JP2007146884A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Sueo Fukaya
末男 深谷
Sakae Koto
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Abstract

【課題】「形状的な嵌合構造」を導入したことによって隙間が生じた場合であっても、潤滑剤の漏れ更には潤滑剤の混合を防止する。
【解決手段】モータ軸102と連結可能であって、軸方向に貫通した貫通孔112Hを有する継軸112と、前記貫通孔112Hに挿入される第1太陽歯車118とを少なくとも備え、第1太陽歯車118と前記継軸112とはその挿入部分において、軸方向に連通する隙間を有した状態で動力伝達可能に連結されており、前記貫通孔112H内部に、前記貫通孔112Hを閉塞する第1シール部材114を備えて動力伝達装置を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、動力伝達装置、より詳しくは、潤滑剤漏れや異なる潤滑剤の混合防止機能を備えた動力伝達装置に関する。
入力された動力を相手機械へと出力する動力伝達装置として、従来から種々のものが知られている。
例えば、モータ等の動力源の動力を入力し、太陽歯車や遊星歯車を介してそのモータの回転を減速して出力する単純遊星歯車減速機や、入力された動力の方向を変換して(場合により同時に減速等を行いつつ)出力する回転方向変換装置等がその例である。
具体例として、特許文献1に記載される動力伝達装置10を図5に示す。図5は、動力伝達装置10の主要な構成部分を示す断面図である。
動力伝達装置10は、動力源であるモータ(図示しない)のモータ軸挿入孔19と、このモータ軸挿入孔19に挿入されるモータ軸(図示しない)が嵌合して一体的に回転する継軸20と、この継軸20に設けられた凹部20Cに嵌合して一体的に回転可能なピニオン軸24と、該ピニオン軸24の抜け止めを行う固定ボルト28と、ピニオン軸24に直切り形成されたピニオン26と、該ピニオン26と噛合して、モータ軸の回転を直交した回転へと変換する直交ギア50とが備わっている。この直交ギア50は直交軸51と連結している。又、継軸20は、軸受46、47に支持されており、自身が収容されるケーシング40に対して回転可能とされている。なお、符号54はオイルシールである。
動力伝達装置10に、動力源となるモータからの回転がモータ軸を介して入力されると、この回転は継軸20、ピニオン軸24、ピニオン26へと伝達され、更には、ピニオン26が噛合する直交ギア50を回転させる。直交ギア50の回転は、更に直交軸51へと伝わって、直接又は間接的に図示せぬ相手機械へと出力されることになる。
動力伝達装置10におけるピニオン軸24は、直交ギア50と噛合するピニオン26が形成されたヘッド部分と、継軸20の凹部20Cに嵌合している軸部分とで構成される。
特開2002−21984号公報
市場においては、省スペース化を図るためにコンパクト性が求められている。又、装置自体の伝達トルク容量(負荷容量)は大きいほど、汎用性が高く利用価値も高い。しかしこれらの特性は相反する側面があり、例えば、省スペース化を優先すれば動力伝達装置を構成する各部材の強度的な限界、更には、各部材を連結している連結強度の限界から、伝達トルク容量は小さくなる傾向となる。
例えば、従来例として説明した動力伝達装置10においては、継軸20とピニオン軸24との連結強度が問題となる。動力伝達装置10においては、ピニオン軸24は継軸20の凹部20Cに圧入されて連結されている。即ち、継軸20とピニオン軸24との連結強度は圧入部分の摩擦力に頼っている。
しかしながら圧入による結合の場合は、その摩擦力の限界から、どうしてもこの部分が伝達トルク容量を律することとなってしまう(ボトルネック)。一方で、動力伝達装置10でいえば、継軸20とピニオン軸24とを1部材として一体成形すれば、その部分の連結強度を考慮する必要はないものの、形状が非常に複雑となり製作に時間が掛かると共に、コストも掛かる。更には、減速比に応じて継軸の部分までを専用品として用意することが必要となり、この点でもコスト高の要因となる。
そこで、本発明は、この問題点を解決するべくなされたものであって、一体成形のようなコストの掛かる手段を回避しつつ、伝達トルク容量の大きな動力伝達装置を提供することをその課題とする。
本発明は、駆動体と連結可能であって、軸方向に貫通した貫通孔を有する継軸と、前記貫通孔に挿入される挿入部材とを少なくとも備え、前記挿入部材と前記継軸とはその挿入部分において、軸方向に連通する隙間を有した状態で動力伝達可能に連結されており、前記貫通孔内部には、前記貫通孔を閉塞する第1シール部材が備えて動力伝達装置を構成することによって上記課題を解決するものである。
発明者は、上記解決手段を発明するにあたって、まず最初に、継軸とピニオン軸との挿入部分に、例えばスプラインやDカットなどの「形状的な嵌合構造」を導入することによって、伝達トルク容量の問題とコスト高騰の問題とを回避する着想を得た。即ち、継軸と挿入部材(ピニオン軸)とは別部材としてそれぞれ製作することで製作コストの上昇を抑え、更には、両部材の連結を摩擦力のみに頼るのではなく、「形状的な嵌合構造」からもたらされる形状的なトルク伝達を付加することによって、伝達トルク容量を大きくするという非常に理にかなった着想である。しかし、この着想を現実化するに当たり、新たな問題点が生じた。即ち、「形状的な嵌合構造」の導入に起因して継軸と挿入部材との挿入部分に、軸方向に連通する隙間が生じ、この隙間の存在によって「潤滑剤の漏れ」、あるいは「潤滑剤の混合」が引き起こされるという問題点である。
従来技術として採用されていた圧入による連結の場合には、その連結部分に隙間が生じて潤滑剤が漏れる等の不具合は生じていなかったが、ここに「形状的な嵌合構造」(例えば、スプライン結合、Dカットなど)を導入することによって微細な隙間が生じたものと考えられる。又、この「形状的な嵌合構造」のための形状が加工される2つの部材(雄部材、雌部材)は完全なる圧入嵌合が難しく、精度のよい加工を試みても、コストが掛かる割には長期間の使用によって隙間が生じ、潤滑剤が漏れてくる可能性が残る。
そこで、貫通孔内部に、前記貫通孔を閉塞する第1シール部材を備えて動力伝達装置を構成することによって、「形状的な嵌合構造」の導入に伴う不都合を解消し、形状的な嵌合構造の導入に伴う伝達トルク容量の増大と、第1シール部材の導入に伴う潤滑剤の漏れ(更には潤滑剤の混合)防止を同時に実現している。
なお、本明細書及び特許請求の範囲における「隙間」とは、装置の使用に伴って将来的に生じる可能性のあるものも含まれる。
動力伝達装置において、低コストで確実な動力伝達を行うと共に、潤滑剤漏れ、潤滑剤の混合が防止できる。
以下添付図面を用いて本発明に係る実施形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例である動力伝達装置110を備えたギヤドモータGM100の一部断面図である。
ギヤドモータGM100は、駆動源となるモータ100と動力伝達装置110とが、ボルト103で連結固定された構造とされている。モータ100の動力は、モータ軸(回転する駆動体)102を介して動力伝達装置110へと入力される。モータ軸102は、動力伝達装置110に備わる継軸112における貫通孔112Hの一方に挿入されて一体的に回転可能に連結されている。継軸112における貫通孔112Hの他方には、カラー116を介して第1太陽歯車(挿入部材)118が挿入されて連結されている。この第1太陽歯車118にはピニオン120が直切り形成されている。なお、継軸112、カラー116、第1太陽歯車118の連結部分は所謂「形状的な嵌合構造」が採用されているが、この点についての詳細は後述する。なお、第1太陽歯車118が直接的に(カラー116を介さずに)継軸112における貫通孔112Hの他方に挿入されていても良い。
継軸112における貫通孔112Hの内部には、円板形状をしたゴム製の第1シール部材114が、該貫通孔112Hを閉塞するように配置されている。この第1シール部材114の配置される位置は、継軸112における貫通孔112Hの内部であって、且つ、継軸112におけるモータ軸(回転する駆動体)との連結部分と、第1太陽歯車(挿入部材)118との間に設けられているのが望ましい。なお、第1シール部材114の形状は、必ずしも図1で示すような円板形状に限られるものではない。また、ゴム製に限られるものではないが、ある程度の弾性を持った材料で製作されるのが好ましい。
継軸112は、軸受130を介して連結カバー126に回転自在に支持されている。又、軸受130よりもモータ100側には、継軸112の外周面と連結カバー126との間を仕切る役目を果たすオイルシール(第2シール部材)128が設置されている。
第1太陽歯車118は第1遊星歯車122と噛合している。この第1遊星歯車122は第1太陽歯車118と噛合すると同時に、第1内歯歯車124とも噛合している。第1遊星歯車122の中心には、自身を貫通する第1キャリアピン138が回転自在に設けられており、この第1キャリアピン138の一端が第1キャリア140と連結している。この第1キャリア140にも、軸方向に貫通する貫通孔140Hが設けられている。この第1キャリア140における貫通孔140Hには第2太陽歯車142が圧入固定されている。第2太陽歯車142には歯が直切り形成されており、第2遊星歯車144と噛合している。第2遊星歯車144は、第2太陽歯車142と噛合すると同時に第2内歯歯車146とも噛合している。なお、本実施形態においては、第2内歯歯車146は動力伝達装置110におけるケーシング136の内周面に一体的に直切り形成されている。第2遊星歯車144の中心には、第2キャリアピン148が第2遊星歯車144を貫通して、且つ、回転自在に設けられている。第2キャリアピン148の一端は支持部材153に支持されている。第2キャリアピン148の他の一端は第2キャリア152に支持されている。この第2キャリア152と支持部材153とは、連結ボルト150によって連結固定されている。なお、支持部材153は軸受132を介してケーシング136に回転自在に支持されている。又、第2キャリア152は軸受134を介してケーシング136に回転自在に支持されている。第2キャリア152には出力軸154が一体的に形成されており、この出力軸154は軸心O1を中心に回転可能に構成されている。
なお、継軸112の外周面と連結カバー126との間に設けられているオイルシール(第2シール部材)128を境として、図1における左側、即ち、出力軸154側には、第1太陽歯車(挿入部材)118をはじめ、各遊星歯車や各キャリアピン等を潤滑している潤滑剤が封入されている。一方、オイルシール128を境として、図1における右側、即ち、モータ100側には本実施形態においては潤滑剤は封入されていない。便宜上、オイルシール(第2シール部材)128を境とし潤滑剤により潤滑される領域を潤滑エリア(第2エリア)、一方、潤滑剤により潤滑されない領域を非潤滑エリア(第1エリア)という場合がある。
次に、図2を用いて継軸112、カラー116、第1太陽歯車118との連結部分について詳細に説明する。図2は、図1における継軸112、カラー116及び第1太陽歯車118及び第1シール部材114のみを取り出した拡大図である。又、図2の左側には該拡大図におけるX−X線に沿う断面図を示す。
継軸112には、カラー116を介して第1太陽歯車118が連結されている。この連結状態を更に詳細に説明する。継軸112とカラー116とは圧入によって固定されている。即ち、継軸112とカラー116との摩擦力によって一体的に回転可能に固定されている。一方、カラー116と第1太陽歯車118とは、カラー116の内周面に設けられた雌スプライン116Sと第1太陽歯車118の外周面(継軸への挿入部分の外周面)に設けられた雄スプライン118Sとによって形状的な嵌合構造が形成されている。即ち、カラー116と第1太陽歯車118とは、形状的な嵌合によって一体的に回転可能に連結されている。なお、「形状的な嵌合」とは、雄部材と雌部材とが真円以外の相互に対応する断面形状で嵌合している構造を意味し、他にはキー結合等も含む趣旨である。なお、本実施形態においては、第1太陽歯車118のカラー116への挿入部分全てに亘って雄スプライン118Sと雌スプライン116Sとによる形状的な嵌合構造が設けられた形状嵌合部117が形成されているが、一部のみであっても良い。なお、本実施形態において説明したカラー116を介することなく、第1太陽歯車118に設けられた雄スプライン118Sに対応する雌スプライン116Sを直接的に継軸112における貫通孔112Hに設けても良い。
又、第1太陽歯車118の挿入部分に前述した「形状的な嵌合構造」を導入することは、同時にこの部分に「軸方向に連通する隙間」が形成される可能性が高いことを意味する。即ち、たとえ精度よく形状的な嵌合構造部分(本実施形態で言えば雌スプライン116Sと雄スプライン118S)の加工を行ったとしても、潤滑剤が通ることができる程度の微細な隙間が生じる(たとえ組み立て初期には発生していなくとも、運転により生じる)可能性が高い。
なお、本実施形態における貫通孔112Hには、その内部に段差Kが備わっているが、この段差Kは必須の構成要素となるものではない。即ち、貫通孔112Hの一端から他端まで段差のない貫通孔が形成れていてもよい。
又、貫通孔112Hの内部に配置されている第1シール部材114の直径は、貫通孔112Hの直径Dよりも僅かに大きく設計されており、この第1シール部材114を貫通孔112Hに装着する際には、第1シール部材114が若干圧縮された状態で装着されることになる。即ち、第1シール部材114自身が有する弾性復元力によって、貫通孔112Hに対するシール性能(閉塞性能)が向上している。
続いて、動力伝達装置110の作用について説明する。モータ100からの動力がモータ軸102を介して継軸112へと入力されると、その回転力はカラー116を介して第1太陽歯車118へと伝達される。第1太陽歯車118の回転は、第1遊星歯車122へと伝達される。この第1遊星歯車122は、第1太陽歯車118と噛合すると同時に第1内歯歯車124とも噛合しているため、第1太陽歯車118が回転するのに伴って、第1太陽歯車118の回転方向とは逆方向に自転しながら、第1太陽歯車118の回転方向と同方向にゆっくりと公転する。このゆっくりとした(減速された)公転は、第1遊星歯車122を貫通する第1キャリアピン138を介して第1キャリア140へと伝達される。即ち、第1遊星歯車122の公転に伴って、第1キャリア140も回転する。この第1キャリア140の回転は圧入により一体的に連結されている第2太陽歯車142へと更に伝達される。第2太陽歯車142の回転は噛合する第2遊星歯車144へと伝達される。この第2遊星歯車144も、第2太陽歯車142に噛合すると同時に第2内歯歯車146とも噛合しているため、第2遊星歯車144の回転に伴って、第2太陽歯車142の回転と反対方向に自転しながら、第2太陽歯車142の回転方向と同方向に更にゆっくりと(減速されて)公転する。この公転成分は、第2遊星歯車144を貫通する第2キャリアピン148を介して支持部材153及び第2キャリア152へと伝達される。第2キャリア152には出力軸154が一体的に形成されているため、第2キャリア152のゆっくりとした回転は、出力軸154の回転として出力され図示せぬ相手機械へと伝達されることになる。なお、前述した動力伝達装置110においては、動力源であるモータ100の回転を2段階に減速する2段減速機構が設けられていたが、本発明はこの2段減速機構に限定される趣旨のものではなく1段減速のものであってもよいし3段以上のものであっても差支えが無い。
又、前述したとおり、継軸112と連結カバー126との間に位置するオイルシール(第2シール部材)128を境にして、出力軸154側(第2エリア)には潤滑剤が封入されている。しかし本実施形態では、継軸112の外周面側には前述したオイルシール128が設けられていることから、この潤滑剤が継軸の外周面側から非潤滑エリア(第1エリア)に漏れ出ることは防止されている。又、継軸112には貫通孔112Hが存在し、この貫通孔112Hの一端が非潤滑エリア(第1エリア)に位置しており、他端が潤滑剤が封入されている潤滑エリア(第2エリア)に位置しているため、この貫通孔112Hを経由して潤滑剤が非潤滑エリアへと漏れ出る可能性がある。しかしながら、本実施形態においては、この貫通孔112Hの内部に第1シール部材114が配置構成されているため、動力伝達装置110が作動して潤滑剤が攪拌されたような場合や、装置内部の温度上昇によって潤滑剤の粘度が低下(流動性が向上)したような場合でも、潤滑剤が非潤滑エリア側へと漏れ出ることが防止されている。
なお、本実施形態においては、第1太陽歯車118はカラー116を介して継軸112における貫通孔112Hに連結されていた。これにより、挿入部材である第1太陽歯車118の軸の径が細い場合であっても継軸112の貫通孔112Hの大きさに合わせることができる。又、圧入部分(貫通孔112Hとカラー116との圧入部分)の表面積を広く確保することができ、伝達トルク容量も増大する。更に、カラー116を構成する部材の材料を適宜調整することによって、継軸112との摩擦力を向上させることができる。
続いて、本発明の他の実施形態の一例について説明する。図3は、本発明の他の実施形態の一例を示す図であって、前述した動力伝達装置110における図2に相当する図面である。
動力伝達装置110における継軸112においては、貫通孔112H自身が「回転する駆動体」としてのモータ軸102の挿入孔(モータ軸挿入孔)として機能していた。一方、この実施形態においては、継軸212における貫通孔212Hは「回転する駆動体」が挿入される駆動体挿入孔としては機能していない。代わりに、継軸212の外周面にローラ280を介して回転力が継軸212に伝達されている。又、継軸212における貫通孔212Hの内部には、断面が「コの字形状」のゴム製の有底円筒体(第1シール部材)214が配置されている。又、継軸212の外周面と連結カバー226との間に設けられているオイルシール228(第2シール部材)を境として、図3における右側、即ち、ローラ280側にはローラ280を潤滑する第1潤滑剤が封入されている。一方、オイルシール228を境として、図3における左側、即ち、第1太陽歯車218側には、第1太陽歯車(挿入部材)218をはじめ、各遊星歯車や各キャリアピン等を潤滑している第2潤滑剤が封入されている。便宜上、オイルシール(第2シール部材)228を境とし第1潤滑剤により潤滑される領域を第1エリア、一方、第2潤滑剤により潤滑される領域を第2エリアという。
本実施形態では、第1潤滑剤はローラ280を保護しつつ、ローラ280と継軸212とのトラクション(動力伝達力)を適正に確保するための性質が付与されている。一方、第2潤滑剤には噛合音を低減しつつ各部材間の摩擦をできるだけ低減するような性質が付与されている。このような異なる性質の潤滑剤が混ざり合うことは互いの性能を引き下げる原因となり好ましくない。
しかし本実施形態では、継軸212の外周面側には前述したオイルシール228が設けられていることから、各潤滑剤が継軸212の外周面側から他のエリアへ漏れ出ることによって混合することは防止されている。又、継軸212には貫通孔212Hが存在し、この貫通孔212Hの一端が第1潤滑剤が配置されている第1エリアに位置しており、他端が第2潤滑剤が配置されている第2エリアに位置しているため、この貫通孔212Hを経由して各潤滑剤が他のエリアへと漏れ出ることで混合する可能性がある。しかしながらこの貫通孔212Hの内部に有底円筒体(第1シール部材)214が配置構成されているため、動力伝達装置が作動して各潤滑剤が攪拌されたような場合や、装置内部の温度上昇によって潤滑剤の粘度が低下(流動性が向上)したような場合でも、潤滑剤が混ざり合うことが防止されている。
なお、断面がコの字形状の有底円筒体214は、例えばその内部に金属製の芯となる材料が含まれていてもよい。
次に、図4を用いて更に本発明に係る他の実施形態の一例を説明する。ここでも、継軸312及び第1シール部材314、カラー316、第1太陽歯車318、モータ軸212を取り出して説明する。
基本的な構成は図1及び図2を用いて説明した動力伝達装置110における場合と同様である。但し、この実施形態の特徴として、継軸312における貫通孔312Hの内部に備わる第1シール部材314が、貫通孔312H内に挿入される2つの部材であるモータ軸302と、第1太陽歯車318とから共に軸方向の圧力PRを受けている点にある。第1シール部材314は、自身が弾力性を有する弾性体で形成されているため、軸方向両側から他の部材によって圧力をかけられることによって、継軸312におけるラジアル方向にその反力が付与される。即ち、軸方向からモータ軸302及び第1太陽歯車318からの圧力を受けない状態の時よりも、第1シール部材314における貫通孔312Hとの接触面圧が大きくなる。このことは、第1シール部材314における貫通孔312Hのシール性能(閉塞性能)が向上することを意味する。このような構成とすることで、貫通孔内のシール性能を更に向上させることができる。
なお、ここでも第1シール部材314の形状は図4に示すような円板形状のものでなくてもよく、例えば球状のものであってもよい。このような球状の第1シール部材を用いた場合には貫通孔内への挿入作業が容易となる。
なお、今まで説明した実施形態においては、主に、動力伝達装置における入力軸部分に本発明が適用された実施形態として説明しているが、本発明の適用箇所はこの部分に限定されるものではない。例えば、図1で示した動力伝達装置110の場合で説明すれば、第1キャリア140を「貫通孔を有する継軸」として機能させるようなことも可能である。
又、前述した実施例においては全て、太陽歯車と遊星歯車を有する単純遊星歯車機構として説明しているが、本発明の適用はこの単純遊星歯車機構の動力伝達装置に限定されるものではない。例えば、太陽歯車の代わりに、挿入部材として偏心体を有する「偏心体軸」が挿入された内接揺動噛合式の動力伝達装置であってもよい。
更に、前述の実施形態においては全て動力伝達装置としての「減速機」として説明しているがこの減速機に限るものではなく、例えば増速機であってもよいし動力の方向を変換する動力変換装置であってもよい。
本発明は、入力された動力を相手機械へと出力する動力伝達装置に広く適用することができる。
本発明の実施形態の一例である動力伝達装置を備えたギヤドモータの断面図 図1における継軸付近の拡大図及びこの拡大図におけるX−X線に沿う断面図 本発明の他の実施形態を示す断面図 本発明の更に別の実施形態を示す断面図 特許文献1に記載される動力伝達装置の断面図
符号の説明
GM100…ギヤドモータ
100…モータ
101…モータケーシング
102…モータ軸
103…ボルト
110…動力伝達装置
112…継軸
112H…貫通孔
114…第1シール部材
116…カラー
116S…雌スプライン
117…形状嵌合部
118…第1太陽歯車
118S…雄スプライン
120…ピニオン
122…第1遊星歯車
124…第1内歯歯車
126…連結カバー
128…オイルシール(第2シール部材)
130、132、134…軸受
136…ケーシング
138…第1キャリアピン
140…第1キャリア
142…第2太陽歯車
144…第2遊星歯車
146…第2内歯歯車
148…第2キャリアピン
150…連結ボルト
152…第2キャリア
154…出力軸

Claims (6)

  1. 駆動体と連結可能であって、軸方向に貫通した貫通孔を有する継軸と、
    前記貫通孔に挿入される挿入部材とを少なくとも備え、
    前記挿入部材と前記継軸とはその挿入部分において、軸方向に連通する隙間を有した状態で動力伝達可能に連結されており、
    前記貫通孔内部には、前記貫通孔を閉塞する第1シール部材が備わっている
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1において、
    前記隙間は、形状的な嵌合構造によって形成されている
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記継軸と、前記挿入部材とはカラーを介して動力伝達可能に連結されている
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記動力伝達装置のケーシング内部には、前記駆動体を潤滑する第1潤滑剤を封入可能な第1エリアと、前記挿入部材を潤滑する第2潤滑剤を封入可能な第2エリアとが少なくとも存在し、
    前記継軸の一方の軸端部が前記第1エリアに位置すると共に、他方の軸端部が前記第2エリアに位置しており、更に、
    前記継軸の外周面と前記ケーシングの間には、前記第1エリアと第2エリアとを仕切る第2シール部材が備わっている
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、更に、
    前記貫通孔は駆動体挿入孔として機能する
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  6. 請求項5において、
    前記第1シール部材には、前記駆動体及び前記挿入部材からそれぞれ軸方向の圧力が付与されている
    ことを特徴とする動力伝達装置。
JP2005338553A 2005-11-24 2005-11-24 動力伝達装置 Pending JP2007146884A (ja)

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