので、上記第3遊星歯車装置38はカウンタドライブギヤ40の回転を減速して出力軸36へ伝達するが、上記クラッチC3が係合させられると上記3つの回転要素が相互に一体的に回転させられるので、上記第3遊星歯車装置38はカウンタドライブギヤ40の回転をそのまま出力軸36へ伝達する。
以上のように構成された自動変速機16では、図2に示す作動表に従って、クラッチおよびブレーキが選択的に作動させられることにより、前進4段、後進1段のギヤ段が選択されるとともに、モータジェネレータ12のみによる走行が可能とされるようになっている。図2において○印は係合状態を示し、空欄は解放状態を示し、(○)印はエンジンブレーキを作用させる目的で係合させられる状態を示している。
ETC走行モードすなわち電気トルコン装置22を用いた走行において、第1クラッチC1およびブレーキB3が係合させられるハイブリッド車両の発進および第1速走行では、車速が零付近では、電気トルコン装置22においてMG12の回生機能で反力が零から増加させられることにより第1クラッチC1を介して自動変速機16へ伝達される回転が徐々に増加させられるとともに、エンジン10からの出力トルクがたとえば1.5倍程度にトルク増幅されて自動変速機16へ伝達される。車速が上昇するとクラッチCDが係合させられて動力合成分配装置14の3要素が相互に直結されるので、エンジン10からの出力トルクがそのまま自動変速機16へ伝達されて前進第1速走行とされる。なお、図示しない蓄電装置の蓄電容量が低下した場合には、上記第1クラッチC1がすべり係合させられることにより、ハイブリッド車両の滑らかなすなわちスムーズな発進が可能とされる。
上記の車両の第1速走行において、上記第1クラッチC1およびブレーキB3に加えてブレーキB1がさらに係合させられることにより第2速走行とされ、さらにクラッチC2が係合させられことにより第3速走行とされ、さらにまたクラッチC3が係合させられることにより第4速走行とされる。このような第1速走行乃至第4速の前進走行では、電気トルコン装置22を用いてエンジン10およびMG12の動力が制御されるETC走行が専ら行われる。
MG12だけが作動させられる前進モータ走行の場合は、クラッチC1、C2、C3、CDが係合させられ、且つエンジン10が空転させられてその回転が維持されることにより第4速走行が行われ、また、その状態でクラッチC3が解放されることにより第3速走行が行われる。また、このモータ走行において、クラッチC1、C2、C3、CDが係合させられることにより第4速走行とされ、そのクラッチC1、C2、C3が開放されてクラッチCD、ブレーキB1が係合させられることにより第2速走行とされ、そのブレーキB1が解放されることにより第1速走行とされる。この第2速走行および第1速走行の場合では、クラッチC1、C2が開放されて第1遊星歯車装置32および第2遊星歯車装置34が一体回転しないので、エンジン10の回転(空転)が停止させられる。このようなときに油圧が必要となる場合には、蓄圧器や小型電動ポンプが用いられてもよい。
また、MG12だけが作動させられる後進の発進走行或いは後進のモータ走行の場合は、クラッチCDおよびブレーキB2、B3が係合させられて自動変速機16が第1速状態とされ、且つMG12が逆転駆動されることによりハイブリッド車両の後進への発進制御が行われる。さらに、このハイブリッド車両の後進走行において、蓄電装置の蓄電量が不十分であるときなどのようにMG12を用いることができないような場合は、エンジン10が作動させられ、ブレーキB2、B3が係合させられるとともにクラッチC2がすべり係合させられて滑らかな発進が可能となる。なお、蓄電装置が使用できる場合はさらにクラッチCDを係合させてMG12をアシスト駆動として用いることもできる。
上述のように、本実施例の動力伝達装置では、動力合成分配装置14の3つの回転要素のうちの第1回転要素であるサンギヤ14Sはモータジェネレータ12と直接に連結され、第2回転要素であるキャリヤ14Cと第1入力部材である第1入力軸28との間が直結され、および第3回転要素であるリングギヤ14Rとエンジン10との間がクラッチC1(第1クラッチ)を介して連結され、第2入力部材である第2入力軸30がクラッチC2(第2クラッチ)を介してエンジン10と連結されている。これによれば、自動変速機16の第1入力軸(第1入力部材)28に対するエンジン10からの動力の入力は、リングギヤ(第1回転要素)14Rとエンジン10との間のクラッチC1(第1クラッチ)を介して行われ、自動変速機16の第2入力軸30(第2入力部材)に対するエンジン10からの動力の入力はクラッチC2(第2クラッチ)を介して行われるようになっていることから、そのクラッチC1は、動力合成分配装置14のリングギヤ14Rとエンジン10との間の係合および解放を行うと同時に、自動変速機16の第1入力軸28とエンジン10との間の係合および解放も行う機能を備えている。したがって、エンジン10と自動変速機16の第1入力軸28との間においてクラッチC1と直列にすなわちそのクラッチC1の下流側に動力合成分配装置14を配置することによってエンジン10からその電気トルコン装置22すなわち動力合成分配装置14への入力クラッチと自動変速機16への入力クラッチとが兼用されていることから、自動変速機16の回転軸方向すなわち軸心方向においてクラッチが省略されるので、その回転軸方向において自動変速機16が小型となり、ハイブリッド車両の動力伝達装置が小型化される利点がある。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図3に示すハイブリッド車両の動力伝達装置は、シングルピニオン型の遊星歯車装置から成る動力合成分配装置14に代えてダブルピニオン型の遊星歯車装置から成る動力合成分配装置50が設けられている点において、図1に示すものと相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
図3において、動力合成分配装置50は、MG12のロータ24に直接的に連結されたサンギヤ50Sと、そのサンギヤ50Sの外周側においてそれと同心に配設され、エンジン10のクランク軸25とサージ吸収用ダンパ26およびクラッチC1を介して連結されたリングギヤ50Rと、それらサンギヤ50Sおよびリングギヤ50Rとかみ合い且つ相互に噛み合う1対のプラネタリギヤ50P、50Pを自転および公転可能に支持するキャリヤ50Cとを回転要素として備えるとともに、上記クラッチC1の係合状態であるときにそれら3つの回転要素の相対回転を阻止してそれら3回転要素を一体回転させるために、リングギヤ50Rおよびキャリヤ50Cの間に上記クラッチC1と直列に設けられてそれらを相互に連結するためのクラッチCDと、リングギヤ50Rとハウジング42との間に設けられたブレーキBRとを備えている。本実施例においても、動力合成分配装置50は、エンジン10と自動変速機16の第1入力軸28との間の動力伝達経路において、クラッチC1の上流側にそのクラッチC1と直列となるように配設されている。すなわち、本実施例の動力伝達装置は、エンジン10と、モータジェネレータ12と、サンギヤ50S、そのサンギヤ50Sと同心に配置されたリングギヤ50R、それらサンギヤ50Sおよびリングギヤ50Rと噛み合い且つ互いに噛み合う複数対のピニオンギヤ50Pを自転および公転自在に支持するキャリヤ50Cを回転要素として有し、それら3回転要素のうちのキャリヤ50C(第1回転要素)がモータジェネレータ12に直結された動力合成分配装置50と、2つの第1入力軸28(第1入力部材)および第2入力軸30(第2入力部材)を有する自動変速機16とが回転軸方向において直列的に配置され、上記モータジェネレータ12およびエンジン10から出力された動力をその自動変速機16へ伝達する動力伝達装置であって、上記動力合成分配装置50の3つの回転要素のうちのリングギヤ50R(第2回転要素)と第1入力軸28との間がクラッチC1(第1クラッチ)を介して連結されるとともに、サンギヤ50S(第3回転要素)とエンジン10との間が直接的に連結され、上記第2入力軸30がクラッチC2を介してエンジン10と連結されている。
図4は、図3に示す動力伝達装置の作動の種類を説明する作動表である。自動変速機16の作動は図1の実施例と同様であるので、上記動力合成分配装置50の作動を以下に説明する。図5は、動力合成分配装置50の作動を説明するための、縦軸を回転速度とし且つ横軸をギヤ比の割合とした共線図である。但し、ρはサンギヤ50Sとリングギヤ50Rとのギヤ比である。
動力合成分配装置50において、エンジン12が効率のよい回転速度Aで作動させられている状態でMG12が逆方向の回転速度Bで回転させられると、リングギヤ50Rの回転速度は零となり、ハイブリッド車両が停止状態とされる。この状態で、MG12の回転速度が上記逆方向の回転速度Bから増加側へ変化させられると、それに伴ってリングギヤ50Rの回転速度は零から上昇させられて、ハイブリッド車両は滑らかに前方へ発進させられる。このETCモードによる発進時には、クラッチC1および一方向クラッチF1が係合させられる。上記のように構成された動力合成分配装置50においては、たとえばエンジン10を作動させたままの状態でMG12の反力を零から徐々に増大させることにより、車両を滑らかに発進させたりすることが可能となる。このMG12では、たとえばその回生トルクの発生量すなわち発電量が調節されることにより上記反力が制御されるとともに、その回生により蓄電装置が充電される。また、MG12が上記逆方向の回転速度Bから減少側へ変化させられるように駆動されると、ハイブリッド車両は滑らかに後方へ発進させられる。このETCモードによる後方発進時には、クラッチC1およびブレーキB2、B3が係合させられる。
また、MG12のみを用いた後方への発進時には、クラッチCDおよびブレーキB2、B3が係合させられてMG12が逆転駆動(力行)される。しかしながら、蓄電装置における蓄電量が不十分となったときのようにMG12を用いることができない場合には、エンジン12が作動させられている状態でクラッチCDおよびブレーキBRが係合させられ、そのブレーキBRが係合開始時においてすべり係合させられて、後進の発進が可能とされる。
本実施例のハイブリッド車両の動力伝達装置では、動力合成分配装置50の3つの回転要素のうちの第1回転要素であるキャリヤ50Cはモータジェネレータ12と直接に連結され、第2回転要素であるリングギヤ50Rと第1入力部材である第1入力軸28との間がクラッチC1(第1クラッチ)を介して連結され、第3回転要素であるサンギヤ50Sとエンジン10との間が直結され、第2入力部材である第2入力軸30がクラッチC2(第2クラッチ)を介してエンジン10と連結されている。これによれば、自動変速機16の第1入力軸(第1入力部材)28に対するエンジン10からの動力の入力は、リングギヤ50Rとその下流の第1入力軸28との間のクラッチC1(第1クラッチ)を介して行われ、自動変速機16の第2入力軸30(第2入力部材)に対するエンジン10からの動力の入力はクラッチC2(第2クラッチ)を介して行われるようになっていることから、そのクラッチC1は、動力合成分配装置50のリングギヤ50Rと第1入力軸28との間の係合および解放を行うと同時に、自動変速機16の第1入力軸28とエンジン10との間の係合および解放も行う機能を備えている。したがって、エンジン10と自動変速機16の第1入力軸28との間においてクラッチC1と直列にすなわちそのクラッチC1の上流側に動力合成分配装置14を配置することによってエンジン10からその電気トルコン装置22すなわち動力合成分配装置50への入力クラッチと自動変速機16への入力クラッチとが兼用されていることから、自動変速機16の回転軸方向すなわち軸心方向においてクラッチが省略されるので、その回転軸方向において自動変速機16が小型となり、ハイブリッド車両の動力伝達装置が小型化される利点がある。
図6に示すハイブリッド車両の動力伝達装置は、モータ走行中にエンジン10の停止を可能とするために、第2クラッチC2が第2入力軸30と第1入力軸28との間に設けられている点において、第2クラッチC2がダンパ26と第2入力軸30との間に設けられた図3に示す動力伝達装置と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。なお、本実施例の動力合成分配装置50は、図3と同様の動力合成分配装置であるが、1点鎖線の枠内に示すように、図1と同様の動力合成分配装置14であってもよい。
図6において、第2クラッチC2が第2入力軸30と第1入力軸28との間に設けられているため、エンジン10の出力はクラッチC1を介して第1入力軸28およびサンギヤ32Sへ入力されるとともに、クラッチC2を介して第2入力軸30およびサンギア34Sへ入力されるようになっている。すなわち、本実施例の動力伝達装置は、エンジン10と、モータジェネレータ12と、サンギヤ50S、そのサンギヤ50Sと同心に配置されたリングギヤ50R、それらサンギヤ50Sおよびリングギヤ50Rと噛み合い且つ互いに噛み合う複数対のピニオンギヤ50Pを自転および公転自在に支持するキャリヤ50Cを回転要素として有し、それら3回転要素のうちのキャリヤ50C(第1回転要素)がモータジェネレータ12に直結された動力合成分配装置50と、2つの第1入力軸28(第1入力部材)および第2入力軸30(第2入力部材)を有する自動変速機16とが回転軸方向において直列的に配置され、上記モータジェネレータ12およびエンジン10から出力された動力をその自動変速機16へ伝達する動力伝達装置であって、上記動力合成分配装置50の3つの回転要素のうちのリングギヤ50R(第2回転要素)と第1入力軸28との間がクラッチC1(第1クラッチ)を介して連結されるとともに、サンギヤ50S(第3回転要素)とエンジン10との間が直接的に連結され、上記第2入力軸30がクラッチC2、クラッチC1、および動力合成分配装置50を介してエンジン10と連結されている。
図7は、上記図6に示す動力伝達装置の作動の種類を説明する作動表である。ETCモードの発進および前進走行は図4と同様であるため、MG12のみによる前進走行或いはETCモードの後進走行について以下に説明する。
MG12だけが作動させられる前進モータ走行の場合は、クラッチC2、C3、CDが係合させられることにより第4速走行が行われ、その状態でクラッチC3が開放させられることにより第3速走行が行われる。また、このモータ走行において、クラッチC2が開放され且つクラッチC3、CD、ブレーキB1が係合させられることにより第2速走行とされ、そのクラッチC3に代えてブレーキB3が係合させられることにより第1速走行とされる。すなわち、本実施例では、クラッチC1が開放されることによりエンジン10の回転が停止させられた状態において、上記第1速乃至第4速の前進モータ走行が行われる。
また、MG12だけが作動させられる後進モータ走行の場合は、クラッチCD、ブレーキB2、B3が係合させられ、且つMG12が逆転駆動されることによりハイブリッド車両の後進への発進制御が行われる。さらに、このハイブリッド車両の後進走行方法として、クラッチC1およびブレーキB2、B3が係合させられ、且つMG12が前進時よりも高速で逆転駆動されることにより後進への発進制御が行われる。また、蓄電装置の蓄電量が不十分である場合は、ブレーキBRがすべり係合させられることにより円滑な発進が行われる。
本実施例によれば、動力合成分配装置50の3つの回転要素のうちのリングギヤ50R(第2回転要素)と第1入力軸28との間がクラッチC1(第1クラッチ)を介して連結されるとともに、サンギヤ50S(第3回転要素)とエンジン10との間が直接的に連結され、上記第2入力軸30がクラッチC2、クラッチC1、および動力合成分配装置50を介してエンジン10と連結されている。したがって、図3に示すハイブリッド車両の動力伝達装置と同様に、エンジン10と自動変速機16の第1入力軸28との間においてクラッチC1と直列にすなわちそのクラッチC1の上流側に動力合成分配装置50を配置することによってエンジン10からその電気トルコン装置22すなわち動力合成分配装置50への入力クラッチと自動変速機16への入力クラッチとが共用されていることから、自動変速機16の回転軸方向においてクラッチが省略されるので、その回転軸方向において自動変速機16が小型となり、ハイブリッド車両の動力伝達装置が小型化される利点がある。
図8に示すハイブリッド車両の動力伝達装置は、動力合成分配装置50のブレーキBRが除去され、後進回転を発生させるために、クラッチC1と第1入力軸28との間にクラッチC2が設けられ且つクラッチC1と第2入力軸30との間にクラッチCRが設けられている点において、図6に示す動力伝達装置と相違する。すなわち、図8の動力伝達装置は、エンジン10と、モータジェネレータ12と、サンギヤ50S、そのサンギヤ50Sと同心に配置されたリングギヤ50R、それらサンギヤ50Sおよびリングギヤ50Rと噛み合うピニオンギヤ50Pを自転および公転自在に支持するキャリヤ50Cを回転要素として有し、それら3回転要素のうちのキャリヤ50C(第1回転要素)がモータジェネレータ12に直結された動力合成分配装置50と、2つの第1入力軸28(第1入力部材)および第2入力軸30(第2入力部材)を有する自動変速機16とが回転軸方向において直列的に配置され、モータジェネレータ12およびエンジン10から出力された動力をその自動変速機16へ伝達する動力伝達装置であって、上記動力合成分配装置50の3つの回転要素のうちのサンギヤ50S(第2回転要素)がエンジン10に直接的に連結され、その3つの回転要素のうちのリングギヤ50R(第3回転要素)がクラッチC1(第1クラッチ)およびクラッチC2(第2クラッチ)を介して上記第1入力軸28に連結され、上記キャリヤ50C(第1回転要素)がクラッチCD(第3クラッチ)およびクラッチCR(第4クラッチ)を介して第2入力軸30と連結され、上記クラッチC1およびクラッチC2の間と上記クラッチCDおよびクラッチCRの間とが相互に連結されたものである。
図9は、上記図8に示す動力伝達装置の作動の種類を説明する作動表である。モータ走行では、図6と同様に、クラッチC1が開放されることによりエンジン10の回転停止状態で行われる。ETCモードの発進および前進走行やMG12による前進走行は図7と同様であるため、MG12のみによる後進走行或いはETCモードの後進走行について以下に説明する。MG12のみによる後進走行は、クラッチCR、CD、ブレーキB2、B3が係合させられることにより、エンジン10の回転が停止させられた状態で行われる。この後進走行では、クラッチC2に代えてCRが係合させられて自動変速機16内で後進回転が発生させられるためにMG12の逆転は不要であり、前進走行および後進走行での正逆制御が不要となる。また、ETCモードの後進走行は、クラッチC1、CR、ブレーキB2、B3が係合させられることにより、エンジン10の回転が維持されつつMG12の反力が増加させられることにより行われる。さらに、たとえばクラッチC1、CR、ブレーキB1を係合し且つクラッチCDを開放することにより、車両停止中においてもエンジン10によりMG12を回転駆動させて蓄電装置の充電を行うことができる。これにより、前述の実施例に比較して、後進走行の発進時には蓄電装置の蓄電量低下に左右されない利点がある。
本実施例の動力伝達装置は、動力合成分配装置50の3つの回転要素のうちのサンギヤ50S(第2回転要素)がエンジン10に直接的に連結され、その3つの回転要素のうちのリングギヤ50R(第3回転要素)がクラッチC1(第1クラッチ)およびクラッチC2(第2クラッチ)を介して上記第1入力軸28に連結され、上記キャリヤ50C(第1回転要素)がクラッチCD(第3クラッチ)およびクラッチCR(第4クラッチ)を介して第2入力軸30と連結され、上記クラッチC1およびクラッチC2の間と上記クラッチCDおよびクラッチCRの間とが相互に連結されたものである。したがって、動力合成分配装置50に対するエンジン10からの入力は直接行われ、第1入力軸28または第2入力軸30に対する動力合成分配装置50からの入力は、クラッチC1またはクラッチCDとクラッチC2またはクラッチCRとを介して行われる。上記クラッチC1は、動力合成分配装置50のリングギヤ50R(第3回転要素)と自動変速機16の第1入力軸28との間の係合および解放を行うと同時に、自動変速機16の第1入力軸28とエンジン10との間の係合および解放も行う機能を兼ね備えている。換言すれば、エンジン10と自動変速機16の第1入力軸28との間においてクラッチC1と直列にすなわちそのクラッチC1の上流側に動力合成分配装置50を配置することによってエンジン10からその電気トルコン装置22への入力クラッチと自動変速機16への入力クラッチとが共用されている。また、クラッチCRが設けられているので、電気トルコン装置22において後進用ブレーキが不要となる。したがって、クラッチCRが増設されても動力伝達装置の軸方向寸法は従来と同様となるとともに、その径方向寸法が小さくなる利点がある。また、上記クラッチC1およびクラッチC2、またはクラッチCDおよびクラッチCRが共に開放されることによって車両停止時においてもエンジン10により蓄電装置の充電が可能となるので、蓄電装置の充電量低下の影響を受けない利点がある。さらに、電気トルコン装置22による車両の前進方向および後進方向の発進が可能となり、クラッチ或いはブレーキのスリップ係合を必要としない利点がある。
図10に示すハイブリッド車両の動力伝達装置は、シングルピニオン型の動力合成分配装置14が動力合成分配装置50に代えて設けられている点において図8のものと相違する。本実施例の動力合成分配装置14は、そのサンギヤ14SにMG12の動力が入力され、そのリングギヤ14Rにエンジン10の動力が入力され、そのキャリヤ14CからクラッチCDを介して自動変速機16へ動力が出力されるようになっている。すなわち、図10の動力伝達装置は、エンジン10と、モータジェネレータ12と、サンギヤ14S、そのサンギヤ14Sと同心に配置されたリングギヤ14R、それらサンギヤ14Sおよびリングギヤ14Rと噛み合うピニオンギヤ14Pを自転および公転自在に支持するキャリヤ14Cを回転要素として有し、それら3回転要素のうちのサンギヤ14S(第1回転要素)がモータジェネレータ12に直結された動力合成分配装置14と、2つの第1入力軸28(第1入力部材)および第2入力軸30(第2入力部材)を有する自動変速機16とが回転軸方向において直列的に配置され、モータジェネレータ12およびエンジン10から出力された動力をその自動変速機16へ伝達する動力伝達装置であって、上記動力合成分配装置14の3つの回転要素のうちのリングギヤ14R(第2回転要素)がエンジン10に直接的に連結され、その3つの回転要素のうちのキャリヤ14C(第3回転要素)がクラッチCD(第3クラッチ)およびクラッチC2(第2クラッチ)を介して上記第1入力軸28に連結され、上記サンギヤ14S(第1回転要素)がクラッチC1(第1クラッチ)およびクラッチCR(第4クラッチ)を介して第2入力軸30と連結され、上記クラッチC1およびクラッチC2の間と上記クラッチCDおよびクラッチCRの間とが相互に連結されたものである。本実施例においても、図8の実施例と同様の効果が得られる。
図11に示すハイブリッド車両の動力伝達装置は、シングルピニオン型の動力合成分配装置14が動力合成分配装置50に代えて設けられ、自動変速機16が3入力形式のラビニヨオ型4速自動変速機である点において図1のものと相違する。本実施例の自動変速機16は、互いに隣接し且つ同心のデュアル(ダブルピニオン)型遊星歯車装置60およびシングル型遊星歯車装置62を組み合わせたラビニヨオ型ギヤユニットを備え、第1入力軸28、第2入力軸30、キャリヤ60Cが3つの入力部材として機能している。このギヤユニットは、シングル型遊星歯車装置62のサンギヤ62Sに噛み合うピニオンと、デュアル型遊星歯車装置60のリングギヤ60Rおよびショートピニオン60Pにそれぞれ噛み合うピニオンとが、共通のロングピニオン62Pとして一体に構成されている。そのショートピニオン60Pはデュアル型遊星歯車装置60のサンギヤ60Sに噛み合わされている。また、ロングピニオン62Pおよびショートピニオン60Pを自転可能および公転可能にそれぞれ支持する共通のキャリヤ60Cが設けられている。
上記デュアル型遊星歯車装置60のサンギヤ60Sは、第1入力軸28を介して動力合成分配装置14のキャリヤ14Cに連結され、上記シングル型遊星歯車装置62のサンギヤ62Sは、第2入力軸30、クラッチC2、中心軸41、ダンパ26を介してエンジン10のクランク軸25に連結されている。また、上記キャリヤ60CはクラッチC3を介して中心軸41やエンジン10のクランク軸25に連結されている。また、そのキャリヤ60Cと位置固定のハウジング42との間にはブレーキB3および一方向クラッチF1が並列に設けられており、上記第2入力軸30とハウジング42との間には、直列に接続された一方向クラッチF2およびブレーキB2とブレーキB1とが並列に設けられている。そして、中心軸41と平行なカウンタ軸64には、ドリブンギヤ66がクラッチC4を介して設けられており、前記リングギヤ60Rは、そのドリブンギヤ66とかみ合うカウンタドライブギヤ68に連結されている。上記カウンタ軸64には、後段の差動歯車装置や駆動輪へ動力を出力するための出力ギヤ70が設けられている。
すなわち、本実施例の動力伝達装置は、エンジン10と、モータジェネレータ12と、サンギヤ14S、そのサンギヤ14Sと同心に配置されたリングギヤ14R、それらサンギヤ14Sおよびリングギヤ14Rと噛み合い且つ互いに噛み合う複数対のピニオンギヤ14Pを自転および公転自在に支持するキャリヤ14Cを回転要素として有し、それら3回転要素のうちのサンギヤ14S(第1回転要素)がモータジェネレータ12に直結された動力合成分配装置14と、3つの第1入力軸28(第1入力部材)、第2入力軸30(第2入力部材)、キャリヤ60Cを有する自動変速機16とが回転軸方向において直列的に配置され、上記モータジェネレータ12およびエンジン10から出力された動力をその自動変速機16へ伝達する動力伝達装置であって、上記動力合成分配装置14の3つの回転要素のうちのリングギヤ14R(第2回転要素)とエンジン10との間がクラッチC1(第1クラッチ)を介して連結されるとともに、キャリヤ14C(第3回転要素)と第1入力軸28との間が直接的に連結され、上記第2入力軸30がクラッチC2を介してエンジン10と連結されている。
図12は、上記図11の動力伝達装置の作動の種類を説明する作動表である。ETC走行モードにおいて、第1クラッチC1およびブレーキB3が係合させられるハイブリッド車両の発進および第1速走行では、車速が零付近では、図13の共線図の矢印に示すように、電気トルコン装置22においてMG12の回生機能で反力が零から増加させられることにより第1クラッチC1を介して自動変速機16へ伝達される回転が徐々に増加させられるとともに、エンジン10からの出力トルクがたとえば1.5倍程度にトルク増幅されて自動変速機16へ伝達される。車速が上昇するとクラッチCDが係合させられて動力合成分配装置14の3回転要素が相互に直結されるので、エンジン10からの出力トルクがそのまま自動変速機16へ伝達されて前進第1速走行とされる。
上記車両の第1速走行において、上記第1クラッチC1およびクラッチCDに加えてブレーキB2がさらに係合させられることにより第2速走行とされ、さらにクラッチC3が係合させられることにより第3速走行とされ、さらにまたクラッチC1が開放させられることにより第4速走行とされる。図13の共線図の(1) 、(2) 、(3) 、(4) は、上記第1速乃至第4速を示している。このような第1速走行乃至第4速の前進走行では、電気トルコン装置22を用いてエンジン10およびMG12の動力が制御されるETC走行が専ら行われる。
専らMG12が作動させられる前進モータ走行の場合は、クラッチC3、CD、ブレーキB2が係合させられ、且つエンジン10が空転させられてその回転が維持されることにより第4速走行または第3速走行が行われる。この第4速或いは第3速走行では、エンジン10から自動変速機16に直結した入力があるため、エンジン10が空転させられる。また、このモータ走行において、クラッチC3が開放され且つクラッチC1が係合させられることにより、エンジン10の回転を停止させた第2速走行とされる。なお、車両の停止中には、クラッチC4が開放されてエンジン10がMG12を回転駆動して蓄電装置を充電させることができるようになっている。
また、MG12だけが作動させられる後進モータ走行の場合は、クラッチC1およびCDが係合させられ、動力合成分配装置14の3要素が相互に直結状態でMG12が逆転駆動(力行)されることによりハイブリッド車両の後進への発進制御が行われる。さらに、このハイブリッド車両のETC後進走行において、クラッチCDが開放され且つブレーキB3が係合させられ、MG12が逆転駆動(力行)させられることにより行われる。
本実施例においても、動力合成分配装置14の3つの回転要素のうちのリングギヤ14R(第2回転要素)とエンジン10との間がクラッチC1(第1クラッチ)を介して連結されるとともに、キャリヤ14C(第3回転要素)と第1入力軸28との間が直接的に連結され、上記第2入力軸30がクラッチC2を介してエンジン10と連結されている。したがって、エンジン10と自動変速機16の第1入力軸28との間の動力伝達経路においてクラッチC1と直列にすなわちそのクラッチC1の下流側に動力合成分配装置14を配置することによってエンジン10からその電気トルコン装置22すなわち動力合成分配装置14への入力クラッチと自動変速機16への入力クラッチとが共用されていることから、自動変速機16の回転軸方向においてクラッチが省略されるので、その回転軸方向において自動変速機16が小型となり、ハイブリッド車両の動力伝達装置が小型化される利点がある。
図14に示すハイブリッド車両の動力伝達装置は、エンジン10などからの動力が、動力合成分配装置14のキャリヤ14C、クラッチC2、第2入力軸30を介してサンギヤ60Sへ入力されるとともに、そのキャリヤ14C、クラッチC3、第1入力軸28を介してキャリヤ60Cへ入力されるようになっている点が図11のものと相違する。すなわち、本実施例の動力伝達装置は、エンジン10と、モータジェネレータ12と、サンギヤ14S、そのサンギヤ14Sと同心に配置されたリングギヤ14R、それらサンギヤ14Sおよびリングギヤ14Rと噛み合うピニオンギヤ14Pを自転および公転自在に支持するキャリヤ14Cを回転要素として有し、それら3回転要素のうちのサンギヤ14S(第1回転要素)がモータジェネレータ12に直結された動力合成分配装置14と、2つの第1入力軸28(第1入力部材)および第2入力軸30(第2入力部材)を有する自動変速機16とが回転軸方向において直列的に配置され、モータジェネレータ12およびエンジン10から出力された動力を自動変速機16へ伝達する動力伝達装置であって、上記動力合成分配装置14の3つの回転要素のうちのリングギヤ14R(第2回転要素)がクラッチC1(第1クラッチ)を介してエンジン10に連結され、そのリングギヤ14RがクラッチCD(第4クラッチ)およびクラッチC3(第3クラッチ)を介して第1入力軸28に連結され、上記3つの回転要素のうちのキャリヤ14C(第3回転要素)がクラッチC3を介して第1入力軸28に連結されるとともに、クラッチC2(第2クラッチ)を介して第2入力軸30に連結されたものである。以下、上記相違点を中心に説明する。
図15は、上記図14の動力伝達装置の作動の種類を説明する作動表である。本実施例の動力伝達装置では、クラッチC2およびC3の少なくとも一方を介して自動変速機16へ動力が入力されるようになっている。このため、専らMG12で走行するモータ駆動の前進走行の第1速乃至第4速では、エンジン10が回転停止させられるとともに、車両停止状態でクラッチC2およびC3が開放されることにより、ニュートラル状態でMG12の回生が可能とされ、MG12を回転駆動することにより、クラッチC4が設けられなくても蓄電装置の充電が可能とされている。後進方向のモータ発進走行の場合は、クラッチC2、CDおよびブレーキB3が係合させられ、動力合成分配装置14の3要素が相互に直結状態でMG12が逆転駆動(力行)されることによりハイブリッド車両の後進への発進制御が行われる。さらに、このハイブリッド車両の後進方向のETC発進走行において、クラッチC1、C2、およびブレーキB3が係合させられ、MG12が逆転駆動(力行)させられることにより行われる。
本実施例の動力伝達装置は、動力合成分配装置14の3つの回転要素のうちのサンギヤ14S(第1回転要素)がモータジェネレータ12に直結され、リングギヤ14R(第2回転要素)がクラッチC1(第1クラッチ)を介してエンジン10に連結され、そのリングギヤ14RがクラッチCD(第4クラッチ)およびクラッチC3(第3クラッチ)を介して第1入力軸28に連結されるとともにそのクラッチCDを介して第2入力軸30に連結され、上記3つの回転要素のうちのキャリヤ14C(第3回転要素)がクラッチC3を介して第1入力軸28に連結されるとともに、クラッチC2(第2クラッチ)を介して第2入力軸30に連結されている。したがって、動力合成分配装置14に対するエンジン10からの入力はクラッチC1を介して行われ、自動変速機16の第1入力軸28に対するエンジン10からの動力の入力は、リングギヤ14Rと第1入力軸28との間のクラッチCD(第4クラッチ)およびクラッチC3(第3クラッチ)、或いはクラッチC3のみを介して行われ、自動変速機16の第2入力軸30に対するエンジン10からの動力の入力は動力合成分配装置14のキャリヤ14Cと第2入力軸30との間のクラッチC2を介して行われる。上記クラッチC1は、動力合成分配装置14のリングギヤ14Rとエンジン10との間の係合および解放を行うと同時に、自動変速機16の第1入力軸28或いは第2入力軸30とエンジン10との間の係合および解放も行う機能を備えている。換言すれば、エンジン10と自動変速機16の第1入力軸28との間においてクラッチC1と直列にすなわちそのクラッチC1の下流側に動力合成分配装置14を配置することによってエンジン10からその電気トルコン装置22への入力クラッチと自動変速機16への入力クラッチとが共用されている。それ故、自動変速機16の回転軸方向においてクラッチが省略されるので、その回転軸方向において自動変速機16が小型となり、ハイブリッド車両の動力伝達装置が小型化される。
図16に示すハイブリッド車両の動力伝達装置は、相互に噛み合う1対のピニオン50Pを支持するキャリヤ50CがMG12に直接的に連結され、サンギヤ50Sがエンジン10に直接的に連結され、リングギヤ50RがクラッチC1およびクラッチC3を介して第1入力軸28に連結されるとともに、クラッチC1およびクラッチC2を介して第2入力軸30に連結されたダブルピニオン型の動力合成分配装置50が、動力合成分配装置50に代えて設けられている点において、図14のものと相違する。すなわち、本実施例の動力伝達装置は、エンジン10と、モータジェネレータ12と、サンギヤ50S、そのサンギヤ50Sと同心に配置されたリングギヤ50R、それらサンギヤ50Sおよびリングギヤ50Rと噛み合うピニオンギヤ50Pを自転および公転自在に支持するキャリヤ50Cを回転要素として有し、それら3回転要素のうちのキャリヤ50C(第1回転要素)がモータジェネレータ12に直結された動力合成分配装置50と、2つの第1入力軸28(第1入力部材)および第2入力軸30(第2入力部材)を有する自動変速機16とが回転軸方向において直列的に配置され、モータジェネレータ12およびエンジン10から出力された動力を自動変速機16へ伝達する動力伝達装置であって、上記動力合成分配装置50の3つの回転要素のうちのサンギヤ50S(第2回転要素)がエンジン10に直接的に連結され、上記3つの回転要素のうちのリングギヤ50R(第3回転要素)がクラッチC1(第1クラッチ)およびクラッチC3(第3クラッチ)を介して第1入力軸28に連結されるとともに、クラッチC1(第1クラッチ)およびクラッチC2(第2クラッチ)を介して第2入力軸30に連結され、さらに上記キャリヤ50CがクラッチCDおよびクラッチC2を介して第2入力軸30に連結されたものである。以下、上記相違点を中心に説明する。
図17は、上記図16の動力伝達装置の作動の種類を説明する作動表である。図15に示される作動と略同様であるが、本実施例の動力伝達装置では、ブレーキBRの係合により、MG12を逆転駆動しなくても後進走行が可能となる利点がある。また、蓄電装置の蓄電量が低下したためにMG12を使用できない場合には、そのブレーキBRのすべり係合によってエンジン12のみで後進方向の発進が可能となる。
本実施例においても、エンジン10と自動変速機16の第1入力軸28との間の動力伝達経路においてクラッチC1或いはC3と直列にすなわちそのクラッチC1或いはC3の上流側に動力合成分配装置50を配置することによってエンジン10からその電気トルコン装置22すなわち動力合成分配装置50を介してのクラッチと自動変速機16への入力クラッチとが共用されていることから、自動変速機16の回転軸方向においてクラッチが省略されるので、その回転軸方向において自動変速機16が小型となり、ハイブリッド車両の動力伝達装置が小型化される利点がある。また、モータジェネレータ12或いは電気トルコン装置22で後進とすることができるために自動変速機16に後進用クラッチを設けることが不要となり、動力伝達装置が一層小型となる。
図18に示すハイブリッド車両の動力伝達装置は、ダブルピニオン型の動力合成分配装置50のブレーキBRが除去され、リングギヤ50RがクラッチC1を介して第2入力軸30に接続されるとともにクラッチC2を介してサンギヤ62Sに連結され、キャリヤ50CがクラッチC3を介して第1入力軸28に接続されている点において、図16のものと相違する。すなわち、本実施例の動力伝達装置は、エンジン10と、モータジェネレータ12と、サンギヤ50S、そのサンギヤ50Sと同心に配置されたリングギヤ50R、それらサンギヤ50Sおよびリングギヤ50Rと噛み合うピニオンギヤ50Pを自転および公転自在に支持するキャリヤ50Cを回転要素として有し、それら3回転要素のうちのキャリヤ50C(第1回転要素)がモータジェネレータ12に直結された動力合成分配装置50と、3つの第1入力軸28(第2入力部材)、第2入力軸30(第1入力部材)、およびサンギヤ62S(入力部材)を有する自動変速機16とが回転軸方向において直列的に配置され、モータジェネレータ12およびエンジン10から出力された動力を自動変速機16へ伝達する動力伝達装置であって、上記動力合成分配装置50の3つの回転要素のうちのサンギヤ50S(第2回転要素)がエンジン10に直接的に連結され、上記3つの回転要素のうちのリングギヤ50R(第3回転要素)がクラッチC1(第1クラッチ)を介して第2入力軸30に連結されるとともに、クラッチC2(第2クラッチ)を介してサンギヤ62Sに連結され、上記キャリヤ50CがクラッチC3を介して第1入力軸28に連結されるとともにクラッチCDおよびクラッチC1またはクラッチC2を介して第2入力軸30またはサンギヤ62Sに連結されたものである。以下、上記相違点を中心に説明する。
図19は、上記図18の動力伝達装置の作動の種類を説明する作動表である。本実施例の動力伝達装置では、モータ駆動走行の第4速走行においてエンジン12の回転を停止できる。但し、リングギヤ50Rと自動変速機16との間の動力伝達経路にクラッチを設けることにより、すべてのギヤ段においてエンジン10の回転を停止させたモータ走行が可能となる。また、前進および後進においてETC発進が可能であるし、蓄電装置の充電量が不十分でも、発進時や車両停止時などにおいてMG12の回生が可能とされる。また、後進方向のモータ走行の場合は、クラッチC2、CDおよびブレーキB3が係合させられ、動力合成分配装置50の3要素が相互に直結状態でMG12が逆転駆動(力行)されることによりハイブリッド車両の後進への発進制御が行われる。さらに、このハイブリッド車両の後進方向のETC発進走行において、クラッチC2およびブレーキB3が係合させられ、MG12が逆転回生(力行)させられることにより行われる。なお、図20は、本実施例の動力伝達装置の作動を説明する共線図である。
本実施例においても、エンジン10と自動変速機16の第1入力軸28との間の動力伝達経路においてクラッチC3と直列にすなわちそのクラッチC3の上流側に動力合成分配装置50を配置することによってエンジン10からその電気トルコン装置22すなわち動力合成分配装置50を介してのクラッチと自動変速機16への入力クラッチとが共用されていることから、自動変速機16の回転軸方向においてクラッチが省略されるので、その回転軸方向において自動変速機16が小型となり、ハイブリッド車両の動力伝達装置が小型化される利点がある。また、本実施例では、後進を自動変速機16で行わせるように図16のクラッチC1に相当するクラッチを図18のクラッチC2として設定することにより、クラッチ数を増加させないで性能が向上させられている。
図21に示すハイブリッド車両の動力伝達装置は、シングルピニオン型の動力合成分配装置14がダブルピニオン型の動力合成分配装置50に代えて設けられている点において、図18のものと相違する。すなわち、本実施例の動力伝達装置は、エンジン10と、モータジェネレータ12と、サンギヤ14S、そのサンギヤ14Sと同心に配置されたリングギヤ14R、それらサンギヤ14Sおよびリングギヤ14Rと噛み合うピニオンギヤ14Pを自転および公転自在に支持するキャリヤ14Cを回転要素として有し、それら3回転要素のうちのサンギヤ14S(第1回転要素)がモータジェネレータ12に直結された動力合成分配装置14と、3つの第1入力軸28(第2入力部材)、第2入力軸30(第1入力部材)、およびサンギヤ62S(入力部材)を有する自動変速機16とが回転軸方向において直列的に配置され、モータジェネレータ12およびエンジン10から出力された動力を自動変速機16へ伝達する動力伝達装置であって、上記動力合成分配装置14の3つの回転要素のうちのリングギヤ14R(第2回転要素)がエンジン10に直接的に連結され、上記3つの回転要素のうちのキャリヤ14C(第3回転要素)がクラッチC1(第1クラッチ)を介して第2入力軸30に連結されるとともに、クラッチC2(第2クラッチ)を介してサンギヤ62Sに連結され、上記サンギヤ14SがクラッチC3を介して第1入力軸28に連結されるとともに、リングギヤ14RがクラッチCDおよびクラッチC1またはクラッチC2を介して第2入力軸30またはサンギヤ62Sに連結されたものである。
本実施例の動力伝達装置においても前述の実施例と同様の効果が得られる。すなわち、エンジン10と自動変速機16の第1入力軸28との間の動力伝達経路においてクラッチC3と直列にすなわちそのクラッチC3の上流側に動力合成分配装置14を配置することによってエンジン10からその電気トルコン装置22すなわち動力合成分配装置14への入力クラッチと自動変速機16への入力クラッチとが共用されていることから、自動変速機16の回転軸方向においてクラッチが省略されるので、その回転軸方向において自動変速機16が小型となり、ハイブリッド車両の動力伝達装置が小型化される利点がある。また、本実施例では、後進を自動変速機16で行わせるように図16のクラッチC1に相当するクラッチを図18のクラッチC2として設定することにより、クラッチ数を増加させないで性能が向上させられている。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、以上に説明した実施例とは別の他の態様としても実施され得る。
たとえば、前述の実施例では、2つの入力軸28および30を備えた自動変速機16として、リングギヤ32Rおよび34Rとキャリヤ34Cおよび32Cとが相互に接続された2組の遊星歯車装置32および34を含む所謂キャリヤ結合型変速機、或いは共通のピニオン62Pを有する2組の遊星歯車装置60および62を含む所謂ラビニヨオ型変速機が説明されていたが、2以上の入力系統においてそれぞれ入力クラッチ或いは入力部材を備えたものであれば他の形式の自動変速機であってもよい。
また、前述の実施例では、シングルピニオン型遊星歯車装置から成る動力合成分配装置14、およびダブルピニオン型遊星歯車装置から成る動力合成分配装置50が説明されていたが、差動歯車装置のような1対の傘歯車の間でそれらにかみ合うピニオンを自転および公転可能に支持するキャリヤを備えた動力合成分配装置などであってもよい。
また、前述の実施例のハイブリッド車両の動力伝達装置は、所謂FF車両用であったが、FR車両にも適用され得る。
以上に説明したものはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得るものである。
本発明の一実施例であるハイブリッド車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。 図1の動力伝達装置の作動の種類と複数の摩擦係合装置の作動の組み合わせとの関係を示す図表である。 本発明の他の実施例におけるハイブリッド車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。 図3の動力伝達装置の作動の種類と複数の摩擦係合装置の作動の組み合わせとの関係を示す図表である。 図3の実施例に設けられた動力合成分配装置の作動を説明する共線図である。 本発明の他の実施例におけるハイブリッド車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。 図6の動力伝達装置の作動の種類と複数の摩擦係合装置の作動の組み合わせとの関係を示す図表である。 本発明の他の実施例におけるハイブリッド車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。 図8の動力伝達装置の作動の種類と複数の摩擦係合装置の作動の組み合わせとの関係を示す図表である。 本発明の他の実施例におけるハイブリッド車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。 本発明の他の実施例におけるハイブリッド車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。 図11の動力伝達装置の作動の種類と複数の摩擦係合装置の作動の組み合わせとの関係を示す図表である。 図11の実施例におけるハイブリッド車両の動力伝達装置の作動を説明する共線図である。 本発明の他の実施例におけるハイブリッド車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。 図14の動力伝達装置の作動の種類と複数の摩擦係合装置の作動の組み合わせとの関係を示す図表である。 本発明の他の実施例におけるハイブリッド車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。 図16の動力伝達装置の作動の種類と複数の摩擦係合装置の作動の組み合わせとの関係を示す図表である。 本発明の他の実施例におけるハイブリッド車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。 図18の動力伝達装置の作動の種類と複数の摩擦係合装置の作動の組み合わせとの関係を示す図表である。 図18の実施例におけるハイブリッド車両の動力伝達装置の作動を説明する共線図である。 本発明の他の実施例におけるハイブリッド車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。
符号の説明
10:エンジン
12:モータジェネレータ(電動モータ)
14:動力合成分配装置
14S:サンギヤ(回転要素)
14R:リングギヤ(回転要素)
14C:キャリヤ(回転要素)
16:自動変速機
28:第1入力軸(入力部材)
30:第2入力軸(入力部材)
C1:クラッチ(第1クラッチ)
C2:クラッチ(第2クラッチ)
50:動力合成分配装置
50S:サンギヤ(回転要素)
50R:リングギヤ(回転要素)
50C:キャリヤ(回転要素)

Claims (2)

  1. 燃料の燃焼により作動させられるエンジンと、電気エネルギの供給により作動させられる電動モータと、サンギヤ、そのサンギヤと同心に配置されたリングギヤ、それらサンギヤおよびリングギヤと噛み合うピニオンギヤを自転および公転自在に支持するキャリヤを回転要素として有し、それら3回転要素のうちの第1回転要素が前記電動モータに直結された動力合成分配装置と、少なくとも2つの第1入力部材および第2入力部材を有する自動変速機とが回転軸方向において直列的に配置され、電動モータおよび該エンジンから出力された動力を該自動変速機へ伝達するハイブリッド車両の動力伝達装置であって、
    前記動力合成分配装置の3つの回転要素のうちの第3回転要素が前記エンジンに直結され、該3つの回転要素のうちの第2回転要素が第1クラッチを介して回転部材に連結されるとともに、前記第1入力部材が第2クラッチを介して前記回転部材と連結され、前記第2入力部材が第3クラッチを介して前記回転部材と連結されたことを特徴とするハイブリッド車両の動力伝達装置。
  2. 燃料の燃焼により作動させられるエンジンと、電気エネルギの供給により作動させられる電動モータと、サンギヤ、そのサンギヤと同心に配置されたリングギヤ、それらサンギヤおよびリングギヤと噛み合うピニオンギヤを自転および公転自在に支持するキャリヤを回転要素として有し、それら3回転要素のうちの第1回転要素が前記電動モータに直結された動力合成分配装置と、少なくとも2つの第1入力部材および第2入力部材を有する自動変速機とが回転軸方向において直列的に配置され、電動モータおよび該エンジンから出力された動力を該自動変速機へ伝達するハイブリッド車両の動力伝達装置であって、
    前記動力合成分配装置の3つの回転要素のうちの第3回転要素が第1クラッチを介して前記エンジンに連結され、該3つの回転要素のうちの第2回転要素が第2クラッチを介して前記第1入力部材に連結されるとともに、第3クラッチを介して前記第2入力部材に連結されたことを特徴とするハイブリッド車両の動力伝達装置。
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