JP2007065557A - 光学用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 全光線透過率が91.0%以上であり、蛍光増白剤を0.01〜1.0重量部含有するポリエステルフィルムからなることを特徴とする液晶ディスプレイ向け光拡散シート用二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明においてポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものを指す。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。本発明においては、主たる構成成分以外の第三成分を2.0〜10.0モル%含有することが好ましく、さらに好ましくは2.5〜10.0モル%、特に好ましくは3.0〜8.0モル%である。
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
樹脂試料を重水化クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール(重量比7/3)の混合溶媒に濃度3重量%となるように溶解させた溶液について、核磁気共鳴装置(日本電子社製「JNM−EX270型」)を用いて、1H−NMRを測定して各ピークを帰属し、ピークの積分値から共重合成分の含有量を算出した。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
JIS−K−7105に準じて日本電色工業社製積分球式濁度計「NDH−300A」により、全光線透過率を測定した。
拡散板として使用した場合の特性を評価した。すなわちフィルムの片面に、粒子を含有するアクリル系バインダーを塗布して光拡散層を形成した。得られた拡散シートをバックライトユニットに組み込んで、得られる面状発光の品質を以下の観点で評価した。
輝度レベル(輝度計を用いて評価し、比較例3のフィルムを使用した場合と比較した)
A:輝度が向上し、著しい改良が見られた。
B:輝度の向上が確認できない。
C:輝度が低下した。
〈ポリエステルの製造〉
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.01部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.68に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A)の極限粘度は0.68、ジエチレングリコール含有量は1.0モル%であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.1μmのシリカ粒子を0.4部、三酸化アンチモン0.01部を加えて、極限粘度0.66に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル(B)は、極限粘度0.66、ジエチレングリコール含有量は1.0モル%であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、出発原料をテレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とジエチレングリコール2重量部とし、重合触媒として酸化ゲルマニウムを使用したこと以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様な方法を用いてポリエステル(C)を得た。なお、酸化ゲルマニウムの添加方法は公知の方法を採用し、その添加量はゲルマニウムとして原料重量に対して100ppmとした。得られたポリエステル(C)の固有粘度は0.68、ポリマー中のジエチレングリコール含有量は4.0モル%であった。
出発原料をテレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール54重量部と1,4−シクロヘキサンジメタノール25重量部とし、触媒としてテトラブトキシチタネート0.011重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とし、さらに1時間反応を継続した。その後、反応物の温度を230℃から徐々に昇温すると共に圧力を常圧より徐々に減じ、最終的に温度を280℃、圧力を0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.70に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(D)の極限粘度は0.70、1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量は33モル%、ジエチレングリコールの含有量は1.0モル%であった。
ポリエステル(C)99.5重量部とイーストマン社製蛍光増白剤「OB−1」0.5重量部とをブレンドして二軸押出機を用いて溶融混練し、蛍光増白剤含有マスターバッチを作成した。
前述のポリエステル(B)、(C)をそれぞれ12%、88%の割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステル(C)、(E)を、88%、12%の原料をB層の原料として、2台のベント式二軸押出機に各々を供給し、それぞれ280℃で溶融し、A層を最外層(表層)、B層を中間層とする2種3層(A/B/A)の層構成で共押出して口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、以下に示した組成の塗布剤を塗布した後テンターに導き、横方向に110℃で3.8倍延伸し、230℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、厚さ95μmの積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚みは、5/85/5μmであった。塗布層の厚みは0.10μmであった。
a/b/c/d=47/20/30/3
ここで、aは、テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸/エチレングリコール/ジエチレングリコール/トリエチレングリコール=31/16/3/22/21(モル比)のポリエステル分散体;bは、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリルニトリル/N−メチロールメタアクリルアミド=45/45/5/5(モル比)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤);cは、ヘキサメトキシメチルメラミン(メラミン系架橋剤);dは、粒子径0.06μmの酸化ケイ素の水分散体(無機粒子)である。
実施例1において、B層の原料をポリエステル(B)、(C)、(E)をそれぞれ4%、92%、4%の割合で混合した原料とし、各層の厚みを20/210/20μmとし、塗布条件を実施例1と同様にして厚み250μmのポリエステルフィルムを得た。塗布層の厚みは0.12μmであった。
実施例1において、B層の原料をポリエステル(D)、(C)、(E)をそれぞれ5%、83%、12%の割合で混合した原料とし、A層をポリエステル(B)、(C)、(D)をそれぞれ12%、83%、5%の割合で混合した原料とした以外は実施例1と同様にして、厚み95μmのポリエステルフィルムを得た。
塗布層の厚みは0.11μmであった。
ポリエステル(E)の製造と同様にして、OB−1の含有量を2.0重量%としたマスターバッチを作成しポリエステル(F)とした。実施例1において、B層の原料をポリエステル(C)、(F)をそれぞれ35%、65%の割合で混合した原料としたこと以外は実施例1と同様にして、厚み188μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは、蛍光増白剤の含有量が多すぎるため、フィルムの色、ヘーズの値がやや上昇し、輝度向上の効果はもはや得られないものであった。塗布層の厚みは0.13μmであった。
実施例3において、B層の原料をポリエステル(D)、(C)をそれぞれ35%、65%の割合で混合した原料とし、A層をポリエステル(B)、(C)、(D)、(E)それぞれ12%、41%、35%、12%の割合で混合した原料としたこと、塗布層を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして、厚み95μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは、第三成分の含有量が多すぎるため、光学用として使用した場合その特性が低下し、また耐熱性が不足し、実使用時のフィルムの平面性維持等にも不足が見られた。
ポリエステル(B)、(A)をそれぞれ12%、88%の割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステル(A)、(B)、(E) 76%、12%、12%の原料をB層の原料としたこと以外は実施例1と同様にして、厚み95μmのポリエステルフィルムを得た。塗布層の厚みは0.11μmであった。
ポリエステル(B)、(C)をそれぞれ12%、88%の割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステル(C)100%の原料をB層の原料としたこと、塗布層を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして、厚み95μmのポリエステルフィルムを得た。
Claims (1)
- 全光線透過率が91.0%以上であり、蛍光増白剤を0.01〜1.0重量部含有するポリエステルフィルムからなることを特徴とする液晶ディスプレイ向け光拡散シート用二軸配向ポリエステルフィルム。
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Cited By (2)
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JP2009237436A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-15 | Toray Ind Inc | 白色反射フィルム |
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2005
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