JP2007171447A - 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、電気光学物質6が挟持された一対の基板3,5を備える表示素子20が、保護膜14によって封止された電気光学装置1であって、表示素子20の外周には、保護膜14,14同士が接着剤18を介して固着された封止部22が設けられ、封止部22の少なくとも一部には、保護膜14,14同士が加圧により互いに接触された圧着部24が設けられている。
【選択図】図1
Description
このような電気泳動表示装置は、バックライトが必要無いことから低コスト化や薄型化が可能となり、さらに、視野角が広くコントラストが高いことに加え、表示のメモリ性を有するために、次世代の表示デバイスとして注目を集めている。
電気泳動分散液をマイクロカプセルに封入することにより、表示装置の製造工程において分散液の流出を防止することができると共に、電気泳動粒子の沈降や凝集を減少させることができるという利点がある。
例えば、特許文献1には、ビニルアルコール−ビニル酢酸共重合体、及びエチレン−ビニルアルコール共重合体等の親水性高分子材料からなる透明樹脂層と、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、及び酸化マグネシウム等の無機物からなるバリア層とを有する保護フィルムによって表示装置本体を封止する方法が提案されている。
また、特許文献2には、一対の保護フィルムで表示装置本体を挟持し、保護フィルムの周辺部において保護フィルム同士を密着させて封止する方法が提案されている。
このように表示装置本体を保護フィルムによって封止することによって、外部からの水分等の侵入の防止を図っている。
一方、接着剤に、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機物からなる微粒子フィラーを混入することにより、接着層の水分、ガス遮断性を向上させる方法も知られている。しかし、この方法では、接着剤の接着性能が低下してしまい、封止部の剥離等の問題を引き起こしていた。
従って、本発明によれば、封止部の一部に圧着部が設けられることで、封止部の接着剤を透過する水分、ガス等が圧着部において遮断され、表示素子内への水分、ガス等の進入が防止される。これにより、表示素子の耐久性と寿命を格段に向上させることができる。
ここで、圧着により保護膜同士を接触させる場合、保護膜間の接着剤が加圧により完全には排除されず、保護膜間に数μmの接着剤が残ってしまい、現実には保護膜同士が接触しない場合がある。しかしながら、保護膜同士は実質的に接触しているとみなすことができるため、本発明においては保護膜同士が実質的に接触されたという表現を用いている。
なお、本願発明において、電気光学装置とは、電界により物質の屈折率が変化して光の透過率を変化させる電気光学効果を有するものの他、電気エネルギーを光学エネルギーに変換するもの等も含んで総称している。具体的には、電気光学物質として液晶を用いる液晶表示装置、電気光学物質として有機EL(Electro-Luminescence)を用いる有機EL装置、無機ELを用いる無機EL装置、電気光学物質としてプラズマ用ガスを用いるプラズマディスプレイ装置等がある。さらには、電気泳動ディスプレイ装置(EPD:Electrophoretic Display)、フィールドエミッションディスプレイ装置(FED:電界放出表示装置:Field Emission Display)、エレクトロクロミックディスプレイ装置(ECD:Electrochromic Display)等がある。
また、樹脂層は、水分バリア性は高いが、吸水性を有するものが多く、バリア層よりも基板側に配置すると樹脂層に吸収された水分により表示素子内に水分が侵入してしまうおそれがあるが、樹脂層をバリア層よりも外側に配置することで、樹脂層から表示素子への直接の水分等の侵入を防止することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は本発明の電気泳動表示装置1の一実施形態を示す図であり、図1中符号1は電気泳動表示装置である。図2(a)、(b)は、図1に示す電気泳動表示装置1の封止部22に設けられる圧着部24の変形例を示す断面図である。なお、以下の説明に用いた各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。また、本実施形態において、第1の基板3と第2の基板5とが互いに対向する側のそれぞれの基板面を内面とよび、その内面の反対側の面を外面とよぶ。
表示素子20は、対向配置された複数の画素電極2を有してなる第1の基板3と共通電極(対向電極)4を有してなる第2の基板5と、この基板3,5間に挟持される電気的刺激に対応して光学特性が変化する表示材料を封入したマイクロカプセル6とを有している。
前記液相分散媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の各種エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ぺンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロへキサン、メチルシクロへキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキシルベンゼン、ヘブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン等の長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩又はその他の種々の油類等の単独、又はこれらの混合物に界面活性剤等を配合したものを用いることができる。
この電気泳動粒子としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料、二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等の白色顔料、モノアゾ、ジイスアゾン、ポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン、黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー、アンチモン等の黄色顔料、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドンレッド、クロムバーミリオン等の赤色顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、アントラキノン系染料、紺青、群青、コバルトブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料等の1種又は2種以上を用いることができる。
マイクロカプセル6の壁膜を形成する材料としては、アラビアゴム・ゼラチンの複合膜、ウレタン樹脂、メラニン樹脂、尿素樹脂などの化合物が使用できる。
また、電気泳動粒子を一種類のみ用い、これを共通電極4側、あるいは画素電極2側に泳動させることで、表示をなすようにしてもよい。
樹脂層14aの材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)などの樹脂、又はアルミ箔、銅箔、コバール箔等の金属箔又は金属薄膜と樹脂膜とを積層したものが好適に用いられる。
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の製造方法について図3〜図5を参照して説明する。
図3(a)〜(c)及び図4(a)〜(c)は、電気泳動表示装置1の製造工程を示す断面図である。図5は、封止部22の形成方法の変形例を示す図である。なお、図3及び図4において、画素電極2及び共通電極4は省略して説明する。
弾性変形可能なポリイミドからなる第1の基板3を用意し、セミアディティブ法等の方法により第1の基板3の表示領域に画素電極を形成する。
また、透明材料のポリエチレンテレフタレート(PET)からなる第2の基板5を用意し、第2の基板5の表示領域にITOからなる共通電極を蒸着法等により形成する。
次に、第2の基板5の共通電極表面に、バインダ10を用いて多数のマイクロカプセル6を固着する。続けて、マイクロカプセル6が固着された第2の基板5を必要に応じて接着剤を用ることによって第1の基板3に貼り付けて、一対の基板3,5間を固着する。
このようにして、対向配置された一対の第1の基板3及び第2の基板5にマイクロカプセル6が挟持された表示素子20を形成する。
続けて、保護フィルム14が配置された表示素子20を真空ラミネート装置に搬送する。真空ラミネート装置内には、ダイヤフラム32とダイヤフラム32に接続された真空装置とが設けられている。表示素子20は、真空ラミネート装置のダイヤフラム32内に収容し、その後、ダイヤフラム32内を真空装置によって真空引きする。
このようにして、表示素子20の側周において保護フィルム14の周縁部同士が接着剤18を介して固着された封止部22を形成する。
図5(a)、(b)は、封止部22に圧着部24を形成する工程を示す断面図である。
この加圧により、図5(b)に示すように、封止部22の基端部(左)から先端部(右)に向かって保護フィルム14,14間の間隔が狭くなり、封止部22の最先端部において保護フィルム14,14同士が接触する。
これにより、封止部22に保護フィルム14,14同士が互いに接触された圧着部24が形成される。
接着剤18に熱硬化性樹脂を用いる場合には、接着剤18が配置された封止部22の幅方向Dの一部を封止部22の上方及び下方側から加圧してバリア層14b,14b同士を接触させる。続けて、封止部22に配置された接着剤18を加熱して接着剤18を硬化させて、封止部22の一部に圧着部24を形成する。
また、接着剤18に紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、接着剤18が配置された封止部22の幅方向Dの一部を封止部22の上方及び下方側から加圧してバリア層14b,14b同士を接触させる。続けて、封止部22に配置された接着剤18に紫外線を照射して接着剤18を硬化させて、封止部22の一部に圧着部24を形成する。
次に、本実施形態について図面を参照して説明する。
上記実施形態では、保護フィルムの封止部となる位置に接着剤を選択的に配置した。これに対し、本実施形態では、保護フィルムの全面に接着剤を配置している点において異なる。なお、その他の電気泳動表示装置の基本構成及び製造方法は、上記第1実施形態と同様であり、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
まず、図6(a)に示すように、保護フィルム14,14の一方面側の全面に接着剤18を配置する。接着剤18としては、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、若しくはアクリル樹脂等の樹脂系接着剤、又はこれらの樹脂系接着剤中に窒化珪素等の無機材料フィラーを含有させたものを用いても良いし、ホットメルト材を保護フィルムの全面にコーティングしても良い。
最後に、図6(c)に示すように、真空ラミネート装置により保護フィルム14をラミネートして表示素子20全体を保護フィルム14によって封止する。
次に、本発明の電子機器について説明する。本発明の電子機器は、前述した本発明の表示装置を備えてなるものである。
以下、前記表示装置を備えた電子機器の例について説明する。
まず、前記電気泳動表示装置を、腕時計の表示部に適用した例について説明する。図7は、腕時計50の概略構成を示す斜視図である。腕時計50は、図7に示すように、時刻を表示する表示部56と、表示部56の外枠として設けられた時計ケース52と、時計ケース52に取り付けられた時計バンド54とを備えている。本実施形態の腕時計50は、時計の表示部56が湾曲しており、腕時計50の利用者の腕に巻きつくような形状となっている。
次に、前記表示装置を、携帯電話の表示部に適用した例について説明する。図8は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。この携帯電話90は、図8に示すように、複数の操作ボタン91の他、受話口92、送話口93とともに、前記表示装置64を備えるものである。
次に、前記表示装置を、電子ペーパーの表示部に適用した例について説明する。図9は、この電子ペーパーの構成を示す斜視図である。この電子ペーパー110は、紙と同様の質感及び柔軟性を有するリライタブルシートからなる本体111と、前記表示装置64を備えた表示ユニットとから構成されている。
なお、前記の電子機器としては、腕時計、携帯電話及び電子ペーパー以外にも、例えば表示部に上記電気泳動表示装置を備える、電子ノート、パーソナルコンピュータ、指紋検知センサ等を備えたICカードや、さらには、電子ブック、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などを挙げることができる。
例えば、上記実施形態では、電気泳動分散液層としてマイクロカプセルを用いた例を説明したが、これに代えて、図10に示すように、一対の基板3,5間に液相分散媒中に泳動粒子を分散させた電気泳動分散液層28を挟持させても良い。
また、上記実施形態では、電気光学物質として電気泳動分散液層を用いたが、その他にも液晶及び有機EL(Electro-Luminescence)、エレクトロクロミック材料等を用いることができる。
Claims (8)
- 電気光学物質が挟持された一対の基板を備える表示素子が、保護膜によって封止された電気光学装置であって、
前記表示素子の外周には、前記保護膜同士が接着剤を介して固着された封止部が設けられ、
前記封止部の少なくとも一部には、前記保護膜同士が加圧により互いに接触された圧着部が設けられたことを特徴とする電気光学装置。 - 前記保護膜が高分子材料からなる樹脂層と無機材料からなるバリア層とを有し、
前記保護膜の前記バリア層が前記樹脂層よりも前記基板側に設けられ、
前記圧着部において、前記保護膜の前記バリア層同士が互いに接触されたことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。 - 電気光学物質が挟持された一対の基板を備える表示素子が、一対の保護膜によって封止された電気光学装置の製造方法であって、
前記一対の保護膜の前記表示素子の外周に対応するそれぞれの位置に接着剤を配置する接着剤配置工程と、
前記一対の保護膜のそれぞれを前記接着剤が配置された面側を対向させて前記表示素子の外面側に配置する保護膜配置工程と、
前記一対の保護膜によって前記表示素子を挟み込み、前記保護膜の前記接着剤が配置された部分同士を固着して前記表示素子の外周に封止部を形成する封止部形成工程と、
前記封止部の少なくとも一部を圧着して、前記保護膜同士を互いに接触させて圧着部を形成する圧着部形成工程と、
を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 前記接着剤配置工程において、前記接着剤に熱可塑性樹脂を用い、
前記圧着部形成工程において、前記接着剤を加熱した後に、前記封止部の少なくとも一部を加圧して前記圧着部を形成することを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置の製造方法。 - 前記接着剤配置工程において、前記接着剤に熱硬化性樹脂を用い、
前記圧着部形成工程において、前記封止部の少なくとも一部を加圧した後に、前記接着剤を加熱して前記圧着部を形成することを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置の製造方法。 - 前記接着剤配置工程において、前記接着剤に紫外線硬化性樹脂を用い、
前記圧着部形成工程において、前記封止部の少なくとも一部を加圧した後に、前記接着剤に紫外線を照射して前記圧着部を形成することを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置の製造方法。 - 前記封止部形成工程において、真空ラミネート装置を用いて、前記表示素子を前記一対の保護膜によって挟み込み、前記表示素子の外周に前記封止部を形成することを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載の電気光学装置の製造方法。
- 請求項1又は請求項2に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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