JP2007174032A - 撮像装置 - Google Patents

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晃三 石田
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Abstract

【課題】有効画素領域の画素からの輝度信号値が飽和している場合でも過補正による垂直方向の黒筋を発生させないでスミアを低減させる撮像装置を提供する。
【解決手段】固体撮像素子の信号処理部で、黒基準となる画素の輝度信号値及びスミアが発生した画素の輝度信号値を検出する黒基準検出部14と、有効画素領域の各画素の輝度信号値を検出する輝度信号検出部15と、検出される画素に対して水平方向に連続して所定数の画素を選択してその平均値の輝度信号値を検出する直交領域平均値検出部18と、黒基準検出部14、輝度信号検出部15、及び直交領域平均値検出部18で検出された輝度信号値からスミアが発生した画素の輝度信号値に対応する補正値を生成する補正値生成部16と、補正値生成部16で生成された補正値からスミアが発生した画素の輝度信号値を補正する補正部17とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は固体撮像素子を用いる撮像装置に関し、特に、スミアと称されるような垂直方向又は水平方向のような撮像素子における縦横の一方向に相関が高く発生するノイズ成分を除去する機能を有する撮像装置に関する。
例えば、CCD(Charge Coupled Device)撮像素子は、受光した光の強度に対応する電荷を出力する複数の光電変換素子が画素として複数行及び複数列のマトリクス状に配置される光電変換部と、各光電変換素子から出力された電荷を垂直方向に転送する垂直転送部(以下、垂直転送路、VCCDとも記載する)と、垂直転送部から出力された電荷を水平方向に転送する水平転送部(以下、水平転送路、HCCDとも記載する)を備えて構成されている。又、一般的に、光電変換部における撮像に用いられる有効画素領域の上下の外周辺縁領域の少なくとも何れか一方には、その辺縁領域の数行の各光電変換素子に入力される外光を遮光することで黒基準となる輝度信号値を出力する遮光領域が形成されている。
CCD撮像素子では、撮像条件によっては、垂直(VCCD)方向、或いは、水平(HCCD)方向に相関の高いノイズ成分が発生する場合がある。VCCD方向或いはHCCD方向のような一方向に相関の高いノイズの一例として、例えばスミアと称される垂直(縦)方向に発生するノイズ成分が知られている。
以下に、スミアの発生原理について簡単に説明する。CCD撮像素子で、例えば太陽光や強力な照明光等の強い光(=非常に明るい光)を撮像する場合、撮像素子上のその強い光の領域の光電変換素子(以下、フォトダイオード、PDとも記載する)は、撮像信号に必要となる電荷を発生させるだけにとどまらず、余分に多くの電荷を発生させる。その余分に発生された多くの電荷は、高レベルのノイズ信号となって、CCD撮像素子の光電変換部におけるVCCD方向に形成されている弱い光を受光している領域(=暗い領域)の光電変換素子に漏れ出す。そして、その暗い領域の光電変換素子では、元々の低レベルの撮像信号に対して、漏れ出した高レベルのノイズ信号が重畳されることになる。このようにしてVCCD方向の暗い領域の光電変換素子にスミアが発生する。
このCCD撮像素子に発生したスミアは、撮像画像の視感上の品位を著しく低下させるという問題がある。又、例えば、個人認証のために生体の指紋パターンや静脈パターン等の身体固有のデータを認識するバイオメトリクスに用いる撮像装置においてスミアが発生した場合には、認識に必要となる特徴点がその高レベルのノイズ成分に埋もれてしまい、その特徴点の認識率を低下させる場合がある。
また、スミア以外の一方向に相関の高いノイズとしては、例えばHCCDを複数備える撮像素子におけるHCCD感度のばらつきに起因するノイズが知られている。複数のHCCDを備えるCCD撮像素子は、例えば高画素で、高速にフレーム転送を実現するために使用される。しかし、複数のHCCDを備える場合には、電荷出力部の増幅特性がばらつくことから、各HCCD間の輝度信号値に差値(変化量)が発生して視感上の品位を低下させる場合があり、特に撮像画面の暗部では顕著に視感上の品位が低下するという問題がある。
従来の撮像装置では、上記したようなCCD撮像素子における一方向に相関の高いノイズを除去するために、様々な方法が提案されている。例えば、遮光領域から出力された黒基準となる画素の輝度信号値とノイズが発生した画素の輝度信号値との差値を演算して、有効画素領域から出力されたノイズが発生した画素とその輝度信号値を検出し、その有効画素領域のノイズ発生画素の輝度信号値から遮光領域から得られた差値を一律に減算する信号処理部を設ける方法が知られている。
より具体的には、固体撮像素子における黒基準画素領域のさらに上下の外周側にノイズ成分のみが発生される複数ラインのダミー領域を設けると共に、信号処理部にダミー領域の各画素からの信号をダミー信号として記憶するラインメモリと、複数ラインのダミー信号を加算平均して加算平均した1ラインのダミー信号(=補正信号)を生成する加算器と、固体撮像素子における有効画素領域の1ライン各画素の出力信号値から加算平均した1ラインのダミー信号(=補正信号)値を減算する減算器とを設けることで、有効画素領域の1ライン各画素の出力信号値からノイズ(スミア)の値を除去するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、黒基準となる画素の輝度信号値自体を補正する方法も知られている。具体的には、固体撮像素子における有効画素領域の上下の外周側に水平黒基準画素領域を設けると共に左右の外周側にも垂直黒基準画素領域を設けると共に、信号処理部では、水平黒基準画素領域の各画素の出力の積算値から平均値を求め、その平均値がノイズ(スミア)が発生したと判断できる所定値を超えた場合に、黒基準となる画素の輝度信号値を、水平黒基準画素領域の出力から垂直黒基準画素領域の出力に切り替える。このようにして、スミアが発生した場合の黒基準の輝度信号値が異常に増加する事態を避けることができる(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−050165号公報 (第9−12頁、第1図) 特開2000−138869号公報 (第2−8頁、第2図)
しかしながら、特許文献1の場合には、加算平均した1ラインのダミー信号中にはスミアが発生していない画素の出力に垂直方向のランダムノイズ成分が重畳されている影響がある。そのため、固体撮像素子における有効画素領域の1ライン各画素の出力信号値から加算平均した1ラインのダミー信号値を減算すると、スミアの発生する画素の位置についてはスミアの影響を低減させることができるものの、スミアが発生していない画素の位置では、ダミー領域のランダムノイズ成分の影響による垂直方向のノイズが発生してしまうという問題があった。
また、有効画素領域は、上記した数行の黒基準画素領域(又はダミー領域)と比較して数百行や数千行と画素のライン数が非常に多くなっており、有効画素領域の上下方向で輝度信号値のレベルが大きく相違する。例えば、有効画素領域の上の方に太陽や高照度の照明装置が有って、下の方に暗い色の植物等が有る場合には、上の太陽の近辺の輝度信号値のレベルは非常に高くなり光電変換素子の出力の飽和点に達するか、飽和点の近傍になり、下の植物の近辺の輝度信号値のレベルは比較的低くなる。それに対して黒基準画素領域又はダミー領域からは1種類のダミー信号(=補正信号)が生成される。従って、有効画素領域のスミアが発生した画素で、その上下方向の全ての画素において輝度信号値のレベルが線形に変化する場合に限っては、上記したダミー領域からの1種類のダミー信号により補正が可能になると考えられる。
しかし、実際には、例えば、太陽や高照度の照明装置を撮像する画素の輝度信号値の出力は線形に増加する前に飽和(サチレーション)している場合が多い。これから、暗い色の植物等を撮像する画素の輝度信号値の増加量に対して、太陽や高照度の照明装置を撮像する画素の輝度信号値の増加量は少なくなる。従って、有効画素領域においてスミアが発生した縦列の各画素の輝度信号値を、上記した1種類のダミー信号により補正すると、太陽や高照度の照明装置等の画素の飽和した輝度信号値については過補正してしまうことになり、本来輝度が高い(明るい)垂直方向に並ぶ各画素が、黒筋状に暗くなる現象が発生するという問題があった。
本発明は上述したような課題を解決するためになされたもので、一方向に相関の高いノイズ以外のランダムノイズ等の影響による垂直方向のノイズの発生を抑制し、有効画素領域の画素からの輝度信号値が飽和している場合でも過補正による垂直方向の黒筋を発生させないで、一方向に相関の高いノイズを低減させる撮像装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明の撮像装置は、
受光した光の強度に対応する電荷を出力する複数の光電変換素子が画素として複数行及び複数列のマトリクス状に配置される光電変換部、
各光電変換素子から出力された電荷を垂直方向に転送する垂直転送部、
及び垂直転送部から出力された電荷を水平方向に転送する水平転送部が設けられ、
前記光電変換部における撮像に用いられる有効画素領域の上下左右の外周辺縁領域の少なくとも何れかには、該辺縁領域の複数行の各光電変換素子に入力される外光を遮光することで黒基準となる輝度信号値を出力する遮光領域が形成された固体撮像素子と、
前記有効画素領域内の一方向に相関の高いノイズが発生した画素の輝度信号値から、前記遮光領域の出力から検出された前記黒基準となる画素の輝度信号値と一方向に相関の高いノイズが発生した画素の輝度信号値との差を減算する機能を少なくとも有する信号処理部とを備えた撮像装置であって、
前記信号処理部は、
前記遮光領域の各画素の輝度信号から、少なくとも黒基準となる画素の輝度信号値及び一方向に相関の高いノイズが発生した画素の輝度信号値を検出する黒基準検出部と、
前記有効画素領域の各画素の輝度信号値を検出する輝度信号検出部と、
該輝度信号検出部で輝度信号値が検出される画素に対し、前記一方向に相関の高いノイズが発生した画素が並ぶ垂直方向と直交する水平方向に連続して所定数の画素を選択してその各画素の平均値の輝度信号値を検出する直交領域平均値検出部と、
前記黒基準検出部、前記輝度信号検出部、及び前記直交領域平均値検出部で検出された輝度信号値が入力され、前記有効画素領域の一方向に相関の高いノイズが発生した画素の輝度信号値に対応する補正値を生成する補正値生成部と、
前記補正値生成部で生成された補正値が入力されて、前記有効画素領域の一方向に相関の高いノイズが発生した画素の輝度信号値を補正する補正部とを備える。
本発明によれば、一方向に相関の高いノイズ以外のランダムノイズ等の影響による垂直方向のノイズの発生を抑制し、有効画素領域の画素からの輝度信号値が飽和している場合でも過補正による垂直方向の黒沈みを発生させないで、一方向に相関の高いノイズを低減させることができる。
実施の形態1.
本実施の形態1では、固体撮像素子の有効画素領域内に発生する一方向に相関の高いノイズが、垂直(縦)方向に連続する各画素に発生するスミアの場合について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1の撮像装置の基本的な構成を示すブロック図である。
レンズ1は、被写体から出射された光を被写体の位置にかかわらず固体撮像素子2で撮像できるように光学的に集光(合焦)させる焦点調整機能機能を有している。尚、本実施の形態のレンズ1は、例えば自動で焦点調整機能を実施する構成として以下の説明を続けるが、撮像装置の用途に応じて、複数の固定焦点を手動で切換える構成、又は、パンフォーカスにより調整を不要とした構成等を用いてもよい。さらに、複数枚のレンズを組み合わせてレンズ間距離を調整することで広角側から望遠側にかけて画角を連続的に変更するズーム機能を供えていてもよい。
固体撮像素子2は、その表面に複数のフォトダイオード等の光電変換素子が各々画素として2次元的に配置され、各画素毎にレンズ1により合焦された光(被写体からの入射光)が受光される。そして、受光された光が、その光の強度に対応して電荷(以下、撮像電荷、電気信号とも記載する)に光電変換される。その光電変換された電気信号の出力は、タイミング制御部6から入力される固体撮像素子駆動パルスPAにより所定の駆動方法で読み出され、撮像信号出力SAとして出力される。
アナログ信号処理部3は、入力された撮像信号出力SAに対して、タイミング制御部6からのサンプルホールドパルスPB及び制御部7からのアナログ信号処理制御信号CCを用いて相関二重サンプリング(CDS)処理を実施すると共に、増幅利得を自動的に制御する自動信号増幅(AGC)処理を実施し、アナログの増幅信号出力SBとして出力する。
A/D変換部4は、入力されたアナログの増幅信号出力SBに対して、タイミング制御部6からのA/DクロックPCを用いてデジタル信号に変換し、デジタル信号出力SCとして出力する。A/D変換部4の分解能としては、一般的な表示機器用では8ビットの分解能を有していればよい。しかし、例えば後段の信号処理による色分解能を改善する目的がある場合、階調特性を改善する目的がある場合、微少なコントラストまで検出する目的が有る場合、ダイナミックレンジを拡大する目的が有る場合等の種々の目的に応じて多ビット化される場合が増加して一般的になっており、10ビットや14ビット等の分解能としてもよい。尚、本実施の形態ではデジタル信号出力SCの最大値をA/D変換出力maxと記載する。A/D変換出力maxは、A/D変換部4が8ビットの分解能を有する場合は255であり、A/D変換部4が10ビットの分解能を有する場合は1023となる。本実施の形態では、A/D変換部4が8ビットの分解能を有する場合について説明する。
デジタル信号処理部5は、例えばスミア等のように表示画面縦方向又は横方向のうちの一方向に相関の高いノイズを補正する処理手段(図3を用いて後述)、階調を変換する処理手段、各画素間の値を補間する処理手段、フィルタ処理手段を有する。さらに、後段の表示装置(表示デバイス)で表示できるよう又は表示回路で処理しやすいように、例えばRGB信号から色差値(変化量)信号(YCbCr)に変換する処理手段、ホワイトバランスを補正する処理手段、デジタル的に増幅する処理手段、γ(ガンマ)補正する処理手段、色補間処理手段及び輪郭強調補正部等の映像信号を加工する処理手段を有する。入力されたデジタル信号出力SCに対して、ノイズ補正処理を含む上記各種処理を施し、デジタル映像信号出力SEとして出力する。
デジタル信号処理部5から出力されたデジタル映像信号出力SEは、図示されないLCDなどの表示装置に入力されて映像を表示させる。又、デジタル信号処理部5から制御部7へは統計処理信号SFが出力される。統計処理信号SFとは、例えば一枚の撮像画像を水平および垂直方向へ複数ブロックに分割して各ブロック毎のデジタル信号出力SCを積算した結果、1フレーム内のデジタル信号出力SCにおける最大値又は最小値、デジタル映像信号出力SEに対して例えばヒストグラム等の統計的な処理を実施した結果の信号である。
タイミング制御部6は、上記した固体撮像素子2の駆動タイミングを制御するための垂直転送パルス、水平転送パルス、電子シャッタパルス、及びリセットパルス等を含む固体撮像素子駆動パルスPAと、アナログ信号処理部3で撮像信号出力SAの信号と黒基準信号をサンプルホールドするタイミングを制御するためのサンプルホールドパルスPBと、A/D変換部4のタイミングを制御するためのA/DクロックPCを生成して各処理手段に供給する。
制御部7は、例えば汎用バスを通信媒体として用いたシリアル通信により、デジタル信号処理部5から入力する統計処理信号SFが入力され、その統計処理信号SFに応じて、タイミング制御部6を制御するためのタイミング制御信号CAと、アナログ信号処理部3を制御するためのアナログ信号処理制御信号CCと、デジタル信号処理部5を制御するためのデジタル信号処理制御信号CBを生成して各手段に出力する。
タイミング制御信号CAは、タイミング制御部6で生成する上記各パルスの位相や出力のタイミングを制御するための信号であり、例えば固体撮像素子駆動パルスPAの場合には、全画素撮像モード又はモニター撮像モード等の固体撮像素子2の駆動モードを切り替える場合の各パルスの制御や、露出を制御するためのシャッタースピードに関係する電荷吐き出しパルスのタイミングを制御することができる。
デジタル信号処理制御信号CBは、例えばA/D変換部4から出力されたデジタル信号出力SCに対してデジタル信号処理部5で実施されるホワイトバランスを補正する処理や、デジタル的に増幅する処理の利得を制御することができる信号である。アナログ信号処理制御信号CCは、例えば固体撮像素子2から出力された撮像信号出力SAに対してアナログ信号処理部3で実施される自動信号増幅処理の増幅量(増幅信号出力SB)をシャッタースピードと同期させて制御することができるので、露出を制御することができる信号である。
図2は、図1の固体撮像素子2の概略構成を示す図である。
フォトダイオード8(PD)は、固体撮像素子2の表面に複数個が2次元的に配置され、レンズ1で合焦された被写体からの入射光を受光する素子である。また、その受光した光の強さに対応したレベルの輝度信号値を示す電気信号(撮像電荷)に光電変換して出力する。フォトダイオード8で変換された撮像電荷は、不図示のトランスファーゲート部からトランスファーゲートパルスによって読み出されて後述する垂直電荷転送部9に出力される。
垂直電荷転送部9は、フォトダイオード8から入力された撮像電荷を、垂直電荷転送パルスφV1からφV4の駆動波形により、撮像素子の垂直(V)方向(図2に示した下向の矢印方向)に転送する。水平電荷転送部10は、垂直電荷転送部9から入力された撮像電荷を、水平電荷転送パルスφH1からφH2の駆動波形により、撮像素子の水平(H)方向(図2に示した左向の矢印方向)に転送する。撮像信号出力部11は、水平電荷転送部10から入力された撮像電荷を撮像信号出力SAとして出力させる。有効画素領域12は、固体撮像素子2において、被写体からの入射光を受光して光電変換し撮像電荷を出力させる画素が配置される領域である。
黒基準画素領域13(下端領域13a、上端領域13b、左端領域13c、右端領域13d)は、遮光領域とも記載され、固体撮像素子2において、光学的な黒基準信号の基準を得るために、有効画素領域12の上下左右の外周端部をレンズ1からの光が遮光された状態にした画素が配置される領域である。黒基準画素は、一般的にオプティカルブラックと称される。黒基準画素を遮光する手段としては、黒基準画素の領域を遮光できればよく、例えば固体撮像素子2の画素又はレンズ1の前にアルミ等の材料で遮光効果が得られるように形成したメカニカルシャッター又は遮光物を配置すればよい。
固体撮像素子2は、タイミング制御部6より2層の水平CCDを駆動するための水平転送パルス(φH1、φH2)と、4層の垂直CCDを駆動するための垂直転送パルス(φV1、φV2、φV3、φV4)と、画素電荷をリセットするためのリセットゲートパルス(φRG)、CCDの基板電位から蓄積した画素電荷を排出する機能で電子シャッタを実現するための電子シャッタ制御パルス(φSUB)を所定の手順にしたがって駆動することで、蓄積手段に蓄積された電荷を撮像信号出力SAとして読み出すことができる。
固体撮像素子2としては、黒基準信号を検出することができる黒基準画素を有して電荷を転送する型式であれば上記した他の転送型式を用いたものでもよく、例えばフレームトランスファー型、フレームインターライントランスファー型、又はインターライントランスファー型の撮像素子を用いてもよい。
また、固体撮像素子2としては、例えば色フィルタが配置されないモノクロの固体撮像素子、原色や補色型の色フィルタを配置したカラーの固体撮像素子、さらにライン型の固体撮像素子を用いてもよい。さらに、固体撮像素子2の駆動方法は、前出の2層の水平CCDを駆動するための水平転送パルスと4層の垂直CCDを駆動するための垂直転送パルスを用いる構成のみに限らず、例えば、3層の垂直CCDを駆動するための垂直転送パルスを用いる固体撮像素子2を用いてもよい。
図3は、図1のデジタル信号処理部5内に設けられるノイズ補正部の概略構成を示すブロック図である。
図3に示したノイズ補正部は、固体撮像素子2の有効画素領域12内の各画素に発生するスミア等の一方向に相関の高いノイズを補正(除去)するために以下の構成を備える。
黒基準検出部14は、AD変換部4から出力されるデジタル信号出力SCから、黒基準信号を生成するために固体撮像素子2内に設けられた黒基準画素領域13の輝度信号出力から黒の基準信号レベルを検出すると共に、その黒基準画素領域13における隣接する各画素間の輝度信号値の差値(変化量)とその画素の位置情報を検出する。特に、輝度信号値の変化量が所定値を超えて変化した画素の水平方向の位置を検出する。ここで、所定値は、例えば、黒基準画素の信号が熱雑音によりランダムで変化することで分散σを持つが、このσを超えた値に設定する。このように所定値を設定することにより、スミアのような一方向に相関の高いノイズの信号を検出することができる。この機能により、黒基準画素領域13の通常の画素の黒基準信号レベルと、その画素に隣接してスミアが発生した画素の信号レベルとの差値(変化量)を検出することができる。
黒基準検出部14は、黒基準画素領域13内の隣接する各画素間の輝度信号値の差値(変化量)が所定値以下の場合は、それまでの各隣接する画素の信号の平均値を出力し、隣接する画素間の輝度信号値の差値(変化量)が所定値を超える場合は、変化後の各隣接する画素の信号の平均値を隣接する画素の輝度信号値の変化量の検出結果として出力する。例えば、一方向に相関の高いノイズがスミアの場合には、黒基準画素領域13の中でも下端領域13a及び上端領域13bの出力から黒の基準信号レベルが検出され、水平(H)方向に隣接する各画素間の輝度信号値の変化量とその画素の位置情報が検出される。
この通常の画素の黒基準信号レベルとスミアが発生した画素の信号レベルとの差値は、第一の補正値として、有効画素領域内のスミアが発生した画素の輝度信号値で、その値が飽和(サチレーション)していない線形変化領域であるものを補正するために用いられる。又、黒基準検出部14は、隣接する画素間の輝度信号値の差値(変化量)を検出する処理手段として、例えば非線形フィルタを用いて構成してもよい。その隣接する画素を選択する際には、隣接する前の画素の輝度信号値との差値がスミアが発生したと判断される所定値以下の場合には、差値が所定値以下と検出された画素までの隣接する各画素から選択し、隣接する前の画素の輝度信号値との差値がスミアが発生したと判断される所定値を超える場合は、差値が所定値を超えると検出された画素から後の隣接する各画素から選択する。このように隣接する画素のうちで差値が所定値未満のもののみを選択することにより、有効領域の垂直(縦)方向にスミアが発生して黒基準画素領域まで及ぶ場合に、黒基準画素領域の水平(横)方向の各画素の輝度信号値の平均値から黒クランプ(黒基準)信号SCclp及びスミア量の値△Sm1(n)を得ることができる。
輝度信号検出部15は、固体撮像素子2の有効画素領域12内の各画素ごとに、その各画素から出力される撮像信号出力SAに比例する補正前の輝度信号のレベルをデジタル値で示すデジタル信号出力SCを検出する。
補正値生成部16は、輝度信号検出部15の検出結果出力と、黒基準検出部14の検出結果出力と、直交領域平均値検出部18の検出結果出力に基づいて、一方向に相関性の高いノイズの補正値を生成する。その際に、補正値生成部16は、輝度信号検出部15の出力と黒基準検出部14の出力に応じて、黒基準検出部14の出力用いた第一の補正値と、輝度信号検出部15の飽和した信号値から直交領域平均値検出部18の出力を減算した値を用いた第二の補正値を選択的に切替える。尚、第二の補正値については、図4〜図23を用いて後に詳述する。
補正値生成部16が第一の補正値と第二の補正値を切替える場合は、まず、黒基準検出部14の隣接する画素間の輝度信号値の変化量の出力がスミアの発生を示す所定値を超え、輝度信号検出部15の出力が、例えば8ビットの分解能の場合の255に達していない状態、つまり、飽和していない状態では、第一の補正値を出力する。それに対して、黒基準検出部14の隣接する画素間の輝度信号値の変化量出力が所定値を超え、輝度信号検出部15の出力が飽和した状態では、第二の補正値を出力する。
又、本実施の形態の補正値生成部16は、第一の補正値と第二の補正値に基づいて線形演算を実施して第三の補正値を算出する処理手段を有しており、輝度信号検出部15の補正前の輝度信号レベルと、黒基準検出部14の隣接する画素間の輝度信号値の変化量の出力に応じて、第一の補正値と第二の補正値と第三の補正値を選択的に出力する。尚、この第三の補正値については図17を用いて後述する。
補正部17は、固体撮像素子2から出力される撮像信号出力SAに比例したデジタル信号出力SCに対して、補正値生成部16で生成された補正値を減算することで補正したデジタル信号出力SDを出力する。
直交領域平均値検出部18は、固体撮像素子2の有効画素領域における、相関性が高いノイズが発生する一方向に並ぶ各画素に対して、その各画素と直交する方向に一ラインの領域中で例えば2又は4等の隣接する数画素を選択し、選択した数画素分の輝度信号を平均化処理し、その結果を平均値として検出して補正値生成部16に出力する。
ここで、第二の補正値について説明する前に、まず、固体撮像素子2の撮像画像にスミアが発生する場合の、有効画素領域12の縦方向と横方向に1ラインの領域における輝度信号の出力の変化について説明する。
図4は、左側にスミアが発生した場合との比較のためにスミアが発生しない場合の撮像画面の一例を示し、右側にはその撮像画面中でスミアが発生する可能性はある(が発生していない)水平(横)位置Phで垂直(縦)方向の線VLp上に並ぶ各画素についてのAD変換部4からのデジタル信号出力SCのレベルを示す図である。図5は、図4の右側のデジタル信号出力SCのレベルを示す図を見やすくするために反時計回りに90度回転させて縦方向画素位置を横軸にとって示す図である。
図4の撮像画面中には、強い光(=非常に明るい光)を出力する太陽、比較的暗い反射光を出力する樹木、及び比較的暗い反射光を出力する人物が撮像されている。図4の場合には、撮像素子上の太陽付近の強い光の垂直方向画素領域(A領域)の光電変換素子では、出力される電荷が多く撮像した輝度信号値も高くなり飽和領域であるが、溢れて他の弱い光を受光している暗い領域の光電変換素子に漏れ出すほどではない場合を示している。つまり、この場合の太陽付近の光電変換素子は、撮像信号に必要となる電荷を多く発生させるが、その輝度信号値は飽和値近傍ではあるものの飽和値未満である。
樹木付近の垂直方向画素領域(B領域)の光電変換素子は、比較的暗い反射光から撮像信号に必要となる電荷を発生させており輝度信号値も低い。そのため、水平位置Phの垂直(縦)方向の2点鎖線VLpに沿う各画素のデジタル信号出力SCは、図4の右側及び図5に特性線Lv1に示したように垂直方向画素が、A領域では飽和していないものの比較的高い値となり、B領域では垂直方向画素が低い値となる。
図6は、図4の画像における太陽の強い光でスミア20が発生した場合の撮像画面の一例を示す図である。図7は、図6の撮像画面中でスミア20が発生した水平(横)位置Phで垂直(縦)方向の線VLp上に並ぶ各画素についてのAD変換部4からのデジタル信号出力SCの特性線Lv2(実線)を縦方向画素位置を横軸にとって示す図である。尚、図7中には、比較のため図5のスミアが発生しない場合のデジタル信号出力SCの特性線を破線Lv1で示している。
図6では、水平(横)位置Phで垂直(縦)方向の線VLp上に並ぶ太陽の部分(A領域)の各画素では、強い光により飽和レベルよりも余分に多くの電荷を発生させており、その余分に発生された多くの電荷は、高レベルのノイズ信号となって、CCD撮像素子の光電変換部における垂直(縦)方向の線VLp方向(VCCD方向)に形成されている例えばB領域を含んで弱い光を受光している領域(=暗い領域)の光電変換素子に漏れ出す。そして、その暗い領域の光電変換素子では、元々の低レベルの輝度信号に対して、漏れ出した高レベルのノイズ信号が重畳されることになる。このようにして垂直(縦)方向の線VLp方向の暗い領域の光電変換素子にスミア20が発生する。
このCCD撮像素子に発生したスミア20は、図6に示したように撮像画像の視感上の品位を著しく低下させている。そのため、通常のデジタルカメラ等に使用する場合も問題であるが、特に、個人認証のために生体の指紋パターンや静脈パターン等の身体固有のデータを認識するバイオメトリクスに用いる撮像装置においてスミア20が発生した場合には、認識に必要となる特徴点がその高レベルのノイズ成分に埋もれてしまい、その特徴点の認識率を低下させてしまうことから、その認識性能に重大な障害となる可能性がある。
図7のデジタル信号出力SCの特性線Lv2(実線)で示されたA/D変換部4の信号レベルは、図5の特性線Lv1(破線)の形状と比べて、スミア20の影響により全体的に上昇している。しかし、A領域の近傍では飽和値でクリップ(8ビットのA/D変換部では、255の出力)されており、上昇できずに扁平になってしまう。それに対してB領域では、クリップされること無くスミア20の影響により全体的にA/D変換部4の信号が重畳されてそのレベルが上昇している。尚、このスミア20により増加するA/D変換部4の信号レベルは、図6には示されていないが、黒基準画素が配置される遮蔽領域(例えば、図2の13a、13b)にまで達して増加している。これについては、図20を用いて後述する。
図8は、図6のスミアが発生した画素の輝度信号値を従来方法の単純に一括減算処理する場合の撮像画面の一例を示した図である。
図9は、図8の撮像画面中でスミア20が発生した水平(横)位置Phで垂直(縦)方向の線VLp上に並ぶ各画素についてのAD変換部4からのデジタル信号出力SCを一括減算処理で補正した特性線Lv3(実線)を縦方向画素位置を横軸にとって示す図である。尚、図9中には、比較のため図7のスミア20が発生した場合のデジタル信号出力SCの特性線を破線Lv2で示している。
図8及び図9の一括減算処理には、黒基準画素が配置される遮蔽領域で検出されたスミア20の輝度信号値が、有効画素領域におけるスミア20が発生した水平(横)位置Phで垂直(縦)方向の線VLp上に並ぶ各画素の輝度信号値から一括して減算される。
図5と図9を比較した場合、図9のスミア20により増加した輝度信号のレベルから、遮蔽領域の黒基準画素で得られたスミア20の輝度信号のレベルを単純に減算することで、B領域については、そのスミア20により増加した輝度信号レベルを図5に示した元の輝度信号レベルに補正することができる。しかし、太陽を含むA領域部分は、スミア20が発生している場合は、デジタル信号出力SCの値がクリップして上昇しなくなってから、遮蔽領域の黒基準画素で検出されたスミア発生画素の輝度信号値を減算するので、輝度信号は、図5に示された元の輝度信号レベルよりも小さくなり、図8の補正部21に示したように周囲の太陽部分よりも暗い太陽部分を含む画像となってしまう。
図10は、図1の固体撮像素子2がフレームトランスファー型である場合で、スミア22が発生した場合の撮像画面の一例を示した図である。
図10では、水平(横)位置Phで垂直(縦)方向の線VLp上に並ぶ太陽の部分(A領域)の各画素では、強い光により飽和レベルよりも余分に多くの電荷を発生させており、その余分に発生された多くの電荷は、高レベルのノイズ信号となって、CCD撮像素子の光電変換部における垂直(縦)方向の線VLp方向(VCCD方向)で下側に形成されている弱い光を受光している領域(=暗い領域)の光電変換素子に漏れ出す。A領域の上側には電荷は漏れ出さない。そして、その暗い領域の光電変換素子では、元々の低レベルの輝度信号に対して、漏れ出した高レベルのノイズ信号が重畳されることになる。このようにして垂直(縦)方向の線VLp方向で下側の暗い領域の光電変換素子にスミア22が発生する。A領域の上側の光電変換素子にはスミア22は発生しない。つまり、図10のようなフレームトランスファー型の固体撮像素子では、太陽から片側(下側)の画素のみにその輝度信号値にスミア22が発生するが、上側の画素にはスミア22は発生しない。
図11は、図10のフレームトランスファー型の個体撮像素子にスミア発生画素の輝度信号値に対して単純減算処理を実施した場合の撮像画面の一例を示した図である。
図10では、太陽部分(A領域)の下側にのみスミア22が発生し、A領域のさらに上側にはスミア22は発生しないため、図8の場合と同様に黒基準画素で検出されたスミア発生画素の輝度信号値を単純に減算した場合、図8と同様のA領域を含み、その太陽より上空の空までの補正領域23における輝度信号レベルが減少する。この場合は、図11に示したように、水平(横)位置Phで垂直(縦)方向の線VLp上に並ぶ各画素のA領域に加えてその上の領域も含む補正領域23の輝度信号値が少なくなり、暗い画像となる。
図4〜図11までを用いて説明したように、遮蔽領域の黒基準画素で検出されたスミア発生画素の輝度信号値を、有効画素領域のスミア発生領域の輝度信号値から一括して減算する従来のスミア補正方法では、太陽部分(A領域)が過補正で暗くなるという問題を有しており、さらにフレームトランスファー型の個体撮像素子の場合には、太陽部分(A領域)に加えてその上の領域も暗くなるという問題を有している。
次に、本実施の形態の一方向に相関の高いノイズの補正で、特徴となる太陽部分(A領域)が過補正で暗くならない制御を実現するために、デジタル信号処理部5内に設けられる図3に示したノイズ補正部のさらに詳しい動作内容について図12から図25aを用いて説明する。
まず、黒基準検出部14の動作を図12から図14を用いて説明する。
図12は、図3の黒基準検出部14を説明するために、図6の撮像画面のスミア20が発生した水平(横)位置Phで垂直(縦)方向の線VLp上に並ぶ遮光領域の各画素近傍の撮像画像の一部を切り出して一例として示す図である。
図12には、例えば、図2に示した黒基準画素領域13aのような遮光領域(E領域)と、スミアによるノイズを補正する有効画素領域12の一部が示されている。水平(H)画素位置1から8までと17から20までは、スミア20が発生しておらず、有効画素領域12では比較的暗い画像が撮像され、黒基準画素領域13aでは遮光されて黒基準が検出可能な状態を示している。一方、水平(H)画素位置8から15までは、スミア20が発生することで、輝度信号値が増加しており、撮像画像が白く浮きあがった状態を示している。
図13は、図12に示した各画素に対応する黒基準検出部14のデジタル信号出力SCの一例を示す図である。
図13の信号値SClv1〜SClv3は、ランダムノイズの影響を受けている。そのため、水平(H)画素位置H=0から8の遮光された暗い領域のデジタル信号値SClv1は、SC1からSC2の振幅(範囲)で変化するノイズ成分を含んでいる。同様に、水平(H)画素位置H=9から15のスミア20が発生している領域のデジタル信号値SClv2は、SC5からSC6の振幅で変化するノイズ成分を含んでおり、水平(H)画素位置H=16から20の遮光された暗い領域のデジタル信号値SClv3は、再びSC1からSC2の振幅で変化するノイズ成分を含んでいる。
図14は、図13に示した黒基準検出部14のデジタル信号出力SCに非線形フィルタを用いて平均化処理を行った平均値の一例を示す図である。又、黒基準検出部14は、隣接する各画素の輝度信号値の差値を検出するために非線形フィルタを備えている。非線形フィルタについては図15を用いて後述する。
上記したように、黒基準検出部14は、遮光領域で隣接する各画素の輝度信号値の差値も検出し、各値が検出された各画素の位置情報と共に出力するが、さらに黒基準検出部14が、黒基準検出を行う画素のデータを水平画素方向に平均を求め、スミア発生画素の輝度信号値として出力する構成としてもよい。
隣接する各画素の輝度信号値の差値が所定値以下の場合には、差値が所定値以下と検出された画素までの隣接する各画素の輝度信号値の平均値を黒基準検出結果として出力し、隣接する各画素の輝度信号値の差値が所定値を超える場合は、差値が所定値を超えると検出された画素から後の隣接する各画素の輝度信号値の平均値をノイズ成分値として出力する。
例えば、図13の水平(H)画素位置H=0から8の遮光された暗い領域のデジタル信号値SClv1におけるSC1からSC2の振幅(範囲)で変化するノイズ成分は、平滑化されて平均値AVSC1となる。同様に、水平(H)画素位置H=16から20の遮光された暗い領域のデジタル信号値SClv3におけるSC1からSC2の振幅で変化するノイズ成分は、平滑化されて平均値AVSC1と同様なレベルの平均値AVSC3となる。この平均値AVSC1及び平均値AVSC3が黒基準の値として黒基準検出部14から出力される。
それに対して、図13の水平(H)画素位置H=9から15のスミア20が発生している領域のデジタル信号値SClv2におけるSC5からSC6の振幅で変化するノイズ成分は、平滑化されて平均値AVSC2となる。この平均値AVSC2がスミア量の値等のノイズ成分値として黒基準検出部14から出力される。本実施の形態の第1の補正値は、このスミア量の値の平均値を用いる。
図15は、黒基準検出部14に設けられるεフィルタの区間線形関数を示す図である。
本実施の形態では、非線形フィルタとして、x軸値でーε未満とεを超える値のf(x)軸値が0であり、x軸値でーε以上ε以下の値のf(x)軸値が線形に増加するεフィルタを用いるが、本発明の黒基準検出部14に用いられる非線形フィルタとしてはεフィルタに限定されるものではなく、黒基準画素領域のスミア発生画素の輝度信号値の発生位置とスミア発生画素の輝度信号値を検出することが可能なフィルタであればよく、例えばメジアンフィルタ、スタックフィルタなどの非線形フィルタを用いた構成でも、線形フィルタを用いた構成でも良い。
一般的に一次のεフィルタは、以下の式(1)、(2)により定義される。
Figure 2007174032
Figure 2007174032

x(n): 画素位置nのAD変換部4からのデジタル信号出力SC(n)の値
y(n): 画素位置nのフィルタ出力値
ak: フィルタ係数
n: 水平(H)画素位置(正の整数)
又、上記(1)式のf( )は、区間線形関数であり、以下の式(3)により定義される。
Figure 2007174032
で与えられる。
尚、図15の場合は、α=0と定義した場合の区間線形関数を示している。
又、黒基準検出部14のスミアが発生した水平(H)画素位置nの画素における輝度信号値は、以下の式(4)により定義される。
Figure 2007174032
△Sm1(n): 画素位置nのスミア量の値
SCclp: 黒クランプ(黒基準)信号量の値
式(4)から図14における水平(H)画素位置0から8までの位置のデジタル信号値SCnの平均値AVSC1は、例えば、デジタル信号値が比較的安定すると考えられる水平画素位置nが3の場合のスミア量の値と黒クランプ信号量の値との和を求めればよいので、その平均値AVSC1は△Sm1(3)+SCclpであるが、水平(H)画素位置0から8までの位置ではスミアは発生していないので、△Sm1(3)=0であることから、AVSC1=SCclpとなる。
同様に、水平(H)画素位置16から20までの位置でも、水平画素位置nが19の場合のスミア量の値と黒クランプ信号量の値との和を求めればよいので、その平均値AVSC3は△Sm1(19)+SCclpであるが、水平(H)画素位置16から20までの位置でもスミアは発生していないので、△Sm1(19)=0であることから、AVSC3=SCclpとなる。
それに対して、水平(H)画素位置9から15までの位置では、水平画素位置nが10の場合のスミア量の値と黒クランプ信号量の値との和を求めればよいので、その平均値AVSC2は△Sm1(10)+SCclpであるが、水平(H)画素位置9から15までの位置ではスミアが発生しているため、△Sm1(10)は0にならないことからそのまま残り、AVSC2=△Sm1(10)+SCclpとなる。
この黒基準検出部14からは、黒クランプ(黒基準)信号SCclpを出力するだけでなく、各水平(H)画素位置nと、スミア発生画素のスミア量の値△Sm1(n)を出力することができる。例えば図12〜図14の例に示したように、スミア量の値△Sm1(n)の値が0である各画素の出力の平均値AVSC1及びAVSC3が黒クランプ(黒基準)信号SCclpとして出力され、スミア量の値△Sm1(n)の値が0ではない各画素(9<n<15)の出力の平均値AVSC2が第一の補正値として出力される。
ここで、所定値を超えない水平(H)画素位置0から8では、△Sm(0)から△Sm(8)を出力する代わりに、0を出力する構成としてもよい。0を出力することで、補正を行ないたい有効画素へ、平均値に残るランダム成分の影響を与えることが無くなる。
つまり、スミアが発生した領域のみ補正を行なうことができ、スミアが発生しない領域では、デジタル信号出力SCをそのまま用いることができる。
次に、輝度信号検出部15は、補正前のデジタル信号出力SCの信号値を検出する処理手段であり、例えば、図13の水平(H)画素位置n=7ではデジタル信号出力SC2を検出し、位置n=12ではデジタル信号出力SC5を検出し、その検出した信号のレベルを補正前の輝度信号の値として出力する。
直交領域平均値検出部18は、上記したように、例えば有効画素領域内でスミアが発生する一方向に並ぶ各画素、すなわち補正を行なう対象となる各画素について、水平(H)画素位置を検出し、その画素のスミアと直交方向(水平方向)に隣接する数画素を選択し、その数画素分の輝度信号の平均値を検出する。
また、直交領域平均値検出部18を用いることで、有効領域におけるスミアの発生領域及びその画素位置が明確になり、スミアの発生領域のデジタル信号値の分布を検出できる。そのため、有効領域における有効画像の量を検出することが可能となる。また、スミアの発生領域のデジタル信号値を補正する場合、スミアの発生領域、その画素位置、及びそのデジタル信号値(平均値)が明確になることから、各画素位置で撮像された被写体に対して最適なスミア補正の補正値を生成することが可能になる。また、平均値を用いることで、信号を検出する際に演算されるスミアの項を少なくできるため、信号の検出精度を向上させることが可能である。
例えば、スミアにより太陽等の光源近傍の輝度信号値が飽和しているが、その垂直方向の各画素の輝度信号値はスミアが発生しているが飽和していない場合、飽和していない画素の輝度信号値に対しては前述の第一の補正値を用い、飽和した画素の輝度信号値に対しては後述する第二の補正値を用いて補正することができる。このようにして、各画素位置で撮像された被写体に対して最適なスミア補正の補正値を生成することが可能になる。
尚、本実施の形態では、黒基準画素領域の水平(横)方向のみの隣接する各画素の輝度信号値の平均値を用いたが、それに限らず、信号を検出する画素に水平方向に隣接する画素位置の各画素のさらに垂直方向に隣接する位置の画素信号を用いることも可能である。
ただし、垂直方向に隣接する画素を選択する場合には、黒基準の信号値を得る場合には前述の差値によりスミアが発生していない画素を選択する必要があり、スミア量の値(第一の補正値)を得る場合にはスミアが発生している画素を選択する必要がある。
補正値生成部16は、黒基準検出部14で検出されたスミア発生画素位置及びスミア発生画素の輝度信号値と、輝度信号検出部15で検出された補正前の輝度信号出力と、直交領域平均値検出部18で検出された水平方向の黒基準画素又はスミア信号の検出出力をもとに、スミア発生画素の輝度信号値を演算してその輝度信号値が飽和値に達しているか否かを判断し、輝度信号値が飽和値に達していない場合には第一の補正値を出力し、輝度信号値が飽和値に達している場合には後述する第二の補正値を生成して出力する。
補正部17では、A/D変換部4から出力されたデジタル信号出力SCに対して、補正値生成部16で判断された補正値(第一の補正値又は第二の補正値の何れか)の出力を減算して出力する。その結果、スミアのために輝度信号値が飽和値に達している画素からの出力に対しては飽和値を考慮した補正が実施され、輝度信号値が飽和値に達していない画素からの出力に対しては、黒基準画素領域で検出されたスミアのレベルによる補正が実施される。つまり、各画素位置で撮像された被写体に対して最適なスミア補正の補正値を生成することが可能になる。
補正部17は、固体撮像素子2から出力される撮像信号出力SAに比例したデジタル信号出力SCに対して、補正値生成部16で生成された補正値を減算することで補正したデジタル信号出力SDを出力する。
次に、第二の補正値の生成方法、及び第一と第二の補正値を用いた補正方法について概略的に説明する。
図16は、本実施の形態で用いる固体撮像素子2の一部の画素域を切り出して拡大して示した図である。
図16において、Ca領域は、スミアが発生したと判断されたC画素から水平方向に隣接しており、同様にスミアが発生していると判断された複数の隣接画素からなる領域を示す。一方、Da領域は、スミアが発生していないと判断されたD画素から水平方向に隣接しており、同様にスミアが発生していないと判断された複数の隣接画素からなる領域を示す。
この場合のCa及びDaの各領域でその隣接する数画素を選択する際には、上記した黒基準画素とスミアの発生画素の判定時のように、隣接する前の画素の輝度信号値との差値が所定値以上か以下かにより、それより前の画素を選択するか、それより後の画素を選択するかという処理は実施せず、処理順序に従って隣接する画素を順次入れ替えるように選択していく。
図17は、本実施の形態の補正値生成部16の動作原理を説明するために、図16に示したCa領域とDa領域の入射光量に対するデジタル信号出力SCの光電変換特性を示した図である。
図17の縦軸は、AD変換部4からのデジタル信号出力SC、横軸は固体撮像素子2の各画素を構成するフォトダイオードへの入射光量を示す。Da領域の平均値の特性Dは、入射光量が0からA4まで変化した場合に、黒クランプ(黒基準)信号SCclp(入射光量が0)からA/D変換部4の最大値(=飽和値)である255(入射光量がA4)まで、線形的にデジタル信号出力が変化する特性が示されている。
それに対してCa領域の平均値の特性Cは、スミアが発生した場合のデジタル信号出力SCの特性であり、入射光量が0からA2までは、特性Dと比較してスミアによって各入射光量に対する信号出力がSCa−SCclpの差値だけ増加した特性を示している。又、特性Cでは、入射光量がA2でA/D変換部4のデジタル信号出力SCが、そのA/D変換出力の最大値max=255に達している。
見方を変えると、図17には、図16に示したスミアが発生したCa領域のA/D変換出力の平均値の特性Cが、スミアが発生していないDa領域のA/D変換出力の平均値の特性Dに比べて、暗い入射光量で(A2)でA/D変換部4のダイナミックレンジいっぱいのmax=255になって飽和することが示されている。従って、特性Cでは、入射光量がA2からA4の間の変化はAD変換出力に反映されず、一定値のmax=255が出力されることになる。
この特性Cにおける、入射光量が一定値であるA2以上になっても、A/D変換部4のA/D変換出力はダイナミックレンジが最大のmax=255で飽和して増加しないことは、考え方を変えると、入射光量が一定値であるA2以上になった場合に、デジタル信号出力SCに占めるスミア発生画素の輝度信号値をそれまでの特性Cにおける増加率と同様の線形比率で逆に減少させることと等価と考えられる。本実施の形態では、この入射光量がA2からA4の間の特性Cと特性Dとの差値を第二の補正値とする。つまりスミアが発生した場合の入射光量がA2からA4の間では、スミア値△Sm(A3)=255−SCdである。
従って、スミアが発生した場合のA/D変換部4のA/D変換出力を示す図17の特性Cでは、入射光量A2までは、第一の補正値であるスミア発生画素の輝度信号値△Sm(0)=SCa−SCclpを用いて補正すればよいが、入射光量がA2よりも多い場合、例えば入射光量A3では、第二の補正値であるスミア量△Sm(A3)=255−SCdを用いてスミア発生画素のデジタル信号出力を補正すればよい。△Sm(0)と△Sm(A3)の大小関係については、△Sm(0)>△Sm(A3)であり、△Sm(A3)は、最大値255から特性Dの値を減算した値となる。
仮に、図17の入射光量がA2からA4の場合に、単純にそのスミアが発生した画素の輝度信号値から、補正値として第一の補正値を減算した場合には、図8又は図11に示したA領域の太陽部分のように画素本来の信号値以上に過度にスミア発生画素の輝度信号値を補正してしまうので、その画素が暗くなってしまう可能性がある。つまり、入射光量がA2からA4の場合に、補正値として第一の補正値を用いると過補正となり、例えば図8のA領域のような太陽部分には黒沈みが発生してしまい、視感上の品位を劣化させてしまう。その黒沈みの発生を避けるためには、図17の入射光量がA2からA4の場合のスミアが発生した画素の場合の補正値として、第二の補正値であるスミア量△Sm(A3)=255−SCdを用いればよい。
この第二の補正値を生成するために、直交領域平均値検出部18では、図16に示すようにノイズの相関性の高い方向(V方向)と直交する水平方向(H方向)に、C画素及びD画素を中心として±2画素の範囲(Ca領域、Da領域)の平均値を求め、領域としてとらえた輝度信号値の変化量を検出する。C画素及びD画素を中心として隣接する画素データ(あるいは近接する画素データ)は、各々輝度信号の相関値が高いため、数画素分の領域(Ca領域、Da領域)としてとらえた輝度信号値の変化を用いることができる。
ここで、直交領域平均値検出部18の動作について、さらに説明する。
図18は、図16と同様に本実施の形態で用いる固体撮像素子2の一部の画素域を切り出して拡大して示した図であるが、図16よりもスミアが発生している水平(横)方向の幅(画素数)が1画素分に減少している。
図18において、Ea領域は、スミアが発生したと判断されたE画素と水平方向に数個の隣接画素を含んだ領域を示している。E画素を含んで垂直方向に隣接する各画素では、スミアの影響を受けているためデジタル信号出力SCの値は大きくなっている。それに対してDa領域は、図16に示したものと同様に、スミアの影響を受けていないD画素と水平方向にやはりスミアの影響を受けない数個の隣接画素を含んだ領域を示している。
図19は、図18のEa領域の入射光量に対するデジタル信号出力SCの光電変換特性を示した図である。
図19の縦軸、横軸、特性C、特性Dは、図17と同様であり、それに対して、Ea領域のA/D変換出力の平均値の特性Eが追加されている。
図19の特性Eの直線は、特性Dの直線と比較して、図18のE画素に発生したスミアの影響を受けているが、Ea領域の5画素のA/D変換出力の平均値となるため、わずかに上を平行する直線となっている。つまり、特性Eの値は、特性Dよりも1画素のスミア分を5画素で分割した分だけ、わずかに大きくなるのみである。
このようにスミアが発生したE画素の、そのスミアの発生方向と直交方向に複数画素を選択して、それらの選択された各画素のA/D変換出力信号値の平均値を検出することにより、スミア発生前の本来のE画素のA/D変換出力信号値の近似値を検出できる。言い換えれば、スミア発生前の本来のE画素のA/D変換出力信号値は、スミアの発生方向と直交方向に複数画素の平均値を得ることで、その本来の値の近似値が得られるので、そこから推定することができる。
これは、通常の撮像状態では特定の画素とその特定の画素を囲む周辺画素のA/D変換出力信号値は相関が高いことを利用して、その平均値を検出することで、特定の画素のみに発生するスミアの影響を少なくして、本来のスミアが無い値を平均値(=近似値)から推測できるようにしたものである。特性EのA/D変換出力信号値を、特性DのA/D変換出力信号値とより近似させるためには、平均値を求めるための画素からの出力データ数を増加させればよい。以上から、特性EのA/D変換出力信号値は、特性DのA/D変換出力信号値と近似しており、充分なデータ数の特性EのA/D変換出力信号値が得られれば、その近似値から特性DのA/D変換出力信号値と同等の値を得られることが理解できる。
また、例えば、黒基準検出部14において、スミアの発生した画素の位置(図20のE画素の水平方向画素位置)と、その画素位置におけるスミアの信号値が検出された場合に、E画素のA/D変換出力信号値から黒基準検出部14で検出されたスミアの信号値を減算してからEa領域内の他の画素との平均値を検出するようにすると、特性DのA/D変換出力信号値にさらに近似させることができる。これにより、スミアの補正精度をさらに向上させることも可能となる。
尚、図18では、垂直方向に1列に並んだ画素のみにスミアの発生した場合を示したが、垂直方向に複数ラインの画素にまたがってスミアが発生する場合には、例えば上記した平均値を求めるための各領域について、その領域内の水平画素数を増加させることで対応することができる。
以下に、図20から図23を用いて、この直交領域平均値検出部18の出力を用いて補正値生成部16で第二の補正値を生成することにより、第一の補正値による過補正を防ぐことができることについて説明する。
図20は、補正値生成部16の動作を説明するために、図6に示したスミアが発生した場合の撮像画面(有効画素領域のスミアは記載を省略している)の一例を下側の黒基準画素領域と共に示した図である。図20の黒基準画素領域には、スミア24が発生している。
図4、図6、図8、図10、図11では、撮像画像の水平(横)位置Phで垂直(縦)方向の線VLp上に並ぶ各画素についてのAD変換部4からのデジタル信号出力SCのレベルについて説明したが、図20では、撮像画像の水平(横)方向の領域を示す線Fh、Gh、Hh上に並ぶ各画素についてのAD変換部4からのデジタル信号出力SCのレベルについて、図21〜図23を用いて説明する。
図20の水平方向の領域Fおよび領域Gのデジタル信号出力SCを図21と図22へ示す。
図21は、図20の撮像画像の水平(横)方向の領域を示す線Fh上に並ぶ各画素についてのAD変換部4からのデジタル信号出力SCのレベルを示す図である。図中の実線Lh1は、水平(横)方向の領域を示す線Fhに沿った各画素についてのデジタル信号出力SCのレベルを示す線であり、破線Lhav1は、その各画素についてのデジタル信号出力SCに対応して直交領域平均値検出部18から出力される平均値を示す線である。
破線Lhav1は、平均値であることから実線Lh1よりも立ち上がり及び立下りの変化が急峻ではなくなっているが、スミアが発生した水平方向の画素数と比較して、太陽等による輝度信号が高い出力レベルである水平方向の画素数は多いため、平均値の破線Lhav1のレベルSCL1も高い出力レベルになっている。
一方、図22は、図20の撮像画像の水平(横)方向の領域を示す線Gh上に並ぶ各画素についてのAD変換部4からのデジタル信号出力SCのレベルを示す図である。図中の実線Lh2は、水平(横)方向の領域を示す線Ghに沿った各画素についてのデジタル信号出力SCのレベルを示す線であり、破線Lhav2は、その各画素についてのデジタル信号出力SCに対応して直交領域平均値検出部18から出力される平均値を示す線である。
この場合も破線Lhav2は、平均値であることから実線Lh1よりも立ち上がり及び立下りの変化が急峻ではなくなっているが、スミアが発生した水平方向の画素数は、図21の太陽等による輝度信号が高い出力レベルである水平方向の画素数と比べて少ないため、平均値の破線Lhav2のレベルSCL2は、図21のレベルSCL1と比べて低い出力レベルまでしか達しない。
図21及び図22に基づいて、以下のような判断をすることができる。
(判断一)
図21に示されたように、太陽のような明るい被写体を撮像するために水平方向に並ぶ画素数は、スミアが発生している部分を撮像するために水平方向に並ぶ画素数に比べて多く、従って水平方向の撮像領域が広くなり、検出される輝度信号の数も多くなる。そのため、デジタル信号出力SCに比べて比較的なだらかに立ち上がる水平方向の平均値Lhav1も十分な立ち上がり時間が得られるため大きな値を示す。
(判断二)
図22に示されたように、比較的暗い状況下の被写体画像にスミアが発生している場合、スミアが発生している部分を撮像するために水平方向に並ぶ画素数は太陽等の明るい被写体に比べて少なく、スミアの部分のデジタル信号出力SCのみが高いレベルで、その他の部分のデジタル信号出力SCは低いレベルである。そのため、デジタル信号出力SCに比べて比較的なだらかに立ち上がる水平方向の平均値Lhav2は十分な立ち上がり時間が得られないため小さな値を示す。
(判断三)
図20に示した領域を示す線Fhにおける太陽を撮像したことから大きな輝度信号値となっている水平(H)方向の画素位置においては、図21に示したように上記判断一に示した状況になる場合が多いが、その上記判断一に示した状況である場合には、上記第二の補正値を使用することとする。
一方、図20に示した領域を示す線Ghにおけるスミアが発生したことから大きな輝度信号値となっている水平(H)方向の画素位置においては、図22に示したように上記判断二に示した状況になる場合が多いが、その上記判断二に示した状況である場合には、上記第一の補正値を使用することとする。
図23は、図20の撮像画像の黒画素検出領域の水平(横)方向の領域を示す線Hh上に並ぶ各画素についてのAD変換部4からのデジタル信号出力SCのレベルを示す図である。図中の実線Lh3は、水平(横)方向の領域を示す線Hhに沿った各画素についてのデジタル信号出力SCのレベルを示す線である。
このようにして、補正値生成部16で補正値を生成する際に上記判断三を用いることにより、補正部17でデジタル信号出力SCを補正する場合の過補正を防ぐことができる。尚、判断二の場合に用いる第一の補正値としては、上記した式(4)の黒基準検出部14のスミアが発生した水平(H)画素位置nの画素における輝度信号値(スミア量の値)△Sm1を用いるようにする。
判断一の場合に用いる第二の補正値としては、過補正を防ぐために、直交領域平均値検出部18の平均値の出力を、A/D変換部4から出力されるデジタル信号出力SCの最大値maxから減算したスミア量の値△Sm2を以下の式(5)のように定義する。
Figure 2007174032
ここで、ADmaxは、A/D変換部4から出力されるデジタル信号出力SCの最大値maxであり、8ビットの場合には255となり、10ビットの場合には1023となる。amは係数である。

Figure 2007174032
なお、図10及び図11に示したような図1の固体撮像素子2がフレームトランスファー型である場合の、太陽から片側(下側)の画素のみにその輝度信号値にスミア22が発生するが、上側の画素にはスミア22は発生しない場合は、上記に加えて、上側のスミア22が発生しない画素に、輝度信号検出部15の信号を用いることで補正することができる。
(判断4)
輝度信号検出部15の出力が、黒基準検出部14の信号以下の場合は、補正処理は実施しないこととする。
ここで、図17を用いてスミア量の値△Sm2についてさらに説明する。
図17の細実線の特性Dを直交方向の平均値とすると、入射光量がA2以上の領域では、その光量が増大するほどスミア発生画素の輝度信号値の影響が徐々に小さくなることは、上記したとおりである。そこで、太陽のような高い輝度信号を出力する画素が多い領域では、デジタル信号出力SCの最大値maxから細実線の特性Dを減算した値を用いる。
補正部17では、A/D変換部4のデジタル信号出力SCから、補正値生成部16で判断されて生成された補正値(第一の補正値または第二の補正値)を減算することで補正を行なう。
補正値生成部16で判断されて生成される補正値を、汎用の式で示す場合、以下の式(7)となる。
Figure 2007174032
但し、入射光量≧A2のとき、a=1,b=0
入射光量<A2のとき、 a=0,b=1
ここで、例えば図17の入射光量がA2付近では、補正値の変化点になるため、第一の補正値及び第二の補正値の中間的な補正値が必要になる場合がある。その場合には、統計的処理や実験データに基づいて、上記式(7)の入射光量に対するaとb の値を、例えばa=b=0.5等として第三の補正値を定義し、その第三の補正値を用いることで最適化することもできる。
これまで説明した処理の流れの概要を図24、図25のフローチャートに示す。尚、図25のS103(記録処理)示した内容は、従来の手段と同様な処理で実現できる。また、図24、図25の各信号処理は、CPU(μプロセッサ)、PC(パーソナルコンピュータ)等で用いられるソフトウェアで対応することができる。
図24は、本実施の形態のデジタル信号処理部5における本発明に関する処理を示すフローチャートであり、図25は、図24のステップ1中の隣接する画素のデジタル信号出力SCの変化量(差値)を検出する処理をさらに詳しく示したフローチャートである。
まず、図24の処理では、デジタル信号処理部5の黒基準検出部14で、黒基準検出領域から黒基準を検出すると共に隣接する画素のデジタル信号出力SCの変化量(差値)を検出する処理を開始し(S1)、有効画素領域内の水平方向の画素位置番号jと垂直方向の画素位置番号kを0にリセットする(S2)。
輝度信号検出部15では、有効画素領域からの補正前の輝度値(デジタル信号出力SC)を検出し(S3)、直交領域平均値検出部18では、有効画素領域内でスミアが発生する一方向に並ぶ各画素の水平(H)画素位置を検出して、その画素のスミアと直交方向(水平方向)に隣接する数画素を選択し、その数画素分の輝度信号の平均値を検出する(S4)。
補正値生成部16では、黒基準検出部14の出力、輝度信号検出部15の出力、及び直交領域平均値検出部18の出力が各々入力されて、その入力内容から判断して第一の補正値、第二の補正値、及び入射光量によっては第三の補正値から一つの補正値を選択して生成する(S5)。補正部17では、AD編幹部4から入力した補正前の輝度値(デジタル信号出力SC)に対して、補正値生成部16で選択された補正値を減算することで補正を実施する(S6)。
有効画素領域内の水平方向の画素位置番号jの輝度値の補正が終わったところで、画素位置番号jが水平方向の最大値Hmax、つまり有効画素領域内の水平方向における右端の画素まで達したか否かが判断される(S7)。
画素位置番号jがHmaxではない場合(S7:No)には、画素位置番号jに1を加えて(j+1)ステップ3に戻る。
画素位置番号jがHmaxである場合(S7:Yes)には、画素位置番号kが垂直方向の最大値Vmax、つまり有効画素領域内の垂直方向における下端の画素まで達したか否かが判断される(S8)。
画素位置番号kがVmaxではない場合(S8:No)には、画素位置番号kに1を加えて(k+1)ステップ3に戻る。
画素位置番号kがVmaxである場合(S8:Yes)には、処理を終了する。
図25の処理では、黒基準検出部14でデジタル信号出力(SC)の変化量が検出される場合、黒基準検出領域内の水平方向の画素位置番号iを0にリセットする(S101)。
黒基準検出部14では、入力したデジタル信号出力(SC)に対してεフィルタ等の非線形フィルタを用いてフィルタリング処理を実施してその結果、フィルタ出力F(i)を得る(S102)。フィルタ出力F(i)を黒基準検出部14内部の記憶装置にMEM(i)として記録する(S103)。
黒基準検出領域内の水平方向の画素位置番号iのフィルタリングが終わったところで、画素位置番号iが水平方向の最大値Hmax、つまり有効画素領域内の水平方向における右端の画素まで達したか否かが判断される(S104)。
画素位置番号iがHmaxではない場合(S104:No)には、画素位置番号iに1を加えて(i+1)ステップ102に戻る。
画素位置番号iがHmaxである場合(S104:Yes)には、黒基準検出部14の処理を終了して図24のステップS2に進む。
このように本実施の形態では、直交領域平均値検出部18を用いることで、スミアの発生領域、その画素位置、及びそのデジタル信号値(平均値)が明確になり、有効領域におけるスミアと高輝度の被写体との判別が可能になることから、スミアの発生領域のデジタル信号値の分布を検出できる。そのため、スミアの発生領域のデジタル信号値を補正する場合に、各画素位置で撮像された被写体に対して最適なスミア補正の補正値を生成することが可能になる。結果的に有効領域における有効画像の輝度値(デジタル信号出力SC)を、高輝度画像部分についても黒沈み等を発生させずに検出することができる。また、平均値を用いることで、信号を検出する際に演算されるスミアの項を少なくできるため、信号の検出精度を向上させることができる。
また、本実施の形態のデジタル信号処理部5内に設けられるスミアを補正するためのノイズ補正部は、簡単な演算のみで処理の負荷を増加させないので、例えばラインメモリ、コンパレータ、条件判別ロジックといった比較的小さなゲート規模のハードウェアで構成でき、追加のラインメモリや特殊な機構部品は必要としないので、安価(低コスト)にでき、回路規模を小さくできるので小形化できる。
また、上記したスミア補正では、スミア発生画素の輝度信号値を検出した後の処理時間は、ゲート信号の遅延のみで済むため、例えば水平ブランキング期間内にスミアの補正値を求めて補正することにより、スミア補正の処理時間を長くとれない動画像にも適用することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、固体撮像素子の有効画素領域内に発生する一方向に相関の高いノイズがスミアである場合について説明したが、上記したように一方向に相関の高いノイズとしては、HCCDを複数備える撮像素子における電荷出力部の増幅特性(感度)がばらつくこと起因する各HCCD間の輝度信号値に差(ばらつき)が発生するノイズの場合もある。本実施の形態2では、その複数HCCDの撮像素子の各HCCD間の輝度信号値がばらつく場合について説明する。
尚、複数のHCCDを備えるCCD撮像素子は、例えば有効画素数が多い撮像素子において、高速に電荷を読み出してフレーム転送をする必要があるために使用される。しかし、複数のHCCDを備える場合には、電荷出力部の増幅特性がばらつくことから、各HCCD間の輝度信号値に差値(オフセット)が発生して視感上の品位を低下させる場合があり、特に撮像画面の暗部では顕著に視感上の品位が低下するという問題がある。
図26は、本実施の形態の2チャンネルの水平電荷転送路(HCCD)を備える個体撮像素子の構成を示す図である。
図26においては、撮像領域が左側の撮像領域19と右側の撮像領域22に2分割されており、その分割された各撮像領域にはフォトダイオードと垂直電荷転送部が含まれている。
撮像領域19の下側には、左側の水平電荷転送部20が設けられ、その左端には左側の撮像電荷出力部21が設けられている。同様にして、撮像領域22の下側には、右側の水平電荷転送部23が設けられ、その右端には右側の撮像電荷出力部24が設けられている。
図26に示したフォトダイオード、垂直電荷転送部、水平電荷転送部20、23、及び撮像電荷出力部21、24の基本的な機能は、実施の形態1の図2に示したフォトダイオード8、垂直電荷転送部9、水平電荷転送部10、及び撮像信号出力部11の機能と同様であるので詳細な説明は省略するが、撮像領域が左右に2分割されており、水平電荷転送部20、23の各々にける電荷の転送方向が左右の逆方向の2チャンネルになっている点で異なっている。
図27は、本実施の形態の2チャンネルの水平電荷転送路が設けられた個体撮像素子のデジタル信号出力SCを示す図である。
図26に示したように固体撮像素子2が左右2分割されて出力が2チャンネルであるHCCDが設けられ、その左右の出力特性に図27に示したような△SCGの差値(ばらつき)がある場合、左右の信号に差値が発生するので、撮像画像が左右で輝度に段差を有するように表示されることになる。
実施の形態1に示したノイズ補正部の構成およびその処理内容は、このような2チャンネルの水平電荷転送路が設けられた個体撮像素子にも適用することができ、左右の差値に対して最適な補正値を生成することが可能になる。結果的に有効領域における有効画像の輝度値(デジタル信号出力SC)を、左右で輝度に段差を発生させずに出力することができる。
上記した実施の形態1に示したノイズ補正部の構成およびその処理内容は、さらに、長時間露光を行なった場合に、VCCDの欠陥と熱雑音の起因する垂直方向のノイズについても適用することが可能である。
本発明の実施の形態1の撮像装置の基本的な構成を示すブロック図である。 図1の固体撮像素子2の概略構成を示す図である。 図1のデジタル信号処理部5内に設けられるノイズ補正部の概略構成を示すブロック図である。 左側にスミアが発生した場合との比較のためにスミアが発生しない場合の撮像画面の一例を示し、右側にはその撮像画面中でスミアが発生する可能性はある(が発生していない)水平(横)位置Phで垂直(縦)方向の線VLp上に並ぶ各画素についてのAD変換部4からのデジタル信号出力SCのレベルを示す図である。 図4の右側のデジタル信号出力SCのレベルを示す図を見やすくするために反時計回りに90度回転させて縦方向画素位置を横軸にとって示す図である。 図4の画像における太陽の強い光でスミア20が発生した場合の撮像画面の一例を示す図である。 図6の撮像画面中でスミア20が発生した水平(横)位置Phで垂直(縦)方向の線VLp上に並ぶ各画素についてのAD変換部4からのデジタル信号出力SCの特性線Lv2(実線)を縦方向画素位置を横軸にとって示す図である。 図6のスミアが発生した画素の輝度信号値を従来方法の単純に一括減算処理する場合の撮像画面の一例を示した図である。 図8の撮像画面中でスミア20が発生した水平(横)位置Phで垂直(縦)方向の線VLp上に並ぶ各画素についてのAD変換部4からのデジタル信号出力SCを一括減算処理で補正した特性線Lv3(実線)を縦方向画素位置を横軸にとって示す図である。 図1の固体撮像素子2がフレームトランスファー型である場合で、スミア22が発生した場合の撮像画面の一例を示した図である。 図10のフレームトランスファー型の個体撮像素子にスミア発生画素の輝度信号値に対して単純減算処理を実施した場合の撮像画面の一例を示した図である。 図3の黒基準検出部14を説明するために、図6の撮像画面のスミア20が発生した水平(横)位置Phで垂直(縦)方向の線VLp上に並ぶ遮光領域の各画素近傍の撮像画像の一部を切り出して一例として示す図である。 図12に示した各画素に対応する黒基準検出部14のデジタル信号出力SCの一例を示す図である。 図13に示した黒基準検出部14のデジタル信号出力SCに非線形フィルタを用いて平均化処理を行った平均値の一例を示す図である。 黒基準検出部14に設けられるεフィルタの区間線形関数を示す図である。 実施の形態1で用いる固体撮像素子2の一部の画素域を切り出して拡大して示した図である。 実施の形態1の補正値生成部16の動作原理を説明するために、図16に示したC画素とD画素の入射光量に対するデジタル信号出力SCの光電変換特性を示した図である。 図16と同様に本実施の形態で用いる固体撮像素子2の一部の画素域を切り出して拡大して示した図である 図18のEa領域の入射光量に対するデジタル信号出力SCの光電変換特性を示した図である。 補正値生成部16の動作を説明するために、図6に示したスミアが発生した場合の撮像画面(有効画素領域のスミアは記載を省略している)の一例を下側の黒基準画素領域と共に示した図である。 図20の撮像画像の水平(横)方向の領域を示す線Fh上に並ぶ各画素についてのAD変換部4からのデジタル信号出力SCのレベルを示す図である。 図20の撮像画像の水平(横)方向の領域を示す線Gh上に並ぶ各画素についてのAD変換部4からのデジタル信号出力SCのレベルを示す図である。 図20の撮像画像の黒画素検出領域の水平(横)方向の領域を示す線Hh上に並ぶ各画素についてのAD変換部4からのデジタル信号出力SCのレベルを示す図である。 本実施の形態のデジタル信号処理部5における本発明に関する処理を示すフローチャートであり、 図24のステップ1中の隣接する画素のデジタル信号出力SCの変化量(差値)を検出する処理をさらに詳しく示したフローチャートである。 実施の形態2の2チャンネルの水平電荷転送路(HCCD)を備える個体撮像素子の構成を示す図である。 実施の形態2の2チャンネルの水平電荷転送路が設けられた個体撮像素子のデジタル信号出力SCを示す図である。
符号の説明
1 レンズ、 2 固体撮像素子、 3 アナログ信号処理部、 4 A/D変換部、 5 デジタル信号処理部、 6 タイミング制御部、 7 制御部、 8 フォトダイオード、 9 垂直電荷転送部、 10 水平電荷転送部、 11 電荷出力手段、 12 有効画素領域、 13 黒基準画素領域、 14 黒基準検出部、 15 輝度信号検出部、 16 直交領域平均値検出部、 17 補正部、 18 補正値生成部。

Claims (7)

  1. 受光した光の強度に対応する電荷を出力する複数の光電変換素子が画素として複数行及び複数列のマトリクス状に配置される光電変換部、
    各光電変換素子から出力された電荷を垂直方向に転送する垂直転送部、
    及び垂直転送部から出力された電荷を水平方向に転送する水平転送部が設けられ、
    前記光電変換部における撮像に用いられる有効画素領域の上下左右の外周辺縁領域の少なくとも何れかには、該辺縁領域の複数行の各光電変換素子に入力される外光を遮光することで黒基準となる輝度信号値を出力する遮光領域が形成された固体撮像素子と、
    前記有効画素領域内の一方向に相関の高いノイズが発生した画素の輝度信号値から、前記遮光領域の出力から検出された前記黒基準となる画素の輝度信号値と一方向に相関の高いノイズが発生した画素の輝度信号値との差を減算する機能を少なくとも有する信号処理部とを備えた撮像装置であって、
    前記信号処理部は、
    前記遮光領域の各画素の輝度信号から、少なくとも黒基準となる画素の輝度信号値及び一方向に相関の高いノイズが発生した画素の輝度信号値を検出する黒基準検出部と、
    前記有効画素領域の各画素の輝度信号値を検出する輝度信号検出部と、
    該輝度信号検出部で輝度信号値が検出される画素に対し、前記一方向に相関の高いノイズが発生した画素が並ぶ垂直方向と直交する水平方向に連続して所定数の画素を選択してその各画素の平均値の輝度信号値を検出する直交領域平均値検出部と、
    前記黒基準検出部、前記輝度信号検出部、及び前記直交領域平均値検出部で検出された輝度信号値が入力され、前記有効画素領域の一方向に相関の高いノイズが発生した画素の輝度信号値に対応する補正値を生成する補正値生成部と、
    前記補正値生成部で生成された補正値が入力されて、前記有効画素領域の一方向に相関の高いノイズが発生した画素の輝度信号値を補正する補正部と
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記補正値生成部は、
    前記黒基準検出部で検出された一方向に相関の高いノイズが発生した画素の輝度信号値と、前記輝度信号検出部で検出された画素の輝度信号値に基づいて、
    前記黒基準検出部の黒基準となる画素の輝度信号値と一方向に相関の高いノイズが発生した画素の輝度信号値の差値である第一の補正値と、
    前記飽和した輝度信号値と前記飽和した画素に対応する前記直交領域平均値検出部の平均値の差値である第二の補正値と
    から選択して出力する
    ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  3. 前記補正値生成部の出力の選択は、
    前記黒基準検出部の一方向に相関の高いノイズが発生した画素の輝度信号値が所定値を超えた場合で、該画素に対応する前記輝度信号検出部の輝度信号値が飽和していない場合には、前記第一の補正値を選択し、
    前記黒基準検出部の一方向に相関の高いノイズが発生した画素の輝度信号値が所定値を超えた場合で、該画素に対応する前記輝度信号検出部の輝度信号値が飽和している場合には、前記第二の補正値を選択する
    ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記補正値生成部は、
    前記第一の補正値と前記第二の補正値とを線形に変化する所定の比率で組み合わせて第三の補正値を算出し、
    前記黒基準検出部の一方向に相関の高いノイズが発生した画素の輝度信号値が所定値を超えた場合で、該画素に対応する前記輝度信号検出部の輝度信号値が飽和する変化点近傍である場合には、前記第三の補正値を選択して出力する
    ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記黒基準検出部は、前記輝度信号値に加えてさらに、
    前記遮光領域で隣接する各画素の輝度信号値の差値も検出し、前記各値が検出された各画素の位置情報と共に出力する
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の撮像装置。
  6. 前記黒基準検出部は、
    前記隣接する各画素の輝度信号値の差値が所定値以下の場合には、
    差値が所定値以下と検出された画素までの隣接する各画素の輝度信号値の平均値を出力し、
    前記隣接する各画素の輝度信号値の差値が所定値を超える場合は、
    差値が所定値を超えると検出された画素から後の隣接する各画素の輝度信号値の平均値を黒基準検出結果として出力する処理手段を有することを特徴とした請求項5記載の撮像装置。
  7. 前記黒基準検出部は、
    前記隣接する各画素の輝度信号値の差値を検出するために非線形フィルタを備える
    ことを特徴とした請求項5又は6に記載の撮像装置。
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