以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の一例である複写機の構成を示す図である。なお、説明中で取り上げている数値は、参考数値であって、本発明を限定するものではない。
図1において、110は画像形成装置としての白黒・カラー複写機(以下、複写機という)、100は複写機本体であり、この複写機本体100には、シート処理装置であるフィニッシャ600が接続されている。
そして、このような複写機110において、給紙信号が出力されると、複写機本体100に設けられたカセット107a〜107dから画像形成部101にシートが給送される。この後、このシートは、それぞれ画像形成手段としてのイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの感光ドラム101a〜101d等によって、4色のトナー像が転写されて、定着装置111に搬送される。
次に、定着装置111において転写画像が永久定着され、画像が定着されたシートは、この後、排出ローラ対により複写機本体100から排出され、フィニッシャ600に搬送される。
ここで、フィニッシャ600は、複写機本体100から排出されたシートを順に取り込み、取り込んだ複数のシートを整合して1つの束に束ねる処理を行うようになっている。また、束ねたシート束の後端(シート搬送方向の上流端)を綴じるステイプル処理、取り込んだシートの後端付近に孔をあけるパンチ処理、ソート・ノンソート処理、シート束を折る折り処理、2つ折り製本処理などの各種の処理を行うようになっている。
なお、200は中綴じ処理装置、300はシート積載装置を構成する平綴じ処理装置、400はシート束背部処理装置であり、中綴じ処理装置200と、シート束背部処理装置400は、中綴じ製本処理装置700を構成している。
また、このフィニッシャ600は複写機本体100から排出されるシートを、オンラインで処理することができるようになっている。さらに、フィニッシャ600は、オプションとして使用されることがあるため、複写機本体100は、単独でも使用できるようになっている。また、フィニッシャ600と複写機本体100は、一体であってもよい。
また、このフィニッシャ600は、複写機本体100から排出されたシートを内部に導くための入口ローラ対602を有している。この入口ローラ対602の下流側には、シートを、平綴じ製本パスX、または中綴じ製本パスYに選択的に案内する切り替えフラッパ601が設けられている。
そして、切り替えフラッパ601により平綴じ製本パスXに導かれたシートは、搬送ローラ対603を介してバッファローラ605に向けて送られる。ここで、バッファローラ605は、その外周に送られたシートを所定枚数積層して巻き付けられるローラである。バッファローラ605に送られたシートは、下流に配置された切り替えフラッパ611によって、サンプルトレイ621に積載されるか、もしくは平綴じ処理装置300内のシート積載手段である中間処理トレイ330に積載される。
この後、中間処理トレイ330上に束状に積載されたシートは、必要に応じて整合処理、ステイプラ301によるステイプル処理などが施された後、排出ローラ380a,380bによりスタックトレイ622上に排出される。
なお、650は搬送ローラ対603とバッファローラ605との間に設けられたパンチユニットであり、このパンチユニット650は、必要に応じて動作し、搬送されてきたシートの後端付近に孔をあけるようになっている。
一方、切り替えフラッパ601により中綴じ製本パスYに案内されたシートは、搬送ローラ対213によって収納ガイド220内に収納され、さらにシートの先端が昇降式の不図示のシート位置決め部材に接するまで搬送される。なお、収納ガイド220の途中には、2対のステイプラ218(重なって見えるため、1つのみ図示してある)が設けられており、このステイプラ218と、アンビル219とが協働してシート束の中央を綴じるようになっている。
また、ステイプラ218の下流には、折りローラ対226a,226bが設けられており、折りローラ対226a,226bに対向する位置には、突き出し部材225が設けられている。この折りローラ対226a,226bと突き出し部材225は、シート束を折り畳むシート束折り装置201を構成している。
そして、シートの先端が昇降式のシート位置決め部材に接するまで搬送された後、シートはステイプラ218により綴じられ、この後、綴じられたシート束はシート束折り装置201により折り畳まれる。ここで、シート束を折るとき、不図示のシート位置決め部材が、ステイプル処理終了後にシート束のステイプル位置が折りローラ対226の中央位置(ニップ)に対向するように下降する。
この後、突き出し部材225がシート束に向けて突き出ることにより、シート束は折りローラ対226間(ニップ)に押し込まれて、折りローラ対226に挟み込まれながら搬送されて、2つ折り状に折り畳まれる。これにより、シート束は、中綴じされた冊子状になる。なお、シート束は、中綴じされないで折り畳まれるときもある。
冊子状に中綴じされたシート束はそのまま、突き出し部材225と製本束搬送ベルト401によって、シート束背部処理装置400に送られる。シート束背部処理装置400は、シートの背面折り曲げ部を両面が挟圧して、折り目が確実に折り曲がった形状にすると共に、背面折り曲げ部の背部を平坦にする。この後、シート束は、シート束積載トレイ480に排出されて積載される。
次に、ステイプラ301、中間処理トレイ330及びシート後端整合部1を備えた平綴じ処理装置300について図2及び図3を用いて説明する。
綴じ手段であるステイプラ301は、スライド支台303上に固定されており、スライド支台303の下部には転動コロ304,305が設けられている。スライド支台303は、転動コロ304,305と、ステイプラ移動台306上のガイドレール溝307とに案内されて、中間処理トレイ330に積載されたシートの後端縁に沿って(矢印Y方向に)移動するようになっている。
ステイプラ301は、図2に示すように、中間処理トレイ330に積載されたシートPのコーナにおいて、シートの後端縁に対して所定角度αだけ傾斜された姿勢に維持されるようになっている。なお、この傾斜角度αは、約30度に設定されているが、ガイドレール溝307の形状を変えることによって、変更することができる。また、ステイプラ移動台306には、ステイプラ301のホームポジションを検知する不図示の位置センサが設けられている。通常、ステイプラ301は、装置手前側の符号Aで示すホームポジションに待機している。
中間処理トレイ330は、図3に示すようにシート束の排出方向に対して下流側(図3の左側)を上方に、上流側(図3の右側)を下方に傾斜して配設されており、中間処理トレイ330の上流側である下方端部には後端ストッパ331が配置されている。なお、中間処理トレイ330は、水平であってもよい。
中間処理トレイ330の中間部には第1及び第2整合部340,341が、また中間処理トレイ330の下流側である上方端部、詳しくは実質的にユニット構成の上方領域部分には引き込みバドル360と揺動ガイド350が配置されている。
そして、第1排出ローラ対320から排出されたシートPは、中間処理トレイ330の傾斜及び引き込みパドル360の作用によって、中間処理トレイ330の積載面330c上、または中間処理トレイ330に積載されたシート上を滑降する。そして、シートPの後端(排出方向上流端)がストッパである後端ストッパ331の突当て支持面331aに突き当てられる。
さらに、中間処理トレイ330の下流側端部には、束排出ローラ対380を構成する一方の下部排出ローラ380aが配置され、揺動ガイド350の下面前端部には、他方の上部排出ローラ380bが配置されている。上部排出ローラ380bは、揺動ガイド350の揺動に伴って下部排出ローラ380aに対して離接するようになっており、排出ローラ対380a,380bは、駆動モータM380によって正逆回転するようになっている。
なお、揺動ガイド350は、支持軸351に支持されて上下方向に揺動するようになっている。そして、通常、個々の各シートPが中間処理トレイ330上に排出されるとき、上方へ揺動し、上部排出ローラ380bが下部排出ローラ380aから離れた開口状態になっている。この結果、束排出ローラ対380が、後述する引き込みパドル360による中間処理トレイ330へのシートPの排出動作と、第1、第2整合部340,341による幅整合動作とに支障を与えることがないようになっている。
また、中間処理トレイ330上でのシートの処理が終了したとき、揺動ガイド350は下方に揺動し、上部排出ローラ380bと下部排出ローラ380aとでシート束を挟むようになっている。そして、この後、この状態で束排出ローラ対380が回転することにより、シート束はスタックトレイ622に排出される。
引き込みパドル360は、中間処理トレイ330の上方に配設され、後述する図18に示す駆動モータM360によって回転する駆動軸361上に沿って複数固定されている。そして、駆動モータM360により、適切なタイミングで図3において反時計方向に回転するようになっている。ここで、図3において、シートを搬送し、後端ストッパ331に突き当てるシート搬送手段である引き込みパドル360は、重なって1つに見えているが駆動軸361の軸方向に複数存在する。
また、駆動軸361は、中間処理トレイ330に対して矢印に示す略垂直方向に移動可能となっており、これにより引き込みパドル360は駆動軸361を介して中間処理トレイ330の積載面330cまでの距離を変えられるようになっている。
なお、この駆動軸361は、後述する図18に示すパドル昇降モータM2により積載面330cに対して略垂直方向に移動するようになっている。また、引き込みパドル360のホームポジションは、第1排出ローラ対320から中間処理トレイ330上へ排出されるシートの邪魔にならない、図3に示す位置に設定されている。
次に、シート後端整合部1について図4を用いて説明する。
シート後端整合部1は、シート搬送手段としてのベルトローラ608と、シート押圧部材としての後端レバー332と、レバーストッパ333と、ガイド手段としてのシート案内ガイド312とを備えている。なお、シートは、ベルトローラ608によって、図4の点線矢印方向(シート排出方向の上流側)に移動されるようになっている。
ベルトローラ608は第1排紙ローラ対320を構成する第1排紙ローラ320aの外周に掛けられ、後述する図18に示すローレット回転駆動(排紙)モータ(M4)により駆動される第1排紙ローラ320aの回転に従動して反時計方向に回転するものである。また、その下方部が中間処理トレイ330上に積載された最上シートと接するような位置関係で中間処理トレイ330の上方に設けられている。
また、図5の(a)及び(b)に示すように、ベルトローラ外周縁に係合された可変レバー316の矢印方向への往復移動による牽引動作によって、ベルトローラ608の回転形状を丸から点線で示す楕円状に形状変化させることができるようになっている。
これにより、中間処理トレイ330の積載面330cからベルトローラ608の最下部までの距離を可変にできるように構成されている。なお、この可変レバー316は後述する図18に示すローレット牽引モータ(M5)により矢印方向へ往復移動するようになっている。
このように構成することにより中間処理トレイ上に、シートが順次積載され、積載された最上位シート(以下、最上積載シートという)の高さが上昇してもベルトローラ608の回転形状を変えることにより、接触位置(作用位置)を変化させることができる。これにより、常にほぼ同じ接触圧(作用圧)でベルトローラ608と最上積載シートが接触し、略一定の搬送力を積載最上シートに付与することが可能となる。
シート案内ガイド312は、図4に示すように、排出されたシートを後端ストッパ331の方へ搬送するガイド面312aを有しており、ガイド面312aが中間処理トレイ330のシート積載面330cに対し、β以下の角度となるように配されている。なお、本実施の形態においてはβ=略30°としているが、シート搬送を阻害しない範囲で設定されればよく、これに限ったものではない。
また、シート案内ガイド312は支持軸313を中心に支持軸313と一体で回転するように設けられており、中間処理トレイ上のシートの積載高さが増すにつれて、段階的に矢印D方向に位置を変更していくようになっている。
これにより、常に、中間処理トレイ上の最上積載シート面から、シート案内ガイド312の先端部Rまでの間隔を略一定に保つことができるようにしている。なお、この支持軸313は後述する図18に示す案内ガイド/後端レバー昇降モータ(M3)により回転するようになっている。
そして、このように構成することにより、後述する図12に示すように、例えば下向きにカールしたシートが排出されてきた場合においても、シート案内ガイド312の先端部Rによって、シートの山状に***した頂点部を押圧することができる。これにより、シートを中間処理トレイ面にならうように平坦化することができ、確実にシートを整合することが可能となる。
また、薄手のシートを中間処理トレイ330上で積載する場合、ベルトローラ608や引き込みパドル360により、シートが後端ストッパ331方向にシートの持つ剛性に対して強い力で引き込まれた時においても、先端部Rでシートを押さえ込むことができる。これにより、シートが座屈するのを防ぐことができ、確実にシートを整合することが可能となる。
後端ストッパ331は、中間処理トレイ330のシート排出方向の上流側に配設されており、中間処理トレイ330上に排出された後、上流側へ移動するシートを受け止めるようになっている。後端ストッパ331は、中間処理トレイ330のシート積載面330cに対して垂直に立ち上げて形成されて、シートPの後端を受け止める支持面331aを有している。
後端レバー332は、支持軸335に上下方向に回動自在に設けられ、自重により、あるいは自重にバネ等の付勢力を付加して中間処理トレイ330に積載されているシートを中間処理トレイ330のシート積載面330cに押し付ける向きに押圧するものである。また、後端レバー332は、中間処理トレイ330のシート積載面330c上、或は中間処理トレイ330上に積載されたシート上を後端ストッパ331に向けて移動するシートによって押し上げられるようになっている。
さらに、後端レバー332は、中間処理トレイ330上のシートを押圧、または後端ストッパ331に向けて移動するシートをガイドするレバーガイド面332aと、回転軸334上に支持されたレバーストッパ333に当接する当接部332bとを有している。
ここで、レバーガイド面332aが後端ストッパ331の近傍でシートを押圧するようになっていると、シートが浮き上がった状態で後端ストッパ331に当接することがなく、シートの上流端を確実に整合することができる。これにより、例えばシートが上向きにカールしている場合であっても、シートを中間処理トレイ330に確実に押さえることができる。
レバーストッパ333は、中間処理トレイ330に積載されたシートの積載高さに応じて位置を変更し、後端レバー332の上限位置、言い換えれば後端レバー332の回動角度の上限を調節するものである。なお、この調節部材としてのレバーストッパ333は、中間処理トレイ330に積載されるシートによって上方に回転した後端レバー332を受け止めることにより、後端レバー332の上限位置を規制するようになっている。
ここで、この調節は、後端レバー332の上限位置(作用位置)と、後端レバー332がシートを押圧する位置との高さの差がシートの積載高さに関係なくほぼ一定になるよう保持し、シートを押圧する押圧力をほぼ一定にするために行われる。
なお、レバーストッパ333は回転軸334に回転自在に取り付けられており、この回転軸334は、後端ストッパ331の上方に設けられている。さらに回転軸334は、図6の(a)に示すように歯車337を有し、この歯車337に噛合している駆動歯車337aによって、所望の角度だけ回転して、その位置に保持されるようになっている。
ここで、この回転軸334の回転角度は、中間処理トレイ330上に積載されたシートの積載高さに応じて変化するようになっており、このように回転軸334の回転角度が変化すると、レバーストッパ333が後端レバー332を受け止める位置も変化する。
つまり、後端レバー332の上限位置(作用位置)は、後述する回転軸334の回転制御により、中間処理トレイ330上のシートの積載高さに応じて変わるようになっている。なお、この回転軸334は、既述したシート案内ガイド312の支持軸313と同様、後述する図18に示す案内ガイド/後端レバー昇降モータ(M3)により回転する。
さらに、回転軸334には、一端がレバーストッパ333に固定されている捩りばね336が巻き付くようにして設けられており、この捩じりばね336はレバーストッパ333に対し、図6の(b)に示すように矢印J方向に付勢力を付与するようになっている。
なお、回転軸334とレバーストッパ333とを一体化した場合には、捻じりばね336は必要ではない。この構成の場合でも回転軸334の回転位置を調節することにより、レバーストッパ333が後端レバー332を受け止める位置をシートの積載高さに応じて変更できるようになる。
ここで、レバーストッパ333が後端レバー332を受け止める位置は以下のように設定する必要がある。即ち、後端レバー332がシートを押圧する位置とレバーストッパ333に受け止められる位置との高さの差が、シート積載高さに関係なくほぼ一定になるように後端レバー332の上限位置(作用位置)として設定する必要がある。
この際、後端レバー332の上限位置(作用位置)は、後端レバー332が所定距離だけ回動できる回動余裕を持って設定される。そして、このように回動余裕を設けることにより、カールしたシートが送り込まれてきても後端レバー332はレバーストッパ333に当接するまで上方回動することで座屈を防止しつつ、シートの浮き上がりを抑えることができる。
ここで回動余裕に上限を設けるのは、上限位置(作用位置)において適正な作用圧を発生させることによって過度にカールしたシートの浮き上がりを抑えるためである。これにより、カールしたシートを詰まらせることなく受け入れることができると共に、シートの浮き上がりを抑えることができる。
例えば、後述する図13において厚さ約0.1mmのシートが20枚積載され、シートの積載高さが約2mmになったとき、後端レバー332に約4〜5mmの回動余裕ができるように回転軸334と一体にレバーストッパ333が回動する。これにより、後端レバー332を受け止める位置を変更する。なお、この回動余裕の約4〜5mmが、シートの積載高さに関係なく、ほぼ一定になるように回転軸334の回転角を調節するようにしている。
また、図6に示すように、後端ストッパ331と後端レバー332は、支持軸335によって接続され、シート搬送ガイド312とレバーストッパ333は回転軸334を介して同一の駆動で回転するようになっている。つまり、シート搬送ガイド312の位置変更と後端レバー332の上限位置の変更、即ち後端レバー332の上下方向(高さ方向)の移動距離変更は連動して行われる。
なお、後端ストッパ331は、図7に示すように、中間処理トレイ330において、シート搬送方向に対して交差する方向(幅方向)の中心を境にして、符号331A,331Bに示す位置に分割して設けられている。同様に、レバーストッパ333も符号333A,333Bで示す位置に配設されている。
そして、このような配置関係とすることにより、ステイプラ301は、後端ストッパ331、後端レバー332及びレバーストッパ333に干渉することなく、シート束の後端Paに沿って移動することができ、シート束の所望の位置を綴じることができる。
なお、ステイプラ301の綴じ位置に後端ストッパ331及び後端レバー332が位置していると、ステイプラ301のクリンチによって、後端ストッパ331が挟み込まれるおそれがある。
そこで、本実施の形態においては、後端ストッパ331と後端レバー332は、不図示の同一の駆動モータによって、シートのサイズや綴じ位置に応じてシートPの後端Paに沿って対称的に矢印方向に移動できるようにしている。これにより、シート束綴じモード時、後端ストッパ331A、331Bは、図8の(a)及び(b)に示すように、ステイプラ301のクリンチ領域から外れた位置にて、シートPの後端を受け止めながらシートPの後端を整合することができる。
なお、このように構成した場合、レバーストッパ333A,333Bは、後端ストッパ331と後端レバー332が移動領域のどの位置にあっても後端レバー332の回転を受け止めることができるだけの長さを有している。
これにより、図9に示すように後端ストッパ331A,331Bと後端レバー332A,332BがシートPの幅方向に移動しても、後端レバー332A,332Bは、レバーストッパ333A,333Bに当接するようになっている。
なお、レバーストッパ333A,333Bもシートの幅方向に移動するようにしても良く、この場合、レバーストッパ333A,333Bは、後端レバー332A,332Bに対向したまま、後端レバー332A,332Bと移動するようにしても良い。このように構成した場合、レバーストッパ333A,333Bの長さを短くすることができる。
次に、フィニッシャ600の動作の一例としてステイプルソートモード時におけるシートPの流れを説明する。
ユーザが、排紙モードの設定をステイプルソートに指定すると、図10に示すように、切り替えフラッパ611及び切り替えフラッパ610がソートパス635側にシートPを受け入れるべく、切り替えられる。この状態で、搬送ローラ対603、第1搬送ローラ対604及びバッファローラ605がそれぞれに回転駆動され、複写機本体100から排出されてくるシートPを装置内に取り込んでソートパス635に向けて搬送する。
そして、第1排出ローラ対320を構成する排出ローラ320aの外周に掛けられたベルトローラ608及び排出コロ320bによって中間処理トレイ330上に排出される。この後、揺動ガイド350が上方に揺動することで、束排出ローラ対380の下部排出ローラ380aに対して上部排出ローラ380bが離間する。
中間処理トレイ330上に排出されたシートPは、自重によって後端ストッパ331側に戻り始め、かつこれに加えて、ホームポジションで停止していた引き込みパドル360の反時計方向への回転に伴って戻り作用が助長される。この後、後端レバー332にガイドされながらシートPの後端が後端ストッパ331に突き当てられて停止することによりシート後端の整合が行なわれる。この後、引き込みパドル360も後述する図18に示すパドル回転ホームセンサ(S1)により検知されて停止する。
次に、このようなシート後端整合が行なわれた後、第1及び第2整合部340,341(図2参照)によってシートPの側端整合(幅整合)が行われる。この後、ステイプラ301によるシート束の綴じ動作が行なわれ、揺動ガイド350を閉じた状態での束排出ローラ対380によるシート束排出動作によって、シート束がスタックトレイ622上に排出されて積載される。
次に、既述したシート後端の整合動作として、例えば通常の平坦状のシート100枚を平綴じするモードをユーザが設定した場合のシート後端整合部1の動作を説明する。なお、以下の説明においては、回転軸334とレバーストッパ333とは一体化され、一体に回転するようになっているものとする。
図11に示すように、中間処理トレイ330にシートが1枚も積載されていない時、引き込みパドル360の回転軸361、ベルトローラ608の可変レバー316はそれぞれ初期位置(最下位置)で待機している。また、レバーストッパ333に回転規制される後端レバー332、シート案内ガイド312もそれぞれ初期位置(最下位置)で待機している。
シートが1枚も積載されていない時、適正な範囲の作用圧でシートに作用する作用位置としての引き込みパドル360の初期位置は、パドル先端外周円軌跡が中間処理トレイ330に干渉するような位置、実際は干渉部においては撓んで回転するような位置である。この状態で、回転軸361を中心に反時計方向に回転することにより、シートを搬送する。
シートが1枚も積載されていない時、適正な範囲の作用圧でシートに作用する作用位置としてのベルトローラ608の初期位置は、下方部が中間処理トレイ330に接するような位置になるように、可変レバー316の牽引量を定めている。この位置において、第1排出ローラ320aの外周からの回転駆動によってベルトローラ608は反時計方向に回転し、シートを搬送する。
シートが1枚も積載されていない時、適正な範囲の作用圧でシートに作用する作用位置としてのシート案内ガイド312と後端レバー332の初期上限位置は、次のように設定されている。即ち、シート案内ガイド312の先端R及び後端レバー332の先端Eと、後端ストッパ331のシート積載面331bとの間に、例えば、約5〜6mmの隙間が空くように設定されている。
これにより、後端レバー332は隙間分(約5〜6mm)だけ回動余裕を確保でき、シート案内ガイド312とシート積載面331bとの間には隙間分(約5〜6mm)だけ搬送パス空間を確保することができる。なお、これら回動余裕と搬送パス空間は、カールしたシートに対応するために設けられる。
このように、後端レバー332の上限位置が初期上限位置に調節されている状態で、シートが中間処理トレイ330に積載されていないとき、後端レバー332は、自重によって下方回動して先端Eが後端ストッパ331のシート積載面331bに当接している。また、このとき上端部がレバーストッパ333から離れており、後端レバー332とレバーストッパ333との間にクリアランスが生じている。
この状態で、シートP12が中間処理トレイ330のシート積載面330cを滑降して後端ストッパ331の支持面331aに当接するとき、シートP12は、シートの厚み分だけ、後端レバー332を押し上げる。そして、中間処理トレイ330にシートが10枚積載されると、シートの厚みを約0.1mmとすれば、シートの積載高さが約1mmになり、後端レバー332は、シートの積載高さ分だけ、上方に回動する。
この結果、上限位置にあるときの後端レバー332の先端E及びシート案内ガイド312の先端Rと10枚目のシートとの間の隙間は約4〜5mmとなり、これに伴い後端レバー332の回動余裕及びシート搬送パス空間は、約4〜5mmになる。後端レバー332の先端E及びシート案内ガイド312の先端Rはシートの積載高さに応じた作用位置に変更され、適正な範囲の作用圧でシートに作用することになる。
ここで、回動余裕は、既述したように上側方向にカールしたシートが送り込まれてきたとき、後端レバー332が、カールしたシートを詰まらせないで受け入れて、かつ上側方向のシートの浮き上がりを抑えるために設けられている。つまり、回動余裕を設けることにより、後端レバー332は、カールしたシートにより上方に押し上げられながら上側方向のシートの浮き上がりを抑えることができる。
なお、シートP12が後端レバー332の回動余裕以上に後端レバー332を回動させるようなカールを有する場合、後端レバー332はシートにより上方に押し上げられ、レバーストッパ333に当接する。これにより、後端レバー332はレバーストッパ333に回動規制された状態でシートP12を受け入れるようになり、シートP12を大きな押圧力で押さえることができる。
また、図12に示すように、下側方向にカールしたシートP13が送り込まれると、シート案内ガイド312の先端RによりシートP13は山形状になる頂部が抑え込まれて平坦化される。そして、この状態でシートP13を後端ストッパ331方向に搬送することにより、搬送方向のシートのコシを強くし、後端ストッパ331面への整列性を高めることができる。
このように、シートが大きくカールしていても、またカールの方向が異なっていても、シートを、良好な状態で後端ストッパ331に当接させることができ、良好な後端整合を行うことができる。
次に、10枚目のシートの突き当て整合が終了すると、引き込みパドル360のパドル先端外周円軌跡と中間処理トレイ330上の最上シートP10との干渉量を既述した初期位置と同等になるように設定する。具体的には、図13に示すように、引き込みパドル360の回転軸361を1mm上方へ移動させる。
また、ベルトローラ608は下方部が中間処理トレイ330上の最上シートP10に接するような位置になるよう再度設定する。具体的には、可変レバー316を右側方向へ牽引することで、ベルトローラ608の接点位置を初期位置から略1mm上方へ移動させる。この結果、引き込みパドル360及びベルトローラ608の作用位置はシートの積載高さに応じた作用位置に変更され、適正な範囲の作用圧でシートに作用することになる。
またシート搬送ガイド312の先端R及び上限位置にあるときの後端レバー332の先端Eと、10枚目のシートP10との間に約5〜6mmの隙間を空けるよう回転軸334とレバーストッパ333を約2度、時計方向に回転させる。
これにより、後端レバー332の回動余裕及びシート搬送ガイド312の搬送パス空間が、約5〜6mmに戻る。後端レバー332の先端E及びシート案内ガイド312の先端Rはシートの積載高さに応じた作用位置に変更され、適正な範囲の作用圧でシートに作用することになる。
また、これに伴い後端ストッパ331のシート積載面331bと、上限位置にあるときの後端レバー332の先端Eとの距離が約6〜7mmになり、この状態で11枚目から20枚目のシートが積載されて後端整合される。この間に、カールしたシートがある場合、そのシートの浮き上がりは、後端レバー332によって押さえられる。
この後、シートが順次積載され、やがて20枚目のシートP20が積載されると、後端レバー332の回動余裕及び搬送パス空間が約4〜5mmになる。そこで、再度、引き込みパドル360の回転軸361を略1mm(初期位置から略2mm)上方へ移動させ、可変レバー316を右側方向へ牽引することで、ベルトローラ608の接点位置を略1mm(初期位置から略2mm)上方へ移動させる。
さらに、回転軸334とレバーストッパ333とを約2度、時計方向に回転させて、後端レバー332の回動余裕及び搬送パス空間を約5〜6mmに戻す。これにより、後端ストッパ331のシート積載面331bと後端レバー332の先端Eとの距離が約7〜8mmになる。
そして、この後、21枚目から30枚目のシートが積載されると、後端レバー332の回動余裕及び搬送パス空間が、約4〜5mmになる。そこで、さらに回転軸334とレバーストッパ333とを約2度右回転させ、後端レバー332の回動余裕及び搬送パス空間を、約5〜6mmに戻す。
このような操作を中間処理トレイ330上にシートが10枚積載される度に繰り返すと、例えば図14に示すように、シートが40枚積載されてから50枚目が積載されるまでに、引き込みパドル360の回転軸位置は初期位置から略4mm上方になる。また、ベルトローラ608の下方部から中間処理トレイ330までの距離は略4mm、シート案内ガイド312の先端R及び上限位置にあるときの後端レバー332の先端Eと中間処理トレイ330までの距離は略9〜10mmとなる。
このように、引き込みパドル360、ベルトローラ608及びシート案内ガイド312の各々の作用位置がシートの積載高さに応じた作用位置に変更され、適正な範囲の作用圧でシートに作用することになる。
また、図15は、90枚目のシートが中間処理トレイ上に積載されたときの状態を示すものであり、100枚目のシートが中間処理トレイ330に積載されるまで以上の動作が繰り返される。
なお、図16は、シートの積載枚数と、引き込みパドル360、ベルトローラ608、上限位置にあるときの後端レバー332及びシート搬送ガイド312の移動高さの関係を示したものである。
この図16に示すように、引き込みパドル360は、10枚目のシートの突き当て整合が終了すると、既述した図13に示すように、引き込みパドル360の回転軸361を1mm上方へ移動させることにより、初期位置から1mm上昇する。
さらに、20枚目のシートP20が積載されると、引き込みパドル360の回転軸361を略1mm上方へ移動させることにより、初期位置から2mm上昇する。なお、ベルトローラ608、上限位置にあるときの後端レバー332及びシート搬送ガイド312も同様に、積載枚数が10枚増すごとに、初期位置から1mmずつ上昇する。
そして、このようにして100枚目のシートが中間処理トレイ上に積載されると、100枚のシート束はステイプラ301のステイプル動作によって綴じられる。
このように本実施の形態では、シート後端整合部1は、引き込みパドル360、ベルトローラ608の接触位置(作用位置)、後端レバー332の回動余裕及びシート搬送ガイド312と積載面との搬送パス空間を、常時一定の範囲内で設定できるようにしている。これにより、シートをシート積載高さに殆ど関係無く、ほぼ同じ搬送力、押圧力で整合積載することができ、この結果、シートの戻し不良や、座屈現象を低減することができる。
なお、本実施の形態では、10枚ごとに変位させていたが、シートの厚み、転写画像濃度等に応じて、変位枚数や変位量を変えても良い。転写画像濃度が高い、あるいはカラー複写等で重ね塗りする場合、トナーの載り量も多くなり、シートの厚みが増すことになる。
また、シートによって、予めシートカウント値を設けて、所定のシートカウント値ごとに、それぞれを変位させるような制御を行えば、シート毎に演算する必要が無くなり、複雑な制御が不要となる。
例えば、図17はシートの厚み別に設定したシート1枚あたりのシートカウント値と、積載枚数から予め演算されたシートカウント値に対応する後端レバー332の変位値(高さ方向)を示したものである。そして、このように設定することにより、複数の厚みの異なったシートが1つのシート束の中に混載された場合でも、複雑な制御分けすることなく、常に、後端レバー332を最適な位置に制御することができる。
このシートカウント値を設定するために、本実施の形態では、ユーザによってジョブ前にシート種類(厚み)を事前入力する方法をとっている。しかし、装置中に、シート厚み検知センサを設け、自動的に排出シート情報としてシート厚みを平綴じ処理装置300に伝達する方法でも良い。
また、設定するシートカウント値はシートの厚みに対応するものに限らず、表面抵抗、転写画像の種類(例えばカラー/白黒)等のシート情報に対応したシートカウント値を設定してもよい。
なお、図18は本実施の形態に係るシート積載装置を構成する平綴じ処理装置300の制御ブロック図であり、図18において、950は平綴じ処理装置300に設けられたCPU、951はRAM、952はROMである。
制御手段としてのCPU950にはパドル回転ホームセンサ(S1)、パドル昇降ホームセンサ(S2)、案内ガイド/後端レバーホームセンサ(S3)、ローレット牽引ホームセンサ(S4)からの信号が入力される。また、CPU950は、ROM952に格納されている制御プログラムにより、駆動モータ(M360)、パドル昇降モータM2、案内ガイド/後端レバー昇降モータ(M3)、ローレット回転駆動(排紙)モータ(M4)を制御する。また、ベルトローラ608の可変レバー316を移動させるローレット牽引モータ(M5)を制御する。
RAM951は、制御データを一時的に保持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。なお、953はフィニッシャ600に設けられたフィニッシャ制御部955と情報のやり取りを行うための通信インターフェイスである。なお、本実施の形態において、フィニッシャ制御部955との通信によりCPU950が上記の各種制御を行っているが、複写機本体100側に設けられた制御部との情報のやり取りによって制御するようにしてもよい。
また、954は中間処理トレイ330に積載されるシートの枚数をカウントするカウンタである。そして、カウンタ954と共に高さ演算手段を構成するCPU950は、このカウンタ954の値と、複写機本体100側の不図示の操作部から入力されるシート情報に基づいてシート束の高さを演算するようにしている。なお、操作部は、シート情報としてシートの厚み情報、シートの種類を示す坪量情報、シートの画像転写情報、表面抵抗、折りの種類、折り位置等のシート処理情報の少なくとも一つを設定することができる。
そして、CPU950は、この演算結果に応じて既述した平坦シート平綴じ時及び後述するZ折りシートの綴じ時における整合動作における引き込みパドル360、ベルトローラ608、シート案内ガイド312及び後端レバー332の動作を制御する。
次に、例えばZ折りシート30枚を平綴じするモードをユーザが設定した場合のシート後端整合部1の動作について説明する。
中間処理トレイ330にシートPが1枚も積載されていない時、既述した図11に示すように引き込みパドル360の回転軸361、ベルトローラ608の可変レバー316、はそれぞれ初期位置(最下位置)で待機している。また、レバーストッパ333に回転規制される後端レバー332と、シート案内ガイド312も、それぞれ初期位置(最下位置)で待機している。
なお、このとき平坦シート平綴じ時の初期位置と同様、引き込みパドル360の初期位置は、パドル先端外周円軌跡が中間処理トレイ330に干渉するような位置であり、回転軸361を中心に反時計方向に回転することにより、シートを搬送する。
ベルトローラ608の初期位置は、下方部が中間処理トレイ330に接するような位置になるように、可変レバー316の牽引量を定めている。この位置において、第1排出ローラ320aの外周からの回転駆動によってベルトローラ608は反時計方向に回転し、シートを搬送する。
シート案内ガイド312と後端レバー332の初期上限位置は、シート案内ガイド312の先端R及び後端レバー332の先端Eと、後端ストッパ331のシート積載面331bとの間に、例えば、約5〜6mmの隙間が空くように設定されている。このように、初期位置は既述した平坦シートの積載整合動作時と同位置において、引き込みパドル360、ベルトローラ608による搬送、シート案内ガイド312、後端レバー332による作用圧を付与する。
しかし、シートが例えばZ折りシートのように折り部と非折り部において、高さ、若しくは厚みが異なるシートである場合がある。そして、シートがこのようなシートの場合、引き込みパドル360、ベルトローラ608、シート案内ガイド312及びシートに押し上げられた後端レバー332の各シート接触位置(作用位置)が異なってくる。
ここで、Z折りの場合、既述した図24に示すように、通常、綴じ位置を非折り部に設定するため、折り部をステイプラ301が配設されている後端ストッパとは逆の排出側に積載していくのが通例である。この場合、積載状態でのシート厚(高さ)は、折り部に行くにしたがって厚く(高く)なる。
さらに、折り畳まれて重なったシートの厚さを単純に加算していくのではなく、折り部が元に戻ろうとするため膨らんでしまうことも考慮しなければならない。したがって、シートの剛度も加味してシート高さを演算する必要がある。
また、本来シートが有している剛度だけではなく、画像転写濃度に関係するトナー載り量もシートの剛度を変化させる要因となる。つまり、画像転写濃度が高いほどトナー載り量が多くなり、シートの剛度が増す。さらに、温度、湿度等の使用環境もシートの剛度に影響を与える。例えば、低温であるほど折り部が元に戻ろうとする傾向が強い。
したがって、Z折りシートを綴じる場合、折り部に近く、シート厚(高さ)が大きい位置に設定された引き込みパドル360は、非折り部のシート厚(高さ)が小さい後端レバー332に比べてシートから離れた高い位置に設定する。これにより、シート搬送方向における高さに差(バラツキ)のあるシートであるZ折りシートの場合でも一定の搬送力、押圧力でもってシートを整合積載できる。
図19はZ折り紙を30枚中間処理トレイ330上に積載した状態を示したものである。このとき、折り部に近く、シート厚(高さ)が大きい位置に臨むように設定された、引き込みパドル360は、初期位置から13mm離間した位置でシートP14を搬送するようにする。また、ベルトローラ608は初期位置から10mm離れた位置でシートを搬送するようにする。
一方、シート案内ガイド312と後端レバー332は非折り部のシート厚(高さ)が小さい部分にあるため、平坦シートの積載時と同様、30枚時の初期位置から3mm(中間処理トレイからは6〜7mm)移動した位置において、シートを押圧するよう作用する。つまり、シート材の厚さ、種類、サイズ、シート処理モード等の中間処理トレイ330上に積載されるシートに関する情報に応じた中間処理トレイ330のシート搬送方向における各高さ変化量をそれぞれ予め演算し、制御する。
また、前述した表面抵抗(例えばコーティングの有無等)等のシート情報、転写画像濃度、転写画像の種類(例えばカラー/白黒)等の画像転写情報に対応してシート搬送方向における各高さ変化量をそれぞれ演算するようにしてもよい。コーティング紙、転写画像濃度の高いカラー紙、あるいは転写面積の大きなカラー紙の場合、シート同士の摩擦係数が小さく、搬送力が増大して後端ストッパ突き当て時に不具合が発生する可能性がある。このためシート搬送方向における各高さ変化量を小刻みに制御する必要がある。
なお、図20はZ折り紙を30枚中間処理トレイ330上に積載するまでの、搬送押圧部材としての引き込みパドル360、ベルトローラ608、シート案内ガイド312及び後端レバー332の作用位置制御を示すものである。
このように、本実施の形態においては、引き込みパドル360、ベルトローラ608、シート案内ガイド312及び後端レバー332のシート搬送方向の作用位置における各高さをシート情報に基づいて演算する。その演算結果によって中間処理トレイ330のシート積載面330cからの距離をそれぞれ変更可能とする。
そして、引き込みパドル360等の中間処理トレイ330のシート積載面330cからの距離を、シート束の高さに応じてシート束の高さに応じたそれぞれの距離に変更する。つまり、引き込みパドル360、ベルトローラ608、シート案内ガイド312及び後端レバー332をシートの厚み方向に移動可能とし、演算されたシートの積載高さに応じてシートに対するシート厚み方向の作用位置を変更する。
これにより、引き込みパドル360等のシートに対する整合作用力を、どの枚数段階においても略一定にすることができる。この結果、シート材の厚さ、枚数、使用環境(温度、湿度)、折りや糊付け等の2次加工方法(シート処理)に依らず、幅広いシート材に対して良好な整合性を実現することができる。
また、このように構成することにより、引き込みパドル360のたわみ圧による、引き込み速度、引き込み力の変動を少なくすることが可能となる。このため、後端ストッパ突き当て時のバウンド、跳ね、衝突時の打痕、こば傷、音等、シート束の整合に関する不具合の発生を起こすことなく、安定した整合を行うことができる。
また、引き込みパドル360のゴム材による画像こすれ、画像傷、シート座屈、折れ等の発生を防ぐことができる。さらに、シート案内ガイド312のシートガイド面への入り込み性が良くなり、搬送抵抗による入り込み不良、整合不良や、ガイドこすれ等の発生を防ぐことができる。
また、ベルトローラ608の突き当て搬送力を略一定にすることにより、突き当て搬送速度増加に伴う、後端ストッパ突き当て時のバウンド、跳ね、衝突時の打痕、こば傷、音、シート束の整合に関する不具合の発生を防ぐことができる。これにより、安定した整合を行うことができる。また、突き当て搬送ローラのゴム材による、画像こすれ、画像傷、折れ等の発生も防ぐことができる。
また、後端レバー332の上限位置(作用位置)と後端レバー332が中間処理トレイ330に積載されたシートを押圧する位置との距離を積載手段上のシートの高さ、厚みによらず、略一定に保つことができる。これにより、後端ストッパ331への入り込み不良や押さえ不良による、上カール紙の座屈等を抑えることができ、後端ストッパ331に対するシートの整合性を高めることができる。
なお、本実施の形態では、シート搬送方向における高さに差(バラツキ)があるシートとしてZ折りシートを例に説明したが、封筒類や表面に凹凸のあるエンボスシート、伝票等の貼り合わせシート等の高さの異なるあらゆるシート材に対しても同等の効果を得る。また、Z折り以外の折り形状、折り位置の異なる折りシートに対しても同様の効果が得られる。
なお、これまでの説明においては、シート束の高さをシート枚数(カウンタ954のカウント値)とシート厚み等のシート情報から演算する場合について述べてきたが、センサを用いてシート束の高さを検知するようにしても良い。
図21は、このような本実施の形態の他の構成に係る平綴じ処理装置の構成を示す図である。なお、図21において、図11と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
図21において、319A、319B、319Cはそれぞれ、引き込みパドル360の回転軸361、ベルトローラ608、後端レバー332近傍に設けた高さ検知手段であり、これら高さ検知手段319A〜319Cは不図示の反射式のセンサを備えている。なお、この検出部である反射式のセンサは、反射光によってシートの厚み、高さを検出するものである。
既述した図18に示すCPU950は、この高さ検知手段319A〜319Cの反射式のセンサによって検出された最上シート面までの距離にシート厚み、枚数以外のシート情報に基づいて、引き込みパドル360等の作動位置を決定する。シート厚み、枚数以外のシート情報とは例えば、使用環境(温度、湿度)、表面抵抗、シートの画像転写情報(カラー/白黒)、画像転写濃度等が考えられる。
そして、このような構成においても、シートの高さにあわせて、それぞれの作用高さ位置を制御することにより、いかなるシート材に対しても、安定した整合積載を実現することが可能になる。