JP2007146014A - 反射板用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 蛍光増白剤を0.01〜1.0重量%含有し、少なくとも一方のフィルム表面の表面粗さ(Ra)が0.01〜0.30μmであり、フィルムヘーズが5.0%以下であることを特徴とする反射板用ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明においてポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものを指す。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。本発明においては、主たる構成成分以外の第三成分を2.0〜10.0モル%含有する場合、反射板用基材として使用した時の輝度を高めることができるため好ましい。かかる第三成分の含有量は、さらに好ましくは2.5〜10モル%、特に好ましくは3.0〜8.0モル%である。
ここでいう第三成分の例としては、ジカルボン酸成分として、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等、またオキシカルボン酸としてP−オキシ安息香酸等が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。これらの中でもイソフタル酸、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いた場合、ポリマーの配向や厚みムラによるフィルムの光学的なムラを効率的に低減することができ、しかもフィルムの平面性や耐熱性、寸法安定性を高度に維持できる点およびコストの点で好ましい。ここで、ポリエステルが含有する第三成分として、重合中にエチレングリコールから副生成したジエチレングリコールも含むものとする。
MICROTRAC HRA(Honeywell.Inc社製)を用いてポリエステル中の不活性粒子の粒径を測定し、不活性粒子の全体積を100体積%として累積カーブを求め、累積カーブの粒径の大きい方から25体積%、75体積%となる点での不活性粒子の粒径をそれぞれd25、d75とし、これらd25とd75との比率(d25/d75)を粒径分布値と定義した。
本発明のフィルムは、反射板用基材として使用されたときに特にその優れた効果を発揮するが、その具体的な用途としては、液晶ディスプレイのバックライト用としての反射板、各種発光タイプの表示板、例えば案内板や広告用の表示等に使用される反射板の基材として用いた場合も輝度を向上し、表示を明るくして見やすくすることやエネルギーの節約に大きな効果を与えることができる。
フィルム中の少なくとも100個の不活性粒子についてSEMを用いて観察して最大径と最小径とをそれぞれ求め、その相加平均を不活性粒子の平均粒径とした。
中心線平均粗さRa(μm)をもって表面粗さとする。(株)小坂研究所社製 表面粗さ測定機(SE−3F)を用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線 y=f(x)で表わしたとき、次の式で与えられた値を〔μm〕で表わす。中心線平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さの平均値で表わした。尚、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
Ra=(1/L)∫L 0|f(x)|dx
小坂研究所社製三次元表面粗さ測定機(SE−3AK)を用い、触針の先端半径5μm、針圧30mg、測定長0.5mm、サンプリングピッチ1.0μm、カットオフ0.25mm、横倍率200倍、操作本数500本の条件で突起高さと突起個数を測定した。縦倍率については、(2)の表面粗さ測定の結果Raが0.5以下の場合は5万倍、0.50を超え1.0以下の場合は2万倍、1.0を超える場合は1万倍として測定した。本発明で言う突起高さX(μm)は、突起個数(個/mm2)が最大になる面の高さを0レベルとして、このレベルからの高さをもって突起高さXとし、突起個数Yが300以上のデータについて各突起高さXにおけるLogYとの関係を最小二乗法で処理した。そして、logY=aX+bにおけるaを突起高さ分布係数とした。
JISーK7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDHー300Aによりフィルムの濁度を測定した
フィルム表面に厚さ60nmのアルミニウムを蒸着し、蒸着した面を反射面として MPC−3100(島津製作所(株))で、測定光入射(反射)角5゜で波長400nmから700nmの反射光を測定し、平均値を反射率(%)とした。
フィルム表面にアルミニウムを厚さ60nmになるように蒸着した試料を、日本電色工業株式会社VGS−1001DPを用いて蒸着面の光沢度を投光角60゜、受光角55゜で光沢度を測定し、下記基準で評価した。
△:光沢度の値が7以上15%未満
×:光沢度の値が7%未満
フィルムのA面にアルミニウムを厚さ60nmになるように蒸着し、蒸着面に厚さ188μmの白色ポリエステルフィルムを接着し、反射板を作成した。得られた反射板をバックライトユニットに組み込んで、得られる面状発光の品質を輝度レベル(輝度計を用いて評価し、従来のPETフィルムすなわち本発明においては比較例1のフィルムを使用した場合と比較した)により評価した。
A:輝度が3%以上向上し、著しい改良が見られた
B:輝度が1%以上向上し、改良は見られた
C:輝度の向上は見られないか、または低下した
〈ポリエステルの製造〉
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.03部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.68に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A)の極限粘度は0.68、ジエチレングリコール含有量は1.0モル%であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、出発原料をテレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とジエチレングリコール2重量部とし、重合触媒として酸化ゲルマニウムを使用したこと以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様な方法を用いてポリエステル(B)を得た。なお、酸化ゲルマニウムの添加方法は公知の方法を採用し、その添加量はゲルマニウムとして原料重量に対して100ppmとした。得られたポリエステル(B)の固有粘度は0.67、ポリマー中のジエチレングリコール含有量は3.6モル%であった。
出発原料をテレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール54重量部と1,4−シクロヘキサンジメタノール25重量部とし、触媒としてテトラブトキシチタネート0.011重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とし、さらに1時間反応を継続した。その後反応物を温度を230℃から徐々に昇温すると共に圧力を常圧より徐々に減じ、最終的に温度を280℃、圧力を0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.70に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(C)の極限粘度は0.70、1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量は33モル%、ジエチレングリコールの含有量は1.0モル%であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、出発原料のジカルボン酸をテレフタル酸ジメチル80重量部、イソフタル酸20部としたこと以外はポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(D)を得た。得られたポリエステル(D)は、極限粘度0.67、ジエチレングリコールの含有量は1.0モル%であった。
ポリエステル(B)98.0重量部と、乳化重合で合成された平均粒径2.0μm、粒径分布値1.3の単分散架橋高分子粒子2.0重量部とをブレンドして二軸押出機を用いて溶融混練し、ポリエステル(E)を得た。
ポリエステル(B)99.5重量部と、乳化重合で合成された平均粒径4.0μm、粒径分布値1.2のアクリル系の単分散架橋高分子粒子0.5重量部とをブレンドして二軸押出機を用いて溶融混練し、ポリエステル(F)を得た。
ポリエステル(A)97.0重量部と、平均粒径3.5μm、粒径分布値2.2の不定形シリカ粒子3.0重量部とをブレンドして二軸押出機を用いて溶融混練し、ポリエステル(G)を得た。
ポリエステル(B)99.5重量部とイーストマン社製蛍光増白剤「OB−1」0.5重量部とをブレンドして二軸押出機を用いて溶融混練し、蛍光増白剤含有マスターバッチとしてポリエステル(H)を得た。
前述のポリエステル(E)をA層の原料とし、ポリエステル(A)、(H)をそれぞれ88%、12%の割合で混合した原料をB層の原料として、2台のベント式二軸押出機に各々を供給し、それぞれ285℃で溶融し、A/Bの層構成で共押出して口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度81℃で縦方向に3.3倍延伸した後、テンターに導き、横方向に120℃で3.6倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、厚さ38μmの積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚みは、3/35μmであった。
実施例1において、B層の原料をポリエステル(B)、(H)88%、12%の割合で混合した原料とし、各層の厚みを1.5/36.5μmとしたこと以外は実施例1と同様にして厚み38μmのポリエステルフィルムを得た。
原料、層構成および層厚みは、下記表1または2に示すとおりとし、それ以外は実施例1と同じ条件でフィルムを得た。
以上、得られた結果をまとめて下記表1および2に示す。
Claims (1)
- 蛍光増白剤を0.01〜1.0重量%含有し、少なくとも一方のフィルム表面の表面粗さ(Ra)が0.01〜0.30μmであり、フィルムヘーズが5.0%以下であることを特徴とする反射板用ポリエステルフィルム。
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