JP2009190575A - ハイブリッド車の駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転モード切替時にトルクの反転を防止することができるハイブリッド車の駆動装置を提供する。
【解決手段】駆動装置2は、二組の遊星歯車機構21、22が組み合わされた差動機構7を備えている。差動機構7は相互に差動回転し得るサンギアS1、リングギアR2、キャリアCr、リングギアR1及びサンギアS2の5つの回転要素を有する。内燃機関3はサンギアS1に、出力軸6はサンギアS2に、第1モータ・ジェネレータ4はリングギアR1又はリングギアR2に、第2モータ・ジェネレータ5はキャリアCr又はサンギアS2にそれぞれ接続される。モード切替機構8は差動機構7に対する各モータ・ジェネレータ4、5の接続関係を変更することにより運転モードを切り替える。
【選択図】図1
【解決手段】駆動装置2は、二組の遊星歯車機構21、22が組み合わされた差動機構7を備えている。差動機構7は相互に差動回転し得るサンギアS1、リングギアR2、キャリアCr、リングギアR1及びサンギアS2の5つの回転要素を有する。内燃機関3はサンギアS1に、出力軸6はサンギアS2に、第1モータ・ジェネレータ4はリングギアR1又はリングギアR2に、第2モータ・ジェネレータ5はキャリアCr又はサンギアS2にそれぞれ接続される。モード切替機構8は差動機構7に対する各モータ・ジェネレータ4、5の接続関係を変更することにより運転モードを切り替える。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数の運転モードに切り替え可能なハイブリッド車の駆動装置に関する。
周知のように、ハイブリッド車は内燃機関を走行用の駆動力源として備えるとともに、電動機やモータ・ジェネレータ等の回転電機を他の走行用の駆動力源として備えた車両である。そして、ハイブリッド車は、内燃機関をできるだけ効率の良い状態で運転する一方で、駆動力やエンジンブレーキ力の過不足を他の駆動力源にて補い、かつ車両減速時等にエネルギの回生を行うことにより、内燃機関のエミッション悪化の防止と燃費性能の向上とを実現できるように構成されている。
このようなハイブリッド車に適用される駆動装置としては、車両の駆動輪に至る動力伝達経路を適宜切り替えて走行状態に適した運転モードを複数の運転モードの中から選択できるように構成し、回転電機の負担を低減することにより動力伝達効率の低下を抑制したいわゆるマルチモード型の駆動機構が周知である。例えば、このようなマルチモード型の駆動装置としては、ラビニヨ型の遊星歯車機構として構成された差動機構を備え、内燃機関がその差動機構のリングギアに、第1モータ・ジェネレータが第1サンギアに、出力軸が連結機構を介して選択的に第2サンギア又はキャリアにそれぞれ接続され、出力軸に第2モータ・ジェネレータのトルクが入力されるように構成されたものが知られている(特許文献1)。この駆動装置は連結機構を操作して出力軸の接続を変更することにより複数の運転モードを実現している。
特許文献1の駆動装置は、差動装置の各回転要素を共線図に配列したときに、第1サンギア、キャリア、リングギア、第2サンギアの順番で並ぶ。つまり、内燃機関が接続される入力要素としてのリングギアを挟む形で、第1サンギアと第2サンギアとが並ぶので運転モードを切り替えた場合に第1モータジェネレータのトルクが反転する。このようなトルクの反転が起こるとギアの歯打ち音が発生するなどのドライバビリティの悪化を招くおそれがある。
そこで、本発明は、運転モード切替時にトルクの反転を防止することができるハイブリッド車の駆動装置を提供することを目的とする。
本発明のハイブリッド車の駆動装置は、相互に差動回転し得る5つの回転要素を有し、前記5つの回転要素を共線図上に配列したときに第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素、第5回転要素の順番で並ぶように構成された差動機構と、前記第1回転要素に接続される内燃機関と、前記第5回転要素に接続される出力部材と、前記第2回転要素又は前記第4回転要素に選択的に接続される第1回転電機と、前記第3回転要素又は前記第5回転要素に接続される第2回転電機と、前記差動機構に対する前記第1回転電機及び前記第2回転電機の接続関係を変更することにより運転モードを切り替える切替手段と、を備えることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
この駆動装置によれば、差動機構の5つの回転要素が共線図上に第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素、第5回転要素の順番で並び、その一端に位置する第1回転要素に内燃機関が接続される。そのため、第1回転要素が二つの回転要素に挟まれる形とはならないので、切替手段にて運転モードが切り替えられた場合にトルクが反転することを防止できる。
本発明の一態様において、前記第1回転電機及び前記第2回転電機は、軸線方向に関して互いに隣接した状態で前記差動機構の隣に配置されていてもよい(請求項2)。必要な出力トルクを得るために二つの回転電機の径方向の寸法を差動機構のその寸法よりも大きくせざるを得ない場合がある。この態様によれば、このような場合でも二つの回転電機が隣接した状態で作動機構の隣に配置されるから大径部分が一方に偏るにすぎない。そのため、駆動装置の搭載スペースが車両後方に向かって窄まっているFR車両に対して、二つの回転電機を車両前方へ向けた状態にすることで適切に搭載することができる。
差動機構は各種の機構を利用して構成することができるが、例えば、前記差動機構は、サンギア、リングギア及びキャリアの3つの回転要素を含む2組の遊星歯車機構のそれぞれのキャリアが一体回転するように相互に連結されることにより、前記5つの回転要素が構成されていてもよい(請求項3)。この場合には、2組の遊星歯車機構の各キャリアを相互に連結することにより、一方の遊星歯車機構のサンギア及びリングギア、他方の遊星歯車機構のサンギア及びリングギア、並びに相互に連結されたキャリアが5つの回転要素として構成される。これらの遊星歯車機構はサンギアとリングギアとの間に一つのピニオンが介在するシングルピニオン型の遊星歯車機構でもよいし、サンギアとリングギアとの間に互いに噛み合う二つのピニオンが介在するダブルピニオン型の遊星歯車機構でもよい。
この態様においては、前記差動機構は、一方の遊星歯車機構のサンギアが前記第1回転要素として、他方の遊星歯車機構のサンギアが前記第5回転要素として、一方の遊星歯車機構のリングギアが前記第2回転要素として、他方の遊星歯車機構のリングギアが前記第4の回転要素として、相互に連結されたキャリアが前記第3回転要素として、それぞれ構成されてもよい(請求項4)。
切替手段の構成にも特段の制限はないが、例えば、前記切替手段は、前記第2回転電機と前記第5回転要素との間の動力伝達を断続する第1クラッチと、前記第1回転電機と前記第4回転要素との間の動力伝達を断続する第2クラッチと、前記第2回転電機と前記第3回転要素との間の動力伝達を断続する第3クラッチと、前記第1回転電機と前記第2回転要素との間の動力伝達を断続する第4クラッチとを有し、前記第2回転電機と前記第5回転要素とが前記第1クラッチを介して接続されかつ前記第1回転電機と前記第4回転要素とが前記第2クラッチを介して接続された第1運転モードと、前記第1回転電機と前記第4回転要素とが前記第2クラッチを介して接続されかつ前記第2回転電機と前記第3回転要素とが前記第3クラッチを介して接続された第2運転モードと、前記第2回転電機と前記第3回転要素とが前記第3クラッチを介して接続されかつ前記第1回転電機と前記第2回転要素とが前記第4クラッチを介して接続された第3運転モードとの間で運転モードを切り替えてもよい(請求項5)。これにより、切替手段が各クラッチの断続状態を変更することにより、少なくとも3つの運転モードを選択的に実施できる。なお、これらのクラッチは噛み合い式クラッチや摩擦式クラッチ等の各種のクラッチで実現してよい。
以上説明したように、本発明によれば、差動機構の5つの回転要素が共線図上に第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素、第5回転要素の順番で並び、その一端に位置する第1回転要素に内燃機関が接続されて第1回転要素が二つの回転要素に挟まれる形とはならないので、運転モードの切り替え時にトルクが反転することを防止できる。
図1は本発明の一形態に係る駆動装置が適用された車両の概略を示している。この図に示すように、車両1はいわゆるハイブリッド車両として構成されている。車両1にはその走行のために駆動装置2が設けられている。駆動装置2は、内燃機関3と、第1回転電機としての第1モータ・ジェネレータ4と、第2回転電機としての第2モータ・ジェネレータ5と、車両1の駆動輪10に動力を出力するための出力部材としての出力軸6と、これらの要素が接続される5つの回転要素を有する差動機構7と、その差動機構7に対する第1モータ・ジェネレータ4及び第2モータ・ジェネレータ5の接続関係を変更する切替手段としてのモード切替機構8と、を備えている。
内燃機関3は火花点火型の多気筒内燃機関として構成されている。第1モータ・ジェネレータ4は電動機としての機能と発電機としての機能とを生じるように構成されている。第1モータ・ジェネレータ4には不図示のインバータを介して不図示のバッテリーが電気的に接続されていて、そのインバータを制御することにより第1モータ・ジェネレータ4の出力トルク又は回生トルクを適宜設定するようになっている。第1モータ・ジェネレータ4は互いに同軸のステータ4a及びロータ4bを有し、そのステータ4aはケーシング12に固定されており回転しないようになっている。第2モータ・ジェネレータ5も第1モータ・ジェネレータ4と同様に、互いに同軸のステータ5a及びロータ5bを有しており、そのステータ5aはケーシング12に固定されており回転しないようになっている。出力軸6は左右の駆動輪10の差動回転を許容する差動装置13に接続されている。
差動機構7は、二組のシングルピニオン型の遊星歯車機構21、22が組み合わされることにより構成されている。第1遊星歯車機構21は外歯歯車であるサンギアS1と、そのサンギアS1に対して同軸的に配置された内歯歯車であるリングギアR1と、これらのギアS1、R1に噛み合うピニオン25を自転かつ公転自在に保持するキャリアCrとを有している。一方、第2遊星歯車機構22は外歯歯車であるサンギアS2と、そのサンギアS2に対して同軸的に配置された内歯歯車であるリングギアR2と、これらのギアS2、R2に噛み合いかつ第1遊星歯車機構21のピニオン25と同軸に一体化されたピニオン26を自転かつ公転自在に支持するキャリアCrとを有している。即ち、一体化された二つのピニオン25、26を保持するキャリアCrは第1遊星歯車機構21と第2遊星歯車機構22との間で共用されている。換言すれば、差動機構7は第1遊星歯車機構21及び第2遊星歯車機構22のそれぞれのキャリアCrが一体回転するように相互に連結されている。キャリアCrに保持される一方のピニオン25は他方のピニオン26よりも歯数が少ない。つまりピニオン25はピニオン26よりも基準円直径が小径である。このように一体化された異径のピニオン25、26を含む遊星歯車機構はステップドピニオン型遊星歯車機構と呼ばれることがある。
図2は差動機構7の共線図を示している。周知のように共線図は遊星歯車機構等の差動機構の各回転要素をギア比(速比)に基づく間隔で配列したときに各回転要素の回転速度を直線で表すことができる周知のものである。以下の説明において、図中の「ENG」は内燃機関3を、「MG1」は第1モータ・ジェネレータ4を、「MG2」は第2モータ・ジェネレータ5を、「OUT」は出力軸6をそれぞれ意味する。図2に示すように、差動機構7の5つの回転要素を共線図上に配列したときには、サンギアS1、リングギアR2、キャリアCr、リングギアR1、サンギアS2の順番でこれらの要素が並べられる。図1及び図2を参照すると、内燃機関3はサンギアS1に接続され、出力軸6はサンギアS2に接続される。また、第1モータ・ジェネレータ4はモード切替機構8を介してリングギアR1又はリングギアR2に選択的に接続され、第2モータ・ジェネレータ5はモード切替機構8を介してキャリアCr又はサンギアS2に選択的に接続される。従って、サンギアS1は本発明に係る第1回転要素に、リングギアR2は本発明に係る第2回転要素に、キャリアCrは本発明に係る第3回転要素に、リングギアR1は本発明に係る第4回転要素に、サンギアS2は本発明に係る第5回転要素にそれぞれ相当する。
モード切替機構8は4つのクラッチC1〜C4を有している。各クラッチC1〜C4は摩擦式クラッチとして構成されている。これらのクラッチC1〜C4にはそれぞれ独立して操作できるように不図示の油圧アクチュエータが一つずつ設けられている。また、モード切替機構8には、各アクチュエータへの油圧の供給を制御する制御装置が設けられているが図示を省略した。なお、各クラッチC1〜C4の形式は任意であり、例えばこれらを噛み合い式のクラッチとして構成することも可能である。
第1クラッチC1は、第2モータ・ジェネレータ5とサンギアS2との間の動力伝達を断続する。即ち、第1クラッチC1は第2モータ・ジェネレータ5とサンギアS2とを接続する係合状態とその接続を解放する解放状態との間で動作する。第2クラッチC2は、第1モータ・ジェネレータ4とリングギアR1との間の動力伝達を断続する。即ち、第2クラッチC2は第1モータ・ジェネレータ4とリングギアR1とを接続する係合状態とその接続を解放する解放状態との間で動作する。第3クラッチC3は、第2モータ・ジェネレータ5とキャリアCrとの間の動力伝達を断続する。即ち、第3クラッチC3は第2モータ・ジェネレータ5とキャリアCrとを接続する係合状態とその接続を解放する解放状態との間で動作する。第4クラッチC4は、第1モータ・ジェネレータ4とリングギアR2との間の動力伝達を断続する。即ち、第4クラッチC4は第1モータ・ジェネレータ4とリングギアR2とを接続する係合状態とその接続を解放する解放状態との間で動作する。
次に、図3〜図8を参照しながらモード切替機構8が実施する運転モードの切り替えについて説明する。駆動装置2はモード切替機構8の各クラッチC1〜C4の作動状態の組み合わせを所定のパターンとすることにより、ローギアードなLowモード、ハイギアードなHighモード、及びこれらの中間のMidモードを選択的に実行する。Lowモードは本発明に係る第1運転モードに、Highモードは本発明に係る第3運転モードに、Midモードは本発明に係る第2運転モードに、それぞれ相当する。
図3は、各運転モードと各クラッチC1〜C4の作動状態とが対応付けられた係合表を示している。この図において、○印は係合状態を、−印は解放状態を、△印は係合状態から解放状態へ又は解放状態から係合状態へ変化する際の過渡状態を、それぞれ示している。図示するように、Lowモードにおいては第1クラッチC1と第2クラッチC2とがそれぞれ係合状態に保持され、かつ残りのクラッチC3、C4がそれぞれ解放状態に保持されている。Midモードにおいては第2クラッチC2と第3クラッチC3とがそれぞれ係合状態に保持され、かつ残りのクラッチC1、C4がそれぞれ解放状態に保持されている。Highモードにおいては第3クラッチC3と第4クラッチC4とがそれぞれ係合状態に保持され、かつ残りのクラッチC1、C2がそれぞれ解放状態に保持されている。これらのモード間の切り替え時には、モードの切り替え後にクラッチにて接続される要素間の同期制御が行われる(Low−Mid同期モード、Mid−High同期モード)。
図4〜図8は、各モードにおける共線図を示している。これらの図における実線の矢印線は回転要素に働くトルクを示している。以下、これらの図を順番に参照しながら各モードの内容及びそれらのモードの切り替わりを説明する。
図4に示すように、Lowモードでは、第1クラッチC1と第2クラッチC2とがそれぞれ係合状態に保持され、かつ残りのクラッチC3、C4がそれぞれ解放状態に保持されているため、二つのサンギアS1、S2に働くトルクに対抗する形で、第1モータ・ジェネレータ4のトルクがリングギアR1に、第2モータ・ジェネレータ5のトルクが出力軸6にそれぞれ作用する。
図5に示すように、LowモードからMidモードへ切り替える場合には、第2クラッチC2を係合状態に保持した状態で、第1クラッチC1を係合状態から解放状態へ変更する。これにより、第2モータ・ジェネレータ5をフリーにする。第2モータ・ジェネレータ5をフリーにし、かつリングギアR1に作用するトルクの符号を維持した状態で第1モータ・ジェネレータ4のトルク制御を行うことにより、第3クラッチC3にて接続予定の第2モータ・ジェネレータ5とキャリアCrとの回転速度を同期させる。その同期の完了後、第3クラッチC3を解放状態から係合状態へ変更する。これにより、第2モータ・ジェネレータ5の接続対象がサンギアS2からキャリアCrに移行して運転モードが図6に示すMidモードへ切り替わる。
図6に示すように、Midモードでは、第2クラッチC2と第3クラッチC3とがそれぞれ係合状態に保持され、かつ残りのクラッチC1、C4がそれぞれ解放状態に保持されているため、二つのサンギアS1、S2に働くトルクに対抗する形で、第1モータ・ジェネレータ4のトルクがリングギアR1に、第2モータ・ジェネレータ5のトルクがキャリアCrにそれぞれ作用する。
図7に示すように、MidモードからHighモードへ切り替える場合には、第3クラッチC3を係合状態に保持した状態で、第2クラッチC2を係合状態から解放状態へ変更する。これにより、第1モータ・ジェネレータ4をフリーにする。第1モータ・ジェネレータ4をフリーにし、かつリングギアR1に作用するトルクの符号を維持した状態で第1モータ・ジェネレータ4のトルク制御を行うことにより、第4クラッチC4にて接続予定の第1モータ・ジェネレータ4とリングギアR2との回転速度を同期させる。その同期の完了後、第4クラッチC4を解放状態から係合状態へ変更する。これにより、第1モータ・ジェネレータ4の接続対象がリングギアR1からリングギアR2に移行して運転モードが図8に示すHighモードへ切り替わる。
図8に示すように、Highモードでは、第3クラッチC3と第4クラッチC4とがそれぞれ係合状態に保持され、かつ残りのクラッチC1、C2がそれぞれ解放状態に保持されているため、二つのサンギアS1、S2に働くトルクに対抗する形で、第1モータ・ジェネレータ4のトルクがリングギアR2に、第2モータ・ジェネレータ5のトルクがキャリアCrにそれぞれ作用する。
このようにして、各運転モードが切り替わるため、図4〜図8を参照すれば明らかなように運転モードの切替時にトルクの反転が起こらない。また、上記とは逆に、HighモードからMidモードへ、又はMidモードからLowモードへ運転モードを切り替える場合も、クラッチの操作手順が上記と反対になるだけであるから、運転モードの切替時にトルクの反転は起こらない。
図9は、各運転モードの伝達効率をトータルギア比に関して示した図である。この図においては本形態との比較のため運転モードが固定された比較例の伝達効率を二点鎖線で示す。図示するように、各運転モードの伝達効率はトータルギア比に関して変化し、運転モード毎に変化の傾向は相違する。例えば、3つの領域A〜Cに分けた場合、領域AではLowモードの伝達効率が最も高く、領域BではMidモードの伝達効率が最も高く、領域CではHighモードの伝達効率が最も高い。従って、各領域の境界P1、P2を運転モードの切替点とし、領域AではLowモードを、領域BではMidモードを、領域CではHighモードをそれぞれ選択することにより、伝達効率の低下を広範囲で抑制することができる。更に、全体的な伝達効率は運転モードが固定された比較例と比べてより高く維持することができる。
次に、駆動装置2の配置について説明する。図1に示すように、車両1のようなFR車両の場合、駆動装置2の搭載スペースは車両後方に向かって窄まっている。駆動装置2は第1モータ・ジェネレータ4と第2モータ・ジェネレータ5とが軸線方向に関して互いに隣接した状態で差動機構7の隣に配置され、かつ各モータ・ジェネレータ4、5が車両前方(図1の左方)に向けられている。従って、各モータ・ジェネレータ4、5の外径が増大した場合でも、大径部分が前方のみに偏るにすぎないので、車両の搭載スペースを有効に活用でき、駆動装置2を車両1に適切に搭載することができる。
また、一般にモータ・ジェネレータのトルクは、ロータ及びステータの外径をD、ロータ及びステータの軸線方向の寸法である積厚をLとした場合、D2×LあるいはD3×Lで表すことができる。従って、モータ・ジェネレータのトルクを高めるためには積厚Lを増やすよりも外径Dを増大させる方が有利である。駆動装置2は外径を増大させることに余裕があるので、軸線方向の寸法増大を抑えつつモータ・ジェネレータを高トルクにすることが容易である。よって、車両に対する搭載成立性の向上を図ることができる。
本発明は以上の形態に限定されず、上述した差動機構は一例にすぎず、これらを機構学上等価な別形態に変更することも可能である。また差動機構を複数組の遊星歯車機構の組み合わせにより実現することは一例にすぎない。例えば、上述した各形態の遊星歯車機構の全部又は一部を、歯車ではない摩擦車(ローラ)を回転要素として持つ遊星ローラ機構に置き換えて実施することも可能である。
1 車両
2 駆動装置
3 内燃機関
4 第1モータ・ジェネレータ(第1回転電機)
5 第2モータ・ジェネレータ(第2回転電機)
6 出力軸(出力部材)
7 差動機構
8 モード切替機構(切替手段)
21、22 遊星歯車機構
S1、S2 サンギア
R1、R2 リングギア
Cr キャリア
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ
C3 第3クラッチ
C4 第4クラッチ
2 駆動装置
3 内燃機関
4 第1モータ・ジェネレータ(第1回転電機)
5 第2モータ・ジェネレータ(第2回転電機)
6 出力軸(出力部材)
7 差動機構
8 モード切替機構(切替手段)
21、22 遊星歯車機構
S1、S2 サンギア
R1、R2 リングギア
Cr キャリア
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ
C3 第3クラッチ
C4 第4クラッチ
Claims (5)
- 相互に差動回転し得る5つの回転要素を有し、前記5つの回転要素を共線図上に配列したときに第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素、第5回転要素の順番で並ぶように構成された差動機構と、前記第1回転要素に接続される内燃機関と、前記第5回転要素に接続される出力部材と、前記第2回転要素又は前記第4回転要素に選択的に接続される第1回転電機と、前記第3回転要素又は前記第5回転要素に接続される第2回転電機と、前記差動機構に対する前記第1回転電機及び前記第2回転電機の接続関係を変更することにより運転モードを切り替える切替手段と、を備えることを特徴とするハイブリッド車の駆動装置。
- 前記第1回転電機及び前記第2回転電機は、軸線方向に関して互いに隣接した状態で前記差動機構の隣に配置されている請求項1に記載の駆動装置。
- 前記差動機構は、サンギア、リングギア及びキャリアの3つの回転要素を含む2組の遊星歯車機構のそれぞれのキャリアが一体回転するように相互に連結されることにより、前記5つの回転要素が構成されている請求項1又は2に記載の駆動装置。
- 前記差動機構は、一方の遊星歯車機構のサンギアが前記第1回転要素として、他方の遊星歯車機構のサンギアが前記第5回転要素として、一方の遊星歯車機構のリングギアが前記第2回転要素として、他方の遊星歯車機構のリングギアが前記第4の回転要素として、相互に連結されたキャリアが前記第3回転要素として、それぞれ構成されている請求項3に記載の駆動装置。
- 前記切替手段は、前記第2回転電機と前記第5回転要素との間の動力伝達を断続する第1クラッチと、前記第1回転電機と前記第4回転要素との間の動力伝達を断続する第2クラッチと、前記第2回転電機と前記第3回転要素との間の動力伝達を断続する第3クラッチと、前記第1回転電機と前記第2回転要素との間の動力伝達を断続する第4クラッチとを有し、前記第2回転電機と前記第5回転要素とが前記第1クラッチを介して接続されかつ前記第1回転電機と前記第4回転要素とが前記第2クラッチを介して接続された第1運転モードと、前記第1回転電機と前記第4回転要素とが前記第2クラッチを介して接続されかつ前記第2回転電機と前記第3回転要素とが前記第3クラッチを介して接続された第2運転モードと、前記第2回転電機と前記第3回転要素とが前記第3クラッチを介して接続されかつ前記第1回転電機と前記第2回転要素とが前記第4クラッチを介して接続された第3運転モードとの間で運転モードを切り替える請求項1〜4のいずれか一項に記載の駆動装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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---|---|---|---|
JP2008033619A Pending JP2009190575A (ja) | 2008-02-14 | 2008-02-14 | ハイブリッド車の駆動装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2009190575A (ja) |
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