JPH09272662A - エレベータ群管理制御装置及びエレベータ群管理制御方法 - Google Patents

エレベータ群管理制御装置及びエレベータ群管理制御方法

Info

Publication number
JPH09272662A
JPH09272662A JP8299283A JP29928396A JPH09272662A JP H09272662 A JPH09272662 A JP H09272662A JP 8299283 A JP8299283 A JP 8299283A JP 29928396 A JP29928396 A JP 29928396A JP H09272662 A JPH09272662 A JP H09272662A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
car
call
data
basket
floor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8299283A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3881412B2 (ja
Inventor
Jiyunichi Kiji
潤一 木治
Shoji Nakai
章二 中井
Mitsuyo Yamaura
満代 山浦
Naoki Imazaki
直樹 今崎
Susumu Kubo
進 久保
Tatsuo Yoshiji
達夫 吉次
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP29928396A priority Critical patent/JP3881412B2/ja
Publication of JPH09272662A publication Critical patent/JPH09272662A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3881412B2 publication Critical patent/JP3881412B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Elevator Control (AREA)
  • Types And Forms Of Lifts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 縦横移動型エレベータシステムにおける停
滞、渋滞又はデッドロック等による輻輳状況を解消する
ことのできるエレベータ群管理制御装置及びエレベータ
群管理制御方法を提供する。 【解決手段】 複数のシャフトを上下移動するだけでな
く、シャフト間を横行移動可能な複数のカゴの運行を制
御する縦横移動型エレベータ群管理システムにおいて、
各カゴごとに経路データを記憶し、また、各カゴに対応
して得られる呼びデータと各階床に対応して得られる乗
り場呼びデータとに基づいて、目的階床を含む目的階床
データを生成し、前記経路データ、目的階床データ、呼
びデータ及び各カゴの位置等を示すカゴデータとに基づ
いて、前記カゴが前記目的階床に到着するまでの時間を
予測し、その予測到着時間に基づいて、所定のカゴを所
定の乗り場呼びに割り当てるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数台のカゴが運
行できるエレベータシャフト(以下、シャフトと称す
る)を有するエレベータシステムにおけるエレベータ群
管理制御装置及びエレベータ群管理制御方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複数のシャフトを持つロープ
式エレベータシステムにおいては、輸送効率をあげるべ
く、いわゆるエレベータ群管理方法が種々提案されてい
る。このエレベータ群管理方法とは、シャフトごとにエ
レベータカゴ(以下、「カゴ」という)を独立に乗り場
呼びに応答させるのではなく、それぞれのシャフトを運
行するカゴの運行状況を考え合わせて乗り場呼びに応答
させるカゴを決定することにより、エレベータの運行を
管理しようとするものである。
【0003】そして、近年、さらに輸送効率の良いエレ
ベータシステムを目指して、縦横移動型エレベータシス
テムが提案されている(特開昭62−275987号公
報、特開平3−216477号公報等)。これは、例え
ば、リニアモータ等を利用して、一本のシャフトに複数
のカゴを運行し、かつ、横行移動してシャフト間を移動
することのできるエレベータシステムである。このよう
なエレベータシステムは、シャフトの数が同数のロープ
式エレベータシステムに比べて運行可能なカゴ数を多く
することができるため、その分、輸送量が向上するもの
として期待されている。また、特開平5−9173号公
報に示されたように、各シャフトごとにカゴの運行方向
(上昇方向または下降方向)を定めることを前提とし
て、カゴがループ状に運行するような運行管理も考えら
れている。
【0004】このような縦横移動型エレベータシステム
においては、1本のシャフトに複数のカゴが運行し、シ
ャフト間の横行移動もするという前提のため、カゴ同士
の衝突が発生するという自体が考えられる。そのため、
従来より、衝突等、特に乗客の安全に関わる問題につい
ては、それを回避する方法として、カゴ位置の検出手段
を通じて互いに衝突しないようにカゴの移動速度を減速
させたり、衝突しないような位置にカゴを停止させる等
の運行管理方法が考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の縦横移動可能なエレベータシステムにお
けるエレベータ群管理制御装置及びエレベータ群管理制
御方法には、以下に述べるような解決すべき課題があっ
た。
【0006】すなわち、1本のシャフトに複数のカゴを
運行し、シャフト間の横行移動もするということは、衝
突以外の運行の妨げとなる要因、例えば、停滞、渋滞又
はデッドロック等を生じさせ易い。このような停滞、渋
滞又はデッドロック等の輻輳状況が生じた場合には、そ
れを解消する明確な手だてがない限り、有限時間内にお
ける階床間輸送サービスというエレベータシステムに最
低限期待されたサービスを満たすことができなくなる。
【0007】また、あるカゴに呼びが無くても、同一シ
ャフト内を運行する他カゴが呼びを持つ場合に、呼びの
無いカゴに対して、呼びを持つ他カゴの運行の妨げとな
らないような運行指令を随時与えることが必要となる。
さらに、現時点では呼びのないカゴであっても、将来発
生するであろう乗り場呼びに最短の時間で応答できる位
置にこれらのカゴを配置しておけば、輸送効率のさらな
る向上が可能となる。
【0008】また、縦横移動型エレベータに関して現在
提案されているエレベータ群管理制御方法(エレベータ
群管理制御装置)においては、各シャフトごとにカゴの
運行方向を定めていることを前提としているために、新
たな乗り場呼びが発生した場合に、各カゴが運行してい
るシャフトの方向に応じて、その乗り場呼びに応答させ
る必要がある。そのため、新たな乗り場呼びの目的方向
と同方向のシャフトに、直ちに応答できるカゴがない場
合には、たとえ、新たな乗り場呼びの目的方向と異方向
のシャフトに空カゴがあったとしても、その空カゴには
割り当てはされず、新たな乗り場呼びに対する待ち時間
が長くなるという欠点があった。
【0009】例えば、図57に示したように、4本のシ
ャフトを有する20階のビルにおけるエレベータシステ
ムにおいて、第1シャフト及び第3シャフトの運行方向
は上昇方向、また、第2シャフト及び第4シャフトの運
行方向は下降方向と定められているものとする。また、
第1シャフトの15階にカゴ1と7階にカゴ2、第2シ
ャフトの3階にカゴ3、第3シャフトの18階にカゴ
4、第4シャフトの10階にカゴ5がいるものとする。
また、カゴ1、2、4はそれぞれの階床に停止してお
り、それぞれ出発するために直ちにドアを閉じることが
可能な状態にあり、一方、カゴ3、5は各シャフト内を
移動中であるものとする。
【0010】このような状況において、新たな乗り場呼
び(5,DN)が発生した場合を考える。すなわち、そ
れぞれのシャフトの運行方向が定められているため、第
1シャフトの15階にいるカゴ1が、この新たな乗り場
呼びに応答するためには、いったん20階まで上昇した
後、シャフト2に横行移動し、シャフト2内を5階まで
下降しなければならない。ここで、カゴがシャフト内を
1階移動すること及び隣りのシャフトに横行移動するこ
とを「1ステップ」と数えると、カゴ1が新たな乗り場
呼び(5,DN)に応答するためには、「21ステッ
プ」必要である。
【0011】同様に、各カゴについて検討すると、カゴ
2は「29ステップ」、カゴ3は「39ステップ」、カ
ゴ4は「18ステップ」、カゴ5は「5ステップ」必要
である。ところが、第1シャフト内のカゴ2を反転させ
ることができれば、「2ステップ」で応答することがで
き、また、第2シャフト内のカゴ3を反転させることが
できれば、同様に「2ステップ」で応答することができ
るので、新たな乗り場呼びに対して迅速な対応が可能に
なると考えられる。
【0012】本発明は、上述したような従来技術の問題
点を解消するために提案されたもので、その第1の目的
は、縦横移動型エレベータシステムにおける停滞、渋滞
又はデッドロック等による輻輳状況を解消し、よりサー
ビス性能の良い、効率的なカゴ稼働ができるエレベータ
群管理制御装置及びエレベータ群管理制御方法を提供す
ることにある。また、第2の目的は、乗り場呼び及びカ
ゴ呼びが共にない呼び無しカゴを、複数のシャフト内の
適切な位置に配置することができるエレベータ群管理制
御装置及びエレベータ群管理制御方法を提供することに
ある。さらに、第3の目的は、乗り場呼びに対して、縦
横移動型エレベータ方式においても、シャフトの方向に
制限されることなく、カゴの運行方向を随時変更しなが
ら運行することができるようにカゴの運行を制御するエ
レベータ群管理制御装置及びエレベータ群管理制御方法
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(1)第1の目的を解決するための手段 請求項1に係る発明は、複数の階床に就役する複数の縦
横移動可能なカゴと、そのカゴの運行を司るカゴ運行制
御装置と、各階床の乗り場にそれぞれ設置した1個以上
の乗り場呼び登録装置と、前記各カゴの状態を検知する
カゴデータ検出装置とを備えたエレベータシステムに用
いられるエレベータ群管理制御装置において、前記各カ
ゴごとに「経路データ」を記憶する経路データ記憶手段
と、前記各カゴ内からのカゴ呼びと、各カゴに割り当て
られている乗り場呼びとからなる「呼びデータ」を記憶
する呼びデータ記憶手段と、前記呼びデータ記憶手段に
記憶された「呼びデータ」と、前記乗り場呼び登録装置
によって登録された「乗り場呼びデータ」とに基づい
て、目的階床を含む「目的階床データ」を生成する目的
階床指示手段と、前記「経路データ」、「目的階床デー
タ」、「呼びデータ」及び前記カゴデータ検出装置によ
って得られる「カゴデータ」とに基づいて、前記カゴが
前記目的階床に到着するまでの時間を予測する到着時間
予測手段と、前記前記到着時間予測手段により得られる
予測到着時間に基づいて、所定のカゴを所定の乗り場呼
びに割り当てる割当指令手段とを備えたことを特徴とす
るものである。この発明によれば、乗り場呼び及びカゴ
呼びに応じたサービス性能が良く、効率が良いカゴの運
行ができるようになる。
【0014】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
エレベータ群管理制御装置において、前記割当指令手段
が、一のカゴの予測到着時間と他のカゴの予測到着時間
とに基づいて未応答時間をそれぞれ算出し、該未応答時
間のうち最小の未応答時間に対応するカゴを乗り場呼び
に割り当てることを特徴とするものである。この発明に
よれば、最小の未応答時間に対応するカゴを乗り場呼び
に割り当てるため、待ち時間の少ないカゴの運行が可能
となる。
【0015】請求項3に係る発明は、請求項1に記載の
エレベータ群管理制御装置において、前記目的階床指示
手段が、一のカゴの「呼びデータ」と他のカゴの「呼び
データ」とに基づいて、該一のカゴに対応する「目的階
床データ」を生成し、前記割当指令手段が、一のカゴの
予測到着時間と他のカゴの予測到着時間とに基づいて未
応答時間をそれぞれ算出し、該未応答時間に基づいて平
均値を算出し、該平均値のうち最小の平均値に対応する
カゴを乗り場呼びに割り当てることを特徴とするもので
ある。この発明によれば、各カゴごとに各目的階床につ
いての未応答時間の平均値を算出するため、待ち時間に
ばらつきのないカゴの運行ができるようになる。
【0016】請求項4に係る発明は、複数の階床に就役
する複数の縦横移動可能なカゴと、そのカゴの運行を司
るカゴ運行制御装置と、各階床の乗り場にそれぞれ設置
した1個以上の乗り場呼び登録装置と、前記各カゴの状
態を検知するカゴデータ検出装置とを備えたエレベータ
システムに用いられるエレベータ群管理制御装置におい
て、前記各カゴごとに「経路データ」を記憶する経路デ
ータ記憶手段と、前記各カゴ内からのカゴ呼びと、各カ
ゴに割り当てられている乗り場呼びとからなる「呼びデ
ータ」を記憶する呼びデータ記憶手段と、前記乗り場呼
び登録装置によって登録された「乗り場呼びデータ」に
基づいて派生カゴ呼びを予測する派生カゴ呼び予測手段
と、前記呼びデータ記憶手段に記憶された「呼びデー
タ」と、前記「乗り場呼びデータ」及び前記派生カゴ予
測手段により予測された「派生カゴ呼びデータ」とに基
づいて、目的階床を含む「目的階床データ」を生成する
目的階床指示手段と、前記「経路データ」、「目的階床
データ」、「呼びデータ」及び前記カゴデータ検出装置
によって得られる「カゴデータ」とに基づいて、前記カ
ゴが前記目的階床に到着するまでの時間を予測する到着
時間予測手段と、この手段により得られる予測到着時間
に基づいて、所定のカゴを所定の乗り場呼びに割り当て
る割当指令手段とを備えたことを特徴とするものであ
る。この発明によれば、乗客の発生頻度及び平均待ち時
間を考慮して派生カゴ呼びを予測するので、乗客の状況
に応じたより木目の細かいカゴの運行ができるようにな
る。
【0017】請求項5に係る発明は、請求項4に記載し
たエレベータ群管理制御装置において、前記割当指令手
段が、前記乗り場呼びが発生した時点から、その乗り場
呼びに応答して派生カゴ呼びに応答するまでのサービス
完了時間を算出し、そのサービス完了時間のうち最小の
サービス完了時間に対応するカゴを乗り場呼びに割り当
てることを特徴とするものである。この発明によれば、
最小のサービス完了時間に対応するカゴを乗り場呼びに
割り当てるため、よりサービス性能の良い、効率的なカ
ゴの運行ができるようになる。
【0018】請求項6に係る発明は、請求項4に記載し
たエレベータ群管理制御装置において、前記割当指令手
段が、前記乗り場呼びが発生した時点から、その乗り場
呼びに応答して前記派生カゴ呼びに応答するまでのサー
ビス完了時間、及びすでに登録されているカゴ呼び及び
派生カゴ呼びに応答するまでのサービス完了時間を算出
し、それらのサービス完了時間に基づいて平均値を算出
し、該平均値のうち最小の平均値に対応するカゴを乗り
場呼びに割り当てることを特徴とするものである。この
発明によれば、各カゴごとに各目的階床についてのサー
ビス完了時間の平均値を算出するため、サービス性能に
ばらつきの少ないカゴの運行ができるようになる。
【0019】請求項7に係る発明は、複数の階床に就役
する複数の縦横移動可能なカゴと、そのカゴの運行を司
るカゴ運行制御処理と、各階床の乗り場ごとにそれぞれ
実行される乗り場呼び登録処理と、前記各カゴの状態を
検知するカゴデータ検出処理とを含むエレベータシステ
ムに用いられるエレベータ群管理制御方法において、前
記各カゴごとに「経路データ」を記憶する経路データ記
憶処理と、前記各カゴ内からのカゴ呼びと、各カゴに割
り当てられている乗り場呼びとからなる「呼びデータ」
を記憶する呼びデータ記憶処理と、前記呼びデータ記憶
処理によって記憶された「呼びデータ」と、前記乗り場
呼び登録処理によって登録された「乗り場呼びデータ」
とに基づいて、目的階床を含む「目的階床データ」を生
成する目的階床指示処理と、前記「経路データ」、「目
的階床データ」、「呼びデータ」及び前記カゴデータ検
出処理によって得られる「カゴデータ」とに基づいて、
前記カゴが前記目的階床に到着するまでの時間を予測す
る到着時間予測処理と、前記到着時間予測処理により得
られる予測到着時間に基づいて、所定のカゴを所定の乗
り場呼びに割り当てる割当指令処理とを含むことを特徴
とするものである。この発明によれば、乗り場呼び及び
カゴ呼びに応じたサービス性能が良く、効率の良いカゴ
の運行ができるようになる。
【0020】なお、本発明における課題を解決するため
の手段は、上記請求項1乃至請求項7に掲げたものに限
るものではなく、以下に示すような手段も考えられる。
すなわち、第1は、前記割当指令手段が、一のカゴの予
測到着時間と他のカゴの予測到着時間とに基づいて未応
答時間をそれぞれ算出し、その未応答時間のうち最大の
未応答時間を各カゴごとに抽出し、該各カゴごとの最大
の未応答時間のうち最小の未応答時間に対応するカゴを
乗り場呼びに割り当てることを特徴とするものである。
【0021】第2は、請求項4に係る発明において、前
記割当指令手段が、前記乗り場呼びが発生した時点か
ら、その乗り場呼びに応答して前記派生カゴ呼びに応答
するまでのサービス完了時間及びすでに登録されていた
カゴ呼びが解消されるまでの時間に基づいて、カゴ呼び
及び派生カゴ呼びに対するサービス完了時間を算出し、
そのサービス完了時間のうち最大のサービス完了時間を
各カゴごとに抽出し、該各カゴごとの最大のサービス完
了時間のうち最小のサービス完了時間に対応するカゴを
乗り場呼びに割り当てることを特徴とするものである。
【0022】第3は、前記経路データ記憶手段に記憶さ
れた経路データと異なる経路データを予め保持し、カゴ
の運行状況に従ってこの別経路による予測到着時間を算
出し、新たに予測された予測到着時間に基づき、そのカ
ゴの「経路データ」を変更することを特徴とするもので
ある。
【0023】第4は、複数の階床に就役する複数の縦横
移動可能なカゴと、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御
装置と、各階床の乗り場にそれぞれ設置した1個以上の
乗り場呼び登録装置と、前記各カゴの状態を検知するカ
ゴデータ検出装置とを備えたエレベータシステムに用い
られるエレベータ群管理制御装置において、前記各カゴ
ごとに「経路データ」を記憶した経路データ記憶手段
と、前記各カゴ内からのカゴ呼びと、各カゴに割り当て
られている乗り場呼びとからなる「呼びデータ」を記憶
する呼びデータ記憶手段と、前記呼びデータ記憶手段に
記憶された「呼びデータ」と、前記乗り場呼び登録装置
によって登録された「乗り場呼びデータ」とに基づい
て、目的階床を含む「目的階床データ」を生成する目的
階床指示手段と、前記「経路データ」、「目的階床デー
タ」、「呼びデータ」及び前記カゴデータ検出装置によ
って得られる「カゴデータ」とに基づいて、前記カゴが
前記目的階床に到着するまでの時間を予測する到着時間
予測手段と、前記カゴが輻輳状況にあるか否かを判断す
る運行状況識別手段と、この手段により輻輳状況にある
と判断された場合に、そのカゴの経路データと異なる他
の経路データに基づいて予測到着時間を追加的に算出
し、前記他の経路データに基づく予測到着時間と前記一
の経路データに基づく予測到着時間とに基づいて、前記
経路データ記憶手段に記憶された経路データを変更する
経路変更指令手段とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0024】(2)第2の目的を解決するための手段 上記の目的を達成するために、請求項8に記載の発明
は、複数の階床に就役する複数の縦横移動可能なカゴ
と、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御装置と、各階床
の乗り場にそれぞれ設置した1個以上の乗り場呼び登録
装置と、前記各カゴの状態を検知するカゴデータ検出装
置とを備えたエレベータシステムに用いられるエレベー
タ群管理制御装置において、乗り場呼び及びカゴ呼びの
いずれの呼びも持たない「呼び無しカゴ」を、他カゴの
運行の妨げとならず、また、将来発生するであろう新た
な乗り場呼びに速やかに応答することができる階床に配
置することを特徴とするものである。
【0025】また、請求項23に記載の発明は、上記請
求項8に記載の発明を方法の観点から捉えたものであっ
て、複数の階床に就役する複数の縦横移動可能なカゴ
と、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御処理と、各階床
の乗り場ごとにそれぞれ実行される乗り場呼び登録処理
と、前記各カゴの状態を検知するカゴデータ検出処理と
を含むエレベータシステムに用いられるエレベータ群管
理制御方法において、乗り場呼び及びカゴ呼びのいずれ
の呼びも持たない「呼び無しカゴ」を、他カゴの運行の
妨げとならず、また、将来発生するであろう新たな乗り
場呼びに速やかに応答することができる階床に配置する
ことを特徴とするものである。
【0026】上記のような構成を有する請求項8に記載
のエレベータ群管理制御装置及び請求項23に記載のエ
レベータ群管理制御方法では、所定の条件に従って、
「呼び無しカゴ」を複数のシャフト内の適切な位置に配
置することができるので、「呼び無しカゴ」が他のカゴ
の運行の妨げとなることがなく、また、新たな乗り場呼
びに速やかに応答することができる。
【0027】請求項9に記載の発明は、複数の階床に就
役する複数の縦横移動可能なカゴと、そのカゴの運行を
司るカゴ運行制御装置と、各階床の乗り場にそれぞれ設
置した1個以上の乗り場呼び登録装置と、前記各カゴの
状態を検知するカゴデータ検出装置とを備えたエレベー
タシステムに用いられるエレベータ群管理制御装置にお
いて、前記各カゴ内からのカゴ呼びと、各カゴに割り当
てられている乗り場呼びからなる「呼びデータ」を記憶
する呼びデータ記憶装置と、前記各カゴの運行すべき経
路を記憶する経路データ記憶装置と、前記カゴデータ検
出装置によって検出される「カゴデータ」と、前記経路
データ記憶装置に記憶されている「経路データ」と、前
記呼びデータ記憶装置に記憶されている「呼びデータ」
とから、前記乗り場呼び登録装置に登録された乗り場呼
びに応答させるべきカゴを選択するとともに、カゴの割
当状況を前記呼びデータ記憶装置に出力し、「呼びデー
タ」を更新・記憶させる割当指令装置と、前記呼びデー
タ記憶装置に記憶されている各カゴの「呼びデータ」を
入力して、乗り場呼び及びカゴ呼びのいずれも無い「呼
び無しカゴ」を検索する呼び無しカゴ検索装置と、この
呼び無しカゴ検索装置によって検索された「呼び無しカ
ゴデータ」と、前記各カゴの「カゴデータ」と、前記経
路データ記憶装置に記憶されている「経路データ」とを
用いて、所定の評価にしたがって、前記「呼び無しカ
ゴ」を停止させるべき位置を指示する呼び無しカゴ停止
位置指示装置と、前記「呼び無しカゴ」を、指示された
停止位置に移動させるべく、運行指令を出力する運行指
令装置とを備えたことを特徴とするものである。
【0028】また、請求項24に記載の発明は、上記請
求項9に記載の発明を方法の観点から捉えたものであっ
て、複数の階床に就役する複数の縦横移動可能なカゴ
と、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御処理と、各階床
の乗り場ごとにそれぞれ実行される乗り場呼び登録処理
と、前記各カゴの状態を検知するカゴデータ検出処理と
を含むエレベータシステムに用いられるエレベータ群管
理制御方法において、前記各カゴ内からのカゴ呼びと、
各カゴに割り当てられている乗り場呼びからなる「呼び
データ」を記憶する呼びデータ記憶処理と、前記各カゴ
の運行すべき経路を記憶する経路データ記憶処理と、前
記カゴデータ検出処理によって検出される「カゴデー
タ」と、前記経路データ記憶処理によって記憶されてい
る「経路データ」と、前記呼びデータ記憶処理によって
記憶されている「呼びデータ」とから、前記乗り場呼び
登録処理によって登録された乗り場呼びに応答させるべ
きカゴを選択するとともに、カゴの割当状況を前記呼び
データ記憶処理工程に出力し、「呼びデータ」を更新・
記憶させる割当指令処理と、前記呼びデータ記憶処理に
よって記憶されている各カゴの「呼びデータ」を入力し
て、乗り場呼び及びカゴ呼びのいずれも無い「呼び無し
カゴ」を検索する呼び無しカゴ検索処理と、この呼び無
しカゴ検索処理によって検索された「呼び無しカゴデー
タ」と、前記各カゴの「カゴデータ」と、前記経路デー
タ記憶処理によって記憶されている「経路データ」とを
用いて、所定の評価にしたがって、前記「呼び無しカ
ゴ」を停止させるべき位置を指示する呼び無しカゴ停止
位置指示処理と、前記「呼び無しカゴ」を、指示された
停止位置に移動させるべく、運行指令を出力する運行指
令処理とを含むことを特徴とするものである。
【0029】上記のような構成を有する請求項9に記載
のエレベータ群管理制御装置及び請求項24に記載のエ
レベータ群管理制御方法では、各カゴ内からのカゴ呼び
と各カゴに割り当てられている乗り場呼びからなる「呼
びデータ」と、各カゴが運行すべき経路が記憶され、ま
た、「カゴデータ」、「経路データ」及び「呼びデー
タ」とから、乗り場呼び登録装置に登録された乗り場呼
びに応答させるべきカゴが選択される。また、それと共
に、各カゴの割当状況に基づいて、「呼びデータ」が更
新・記憶される。一方、乗り場呼び及びカゴ呼びのいず
れも無い「呼び無しカゴ」が検索され、所定の評価にし
たがって、「呼び無しカゴ」を停止させるべき位置が指
示され、指示された停止位置に「呼び無しカゴ」が配置
される。
【0030】その結果、エレベータ群管理制御を行うに
当たって、他カゴの運行の妨げとならず、また、将来発
生するであろう新たな乗り場呼びに速やかに応答するこ
とができる階床に「呼び無しカゴ」を配置することがで
きる。
【0031】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載のエレベータ群管理制御装置において、前記呼び無し
カゴ停止位置指示装置が、前記経路データ記憶装置に記
憶されている「経路データ」と、前記各カゴの「カゴデ
ータ」に基づいて、前記各「呼び無しカゴ」について、
その運行方向にある最も近い横行階を検出する次横行階
検出装置と、前記次横行階検出装置で検出される横行階
を、「呼び無しカゴ」の停止位置として決定する呼び無
しカゴ停止位置決定装置とを備えたことを特徴とするも
のである。
【0032】また、請求項25に記載の発明は、上記請
求項10に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項24に記載のエレベータ群管理制御方法に
おいて、前記呼び無しカゴ停止位置指示処理が、前記経
路データ記憶処理によって記憶されている「経路デー
タ」と、前記各カゴの「カゴデータ」に基づいて、前記
各「呼び無しカゴ」について、その運行方向にある最も
近い横行階を検出する次横行階検出ステップと、前記次
横行階検出ステップによって検出される横行階を、「呼
び無しカゴ」の停止位置として決定する呼び無しカゴ停
止位置決定ステップとを含むことを特徴とするものであ
る。
【0033】上記のような構成を有する請求項10に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項25に記載の
エレベータ群管理制御方法では、「経路データ」と各カ
ゴの「カゴデータ」に基づいて、各「呼び無しカゴ」に
ついて、その運行方向にある最も近い横行階が検出さ
れ、その横行階が、「呼び無しカゴ」の停止位置として
決定される。その結果、たとえ、その呼び無しカゴが、
呼びを持つ他のカゴの運行の妨げになったとしても、直
ちに他のシャフトに横行移動させることができるので、
運行効率及び安全性の向上が図れる。
【0034】請求項11に記載の発明は、請求項9に記
載のエレベータ群管理制御装置において、前記呼び無し
カゴ停止位置指示装置が、前記経路データ記憶装置に記
憶されている「経路データ」と、前記各カゴの「カゴデ
ータ」に基づいて、ある「呼び無しカゴ」に後続して運
行する呼びを持つカゴ(後続カゴ)の中で、前記「呼び
無しカゴ」が存在する階床に最も近い後続カゴに割り当
てられている乗り場呼びの位置、あるいはカゴ呼びの位
置を検出する後続カゴ運行予定位置検出装置と、前記後
続カゴ運行予定位置検出装置で検出される位置までその
後続カゴが運行する場合であって、前記「呼び無しカ
ゴ」の存在が後続カゴの運行の妨げとなる場合に、その
呼び無しカゴを、前記後続カゴの運行の妨げとならない
横行階に移動させるべく、その停止位置を決定する呼び
無しカゴ停止位置決定装置とを備えたことを特徴とする
ものである。
【0035】また、請求項26に記載の発明は、上記請
求項11に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項24に記載のエレベータ群管理制御方法に
おいて、前記呼び無しカゴ停止位置指示処理が、前記経
路データ記憶処理によって記憶されている「経路デー
タ」と、前記各カゴの「カゴデータ」に基づいて、ある
「呼び無しカゴ」に後続して運行する呼びを持つカゴ
(後続カゴ)の中で、前記「呼び無しカゴ」が存在する
階床に最も近い後続カゴに割り当てられている乗り場呼
びの位置、あるいはカゴ呼びの位置を検出する後続カゴ
運行予定位置検出ステップと、前記後続カゴ運行予定位
置検出ステップによって検出される位置までその後続カ
ゴが運行する場合であって、前記「呼び無しカゴ」の存
在が後続カゴの運行の妨げとなる場合に、その呼び無し
カゴを、前記後続カゴの運行の妨げとならない横行階に
移動させるべく、その停止位置を決定する呼び無しカゴ
停止位置決定ステップとを含むことを特徴とするもので
ある。
【0036】上記のような構成を有する請求項11に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項26に記載の
エレベータ群管理制御方法では、「経路データ」と各カ
ゴの「カゴデータ」に基づいて、ある「呼び無しカゴ」
に後続して運行する呼びを持つカゴ(後続カゴ)の中
で、前記「呼び無しカゴ」が存在する階床に最も近い後
続カゴに割り当てられている乗り場呼びの位置、あるい
はカゴ呼びの位置が検出され、その位置までその後続カ
ゴが運行する場合であって、前記「呼び無しカゴ」の存
在がその後続カゴの運行の妨げとなる場合に、その呼び
無しカゴを、前記後続カゴの運行の妨げとならない横行
階に移動させるように決定される。その結果、呼び無し
カゴが、それに後続する呼びを持つカゴの運行の妨げと
なる場合に、その呼び無しカゴを直ちに他のシャフトに
横行移動させることができるので、運行効率及び安全性
の向上が図れる。
【0037】請求項12に記載の発明は、請求項9に記
載のエレベータ群管理制御装置において、前記呼び無し
カゴ停止位置指示装置が、前記経路データ記憶装置に記
憶されている「経路データ」と、前記各カゴの「カゴデ
ータ」に基づいて、ある「呼び無しカゴ」に先行して運
行する呼びを持つカゴ(先行カゴ)が存在する場合に、
それらの先行カゴの中で、その「呼び無しカゴ」に最も
近い位置にいる先行カゴの運行階床を検出する先行カゴ
運行階床検出装置と、前記「呼び無しカゴ」の運行する
階床が、前記先行カゴ運行階床検出装置によって検出さ
れる先行カゴの位置から所定の距離以上になった場合
に、その「呼び無しカゴ」を、先行カゴから所定の距離
内に移動させるべく、その停止位置を決定する呼び無し
カゴ停止位置決定装置とを備えたことを特徴とするもの
である。
【0038】また、請求項27に記載の発明は、上記請
求項12に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項24に記載のエレベータ群管理制御方法に
おいて、前記呼び無しカゴ停止位置指示処理が、前記経
路データ記憶処理によって記憶されている「経路デー
タ」と、前記各カゴの「カゴデータ」に基づいて、ある
「呼び無しカゴ」に先行して運行する呼びを持つカゴ
(先行カゴ)が存在する場合に、それらの先行カゴの中
で、その「呼び無しカゴ」に最も近い位置にいる先行カ
ゴの運行階床を検出する先行カゴ運行階床検出ステップ
と、前記「呼び無しカゴ」の運行する階床が、前記先行
カゴ運行階床検出ステップによって検出される先行カゴ
の位置から所定の距離以上になった場合に、その「呼び
無しカゴ」を、先行カゴから所定の距離内に移動させる
べく、その停止位置を決定する呼び無しカゴ停止位置決
定ステップとを含むことを特徴とするものである。
【0039】上記のような構成を有する請求項12に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項27に記載の
エレベータ群管理制御方法では、「経路データ」と各カ
ゴの「カゴデータ」に基づいて、ある「呼び無しカゴ」
に先行して運行する呼びを持つカゴ(先行カゴ)が存在
する場合に、それらの先行カゴの中で、その「呼び無し
カゴ」に最も近い位置にいる先行カゴの運行階床が検出
され、「呼び無しカゴ」の運行する階床が、前記先行カ
ゴの位置から所定の距離以上になった場合に、その「呼
び無しカゴ」を、先行カゴから所定の距離内に移動させ
るように決定される。その結果、先行カゴと呼び無しカ
ゴの間に近い将来発生するであろう乗り場呼びへの素早
い応答が可能となる。
【0040】請求項13に記載の発明は、請求項9に記
載のエレベータ群管理制御装置において、前記呼び無し
カゴ停止位置指示装置が、前記経路データ記憶装置に記
憶されている「経路データ」と、前記各カゴの「カゴデ
ータ」に基づいて、呼びを持つカゴのカゴ間距離を算出
するカゴ間距離算出装置と、前記カゴ間距離算出装置に
よって得られる「カゴ間隔データ」に基づいて、カゴ間
距離を均等化すべく、「呼び無しカゴ」の停止位置を決
定する呼び無しカゴ停止位置決定装置とを備えたことを
特徴とするものである。
【0041】また、請求項28に記載の発明は、上記請
求項13に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項24に記載のエレベータ群管理制御方法に
おいて、前記呼び無しカゴ停止位置指示処理が、前記経
路データ記憶処理によって記憶されている「経路デー
タ」と、前記各カゴの「カゴデータ」に基づいて、呼び
を持つカゴのカゴ間距離を算出するカゴ間距離算出ステ
ップと、前記カゴ間距離算出ステップによって得られる
「カゴ間隔データ」に基づいて、カゴ間距離を均等化す
べく、「呼び無しカゴ」の停止位置を決定する呼び無し
カゴ停止位置決定ステップとを含むことを特徴とするも
のである。
【0042】上記のような構成を有する請求項13に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項28に記載の
エレベータ群管理制御方法では、「経路データ」と各カ
ゴの「カゴデータ」に基づいて、呼びを持つカゴのカゴ
間距離が算出され、この「カゴ間隔データ」に基づい
て、カゴ間距離を均等化すべく、「呼び無しカゴ」が配
置される。その結果、呼びを持つカゴの間に呼び無しカ
ゴを配置して、各カゴ間の距離をできるだけ均等にする
ことによって、近い将来発生するであろう新たな乗り場
呼びへの素早い応答が可能となる。
【0043】請求項14に記載の発明は、請求項9に記
載のエレベータ群管理制御装置において、前記呼び無し
カゴ停止位置指示装置が、前記経路データ記憶装置に記
憶されている「経路データ」と、前記各カゴの「カゴデ
ータ」に基づいて、呼びを持つカゴの中から、各「呼び
無しカゴ」に先行して運行する先行カゴ及びその階床と
運行方向を検出し、また、各「呼び無しカゴ」に後続し
て運行する後続カゴ及びその階床と運行方向を検出する
先行及び後続カゴ運行データ検出装置と、前記先行カゴ
と後続カゴの距離を算出するカゴ間距離算出装置と、前
記先行及び後続カゴ運行データ検出装置によって得られ
る「先行及び後続カゴ運行データ」を用いて、先行カゴ
と後続カゴの中間の位置を、「呼び無しカゴ」の停止位
置として決定する呼び無しカゴ停止位置決定装置とを備
えたことを特徴とするものである。
【0044】また、請求項29に記載の発明は、上記請
求項14に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項24に記載のエレベータ群管理制御方法に
おいて、前記呼び無しカゴ停止位置指示処理が、前記経
路データ記憶処理によって記憶されている「経路デー
タ」と、前記各カゴの「カゴデータ」に基づいて、呼び
を持つカゴの中から、各「呼び無しカゴ」に先行して運
行する先行カゴ及びその階床と運行方向を検出し、ま
た、各「呼び無しカゴ」に後続して運行する後続カゴ及
びその階床と運行方向を検出する先行及び後続カゴ運行
データ検出ステップと、前記先行カゴと後続カゴの距離
を算出するカゴ間距離算出ステップと、前記先行及び後
続カゴ運行データ検出ステップによって得られる「先行
及び後続カゴ運行データ」を用いて、先行カゴと後続カ
ゴの中間の位置を、「呼び無しカゴ」の停止位置として
決定する呼び無しカゴ停止位置決定ステップとを含むこ
とを特徴とするものである。
【0045】上記のような構成を有する請求項14に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項29に記載の
エレベータ群管理制御方法では、「経路データ」と各カ
ゴの「カゴデータ」に基づいて、呼びを持つカゴの中か
ら、各「呼び無しカゴ」に先行して運行する先行カゴ及
びその階床と運行方向を検出し、また、各「呼び無しカ
ゴ」に後続して運行する後続カゴ及びその階床と運行方
向が検出される。また、前記先行カゴと後続カゴの距離
が算出され、その中間の位置に「呼び無しカゴ」が配置
される。その結果、各カゴ間の距離をできるだけ均等に
することができるので、近い将来発生するであろう新た
な乗り場呼びへの素早い応答が可能となる。
【0046】請求項15に記載の発明は、請求項9に記
載のエレベータ群管理制御装置において、前記呼び無し
カゴ停止位置指示装置が、前記呼びデータ記憶装置から
送られる「呼びデータ」に基づいて、乗り場呼びが発生
していない階床を検出する乗り場呼び無し階床検出装置
と、前記経路データ記憶装置に記憶されている「経路デ
ータ」と、前記各カゴの「カゴデータ」と、呼び無しカ
ゴ検索装置から送られる「呼び無しカゴデータ」とを用
いて、各「呼び無しカゴ」が前記乗り場呼び無し階床に
到着するまでに要する平均時間が、各「呼び無しカゴ」
ごとに互いに均等になる位置を、「呼び無しカゴ」の停
止位置として決定する呼び無しカゴ停止位置決定装置と
を備えたことを特徴とするものである。
【0047】また、請求項30に記載の発明は、上記請
求項15に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項24に記載のエレベータ群管理制御方法に
おいて、前記呼び無しカゴ停止位置指示処理が、前記呼
びデータ記憶処理によって送られる「呼びデータ」に基
づいて、乗り場呼びが発生していない階床を検出する乗
り場呼び無し階床検出ステップと、前記経路データ記憶
処理によって記憶されている「経路データ」と、前記各
カゴの「カゴデータ」と、呼び無しカゴ検索処理によっ
て得られる「呼び無しカゴデータ」とを用いて、各「呼
び無しカゴ」が前記乗り場呼び無し階床に到着するまで
に要する平均時間が、各「呼び無しカゴ」ごとに互いに
均等になる位置を、「呼び無しカゴ」の停止位置として
決定する呼び無しカゴ停止位置決定ステップとを含むこ
とを特徴とするものである。
【0048】上記のような構成を有する請求項15に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項30に記載の
エレベータ群管理制御方法では、「呼びデータ」に基づ
いて、乗り場呼びが発生していない階床が検出され、ま
た、「経路データ」と各カゴの「カゴデータ」と「呼び
無しカゴデータ」とを用いて、各「呼び無しカゴ」が乗
り場呼び無し階床に到着するまでに要する平均時間が算
出され、その平均時間が最小となる位置に「呼び無しカ
ゴ」が配置される。その結果、近い将来発生するであろ
う新たな乗り場呼びへの素早い応答が可能となる。
【0049】請求項16に記載の発明は、請求項9に記
載のエレベータ群管理制御装置において、前記呼び無し
カゴ停止位置指示装置が、前記呼びデータ記憶装置から
送られる「呼びデータ」に基づいて、乗り場呼びが発生
していない階床を検出する乗り場呼び無し階床検出装置
と、前記乗り場呼び登録装置に乗り場呼びが新たに登録
される度に、各階床毎に乗り場呼びの発生回数の累計デ
ータを記憶し、全階床における相対値を求める乗り場呼
び発生頻度算出装置と、前記各カゴの「カゴデータ」
と、呼び無しカゴ検索装置から送られる「呼び無しカゴ
データ」と、前記乗り場呼び発生頻度算出装置から得ら
れる階床毎の「乗り場呼び発生頻度データ」とを用い
て、乗り場呼びの発生頻度が高い階床を選んで、「呼び
無しカゴ」の停止位置とする呼び無しカゴ停止位置決定
装置とを備えたことを特徴とするものである。
【0050】また、請求項31に記載の発明は、上記請
求項16に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項24に記載のエレベータ群管理制御方法に
おいて、前記呼び無しカゴ停止位置指示処理が、前記呼
びデータ記憶処理によって送られる「呼びデータ」に基
づいて、乗り場呼びが発生していない階床を検出する乗
り場呼び無し階床検出ステップと、前記乗り場呼び登録
処理によって乗り場呼びが新たに登録される度に、各階
床毎に乗り場呼びの発生回数の累計データを記憶し、全
階床における相対値を求める乗り場呼び発生頻度算出ス
テップと、前記各カゴの「カゴデータ」と、呼び無しカ
ゴ検索処理によって得られる「呼び無しカゴデータ」
と、前記乗り場呼び発生頻度算出ステップによって得ら
れる階床毎の「乗り場呼び発生頻度データ」とを用い
て、乗り場呼びの発生頻度が高い階床を選んで、「呼び
無しカゴ」の停止位置とする呼び無しカゴ停止位置決定
ステップとを含むことを特徴とするものである。
【0051】上記のような構成を有する請求項16に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項31に記載の
エレベータ群管理制御方法では、「呼びデータ」に基づ
いて、乗り場呼びが発生していない階床が検出され、ま
た、乗り場呼び登録装置に乗り場呼びが新たに登録され
る度に、各階床毎に乗り場呼びの発生回数の累計データ
が記憶され、全階床における相対値が求められる。そし
て、各カゴの「カゴデータ」と「呼び無しカゴデータ」
と階床毎の「乗り場呼び発生頻度データ」とを用いて、
乗り場呼びの発生頻度が高い階床に「呼び無しカゴ」が
配置される。その結果、将来においても発生頻度が高い
と予測される新たな乗り場呼びへの素早い応答が可能と
なる。
【0052】請求項17に記載の発明は、請求項9に記
載のエレベータ群管理制御装置において、前記呼び無し
カゴ停止位置指示装置が、前記「カゴデータ」と前記
「呼び無しカゴデータ」とから、「呼び無しカゴ」が予
め定められた特定領域内に所定の条件で存在するか否か
を判別する呼び無しカゴ待機判別装置と、前記「カゴデ
ータ」と、前記「呼び無しカゴデータ」と、前記呼び無
しカゴ待機判別装置から得られる「呼び無しカゴの待機
状況データ」とを用いて、前記特定領域内に呼び無しカ
ゴを配置する呼び無しカゴ停止位置決定装置とを備えた
ことを特徴とするものである。
【0053】また、請求項32に記載の発明は、上記請
求項17に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項24に記載のエレベータ群管理制御方法に
おいて、前記呼び無しカゴ停止位置指示処理が、前記
「カゴデータ」と前記「呼び無しカゴデータ」とから、
「呼び無しカゴ」が予め定められた特定領域内に所定の
条件で存在するか否かを判別する呼び無しカゴ待機判別
ステップと、前記「カゴデータ」と、前記「呼び無しカ
ゴデータ」と、前記呼び無しカゴ待機判別ステップによ
って得られる「呼び無しカゴの待機状況データ」とを用
いて、前記特定領域内に呼び無しカゴを配置する呼び無
しカゴ停止位置決定ステップとを含むことを特徴とする
ものである。
【0054】上記のような構成を有する請求項17に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項32に記載の
エレベータ群管理制御方法では、「カゴデータ」と「呼
び無しカゴデータ」とから、「呼び無しカゴ」が予め定
められた特定領域内に所定の条件で存在するか否かが判
別され、「カゴデータ」と「呼び無しカゴデータ」と
「呼び無しカゴの待機状況データ」とを用いて、前記特
定領域内に呼び無しカゴが配置される。その結果、乗り
場呼び発生頻度が高いと考えられる特定領域内におい
て、乗り場呼びへの応答効率を大幅に向上することがで
きる。
【0055】請求項18に記載の発明は、請求項9に記
載のエレベータ群管理制御装置において、前記呼び無し
カゴ停止位置指示装置が、前記「カゴデータ」と「呼び
無しカゴデータ」とから、呼びを持つカゴが、所定の領
域内に所定の条件で存在するかどうかを判別する倉庫条
件判別装置と、前記「カゴデータ」と「呼び無しカゴデ
ータ」と、前記倉庫条件判別装置から得られる「所定領
域内におけるカゴ運行状況データ」とを用いて、前記倉
庫となり得る特定領域内に「呼び無しカゴ」を配置する
呼び無しカゴ停止位置決定装置とを備えたことを特徴と
するものである。
【0056】また、請求項33に記載の発明は、上記請
求項18に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項24に記載のエレベータ群管理制御方法に
おいて、前記呼び無しカゴ停止位置指示処理が、前記
「カゴデータ」と「呼び無しカゴデータ」とから、呼び
を持つカゴが、所定の領域内に所定の条件で存在するか
どうかを判別する倉庫条件判別ステップと、前記「カゴ
データ」と「呼び無しカゴデータ」と、前記倉庫条件判
別ステップによって得られる「所定領域内におけるカゴ
運行状況データ」とを用いて、前記倉庫となり得る特定
領域内に「呼び無しカゴ」を配置する呼び無しカゴ停止
位置決定ステップとを含むことを特徴とするものであ
る。
【0057】上記のような構成を有する請求項18に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項33に記載の
エレベータ群管理制御方法では、「カゴデータ」と「呼
び無しカゴデータ」とから、呼びを持つカゴが、倉庫と
なり得る所定の領域内に所定の条件で存在するかどうか
が判別され、また、「カゴデータ」と「呼び無しカゴデ
ータ」と「所定領域内におけるカゴ運行状況データ」と
を用いて、前記倉庫となり得る特定領域内に「呼び無し
カゴ」が配置される。その結果、倉庫となり得る特定領
域内に呼び無しカゴを集めて待機させておくことができ
るので、他カゴの運行の妨げとならず、また、新たな乗
り場呼びに素早く応答することができる。
【0058】請求項19に記載の発明は、請求項9に記
載のエレベータ群管理制御装置において、前記呼び無し
カゴ停止位置指示装置が、前記呼びデータ記憶装置から
送られる「呼びデータ」に基づいて、乗り場呼びが発生
していない階床を検出する乗り場呼び無し階床検出装置
と、前記乗り場呼び登録装置に登録された乗り場呼びに
ついて、あるカゴが応答し、その階床で乗った乗客によ
ってカゴ呼び登録がなされた場合に、そのカゴ呼び登録
をデータとして記憶する階間移動データ記憶装置と、前
記「カゴデータ」と、前記「呼び無しカゴデータ」と、
前記階間移動データ記憶装置に記憶される「階間移動デ
ータ」とを用いて、乗客の発生頻度の高い階床に「呼び
無しカゴ」を配置する呼び無しカゴ停止位置決定装置と
を備えたことを特徴とするものである。
【0059】また、請求項34に記載の発明は、上記請
求項19に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項24に記載のエレベータ群管理制御方法に
おいて、前記呼び無しカゴ停止位置指示処理が、前記呼
びデータ記憶処理によって送られる「呼びデータ」に基
づいて、乗り場呼びが発生していない階床を検出する乗
り場呼び無し階床検出ステップと、前記乗り場呼び登録
処理によって登録された乗り場呼びについて、あるカゴ
が応答し、その階床で乗った乗客によってカゴ呼び登録
がなされた場合に、そのカゴ呼び登録をデータとして記
憶する階間移動データ記憶ステップと、前記「カゴデー
タ」と、前記「呼び無しカゴデータ」と、前記階間移動
データ記憶ステップによって記憶される「階間移動デー
タ」とを用いて、乗客の発生頻度の高い階床に「呼び無
しカゴ」を配置する呼び無しカゴ停止位置決定ステップ
とを含むことを特徴とするものである。
【0060】上記のような構成を有する請求項19に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項34に記載の
エレベータ群管理制御方法では、「呼びデータ」に基づ
いて、乗り場呼びが発生していない階床が検出され、ま
た、乗り場呼び登録装置に登録された乗り場呼びについ
て、あるカゴが応答し、その階床で乗った乗客によって
カゴ呼び登録がなされた場合に、そのカゴ呼び登録がデ
ータとして記憶される。そして、「カゴデータ」と「呼
び無しカゴデータ」と「階間移動データ」とを用いて、
乗客の発生頻度の高い階床に「呼び無しカゴ」が配置さ
れる。その結果、将来発生するであろう新たな乗り場呼
びに素早く応答することができる。
【0061】請求項20に記載の発明は、請求項9に記
載のエレベータ群管理制御装置において、前記呼び無し
カゴ停止位置指示装置が、前記呼びデータ記憶装置から
送られる「呼びデータ」に基づいて、乗り場呼びが発生
していない階床を検出する乗り場呼び無し階床検出装置
と、前記乗り場呼び登録装置に登録された乗り場呼びが
抹消される度に、その乗り場呼びが解消された階床を、
古いものから順に記憶しておく乗り場呼び抹消データ記
憶装置と、前記「カゴデータ」と、前記「呼び無しカゴ
データ」と、前記乗り場呼び抹消データ記憶装置に記憶
される「乗り場呼び抹消データ」とを用いて、最も古く
乗り場呼びが抹消された階床から順に、「呼び無しカ
ゴ」を配置する呼び無しカゴ停止位置決定装置とを備え
たことを特徴とするものである。
【0062】また、請求項35に記載の発明は、上記請
求項20に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項24に記載のエレベータ群管理制御方法に
おいて、前記呼び無しカゴ停止位置指示処理が、前記呼
びデータ記憶処理によって送られる「呼びデータ」に基
づいて、乗り場呼びが発生していない階床を検出する乗
り場呼び無し階床検出ステップと、前記乗り場呼び登録
処理によって登録された乗り場呼びが抹消される度に、
その乗り場呼びが解消された階床を、古いものから順に
記憶しておく乗り場呼び抹消データ記憶ステップと、前
記「カゴデータ」と、前記「呼び無しカゴデータ」と、
前記乗り場呼び抹消データ記憶ステップによって記憶さ
れる「乗り場呼び抹消データ」とを用いて、最も古く乗
り場呼びが抹消された階床から順に、「呼び無しカゴ」
を配置する呼び無しカゴ停止位置決定ステップとを含む
ことを特徴とするものである。
【0063】上記のような構成を有する請求項20に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項35に記載の
エレベータ群管理制御方法では、「呼びデータ」に基づ
いて、乗り場呼びが発生していない階床が検出され、ま
た、乗り場呼び登録装置に登録された乗り場呼びが抹消
される度に、その乗り場呼びが解消された階床が、古い
ものから順に記憶される。そして、「カゴデータ」と
「呼び無しカゴデータ」と「乗り場呼び抹消データ」と
を用いて、最も古く乗り場呼びが抹消された階床から順
に、「呼び無しカゴ」が配置される。その結果、将来発
生するであろう新たな乗り場呼びに素早く応答すること
ができる。
【0064】請求項21に記載の発明は、請求項9に記
載のエレベータ群管理制御装置において、前記呼び無し
カゴ停止位置指示装置が、前記乗り場呼び登録装置に登
録された乗り場呼びが抹消される度に、その乗り場呼び
が解消された階床(方向も含む)を、古いものから順に
記憶しておく乗り場呼び抹消データ記憶装置と、前記
「カゴデータ」と、前記「呼び無しカゴデータ」と、前
記乗り場呼び抹消データ記憶装置に記憶される「乗り場
呼び抹消データ」とを用いて、過去最も新しく乗り場呼
びが抹消された階床から順に、「呼び無しカゴ」を配置
する呼び無しカゴ停止位置決定装置とを備えたことを特
徴とするものである。
【0065】また、請求項36に記載の発明は、上記請
求項21に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項24に記載のエレベータ群管理制御方法に
おいて、前記呼び無しカゴ停止位置指示処理が、前記乗
り場呼び登録処理によって登録された乗り場呼びが抹消
される度に、その乗り場呼びが解消された階床(方向も
含む)を、古いものから順に記憶しておく乗り場呼び抹
消データ記憶ステップと、前記「カゴデータ」と、前記
「呼び無しカゴデータ」と、前記乗り場呼び抹消データ
記憶ステップによって記憶される「乗り場呼び抹消デー
タ」とを用いて、過去最も新しく乗り場呼びが抹消され
た階床から順に、「呼び無しカゴ」を配置する呼び無し
カゴ停止位置決定ステップとを含むことを特徴とするも
のである。
【0066】上記のような構成を有する請求項21に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項36に記載の
エレベータ群管理制御方法では、乗り場呼び登録装置に
登録された乗り場呼びが抹消される度に、その乗り場呼
びが解消された階床が、古いものから順に記憶される。
そして、「カゴデータ」と「呼び無しカゴデータ」と
「乗り場呼び抹消データ」とを用いて、過去最も新しく
乗り場呼びが抹消された階床から順に、「呼び無しカ
ゴ」が配置される。その結果、再び乗り場呼びが発生す
る可能性が低いと考えられる階床に呼び無しカゴを待機
させておくことができるので、呼び無しカゴが他のカゴ
の運行の妨げになることを防止でき、運行効率の向上が
図れる。
【0067】請求項22に記載の発明は、請求項9乃至
請求項21のいずれか一に記載のエレベータ群管理制御
装置において、前記呼び無しカゴ停止位置指示装置が、
前記「呼びデータ」を検索して、呼び状況が変化する度
に、「呼び無しカゴ」の次停止位置を見直すべく指令を
出力する呼び無しカゴ停止位置見直し指示装置を備えた
ことを特徴とするものである。
【0068】また、請求項37に記載の発明は、上記請
求項22に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項24乃至請求項36のいずれか一に記載の
エレベータ群管理制御方法において、前記呼び無しカゴ
停止位置指示処理が、前記「呼びデータ」を検索して、
呼び状況が変化する度に、「呼び無しカゴ」の次停止位
置を見直すべく指令を出力する呼び無しカゴ停止位置見
直し指示ステップを含むことを特徴とするものである。
【0069】上記のような構成を有する請求項22に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項37に記載の
エレベータ群管理制御方法では、「呼びデータ」を検索
して、呼び状況が変化する度に、「呼び無しカゴ」の次
停止位置を見直すべく指令が出力される。その結果、常
に、最新のデータに基づいて、エレベータの群管理制御
を実施することができる。
【0070】(3)第3の目的を解決するための手段 上記の目的を達成するために、請求項38に記載の発明
は、複数の階床に就役する複数の縦横移動可能なカゴ
と、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御装置と、各階床
の乗り場にそれぞれ設置した1個以上の乗り場呼び登録
装置と、前記各カゴの状態を検知するカゴデータ検出装
置とを備えたエレベータシステムに用いられるエレベー
タ群管理制御装置において、前記各カゴ内からのカゴ呼
びと、各カゴに割り当てられている乗り場呼びからなる
「呼びデータ」を記憶する呼びデータ記憶装置と、前記
カゴデータ検出装置によって検出される「カゴデータ」
と、前記呼びデータ記憶装置に記憶されている「呼びデ
ータ」とから、前記各カゴが運行しているシャフトの方
向を推定して、「方向データ」として更新・記憶する方
向データ記憶装置と、前記方向データ記憶装置に記憶さ
れている「方向データ」を入力して、そのシャフトの方
向と同方向のシャフトの個数を検知するシャフト数検出
装置と、前記カゴデータ検出装置によって検出される
「カゴデータ」を用いて、前記各カゴが運行しているシ
ャフトの階床・シャフトを推定し、「シャフトデータ」
として記憶するシャフトデータ記憶装置と、前記シャフ
トデータ記憶装置に記憶されている「シャフトデータ」
を入力して、横行移動中のカゴの有無を検知し、かつ、
そのカゴの横行移動先のシャフトを検知する横行移動先
検出装置と、前記乗り場呼び登録装置に新たに登録され
た「新たな乗り場呼びデータ」と、前記呼びデータ記憶
装置に記憶されている「呼びデータ」と、前記方向デー
タ記憶装置に記憶されている前記各カゴの「方向デー
タ」と、前記シャフトデータ記憶装置に記憶されている
前記各カゴの「シャフトデータ」と、前記シャフト数検
出装置によって検出された前記カゴの運行方向と同方向
のシャフトの個数と、前記横行移動先検出装置によって
検出された横行移動先のシャフトの番号とを入力して、
前記乗り場呼び登録装置に新たに登録された乗り場呼び
に応答するために運行方向を反転させるべきカゴを決定
する反転カゴ決定装置と、前記反転カゴ決定装置で決定
された「反転カゴデータ」と、前記呼びデータ記憶装置
に記憶されている前記各カゴの「呼びデータ」と、前記
乗り場呼び登録装置に新たに登録された「新たな乗り場
呼びデータ」と、前記方向データ記憶装置に記憶されて
いる前記カゴの「方向データ」と、前記カゴデータ検出
装置によって検出される「カゴデータ」とを入力して、
新たな乗り場呼びに応答させるべきカゴを決定すると共
に、前記呼びデータ記憶装置にその情報を新たに記憶さ
せるよう指令を出す割当指令装置と、前記割当指令装置
で決定されたカゴへ運行指令を出力するとともに、その
カゴが前記反転カゴ決定装置で決定されたカゴであるな
らば、そのカゴが運行しているシャフト内に存在する他
のカゴへ新たに運行指令を出力する運行指令装置とを備
えたことを特徴とするものである。
【0071】また、請求項46に記載の発明は、上記請
求項38に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、複数の階床に就役する複数の縦横移動可能なカゴ
と、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御処理と、各階床
の乗り場ごとにそれぞれ実行される乗り場呼び登録処理
と、前記各カゴの状態を検知するカゴデータ検出処理と
を含むエレベータシステムに用いられるエレベータ群管
理制御方法において、前記各カゴ内からのカゴ呼びと、
各カゴに割り当てられている乗り場呼びからなる「呼び
データ」を記憶する呼びデータ記憶処理と、前記カゴデ
ータ検出処理によって検出される「カゴデータ」と、前
記呼びデータ記憶処理によって記憶されている「呼びデ
ータ」とから、前記各カゴが運行しているシャフトの方
向を推定して、「方向データ」として更新・記憶する方
向データ記憶処理と、前記方向データ記憶処理によって
記憶されている「方向データ」を入力して、そのシャフ
トの方向と同方向のシャフトの個数を検知するシャフト
数検出処理と、前記カゴデータ検出処理によって検出さ
れる「カゴデータ」を用いて、前記各カゴが運行してい
るシャフトの階床・シャフトを推定し、「シャフトデー
タ」として記憶するシャフトデータ記憶処理と、前記シ
ャフトデータ記憶処理によって記憶されている「シャフ
トデータ」を入力して、横行移動中のカゴの有無を検知
し、かつ、そのカゴの横行移動先のシャフトを検知する
横行移動先検出処理と、前記乗り場呼び登録処理によっ
て新たに登録された「新たな乗り場呼びデータ」と、前
記呼びデータ記憶処理によって記憶されている「呼びデ
ータ」と、前記方向データ記憶処理によって記憶されて
いる前記各カゴの「方向データ」と、前記シャフトデー
タ記憶処理によって記憶されている前記各カゴの「シャ
フトデータ」と、前記シャフト数検出処理によって検出
された前記カゴの運行方向と同方向のシャフトの個数
と、前記横行移動先検出処理によって検出された横行移
動先のシャフトの番号とを入力して、前記乗り場呼び登
録処理によって新たに登録された乗り場呼びに応答する
ために運行方向を反転させるべきカゴを決定する反転カ
ゴ決定処理と、前記反転カゴ決定処理によって決定され
た「反転カゴデータ」と、前記呼びデータ記憶処理によ
って記憶されている前記各カゴの「呼びデータ」と、前
記乗り場呼び登録処理によって新たに登録された「新た
な乗り場呼びデータ」と、前記方向データ記憶処理によ
って記憶されている前記カゴの「方向データ」と、前記
カゴデータ検出処理によって検出される「カゴデータ」
とを入力して、新たな乗り場呼びに応答させるべきカゴ
を決定すると共に、前記呼びデータ記憶処理工程に新た
にその情報を記憶させるよう指令を出す割当指令処理
と、前記割当指令処理によって決定されたカゴへ運行指
令を出力するとともに、そのカゴが前記反転カゴ決定処
理によって決定されたカゴであるならば、そのカゴが運
行しているシャフト内に存在する他のカゴへ新たに運行
指令を出力する運行指令処理とを含むことを特徴とする
ものである。
【0072】上記のような構成を有する請求項38に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項46に記載の
エレベータ群管理制御方法では、各カゴのカゴ呼びと各
カゴに割り当てられている乗り場呼びからなる「呼びデ
ータ」が記憶され、また、エレベータシステムを構成す
るカゴデータ検出装置によって検出される「カゴデー
タ」と、前記「呼びデータ」とを用いて、各カゴが運行
しているシャフトの方向が推定され、シャフトの「方向
データ」として更新・記憶される。さらに、このシャフ
トの「方向データ」を入力することによって、そのシャ
フトの方向と同方向のシャフトの個数が検知され、ま
た、前記「カゴデータ」を用いて、各カゴが運行してい
る階床・シャフトが推定され、「シャフトデータ」とし
て記憶され、この「シャフトデータ」を入力することに
よって、横行移動中のカゴ及びそのカゴの横行移動先の
シャフトが検知される。
【0073】さらに、「新たな乗り場呼びデータ」と、
「呼びデータ」と、「方向データ」と、「シャフトデー
タ」と、そのカゴの運行方向と同方向のシャフトの個数
と、横行移動先のシャフトの番号とを入力することによ
って、乗り場呼び登録装置に新たに登録された乗り場呼
びに応答するために運行方向を反転させるべき「反転カ
ゴ」が決定され、また、前記「反転カゴデータ」と、
「呼びデータ」と、「新たな乗り場呼びデータ」と、
「方向データ」と、「カゴデータ」とを入力することに
よって、新たな乗り場呼びに応答させるべきカゴが決定
されると共に、その情報を新たに記憶させるよう指令が
出され、また、応答すべきカゴであると決定されたカゴ
へ運行指令が出力されるとともに、そのカゴが「反転カ
ゴ」であるならば、衝突を防止するために、そのカゴが
運行しているシャフト内に存在する他のカゴへ新たに運
行指令が出力される。
【0074】その結果、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、新たな乗り場呼びに応答すべきカゴを決定す
る場合に、シャフトの方向に制限されることなく、新た
な乗り場呼びに応答するためにその運行方向を反転させ
ることができるカゴの有無を検索し、反転可能なカゴが
存在する場合には、その運行方向を随時変更することが
できる。また、反転可能と決定されたカゴをも、「応答
カゴ」の候補として判断の対象とし得るので、新たな乗
り場呼びに対して、迅速な対応が可能となる。
【0075】請求項39に記載の発明は、請求項38に
記載のエレベータ群管理制御装置において、前記反転カ
ゴ決定装置が、各カゴが運行しているシャフトの方向と
新たな乗り場呼びの目的方向とが異方向であるカゴを選
択する異方向カゴ選択部と、前記異方向カゴ選択部にお
いて選択されたカゴの中で、「反転カゴ」として適合す
るか否かの判断が行なわれていないカゴの番号を出力す
る未チェックカゴ選択部と、前記未チェックカゴ選択部
において選択されたカゴについて、乗り場呼びの有無を
検索する乗り場呼び検索部と、前記乗り場呼び検索部に
おいて乗り場呼びがないとされたカゴについて、カゴ呼
びの有無を検索するカゴ呼び検索部と、前記カゴ呼び検
索部においてカゴ呼びがないとされたカゴについて、新
たな乗り場呼びに応答するまでのカゴの移動方向と運行
しているシャフトの方向とが異方向であることを検索す
る移動方向検索部と、前記移動方向検索部において新た
な乗り場呼びに応答するまでのカゴの移動方向と運行し
ているシャフトの方向とが異方向であると検知されたカ
ゴについて、そのカゴが運行しているシャフトの方向と
同方向のシャフトが少なくとも1本以上存在するか否か
を検索するシャフト方向検索部と、前記シャフト方向検
索部においてそのカゴが運行しているシャフトの方向と
同方向のシャフトが少なくとも1本以上存在するカゴに
ついて、そのカゴが運行しているシャフト内に他カゴが
存在するか否かを検索する他カゴ検索部と、前記他カゴ
検索部においてそのカゴが運行しているシャフト内に他
カゴが存在する場合には、その他カゴについて、「乗り
場呼び」と「カゴ呼び」が共にないことを検索する他カ
ゴ呼び検索部と、前記カゴが運行しているシャフトを横
行移動先としている横行移動中のカゴの有無を検索する
横行移動検索部と、前記横行移動検索部において前記カ
ゴが運行しているシャフトを横行移動先としている横行
移動中のカゴが存在しないならば、そのカゴを運行方向
の反転が可能なカゴとして記憶し、出力する反転カゴ記
憶部と、前記異方向カゴ選択部において選択されたカゴ
の中で、「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行
なわれていないカゴの番号を未チェックカゴ選択部に出
力するチェック終了識別部と、前記反転カゴ記憶部に記
憶されている運行方向の反転が可能なカゴの番号を入力
して、前記割当指令装置に出力する反転カゴ指定部とを
備えたことを特徴とするものである。
【0076】また、請求項47に記載の発明は、上記請
求項39に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項46に記載のエレベータ群管理制御方法に
おいて、前記反転カゴ決定処理が、各カゴが運行してい
るシャフトの方向と新たな乗り場呼びの目的方向とが異
方向であるカゴを選択する異方向カゴ選択ステップと、
前記異方向カゴ選択ステップによって選択されたカゴの
中で、「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行な
われていないカゴの番号を出力する未チェックカゴ選択
ステップと、前記未チェックカゴ選択ステップによって
選択されたカゴについて、乗り場呼びの有無を検索する
乗り場呼び検索ステップと、前記乗り場呼び検索ステッ
プによって乗り場呼びがないとされたカゴについて、カ
ゴ呼びの有無を検索するカゴ呼び検索ステップと、前記
カゴ呼び検索ステップによってカゴ呼びがないとされた
カゴについて、新たな乗り場呼びに応答するまでのカゴ
の移動方向と運行しているシャフトの方向とが異方向で
あることを検索する移動方向検索ステップと、前記移動
方向検索ステップによって新たな乗り場呼びに応答する
までのカゴの移動方向と運行しているシャフトの方向と
が異方向であると検知されたカゴについて、そのカゴが
運行しているシャフトの方向と同方向のシャフトが少な
くとも1本以上存在するか否かを検索するシャフト方向
検索ステップと、前記シャフト方向検索ステップによっ
てそのカゴが運行しているシャフトの方向と同方向のシ
ャフトが少なくとも1本以上存在するとされたカゴにつ
いて、そのカゴが運行しているシャフト内に他カゴが存
在するか否かを検索する他カゴ検索ステップと、前記他
カゴ検索ステップによってそのカゴが運行しているシャ
フト内に他カゴが存在するとされた場合には、その他カ
ゴについて、「乗り場呼び」と「カゴ呼び」が共にない
ことを検索する他カゴ呼び検索ステップと、前記カゴが
運行しているシャフトを横行移動先としている横行移動
中のカゴの有無を検索する横行移動検索ステップと、前
記横行移動検索ステップによって前記カゴが運行してい
るシャフトを横行移動先としている横行移動中のカゴが
存在しないとされた場合には、そのカゴを運行方向の反
転が可能なカゴとして記憶し、出力する反転カゴ記憶ス
テップと、前記異方向カゴ選択ステップによって選択さ
れたカゴの中で、「反転カゴ」として適合するか否かの
判断が行なわれていないカゴの番号を未チェックカゴ選
択ステップに出力するチェック終了識別ステップと、前
記反転カゴ記憶ステップによって記憶されている運行方
向の反転が可能なカゴの番号を入力して、前記割当指令
処理工程に出力する反転カゴ指定ステップとを含むこと
を特徴とするものである。
【0077】上記のような構成を有する請求項39に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項47に記載の
エレベータ群管理制御方法では、シャフトの方向と新た
な乗り場呼びの目的方向とが異方向であるカゴが選択さ
れ、それらのカゴの中で「反転カゴ」として適合するか
否かのチェックが行なわれていないカゴが「検索対象カ
ゴ」として選択され、そのカゴの乗り場呼びの有無が検
索され、乗り場呼びがないとされた場合には、カゴ呼び
の有無が検索される。そして、カゴ呼びないとされた場
合には、新たな乗り場呼びに応答するまでのカゴの移動
方向とそのカゴが運行しているシャフトの方向とが異方
向であるか否かが検索され、異方向である場合には、そ
のカゴが運行しているシャフトの方向と同方向のシャフ
トが存在するか否かが検索される。
【0078】次に、そのカゴが運行しているシャフト内
に他カゴが存在するか否かが検索され、他カゴが存在す
る場合には、さらに、その他カゴに乗り場呼びとカゴ呼
びがあるか否かがを検索され、これらの呼びがともにな
ければ、そのカゴが運行しているシャフトを横行移動先
としている横行移動中のカゴが存在するか否かが検索さ
れ、存在しない場合には、そのカゴが運行方向を反転す
ることが可能なカゴとして記憶され、出力される。ま
た、「反転カゴ」として適合するか否かの判断がなされ
ていないカゴがある場合には、そのカゴ番号が出力され
る。
【0079】その結果、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、新たな乗り場呼びに応答すべきカゴを決定す
る場合に、シャフトの方向に制限されることなく、新た
な乗り場呼びに応答する前にその運行方向を反転させる
ことができるカゴの有無を検索し、反転可能なカゴが存
在する場合には、その運行方向を随時変更することがで
きる。また、反転可能と決定されたカゴをも、「応答カ
ゴ」の候補として判断の対象とし得るので、新たな乗り
場呼びに対して、迅速な対応が可能となる。
【0080】請求項40に記載の発明は、請求項38に
記載のエレベータ群管理制御装置において、前記反転カ
ゴ決定装置が、各カゴが運行しているシャフトの方向と
新たな乗り場呼びの目的方向とが異方向であるカゴを選
択する異方向カゴ選択部と、前記異方向カゴ選択部にお
いて選択されたカゴの中で、「反転カゴ」として適合す
るか否かの判断が行なわれていないカゴの番号を出力す
る未チェックカゴ選択部と、前記未チェックカゴ選択部
において選択されたカゴについて、乗り場呼びの有無を
検索する乗り場呼び検索部と、前記乗り場呼び検索部に
おいて乗り場呼びがないとされたカゴについて、カゴ呼
びの有無を検索するカゴ呼び検索部と、前記カゴ呼び検
索部においてカゴ呼びがあるとされたカゴについて、そ
のカゴ呼びが新たな乗り場呼びまでの途中の階床にある
か否かを検索するカゴ呼び位置検索部と、前記カゴ呼び
検索部においてカゴ呼びがないとされたカゴについて、
新たな乗り場呼びに応答するまでのカゴの移動方向と運
行しているシャフトの方向とが同方向であることを検索
する移動方向検索部と、前記移動方向検索部において新
たな乗り場呼びに応答するまでのカゴの移動方向とその
カゴが運行しているシャフトの方向とが同方向であると
検知されたカゴについて、そのカゴが運行しているシャ
フトの方向と同方向のシャフトが少なくとも1本以上存
在するか否かを検索するシャフト方向検索部と、前記シ
ャフト方向検索部においてそのカゴが運行しているシャ
フトの方向と同方向のシャフトが少なくとも1本以上存
在するカゴについて、そのカゴが運行しているシャフト
内に他カゴが存在するか否かを検索する他カゴ検索部
と、前記他カゴ検索部においてそのカゴが運行している
シャフト内に他カゴが存在する場合には、その他カゴに
ついて、「乗り場呼び」と「カゴ呼び」が共にないこと
を検索する他カゴ呼び検索部と、前記カゴが運行してい
るシャフトを横行移動先としている横行移動中のカゴの
有無を検索する横行移動検索部と、前記横行移動検索部
において前記カゴが運行しているシャフトを横行移動先
としている横行移動中のカゴが存在しないならば、その
カゴを運行方向の反転が可能なカゴとして記憶し、出力
する反転カゴ記憶部と、前記異方向カゴ選択部において
選択されたカゴの中で、「反転カゴ」として適合するか
否かの判断が行なわれていないカゴの番号を未チェック
カゴ選択部に出力するチェック終了識別部と、前記反転
カゴ記憶部に記憶されている運行方向の反転が可能なカ
ゴの番号を入力して、前記割当指令装置に出力する反転
カゴ指定部とを備えたことを特徴とするものである。
【0081】また、請求項48に記載の発明は、上記請
求項40に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項46に記載のエレベータ群管理制御方法に
おいて、前記反転カゴ決定処理が、各カゴが運行してい
るシャフトの方向と新たな乗り場呼びの目的方向とが異
方向であるカゴを選択する異方向カゴ選択ステップと、
前記異方向カゴ選択ステップにおいて選択されたカゴの
中で、「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行な
われていないカゴの番号を出力する未チェックカゴ選択
ステップと、前記未チェックカゴ選択ステップにおいて
選択されたカゴについて、乗り場呼びの有無を検索する
乗り場呼び検索ステップと、前記乗り場呼び検索ステッ
プにおいて乗り場呼びがないとされたカゴについて、カ
ゴ呼びの有無を検索するカゴ呼び検索ステップと、前記
カゴ呼び検索ステップにおいてカゴ呼びがあるとされた
カゴについて、そのカゴ呼びが新たな乗り場呼びまでの
途中の階床にあるか否かを検索するカゴ呼び位置検索ス
テップと、前記カゴ呼び検索ステップにおいてカゴ呼び
がないとされたカゴについて、新たな乗り場呼びに応答
するまでのカゴの移動方向と運行しているシャフトの方
向とが同方向であることを検索する移動方向検索ステッ
プと、前記移動方向検索ステップにおいて新たな乗り場
呼びに応答するまでのカゴの移動方向とそのカゴが運行
しているシャフトの方向とが同方向であると検知された
カゴについて、そのカゴが運行しているシャフトの方向
と同方向のシャフトが少なくとも1本以上存在するか否
かを検索するシャフト方向検索ステップと、前記シャフ
ト方向検索ステップにおいてそのカゴが運行しているシ
ャフトの方向と同方向のシャフトが少なくとも1本以上
存在するカゴについて、そのカゴが運行しているシャフ
ト内に他カゴが存在するか否かを検索する他カゴ検索ス
テップと、前記他カゴ検索ステップにおいてそのカゴが
運行しているシャフト内に他カゴが存在する場合には、
その他カゴについて、「乗り場呼び」と「カゴ呼び」が
共にないことを検索する他カゴ呼び検索ステップと、前
記カゴが運行しているシャフトを横行移動先としている
横行移動中のカゴの有無を検索する横行移動検索ステッ
プと、前記横行移動検索ステップにおいて前記カゴが運
行しているシャフトを横行移動先としている横行移動中
のカゴが存在しないとされた場合には、そのカゴを運行
方向の反転が可能なカゴとして記憶し、出力する反転カ
ゴ記憶ステップと、前記異方向カゴ選択ステップにおい
て選択されたカゴの中で、「反転カゴ」として適合する
か否かの判断が行なわれていないカゴの番号を未チェッ
クカゴ選択ステップに出力するチェック終了識別ステッ
プと、前記反転カゴ記憶ステップに記憶されている運行
方向の反転が可能なカゴの番号を入力して、前記割当指
令処理工程に出力する反転カゴ指定ステップとを含むこ
とを特徴とするものである。
【0082】上記のような構成を有する請求項40に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項48に記載の
エレベータ群管理制御方法では、シャフトの方向と新た
な乗り場呼びの目的方向とが異方向であるカゴが選択さ
れ、それらのカゴの中で「反転カゴ」として適合するか
否かのチェックが行なわれていないカゴが「検索対象カ
ゴ」として選択され、そのカゴの乗り場呼びの有無が検
索され、乗り場呼びがないとされた場合には、カゴ呼び
の有無が検索される。そして、カゴ呼びがあるとされた
場合には、そのカゴ呼びが新たな乗り場呼びまでの途中
の階床にあるか否かが検索され、一方、カゴ呼びないと
された場合には、新たな乗り場呼びに応答するまでのカ
ゴの移動方向とそのカゴが運行しているシャフトの方向
とが同方向であるか否かが検索され、同方向である場合
には、そのカゴが運行しているシャフトの方向と同方向
のシャフトが存在するか否かが検索される。
【0083】次に、そのカゴが運行しているシャフト内
に他カゴが存在するか否かが検索され、他カゴが存在す
る場合には、さらに、その他カゴに乗り場呼びとカゴ呼
びがあるか否かがを検索され、これらの呼びがともにな
ければ、そのカゴが運行しているシャフトを横行移動先
としている横行移動中のカゴが存在するか否かが検索さ
れ、存在しない場合には、そのカゴが運行方向を反転す
ることが可能なカゴとして記憶され、出力される。ま
た、「反転カゴ」として適合するか否かの判断がなされ
ていないカゴがある場合には、そのカゴ番号が出力され
る。
【0084】その結果、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、新たな乗り場呼びに応答すべきカゴを決定す
る場合に、シャフトの方向に制限されることなく、新た
な乗り場呼びに応答した後にその運行方向を反転させる
ことができるカゴの有無を検索し、反転可能なカゴが存
在する場合には、その運行方向を随時変更することがで
きる。また、反転可能と決定されたカゴをも、「応答カ
ゴ」の候補として判断の対象とし得るので、新たな乗り
場呼びに対して、迅速な対応が可能となる。
【0085】請求項41に記載の発明は、複数の階床に
就役する複数の縦横移動可能なカゴと、そのカゴの運行
を司るカゴ運行制御装置と、各階床の乗り場にそれぞれ
設置した1個以上の乗り場呼び登録装置と、前記各カゴ
の状態を検知するカゴデータ検出装置とを備えたエレベ
ータシステムに用いられるエレベータ群管理制御装置に
おいて、前記各カゴ内からのカゴ呼びと、各カゴに割り
当てられている乗り場呼びからなる「呼びデータ」を記
憶する呼びデータ記憶装置と、前記カゴデータ検出装置
によって検出される「カゴデータ」と、前記呼びデータ
記憶装置に記憶されている「呼びデータ」とから、前記
各カゴが運行しているシャフトの方向を推定して、「方
向データ」として更新・記憶する方向データ記憶装置
と、前記カゴデータ検出装置によって検出される「カゴ
データ」を用いて、前記各カゴが運行しているシャフト
の階床・シャフトを推定し、「シャフトデータ」として
記憶するシャフトデータ記憶装置と、各カゴの運行すべ
き経路を記憶する経路データ記憶装置と、前記方向デー
タ記憶装置に記憶されている各カゴごとのシャフトの
「方向データ」と、前記シャフトデータ記憶装置に記憶
されている各カゴが運行しているシャフトの「シャフト
データ」と、前記経路データ記憶装置に記憶されている
各カゴの運行すべき経路の「経路データ」とを入力し
て、シャフトごとに各横行階に最もはやく到着するカゴ
を予測する横行階到着予測装置と、前記シャフトデータ
記憶装置に記憶されている「シャフトデータ」を入力し
て、横行移動中のカゴの有無を検知し、かつ、そのカゴ
の横行移動先のシャフトを検知する横行移動先検出装置
と、前記乗り場呼び登録装置に新たに登録された「新た
な乗り場呼びデータ」と、前記呼びデータ記憶装置に記
憶されている「呼びデータ」と、前記方向データ記憶装
置に記憶されている前記各カゴの「方向データ」と、前
記シャフトデータ記憶装置に記憶されている前記各カゴ
の「シャフトデータ」と、前記経路データ記憶装置に記
憶されている各カゴの運行すべき「経路データ」と、前
記横行階到着予測装置によって予測される横行階に最も
はやく到着するカゴ番号と、前記横行移動先検出装置に
よって検出された横行移動先のシャフトの番号とを入力
して、前記乗り場呼び登録装置に新たに登録された乗り
場呼びに応答するために運行方向を反転させるべきカゴ
を決定する反転カゴ決定装置と、前記反転カゴ決定装置
で決定された「反転カゴデータ」と、前記呼びデータ記
憶装置に記憶されている前記各カゴの「呼びデータ」
と、前記乗り場呼び登録装置に新たに登録された「新た
な乗り場呼びデータ」と、前記方向データ記憶装置に記
憶されている前記カゴの「方向データ」と、前記カゴデ
ータ検出装置によって検出される「カゴデータ」と、前
記経路データ記憶装置に記憶されている各カゴの運行す
べき「経路データ」とを入力して、新たな乗り場呼びに
応答させるべきカゴを決定すると共に、前記呼びデータ
記憶装置にその情報を新たに記憶させるよう指令を出す
割当指令装置と、前記割当指令装置で決定されたカゴへ
運行指令を出力するとともに、そのカゴが前記反転カゴ
決定装置で決定されたカゴであるならば、そのカゴが運
行しているシャフト内に存在する他のカゴへ新たに運行
指令を出力する運行指令装置とを備えたことを特徴とす
るものである。
【0086】また、請求項49に記載の発明は、上記請
求項41に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、複数の階床に就役する複数の縦横移動可能なカゴ
と、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御処理と、各階床
の乗り場ごとにそれぞれ実行される乗り場呼び登録処理
と、前記各カゴの状態を検知するカゴデータ検出処理と
を含むエレベータシステムに用いられるエレベータ群管
理制御方法において、前記各カゴ内からのカゴ呼びと、
各カゴに割り当てられている乗り場呼びからなる「呼び
データ」を記憶する呼びデータ記憶処理と、前記カゴデ
ータ検出処理によって検出される「カゴデータ」と、前
記呼びデータ記憶処理によって記憶されている「呼びデ
ータ」とから、前記各カゴが運行しているシャフトの方
向を推定して、「方向データ」として更新・記憶する方
向データ記憶処理と、前記カゴデータ検出処理によって
検出される「カゴデータ」を用いて、前記各カゴが運行
しているシャフトの階床・シャフトを推定し、「シャフ
トデータ」として記憶するシャフトデータ記憶処理と、
各カゴの運行すべき経路を記憶する経路データ記憶処理
と、前記方向データ記憶処理によって記憶されている各
カゴごとのシャフトの「方向データ」と、前記シャフト
データ記憶処理によって記憶されている各カゴが運行し
ているシャフトの「シャフトデータ」と、前記経路デー
タ記憶処理によって記憶されている各カゴの運行すべき
経路の「経路データ」とを入力して、シャフトごとに各
横行階に最もはやく到着するカゴを予測する横行階到着
予測処理と、前記シャフトデータ記憶処理によって記憶
されている「シャフトデータ」を入力して、横行移動中
のカゴの有無を検知し、かつ、そのカゴの横行移動先の
シャフトを検知する横行移動先検出処理と、前記乗り場
呼び登録処理によって新たに登録された「新たな乗り場
呼びデータ」と、前記呼びデータ記憶処理によって記憶
されている「呼びデータ」と、前記方向データ記憶処理
によって記憶されている前記各カゴの「方向データ」
と、前記シャフトデータ記憶処理によって記憶されてい
る前記各カゴの「シャフトデータ」と、前記経路データ
記憶処理によって記憶されている各カゴの運行すべき
「経路データ」と、前記横行階到着予測処理によって予
測される横行階に最もはやく到着するカゴ番号と、前記
横行移動先検出処理によって検出された横行移動先のシ
ャフトの番号とを入力して、前記乗り場呼び登録処理に
よって新たに登録された乗り場呼びに応答するために運
行方向を反転させるべきカゴを決定する反転カゴ決定処
理と、前記反転カゴ決定処理によって決定された「反転
カゴデータ」と、前記呼びデータ記憶処理によって記憶
されている前記各カゴの「呼びデータ」と、前記乗り場
呼び登録処理によって新たに登録された「新たな乗り場
呼びデータ」と、前記方向データ記憶処理によって記憶
されている前記カゴの「方向データ」と、前記カゴデー
タ検出処理によって検出される「カゴデータ」と、前記
経路データ記憶処理によって記憶されている各カゴの運
行すべき「経路データ」とを入力して、新たな乗り場呼
びに応答させるべきカゴを決定すると共に、前記呼びデ
ータ記憶処理工程に新たにその情報を記憶させるよう指
令を出す割当指令処理と、前記割当指令処理によって決
定されたカゴへ運行指令を出力するとともに、そのカゴ
が前記反転カゴ決定処理によって決定されたカゴである
ならば、そのカゴが運行しているシャフト内に存在する
他のカゴへ新たに運行指令を出力する運行指令処理とを
含むことを特徴とするものである。
【0087】上記のような構成を有する請求項41に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項49に記載の
エレベータ群管理制御方法では、各カゴのカゴ呼びと各
カゴに割り当てられている乗り場呼びからなる「呼びデ
ータ」が記憶され、また、エレベータシステムを構成す
るカゴデータ検出装置によって検出される「カゴデー
タ」と、前記「呼びデータ」とを用いて、各カゴが運行
しているシャフトの方向が推定され、シャフトの「方向
データ」として更新・記憶される。さらに、各カゴの運
行すべき経路が記憶され、前記「方向データ」と、「シ
ャフトデータ」と、「経路データ」とを入力することに
よって、シャフトごとに各横行階に最もはやく到着する
カゴが予測される。
【0088】また、前記「カゴデータ」を用いて、各カ
ゴが運行している階床・シャフトが推定され、「シャフ
トデータ」として記憶され、この「シャフトデータ」を
入力することによって、横行移動中のカゴ及びそのカゴ
の横行移動先のシャフトが検知され、さらに、「新たな
乗り場呼びデータ」と、「呼びデータ」と、「方向デー
タ」と、「シャフトデータ」と、「経路データ」と、各
横行階に最もはやく到着するカゴの番号と、横行移動先
のシャフトの番号とを入力することによって、乗り場呼
び登録装置に新たに登録された乗り場呼びに応答するた
めに運行方向を反転させるべき「反転カゴ」が決定され
る。
【0089】また、前記「反転カゴデータ」と、「呼び
データ」と、「新たな乗り場呼びデータ」と、「方向デ
ータ」と、「カゴデータ」と、「経路データ」とを入力
することによって、新たな乗り場呼びに応答させるべき
カゴが決定されると共に、その情報を新たに記憶させる
よう指令が出され、また、応答すべきカゴであると決定
されたカゴへ運行指令が出力されるとともに、そのカゴ
が「反転カゴ」であるならば、衝突を防止するために、
そのカゴが運行しているシャフト内に存在する他のカゴ
へ新たに運行指令が出力される。
【0090】その結果、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、新たな乗り場呼びに応答すべきカゴを決定す
る場合に、シャフトの方向に制限されることなく、新た
な乗り場呼びに応答するためにその運行方向を反転させ
ることができるカゴの有無を検索し、反転可能なカゴが
存在する場合には、その運行方向を随時変更することが
できる。
【0091】また、検索対象となっているカゴが新たな
乗り場呼びに応答する場合に、同一のシャフト内に他の
カゴが存在する場合であっても、そのカゴが横行移動す
るものであるか否かなどを検索することによって、両カ
ゴが衝突する可能性があるか否かをも判断することがで
きるので、運行方向を変更する場合の安全性が担保され
る。さらに、反転可能と決定されたカゴをも、「応答カ
ゴ」の候補として判断の対象とし得るので、新たな乗り
場呼びに対して、迅速な対応が可能となる。
【0092】請求項42に記載の発明は、請求項41に
記載のエレベータ群管理制御装置において、前記反転カ
ゴ決定装置が、各カゴが運行しているシャフトの方向と
新たな乗り場呼びの目的方向とが異方向であるカゴを選
択する異方向カゴ選択部と、前記異方向カゴ選択部にお
いて選択されたカゴの中で、「反転カゴ」として適合す
るか否かの判断が行なわれていないカゴの番号を出力す
る未チェックカゴ選択部と、前記未チェックカゴ選択部
において選択されたカゴについて、乗り場呼びの有無を
検索する乗り場呼び検索部と、前記乗り場呼び検索部に
おいて乗り場呼びがないとされたカゴについて、カゴ呼
びの有無を検索するカゴ呼び検索部と、前記カゴ呼び検
索部においてカゴ呼びがないとされたカゴについて、新
たな乗り場呼びに応答するまでのカゴの移動方向と運行
しているシャフトの方向とが異方向であることを検索す
る移動方向検索部と、前記カゴが運行しているシャフト
内において、そのカゴが現在いる階床から新たな乗り場
呼びの目的方向と同方向側にある階床に他カゴが存在す
るか否かを検索する他カゴ検索部と、前記他カゴ検索部
において検索された他カゴが、新たな乗り場呼びの目的
方向と同方向に運行しているか否かを検索する他カゴ方
向検索部と、前記カゴと他カゴとの間に横行階が存在す
るか否かを検索する横行階検索部と、前記横行階検索部
において前記カゴと他カゴとの間に横行階が存在すると
された場合に、そのカゴが新たな乗り場呼びに応答する
ための経路と前記他カゴの経路とが交錯するか否かを検
索する経路交錯検索部と、前記経路交錯検索部において
そのカゴが新たな乗り場呼びに応答するための経路と前
記他カゴの経路とが交錯するとされた場合に、他カゴの
経路が前記横行階で横行移動するものであるか否かを検
索する横行移動経路検索部と、前記横行移動経路検索部
における検索結果と、前記横行階到着予測装置で予測さ
れた各横行階に最もはやく到着するカゴ番号とから、前
記横行階に最もはやく到着するカゴを検索する横行階到
着カゴ検索部と、前記カゴが新たな乗り場呼びに応答す
るために運行すべきシャフトを横行移動先としている横
行移動中の他カゴが存在するか否かを検索する横行移動
検索部と、前記横行移動検索部において検索された他カ
ゴの横行移動後の運行方向が、新たな乗り場呼びの目的
方向と同方向であるか否かを検索する横行移動後方向検
索部と、前記横行移動後方向検索部において他カゴの横
行移動後の運行方向が、新たな乗り場呼びの目的方向と
同方向であるとされた場合に、前記カゴを運行方向の反
転が可能なカゴとして記憶し、出力する反転カゴ記憶部
と、前記異方向カゴ選択部において選択されたカゴの中
で、「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行なわ
れていないカゴの番号を未チェックカゴ選択部に出力す
るチェック終了識別部と、前記反転カゴ記憶部に記憶さ
れている運行方向の反転が可能なカゴの番号を入力し
て、前記割当指令装置に出力する反転カゴ指定部とを備
えたことを特徴とするものである。
【0093】また、請求項50に記載の発明は、上記請
求項42に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項49に記載のエレベータ群管理制御方法に
おいて、前記反転カゴ決定処理が、各カゴが運行してい
るシャフトの方向と新たな乗り場呼びの目的方向とが異
方向であるカゴを選択する異方向カゴ選択ステップと、
前記異方向カゴ選択ステップにおいて選択されたカゴの
中で、「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行な
われていないカゴの番号を出力する未チェックカゴ選択
ステップと、前記未チェックカゴ選択ステップにおいて
選択されたカゴについて、乗り場呼びの有無を検索する
乗り場呼び検索ステップと、前記乗り場呼び検索ステッ
プにおいて乗り場呼びがないとされたカゴについて、カ
ゴ呼びの有無を検索するカゴ呼び検索ステップと、前記
カゴ呼び検索ステップにおいてカゴ呼びがないとされた
カゴについて、新たな乗り場呼びに応答するまでのカゴ
の移動方向と運行しているシャフトの方向とが異方向で
あることを検索する移動方向検索ステップと、前記カゴ
が運行しているシャフト内において、そのカゴが現在い
る階床から新たな乗り場呼びの目的方向と同方向側にあ
る階床に他カゴが存在するか否かを検索する他カゴ検索
ステップと、前記他カゴ検索ステップにおいて検索され
た他カゴが、新たな乗り場呼びの目的方向と同方向に運
行しているか否かを検索する他カゴ方向検索ステップ
と、前記カゴと他カゴとの間に横行階が存在するか否か
を検索する横行階検索ステップと、前記横行階検索ステ
ップにおいて前記カゴと他カゴとの間に横行階が存在す
るとされた場合に、そのカゴが新たな乗り場呼びに応答
するための経路と前記他カゴの経路とが交錯するか否か
を検索する経路交錯検索ステップと、前記経路交錯検索
ステップにおいてそのカゴが新たな乗り場呼びに応答す
るための経路と前記他カゴの経路とが交錯するとされた
場合に、他カゴの経路が前記横行階で横行移動するもの
であるか否かを検索する横行移動経路検索ステップと、
前記横行移動経路検索ステップにおける検索結果と、前
記横行階到着予測処理によって予測された各横行階に最
もはやく到着するカゴ番号とから、前記横行階に最もは
やく到着するカゴを検索する横行階到着カゴ検索ステッ
プと、前記カゴが新たな乗り場呼びに応答するために運
行すべきシャフトを横行移動先としている横行移動中の
他カゴが存在するか否かを検索する横行移動検索ステッ
プと、前記横行移動検索ステップにおいて検索された他
カゴの横行移動後の運行方向が、新たな乗り場呼びの目
的方向と同方向であるか否かを検索する横行移動後方向
検索ステップと、前記横行移動後方向検索ステップにお
いて他カゴの横行移動後の運行方向が、新たな乗り場呼
びの目的方向と同方向であるとされた場合に、前記カゴ
を運行方向の反転が可能なカゴとして記憶し、出力する
反転カゴ記憶ステップと、前記異方向カゴ選択ステップ
において選択されたカゴの中で、「反転カゴ」として適
合するか否かの判断が行なわれていないカゴの番号を未
チェックカゴ選択ステップに出力するチェック終了識別
ステップと、前記反転カゴ記憶ステップによって記憶さ
れている運行方向の反転が可能なカゴの番号を入力し
て、前記割当指令処理工程に出力する反転カゴ指定ステ
ップとを含むことを特徴とするものである。
【0094】上記のような構成を有する請求項42に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項50に記載の
エレベータ群管理制御方法では、シャフトの方向と新た
な乗り場呼びの目的方向とが異方向であるカゴが選択さ
れ、それらのカゴの中で「反転カゴ」として適合するか
否かのチェックが行なわれていないカゴが「検索対象カ
ゴ」として選択され、そのカゴの乗り場呼びの有無が検
索され、乗り場呼びがないとされた場合には、カゴ呼び
の有無が検索される。そして、カゴ呼びないとされた場
合には、新たな乗り場呼びに応答するまでのカゴの移動
方向とそのカゴが運行しているシャフトの方向とが異方
向であるか否かが検索される。そして、異方向である場
合には、そのカゴが運行しているシャフト内において、
そのカゴが現在いる階床から新たな乗り場呼びの目的方
向と同方向側にある階床に他カゴが存在するか否かが検
索され、そのような他カゴが存在する場合には、その他
カゴが、新たな乗り場呼びの目的方向と同方向に運行し
ているか否かが検索される。
【0095】そして、その他カゴが、新たな乗り場呼び
の目的方向と同方向に運行していない場合には、検索対
象カゴと他カゴとの間に横行階が存在するか否かが検索
され、横行階が存在するとされた場合には、そのカゴが
新たな乗り場呼びに応答するための経路と前記他カゴの
経路とが交錯するか否かが検索され、交錯するとされた
場合には、その他カゴの経路が前記横行階で横行移動す
るものであるか否かが検索され、さらに、その他カゴが
前記横行階に最もはやく到着するカゴであるか否かが検
索される。
【0096】一方、検索対象カゴが現在いる階床から新
たな乗り場呼びの目的方向と同方向側にある階床に他カ
ゴが存在しない場合には、そのカゴが新たな乗り場呼び
に応答するために運行すべきシャフトを横行移動先とし
ている横行移動中の他カゴが存在するか否かが検索さ
れ、存在しない場合には、そのカゴが運行方向を反転す
ることが可能なカゴとして記憶され、出力される。存在
する場合には、横行移動後の他カゴの運行方向が新たな
乗り場呼びの目的方向と同方向か否かが検索され、同方
向である場合には、検索対象カゴが運行方向を反転する
ことが可能なカゴとして記憶され、出力される。また、
「反転カゴ」として適合するか否かの判断がなされてい
ないカゴがある場合には、そのカゴ番号が出力される。
【0097】その結果、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、新たな乗り場呼びに応答すべきカゴを決定す
る場合に、シャフトの方向に制限されることなく、新た
な乗り場呼びに応答する前にその運行方向を反転させる
ことができるカゴの有無を検索し、反転可能なカゴが存
在する場合には、その運行方向を随時変更することがで
きる。
【0098】また、検索対象となっているカゴが新たな
乗り場呼びに応答する場合に、同一のシャフト内に他の
カゴが存在する場合であっても、そのカゴが横行移動す
るものであるか否かなどを検索することによって、両カ
ゴが衝突する可能性があるか否かをも判断することがで
きるので、運行方向を変更する場合の安全性が担保され
る。さらに、反転可能と決定されたカゴをも、「応答カ
ゴ」の候補として判断の対象とし得るので、新たな乗り
場呼びに対して、迅速な対応が可能となる。
【0099】請求項43に記載の発明は、請求項41に
記載のエレベータ群管理制御装置において、前記反転カ
ゴ決定装置が、各カゴが運行しているシャフトの方向と
新たな乗り場呼びの目的方向とが異方向であるカゴを選
択する異方向カゴ選択部と、前記異方向カゴ選択部にお
いて選択されたカゴの中で、「反転カゴ」として適合す
るか否かの判断が行なわれていないカゴの番号を出力す
る未チェックカゴ選択部と、前記未チェックカゴ選択部
において選択されたカゴについて、乗り場呼びの有無を
検索する乗り場呼び検索部と、前記乗り場呼び検索部に
おいて乗り場呼びがないとされたカゴについて、カゴ呼
びの有無を検索するカゴ呼び検索部と、前記カゴ呼び検
索部においてカゴ呼びがあるとされたカゴについて、そ
のカゴ呼びが新たな乗り場呼びまでの途中の階床にある
か否かを検索するカゴ呼び位置検索部と、前記カゴ呼び
検索部においてカゴ呼びがないとされたカゴについて、
新たな乗り場呼びに応答するまでのカゴの移動方向と運
行しているシャフトの方向とが同方向であることを検索
する移動方向検索部と、前記カゴが運行しているシャフ
ト内において、そのカゴが現在いる階床から新たな乗り
場呼びの目的方向と同方向側にある階床に他カゴが存在
するか否かを検索する他カゴ検索部と、前記他カゴ検索
部において検索された他カゴが、新たな乗り場呼びの目
的方向と同方向に運行しているか否かを検索する他カゴ
方向検索部と、前記カゴと他カゴとの間に横行階が存在
するか否かを検索する横行階検索部と、前記横行階検索
部において前記カゴと他カゴとの間に横行階が存在する
とされた場合に、そのカゴが新たな乗り場呼びに応答し
た後の経路と前記他カゴの経路とが交錯するか否かを検
索する経路交錯検索部と、前記経路交錯検索部において
そのカゴが新たな乗り場呼びに応答した後の経路と前記
他カゴの経路とが交錯するとされた場合に、他カゴの経
路が前記横行階で横行移動するものであるか否かを検索
する横行移動経路検索部と、前記横行移動経路検索部に
おける検索結果と、前記横行階到着予測装置で予測され
た各横行階に最もはやく到着するカゴ番号とから、前記
横行階に最もはやく到着するカゴを検索する横行階到着
カゴ検索部と、前記カゴが新たな乗り場呼びに応答する
ために運行すべきシャフトを横行移動先としている横行
移動中の他カゴが存在するか否かを検索する横行移動検
索部と、前記横行移動検索部において検索された他カゴ
の横行移動後の運行方向が、新たな乗り場呼びの目的方
向と異方向であるか否かを検索する横行移動後方向検索
部と、前記カゴが運行しているシャフト内において、そ
のカゴが現在いる階床と新たな乗り場呼びとの間にある
階床に他カゴが存在するか否かを検索する階床間他カゴ
検索部と、前記階床間他カゴ検索部において他カゴが存
在しないとされた場合に、前記カゴを運行方向の反転が
可能なカゴとして記憶し、出力する反転カゴ記憶部と、
前記異方向カゴ選択部において選択されたカゴの中で、
「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行なわれて
いないカゴの番号を未チェックカゴ選択部に出力するチ
ェック終了識別部と、前記反転カゴ記憶部に記憶されて
いる運行方向の反転が可能なカゴの番号を入力して、前
記割当指令装置に出力する反転カゴ指定部とを備えたこ
とを特徴とするものである。
【0100】また、請求項51に記載の発明は、上記請
求項43に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項49に記載のエレベータ群管理制御方法に
おいて、前記反転カゴ決定処理が、各カゴが運行してい
るシャフトの方向と新たな乗り場呼びの目的方向とが異
方向であるカゴを選択する異方向カゴ選択ステップと、
前記異方向カゴ選択ステップにおいて選択されたカゴの
中で、「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行な
われていないカゴの番号を出力する未チェックカゴ選択
ステップと、前記未チェックカゴ選択ステップにおいて
選択されたカゴについて、乗り場呼びの有無を検索する
乗り場呼び検索ステップと、前記乗り場呼び検索ステッ
プにおいて乗り場呼びがないとされたカゴについて、カ
ゴ呼びの有無を検索するカゴ呼び検索ステップと、前記
カゴ呼び検索ステップにおいてカゴ呼びがあるとされた
カゴについて、そのカゴ呼びが新たな乗り場呼びまでの
途中の階床にあるか否かを検索するカゴ呼び位置検索ス
テップと、前記カゴ呼び検索ステップにおいてカゴ呼び
がないとされたカゴについて、新たな乗り場呼びに応答
するまでのカゴの移動方向と運行しているシャフトの方
向とが同方向であることを検索する移動方向検索ステッ
プと、前記カゴが運行しているシャフト内において、そ
のカゴが現在いる階床から新たな乗り場呼びの目的方向
と同方向側にある階床に他カゴが存在するか否かを検索
する他カゴ検索ステップと、前記他カゴ検索ステップに
おいて検索された他カゴが、新たな乗り場呼びの目的方
向と同方向に運行しているか否かを検索する他カゴ方向
検索ステップと、前記カゴと他カゴとの間に横行階が存
在するか否かを検索する横行階検索ステップと、前記横
行階検索ステップにおいて前記カゴと他カゴとの間に横
行階が存在するとされた場合に、そのカゴが新たな乗り
場呼びに応答した後の経路と前記他カゴの経路とが交錯
するか否かを検索する経路交錯検索ステップと、前記経
路交錯検索ステップにおいてそのカゴが新たな乗り場呼
びに応答した後の経路と前記他カゴの経路とが交錯する
とされた場合に、他カゴの経路が前記横行階で横行移動
するものであるか否かを検索する横行移動経路検索ステ
ップと、前記横行移動経路検索ステップにおける検索結
果と、前記横行階到着予測処理によって予測された各横
行階に最もはやく到着するカゴ番号とから、前記横行階
に最もはやく到着するカゴを検索する横行階到着カゴ検
索ステップと、前記カゴが新たな乗り場呼びに応答する
ために運行すべきシャフトを横行移動先としている横行
移動中の他カゴが存在するか否かを検索する横行移動検
索ステップと、前記横行移動検索ステップにおいて検索
された他カゴの横行移動後の運行方向が、新たな乗り場
呼びの目的方向と異方向であるか否かを検索する横行移
動後方向検索ステップと、前記カゴが運行しているシャ
フト内において、そのカゴが現在いる階床と新たな乗り
場呼びとの間にある階床に他カゴが存在するか否かを検
索する階床間他カゴ検索ステップと、前記階床間他カゴ
検索ステップにおいて他カゴが存在しないとされた場合
に、前記カゴを運行方向の反転が可能なカゴとして記憶
し、出力する反転カゴ記憶ステップと、前記異方向カゴ
選択ステップにおいて選択されたカゴの中で、「反転カ
ゴ」として適合するか否かの判断が行なわれていないカ
ゴの番号を未チェックカゴ選択ステップに出力するチェ
ック終了識別ステップと、前記反転カゴ記憶ステップに
記憶されている運行方向の反転が可能なカゴの番号を入
力して、前記割当指令処理工程に出力する反転カゴ指定
ステップとを含むことを特徴とするものである。
【0101】上記のような構成を有する請求項43に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項51に記載の
エレベータ群管理制御方法では、シャフトの方向と新た
な乗り場呼びの目的方向とが異方向であるカゴが選択さ
れ、それらのカゴの中で「反転カゴ」として適合するか
否かのチェックが行なわれていないカゴが「検索対象カ
ゴ」として選択され、そのカゴの乗り場呼びの有無が検
索され、乗り場呼びがないとされた場合には、カゴ呼び
の有無が検索される。そして、カゴ呼びがある場合に
は、カゴ呼びが新たな乗り場呼びまでの階床にあるか否
かが検索される。
【0102】一方、カゴ呼びないとされた場合には、新
たな乗り場呼びに応答するまでのカゴの移動方向とその
カゴが運行しているシャフトの方向とが同方向であるか
否かが検索される。そして、同方向である場合には、そ
のカゴが運行しているシャフト内において、そのカゴが
現在いる階床から新たな乗り場呼びの目的方向と同方向
側にある階床に他カゴが存在するか否かが検索され、そ
のような他カゴが存在する場合には、その他カゴが、新
たな乗り場呼びの目的方向と同方向に運行しているか否
かが検索される。
【0103】そして、その他カゴが、新たな乗り場呼び
の目的方向と同方向に運行していない場合には、検索対
象カゴと他カゴとの間に横行階が存在するか否かが検索
され、横行階が存在するとされた場合には、そのカゴが
新たな乗り場呼びに応答した後の経路と前記他カゴの経
路とが交錯するか否かが検索され、交錯するとされた場
合には、その他カゴの経路が前記横行階で横行移動する
ものであるか否かが検索され、さらに、その他カゴが前
記横行階に最もはやく到着するカゴであるか否かが検索
される。
【0104】一方、検索対象カゴが現在いる階床から新
たな乗り場呼びの目的方向と同方向側にある階床に他カ
ゴが存在しない場合には、そのカゴが新たな乗り場呼び
に応答するために運行すべきシャフトを横行移動先とし
ている横行移動中の他カゴが存在するか否かが検索さ
れ、存在しない場合には、そのカゴが現在運行している
階床と新たな乗り場呼びとの間にある階床に他カゴが存
在するか否かが検索され、そのような他カゴが存在しな
い場合には、検索対象カゴが運行方向を反転することが
可能なカゴとして記憶され、出力される。
【0105】一方、検索対象カゴが新たな乗り場呼びに
応答するために運行すべきシャフトを横行移動先として
いる横行移動中の他カゴが存在する場合には、横行移動
後の他カゴの運行方向が新たな乗り場呼びの目的方向と
異方向か否かが検索され、異方向である場合には、その
カゴが現在運行している階床と新たな乗り場呼びとの間
にある階床に他カゴが存在するか否かが検索され、その
ような他カゴが存在しない場合には、検索対象カゴが運
行方向を反転することが可能なカゴとして記憶され、出
力される。また、「反転カゴ」として適合するか否かの
判断がなされていないカゴがある場合には、そのカゴ番
号が出力される。
【0106】その結果、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、新たな乗り場呼びに応答すべきカゴを決定す
る場合に、シャフトの方向に制限されることなく、新た
な乗り場呼びに応答した後にその運行方向を反転させる
ことができるカゴの有無を検索し、反転可能なカゴが存
在する場合には、その運行方向を随時変更することがで
きる。
【0107】また、検索対象となっているカゴが新たな
乗り場呼びに応答する場合に、同一のシャフト内に他の
カゴが存在する場合であっても、そのカゴが横行移動す
るものであるか否かなどを検索することによって、両カ
ゴが衝突する可能性があるか否かをも判断することがで
きるので、運行方向を変更する場合の安全性が担保され
る。さらに、反転可能と決定されたカゴをも、「応答カ
ゴ」の候補として判断の対象とし得るので、新たな乗り
場呼びに対して、迅速な対応が可能となる。
【0108】請求項44に記載の発明は、請求項38又
は請求項41に記載のエレベータ群管理制御装置におい
て、前記カゴデータ検出装置によって得られる「カゴデ
ータ」及び前記呼びデータ記憶装置に記憶される「呼び
データ」の変化に伴って、新たな乗り場呼びに対して応
答すべきカゴとして割り当てられたカゴよりも早く応答
できるカゴを検索し、そのカゴに割り当てを変更すべく
指令を出力する再割当指令装置を備えたことを特徴とす
るものである。
【0109】また、請求項52に記載の発明は、上記請
求項44に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項46又は請求項49に記載のエレベータ群
管理制御方法において、前記カゴデータ検出処理によっ
て得られる「カゴデータ」及び前記呼びデータ記憶処理
によって記憶される「呼びデータ」の変化に伴って、新
たな乗り場呼びに対して応答すべきカゴとして割り当て
られたカゴよりも早く応答できるカゴを検索し、そのカ
ゴに割り当てを変更すべく指令を出力する再割当指令処
理を含むことを特徴とするものである。
【0110】上記のような構成を有する請求項44に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項52に記載の
エレベータ群管理制御方法によれば、新たな乗り場呼び
に応答すべきカゴが決定された場合であっても、その後
の状況の変化に応じて、適宜、最適なカゴに新たな乗り
場呼びに応答すべき旨の指令を出すことができるので、
常に最適なエレベータ群管理制御を実施することができ
る。
【0111】請求項45に記載の発明は、請求項38又
は請求項41に記載のエレベータ群管理制御装置におい
て、前記運行指令装置が、前記割当指令装置で新たな乗
り場呼びに応答すべきカゴであると決定されたカゴへ運
行指令を出力するとともに、そのカゴが前記反転カゴ決
定装置で決定された「反転カゴ」であるならば、そのカ
ゴが運行しているシャフト内に存在する他のカゴへ停止
指令を出力することを特徴とするものである。
【0112】また、請求項53に記載の発明は、上記請
求項45に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、請求項46又は請求項49に記載のエレベータ群
管理制御方法において、前記運行指令処理が、前記割当
指令処理によって新たな乗り場呼びに応答すべきカゴで
あると決定されたカゴへ運行指令を出力するとともに、
そのカゴが前記反転カゴ決定処理によって決定された
「反転カゴ」であるならば、そのカゴが運行しているシ
ャフト内に存在する他のカゴへ停止指令を出力すること
を特徴とするものである。
【0113】上記のような構成を有する請求項45に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項53に記載の
エレベータ群管理制御方法によれば、新たな乗り場呼び
に応答するために反転すべきであるとされたカゴが運行
しているシャフト内に他のカゴが存在する場合に、その
他のカゴに停止指令を出力することにより、両カゴの衝
突を防止することができるため、エレベータ群管理制御
の安全性が向上する。
【0114】請求項54に記載の発明は、複数の階床に
就役する複数の縦横移動可能なカゴと、そのカゴの運行
を司るカゴ運行制御装置と、各階床の乗り場にそれぞれ
設置した1個以上の乗り場呼び登録装置と、前記各カゴ
の状態を検知するカゴデータ検出装置とを備えたエレベ
ータシステムに用いられるエレベータ群管理制御装置に
おいて、新たな乗り場呼びに応答すべきカゴか否かの検
索対象となる対象カゴについて、その対象カゴと同一シ
ャフト内の他カゴの運行状況と、他のシャフトから横行
移動してくる他カゴの運行状況を検知し、前記対象カゴ
の運行方向を反転した場合に、前記他カゴのいずれとも
衝突しないことが確認され、且つ、前記対象カゴが新た
な乗り場呼びに最も早く応答できるカゴであると判断さ
れた場合に、前記対象カゴの運行方向を反転させること
を特徴とするものである。
【0115】また、請求項55に記載の発明は、上記請
求項54に記載の発明を方法の観点から捉えたものであ
って、複数の階床に就役する複数の縦横移動可能なカゴ
と、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御処理と、各階床
の乗り場ごとにそれぞれ実行される乗り場呼び登録処理
と、前記各カゴの状態を検知するカゴデータ検出処理と
を含むエレベータシステムに用いられるエレベータ群管
理制御方法において、新たな乗り場呼びに応答すべきカ
ゴか否かの検索対象となる対象カゴについて、その対象
カゴと同一シャフト内の他カゴの運行状況と、他のシャ
フトから横行移動してくる他カゴの運行状況を検知し、
前記対象カゴの運行方向を反転した場合に、前記他カゴ
のいずれとも衝突しないことが確認され、且つ、前記対
象カゴが新たな乗り場呼びに最も早く応答できるカゴで
あると判断された場合に、前記対象カゴの運行方向を反
転させることを特徴とするものである。
【0116】上記のような構成を有する請求項54に記
載のエレベータ群管理制御装置及び請求項55に記載の
エレベータ群管理制御方法では、そのエレベータシステ
ムに用いられる複数のカゴとの衝突を防止し、且つ、シ
ャフトの方向に制限されることなく、カゴの運行方向を
随時反転させて運行することができるので、新たな乗り
場呼びに対して、迅速且つ安全性の高い応答が可能とな
る。
【0117】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態について説明する。なお、第1実施形態乃至
第18実施形態は、上記第1の目的を達成するための発
明に関するものである。すなわち、シャフトの方向を定
めることにより、そのシャフト内を運行するカゴの経路
が定められ、それに基づいて、所定の乗り場呼びまたは
カゴ呼びがなされた階床への到着時間が予測できる。こ
の予測到着時間に基づいて、各呼びに対する未応答時間
(待ち時間)やサービス時間(乗り場呼びが登録された
時点から所望の階床に到着するまでの時間)等を求め、
それらを指標として、新たな乗り場呼びに最適なカゴを
割り当てようとするものである。
【0118】また、第19実施形態乃至第31実施形態
は、上記第2の目的を達成するための発明に関するもの
である。すなわち、乗り場呼び及びカゴ呼びが共にない
「呼び無しカゴ」を複数のシャフト内の適切な位置に配
置することにより、呼びを持つカゴの運行を妨げず、さ
らに効率の良いカゴの運行を可能にするものである。
【0119】また、第32実施形態乃至第37実施形態
は、上記第3の目的を達成するための発明に関するもの
である。すなわち、シャフトの方向を随時変更すること
ができるように構成し、カゴの反転運行を可能とするこ
とにより、シャフトの方向に制限されることなく、新た
な乗り場呼びに最適なカゴを割り当てようとするもので
ある。
【0120】なお、以下に示す各実施形態においては、
すべてのカゴは停止しているものとする。その理由は、
カゴが停止していない場合、呼びに対するカゴ位置の認
識は、必ずしも現実にそのカゴが運行している位置その
ものを指す訳ではないからである。また、停止指令によ
って即時停止可能な位置(アドバンサーポジションと呼
ばれることもある)も考慮することが、運行の安全を図
る上からは必要である。
【0121】したがって、以下の各実施形態におけるカ
ゴデータ検出装置2においても、現実の位置以外に、現
実の位置や速度からアドバンサーポジションとしての意
味の「現在位置」を検知しているものとし、特に断りの
ない限り、本明細書における現在位置はこの「アドバン
サーポジション」のことであるものとする。ただし、カ
ゴが停止している場合は、現実の位置=「現在位置(ア
ドバンサーポジション)」である。
【0122】(A.第1の目的を達成するための発明に
関する実施形態) [1.第1実施形態]本実施形態は、請求項1に対応す
るエレベータ群管理制御装置及びこの装置上で実行され
るエレベータ群管理制御方法に関するものである。
【0123】[1−1.第1実施形態の構成]図1は、
本発明の第1実施形態に係る縦横移動型エレベータ群管
理システムの構成を示す図である。同図に示すように、
本実施形態に係る縦横移動型エレベータ群管理システム
は、各階床の乗り場にそれぞれ設置された乗り場呼び登
録装置1と、各カゴの位置、移動速度及び荷重等の「カ
ゴデータ」を検知するためのカゴデータ検出装置2と、
これら乗り場呼び登録装置1及びカゴデータ検出装置2
から得られるさまざまな情報に基づいて個々のカゴを制
御するための指令データを得るためのエレベータ群管理
制御装置3と、この指令データに基づいてカゴの運行を
制御するカゴ運行制御装置4とから構成されている。
【0124】[1−1−1.エレベータ群管理制御装置
の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装置
3は、図2に示したような各装置から構成されている。
すなわち、カゴ内の乗客が所望の階床を指定するカゴ呼
びと、割り当てられている乗り場呼びからなる「呼びデ
ータ」を記憶する呼びデータ記憶装置21と、前記乗り
場呼び登録装置1によって登録された「乗り場呼びデー
タ(階床及び方向)」と、前記呼びデータ記憶装置21
に記憶された各カゴの「呼びデータ」とに基づいて、各
カゴの「目的階床データ」を所定の方法に従って求める
目的階床指示装置22と、各カゴが運行されるべき経路
を「経路データ」として記憶している経路データ記憶装
置24と、前記カゴデータ検出装置2より得られる各カ
ゴの「カゴデータ」と、呼びデータ記憶装置21より得
られる各カゴの「呼びデータ」と、目的階床指示装置2
2より得られる各カゴの「目的階床データ」と、経路デ
ータ記憶装置24より読み出される「経路データ」とに
基づいて、各カゴが所定の目的階床に到着するまでの時
間を各カゴごとに算出し、その値を予測到着時間として
出力する到着時間予測装置23と、前記到着時間予測装
置23において予測された目的階床までの予測到着時間
に基づいて、所定のカゴに呼びを割り当てるとともに、
前記呼びデータ記憶装置21に記憶された「呼びデー
タ」を更新する割当指令装置25と、この割当指令装置
25によって指示された停止予定位置が、新たに次停止
位置となるか否かを現在のカゴの運行状況から判別し
て、次停止位置となる場合にカゴの運行を変更させるべ
く、カゴ運行制御装置4に指令を出力する運行指令装置
26とを備えている。
【0125】[1−2.第1実施形態の作用]上記のよ
うな構成を有する第1実施形態は、次のような作用を有
する。
【0126】[1−2−1.呼びデータ記憶処理]図2
に示した呼びデータ記憶装置21では、各カゴについ
て、呼び種類、階床、方向及び経過時間を、「呼びデー
タ」として表1に示すような形式で記憶している。
【0127】
【表1】 ここで、「呼び種類」は、乗り場からの呼び“H”又は
カゴからの呼び“C”を区別するためのものであり、
「階床」は、割り当てられている乗り場呼びの階床また
はカゴ呼び(エレベータ内の乗客が降車する階床)がな
された階床を示している。また、「方向」は、カゴの移
動方向が上昇方向“UP”であるか、下降方向“DN”
であるかを示し、「経過時間」は、呼び発生から現在ま
での経過時間を示している。
【0128】例えば、表1において、カゴE1について
の(H 16 DN 5)という「呼びデータ」は、
「呼び発生から5秒経過した下降方向の乗り場呼びが1
6階に発生している」ことを示し、カゴE2についての
(C 9 DN 22)という「呼びデータ」は、「カ
ゴE2の乗客に、22秒前にカゴ呼びに登録して下降方
向の運行の結果、9階で降りる乗客がいる」ことを示し
ている。なお、前記「経過時間」は、「呼びデータ」の
登録、抹消又は検索によって更新されるものとする。
【0129】[1−2−2.目的階床指示処理]図2に
示した目的階床指示装置22では、乗り場呼び登録装置
1によって登録された「乗り場呼びデータ(階床及び方
向)」と、前記呼びデータ記憶装置21に記憶された各
カゴの「呼びデータ」とに基づいて、各カゴの「目的階
床データ」が所定の方法に従って求められる。表2は、
「目的階床データ」の一例を示したものである。
【0130】
【表2】 すなわち、表2は、5階床に上昇方向のエレベータ利用
客が発生した場合を示しているが、ここでは、まだカゴ
の割当がなされていないので、両カゴとも「割当」の項
目は、“null”になっている。なお、これらの「目
的階床データ」は、後述する到着時間予測装置23に送
出されるように構成されている。
【0131】[1−2−3.経路データ記憶処理]図2
に示した経路データ記憶装置24では、各カゴが運行さ
れるべき経路を「経路データ」として記憶している。ま
た、図3は、各カゴが運行されるべき経路を説明するた
めの図である。例えば、4本のシャフトを有する20階
床の建築物において、第4シャフトの20階にいるカゴ
が、5階に発生した上昇方向の乗り場呼びに応答するた
めに、運行されるべき経路を破線で示している。すなわ
ち、このカゴは、第4シャフトを10階まで下り(M
1)、10階で第3シャフトに横行移動してから(M
2)、第3シャフトを1階まで下って(M3)、1階で
第2シャフトまで移動してから(M4)、第2シャフト
を5階まで上って(M5)、乗り場呼びに応答する道筋
が考えられる。
【0132】このように各カゴが運行すべき道筋を予め
カゴ毎に定めておき、「経路データ」として表3に示す
ような形式で記憶しておく。例えば、カゴE1について
の「経路データ」は、横行階は1階と10階と20階で
あり、1階では第3シャフトから第2シャフトへ横行移
動し、20階では第2シャフトから第4シャフトへ横行
移動し、また、10階では第4シャフトから第3シャフ
トへ横行移動する経路が、カゴE1が運行すべき道筋と
して定められていることを意味している。
【0133】
【表3】 [1−2−4.到着時間予測処理]図2に示した到着時
間予測装置23では、4つのデータ、すなわち、前記カ
ゴデータ検出装置2より得られる各カゴの「カゴデー
タ」と、呼びデータ記憶装置21より得られる各カゴの
「呼びデータ」と、目的階床指示装置22より得られる
各カゴの「目的階床データ」と、経路データ記憶装置2
4より読み出される「経路データ」とに基づいて、各カ
ゴが所定の目的階床に到着するまでの時間が各カゴごと
に算出され、その値が到着予測時間として割当指令装置
25に出力される。
【0134】ただし、本実施形態では、あるカゴの目的
階床までの到着時間を予測する場合、他のカゴは新たに
入力された乗り場呼びを目的階床データとして持たない
こととする。言い換えれば、あるカゴが新たな乗り場呼
びに応答するとした場合には、他のカゴはその乗り場呼
びには応答しないこととする。すなわち、他のカゴは、
呼びデータ記憶装置21にすでに記憶されているカゴ呼
び/乗り場呼びの階床以外の停止位置を目的階床データ
として持たないものとする。また、後述する第4実施形
態において、派生カゴ呼び予測をする場合には、カゴ呼
び/乗り場呼び/派生カゴ呼びの階床以外の停止位置を
目的階床データとして持たないものとする。さらに、各
カゴについての最大速度、加速度、減速度、ドアの開閉
所要時間及びカゴ移動に要する時間等については、所定
の規格として予め定められているものとする。なお、到
着時間の予測については後述する。
【0135】[1−2−5.割当指令処理]図2に示し
た割当指令装置25では、前記到着時間予測装置23に
おいて予測された目的階床までの予測到着時間に基づい
て、所定のカゴに呼びを割り当てるとともに、呼びデー
タ記憶装置21の内容を更新する。
【0136】以下に、割当指令装置25により所定のカ
ゴが割り当てられ、呼びデータ記憶装置21に記憶され
ていた「呼びデータ」が更新された例を示す。
【0137】
【表4】 表4は、表2に示した「目的階床データ」に対して、後
述する方法によって各カゴの到着時間が予測され、その
予測到着時間に基づいて、“5 UP”の乗り場呼びに
カゴE2が割り当てられ、呼びデータ記憶装置21に記
憶された「呼びデータ」が更新された状態を示してい
る。すなわち、表1に示した「呼びデータ」と比較する
と明らかなように、カゴE2について( H 5 UP
0 )が追加されている。
【0138】[1−2−6.運行指令処理]図2に示し
た運行指令装置26では、前記割当指令装置25で指令
された停止予定位置が、新たに次停止位置となるか否か
を現在のカゴの運行状況から判別して、次停止位置とな
る場合にカゴの運行を変更させるべく、カゴ運行制御装
置4に指令を出力する。
【0139】[1−2−7.到着時間の予測について]
次に、各カゴの到着時間の予測処理について説明する。
なお、「到着時間の予測」とは、例えば、表2に示すよ
うな「目的階床データ」が入力された場合に、カゴE1
及びカゴE2の目的階床を(5 UP)として、各カゴ
がこの目的階床に到着するまでに要する時間を算出する
ことである。
【0140】ここでは、図4に示すように、4本のエレ
ベータ用シャフトを有する20階床の建築物にカゴE1
及びカゴE2が設けられているものとする。そして、カ
ゴE1は第4シャフトの20階に、また、カゴE2は第
3シャフトの15階に停止しており、それぞれ出発する
ために直ちにドアを閉じることができる状態にあるとす
る。なお、到着時間の予測に際し、出発待ち状態を仮定
しているが、特にこれにこだわるものでなく、任意の状
態を仮定することができる。
【0141】また、乗り場呼びとしてカゴE1に(H
16 DN)、カゴE2に(H 3UP)がそれぞれ1
つずつ割り当てられており、カゴ呼びとしてカゴE1に
(C 12 DN),(C 4 DN)、カゴE2に
(C 9 DN)が同様に割り当てられ、呼びデータ記
憶装置21に記憶されているものとする。さらに、各カ
ゴには、それぞれ図4に示すような「経路データ」が定
められているものとする。
【0142】このような設定条件の下で、予測すべき状
況は2通り考えることができる。その理由は、上述した
ように、「あるカゴに新たな乗り場呼びが割り当てられ
た場合には、他カゴの目的階床にはその乗り場呼びを含
めないものとする」という条件を与えているからであ
る。すなわち、第1の状況は、カゴE1に新たな乗り場
呼びが割り当てられ(すなわち、カゴE1は新たな乗り
場呼びが生じた階床を目的階床とする)、カゴE2はそ
の階床を目的階床としない場合に、カゴE1が(5 U
P)に到着するまでの時間を予測するものである。ま
た、第2の状況は、カゴE2に新たな乗り場呼びが割り
当てられ(すなわち、カゴE2は新たな乗り場呼びが生
じた階床を目的階床とする)、カゴE1はその階床を目
的階床としない場合に、カゴE2が(5UP)に到着す
るまでの時間を予測するものである。
【0143】次に、図5は、到着時間予測装置23の動
作処理の流れを説明するための図であり、到着時間予測
装置23は、同図に示す手順に従って到着時間を予測す
る。図5に示したフローチャートに従って、上記第1の
状況下における到着時間の算出について説明する。
【0144】すなわち、図5に示すように、到着時間予
測装置23は予測対象カゴを選択する(ステップ5
1)。本実施形態では、まず、カゴE1が選択されるこ
ととなる。次に、各カゴについて、経路データ記憶装置
24に記憶された「経路データ」と「目的階床データ」
とから、停止予定位置を算出する(ステップ52)。本
実施形態では、カゴE1とカゴE2の停止予定位置は表
5に示したようになる。なお、表5において、“16@
4”は、第4シャフトの16階床を表すものとする。
【0145】
【表5】 次に、すべての停止予定位置で到着時間が算出されてい
ないカゴを選択する(ステップ53)。ここでは、カゴ
E1が選択されたものとする。続いて、選択されたカゴ
が他のカゴと衝突する可能性があるか否かをチェックす
る(ステップ54)。すなわち、表5に示したカゴE1
とカゴE2の停止予定位置で、2つのカゴはどちらも第
3シャフトを運行する予定であるので、カゴE1はカゴ
E2と衝突する可能性があると判断される。このよう
に、ステップ54において「衝突の可能性がある」と判
断された場合には、衝突予定位置を算出する(ステップ
55)。この衝突予定位置は、それぞれのカゴの現在位
置と停止予定位置とから算出することができる。本実施
形態では、10@3の位置で衝突する可能性があると予
測されることとなる。
【0146】次に、対象となっているカゴ(つまり、カ
ゴE1)及びそのカゴと衝突する可能性のあるカゴ(つ
まり、カゴE2)のそれぞれについて、衝突予定位置1
0@3に到着するまでの時間を算出する(ステップ5
6)。すなわち、カゴE1については、表6に示したよ
うに順に算出される。なお、本実施形態では、乗客の乗
降に要する時間は省略している。
【0147】
【表6】 今、ドア開時間をto ,ドア閉時間をtc ,階床間移動
に要する時間をtv i,j(i,jはそれぞれ階床を示
す。ただし、i≠j),横行移動に要する時間をth l,
m(l,mはそれぞれシャフトを示す。ただし、l≠
m)とすると、カゴE1が衝突予定位置10@3に到着
するまでの時間t1 (20@4→10@3)は、
【数1】 である。なお、tv i,j,th l,mは、予め所定の式によ
り算出して与えられているものとする。例えば、垂直方
向の運行においては、カゴに最大速度vMAX、加速度
a、1階床間距離のdなる規格が定められているとする
と、
【数2】 で算出される。ただし、本実施形態では、簡単のために
移動時間、ドア開閉時間を以下のように定めておくこと
とする。
【0148】
【数3】 従って、カゴE1が衝突予定位置10@3に到着するま
でに要する時間t1 は、
【数4】t1 (20@4→10@3)=7+7+5+1
0+4×(2+2)=45[秒] となる。
【0149】一方、カゴE2についても、衝突予定位置
10@3までの到着時間は、「ドア閉時間+(15@3
→10@3の移動時間)+ドア開時間」であるから、
【数5】t2 (15@3→10@3)=6+(2+2)
=10[秒] となる。
【0150】このようにして衝突予定位置までの到着時
間を算出した後、衝突予定位置10@3に先着するカゴ
を決定する。つまり、本実施形態では、到着時間が最小
であるカゴ、つまりカゴE2を衝突予定位置に先着する
カゴとして決定する。また、この決定された先着カゴ以
外のカゴ(ここでは、カゴE1)については、10@3
の到着時間にペナルティとして所定時間tp を加算する
(ステップ57)。ただし、それぞれのカゴの停止予定
位置に変更がない場合には、停止予定位置が交錯するポ
イントがないので、カゴ同士は衝突しないものとみな
す。
【0151】このようにして衝突の可能性のあるカゴに
ついて所定の計算を行った後(ステップ55〜ステップ
57)、ステップ53に戻り、さらに衝突の可能性をチ
ェックする。ステップ53において「衝突の可能性がな
い」と判断された場合には、対象となっているカゴにつ
いて、さらに所定の停止予定位置における到着時間を算
出する(ステップ58)。ここでは、カゴE1につい
て、4@3、1@3、1@2、5@2までの到着時間を
求めることになる。なお、この算出方法は、上記と同様
である。
【0152】
【表7】 これより、目的階床の予測到着時間を算出することがで
きる(ステップ59)。目的階床は、停止予定位置に含
まれるからである。従って、目的階床5@2の到着時間
t1は、
【数6】 t1 (20@4→5@2) =(45+tp )+9+6+10+7+4×(2+2) =93+tp =123[秒] (ただし、tp=30秒)となる。
【0153】次に、到着時間算出対象カゴについて、す
べての停止予定位置の到着時間を算出したか否かをチェ
ックする(ステップ60)。ステップ60において、算
出対象カゴについて、すべての停止予定位置の到着時間
を算出したと判断した場合には、すべてのカゴについて
上記処理(ステップ53〜ステップ60)を行ったか否
かを判断する(ステップ61)。ステップ61におい
て、すべてのカゴについて上記処理を行っていないと判
断された場合には、ステップ51に戻り、同様の処理を
繰り返す。
【0154】すなわち、ここでは、ステップ51に戻
り、第2の状況下における到着時間の予測を行うことと
なる。従って、第2の状況下におけるカゴE2の到着時
間の予測は、以下のようになる。
【0155】
【数7】 t2 (15@3→5@2) =9+4+11+10+5+5+5×(2+2) =60[秒] このようにしてステップ51〜ステップ61の各ステッ
プを適宜繰り返し、すべてのカゴについて、すべての停
止予定位置の到着時間が算出されると、処理を終了す
る。本実施形態において、到着時間予測装置23が予測
した各カゴの目的階床への到着時間は以下のようにな
る。
【0156】
【表8】 従って、上述したように、(5 UP)の乗り場呼びに
対しては、予測到着時間が短いカゴE2が割り当てられ
ることとなり、乗り場呼び及びカゴ呼びに応じたサービ
ス性能が良く、効率が良いカゴの運行ができるようにな
る。なお、ここでは、すべてのカゴを割当候補の対象と
しているが、応答の予測は行っても割当てをしないカゴ
(例えば、満員のカゴやVIP用のカゴ)を設けること
も可能である。
【0157】[2.第2実施形態]本実施形態は、請求
項2に対応する縦横移動型エレベータ群管理システム及
びこのシステム上で実行される縦横移動型エレベータ群
管理方法に関するものである。
【0158】[2−1.第2実施形態の構成]本実施形
態は、前記第1実施形態の変形であって、目的階床指示
装置22及び割当指令装置25に変更を加えたものであ
る。なお、本実施形態において、目的階床指示装置22
は、上述した表2に示す「目的階床データ」を出力する
ものとし、また、到着時間予測装置23は、表8に示す
「予測到着時間」を割当指令装置25に送出するものと
する。
【0159】すなわち、本実施形態における目的階床指
示装置22は、乗り場呼び登録装置1に新たに登録され
る乗り場呼びの階床を、すべてのカゴにおいて目的階床
と規定するように構成されている。言い換えれば、本実
施形態においては、第1実施形態と異なり、すべてのカ
ゴについて、新たな乗り場呼びの階床までの到着時間を
予測することを意味する。また、割当指令装置25は、
到着時間予測装置23で予測された各カゴの予測到着時
間に基づいて未応答時間を算出し、未応答時間が最短の
カゴを未割当の呼びへの割当カゴであると決定するよう
に構成されている。ここで、「未応答時間」とは、目的
階床の呼びが発生してからカゴがその目的階床に到着す
るまでの時間をいうものとする。
【0160】[2−2.第2実施形態の作用・効果]上
記のような構成を有する本実施形態は、次に述べるよう
な作用を有する。以下、第1実施形態との相違点である
割当指令処理について説明する。すなわち、表2の入力
データから未割当の呼び(5 UP)に対する各カゴの
未応答時間(呼び経過時間+予測到着時間)を算出する
と、表9のようになる。ただし、本実施形態では、乗り
場呼びが発生してから割当指令装置25によって割当て
が決定されるまでの時間(呼び経過時間)は、0秒とし
ている。
【0161】
【表9】 従って、表9に示す未応答時間のうち最小値を持つカ
ゴ、すなわち、未応答時間が60秒のカゴE2を、(5
UP)の乗り場呼びへの割当カゴとして決定する。こ
のように、本実施形態によれば、最小の未応答時間に対
応するカゴを乗り場呼びに割り当てるため、待ち時間の
少ないカゴの運行が可能となる。
【0162】[3.第3実施形態]本実施形態は、請求
項3に対応する縦横移動型エレベータ群管理システム及
びこのシステム上で実行される縦横移動型エレベータ群
管理方法に関するものである。
【0163】[3−1.第3実施形態の構成]本実施形
態は、前記第1実施形態の変形であって、目的階床指示
装置22及び割当指令装置25に変更を加えたものであ
る。すなわち、本実施形態における目的階床指示装置2
2は、すべてのカゴについて、乗り場呼び登録装置1に
新たに登録される乗り場呼びの階床と、呼びデータ記憶
装置21に記憶されるすべてのカゴの乗り場呼びとを目
的階床に規定するように構成されている。また、割当指
令装置25は、到着時間予測装置23で予測される予測
到着時間に基づいて未応答時間の平均値を算出し、平均
未応答時間が最短となるカゴに未割当の呼びを割当てる
ように構成されている。
【0164】[3−2.第3実施形態の作用]上記のよ
うな構成を有する本実施形態は、次に述べるような作用
を有する。以下、第1実施形態との相違点である目的階
床指示処理及び割当指令処理について説明する。
【0165】[3−2−1.目的階床指示処理]本実施
形態の目的階床指示装置22では、すべてのカゴについ
て、乗り場呼び登録装置1に新たに登録される乗り場呼
びの階床と、呼びデータ記憶装置21に記憶されるすべ
てのカゴの乗り場呼びとを目的階床に規定する。すなわ
ち、第2実施形態と異なり、すべてのカゴにおいて、他
カゴの乗り場呼びデータをも目的階床に含むものとなる
ため、「目的階床データ」は、表10に示したようにな
る。
【0166】
【表10】 なお、上記表10の「目的階床データ」を用いて到着時
間予測装置23で予測する各カゴの目的階床までの予測
到着時間については、上記第1実施形態に従い、表11
に示した結果が得られる。
【0167】
【表11】 [3−2−2.割当指令処理]本実施形態の割当指令装
置25では、到着時間予測装置23で予測される予測到
着時間に基づいて、未応答時間の平均値を算出して、平
均未応答時間が最短となるカゴに未割当の呼びを割当て
る。すなわち、表11に示される入力データから、各カ
ゴの呼びに対する未応答時間を算出すると、表12のよ
うになる。例えば、カゴE1についての(16 DN)
の呼びに対する未応答時間は、経過時間(5秒)+予測
到着時間(11秒)=16秒となる。ただし、新たな乗
り場呼び(5 UP)が発生してからの呼び経過時間は
0秒とする。
【0168】
【表12】 このとき、各カゴに未割当の乗り場呼び(5 UP)が
割当てられる場合の平均未応答時間は、次のように算出
される。
【0169】(a)カゴE1に割当てられる場合 表12より、乗り場呼びは、カゴE1に(16 DN
16秒),(5 UP123秒)、カゴE2に(3 U
P 61秒)の計3つであるので、平均未応答時間は、 平均未応答時間=(16+123+61)/3 =66.7秒 (b)カゴE2に割当られる場合 表12より、乗り場呼びは、カゴE1に(16 DN
16秒)、カゴE2に(3 UP 61秒),(5 U
P 60秒)の計3つであるので、平均未応答時間は、 平均未応答時間=(16+61+60)/3 =45.7秒 となる。
【0170】このようにして算出された平均未応答時間
のうち最小値のカゴ、すなわち、カゴE2を(5 U
P)の乗り場呼びへの割当カゴとして決定する。このよ
うに、本実施形態によれば、各カゴごとに各目的階床に
ついての未応答時間の平均値を算出するため、待ち時間
にばらつきのないカゴの運行ができるようになる。
【0171】[4.第4実施形態]本実施形態は、請求
項4及び請求項5に対応する縦横移動型エレベータ群管
理システム及びこのシステム上で実行される縦横移動型
エレベータ群管理方法に関するものである。
【0172】[4−1.第4実施形態の構成]本実施形
態は、前記第1実施形態の変形であって、派生カゴ呼び
予測装置61を具備し、目的階床指示装置22及び割当
指令装置25に変更を加えたものである。すなわち、本
実施形態における目的階床指示装置22は、各カゴにつ
いて、乗り場呼び登録装置1に新たに登録される乗り場
呼びの階床と、呼びデータ記憶装置21に記憶される乗
り場呼びの階床と、後述する派生カゴ呼び予測装置61
で予測される派生カゴ呼びの階床とを、「目的階床デー
タ」として規定するように構成されている。
【0173】また、派生カゴ呼び予測装置61は、乗り
場呼び登録装置1に登録された「乗り場呼びデータ」を
入力して、それらの乗り場呼びの階床における乗客発生
頻度及び平均待ち時間を算出して、乗り場呼びに派生す
るカゴ呼びを予測するように構成されている。ここで、
「派生カゴ呼び」とは、乗り場呼びが登録された時点
で、システム側が乗客の行き先を予測するものであり、
これに対し、「カゴ呼び」は、乗客が実際にカゴに乗っ
た時に、自分の行き先を登録するものである。また、
「乗客発生頻度」とは、乗り場呼びが解消されてから
(すなわち、カゴが乗り場呼びに応答した時から)新た
な乗り場呼びが登録されるまでの過去の平均時間をい
う。
【0174】さらに、割当指令装置25は、到着時間予
測装置23で予測される予測到着時間からサービス完了
時間を算出して、サービス完了時間が最小となるカゴに
未割当の呼びを割当てるように構成されている。なお、
「サービス完了時間」とは、乗り場呼びの発生により、
カゴがその階床に到着して乗客を乗せ、その乗客が所望
する目的階床において乗客が降りるまでの時間をいう。
つまり、乗客にとっては、目的階床まで移動することが
エレベータを利用する動機(目的)であるのであるか
ら、その目的を完了することを「サービス完了」として
いる。
【0175】[4−1−1.派生カゴ呼び予測装置の構
成]以下、本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置に用いられる派生カゴ呼び予測装置61の具体的な構
成について、図7に基づいて詳細に説明する。すなわ
ち、派生カゴ呼び予測装置61は、後述する乗客発生頻
度記憶装置71、平均待ち時間記憶装置72、派生カゴ
呼び数予測装置73及び派生カゴ呼び階床予測装置74
とから構成されている。
【0176】ここで、前記乗客発生頻度記憶装置71
は、各階床において過去に乗り場呼びが発生した頻度を
記憶すると共に、この乗客発生頻度と新たに発生した乗
り場呼びとに基づいて、新たな乗客発生頻度を算出し
て、すでに記憶されている乗客発生頻度データを更新す
るとともに、その情報を派生カゴ呼び数予測装置73に
送出するように構成されている。また、平均待ち時間記
憶装置72は、乗り場呼びが発生している階床につい
て、過去に乗り場呼びが発生した際に記憶している平均
待ち時間を、新たに発生した乗り場呼びデータに従って
更新するとともに、その情報を派生カゴ呼び数予測装置
73に送出するように構成されている。なお、「平均待
ち時間」とは、乗り場呼びが発生してからその乗り場呼
びの登録が消去されるまで(すなわち、乗客がある階床
で乗り場呼び釦を押してから、応答したカゴに乗るま
で)の時間の平均値をいうものとする。
【0177】次に、派生カゴ呼び数予測装置73は、入
力された「乗客発生頻度データ」と「平均待ち時間デー
タ」とに基づいて、次式に従って派生カゴ呼びの個数n
を予測するように構成されている。
【0178】
【数8】n=1+(平均待ち時間)/(乗客発生頻度) また、派生カゴ呼び階床予測装置74は、前記派生カゴ
呼び数予測装置73により予測された派生カゴ呼び数か
ら、派生カゴ呼びが発生する階床を予測するように構成
されている。具体的には、派生カゴ呼び階床予測装置7
4は、その内部に、各階床ごとに方向別に全階床での派
生カゴ呼び発生分布を定めて記憶しており(図示せ
ず)、次式で表される累積分布度数に対応する階床にお
いて派生カゴ呼びが発生するものと推定して、それを記
憶する。ただし、対応する乗り場呼びの登録が消去され
た時点(すなわち、乗り場呼びがなされた階床にカゴが
到着し、カゴに乗った乗客が所望のカゴ呼びを登録した
時点)で、「派生カゴ呼びデータ」は消去されるものと
する。
【0179】
【数9】k/(n+1) , ただし、k=1,…,n [4−2.第4実施形態の作用]上記のような構成を有
する第4実施形態は、以下に述べるように作用する。
【0180】[4−2−1.派生カゴ呼び予測処理]上
述した実施形態では、新たに(5 UP)の乗り場呼び
が発生したことのみを前提とし、過去に同様の乗り場呼
びがあったか否かについては問題としていなかった。し
かし、本実施形態では、過去に(5 UP)の乗り場呼
びは発生しておらず、システムが稼働してから30秒経
過した時点で(5 UP)の乗り場呼びが発生したもの
とする。言い換えれば、システムが稼働してから30秒
後に初めて乗り場呼びが登録されたということは、30
秒に1回の割合で乗客が発生したことを意味している。
したがって、このとき、乗客発生頻度記憶装置71は、
その初期値である“null”を“30”に変更し、乗
客発生頻度データとして“30”を送出する。なお、前
記乗客発生頻度記憶装置71は、各階床毎にデータを記
憶しており、その初期値は“null”とされている。
【0181】また、本実施形態では、過去に呼びが発生
していないために待ち時間はなく、平均待ち時間記憶装
置72は、その初期値である“null”を“0”と更
新すると同時に“0”を出力する。ただし、この乗り場
呼びの登録が消去されたとき、つまり、乗客がカゴに乗
ったときに平均待ち時間データは更新されるものとす
る。
【0182】次に、派生カゴ呼び数予測装置73は、上
記平均待ち時間と乗客発生頻度とに基づいて、次式に従
って派生カゴ呼び数nを算出し、その値を派生カゴ呼び
階床予測装置74へ出力する。
【0183】
【数10】 n=1+(平均待ち時間)/(乗客発生頻度) =1+0/30 =1 今、派生カゴ呼び階床予測装置74は、(5 UP)の
乗り場呼びに対して、表13に示すような派生カゴ呼び
発生分布(密度分布の累積分布)を持つものとする。
【0184】
【表13】 したがって、前記派生カゴ呼び数予測装置73により予
測された派生カゴ呼び数n=1から、派生カゴ呼びが発
生するものと推定すべき累積分布度数は、
【数11】 k/(n+1)=1/(1+1) =1/2 (ただし、k=1,…,n)である。従って、表13よ
り、13階床に派生カゴ呼びが発生すると推定される。
また、ここで、すでに発生している乗り場呼び(16
DN),(3 UP)についての派生カゴ呼びはそれぞ
れ、11階床及び7階床の1つずつであるものとし、そ
の情報が派生カゴ呼び階床予測装置74に記憶されてい
るものとする。
【0185】なお、本実施形態では、図6に示される派
生カゴ呼び予測装置61により派生カゴ呼びを予測した
が、これに限定されるものではなく、派生カゴ呼び予測
装置61が各階床ごとの派生カゴ呼び発生データをあら
かじめ記憶して、対応する階床データに対して予測結果
として出力するようにしてもよい。さらに、利用者がカ
ゴに乗る前に、そのホールで行き先階を登録できるエレ
ベータシステムにおいては、その行き先階を派生カゴ呼
びデータとして利用することができる。
【0186】これにより、目的階床指示装置22に入力
されるデータは、表14に示すようになる。ただし、こ
の場合も未割当の乗り場呼びの呼び経過時間は0秒とす
る。
【0187】
【表14】 ここで、呼び種類の“D”は派生カゴ呼びを示す。ま
た、「カゴ呼びデータ」の経過時間は、カゴ呼びが発生
した時点で登録を消去された乗り場呼びの経過時間を引
き継いで更新されているものとする。例えば、(C 1
2 DN 201)において、経過時間“20秒”は、
カゴ呼びが発生してからの時間経過が20秒であるとい
うことではなく、カゴ呼びをした乗客が、そのカゴに乗
車するために乗り場呼び登録をした時刻からの経過時間
を示している。
【0188】[4−2−2.目的階床指示処理]本実施
形態の目的階床指示装置22では、各カゴについて、乗
り場呼び登録装置1に新たに登録される乗り場呼びの階
床と、呼びデータ記憶装置21に記憶される乗り場呼び
の階床と、派生カゴ呼び予測装置61で予測される派生
カゴ呼びの階床とを、目的階床に規定する。したがっ
て、「目的階床データ」は、上記表14に示したように
なる。
【0189】また、表14に示した「目的階床データ」
を用いて到着時間予測装置23で予測する各カゴの目的
階床までの時間は、上記第1実施形態において示した計
算方法で求めると、表15に示すような結果が得られ
る。
【0190】
【表15】 [4−2−3.割当指令処理]本実施形態の割当指令装
置25では、到着時間予測装置23で予測される予測到
着時間からサービス完了時間を算出して、サービス完了
時間が最小となるカゴに未割当の呼びを割当てる。すな
わち、表15に示した入力データにおいて、各カゴが目
的階床とする未割当の乗り場呼び(5 UP)に対して
発生すると予測される派生カゴ呼び(13UP)につい
てのサービス完了時間(呼び経過時間+到着予測時間)
を算出すると、以下のようになる。ただし、この場合
も、未割当の乗り場呼びの呼び経過時間は、0秒とす
る。
【0191】
【表16】 その結果、サービス完了時間が短いカゴE2に(5 U
P)の乗り場呼びが割当てられることになる。このよう
に、本実施形態によれば、乗客の発生頻度及び平均待ち
時間を考慮して派生カゴ呼びを予測するので、乗客の状
況に応じたより木目の細かいカゴの運行が可能となる。
【0192】[5.第5実施形態]本実施形態は、請求
項6に対応する縦横移動型エレベータ群管理システム及
びこのシステム上で実行される縦横移動型エレベータ群
管理方法に関するものである。
【0193】[5−1.第5実施形態の構成及び作用]
本実施形態は、前記第4実施形態の変形であって、目的
階床指示装置22及び割当指令装置25に変更を加えた
ものである。なお、派生カゴ呼び予測装置61は、第4
実施形態と同様である。すなわち、本実施形態における
目的階床指示装置22は、すべてのカゴについて、乗り
場呼び登録装置1に新たに登録される乗り場呼びの階床
と、呼びデータ記憶装置21に記憶される乗り場呼びの
階床と、派生カゴ呼び予測装置61で予測される派生カ
ゴ呼びの階床とを、「目的階床データ」として規定する
ように構成されている。したがって、本実施形態におけ
る目的階床指示装置22では、第4実施形態と異なり、
他カゴの「呼びデータ」をも目的階床に含むものとなる
ため、「目的階床データ」は、表17に示したようにな
る。なお、表中“*”を付したデータは、他カゴに関す
る「呼びデータ」である。また、新たな乗り場呼び(5
UP)が発生してからの呼び経過時間は0秒とする。
【0194】
【表17】 この表17に従って、到着時間予測装置23によって予
測到着時間を求めると、以下のようになる。なお、予測
到着時間は上述した第1実施形態と同様の方法により求
めるものとする。
【0195】
【表18】 一方、本実施形態における割当指令装置25は、到着時
間予測装置23により予測された予測到着時間に基づい
て、サービス完了時間の平均値を算出して、平均サービ
ス完了時間が最小となるカゴに未割当の呼びを割当てる
ように構成されている。すなわち、表18に基づいて、
各カゴの目的階床のカゴ呼び・派生カゴ呼びについての
サービス完了時間(呼び経過時間+到着予測時間)を算
出すると、以下のようになる
【表19】 ここで、カゴE1に新たな乗り場呼び(5 UP)が割
当てられる場合のサービス完了時間の平均値は、次のよ
うに算出される。すなわち、表19より、カゴE1に新
たな乗り場呼び(5 UP)が割当てられる場合のカゴ
呼び・派生カゴ呼びは、カゴE1に(C 12 DN
42),(D 11 DN 35),(C 4 DN
115),(D 13 UP 145 )、カゴE2に
(C 9 DN 45),(D 7 UP 72)の計
6つであるから、サービス完了時間の平均値は、(42
+35+115+145+45+72)/6=75.6
秒となる。
【0196】一方、カゴE2に新たな乗り場呼び(5
UP)が割当てられる場合のサービス完了時間の平均値
は、次のように算出される。すなわち、表19より、カ
ゴE2に新たな乗り場呼び(5 UP)が割当てられる
場合のカゴ呼び・派生カゴ呼びは、カゴE1に(C 1
2 DN 42),(D 11 DN 35),(C
4 DN 115),カゴE2に(C 9DN 4
5),(D 7 UP 72),(D 13 UP 8
2)の計6つであるから、サービス完了時間の平均値
は、(42+35+115+45+72+82)/6=
65.1秒となる。
【0197】その結果、サービス完了時間の平均値が短
いカゴE2に(5 UP)の乗り場呼びが割当てられる
ことになる。このように、本実施形態によれば、各カゴ
ごとに各目的階床についてのサービス完了時間の平均値
を算出するため、サービス性能にばらつきの少ないカゴ
の運行が可能となる。
【0198】[6.第6実施形態]本実施形態は、前記
第3実施形態の変形であって、割当指令装置25に変更
を加えたものである。なお、目的階床指示装置22は、
上記第3実施形態と同様であり、また、到着時間予測装
置23は、表11に示す予測到着時間データを割当指令
装置25に送出するものとする。
【0199】[6−1.第6実施形態の構成及び作用]
本実施形態の割当指令装置25は、各カゴについて算出
された未応答時間の最大値を比較し、その値が最小であ
るカゴを新たな乗り場呼びに割り当てるように構成され
ている。すなわち、表11に示された入力データより表
12に示す各カゴの未応答時間データを算出し、カゴE
1の未応答時間の最大値(123秒)と、カゴE2の未
応答時間の最大値(61秒)とを比較して、未応答時間
が最小であるカゴE2に割当てを行なう。
【0200】[7.第7実施形態]本実施形態は、前記
第4実施形態及び第5実施形態の変形であって、割当指
令装置25に変更を加えたものである。なお、本実施形
態を説明するに際し、表18に示す予測到着時間データ
を用いる。
【0201】[7−1.第7実施形態の構成及び作用]
本実施形態の割当指令装置25は、各カゴについて算出
されたサービス完了時間の最大値を比較し、その値が最
小であるカゴを新たな乗り場呼びに割り当てるように構
成されている。すなわち、表18に示された入力データ
より表19に示す各カゴのサービス完了時間を算出し、
カゴE1のサービス完了時間の最大値(145秒)と、
カゴE2のサービス完了時間の最大値(115秒)とを
比較して、サービス完了時間が最小であるカゴE2に割
当てを行なう。
【0202】[8.第8実施形態]本実施形態は、前記
第1実施形態の変形であって、第1実施形態の基本概略
構成に加え、運行状況データ記憶装置81、追加予測指
令装置82及び経路変更指令装置83を具備したもので
ある。
【0203】[8−1.第8実施形態の構成]すなわ
ち、図8に示したように、本実施形態における運行状況
データ記憶装置81は、カゴデータ検出装置2から得ら
れる各カゴの「位置データ」と、経路データ記憶装置2
4に記憶された各カゴの「経路データ」とに基づいて、
各カゴごとに経路上に存在する他カゴデータを記憶する
ように構成されている。
【0204】また、追加予測指令装置82は、新たに発
生した乗り場呼びを契機として、各カゴについての運行
状況から他の経路の候補を立て、到着時間予測装置23
に新経路を運行した場合の到着時間を予測するように指
令を出すように構成されている。
【0205】さらに、経路変更指令装置83は、新たな
経路を運行するカゴに新たな乗り場呼びが割当てられる
場合には、経路データ記憶装置24に記憶されている古
い「経路データ」を、新たな「経路データ」に変更する
ように指令を出すように構成されている。
【0206】[8−2.第8実施形態の作用]上記のよ
うな構成を有する第8実施形態は、以下に述べるように
作用する。
【0207】[8−2−1.運行状況データ記憶処理]
本実施形態の運行状況データ記憶装置81では、各カゴ
の「位置データ」と「経路データ」とに基づいて、各カ
ゴごとに経路上に存在する他カゴデータが記憶される。
なお、本実施形態の説明に際し、経路データ記憶装置2
4に記憶された「経路データ」を表20に示す。
【0208】
【表20】 また、表21は、カゴデータ検出装置2で検出される各
カゴの「位置データ」を示したものである。
【0209】
【表21】 これらより、運行状況データ記憶装置81は、表22に
示す経路上の他カゴデータを記憶する。なお、図4から
も明らかなように、現時点では、両カゴは互いに経路上
に存在しないので、各データは“null”である。
【0210】
【表22】 今、仮に、カゴE2が第3シャフトの5階床に存在する
とした場合、運行状況データは、以下のようになる。
【0211】
【表23】 すなわち、カゴE1に関する運行状況データとして、カ
ゴE1の経路(10@3)〜(1@3)にカゴE2が存
在することを意味している。一方、カゴ2については、
カゴ1は経路上に存在しないので“null”である。
【0212】[8−2−2.追加予測指令処理]本実施
形態の追加予測指令装置82では、新たに発生した乗り
場呼びを契機として、各カゴについての運行状況から他
の経路の候補を立て、到着時間予測装置23に新経路を
運行した場合の到着時間を予測させるべく指令を出す。
ここではさらに、上述した第2実施形態(最小未応答時
間に基づいて割り当てる場合)を用いて説明する。
【0213】すなわち、現状では、(5 UP)の新た
な乗り場呼びに対して、各カゴは、表20に示した「経
路データ」に基づいて、表24に示す停止予定位置に従
って運行される。
【0214】
【表24】 しかし、各カゴは、10階床の横行階を横行移動するこ
とによって、既定の経路とは異なるシャフトに移動する
ことが可能である。つまり、カゴE1及びE2に、表2
5に示すような新しい経路を設定することが可能であ
る。なぜなら、カゴE1は、第4シャフトの10階で横
行移動せずに、第4シャフトを1階まで下降して、第2
シャフトまで横行移動することが可能であり、また、カ
ゴE2は、10階で第3シャフトから第4シャフトへ横
行移動し、第4シャフトを10階から1階まで下降し
て、第2シャフトまで横行移動することが可能であるか
らである。
【0215】
【表25】 このように、表25に示した新たな経路を運行する場
合、表21に示す各カゴの「位置データ」から、どちら
の経路にも現在他カゴは存在しないが、カゴE2につい
ては、既定の経路より遠回りになる。また、カゴE2に
ついては、既定の経路でも他カゴは存在しないので、新
たな経路の設定は行なわれず、カゴE1についてのみ、
表26に示す「経路データ」を新たな経路の候補とす
る。
【0216】
【表26】 上述した第2実施形態では、表2に示す「目的階床デー
タ」が到着時間予測装置23に送出されたが、本実施形
態では、カゴE1については、追加予測指令装置82に
おいて新経路が設定されたので、表27に示す「目的階
床データ」が到着時間予測装置23に追加される。
【0217】
【表27】 次に、到着時間予測装置23は、第2実施形態と同様の
計算によって、表28に示す到着時間を予測する。な
お、カゴE1aもカゴE2と(1@3)で衝突の可能性
があるため、カゴE1の場合と同じ予測到着時間となっ
ている。
【0218】
【表28】 この場合、割当指令装置25により、最短未応答時間を
持つカゴE2が(5UP)の新たな乗り場呼びに割り当
てられることになる。今、仮に、カゴE1aの未応答時
間が最短となり、カゴE1aが新たな乗り場呼びに割当
てられる場合には、経路変更指令装置83は、経路デー
タ記憶装置24に記憶されているカゴE1の「経路デー
タ」を、カゴE1aの「経路データ」(表26に示す経
路データ)に変更するように指令を出す。
【0219】このように、本実施形態によれば、各カゴ
について新たな経路を設定し、その上で未応答時間が最
短となるカゴを選択することができるので、より効率の
良いカゴの運行が可能となる。
【0220】[9.第9実施形態]本実施形態は、前記
第8実施形態の変形であって、第8実施形態の基本概略
構成に加え、運行状況識別装置91を具備したものであ
る(図9参照)。なお、第8実施形態の状況に対して、
カゴE3が第4シャフトの17階に30秒前から停止し
ているものとする。この場合、運行状況データは、以下
の通りである。
【0221】
【表29】 [9−1.第9実施形態の構成]本実施形態における運
行状況識別装置91は、運行状況データ記憶装置81か
ら得られる運行状況において、経路上に渋滞・混雑が発
生しているか否かを判別するように構成されている。第
1実施形態で示したビルモデル(図3)において、以下
の場合を渋滞・混雑と判定する。すなわち、第1は、カ
ゴが20秒以上停止を続けている場合であり、第2は、
同一シャフトの横行階の間(例えば、図3における第3
シャフトの10階と20階の間)に、2台以上のカゴが
稼働している場合を渋滞・混雑と判定するものとする。
なお、渋滞・混雑の定義は、個々のビルに応じて設定す
るものとする。
【0222】したがって、表29から、カゴE3が渋滞
状況にあると判定され、カゴE1に関して表30に示す
ような「渋滞・混雑データ」を出力する。
【0223】
【表30】 また、追加予測指令装置82は、運行状況識別装置91
から得られるデータに渋滞・混雑が存在する経路があれ
ば、経路データ記憶装置24に記憶された「経路デー
タ」に基づいて、現在地から変更可能な経路であって、
かつ、渋滞・混雑のない経路を設定して、到着時間予測
装置23に、新たな経路を運行するカゴについて予測到
着時間を予測するように指令を出す。
【0224】上記表30では、カゴE1の経路において
渋滞・混雑が発生している。しかし、カゴE1の現在位
置は20@4であり、横行階にいるため、経路の変更は
即座に可能である。つまり、設定される新たな経路は、
以下の通りである。
【0225】
【表31】 なお、このとき、カゴE1の現在位置は新たな経路の経
路外であるが、運行に際してはまず、新たな経路上の最
も近い位置に移動してから、新たな経路上を運行するも
のとする。ただし、本実施形態においては、新たに発生
した乗り場呼びを契機として到着時間の予測を行なうも
のではない。したがって、経路変更の対象となるカゴに
ついてのみ、現在割り当てられている乗り場呼びやカゴ
呼びに対しての予測を行なう。
【0226】また、割当指令装置25における評価は、
上述した第2実施形態で用いた最小未応答時間に基づく
ことにする。なお、新たな乗り場呼びに対応するもので
はないから、「目的階床データ」は、目的階床指示装置
22から得られる「目的階床データ」のカゴE1のう
ち、現在位置から一番遠い乗り場呼びを目的階床とし、
到着時間予測装置23は、カゴE1に関して表32に示
す「目的階床データ」を定めるものとする。ただし、5
階床の乗り場呼びはカゴE2に割り当てられたものとし
た。
【0227】
【表32】 なお、渋滞・混雑によるペナルティ時間を30秒とする
と、予測到着時間は、以下のようになる。
【0228】
【表33】 なお、リニアモータにおける通電区間の関係などに基づ
くハードウェア上の制約、例えば、「15階にカゴがい
るときは、その上下1階床には他のカゴが進入できな
い」などといった制約は、ここでは考えないものとす
る。
【0229】このように、本実施形態においては、割当
指令装置25は、表33に示す結果から、カゴE1aの
場合に未応答時間が30秒となり、カゴE1の場合より
小さいので経路変更されることになり、表31に示す新
たな経路を設定し、経路変更指令装置83は、経路デー
タ記憶装置24の「経路データ」を変更するように指令
を出す。
【0230】[10.第10実施形態]本実施形態は、
前記第1実施形態の変形であって、第1実施形態の基本
概略構成に加え、特定領域判定装置101及びパターン
運行指令装置102を具備したものである。
【0231】すなわち、図10に示したように、特定領
域判定装置101は、カゴデータ検出装置2から得られ
る各カゴの「位置データ」から、各カゴが所定の領域内
にあるか否かを判定する。ここで、(1 3 1 1)
は(階 シャフト 階 シャフト)を表し、1@3〜1
@1(すなわち、第3シャフトの1階〜第1シャフトの
1階)の区間を表すものとする。従って、(1 3 1
1)を特定の領域とすると、現在はカゴE1及びE2
は特定領域内に存在しないことになる。図4に示したよ
うに、カゴE1及びE2は、それぞれ20@4、15@
3にいるからである。
【0232】今、仮に、カゴE1が(1 3 1 2)
を横行移動中だとすると特定領域に存在することにな
り、表34に示すデータがパターン運行指令装置102
に送出される。
【0233】
【表34】 次に、パターン運行指令装置102は、上記特定領域に
あるカゴについて、経路データ記憶装置24に記憶され
た「経路データ」とは無関係に、所定の特別経路を出力
する。例えば、表34では、カゴE1が特定領域に存在
するので、特別経路を表35に示すデータとして定めて
おき、この情報を到着時間予測装置23に送出する。
【0234】
【表35】 また、到着時間予測装置23は、この特別経路が設定さ
れている場合(カゴE1が特定領域にいる場合)、経路
データ記憶装置24から得られるカゴE1の「経路デー
タ」の代わりに、表35に示す経路を定めて、特別経路
以外の運行はしないものとする。
【0235】[11.第11実施形態]本実施形態は、
前記第1実施形態の変形であって、第1実施形態の基本
概略構成に加え、乗り場呼び頻度判定装置111及び重
複割当指令装置112を具備したものである。
【0236】すなわち、図11に示したように、乗り場
呼び頻度判定装置111は、乗り場呼び登録装置1にお
いて同階床同方向の乗り場呼びの登録・抹消が所定時間
間隔で繰り返される場合の頻度を判定し、それを「頻度
データ」として算出する。例えば、(5 UP)の乗り
場呼びが登録される場合に、過去に(5 UP)が登録
されたことがあり、かつ、その呼びにカゴが応答して登
録が抹消されたことがあった場合に、その頻度を判定し
て、それを「頻度データ」として算出するものである。
具体的には、乗り場呼び頻度判定装置111は、同階床
同方向の乗り場呼びが登録されてから登録が抹消される
までの時間(乗り場呼びの登録が繰り返される時間間
隔)の平均値を算出することとなる。なお、本実施形態
では、繰り返し間隔(平均値)は、30秒であるとす
る。
【0237】また、重複割当指令装置112は、前記乗
り場呼び頻度判定装置111により得られた「頻度デー
タ」に基づいて、表36に示す所定の台数がその乗り場
呼びに割り当てられるように、割当指令装置25に指令
を送出する。
【0238】
【表36】 上記の例でいえば、重複割当指令装置112は、表36
に従って(5 UP)の乗り場呼びに2台のカゴを割り
当て、表37に示す指令を送出する。
【0239】
【表37】 また、割当指令装置25は、上述した実施形態に示した
所定の評価法に基づき、重複割当指令装置112から指
令される台数分のカゴを乗り場呼びに割り当てる。
【0240】[12.第12実施形態]本実施形態は、
前記第1実施形態の変形であって、第1実施形態の基本
概略構成に加え、カゴ間距離算出装置121及び先頭カ
ゴ無視割当指令装置122を具備したものである。
【0241】すなわち、図12に示したように、カゴ間
距離算出装置121は、カゴデータ検出装置2から得ら
れる各カゴの「位置データ」に基づいてカゴ間距離を算
出する。ここで、カゴ間の距離とは、あるカゴのいる階
床に到達するまでの経路に沿った階床移動数によって定
めるものとする。例えば、図4に示したビルモデルにつ
いてみれば、カゴ間距離は、以下のようになる。
【0242】
【表38】 また、先頭カゴ無視割当指令装置122は、前記「カゴ
間距離データ」に基づき、後続カゴとの距離が所定以上
離れているか否かを判断し、所定距離以上離れていると
判断した場合には、そのカゴに対して新たに乗り場呼び
を割り当てないように割当指令装置25に指令する。
【0243】上記表38の場合、上昇シャフトにカゴが
いないので、先々に発生する上昇の乗り場呼びに素早く
対応はできないと推測される。そこで、現在の呼び状況
に都合の良いカゴE2に新たな乗り場呼びを割り当てる
のではなく、カゴE1に割り当てる。また、カゴE2は
先々に発生する乗り場呼びに対して素早く対応できるよ
うに、先行カゴE1との距離が離れているカゴE2に対
して乗り場呼びを割当てないようにする。
【0244】[13.第13実施形態]本実施形態は、
前記第1実施形態の変形であって、第1実施形態の基本
概略構成に加え、運行状況データ記憶装置131、割当
除外カゴ指示装置132及び特定領域判定装置133を
具備したものである。
【0245】すなわち、図13に示したように、運行状
況データ記憶装置131は、上述した第8実施形態と同
様に、カゴデータ検出装置2から得られる各カゴの「位
置データ」と、経路データ記憶装置24に記憶された各
カゴの「経路データ」とに基づいて、各カゴごとに、経
路上に存在する他カゴデータを記憶する。ここでは、経
路データ記憶装置24に記憶された「経路データ」は、
表20に示したものとし、カゴデータ検出装置2で検出
されるカゴの位置は、表21に示したものとする。
【0246】また、特定領域判定装置133は、上述し
た第10実施形態と同様に、カゴデータ検出装置2から
得られる各カゴの「位置データ」に基づいて、カゴが所
定の領域内にあるか否かを判定する。例えば、(10
4 1 4)を特定の領域とすると、図3に示すカゴE
1、カゴE2はそれぞれ20@4、15@3にいるので
特定領域にはいないことになる。仮に、カゴE1が(1
0 4 1 4)を移動中だとすると、カゴE1は特定
領域に存在することになり、特定領域判定装置133
は、表39に示すデータを出力する。
【0247】
【表39】 さらに、割当除外カゴ指示装置132は、特定領域に存
在するカゴが所定の運行状況にあるか否かを判断し、こ
のような条件を充足するカゴに対しては、新たに乗り場
呼びを割り当てないように割当指令装置25に指令を送
出する。
【0248】今、カゴE1が表39に示すように(10
4 1 4)を運行しており、カゴE2が(10 3
1 3)を運行している場合を考える。このとき、カ
ゴE1の経路からわかるように、カゴE1は1@4に到
着すると1階床を横行移動するが、カゴE2が(10
3 1 3)を運行しているので、カゴE1の1階床で
の横行移動はカゴE2の運行状況に大きく影響を受け、
カゴE1の運行予測は難しくなる。
【0249】そこで、場所的に運行予測が難しい領域に
いるカゴについては、割当指令装置25が乗り場呼びを
割り当てる対象にしないようにカゴ(本例では、カゴE
1)を決定する。
【0250】[14.第14実施形態]本実施形態は、
前記第1実施形態の変形であって、第1実施形態の基本
概略構成に加え、再割当指令装置141を具備したもの
である(図14参照)。なお、本実施形態は、特定の状
況下において、カゴの再割当てを行うものである。すな
わち、今、(4 DN)の乗り場呼びに割り当てられて
いるカゴE1が、第3シャフトを下降中であり、カゴ呼
びのある7階床に停止しようとしているとする。一方、
カゴE2は第4シャフトを下降中であり、7階床を通過
した時点で、カゴE2については、4階床までは乗り場
呼びもカゴ呼びもないとする。このような状況下では、
4階床へはカゴE2の方が早く到着すると考えられるの
で、本実施形態では、(4 DN)の呼びをカゴE2に
再割当てする。
【0251】ここで、再割当指令装置141は、カゴデ
ータ検出装置2から検出されるカゴの「位置データ」に
基づいてカゴの位置変化を検出するとともに、乗り場呼
び登録装置1から得られる乗り場呼びの登録・抹消デー
タの変化を検出し、すでに割当カゴが決定している乗り
場呼びについて割当の見直しを行なうように、到着時間
予測装置23に指令する。
【0252】上記の例の場合、まず再割当指令装置14
1は、カゴデータ検出装置2によりカゴE1及びE2と
の位置関係が変化したことを検出して、(4 DN)の
乗り場呼びに関する到着時間を予測するように、到着時
間予測装置23に指令を送出する。
【0253】すると、到着時間予測装置23は、(4
DN)を目的階床として、あらためて到着時間を予測す
る。また、割当指令装置25は、すでに割当てられてい
る乗り場呼びについて、到着時間予測装置23により予
測された結果に基づいて再評価し、再度カゴを割り当て
る。この割当てに際しては、例えば、第2実施形態で示
した最短未応答時間による評価を用いることができる。
なお、本実施形態では、カゴE2が再割当てされること
になる。
【0254】[15.第15実施形態]本実施形態は、
前記第1実施形態の変形であって、第1実施形態の基本
概略構成に加え、乗り場呼び選択装置151及び乗り場
呼び割当分配指令装置152を具備したものである(図
15参照)。なお、本実施形態は、あるカゴが他のカゴ
の運行を妨げる可能性がある場合に、特定の呼びを別の
カゴに再割当てするものである。
【0255】例えば、カゴE1及びE2がそれぞれ第3
シャフトの9階床、12階床を下降中であるとし、さら
にカゴE1は8階床に停止しようとする場合を考える。
また、カゴE1には、(6 DN),(5 DN),
(4 DN),(3 DN)の呼びが割当られていると
する。
【0256】このような場合、カゴE1が呼びに応答す
る分、カゴE2の運行を妨げる可能性があるので、(6
DN),(5 DN),(4 DN),(3 DN)
のうち、例えば、(6 DN),(5 DN)の2つの
呼びを、カゴE2に再割当てする。これにより、カゴE
1とカゴE2の運行の効率をあげることができるように
なる。
【0257】すなわち、本実施形態においては、乗り場
呼び選択装置151は、呼びデータ記憶装置21から得
られる「呼びデータ」に基づいて、乗り場呼びの割当が
集中しているカゴがあるか否かを判断し、このようなカ
ゴがある場合には、集中している乗り場呼びの幾つかを
他のカゴに振り分けるべく、振り分ける乗り場呼びを特
定する。
【0258】この選択基準として、次のものが考えられ
る。 (1)割り当てられているカゴが有する呼びの数と、新
たに割り当てられるカゴが有する呼びの数が等しくなる
ように、再割当てする呼びの数を決定する。 (2)応答が後になるカゴには、できるだけ再割当てを
しない。つまり、上述の例でいえば、(4 DN),
(3 DN)の呼び等が該当する。 (3)カゴの次停止位置となっている呼びは変更しな
い。つまり、上述の例でいえば、カゴE1の次停止位置
がすでに6階床と定められて運行している場合が該当す
る。
【0259】また、乗り場呼び割当分配指令装置152
は、乗り場呼び選択装置151で指定される乗り場呼び
を他カゴに振り分けた場合に、その階床に他カゴが到着
する時間の予測を行なうように、到着予時間測装置23
に指令を送出する。上述の例では、乗り場呼び選択装置
151で選択された(6 DN),(5 DN)を目的
階床として、各カゴ(ここでは、カゴE2のみ)の到着
時間を到着時間予測装置23で予測する。
【0260】さらに、割当指令装置25は、すでに割り
当てされている乗り場呼びについて、到着時間予測装置
23により予測された結果から、所定の評価に従って、
割当カゴ以外について再割当をする。なお、評価は、例
えば、第3実施形態で示した最小平均未応答時間に従っ
て行うことができる。
【0261】[16.第16実施形態]本実施形態は、
前記第1実施形態の変形であって、第1実施形態の基本
概略構成に加え、経路設定装置161を具備したもので
ある。すなわち、図16に示したように、経路設定装置
161は、カゴの呼び状況に基づいて運行可能な経路を
候補として保持しておき、経路データ記憶装置24にそ
の経路候補を「経路データ」として追加する。つまり、
この追加は、呼びが新たに発生するごとに、可能な経路
を選択することによって行われる。
【0262】例えば、表1に示す「呼びデータ」をもつ
カゴE1は、表3に示す経路以外の経路、例えば表40
に示す経路を運行することも可能である。
【0263】
【表40】 従って、経路設定装置161は、表40に示す経路デー
タの候補に基づいて、経路データ記憶装置24に記憶さ
れた「経路データ」を更新する。更新された「経路デー
タ」は、以下の通りである。
【0264】
【表41】 ここで、各カゴの「経路データ」における先頭のデータ
は、現在運行している経路を示している。なお、上述し
た第9実施形態における経路データの変更は、現在の経
路データの一部を変更するものであり、経路データを新
たに追加する本実施形態とは異なるものである。
【0265】[17.第17実施形態]本実施形態にお
いては、図17に示したように、到着時間予測装置23
を具備せず、割当指令装置25内に関数評価装置171
を具備するものである。前記関数評価装置171は、次
式に示す関数を保持している。なお、数式12は、呼び
数の分散を求める関数式を示している。また、iは、新
たな乗り場呼びをカゴiに割り当てることを示してい
る。
【0266】
【数12】 また、割当指令装置25は、目的階床について数式13
に従ってカゴを割り当てる。なお、数式13は、数式1
2に示す分散が最小になるカゴjに割り当てることを示
している。
【0267】
【数13】 なお、本実施形態は、上述した実施形態(第8,14,
15実施形態)におけるカゴの再割当を用いることも可
能である。
【0268】[18.第18実施形態]本実施形態にお
いては、図18に示したように、多目的評価装置181
は、上記第2〜7実施形態で示した評価手法及び上記第
17実施形態で示した関数評価装置171による評価結
果を組み合わせた所定の評価関数に基づいて、カゴを割
り当てるものである。
【0269】前記多目的評価装置181における所定の
評価関数を、次式に示す。なお、iは、新たな乗り場呼
びをカゴiに割り当てることを示し、a〜eは、非負の
整数の個々の評価に対する重みを示す。
【0270】
【数14】 また、第17実施形態と同様に、
【数15】 として、所定の関数値が最小になる場合のカゴjに割り
当てるようにすることもできる。なお、本実施形態は、
上述した実施形態(第8,14,15実施形態)におけ
るカゴの再割当を用いることも可能である。
【0271】(B.第2の目的を達成するための発明に
関する実施形態) [19.第19実施形態]本実施形態は、請求項9及び
請求項10に対応するエレベータ群管理制御装置及びこ
のエレベータ群管理制御装置上で実行されるエレベータ
群管理制御方法(請求項24及び請求項25に対応す
る)に関するものである。
【0272】[19−1.第19実施形態の構成]本実
施形態は、複数台の縦横移動可能なエレベータカゴの運
行を司るカゴ運行制御装置4と、階床の乗り場にそれぞ
れ設置した1個以上の乗り場呼び登録装置1と、各カゴ
の状態(例えば、位置・速度・荷重)を検知または予測
想定するカゴデータ検出装置2とを備えたエレベータシ
ステムに用いられるエレベータ群管理制御装置3に関す
るものである。
【0273】[19−1−1.エレベータ群管理制御装
置の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3は、図19に示したような各装置から構成されてい
る。
【0274】すなわち、カゴ内の乗客が所望の階床を指
定するカゴ呼びと、割り当てられている乗り場呼びの階
床・方向(上昇方向の呼びなのか、もしくは下降方向の
呼びなのかの設定)・呼び発生からの経過時間からなる
「呼びデータ」を記憶する呼びデータ記憶装置110
と、前記各カゴの運行すべき経路を記憶する経路データ
記憶装置120と、前記カゴデータ検出装置2によって
検出された「カゴデータ」と、前記経路データ記憶装置
120に記憶されている「経路データ」と、前記呼びデ
ータ記憶装置110に記憶されている「呼びデータ」と
から、前記乗り場呼び登録装置1に登録された乗り場呼
びに応答させるべきカゴを選択するとともに、カゴの割
当状況を前記呼びデータ記憶装置110に出力し、「呼
びデータ」を更新・記憶させる割当指令装置130と、
前記呼びデータ記憶装置110に記憶されている各カゴ
の「呼びデータ」を入力して、乗り場呼び及びカゴ呼び
のいずれも無い「呼び無しカゴ」を検索する呼び無しカ
ゴ検索装置140と、前記呼び無しカゴ検索装置140
によって検索された「呼び無しカゴデータ」と、前記カ
ゴデータ検出装置2によって検出された「カゴデータ」
と、前記経路データ記憶装置120に記憶されている
「経路データ」とを用いて、所定の評価にしたがって、
前記呼び無しカゴ検索装置140で検索された「呼び無
しカゴ」を停止させるべき位置を指示する呼び無しカゴ
停止位置指示装置150と、前記「呼び無しカゴ」が呼
び無しカゴ停止位置指示装置150によって指示された
停止位置と異なる位置にある場合に、その「呼び無しカ
ゴ」を指示された停止位置に移動させるべく、運行指令
を出力する運行指令装置160とを備えている。
【0275】なお、前記運行指令装置160は、「呼び
無しカゴ」の運行だけでなく、前記割当指令装置130
で決定された各呼びに応答すべき「応答カゴ」の運行に
も関与している。すなわち、前記運行指令装置160に
おいては、前記呼びデータ記憶装置110、呼び無しカ
ゴ検索装置140及び呼び無しカゴ停止位置指示装置1
50を介して送られる割当指令装置130からのデータ
に基づいて、各呼びに応答すべき「応答カゴ」に運行指
令を出力するように構成されている。
【0276】[19−1−2.呼び無しカゴ停止位置指
示装置の構成]以下、本実施形態におけるエレベータ群
管理制御装置3に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Aの具体的な構成について、図20に基づい
て詳細に説明する。
【0277】すなわち、前記呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Aは、前記経路データ記憶装置120に記憶
されている「経路データ」と、前記カゴデータ検出装置
2から送られる各「カゴデータ」に基づいて、各「呼び
無しカゴ」について、その運行方向にある最も近い横行
階を検出する次横行階検出装置1510と、前記次横行
階検出装置1510で検出される横行階を、「呼び無し
カゴ」の停止位置として決定する呼び無しカゴ停止位置
決定装置1511とを備えている。
【0278】[19−2.第19実施形態の作用]上記
のような構成を有する第19実施形態は、次のような作
用を有する。
【0279】[19−2−1.呼びデータ記憶処理]図
19に示した呼びデータ記憶装置110では、各カゴに
ついて、予め割当られている乗り場呼びの階床・方向
(上昇方向の呼びなのか、もしくは下降方向の呼びなの
かの設定)、カゴ呼び(エレベータ内の乗客が降車する
階床)の階床及び呼び発生からの経過時間を、「呼びデ
ータ」として表42に示すような形式で記憶している。
【0280】
【表42】 ここで、Hは乗り場呼び、Cはカゴ呼びを表し、UPは
上昇方向、DNは下降方向を示すものとする。例えば、
カゴ1についての(H,16,DN,5)という「呼び
データ」は、時間が5秒経過した下降方向の乗り場呼び
が16階に発生していることを示している。また、カゴ
2についての、(C,9,DN,22)という「呼びデ
ータ」は、カゴ2の乗客に、下降方向の運行によって、
9階で降りることを22秒前に登録した客がいることを
示している。なお、この経過時間は、呼びデータの登録
・抹消・検索等によって自動的に更新されるものとす
る。
【0281】[19−2−2.経路データ記憶処理]ま
た、経路データ記憶装置120では、各カゴが運行すべ
き道筋を「経路データ」として記憶している。例えば、
図21に示すように、4本のシャフトを持つ20階床の
ビルにおいて、第4シャフトの20階にいるカゴが、5
階に発生した上昇方向の乗り場呼びに応答するために
は、破線の矢印が示すように、第4シャフトを10階ま
で下り、10階で第3シャフトに横行移動した後、第3
シャフトを1階まで下り、1階で第2シャフトに横行移
動し、第2シャフトを5階まで昇って、乗り場呼びに応
答する道筋が考えられる。
【0282】このように各カゴが運行すべき道筋を予め
カゴ毎に定めておき、「経路データ」として表43に示
すような形式で記憶しておく。例えば、カゴ1について
の「経路データ」は、横行階は1階と10階と20階で
あり、1階では第3シャフトから第2シャフトへ横行移
動し、20階では第2シャフトから第4シャフトへ横行
移動し、また、10階では第4シャフトから第3シャフ
トへ横行移動する経路がカゴ1が運行すべき道筋として
定められていることを意味している。なお、図22は表
43に示した「経路データ」を図示したものである。
【0283】
【表43】 [19−2−3.割当指令処理]図19に示した割当指
令装置130は、各カゴについて、カゴデータ検出装置
2によって検出される「カゴデータ」、経路データ記憶
装置120に記憶された「経路データ」、呼びデータ記
憶装置110に記憶されている各カゴのカゴ呼びと割り
当てられている乗り場呼びからなる「呼びデータ」とか
ら、新たに登録された乗り場呼びに応答させるべきカゴ
を決定し、かつ、その応答カゴに割り当てられた乗り場
呼びを、新たな呼びデータとして、呼びデータ記憶装置
110に記憶させ、または、従来のデータを更新させ
る。
【0284】なお、この割当指令装置130による応答
カゴ決定方法としては、種々の方法が考えられるが、こ
こでは、乗り場呼びの発生階床に最も近い場所にいるカ
ゴ(定められたシャフト方向に沿って対応可能なところ
にいるカゴ)に割り当てをおこなうものとする。
【0285】例えば、各カゴが図22に示すような位置
に存在する場合に、15FにUPの乗り場呼びが発生し
たとき、UP方向のシャフト(図22においては、第1
シャフト及び第2シャフト)にいて、その乗り場呼びの
階床(15階)に一番近い位置にいるカゴ5が割り当て
られる。そして、割当指令装置130の指示により、呼
びデータ記憶装置110のデータが表44に示したよう
に変更される。すなわち、この表44を前記表42と比
較すると、新たにカゴ5について「呼びデータ」が記憶
されていることがわかる。
【0286】
【表44】 [19−2−4.呼び無しカゴ検索処理]図19に示し
た呼び無しカゴ検索装置140は、呼びデータ記憶装置
110に記憶されている各カゴの「呼びデータ」を検索
して、「カゴ呼び」及び「乗り場呼び」をともに持たな
いカゴを検出するものである。上述したように、呼びデ
ータ記憶装置110において、表42に示したような
「呼びデータ」が記憶されているものとすると、「カゴ
呼び」及び「乗り場呼び」をともに持たないカゴとし
て、カゴ3、カゴ4及びカゴ5が検出される。
【0287】[19−2−5.呼び無しカゴ停止位置指
示処理]図20に示した呼び無しカゴ停止位置指示装置
150Aは、呼び無しカゴ検索装置140で検出された
呼び無しカゴの各々について、所定の条件を満たす新た
な停止位置を定めるものである。
【0288】(A)呼び無しカゴの停止位置を決定する
ための条件 本実施形態の呼び無しカゴ停止位置指示装置150Aに
おいては、各呼び無しカゴが、その運行シャフト内にお
いて、次に到達するであろう横行階の位置を、その呼び
無しカゴの次停止位置とする。また、呼び無しカゴが横
行階に存在している場合には、その位置にそのまま停止
しておくものとする。
【0289】なお、本実施形態の呼び無しカゴ停止位置
指示装置150Aにおいて、各呼び無しカゴが次に到達
するであろう横行階の位置を、その呼び無しカゴの次停
止位置とすることとしたのは、以下の理由による。すな
わち、呼び無しカゴが横行階に位置していれば、たと
え、その呼び無しカゴが、呼びを持つ他のカゴの運行の
妨げになったとしても、直ちに他のシャフトに横行移動
することができるからである。
【0290】ここで、本実施形態の呼び無しカゴ停止位
置指示装置150Aによる呼び無しカゴの停止位置の決
定方法について、例を挙げて具体的に説明する。例え
ば、各カゴが図22に示すような位置に存在する場合
に、カゴ3が存在する第1シャフトはUP方向のシャフ
トなので、カゴ3が次に到達するであろう横行階は、第
1シャフトの10階である。したがって、カゴ3の停止
すべき位置は「第1シャフトの10階」と決定される。
また、カゴ4が存在する第4シャフトはDOWN方向の
シャフトなので、カゴ4が次に到達するであろう横行階
は、第4シャフトの10階である。したがって、カゴ4
の停止すべき位置は「第4シャフトの10階」と決定さ
れる。さらに、カゴ5についてみると、カゴ5は第2シ
ャフトの横行階である10階に位置しているので、その
位置にそのまま停止すべきであると決定される。したが
って、各呼び無しカゴの配置は、表45に示したように
なる。
【0291】
【表45】 [19−2−6.運行指令処理]図19に示した運行指
令装置160では、各呼び無しカゴを、前記呼び無しカ
ゴ停止位置指示装置150によって指示された停止位置
まで移動すべく、運行指令をカゴ運行制御装置4に出力
する。
【0292】また、この運行指令装置160において
は、前記呼びデータ記憶装置110、呼び無しカゴ検索
装置140及び呼び無しカゴ停止位置指示装置150を
介して送られる割当指令装置130からのデータに基づ
いて、各呼びに応答すべき「応答カゴ」に対してもカゴ
運行制御装置4に運行指令を出力する。
【0293】[19−3.第19実施形態の効果]上記
のような構成を有する第19実施形態に示したエレベー
タ群管理制御装置及びこのエレベータ群管理制御装置上
で実行されるエレベータ群管理制御方法は、以下のよう
な効果を奏する。
【0294】すなわち、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、呼び無しカゴを、そのカゴが存在するシャフ
ト内の横行階に位置させることにより、たとえ、その呼
び無しカゴが、呼びを持つ他のカゴの運行の妨げになっ
たとしても、直ちに他のシャフトに横行移動させること
ができるので、運行効率及び安全性の向上が図れる。
【0295】[20.第20実施形態]本実施形態は、
請求項9及び請求項11に対応するエレベータ群管理制
御装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行され
るエレベータ群管理制御方法(請求項24及び請求項2
6に対応する)に関するものである。
【0296】[20−1.第20実施形態の構成]本実
施形態は、前記第19実施形態の変形であって、呼び無
しカゴ停止位置指示装置の具体的構成に変更を加えたも
のである。
【0297】[20−1−1.エレベータ群管理制御装
置の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3は、呼び無しカゴ停止位置指示装置の構成に変更が
施された以外は、上記第19実施形態と同様に構成され
ている(図19参照)。
【0298】[20−1−2.呼び無しカゴ停止位置指
示装置の構成]以下、本実施形態におけるエレベータ群
管理制御装置3に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Bの具体的な構成について、図23に基づい
て詳細に説明する。
【0299】すなわち、前記呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Bは、前記経路データ記憶装置120に記憶
されている「経路データ」と、前記カゴデータ検出装置
2、呼びデータ記憶装置110及び呼び無しカゴ検索装
置140から送られる各「カゴデータ」に基づいて、あ
る呼び無しカゴに後続して運行する呼びを持つカゴ(後
続カゴ)が存在する場合に、それらの呼びを持つカゴの
中で、前記呼び無しカゴが存在する階床に最も近い後続
カゴに割り当てられている乗り場呼びの位置、あるい
は、その後続カゴのカゴ呼びの位置を検出する後続カゴ
運行予定位置検出装置1520と、前記後続カゴ運行予
定位置検出装置1520で検出される位置までその後続
カゴが運行する場合であって、前記「呼び無しカゴ」の
存在が後続カゴの運行の妨げとなる場合に、その呼び無
しカゴを後続カゴの運行の妨げとならない位置に移動さ
せるべく、その停止位置を決定する呼び無しカゴ停止位
置決定装置1521とを備えている。
【0300】なお、「後続カゴ」とは、あるカゴの経路
上で、そのカゴより後方にいる、同シャフトを運行する
予定の他カゴをいうこととする。
【0301】[20−2.第20実施形態の作用]上記
のような構成を有する第20実施形態は、次のような作
用を有する。以下、第19実施形態との相違点である呼
び無しカゴ停止位置指示処理について説明する。
【0302】[20−2−1.呼び無しカゴ停止位置指
示処理]図23に示した呼び無しカゴ停止位置指示装置
150Bは、呼び無しカゴ検索装置140で検出された
呼び無しカゴの各々について、所定の条件を満たす新た
な停止位置を定めるものである。
【0303】(A)呼び無しカゴの停止位置を決定する
ための条件 本実施形態の呼び無しカゴ停止位置指示装置150Bに
おいては、後続カゴ運行予定位置検出装置1520によ
って、呼び無しカゴ検出装置140で検出された呼び無
しカゴの後続カゴを検出し、この後続カゴの次停止位置
を求める。そして、この後続カゴの次停止位置への運行
の妨げとならない横行階の位置を、その呼び無しカゴの
次停止位置とする。なお、呼び無しカゴが、後続カゴの
次停止位置への運行の妨げとならない場合には、現在の
位置にそのまま停止しておくものとする。
【0304】なお、本実施形態の呼び無しカゴ停止位置
指示装置150Bにおいて、各呼び無しカゴの次停止位
置を決定する条件を上記のように定めた理由は、以下の
通りである。すなわち、ある呼び無しカゴに呼びを持つ
後続カゴがあり、その後続カゴの運行の妨げになる場合
に、その呼び無しカゴが横行階に位置していれば、直ち
に他のシャフトに横行移動することができるからであ
る。
【0305】ここで、本実施形態の呼び無しカゴ停止位
置指示装置150Bによる呼び無しカゴの停止位置の決
定方法について、例を挙げて具体的に説明する。例え
ば、前記呼び無しカゴ検索装置140によって、カゴ
3、カゴ4及びカゴ5が呼び無しカゴとして検出され、
各カゴが図22に示すような位置に存在するとする(こ
こでは、すべてのカゴが停止しているものとする)。
【0306】次に、後続カゴ運行予定位置検出装置15
20によって、カゴデータ検出装置2で検出される各カ
ゴの「位置・速度データ」と、経路データ記憶装置12
0に記憶される各呼び無しカゴの「経路データ」とか
ら、各呼び無しカゴの後続カゴが決定される。ここで
は、図22を参照して表43の経路データを検索する
と、カゴ3の後続カゴはカゴ4、カゴ4の後続カゴはカ
ゴ1、カゴ5の後続カゴはカゴ2である。
【0307】このようにして検索された後続カゴ1,2
について、表42に示した「呼びデータ」から次停止位
置を求めると、表46に示したように、カゴ1の次停止
位置は16@4で、カゴ2の次停止位置は9@3として
検出される。なお、上述したように、カゴ3の後続カゴ
はカゴ4であるが、カゴ4は呼び無しカゴであるため、
この場合は考慮されない。また、上記「16@4」と
は、第4シャフトの16Fの位置を示している。
【0308】
【表46】 また、前記呼び無しカゴ停止位置決定装置1521は、
呼び無しカゴ検索装置140で検出された呼び無しカゴ
の次停止位置を定める(通常、呼び無しカゴは現在位置
に停止したままである)。
【0309】ここでは、カゴ3,カゴ4及びカゴ5が呼
び無しカゴとして検出されているので、まず、カゴ3か
ら順に、その後続カゴの次停止位置を後続カゴ運行予定
位置検出装置1520で検索していく。そして、経路デ
ータ記憶装置120に記憶される「経路データ」と、カ
ゴデータ検出装置2で検出される「呼び無しカゴの現在
位置」とを参照して、その呼び無しカゴが後続カゴの次
停止位置の妨げになる場合には、妨げにならないような
横行階床の位置を、その呼び無しカゴの次停止位置とし
て決定する。
【0310】すなわち、カゴ3の後続カゴはカゴ4であ
るが、カゴ4は呼び無しカゴなので、カゴ3の次停止位
置は、現在位置5@1のままとされる。なお、後述する
ように、すぐあとで、カゴ4には次停止位置が設定され
るが、カゴ3へのその影響は、カゴデータの変化などに
より再度の呼び無しカゴ停止位置計算において反映され
ることを前提として、ここでは、呼び無しカゴの設定の
繰り延べはおこなわないものとする。
【0311】次に、カゴ4の後続カゴであるカゴ1の次
停止位置は16@4であり、17@4にいるカゴ4は、
カゴ1の次停止位置への運行の妨げとなる。したがっ
て、カゴ4の次停止位置を、カゴ4の経路の横行階であ
る10@4とする(なお、図22に示したように、1
階、10階、20階は横行階)。
【0312】最後に、カゴ5の後続カゴであるカゴ2の
次停止位置は9@3であり、10@2にいるカゴ5は、
カゴ2の次停止位置への運行の妨げとならない。したが
って、カゴ5の次停止位置は、現在位置10@2のまま
とされる。
【0313】その結果、各呼び無しカゴの配置は、表4
7に示したようになる。
【0314】
【表47】 [20−3.第20実施形態の効果]上記のような構成
を有する第20実施形態に示したエレベータ群管理制御
装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行される
エレベータ群管理制御方法は、以下のような効果を奏す
る。
【0315】すなわち、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、呼び無しカゴが、それに後続する呼びを持つ
カゴの運行の妨げとなる場合に、その呼び無しカゴを横
行階に位置させることにより、直ちに他のシャフトに横
行移動させることができるので、運行効率及び安全性の
向上が図れる。
【0316】[21.第21実施形態]本実施形態は、
請求項9及び請求項12に対応するエレベータ群管理制
御装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行され
るエレベータ群管理制御方法(請求項24及び請求項2
7に対応する)に関するものである。
【0317】[21−1.第21実施形態の構成]本実
施形態は、前記第19実施形態の変形であって、呼び無
しカゴ停止位置指示装置の具体的構成に変更を加えたも
のである。
【0318】[21−1−1.エレベータ群管理制御装
置の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3は、呼び無しカゴ停止位置指示装置の構成に変更が
施された以外は、上記第19実施形態と同様に構成され
ている(図19参照)。
【0319】[21−1−2.呼び無しカゴ停止位置指
示装置の構成]以下、本実施形態におけるエレベータ群
管理制御装置3に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Cの具体的な構成について、図24に基づい
て詳細に説明する。
【0320】すなわち、前記呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Cは、前記経路データ記憶装置120に記憶
されている「経路データ」と、前記カゴデータ検出装置
2、呼びデータ記憶装置110及び呼び無しカゴ検索装
置140から送られる各「カゴデータ」に基づいて、あ
る呼び無しカゴに先行して運行する呼びを持つカゴ(先
行カゴ)が存在する場合に、それらの先行カゴの中で、
その呼び無しカゴに最も近い位置にいる先行カゴの運行
階床を検出する先行カゴ運行階床検出装置1530と、
前記呼び無しカゴの運行する階床が、前記先行カゴ運行
階床検出装置1530によって検出される先行カゴの位
置から所定の距離以上になった場合に、その呼び無しカ
ゴを、先行カゴから所定の距離内に移動させるべく、そ
の停止位置を決定する呼び無しカゴ停止位置決定装置1
531とを備えている。
【0321】なお、「先行カゴ」とは、あるカゴの経路
上で、そのカゴより前方にいる他カゴをいうこととす
る。
【0322】[21−2.第21実施形態の作用]上記
のような構成を有する第21実施形態は、次のような作
用を有する。以下、第19実施形態との相違点である呼
び無しカゴ停止位置指示処理について説明する。
【0323】[21−2−1.呼び無しカゴ停止位置指
示処理]図24に示した呼び無しカゴ停止位置指示装置
150Cは、呼び無しカゴ検索装置140で検出された
呼び無しカゴの各々について、所定の条件を満たす新た
な停止位置を定めるものである。
【0324】(A)呼び無しカゴの停止位置を決定する
ための条件 本実施形態の呼び無しカゴ停止位置指示装置150Cに
おいては、先行カゴ運行階床検出装置1530によっ
て、呼び無しカゴ検出装置140で検出された呼び無し
カゴの先行カゴを検出し、この先行カゴの運行階床を求
める。そして、この先行カゴの運行階床と呼び無しカゴ
の位置する階床との距離が、所定の距離以上になった場
合に、先行カゴから所定の距離内にある階床をその呼び
無しカゴの次停止位置とする。
【0325】なお、先行カゴの運行階床と呼び無しカゴ
の位置する階床との距離が、所定の距離内であれば、呼
び無しカゴは、現在の位置にそのまま停止しておくもの
とする。また、上記「所定の距離」をいくつにするか
は、本発明を利用したエレベータを設置するビルの階床
数、横行階の個数等に基づいて、適宜設定される。
【0326】また、本実施形態の呼び無しカゴ停止位置
指示装置150Cにおいて、各呼び無しカゴの次停止位
置を決定する条件を上記のように定めた理由は、以下の
通りである。すなわち、呼び無しカゴと先行カゴとが、
所定の距離以上離れている場合には、両カゴの間に発生
するであろう乗り場呼びへの応答が悪くなることが予想
されるからである。
【0327】ここで、本実施形態の呼び無しカゴ停止位
置指示装置150Cによる呼び無しカゴの停止位置の決
定方法について、例を挙げて具体的に説明する。例え
ば、前記呼び無しカゴ検索装置140によって、カゴ
3、カゴ4及びカゴ5が呼び無しカゴとして検出され、
各カゴが図22に示すような位置に存在するとする(こ
こでは、すべてのカゴが停止しているものとする)。
【0328】次に、先行カゴ運行階床検出装置1530
によって、カゴデータ検出装置2で検出される各カゴの
「位置・速度データ」と、経路データ記憶装置120に
記憶される各カゴの「経路データ」とから、各呼び無し
カゴの先行カゴが決定される。ここでは、図22を参照
して表43の経路データを検索すると、カゴ3の先行カ
ゴはカゴ1、カゴ4の先行カゴはカゴ3、カゴ5の先行
カゴはカゴ1である。
【0329】このようにして検索された先行カゴ1,3
について、図22からその現在位置(運行階床)が、カ
ゴ1が20@4で、カゴ3が5@1として検出される。
なお、このようにして得られた先行カゴ運行階床データ
は、表48に示すようになる。
【0330】
【表48】 また、前記呼び無しカゴ停止位置決定装置1531は、
呼び無しカゴ検索装置140で検出された呼び無しカゴ
の次停止位置を定める(通常、呼び無しカゴは現在位置
に停止したままである)。
【0331】ここでは、カゴ3,カゴ4及びカゴ5が呼
び無しカゴとして検出されているので、まず、カゴ3か
ら順に、その先行カゴの運行階床を先行カゴ運行階床検
出装置1530で検索していく。そして、経路データ記
憶装置120に記憶される「経路データ」と、カゴデー
タ検出装置2で検出される「呼び無しカゴの現在位置」
とを参照して、その呼び無しカゴの位置する階床が先行
カゴの運行階床から所定の距離以上開いている場合に、
先行カゴから所定の距離内にある階床をその呼び無しカ
ゴの次停止位置として決定する。
【0332】すなわち、カゴ3の先行カゴはカゴ1であ
り、両者の距離は、20階までの15階床と横行移動分
の1階床の合計16階床である。なお、ここでは、横行
階における移動を、1階床分として計算している。ま
た、カゴ4の先行カゴはカゴ3であり、両者の距離は、
1階までの16階床と横行移動分の1階床と5階までの
4階床の合計21階床である。さらに、カゴ5の先行カ
ゴはカゴ1であり、両者の距離は、20階までの10階
床と横行移動分の1階床の合計11階床である。
【0333】このように、カゴ3とカゴ4の間が21階
床もあり、他のカゴの間隔に比べて大きくなっている。
そこで、いま、カゴ4を移動してカゴ3とカゴ4の距離
を14階床にしようとすると、カゴ4の位置は10@4
になる。一方、カゴ3とカゴ5については、そのままの
位置に停止させるものとする。
【0334】その結果、各呼び無しカゴの配置は、表4
9に示したようになる。
【0335】
【表49】 [21−3.第21実施形態の効果]上記のような構成
を有する第21実施形態に示したエレベータ群管理制御
装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行される
エレベータ群管理制御方法は、以下のような効果を奏す
る。
【0336】すなわち、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、呼び無しカゴの位置する階床とそれに先行す
るカゴの運行階床との距離が所定の距離以上になった場
合に、その呼び無しカゴを先行カゴから所定の距離内に
ある階床に移動することにより、先行カゴと呼び無しカ
ゴの間に近い将来発生するであろう乗り場呼びへの素早
い応答が可能となる。
【0337】[22.第22実施形態]本実施形態は、
請求項9及び請求項13に対応するエレベータ群管理制
御装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行され
るエレベータ群管理制御方法(請求項24及び請求項2
8に対応する)に関するものである。
【0338】[22−1.第22実施形態の構成]本実
施形態は、前記第19実施形態の変形であって、呼び無
しカゴ停止位置指示装置の具体的構成に変更を加えたも
のである。
【0339】[22−1−1.エレベータ群管理制御装
置の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3は、呼び無しカゴ停止位置指示装置の構成に変更が
施された以外は、上記第19実施形態と同様に構成され
ている(図19参照)。
【0340】[22−1−2.呼び無しカゴ停止位置指
示装置の構成]以下、本実施形態におけるエレベータ群
管理制御装置3に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Dの具体的な構成について、図25に基づい
て詳細に説明する。
【0341】すなわち、前記呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Dは、前記経路データ記憶装置120に記憶
されている「経路データ」と、前記カゴデータ検出装置
2、呼びデータ記憶装置110及び呼び無しカゴ検索装
置140から送られる各「カゴデータ」に基づいて、呼
び無しカゴ以外のカゴ(呼びを持つカゴ)のカゴ間距離
を算出するカゴ間距離算出装置1540と、前記カゴ間
距離算出装置1540によって得られる「カゴ間隔デー
タ」に基づいて、カゴ間距離を均等化すべく、呼び無し
カゴの停止位置を決定する呼び無しカゴ停止位置決定装
置1541とを備えている。
【0342】[22−2.第22実施形態の作用]上記
のような構成を有する第22実施形態は、次のような作
用を有する。以下、第19実施形態との相違点である呼
び無しカゴ停止位置指示処理について説明する。
【0343】[22−2−1.呼び無しカゴ停止位置指
示処理]図25に示した呼び無しカゴ停止位置指示装置
150Dは、呼び無しカゴ検索装置140で検出された
呼び無しカゴの各々について、所定の条件を満たす新た
な停止位置を定めるものである。
【0344】(A)呼び無しカゴの停止位置を決定する
ための条件 本実施形態の呼び無しカゴ停止位置指示装置150Dに
おいては、カゴ間距離算出装置1540によって、カゴ
データ検出装置2で検出される各カゴの現在位置、経路
データ記憶装置120で記憶される各カゴの経路データ
を参照して、呼び無しカゴ検出装置140で検出される
カゴ以外のカゴ(呼びを持つカゴ)の間の距離を算出す
る。そして、これら呼びを持つカゴの間に呼び無しカゴ
を配置することによって、すべてのカゴ間の距離を均等
化できるようにする。
【0345】また、本実施形態の呼び無しカゴ停止位置
指示装置150Dにおいて、各呼び無しカゴの次停止位
置を決定する条件を上記のように定めた理由は、以下の
通りである。すなわち、呼びを持つカゴ間の距離を算出
し、その距離が他に比べて大き過ぎる場合に、それらの
カゴの間に呼び無しカゴを配置して、「呼び」の有無に
かかわらず、すべてのカゴ間の距離を均等化すれば、そ
の後に発生するであろう乗り場呼びへの応答が素早くな
されるからである。
【0346】ここで、本実施形態の呼び無しカゴ停止位
置指示装置150Dによる呼び無しカゴの停止位置の決
定方法について、例を挙げて具体的に説明する。例え
ば、前記呼び無しカゴ検索装置140によって、カゴ
3、カゴ4及びカゴ5が呼び無しカゴとして検出され、
各カゴが図22に示すような位置に存在するとする(こ
こでは、すべてのカゴが停止しているものとする)。
【0347】次に、カゴ間距離算出装置1540によっ
て、カゴデータ検出装置2で検出される各カゴの「位置
・速度データ」と、経路データ記憶装置120に記憶さ
れる各カゴの「経路データ」とから、前記呼び無しカゴ
以外のカゴ(呼びを持つカゴ)について、カゴ間距離が
算出される。
【0348】ここで、図22に示したように、呼びを持
つカゴはカゴ1とカゴ2であり、表43に示した「経路
データ」を検索すると、カゴ1は進行方向にしたがって
カゴ2まで4階床間の距離がある。すなわち、カゴ1と
カゴ2の間で、呼び無しカゴを配置できる階床は4階床
である。
【0349】また、カゴ2は進行方向にしたがってカゴ
1まで、1Fまで14階床、1Fにおけるシャフトの移
動(横行移動)を1階床分とし、1Fから20Fまで1
9階床、さらに、20Fにおけるシャフトの移動(横行
移動)を1階床分として、合計35階床間の距離があ
る。なお、このようにして得られた「カゴ間距離デー
タ」は、表50に示すようになる。
【0350】
【表50】 また、呼び無しカゴ停止位置決定装置1541は、前記
カゴ間距離算出装置1540によって算出された「カゴ
間距離データ」に基づいて、呼び無しカゴ検索装置14
0で検出された呼び無しカゴの次停止位置を定める(通
常、呼び無しカゴは現在位置に停止したままである)。
【0351】ここでは、上述したように、カゴ1からカ
ゴ2へのカゴ間距離は「4階床」と短いが、カゴ2から
カゴ1へのカゴ間距離は「35階床」と長い。したがっ
て、各カゴ間距離を均等化すべく、35階床間の距離が
あるカゴ2からカゴ1の間に呼び無しカゴを配置するこ
とを決定する。
【0352】なお、この決定は以下の式を満たすように
求められるものとする。
【0353】
【数16】 なお、上式において、“i”は呼びを持つカゴの間に配
置される呼び無しカゴの数を示している。
【0354】すなわち、上式において、i=0,1,
2,3として順次計算し、その値が最小となるiの値を
求める。本例の場合にはi=0の時が最小となり、カゴ
1からカゴ2の間には呼び無しカゴは配置されず、カゴ
2からカゴ1の間に3つの呼び無しカゴが配置されるこ
とになる。
【0355】したがって、カゴ2からカゴ1の間におい
て、各カゴ間の距離は、平均35÷(3+1)=8.7
5となる。その結果、カゴ2からこの距離だけ間隔をお
いて呼び無しカゴが配置されることになり、その配置場
所は、6@(下りシャフト)、4@(登りシャフト)、
13@(登りシャフト)と決定される。
【0356】ここで、呼び無しカゴはカゴ3,カゴ4及
びカゴ5であり、上で定められた配置場所に最も近いカ
ゴが、それぞれの配置場所に配置される。したがって、
呼び無しカゴの配置場所は、表51に示したようにな
る。なお、この場合、カゴ3の配置位置としては4@1
が望ましいが、その位置にカゴ3を配置するためには、
カゴ3はシャフト方向を逆に移動しなければならない。
本実施形態においては、シャフトの反転は行わないこと
を前提としているため、このような場合には、カゴ3は
現在の位置にそのまま停止しておくものとする。
【0357】
【表51】 [22−3.第22実施形態の効果]上記のような構成
を有する第22実施形態に示したエレベータ群管理制御
装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行される
エレベータ群管理制御方法は、以下のような効果を奏す
る。
【0358】すなわち、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、呼びを持つカゴの間に呼び無しカゴを配置
し、結果的に各カゴ間の距離をできるだけ均等にするこ
とによって、近い将来発生するであろう新たな乗り場呼
びへの素早い応答が可能となる。
【0359】[23.第23実施形態]本実施形態は、
請求項9及び請求項14に対応するエレベータ群管理制
御装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行され
るエレベータ群管理制御方法(請求項24及び請求項2
9に対応する)に関するものである。
【0360】[23−1.第23実施形態の構成]本実
施形態は、前記第19実施形態の変形であって、呼び無
しカゴ停止位置指示装置の具体的構成に変更を加えたも
のである。
【0361】[23−1−1.エレベータ群管理制御装
置の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3は、呼び無しカゴ停止位置指示装置の構成に変更が
施された以外は、上記第19実施形態と同様に構成され
ている(図19参照)。
【0362】[23−1−2.呼び無しカゴ停止位置指
示装置の構成]以下、本実施形態におけるエレベータ群
管理制御装置3に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Eの具体的な構成について、図26に基づい
て詳細に説明する。
【0363】すなわち、前記呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Eは、前記経路データ記憶装置120に記憶
されている「経路データ」と、前記カゴデータ検出装置
2、呼びデータ記憶装置110及び呼び無しカゴ検索装
置140から送られる各「カゴデータ」に基づいて、呼
び無しカゴ以外のカゴ(呼びを持つカゴ)の中から、各
呼び無しカゴに先行して運行する先行カゴ及びその階床
と運行方向を検出し、また、各呼び無しカゴに後続して
運行する後続カゴ及びその階床と運行方向を検出する先
行及び後続カゴ運行データ検出装置1550と、前記先
行カゴと後続カゴの距離を算出するカゴ間距離算出装置
1551と、前記先行及び後続カゴ運行データ検出装置
1550によって得られる「先行及び後続カゴ運行デー
タ」を用いて、呼び無しカゴの停止位置を決定する呼び
無しカゴ停止位置決定装置1552とを備えている。
【0364】[23−2.第23実施形態の作用]上記
のような構成を有する第23実施形態は、次のような作
用を有する。以下、第19実施形態との相違点である呼
び無しカゴ停止位置指示処理について説明する。
【0365】[23−2−1.呼び無しカゴ停止位置指
示処理]図26に示した呼び無しカゴ停止位置指示装置
150Eは、呼び無しカゴ検索装置140で検出された
呼び無しカゴの各々について、所定の条件を満たす新た
な停止位置を定めるものである。
【0366】(A)呼び無しカゴの停止位置を決定する
ための条件 本実施形態の呼び無しカゴ停止位置指示装置150Eに
おいては、先行及び後続カゴ運行データ検出装置155
0によって、カゴデータ検出装置2で検出される各カゴ
の現在位置、経路データ記憶装置120で記憶される各
カゴの経路データを参照して、呼び無しカゴ検出装置1
40で検出される呼び無しカゴの先行カゴと後続カゴを
検出する。
【0367】また、カゴ間距離算出装置1551によっ
て、前記先行カゴと後続カゴの間の距離を算出する。そ
して、先行カゴと後続カゴの間の適切なところに呼び無
しカゴを配置するものとする。ここでは、先行カゴと後
続カゴの中間の位置を、呼び無しカゴの次停止位置とす
る。
【0368】また、本実施形態の呼び無しカゴ停止位置
指示装置150Eにおいて、各呼び無しカゴの次停止位
置を決定する条件を上記のように定めた理由は、以下の
通りである。すなわち、呼び無しカゴの先行カゴと後続
カゴを検出し、両カゴ間の距離を算出して、その中間の
位置に呼び無しカゴを配置すれば、各カゴ間の距離の均
等化が図れるので、その後に発生するであろう乗り場呼
びへの応答が素早くなされるからである。
【0369】ここで、本実施形態の呼び無しカゴ停止位
置指示装置150Eによる呼び無しカゴの停止位置の決
定方法について、例を挙げて具体的に説明する。例え
ば、前記呼び無しカゴ検索装置140によって、カゴ
3、カゴ4及びカゴ5が呼び無しカゴとして検出され、
各カゴが図22に示すような位置に存在するとする(こ
こでは、すべてのカゴが停止しているものとする)。
【0370】次に、先行及び後続カゴ運行データ検出装
置1550によって、カゴデータ検出装置2で検出され
る各カゴの現在位置、経路データ記憶装置120で記憶
される各カゴの経路データを参照して、呼び無しカゴ検
出装置140で検出された各呼び無しカゴについて、先
行カゴと後続カゴを検出する。
【0371】すなわち、図22を参照して、表43に示
した「経路データ」を検索すると、カゴ3の先行カゴは
カゴ1、後続カゴはカゴ4であり、カゴ4の先行カゴは
カゴ3、後続カゴはカゴ1、カゴ5の先行カゴはカゴ
1、後続カゴはカゴ4と決定される。なお、ここで、カ
ゴ4の経路は、第4シャフトの10F以下ではカゴ5の
経路と異なるが、第4シャフトの20Fから10Fまで
は、カゴ5と同一の経路上にあるので、カゴ4がカゴ5
の後続カゴとされる。
【0372】そして、上記のようにして検索された呼び
無しカゴの先行カゴ及び後続カゴであるカゴ1,カゴ3
及びカゴ4について、その現在位置(運行階床)が、カ
ゴ1が20@4、カゴ3が5@1、カゴ4が17@4と
して検出される。なお、このようにして得られた「先行
及び後続カゴ運行階床データ」は、表52に示すように
なる。
【0373】
【表52】 また、カゴ間距離算出装置1551によって、前記先行
カゴと後続カゴの間の距離が算出される。すなわち、呼
び無しカゴ3についての先行カゴ1と後続カゴ4のカゴ
間距離は、カゴ4から起算すると、1Fまでの16階
床、第4シャフトから第1シャフトまでの横行移動が3
階床分、20Fまでの19階床と、20Fにおける第1
シャフトから第4シャフトまでの横行移動が3階床分の
合計41階床となる。また、同様に、呼び無しカゴ4に
ついての先行カゴ3と後続カゴ1のカゴ間距離は、カゴ
1から起算すると、1Fまでの19階床、第4シャフト
から第1シャフトまでの横行移動が3階床分、5Fまで
の4階床の合計26階床となる。さらに、呼び無しカゴ
5についての先行カゴ1と後続カゴ4のカゴ間距離は、
カゴ4から起算すると、1Fまでの16階床、第4シャ
フトから第2シャフトまでの横行移動が2階床分、20
Fまでの19階床と、20Fにおける第2シャフトから
第4シャフトまでの横行移動が2階床分の合計39階床
となる。なお、このようにして得られた「カゴ間距離デ
ータ」は、表53に示すようになる。
【0374】
【表53】 さらに、呼び無しカゴ停止位置決定装置1552は、前
記カゴ間距離算出装置1551によって算出された「カ
ゴ間距離データ」に基づいて、呼び無しカゴ検索装置1
40で検出された呼び無しカゴの次停止位置を定める
(通常、呼び無しカゴは現在位置に停止したままであ
る)。なお、ここでは、先行カゴと後続カゴの中間の位
置を、呼び無しカゴの次停止位置とする。
【0375】たとえば、呼び無しカゴ3については、以
下のようにして次停止位置が求められる。すなわち、呼
び無しカゴ3の先行カゴ1と後続カゴ4のカゴ間距離は
41階床であるので、その中間の位置は、先行カゴ1か
ら(41/2=20.5)階床だけ手前の位置となる。
なお、先行カゴと後続カゴの中間の位置を求める場合
に、小数点以下は切り捨てるものとする。
【0376】したがって、呼び無しカゴ3の次停止位置
を第1シャフトのX階とすると、(20−X)+(第1
シャフトから第4シャフトまでの横行移動分の3階床)
=20より、X=3となる。すなわち、呼び無しカゴ3
の次停止位置は、3@1となる。
【0377】同様にして求めると、呼び無しカゴ4の先
行カゴ3と後続カゴ1のカゴ間距離は26階床であるの
で、その中間の位置は、先行カゴ3から(26/2=1
3)階床だけ手前の位置となる。したがって、呼び無し
カゴ4の次停止位置を第4シャフトのY階とすると、先
行カゴ3からの距離が、4(第1シャフトの5Fから1
F)+横行移動分3+(Y−1)=13より、Y=7と
なる。すなわち、呼び無しカゴ4の次停止位置は、7@
4となる。
【0378】また、呼び無しカゴ5の次停止位置を第2
シャフトのZ階とすると、(20−Z)+(第2シャフ
トから第4シャフトまでの横行移動の2階床)=19よ
り、Z=3となる。すなわち、呼び無しカゴ5の次停止
位置は、3@2となる。
【0379】なお、この場合、上記のようにカゴ3の配
置位置としては3@1が、また、カゴ5の配置位置とし
ては3@2が望ましいが、それぞれの位置にカゴ3、カ
ゴ5を配置するためには、シャフト方向を逆に移動しな
ければならない。本実施形態においては、シャフトの反
転は行わないことを前提としているため、このような場
合には、カゴ3、カゴ5共に現在の位置にそのまま停止
しておくものとする。したがって、呼び無しカゴの配置
場所は、表54に示したようになる。
【0380】
【表54】 [23−3.第23実施形態の効果]上記のような構成
を有する第23実施形態に示したエレベータ群管理制御
装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行される
エレベータ群管理制御方法は、以下のような効果を奏す
る。
【0381】すなわち、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、各呼び無しカゴについて、先行カゴと後続カ
ゴを検出し、それらのカゴ間距離を求め、その中間位置
に呼び無しカゴを配置することにより、結果的に各カゴ
間の距離をできるだけ均等にすることができるので、近
い将来発生するであろう新たな乗り場呼びへの素早い応
答が可能となる。
【0382】[24.第24実施形態]本実施形態は、
請求項9及び請求項15に対応するエレベータ群管理制
御装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行され
るエレベータ群管理制御方法(請求項24及び請求項3
0に対応する)に関するものである。
【0383】[24−1.第24実施形態の構成]本実
施形態は、前記第19実施形態の変形であって、呼び無
しカゴ停止位置指示装置の具体的構成に変更を加えたも
のである。
【0384】[24−1−1.エレベータ群管理制御装
置の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3は、呼び無しカゴ停止位置指示装置の構成に変更が
施された以外は、上記第19実施形態と同様に構成され
ている(図19参照)。
【0385】[24−1−2.呼び無しカゴ停止位置指
示装置の構成]以下、本実施形態におけるエレベータ群
管理制御装置3に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Fの具体的な構成について、図27に基づい
て詳細に説明する。
【0386】すなわち、前記呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Fは、前記呼びデータ記憶装置110から送
られる「呼びデータ」に基づいて、乗り場呼びが発生し
ていない階床を検出する乗り場呼び無し階床検出装置1
560と、前記経路データ記憶装置120に記憶されて
いる「経路データ」と、前記カゴデータ検出装置2及び
呼びデータ記憶装置110から送られる「カゴデータ」
と、呼び無しカゴ検索装置140から送られる「呼び無
しカゴデータ」とを用いて、各呼び無しカゴが、前記乗
り場呼び無し階床検出装置1560で検出された乗り場
呼び無し階床に到着するまでに要する平均時間が、互い
に等しくなる位置を呼び無しカゴの数だけ求めて、その
位置を呼び無しカゴの停止位置として決定する呼び無し
カゴ停止位置決定装置1561とを備えている。
【0387】[24−2.第24実施形態の作用]上記
のような構成を有する第24実施形態は、次のような作
用を有する。以下、第19実施形態との相違点である呼
び無しカゴ停止位置指示処理について説明する。
【0388】[24−2−1.呼び無しカゴ停止位置指
示処理]図27に示した呼び無しカゴ停止位置指示装置
150Fは、呼び無しカゴ検索装置140で検出された
呼び無しカゴの各々について、所定の条件を満たす新た
な停止位置を定めるものである。
【0389】(A)呼び無しカゴの停止位置を決定する
ための条件 本実施形態の呼び無しカゴ停止位置指示装置150Fに
おいては、乗り場呼び無し階床検出装置1560によっ
て、呼びデータ記憶装置110から送られる「呼びデー
タ」に基づいて、乗り場呼びが発生していない階床を検
出する。
【0390】また、前記経路データ記憶装置120に記
憶されている「経路データ」と、前記カゴデータ検出装
置2及び呼びデータ記憶装置110から送られる「カゴ
データ」と、呼び無しカゴ検索装置140から送られる
「呼び無しカゴデータ」とを用いて、各呼び無しカゴ
が、前記乗り場呼び無し階床に到着するまでに要する平
均時間を求める。そして、この平均時間が最小になるよ
うに呼び無しカゴの配置を行う。
【0391】なお、ここでは、ある呼び無しカゴについ
て、そのカゴの現在位置から前方の呼び無しカゴの位置
までそのカゴを移動させるときの各呼び無し階床への到
達時間の平均値を算出し、その平均値が最小となる位置
に各呼び無しカゴを配置するものとする。
【0392】また、本実施形態の呼び無しカゴ停止位置
指示装置150Fにおいて、各呼び無しカゴの次停止位
置を決定する条件を上記のように定めた理由は、以下の
通りである。すなわち、各呼び無しカゴ間に存在する乗
り場呼びの無い階床への到達時間を求め、その平均値が
最小となる位置に呼び無しカゴを配置すれば、将来発生
するであろう乗り場呼びに対して、最短の時間で呼び無
しカゴを応答させることができるからである。
【0393】ここで、本実施形態の呼び無しカゴ停止位
置指示装置150Fによる呼び無しカゴの停止位置の決
定方法について、例を挙げて具体的に説明する。例え
ば、前記呼び無しカゴ検索装置140によって、カゴ
3、カゴ4及びカゴ5が呼び無しカゴとして検出され、
各カゴが図22に示すような位置に存在するとする(こ
こでは、すべてのカゴが停止しているものとする)。
【0394】次に、表42に示したように、3@UPと
16@DOWNで乗り場呼びが発生しているので、乗り
場呼び無し階床検出装置1560は、表55に示したよ
うなデータを出力する。
【0395】
【表55】 また、呼び無しカゴ停止位置決定装置1561は、呼び
無しカゴ検索装置140で検出される呼び無しカゴの次
停止位置を定める(通常、呼び無しカゴは現在位置に停
止したままである)。すなわち、乗り場呼び無し階床検
出装置1560によって検出された各乗り場呼び無し階
床について、呼び無しカゴが到着するまでの平均時間が
最小になるように呼び無しカゴの配置を行う。
【0396】ここでは、表55に示したように、乗り場
呼びの無い階床は、UP方向及びDOWN方向の合計で
36箇所である。したがって、これらの乗り場呼びの無
い階床のそれぞれについて、呼び無しカゴの到着時間を
求め、その平均値を算出する。
【0397】なお、各カゴは、図22に示した位置にあ
るものとする(ここでは、すべてのカゴが停止している
ものとする)。また、各呼び無しカゴの乗り場呼び無し
階床への応答は、前方の呼び無しカゴがいる階床までと
する。その階床よりさらに前方の階床については、前方
に存在する呼び無しカゴが応答できるからである。
【0398】すなわち、各カゴが図22に示した位置に
ある場合には、カゴ3が5F〜9FまでのUP呼びの5
階床に対応し、カゴ5が10F〜19FまでのUP呼び
の10階床と20F〜18FまでのDOWN呼びの3階
床に対応し、カゴ4が17Fと、15F〜2FまでのD
OWN呼びの14階床と1F,2F及び4FのUP呼び
3階床にそれぞれ対応することになる。
【0399】ここで、1階床移動するのに要する時間を
8秒とし、一挙に2階床以上移動する場合は4+4×N
秒(N:移動階床数)であるとすると、各呼び無しカゴ
が上記各乗り場呼び無し階床に到着する時間は以下のよ
うになる。
【0400】まず、カゴ3が5F〜9Fまでの乗り場呼
び無し階床に到着するのに要する時間の合計T3は、T
3=(0+8+12+16+20)=56秒となる。ま
た、カゴ5が10F〜19FまでのUP呼びと20F〜
18FまでのDOWN呼びの乗り場呼び無し階床に到着
するのに要する時間の合計T5は、T5=(0+8+1
2+16+20+24+28+32+36+40+60
+68+72)=516秒となる。
【0401】なお、ここでは、シャフトを横行移動する
場合には、シャフトを1つ移動するごとに1階床分移動
するのと同じ時間(8秒)がかかるものとして計算して
いる。すなわち、上記T5の計算において、カゴ5が2
0FのDOWN呼びに応答するのに要する時間は、4+
4×(20−10)+8(第2シャフトから第3シャフ
トへの横行移動分)+8(第3シャフトから第4シャフ
トへの横行移動分)=60秒となる。
【0402】同様にして、カゴ4が各乗り場呼び無し階
床に到着するのに要する時間の合計T4は、T4=(0
+12+16+20+24+28+32+36+40+
44+48+52+56+60+64+84+92+1
00)=808秒となる。したがって、平均到着時間は
(56+516+808)/36=30.3秒となる。
【0403】なお、この平均値は、カゴ4及びカゴ5が
対応する乗り場呼び無し階床の数が多いため、まだ短縮
可能であると思われる。すなわち、呼び無しカゴのそれ
ぞれについて、その配置位置を移動した場合に、各乗り
場呼び無し階床に到着するのに要する平均到着時間を求
め、その平均値が最小となる位置に呼び無しカゴを配置
するものとする。
【0404】また、平均値が最小となる場合において、
呼び無しカゴの配置パターンが複数考えられる場合があ
るが、その場合には、呼び応答のための呼び無しカゴの
移動を、カゴ毎に均等になるようにする。
【0405】なお、上記の例においては、カゴ5を19
@2、カゴ4を9@4に移動させる場合が平均値最小と
判断される。この場合、カゴ3が5F〜18FまでのU
P呼びの14階床に対応し、カゴ5が19FのUP呼び
の1階床と20F〜17F、15F〜10FまでのDO
WN呼びの10階床の合計11階床に対応し、カゴ4が
9F〜2FまでのDOWN呼びの8階床と1F,2F及
び4FのUP呼びの3階床の合計11階床にそれぞれ対
応することになる。
【0406】また、このときの平均値は、次式のように
して求められ、呼び無しカゴの配置位置は、表56に示
したようになる。
【0407】
【数17】
【表56】 [24−3.第24実施形態の効果]上記のような構成
を有する第24実施形態に示したエレベータ群管理制御
装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行される
エレベータ群管理制御方法は、以下のような効果を奏す
る。
【0408】すなわち、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、現在乗り場呼びの無い階床を検出し、その各
階床に呼び無しカゴが応答するまでの平均時間を求め、
その平均値が最小となるように呼び無しカゴを配置する
ことにより、近い将来発生するであろう新たな乗り場呼
びへの素早い応答が可能となる。
【0409】[25.第25実施形態]本実施形態は、
請求項9及び請求項16に対応するエレベータ群管理制
御装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行され
るエレベータ群管理制御方法(請求項24及び請求項3
1に対応する)に関するものである。
【0410】[25−1.第25実施形態の構成]本実
施形態は、前記第19実施形態の変形であって、呼び無
しカゴ停止位置指示装置の具体的構成に変更を加えたも
のである。
【0411】[25−1−1.エレベータ群管理制御装
置の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3は、呼び無しカゴ停止位置指示装置の構成に変更が
施された以外は、上記第19実施形態と同様に構成され
ている(図19参照)。
【0412】[25−1−2.呼び無しカゴ停止位置指
示装置の構成]以下、本実施形態におけるエレベータ群
管理制御装置3に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Gの具体的な構成について、図28に基づい
て詳細に説明する。
【0413】すなわち、前記呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Gは、前記呼びデータ記憶装置110から送
られる「呼びデータ」に基づいて、乗り場呼びが発生し
ていない階床を検出する乗り場呼び無し階床検出装置1
570と、前記乗り場呼び登録装置1に乗り場呼びが新
たに登録される度に、各階床毎に乗り場呼びの発生回数
の累計データを記憶し、全階床における相対値を求める
乗り場呼び発生頻度算出装置1571と、前記カゴデー
タ検出装置2及び呼びデータ記憶装置110から送られ
る「カゴデータ」と、呼び無しカゴ検索装置140から
送られる「呼び無しカゴデータ」と、前記乗り場呼び発
生頻度算出装置1571から得られる階床毎の「乗り場
呼び発生頻度データ」とを用いて、乗り場呼びの発生頻
度が高い階床を選び、呼び無しカゴの停止位置とする呼
び無しカゴ停止位置決定装置1572とを備えている。
【0414】[25−2.第25実施形態の作用]上記
のような構成を有する第25実施形態は、次のような作
用を有する。以下、第19実施形態との相違点である呼
び無しカゴ停止位置指示処理について説明する。
【0415】[25−2−1.呼び無しカゴ停止位置指
示処理]図28に示した呼び無しカゴ停止位置指示装置
150Gは、呼び無しカゴ検索装置140で検出された
呼び無しカゴの各々について、所定の条件を満たす新た
な停止位置を定めるものである。
【0416】(A)呼び無しカゴの停止位置を決定する
ための条件 本実施形態の呼び無しカゴ停止位置指示装置150Gに
おいては、乗り場呼び無し階床検出装置1570によっ
て、呼びデータ記憶装置110から送られる「呼びデー
タ」に基づいて、乗り場呼びが発生していない階床を検
出する。
【0417】また、乗り場呼び発生頻度算出装置157
1によって、乗り場呼び登録装置1に「乗り場呼び」が
新たに登録される度に、「乗り場呼び」の発生回数の累
計データを各階床毎に記憶し、全階床における相対値を
求める。
【0418】そして、前記カゴデータ検出装置2及び呼
びデータ記憶装置110から送られる「カゴデータ」
と、呼び無しカゴ検索装置140から送られる「呼び無
しカゴデータ」と、前記乗り場呼び発生頻度算出装置1
571から得られる階床毎の「乗り場呼び発生頻度デー
タ」とを用いて、乗り場呼びの発生頻度が高い階床を選
び、呼び無しカゴの次停止位置とする。
【0419】また、本実施形態の呼び無しカゴ停止位置
指示装置150Gにおいて、各呼び無しカゴの次停止位
置を決定する条件を上記のように定めた理由は、以下の
通りである。すなわち、乗り場呼び登録装置1に「乗り
場呼び」が新たに登録される度に、「乗り場呼び」の発
生回数の累計データを各階床毎に記憶し、全階床におけ
る相対値を求めることにより、将来においても乗り場呼
びの発生頻度が高いであろうと考えられる階床に、予め
呼び無しカゴを配置しておくことができる。その結果、
将来発生するであろう乗り場呼びに対して、最短の時間
で呼び無しカゴを応答させることができるからである。
【0420】ここで、本実施形態の呼び無しカゴ停止位
置指示装置150Gによる呼び無しカゴの停止位置の決
定方法について、例を挙げて具体的に説明する。例え
ば、前記呼び無しカゴ検索装置140によって、カゴ
3、カゴ4及びカゴ5が呼び無しカゴとして検出され、
各カゴが図22に示すような位置に存在するとする(こ
こでは、すべてのカゴが停止しているものとする)。
【0421】次に、表42に示したように、3@UPと
16@DOWNで乗り場呼びが発生しているので、乗り
場呼び無し階床検出装置1560は、前記表55に示し
たようなデータを出力する。
【0422】また、乗り場呼び発生頻度算出装置157
1によって、乗り場呼び登録装置1において乗り場呼び
が新たに登録される度に、各階床毎に乗り場呼びの発生
回数の累計データが記憶され、全階床における相対値が
求められる。いま、表57に示したような、乗り場呼び
発生回数データが記憶されているものとする。
【0423】
【表57】 そして、乗り場呼び発生頻度算出装置1571において
は、乗り場呼び無し階床検出装置1570で検索され
た、現在乗り場呼びの無い階床における乗り場呼び発生
回数(表57)を相対値に変換して出力するが、ここで
は乗り場呼び発生回数そのものを相対値とみて出力する
ものとする。なお、各階床ごとの乗り場呼び発生頻度
は、表58に示したようになる。
【0424】
【表58】 また、呼び無しカゴ停止位置決定装置1572は、呼び
無しカゴ検索装置140で検出される呼び無しカゴの次
停止位置を定める(通常、呼び無しカゴは現在位置に停
止したままである)。すなわち、乗り場呼び無し階床検
出装置1570によって検出された乗り場呼び無し階床
のそれぞれについて、乗り場呼び発生頻度を求め、乗り
場呼びの発生頻度が高い階床を選んで、呼び無しカゴの
配置を行う。
【0425】すなわち、表58に示した各階床ごとの乗
り場呼び発生頻度データから、発生頻度の高い乗り場を
検索すると、UP方向の2Fにおける呼びの発生頻度は
30回で最も高く、次に、DOWN方向の19F及び1
0Fにおける呼びの発生頻度は共に29回であることが
検出される。
【0426】そこで、これら乗り場呼びの発生頻度の高
い階床(UP方向の2F、DOWN方向の19F及び1
0F)を呼び無しカゴの停止位置として決定し、呼び無
しカゴ3,4,5に対して、これらの階床を割り振る。
なお、この場合、それぞれシャフトの方向の反転はない
ものとする。その結果、呼び無しカゴの配置位置は、表
59に示したようになる。
【0427】
【表59】 [25−3.第25実施形態の効果]上記のような構成
を有する第25実施形態に示したエレベータ群管理制御
装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行される
エレベータ群管理制御方法は、以下のような効果を奏す
る。
【0428】すなわち、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、現在乗り場呼びの無い階床を検出し、それぞ
れの階床について、これまで蓄積した乗り場呼び発生回
数データに基づいて乗り場呼びの発生頻度を求め、乗り
場呼びの発生頻度が高い階床に呼び無しカゴを配置する
ことにより、将来においても発生頻度が高いと予測され
る新たな乗り場呼びへの素早い応答が可能となる。
【0429】[26.第26実施形態]本実施形態は、
請求項9及び請求項17に対応するエレベータ群管理制
御装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行され
るエレベータ群管理制御方法(請求項24及び請求項3
2に対応する)に関するものである。
【0430】[26−1.第26実施形態の構成]本実
施形態は、前記第19実施形態の変形であって、呼び無
しカゴ停止位置指示装置の具体的構成に変更を加えたも
のである。
【0431】[26−1−1.エレベータ群管理制御装
置の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3は、呼び無しカゴ停止位置指示装置の構成に変更が
施された以外は、上記第19実施形態と同様に構成され
ている(図19参照)。
【0432】[26−1−2.呼び無しカゴ停止位置指
示装置の構成]以下、本実施形態におけるエレベータ群
管理制御装置3に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Hの具体的な構成について、図29に基づい
て詳細に説明する。
【0433】すなわち、前記呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Hは、前記「カゴデータ」と前記「呼び無し
カゴデータ」とから、呼び無しカゴが、予め定められた
特定領域内に所定の条件で存在するか否かを判別する呼
び無しカゴ待機判別装置1580と、前記「カゴデー
タ」と、前記「呼び無しカゴデータ」と、前記呼び無し
カゴ待機判別装置1580から得られる「呼び無しカゴ
の待機状況データ」とを用いて、前記特定領域内に呼び
無しカゴを配置する呼び無しカゴ停止位置決定装置15
81とを備えている。
【0434】[26−2.第26実施形態の作用]上記
のような構成を有する第26実施形態は、次のような作
用を有する。以下、第19実施形態との相違点である呼
び無しカゴ停止位置指示処理について説明する。
【0435】[26−2−1.呼び無しカゴ停止位置指
示処理]図29に示した呼び無しカゴ停止位置指示装置
150Hは、呼び無しカゴ検索装置140で検出された
呼び無しカゴの各々について、所定の条件を満たす新た
な停止位置を定めるものである。
【0436】(A)呼び無しカゴの停止位置を決定する
ための条件 本実施形態の呼び無しカゴ停止位置指示装置150Hに
おいては、呼び無しカゴ待機判別装置1580によっ
て、呼び無しカゴが、予め定められた特定領域内に所定
の条件で存在するか否かが判別される。なお、前記特定
領域としては、例えば、出勤時には1F、昼食時には食
堂がある階床など、種々の条件に基づいて、乗り場呼び
の頻度が高いであろうと予想される領域が予め設定され
ている。また、いくつかの特定領域が設定されている場
合には、どの特定領域を優先して呼び無しカゴの停止位
置とするかは、シャフト方向の配置、稼働時間帯(出勤
時や退社時)、カゴ台数などの要因を考慮して別途設定
されている。
【0437】そして、前記カゴデータ検出装置2から送
られる「カゴデータ」と、呼び無しカゴ検索装置140
から送られる「呼び無しカゴデータ」と、前記呼び無し
カゴ待機判別装置1580から得られる「呼び無しカゴ
の待機状況データ」とを用いて、前記特定領域内に呼び
無しカゴを配置する。
【0438】また、本実施形態の呼び無しカゴ停止位置
指示装置150Hにおいて、各呼び無しカゴの次停止位
置を決定する条件を上記のように定めた理由は、以下の
通りである。すなわち、出勤時、退社時等の種々の条件
に基づいて特定領域を設定し、この領域内に呼び無しカ
ゴを集めて待機させておくことにより、乗り場呼び発生
頻度が高いと考えられる特定領域内において、乗り場呼
びへの応答効率を大幅に向上することができるからであ
る。
【0439】ここで、本実施形態の呼び無しカゴ停止位
置指示装置150Hによる呼び無しカゴの停止位置の決
定方法について、例を挙げて具体的に説明する。例え
ば、前記呼び無しカゴ検索装置140によって、カゴ
3、カゴ4及びカゴ5が呼び無しカゴとして検出され、
各カゴが図22に示すような位置に存在するとする(こ
こでは、すべてのカゴが停止しているものとする)。ま
た、特定領域を予め1@1,1@2,20@3,20@
4と設定する。
【0440】前記呼び無しカゴ待機判別装置1580
は、カゴデータ検出装置2から得られた「カゴデータ」
に基づいて、呼び無しカゴ検出装置140で検出された
呼び無しカゴ3,4,5が、前記特定領域内に停止して
いないことを検出する。また、前記特定領域の内、20
@4以外の領域には停止カゴが存在しないことが検出さ
れる。
【0441】また、呼び無しカゴ停止位置決定装置15
81は、呼び無しカゴ検索装置140で検出される呼び
無しカゴの次停止位置を定める(通常、呼び無しカゴは
現在位置に停止したままである)。すなわち、呼び無し
カゴ待機判別装置1580によって、停止カゴが存在し
ないと判別された特定領域から、呼び無しカゴの停止位
置とする。
【0442】なお、どの特定領域を優先して呼び無しカ
ゴの停止位置として定めるかということは、シャフト方
向の配置、稼働時間帯(出勤時や退社時)、カゴ台数な
どの要因によって異なると考えられるが、ここでは、出
勤時に近い時間帯を想定し、1Fからの利用者が多いも
のとして、1@2,1@1,20@3,20@4の順に
優先して呼び無しカゴを配置するものとする。また、カ
ゴデータ検出装置2から得られた「カゴデータ」に基づ
いて、20@4には呼びを持つカゴ(カゴ1)が停止し
ていることが検出される。
【0443】次に、上記優先順位にしたがって、呼び無
しカゴを配置する方法について説明する。すなわち、優
先順位の高い1@2及び1@1の特定領域は、両方共、
呼び無しカゴ4の経路上にある。したがって、カゴ4
は、1@2及び1@1のいずれの位置にも停止可能であ
るが、ここでは優先順位の高い1@2に配置される。
【0444】また、優先順位の高い特定領域の内、残り
の1@1についてはカゴ5が配置されることとなるが、
1@1はカゴ5の経路上にないため、カゴ5は1@2に
配置される。さらに、次に優先順位の高い20@3に
は、カゴ3が配置される。
【0445】その結果、呼び無しカゴの配置位置は、表
60に示したようになる。
【0446】
【表60】 [26−3.第26実施形態の効果]上記のような構成
を有する第26実施形態に示したエレベータ群管理制御
装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行される
エレベータ群管理制御方法は、以下のような効果を奏す
る。
【0447】すなわち、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、出勤時、昼食時等の種々の条件に基づいて特
定領域を設定し、この領域内に呼び無しカゴを集めて待
機させておくことにより、乗り場呼び発生頻度が高いと
考えられる特定領域内において、乗り場呼びへの応答効
率を大幅に向上することができる。
【0448】[27.第27実施形態]本実施形態は、
請求項9及び請求項18に対応するエレベータ群管理制
御装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行され
るエレベータ群管理制御方法(請求項24及び請求項3
3に対応する)に関するものである。
【0449】[27−1.第27実施形態の構成]本実
施形態は、前記第19実施形態の変形であって、呼び無
しカゴ停止位置指示装置の具体的構成に変更を加えたも
のである。
【0450】[27−1−1.エレベータ群管理制御装
置の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3は、呼び無しカゴ停止位置指示装置の構成に変更が
施された以外は、上記第19実施形態と同様に構成され
ている(図19参照)。
【0451】[27−1−2.呼び無しカゴ停止位置指
示装置の構成]以下、本実施形態におけるエレベータ群
管理制御装置3に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Iの具体的な構成について、図30に基づい
て詳細に説明する。
【0452】すなわち、前記呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Iは、前記「カゴデータ」と「呼び無しカゴ
データ」とから、呼びを持つカゴが、所定の領域内に所
定の条件で存在するかどうかを判別する倉庫条件判別装
置1590と、前記「カゴデータ」と「呼び無しカゴデ
ータ」と、前記倉庫条件判別装置1590から得られる
「所定領域内におけるカゴ運行状況データ」とを用い
て、前記倉庫となり得る特定領域内に呼び無しカゴを配
置する呼び無しカゴ停止位置決定装置1591とを備え
ている。
【0453】[27−2.第27実施形態の作用]上記
のような構成を有する第27実施形態は、次のような作
用を有する。以下、第19実施形態との相違点である呼
び無しカゴ停止位置指示処理について説明する。
【0454】[27−2−1.呼び無しカゴ停止位置指
示処理]図30に示した呼び無しカゴ停止位置指示装置
150Iは、呼び無しカゴ検索装置140で検出された
呼び無しカゴの各々について、所定の条件を満たす新た
な停止位置を定めるものである。
【0455】(A)呼び無しカゴの停止位置を決定する
ための条件 本実施形態の呼び無しカゴ停止位置指示装置150Iに
おいては、倉庫になり得る特定領域を記憶しておき、呼
び無しカゴ検出装置140で検出される呼び無しカゴ以
外のカゴ、すなわち、呼びを持つカゴが、特定領域内に
所定の条件で存在するか否かが判別される。
【0456】なお、前記特定領域としては、例えば、他
カゴが運行しないであろうと想定されるなど、種々の条
件に基づいて予め設定されている。また、いくつかの特
定領域が設定されている場合には、どの特定領域を優先
して呼び無しカゴの停止位置とするかは、シャフト方向
の配置、稼働時間帯(出勤時や退社時)、カゴ台数など
の要因を考慮して別途設定されている。
【0457】そして、前記カゴデータ検出装置2から送
られる「カゴデータ」と、呼び無しカゴ検索装置140
から送られる「呼び無しカゴデータ」と、前記倉庫条件
判別装置1590から得られる「所定領域内におけるカ
ゴ運行状況データ」とを用いて、前記特定領域内に呼び
無しカゴを配置する。
【0458】また、本実施形態の呼び無しカゴ停止位置
指示装置150Iにおいて、各呼び無しカゴの次停止位
置を決定する条件を上記のように定めた理由は、以下の
通りである。すなわち、現時点で他カゴが運行しないで
あろうと想定され、また、出勤時等、近い将来乗り場呼
びが発生すると予測される領域内に、呼び無しカゴを集
めて待機させておくことにより、他カゴの運行の妨げと
ならず、また、新たな乗り場呼びに素早く応答できるか
らである。
【0459】ここで、本実施形態の呼び無しカゴ停止位
置指示装置150Iによる呼び無しカゴの停止位置の決
定方法について、例を挙げて具体的に説明する。例え
ば、前記呼び無しカゴ検索装置140によって、カゴ
3、カゴ4及びカゴ5が呼び無しカゴとして検出され、
各カゴが図22に示すような位置に存在するとする(こ
こでは、すべてのカゴが停止しているものとする)。ま
た、倉庫となり得る特定領域を予め1@4〜9@4と設
定する。
【0460】また、倉庫条件判別装置1590は、前記
特定領域内に呼びを持つカゴが存在するかどうかを判別
する。すなわち、呼びを持つカゴ1及びカゴ2は、カゴ
データ検出装置2より得られる「カゴデータ」を参照す
ることにより、前記特定領域内に存在しないことがわか
る。したがって、シャフト方向(第4シャフトは下降シ
ャフト)を考慮して、9@4〜1@4は、呼び無しカゴ
の倉庫として利用できると判断される。
【0461】また、呼び無しカゴ停止位置決定装置15
91は、呼び無しカゴ検索装置140で検出される呼び
無しカゴの次停止位置を定める(通常、呼び無しカゴは
現在位置に停止したままである)。すなわち、倉庫条件
判別装置1590によって、その領域内に呼びを持つカ
ゴが存在しないと判別された特定領域から、呼び無しカ
ゴの停止位置とする。
【0462】どの特定領域を優先して呼び無しカゴの停
止位置として定めるかということは、シャフト方向の配
置、稼働時間帯(出勤時や退社時)カゴ台数などの要因
によって異なると考えられるが、ここでは、出勤時に近
い時間帯を想定し、つまり、1Fからの利用者が多いも
のとして、1@4、9@4の順に優先するものとする。
【0463】その結果、呼び無しカゴの配置位置は、表
61に示したようになる。
【0464】
【表61】 なお、表61に示したように、カゴ5の次停止位置は3
@4であり、この位置は、カゴ5の経路上の停止位置で
はない。したがって、カゴ5については運行指令装置1
60で経路変更が行なわれる。以下、この経路変更につ
いて説明する。
【0465】ここで、従来のカゴ5の経路データは、表
43に示したように、(1,2,3)(20,4,3,
2)(10,3,4)であったが、次のようなデータ操
作でその運行経路を変更する。すなわち、カゴ5が3@
4を経路とするためには、第4シャフトの10Fで第3
シャフトにもどらず、第4シャフト内をそのまま下降す
る必要がある。すなわち、10Fにおいて、第4シャフ
ト→第3シャフト→第4シャフトのルートが必要とな
る。また、第4シャフトの1Fで、第4シャフトから第
3シャフトに移動する必要がある。
【0466】したがって、カゴ5の経路データの内、ま
ず、横行階1Fのデータを第4シャフトから移動する内
容のデータ(1,2,3,4)に変更する。また、10
Fの横行階では、第4シャフト→第3シャフト→第4シ
ャフトに移動する必要があるので、10Fの経路データ
を(10,4,3,4)に変更する。その結果、カゴ5
の経路データは、表62に示したように変更される。
【0467】
【表62】 なお、表62に示した経路データにおいて、10Fの横
行階では第4シャフトと第3シャフト間の往復のみであ
るから、この往復区間を消去すると、10Fでのデータ
そのものが不必要となる。したがって、カゴ5の経路デ
ータは表63に示したようになり、このデータが経路デ
ータ記憶装置120によって、更新、記憶される。
【0468】
【表63】 [27−3.第27実施形態の効果]上記のような構成
を有する第27実施形態に示したエレベータ群管理制御
装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行される
エレベータ群管理制御方法は、以下のような効果を奏す
る。
【0469】すなわち、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、例えば、他カゴが運行しないであろうと想定
され、また、出勤時等、近い将来乗り場呼びが発生する
と予測されるなど種々の条件に基づいて、呼び無しカゴ
を待機させておく倉庫となり得る特定領域を予め設定
し、その特定領域内に呼び無しカゴを集めて待機させて
おくことにより、他カゴの運行の妨げとならず、また、
新たな乗り場呼びに素早く応答することができる。
【0470】[28.第28実施形態]本実施形態は、
請求項9及び請求項19に対応するエレベータ群管理制
御装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行され
るエレベータ群管理制御方法(請求項24及び請求項3
4に対応する)に関するものである。
【0471】[28−1.第28実施形態の構成]本実
施形態は、前記第19実施形態の変形であって、呼び無
しカゴ停止位置指示装置の具体的構成に変更を加えたも
のである。
【0472】[28−1−1.エレベータ群管理制御装
置の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3は、呼び無しカゴ停止位置指示装置の構成に変更が
施された以外は、上記第19実施形態と同様に構成され
ている(図19参照)。
【0473】[28−1−2.呼び無しカゴ停止位置指
示装置の構成]以下、本実施形態におけるエレベータ群
管理制御装置3に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Jの具体的な構成について、図31に基づい
て詳細に説明する。
【0474】すなわち、前記呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Jは、前記「呼びデータ」から乗り場呼びが
発生していない階床を検出する乗り場呼び無し階床検出
装置15100と、前記乗り場呼び登録装置1に登録さ
れた乗り場呼びについて、あるカゴが応答し、その階床
で乗った乗客が所望の階床を登録した(すなわち、カゴ
呼び登録がなされた)場合に、そのカゴ呼び登録をデー
タとして記憶する階間移動データ記憶装置15101
と、前記「カゴデータ」と、前記「呼び無しカゴデー
タ」と、前記階間移動データ記憶装置に記憶される「階
間移動データ」とを用いて、乗客の発生頻度の高い階床
に呼び無しカゴを配置する呼び無しカゴ停止位置決定装
置15102とを備えている。
【0475】なお、本発明のエレベータシステムを導入
した初期の段階においては、前記「階間移動データ」は
十分蓄積されていないので、初期設定として、そのビル
の全階床数や構造(レストランのある階床、入口のある
階床等)などに基づいて「乗客移動データ」を作成し、
そのデータに基づいて呼び無しカゴを配置することもで
きる。
【0476】[28−2.第28実施形態の作用]上記
のような構成を有する第28実施形態は、次のような作
用を有する。以下、第19実施形態との相違点である呼
び無しカゴ停止位置指示処理について説明する。
【0477】[28−2−1.呼び無しカゴ停止位置指
示処理]図31に示した呼び無しカゴ停止位置指示装置
150Jは、呼び無しカゴ検索装置140で検出された
呼び無しカゴの各々について、所定の条件を満たす新た
な停止位置を定めるものである。
【0478】(A)呼び無しカゴの停止位置を決定する
ための条件 本実施形態の呼び無しカゴ停止位置指示装置150Jに
おいては、乗り場呼び登録装置1に登録された乗り場呼
びについて、あるカゴが応答し、その階床で乗った乗客
が所望の階床を登録した(すなわち、カゴ呼び登録がな
された)場合に、そのカゴ呼び登録が階間移動データと
して記憶される。
【0479】そして、この階間移動データを示す表の数
値が大きければ、それだけ乗客の発生頻度が高いものと
みなして、その数値の割合にしたがって呼び無しカゴを
配置する。
【0480】また、本実施形態の呼び無しカゴ停止位置
指示装置150Jにおいて、各呼び無しカゴの次停止位
置を決定する条件を上記のように定めた理由は、以下の
通りである。すなわち、ある乗り場呼びにカゴが応答
し、その階床で乗った乗客が所望の階床を登録した場合
に、そのカゴ呼びを階間移動データとして記憶し、各階
床毎にその頻度を比べれば、頻度の高い階床において
は、再び乗り場呼びの発生する可能性が高いと想定でき
るからである。
【0481】したがって、そのような将来乗り場呼びの
発生頻度が高いであろうと予測される階床に、呼び無し
カゴを待機させておくことにより、新たな乗り場呼びに
素早く応答できるからである。
【0482】ここで、本実施形態の呼び無しカゴ停止位
置指示装置150Jによる呼び無しカゴの停止位置の決
定方法について、例を挙げて具体的に説明する。例え
ば、前記呼び無しカゴ検索装置140によって、カゴ
3、カゴ4及びカゴ5が呼び無しカゴとして検出され、
各カゴが図22に示すような位置に存在するとする(こ
こでは、すべてのカゴが停止しているものとする)。
【0483】また、乗り場呼び無し階床検出装置151
00は、呼びデータ記憶装置110に記憶された「呼び
データ」から、乗り場呼びの発生していない階床を検出
する。一方、階間移動データ記憶装置15101は、乗
り場呼び登録装置1に登録された乗り場呼びについて、
あるカゴが応答し、その階床で乗った乗客が所望の階床
を登録した場合に、そのカゴ呼び登録を記憶しておく。
【0484】例えば、表42に示した「呼びデータ」の
内、カゴ1におけるカゴ呼び(C12 DOWN)と
(C 4 DOWN)は、20Fで発生し、また、カゴ
2におけるカゴ呼び(C 9 DOWN)は、17Fで
発生したものとすると、これらの「階間移動データ」
は、表64に示したように記憶される。
【0485】
【表64】 また、呼び無しカゴ停止位置決定装置15102は、前
記階間移動データ記憶装置15101に記憶された「階
間移動データ」に基づいて、呼び無しカゴの次停止位置
を定める。ここでは、「階間移動データ」の表の数値が
大きければ、それだけ乗客の発生頻度が高いものとみな
して、数値の割合にしたがって呼び無しカゴの次停止位
置とする。
【0486】すなわち、カゴ1において、20Fで2つ
のカゴ呼びが発生しているということは、少なくとも2
人の乗客が20Fでカゴ1に乗ったことを意味してい
る。一方、カゴ2において、17Fで1つのカゴ呼びが
発生しているということは、少なくとも1人の乗客が1
7Fでカゴ2に乗ったことを意味している。
【0487】このように、20Fでは、将来においても
乗客が多いことが予測されるので、20Fの下りと17
Fの下りに2:1の割合で呼び無しカゴを配置すること
とする。なお、上昇か下降かは、表64に示したデータ
の中で、「−」より左側のデータであるか、右側のデー
タであるかによって見分けることができる。
【0488】したがって、「経路データ」より、呼び無
しカゴ4は17F@4、カゴ3及びカゴ5は20F@4
が次停止位置として指示される。ただし、経路上、いき
なり、20F@4が次停止位置となる訳ではなく、たと
えば、カゴ3の場合、20F@1〜20F@3という位
置に停止して、最終的に20F@4まで移動することに
なる。ここでは、横行階ではシャフトを移動する毎に停
止するものとした。
【0489】その結果、呼び無しカゴの配置位置は、表
65に示したようになる。
【0490】
【表65】 [28−3.第28実施形態の効果]上記のような構成
を有する第28実施形態に示したエレベータ群管理制御
装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行される
エレベータ群管理制御方法は、以下のような効果を奏す
る。
【0491】すなわち、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、乗り場呼びに対してあるカゴが応答し、その
階床で乗った乗客が所望の階床を登録した場合に、その
カゴ呼び登録の発生頻度に基づいて呼び無しカゴを配置
することにより、将来発生するであろう新たな乗り場呼
びに素早く応答することができる。
【0492】[29.第29実施形態]本実施形態は、
請求項9及び請求項20に対応するエレベータ群管理制
御装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行され
るエレベータ群管理制御方法(請求項24及び請求項3
5に対応する)に関するものである。
【0493】[29−1.第29実施形態の構成]本実
施形態は、前記第19実施形態の変形であって、呼び無
しカゴ停止位置指示装置の具体的構成に変更を加えたも
のである。
【0494】[29−1−1.エレベータ群管理制御装
置の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3は、呼び無しカゴ停止位置指示装置の構成に変更が
施された以外は、上記第19実施形態と同様に構成され
ている(図19参照)。
【0495】[29−1−2.呼び無しカゴ停止位置指
示装置の構成]以下、本実施形態におけるエレベータ群
管理制御装置3に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Kの具体的な構成について、図32に基づい
て詳細に説明する。
【0496】すなわち、前記呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Kは、前記「呼びデータ」から乗り場呼びが
発生していない階床を検出する乗り場呼び無し階床検出
装置15110と、前記乗り場呼び登録装置1に登録さ
れた乗り場呼びが抹消される(すなわち、乗り場呼びの
あった階床で、乗客がカゴに乗った)度に、その乗り場
呼びが解消された階床(方向も含む)を、定められた個
数だけ、古いものから順に記憶しておく乗り場呼び抹消
データ記憶装置15111と、前記「カゴデータ」と、
前記「呼び無しカゴデータ」と、前記乗り場呼び抹消デ
ータ記憶装置に記憶される「乗り場呼び抹消データ」と
を用いて、最も古く乗り場呼びが抹消された階床から順
に呼び無しカゴを配置する呼び無しカゴ停止位置決定装
置15112とを備えている。
【0497】[29−2.第29実施形態の作用]上記
のような構成を有する第29実施形態は、次のような作
用を有する。以下、第19実施形態との相違点である呼
び無しカゴ停止位置指示処理について説明する。
【0498】[29−2−1.呼び無しカゴ停止位置指
示処理]図32に示した呼び無しカゴ停止位置指示装置
150Kは、呼び無しカゴ検索装置140で検出された
呼び無しカゴの各々について、所定の条件を満たす新た
な停止位置を定めるものである。
【0499】(A)呼び無しカゴの停止位置を決定する
ための条件 本実施形態の呼び無しカゴ停止位置指示装置150Kに
おいては、乗り場呼び登録装置1に登録された乗り場呼
びについて、あるカゴが応答し、その乗り場呼びが抹消
される度に、その乗り場呼びが解消された階床(方向も
含む)を、定められた個数だけ、古いものから順に記憶
しておく。
【0500】そして、乗り場呼び無し階床検出装置15
110によって検出された乗り場呼びが発生していない
階床の内、最も古く乗り場呼びが抹消された階床から順
に呼び無しカゴを配置する。
【0501】また、本実施形態の呼び無しカゴ停止位置
指示装置150Kにおいて、各呼び無しカゴの次停止位
置を決定する条件を上記のように定めた理由は、以下の
通りである。すなわち、ある乗り場呼びにカゴが応答
し、乗り場呼びが抹消された階床の内、最も古く乗り場
呼びが抹消された階床では、再び乗り場呼びが発生する
可能性が高いと考えられる。したがって、将来乗り場呼
びの発生頻度が高いであろうと予測される階床に、呼び
無しカゴを待機させておくことにより、新たな乗り場呼
びに素早く応答できるからである。
【0502】ここで、本実施形態の呼び無しカゴ停止位
置指示装置150Kによる呼び無しカゴの停止位置の決
定方法について、例を挙げて具体的に説明する。例え
ば、前記呼び無しカゴ検索装置140によって、カゴ
3、カゴ4及びカゴ5が呼び無しカゴとして検出され、
各カゴが図22に示すような位置に存在するとする(こ
こでは、すべてのカゴが停止しているものとする)。
【0503】また、乗り場呼び無し階床検出装置151
10は、呼びデータ記憶装置110に記憶された「呼び
データ」から、乗り場呼びの発生していない階床を検出
する。一方、乗り場呼び抹消データ記憶装置15111
は、乗り場呼び登録装置1に登録された乗り場呼びにつ
いて、カゴが応答して乗り場呼びが抹消される度に、乗
り場呼びが解消された階床(方向も含む)を定められた
個数だけ古いものから記憶しておく。
【0504】例えば、これまで、15F@下り、12F
@昇り、10@下り、6F@昇り、17F@下り、20
F@下りの乗り場呼びが発生し、この順に抹消されてい
たとすると、乗り場呼び抹消データ記憶装置15111
には、表66に示すように記憶される。なお、ここで
は、最大限、階床数と同じ38個のデータを記憶できる
ものとする(表66では、階床数より乗り場呼びの発生
数が少ないので、発生数分だけ記憶されているものとす
る)。
【0505】
【表66】 また、呼び無しカゴ停止位置決定装置15112は、呼
び無し階床検出装置15110で検出された呼び無し階
床のうち、過去最も古く乗り場呼びが抹消された階床か
ら、呼び無しカゴを配置する。すなわち、表66におい
て、過去最も古く乗り場呼びが抹消された15FのDO
WN方向の階床にカゴ5を配置し、次に古く乗り場呼び
が抹消された12FのUP方向の階床にカゴ3を配置
し、次に古く乗り場呼びが抹消された10FのDOWN
方向の階床にカゴ4を配置する。
【0506】その結果、呼び無しカゴの配置位置は、表
67に示したようになる。
【0507】
【表67】 [29−3.第29実施形態の効果]上記のような構成
を有する第29実施形態に示したエレベータ群管理制御
装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行される
エレベータ群管理制御方法は、以下のような効果を奏す
る。
【0508】すなわち、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、ある乗り場呼びにカゴが応答し、乗り場呼び
が抹消された階床の内、最も古く乗り場呼びが抹消され
た階床から順に呼び無しカゴを配置することにより、将
来発生するであろう新たな乗り場呼びに素早く応答する
ことができる。
【0509】[30.第30実施形態]本実施形態は、
請求項9及び請求項21に対応するエレベータ群管理制
御装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行され
るエレベータ群管理制御方法(請求項24及び請求項3
6に対応する)に関するものである。
【0510】[30−1.第30実施形態の構成]本実
施形態は、前記第19実施形態の変形であって、呼び無
しカゴ停止位置指示装置の具体的構成に変更を加えたも
のである。
【0511】[30−1−1.エレベータ群管理制御装
置の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3は、呼び無しカゴ停止位置指示装置の構成に変更が
施された以外は、上記第19実施形態と同様に構成され
ている(図19参照)。
【0512】[30−1−2.呼び無しカゴ停止位置指
示装置の構成]以下、本実施形態におけるエレベータ群
管理制御装置3に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Lの具体的な構成について、図33に基づい
て詳細に説明する。
【0513】すなわち、前記呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Lは、前記乗り場呼び登録装置1に登録され
た乗り場呼びが抹消される(すなわち、乗り場呼びのあ
った階床で、乗客がカゴに乗った)度に、その乗り場呼
びが解消された階床(方向も含む)を、定められた個数
だけ、古いものから順に記憶しておく乗り場呼び抹消デ
ータ記憶装置15120と、前記「カゴデータ」と、前
記「呼び無しカゴデータ」と、前記乗り場呼び抹消デー
タ記憶装置に記憶される「乗り場呼び抹消データ」とを
用いて、過去最も新しく乗り場呼びが抹消された階床か
ら順に呼び無しカゴを配置する呼び無しカゴ停止位置決
定装置15121とを備えている。
【0514】[30−2.第30実施形態の作用]上記
のような構成を有する第30実施形態は、次のような作
用を有する。以下、第19実施形態との相違点である呼
び無しカゴ停止位置指示処理について説明する。
【0515】[30−2−1.呼び無しカゴ停止位置指
示処理]図33に示した呼び無しカゴ停止位置指示装置
150Lは、呼び無しカゴ検索装置140で検出された
呼び無しカゴの各々について、所定の条件を満たす新た
な停止位置を定めるものである。
【0516】(A)呼び無しカゴの停止位置を決定する
ための条件 本実施形態の呼び無しカゴ停止位置指示装置150Lに
おいては、乗り場呼び登録装置1に登録された乗り場呼
びについて、あるカゴが応答し、その乗り場呼びが抹消
される度に、その乗り場呼びが解消された階床(方向も
含む)を、定められた個数だけ、古いものから順に記憶
しておく。そして、過去最も新しく乗り場呼びが抹消さ
れた階床から順に呼び無しカゴを配置する。
【0517】また、本実施形態の呼び無しカゴ停止位置
指示装置150Lにおいて、各呼び無しカゴの次停止位
置を決定する条件を上記のように定めた理由は、以下の
通りである。すなわち、ある乗り場呼びにカゴが応答
し、乗り場呼びが抹消された階床の内、最も新しく乗り
場呼びが抹消された階床では、再び乗り場呼びが発生す
る可能性は低いと考えられる。したがって、将来乗り場
呼びの発生頻度が低いであろうと予測される階床に呼び
無しカゴを待機させておくことにより、他のカゴの運行
の妨げにならず、結果として、運行効率の向上が可能と
なるからである。
【0518】ここで、本実施形態の呼び無しカゴ停止位
置指示装置150Lによる呼び無しカゴの停止位置の決
定方法について、例を挙げて具体的に説明する。例え
ば、前記呼び無しカゴ検索装置140によって、カゴ
3、カゴ4及びカゴ5が呼び無しカゴとして検出され、
各カゴが図22に示すような位置に存在するとする(こ
こでは、すべてのカゴが停止しているものとする)。
【0519】また、乗り場呼び抹消データ記憶装置15
120は、乗り場呼び登録装置1に登録された乗り場呼
びについて、カゴが応答して乗り場呼びが抹消される度
に、乗り場呼びが解消された階床(方向も含む)を定め
られた個数だけ古いものから順に記憶しておく。なお、
この「定められた個数」とは、通常、乗降可能な階床の
数とする。その理由は、ビルの階床数と乗降可能な階床
の数とは必ずしも等しくないからである。
【0520】例えば、これまで、15F@下り、12F
@昇り、10@下り、6F@昇り、17F@下り、20
F@下りの乗り場呼びが発生し、この順に抹消されてい
たとすると、乗り場呼び抹消データ記憶装置15120
には、表68に示すように記憶される。なお、ここで
は、カゴ台数と同じ5個の呼びを記憶しておくものと
し、新たに乗り場呼びが抹消された場合には、古いデー
タから消去するものとする。
【0521】
【表68】 また、呼び無しカゴ停止位置決定装置15121は、過
去最も新しく乗り場呼びが抹消された階床から、呼び無
しカゴを配置する。すなわち、表68において、20F
のDOWN方向には現在カゴ1が存在し、乗り場呼びに
応答している。次に、過去最も新しく乗り場呼びが抹消
された18FのDOWN方向の階床にカゴ5を配置し、
次に新しく乗り場呼びが抹消された6FのUP方向の階
床にカゴ3を配置し、次に新しく乗り場呼びが抹消され
た10FのDOWN方向の階床にカゴ4を配置する。
【0522】その結果、呼び無しカゴの配置位置は、表
69に示したようになる。
【0523】
【表69】 [30−3.第30実施形態の効果]上記のような構成
を有する第30実施形態に示したエレベータ群管理制御
装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行される
エレベータ群管理制御方法は、以下のような効果を奏す
る。
【0524】すなわち、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、ある乗り場呼びにカゴが応答し、乗り場呼び
が抹消された階床の内、最も新しく乗り場呼びが抹消さ
れた階床から順に呼び無しカゴを配置することにより、
再び乗り場呼びが発生する可能性が低いと考えられる階
床に呼び無しカゴを待機させておくことができるので、
呼び無しカゴが他のカゴの運行の妨げになることを防止
でき、運行効率の向上が図れる。
【0525】[31.第31実施形態]本実施形態は、
請求項22に対応するエレベータ群管理制御装置及びこ
のエレベータ群管理制御装置上で実行されるエレベータ
群管理制御方法(請求項37に対応する)に関するもの
である。
【0526】[31−1.第31実施形態の構成]本実
施形態は、前記第19実施形態乃至第30実施形態の変
形であって、呼び無しカゴ停止位置指示装置に呼び無し
カゴ停止位置見直し指示装置を付加したものである。
【0527】[31−1−1.エレベータ群管理制御装
置の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3は、呼び無しカゴ停止位置指示装置の構成に変更が
施された以外は、上記各実施形態と同様に構成されてい
る(図19参照)。
【0528】[31−1−2.呼び無しカゴ停止位置指
示装置の構成]以下、本実施形態におけるエレベータ群
管理制御装置3に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Mの具体的な構成について、図34に基づい
て詳細に説明する。
【0529】すなわち、前記呼び無しカゴ停止位置指示
装置150Mは、前記「呼びデータ」を検索して、呼び
状況が変化する度に、上記各実施形態において示した呼
び無しカゴ停止位置指示装置150によって決定された
呼び無しカゴの次停止位置を見直すべく指令を出力する
呼び無しカゴ停止位置見直し指示装置15130を備え
たものである。
【0530】[31−2.第31実施形態の作用]上記
のような構成を有する第31実施形態は、次のような作
用を有する。すなわち、乗り場呼び登録装置1に新たに
「乗り場呼び」が登録されるか、カゴデータ検出装置2
によって、各カゴのデータからカゴ状況が大きく変わっ
たと判断された場合には、呼び無しカゴ停止位置見直し
指示装置15130によって、呼び無しカゴ停止位置決
定装置15131に、再度、呼び無しカゴ停止位置の算
出を行なうよう指令を出力する。
【0531】[31−3.第31実施形態の効果]上記
のような構成を有する第31実施形態に示したエレベー
タ群管理制御装置及びこのエレベータ群管理制御装置上
で実行されるエレベータ群管理制御方法は、以下のよう
な効果を奏する。
【0532】すなわち、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、乗り場呼び登録装置1に新たに「乗り場呼
び」が登録されたり、カゴデータ検出装置2によって、
各カゴのデータからカゴ状況が大きく変わったと判断さ
れた場合に、新たな条件の下で、再度、呼び無しカゴ停
止位置の算出を行なうことができるので、常に、最新の
データに基づいて、エレベータの群管理制御を実施する
ことができる。
【0533】(C.第3の目的を達成するための発明に
関する実施形態) [32.第32実施形態]本実施形態は、請求項38及
び請求項39に対応するエレベータ群管理制御装置及び
このエレベータ群管理制御装置上で実行されるエレベー
タ群管理制御方法(請求項46及び請求項47に対応す
る)に関するものである。
【0534】[32−1.第32実施形態の構成]本実
施形態は、複数台の縦横移動可能なエレベータカゴの運
行を司るカゴ運行制御装置4と、各カゴの状態(例え
ば、位置・速度・荷重)を検知するカゴデータ検出装置
2と、階床の乗り場にそれぞれ設置した1個以上の乗り
場呼び登録装置1とを備えたエレベータシステムに用い
られるエレベータ群管理制御装置3に関するものであ
る。
【0535】[32−1−1.エレベータ群管理制御装
置の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3は、図35に示したような各装置から構成されてい
る。
【0536】すなわち、カゴ内の乗客が所望の階床を指
定するカゴ呼びと、割り当てられている乗り場呼びから
なる「呼びデータ」を記憶する呼びデータ記憶装置21
0と、前記カゴデータ検出装置2によって検出された
「カゴデータ」と、前記呼びデータ記憶装置210に記
憶されている「呼びデータ」とから、各カゴが運行して
いるシャフトの方向を推定して、「方向データ」として
更新・記憶する方向データ記憶装置220と、前記方向
データ記憶装置220に記憶されている各カゴが運行し
ているシャフトの「方向データ」を入力して、そのカゴ
が運行しているシャフトの方向と同方向のシャフトの個
数を検知するシャフト数検出装置230と、前記カゴデ
ータ検出装置2によって検出される「カゴデータ」を用
いて、各カゴが運行しているシャフトの階床・シャフト
を推定し、「シャフトデータ」として記憶するシャフト
データ記憶装置240と、前記シャフトデータ記憶装置
240に記憶されている各カゴの「シャフトデータ」を
入力して、横行移動中のカゴが存在するか否かを検知
し、かつ、横行移動中のカゴが存在する場合には、その
カゴの横行移動先のシャフトを検知する横行移動先検出
装置250と、前記乗り場呼び登録装置1に新たに登録
された「新たな乗り場呼びデータ」と、前記呼びデータ
記憶装置210に記憶されている「呼びデータ」と、前
記方向データ記憶装置220に記憶されている各カゴの
「方向データ」と、前記シャフトデータ記憶装置240
に記憶されている各カゴの「シャフトデータ」と、前記
シャフト数検出装置230によって検出された前記カゴ
の運行方向と同方向のシャフトの個数と、前記横行移動
先検出装置250によって検出された横行移動先のシャ
フトの番号とを入力して、前記乗り場呼び登録装置1に
新たに登録された乗り場呼びに応答するために運行方向
を反転させるべきカゴを決定する反転カゴ決定装置26
0Aと、前記反転カゴ決定装置260Aで決定された
「反転カゴデータ」と、前記呼びデータ記憶装置210
に記憶されている各カゴの「呼びデータ」と、前記乗り
場呼び登録装置1に新たに登録された「新たな乗り場呼
びデータ」と、前記方向データ記憶装置220に記憶さ
れている前記カゴの「方向データ」と、前記カゴデータ
検出装置2によって検出される「カゴデータ」とを入力
して、新たな乗り場呼びに応答させるべき「応答カゴ」
を決定すると共に、前記呼びデータ記憶装置210に新
たにその情報を記憶させるよう指令を出す割当指令装置
270と、前記割当指令装置270で決定された「応答
カゴ」へ運行指令を出力するとともに、その「応答カ
ゴ」が前記反転カゴ決定装置260で決定された「反転
カゴ」である場合には、カゴ同士の衝突を防止するため
に、その「応答カゴ」が現在運行しているシャフト内に
存在する他のカゴへあらたに運行指令を出力する運行指
令装置280とを備えている。
【0537】[32−1−2.反転カゴ決定装置の構
成]次に、前記エレベータ群管理制御装置3を構成する
反転カゴ決定装置260Aの具体的構成について、図3
6に基づいて詳細に説明する。
【0538】すなわち、前記反転カゴ決定装置260A
は、前記シャフトデータ記憶装置240に記憶されてい
る各カゴが運行している「シャフトデータ」と、前記方
向データ記憶装置220に記憶されている各カゴが運行
しているシャフトの「方向データ」と、前記乗り場呼び
登録装置1に新たに登録された「新たな乗り場呼びデー
タ」とを入力して、各カゴが運行しているシャフトの方
向と新たな乗り場呼びの目的方向とが異方向であるカゴ
を選択し、選択されなければ0を出力する異方向カゴ選
択部1601と、前記異方向カゴ選択部1601におい
て選択された運行方向が異方向のカゴの番号を入力し、
それらのカゴの中で、「反転カゴ」として適合するか否
かのチェックが行なわれていないカゴの番号を1台づつ
順次出力する未チェックカゴ選択部1602と、前記未
チェックカゴ選択部1602において選択されたカゴ番
号と、前記呼びデータ記憶装置210に記憶されている
各カゴの「乗り場呼びデータ」とを入力して、そのカゴ
の乗り場呼びの有無を検索し、乗り場呼びがあれば0
を、なければ−1をそのカゴ番号とともに出力する乗り
場呼び検索部1603と、前記乗り場呼び検索部160
3において検索された検索値及びカゴ番号と、前記呼び
データ記憶装置210に記憶されている各カゴの「カゴ
呼びデータ」とを入力して、乗り場呼び検索部1603
において検索された検索値が0(乗り場呼びがある)な
らば0を出力し、−1(乗り場呼びがない)ならばその
カゴのカゴ呼びを検索し、カゴ呼びがあれば0を、なけ
れば−1をそのカゴ番号とともに出力するカゴ呼び検索
部1604と、前記カゴ呼び検索部1604において検
索された検索値及びカゴ番号と、前記乗り場呼び登録装
置1に新たに登録された「新たな乗り場呼びデータ」
と、前記方向データ記憶装置220に記憶されている各
カゴが運行しているシャフトの「方向データ」とを入力
して、カゴ呼び検索部1604において検索された検索
値が0(カゴ呼びがある)ならば0を出力し、−1(カ
ゴ呼びがない)ならば、新たな乗り場呼びに対応するま
でのそのカゴの移動方向と現在運行しているシャフトの
方向とが異方向であることを検索し、異方向であれば−
1を、同方向であれば0をそのカゴ番号とともに出力す
る移動方向検索部1605と、前記移動方向検索部16
05において検索された検索値及びカゴ番号と、前記シ
ャフト数検出装置230によって検出された各カゴが運
行しているシャフトの方向と同方向のシャフトの個数と
を入力して、移動方向検索部1605において検索され
た検索値が0(同方向)ならば0を出力し、−1(異方
向)ならば、そのカゴが現在運行しているシャフトの方
向と同方向のシャフトが少なくとも1本以上存在するこ
とを検索し、存在するならば−1を、存在しないならば
0をそのカゴ番号とともに出力するシャフト方向検索部
1606と、前記シャフト方向検索部1606において
検索された検索値及びカゴ番号と、前記シャフトデータ
記憶装置240に記憶されている各カゴの「シャフトデ
ータ」とを入力して、シャフト方向検索部1606にお
いて検索された検索値が0(同方向のシャフトが存在し
ない)ならば0を出力し、−1(同方向のシャフトが存
在する)ならば、そのカゴが運行しているシャフト内に
他カゴが存在するか否かを検索し、他カゴが存在するな
らばその他カゴ番号を、存在しなければ−1をそのカゴ
番号とともに出力する他カゴ検索部1607と、前記他
カゴ検索部1607において検索された検索値、カゴ番
号及び他カゴ番号と、前記呼びデータ記憶装置210に
記憶されている各カゴの「カゴ呼びデータ」とを入力し
て、他カゴ検索部1607において検索された検索値が
−1(他カゴが存在しない)ならば−1を、0ならば0
を出力し、また、他カゴ番号が入力されているならば、
その他カゴの「乗り場呼び」と「カゴ呼び」を検索し、
それらの呼びがともになければ−1を、少なくともいず
れか一方の呼びがあれば0をそのカゴ番号とともに出力
する他カゴ呼び検索部1608と、前記他カゴ呼び検索
部1608において検索された検索値及びカゴ番号と、
前記シャフトデータ記憶装置240に記憶されている各
カゴの「シャフトデータ」と、前記横行移動先検出装置
250によって検出された横行移動中のカゴの横行移動
先とを入力して、他カゴ呼び検索部1608において検
索された検索値が0(他カゴに「乗り場呼び」と「カゴ
呼び」の少なくともいずれか一方がある)ならば0を出
力し、−1(他カゴに「乗り場呼び」と「カゴ呼び」が
ともにない)ならば、そのカゴが運行しているシャフト
を横行移動先としている横行移動中のカゴが存在するか
否かを検索し、存在するならば0を、存在しなければ−
1をそのカゴ番号とともに出力する横行移動検索部16
09と、前記横行移動検索部1609において検索され
た検索値及びカゴ番号を入力して、その検索値が−1
(横行移動中のカゴが存在しない)ならば、そのカゴを
運行方向の反転が可能なカゴとして記憶し、その情報を
出力する反転カゴ記憶部1610と、前記横行移動検索
部1609において検索された検索値及びカゴ番号と、
前記異方向カゴ選択部1601において選択されたカゴ
番号とを入力して、そのカゴ番号を記憶し、異方向カゴ
選択部1601において選択されたすべてのカゴ番号が
記憶されたならば−1を出力し、すべてのカゴ番号が記
憶されていなければ、記憶されていないカゴについて、
運行方向の反転が可能か否かのチェックをすべく、前記
未チェックカゴ選択部1602にその旨の指示を出力す
るチェック終了識別部1611と、前記チェック終了識
別部1611において得られた識別値と、前記異方向カ
ゴ選択部1601で得られた選択結果と、前記反転カゴ
記憶部1610に記憶されている運行方向の反転が可能
なカゴ番号とを入力し、その選択結果が0(異方向に運
行しているカゴがない)であるならば0を、識別値が−
1(選択されたすべてのカゴのチェックが終了した)で
かつ運行方向の反転が可能なカゴ番号が入力されている
ならば、そのカゴを反転可能なカゴとして指定し、その
カゴ番号を前記割当指令装置270に出力し、そうでな
ければ0(反転可能なカゴが存在しない)を前記割当指
令装置270に出力する反転カゴ指定部1612とを備
えている。
【0539】なお、前記異方向カゴ選択部1601にお
いて、各カゴが運行しているシャフトの方向と新たな乗
り場呼びの目的方向とが異方向であるカゴのみを判断の
対象としているのは、「新たな乗り場呼び」に応答する
ための運行方向の反転動作は、1回に限定することを前
提としたためである。
【0540】[32−2.第32実施形態の作用]上記
のような構成を有する第32実施形態は、次のような作
用を有する。
【0541】[32−2−1.呼びデータ記憶処理]図
35に示した呼びデータ記憶装置210では、各カゴに
ついて、予め割当られている乗り場呼びの階床・方向
(上昇方向の呼びなのか、もしくは下降方向の呼びなの
かの設定)及びカゴ呼び(エレベータ内の乗客が降車す
る階床)の階床・方向を「呼びデータ」として表70に
示すような形式で記憶している。
【0542】
【表70】 ここで、Hは乗り場呼び、Cはカゴ呼びを表し、UPは
上昇方向、DNは下降方向を示すものとする。例えば、
カゴ3についての(H,2,DN)という「呼びデー
タ」は、2階に発生している下降方向の乗り場呼びがカ
ゴ3に割当られていることを示し、また、カゴ4につい
ての(C,19,UP)という「呼びデータ」は、カゴ
4の乗客に19階で降りる客がいることを示している。
【0543】[32−2−2.方向データ記憶処理]図
35に示した方向データ記憶装置220では、カゴデー
タ検出装置2から得られる各カゴの位置と、呼びデータ
記憶装置210に記憶されている「呼びデータ」とをも
とに、各カゴが運行しているシャフトの方向(上昇方
向、または下降方向)を推定し、「方向データ」として
更新して、表71に示すような形式で記憶している。
【0544】
【表71】 [32−2−3.シャフト数検出処理]図35に示した
シャフト数検出装置230では、方向データ記憶装置2
20から得られる各カゴが運行しているシャフトの方向
をもとに、各カゴが運行しているシャフトの運行方向と
同方向のシャフトの数を検出する。
【0545】なお、この処理は、反転可能なカゴが決定
された後、すべてのシャフトが一方向に運行する状態と
なることを防止するためになされるものである。すなわ
ち、この処理によって、少なくとも一つのシャフトは、
他のシャフトと反対方向に運行可能な状態にあることが
担保される。
【0546】[32−2−4.シャフトデータ記憶処
理]図35に示したシャフトデータ記憶装置240で
は、カゴデータ検出装置2から得られる各カゴの位置を
もとに、各カゴが運行している階床とシャフト番号を
「シャフトデータ」として記憶している。
【0547】例えば、図37に示すように、4本のシャ
フトを持つ20階床のビルにおいて、第1シャフトの1
5階にカゴ1、7階にカゴ2がおり、第2シャフトの3
階にカゴ3、第3シャフトの18階にカゴ4、第4シャ
フトの10階にカゴ5がいるのであれば、シャフトデー
タ記憶装置240では、「シャフトデータ」として、表
72に示すような形式で記憶している。
【0548】
【表72】 [32−2−5.横行移動先検出処理]図35に示した
横行移動先検出装置250では、シャフトデータ記憶装
置240から得られる各カゴの位置と運行しているシャ
フトとをもとに、横行階で横行移動をしているカゴにつ
いて、そのカゴの横行移動先のシャフト番号を検出す
る。
【0549】仮に、カゴ5が第4シャフトから第3シャ
フトへ横行移動しているとするならば、「横行移動先の
シャフトデータ」は表73に示すような形式で記憶され
ており、これにより横行移動先のシャフト番号が「3」
であることを検出できる。一方、横行移動をしているカ
ゴが存在しなければ、「null」と記憶されている。
【0550】
【表73】 [32−2−6.反転カゴ決定処理]図35に示した反
転カゴ決定装置260Aは、乗り場呼び登録装置1に新
たに登録された「新たな乗り場呼びデータ」と、呼びデ
ータ記憶装置210に記憶されている各カゴが持つ「呼
びデータ」と、方向データ記憶装置220から得られる
各カゴが運行しているシャフトの「方向データ」(上昇
または下降)と、シャフト数検出装置230から得られ
る各カゴが運行しているシャフトの方向と同方向のシャ
フトの数と、シャフトデータ記憶装置240に記憶され
ている各カゴが運行しているシャフトの「シャフトデー
タ」と、横行移動先検出装置250から得られる横行移
動をしているカゴの移動先のシャフト番号とに基づい
て、乗り場呼び登録装置1に新たに登録された新たな乗
り場呼びに応答するために運行方向を反転させるべきカ
ゴを、下記の条件に従って決定し、決定した反転カゴの
データを割当指令装置270に出力するものである。
【0551】(A)反転カゴを決定するための条件 (条件1)反転可能なカゴか否かの判断の対象となって
いるカゴ(以下、対象カゴと記す)が現在運行している
シャフトの方向と、乗り場呼び登録装置1に新たに登録
された「新たな乗り場呼び」の目的方向が異方向である
(異方向カゴ選択部1601で判断する)。
【0552】(条件2)対象カゴについて、呼びデータ
記憶装置210に記憶されている乗り場呼びがない(乗
り場呼び検索部1603で判断する)。
【0553】(条件3)対象カゴについて、呼びデータ
記憶装置210に記憶されているカゴ呼びがない(カゴ
呼び検索部1604で判断する)。
【0554】(条件4)乗り場呼び登録装置1に新たに
登録された「新たな乗り場呼び」に対応するまでの対象
カゴの移動方向と、対象カゴが現在運行しているシャフ
トの方向が異方向である(移動方向検索部1605で判
断する)。
【0555】(条件5)対象カゴが現在運行しているシ
ャフトの方向と同方向のシャフトが少なくとも1本以上
存在する(シャフト方向検索部1606で判断する)。
【0556】(条件6)対象カゴが現在運行しているシ
ャフト内に他のカゴが存在しない(他カゴ検索部160
7で判断する)。または、対象カゴが運行しているシャ
フト内に存在する他のカゴについて、呼びデータ記憶装
置210に記憶されている「乗り場呼び」と「カゴ呼
び」がともにない(他カゴ呼び検索部1608で判断す
る)。
【0557】(条件7)対象カゴが運行しているシャフ
トを横行移動先としている横行移動中のカゴが存在しな
い(横行移動検索部1609で判断する)。
【0558】(B)反転カゴを決定するための処理の流
れ 上記(A)に示した条件に基づいて、運行方向を反転さ
せるカゴを決定する反転カゴ決定装置260Aにおける
処理の流れを、図38及び図39に示す。
【0559】なお、図38及び図39に示したフローチ
ャートは、図37に示したようなエレベータシステムに
おいて、乗り場呼び登録装置1に新たに登録された「呼
びデータ(5,DN)」に応答する場合の処理の流れを
示したものである。
【0560】すなわち、図37に示したように、4本の
シャフトを有する20階のビルにおけるエレベータシス
テムにおいて、第1シャフトの15階にカゴ1と7階に
カゴ2、第2シャフトの3階にカゴ3、第3シャフトの
18階にカゴ4、第4シャフトの10階にカゴ5がいる
ものとする。また、カゴ1、2、4はそれぞれの階床に
停止しており、それぞれ出発するために直ちにドアを閉
じることが可能な状態にあり、一方、カゴ3、5は各シ
ャフト内を移動中であるものとする。さらに、呼びデー
タ記憶装置210においては、「乗り場呼びデータ」と
してカゴ3に(2,DN)が割り当てられており、「カ
ゴ呼びデータ」としてカゴ4に(19,UP)、カゴ5
に(9,DN)が記憶されているものとする。また、そ
れぞれのカゴが運行しているシャフトの「方向データ」
としては、第1シャフトがUP、第2シャフトがDN、
第3シャフトがUP、第4シャフトがDNというデータ
が、方向データ記憶装置220に記憶されているものと
する。さらに、それぞれのカゴが運行しているシャフト
の階床・シャフトを示す「シャフトデータ」としては、
カゴ1が(15@1)、カゴ2が(7@1)、カゴ3が
(3@2)、カゴ4が(18@3)、カゴ5が(10@
4)というデータが、シャフトデータ記憶装置240に
記憶されているものとする。
【0561】ここで、運行方向を反転させるカゴを決定
するには、上記の7つの条件をすべて満たすカゴを選ぶ
ことになる。図38及び図39に示したフローチャート
に従って、順に上記条件をチェックしていくことにす
る。
【0562】すなわち、ステップ401において、方向
データ記憶装置220に記憶されているシャフトの「方
向データ」と、シャフトデータ記憶装置240に記憶さ
れている「シャフトデータ」と、乗り場呼び登録装置1
に新たに登録された「新たな乗り場呼びデータ」とか
ら、乗り場呼び登録装置1に新たに登録された乗り場呼
びの目的方向とカゴの運行方向が異方向であるカゴ1、
2、4が選択される(なお、本実施形態では、ステップ
401は異方向カゴ選択部1601によって実行され
る)。これは(条件1)を満たしている。
【0563】次に、ステップ403(未チェックカゴ選
択部1602で実行される)において、ステップ401
で選択されたカゴの中からいずれか一つのカゴを対象カ
ゴとして選ぶ(ここでは、カゴ1が選択されたとす
る)。そして、ステップ404(乗り場呼び検索部16
03で実行される)において、カゴ1について、呼びデ
ータ記憶装置210に記憶されている「乗り場呼びデー
タ」があるか否かの判断がなされ、「乗り場呼びデー
タ」がないことがわかる。これは(条件2)を満たして
いる。
【0564】続いて、ステップ405(カゴ呼び検索部
1604で実行される)において、カゴ1について、呼
びデータ記憶装置210に記憶されている「カゴ呼びデ
ータ」があるか否かの判断がなされ、「カゴ呼びデー
タ」がないことがわかる。これは(条件3)を満たして
いる。
【0565】また、ステップ406(移動方向検索部1
605で実行される)において、方向データ記憶装置2
20にて得られたシャフトの「方向データ」と、乗り場
呼び登録装置1に新たに登録された「新たな乗り場呼び
データ」とから、カゴ1が「新たな乗り場呼び」の目的
方向に応答するまでの運行方向と、カゴ1が現在運行し
ているシャフトの方向が異方向か否かの判断がなされ、
異方向であることがわかる。これは(条件4)を満たし
ている。
【0566】次に、ステップ407(シャフト方向検索
部1606で実行される)において、カゴ1が現在運行
しているシャフトの方向と同方向のシャフトが別に少な
くとも1本以上存在するか否かの判断がなされ、シャフ
ト3(シャフト1と同方向)が存在することから、カゴ
1は(条件5)を満たしている。
【0567】また、ステップ408(他カゴ検索部16
07で実行される)において、カゴ1が現在運行してい
るシャフト内に他のカゴがいるか否かの判断がなされ、
シャフト1内にはカゴ2が存在することがわかる。ただ
し、ステップ409(他カゴ呼び検索部1608で実行
される)において、そのシャフト内に存在する他カゴ
(ここでは、カゴ2)について、呼びデータ記憶装置2
10に記憶されている「乗り場呼びデータ」と「カゴ呼
びデータ」とから、その他カゴについて「乗り場呼び」
と「カゴ呼び」が共にないことがわかる。これは(条件
6)を満たしている。
【0568】ステップ410(横行移動検索部1609
で実行される)において、シャフトデータ記憶装置24
0に記憶されているカゴ1が運行しているシャフトの
「シャフトデータ」と、横行移動先検出装置250にて
得られた横行移動中のカゴの横行移動先のシャフト番号
とから、カゴ1が現在運行しているシャフト(シャフト
1)を横行移動先としている横行移動中の他のカゴがい
るか否かの判断がなされ、そのようなカゴが存在しない
ことがわかる。これは(条件7)を満たしている。
【0569】したがって、判断の対象となっているカゴ
1は、上記7つの条件をすべて満たしているので、「カ
ゴ1は、反転可能なカゴである」と決定される(ステッ
プ411)。
【0570】続いて、ステップ412(チェック終了識
別部1611で実行される)において、選択されたカゴ
1,2,4のすべてについて、反転可能なカゴであるか
否かのチェックが行われたか否かの判断がなされ、ま
だ、カゴ2,4についてチェックがなされていないの
で、再びステップ403に戻る。
【0571】そして、ステップ403において選択され
たカゴ2について、カゴ1の場合と同様に、上記条件を
チェックしていく。すると、カゴ2についても、上記7
つの条件をすべて満たしていることがわかるので、「カ
ゴ2も反転可能なカゴである」として決定される。
【0572】また、ステップ403において選択された
カゴ4についても、同様の処理を行うと、ステップ40
5において、カゴ4には「カゴ呼び(C,19,U
P)」があることがわかり、上記(条件3)を満たして
いないことがわかる。
【0573】したがって、上記7つの条件をすべて満た
しているカゴ1とカゴ2が、「反転可能なカゴ」として
決定される。
【0574】[32−2−7.割当指令処理]図35に
示した割当指令装置270は、反転カゴ決定装置260
Aで決定された「反転カゴのデータ」と、呼びデータ記
憶装置210に記憶されている各カゴのカゴ呼びと割り
当てられている乗り場呼びからなる「呼びデータ」と、
乗り場呼び登録装置1に新たに登録された「新たな乗り
場呼びデータ」と、方向データ記憶装置220に記憶さ
れているカゴが運行しているシャフトの「方向データ」
と、カゴデータ検出装置2によって検出される「カゴデ
ータ」とをもとに、新たに登録された乗り場呼びに応答
させるべきカゴを決定し、決定したカゴへ運行指令を行
なう旨の指令を運行指令装置280に出力すると共に、
その乗り場呼びを呼びデータ記憶装置210に新たに記
憶させるものである。
【0575】この割当指令装置270における処理の流
れを、図40に示したフローチャートを参照して説明す
る。すなわち、ステップ601において、反転可能なカ
ゴがあるか否かの判断がなされる。本実施形態において
は、カゴ1とカゴ2が反転可能なカゴと決定されている
が、これらのカゴだけでなく、図38及び図39に示し
たフローチャートにおいて、ステップ401で選択され
なかったカゴ3とカゴ5についても、ステップ602に
おいて、新しい乗り場呼びに応答するために必要とされ
る時間(すなわち、それらのカゴが5階へ到着するため
に必要とされる時間)を「呼びデータ」などをもとに予
測する。
【0576】そして、ステップ604によって、例え
ば、評価として到着時間が最小とされたカゴ2を、「新
たな乗り場呼び(5,DN)」に応答させるべきカゴと
して決定し、カゴ2への運行指令を行なうべくその指令
を運行指令装置280に出力すると共に、「新たな乗り
場呼び(5,DN)」がカゴ2に割り当てられたことを
呼びデータ記憶装置210に記憶させる。
【0577】なお、呼びデータ記憶装置210には、表
74に示すような形式で記憶される。また、この表74
を前記表70と比較すると、カゴ2について新たな「呼
びデータ」が記憶されていることがわかる。
【0578】
【表74】 [32−2−8.運行指令処理]図35に示した運行指
令装置280では、割当指令装置270で「新たな乗り
場呼び」に応答すべきカゴであるとの指令がなされたカ
ゴに対して運行指令を出力する。また、反転すべきカゴ
の「乗り場呼びデータ」が「カゴデータ」として更新さ
れた後、「新たな乗り場呼び」に応答すべきカゴが反転
カゴ決定装置260Aで決定された反転すべきカゴであ
るならば、そのカゴが現在運行しているシャフト内の他
カゴに対して、衝突を防止するために、新たな運行指令
をカゴ制御装置10に出力する。
【0579】[32−3.第32実施形態の効果]上記
のような構成を有する第32実施形態に示したエレベー
タ群管理制御装置及びこのエレベータ群管理制御装置上
で実行されるエレベータ群管理制御方法は、以下のよう
な効果を奏する。
【0580】すなわち、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、新たな乗り場呼びに応答すべきカゴを決定す
る場合に、シャフトの方向に制限されることなく、新た
な乗り場呼びに応答する前にその運行方向を反転させる
ことができるカゴの有無を検索し、反転可能なカゴが存
在する場合には、その運行方向を随時変更することがで
きる。
【0581】また、反転可能と決定されたカゴをも、
「応答カゴ」の候補として判断の対象とし得るので、新
たな乗り場呼びに対して、迅速な対応が可能となる。
【0582】[33.第33実施形態]本実施形態は、
請求項38及び請求項40に対応するエレベータ群管理
制御装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行さ
れるエレベータ群管理制御方法(請求項46及び請求項
48に対応する)に関するものである。
【0583】[33−1.第33実施形態の構成]本実
施形態は、前記第32実施形態の変形であって、反転カ
ゴ決定装置の具体的構成に変更を加えたものである。
【0584】なお、前記第32実施形態が、「新たな乗
り場呼び」に応答してその乗り場に向かうために、その
運行方向を反転させるものであるのに対し、本実施形態
は、「新たな乗り場呼び」に応答してその乗り場に到着
した後、運行方向を反転させるものである。
【0585】[33−1−1.エレベータ群管理制御装
置の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3は、反転カゴ決定装置の構成に部分的な変更が施さ
れた以外は、上記第32実施形態と同様に構成されてい
る(図35参照)。
【0586】[33−1−2.反転カゴ決定装置の構
成]以下、本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3に用いられる反転カゴ決定装置260Bの具体的な
構成について、図41に基づいて詳細に説明する。
【0587】なお、本実施形態に用いられる反転カゴ決
定装置260Bは、第32実施形態において示した反転
カゴ決定装置260Aに、カゴ呼び位置検索部1613
を付加したものである。
【0588】すなわち、反転カゴ決定装置を構成するカ
ゴ呼び検索部1604が、前記乗り場呼び検索部160
3において検出された検索値及びカゴ番号と、前記呼び
データ記憶装置210に記憶されている各カゴの「カゴ
呼びデータ」とを入力して、乗り場呼び検索部1603
において検出された検索値が0ならば0を出力し、−1
ならばそのカゴのカゴ呼びを検索し、カゴ呼びがあれば
そのカゴの「カゴ呼びデータ」を、なければ−1をその
カゴ番号をとともに出力するものであり、前記カゴ呼び
検索部1604において検索された検索値、カゴ番号及
びその「カゴ呼びデータ」と、前記乗り場呼び登録装置
1に新たに登録された「新たな乗り場呼びデータ」とを
入力して、カゴ呼び検索部1604において検索された
検索値が−1ならば−1を、0ならば0を出力し、「カ
ゴ呼びデータ」が入力されているならば、そのカゴ呼び
が新たな乗り場呼びまでの途中の階床にあることを検索
し、新たな乗り場呼びまでの途中の階床にあれば−1
を、そうでなければ0をそのカゴ番号とともに出力する
カゴ呼び位置検索部1613を備え、前記移動方向検索
部1605が、前記カゴ呼び位置検索部1613におい
て検索された検索値とカゴ番号と、前記乗り場呼び登録
装置1に新たに登録された「新たな乗り場呼びデータ」
と、前記方向データ記憶装置220に記憶されている各
カゴが運行しているシャフトの「方向データ」とを入力
して、カゴ呼び位置検索部1613において検索された
検索値が0ならば0を、−1ならば、新たな乗り場呼び
に応答するまでのそのカゴの移動方向と、そのカゴが運
行しているシャフトの方向が同方向であることを検索
し、同方向であれば−1を、異方向であれば0をそのカ
ゴ番号とともに出力するように構成されている。
【0589】なお、0あるいは−1は、カゴ番号とは異
なる信号とするために用いているに過ぎず、これに限る
ものではない。
【0590】その他の各処理部の構成は、第32実施形
態において示した反転カゴ決定装置260Aと同様であ
るので、説明は省略する。
【0591】[33−2.第33実施形態の作用]上記
のような構成を有する第33実施形態は、次のような作
用を有する。以下、第32実施形態との相違点である反
転カゴ決定処理について説明する。
【0592】[33−2−1.反転カゴ決定処理]図4
1に示した反転カゴ決定装置260Bは、乗り場呼び登
録装置1に新たに登録された「新たな乗り場呼びデー
タ」と、呼びデータ記憶装置210に記憶されている各
カゴが持つ「呼びデータ」と、方向データ記憶装置22
0から得られる各カゴが運行しているシャフトの「方向
データ」(上昇または下降)と、シャフト数検出装置2
30から得られる各カゴが運行しているシャフトの方向
と同方向のシャフトの数と、シャフトデータ記憶装置2
40に記憶されている各カゴが運行しているシャフトの
「シャフトデータ」と、横行移動先検出装置250から
得られる横行移動をしているカゴの移動先のシャフト番
号とに基づいて、乗り場呼び登録装置1に新たに登録さ
れた新たな乗り場呼びに応答するために運行方向を反転
させるべきカゴを、下記の条件に従って決定し、決定し
た反転カゴのデータを割当指令装置270に出力するも
のである。
【0593】(A)反転カゴを決定するための条件 (条件1)対象カゴが現在運行しているシャフトの方向
と、乗り場呼び登録装置1に新たに登録された「新たな
乗り場呼び」の目的方向が異方向である(異方向カゴ選
択部1601で判断する)。
【0594】(条件2)対象カゴについて、呼びデータ
記憶装置210に記憶されている乗り場呼びがない(乗
り場呼び検索部1603で判断する)。
【0595】(条件3)対象カゴについて、呼びデータ
記憶装置210に記憶されている「カゴ呼び」がない
(カゴ呼び検索部1604で判断する)。または、呼び
データ記憶装置210に記憶されている「カゴ呼び」
が、新たに登録された乗り場呼びまでの途中の階床であ
る(カゴ呼び位置検索部1613で判断する)。
【0596】(条件4)乗り場呼び登録装置1に新たに
登録された「新たな乗り場呼び」に対応するまでの対象
カゴの移動方向と、対象カゴが現在運行しているシャフ
トの方向が同方向である(移動方向検索部1605で判
断する)。
【0597】(条件5)対象カゴが現在運行しているシ
ャフトの方向と同方向のシャフトが少なくとも1本以上
存在する(シャフト方向検索部1606で判断する)。
【0598】(条件6)対象カゴが現在運行しているシ
ャフト内に他のカゴが存在しない(他カゴ検索部160
7で判断する)。または、対象カゴが運行しているシャ
フト内に存在する他のカゴについて、呼びデータ記憶装
置210に記憶されている「乗り場呼び」と「カゴ呼
び」がともにない(他カゴ呼び検索部1608で判断す
る)。
【0599】(条件7)対象カゴが運行しているシャフ
トを横行移動先としている横行移動中のカゴが存在しな
い(横行移動検索部1609で判断する)。
【0600】(B)反転カゴを決定するための処理の流
れ 上記(A)に示した条件に基づいて、運行方向を反転さ
せるカゴを決定する反転カゴ決定装置260Bにおける
処理の流れを、図42及び図43に示す。
【0601】なお、図42及び図43に示したフローチ
ャートは、図37に示したようなエレベータシステムに
おいて、乗り場呼び登録装置1に新たに登録された「呼
びデータ(4,UP)」に応答する場合の処理の流れを
示したものである。
【0602】すなわち、図37に示したように、4本の
シャフトを有する20階のビルにおけるエレベータシス
テムにおいて、第1シャフトの15階にカゴ1と7階に
カゴ2、第2シャフトの3階にカゴ3、第3シャフトの
18階にカゴ4、第4シャフトの10階にカゴ5がいる
ものとする。また、カゴ1、2、4はそれぞれの階床に
停止しており、それぞれ出発するために直ちにドアを閉
じることが可能な状態にあり、一方、カゴ3、5は各シ
ャフト内を移動中であるものとする。さらに、呼びデー
タ記憶装置210においては、「乗り場呼びデータ」と
してカゴ3に(2,DN)が割り当てられており、「カ
ゴ呼びデータ」としてカゴ4に(19,UP)、カゴ5
に(9,DN)が記憶されているものとする。また、そ
れぞれのカゴが運行しているシャフトの「方向データ」
としては、第1シャフトがUP、第2シャフトがDN、
第3シャフトがUP、第4シャフトがDNというデータ
が、方向データ記憶装置220に記憶されているものと
する。さらに、それぞれのカゴが運行しているシャフト
の階床・シャフトを示す「シャフトデータ」としては、
カゴ1が(15@1)、カゴ2が(7@1)、カゴ3が
(3@2)、カゴ4が(18@3)、カゴ5が(10@
4)というデータが、シャフトデータ記憶装置240に
記憶されているものとする。
【0603】ここで、運行方向を反転させるカゴを決定
するには、上記の7つの条件をすべて満たすカゴを選ぶ
ことになる。図42及び図43に示したフローチャート
に従って、順に上記条件をチェックしていくことにす
る。
【0604】すなわち、ステップ801(異方向カゴ選
択部1601で実行される)において、方向データ記憶
装置220に記憶されているシャフトの「方向データ」
と、シャフトデータ記憶装置240に記憶されている
「シャフトデータ」と、乗り場呼び登録装置1に新たに
登録された「新たな乗り場呼びデータ」とから、乗り場
呼び登録装置1に新たに登録された乗り場呼びの目的方
向とカゴの運行方向が異方向なカゴであるカゴ3、5が
選択される。これは(条件1)を満たしている。
【0605】次に、ステップ803(未チェックカゴ選
択部1602で実行される)において、ステップ801
で選択されたカゴの中からいずれか一つのカゴを対象カ
ゴして選ぶ(ここでは、カゴ3を選択したとする)。そ
して、ステップ804(乗り場呼び検索部1603で実
行される)において、カゴ3について、呼びデータ記憶
装置210に記憶されている「乗り場呼びデータ」があ
るか否かの判断がなされ、「乗り場呼びデータ(H,
2,DN)」があることがわかる。これは(条件2)を
満たしていない。したがって、カゴ3は反転が不可能な
カゴと決定される。
【0606】続いて、ステップ813(チェック終了識
別部1611で実行される)において、選択されたカゴ
3,5のすべてについて、反転可能なカゴであるか否か
のチェックが行われたか否かの判断がなされ、まだ、カ
ゴ5についてチェックがなされていないので、再びステ
ップ803に戻る。
【0607】そして、ステップ803において選択され
たカゴ5について、カゴ3の場合と同様に、上記条件を
チェックしていく。
【0608】ステップ804(乗り場呼び検索部160
3で実行される)において、カゴ5について、呼びデー
タ記憶装置210に記憶されている「乗り場呼びデー
タ」があるか否かの判断がなされ、「乗り場呼びデー
タ」がないことがわかる。これは(条件2)を満たして
いる。
【0609】続いて、ステップ805(カゴ呼び検索部
1604で実行される)において、カゴ5について、呼
びデータ記憶装置210に記憶されている「カゴ呼びデ
ータ」があるか否かの判断がなされ、「カゴ呼びデータ
(C,9,DN)」があることがわかるが、ステップ8
06(カゴ呼び位置検索部1613で実行される)にお
いて、この「カゴ呼び」は、「新たな乗り場呼び」であ
る4階までの途中の階床にあることがわかる。これは
(条件3)を満たしている。
【0610】また、ステップ807(移動方向検索部1
605で実行される)において、方向データ記憶装置2
20にて得られたシャフトの「方向データ」と、乗り場
呼び登録装置1に新たに登録された「新たな乗り場呼び
データ」とから、カゴ5が「新たな乗り場呼び(4,U
P)」の目的方向に応答するまでの運行方向(ここで
は、下降方向)と、カゴ5が現在運行しているシャフト
の方向が同方向か否かの判断がなされ、同方向であるこ
とがわかる。これは(条件4)を満たしている。
【0611】次に、ステップ808(シャフト方向検索
部1606で実行される)において、カゴ5が現在運行
しているシャフトの方向と同方向のシャフトが別に少な
くとも1本以上存在するか否かの判断がなされ、シャフ
ト2(シャフト4と同方向)が存在することから、カゴ
5は(条件5)を満たしている。
【0612】また、ステップ809(他カゴ検索部16
07で実行される)において、カゴ5が現在運行してい
るシャフト内に他のカゴがいるか否かの判断がなされ、
シャフト4内には他のカゴが存在しないことがわかる。
これは(条件6)を満たしている。
【0613】ステップ811(横行移動検索部1609
で実行される)において、シャフトデータ記憶装置24
0に記憶されているカゴ5が運行しているシャフトの
「シャフトデータ」と、横行移動先検出装置250にて
得られた横行移動中のカゴの横行移動先のシャフト番号
とから、カゴ5が現在運行しているシャフト(シャフト
4)を横行移動先としている横行移動中の他のカゴがい
るか否かの判断がなされ、そのようなカゴが存在しない
ことがわかる。これは(条件7)を満たしている。
【0614】したがって、判断の対象となっているカゴ
5は、上記7つの条件をすべて満たしているので、「カ
ゴ5は、反転可能なカゴである」と決定される(ステッ
プ812)。
【0615】[33−2−2.割当指令処理]次に、割
当指令装置270における処理の流れを、図40に示し
たフローチャートを参照して説明する。すなわち、ステ
ップ601において、反転可能なカゴがあるか否かの判
断がなされる。本実施形態においては、カゴ5が反転可
能なカゴと決定されているが、これらのカゴだけでな
く、図42及び図43に示したフローチャートにおい
て、ステップ801で選択されなかったカゴ1,2,4
についても、ステップ602において、新しい乗り場呼
びに応答するために必要とされる時間(すなわち、それ
らのカゴが4階へ到着するために必要とされる時間)を
「呼びデータ」などをもとに予測する。
【0616】そして、ステップ604によって、例え
ば、評価として到着時間が最小とされたカゴ5を、「新
たな乗り場呼び(4,UP)」に応答させるべきカゴと
して決定し、カゴ5への運行指令を行なうべくその指令
を運行指令装置280に出力すると共に、「新たな乗り
場呼び(4,UP)」がカゴ5に割り当てられたことを
呼びデータ記憶装置210に記憶させる。
【0617】なお、呼びデータ記憶装置210には、表
75に示すような形式で記憶される。また、この表75
を前記表70と比較すると、カゴ5について新たな「呼
びデータ」が記憶されていることがわかる。
【0618】
【表75】 [33−3.第33実施形態の効果]上記のような構成
を有する第33実施形態に示したエレベータ群管理制御
装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行される
エレベータ群管理制御方法は、以下のような効果を奏す
る。
【0619】すなわち、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、新たな乗り場呼びに応答すべきカゴを決定す
る場合に、シャフトの方向に制限されることなく、新た
な乗り場呼びに応答した後にその運行方向を反転させる
ことができるカゴの有無を検索し、反転可能なカゴが存
在する場合には、その運行方向を随時変更することがで
きる。
【0620】また、反転可能と決定されたカゴをも、
「応答カゴ」の候補として判断の対象とし得るので、新
たな乗り場呼びに対して、迅速な対応が可能となる。
【0621】[34.第34実施形態]本実施形態は、
請求項41及び請求項42に対応するエレベータ群管理
制御装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行さ
れるエレベータ群管理制御方法(請求項49及び請求項
50に対応する)に関するものである。
【0622】[34−1.第34実施形態の構成]本実
施形態は、複数台の縦横移動可能なエレベータカゴの運
行を司るカゴ運行制御装置4と、各カゴの状態(例え
ば、位置・速度・荷重)を検知するカゴデータ検出装置
2と、階床の乗り場にそれぞれ設置した1個以上の乗り
場呼び登録装置1とを備えたエレベータシステムに用い
られるエレベータ群管理制御装置3に関するものであ
る。
【0623】[34−1−1.エレベータ群管理制御装
置の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3は、図44に示したような各装置から構成されてい
る。
【0624】すなわち、カゴ内の乗客が所望の階床を指
定するカゴ呼びと、割り当てられている乗り場呼びから
なる「呼びデータ」を記憶する呼びデータ記憶装置21
0と、前記カゴデータ検出装置2によって検出された
「カゴデータ」と、前記呼びデータ記憶装置210に記
憶されている「呼びデータ」とから、各カゴが運行して
いるシャフトの方向を推定して、「方向データ」として
更新・記憶する方向データ記憶装置220と、前記カゴ
データ検出装置2によって検出される「カゴデータ」を
用いて、各カゴが運行しているシャフトの階床・シャフ
トを推定し、「シャフトデータ」として記憶するシャフ
トデータ記憶装置240と、前記方向データ記憶装置2
20に記憶されている各カゴが運行しているシャフトの
「方向データ」に基づいて、各カゴの運行すべき経路を
記憶する経路データ記憶装置290と、前記方向データ
記憶装置220に記憶されている各カゴが運行している
シャフトの「方向データ」と、前記シャフトデータ記憶
装置240に記憶されている各カゴの「シャフトデー
タ」と、前記経路データ記憶装置290に記憶されてい
る各カゴの運行すべき経路の「経路データ」とを入力し
て、シャフトごとに各横行階に最もはやく到着するカゴ
を予測し、そのカゴ番号を出力する横行階到着予測装置
300と、前記シャフトデータ記憶装置240に記憶さ
れている各カゴの「シャフトデータ」を入力して、横行
移動中のカゴが存在するか否かを検出し、かつ、横行移
動中のカゴが存在する場合には、そのカゴの横行移動先
のシャフトを検出する横行移動先検出装置250と、前
記乗り場呼び登録装置1に新たに登録された「新たな乗
り場呼びデータ」と、前記呼びデータ記憶装置210に
記憶されている「呼びデータ」と、前記方向データ記憶
装置220に記憶されている各カゴの「方向データ」
と、前記シャフトデータ記憶装置240に記憶されてい
る各カゴの「シャフトデータ」と、前記経路データ記憶
装置290に記憶されている各カゴの運行すべき「経路
データ」と、前記横行階到着予測装置300によって予
測される横行階に最もはやく到着するカゴ番号と、前記
横行移動先検出装置250によって検出された横行移動
しているカゴ番号と横行移動先のシャフトの番号とを入
力して、前記乗り場呼び登録装置1に新たに登録された
乗り場呼びに応答するために運行方向を反転させるべき
カゴを決定する反転カゴ決定装置260Cと、前記反転
カゴ決定装置260Cで決定された「反転カゴデータ」
と、前記呼びデータ記憶装置210に記憶されている各
カゴの「呼びデータ」と、前記乗り場呼び登録装置1に
新たに登録された「新たな乗り場呼びデータ」と、前記
方向データ記憶装置220に記憶されている前記カゴの
シャフトの「方向データ」と、カゴデータ検出装置2に
よって検出される「カゴデータ」と、前記経路データ記
憶装置290に記憶されている各カゴの運行すべき「経
路データ」とを入力して、新たな乗り場呼びに応答させ
るべき「応答カゴ」を決定すると共に、前記呼びデータ
記憶装置210に新たにその情報を記憶させるよう指令
を出す割当指令装置270と、前記割当指令装置270
で決定された「応答カゴ」へ運行指令を出力するととも
に、その「応答カゴ」が前記反転カゴ決定装置260で
決定された「反転カゴ」である場合には、カゴ同士の衝
突を防止するために、その「応答カゴ」が現在運行して
いるシャフト内に存在する他のカゴへあらたに運行指令
を出力する運行指令装置280とを備えている。
【0625】[34−1−2.反転カゴ決定装置の構
成]次に、前記エレベータ群管理制御装置3を構成する
反転カゴ決定装置260Cの具体的構成について、図4
5に基づいて詳細に説明する。
【0626】すなわち、前記反転カゴ決定装置260C
は、前記シャフトデータ記憶装置240に記憶されてい
る各カゴが運行している「シャフトデータ」と、前記方
向データ記憶装置220に記憶されている各カゴが運行
しているシャフトの「方向データ」と、前記乗り場呼び
登録装置1に新たに登録された「新たな乗り場呼びデー
タ」とを入力して、各カゴが運行しているシャフトの方
向と新たな乗り場呼びの目的方向とが異方向であるカゴ
を選択し、選択されなければ0を出力する異方向カゴ選
択部1601と、前記異方向カゴ選択部1601におい
て選択された運行方向が異方向のカゴの番号を入力し、
それらのカゴの中で、「反転カゴ」として適合するか否
かのチェックが行なわれていないカゴの番号を1台づつ
順次出力する未チェックカゴ選択部1602と、前記未
チェックカゴ選択部1602において選択されたカゴ番
号と、前記呼びデータ記憶装置210に記憶されている
各カゴの「乗り場呼びデータ」と、前記乗り場呼び登録
装置1に新たに登録された「新たな乗り場呼びデータ」
とを入力して、新たに登録された乗り場呼びの目的方向
に対して異方向の乗り場呼びの有無を検索し、そのよう
な乗り場呼びがあれば0を、なければ−1をそのカゴ番
号とともに出力する乗り場呼び検索部1603と、前記
乗り場呼び検索部1603において検索された検索値及
びカゴ番号と、前記呼びデータ記憶装置210に記憶さ
れている各カゴの「カゴ呼びデータ」と、前記乗り場呼
び登録装置1に新たに登録された「新たな乗り場呼びデ
ータ」とを入力して、乗り場呼び検索部1603におい
て検索された検索値が0ならば0を出力し、−1なら
ば、新たに登録された乗り場呼びの目的方向に対して異
方向のカゴ呼びの有無を検索し、そのようなカゴ呼びが
あれば0を、なければ−1をそのカゴ番号とともに出力
するカゴ呼び検索部1604と、前記カゴ呼び検索部1
604において検索された検索値及びカゴ番号と、前記
乗り場呼び登録装置1に新たに登録された「新たな乗り
場呼びデータ」と、前記方向データ記憶装置220に記
憶されている各カゴが運行しているシャフトの「方向デ
ータ」とを入力して、カゴ呼び検索部1604において
検索された検索値が0ならば0を出力し、−1ならば、
新たな乗り場呼びに応答するまでのそのカゴの移動方向
と現在運行しているシャフトの方向とが異方向であるか
否かを検索し、異方向であれば−1を、同方向であれば
0をそのカゴ番号とともに出力する移動方向検索部16
05と、前記移動方向検索部1605において検索され
た検索値及びカゴ番号と、前記乗り場呼び登録装置1に
新たに登録された「新たな乗り場呼びデータ」と、前記
シャフトデータ記憶装置240に記憶されている各カゴ
が運行している「シャフトデータ」とを入力して、移動
方向検索部1605において検索された検索値が0なら
ば0を出力し、−1ならば、そのカゴが現在運行してい
るシャフト内において、そのカゴが現在いる階床から新
たに登録された乗り場呼びの目的方向と同方向側にある
階床に他カゴが存在するか否かを検索し、他カゴが存在
するならばその他カゴ番号を、存在しなければ−1をそ
のカゴ番号とともに出力する他カゴ検索部1607と、
前記他カゴ検索部1607において検索された検索値ま
たは他カゴ番号及びそのカゴ番号と、前記乗り場呼び登
録装置1に新たに登録された「新たな乗り場呼びデー
タ」と、前記方向データ記憶装置220に記憶されてい
る各カゴについてのシャフト「方向データ」とを入力し
て、他カゴ検索部1607において検索された検索値が
−1であれば−1を、0であれば0を出力し、また、他
カゴ番号が入力されているならば、その他カゴが新たな
乗り場呼びの目的方向と同方向に運行しているか否かを
検索し、同方向であれば−1を、異方向であれば他カゴ
番号をそのカゴ番号とともに出力する他カゴ方向検索部
1614と、前記他カゴ方向検索部1614において検
索された検索値または他カゴ番号及びそのカゴ番号と、
前記シャフトデータ記憶装置240に記憶されている各
カゴが運行しているシャフトの「シャフトデータ」とを
入力して、他カゴ方向検索部1614において検索され
た検索値が−1であれば−1を、0であれば0を出力
し、また、他カゴ番号が入力されているならば、そのカ
ゴと他カゴとの間に横行階が存在するか否かを検索し、
横行階が存在する場合には、他カゴ番号と横行階の階床
データを出力し、横行階が存在しなければ0をそのカゴ
番号とともに出力する横行階検索部1615と、前記横
行階検索部1615において検索された検索値または他
カゴ番号、横行階床データ及びそのカゴ番号と、前記経
路データ記憶装置290に記憶されているカゴが運行す
べき「経路データ」と、前記シャフトデータ記憶装置2
40に記憶されている「シャフトデータ」と、前記乗り
場呼び登録装置1に新たに登録された「新たな乗り場呼
びデータ」とを入力して、横行階検索部1615におい
て検索された検索値が−1ならば−1を、0ならば0を
出力し、また、他カゴ番号が入力されているならば、そ
のカゴが新たな乗り場呼びに応答するための経路と他カ
ゴの経路とが交錯するか否かを検索し、交錯する場合に
は、他カゴ番号と横行階床データを出力し、交錯しない
場合には0をそのカゴ番号とともに出力する経路交錯検
索部1616と、前記経路交錯検索部1616において
検索された検索値または他カゴ番号、横行階床データ及
びそのカゴ番号と、前記経路データ記憶装置290に記
憶されているカゴが運行すべき「経路データ」とを入力
して、経路交錯検索部1616において検索された検索
値が−1ならば−1を、0ならば0を出力し、また、他
カゴ番号が入力されているならば、その他カゴの経路が
横行階で横行移動するか否かを検索し、横行移動する場
合には、他カゴ番号と横行階床データを出力し、横行移
動しない場合には0をそのカゴ番号とともに出力する横
行移動経路検索部1617と、前記横行移動経路検索部
1617において検索された検索値または他カゴ番号、
横行階床データ及びそのカゴ番号と、前記横行階到着予
測装置300で予測されたシャフトごとに各横行階に最
もはやく到着するカゴ番号とを入力し、横行移動経路検
索部1617において検索された検索値が−1ならば−
1を、0ならば0を出力し、また、他カゴ番号が入力さ
れているならば、横行階に最もはやく到着するカゴを検
索し、そのようなカゴが他カゴであれば−1を、そうで
なければ0をそのカゴ番号とともに出力する横行階到着
カゴ検索部1618と、前記横行階到着カゴ検索部16
18において検索された検索値及びカゴ番号と、前記乗
り場呼び登録装置1に新たに登録された「新たな乗り場
呼びデータ」と、前記シャフトデータ記憶装置240に
記憶されている各カゴの「シャフトデータ」と、前記横
行移動先検出装置250によって検出された横行移動中
のカゴの横行移動先とを入力して、横行階到着カゴ検索
部1618において検索された検索値が0ならば0を出
力し、−1ならば、そのカゴが新たな乗り場呼びに応答
するために運行すべきシャフトを横行移動先としている
横行移動中の他カゴが存在するか否かを検索し、存在す
るならばその他カゴの番号を、存在しなければ−1をそ
のカゴ番号とともに出力する横行移動検索部1609
と、前記横行移動検索部1609において検索された検
索値とカゴ番号と、前記乗り場呼び登録装置1に新たに
登録された「新たな乗り場呼びデータ」と、前記方向デ
ータ記憶装置220に記憶されている各カゴについての
シャフト「方向データ」と、前記横行移動先検出装置2
50によって検出された横行移動中のカゴの横行移動先
とを入力して、横行移動検索部1609において検索さ
れた検索値が0ならば0を出力し、−1ならば−1を出
力し、また、他カゴ番号が入力されているならば、他カ
ゴの横行移動後の運行方向が新たな乗り場呼びの目的方
向と同方向であるか否かを検索し、同方向ならば−1
を、異方向ならば0をそのカゴ番号とともに出力する横
行移動後方向検索部1619と、前記横行移動後方向検
索部1619において検索された検索値及びカゴ番号を
入力して、その検索値が−1ならば、そのカゴを運行方
向の反転が可能なカゴとして記憶し、その情報を出力す
る反転カゴ記憶部1610と、前記横行移動後方向検索
部1619において検索された検索値及びカゴ番号と、
前記異方向カゴ選択部1601において選択されたカゴ
番号とを入力して、そのカゴ番号を記憶し、異方向カゴ
選択部1601において選択されたすべてのカゴ番号が
記憶されたならば−1を出力し、すべてのカゴ番号が記
憶されていなければ、記憶されていないカゴについて、
運行方向の反転が可能か否かのチェックをすべく、前記
未チェックカゴ選択部1602にその旨の指示を出力す
るチェック終了識別部1611と、前記チェック終了識
別部1611において得られた識別値と、前記異方向カ
ゴ選択部1601で得られた選択結果と、前記反転カゴ
記憶部1610に記憶されている運行方向の反転が可能
なカゴ番号とを入力し、その選択結果が0であるならば
0を、識別値が−1でかつ運行方向の反転が可能なカゴ
番号が入力されているならば、そのカゴを反転可能なカ
ゴとして指定し、そのカゴ番号を前記割当指令装置27
0に出力し、そうでなければ0を前記割当指令装置27
0に出力する反転カゴ指定部1612とを備えている。
【0627】[34−2.第34実施形態の作用]上記
のような構成を有する第34実施形態は、次のような作
用を有する。以下、第32実施形態あるいは第33実施
形態との相違点である方向データ記憶処理、経路データ
記憶処理、横行階到着予測処理及び反転カゴ決定処理に
ついて説明する。
【0628】[34−2−1.方向データ記憶処理]図
44に示した方向データ記憶装置220では、カゴデー
タ検出装置2から得られる「カゴデータ」と、呼びデー
タ記憶装置210に記憶されている「呼びデータ」とを
もとに、各カゴが運行しているシャフトの方向(上昇方
向、または下降方向)を推定し、「方向データ」として
更新して、表76に示すような形式で記憶している。
【0629】
【表76】 [34−2−2.経路データ記憶処理]図44に示した
経路データ記憶装置290では、方向データ記憶装置2
20から得られる各カゴが運行しているシャフトの方向
をもとに、各カゴが運行すべき道筋を「経路データ」と
して記憶している。
【0630】例えば、図46に示すように、4本のシャ
フトを持つ20階床のビルにおいて、第1シャフトの7
階にいるカゴが、14階に発生した下降方向の乗り場呼
びに応答するためには、破線の矢印が示すように、第1
シャフトを10階まで昇って、10階で第3シャフトに
横行移動した後、第3シャフトを20階まで昇り、20
階で第4シャフトに横行移動し、第4シャフトを14階
まで下って、乗り場呼びに応答する道筋が考えられる。
【0631】このように各カゴが運行すべき道筋を予め
カゴ毎に定めておき、「経路データ」として表77に示
すような形式で記憶しておく。例えば、カゴ1について
の「経路データ」は、横行階は1階と20階であり、1
階では第2シャフトから第1シャフトへ横行し、20階
では第1シャフトから第2シャフトへ横行する経路がカ
ゴ1が運行すべき道筋として定められていることを意味
している。なお、図47及び図48は表77に示した
「経路データ」を図示したものである。
【0632】
【表77】 [34−2−3.横行階到着予測処理]図44に示した
横行階到着予測装置300では、方向データ記憶装置2
20に記憶されている各カゴが運行しているシャフトの
「方向データ」と、シャフトデータ記憶装置240に記
憶されている各カゴが運行しているシャフトの「シャフ
トデータ」と、経路データ記憶装置290に記憶されて
いる各カゴの運行すべき経路の「経路データ」とに基づ
いて、シャフトごとに各横行階に最もはやく到着するカ
ゴを予測して、その「カゴデータ」を反転カゴ決定装置
260へ出力する。
【0633】[34−2−4.反転カゴ決定処理]図4
4に示した反転カゴ決定装置260Cは、乗り場呼び登
録装置1に新たに登録された「新たな乗り場呼びデー
タ」と、呼びデータ記憶装置210に記憶されている各
カゴが持つ「呼びデータ」と、方向データ記憶装置22
0から得られる各カゴが運行しているシャフトの「方向
データ」(上昇または下降)と、シャフトデータ記憶装
置240に記憶されている各カゴが運行しているシャフ
トの「シャフトデータ」と、経路データ記憶装置290
に記憶されている各カゴの運行すべき「経路データ」
と、横行階到着予測装置300によって予測されるシャ
フトごとの各横行階に最もはやく到着するカゴの「カゴ
データ」と、横行移動先検出装置250から得られる横
行移動をしているカゴの移動先のシャフト番号とに基づ
いて、乗り場呼び登録装置1に新たに登録された「新た
な乗り場呼び」に応答するために運行方向を反転させる
べきカゴを、下記の条件に従って決定し、決定した反転
カゴのデータを割当指令装置270に出力するものであ
る。 (A)反転カゴを決定するための条件 (条件1)対象カゴが現在運行しているシャフトの方向
と、乗り場呼び登録装置1に新たに登録された「新たな
乗り場呼び」の目的方向が異方向である(異方向カゴ選
択部1601で判断する)。
【0634】(条件2)対象カゴについて、呼びデータ
記憶装置210に記憶されている「乗り場呼びデータ」
の中に、乗り場呼び登録装置1に新たに登録された呼び
の目的方向に対して異方向の乗り場呼びがない(乗り場
呼び検索部1603で判断する)。
【0635】(条件3)対象カゴについて、呼びデータ
記憶装置210に記憶されている「カゴ呼びデータ」の
中に、乗り場呼び登録装置1に新たに登録された呼びの
目的方向に対して異方向のカゴ呼びがない(カゴ呼び検
索部1604で判断する)。
【0636】(条件4)乗り場呼び登録装置1に新たに
登録された「新たな乗り場呼び」に応答するまでの対象
カゴの移動方向と、対象カゴが現在運行しているシャフ
トの「方向データ」が異方向である(移動方向検索部1
605で判断する)。
【0637】(条件5)対象カゴが現在運行しているシ
ャフト内において、対象カゴが現在いる階床から新たな
乗り場呼びの目的方向と同方向側にある階床にいる他カ
ゴについて、以下のいずれかの条件を満たしている。
【0638】(a)他カゴが存在しない(他カゴ検索部
1607で判断する)。
【0639】(b)他カゴが新たな乗り場呼びの目的方
向と同方向に運行している(他カゴ方向検索部1614
で判断する)。
【0640】(c)対象カゴと他カゴとの間に横行階が
存在し(横行階検索部1615で判断する)、経路デー
タ記憶装置290に記憶されている他カゴの経路と対象
カゴが新たな乗り場呼びに応答するための経路とが交錯
するカゴであり(経路交錯検索部1616で判断す
る)、さらに他カゴの経路が横行階で横行移動するもの
ならば(横行移動経路検索部1617で判断する)、こ
の横行階に最もはやく到着するカゴが他カゴである(横
行階到着カゴ検索部1618で判断する)。
【0641】(条件6)対象カゴが新たな乗り場呼びに
応答するために運行すべきシャフトを横行移動先として
いる横行移動中の他カゴが存在しない(横行移動検索部
1609で判断する)、または、その他カゴの横行移動
後の運行方向が新たな乗り場呼びの目的方向に対して同
方向である(横行移動後方向検索部1619で判断す
る)。
【0642】(B)反転カゴを決定するための処理の流
れ 上記(A)に示した条件に基づいて、運行方向を反転さ
せるカゴを決定する反転カゴ決定装置260Cにおける
処理の流れを、図49乃至図51に示す。
【0643】なお、図49乃至図51に示したフローチ
ャートは、図37に示したようなエレベータシステムに
おいて、乗り場呼び登録装置1に新たに登録された「呼
びデータ(5,DN)」に応答する場合の処理の流れを
示したものである。
【0644】すなわち、図37に示したように、4本の
シャフトを有する20階のビルにおけるエレベータシス
テムにおいて、第1シャフトの15階にカゴ1と7階に
カゴ2、第2シャフトの3階にカゴ3、第3シャフトの
18階にカゴ4、第4シャフトの10階にカゴ5がいる
ものとする。また、カゴ1、2、4はそれぞれの階床に
停止しており、それぞれ出発するために直ちにドアを閉
じることが可能な状態にあり、一方、カゴ3、5は各シ
ャフト内を移動中であるものとする。さらに、呼びデー
タ記憶装置210においては、「乗り場呼びデータ」と
してカゴ3に(2,DN)が割り当てられており、「カ
ゴ呼びデータ」としてカゴ4に(19,UP)、カゴ5
に(9,DN)が記憶されているものとする。また、そ
れぞれのカゴが運行しているシャフトの「方向データ」
としては、第1シャフトがUP、第2シャフトがDN、
第3シャフトがUP、第4シャフトがDNというデータ
が、方向データ記憶装置220に記憶されているものと
する。さらに、それぞれのカゴが運行しているシャフト
の階床・シャフトを示す「シャフトデータ」としては、
カゴ1が(15@1)、カゴ2が(7@1)、カゴ3が
(3@2)、カゴ4が(18@3)、カゴ5が(10@
4)というデータが、シャフトデータ記憶装置240に
記憶されているものとする。
【0645】ここで、運行方向を反転させるカゴを決定
するには、上記の6つの条件をすべて満たすカゴを選ぶ
ことになる。図49乃至図51に示したフローチャート
に従って、順に上記条件をチェックしていくことにす
る。
【0646】すなわち、ステップ1501(異方向カゴ
選択部1601で実行される)において、方向データ記
憶装置220に記憶されているシャフトの「方向デー
タ」と、シャフトデータ記憶装置240に記憶されてい
る「シャフトデータ」と、乗り場呼び登録装置1に新た
に登録された「新たな乗り場呼びデータ」とから、乗り
場呼び登録装置1に新たに登録された乗り場呼びの目的
方向とカゴの運行方向が異方向であるカゴ1、2、4が
選択される。これは(条件1)を満たしている。
【0647】次に、ステップ1503(未チェックカゴ
選択部1602で実行される)において、ステップ15
01で選択されたカゴの中からいずれか一つのカゴを対
象カゴとして選ぶ(ここでは、カゴ1が選択されたとす
る)。そして、ステップ1504(乗り場呼び検索部1
603で実行される)において、カゴ1について、呼び
データ記憶装置210に記憶されている「乗り場呼びデ
ータ」の中に、乗り場呼び登録装置1に新たに登録され
た乗り場呼び(5,DN)の目的方向に対して異方向の
乗り場呼びがあるか否かの判断がなされ、そのような
「乗り場呼びデータ」がないことがわかる。これは(条
件2)を満たしている。
【0648】続いて、ステップ1505(カゴ呼び検索
部1604で実行される)において、カゴ1について、
呼びデータ記憶装置210に記憶されている「カゴ呼び
データ」の中に、乗り場呼び登録装置1に新たに登録さ
れた乗り場呼び(5,DN)の目的方向に対して異方向
のカゴ呼びがあるか否かの判断がなされ、そのような
「カゴ呼びデータ」がないことがわかる。これは(条件
3)を満たしている。
【0649】また、ステップ1506(移動方向検索部
1605で実行される)において、方向データ記憶装置
220にて得られたカゴ1についてのシャフトの「方向
データ」と、乗り場呼び登録装置1に新たに登録された
「新たな乗り場呼びデータ」とから、カゴ1が「新たな
乗り場呼び」の目的方向に応答するまでの運行方向と、
カゴ1が現在運行しているシャフトの運行方向が異方向
か否かの判断がなされ、異方向であることがわかる。こ
れは(条件4)を満たしている。
【0650】次に、ステップ1507(他カゴ検索部1
607で実行される)において、カゴ1が現在運行して
いるシャフト内に、現在いる階床から「新たな乗り場呼
び(5,DN)」の目的方向と同方向側にある階床にい
る他カゴを選択し、ステップ1508において、カゴ2
が選択される。
【0651】続いて、ステップ1509(他カゴ方向検
索部1614で実行される)において、選択されたカゴ
2が「新たな乗り場呼び(5,DN)」の目的方向(下
降方向)と同方向に運行しているか否かが判断され、同
方向に運行していないことがわかる(表76に示した
「方向データ」から、カゴ2はシャフト1内において上
昇方向に運行)。
【0652】次に、ステップ1510(横行階検索部1
615で実行される)において、カゴ1とカゴ2の間に
横行階が存在するか否かの判断がなされ、横行階(10
階)が存在することがわかる。また、ステップ1511
(経路交錯検索部1616で実行される)において、経
路データ記憶装置290に記憶されているカゴ2の経路
と、カゴ1が「新たな乗り場呼び(5,DN)」に応答
するための経路とが交錯するか否かの判断がなされ、両
経路が交錯することがわかる。
【0653】続いて、ステップ1512(横行移動経路
検索部1616で実行される)において、カゴ2の経路
が横行階で横行移動するものであるか否かの判断がなさ
れ、横行階で横行移動するものであることがわかる(表
77及び図47に示したように、カゴ2は10階で第3
シャフトに横行移動する)。
【0654】次に、ステップ1513(横行階到着カゴ
検索部1618で実行される)において、横行階到着予
測装置300によって予測された「カゴデータ」から、
カゴ2が横行階に最もはやく到着するカゴであるか否か
の判断がなされ、横行階に最もはやく到着するカゴであ
ることがわかる。これは(条件5)を満たしている。つ
まり、カゴ1が新たな乗り場呼びに応答すべくシャフト
を移動する際に、カゴ2はすでに横行路を移動してお
り、カゴ1とカゴ2が衝突しないことがわかる。
【0655】次に、ステップ1514(横行移動検索部
1609で実行される)において、シャフトデータ記憶
装置240に記憶されているカゴ1が運行しているシャ
フトの「シャフトデータ」と、横行移動先検出装置25
0にて得られた横行移動中のカゴの横行移動先のシャフ
ト番号とから、カゴ1が「新たな乗り場呼び(5,D
N)」に応答するために運行すべきシャフトを横行移動
先としている横行移動中の他カゴが存在するか否かの判
断がなされ、そのようなカゴが存在しないことがわか
る。これは(条件6)を満たしている。
【0656】したがって、判断の対象となっているカゴ
1は、上記6つの条件をすべて満たしているので、「カ
ゴ1は、反転可能なカゴである」と決定される(ステッ
プ1516)。
【0657】続いて、ステップ1517(チェック終了
識別部1611で実行される)において、選択されたカ
ゴ1,2,4のすべてについて、反転可能なカゴである
か否かのチェックが行われたか否かの判断がなされ、ま
だ、カゴ2,4についてチェックがなされていないの
で、再びステップ1503に戻る。
【0658】そして、ステップ1503において選択さ
れたカゴ2について、カゴ1の場合と同様に、上記条件
をチェックしていく。すると、カゴ2についても、上記
6つの条件をすべて満たしていることがわかるので、
「カゴ2も反転可能なカゴである」として決定される。
【0659】また、ステップ1503において選択され
たカゴ4についても、同様の処理を行うと、ステップ1
505において、カゴ4には「カゴ呼び(C,19,U
P)」があることがわかり、上記(条件3)を満たして
いないことがわかる。
【0660】したがって、上記6つの条件をすべて満た
しているカゴ1とカゴ2が、「反転可能なカゴ」として
決定される。
【0661】[34−2−5.割当指令処理]図44に
示した割当指令装置270は、反転カゴ決定装置260
Cで決定された「反転カゴのデータ」と、呼びデータ記
憶装置210に記憶されている各カゴのカゴ呼びと割り
当てられている乗り場呼びからなる「呼びデータ」と、
乗り場呼び登録装置1に新たに登録された「新たな乗り
場呼びデータ」と、方向データ記憶装置220に記憶さ
れているカゴが運行しているシャフトの「方向データ」
と、経路データ記憶装置290に記憶されている各カゴ
が運行すべき「経路データ」と、カゴデータ検出装置2
によって検出される「カゴデータ」とをもとに、新たに
登録された乗り場呼びに応答させるべきカゴを決定し、
決定したカゴへ運行指令を行なう旨の指令を運行指令装
置280に出力すると共に、その乗り場呼びを呼びデー
タ記憶装置210に新たに記憶させるものである。
【0662】この割当指令装置270における処理の流
れを、図40に示したフローチャートを参照して説明す
る。すなわち、ステップ601において、反転可能なカ
ゴがあるか否かの判断がなされる。本実施形態において
は、カゴ1とカゴ2が反転可能なカゴと決定されている
が、これらのカゴだけでなく、図49乃至図51に示し
たフローチャートにおいて、ステップ1501で選択さ
れなかったカゴ3とカゴ5についても、ステップ602
において、新しい乗り場呼びに応答するために必要とさ
れる時間(すなわち、それらのカゴが5階へ到着するた
めに必要とされる時間)を「呼びデータ」などをもとに
予測する。
【0663】そして、ステップ604によって、例え
ば、評価として到着時間が最小とされたカゴ2を、「新
たな乗り場呼び(5,DN)」に応答させるべきカゴと
して決定し、カゴ2への運行指令を行なうべくその指令
を運行指令装置280に出力すると共に、「新たな乗り
場呼び(5,DN)」がカゴ2に割り当てられたことを
呼びデータ記憶装置210に記憶させる。なお、呼びデ
ータ記憶装置210には、表78に示すような形式で記
憶される。
【0664】
【表78】 [34−3.第34実施形態の効果]上記のような構成
を有する第34実施形態に示したエレベータ群管理制御
装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行される
エレベータ群管理制御方法は、以下のような効果を奏す
る。
【0665】すなわち、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、新たな乗り場呼びに応答すべきカゴを決定す
る場合に、シャフトの方向に制限されることなく、新た
な乗り場呼びに応答する前にその運行方向を反転させる
ことができるカゴの有無を検索し、反転可能なカゴが存
在する場合には、その運行方向を随時変更することがで
きる。
【0666】また、本実施形態においては、検索対象と
なっているカゴが新たな乗り場呼びに応答する場合に、
同一のシャフト内に他のカゴが存在する場合であって
も、そのカゴが横行移動するものであるか否かなどを検
索することによって、両カゴが衝突する可能性があるか
否かをも判断することができるので、運行方向を変更す
る場合の安全性が担保される。
【0667】さらに、反転可能と決定されたカゴをも、
「応答カゴ」の候補として判断の対象とし得るので、新
たな乗り場呼びに対して、迅速な対応が可能となる。
【0668】[35.第35実施形態]本実施形態は、
請求項41及び請求項43に対応するエレベータ群管理
制御装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行さ
れるエレベータ群管理制御方法(請求項49及び請求項
51に対応する)に関するものである。
【0669】[35−1.第35実施形態の構成]本実
施形態は、前記第34実施形態の変形であって、反転カ
ゴ決定装置の具体的構成に変更を加えたものである。
【0670】なお、前記第34実施形態が、「新たな乗
り場呼び」に応答してその乗り場に向かうために、その
運行方向を反転させるものであるのに対し、本実施形態
は、「新たな乗り場呼び」に応答してその乗り場に到着
した後、運行方向を反転させるものである。
【0671】[35−1−1.エレベータ群管理制御装
置の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3は、反転カゴ決定装置の構成に部分的な変更が施さ
れた以外は、上記第34実施形態と同様に構成されてい
る(図44参照)。
【0672】[35−1−2.反転カゴ決定装置の構
成]以下、本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3に用いられる反転カゴ決定装置260Dの具体的な
構成について、図52に基づいて詳細に説明する。
【0673】なお、本実施形態に用いられる反転カゴ決
定装置260Dは、第34実施形態において示した反転
カゴ決定装置260Cに、カゴ呼び位置検索部1613
と、階床間他カゴ検索部1620を付加したものであ
る。
【0674】すなわち、本実施形態に用いられる反転カ
ゴ決定装置260Dは、その構成要素の一つであるカゴ
呼び検索部1604が、前記乗り場呼び検索部1603
において検出された検索値及びカゴ番号と、前記呼びデ
ータ記憶装置210に記憶されている各カゴの「カゴ呼
びデータ」と、前記乗り場呼び登録装置1に新たに登録
された「新たな乗り場呼びデータ」とを入力して、乗り
場呼び検索部1603において検出された検索値が0な
らば0を出力し、−1ならば、新たに登録された乗り場
呼びの目的方向に対して異方向のカゴ呼びの有無を検索
し、そのようなカゴ呼びがあればその「カゴ呼びデー
タ」を、なければ−1をそのカゴ番号をとともに出力す
るものであり、前記カゴ呼び検索部1604において検
索された検索値、カゴ番号及びその「カゴ呼びデータ」
と、前記乗り場呼び登録装置1に新たに登録された「新
たな乗り場呼びデータ」とを入力して、カゴ呼び検索部
1604において検索された検索値が−1ならば−1
を、0ならば0を出力し、また、「カゴ呼びデータ」が
入力されているならば、そのカゴ呼びが新たな乗り場呼
びまでの途中の階床にあることを検索し、新たな乗り場
呼びまでの途中の階床にあれば−1を、そうでなければ
0をそのカゴ番号とともに出力するカゴ呼び位置検索部
1613を備え、前記移動方向検索部1605が、前記
カゴ呼び位置検索部1613において検索された検索値
及びカゴ番号と、前記乗り場呼び登録装置1に新たに登
録された「新たな乗り場呼びデータ」と、前記方向デー
タ記憶装置220に記憶されている各カゴが運行してい
るシャフトの「方向データ」とを入力して、カゴ呼び位
置検索部1613において検索された検索値が0ならば
0を、−1ならば、新たな乗り場呼びに応答するまでの
そのカゴの移動方向と、そのカゴが運行しているシャフ
トの方向が同方向であることを検索し、同方向であれば
−1を、異方向であれば0をそのカゴ番号とともに出力
するように構成され、また、前記横行移動後方向検索部
1619が、前記横行移動検索部1609において検索
された検索値とカゴ番号と、前記乗り場呼び登録装置1
に新たに登録された「新たな乗り場呼びデータ」と、前
記方向データ記憶装置220に記憶されている各カゴに
ついてのシャフト「方向データ」と、前記横行移動先検
出装置250によって検出された横行移動中のカゴの横
行移動先とを入力して、横行移動検索部1609におい
て検索された検索値が0ならば0を出力し、−1ならば
−1を出力し、また、他カゴ番号が入力されているなら
ば、他カゴの横行移動後の運行方向が新たな乗り場呼び
の目的方向と異方向であるか否かを検索し、異方向なら
ば−1を、同方向ならば0をそのカゴ番号とともに出力
するものであり、前記横行移動後方向検索部1619に
おいて検索された検索値及びカゴ番号と、前記乗り場呼
び登録装置1に新たに登録された「新たな乗り場呼びデ
ータ」と、前記シャフトデータ記憶装置240に記憶さ
れている各カゴが運行しているシャフトの「シャフトデ
ータ」とを入力して、横行移動後方向検索部1619に
おいて検索された検索値が0ならば0を出力し、−1な
らば、そのカゴが運行しているシャフト内において現在
いる階床と新たな乗り場呼びとの間にある階床にいる他
カゴを検索し、他カゴが存在すれば0を、存在しなけれ
ば−1をそのカゴ番号とともに出力する階床間他カゴ検
索部1620を備えている。
【0675】その他の各処理部の構成は、第34実施形
態において示した反転カゴ決定装置260Cと同様であ
るので、説明は省略する。
【0676】[35−2.第35実施形態の作用]上記
のような構成を有する第35実施形態は、次のような作
用を有する。以下、第34実施形態との相違点である反
転カゴ決定処理について説明する。
【0677】[35−2−1.反転カゴ決定処理]図5
2に示した反転カゴ決定装置260Dは、乗り場呼び登
録装置1に新たに登録された「新たな乗り場呼びデー
タ」と、呼びデータ記憶装置210に記憶されている各
カゴが持つ「呼びデータ」と、方向データ記憶装置22
0から得られる各カゴが運行しているシャフトの「方向
データ」(上昇または下降)と、シャフトデータ記憶装
置240に記憶されている各カゴが運行しているシャフ
トの「シャフトデータ」と、経路データ記憶装置290
に記憶されている各カゴの運行すべき「経路データ」
と、横行階到着予測装置300によって予測されるシャ
フトごとの各横行階に最もはやく到着するカゴの「カゴ
データ」と、横行移動先検出装置250から得られる横
行移動をしているカゴの移動先のシャフト番号とに基づ
いて、乗り場呼び登録装置1に新たに登録された「新た
な乗り場呼び」に応答するために運行方向を反転させる
べきカゴを、下記の条件に従って決定し、決定した反転
カゴのデータを割当指令装置270に出力するものであ
る。
【0678】(A)反転カゴを決定するための条件 (条件1)対象カゴが現在運行しているシャフトの方向
と、乗り場呼び登録装置1に新たに登録された「新たな
乗り場呼び」の目的方向が異方向である(異方向カゴ選
択部1601で判断する)。
【0679】(条件2)対象カゴについて、呼びデータ
記憶装置210に記憶されている「乗り場呼びデータ」
の中に、乗り場呼び登録装置1に新たに登録された呼び
の目的方向に対して異方向の乗り場呼びがない(乗り場
呼び検索部1603で判断する)。
【0680】(条件3)対象カゴについて、呼びデータ
記憶装置210に記憶されている「カゴ呼びデータ」の
中に、乗り場呼び登録装置1に新たに登録された呼びの
目的方向に対して異方向のカゴ呼びがない(カゴ呼び検
索部1604で判断する)。または、カゴ呼びが、新た
な乗り場呼びまでの途中の階床である(カゴ呼び位置検
索部1613で判断する)。
【0681】(条件4)乗り場呼び登録装置1に新たに
登録された「新たな乗り場呼び」に応答するまでの対象
カゴの移動方向と、対象カゴが現在運行しているシャフ
トの「方向データ」が同方向である(移動方向検索部1
605で判断する)。
【0682】(条件5)対象カゴが現在運行しているシ
ャフト内において、対象カゴが現在いる階床から新たな
乗り場呼びの目的方向と同方向側にある階床にいる他カ
ゴについて、以下のいずれかの条件を満たしている。
【0683】(a)他カゴが存在しない(他カゴ検索部
1607で判断する)。
【0684】(b)他カゴが新たな乗り場呼びの目的方
向と同方向に運行している(他カゴ方向検索部1614
で判断する)。
【0685】(c)対象カゴと他カゴとの間に横行階が
存在し(横行階検索部1615で判断する)、経路デー
タ記憶装置290に記憶されている他カゴの経路と対象
カゴが新たな乗り場呼びに応答した後の経路とが交錯す
るカゴであり(経路交錯検索部1616で判断する)、
さらに他カゴの経路が横行階で横行移動するものならば
(横行移動経路検索部1617で判断する)、この横行
階に最もはやく到着するカゴが他カゴである(横行階到
着カゴ検索部1618で判断する)。
【0686】(条件6)対象カゴと新たな乗り場呼びの
間に横行階があり、そこを横行移動先としている横行移
動中の他カゴが存在しない(横行移動検索部1609で
判断する)、または、その他カゴの横行移動後の運行方
向が新たな乗り場呼びの目的方向に対して異方向である
(横行移動後方向検索部1619で判断する)。
【0687】(条件7)対象カゴが現在運行しているシ
ャフト内において、対象カゴが現在いる階床と新たな乗
り場呼びとの間の階床に他カゴがいない(階床間他カゴ
検索部1620で判断する)。
【0688】(B)反転カゴを決定するための処理の流
れ 上記(A)に示した条件に基づいて、運行方向を反転さ
せるカゴを決定する反転カゴ決定装置260Dにおける
処理の流れを、図53乃至図55に示す。
【0689】なお、図53乃至図55に示したフローチ
ャートは、図37に示したようなエレベータシステムに
おいて、乗り場呼び登録装置1に新たに登録された「呼
びデータ(4,UP)」に応答する場合の処理の流れを
示したものである。
【0690】すなわち、図37に示したように、4本の
シャフトを有する20階のビルにおけるエレベータシス
テムにおいて、第1シャフトの15階にカゴ1と7階に
カゴ2、第2シャフトの3階にカゴ3、第3シャフトの
18階にカゴ4、第4シャフトの10階にカゴ5がいる
ものとする。また、カゴ1、2、4はそれぞれの階床に
停止しており、それぞれ出発するために直ちにドアを閉
じることが可能な状態にあり、一方、カゴ3、5は各シ
ャフト内を移動中であるものとする。さらに、呼びデー
タ記憶装置210においては、「乗り場呼びデータ」と
してカゴ3に(2,DN)が割り当てられており、「カ
ゴ呼びデータ」としてカゴ4に(19,UP)、カゴ5
に(9,DN)が記憶されているものとする。また、そ
れぞれのカゴが運行しているシャフトの「方向データ」
としては、第1シャフトがUP、第2シャフトがDN、
第3シャフトがUP、第4シャフトがDNというデータ
が、方向データ記憶装置220に記憶されているものと
する。さらに、それぞれのカゴが運行しているシャフト
の階床・シャフトを示す「シャフトデータ」としては、
カゴ1が(15@1)、カゴ2が(7@1)、カゴ3が
(3@2)、カゴ4が(18@3)、カゴ5が(10@
4)というデータが、シャフトデータ記憶装置240に
記憶されているものとする。
【0691】ここで、運行方向を反転させるカゴを決定
するには、上記の7つの条件をすべて満たすカゴを選ぶ
ことになる。図53乃至図55に示したフローチャート
に従って、順に上記条件をチェックしていくことにす
る。
【0692】すなわち、ステップ1801(異方向カゴ
選択部1601で実行される)において、方向データ記
憶装置220に記憶されているシャフトの「方向デー
タ」と、シャフトデータ記憶装置240に記憶されてい
る「シャフトデータ」と、乗り場呼び登録装置1に新た
に登録された「新たな乗り場呼びデータ」とから、乗り
場呼び登録装置1に登録された呼びの目的方向とカゴの
運行方向が異方向なカゴである、カゴ3、5が選択され
る。これは(条件1)を満たしている。
【0693】次に、ステップ1803(未チェックカゴ
選択部1602で実行される)において、ステップ18
01で選択されたカゴの中からいずれか一つのカゴを対
象カゴとして選ぶ(ここでは、カゴ3を選択したとす
る)。そして、ステップ1804(乗り場呼び検索部1
603で実行される)において、カゴ3について、呼び
データ記憶装置210に記憶されている「乗り場呼びデ
ータ」があるか否かの判断がなされ、「乗り場呼びデー
タ(H,2,DN)」があることがわかる。これは(条
件2)を満たしていない。したがって、カゴ3は反転が
不可能なカゴと決定される。
【0694】続いて、ステップ1820(チェック終了
識別部1611で実行される)において、選択されたカ
ゴ3,5のすべてについて、反転可能なカゴであるか否
かのチェックが行われたか否かの判断がなされ、まだ、
カゴ5についてチェックがなされていないので、再びス
テップ1803に戻る。
【0695】そして、ステップ1803において選択さ
れたカゴ5について、カゴ3の場合と同様に、上記条件
をチェックしていく。
【0696】ステップ1804(乗り場呼び検索部16
03で実行される)において、カゴ5について、呼びデ
ータ記憶装置210に記憶されている「乗り場呼びデー
タ」があるか否かの判断がなされ、「乗り場呼びデー
タ」がないことがわかる。これは(条件2)を満たして
いる。
【0697】続いて、ステップ1805(カゴ呼び検索
部1604で実行される)において、カゴ5について、
呼びデータ記憶装置210に記憶されている「カゴ呼び
データ」があるか否かの判断がなされ、「カゴ呼びデー
タ(C,9,DN)」があることがわかるが、ステップ
1806(カゴ呼び位置検索部1613で実行される)
において、この「カゴ呼び」は、「新たな乗り場呼び」
である4階までの途中の階床にあることがわかる。これ
は(条件3)を満たしている。
【0698】また、ステップ1807(移動方向検索部
1605で実行される)において、方向データ記憶装置
220にて得られたシャフトの「方向データ」と、シャ
フトデータ記憶装置240にて得られた「シャフトデー
タ」とから、カゴ5が乗り場呼び登録装置1に新たに登
録された「新たな乗り場呼び(4,UP)」の目的方向
に応答するまでの運行方向(ここでは、下降方向)と、
カゴ5が現在運行しているシャフトの方向が同方向か否
かの判断がなされ、同方向であることがわかる。これは
(条件4)を満たしている。
【0699】次に、ステップ1808(他カゴ検索部1
607で実行される)において、カゴ5が現在運行して
いるシャフト内に、現在いる階床から「新たな乗り場呼
び(4,UP)」の目的方向と同方向側にある階床にい
る他カゴを選択し、ステップ1409において、そのよ
うなカゴは選択されないことがわかる。これは(条件
5)を満たしている。
【0700】次に、ステップ1815(横行移動検索部
1609で実行される)において、シャフトデータ記憶
装置240に記憶されているカゴ5が運行しているシャ
フトの「シャフトデータ」と、横行移動先検出装置25
0にて得られた横行移動中のカゴの横行移動先のシャフ
ト番号とから、カゴ5が「新たな乗り場呼び(4,U
P)」に応答するために運行すべきシャフトを横行移動
先としている横行移動中の他カゴが存在するか否かの判
断がなされ、そのようなカゴが存在しないことがわか
る。これは(条件6)を満たしている。
【0701】さらに、ステップ1817(階床間他カゴ
検索部1620で実行される)において、カゴ5が現在
運行しているシャフト内において、カゴ5が現在いる階
床と新たな乗り場呼びとの間の階床に他カゴが存在する
か否かの判断がなされ、そのようなカゴが存在しないこ
とがわかる。これは(条件7)を満たしている。
【0702】したがって、判断の対象となっているカゴ
5は、上記7つの条件をすべて満たしているので、「カ
ゴ5は、反転可能なカゴである」と決定される(ステッ
プ1819)。
【0703】[35−2−2.割当指令処理]次に、割
当指令装置270における処理の流れを、図40に示し
たフローチャートを参照して説明する。すなわち、ステ
ップ601において、反転可能なカゴがあるか否かの判
断がなされる。本実施形態においては、カゴ5が反転可
能なカゴと決定されているが、これらのカゴだけでな
く、図53乃至図55に示したフローチャートにおい
て、ステップ1801で選択されなかったカゴ1,2,
4についても、ステップ602において、新しい乗り場
呼びに応答するために必要とされる時間(すなわち、そ
れらのカゴが4階へ到着するために必要とされる時間)
を「呼びデータ」などをもとに予測する。
【0704】そして、ステップ604によって、例え
ば、評価として到着時間が最小とされたカゴ5を、「新
たな乗り場呼び(4,UP)」に応答させるべきカゴと
して決定し、カゴ5への運行指令を行なうべくその指令
を運行指令装置280に出力すると共に、「新たな乗り
場呼び(4,UP)」がカゴ5に割り当てられたことを
呼びデータ記憶装置210に記憶させる。なお、呼びデ
ータ記憶装置210には、表79に示すような形式で記
憶される。
【0705】
【表79】 [35−3.第35実施形態の効果]上記のような構成
を有する第35実施形態に示したエレベータ群管理制御
装置及びこのエレベータ群管理制御装置上で実行される
エレベータ群管理制御方法は、以下のような効果を奏す
る。
【0706】すなわち、エレベータ群管理制御を行うに
あたって、新たな乗り場呼びに応答すべきカゴを決定す
る場合に、シャフトの方向に制限されることなく、新た
な乗り場呼びに応答した後にその運行方向を反転させる
ことができるカゴの有無を検索し、反転可能なカゴが存
在する場合には、その運行方向を随時変更することがで
きる。
【0707】また、本実施形態においては、検索対象と
なっているカゴが新たな乗り場呼びに応答する場合に、
同一のシャフト内に他のカゴが存在する場合であって
も、そのカゴが横行移動するものであるか否かなどを検
索することによって、両カゴが衝突する可能性があるか
否かをも判断することができるので、運行方向を変更す
る場合の安全性が担保される。
【0708】さらに、反転可能と決定されたカゴをも、
「応答カゴ」の候補として判断の対象とし得るので、新
たな乗り場呼びに対して、迅速な対応が可能となる。
【0709】[36.第36実施形態]本実施形態は、
請求項44に対応するエレベータ群管理制御装置及びこ
のエレベータ群管理制御装置上で実行されるエレベータ
群管理制御方法(請求項52に対応する)に関するもの
である。
【0710】[36−1.第36実施形態の構成]本実
施形態は、前記第32実施形態乃至第35実施形態の変
形であって、各実施形態で示されたエレベータ群管理制
御装置に再割当指令装置310を付加したものである。
【0711】[36−1−1.エレベータ群管理制御装
置の構成]本実施形態におけるエレベータ群管理制御装
置3は、図56に示したような各装置から構成されてい
る。なお、再割当指令装置310以外の各装置について
は、前記第32実施形態及び第34実施形態の[エレベ
ータ群管理制御装置の構成]の項において説明したの
で、ここでは再割当指令装置310についてのみ説明す
る。
【0712】すなわち、再割当指令装置310は、前記
カゴデータ検出装置2から得られる「カゴデータ」と、
前記乗り場呼び登録装置1から得られる「乗り場呼びデ
ータ」の変化を認識して、すでに割り当てカゴが決定し
ている「乗り場呼び」について、割り当てられているカ
ゴよりも早くその「乗り場呼び」に応答できるカゴがあ
るか否かを検索し、そのカゴに割り当てを変更すべき旨
の指令を割当指令装置270に出力するものである。
【0713】[36−2.第36実施形態の作用]上記
のような構成を有する第36実施形態は、次のような作
用を有する。
【0714】[36−2−1.再割当指令処理]図56
に示した再割当指令装置310では、カゴデータ検出装
置2から得られる「カゴデータ」と、乗り場呼び登録装
置1から得られる「乗り場呼びデータ」の変化を検出し
て、「応答カゴ」として最適なカゴが別にあることを検
出して、割り当ての見直しを行なうために、割当指令装
置270に指令を出力する。
【0715】例えば、「新たな乗り場呼び(14,D
N)」が発生し、この乗り場呼びに対して、前記第32
実施形態乃至第35実施形態に示した処理によって、カ
ゴ1が「応答カゴ」として割り当てられ、現在、第1シ
ャフト内を下降中で、「カゴ呼び」のある17階床に停
止しようとしているとする。また、カゴ1には16階床
と15階床に「カゴ呼び」があるとする。
【0716】一方、カゴ2は上昇方向のシャフトにおい
て17階を通過したところであり、前記第32実施形態
乃至第35実施形態に示した反転カゴを決定するための
条件のすべてを満たしているならば、「新たな乗り場呼
び(14,DN)」にはカゴ2のほうが早く応答できる
と思われる。このような場合に、再割当指令装置310
が「新たな乗り場呼び(14,DN)」の割り当ての見
直しをすべき旨の指令を割当指令装置270に出力す
る。
【0717】すなわち、再割当指令装置310では、カ
ゴデータ検出装置2から、カゴ1とカゴ2の位置関係が
変化したことを検知して、「新たな乗り場呼び(14,
DN)」の割り当ての見直しを行なうために、割当指令
装置270に指令を出力する。割当指令装置270で
は、すでに割り当てされている「乗り場呼び」につい
て、割当カゴよりも到着時間が短いカゴが存在するなら
ば、「乗り場呼び」の割り当てを、現在の割当カゴから
評価の良いカゴへ変更する。この例では、カゴ2へ割り
当ての変更をすることになる。また、割当指令装置27
0では、「新たな乗り場呼び」に応答するのに必要な時
間(その階床への到着時間)をもとに、平均あるいは最
大の未応答時間、サービス時間を評価して割り当てを決
定することもできる。
【0718】[36−3.第36実施形態の効果]上記
のような構成を有する第36実施形態は、次のような効
果を奏する。
【0719】すなわち、第32実施形態乃至第35実施
形態に示したエレベータ群管理制御装置あるいはエレベ
ータ群管理制御方法によって、新たな乗り場呼びに応答
すべきカゴが決定された場合であっても、その後の状況
の変化に応じて、適宜、最適なカゴに新たな乗り場呼び
に応答すべき旨の指令を出すことができるので、常に最
適なエレベータ群管理制御を実施することができる。
【0720】[37.第37実施形態]本実施形態は、
請求項45に対応するエレベータ群管理制御装置及びこ
のエレベータ群管理制御装置上で実行されるエレベータ
群管理制御方法(請求項53に対応する)に関するもの
である。
【0721】[37−1.第37実施形態の構成]本実
施形態は、前記第32実施形態乃至第36実施形態の変
形であって、各実施形態で示されたエレベータ群管理制
御装置3を構成する運行指令装置280の構成に変更を
加えたものである。
【0722】[37−1−1.運行指令装置の構成]本
実施形態における運行指令装置280は、割当指令装置
270で「新たな乗り場呼び」に応答すべきカゴである
との指令がなされたカゴに対して運行指令を出力すると
ともに、そのカゴが反転カゴ決定装置260で決定され
た反転すべきカゴであるならば、そのカゴが現在運行し
ているシャフト内の他のカゴへ停止指令を出力するよう
に構成されている。
【0723】[37−2.第37実施形態の作用]上記
のような構成を有する第37実施形態は、次のような作
用を有する。
【0724】[37−2−1.運行指令処理]例えば、
第32実施形態において説明したように、図37に示す
ようなエレベータシステムにおいて、乗り場呼び登録装
置1に新たに登録された「新たな乗り場呼び(5,D
N)」に応答させる場合を考える。
【0725】すなわち、反転カゴ決定装置260におい
て、すでにカゴ1と2が反転させるべきカゴとして決定
されているものとし、また、割当指令装置270におい
て、カゴ2が「新たな乗り場呼び(5,DN)」に応答
させるべきカゴとして決定されているものとする。
【0726】運行指令装置280は、割当指令装置27
0で決定されたカゴ2への運行指令を出力するととも
に、そのカゴが反転カゴ決定装置260で決定されたカ
ゴであるならば、そのカゴが運行しているシャフト(こ
こでは、第1シャフト)内に存在する他のカゴ(ここで
は、カゴ1)へ停止指令を出力する。
【0727】[37−3.第37実施形態の効果]上記
のような構成を有する第37実施形態のエレベータ群管
理制御装置及びエレベータ群管理制御方法によれば、新
たな乗り場呼びに応答するために反転すべきであるとさ
れたカゴが運行しているシャフト内に他のカゴが存在す
る場合に、その他のカゴに停止指令を出力することによ
り、両カゴの衝突を防止することができるため、エレベ
ータ群管理制御の安全性が向上する。
【0728】[38.他の実施形態]なお、本発明は上
記各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態に
おける各手順の各ステップは、その性質に反しない限
り、実行順序を変更し、あるいは複数同時に実施し、ま
た、実行ごとに異なった順序で実行してもよい。また、
上記の各実施形態に示したエレベータ群管理制御方法を
実行するための各処理は、コンピュータプログラムがコ
ンピュータを制御することによって実現する。
【0729】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、縦
横移動型エレベータシステムにおける停滞、渋滞又はデ
ッドロック等による輻輳状況を解消し、よりサービス性
能の良い、効率的なカゴ稼働ができるエレベータ群管理
制御装置及びエレベータ群管理制御方法を提供すること
ができる。また、乗り場呼び及びカゴ呼びが共にない呼
び無しカゴを、複数のシャフト内の適切な位置に配置す
ることができるエレベータ群管理制御装置及びエレベー
タ群管理制御方法を提供することができる。さらに、乗
り場呼びに対して、シャフトの方向に制限されることな
く、カゴの運行方向を随時変更しながら運行することが
できるように、カゴの運行を制御するエレベータ群管理
制御装置及びエレベータ群管理制御方法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る縦横移動型エレベー
タ群管理システムの構成を示す図。
【図2】本発明の第1実施形態に係るエレベータ群管理
制御装置の構成を示す図。
【図3】カゴが運行されるべき経路を説明するための
図。
【図4】カゴが運行されるべき経路を説明するための
図。
【図5】到着時間予測装置の動作処理を説明するための
図。
【図6】第4実施形態に係るエレベータ群管理制御装置
の構成を示す図。
【図7】派生カゴ呼び予測装置の構成を示す図。
【図8】第8実施形態に係るエレベータ群管理制御装置
の構成を示す図。
【図9】第9実施形態に係るエレベータ群管理制御装置
の構成を示す図。
【図10】第10実施形態に係るエレベータ群管理制御
装置の構成を示す図。
【図11】第11実施形態に係るエレベータ群管理制御
装置の構成を示す図。
【図12】第12実施形態に係るエレベータ群管理制御
装置の構成を示す図。
【図13】第13実施形態に係るエレベータ群管理制御
装置の構成を示す図。
【図14】第14実施形態に係るエレベータ群管理制御
装置の構成を示す図。
【図15】第15実施形態に係るエレベータ群管理制御
装置の構成を示す図。
【図16】第16実施形態に係るエレベータ群管理制御
装置の構成を示す図。
【図17】第17実施形態に係るエレベータ群管理制御
装置の構成を示す図。
【図18】第18実施形態に係るエレベータ群管理制御
装置の構成を示す図。
【図19】本発明のエレベータ群管理制御装置の第19
実施形態を示す構成図。
【図20】本発明のエレベータ群管理制御装置の第19
実施形態に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示装置の
構成図。
【図21】経路データ記憶装置に記憶される経路データ
の例を示す図。
【図22】本発明のエレベータ群管理制御装置の各実施
形態を説明するための図であり、各カゴの運行状況及び
シャフトの運行方向を示す図。
【図23】本発明のエレベータ群管理制御装置の第20
実施形態に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示装置の
構成図。
【図24】本発明のエレベータ群管理制御装置の第21
実施形態に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示装置の
構成図。
【図25】本発明のエレベータ群管理制御装置の第22
実施形態に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示装置の
構成図。
【図26】本発明のエレベータ群管理制御装置の第23
実施形態に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示装置の
構成図。
【図27】本発明のエレベータ群管理制御装置の第24
実施形態に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示装置の
構成図。
【図28】本発明のエレベータ群管理制御装置の第25
実施形態に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示装置の
構成図。
【図29】本発明のエレベータ群管理制御装置の第26
実施形態に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示装置の
構成図。
【図30】本発明のエレベータ群管理制御装置の第27
実施形態に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示装置の
構成図。
【図31】本発明のエレベータ群管理制御装置の第28
実施形態に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示装置の
構成図。
【図32】本発明のエレベータ群管理制御装置の第29
実施形態に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示装置の
構成図。
【図33】本発明のエレベータ群管理制御装置の第30
実施形態に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示装置の
構成図。
【図34】本発明のエレベータ群管理制御装置の第31
実施形態に用いられる呼び無しカゴ停止位置指示装置の
構成図。
【図35】本発明のエレベータ群管理制御装置の第32
実施形態を示す構成図。
【図36】本発明のエレベータ群管理制御装置の第32
実施形態に用いられる反転カゴ決定装置の構成図。
【図37】本発明のエレベータ群管理制御装置の第32
実施形態を説明するための図であり、各カゴの運行状況
を示している。
【図38】本発明のエレベータ群管理制御装置の第32
実施形態に用いられる反転カゴ決定装置の動作手順を示
すフローチャートの前半部。
【図39】本発明のエレベータ群管理制御装置の第32
実施形態に用いられる反転カゴ決定装置の動作手順を示
すフローチャートの後半部。
【図40】新しく登録された乗り場呼びに応答すべきカ
ゴを決定する割当指令装置の動作手順を示すフローチャ
ート。
【図41】本発明のエレベータ群管理制御装置の第33
実施形態に用いられる反転カゴ決定装置の構成図。
【図42】本発明のエレベータ群管理制御装置の第33
実施形態に用いられる反転カゴ決定装置の動作手順を示
すフローチャートの前半部。
【図43】本発明のエレベータ群管理制御装置の第33
実施形態に用いられる反転カゴ決定装置の動作手順を示
すフローチャートの後半部。
【図44】本発明のエレベータ群管理制御装置の第34
実施形態を示す構成図。
【図45】本発明のエレベータ群管理制御装置の第34
実施形態に用いられる反転カゴ決定装置の構成図。
【図46】本発明のエレベータ群管理制御装置の第34
実施形態を説明するための図であり、経路データ記憶装
置に記憶される経路データの例を示す図。
【図47】経路データ記憶装置に記憶されるカゴ1及び
カゴ2の経路データの例を示す図。
【図48】経路データ記憶装置に記憶されるカゴ3、カ
ゴ4及びカゴ5の経路データの例を示す図。
【図49】本発明のエレベータ群管理制御装置の第34
実施形態に用いられる反転カゴ決定装置の動作手順を示
すフローチャートの前部。
【図50】本発明のエレベータ群管理制御装置の第34
実施形態に用いられる反転カゴ決定装置の動作手順を示
すフローチャートの中央部。
【図51】本発明のエレベータ群管理制御装置の第34
実施形態に用いられる反転カゴ決定装置の動作手順を示
すフローチャートの後部。
【図52】本発明のエレベータ群管理制御装置の第35
実施形態に用いられる反転カゴ決定装置の構成図。
【図53】本発明のエレベータ群管理制御装置の第35
実施形態に用いられる反転カゴ決定装置の動作手順を示
すフローチャートの前部。
【図54】本発明のエレベータ群管理制御装置の第35
実施形態に用いられる反転カゴ決定装置の動作手順を示
すフローチャートの中央部。
【図55】本発明のエレベータ群管理制御装置の第35
実施形態に用いられる反転カゴ決定装置の動作手順を示
すフローチャートの後部。
【図56】本発明のエレベータ群管理制御装置の第36
実施形態を示す構成図。
【図57】従来のエレベータ群管理制御装置の作用を説
明するための図であり、各カゴの運行状況を示してい
る。
【符号の説明】
1…乗り場呼び登録装置 2…カゴデータ検出装置 3…エレベータ群管理制御装置 4…カゴ運行制御装置 21…呼びデータ記憶装置 22…目的階床指示装置 23…到着時間予測装置 24…経路データ記憶装置 25…割当指令装置 26…運行指令装置 110…呼びデータ記憶装置 120…経路データ記憶装置 130…割当指令装置 140…呼び無しカゴ検索装置 150…呼び無しカゴ停止位置指示装置 160…運行指令装置 210…呼びデータ記憶装置 220…方向データ記憶装置 230…シャフト数検出装置 240…シャフトデータ記憶装置 250…横行移動先検出装置 260…反転カゴ決定装置 270…割当指令装置 280…運行指令装置 290…経路データ記憶装置 300…横行階到着予測装置 310…再割当指令装置 1510…次横行階検出装置 1511…呼び無しカゴ停止位置決定装置 1520…後続カゴ運行予定位置検出装置 1521…呼び無しカゴ停止位置決定装置 1530…先行カゴ運行階床検出装置 1531…呼び無しカゴ停止位置決定装置 1540…カゴ間距離算出装置 1541…呼び無しカゴ停止位置決定装置 1550…先行及び後続カゴ運行データ検出装置 1551…カゴ間距離算出装置 1552…呼び無しカゴ停止位置決定装置 1560…乗り場呼び無し階床検出装置 1561…呼び無しカゴ停止位置決定装置 1570…乗り場呼び無し階床検出装置 1571…乗り場呼び発生頻度算出装置 1572…呼び無しカゴ停止位置決定装置 1580…呼び無しカゴ待機判別装置 1581…呼び無しカゴ停止位置決定装置 1590…倉庫条件判別装置 1591…呼び無しカゴ停止位置決定装置 15100…乗り場呼び無し階床検出装置 15101…階間移動データ記憶装置 15102…呼び無しカゴ停止位置決定装置 15110…乗り場呼び無し階床検出装置 15111…乗り場呼び抹消データ記憶装置 15112…呼び無しカゴ停止位置決定装置 15120…乗り場呼び抹消データ記憶装置 15121…呼び無しカゴ停止位置決定装置 15130…呼び無しカゴ停止位置見直し指示装置 15131…呼び無しカゴ停止位置決定装置 1601…異方向カゴ選択部 1602…未チェックカゴ選択部 1603…乗り場呼び検索部 1604…カゴ呼び検索部 1605…移動方向検索部 1606…シャフト方向検索部 1607…他カゴ検索部 1608…他カゴ呼び検索部 1609…横行移動検索部 1610…反転カゴ記憶部 1611…チェック終了識別部 1612…反転カゴ指定部 1613…カゴ呼び位置検索部 1614…他カゴ方向検索部 1615…横行階検索部 1616…経路交錯検索部 1617…横行移動経路検索部 1618…横行階到着カゴ検索部 1619…横行移動後方向検索部 1620…階床間他カゴ検索部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今崎 直樹 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 (72)発明者 久保 進 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 吉次 達夫 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (69)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の階床に就役する複数の縦横移動可
    能なカゴと、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御装置
    と、各階床の乗り場にそれぞれ設置した1個以上の乗り
    場呼び登録装置と、前記各カゴの状態を検知するカゴデ
    ータ検出装置とを備えたエレベータシステムに用いられ
    るエレベータ群管理制御装置において、 前記各カゴごとに「経路データ」を記憶した経路データ
    記憶手段と、 前記各カゴ内からのカゴ呼びと、各カゴに割り当てられ
    ている乗り場呼びとからなる「呼びデータ」を記憶する
    呼びデータ記憶手段と、 前記呼びデータ記憶手段に記憶された「呼びデータ」
    と、前記乗り場呼び登録装置によって登録された「乗り
    場呼びデータ」とに基づいて、目的階床を含む「目的階
    床データ」を生成する目的階床指示手段と、 前記「経路データ」、「目的階床データ」、「呼びデー
    タ」及び前記カゴデータ検出装置によって得られる「カ
    ゴデータ」とに基づいて、前記カゴが前記目的階床に到
    着するまでの時間を予測する到着時間予測手段と、 前記到着時間予測手段により得られる予測到着時間に基
    づいて、所定のカゴを所定の乗り場呼びに割り当てる割
    当指令手段とを備えたことを特徴とするエレベータ群管
    理制御装置。
  2. 【請求項2】 前記割当指令手段は、一のカゴの予測到
    着時間と他のカゴの予測到着時間とに基づいて未応答時
    間をそれぞれ算出し、該未応答時間のうち最小の未応答
    時間に対応するカゴを乗り場呼びに割り当てることを特
    徴とする請求項1記載のエレベータ群管理制御装置。
  3. 【請求項3】 前記目的階床指示手段は、一のカゴの
    「呼びデータ」と他のカゴの「呼びデータ」とに基づい
    て、該一のカゴに対応する「目的階床データ」を生成
    し、 前記割当指令手段は、一のカゴの予測到着時間と他のカ
    ゴの予測到着時間とに基づいて未応答時間をそれぞれ算
    出し、該未応答時間に基づいて平均値を算出し、該平均
    値のうち最小の平均値に対応するカゴを乗り場呼びに割
    り当てることを特徴とする請求項1記載のエレベータ群
    管理制御装置。
  4. 【請求項4】 複数の階床に就役する複数の縦横移動可
    能なカゴと、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御装置
    と、各階床の乗り場にそれぞれ設置した1個以上の乗り
    場呼び登録装置と、前記各カゴの状態を検知するカゴデ
    ータ検出装置とを備えたエレベータシステムに用いられ
    るエレベータ群管理制御装置において、 前記各カゴごとに「経路データ」を記憶した経路データ
    記憶手段と、 前記各カゴ内からのカゴ呼びと、各カゴに割り当てられ
    ている乗り場呼びとからなる「呼びデータ」を記憶する
    呼びデータ記憶手段と、 前記乗り場呼び登録装置によって登録された「乗り場呼
    びデータ」に基づいて派生カゴ呼びを予測する派生カゴ
    呼び予測手段と、 前記呼びデータ記憶手段に記憶された「呼びデータ」
    と、前記「乗り場呼びデータ」及び前記派生カゴ予測手
    段により予測された「派生カゴ呼びデータ」とに基づい
    て、目的階床を含む「目的階床データ」を生成する目的
    階床指示手段と、 前記「経路データ」、「目的階床データ」、「呼びデー
    タ」及び前記カゴデータ検出装置によって得られる「カ
    ゴデータ」とに基づいて、前記カゴが前記目的階床に到
    着するまでの時間を予測する到着時間予測手段と、 この手段により得られる予測到着時間に基づいて、所定
    のカゴを所定の乗り場呼びに割り当てる割当指令手段と
    を備えたことを特徴とするエレベータ群管理制御装置。
  5. 【請求項5】 前記割当指令手段は、前記乗り場呼びが
    発生した時点から、その乗り場呼びに応答して派生カゴ
    呼びに応答するまでのサービス完了時間を算出し、その
    サービス完了時間のうち最小のサービス完了時間に対応
    するカゴを乗り場呼びに割り当てることを特徴とする請
    求項4記載のエレベータ群管理制御装置。
  6. 【請求項6】 前記割当指令手段は、前記乗り場呼びが
    発生した時点から、その乗り場呼びに応答して前記派生
    カゴ呼びに応答するまでのサービス完了時間、及びすで
    に登録されているカゴ呼び及び派生カゴ呼びに応答する
    までのサービス完了時間を算出し、それらのサービス完
    了時間に基づいて平均値を算出し、該平均値のうち最小
    の平均値に対応するカゴを乗り場呼びに割り当てること
    を特徴とする請求項4記載のエレベータ群管理制御装
    置。
  7. 【請求項7】 複数の階床に就役する複数の縦横移動可
    能なカゴと、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御処理
    と、各階床の乗り場ごとにそれぞれ実行される乗り場呼
    び登録処理と、前記各カゴの状態を検知するカゴデータ
    検出処理とを含むエレベータシステムに用いられるエレ
    ベータ群管理制御方法において、 前記各カゴごとに「経路データ」を記憶する経路データ
    記憶処理と、 前記各カゴ内からのカゴ呼びと、各カゴに割り当てられ
    ている乗り場呼びとからなる「呼びデータ」を記憶する
    呼びデータ記憶処理と、 前記呼びデータ記憶処理によって記憶された「呼びデー
    タ」と、前記乗り場呼び登録処理によって登録された
    「乗り場呼びデータ」とに基づいて、目的階床を含む
    「目的階床データ」を生成する目的階床指示処理と、 前記「経路データ」、「目的階床データ」、「呼びデー
    タ」及び前記カゴデータ検出処理によって得られる「カ
    ゴデータ」とに基づいて、前記カゴが前記目的階床に到
    着するまでの時間を予測する到着時間予測処理と、 前記到着時間予測処理により得られる予測到着時間に基
    づいて、所定のカゴを所定の乗り場呼びに割り当てる割
    当指令処理とを含むことを特徴とするエレベータ群管理
    制御方法。
  8. 【請求項8】 複数の階床に就役する複数の縦横移動可
    能なカゴと、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御装置
    と、各階床の乗り場にそれぞれ設置した1個以上の乗り
    場呼び登録装置と、前記各カゴの状態を検知するカゴデ
    ータ検出装置とを備えたエレベータシステムに用いられ
    るエレベータ群管理制御装置において、 乗り場呼び及びカゴ呼びのいずれの呼びも持たない「呼
    び無しカゴ」を、他カゴの運行の妨げとならず、また、
    将来発生するであろう新たな乗り場呼びに速やかに応答
    することができる階床に配置することを特徴とするエレ
    ベータ群管理制御装置。
  9. 【請求項9】 複数の階床に就役する複数の縦横移動可
    能なカゴと、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御装置
    と、各階床の乗り場にそれぞれ設置した1個以上の乗り
    場呼び登録装置と、前記各カゴの状態を検知するカゴデ
    ータ検出装置とを備えたエレベータシステムに用いられ
    るエレベータ群管理制御装置において、 前記各カゴ内からのカゴ呼びと、各カゴに割り当てられ
    ている乗り場呼びからなる「呼びデータ」を記憶する呼
    びデータ記憶装置と、 前記各カゴの運行すべき経路を記憶する経路データ記憶
    装置と、 前記カゴデータ検出装置によって検出される「カゴデー
    タ」と、前記経路データ記憶装置に記憶されている「経
    路データ」と、前記呼びデータ記憶装置に記憶されてい
    る「呼びデータ」とから、前記乗り場呼び登録装置に登
    録された乗り場呼びに応答させるべきカゴを選択すると
    ともに、カゴの割当状況を前記呼びデータ記憶装置に出
    力し、「呼びデータ」を更新・記憶させる割当指令装置
    と、 前記呼びデータ記憶装置に記憶されている各カゴの「呼
    びデータ」を入力して、乗り場呼び及びカゴ呼びのいず
    れも無い「呼び無しカゴ」を検索する呼び無しカゴ検索
    装置と、 この呼び無しカゴ検索装置によって検索された「呼び無
    しカゴデータ」と、前記各カゴの「カゴデータ」と、前
    記経路データ記憶装置に記憶されている「経路データ」
    とを用いて、所定の評価にしたがって、前記「呼び無し
    カゴ」を停止させるべき位置を指示する呼び無しカゴ停
    止位置指示装置と、 前記「呼び無しカゴ」を、指示された停止位置に移動さ
    せるべく、運行指令を出力する運行指令装置と、を備え
    たことを特徴とするエレベータ群管理制御装置。
  10. 【請求項10】 前記呼び無しカゴ停止位置指示装置
    が、 前記経路データ記憶装置に記憶されている「経路デー
    タ」と、前記各カゴの「カゴデータ」に基づいて、前記
    各「呼び無しカゴ」について、その運行方向にある最も
    近い横行階を検出する次横行階検出装置と、 前記次横行階検出装置で検出される横行階を、「呼び無
    しカゴ」の停止位置として決定する呼び無しカゴ停止位
    置決定装置と、を備えたことを特徴とする請求項9に記
    載のエレベータ群管理制御装置。
  11. 【請求項11】 前記呼び無しカゴ停止位置指示装置
    が、 前記経路データ記憶装置に記憶されている「経路デー
    タ」と、前記各カゴの「カゴデータ」に基づいて、ある
    「呼び無しカゴ」に後続して運行する呼びを持つカゴ
    (後続カゴ)の中で、前記「呼び無しカゴ」が存在する
    階床に最も近い後続カゴに割り当てられている乗り場呼
    びの位置、あるいはカゴ呼びの位置を検出する後続カゴ
    運行予定位置検出装置と、 前記後続カゴ運行予定位置検出装置で検出される位置ま
    でその後続カゴが運行する場合であって、前記「呼び無
    しカゴ」の存在が後続カゴの運行の妨げとなる場合に、
    その呼び無しカゴを、前記後続カゴの運行の妨げとなら
    ない横行階に移動させるべく、その停止位置を決定する
    呼び無しカゴ停止位置決定装置と、を備えたことを特徴
    とする請求項9に記載のエレベータ群管理制御装置。
  12. 【請求項12】 前記呼び無しカゴ停止位置指示装置
    が、 前記経路データ記憶装置に記憶されている「経路デー
    タ」と、前記各カゴの「カゴデータ」に基づいて、ある
    「呼び無しカゴ」に先行して運行する呼びを持つカゴ
    (先行カゴ)が存在する場合に、それらの先行カゴの中
    で、その「呼び無しカゴ」に最も近い位置にいる先行カ
    ゴの運行階床を検出する先行カゴ運行階床検出装置と、 前記「呼び無しカゴ」の運行する階床が、前記先行カゴ
    運行階床検出装置によって検出される先行カゴの位置か
    ら所定の距離以上になった場合に、その「呼び無しカ
    ゴ」を、先行カゴから所定の距離内に移動させるべく、
    その停止位置を決定する呼び無しカゴ停止位置決定装置
    と、を備えたことを特徴とする請求項9に記載のエレベ
    ータ群管理制御装置。
  13. 【請求項13】 前記呼び無しカゴ停止位置指示装置
    が、 前記経路データ記憶装置に記憶されている「経路デー
    タ」と、前記各カゴの「カゴデータ」に基づいて、呼び
    を持つカゴのカゴ間距離を算出するカゴ間距離算出装置
    と、 前記カゴ間距離算出装置によって得られる「カゴ間隔デ
    ータ」に基づいて、カゴ間距離を均等化すべく、「呼び
    無しカゴ」の停止位置を決定する呼び無しカゴ停止位置
    決定装置と、を備えたことを特徴とする請求項9に記載
    のエレベータ群管理制御装置。
  14. 【請求項14】 前記呼び無しカゴ停止位置指示装置
    が、 前記経路データ記憶装置に記憶されている「経路デー
    タ」と、前記各カゴの「カゴデータ」に基づいて、呼び
    を持つカゴの中から、各「呼び無しカゴ」に先行して運
    行する先行カゴ及びその階床と運行方向を検出し、ま
    た、各「呼び無しカゴ」に後続して運行する後続カゴ及
    びその階床と運行方向を検出する先行及び後続カゴ運行
    データ検出装置と、 前記先行カゴと後続カゴの距離を算出するカゴ間距離算
    出装置と、 前記先行及び後続カゴ運行データ検出装置によって得ら
    れる「先行及び後続カゴ運行データ」を用いて、先行カ
    ゴと後続カゴの中間の位置を、「呼び無しカゴ」の停止
    位置として決定する呼び無しカゴ停止位置決定装置と、
    を備えたことを特徴とする請求項9に記載のエレベータ
    群管理制御装置。
  15. 【請求項15】 前記呼び無しカゴ停止位置指示装置
    が、 前記呼びデータ記憶装置から送られる「呼びデータ」に
    基づいて、乗り場呼びが発生していない階床を検出する
    乗り場呼び無し階床検出装置と、 前記経路データ記憶装置に記憶されている「経路デー
    タ」と、前記各カゴの「カゴデータ」と、呼び無しカゴ
    検索装置から送られる「呼び無しカゴデータ」とを用い
    て、各「呼び無しカゴ」が前記乗り場呼び無し階床に到
    着するまでに要する平均時間が、各「呼び無しカゴ」ご
    とに互いに均等になる位置を、「呼び無しカゴ」の停止
    位置として決定する呼び無しカゴ停止位置決定装置と、
    を備えたことを特徴とする請求項9に記載のエレベータ
    群管理制御装置。
  16. 【請求項16】 前記呼び無しカゴ停止位置指示装置
    が、 前記呼びデータ記憶装置から送られる「呼びデータ」に
    基づいて、乗り場呼びが発生していない階床を検出する
    乗り場呼び無し階床検出装置と、 前記乗り場呼び登録装置に乗り場呼びが新たに登録され
    る度に、各階床毎に乗り場呼びの発生回数の累計データ
    を記憶し、全階床における相対値を求める乗り場呼び発
    生頻度算出装置と、 前記各カゴの「カゴデータ」と、呼び無しカゴ検索装置
    から送られる「呼び無しカゴデータ」と、前記乗り場呼
    び発生頻度算出装置から得られる階床毎の「乗り場呼び
    発生頻度データ」とを用いて、乗り場呼びの発生頻度が
    高い階床を選んで、「呼び無しカゴ」の停止位置とする
    呼び無しカゴ停止位置決定装置と、を備えたことを特徴
    とする請求項9に記載のエレベータ群管理制御装置。
  17. 【請求項17】 前記呼び無しカゴ停止位置指示装置
    が、 前記「カゴデータ」と前記「呼び無しカゴデータ」とか
    ら、「呼び無しカゴ」が予め定められた特定領域内に所
    定の条件で存在するか否かを判別する呼び無しカゴ待機
    判別装置と、 前記「カゴデータ」と、前記「呼び無しカゴデータ」
    と、前記呼び無しカゴ待機判別装置から得られる「呼び
    無しカゴの待機状況データ」とを用いて、前記特定領域
    内に呼び無しカゴを配置する呼び無しカゴ停止位置決定
    装置と、を備えたことを特徴とする請求項9に記載のエ
    レベータ群管理制御装置。
  18. 【請求項18】 前記呼び無しカゴ停止位置指示装置
    が、 前記「カゴデータ」と「呼び無しカゴデータ」とから、
    呼びを持つカゴが、所定の領域内に所定の条件で存在す
    るかどうかを判別する倉庫条件判別装置と、 前記「カゴデータ」と「呼び無しカゴデータ」と、前記
    倉庫条件判別装置から得られる「所定領域内におけるカ
    ゴ運行状況データ」とを用いて、前記倉庫となり得る特
    定領域内に「呼び無しカゴ」を配置する呼び無しカゴ停
    止位置決定装置と、を備えたことを特徴とする請求項9
    に記載のエレベータ群管理制御装置。
  19. 【請求項19】 前記呼び無しカゴ停止位置指示装置
    が、 前記呼びデータ記憶装置から送られる「呼びデータ」に
    基づいて、乗り場呼びが発生していない階床を検出する
    乗り場呼び無し階床検出装置と、 前記乗り場呼び登録装置に登録された乗り場呼びについ
    て、あるカゴが応答し、その階床で乗った乗客によって
    カゴ呼び登録がなされた場合に、そのカゴ呼び登録をデ
    ータとして記憶する階間移動データ記憶装置と、 前記「カゴデータ」と、前記「呼び無しカゴデータ」
    と、前記階間移動データ記憶装置に記憶される「階間移
    動データ」とを用いて、乗客の発生頻度の高い階床に
    「呼び無しカゴ」を配置する呼び無しカゴ停止位置決定
    装置と、を備えたことを特徴とする請求項9に記載のエ
    レベータ群管理制御装置。
  20. 【請求項20】 前記呼び無しカゴ停止位置指示装置
    が、 前記呼びデータ記憶装置から送られる「呼びデータ」に
    基づいて、乗り場呼びが発生していない階床を検出する
    乗り場呼び無し階床検出装置と、 前記乗り場呼び登録装置に登録された乗り場呼びが抹消
    される度に、その乗り場呼びが解消された階床を、古い
    ものから順に記憶しておく乗り場呼び抹消データ記憶装
    置と、 前記「カゴデータ」と、前記「呼び無しカゴデータ」
    と、前記乗り場呼び抹消データ記憶装置に記憶される
    「乗り場呼び抹消データ」とを用いて、最も古く乗り場
    呼びが抹消された階床から順に、「呼び無しカゴ」を配
    置する呼び無しカゴ停止位置決定装置と、を備えたこと
    を特徴とする請求項9に記載のエレベータ群管理制御装
    置。
  21. 【請求項21】 前記呼び無しカゴ停止位置指示装置
    が、 前記乗り場呼び登録装置に登録された乗り場呼びが抹消
    される度に、その乗り場呼びが解消された階床(方向も
    含む)を、古いものから順に記憶しておく乗り場呼び抹
    消データ記憶装置と、 前記「カゴデータ」と、前記「呼び無しカゴデータ」
    と、前記乗り場呼び抹消データ記憶装置に記憶される
    「乗り場呼び抹消データ」とを用いて、過去最も新しく
    乗り場呼びが抹消された階床から順に、「呼び無しカ
    ゴ」を配置する呼び無しカゴ停止位置決定装置と、を備
    えたことを特徴とする請求項9に記載のエレベータ群管
    理制御装置。
  22. 【請求項22】 前記呼び無しカゴ停止位置指示装置
    が、 前記「呼びデータ」を検索して、呼び状況が変化する度
    に、「呼び無しカゴ」の次停止位置を見直すべく指令を
    出力する呼び無しカゴ停止位置見直し指示装置を備えた
    ことを特徴とする請求項9乃至請求項21のいずれか一
    に記載のエレベータ群管理制御装置。
  23. 【請求項23】 複数の階床に就役する複数の縦横移動
    可能なカゴと、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御処理
    と、各階床の乗り場ごとにそれぞれ実行される乗り場呼
    び登録処理と、前記各カゴの状態を検知するカゴデータ
    検出処理とを含むエレベータシステムに用いられるエレ
    ベータ群管理制御方法において、 乗り場呼び及びカゴ呼びのいずれの呼びも持たない「呼
    び無しカゴ」を、他カゴの運行の妨げとならず、また、
    将来発生するであろう新たな乗り場呼びに速やかに応答
    することができる階床に配置することを特徴とするエレ
    ベータ群管理制御方法。
  24. 【請求項24】 複数の階床に就役する複数の縦横移動
    可能なカゴと、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御処理
    と、各階床の乗り場ごとにそれぞれ実行される乗り場呼
    び登録処理と、前記各カゴの状態を検知するカゴデータ
    検出処理とを含むエレベータシステムに用いられるエレ
    ベータ群管理制御方法において、 前記各カゴ内からのカゴ呼びと、各カゴに割り当てられ
    ている乗り場呼びからなる「呼びデータ」を記憶する呼
    びデータ記憶処理と、 前記各カゴの運行すべき経路を記憶する経路データ記憶
    処理と、 前記カゴデータ検出処理によって検出される「カゴデー
    タ」と、前記経路データ記憶処理によって記憶されてい
    る「経路データ」と、前記呼びデータ記憶処理によって
    記憶されている「呼びデータ」とから、前記乗り場呼び
    登録処理によって登録された乗り場呼びに応答させるべ
    きカゴを選択するとともに、カゴの割当状況を前記呼び
    データ記憶処理工程に出力し、「呼びデータ」を更新・
    記憶させる割当指令処理と、 前記呼びデータ記憶処理によって記憶されている各カゴ
    の「呼びデータ」を入力して、乗り場呼び及びカゴ呼び
    のいずれも無い「呼び無しカゴ」を検索する呼び無しカ
    ゴ検索処理と、 この呼び無しカゴ検索処理によって検索された「呼び無
    しカゴデータ」と、前記各カゴの「カゴデータ」と、前
    記経路データ記憶処理によって記憶されている「経路デ
    ータ」とを用いて、所定の評価にしたがって、前記「呼
    び無しカゴ」を停止させるべき位置を指示する呼び無し
    カゴ停止位置指示処理と、 前記「呼び無しカゴ」を、指示された停止位置に移動さ
    せるべく、運行指令を出力する運行指令処理と、を含む
    ことを特徴とするエレベータ群管理制御方法。
  25. 【請求項25】 前記呼び無しカゴ停止位置指示処理
    が、 前記経路データ記憶処理によって記憶されている「経路
    データ」と、前記各カゴの「カゴデータ」に基づいて、
    前記各「呼び無しカゴ」について、その運行方向にある
    最も近い横行階を検出する次横行階検出ステップと、 前記次横行階検出ステップによって検出される横行階
    を、「呼び無しカゴ」の停止位置として決定する呼び無
    しカゴ停止位置決定ステップと、を含むことを特徴とす
    る請求項24に記載のエレベータ群管理制御方法。
  26. 【請求項26】 前記呼び無しカゴ停止位置指示処理
    が、 前記経路データ記憶処理によって記憶されている「経路
    データ」と、前記各カゴの「カゴデータ」に基づいて、
    ある「呼び無しカゴ」に後続して運行する呼びを持つカ
    ゴ(後続カゴ)の中で、前記「呼び無しカゴ」が存在す
    る階床に最も近い後続カゴに割り当てられている乗り場
    呼びの位置、あるいはカゴ呼びの位置を検出する後続カ
    ゴ運行予定位置検出ステップと、 前記後続カゴ運行予定位置検出ステップによって検出さ
    れる位置までその後続カゴが運行する場合であって、前
    記「呼び無しカゴ」の存在が後続カゴの運行の妨げとな
    る場合に、その呼び無しカゴを、前記後続カゴの運行の
    妨げとならない横行階に移動させるべく、その停止位置
    を決定する呼び無しカゴ停止位置決定ステップと、を含
    むことを特徴とする請求項24に記載のエレベータ群管
    理制御方法。
  27. 【請求項27】 前記呼び無しカゴ停止位置指示処理
    が、 前記経路データ記憶処理によって記憶されている「経路
    データ」と、前記各カゴの「カゴデータ」に基づいて、
    ある「呼び無しカゴ」に先行して運行する呼びを持つカ
    ゴ(先行カゴ)が存在する場合に、それらの先行カゴの
    中で、その「呼び無しカゴ」に最も近い位置にいる先行
    カゴの運行階床を検出する先行カゴ運行階床検出ステッ
    プと、 前記「呼び無しカゴ」の運行する階床が、前記先行カゴ
    運行階床検出ステップによって検出される先行カゴの位
    置から所定の距離以上になった場合に、その「呼び無し
    カゴ」を、先行カゴから所定の距離内に移動させるべ
    く、その停止位置を決定する呼び無しカゴ停止位置決定
    ステップと、を含むことを特徴とする請求項24に記載
    のエレベータ群管理制御方法。
  28. 【請求項28】 前記呼び無しカゴ停止位置指示処理
    が、 前記経路データ記憶処理によって記憶されている「経路
    データ」と、前記各カゴの「カゴデータ」に基づいて、
    呼びを持つカゴのカゴ間距離を算出するカゴ間距離算出
    ステップと、 前記カゴ間距離算出ステップによって得られる「カゴ間
    隔データ」に基づいて、カゴ間距離を均等化すべく、
    「呼び無しカゴ」の停止位置を決定する呼び無しカゴ停
    止位置決定ステップと、を含むことを特徴とする請求項
    24に記載のエレベータ群管理制御方法。
  29. 【請求項29】 前記呼び無しカゴ停止位置指示処理
    が、 前記経路データ記憶処理によって記憶されている「経路
    データ」と、前記各カゴの「カゴデータ」に基づいて、
    呼びを持つカゴの中から、各「呼び無しカゴ」に先行し
    て運行する先行カゴ及びその階床と運行方向を検出し、
    また、各「呼び無しカゴ」に後続して運行する後続カゴ
    及びその階床と運行方向を検出する先行及び後続カゴ運
    行データ検出ステップと、 前記先行カゴと後続カゴの距離を算出するカゴ間距離算
    出ステップと、 前記先行及び後続カゴ運行データ検出ステップによって
    得られる「先行及び後続カゴ運行データ」を用いて、先
    行カゴと後続カゴの中間の位置を、「呼び無しカゴ」の
    停止位置として決定する呼び無しカゴ停止位置決定ステ
    ップと、を含むことを特徴とする請求項24に記載のエ
    レベータ群管理制御方法。
  30. 【請求項30】 前記呼び無しカゴ停止位置指示処理
    が、 前記呼びデータ記憶処理によって送られる「呼びデー
    タ」に基づいて、乗り場呼びが発生していない階床を検
    出する乗り場呼び無し階床検出ステップと、 前記経路データ記憶処理によって記憶されている「経路
    データ」と、前記各カゴの「カゴデータ」と、呼び無し
    カゴ検索処理によって得られる「呼び無しカゴデータ」
    とを用いて、各「呼び無しカゴ」が前記乗り場呼び無し
    階床に到着するまでに要する平均時間が、各「呼び無し
    カゴ」ごとに互いに均等になる位置を、「呼び無しカ
    ゴ」の停止位置として決定する呼び無しカゴ停止位置決
    定ステップと、を含むことを特徴とする請求項24に記
    載のエレベータ群管理制御方法。
  31. 【請求項31】 前記呼び無しカゴ停止位置指示処理
    が、 前記呼びデータ記憶処理によって送られる「呼びデー
    タ」に基づいて、乗り場呼びが発生していない階床を検
    出する乗り場呼び無し階床検出ステップと、 前記乗り場呼び登録処理によって乗り場呼びが新たに登
    録される度に、各階床毎に乗り場呼びの発生回数の累計
    データを記憶し、全階床における相対値を求める乗り場
    呼び発生頻度算出ステップと、 前記各カゴの「カゴデータ」と、呼び無しカゴ検索処理
    によって得られる「呼び無しカゴデータ」と、前記乗り
    場呼び発生頻度算出ステップによって得られる階床毎の
    「乗り場呼び発生頻度データ」とを用いて、乗り場呼び
    の発生頻度が高い階床を選んで、「呼び無しカゴ」の停
    止位置とする呼び無しカゴ停止位置決定ステップと、を
    含むことを特徴とする請求項24に記載のエレベータ群
    管理制御方法。
  32. 【請求項32】 前記呼び無しカゴ停止位置指示処理
    が、 前記「カゴデータ」と前記「呼び無しカゴデータ」とか
    ら、「呼び無しカゴ」が予め定められた特定領域内に所
    定の条件で存在するか否かを判別する呼び無しカゴ待機
    判別ステップと、 前記「カゴデータ」と、前記「呼び無しカゴデータ」
    と、前記呼び無しカゴ待機判別ステップによって得られ
    る「呼び無しカゴの待機状況データ」とを用いて、前記
    特定領域内に呼び無しカゴを配置する呼び無しカゴ停止
    位置決定ステップと、を含むことを特徴とする請求項2
    4に記載のエレベータ群管理制御方法。
  33. 【請求項33】 前記呼び無しカゴ停止位置指示処理
    が、 前記「カゴデータ」と「呼び無しカゴデータ」とから、
    呼びを持つカゴが、所定の領域内に所定の条件で存在す
    るかどうかを判別する倉庫条件判別ステップと、 前記「カゴデータ」と「呼び無しカゴデータ」と、前記
    倉庫条件判別ステップによって得られる「所定領域内に
    おけるカゴ運行状況データ」とを用いて、前記倉庫とな
    り得る特定領域内に「呼び無しカゴ」を配置する呼び無
    しカゴ停止位置決定ステップと、を含むことを特徴とす
    る請求項24に記載のエレベータ群管理制御方法。
  34. 【請求項34】 前記呼び無しカゴ停止位置指示処理
    が、 前記呼びデータ記憶処理によって送られる「呼びデー
    タ」に基づいて、乗り場呼びが発生していない階床を検
    出する乗り場呼び無し階床検出ステップと、 前記乗り場呼び登録処理によって登録された乗り場呼び
    について、あるカゴが応答し、その階床で乗った乗客に
    よってカゴ呼び登録がなされた場合に、そのカゴ呼び登
    録をデータとして記憶する階間移動データ記憶ステップ
    と、 前記「カゴデータ」と、前記「呼び無しカゴデータ」
    と、前記階間移動データ記憶ステップによって記憶され
    る「階間移動データ」とを用いて、乗客の発生頻度の高
    い階床に「呼び無しカゴ」を配置する呼び無しカゴ停止
    位置決定ステップと、を含むことを特徴とする請求項2
    4に記載のエレベータ群管理制御方法。
  35. 【請求項35】 前記呼び無しカゴ停止位置指示処理
    が、 前記呼びデータ記憶処理によって送られる「呼びデー
    タ」に基づいて、乗り場呼びが発生していない階床を検
    出する乗り場呼び無し階床検出ステップと、 前記乗り場呼び登録処理によって登録された乗り場呼び
    が抹消される度に、その乗り場呼びが解消された階床
    を、古いものから順に記憶しておく乗り場呼び抹消デー
    タ記憶ステップと、 前記「カゴデータ」と、前記「呼び無しカゴデータ」
    と、前記乗り場呼び抹消データ記憶ステップによって記
    憶される「乗り場呼び抹消データ」とを用いて、最も古
    く乗り場呼びが抹消された階床から順に、「呼び無しカ
    ゴ」を配置する呼び無しカゴ停止位置決定ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項24に記載のエレベータ
    群管理制御方法。
  36. 【請求項36】 前記呼び無しカゴ停止位置指示処理
    が、 前記乗り場呼び登録処理によって登録された乗り場呼び
    が抹消される度に、その乗り場呼びが解消された階床
    (方向も含む)を、古いものから順に記憶しておく乗り
    場呼び抹消データ記憶ステップと、 前記「カゴデータ」と、前記「呼び無しカゴデータ」
    と、前記乗り場呼び抹消データ記憶ステップによって記
    憶される「乗り場呼び抹消データ」とを用いて、過去最
    も新しく乗り場呼びが抹消された階床から順に、「呼び
    無しカゴ」を配置する呼び無しカゴ停止位置決定ステッ
    プと、を含むことを特徴とする請求項24に記載のエレ
    ベータ群管理制御方法。
  37. 【請求項37】 前記呼び無しカゴ停止位置指示処理
    が、 前記「呼びデータ」を検索して、呼び状況が変化する度
    に、「呼び無しカゴ」の次停止位置を見直すべく指令を
    出力する呼び無しカゴ停止位置見直し指示ステップを含
    むことを特徴とする請求項24乃至請求項36のいずれ
    か一に記載のエレベータ群管理制御方法。
  38. 【請求項38】 複数の階床に就役する複数の縦横移動
    可能なカゴと、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御装置
    と、各階床の乗り場にそれぞれ設置した1個以上の乗り
    場呼び登録装置と、前記各カゴの状態を検知するカゴデ
    ータ検出装置とを備えたエレベータシステムに用いられ
    るエレベータ群管理制御装置において、 前記各カゴ内からのカゴ呼びと、各カゴに割り当てられ
    ている乗り場呼びからなる「呼びデータ」を記憶する呼
    びデータ記憶装置と、 前記カゴデータ検出装置によって検出される「カゴデー
    タ」と、前記呼びデータ記憶装置に記憶されている「呼
    びデータ」とから、前記各カゴが運行しているシャフト
    の方向を推定して、「方向データ」として更新・記憶す
    る方向データ記憶装置と、 前記方向データ記憶装置に記憶されている「方向デー
    タ」を入力して、そのシャフトの方向と同方向のシャフ
    トの個数を検知するシャフト数検出装置と、 前記カゴデータ検出装置によって検出される「カゴデー
    タ」を用いて、前記各カゴが運行しているシャフトの階
    床・シャフトを推定し、「シャフトデータ」として記憶
    するシャフトデータ記憶装置と、 前記シャフトデータ記憶装置に記憶されている「シャフ
    トデータ」を入力して、横行移動中のカゴの有無を検知
    し、かつ、そのカゴの横行移動先のシャフトを検知する
    横行移動先検出装置と、 前記乗り場呼び登録装置に新たに登録された「新たな乗
    り場呼びデータ」と、前記呼びデータ記憶装置に記憶さ
    れている「呼びデータ」と、前記方向データ記憶装置に
    記憶されている前記各カゴの「方向データ」と、前記シ
    ャフトデータ記憶装置に記憶されている前記各カゴの
    「シャフトデータ」と、前記シャフト数検出装置によっ
    て検出された前記カゴの運行方向と同方向のシャフトの
    個数と、前記横行移動先検出装置によって検出された横
    行移動先のシャフトの番号とを入力して、前記乗り場呼
    び登録装置に新たに登録された乗り場呼びに応答するた
    めに運行方向を反転させるべきカゴを決定する反転カゴ
    決定装置と、 前記反転カゴ決定装置で決定された「反転カゴデータ」
    と、前記呼びデータ記憶装置に記憶されている前記各カ
    ゴの「呼びデータ」と、前記乗り場呼び登録装置に新た
    に登録された「新たな乗り場呼びデータ」と、前記方向
    データ記憶装置に記憶されている前記カゴの「方向デー
    タ」と、前記カゴデータ検出装置によって検出される
    「カゴデータ」とを入力して、新たな乗り場呼びに応答
    させるべきカゴを決定すると共に、前記呼びデータ記憶
    装置にその情報を新たに記憶させるよう指令を出す割当
    指令装置と、 前記割当指令装置で決定されたカゴへ運行指令を出力す
    るとともに、そのカゴが前記反転カゴ決定装置で決定さ
    れたカゴであるならば、そのカゴが運行しているシャフ
    ト内に存在する他のカゴへ新たに運行指令を出力する運
    行指令装置と、を備えたことを特徴とするエレベータ群
    管理制御装置。
  39. 【請求項39】 前記反転カゴ決定装置が、 各カゴが運行しているシャフトの方向と新たな乗り場呼
    びの目的方向とが異方向であるカゴを選択する異方向カ
    ゴ選択部と、 前記異方向カゴ選択部において選択されたカゴの中で、
    「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行なわれて
    いないカゴの番号を出力する未チェックカゴ選択部と、 前記未チェックカゴ選択部において選択されたカゴにつ
    いて、乗り場呼びの有無を検索する乗り場呼び検索部
    と、 前記乗り場呼び検索部において乗り場呼びがないとされ
    たカゴについて、カゴ呼びの有無を検索するカゴ呼び検
    索部と、 前記カゴ呼び検索部においてカゴ呼びがないとされたカ
    ゴについて、新たな乗り場呼びに応答するまでのカゴの
    移動方向と運行しているシャフトの方向とが異方向であ
    ることを検索する移動方向検索部と、 前記移動方向検索部において新たな乗り場呼びに応答す
    るまでのカゴの移動方向と運行しているシャフトの方向
    とが異方向であると検知されたカゴについて、そのカゴ
    が運行しているシャフトの方向と同方向のシャフトが少
    なくとも1本以上存在するか否かを検索するシャフト方
    向検索部と、 前記シャフト方向検索部においてそのカゴが運行してい
    るシャフトの方向と同方向のシャフトが少なくとも1本
    以上存在するカゴについて、そのカゴが運行しているシ
    ャフト内に他カゴが存在するか否かを検索する他カゴ検
    索部と、 前記他カゴ検索部においてそのカゴが運行しているシャ
    フト内に他カゴが存在する場合には、その他カゴについ
    て、「乗り場呼び」と「カゴ呼び」が共にないことを検
    索する他カゴ呼び検索部と、 前記カゴが運行しているシャフトを横行移動先としてい
    る横行移動中のカゴの有無を検索する横行移動検索部
    と、 前記横行移動検索部において前記カゴが運行しているシ
    ャフトを横行移動先としている横行移動中のカゴが存在
    しないならば、そのカゴを運行方向の反転が可能なカゴ
    として記憶し、出力する反転カゴ記憶部と、 前記異方向カゴ選択部において選択されたカゴの中で、
    「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行なわれて
    いないカゴの番号を未チェックカゴ選択部に出力するチ
    ェック終了識別部と、 前記反転カゴ記憶部に記憶されている運行方向の反転が
    可能なカゴの番号を入力して、前記割当指令装置に出力
    する反転カゴ指定部と、を備えたことを特徴とする請求
    項38に記載のエレベータ群管理制御装置。
  40. 【請求項40】 前記反転カゴ決定装置が、 各カゴが運行しているシャフトの方向と新たな乗り場呼
    びの目的方向とが異方向であるカゴを選択する異方向カ
    ゴ選択部と、 前記異方向カゴ選択部において選択されたカゴの中で、
    「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行なわれて
    いないカゴの番号を出力する未チェックカゴ選択部と、 前記未チェックカゴ選択部において選択されたカゴにつ
    いて、乗り場呼びの有無を検索する乗り場呼び検索部
    と、 前記乗り場呼び検索部において乗り場呼びがないとされ
    たカゴについて、カゴ呼びの有無を検索するカゴ呼び検
    索部と、 前記カゴ呼び検索部においてカゴ呼びがあるとされたカ
    ゴについて、そのカゴ呼びが新たな乗り場呼びまでの途
    中の階床にあるか否かを検索するカゴ呼び位置検索部
    と、 前記カゴ呼び検索部においてカゴ呼びがないとされたカ
    ゴについて、新たな乗り場呼びに応答するまでのカゴの
    移動方向と運行しているシャフトの方向とが同方向であ
    ることを検索する移動方向検索部と、 前記移動方向検索部において新たな乗り場呼びに応答す
    るまでのカゴの移動方向とそのカゴが運行しているシャ
    フトの方向とが同方向であると検知されたカゴについ
    て、そのカゴが運行しているシャフトの方向と同方向の
    シャフトが少なくとも1本以上存在するか否かを検索す
    るシャフト方向検索部と、 前記シャフト方向検索部においてそのカゴが運行してい
    るシャフトの方向と同方向のシャフトが少なくとも1本
    以上存在するカゴについて、そのカゴが運行しているシ
    ャフト内に他カゴが存在するか否かを検索する他カゴ検
    索部と、 前記他カゴ検索部においてそのカゴが運行しているシャ
    フト内に他カゴが存在する場合には、その他カゴについ
    て、「乗り場呼び」と「カゴ呼び」が共にないことを検
    索する他カゴ呼び検索部と、 前記カゴが運行しているシャフトを横行移動先としてい
    る横行移動中のカゴの有無を検索する横行移動検索部
    と、 前記横行移動検索部において前記カゴが運行しているシ
    ャフトを横行移動先としている横行移動中のカゴが存在
    しないならば、そのカゴを運行方向の反転が可能なカゴ
    として記憶し、出力する反転カゴ記憶部と、 前記異方向カゴ選択部において選択されたカゴの中で、
    「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行なわれて
    いないカゴの番号を未チェックカゴ選択部に出力するチ
    ェック終了識別部と、 前記反転カゴ記憶部に記憶されている運行方向の反転が
    可能なカゴの番号を入力して、前記割当指令装置に出力
    する反転カゴ指定部と、を備えたことを特徴とする請求
    項38に記載のエレベータ群管理制御装置。
  41. 【請求項41】 複数の階床に就役する複数の縦横移動
    可能なカゴと、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御装置
    と、各階床の乗り場にそれぞれ設置した1個以上の乗り
    場呼び登録装置と、前記各カゴの状態を検知するカゴデ
    ータ検出装置とを備えたエレベータシステムに用いられ
    るエレベータ群管理制御装置において、 前記各カゴ内からのカゴ呼びと、各カゴに割り当てられ
    ている乗り場呼びからなる「呼びデータ」を記憶する呼
    びデータ記憶装置と、 前記カゴデータ検出装置によって検出される「カゴデー
    タ」と、前記呼びデータ記憶装置に記憶されている「呼
    びデータ」とから、前記各カゴが運行しているシャフト
    の方向を推定して、「方向データ」として更新・記憶す
    る方向データ記憶装置と、 前記カゴデータ検出装置によって検出される「カゴデー
    タ」を用いて、前記各カゴが運行しているシャフトの階
    床・シャフトを推定し、「シャフトデータ」として記憶
    するシャフトデータ記憶装置と、 各カゴの運行すべき経路を記憶する経路データ記憶装置
    と、 前記方向データ記憶装置に記憶されている各カゴごとの
    シャフトの「方向データ」と、前記シャフトデータ記憶
    装置に記憶されている各カゴが運行しているシャフトの
    「シャフトデータ」と、前記経路データ記憶装置に記憶
    されている各カゴの運行すべき経路の「経路データ」と
    を入力して、シャフトごとに各横行階に最もはやく到着
    するカゴを予測する横行階到着予測装置と、 前記シャフトデータ記憶装置に記憶されている「シャフ
    トデータ」を入力して、横行移動中のカゴの有無を検知
    し、かつ、そのカゴの横行移動先のシャフトを検知する
    横行移動先検出装置と、 前記乗り場呼び登録装置に新たに登録された「新たな乗
    り場呼びデータ」と、前記呼びデータ記憶装置に記憶さ
    れている「呼びデータ」と、前記方向データ記憶装置に
    記憶されている前記各カゴの「方向データ」と、前記シ
    ャフトデータ記憶装置に記憶されている前記各カゴの
    「シャフトデータ」と、前記経路データ記憶装置に記憶
    されている各カゴの運行すべき「経路データ」と、前記
    横行階到着予測装置によって予測される横行階に最もは
    やく到着するカゴ番号と、前記横行移動先検出装置によ
    って検出された横行移動先のシャフトの番号とを入力し
    て、前記乗り場呼び登録装置に新たに登録された乗り場
    呼びに応答するために運行方向を反転させるべきカゴを
    決定する反転カゴ決定装置と、 前記反転カゴ決定装置で決定された「反転カゴデータ」
    と、前記呼びデータ記憶装置に記憶されている前記各カ
    ゴの「呼びデータ」と、前記乗り場呼び登録装置に新た
    に登録された「新たな乗り場呼びデータ」と、前記方向
    データ記憶装置に記憶されている前記カゴの「方向デー
    タ」と、前記カゴデータ検出装置によって検出される
    「カゴデータ」と、前記経路データ記憶装置に記憶され
    ている各カゴの運行すべき「経路データ」とを入力し
    て、新たな乗り場呼びに応答させるべきカゴを決定する
    と共に、前記呼びデータ記憶装置にその情報を新たに記
    憶させるよう指令を出す割当指令装置と、 前記割当指令装置で決定されたカゴへ運行指令を出力す
    るとともに、そのカゴが前記反転カゴ決定装置で決定さ
    れたカゴであるならば、そのカゴが運行しているシャフ
    ト内に存在する他のカゴへ新たに運行指令を出力する運
    行指令装置と、を備えたことを特徴とするエレベータ群
    管理制御装置。
  42. 【請求項42】 前記反転カゴ決定装置が、 各カゴが運行しているシャフトの方向と新たな乗り場呼
    びの目的方向とが異方向であるカゴを選択する異方向カ
    ゴ選択部と、 前記異方向カゴ選択部において選択されたカゴの中で、
    「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行なわれて
    いないカゴの番号を出力する未チェックカゴ選択部と、 前記未チェックカゴ選択部において選択されたカゴにつ
    いて、乗り場呼びの有無を検索する乗り場呼び検索部
    と、 前記乗り場呼び検索部において乗り場呼びがないとされ
    たカゴについて、カゴ呼びの有無を検索するカゴ呼び検
    索部と、 前記カゴ呼び検索部においてカゴ呼びがないとされたカ
    ゴについて、新たな乗り場呼びに応答するまでのカゴの
    移動方向と運行しているシャフトの方向とが異方向であ
    ることを検索する移動方向検索部と、 前記カゴが運行しているシャフト内において、そのカゴ
    が現在いる階床から新たな乗り場呼びの目的方向と同方
    向側にある階床に他カゴが存在するか否かを検索する他
    カゴ検索部と、 前記他カゴ検索部において検索された他カゴが、新たな
    乗り場呼びの目的方向と同方向に運行しているか否かを
    検索する他カゴ方向検索部と、 前記カゴと他カゴとの間に横行階が存在するか否かを検
    索する横行階検索部と、 前記横行階検索部において前記カゴと他カゴとの間に横
    行階が存在するとされた場合に、そのカゴが新たな乗り
    場呼びに応答するための経路と前記他カゴの経路とが交
    錯するか否かを検索する経路交錯検索部と、 前記経路交錯検索部においてそのカゴが新たな乗り場呼
    びに応答するための経路と前記他カゴの経路とが交錯す
    るとされた場合に、他カゴの経路が前記横行階で横行移
    動するものであるか否かを検索する横行移動経路検索部
    と、 前記横行移動経路検索部における検索結果と、前記横行
    階到着予測装置で予測された各横行階に最もはやく到着
    するカゴ番号とから、前記横行階に最もはやく到着する
    カゴを検索する横行階到着カゴ検索部と、 前記カゴが新たな乗り場呼びに応答するために運行すべ
    きシャフトを横行移動先としている横行移動中の他カゴ
    が存在するか否かを検索する横行移動検索部と、 前記横行移動検索部において検索された他カゴの横行移
    動後の運行方向が、新たな乗り場呼びの目的方向と同方
    向であるか否かを検索する横行移動後方向検索部と、 前記横行移動後方向検索部において他カゴの横行移動後
    の運行方向が、新たな乗り場呼びの目的方向と同方向で
    あるとされた場合に、前記カゴを運行方向の反転が可能
    なカゴとして記憶し、出力する反転カゴ記憶部と、 前記異方向カゴ選択部において選択されたカゴの中で、
    「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行なわれて
    いないカゴの番号を未チェックカゴ選択部に出力するチ
    ェック終了識別部と、 前記反転カゴ記憶部に記憶されている運行方向の反転が
    可能なカゴの番号を入力して、前記割当指令装置に出力
    する反転カゴ指定部と、を備えたことを特徴とする請求
    項41に記載のエレベータ群管理制御装置。
  43. 【請求項43】 前記反転カゴ決定装置が、 各カゴが運行しているシャフトの方向と新たな乗り場呼
    びの目的方向とが異方向であるカゴを選択する異方向カ
    ゴ選択部と、 前記異方向カゴ選択部において選択されたカゴの中で、
    「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行なわれて
    いないカゴの番号を出力する未チェックカゴ選択部と、 前記未チェックカゴ選択部において選択されたカゴにつ
    いて、乗り場呼びの有無を検索する乗り場呼び検索部
    と、 前記乗り場呼び検索部において乗り場呼びがないとされ
    たカゴについて、カゴ呼びの有無を検索するカゴ呼び検
    索部と、 前記カゴ呼び検索部においてカゴ呼びがあるとされたカ
    ゴについて、そのカゴ呼びが新たな乗り場呼びまでの途
    中の階床にあるか否かを検索するカゴ呼び位置検索部
    と、 前記カゴ呼び検索部においてカゴ呼びがないとされたカ
    ゴについて、新たな乗り場呼びに応答するまでのカゴの
    移動方向と運行しているシャフトの方向とが同方向であ
    ることを検索する移動方向検索部と、 前記カゴが運行しているシャフト内において、そのカゴ
    が現在いる階床から新たな乗り場呼びの目的方向と同方
    向側にある階床に他カゴが存在するか否かを検索する他
    カゴ検索部と、 前記他カゴ検索部において検索された他カゴが、新たな
    乗り場呼びの目的方向と同方向に運行しているか否かを
    検索する他カゴ方向検索部と、 前記カゴと他カゴとの間に横行階が存在するか否かを検
    索する横行階検索部と、 前記横行階検索部において前記カゴと他カゴとの間に横
    行階が存在するとされた場合に、そのカゴが新たな乗り
    場呼びに応答した後の経路と前記他カゴの経路とが交錯
    するか否かを検索する経路交錯検索部と、 前記経路交錯検索部においてそのカゴが新たな乗り場呼
    びに応答した後の経路と前記他カゴの経路とが交錯する
    とされた場合に、他カゴの経路が前記横行階で横行移動
    するものであるか否かを検索する横行移動経路検索部
    と、 前記横行移動経路検索部における検索結果と、前記横行
    階到着予測装置で予測された各横行階に最もはやく到着
    するカゴ番号とから、前記横行階に最もはやく到着する
    カゴを検索する横行階到着カゴ検索部と、 前記カゴが新たな乗り場呼びに応答するために運行すべ
    きシャフトを横行移動先としている横行移動中の他カゴ
    が存在するか否かを検索する横行移動検索部と、 前記横行移動検索部において検索された他カゴの横行移
    動後の運行方向が、新たな乗り場呼びの目的方向と異方
    向であるか否かを検索する横行移動後方向検索部と、 前記カゴが運行しているシャフト内において、そのカゴ
    が現在いる階床と新たな乗り場呼びとの間にある階床に
    他カゴが存在するか否かを検索する階床間他カゴ検索部
    と、 前記階床間他カゴ検索部において他カゴが存在しないと
    された場合に、前記カゴを運行方向の反転が可能なカゴ
    として記憶し、出力する反転カゴ記憶部と、 前記異方向カゴ選択部において選択されたカゴの中で、
    「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行なわれて
    いないカゴの番号を未チェックカゴ選択部に出力するチ
    ェック終了識別部と、 前記反転カゴ記憶部に記憶されている運行方向の反転が
    可能なカゴの番号を入力して、前記割当指令装置に出力
    する反転カゴ指定部と、を備えたことを特徴とする請求
    項41に記載のエレベータ群管理制御装置。
  44. 【請求項44】 前記カゴデータ検出装置によって得ら
    れる「カゴデータ」及び前記呼びデータ記憶装置に記憶
    される「呼びデータ」の変化に伴って、新たな乗り場呼
    びに対して応答すべきカゴとして割り当てられたカゴよ
    りも早く応答できるカゴを検索し、そのカゴに割り当て
    を変更すべく指令を出力する再割当指令装置を備えたこ
    とを特徴とする請求項38又は請求項41に記載のエレ
    ベータ群管理制御装置。
  45. 【請求項45】 前記運行指令装置が、前記割当指令装
    置で新たな乗り場呼びに応答すべきカゴであると決定さ
    れたカゴへ運行指令を出力するとともに、そのカゴが前
    記反転カゴ決定装置で決定された「反転カゴ」であるな
    らば、そのカゴが運行しているシャフト内に存在する他
    のカゴへ停止指令を出力することを特徴とする請求項3
    8又は請求項41に記載のエレベータ群管理制御装置。
  46. 【請求項46】 複数の階床に就役する複数の縦横移動
    可能なカゴと、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御処理
    と、各階床の乗り場ごとにそれぞれ実行される乗り場呼
    び登録処理と、前記各カゴの状態を検知するカゴデータ
    検出処理とを含むエレベータシステムに用いられるエレ
    ベータ群管理制御方法において、 前記各カゴ内からのカゴ呼びと、各カゴに割り当てられ
    ている乗り場呼びからなる「呼びデータ」を記憶する呼
    びデータ記憶処理と、 前記カゴデータ検出処理によって検出される「カゴデー
    タ」と、前記呼びデータ記憶処理によって記憶されてい
    る「呼びデータ」とから、前記各カゴが運行しているシ
    ャフトの方向を推定して、「方向データ」として更新・
    記憶する方向データ記憶処理と、 前記方向データ記憶処理によって記憶されている「方向
    データ」を入力して、そのシャフトの方向と同方向のシ
    ャフトの個数を検知するシャフト数検出処理と、 前記カゴデータ検出処理によって検出される「カゴデー
    タ」を用いて、前記各カゴが運行しているシャフトの階
    床・シャフトを推定し、「シャフトデータ」として記憶
    するシャフトデータ記憶処理と、 前記シャフトデータ記憶処理によって記憶されている
    「シャフトデータ」を入力して、横行移動中のカゴの有
    無を検知し、かつ、そのカゴの横行移動先のシャフトを
    検知する横行移動先検出処理と、 前記乗り場呼び登録処理によって新たに登録された「新
    たな乗り場呼びデータ」と、前記呼びデータ記憶処理に
    よって記憶されている「呼びデータ」と、前記方向デー
    タ記憶処理によって記憶されている前記各カゴの「方向
    データ」と、前記シャフトデータ記憶処理によって記憶
    されている前記各カゴの「シャフトデータ」と、前記シ
    ャフト数検出処理によって検出された前記カゴの運行方
    向と同方向のシャフトの個数と、前記横行移動先検出処
    理によって検出された横行移動先のシャフトの番号とを
    入力して、前記乗り場呼び登録処理によって新たに登録
    された乗り場呼びに応答するために運行方向を反転させ
    るべきカゴを決定する反転カゴ決定処理と、 前記反転カゴ決定処理によって決定された「反転カゴデ
    ータ」と、前記呼びデータ記憶処理によって記憶されて
    いる前記各カゴの「呼びデータ」と、前記乗り場呼び登
    録処理によって新たに登録された「新たな乗り場呼びデ
    ータ」と、前記方向データ記憶処理によって記憶されて
    いる前記カゴの「方向データ」と、前記カゴデータ検出
    処理によって検出される「カゴデータ」とを入力して、
    新たな乗り場呼びに応答させるべきカゴを決定すると共
    に、前記呼びデータ記憶処理工程に新たにその情報を記
    憶させるよう指令を出す割当指令処理と、 前記割当指令処理によって決定されたカゴへ運行指令を
    出力するとともに、そのカゴが前記反転カゴ決定処理に
    よって決定されたカゴであるならば、そのカゴが運行し
    ているシャフト内に存在する他のカゴへ新たに運行指令
    を出力する運行指令処理と、を含むことを特徴とするエ
    レベータ群管理制御方法。
  47. 【請求項47】 前記反転カゴ決定処理が、 各カゴが運行しているシャフトの方向と新たな乗り場呼
    びの目的方向とが異方向であるカゴを選択する異方向カ
    ゴ選択ステップと、 前記異方向カゴ選択ステップによって選択されたカゴの
    中で、「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行な
    われていないカゴの番号を出力する未チェックカゴ選択
    ステップと、 前記未チェックカゴ選択ステップによって選択されたカ
    ゴについて、乗り場呼びの有無を検索する乗り場呼び検
    索ステップと、 前記乗り場呼び検索ステップによって乗り場呼びがない
    とされたカゴについて、カゴ呼びの有無を検索するカゴ
    呼び検索ステップと、 前記カゴ呼び検索ステップによってカゴ呼びがないとさ
    れたカゴについて、新たな乗り場呼びに応答するまでの
    カゴの移動方向と運行しているシャフトの方向とが異方
    向であることを検索する移動方向検索ステップと、 前記移動方向検索ステップによって新たな乗り場呼びに
    応答するまでのカゴの移動方向と運行しているシャフト
    の方向とが異方向であると検知されたカゴについて、そ
    のカゴが運行しているシャフトの方向と同方向のシャフ
    トが少なくとも1本以上存在するか否かを検索するシャ
    フト方向検索ステップと、 前記シャフト方向検索ステップによってそのカゴが運行
    しているシャフトの方向と同方向のシャフトが少なくと
    も1本以上存在するとされたカゴについて、そのカゴが
    運行しているシャフト内に他カゴが存在するか否かを検
    索する他カゴ検索ステップと、 前記他カゴ検索ステップによってそのカゴが運行してい
    るシャフト内に他カゴが存在するとされた場合には、そ
    の他カゴについて、「乗り場呼び」と「カゴ呼び」が共
    にないことを検索する他カゴ呼び検索ステップと、 前記カゴが運行しているシャフトを横行移動先としてい
    る横行移動中のカゴの有無を検索する横行移動検索ステ
    ップと、 前記横行移動検索ステップによって前記カゴが運行して
    いるシャフトを横行移動先としている横行移動中のカゴ
    が存在しないとされた場合には、そのカゴを運行方向の
    反転が可能なカゴとして記憶し、出力する反転カゴ記憶
    ステップと、 前記異方向カゴ選択ステップによって選択されたカゴの
    中で、「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行な
    われていないカゴの番号を未チェックカゴ選択ステップ
    に出力するチェック終了識別ステップと、 前記反転カゴ記憶ステップによって記憶されている運行
    方向の反転が可能なカゴの番号を入力して、前記割当指
    令処理工程に出力する反転カゴ指定ステップと、を含む
    ことを特徴とする請求項46に記載のエレベータ群管理
    制御方法。
  48. 【請求項48】 前記反転カゴ決定処理が、 各カゴが運行しているシャフトの方向と新たな乗り場呼
    びの目的方向とが異方向であるカゴを選択する異方向カ
    ゴ選択ステップと、 前記異方向カゴ選択ステップにおいて選択されたカゴの
    中で、「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行な
    われていないカゴの番号を出力する未チェックカゴ選択
    ステップと、 前記未チェックカゴ選択ステップにおいて選択されたカ
    ゴについて、乗り場呼びの有無を検索する乗り場呼び検
    索ステップと、 前記乗り場呼び検索ステップにおいて乗り場呼びがない
    とされたカゴについて、カゴ呼びの有無を検索するカゴ
    呼び検索ステップと、 前記カゴ呼び検索ステップにおいてカゴ呼びがあるとさ
    れたカゴについて、そのカゴ呼びが新たな乗り場呼びま
    での途中の階床にあるか否かを検索するカゴ呼び位置検
    索ステップと、 前記カゴ呼び検索ステップにおいてカゴ呼びがないとさ
    れたカゴについて、新たな乗り場呼びに応答するまでの
    カゴの移動方向と運行しているシャフトの方向とが同方
    向であることを検索する移動方向検索ステップと、 前記移動方向検索ステップにおいて新たな乗り場呼びに
    応答するまでのカゴの移動方向とそのカゴが運行してい
    るシャフトの方向とが同方向であると検知されたカゴに
    ついて、そのカゴが運行しているシャフトの方向と同方
    向のシャフトが少なくとも1本以上存在するか否かを検
    索するシャフト方向検索ステップと、 前記シャフト方向検索ステップにおいてそのカゴが運行
    しているシャフトの方向と同方向のシャフトが少なくと
    も1本以上存在するカゴについて、そのカゴが運行して
    いるシャフト内に他カゴが存在するか否かを検索する他
    カゴ検索ステップと、 前記他カゴ検索ステップにおいてそのカゴが運行してい
    るシャフト内に他カゴが存在する場合には、その他カゴ
    について、「乗り場呼び」と「カゴ呼び」が共にないこ
    とを検索する他カゴ呼び検索ステップと、 前記カゴが運行しているシャフトを横行移動先としてい
    る横行移動中のカゴの有無を検索する横行移動検索ステ
    ップと、 前記横行移動検索ステップにおいて前記カゴが運行して
    いるシャフトを横行移動先としている横行移動中のカゴ
    が存在しないとされた場合には、そのカゴを運行方向の
    反転が可能なカゴとして記憶し、出力する反転カゴ記憶
    ステップと、 前記異方向カゴ選択ステップにおいて選択されたカゴの
    中で、「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行な
    われていないカゴの番号を未チェックカゴ選択ステップ
    に出力するチェック終了識別ステップと、 前記反転カゴ記憶ステップに記憶されている運行方向の
    反転が可能なカゴの番号を入力して、前記割当指令処理
    工程に出力する反転カゴ指定ステップと、を含むことを
    特徴とする請求項46に記載のエレベータ群管理制御方
    法。
  49. 【請求項49】 複数の階床に就役する複数の縦横移動
    可能なカゴと、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御処理
    と、各階床の乗り場ごとにそれぞれ実行される乗り場呼
    び登録処理と、前記各カゴの状態を検知するカゴデータ
    検出処理とを備えたエレベータシステムに用いられるエ
    レベータ群管理制御方法において、 前記各カゴ内からのカゴ呼びと、各カゴに割り当てられ
    ている乗り場呼びからなる「呼びデータ」を記憶する呼
    びデータ記憶処理と、 前記カゴデータ検出処理によって検出される「カゴデー
    タ」と、前記呼びデータ記憶処理によって記憶されてい
    る「呼びデータ」とから、前記各カゴが運行しているシ
    ャフトの方向を推定して、「方向データ」として更新・
    記憶する方向データ記憶処理と、 前記カゴデータ検出処理によって検出される「カゴデー
    タ」を用いて、前記各カゴが運行しているシャフトの階
    床・シャフトを推定し、「シャフトデータ」として記憶
    するシャフトデータ記憶処理と、 各カゴの運行すべき経路を記憶する経路データ記憶処理
    と、 前記方向データ記憶処理によって記憶されている各カゴ
    ごとのシャフトの「方向データ」と、前記シャフトデー
    タ記憶処理によって記憶されている各カゴが運行してい
    るシャフトの「シャフトデータ」と、前記経路データ記
    憶処理によって記憶されている各カゴの運行すべき経路
    の「経路データ」とを入力して、シャフトごとに各横行
    階に最もはやく到着するカゴを予測する横行階到着予測
    処理と、 前記シャフトデータ記憶処理によって記憶されている
    「シャフトデータ」を入力して、横行移動中のカゴの有
    無を検知し、かつ、そのカゴの横行移動先のシャフトを
    検知する横行移動先検出処理と、 前記乗り場呼び登録処理によって新たに登録された「新
    たな乗り場呼びデータ」と、前記呼びデータ記憶処理に
    よって記憶されている「呼びデータ」と、前記方向デー
    タ記憶処理によって記憶されている前記各カゴの「方向
    データ」と、前記シャフトデータ記憶処理によって記憶
    されている前記各カゴの「シャフトデータ」と、前記経
    路データ記憶処理によって記憶されている各カゴの運行
    すべき「経路データ」と、前記横行階到着予測処理によ
    って予測される横行階に最もはやく到着するカゴ番号
    と、前記横行移動先検出処理によって検出された横行移
    動先のシャフトの番号とを入力して、前記乗り場呼び登
    録処理によって新たに登録された乗り場呼びに応答する
    ために運行方向を反転させるべきカゴを決定する反転カ
    ゴ決定処理と、 前記反転カゴ決定処理によって決定された「反転カゴデ
    ータ」と、前記呼びデータ記憶処理によって記憶されて
    いる前記各カゴの「呼びデータ」と、前記乗り場呼び登
    録処理によって新たに登録された「新たな乗り場呼びデ
    ータ」と、前記方向データ記憶処理によって記憶されて
    いる前記カゴの「方向データ」と、前記カゴデータ検出
    処理によって検出される「カゴデータ」と、前記経路デ
    ータ記憶処理によって記憶されている各カゴの運行すべ
    き「経路データ」とを入力して、新たな乗り場呼びに応
    答させるべきカゴを決定すると共に、前記呼びデータ記
    憶処理工程に新たにその情報を記憶させるよう指令を出
    す割当指令処理と、 前記割当指令処理によって決定されたカゴへ運行指令を
    出力するとともに、そのカゴが前記反転カゴ決定処理に
    よって決定されたカゴであるならば、そのカゴが運行し
    ているシャフト内に存在する他のカゴへ新たに運行指令
    を出力する運行指令処理と、を含むことを特徴とするエ
    レベータ群管理制御方法。
  50. 【請求項50】 前記反転カゴ決定処理が、 各カゴが運行しているシャフトの方向と新たな乗り場呼
    びの目的方向とが異方向であるカゴを選択する異方向カ
    ゴ選択ステップと、 前記異方向カゴ選択ステップにおいて選択されたカゴの
    中で、「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行な
    われていないカゴの番号を出力する未チェックカゴ選択
    ステップと、 前記未チェックカゴ選択ステップにおいて選択されたカ
    ゴについて、乗り場呼びの有無を検索する乗り場呼び検
    索ステップと、 前記乗り場呼び検索ステップにおいて乗り場呼びがない
    とされたカゴについて、カゴ呼びの有無を検索するカゴ
    呼び検索ステップと、 前記カゴ呼び検索ステップにおいてカゴ呼びがないとさ
    れたカゴについて、新たな乗り場呼びに応答するまでの
    カゴの移動方向と運行しているシャフトの方向とが異方
    向であることを検索する移動方向検索ステップと、 前記カゴが運行しているシャフト内において、そのカゴ
    が現在いる階床から新たな乗り場呼びの目的方向と同方
    向側にある階床に他カゴが存在するか否かを検索する他
    カゴ検索ステップと、 前記他カゴ検索ステップにおいて検索された他カゴが、
    新たな乗り場呼びの目的方向と同方向に運行しているか
    否かを検索する他カゴ方向検索ステップと、 前記カゴと他カゴとの間に横行階が存在するか否かを検
    索する横行階検索ステップと、 前記横行階検索ステップにおいて前記カゴと他カゴとの
    間に横行階が存在するとされた場合に、そのカゴが新た
    な乗り場呼びに応答するための経路と前記他カゴの経路
    とが交錯するか否かを検索する経路交錯検索ステップ
    と、 前記経路交錯検索ステップにおいてそのカゴが新たな乗
    り場呼びに応答するための経路と前記他カゴの経路とが
    交錯するとされた場合に、他カゴの経路が前記横行階で
    横行移動するものであるか否かを検索する横行移動経路
    検索ステップと、 前記横行移動経路検索ステップにおける検索結果と、前
    記横行階到着予測処理によって予測された各横行階に最
    もはやく到着するカゴ番号とから、前記横行階に最もは
    やく到着するカゴを検索する横行階到着カゴ検索ステッ
    プと、 前記カゴが新たな乗り場呼びに応答するために運行すべ
    きシャフトを横行移動先としている横行移動中の他カゴ
    が存在するか否かを検索する横行移動検索ステップと、 前記横行移動検索ステップにおいて検索された他カゴの
    横行移動後の運行方向が、新たな乗り場呼びの目的方向
    と同方向であるか否かを検索する横行移動後方向検索ス
    テップと、 前記横行移動後方向検索ステップにおいて他カゴの横行
    移動後の運行方向が、新たな乗り場呼びの目的方向と同
    方向であるとされた場合に、前記カゴを運行方向の反転
    が可能なカゴとして記憶し、出力する反転カゴ記憶ステ
    ップと、 前記異方向カゴ選択ステップにおいて選択されたカゴの
    中で、「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行な
    われていないカゴの番号を未チェックカゴ選択ステップ
    に出力するチェック終了識別ステップと、 前記反転カゴ記憶ステップによって記憶されている運行
    方向の反転が可能なカゴの番号を入力して、前記割当指
    令処理工程に出力する反転カゴ指定ステップと、を含む
    ことを特徴とする請求項49に記載のエレベータ群管理
    制御方法。
  51. 【請求項51】 前記反転カゴ決定処理が、 各カゴが運行しているシャフトの方向と新たな乗り場呼
    びの目的方向とが異方向であるカゴを選択する異方向カ
    ゴ選択ステップと、 前記異方向カゴ選択ステップにおいて選択されたカゴの
    中で、「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行な
    われていないカゴの番号を出力する未チェックカゴ選択
    ステップと、 前記未チェックカゴ選択ステップにおいて選択されたカ
    ゴについて、乗り場呼びの有無を検索する乗り場呼び検
    索ステップと、 前記乗り場呼び検索ステップにおいて乗り場呼びがない
    とされたカゴについて、カゴ呼びの有無を検索するカゴ
    呼び検索ステップと、 前記カゴ呼び検索ステップにおいてカゴ呼びがあるとさ
    れたカゴについて、そのカゴ呼びが新たな乗り場呼びま
    での途中の階床にあるか否かを検索するカゴ呼び位置検
    索ステップと、 前記カゴ呼び検索ステップにおいてカゴ呼びがないとさ
    れたカゴについて、新たな乗り場呼びに応答するまでの
    カゴの移動方向と運行しているシャフトの方向とが同方
    向であることを検索する移動方向検索ステップと、 前記カゴが運行しているシャフト内において、そのカゴ
    が現在いる階床から新たな乗り場呼びの目的方向と同方
    向側にある階床に他カゴが存在するか否かを検索する他
    カゴ検索ステップと、 前記他カゴ検索ステップにおいて検索された他カゴが、
    新たな乗り場呼びの目的方向と同方向に運行しているか
    否かを検索する他カゴ方向検索ステップと、 前記カゴと他カゴとの間に横行階が存在するか否かを検
    索する横行階検索ステップと、 前記横行階検索ステップにおいて前記カゴと他カゴとの
    間に横行階が存在するとされた場合に、そのカゴが新た
    な乗り場呼びに応答した後の経路と前記他カゴの経路と
    が交錯するか否かを検索する経路交錯検索ステップと、 前記経路交錯検索ステップにおいてそのカゴが新たな乗
    り場呼びに応答した後の経路と前記他カゴの経路とが交
    錯するとされた場合に、他カゴの経路が前記横行階で横
    行移動するものであるか否かを検索する横行移動経路検
    索ステップと、 前記横行移動経路検索ステップにおける検索結果と、前
    記横行階到着予測処理によって予測された各横行階に最
    もはやく到着するカゴ番号とから、前記横行階に最もは
    やく到着するカゴを検索する横行階到着カゴ検索ステッ
    プと、 前記カゴが新たな乗り場呼びに応答するために運行すべ
    きシャフトを横行移動先としている横行移動中の他カゴ
    が存在するか否かを検索する横行移動検索ステップと、 前記横行移動検索ステップにおいて検索された他カゴの
    横行移動後の運行方向が、新たな乗り場呼びの目的方向
    と異方向であるか否かを検索する横行移動後方向検索ス
    テップと、 前記カゴが運行しているシャフト内において、そのカゴ
    が現在いる階床と新たな乗り場呼びとの間にある階床に
    他カゴが存在するか否かを検索する階床間他カゴ検索ス
    テップと、 前記階床間他カゴ検索ステップにおいて他カゴが存在し
    ないとされた場合に、前記カゴを運行方向の反転が可能
    なカゴとして記憶し、出力する反転カゴ記憶ステップ
    と、 前記異方向カゴ選択ステップにおいて選択されたカゴの
    中で、「反転カゴ」として適合するか否かの判断が行な
    われていないカゴの番号を未チェックカゴ選択ステップ
    に出力するチェック終了識別ステップと、 前記反転カゴ記憶ステップに記憶されている運行方向の
    反転が可能なカゴの番号を入力して、前記割当指令処理
    工程に出力する反転カゴ指定ステップと、を含むことを
    特徴とする請求項49に記載のエレベータ群管理制御方
    法。
  52. 【請求項52】 前記カゴデータ検出処理によって得ら
    れる「カゴデータ」及び前記呼びデータ記憶処理によっ
    て記憶される「呼びデータ」の変化に伴って、新たな乗
    り場呼びに対して応答すべきカゴとして割り当てられた
    カゴよりも早く応答できるカゴを検索し、そのカゴに割
    り当てを変更すべく指令を出力する再割当指令処理を含
    むことを特徴とする請求項46又は請求項49に記載の
    エレベータ群管理制御方法。
  53. 【請求項53】 前記運行指令処理が、前記割当指令処
    理によって新たな乗り場呼びに応答すべきカゴであると
    決定されたカゴへ運行指令を出力するとともに、そのカ
    ゴが前記反転カゴ決定処理によって決定された「反転カ
    ゴ」であるならば、そのカゴが運行しているシャフト内
    に存在する他のカゴへ停止指令を出力することを特徴と
    する請求項46又は請求項49に記載のエレベータ群管
    理制御方法。
  54. 【請求項54】 複数の階床に就役する複数の縦横移動
    可能なカゴと、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御装置
    と、各階床の乗り場にそれぞれ設置した1個以上の乗り
    場呼び登録装置と、前記各カゴの状態を検知するカゴデ
    ータ検出装置とを備えたエレベータシステムに用いられ
    るエレベータ群管理制御装置において、 新たな乗り場呼びに応答すべきカゴか否かの検索対象と
    なる対象カゴについて、その対象カゴと同一シャフト内
    の他カゴの運行状況と、他のシャフトから横行移動して
    くる他カゴの運行状況を検知し、 前記対象カゴの運行方向を反転した場合に、前記他カゴ
    のいずれとも衝突しないことが確認され、且つ、前記対
    象カゴが新たな乗り場呼びに最も早く応答できるカゴで
    あると判断された場合に、前記対象カゴの運行方向を反
    転させることを特徴とするエレベータ群管理制御装置。
  55. 【請求項55】 複数の階床に就役する複数の縦横移動
    可能なカゴと、そのカゴの運行を司るカゴ運行制御処理
    と、各階床の乗り場ごとにそれぞれ実行される乗り場呼
    び登録処理と、前記各カゴの状態を検知するカゴデータ
    検出処理とを含むエレベータシステムに用いられるエレ
    ベータ群管理制御方法において、 新たな乗り場呼びに応答すべきカゴか否かの検索対象と
    なる対象カゴについて、その対象カゴと同一シャフト内
    の他カゴの運行状況と、他のシャフトから横行移動して
    くる他カゴの運行状況を検知し、 前記対象カゴの運行方向を反転した場合に、前記他カゴ
    のいずれとも衝突しないことが確認され、且つ、前記対
    象カゴが新たな乗り場呼びに最も早く応答できるカゴで
    あると判断された場合に、前記対象カゴの運行方向を反
    転させることを特徴とするエレベータ群管理制御方法。
  56. 【請求項56】 複数のシャフト間を移動可能な複数の
    搬送体の運行を管理する搬送体管理制御装置において、 前記搬送体が移動すべき経路を示す経路データを記憶し
    た記憶手段と、 前記経路データに基づいて、前記搬送体の運行を管理す
    る管理手段とを備えたことを特徴とする搬送体管理制御
    装置。
  57. 【請求項57】 前記管理手段は、前記経路データに基
    づいて、前記搬送体が所定の位置に到達するまでの時間
    を予測する予測手段を含むことを特徴とする請求項56
    に記載の搬送体管理制御装置。
  58. 【請求項58】 前記管理手段は、前記予測された到着
    時間に基づいて、前記所定の搬送体を割り当てる割当手
    段を含むことを特徴とする請求項57に記載の搬送体管
    理制御装置。
  59. 【請求項59】 前記割当手段は、一の搬送体の予測到
    着時間と他の搬送体の予測到着時間とに基づいて未応答
    時間を算出する手段と、 該未応答時間のうち最小の未応答時間に対応する搬送体
    を選択する手段とを含むことを特徴とする請求項58に
    記載の搬送体管理制御装置。
  60. 【請求項60】 前記管理手段は、前記搬送体から与え
    られた搬送体呼びと、前記搬送体に対して与えられる乗
    り場呼びからなる呼びデータとに基づいて、前記搬送体
    を所定の目的位置に移動させるための目的位置データを
    生成する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項5
    6に記載の搬送体管理制御装置。
  61. 【請求項61】 前記割当手段は、一の搬送体の予測到
    着時間と他の搬送体の予測到着時間とに基づいて未応答
    時間を算出する手段と、 該未応答時間に基づいて平均値を算出する手段と、 該平均値のうち最小の平均値に対応する搬送体を選択す
    る手段とを含むことを特徴とする請求項58に記載の搬
    送体管理制御装置。
  62. 【請求項62】 前記搬送体の状態に関する情報を収集
    する手段を備えたことを特徴とする請求項56に記載の
    搬送体管理制御装置。
  63. 【請求項63】 前記搬送体が停止すべき所定位置から
    与えられる乗り場呼びデータに基づいて、派生搬送体呼
    びを予測する第2の予測手段を備えたことを特徴とする
    請求項58に記載の搬送体管理制御装置。
  64. 【請求項64】 前記割当手段は、前記乗り場呼びデー
    タが与えられた時点から、前記第2の予測手段によって
    予測された派生搬送体呼びに応答するまでの所定のサー
    ビス完了時間を算出する手段と、 該所定のサービス完了時間のうち最小の時間に対応する
    搬送体を選択する手段を含むことを特徴とする請求項6
    3に記載の搬送体管理制御装置。
  65. 【請求項65】 前記乗り場呼びデータが与えられた時
    点から、前記第2の予測手段によって予測された派生搬
    送体呼びに応答するまでの第1のサービス完了時間を算
    出する第1の算出手段と、 すでに与えられた搬送体呼び及び派生搬送体呼びに応答
    するまでの第2のサービス完了時間を算出する第2の算
    出手段と、 前記第1のサービス完了時間及び前記第2のサービス完
    了時間に基づいて、所定の平均値を算出し、該平均値の
    うち最小の平均値に対応する搬送体を選択する手段とを
    備えたことを特徴とする請求項63に記載の搬送体管理
    制御装置。
  66. 【請求項66】 複数の階床に就役する複数の縦横移動
    可能なカゴの運行を司るカゴ運行制御処理と、各階床の
    乗り場ごとにそれぞれ実行される乗り場呼び登録処理
    と、前記各カゴの状態を検知するカゴデータ検出処理と
    を含むエレベータシステムに用いられるエレベータ群管
    理制御方法を実行させるためのプログラムを記録した媒
    体であって、 前記プログラムは、 前記各カゴごとに「経路データ」を記憶させる経路デー
    タ記憶ステップと、 前記各カゴ内からのカゴ呼びと、各カゴに割り当てられ
    ている乗り場呼びとからなる「呼びデータ」を記憶させ
    る呼びデータ記憶ステップと、 前記呼びデータ記憶処理によって記憶された「呼びデー
    タ」と、前記乗り場呼び登録処理によって登録された
    「乗り場呼びデータ」とに基づいて、目的階床を含む
    「目的階床データ」を生成させる目的階床指示ステップ
    と、 前記「経路データ」、「目的階床データ」、「呼びデー
    タ」及び前記カゴデータ検出処理によって得られる「カ
    ゴデータ」とに基づいて、前記カゴが前記目的階床に到
    着するまでの時間を予測させる到着時間予測ステップ
    と、 前記到着時間予測処理により得られる予測到着時間に基
    づいて、所定のカゴを所定の乗り場呼びに割り当てる割
    当指令ステップと、を含むことを特徴とするエレベータ
    群管理制御プログラムを記録した媒体。
  67. 【請求項67】 複数の階床に就役する複数の縦横移動
    可能なカゴの運行を司るカゴ運行制御処理と、各階床の
    乗り場ごとにそれぞれ実行される乗り場呼び登録処理
    と、前記各カゴの状態を検知するカゴデータ検出処理と
    を含むエレベータシステムに用いられるエレベータ群管
    理制御方法を実行させるためのプログラムを記録した媒
    体であって、 前記プログラムは、 前記各カゴ内からのカゴ呼びと、各カゴに割り当てられ
    ている乗り場呼びからなる「呼びデータ」を記憶させる
    呼びデータ記憶ステップと、 前記各カゴの運行すべき経路を記憶させる経路データ記
    憶ステップと、 前記カゴデータ検出処理によって検出される「カゴデー
    タ」と、前記経路データ記憶処理によって記憶されてい
    る「経路データ」と、前記呼びデータ記憶処理によって
    記憶されている「呼びデータ」とから、前記乗り場呼び
    登録処理によって登録された乗り場呼びに応答させるべ
    きカゴを選択させるとともに、カゴの割当状況を前記呼
    びデータ記憶処理工程に出力させ、「呼びデータ」を更
    新・記憶させる割当指令ステップと、 前記呼びデータ記憶処理によって記憶されている各カゴ
    の「呼びデータ」を入力させて、乗り場呼び及びカゴ呼
    びのいずれも無い「呼び無しカゴ」を検索させる呼び無
    しカゴ検索ステップと、 この呼び無しカゴ検索処理によって検索された「呼び無
    しカゴデータ」と、前記各カゴの「カゴデータ」と、前
    記経路データ記憶処理によって記憶されている「経路デ
    ータ」とを用いて、所定の評価にしたがって、前記「呼
    び無しカゴ」を停止させるべき位置を指示させる呼び無
    しカゴ停止位置指示ステップと、 前記「呼び無しカゴ」を、指示された停止位置に移動さ
    せるべく、運行指令を出力させる運行指令ステップと、
    を含むことを特徴とするエレベータ群管理制御プログラ
    ムを記録した媒体。
  68. 【請求項68】 複数の階床に就役する複数の縦横移動
    可能なカゴの運行を司るカゴ運行制御処理と、各階床の
    乗り場ごとにそれぞれ実行される乗り場呼び登録処理
    と、前記各カゴの状態を検知するカゴデータ検出処理と
    を含むエレベータシステムに用いられるエレベータ群管
    理制御方法を実行させるためのプログラムを記録した媒
    体であって、 前記プログラムは、 前記各カゴ内からのカゴ呼びと、各カゴに割り当てられ
    ている乗り場呼びからなる「呼びデータ」を記憶させる
    呼びデータ記憶ステップと、 前記カゴデータ検出処理によって検出される「カゴデー
    タ」と、前記呼びデータ記憶処理によって記憶されてい
    る「呼びデータ」とから、前記各カゴが運行しているシ
    ャフトの方向を推定させて、「方向データ」として更新
    ・記憶させる方向データ記憶ステップと、 前記方向データ記憶処理によって記憶されている「方向
    データ」を入力して、そのシャフトの方向と同方向のシ
    ャフトの個数を検知させるシャフト数検出ステップと、 前記カゴデータ検出処理によって検出される「カゴデー
    タ」を用いて、前記各カゴが運行しているシャフトの階
    床・シャフトを推定させ、「シャフトデータ」として記
    憶させるシャフトデータ記憶ステップと、 前記シャフトデータ記憶処理によって記憶されている
    「シャフトデータ」を入力させて、横行移動中のカゴの
    有無を検知させ、かつ、そのカゴの横行移動先のシャフ
    トを検知させる横行移動先検出ステップと、 前記乗り場呼び登録処理によって新たに登録された「新
    たな乗り場呼びデータ」と、前記呼びデータ記憶処理に
    よって記憶されている「呼びデータ」と、前記方向デー
    タ記憶処理によって記憶されている前記各カゴの「方向
    データ」と、前記シャフトデータ記憶処理によって記憶
    されている前記各カゴの「シャフトデータ」と、前記シ
    ャフト数検出処理によって検出された前記カゴの運行方
    向と同方向のシャフトの個数と、前記横行移動先検出処
    理によって検出された横行移動先のシャフトの番号とを
    入力させて、前記乗り場呼び登録処理によって新たに登
    録された乗り場呼びに応答するために運行方向を反転さ
    せるべきカゴを決定させる反転カゴ決定ステップと、 前記反転カゴ決定処理によって決定された「反転カゴデ
    ータ」と、前記呼びデータ記憶処理によって記憶されて
    いる前記各カゴの「呼びデータ」と、前記乗り場呼び登
    録処理によって新たに登録された「新たな乗り場呼びデ
    ータ」と、前記方向データ記憶処理によって記憶されて
    いる前記カゴの「方向データ」と、前記カゴデータ検出
    処理によって検出される「カゴデータ」とを入力させ
    て、新たな乗り場呼びに応答させるべきカゴを決定させ
    ると共に、前記呼びデータ記憶処理工程に新たにその情
    報を記憶させるよう指令を出力させる割当指令ステップ
    と、 前記割当指令処理によって決定されたカゴへ運行指令を
    出力させるとともに、そのカゴが前記反転カゴ決定処理
    によって決定されたカゴであるならば、そのカゴが運行
    しているシャフト内に存在する他のカゴへ新たに運行指
    令を出力させる運行指令ステップと、を含むことを特徴
    とするエレベータ群管理制御プログラムを記録した媒
    体。
  69. 【請求項69】 複数の階床に就役する複数の縦横移動
    可能なカゴの運行を司るカゴ運行制御処理と、各階床の
    乗り場ごとにそれぞれ実行される乗り場呼び登録処理
    と、前記各カゴの状態を検知するカゴデータ検出処理と
    を含むエレベータシステムに用いられるエレベータ群管
    理制御方法を実行させるためのプログラムを記録した媒
    体であって、 前記プログラムは、 新たな乗り場呼びに応答すべきカゴか否かの検索対象と
    なる対象カゴについて、その対象カゴと同一シャフト内
    の他カゴの運行状況と、他のシャフトから横行移動して
    くる他カゴの運行状況を検知させ、 前記対象カゴの運行方向を反転した場合に、前記他カゴ
    のいずれとも衝突しないことが確認され、且つ、前記対
    象カゴが新たな乗り場呼びに最も早く応答できるカゴで
    あると判断された場合に、前記対象カゴの運行方向を反
    転させることを特徴とするエレベータ群管理制御プログ
    ラムを記録した媒体。
JP29928396A 1995-10-24 1996-10-24 エレベータ群割当て管理制御装置、エレベータ群割当て管理制御方法、エレベータ群割当て管理制御プログラムを記録した媒体。 Expired - Fee Related JP3881412B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29928396A JP3881412B2 (ja) 1995-10-24 1996-10-24 エレベータ群割当て管理制御装置、エレベータ群割当て管理制御方法、エレベータ群割当て管理制御プログラムを記録した媒体。

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27518595 1995-10-24
JP7-275185 1995-10-24
JP7-277610 1995-10-25
JP27761095 1995-10-25
JP8-24054 1996-02-09
JP2405496 1996-02-09
JP29928396A JP3881412B2 (ja) 1995-10-24 1996-10-24 エレベータ群割当て管理制御装置、エレベータ群割当て管理制御方法、エレベータ群割当て管理制御プログラムを記録した媒体。

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002348954A Division JP3790739B2 (ja) 1995-10-24 2002-11-29 エレベータ群管理制御装置、エレベータ群管理制御方法、エレベータ群管理制御プログラムを記録した媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09272662A true JPH09272662A (ja) 1997-10-21
JP3881412B2 JP3881412B2 (ja) 2007-02-14

Family

ID=27458080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29928396A Expired - Fee Related JP3881412B2 (ja) 1995-10-24 1996-10-24 エレベータ群割当て管理制御装置、エレベータ群割当て管理制御方法、エレベータ群割当て管理制御プログラムを記録した媒体。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3881412B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000185885A (ja) * 1998-12-18 2000-07-04 Kawasaki Heavy Ind Ltd 自走式エレベータシステム
JP2001335244A (ja) * 2000-05-29 2001-12-04 Mitsubishi Electric Corp エレベータシステム及びその制御方法
WO2006022007A1 (ja) * 2004-08-26 2006-03-02 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha エレベータ群管理制御装置
JP2007137544A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Toshiba Elevator Co Ltd エレベータの群管理制御装置
CN100354193C (zh) * 1999-11-05 2007-12-12 三菱电机株式会社 电梯***的控制装置
JP2008529922A (ja) * 2005-02-04 2008-08-07 オーチス エレベータ カンパニー 一方のかごに強いられる遅れ時間を最小にするように昇降路内にある2基のかごのうちの1基に割当てるかご呼び
CN101568482A (zh) * 2006-12-22 2009-10-28 奥蒂斯电梯公司 在单个井道中具有多个车厢的电梯***

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000185885A (ja) * 1998-12-18 2000-07-04 Kawasaki Heavy Ind Ltd 自走式エレベータシステム
CN100354193C (zh) * 1999-11-05 2007-12-12 三菱电机株式会社 电梯***的控制装置
JP2001335244A (ja) * 2000-05-29 2001-12-04 Mitsubishi Electric Corp エレベータシステム及びその制御方法
WO2006022007A1 (ja) * 2004-08-26 2006-03-02 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha エレベータ群管理制御装置
US7392884B2 (en) 2004-08-26 2008-07-01 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Elevator group management controller
JP2008529922A (ja) * 2005-02-04 2008-08-07 オーチス エレベータ カンパニー 一方のかごに強いられる遅れ時間を最小にするように昇降路内にある2基のかごのうちの1基に割当てるかご呼び
JP2007137544A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Toshiba Elevator Co Ltd エレベータの群管理制御装置
CN101568482A (zh) * 2006-12-22 2009-10-28 奥蒂斯电梯公司 在单个井道中具有多个车厢的电梯***
JP2010513173A (ja) * 2006-12-22 2010-04-30 オーチス エレベータ カンパニー 単一の昇降路に複数のかごを含むエレベータ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3881412B2 (ja) 2007-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1055633B1 (en) Elevator group control apparatus and elevator group control method
JP5477387B2 (ja) ダブルデッキエレベータ群管理装置
JP4317030B2 (ja) エレベータグループにおける乗客割当方法
EP2003080B1 (en) Method and system for determining, for any instant in time, total peak power consumption for bank of elevator cars
Fernandez et al. A survey of elevator group control systems for vertical transportation: A look at recent literature
JP4189013B2 (ja) エレベータの制御装置
JP4870863B2 (ja) エレベータ群最適管理方法、及び最適管理システム
JP2020128279A (ja) エレベータシステム、エレベータ群管理制御装置及びエレベータの号機割当て方法
JP2017504542A (ja) エレベータシステムを操作する方法
JP2001335244A (ja) エレベータシステム及びその制御方法
JP6584031B1 (ja) エレベータ
JP2011051694A (ja) エレベータの群管理制御装置
JPH09272662A (ja) エレベータ群管理制御装置及びエレベータ群管理制御方法
JP2008529922A (ja) 一方のかごに強いられる遅れ時間を最小にするように昇降路内にある2基のかごのうちの1基に割当てるかご呼び
JP2004107046A (ja) エレベータの群管理制御装置
CN101356106A (zh) 电梯控制方法及其装置
JP2016128356A (ja) エレベータシステム
JPH0761722A (ja) エレベーターの群管理制御装置
Ho Elevator group supervisory control using fuzzy logic
JP2020125189A (ja) エレベータの群管理システム
JP6576014B1 (ja) エレベータシステム
JP2015117114A (ja) エレベータの群管理制御システム
JP3790739B2 (ja) エレベータ群管理制御装置、エレベータ群管理制御方法、エレベータ群管理制御プログラムを記録した媒体
JP3714343B2 (ja) エレベータ群管理簡易シミュレータならびにエレベータ群管理装置
KR102558417B1 (ko) 교통량을 반영한 엘리베이터의 로봇 전용모드 설정 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20040806

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061110

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101117

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101117

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111117

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees