JP2007137544A - エレベータの群管理制御装置 - Google Patents

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Yoshimasa Asano
宜正 浅野
Masaaki Hirai
正昭 平井
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Abstract

【課題】ゾーン設定を必要とせずに同一シャフト内のかご同士の干渉を未然に防止し、群管理性能を低下させずに効率的な運転制御を行う。
【解決手段】群管理制御装置11に割当評価値算出部21、相対距離算出部22、近接評価値算出部23、割当制御部24が備えられる。新たに登録された乗場呼びの発生に伴い、割当評価値算出部21は各乗りかごの割当評価値を算出する。相対距離算出部22は同一シャフト内のかご間の相対距離を算出し、近接評価値算出部23はその相対距離に基づいて近接評価値を算出する。割当制御部24は、割当評価値算出部21によって算出された割当評価値と近接評価値算出部23によって算出された近接評価値とに基づいて各乗りかごの中で上記乗場呼びに応答させる最適な乗りかごを決定し、その乗りかごに対して割当信号を出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、同一シャフト内に複数の独立した乗りかごを有するマルチカーエレベータが複数台並設されたエレベータの群管理制御装置に関する。
高層ビルなどのエレベータ利用効率の高いビルでは、1本のシャフト(昇降路)内に複数の独立した乗りかごが就役するエレベータが用いられる。このようなエレベータのことを「マルチカーエレベータ」と呼んでいる。
このマルチカーエレベータは、ダブルデッキエレベータと比較すると、各乗りかごが独立して動くことができるため、輸送効率の向上を期待できる。ただし、2台の乗りかごが常に連結されたダブルデッキエレベータと違い、運行方法を誤ると、同一シャフト内の乗りかご同士が衝突する可能性がある。このため、乗りかご同士の衝突を確実に防止しつつ、輸送効率を向上させるための特別な制御が必要となる。
ここで、マルチカーエレベータにおいて、乗りかご同士の接近を防止しつつ、輸送効率を向上させる方法として、いくつかの提案がなされている。
例えば、第1の特許文献では、上かごの専用ゾーンと下かごの専用ゾーン、さらに、両かご共用ゾーンを設定しておき、共用ゾーンに侵入する際に進入可能かどうかを判断して上下かごの干渉を回避するものである。
また、第2の特許文献では、かご相互の干渉の可能性が生じた場合に、退避が必要なかごに対して退避階を設定し、退避動作を行うものである。
特開2003−160283号公報 特開2000−226164号公報
しかしながら、上記第1の特許文献においては、例えば利用者が専用ゾーン階からエレベータに乗車すると、そこからの移動可能な範囲が著しく制限され、共用ゾーン階からエレベータに乗車すると、当該階に応答した乗りかごが上かごである場合と下かごである場合とで移動可能な範囲が変わってしまうなどの問題がある。また、同一昇降路内のエレベータ台数が3台以上となった場合に、ゾーン設定や群管理の制御が複雑になるなどの問題もある。
また、上記第2の特許文献においては、乗りかごを一時的に退避させる動作が生じるため、乗車中の利用者を困惑させてしまうとともに、退避動作により群管理性能(平均待ち時間)が低下するなどの問題がある。
そこで、本発明の目的は、ゾーン設定を必要とせずに同一シャフト内のかご同士の干渉を未然に防止し、群管理性能を低下させずに効率的な運転制御を行うことのできるエレベータの群管理制御装置を提供することにある。
本発明の一観点によるエレベータの群管理制御装置は、同一シャフト内に複数の独立した乗りかごを有するマルチカーエレベータが複数台並設されたエレベータの群管理制御装置において、新たに登録された乗場呼びの発生に伴い、所定の演算式を用いて上記各乗りかごに上記乗場呼びを割り付けた場合の割当評価値を算出する第1の評価値算出手段と、上記各マルチカーエレベータにおける同一シャフト内のかご間の相対距離を算出する相対距離算出手段と、この相対距離算出手段によって算出された相対距離に基づいて近接評価値を算出する第2の評価値算出手段と、上記第1の評価値算出手段によって算出された割当評価値と上記第2の評価値算出手段によって算出された近接評価値とに基づいて、上記各乗りかごの中で上記乗場呼びに応答させる最適な乗りかごを決定し、その乗りかごに対して割当信号を出力する割当制御手段とを具備して構成される。
また、上記構成の群管理制御装置において、上記相対距離算出手段は、上記各マルチカーエレベータにおける各乗りかごの運転情報に基づいて上記乗場呼びを自号機に割り付けた場合と他号機に割り付けた場合の運行状態を予測し、その予測結果をもとに現在および未来のかご間の相対距離を算出することを特徴とする。
また、上記構成の群管理制御装置において、上記第2の評価値算出手段は、上記相対距離算出手段によって算出された相対距離に基づいて、予め設定された適正距離に近いほど良好な値を有する近接評価値を算出することを特徴とする。
また、上記構成の群管理制御装置において、上記割当制御手段は、上記第1の評価値算出手段によって算出された割当評価値と上記第2の評価値算出手段によって算出された近接評価値のそれぞれに所定の係数を乗じて最終的な評価値を求め、その評価値に基づいて最適な乗りかごを決定することを特徴とする。
本発明によれば、同一シャフト内のかご間の相対距離を割当評価に反映させ、かご間の相対距離を一定範囲内に保つような割当制御を行うことにより、ゾーン設定を必要とせずに同一シャフト内のかご同士の干渉を未然に防止でき、群管理性能を低下させずに効率的な運転制御を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るエレベータの群管理制御装置の全体構成を示す図である。図1の例では、20階建てのビルに2台のマルチカーエレベータ(以下、A号機とB号機と呼ぶ)が並設されたエレベータシステムとしての構成が示されている。A号機、B号機のマルチカーエレベータには、それぞれに同一シャフト(昇降路)内に2台の乗りかごが独立して存在する。
図1に示すように、このエレベータシステムは、群管理制御装置11、かご制御装置12a,12b、乗りかご13a〜13d、乗場呼び登録装置14から構成される。なお、図1の例では、群管理構成としてA号機、B号機の2台だけを示すが、特にこの通りでなくても構わない。
群管理制御装置11は、多数の乗りかご13a〜13dの運転を統括的に制御するものであり、本システムのメインコントローラとして存在する。この群管理制御装置11は、例えばビル最上部に設けられる機械室などに設置され、図示せぬケーブルを介して各号機のかご制御装置12a,12bに電気的に接続されている。なお、群管理制御装置11、かご制御装置12a,12bは共にコンピュータによって構成され、所定のプログラムを読み込むことで、そのプログラムに記述された手順に従ってエレベータ運転に係る所定の処理を実行する。
かご制御装置12a,12bは、それぞれの管理下にある乗りかごの運転制御を行う。図1の例では、A号機のマルチカーエレベータのシャフト内には、上下2台の乗りかご13a,13bが就役している。以下では、A号機のシャフト内で上に位置する乗りかご13aを「上かご」、下に位置する乗りかご13bを「下かご」と呼ぶものとする。かご制御装置12aは、このA号機のマルチカーエレベータにおける上かご13aと下かご13bの運転制御を行う。
同様に、B号機のマルチカーエレベータのシャフト内には、上下2台の乗りかご13c,13dが就役している。以下では、B号機のシャフト内で上に位置する乗りかご13cを「上かご」、下に位置する乗りかご13dを「下かご」と呼ぶものとする。かご制御装置12bは、このB号機のマルチカーエレベータにおける上かご13cと下かご13dの運転制御を行う。
乗場呼び登録装置14は、各階床の乗場(エレベータホール)に設置されており、当該乗場にエレベータを応答させるための乗場呼び(ホール呼びとも言う)の登録を行う。この乗場呼び登録装置14によって登録された乗場呼びの情報は、群管理制御装置11に送られる。群管理制御装置11では、この乗場呼びの情報を受けることで、呼びのあった階床に最適な乗りかごを応答させるための制御を行う。
ここで、本実施形態において、群管理制御装置11は、割当評価値算出部21、相対距離算出部22、近接評価値算出部23、割当制御部24、そして、テーブル25を備えている。
割当評価値算出部21は、乗場呼び登録装置14によって登録された乗場呼びに対して、A号機とB号機のマルチカーエレベータにおける各かご毎に所定の割当評価演算を行い、その割当評価値を算出する。
相対距離算出部22は、同一シャフト内のかご間の相対距離を算出する。同一シャフト内のかごとは、A号機では上かご13aと下かご13bであり、B号機では上かご13cと下かご13dである。近接評価値算出部23は、相対距離算出部22によって算出された相対距離をもとに各かごの近接評価値を算出する。割当制御部24は、割当評価値算出部21によって算出された割当評価値と近接評価値算出部23によって算出された近接評価値に基づいて総合割当評価値を算出し、その総合割当評価値が最も高いかごに対して割当信号を出力する。
また、テーブル25には、かご間の相対距離に対する評価値が予め設定されている(図15参照)。上記近接評価値算出部23では、このテーブル25を参照して近接評価値を算出する。
次に、同実施形態の動作について説明する。
図2は同実施形態におけるA号機とB号機のマルチカーエレベータの運行状態の一例を示したものである。図2において、黒三角印は既に登録済みの乗場呼び、黒丸印は既に登録済みのかご呼び、白三角印は新たに発生した乗場呼びを表している。
なお、「乗場呼び」とは、乗場で発生した呼び情報のことであり、乗場呼び登録装置14によって登録される。具体的には、乗場呼び登録装置14に上方向または下方向の行き先方向を指定するための方向ボタンが設けられており、その方向ボタンの押下に伴い、当該階床にエレベータを応答させるための乗場呼びが登録されて群管理制御装置11に送られる。
これに対し、「かご呼び」とは、乗りかご内で発生した呼び情報のことであり、図示せぬかご呼び登録装置によって登録される。具体的には、上記かご呼び登録装置に行き先階を指定するための階床ボタンが設けられており、その階床ボタンの押下に伴い、当該行き先階にエレベータを移動させるためのかご呼びが登録されて群管理制御装置11に送られる。
図2の例では、20階床のビルにおいて、12F−UPと15F−UPの乗場呼びが登録されており、12F−UPはA号機の下かご13b、15F−UPはA号機の上かご13aに割り付けられている。また、A号機の上かご13aには14Fのかご呼びが登録されている。一方、B号機では、上かご13cに14Fのかご呼び、下かご13dに12Fのかご呼びが登録されている。A号機の上かご13aは3FをUP方向に、A号機の下かご13bは1FをUP方向に走行している。B号機の上かご13cは4FをUP方向に、B号機の下かご13dは2FをUP方向に走行している。
今、10F−UPの乗場呼びが新たに登録された場合を想定して本システムの動作を具体的に説明する。
新たに登録された乗場呼びの発生に伴い、本システムのメインコントローラである群管理制御装置11は、以下のような手順で当該乗場呼びに対する割当制御を実行する。
(1)割当評価値の算出
まず、群管理制御装置11は、割当評価値算出部21を起動して、新規の乗場呼びに対する各かごの割当評価値(E0)を算出する。これは、マルチカーエレベータにおける各かご間の干渉を考慮せず、所定の演算式を用いてA号機の上かご13aと下かご13bと、B号機の上かご13cと下かご13dの計4台の乗りかごのそれぞれに乗場呼びを割り付けた場合の到着時刻などを予測して割当評価値を算出する。
なお、上記所定の演算式としては、例えばニューロ・ファジーを利用した評価演算式などであるが、本発明は特にその手法について限定されるものではなく、一般的なエレベータの群管理制御で用いられている手法を用いて、エレベータ全体の運転効率を考慮した割当評価演算を行うものとする。
後述するように、この割当評価値(E0)に近接評価値(E1)を加味した総合割当評価値(E)を求め、その総合割当評価値(E)に基づいて最適な乗りかごに割り当てを行うことが本発明の特徴である。
(2)相対距離の算出
次に、群管理制御装置11は、相対距離算出部22を起動してA号機の上かご13aと下かご13b間の相対距離と、B号機の上かご13cと下かご13dの相対距離をそれぞれ算出する。
この場合、相対距離算出部22では、各号機毎の同一シャフト内の各乗りかごの運転情報に基づいて上記乗場呼びを自号機に割り付けた場合と他号機に割り付けた場合の運行状態を予測した運行曲線を作成することにより、その予測運行曲線を用いて現在及び未来のかご間の相対距離を算出する。
なお、各乗りかごの運転情報とは、走行方向、位置、速度、各かごに登録されたかご呼び、乗場呼び割当、乗場呼び応答時に登録されると予想される派生かご呼びなどである。また、A号機に着目した場合には自号機とはA号機、他号機とはB号機になり、B号機に着目した場合には自号機とはB号機、他号機とはA号機になる。予測運行曲線とは、最下階からのかごの位置と時間との関係を示したものである。
図3は10F−UP呼びをB号機に割り付けた場合のA号機の予測運行曲線、図4は10F−UP呼びをA号機に割り付けた場合のB号機の予測運行曲線である。また、図5は10F−UP呼びをA号機の下かご13bに割り付けた場合のA号機の予測運行曲線、図6は10F−UP呼びをA号機の上かご13aに割り付けた場合のA号機の予測運行曲線である。図7は10F−UP呼びをB号機の下かご13dに割り付けた場合のB号機の予測運行曲線、図8は10F−UP呼びをB号機の上かご13cに割り付けた場合のB号機の予測運行曲線である。ここでは1階床の階高は4mとし、1階床の走行に要する時間は簡易的に2秒と仮定している。
上かごの予測運行曲線と下かごの予測運行曲線の差分を求めたものが予測相対距離曲線となる。この予測相対距離曲線に示される値が時間ごとのかご間の相対距離となる。なお、差分値が0以下となった場合には、相対距離を0として計算するものとする。
図9は10F−UP呼びをB号機に割り付けた場合のA号機の予測相対距離曲線、図10は10F−UP呼びをA号機に割り付けた場合のB号機の予測相対距離曲線である。また、図11は10F−UP呼びをA号機の下かご13bに割り付けた場合のA号機の予測相対距離曲線、図12は10F−UP呼びをA号機の上かご13aに割り付けた場合のA号機の予測相対距離曲線である。図13は10F−UP呼びをB号機の下かご13dに割り付けた場合のB号機の予測相対距離曲線、図14は10F−UP呼びをB号機の上かご13cに割り付けた場合のB号機の予測相対距離曲線である。
すなわち、例えば10F−UP呼びをB号機に割り付けた場合には、A号機の上かご13aと下かご13bとの間の相対距離(m)は、時間の経過と共に図9に示すように変化していくものと予測される。この場合、およそ30秒過ぎから両者間の相対距離がゼロと予測される。相対距離ゼロとは、上かご13aと下かご13bが干渉することを表わす。これは、図2に示すように、先に上方向に走行中の上かご13aが14Fのかご呼びのために一旦停止し、続いて15Fの乗場呼びに応答して停止するために、後から来る下かご13bが接近することによる。
一方、10F−UP呼びをA号機に割り付けた場合には、B号機の上かご13cと下かご13dとの間の相対距離(m)は、図10に示すように、2階床分(8m)を維持していくものと予測される。これは、図2に示すように、B号機では、上かご13cと下かご13dにそれぞれ14Fと12Fのかご呼びが登録されているが、両者間の距離を保ちながら走行できるためである。
以下同様に、A号機、B号機で、それぞれ自分の号機の中で他の乗りかごに10F−UP呼びを割り付けた場合には、それぞれに図11〜14のようになる。
(3)近接評価値の算出
次に、群管理制御装置11は、近接評価値算出部23を起動して上記相対距離算出部22によって算出された相対距離に対する近接評価値(E1)を算出する。
近接評価値算出部23では、相対距離と評価値とを対応付けたテーブル25を参照して近接評価値(E1)を算出する。このテーブル25の内容は、例えば図15に示すような波形で示され、相対距離が予め設定された適正距離に近いほど評価値は小さくなり、適正距離から離れるほど評価値は大きくなるように設定されている。
なお、上記評価値は、その数値が小さいほど評価が高く、その数値が大きいほど評価が低くなることを示す。
また、上記適正距離とは、例えば2階床分に相当する8mであり、この距離を基準にして評価値が決定される。この場合、かご間の衝突を避けるために、相対距離が上記適正距離以下では、評価値としての数値は極端に大きくなる。
この図15の波形をもとに、10F−UP呼びをB号機に割り付けた場合のA号機の評価値を図16に、10F−UP呼びをA号機に割り付けた場合のB号機の評価値を図17に示す。また、10F−UP呼びをA号機の下かご13bに割り付けた場合のA号機の評価値を図18に、10F−UP呼びをA号機の上かご13aに割り付けた場合のA号機の評価値を図19に示す。10F−UP呼びをB号機の下かご13dに割り付けた場合のB号機の評価値を図20に、10F−UP呼びをB号機の上かご13cに割り付けた場合のB号機の評価値を図21に示す。
すなわち、例えば10F−UP呼びをB号機に割り付けた場合には、A号機の評価値は、時間の経過と共に図16のように変化する。この場合、図9に示したように、およそ30秒過ぎから両者間の相対距離がゼロと予測されているため、そのときの評価値は大きくなる。ここでは、評価値としての数値が大きくほど、乗場呼びの割り当てに不適切であることを意味する。逆に、評価値としての数値が小さいほど(つまり、ゼロに近いほど)、乗場呼びの割り当てに適切であることを意味する。
一方、10F−UP呼びをA号機に割り付けた場合には、B号機の評価値は、図17に示すように、最小値に近い値を保持する。これは、図10に示すように、B号機では、上かご13cと下かご13dが最適値である8mを保ちながら走行すると予測されているためである。
以下同様に、A号機、B号機で、それぞれ自分の号機の中で他の乗りかごに10F−UP呼びを割り付けた場合には、それぞれに図18〜21のようになる。
ここで、近接評価値(E1)は、各乗りかごの評価値をもとに、以下のようにして算出される。
A号機の下かご13bの近接評価値をE1(A下)とすると、式(1)のように表せられる。
Figure 2007137544
Fa1(t):図18から得られるデータ
Fa(t) :図16から得られるデータ
N :近接評価値を算出する際の設定時間値。
A号機の上かご13aの近接評価値をE1(A上)とすると、式(2)のように表せられる。
Figure 2007137544
Fa2(t):図19から得られるデータ
Fa(t) :図16から得られるデータ
N :近接評価値を算出する際の設定時間値。
B号機の下かご13dの近接評価値をE1(B下)とすると、式(3)のように表せられる。
Figure 2007137544
Fb1(t):図20から得られるデータ
Fb(t) :図17から得られるデータ
N :近接評価値を算出する際の設定時間値。
B号機の上かご13cの近接評価値をE1(B上)とすると、式(4)のように表せられる。
Figure 2007137544
Fb2(t):図21から得られるデータ
Fb(t) :図17から得られるデータ
N :近接評価値を算出する際の設定時間値。
このように、近接評価値(E1)は、乗場呼びを自号機に割り付けた場合と相手号機に自号機に割り付けた場合との差分によって求まる。ここで、N=40とすると、各号機の近接評価値(E1)は、以下のようになる。
E1(A下)=134−486=−352
E1(A上)=1165−486=679
E1(B下)=118−82=36
E1(B上)=486−82=404
この近接評価値(E1)の数値が小さいほど良い。上記の例では、E1(A下)=−352が最適値として得られる。
(4)割当制御
次に、群管理制御装置11は、割当制御部24を起動して、上記割当評価値算出部21によって算出された割当評価値(E0)と上記近接評価値算出部23によって算出された評価値E1とに基づいて、以下のようにして総合割当評価値(E)を算出する。
E=α1・E0+α2・E1 …(5)
α1、α2:重み係数
すなわち、通常の群管理制御として一般的に求められる割当評価値(E0)に、マルチカーエレベータとしてかご間の相対距離から得られる近接評価値(E1)を加味することで、最終的な評価値として用いられる総合割当評価値(E)を求める。この場合、割当評価値(E0)は群管理性能、近接評価値(E1)は衝突回避を示す指標となる。衝突回避を優先とする場合には、α2の重みを大きくすれば良い。ただし、α2の重みを大きくしすぎると、群管理性能が低下して平均待ち時間が長くなってしまうため、例えばビルの交通状況を監視するなどして、α1とα2をバランス良く設定しておく必要がある。
上記(5)式に従って、上記各号機の総合割当評価値(E)を計算すると、以下のようになる。
E(A下)=α1・E0(A下)−352・α2
E(A上)=α1・E0(A上)+679・α2
E(B下)=α1・E0(B下)+36・α2
E(B上)=α1・E0(B上)+404・α2
割当制御部24は、この総合割当評価値(E)としての数値が最も小さい乗りかごを最適な乗りかごとして決定し、その乗りかごに対して割当信号を出力する。上記計算式で仮に各乗りかごの割当評価値(E0)の値が同じあるとすると、E(A下)の値が最小となるため、A号機の下かご13bに対して当該乗場呼びの割当信号が出力されることになる。この割当信号はかご制御装置12aに与えられる。これにより、図2に示す10F−UPの乗場呼びに対しては、A号機の下かご13bが応答することになる。
このように、同一シャフト内のかご間の相対距離を割当評価に反映させ、かご間の相対距離を一定範囲内に保つような割当制御を行うことで、かご間の衝突回避のための退避動作回数を減らして、群管理性能(平均待ち時間等)を向上させることが可能となる。
なお、上記実施形態では、相対距離に対する評価値を求める場合に、図15に示すようなデータが予め記憶されたテーブル25を参照するものとして説明したが、テーブル25を用いずに、その都度、所定の計算式に従って相対距離に対する評価値を求めることで良い。
また、上記実施形態では、同一シャフト内に2台の乗りかごを有するマルチカーエレベータが2台並設された構成を想定して説明したが、本発明はこれに限るものではなく、マルチカーエレベータの構成として同一シャフト内に2台以上の乗りかごを有するものであっても良く、また、そのマルチカーエレベータの台数も2台に限らず、さらに複数台並設された構成であっても同様に適用可能である。
要するに、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の形態を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を省略してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
図1は本発明の一実施形態に係るエレベータの群管理装置の全体構成を示す図である。 図2は同実施形態におけるA号機とB号機のマルチカーエレベータの運行状態の一例を示した図である。 図3は同実施形態における10F−UP呼びをB号機に割り付けた場合のA号機の予測運行曲線を示す図である。 図4は同実施形態における10F−UP呼びをA号機に割り付けた場合のB号機の予測運行曲線を示す図である。 図5は同実施形態における10F−UP呼びをA号機の下かごに割り付けた場合のA号機の予測運行曲線を示す図である。 図6は同実施形態における10F−UP呼びをA号機の上かごに割り付けた場合のA号機の予測運行曲線を示す図である。 図7は同実施形態における10F−UP呼びをB号機の下かごに割り付けた場合のB号機の予測運行曲線を示す図である。 図8は同実施形態における10F−UP呼びをB号機の上かごに割り付けた場合のB号機の予測運行曲線を示す図である。 図9は同実施形態における10F−UP呼びをB号機に割り付けた場合のA号機の予測相対距離曲線を示す図である。 図10は同実施形態における10F−UP呼びをA号機に割り付けた場合のB号機の予測相対距離曲線を示す図である。 図11は同実施形態における10F−UP呼びをA号機の下かごに割り付けた場合のA号機の予測相対距離曲線を示す図である。 図12は同実施形態における10F−UP呼びをA号機の上かごに割り付けた場合のA号機の予測相対距離曲線を示す図である。 図13は同実施形態における10F−UP呼びをB号機の下かごに割り付けた場合のB号機の予測相対距離曲線を示す図である。 図14は同実施形態における10F−UP呼びをB号機の上かごに割り付けた場合のB号機の予測相対距離曲線を示す図である。 図15は同実施形態におけるかご間の相対距離と評価値との関係を示す図である。 図16は同実施形態における10F−UP呼びをB号機に割り付けた場合のA号機の評価値と時間と関係を示す図である。 図17は同実施形態における10F−UP呼びをA号機に割り付けた場合のB号機の評価値と時間と関係を示す図である。 図18は同実施形態における10F−UP呼びをA号機の下かごbに割り付けた場合のA号機の評価値と時間と関係を示す図である。 図19は同実施形態における10F−UP呼びをA号機の上かごに割り付けた場合のA号機の評価値と時間と関係を示す図である。 図20は同実施形態における10F−UP呼びをB号機の下かごに割り付けた場合のB号機の評価値と時間と関係を示す図である。 図21は同実施形態における10F−UP呼びをB号機の上かごに割り付けた場合のB号機の評価値と時間と関係を示す図である。
符号の説明
11…群管理制御装置、12a,12b…かご制御装置、13a〜13d…乗りかご、14…乗場呼び登録装置、21…割当評価値算出部、22…相対距離算出部、23…近接評価値算出部、24…割当制御部、25…テーブル。

Claims (4)

  1. 同一シャフト内に複数の独立した乗りかごを有するマルチカーエレベータが複数台並設されたエレベータの群管理制御装置において、
    新たに登録された乗場呼びの発生に伴い、所定の演算式を用いて上記各乗りかごに上記乗場呼びを割り付けた場合の割当評価値を算出する第1の評価値算出手段と、
    上記各マルチカーエレベータにおける同一シャフト内のかご間の相対距離を算出する相対距離算出手段と、
    この相対距離算出手段によって算出された相対距離に基づいて近接評価値を算出する第2の評価値算出手段と、
    上記第1の評価値算出手段によって算出された割当評価値と上記第2の評価値算出手段によって算出された近接評価値とに基づいて、上記各乗りかごの中で上記乗場呼びに応答させる最適な乗りかごを決定し、その乗りかごに対して割当信号を出力する割当制御手段と
    を具備したことを特徴とするエレベータの群管理制御装置。
  2. 上記相対距離算出手段は、上記各マルチカーエレベータにおける各乗りかごの運転情報に基づいて上記乗場呼びを自号機に割り付けた場合と他号機に割り付けた場合の運行状態を予測し、その予測結果をもとに現在および未来のかご間の相対距離を算出することを特徴とする請求項1記載のエレベータの群管理制御装置。
  3. 上記第2の評価値算出手段は、上記相対距離算出手段によって算出された相対距離に基づいて、予め設定された適正距離に近いほど良好な値を有する近接評価値を算出することを特徴とする請求項1記載のエレベータの群管理制御装置。
  4. 上記割当制御手段は、上記第1の評価値算出手段によって算出された割当評価値と上記第2の評価値算出手段によって算出された近接評価値のそれぞれに所定の係数を乗じて最終的な評価値を求め、その評価値に基づいて最適な乗りかごを決定することを特徴とする請求項1記載のエレベータの群管理制御装置。
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