JP2007139672A - 流体計測装置及び流体計測方法 - Google Patents

流体計測装置及び流体計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フローセンサの構造を複雑化することなく、計測精度を向上する。
【解決手段】流量の計測期間にわたってヒータ4を間欠的に駆動させる制御を行い、かつ、計測期間中にヒータ4が駆動を停止する度に横側温度センサ11,13の出力を非駆動時横側温度信号として取り込み、その後ヒータ4の駆動に応じた横側温度センサ11,13の出力を非駆動時横側温度信号に対応した駆動時横側温度信号として取り込むと共に、該駆動時横側温度信号に対応して上流側温度センサ8が出力した上流側温度信号及び下流側温度センサ5が出力した下流側温度信号を取り込み、前記非駆動時横側温度信号と駆動時横側温度信号とに基づいて流体の物性状態情報を検出し、該物性状態情報に基づいて上流側温度信号及び下流側温度信号を補正し、該補正した上流側温度信号及び下流側温度信号に基づいて流体の流速に応じて変化した温度分布を検出して流体の流量を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体計測装置及び流体計測方法に関し、より詳細には、流路内を流れるガス、水等の流体の流量を、フローセンサを用いて計測する流体計測装置及び流体計測方法に関するものである。
流量測定対象となるガス、水等の流体の流量を計測する流量計測装置としては、熱型のフローセンサを用いたものが知られている。このフローセンサは、流体の温度よりも高い温度を有するヒータを流体の流れの中に配置し、このヒータによって加熱された流体の温度分布が流速の増加に伴って変化するという原理を利用したものである。
このようなフローセンサとしては、特許文献1に示すものが知られており、この従来の熱型のフローセンサを、図6及び図7の図面を参照して説明する。なお、図6は従来の熱型のフローセンサの構成を示す構成図である、図7は図6に示すフローセンサの断面図である。
図6において、フローセンサ1は、Si基板(センサ基体)2、ダイアフラム3、ダイアフラム3上に形成された白金等からなるマイクロヒータ4、マイクロヒータ4の下流側でダイアフラム3上に形成された下流側サーモパイル5、マイクロヒータ4に図示しない電源から駆動電流を供給する電源端子6A,6B、マイクロヒータ4の上流側でダイアフラム3上に形成された上流側サーモパイル8、上流側サーモパイル8から出力される上流側温度信号を出力する第1出力端子9A,9B、下流側サーモパイル5から出力される下流側温度信号を出力する第2出力端子7A,7B、を備える。
また、フローセンサ1は、マイクロヒータ4に対して流体の流れ方向(PからQへの方向)と略直交方向に配置され、流体の物性状態情報を検出し、右側温度検出信号(第3温度検出信号に対応)を出力する右側サーモパイル11、この右側サーモパイル11から出力される右側温度検出信号を出力する第3出力端子12A,12B、マイクロヒータ4に対して流体の流れ方向と略直交方向に配置され、流体の物性状態情報を検出し、左側温度検出信号(第3温度検出信号に対応)を出力する左側サーモパイル13、この左側サーモパイル13から出力される左側温度検出信号を出力する第4出力端子14A,14B、流体温度を得るための抵抗15,16、この抵抗15,16からの流体温度信号を出力する出力端子17A,17Bを備える。右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13は、温度センサを構成する。
上流側サーモパイル8、下流側サーモパイル5、右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13は、熱電対から構成されている。この熱電対は、p++−Si及びAlにより構成され、冷接点5b,8bと温接点5a,8aとを有し、熱を検出し、冷接点5b,8bと温接点5a,8aとの温度差から熱起電力が発生することにより、温度検出信号を出力するようになっている。
また、図7に示すように、Si基板2には、ダイアフラム3が形成されており、このダイアフラム3には、マイクロヒータ4と、上流側サーモパイル8、下流側サーモパイル5、右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13のそれぞれの温接点とが形成されている。
このように構成されたフローセンサ1によれば、マイクロヒータ4が、外部からの駆動電流により加熱を開始すると、マイクロヒータ4から発生した熱は、流体を媒体として、下流側サーモパイル5と上流側サーモパイル8のそれぞれの温接点5a,8aに伝達される。それぞれのサーモパイルの冷接点5b,8bは、Si基体(Si基板)上にあるので、基体温度になっており、それぞれの温接点は、ダイアフラム上にあるので、伝達された熱により加熱され、Si基体温度より温度が上昇する。そして、それぞれのサーモパイルは、温接点5a,8aと冷接点5b,8bの温度差より熱起電カを発生し、温度検出信号を出力する。
流体を媒体として伝達される熱は、流体の熱拡散効果とPからQに向かって流れる流体の流速との相乗効果によって、それぞれのサーモパイルに伝達される。すなわち、流速がない場合には、熱拡散によって上流側サーモパイル8と下流側サーモパイル5に均等に伝達され、上流側サーモパイル8からの上流側温度信号と下流側サーモパイル5からの下流側温度信号の差信号は、零になる。
一方、流体に流速が発生すると、流速によって下流側サーモパイル5の温接点5aに伝達される熱量が多くなり、上流側サーモパイル8の温接点8aに伝達される熱量は少なくなるため、前記下流側温度信号と前記上流側温度信号との差信号は流速に応じた正値になる。
一方、マイクロヒータ4が外部からの駆動電流により加熱を開始すると、マイクロヒータ4から発生した熱は、流体の流速の影響をほとんど受けずに流体の熱拡散効果のみによって、マイクロヒータ4に対して流体の流れ方向と略直交方向に配置された右側サーモパイル11に伝達される。また、マイクロヒータ4に対して流体の流れ方向と略直交方向に配置された左側サーモパイル13にも、同様な熱が伝達される。このため、右側サーモパイル11の起電力により第3出力端子12A,12Bから出力される右側温度検出信号、及び/または左側サーモパイル13の起電力により第4出力端子14A,14Bから出力される左側温度検出信号は、熱伝導と熱拡散、比熱等によって決定される熱拡散定数等の流体の物性状態に相関のあるデータであり、適当な処理をすることで物性値を得ることもできる。
熱拡散定数等の大小は、上流側サーモパイル8が出力する上流側温度信号と下流側サーモパイル5が出力する下流側温度信号及び上流側温度信号にも影響し、右側及び左側サーモパイル出力の大小と同様に変化する。したがって、原理的には、上流側温度信号や下流側温度信号を、あるいは、これらの差を、右側及び/又は左側サーモパイル出力によって除することで、熱拡散定数等の異なる流体であっても、即ち、いかなる種類の流体であっても、正確な流量を算出することができることになる。
よって、図示しない流量計測装置は、第3出力端子12A,12Bから出力される右側温度検出信号、及び/または第4出力端子14A,14Bから出力される左側温度検出信号に基づき、熱伝導と熱拡散、比熱等によって決定される熱拡散定数等の流体の物性状態情報を算出し、上流側サーモパイル8からの上流側温度信号と下流側サーモパイル5からの下流側温度信号との差信号をその物性状態情報で補正することで、高精度の計測を実現するようにしてきた。
特開2001−12988号公報
しかしながら、上述したフローセンサ1では、流体の物性状態に応じた補正や制御をしているにも係わらず、測定精度の再現性が悪いという問題が生じていた。特に大流量の計測、つまり、流速が速い場合に再現性が悪く、流量計測範囲の限界の一要因となっていた。
そこで、この問題を鋭意調査したところ、マイクロヒータ4に電流が流れない状態、つまり、フローセンサ1が駆動されていない状態でも、その出力が変化していたことが判明した。以下にその詳細を説明する。
図8は従来の温度差によるサーモパイルの出力を示す模式図であり、図9は従来のフローセンサで計測された流体温度とセンサ基体温度との温度差とセンサ出力器差(測定誤差)との関係を示したグラフである。そして、測定は、計器の標準状態における100L/minで計測されている。
なお、図9中の縦軸が示す器差は、その単位が%RD(% of Reading:読値に対する百分率)となっている。そして、この%RDは、例えば、最大流量が100L/minのメータにおいて、10L/minの流量を計測した場合に、メータ出力が9L/minであると、その器差を−10%RDで示す。そして、このときの公差は−1%(FS)で示すことができる。
図8に示すように、前述の温度差がないときは、ヒータに電力印加がない場合、温度センサ出力は出力V0になり、ヒータに電力が印加されたときは出力V2になるとする。この状態のフローセンサ1でガス温度が筐体温度より上昇すると、その分出力V0も出力V2も温度上昇し、それぞれ出力V1と出力V3になる。ところが、フローセンサ1は常に電力が印加されているため、出力V0や出力V1を計測することはできず、本来、出力V2である出力が出力V3に変化してしまう。
実際に図6に示すフローセンサ1の出力を計測して誤差を評価した結果が図9である。その器差は、―30度の温度差で約+20%RD、+30度の温度差で約−20%RDであることが判明した。
図6のフローセンサ1の場合、上流側サーモパイル8と下流側サーモパイル5の出力では、ガスとセンサ基体との温度差に起因する出力分はほぼ同等であることから、その差出力を計測する場合は自動的にキャンセルされる。しかしながら、右側及び左側サーモパイル出力は差出力を取らないためキャンセルできない。上流側サーモパイルと下流側サーモパイルとの差出力を右側及び/又は左側サーモパイル出力により補正されなければ精度の良い計測はできないため、フローセンサ1の出力精度が悪くなる。すなわち、ガスとセンサ基体との温度差に比例してフローセンサ1の出力が変化することを究明することができた。
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、フローセンサの構造を複雑化することなく、計測精度を向上することができる流体計測装置及び流体計測方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載の流体計測装置は、図1の基本構成図に示すように、流路内を流れる流体を加熱して所定の温度分布を発生させるヒータ4と、前記ヒータ4に対する前記流路の上流側における前記流体の温度を検出して上流側温度信号を出力する上流側温度センサ8と、前記ヒータ4に対する前記流路の下流側における前記流体の温度を検出して下流側温度信号を出力する下流側温度センサ5と、前記流体の流れ方向と略直交方向に配置されて前記流体の温度を検出して横側温度信号を出力する横側温度センサ11,13と、を有するフローセンサ1を用いて、前記流体の流量を計測する流体計測装置において、前記流量の計測を開始してから終了するまでの計測期間にわたって前記ヒータ4を間欠的に駆動させる制御を行うヒータ制御手段41aと、前記ヒータ制御手段41aの制御によって前記ヒータ4が駆動を停止する度に、前記横側温度センサ11,13が出力する横側温度信号を非駆動時横側温度信号として取り込む非駆動時横側温度信号取込手段41bと、前記非駆動時横側温度信号取込手段41bが非駆動時横側温度信号を取り込んだ後、前記ヒータ制御手段41aの制御による前記ヒータ4の駆動に応じて前記横側温度センサ11,13が出力する横側温度信号を、前記非駆動時横側温度信号取込手段41bが取り込んだ非駆動時横側温度信号に対応した駆動時横側温度信号として取り込む駆動時横側温度信号取込手段41cと、前記非駆動時横側温度信号取込手段41bが取り込んだ非駆動時横側温度信号と該非駆動時横側温度信号に対応して前記駆動時横側温度信号取込手段41cが取り込んだ駆動時横側温度信号とに基づいて、前記略直交方向における前記温度分布に応じた前記流体の物性状態を示す物性状態情報を検出する物性状態情報検出手段41dと、前記ヒータ制御手段41aの制御によって前記ヒータ4が駆動しているときに、前記駆動時横側温度信号取込手段41cが取り込んだ駆動時横側温度信号に対応して前記上流側温度センサ8が出力した上流側温度信号及び前記下流側温度センサ5が出力した下流側温度信号を取り込む温度信号取込手段41eと、前記温度信号取込手段41eが取り込んだ上流側温度信号及び下流側温度信号を、前記物性状態情報検出手段41dが検出した物性状態情報に基づいて補正する補正手段41fと、前記補正手段41fが補正した上流側温度信号及び下流側温度信号に基づいて前記流体の流速に応じて変化した前記温度分布を検出し、該検出した温度分布に基づいて前記流体の流量を算出する流量算出手段41gと、を備えることを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1に記載の流体計測装置において、前記ヒータ制御手段41aの制御によって前記ヒータ4が駆動されていないときに、前記非駆動時横側温度信号取込手段41bが取り込んだ非駆動時横側温度信号に対応して前記上流側温度センサ8が出力した上流側温度信号と前記下流側温度センサ5が出力した下流側温度信号とを取り込む非駆動時温度信号取込手段41hをさらに設けて、前記補正手段41fが、前記非駆動時温度信号取込手段41hによって取り込まれた非駆動時の上流側温度信号及び下流温度信号に基づいて、前記温度信号取込手段41eによって取り込まれた上流側温度信号及び下流側温度信号を補正し、該補正した上流側温度信号及び下流側温度信号を前記物性状態情報検出手段41dが検出した物性状態情報に基づいて補正するようにしたことを特徴とする。
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項3記載の流体計測方法は、流路内を流れる流体を加熱して所定の温度分布を発生させるヒータ4と、前記ヒータ4に対する前記流路の上流側における前記流体の温度を検出して上流側温度信号を出力する上流側温度センサ8と、前記ヒータ4に対する前記流路の下流側における前記流体の温度を検出して下流側温度信号を出力する下流側温度センサ5と、前記流体の流れ方向と略直交方向に配置されて前記流体の温度を検出して横側温度信号を出力する横側温度センサ11,13と、を有するフローセンサ1を用いて、前記流体の流量を計測する流体計測方法において、前記流量の計測を開始してから終了するまでの計測期間にわたって前記ヒータ4を間欠的に駆動させる制御を行い、かつ、前記計測期間中に前記ヒータ4が駆動を停止する度に前記横側温度センサ11,13が出力する横側温度信号を非駆動時横側温度信号として取り込み、その後前記ヒータ4の駆動に応じて前記横側温度センサ11,13が出力する横側温度信号を前記非駆動時横側温度信号に対応した駆動時横側温度信号として取り込むとともに、該取り込んだ駆動時横側温度信号に対応して前記上流側温度センサ8が出力した上流側温度信号及び前記下流側温度センサ5が出力した下流側温度信号を取り込み、そして、前記取り込んだ非駆動時横側温度信号と駆動時横側温度信号とに基づいて、前記略直交方向における前記温度分布に応じた前記流体の物性状態を示す物性状態情報を検出し、該物性状態情報に基づいて前記上流側温度信号及び下流側温度信号を補正し、該補正した上流側温度信号及び下流側温度信号に基づいて前記流体の流速に応じて変化した前記温度分布を検出し、該検出した温度分布に基づいて前記流体の流量を算出することを特徴とする。
上記請求項1,3に記載した本発明によれば、ヒータ4は流量の計測期間中にわたって間欠的に駆動され、そのヒータ4が駆動を停止する度に、横側温度センサ11,13から非駆動時横側温度信号を取り込み、該取り込み後にヒータ4が駆動されると、非駆動時横側温度信号に対応した駆動時横側温度信号が横側温度センサ11,13から取り込まれる。そして、取り込んだ非駆動時横側温度信号とこれに対応した起動時横側温度信号とに基づいて、流体の物性状態とを示す略直交方向における温度分布の広がり、変化等に応じた流体の物性状態を示す物性状態情報を検出する。そして、ヒータ4が駆動しているときに、その駆動時横側温度信号に対応して上流側温度信号及び下流側温度信号が上流側温度センサ8及び下流側温度センサ5の各々から取り込まれ、この上流側温度信号及び下流側温度信号は、流体に対応して検出した物性状態情報(補正テーブル、補正値等)に基づいて補正される。そして、この補正した上流側温度信号及び下流側温度信号に基づいて流体の流速に応じて変化した温度分布が検出され、該検出された温度分布に基づいて流体の流量が算出される。
上記請求項2に記載した本発明によれば、ヒータ4が駆動されていない状態においては、横側温度センサ11,13から取り込まれた非駆動時横側温度信号に対応して上流側温度センサ8及び下流側温度センサ5が出力した上流側温度信号及び下流側温度信号が取り込まれる。そして、その後ヒータが駆動されたときに、上流側温度センサ8及び下流側温度センサ5から上流側温度信号及び下流側温度信号が取り込まれると、この上流側温度信号及び下流側温度信号は、ヒータ4の非駆動時に取り込まれた上流側温度信号及び下流側温度信号に基づいて補正され、この補正された上流側温度信号及び下流側温度信号が流体に対応して検出した物性状態情報に基づいて補正されて、流体の流量が算出される。
以上説明したように請求項1,3に記載した本発明によれば、流体の計測期間中は、ヒータを間欠的に駆動させ、そして、ヒータの駆動を停止する度に、横側温度センサから非駆動時横側温度信号を取り込み、該読み取り後にヒータが駆動されると、横側温度センサから非駆動時横側温度信号に対応した駆動時横側温度信号を取り込み、これらの横側温度信号に基づいて流れ方向に対する略直交方向における温度分布に応じた流体固有の物性状態情報を検出し、該物性状態情報に基づいて補正した上流側温度信号及び下流側温度信号に基づいて流体の流速に応じて変化した温度分布を検出し、該温度分布に基づいて流体の流量を計測するようにしたことから、センサ基体温度と流体温度とに温度差が生じたときに発生する温度センサのオフセット出力をキャンセルすることができるため、センサ基体温度と流体温度とに温度差が生じてもフローセンサ出力精度を良い状態に保つことができる。従って、フローセンサにおけるヒータに対する駆動制御方法を変更するだけで良いため、フローセンサの構造を複雑化することなく、様々な種類のガス(流体)に対する計測精度を向上することができる。また、フローセンサは既存のものを用いることができて、いくつかの切替スイッチの追加等の簡単なハードウエア変更とそれらの制御のためのソフトウェア変更のみで容易に対応することができる。すなわち、計測精度の向上を簡単な変更だけで容易に実現することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、ヒータの駆動を停止する度に、上流側温度センサ及び下流側温度センサから上流側温度信号及び下流側温度信号をさらに取り込んで、上流側温度信号及び下流側温度信号についても補正するようにしたことから、測定精度の誤差因子をさらに減らすことができるため、計測精度のさらなる向上を図ることができる。
以下、上述した背景技術で説明したフローセンサ1(図6等を参照)を用いて、流体の流量を計測する本発明に係る流体計測装置の一実施の形態を、図2〜図5の図面と上述した図面とを参照して説明する。なお、フローセンサ1の基本構成については、背景技術のところで説明しているので、詳細な説明は省略する。
ここで、図2はフローセンサを用いた流量計測装置の構成ブロック図であり、図3は図2のマイクロコンピュータが実行する本発明に係る流量計測処理の一例を示すフローチャートである。
図2において、本発明の流体計測装置20は、背景技術で説明したフローセンサ1を用いて、流体であるガスの流量を計測するものである。そして、フローセンサ1は、流体計測装置20(外部)からの駆動により流路内を流れる流体の温度よりも高い温度で前記流体を加熱して所定の温度分布を発生させるマイクロヒータ(ヒータ)4と、前記マイクロヒータ4に対する前記流路の上流側における前記流体の温度を検出して上流側温度信号を出力する上流側サーモパイル(上流側温度センサ)8と、前記マイクロヒータ4に対する前記流路の下流側における前記流体の温度を検出して下流側温度信号を出力する下流側サーモパイル(下流側温度センサ)5と、前記流体の流れ方向と略直交方向に配置されて前記流体の温度を検出して右側温度検知信号及び左側温度検知信号(横側温度信号)を出力する右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13(横側温度センサ)と、を有する。
流体計測装置20は、上述したフローセンサ1内の下流側サーモパイル5からの下流側温度信号とフローセンサ1内の上流側サーモパイル8からの上流側温度信号との差信号を増幅する差動アンプ33と、フローセンサ1内の右側サーモパイル11からの右側温度検出信号を増幅するアンプ35aと、フローセンサ1内の左側サーモパイル13からの左側温度検出信号を増幅するアンプ35bと、予め定められたプログラムに従って動作するマイクロプロセッサ(MPU)40と、このMPU40によって制御されてマイクロヒータ4を駆動させる駆動部50と、を備えて構成される。そして、差動アンプ33とアンプ35a,bと駆動部50との各々はMPU40に接続されている。
MPU40は、周知のように、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)41、CPU41のためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM42、各種のデータを格納するとともにCPU41の処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM43等を有して構成している。
ROM42には、フローセンサ1を用いてガスの流量を計測するのに当たり、CPU41(コンピュータ)を、上述した請求項中のヒータ制御手段、非駆動時横側温度信号取込手段、駆動時横側温度信号取込手段、物性状態情報検出手段、温度信号取込手段、補正手段、流量算出手段、非駆動時温度信号取込手段等として機能させる流体計測処理等の各種プログラムを記憶している。
CPU41は、下流側サーモパイル5及び上流側サーモパイル8からの下流側温度信号と上流側温度信号との差である差信号が差動アンプ33を介して入力される。なお、本最良の形態では、差動アンプ33を用いる場合について説明するが、本発明はこれに限定するものではなく、アンプで増幅して下流側温度信号及び上流側温度信号をそのままCPU41に入力するなど種々異なる形態とすることができる。
CPU41は、右側サーモパイル11からの右側温度検知信号がアンプ35aを介して入力されると共に、左側サーモパイル13からの左側温度検知信号がアンプ35bを介して入力される。なお、本最良の形態では、アンプ35a,35bの2つを用いる方法について説明するが、例えば、2つの信号の和を出力する増幅回路を1つのアンプで構築する方法など種々異なる方法を用いることができる。
駆動部50は、MPU40に接続しており、MPU40からの指示に応じてマイクロヒータ4に対する電力の供給を制御してマイクロヒータ4を駆動させる駆動回路等を有している。
次に、上述した構成におけるマイクロコンピュータ40のCPU41が実行する流量計測処理の一例を、図3に示すフローチャートを参照して以下に説明する。なお、この流量計測処理は、流体計測装置20が起動されている状態で常時実行され、流体計測装置20の動作停止に応じて処理が終了されることを前提としている。
図3に示すステップS11(非駆動時横側温度信号取込手段)において、右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13からアンプ35a,bを介して右側温度検出信号及び左側温度検出信号(横側温度信号に相当)が取り込まれ、それらの信号値がマイクロヒータ4の非駆動時における温度分布出力V3offとしてRAM43に記憶され、その後ステップS12に進む。
ステップS12(非駆動時温度信号取込手段)において、非駆動時の温度分布出力V3offに対応して下流側サーモパイル5及び上流側サーモパイル8がそれぞれ出力した上流側温度信号及び下流側温度信号の差信号が差動アンプ33を介して取り込まれ、その信号値がマイクロヒータ4の非駆動時における温度差出力VoffとしてRAM43に記憶され、その後ステップS13に進む。
ステップS13(ヒータ制御手段)において、マイクロヒータ4の加熱開始が駆動部50に指示され、その後ステップS14に進む。この指示に応じて駆動部50は、マイクロヒータ4に一定の電圧が印加されるように駆動させる。この結果、マイクロヒータ4の周りのガスが加熱されて、所定の温度分布が発生することになる。
ステップS14において、マイクロヒータ4の温度が安定したか否かが判定される。なお、この判定方法としては、マイクロヒータ4を駆動してから温度が安定するまでの時間を予め記憶しておき、タイマを用いて判定する方法や、右側サーモパイル11、左側サーモパイル13を用いて検出した温度で判定する方法など種々異なる形態とすることができる。
ステップS14で温度が安定していないと判定された場合は(S14でN)、この処理を繰り返すことで、温度が安定するのを待つ。一方、温度が安定していると判定された場合は(S14でY)、ステップS15に進む。
ステップS15(駆動時横側温度信号取込手段)において、右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13からアンプ35a,bを介して右側温度検出信号、左側温度検出信号が取り込まれ、それらの信号値がマイクロヒータ4の駆動時における温度分布出力V3onとしてRAM43に記憶され、その後ステップS16に進む。
ステップS16(駆動時温度信号取込手段)において、駆動時の温度分布出力V3onに対応して下流側サーモパイル5及び上流側サーモパイル8がそれぞれ出力した上流側温度信号及び下流側温度信号の差信号が差動アンプ33を介して取り込まれ、その信号値がマイクロヒータ4の駆動時における温度差出力VonとしてRAM43に記憶され、その後ステップS17に進む。
ステップS17(ヒータ制御手段)において、マイクロヒータ4の加熱停止が駆動部50に指示され、その後ステップS18に進む。
ステップS18(物性状態情報検出手段、補正手段)において、RAM43の温度分布出力V3onと温度分布出力V3offとの差を求めることで、(V3on−V3off)なる流体の物性に応じた物性状態情報が算出されてRAM43に記憶され、その後ステップS19に進む。なお、この物性状態情報に基づいて流体の物性をある程度求めることもできる。
ステップS19(流量算出手段、補正手段)において、RAM43の温度差出力Von,Voff、物性状態情報(V3on−V3off)、後述する流量算出式を用いて算出されることで、1回の計測当たりの流量が算出されて流量情報としてRAM43に記憶され、その後、ステップS20において、流量情報は予め定められた例えば表示装置に出力されることで、表示装置に表示される。
なお、本最良の形態においては、流量算出式である(Von−Voff)/(V3on−V3off)を算出するための算出プログラムを予めROM42に記憶しているが、温度差出力Vonの補正が不要な場合は、Von/(V3on−V3off)となる流量算出式を算出するための算出プログラムをRAM42に記憶しておき、上述したステップS12の処理を削除することで対応することができる。
ステップS21において、ステップS17で駆動が停止されたマイクロヒータ4の非駆動時温度が安定したか否かが判定される。ステップS14と同様に、非駆動時温度が安定していないと判定された場合は(S21でN)、この判定処理を繰り返すことで、非駆動時温度が安定するのを待つ。一方、非駆動時温度が安定していると判定された場合は(S21でY)、ステップS11に戻り、一連の処理が繰り返される。なお、直ちにステップS11に戻る必要はなく、一定時間経過した後に戻るようにしてもよい。
ここで、上述した構成の流体計測装置及びその計測方法が有効である理由を、従来の計測装置及びその計測方法とを比較して説明する。
従来の計測では、マイクロヒータ4をパルス(間欠)駆動しないため、マイクロヒータ4の非駆動時の温度センサ出力は計測されない。そのため、フローセンサ1として出力されるデータはVon/V3onになる。一方、本発明の出力されるデータはVon/(V3on−V3off)となり、ヒータ非駆動時の出力V3offが0であれば同じ出力になるが、センサ基体より流体の温度が高い場合は、温度センサ(サーモパイルの温接点)が載っているダイアフラム3の温度も上昇し、出力V3offは0ではなくなり、出力V3off>0となる。そして、ヒータ駆動時の出力V3onも温度差によるダイアフラム3の温度上昇の影響を同様に受けるため、温度差がないときに比べて出力V3offだけ出力が大きくなる。
すなわち、マイクロヒータ4が流体を暖めた効果による出力だけを計測することができるようになり、温度差によるダイアフラム3の温暖効果による計測誤差がキャンセルできるようになる。
なお、出力VonがVon−Voffになった場合も同様である。すなわち、出力Vonは下流側温度センサ出力から上流側温度センサ出力を引いた出力であるため、下流側と上流側温度センサがマイクロヒータ4を中心に厳密に対象に作られていれば、それぞれのヒータ非駆動時出力は同じになるため、ヒータ非駆動時の温度センサ出力による補正は原理上必要ないが、センサ作製工程上厳密に対称に作製することが難しいため、Von−Voffでより精度の良い計測が期待できる。
次に、上述した構成の流体計測装置20の動作(作用)の一例を、図4及び図5の図面を参照して以下に説明する。なお、図4はヒータの印加電圧とフローセンサの出力例の一例を説明するためのグラフであり、図5は本発明による温度差と器差との関係を示すグラフである。
流体計測装置20によって上述した流量計測処理が実行されると、フローセンサ1のマイクロヒータ4には、図4(a)の実線で示す駆動信号Gによる予め定められたタイミングで間欠的に電圧Vhが印加されることで、マイクロヒータ4は駆動される。そして、本最良の形態では、マイクロヒータ4に電圧Vhを印加する駆動時間T1と、電圧を印加しない非駆動時間T2と、を1周期としたパルス信号で、ガスの計測を開始してから終了するまでの計測期間中は、マイクロヒータ4を制御するようにしている。なお、本最良の形態では、計測期間を流体計測装置20の起動時としているが、任意に設定するなど種々異なる形態とすることができる。
また、駆動時間T1は、マイクロヒータ4がガス(流体)を加熱して所定の温度分布を発生させるのに十分な時間となり、非駆動時間T2は、マイクロヒータ4による加熱を停止してから常温に戻るのに十分な時間となっている。なお、マイクロヒータ4の制御方法については、流量の計測を開始してから終了するまでの計測期間にわたってマイクロヒータ4を予め定められたタイミングで間欠的に駆動させるなど様々なタイミングで制御することができる。
ガスとセンサ基体との間に温度差が生じていない場合、駆動信号Gに応じてフローセンサ1が検出して出力する信号は温度信号G1で示される。そして、ガスとセンサ基体とに温度差が生じると、温度信号G1よりもΔVだけ高い電圧値を示す温度信号G2で示される。
このようにフローセンサ1の制御については、一定電圧Vhを間欠的に印加するか連続的に印加するかで、従来技術と本発明とは異なっているが、図4に示すように、フローセンサ1の各サーモパイルからの出力は、ガスとセンサ基体との間に生じた温度差に応じて変化している。
このようなフローセンサ1に対し、流体計測装置20は、マイクロヒータ4に電圧Vhを印加していない、図4中の測定点P1において、右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13から温度分布出力V3off、上流側サーモパイル8及び下流側サーモパイル5から温度差出力Voffをそれぞれ取り込み、マイクロヒータ4によるガスの加熱を開始させる。
図4中の測定点P2において、加熱されたガス等の温度が安定した状態で、右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13から温度分布出力V3on、上流側サーモパイル8及び下流側サーモパイル5から温度差出力Vonをそれぞれ取り込み、マイクロヒータ4によるガスの加熱を停止させる。
取り込んだ温度分布出力V3onと温度分布出力V3offとの差に基づいて物性状態情報を検出し、該物性状態情報と取り込んだ温度差出力Von,Voffと流量算出式とを用いてガスの流量を算出し、該流量を流量情報として例えば表示装置等に出力して表示させる。
その後、図4中の測定点P3において、停止されたマイクロヒータ4の非駆動時温度が安定すると、測定点P1と同様に、温度分布出力V3off、温度差出力Voffをそれぞれ取り込み、マイクロヒータ4によるガスの加熱を開始させる。そして、図4中の測定点P4において、加熱されたガス等の温度が安定すると、測定点P2と同様に、温度分布出力V3on、温度差出力Vonをそれぞれ取り込み、マイクロヒータ4によるガスの加熱を停止させる。そして、温度分布の広がりに対応した物性状態情報を検出して流量を算出する。
以降も、ガスの計測期間中は、上述した処理を繰り返すことで、流量の計測時に、常に物性状態情報を検出し、この物性状態情報で上流及び下流温度センサ出力を補正して流量の算出を行う。
上述した発明が解決しようとする課題で説明した測定条件と同一の測定条件で温度差と器差との関係を確認したところ、図5に示す結果を得ることができた。詳細には、センサ基体とガス温度差とを約−30〜30度の範囲で変化させたとき、図5に示すように、その器差は−30度のときが約1%RD、−15度のときが約0%RD、−5度のときが約0.5%RD、5度のときが約0%RD、15度のときが約0%RD、30度のときが約−1%RDという測定結果を得ることができた。つまり、このように本発明の流体計測装置20によって、温度差の変化による器差の発生を解消することができた。
以上説明したように本発明の流体計測装置20によれば、流体の計測期間中は、マイクロヒータ4を間欠的に駆動させ、そして、マイクロヒータ4の駆動を停止する度に、右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13(横側温度センサ)から非駆動時横側温度信号を取り込み、該読み取り後にマイクロヒータ4が駆動されると、右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13から非駆動時横側温度信号に対応した駆動時横側温度信号を取り込み、これらの横側温度信号に基づいて流れ方向に対する略直交方向における温度分布の広がりに応じた流体固有の物性状態情報を検出し、該物性状態情報に基づいて補正した上流側温度信号及び下流側温度信号に基づいてガス(流体)の流速に応じて変化した温度分布を検出し、該温度分布に基づいて流体の流量を計測するようにしたことから、センサ基体温度と流体温度とに温度差が生じたときに発生する温度センサのオフセット出力をキャンセルすることができるため、センサ基体温度と流体温度とに温度差が生じてもフローセンサ出力精度を良い状態に保つことができる。
従って、フローセンサ1におけるマイクロヒータ4に対する駆動制御方法を変更するだけで良いため、フローセンサ1の構造を複雑化することなく、様々な種類のガス(流体)に対する計測精度を向上することができる。また、フローセンサ1は既存のものを用いることができて、いくつかの切替スイッチの追加等のハードウエア変更とそれらの制御のためのソフトウェア変更のみで容易に対応することができる。すなわち、計測精度の向上を簡単な変更だけで容易に実現することができる。
さらに、マイクロヒータ4の駆動を停止する度に、上流側温度サーモパイル(センサ)8及び下流側温度サーモパイル(センサ)5から上流側温度信号及び下流側温度信号をさらに取り込んで、上流側温度信号及び下流側温度信号についても補正するようにしたことから、測定精度の誤差因子をさらに減らすことができるため、計測精度のさらなる向上を図ることができる。
なお、上述した本最良の形態では、請求項中の各手段をMPU40によって実現する場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば、DSP(digital signal processor)、ASIC(application specific IC)で実現するなど種々異なる形態とすることができる。
なお、上述した本最良の形態では、流体計測装置20について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、流体計測装置20をガスメータに組み込んで実現したり、水、薬品などの流体を計測する機器として実現するなど種々異なる形態とすることができる。
本発明に係る流体計測装置の基本構成を示す構成図である。 フローセンサを用いた流量計測装置の構成ブロック図である。 図2のマイクロコンピュータが実行する本発明に係る流量計測処理の一例を示すフローチャートである。 ヒータの印加電圧とフローセンサの出力例の一例を説明するためのグラフである。 本発明による温度差と器差との関係を示すグラフである。 従来の熱型のフローセンサの構成を示す構成図である。 図6に示すフローセンサの断面図である。 従来の温度差によるサーモパイルの出力を示す模式図である。 従来のフローセンサで計測された流体温度とセンサ基体温度との温度差とセンサ出力器差(測定誤差)との関係を示したグラフである。
符号の説明
1 フローセンサ(フローセンサ)
4 ヒータ
5 下流側温度センサ
8 上流側温度センサ
11,13 横側温度センサ
20 流体計測装置
41a ヒータ制御手段(CPU)
41b 非駆動時横側温度信号取込手段(CPU)
41c 駆動時横側温度信号取込手段(CPU)
41d 物性状態情報検出手段(CPU)
41e 温度信号取込手段(CPU)
41f 補正手段(CPU)
41g 流量算出手段(CPU)
41h 非駆動時温度信号取込手段(CPU)

Claims (3)

  1. 流路内を流れる流体を加熱して所定の温度分布を発生させるヒータと、前記ヒータに対する前記流路の上流側における前記流体の温度を検出して上流側温度信号を出力する上流側温度センサと、前記ヒータに対する前記流路の下流側における前記流体の温度を検出して下流側温度信号を出力する下流側温度センサと、前記流体の流れ方向と略直交方向に配置されて前記流体の温度を検出して横側温度信号を出力する横側温度センサと、を有するフローセンサを用いて、前記流体の流量を計測する流体計測装置において、
    前記流量の計測を開始してから終了するまでの計測期間にわたって前記ヒータを間欠的に駆動させる制御を行うヒータ制御手段と、
    前記ヒータ制御手段の制御によって前記ヒータが駆動を停止する度に、前記横側温度センサが出力する横側温度信号を非駆動時横側温度信号として取り込む非駆動時横側温度信号取込手段と、
    前記非駆動時横側温度信号取込手段が非駆動時横側温度信号を取り込んだ後、前記ヒータ制御手段の制御による前記ヒータの駆動に応じて前記横側温度センサが出力する横側温度信号を、前記非駆動時横側温度信号取込手段が取り込んだ非駆動時横側温度信号に対応した駆動時横側温度信号として取り込む駆動時横側温度信号取込手段と、
    前記非駆動時横側温度信号取込手段が取り込んだ非駆動時横側温度信号と該非駆動時横側温度信号に対応して前記駆動時横側温度信号取込手段が取り込んだ駆動時横側温度信号とに基づいて、前記略直交方向における前記温度分布に応じた前記流体の物性状態を示す物性状態情報を検出する物性状態情報検出手段と、
    前記ヒータ制御手段の制御によって前記ヒータが駆動しているときに、前記駆動時横側温度信号取込手段が取り込んだ駆動時横側温度信号に対応して前記上流側温度センサが出力した上流側温度信号及び前記下流側温度センサが出力した下流側温度信号を取り込む温度信号取込手段と、
    前記温度信号取込手段が取り込んだ上流側温度信号及び下流側温度信号を、前記物性状態情報検出手段が検出した物性状態情報に基づいて補正する補正手段と、
    前記補正手段が補正した上流側温度信号及び下流側温度信号に基づいて前記流体の流速に応じて変化した前記温度分布を検出し、該検出した温度分布に基づいて前記流体の流量を算出する流量算出手段と、
    を備えることを特徴とする流体計測装置。
  2. 前記ヒータ制御手段の制御によって前記ヒータが駆動されていないときに、前記非駆動時横側温度信号取込手段が取り込んだ非駆動時横側温度信号に対応して前記上流側温度センサが出力した上流側温度信号と前記下流側温度センサが出力した下流側温度信号とを取り込む非駆動時温度信号取込手段をさらに設けて、
    前記補正手段が、前記非駆動時温度信号取込手段によって取り込まれた非駆動時の上流側温度信号及び下流温度信号に基づいて、前記温度信号取込手段によって取り込まれた上流側温度信号及び下流側温度信号を補正し、該補正した上流側温度信号及び下流側温度信号を前記物性状態情報検出手段が検出した物性状態情報に基づいて補正するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の流体計測装置。
  3. 流路内を流れる流体を加熱して所定の温度分布を発生させるヒータと、前記ヒータに対する前記流路の上流側における前記流体の温度を検出して上流側温度信号を出力する上流側温度センサと、前記ヒータに対する前記流路の下流側における前記流体の温度を検出して下流側温度信号を出力する下流側温度センサと、前記流体の流れ方向と略直交方向に配置されて前記流体の温度を検出して横側温度信号を出力する横側温度センサと、を有するフローセンサを用いて、前記流体の流量を計測する流体計測方法において、
    前記流量の計測を開始してから終了するまでの計測期間にわたって前記ヒータを間欠的に駆動させる制御を行い、かつ、前記計測期間中に前記ヒータが駆動を停止する度に前記横側温度センサが出力する横側温度信号を非駆動時横側温度信号として取り込み、その後前記ヒータの駆動に応じて前記横側温度センサが出力する横側温度信号を前記非駆動時横側温度信号に対応した駆動時横側温度信号として取り込むとともに、該取り込んだ駆動時横側温度信号に対応して前記上流側温度センサが出力した上流側温度信号及び前記下流側温度センサが出力した下流側温度信号を取り込み、そして、前記取り込んだ非駆動時横側温度信号と駆動時横側温度信号とに基づいて、前記略直交方向における前記温度分布に応じた前記流体の物性状態を示す物性状態情報を検出し、該物性状態情報に基づいて前記上流側温度信号及び下流側温度信号を補正し、該補正した上流側温度信号及び下流側温度信号に基づいて前記流体の流速に応じて変化した前記温度分布を検出し、該検出した温度分布に基づいて前記流体の流量を算出することを特徴とする流体計測方法。
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