JP2007169701A - 電気接点用材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電気接点用材料及びその製造方法において、炭素微粉末の凝集を抑制すると共に良好な焼結状態を得ること。
【解決手段】 銀粉末を主成分とする主材料と炭素微粉末とをメカニカルアロイングにより混合して複合粉末とする工程(S1)と、複合粉末を成形して成形体とする工程(S2)と、成形体を焼結する工程(S3)と、を有する。特に、炭素微粉末をカーボンナノファイバ等のフラーレンとする。これにより、銀粉末内部に炭素微粉末を均一分散させた状態で混入させることができ、炭素微粉末の凝集体発生や焼結時の状態悪化を抑制すると共に固化成形後の加工性も良好に維持することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 銀粉末を主成分とする主材料と炭素微粉末とをメカニカルアロイングにより混合して複合粉末とする工程(S1)と、複合粉末を成形して成形体とする工程(S2)と、成形体を焼結する工程(S3)と、を有する。特に、炭素微粉末をカーボンナノファイバ等のフラーレンとする。これにより、銀粉末内部に炭素微粉末を均一分散させた状態で混入させることができ、炭素微粉末の凝集体発生や焼結時の状態悪化を抑制すると共に固化成形後の加工性も良好に維持することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば、リレーやスイッチ等に好適な電気接点用材料及びその製造方法に関する。
リレー、スイッチ、電磁開閉器及びブレーカ等の電気接点には、耐溶着性や耐消耗性等の電気接点性能が要求されている。
例えば、従来、特許文献1には、硬く、消耗し難くするために、銀を主成分とし、カーボンナノチューブを含有した電気接点用材料が提案されている。この特許文献1に記載の技術では、原料となる粉末の混合工程において、銀粉とカーボンナノチューブとの混合粉をよくかき混ぜて混合粉中にカーボンナノチューブを分散させている。
例えば、従来、特許文献1には、硬く、消耗し難くするために、銀を主成分とし、カーボンナノチューブを含有した電気接点用材料が提案されている。この特許文献1に記載の技術では、原料となる粉末の混合工程において、銀粉とカーボンナノチューブとの混合粉をよくかき混ぜて混合粉中にカーボンナノチューブを分散させている。
また、特許文献2には、軽負荷、中電流領域での消耗量を少なくするために、銀粉末と炭素微粉末との乾式混合粉末を圧縮成型し焼結させた電気接点材料が提案されている。この特許文献2に記載の技術では、混合を湿式で行うと炭素微粉末の凝集が起こり、均一な分散状態が得られないため、乾式で混合を行っている。また、この技術では、混合系において炭素微粉末が銀粉末の表面に付着することによって炭素微粉末の分散が起こるが、銀粉末の平均粒径が小さいほど、銀粉末の表面積が増大し、その結果炭素微粉末のより均一な分散状態が得られるとしている。
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
特許文献1では、銀粉とカーボンナノチューブとを混合させる際に単によくかき混ぜる点のみを記載しているだけで、具体的な混合手段については特に言及していない。実際に、銀粉とカーボンナノチューブとを単にかき混ぜて混合させようとすると、特許文献2に記載されているようにカーボンナノチューブの凝集が起こり、均一に分散させることが困難である。
特許文献1では、銀粉とカーボンナノチューブとを混合させる際に単によくかき混ぜる点のみを記載しているだけで、具体的な混合手段については特に言及していない。実際に、銀粉とカーボンナノチューブとを単にかき混ぜて混合させようとすると、特許文献2に記載されているようにカーボンナノチューブの凝集が起こり、均一に分散させることが困難である。
また、特許文献2の技術のように、乾式で銀粉末に炭素微粉末を混合させることで、図3に示すように、銀粉末Agの表面に炭素微粉末Cがまぶされて付着した状態となり、炭素微粉末Cの凝集が湿式に比べて少なくなるが、銀粉末Agの表面に付着しきれなかった炭素微粉末Cが銀粉末Ag間で凝集体Gを形成し易くなる。この凝集体Gは、成形焼結した際に欠陥になるおそれがある。
特に、カーボンナノチューブのような微極細な炭素微粉末の場合は、銀粉末表面での凝集体を形成し易い。このカーボンナノチューブは、通常、水系又はアルコール系などの溶液に分散した状態で供給される。これは、乾燥した状態では、カーボンナノチューブが絡まって上述した凝集体となってしまうためである。この凝集体のサイズは、例えば100μm程度である。この凝集体状態のカーボンナノチューブを従来の粉末冶金プロセスで解くことは困難であった。
さらに、この特許文献2の技術では、炭素微粉末を銀粉末の表面に分散付着させる混合方法を採用しているが、銀粉末の表面を覆う炭素微粉末が銀の焼結(固相拡散)を妨げ、欠陥や気孔が発生し易くなり良好な焼結状態が得られないおそれがあった。そして、これらの問題は、炭素微粉末の添加量が多くなるほど顕著となり、混合した粉末の固化成形後の加工性も悪化する不都合があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、炭素微粉末の凝集を抑制すると共に良好な焼結状態が得られる電気接点用材料の製造方法及びこの製法で作製された電気接点用材料を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明の電気接点用材料の製造方法は、銀粉末を主成分とする主材料と炭素微粉末とをメカニカルアロイングにより混合して複合粉末とする工程と、前記複合粉末を成形して成形体とする工程と、前記成形体を焼結する工程と、を有することを特徴とする。
この電気接点用材料の製造方法では、銀粉末を主成分とする主材料と炭素微粉末とをメカニカルアロイングにより混合して複合粉末とすることにより、銀粉末の内部に炭素微粉末が分散混入される。すなわち、メカニカルアロイングによるボールミル時のボールの衝突エネルギーで炭素微粉末の混入を行うので、粉末同士の機械的な折りたたみと圧延を繰り返し起こさせることで、銀粉末の表面に炭素微粉末を単に付着させるのではなく、銀粉末内部に炭素微粉末を均一分散させた状態で混入させることができる。したがって、銀粉末の表面への炭素微粉末の付着を抑制することができ、炭素微粉末の凝集体発生や焼結時の状態悪化を抑制すると共に固化成形後の加工性も良好に維持することができる。なお、銀粉末は、銀合金粉末も含むものとする。
また、本発明の電気接点用材料の製造方法は、前記炭素微粉末がフラーレンであることを特徴とする。すなわち、この電気接点用材料の製造方法では、炭素微粉末としてフラーレン(炭素原子からなるクラスターで、炭素の同素体)を採用するので、通常のグラファイトよりも高い硬度が得られる炭素の同素体を銀粉末内部に分散させることができ、より硬い電気接点用材料を得ることができる。
さらに、本発明の電気接点用材料の製造方法は、前記フラーレンがカーボンナノファイバであることを特徴とする。すなわち、この電気接点用材料の製造方法では、フラーレンとして特に繊維方向の引張強度が非常に高い強度を有すると共に非常に高い弾性力も有するカーボンナノファイバを採用するので、さらに硬く優れた耐溶着性や耐消耗性等を有する電気接点用材料を得ることができる。例えば、カーボンナノファイバとしては、カーボンナノチューブ(炭素によって作られるネットワークが単層あるいは多層の同軸管状になったフラーレンの一種)や多層カーボンナノプレート(炭素によって作られるプレートが多数積層してファイバ状になったフラーレンの一種)等が用いられる。
また、本発明の電気接点用材料の製造方法は、前記炭素微粉末を0.05〜1.0重量%含有させることを特徴とする。すなわち、電気接点用材料の製造方法では、炭素微粉末を0.05〜1.0重量%含有させることにより、電気接点性能として十分な耐溶着性、加工性及び耐消耗性を得ることができる。
本発明の電気接点用材料は、上記本発明の電気接点用材料の製造方法によって作製されたことを特徴とする。
また、本発明の電気接点用材料は、銀粉末を主成分とする複合粉末の成形焼結体である電気接点用材料であって、前記銀粉末の内部に炭素微粉末が分散混入されていることを特徴とする。
これらの電気接点用材料では、銀粉末の内部に炭素微粉末が均一に分散混入されて成形焼結されているので、欠陥や気孔の発生が抑制された良好な焼結状態が得られ、より硬く、優れた耐溶着性や耐消耗性等の電気接点性能を有している。
また、本発明の電気接点用材料は、銀粉末を主成分とする複合粉末の成形焼結体である電気接点用材料であって、前記銀粉末の内部に炭素微粉末が分散混入されていることを特徴とする。
これらの電気接点用材料では、銀粉末の内部に炭素微粉末が均一に分散混入されて成形焼結されているので、欠陥や気孔の発生が抑制された良好な焼結状態が得られ、より硬く、優れた耐溶着性や耐消耗性等の電気接点性能を有している。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る電気接点用材料の製造方法によれば、メカニカルアロイングによって銀粉末と炭素微粉末との混合を行うので、銀粉末内部に炭素微粉末を均一分散させた状態で混入させることができ、炭素微粉末の凝集体発生や焼結時の状態悪化を抑制すると共に固化成形後の加工性も良好に維持することができる。したがって、この製法によって作製された本発明の電気接点用材料によれば、良好な焼結状態が得られ、硬く優れた耐溶着性や耐消耗性等の電気接点性能を有し、リレー、スイッチ、電磁開閉器及びブレーカ等に好適な電気接点を得ることができる。
すなわち、本発明に係る電気接点用材料の製造方法によれば、メカニカルアロイングによって銀粉末と炭素微粉末との混合を行うので、銀粉末内部に炭素微粉末を均一分散させた状態で混入させることができ、炭素微粉末の凝集体発生や焼結時の状態悪化を抑制すると共に固化成形後の加工性も良好に維持することができる。したがって、この製法によって作製された本発明の電気接点用材料によれば、良好な焼結状態が得られ、硬く優れた耐溶着性や耐消耗性等の電気接点性能を有し、リレー、スイッチ、電磁開閉器及びブレーカ等に好適な電気接点を得ることができる。
以下、本発明に係る電気接点用材料の製造方法及びこの製法で作製された電気接点用材料の一実施形態を、図1及び図2を参照しながら説明する。
本実施形態の電気接点用材料の製造方法は、図1及び図2に示すように、まず銀粉末Agを主成分とする主材料と炭素微粉末Cとをメカニカルアロイングにより混合して複合粉末とする(S1)。上記炭素微粉末Cとしては、フラーレンを用いることが好ましく、特にフラーレンの一種であるカーボンナノファイバを使用することが望ましい。カーボンナノファイバとしては、単層又は多層のカーボンナノチューブ又は多層カーボンナノプレートを用いる。
多層カーボンナノチューブのサイズとしては、例えば直径15〜20nm、長さ0.1〜10μmのものを使用し、多層カーボンナノプレートのサイズとしては、例えば直径20〜100nm、長さ0.1〜1μmのものを使用する。なお、銀粉末Agのサイズは、例えば10〜60μm程度である。
また、炭素微粉末Cは、0.05〜1.0重量%の範囲内で含有させる。炭素微粉末Cの添加量をこの範囲に設定しているのは、0.05重量%未満では十分な耐溶着性などの電気接点性能が得られず、1.0重量%を超えると加工が困難になると共に耐消耗性などの電気接点性能が得られないためである。
このメカニカルアロイングされた複合粉末は、図2に示すように、銀粉末Agの内部に炭素微粉末Cが分散混入された状態となる。すなわち、メカニカルアロイングによるボールミル時のボールの衝突エネルギーで炭素微粉末Cの混入を行うので、粉末同士の機械的な折りたたみと圧延を繰り返し起こさせることで、銀粉末Agの表面に炭素微粉末Cを単に付着させるのではなく、銀粉末Ag内部に炭素微粉末Cを均一分散させた状態で混入させることができる。なお、この銀粉末Agは、銀合金粉末であっても構わない。また、メカニカルアロイングを行う装置としては、アトライタ装置、振動ミル又は遊星式ボールミル装置などを用いる。
メカニカルアロイングで用いるボールは、例えばステンレス鋼製、超硬合金製などの直径1〜10mm程度のものを使用する。また、メカニカルアロイングの処理時間は、例えば10〜30時間に設定する。さらに、処理に際しては、適当な粉砕助剤(アルコール系など)を添加してもよい。特に、炭素微粉末Cとして多層カーボンナノチューブを使用する場合は、イソプロピルアルコールなどを用いた分散溶液の状態で処理容器に投入する。この場合の分散溶媒は、メカニカルアロイングのための粉砕助剤として機能する。なお、粉砕助剤を使用した場合は、メカニカルアロイング処理後に粉末の乾燥を行う。
次に、メカニカルアロイングされた複合粉末を用いて、金型成形又は静水圧成形などの公知の粉末成形方法により圧粉成形して成形体とする(S2)。さらに、この成形体を非酸化性の雰囲気中において焼結を行って成形焼結体(電気接点用材料)とする(S3)。この焼結方法としては、真空焼結、常圧焼結、加圧焼結などの公知の焼結方法を用いる。
この成形焼結体を電気接点とする形態としては、以下のものがある。
(1)成形焼結体のままの状態で接点とする。
(2)成形焼結体にコイニング加工や切削加工を施して所定形状の接点とする(S4)。
(3)成形焼結体に押出・伸線加工を施して線材として後、ヘッダ加工によりリベット形状の接点とする(S4)。
(4)成形焼結体に圧延加工を施して板材とした後、切断又は抜き加工により所定形状の接点とする(S4)。
(1)成形焼結体のままの状態で接点とする。
(2)成形焼結体にコイニング加工や切削加工を施して所定形状の接点とする(S4)。
(3)成形焼結体に押出・伸線加工を施して線材として後、ヘッダ加工によりリベット形状の接点とする(S4)。
(4)成形焼結体に圧延加工を施して板材とした後、切断又は抜き加工により所定形状の接点とする(S4)。
このように本実施形態では、銀粉末Agを主成分とする主材料と炭素微粉末Cとをメカニカルアロイングにより混合して複合粉末とすることにより、銀粉末Ag内部に炭素微粉末Cを均一分散させた状態で混入させることができる。したがって、銀粉末Agの表面への炭素微粉末Cの付着を抑制することができ、炭素微粉末Cの凝集体発生や焼結時の状態悪化を抑制すると共に固化成形後の加工性も良好に維持することができる。したがって、この製法によって作製された電気接点用材料によれば、良好な焼結状態が得られ、硬く優れた耐溶着性や耐消耗性等の電気接点性能を有することができる。
また、炭素微粉末Cとしてフラーレン、特に繊維方向の引張強度が非常に高い強度を有すると共に非常に高い弾性力も有するカーボンナノファイバを採用するので、さらに硬く優れた耐溶着性や耐消耗性等を有する電気接点用材料を得ることができる。
さらに、炭素微粉末Cを0.05〜1.0重量%含有させることにより、電気接点性能として十分な耐溶着性、耐消耗性及び加工性を得ることができる。
さらに、炭素微粉末Cを0.05〜1.0重量%含有させることにより、電気接点性能として十分な耐溶着性、耐消耗性及び加工性を得ることができる。
次に、本発明に係る電気接点用材料の製造方法を、実施例により具体的に説明する。
まず、炭素微粉末Cとして多層カーボンナノチューブを分散したイソプロピルアルコール溶液及び250メッシュ以下の粒度の銀粉末Agを用意し、これらを表1に示す割合に成るように配合した。
まず、炭素微粉末Cとして多層カーボンナノチューブを分散したイソプロピルアルコール溶液及び250メッシュ以下の粒度の銀粉末Agを用意し、これらを表1に示す割合に成るように配合した。
上記配合の銀粉末及び多層カーボンナノチューブを、アトライタ装置によってメカニカルアロイング処理して複合粉末とした。この処理では、直径5mmの超硬合金製のボールを使用し、処理時間は12時間とした。
次に、メカニカルアロイング処理した複合粉末を圧力200MPaで金型成形し、直径10mmの円柱状成形体とした。そして、この円柱状成形体を真空中で900℃1時間の焼結を行って焼結体とした後、さらに、この焼結体を圧力500MPaでコイニングし、緻密化を図って表1の試料1〜6の電気接点用材料とした。
次に、メカニカルアロイング処理した複合粉末を圧力200MPaで金型成形し、直径10mmの円柱状成形体とした。そして、この円柱状成形体を真空中で900℃1時間の焼結を行って焼結体とした後、さらに、この焼結体を圧力500MPaでコイニングし、緻密化を図って表1の試料1〜6の電気接点用材料とした。
また、別の実施例として、表2に示す割合に配合した銀粉末Ag(250メッシュ以下のもの)と炭素微粉末Cとしての多層カーボンナノプレートとを用意し、上記実施例と同様に、メカニカルアロイング処理、金型成形、焼結及びコイニングを行って表2の試料7〜12の電気接点用材料とした。なお、このメカニカルアロイング処理では、粉砕助剤としてイソプロピルアルコールを粉末重量の1%加えて処理を行った。
なお、比較例として、表3に示す割合に配合した銀粉末Ag(メッシュ250以下のもの)と炭素微粉末Cとしての多層カーボンナノプレートとを用意し、V型混合機を用いて一般的な混合処理を行ったものも作製した。この混合処理では、混合時間を5時間とした。また、混合処理後は、上記実施例と同様の金型成形、焼結及びコイニングを行って表3の試料13〜18の電気接点用材料とした。
このように作製した上記実施例及び比較例の電気接点用材料を切削加工することで、頭部径4mm、頭部厚1mm、足部径2mm、足部長2mmのリベット接点(電気接点)を作製した。
上記実施例及び比較例の試験として、上記リベット接点としたものをASTM(American Society for Testing and Materials:米国材料試験協会) 電気接点試験機用の台金にかしめて電気試験を行った。
この電気試験の条件は、AC210V、抵抗負荷20A、1秒ON/4秒OFF、接触力40gf、開離力40gf及び開閉試験回数3万回とした。
そして、この電気試験における評価として、電気試験による累積溶着回数と開閉試験前後の重量差である接点消耗重量とを調べた。
上記実施例及び比較例の試験として、上記リベット接点としたものをASTM(American Society for Testing and Materials:米国材料試験協会) 電気接点試験機用の台金にかしめて電気試験を行った。
この電気試験の条件は、AC210V、抵抗負荷20A、1秒ON/4秒OFF、接触力40gf、開離力40gf及び開閉試験回数3万回とした。
そして、この電気試験における評価として、電気試験による累積溶着回数と開閉試験前後の重量差である接点消耗重量とを調べた。
表1〜3に示すように、メカニカルアロイング処理を行った複合粉末による本実施例では、従来の一般的な混合処理を行った比較例に対して、累積溶着回数及び接点消耗重量が両方とも大幅に低減されており、耐溶着性及び耐消耗性のいずれも明らかに優れていることがわかる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、上述したように炭素微粉末Cとしてカーボンナノチューブやカーボンナノプレートのカーボンナノファイバを採用することが好ましいが、通常のグラファイト等の他の炭素微粉末を用いても構わない。また、フラーレンとして球状の構造を有するC60やC70等のクラスターを用いても構わない。
また、炭素微粉末Cの他に、Cu、Ni及びFe等の金属粉末、又は、Sn、Zn及びCu等の酸化物の粉末を一種以上、適宜混合しても構わない。
例えば、上記実施形態では、上述したように炭素微粉末Cとしてカーボンナノチューブやカーボンナノプレートのカーボンナノファイバを採用することが好ましいが、通常のグラファイト等の他の炭素微粉末を用いても構わない。また、フラーレンとして球状の構造を有するC60やC70等のクラスターを用いても構わない。
また、炭素微粉末Cの他に、Cu、Ni及びFe等の金属粉末、又は、Sn、Zn及びCu等の酸化物の粉末を一種以上、適宜混合しても構わない。
Ag…銀粉末、C…炭素微粉末、G…凝集体
Claims (6)
- 銀粉末を主成分とする主材料と炭素微粉末とをメカニカルアロイングにより混合して複合粉末とする工程と、
前記複合粉末を成形して成形体とする工程と、
前記成形体を焼結する工程と、を有することを特徴とする電気接点用材料の製造方法。 - 請求項1に記載の電気接点用材料の製造方法において、
前記炭素微粉末がフラーレンであることを特徴とする電気接点用材料の製造方法。 - 請求項2に記載の電気接点用材料の製造方法において、
前記フラーレンがカーボンナノファイバであることを特徴とする電気接点用材料の製造方法。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の電気接点用材料の製造方法において、
前記炭素微粉末を0.05〜1.0重量%含有させることを特徴とする電気接点用材料の製造方法。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の電気接点用材料の製造方法によって作製されたことを特徴とする電気接点用材料。
- 銀粉末を主成分とする複合粉末の成形焼結体である電気接点用材料であって、
前記銀粉末の内部に炭素微粉末が分散混入されていることを特徴とする電気接点用材料。
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