JPH091648A - ポリエステルフィルムおよびそれからなる光反射板 - Google Patents

ポリエステルフィルムおよびそれからなる光反射板

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JPH091648A
JPH091648A JP8093888A JP9388896A JPH091648A JP H091648 A JPH091648 A JP H091648A JP 8093888 A JP8093888 A JP 8093888A JP 9388896 A JP9388896 A JP 9388896A JP H091648 A JPH091648 A JP H091648A
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polyester
polyester film
film
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film according
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Application number
JP8093888A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Tanaka
裕之 田中
Takuji Toudaiji
卓司 東大路
Koichi Abe
晃一 阿部
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも片面の表面光沢度が5〜80%、
かつ、該表面の表層粒子濃度が0.5重量%以下、厚さ
方向の屈折率が1.4〜1.6の範囲であることを特徴
とするポリエステルフィルムおよびそれを支持体とする
反射板としたものである。 【効果】 本発明は、特殊な結晶化後延伸により、厚さ
方向の屈折率を特定範囲とした二軸配向ポリエステルフ
ィルムとし、また、通常の方法では達成し得ない表面形
態を組み合わせ、さらに、蒸着金属を特定なものにする
ことにより、特に優れた反射板を完成できたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は反射板、特に液晶デ
ィスプレイ(以下LCD)の内部や道路標識などに使用
される光反射板に好適なポリエステルフィルムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムとしては、粒子添
加法(たとえば特公昭63ー2779号公報)やポリエ
ステルの結晶によって表面突起を形成したフィルム(た
とえば特開平5−131600号公報)が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のポリエステルフィルムでは、その反射能、すなわ
ち、さまざまな角度から入射してきた光を反射した場合
の法線方向の反射強度が不十分である問題点があった。
また、粒子を大量に添加して表面に凹凸を形成すること
によって反射能を付与すると、金属を蒸着する工程など
の搬送ロールで、表面が擦られて粒子が脱落し、工程
上、製品性能上のトラブルになるという問題があった。
【0004】本発明はかかる問題点を解決し、反射能に
優れ、かつ、表面が擦られても粒子が脱落しない、すな
わち、耐摩耗性に優れたフィルムおよびそれを用いた反
射板を得ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも片
面の表面光沢度が5〜80%、かつ、該表面の表層粒子
濃度が0.5重量%以下、厚さ方向の屈折率が1.46
〜1.54の範囲であることを特徴とするポリエステル
フィルムおよびそれを支持体とする反射板としたもので
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステルフィルム
は、少なくとも片面の表面光沢度が5〜80%、好まし
くは7〜70%、さらに好ましくは10〜60%である
ことが必要である。光沢度が上記の範囲より小さいと反
射光の強度が小さく(暗く)なり、また大きいと反射能
が不良となる。また光沢度が上記の範囲である表面の表
層粒子濃度は0.5重量%以下、好ましくは0.4重量
%以下、さらに好ましくは0.3重量%以下であること
が必要である。表層粒子濃度が上記の範囲より大きい
と、それによって作られた突起破壊や粒子脱落が著しく
なり耐摩耗性が不良となる。
【0007】本発明フィルムは光沢度が5〜80%の範
囲である表面から光を入射させて、全反射の原理で測定
した厚さ方向屈折率が1.46〜1.54、好ましくは
1.47〜1.53、さらに好ましくは1.50〜1.
53の範囲であることが必要である。厚さ方向屈折率が
上記の範囲より小さいと反射能、耐摩耗性ともに不良と
なり、逆に大きいと反射能が不良となるので好ましくな
い。
【0008】光沢度が5〜80%である表面の中心線平
均粗さRaは、30nm以上300nm以下、好ましく
は40nm以上250nm以下、さらに好ましくは50
nm以上200nm以下であることが好ましい。また該
表面の突起間隔Smが20μm以下、好ましくは17μ
m以下、さらに好ましくは15μm以下であることが好
ましい。中心線平均粗さが30nm未満か、突起間隔が
20μmより大きいと、拡散反射が少なく反射能が不良
となりやすいため好ましくない。また、中心線平均粗さ
が300nmより大きいと、表面で拡散が起こりすぎる
ため反射能が不良となりやすいため好ましくない。
【0009】また、本発明フィルムは、表面光沢度が5
〜80%の表面の平均粗さRaと最大高さRtの比、R
t/Raが10以下、好ましくは9以下、さらに好まし
くは8以下であるのが好ましい。Rt/Raが上記の範
囲より大きいと反射能が不良となりやすい。
【0010】本発明フィルムはポリエステルの少なくと
も片面に結晶化指数10〜60℃、好ましくは15〜5
5℃、さらに好ましくは20〜50℃の範囲の高速結晶
化ポリエステルを積層してなるフィルムで、この高速結
晶化ポリエステル側の表面の光沢度を本発明範囲とする
ことが耐摩耗性の点で特に望ましい。この積層部に用い
るポリエステルは、そのエステル交換や重合時に、触媒
・熱安定剤として、酢酸マグネシウム、フェニル環を含
有するリン化合物、酸化アンチモン(または酸化ゲルマ
ニウム)を存在させると、高速結晶化ポリエステルが得
られやすく、本発明の表面形態が得られやすいので望ま
しい。さらに、積層部に用いるポリエステルは、柔軟可
動成分を少量添加もしくは共重合することが本発明の表
面を得るのに有効である。ここで可動成分とは、長い柔
軟鎖を主鎖にもち、ポリエステルと親和性の高いもしく
は共重合可能な成分をいい、例えば長鎖脂肪族のジカル
ボン酸、長鎖脂肪族のジオール、ポリアルキレングリコ
ールなどをいい、特にポリエチレングリコール、ヘキサ
メチレングリコールなどのポリアルキレングリコールを
用いることが有効である。中でも特に、数平均分子量が
200以上50000以下、好ましくは1000以上4
0000以下、さらに好ましくは2000以上3000
0以下のポリエチレングリコールを、ポリエステルに対
して0.01重量%以上15重量%以下、好ましくは
0.1重量%以上13重量%以下、さらに好ましくは1
重量%以上10重量%以下の範囲で用いることが望まし
い。
【0011】また、その積層厚さは、製品段階で、厚さ
0.5〜8μm、さらに、1〜7μm、さらに1〜5μ
mの範囲である場合に反射能が一層良好となるので望ま
しい。
【0012】本発明フィルムは二軸配向せしめたフイル
ムであることが好ましい。一軸あるいは無配向フイルム
では反射能、摩擦係数が不良となるので好ましくない。
この配向の程度は特に限定されないが、高分子の分子配
向の程度の目安であるヤング率が縦方向、横方向ともに
200kg/mm2 以上である場合に反射能がより一層
良好となるので望ましい。特に、縦方向のヤング率が2
50kg/mm2 以上である場合に反射能がより一層良
好となるのできわめて望ましい。また、分子配向の程度
の目安であるヤング率の上限は特に限定されないが、通
常、1500kg/mm2 程度が製造上の限界である。
【0013】本発明フィルムは、両面の中心線平均表面
粗さRaが異なる場合に、特に、片面の中心線平均表面
粗さRaが他方の面よりも、2nm以上、好ましくは5
nm以上、さらに好ましくは50nm以上大きいデュア
ルサーフェスである場合に反射能が一層良好となるので
望ましい。この場合、Raが大きい方の面を反射に用い
るのが望ましい。
【0014】本発明フィルムの全厚さは25〜500μ
m、好ましくは30〜400μmである場合に、反射
能、反射板としての形態保持性などが一層良好となるの
で望ましい。
【0015】さらに本発明フィルムの光沢度が5〜80
%である表面に金属を蒸着したものは反射能に優れた反
射板として用いることができる。特に金属をアルミニウ
ムまたは銀、特に、アルミニウムとした場合に、該表面
形態と蒸着粒の大きさのマッチングが良いために、反射
能に優れ反射板として特に好適である。
【0016】本発明を構成するポリエステルは特に限定
されないが、エチレンテレフタレ−ト、エチレン2,6-ナ
フタレ−ト、エチレンα,β−ビス(2-クロルフェノキ
シ)エタン-4,4'-ジカルボキシレ−ト単位から選ばれた
少なくとも一種の構造単位を主要構成成分とする場合
に、特に、エチレンテレフタレ−トを繰り返し単位に8
5モル%以上含有するポリエステルの場合に反射能がよ
り一層良好となるので望ましい。上記ポリエステルは、
エステル交換、重合時に、酢酸リチウム、酢酸マグネシ
ウム、酢酸カリウム、亜リン酸、ホスホン酸、ホスフィ
ン酸あるいはそれらの誘導体、酸化アンチモン、酸化ゲ
ルマニウムを存在させることが有効である。特に望まし
い組み合わせは、酢酸マグネシウムとホスホン酸(また
はその誘導体)および酸化アンチモンであり、ホスホン
酸(またはその誘導体)の望ましい例として、フェニル
ホスホン酸、ジメチルフェニルホスホネートなどが挙げ
られる。また、前述したように柔軟可動成分を少量添加
もしくは共重合することが本発明の表面を得るのに有効
である。
【0017】本発明フイルムは上記組成物を主要成分と
するが、本発明の目的を阻害しない範囲内で、他種ポリ
マをブレンドしてもよいし、また酸化防止剤、熱安定
剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤の添加剤が添加さ
れていてもよい。
【0018】次に、本発明フィルムの製造方法について
説明する。本発明の表面形態達成のポイントは、従来の
粒子添加による表面形成を主体とするものではなく、ポ
リエステルを結晶化せしめ、その球晶を生成させ、それ
を二軸延伸して表面に粒子添加法では達成できない緻密
な凹凸を形成させることにある。その観点および粒子脱
落による耐摩耗性改善の点から、粒子の含有量を本発明
範囲内に押さえることがポイントなのである。
【0019】原料ポリエステルを公知の溶融押出機でス
リット状の口金からシート状に押し出し、キャスティン
グロールで冷却して未延伸フイルムを作る。
【0020】次に、この未延伸フィルムを熱処理する。
熱処理の方法は特に限定されるものではないが、上記の
キャスティングロールでロール非接触面を、熱風加熱、
幅射加熱、スチーム加熱、あるいはキャスティングロー
ルの温度を加減して徐冷条件にしてもよいし、また、縦
延伸前、あるいは、1.01〜2倍の範囲で微延伸を行
なった後に、上述の加熱方法あるいはロール上加熱で熱
処理しても良い。拡散板用として特に望ましいのは、光
学的なムラのでにくいキャスティングロールでロール非
接触面を、熱風加熱、幅射加熱、スチーム加熱、あるい
はキャスティングロールの温度を加減して徐冷条件にす
る方法である。熱処理条件としては加熱源に面している
フィルムの表面温度が120〜230℃、好ましくは、
130〜220℃、さらに好ましくは、140〜220
℃で、0.1〜10秒、好ましくは0.2〜8秒間処理
するのが本発明範囲の表面形態を得るのに有効である。
【0021】この場合、フィルム表裏の温度に5℃以上
の差を持たせるように、ロール非接触面の熱源温度と接
触面側のロール温度を制御することが、本発明の望まし
い範囲の表裏のRa差を得るのに有効である。
【0022】次に、この熱処理されたフィルムを、二軸
延伸し、二軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二
軸延伸法または同時二軸延伸法を用いることができる。
ただし、最初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐
次二軸延伸法を用い、長手方向の延伸2段階で3〜6倍
延伸する方法が本発明フィルムを得るのに有効である。
長手方向延伸温度はポリエステルの種類によって異なり
一概には言えないが、ガラス転移点より15℃以上高い
温度という通常より高めの温度で延伸することが本発明
フィルムを得るのに有効である。長手方向延伸速度は5
000〜50000%/分の範囲が好適である。幅方向
の延伸方法としてはステンタを用いる方法が一般的であ
る。延伸倍率は、3〜7倍の範囲が適当である。この
時、幅方向の延伸倍率を長手方向よりも大きくするのが
本発明の望ましいヤング率を得るのに有効である。また
幅方向の延伸速度は、1000〜20000%/分、温
度は80〜160℃の範囲が好適である。また、いった
ん二軸延伸されたフイルムを少なくとも一方向にさらに
延伸しても良い。次にこの延伸フィルムを再び熱処理す
る。この場合の熱処理温度は、先の熱処理温度より高い
ことが有効であり、特に、170〜200℃、特に17
0〜190℃、時間は0.5〜60秒の範囲が好適であ
る。
【0023】次にさらに望ましい製造方法は、積層構成
で本発明フィルムを得るものであるがこの場合は、高速
結晶化ポリエステルAのペレットを、乾燥したのち、公
知の溶融押出機1に供給し、それよりも結晶化指数が1
0℃以上大きいポリエステルBを押出機2に供給し、2
または3層以上のマニホ−ルドまたは合流ブロックを用
いて、ポリエステルAをポリエステルBの少なくとも片
面に積層し、スリット状の口金から2または3層以上の
シートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未
延伸フイルムを作る。この場合、合流断面が矩形の合流
ブロックを用いて積層する方法が安定して本発明の表面
形態を得るのに有効である。これをスリット状の口金か
らシート状に押し出し、キャスティングロールで冷却し
て未延伸フイルムを作る。このあとの製造方法は上述し
たものと同様である。
【0024】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は
次の通りである。
【0025】(1)中心線平均粗さRa、突起間隔S
m、最大高さRt 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用い
て、中心線平均表面粗さRa、最大高さRt、突起間隔
Smを測定した。条件は下記のとおりであり、20回の
測定の平均値をもって値とした。
【0026】 ・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値:0.08mm なお、Ra、Sm、Rtなどの定義は、たとえば、奈良
治郎著「表面粗さの測定・評価法」(総合技術センタ
ー、1983)に示されているものである。
【0027】(2)表層粒子濃度 表層で突起を形成する粒子の濃度を下記のごとく定義す
る。すなわち、積層部のみを剥離、または、均一に表面
を削り取ることによって表層を分離する。この試料を用
いて、ポリエステルは溶解し粒子は溶解させない溶媒を
選択し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の重
量百分率で表層粒子濃度とした。
【0028】(3)積層部の厚さ 透過型電子顕微鏡等の電子顕微鏡で、フィルムの断面を
観察し、そのコントラストの差から界面を認識し積層厚
さを求める方法が一般的であるが、これに限定されるこ
とはなく、積層部分を剥離後、薄膜段差測定機を用いて
積層厚さを求めることもできる。
【0029】(4)ヤング率 JIS−Z−1702に規定された方法にしたがって、
インストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25
℃、65%RHにて測定した。
【0030】(5)表面光沢度 JIS−K−7105に規定された方法にしたがって、
スガ試験機製デジタル変角光沢度計UGV−5Dを用い
て、60度鏡面光沢度を測定した。
【0031】(6)厚さ方向屈折率 JIS−K−7105に規定された方法にしたがって、
ナトリウムD線(波長589nm)を光源としてアッベ
屈折率計を用いて測定した。なお、マウント液はヨウ化
メチレンを用い、25℃、65%RHにて測定した。
【0032】(7)反射能 スガ試験機製デジタル変角光沢度計UGV−5Dを用い
て、蒸着フィルムの入射角:45度、検出角:0度にお
ける反射光強度(光沢度指示値)を測定した。この値が
大きいほど垂直方向の輝度を高める反射性能が高いこと
を示し、その値が5%以上の時反射能:優、4%以上5
%未満の時反射能:良、3%以上4%未満の時反射能:
可、3%未満の時反射能:不良とした。反射能は優また
は良が望ましいが、可の場合でも、実用的には、使用に
耐えるものである。
【0033】なお測定は、光源、受光器の絞りに45度
鏡面光沢度用のものを用い、校正して行った。
【0034】(8)耐摩耗性 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ低速走行試験機を用いて荷重100gをか
け、市販の剃刀片刃(フェザー安全剃刀株式会社製FA
S−10)を走行面に1mm押しつけ走行させる(走行
速度250m/分、走行距離100mm、走行回数1
回)。このとき、剃刀片刃に付着した削れ粉の付着幅を
顕微鏡で観察し、削れ粉の付着幅が40μm未満の場合
は耐摩耗性:優、40μm以上50μm未満の場合を耐
摩耗性:良、50μm以上60μm未満の場合を耐摩耗
性:可、60μm以上の場合は耐摩耗性不良とした。こ
の剃刀の片刃を用いたモデルテストは、加工工程内の搬
送ロール上を走行するときの耐削れ性をよく反映するも
のであり、優または良が望ましいが可のものでも使用に
は耐えるものである。
【0035】(9)結晶化指数 パーキングエルマ社製のDSC(示差走査熱量計)II型
を用いて測定した。DSCの測定条件は次の通りであ
る。すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、
300℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素中で急冷
する。この試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点T
gを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状態からの結
晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tccとす
る。ここで、TccとTgの差(Tcc−Tg)を結晶
化指数とする。試料は、製膜前の原料ペレットを用いて
も良いし、製膜後のフィルムの表層部分を剃刀の刃で削
り取った粉を10mg集めたものを用いても良い。
【0036】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。
【0037】実施例1 エステル交換触媒を酢酸マグネシウム0.1重量%、重
合触媒を三酸化アンチモン0.03重量%、熱安定剤を
ジメチルフェニルホスホネート0.35重量%とし、柔
軟成分として分子量20000のポリエチレングリコー
ルを10重量%添加し、実質的に粒子を含有しない結晶
化指数50℃のポリエチレンテレフタレート(PET)
を製造した。固有粘度は0.65とした。
【0038】このチップを180℃で3時間減圧乾燥
(3Torr)した後、押出機で290℃で溶融し、シート
状に押し出し、表面温度45℃のキャストロール上で片
面を冷却しながら、未延伸フィルムを得た。この時、ロ
ールと反対側の面を保温するため、チャンバで覆い、チ
ャンバの中に熱風を送り込むことにより、その中の温度
を45℃に制御した。チャンバで覆われている部分をフ
ィルムが通過する時間は8秒であった。
【0039】このフィルムを、温度80℃にて長手方向
に2段階で4.0倍延伸した。この延伸は2組のロ−ル
の周速差で行なった。この一軸延伸フイルムをステンタ
を用いて延伸速度5000%/分で100℃で幅方向に
4.5倍延伸し、定長下で、200℃にて5秒間熱処理
し、厚さ120μmの二軸配向ポリエステルフィルムを
得た。
【0040】このフィルムにアルミニウムを厚さ約50
nmで蒸着して反射板を作った。
【0041】フィルムの表面性状は表1、表2に示した
通り、本発明の要件を満足しており、したがって、反射
板とした時の反射能も優れたものであった。
【0042】実施例2〜6、比較例1〜3 ポリエステルAとして、エステル交換触媒を酢酸マグネ
シウム0.1重量%、重合触媒を三酸化アンチモン0.
03重量%、熱安定剤をジメチルフェニルホスホネート
0.35重量%として実質的に粒子を含有しない結晶化
指数35〜50℃のポリエチレンテレフタレート(PE
T)を製造した。結晶化指数の調節は固有粘度を0.6
0〜0.65の範囲で変更して行なった。また、ポリエ
ステルBとして、公知の方法で固有粘度0.65〜0.
8の結晶化指数75〜80℃のPET、結晶化指数10
0℃のPENを作った。
【0043】これらのポリマを積層部(ポリエステル
A)、基層部(ポリエステルB)に用い、それぞれ18
0℃で3時間減圧乾燥(3Torr)し、それぞれを2台の
押出機に供給し290℃で溶融し、これらのポリマを、
2または3層用の矩形の合流ブロック(フィードブロッ
ク)で合流積層し、静電印加キャスト法を用いてシート
状に押し出し、表面温度を変更したキャストロール上で
冷却固化し、積層厚さが所定の2〜3層構造の未延伸フ
ィルムを作った。この時実施例1と同様に、チャンバ内
に送り込む熱風の温度、流量を変更し、チャンバ内の温
度を制御して未延伸フィルムの表裏の温度履歴を独立に
制御した。
【0044】これらの未延伸フィルムを温度80℃にて
長手方向に2段階で4.0倍延伸した。この延伸は2組
のロ−ルの周速差で行なった。この一軸延伸フイルムを
ステンタを用いて延伸速度5000%/分で100℃で
幅方向に4.5倍延伸し、定長下で、200℃にて5秒
間熱処理し、厚さ120μmの二軸配向ポリエステルフ
ィルムを得た。このフィルムにアルミニウム、銀、また
は鉄を厚さ約50nmで蒸着して反射板を作った。
【0045】これらのフィルムの表面性状は表1〜表4
に示した通りであり、本発明の要件を満足する場合は、
反射板とした時の反射能に優れたフィルムが得られる
が、そうでない場合は反射能に優れた反射板は得られな
いことがわかる。
【0046】実施例7〜10 ポリエステルAとして、表1の注に示したような柔軟可
動成分を添加したものを用いた以外は実施例1と同じ方
法で、厚さ120μmの二軸配向ポリエステルフィルム
を得た。このフィルムにアルミニウムを厚さ約50nm
で蒸着して反射板を作った。フィルムの表面性状は表
1、表2に示した通り、本発明の要件を満足しており、
したがって、反射板とした時の反射能も優れたものであ
った。
【0047】
【表1】
【表2】 表1、表2の注: 1)「ポリマ」 実施例1 PET:ポリエチレンテレフタレートにポリエチレング
リコール(分子量2万)を重合時に10重量%添加 実施例2〜6、比較例1〜2 PET:ポリエチレンテレフタレート PEN:ポリエチレンナフタレート 実施例7 PET:ポリエチレンテレフタレートにポリエチレング
リコール(分子量1500)を重合時に13重量%添加 実施例8 PET:ポリエチレンテレフタレートにポリエチレング
リコール(分子量400)を重合時に15重量%添加 実施例9 PET:ポリエチレンテレフタレートにポリプロピレン
グリコール(分子量4000)を重合時に10重量%添
加 実施例10 PET:ポリエチレンテレフタレートにポリプロピレン
グリコール(分子量4000)を重合時に15重量%添
加 2)「キャストロール上の処理温度」 温度I:キャストロール表面温度 温度II:チャンバ−内温度
【表3】
【表4】
【0048】
【発明の効果】本発明は、特殊な結晶化後延伸により、
厚さ方向の屈折率を特定範囲とした二軸配向ポリエステ
ルフィルムとし、また、通常の方法では達成し得ない表
面形態を組み合わせ、さらに、蒸着金属を特定なものに
することにより、特に優れた反射板を完成できたもので
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 5/08 G02B 5/08 Z G02F 1/1335 520 G02F 1/1335 520 G09F 9/00 333 7426−5H G09F 9/00 333A // B29K 67:00 B29L 9:00 11:00 C08L 67:00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面の表面光沢度が5〜80
    %、かつ、該表面の表層粒子濃度が0.5重量%以下、
    厚さ方向の屈折率が1.46〜1.54の範囲であるこ
    とを特徴とするポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 光沢度が5〜80%である表面の中心線
    平均粗さRaが30nm以上300nm以下であり、か
    つ該表面の突起間隔Smが20μm以下であることを特
    徴とする請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 光沢度が5〜80%である表面の中心線
    平均粗さRaと最大高さRtの比、Rt/Raが10以
    下である請求項1または2に記載のポリエステルフィル
    ム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルの少なくとも片面に結晶化
    指数10〜60℃のポリエステルを積層してなる請求項
    1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 片面の平均表面粗さRaが他方の面より
    も2nm以上大きいことを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載のポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 ポリエステルがエチレンテレフタレート
    を繰り返し単位として85モル%以上含有するポリエス
    テルである請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステ
    ルフィルム。
  7. 【請求項7】 ポリエステルが、柔軟可動成分を0.0
    1重量%以上15%重量以下含有するポリエステルから
    なることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の
    二軸配向ポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】 柔軟可動成分が、数平均分子量が200
    以上50000以下のポリアルキレングリコールである
    ことを特徴とする請求項7に記載の二軸配向ポリエステ
    ルフィルム。
  9. 【請求項9】 フィルムの縦方向のヤング率が250k
    g/mm2 以上である請求項1〜8のいずれかに記載の
    ポリエステルフィルム。
  10. 【請求項10】 フィルムの厚さが25〜500μmの
    範囲である請求項1〜9のいずれかに記載のポリエステ
    ルフィルム。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載のポ
    リエステルフィルムを支持体とし、その光沢度が5〜8
    0%の表面に金属層を設けてなる光反射板。
  12. 【請求項12】 該金属が銀またはアルミニウムである
    請求項11に記載の光反射板。
  13. 【請求項13】 該金属がアルミニウムである請求項1
    1に記載の光反射板。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11151791A (ja) * 1997-11-21 1999-06-08 Toray Ind Inc 金属板貼り合わせ成形加工用ポリエステルフィルム
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