JP2007168393A - 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、および液滴吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、および液滴吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】密着性および吐出方向性に優れた撥水膜を備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、および液滴吐出ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】ノズル2aを有するとともに表面に撥水膜10が形成されたノズルプレート2と、プールプレート3とを備えた液滴吐出ヘッド1において、撥水膜10を、ノズルプレート2の表面上に形成され、ノズルプレート2の表面との間の密着性を向上させる下地層10aと、下地層10a上に形成された撥水層10bとから構成するとともに、下地層10aを、ノズルプレート2の表面に対する密着性が撥水層10bよりも大である第1下地層10aと、撥水層10bに対する密着性が第1下地層10aよりも大である第2下地層10aとから構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、および液滴吐出ヘッドの製造方法に関し、さらに詳しくは、密着性(耐剥離性)および吐出方向性に優れた撥水膜を備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、および液滴吐出ヘッドの製造方法に関する。
液滴吐出ヘッドは、従来より、ノズルを有するノズルプレートの吐出側表面に、撥水性を付与すべく撥水膜を形成して、液滴の付着を防止し、ノズルプレートの表面の均一性を高めることにより、液滴の吐出方向性の安定化を図ることが行われている(例えば、特許文献1、2参照。)。
具体的には、特許文献1に記載された液滴吐出ヘッドは、ノズル形成部材(ノズルプレート)の表面にSiO膜がスパッタリングで形成され、そのSiO膜上にフッ素系撥水剤がコーティングされている。
特許文献2に記載された液滴吐出ヘッドは、吐出口プレート(ノズルプレート)の表面にSiO膜が蒸着され、そのSiO膜上にシランカップリング剤等の撥水性有機材料が蒸着によって形成されている。
特開2003―341070号公報(請求項6、8) 特開平11―91109号公報(段落[0025]、[0026])
しかしながら、特許文献1に記載された発明によると、下地層としてスパッタリングによって形成されたSiO膜は、ノズルプレートとしてポリイミド樹脂を用いた場合、ノズルプレートとの密着性(耐剥離性)は良好だが、スパッタリングによって形成したSiO膜上にフッ素系撥水膜を形成すると、撥水膜表面に微小な凹凸が発生し、液滴の吐出方向性の面において必ずしも十分に満足し得るものではないという問題がある。
また、特許文献2に記載された発明によると、下地層として蒸着によって形成されたSiO膜は、ノズルプレートとしてポリイミド樹脂を用いた場合、ノズルプレートとの密着性(耐剥離性)が不十分であるという問題がある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、密着性(耐剥離性)および吐出方向性に優れた撥水膜を備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、および液滴吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、以下の液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、および液滴吐出ヘッドの製造方法を提供する。
[1]液滴を吐出するノズルを有するとともに、表面上に撥水膜として下地層および撥水層がこの順序で形成されたノズルプレートと、前記ノズルプレートの裏面に接合され、前記ノズルに連通する連通孔を有するプールプレートとを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
前記下地層は、前記ノズルプレートの前記表面上に形成され、前記ノズルプレートの前記表面に対する密着性が前記撥水層よりも大である第1下地層と、前記第1下地層の表面上に形成され、前記撥水層に対する密着性が前記第1下地層よりも大である第2下地層とから構成されてなることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
このように構成することによって、密着性および吐出方向性に優れた撥水膜を備えた液滴吐出ヘッドとすることができる。密着性は、耐剥離性と同義である。
[2]前記ノズルプレートは、その表面の前記ノズル周辺に凸部を有し、
前記撥水膜は、前記ノズルプレートの前記ノズル周辺の表面、および前記凸部の側面および表面に形成されてなることを特徴とする前記[1]に記載の液滴吐出ヘッド。
この構成によれば、ノズル周辺に凸部を設けることにより、ノズル周辺の撥水膜をワイピング等の機械的な摩耗から保護することができる。
[3]前記撥水層は、フッ素系化合物からなることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の液滴吐出ヘッド。
これにより、撥水性および密着性を向上させることができる。
[4]前記第1下地層は、SiOからなり、前記第2下地層は、SiOからなることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の液滴吐出ヘッド。
第1下地層および第2下地層として、シリコン酸化膜同士を組み合わせることにより、第1下地層と第2下地層との密着性が向上する。
[5]前記SiOは、30〜100nmの膜厚を有し、前記SiOは、30〜100nmの膜厚を有することを特徴とする前記[4]に記載の液滴吐出ヘッド。
[6]前記第1下地層は、Siからなり、前記第2下地層は、SiNからなることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の液滴吐出ヘッド。
第1下地層および第2下地層として、シリコン窒化膜同士を組み合わせることにより、第1下地層と第2下地層との密着性が向上する。
[7][1]〜[6]のいずれか1つに記載の液滴吐出ヘッドと、画像信号に基づいて前記液滴吐出ヘッドを制御して前記液滴吐出ヘッドから液滴を吐出させ、記録媒体上に画像を記録する制御部とを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
このように構成することによって、耐久性に優れるとともに、高精細な画像情報の記録を可能とする液滴吐出装置とすることができる。
[8]液滴を吐出するノズルを有するとともに、表面上に撥水膜として下地層および撥水層がこの順序で形成されたノズルプレートと、前記ノズルプレートの裏面に接合され、前記ノズルに連通する連通孔を有するプールプレートとを備えた液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記ノズルプレートの前記表面上に形成され、前記ノズルプレートの前記表面に対する密着性が前記撥水層よりも大である第1下地層を形成し、前記第1下地層の表面上に形成され、前記撥水層に対する密着性が前記第1下地層よりも大である第2下地層を形成し、前記第2下地層上に前記撥水層を形成することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
このように構成することによって、密着性および吐出方向性に優れた撥水膜を備えた液滴吐出ヘッドの製造方法とすることができる。
[9]前記第1下地層は、スパッタリングにより形成されてなり、前記第2下地層は、蒸着により形成されてなることを特徴とする前記[8]に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
この構成によれば、スパッタリングによりノズルプレートと第1下地層との密着性がさらに向上し、蒸着によって撥水膜の平坦性が良くなる。
本発明によれば、密着性および吐出方向性に優れた撥水膜を備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、および液滴吐出ヘッドの製造方法を提供することができる。
[第1の実施の形態]
(液滴吐出ヘッドの構成)
図1および図2は、本発明の第1の実施の形態に係る液滴吐出ヘッドを示し、図1は平面図、図2(a)は図1のA−A線断面図、図2(b)は図2(a)のB部詳細図である。
この液滴吐出ヘッド1は、図1に示すように、略平行四辺形の振動板7と、振動板7上に配置された複数の圧電素子8と、複数の圧電素子8に対向する位置に形成された複数のノズル2aとを有し、圧電素子8を駆動することにより、内部に貯留されている液体がノズル2aから液滴として吐出するように構成されている。なお、7aは、振動板7に設けられ、図示しない液体タンクから液体がヘッド1内部に供給される供給孔である。
また、液滴吐出ヘッド1は、図2(a)に示すように、ノズル2aが形成されたノズルプレート2を有し、このノズルプレート2の吐出側と反対側の面(裏面)に、連通孔3aおよび液プール3bを有するプールプレート3と、連通孔4aおよび供給孔4bを有する供給孔プレート4と、連通孔5aおよび供給路5bを有する供給路プレート5と、圧力発生室6aを有する圧力発生室プレート6と、上記振動板7と、上記圧電素子8とを順次積層して構成されている。また、液プール3bからは、供給孔4bおよび供給路5bを介して圧力発生室6aに連通し、圧力発生室6aからは連通孔5a,4a,3aを介してノズル2aに連通している。
さらに、液滴吐出ヘッド1は、図2(b)に示すように、ノズルプレート2の吐出側の面(表面)に、ノズル2a周辺に凸部9aが形成されるように凸部プレート9が接合されており、ノズルプレート2のノズル2a周辺の表面、および凸部9aの側面および表面に第1下地層10a、第2下地層10aおよび撥水層10bからなる撥水膜10を形成している。ノズル2aの周辺に撥水膜10を形成することにより、ノズル2aから吐出する液滴がノズル2aに対して垂直方向に吐出されるようになる。また、ノズル2aの周辺に凸部9aを設けることにより、ノズル2a周辺の撥水膜10をワイピング等による機械的な摩耗から保護することができる。
ノズル2aが形成されたノズルプレート2、連通孔3aおよび液プール3bを有するプールプレート3、凸部9aが形成された凸部プレート9、および撥水膜10が積層された構成を、以下、第1の積層体S1という。また、連通孔4aおよび供給孔4bを有する供給孔プレート4、連通孔5aおよび供給路5bを有する供給路プレート5、圧力発生室6aを有する圧力発生室プレート6、および圧電素子8を備えた振動板7が積層された構成を、以下、第2の積層体S2という。
図1、図2では、1つの液滴吐出ヘッド1を示すが、複数の液滴吐出ヘッド1を組み合わせて液滴吐出ヘッドユニットとして、また、複数の液滴吐出ヘッドユニットを配列して液滴吐出ヘッドアレイとして用いることができる。
次に、液滴吐出ヘッド1の各部の詳細を説明する。
(ノズルプレート)
ノズルプレート2としては、ノズル2aの形成が容易である点から合成樹脂から構成されたものが好ましく、例えば、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、液晶ポリマー、アロマティックポリアミド樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリサルフォン樹脂等を挙げることができる。中でも、自己融着型のポリイミド樹脂が好ましい。ノズルプレート2の厚さは、15〜100μmであることが好ましい。
(プールプレート)
プールプレート3としては、材質が、腐食性等の点からSUS等の金属から構成されたものを好適例として挙げることができる。
(圧電素子)
圧電素子8は、上面と下面に電極がスパッタリング等により形成されており、下面の電極は、導電性接着剤により振動板7に電気的に接続され、振動板7を介して接地されている。圧電素子8の上面の電極は、ハンダにより図示しないフレキシブルプリント基板の導電パターンに接続されている。また、圧電素子8は、圧力発生室6aに対応する振動板7の部分に接合されている。
(凸部プレート)
凸部プレート9は、SUS等の金属、ポリイミド樹脂等の樹脂から構成されている。凸部9aの高さは、5〜30μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。
(撥水膜)
撥水膜10の第1下地層10aは、ノズルプレート2の表面上に形成され、ノズルプレート2の表面に対する密着性(耐剥離性)が撥水層10bよりも大であり、第2下地層10aは、第1下地層10aの表面上に形成され、撥水層10bに対する密着性(耐剥離性)が第1下地層10aよりも大となっている。
第1下地層10aとしては、ノズルプレート2の表面に対する密着性が撥水層10bよりも大であれば特に制限はないが、例えば、厚さが30〜100nmの、SiO、SiO、SiO等のシリコン酸化膜又はSi、SiN等のシリコン窒化膜を挙げることができる。中でも、耐インク性に優れるとともに、ノズルプレート2として用いるポリイミドのような樹脂およびフッ素系撥水材料との密着性(耐剥離性)にも優れていることから、SiOおよびSiからなるものが好ましい。
第2下地層10aとしては、撥水層10bに対する密着性が第1下地層10aよりも大であれば特に制限はないが、例えば、厚さが30〜100nmの、第1下地層10aがSiO、からなる場合は、SiOからなるものが好ましく、第1下地層10aがSiからなる場合は、SiNからなるものが好ましい。これにより、第1下地層10aと第2下地層10aとの密着性が良くなる。
撥水層10bとしては、例えば、フッ素系化合物からなるフッ素系撥水膜、シリコーン系撥水膜、プラズマ重合保護膜、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ニッケル共析めっき等を挙げることができる。中でも、フッ素系化合物からなるフッ素系撥水膜が、撥水性および密着性に優れていることから好ましい。撥水層10bの厚さは、10〜50nmであることが好ましい。
(液滴吐出ヘッドの製造方法)
図3(a)〜(g)は、本液滴吐出ヘッド1の製造工程を示す。
(1)第1の積層体S1の作製
まず、図3(a)に示すように、凸部9aを形成するため、例えば、自己融着型のポリイミドフィルムからなるノズルプレート2上に、例えば、SUSからなる凸部プレート9を加熱加圧(例えば、300℃、300kgf)により接合する。なお、ノズルプレート2として自己融着型のポリイミドフィルムを用いない場合は、接合に接着剤等を用いてもよい。
次に、図3(b)に示すように、凸部プレート9上にフォトリソグラフィ法によって、所望の形状となるようにレジスト11をパターニングする。
次に、図3(c)に示すように、このレジスト11をマスクとして凸部プレート9をエッチングし、ノズルプレート2の表面上のノズル2aが形成されることになる部分以外の領域に凸部9aを形成する。
次に、図3(d)に示すように、例えば、自己融着型のポリイミドフィルムからなるノズルプレート2の裏面に、連通孔3aおよび液プール3bを有する、例えば、SUSからなるプールプレート3を加熱加圧(例えば、300℃、300kgf)によって接合する。なお、図3では、連通孔3aの周辺のみを図示する。
ノズルプレート2として自己融着型のポリイミドフィルムを用いない場合は、接着剤等を用いてもよい。
上記ノズルプレート2と凸部プレート9、およびノズルプレート2とプールプレート3とを接着剤により接合する場合は、接着剤として、ポリイミド,ポリスチレン等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂,エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
次に、図3(e)に示すように、ノズルプレート2のノズル2a周辺の表面、および凸部9aの側面および表面に、第1下地層10aとして、例えば、SiO膜をスパッタリングによって形成する。第1下地層10aとしてSiO膜を用いることにより、ノズルプレート2および凸部9aとの密着性を向上させることができる。これは、一般に、蒸着によって形成した膜よりも、スパッタリングによって形成した膜の方が密着性が良いことによるものである。
次に、第1下地層10a上に、第2下地層10aとして、例えば、SiO膜を蒸着によって形成する。第2下地層10aとしてSiO膜を用いることにより、撥水層10bとの密着性および平坦性を向上させることができる。これは、SiO膜にはミクロな隙間があり、そこに撥水層10bの分子が入り込み密着性が向上することによるものである。
次に、第2下地層10a上に厚さ10〜50nmのフッ素系撥水膜からなる撥水層10bを蒸着により形成した後、加熱(例えば50℃、1時間)によりフッ素系撥水膜を重合処理する。SiO膜およびSiO膜と撥水層10bとの相性に関しては、第2下地膜10aがSiO膜の場合は、撥水層10bの厚さが30nmより大となると撥水層10bに凹凸が発生するのに対し、第2下地膜10aがSiO膜の場合は、撥水層10bの厚さが50nmより大となると撥水層10bに凹凸が発生することが実験によって確認されている。このことから、吐出方向性およびノズル加工性、さらに、耐摩耗性を考慮した場合、撥水層10bの厚さが厚い方が利点も大となるので、第2下地膜10aとしてはSiO膜の方が好ましいことになる。
次に、図3(f)に示すように、プールプレート3側からレーザーを照射することによってノズル2aを形成し、第1の積層体S1を得る。レーザーを用いることにより、微細な加工が可能となる。レーザーとしては、ガスレーザーでも固体レーザーでもよい。ガスレーザーとしては、エキシマレーザーを挙げることができ、固体レーザーとしてはYAGレーザーを挙げることができる。中でも、エキシマレーザーを用いることが好ましい。
なお、ノズルプレート2にノズル2aを形成してから、ノズルプレート2とプールプレート3とを接合してもよい。
また、ノズル2aを形成する前に、撥水膜10の上にシート状の粘着テープ類、熱可塑性樹脂類等から構成された保護層を予め形成し、ノズル2aを形成した後、保護層を剥離してもよい。
(2)第2の積層体S2の作製
一方、図2(a)に示すように、供給孔プレート4、供給路プレート5、圧力発生室プレート6、振動板7および圧電素子8を接合して第2の積層体S2を形成する。
供給孔プレート4、供給路プレート5、圧力発生室プレート6、および振動板7を接合して第2の積層体S2を形成する方法としては、例えば、ポリイミド,ポリスチレン等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂,エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等の接着剤を用いることができる。
(3)第1の積層体S1と第2の積層体S2との接合
次に、図3(g)に示すように、第1の積層体S1のプールプレート3と第2の積層体S2の供給孔プレート4を接合して、液滴吐出ヘッド1を得る。
第1の積層体S1と第2の積層体S2とを接合する方法としては、例えば、ポリイミド,ポリスチレン等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂,エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等の接着剤を用いて、撥水膜10の耐熱温度以下の温度で接合する方法を挙げることができる。
(第1の実施の形態)
上述した第1の実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(イ)ノズルプレート2の表面上に、第1下地層10aとして、SiO膜をスパッタリングにより形成し、第1下地層10aの表面上に、第2下地層10aとして、SiO膜を蒸着により形成しているので、ノズルプレート2と第1下地層10a、第1下地層10aと第2下地層10a、第2下地層10aと撥水層10bとの密着性が向上する。従って、ノズルプレート2と撥水膜10との密着性が向上する。
(ロ)スパッタリングにより形成した第1下地層10a上に第2下地層10aを蒸着しているので、その上に形成する撥水層10bの平坦性が向上し、吐出方向性が向上する。
[第2の実施の形態]
(カラープリンタの構成)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る液滴吐出装置を適用したカラープリンタを模式的に示す構成図である。このカラープリンタ100は、略箱型状の筐体101を有し、筐体101内の下部に、用紙Pを収容する給紙トレイ20、筐体101内の上部に、記録済みの用紙Pが排出される排紙トレイ21を各々配設し、給紙トレイ20から記録位置102を経由して排紙トレイ21に至る主搬送路31a〜31e、および排紙トレイ21側から記録位置102側に至る反転搬送路32に沿って用紙Pを搬送する搬送機構30を有している。
記録位置102には、図4(b)に示すように、図1に示す液滴吐出ヘッド1の複数個を並列させて記録ヘッドユニットを構成し、4個の記録ヘッドユニットをそれぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のインク滴を吐出する記録ヘッドユニット41Y、41M、41C、41Kとして用紙Pの搬送方向に配列して記録ヘッドアレイを構成している。
また、カラープリンタ100は、用紙Pを吸着する吸着手段としての帯電ロール43と、無端ベルト35を介して記録ヘッドユニット20に対向して配置されたプラテン44と、記録ヘッドユニット41Y、41M、41C、41Kの近傍に配置されたメンテナンスユニット45と、本カラープリンタ100の各部を制御するとともに、画像信号に基づいて記録ヘッドユニット41Y、41M、41C、41Kを構成する液滴吐出ヘッド1の圧電素子8に駆動電圧を印加し、ノズル2aからインク滴を吐出させ、用紙P上のカラー画像を記録する図示しない制御部とを備える。
記録ヘッドユニット41Y、41M、41C、41Kは、用紙Pの幅以上の有効印字領域を有する。なお、液滴を吐出させる方法として、圧電方式を用いたが、特に制限はなく、例えば、サーマル方式等の汎用されている方式を適宜用いることができる。
記録ヘッドユニット41Y、41M、41C、41Kの上部には、記録ヘッドユニット41Y、41M、41C、41Kに対応する色のインクを収容するインクタンク42Y、42M、42C、42Kを配設している。各インクタンク42Y、42M、42C、42Kからは、インクが各液滴吐出ヘッド1に図示しない配管を経由して供給されるように構成されている。
インクタンク42Y、42M、42C、42Kに収容されるインクとしては特に制限はなく、例えば、水性、油性、溶剤系等の汎用されているインクを適宜用いることができる。
搬送機構30は、給紙トレイ20から用紙Pを1枚ずつ取り出して主搬送路31aに供給するピックアップロール33と、主搬送路31a、31b、31d、31e、および反転搬送路32の各部に配置され、用紙Pを搬送する複数の搬送ロール34と、記録位置102に設けられ、用紙Pを排紙トレイ21方向に搬送する無端ベルト35と、無端ベルト35が張架された駆動ロール36および従動ロール37と、搬送ロール34および駆動ロール36を駆動する図示しない駆動モータとを備える。
(カラープリンタの動作)
次に、カラープリンタ100の動作を説明する。搬送機構30は、制御部の制御の下に、ピックアップロール33および搬送ロール34を駆動し、給紙トレイ20から用紙Pを取り出して主搬送路31a,31bに沿って搬送する。用紙Pが無端ベルト35の近傍に差し掛かると、帯電ロール43の静電吸着力によって用紙Pに電荷が付与され、用紙Pは無端ベルト35に吸着する。
無端ベルト35は、駆動ロール36の駆動によって回転移動し、用紙Pが記録位置102に搬送されると、記録ヘッドユニット41Y、41M、41C、41Kによってカラー画像が記録される。
すなわち、図2に示す液滴吐出ヘッド1の液プール3bは、インクタンク42Y、42M、42C、42Kから供給されたインクで満たされており、液プール3bからインクが供給孔4bおよび供給路5bを介して圧力発生室6aに供給され、圧力発生室6aにインクが貯留している。制御部が、画像信号に基づいて複数の圧電素子8に駆動電圧を選択的に印加すると、振動板13は圧電素子8の変形に伴ってたわみ、これにより、圧力発生室6a内の容積が変化し、圧力発生室6aに貯留しているインクが連通孔5a,4a,3aを介してノズル2aからインク滴として用紙P上に吐出し、用紙Pに画像を記録する。用紙Pは、Y、M、C、Kの画像が順次上書きされ、カラー画像が記録される。
カラー画像が記録された用紙Pは、搬送機構30によって主搬送路31dを経由して排紙トレイ21に排出される。
なお、両面記録モードが設定されている場合は、排紙トレイ21に一旦排出された用紙Pは、再び主搬送路31eに戻り、反転搬送路32を経由して再び主搬送路31bを経由して記録位置102に搬送され、記録ヘッドユニット41Y、41M、41C、41Kによって前回記録された用紙Pの面と反対の面にカラー画像が記録される。
(第2の実施の形態の効果)
上述した第2の実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(イ)ノズルプレート2と撥水膜10との密着性が高い記録ヘッドユニット41Y、41M、41C、41Kを用いているので、信頼性の高いカラープリンタを提供することができる。
(ロ)吐出方向性の高い記録ヘッドユニット41Y、41M、41C、41Kを用いているので、高精細、高画質のカラー画像を提供することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
Figure 2007168393
表1は、実施例1、比較例1、2、3、4について、第1下地層10aとしてSiO膜を用い、第2下地層10aとしてSiO膜を用い、SiO膜およびSiO膜の膜厚を変化させた場合の密着性、ノズル加工性、吐出方向性、撥水膜の平坦性(凹凸)について行った評価結果を示す。
実施例1は、第1下地層10aとして膜厚35nmのSiO膜、第2下地層10aとして膜厚100nmのSiO膜、撥水層10bとして膜厚10nmのフッ素樹脂膜を用いた。その結果、密着性、ノズル加工性、吐出方向性、撥水膜の平坦性は、いずれも良好な結果(○印)が得られた。
これに対し、比較例1は、実施例1に対し、第1下地層10aを使用せず、撥水層10bの膜厚を35nmと厚くした。その結果、密着性は不良(×印)であったが、ノズル加工性、吐出方向性、撥水膜の平坦性は、いずれも良好な結果(○印)が得られた。
比較例2は、実施例1に対し、第1下地層10aを使用せず、撥水層10bの膜厚を55nmと比較例1よりも厚くした。その結果、密着性は不良(×印)、ノズル加工性は良好(○印)、吐出方向性はやや良好(△印)、撥水膜の平坦性は不良(×印)であった。
比較例3は、実施例1に対し、第1下地層10aのSiO膜の膜厚を120nmと厚くした。その結果、密着性は不良(×印)であったが、ノズル加工性、吐出方向性および撥水膜の平坦性は、いずれも不良(×印)であった。
比較例4は、実施例1に対し、第2下地層10aを使用せず、撥水層10bの膜厚を35nmと厚くした。その結果、密着性およびノズル加工性は良好(○印)であったが、吐出方向性はやや良好(△印)であり、撥水膜の平坦性は、不良(×印)であった。
なお、本発明は、上記実施の形態および上記実施例に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
例えば、上記実施の形態および上記実施例では、ノズルプレート2の表面に凸部9aを形成し、それらの表面に三層構造の撥水層10を形成したが、ノズルプレート2の表面に凸部9aを形成せずにノズルプレート2の表面に三層構造の撥水層10を形成してもよい。
また、ノズルプレートに放電加工、フォトエッチング、ポンチによるプレス加工、レーザ加工等の加工を施してノズルの周囲に凸部を形成してもよい。これにより、ノズルプレートと凸部を一体的に形成することができるので、接合工程等を省略することができる。
本発明の液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、および液滴吐出ヘッドの製造方法は、液滴を吐出することによって高精細な画像情報のパターンを形成することが要請される各種産業分野、例えば、高分子フィルムやガラス表面上にインクジェット法を用いてインクを吐出してディスプレイ用カラーフィルタを形成したり、半田ペーストを基板上に吐出して部品実装用のバンプを形成したり、回路基板の配線を形成する等の電気・電子工業分野、ガラス基板等に反応試薬を吐出してサンプルとの反応を検査するバイオチップを製造する医療分野等で有効に利用される。
本発明の第1の実施の形態に係る液滴吐出ヘッドの平面図である。 (a)は、図1のA−A線断面図、(b)は、(a)のB部詳細図である。 (a)〜(g)は、本発明の第1の実施の形態に係る液滴吐出ヘッドの製造工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る液滴吐出装置を適用したカラープリンタを模式的に示す構成図である。
符号の説明
1 液滴吐出ヘッド
2 ノズルプレート
2a ノズル
3 プールプレート
3a 連通孔
3b 液プール
4 供給孔プレート
4a 連通孔
4b 供給孔
5 供給路プレート
5a 連通孔
5b 供給路
6 圧力発生室プレート
6a 圧力発生室
7 振動板
7a 供給孔
8 圧電素子
9 凸部プレート
9a 凸部
10 撥水膜
10a 第1下地層
10a 第2下地層
10b 撥水層
11 レジスト
20 給紙トレイ
21 排紙トレイ
30 搬送機構
31a〜31e 主搬送路
32 反転搬送路
33 ピックアップロール
34 搬送ロール
35 無端ベルト
36 駆動ロール
37 従動ロール
41Y、41M、41C、41K 記録ヘッドユニット
42Y、42M、42C、42K インクタンク
43 帯電ロール
44 プレテン
45 メンテナンスユニット
100 カラープリンタ
101 筐体
102 記録位置
P 用紙
S1 積層体
S2 積層体

Claims (9)

  1. 液滴を吐出するノズルを有するとともに、表面上に撥水膜として下地層および撥水層がこの順序で形成されたノズルプレートと、前記ノズルプレートの裏面に接合され、前記ノズルに連通する連通孔を有するプールプレートとを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記下地層は、前記ノズルプレートの前記表面上に形成され、前記ノズルプレートの前記表面に対する密着性が前記撥水層よりも大である第1下地層と、前記第1下地層の表面上に形成され、前記撥水層に対する密着性が前記第1下地層よりも大である第2下地層とから構成されてなることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記ノズルプレートは、その表面の前記ノズル周辺に凸部を有し、
    前記撥水膜は、前記ノズルプレートの前記ノズル周辺の表面、および前記凸部の側面および表面に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 前記撥水層は、フッ素系化合物からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッド。
  4. 前記第1下地層は、SiOからなり、
    前記第2下地層は、SiOからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッド。
  5. 前記SiOは、30〜100nmの膜厚を有し、
    前記SiOは、30〜100nmの膜厚を有することを特徴とする請求項4に記載の液滴吐出ヘッド。
  6. 前記第1下地層は、Siからなり、
    前記第2下地層は、SiNからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッド。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドと、
    画像信号に基づいて前記液滴吐出ヘッドを制御して前記液滴吐出ヘッドから液滴を吐出させ、記録媒体上に画像を記録する制御部とを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  8. 液滴を吐出するノズルを有するとともに、表面上に撥水膜として下地層および撥水層がこの順序で形成されたノズルプレートと、前記ノズルプレートの裏面に接合され、前記ノズルに連通する連通孔を有するプールプレートとを備えた液滴吐出ヘッドの製造方法において、
    前記ノズルプレートの前記表面上に形成され、前記ノズルプレートの前記表面に対する密着性が前記撥水層よりも大である第1下地層を形成し、
    前記第1下地層の表面上に形成され、前記撥水層に対する密着性が前記第1下地層よりも大である第2下地層を形成し、
    前記第2下地層上に前記撥水層を形成することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  9. 前記第1下地層は、スパッタリングにより形成されてなり、
    前記第2下地層は、蒸着により形成されてなることを特徴とする請求項8に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9205652B2 (en) 2013-06-23 2015-12-08 Ricoh Company, Ltd. Liquid ejection head, and image forming apparatus using the liquid ejection head

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