JP2013147334A - マルチカーエレベータの群管理制御装置 - Google Patents

マルチカーエレベータの群管理制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】水平移動可能な特殊かごを備えたマルチカーエレベータにおいて、運行効率をできるだけ低下させずに、かご同士の干渉を回避しながら安全に運行する。
【解決手段】マルチカーエレベータは、2つのシャフト内を上下に固定的に走行する少なくとも2台の一般かご13,14と、各シャフトの間を水平方向に移動可能な少なくとも1台の特殊かご17とを備える。群管理制御装置20は、各かごの運転情報と呼びの登録情報を収集する群管理制御部31、これらの情報に基づいて各かごの運行線図を作成すると共に、その運行線図から干渉が予測される場合に複数の干渉回避方法を想定してシミュレーションを実行し、そのシミュレーション結果から最適な干渉回避方法を選択するシミュレーション部32、干渉回避方法に従って各号機の運転を制御するマルチカー制御部33を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、シャフト間を水平方向に移動可能なかごを備えたマルチカーエレベータの群管理制御装置に関する。
高層ビルなどのエレベータ利用効率の高いビルでは、1本のシャフト(昇降路)内に複数の独立した乗りかごが就役するエレベータが用いられる。このようなエレベータのことを「マルチカーエレベータ」と呼んでいる。
このマルチカーエレベータは、ダブルデッキエレベータと比較すると、各乗りかごが独立して動くことができるため、輸送効率の向上を期待できる。しかし、その一方で同一シャフト内に複数(通常2台)の乗りかごが存在するので、かご同士が干渉する可能性がある。このため、干渉が予測される階の手前で乗客を一旦降ろし、別のシャフトの乗りかごに乗り継いでもらう方法などが考えられている。
特開2009−227350号公報
近年、2つのシャフトを並設させた構成において、各シャフト内をそれぞれに上下に固定的に走行する一般かごとは別に、シャフト間を水平方向に移動可能な特殊かごを備えたマルチカーエレベータが考えられている。
このマルチカーエレベータは、「追い越し可能なマルチカーエレベータ」とも呼ばれ、特殊かごがシャフト間移動により一般かごを追い越して最上階から最下階を自由に移動できる。したがって、乗場呼びの割り当てに運行の制約を受けないため、輸送効率の向上が期待できる。しかし、上述した一般的なマルチカーエレベータとは構造的に違うため、かご同士の干渉を回避するための新たな方法が必要となる。
すなわち、追い越し可能なマルチカーエレベータでは、同一シャフト内で一般かごと特殊かごが干渉する。この場合、特殊かごをシャフト移動させれば、乗客に乗り継ぎをさせなくとも干渉を回避できる。しかしながら、特殊かごをシャフト移動させる場合に、その移動先のシャフト側を走行している他方の一般かごとの干渉も考慮しなくてはならない。移動させるタイミングが悪いと、各かごの減速や停止が必要となり、運行効率の低下を招くことになる。
本発明が解決しようとする課題は、水平移動可能な特殊かごを備えたマルチカーエレベータにおいて、運行効率をできるだけ低下させずに、かご同士の干渉を回避しながら安全に運行することのできるマルチカーエレベータの群管理制御装置を提供することである。
本実施形態に係るマルチカーエレベータの群管理制御装置は、2つのシャフトが水平方向に並設され、上記各シャフト内を上下に固定的に走行する少なくとも2台の一般かごと、上記各シャフトの間を水平方向に移動可能な少なくとも1台の特殊かごとを備えたマルチカーエレベータの群管理制御装置において、上記各かごの運転情報と呼びの登録情報を収集する群管理制御手段と、この群管理制御手段から上記各かごの運転情報と呼びの登録情報を取得し、これらの情報に基づいて上記各かごの運行線図を作成すると共に、その運行線図からかご同士の干渉が予測される場合に複数の干渉回避方法を想定してシミュレーションを実行し、そのシミュレーション結果から最適な干渉回避方法を選択するシミュレーション手段と、このシミュレーション手段によって選択された干渉回避方法に従って上記各号機の運転を制御するマルチカー制御手段とを具備する。
図1は追い越し可能なマルチカーエレベータの構成を示す図である。 図2は第1の実施形態に係るマルチカーエレベータの群管理制御装置の全体構成を示す図である。 図3は同実施形態におけるマルチカーエレベータの運転処理を示すフローチャートである。 図4は同実施形態におけるマルチカーエレベータの干渉回避方法を説明するための図であり、2台の号機が干渉するケースを示す図である。 図5は上記図4の2台の号機が干渉するケースに対応した各号機の運行線図である。 図6上記図4の2台の号機が干渉するケースに対する第1の干渉回避方法を説明するための運行線図である。 図7は上記図4の2台の号機が干渉するケースに対する第2の干渉回避方法を説明するための運行線図である。 図8は上記図4の2台の号機が干渉するケースに対する第3の干渉回避方法を説明するための運行線図である。 図9は同実施形態におけるマルチカーエレベータの干渉回避方法を説明するための図であり、3台の号機が干渉するケースを示す図である。 図10は上記図9の3台の号機が干渉するケースに対応した各号機の運行線図である。 図11は上記図9の3台の号機が干渉するケースに対する第1の干渉回避方法を説明するための運行線図である。 図12は上記図9の3台の号機が干渉するケースに対する第2の干渉回避方法を説明するための運行線図である。 図13は第2の実施形態における干渉回避方法を説明するための図であり、上記図4の2台が干渉するケースに対応した運行線図である。 図14は第3の実施形態におけるマルチカーエレベータの運転処理を示すフローチャートである。 図15は同実施形態におけるマルチカーエレベータの干渉回避方法を説明するための図であり、VIP運転号機が存在するケースを示す図である。 図16は上記図15のVIP運転号機が存在するケースに対応した各号機の運行線図である。 図17は上記図15のVIP運転号機が存在するケースに対する第1の干渉回避方法を説明するための運行線図である。 図18は上記図15のVIP運転号機が存在するケースに対する第2の干渉回避方法を説明するための運行線図である。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
まず、本発明が前提としている追い越し可能なマルチカーエレベータの構成について簡単に説明する。なお、以下で言う「エレベータ」とは基本的に乗りかごのことであり、複数存在する場合に号機とも言う。
図1はそのマルチカーエレベータの構成を示す図であり、2シャフトで3台のエレベータを備えたマルチカーエレベータの構成が示されている。
2つのシャフト11,12が水平方向に並設され、その中に乗りかご13,14が設けられている。乗りかご13,14は、それぞれに垂直方向に立設されたガイドレール15,16に支持され、一般的なエレベータの乗りかごと同様に上下方向(垂直方向)に移動する。
一方、この乗りかご13,14とは別に乗りかご17が設けられている。この乗りかご17は、垂直方向に立設されたガイドレール18,19を介して乗りかご13,14と同様に上下方向(垂直方向)に移動すると共に、水平方向に設けられた水平移動用のガイドレール20を介してシャフト11,12間を水平方向に移動することができる。これにより、乗りかご17は乗りかご13,14を追い越しながら進むことできる。なお、このマルチカーエレベータの具体的な構造については本発明とは直接関係しないため、その詳しい説明は省略するものとする。
以下では、上下方向に移動する一般的な乗りかご13,14のことを「一般かご」、水平方向に移動自在であり、追い越し可能な乗りかご17のことを「特殊かご」と称して、かご同士(一般かごと特殊かご)の干渉を回避する方法について説明する。
なお、「かご同士の干渉」とは、同一シャフト内に存在する2台のかごの間隔が所定距離以内にある状態のことを言う。つまり、同一シャフト内で2台のかごが互いに対向して走行している場合、一方が停止している場合、同一方向に走行している場合において、2台のかごが所定距離以内に接近した状態のことである。
(第1の実施形態)
図2は第1の実施形態に係るマルチカーエレベータの群管理制御装置の全体構成を示す図である。このマルチカーエレベータは、図1に示したように、上下方向に走行する2台の一般かご13,14と、上下方向に走行すると共に水平方向に移動可能な1台の特殊かご17を備える。
各階の乗場には、乗場呼びを登録するための乗場呼び登録装置21a,21b,21c…が設置されている。これらの乗場呼び登録装置21a,21b,21c…は、具体的には上方向または下方向を指定するための方向ボタンからなる。この方向ボタンの操作により、登録階と行先方向の情報を含む乗場呼びの信号が群管理制御装置30に転送される。
一方、一般かご13,14と特殊かご17には、かご呼びを登録するためのかご呼び登録装置22,23,24が設置されている。これらのかご呼び登録装置22,23,24は、具体的には行先階を指定するための複数の行先階ボタンからなる。この行先階ボタンの操作により、号機名と行先階の情報を含むかご呼びの信号が各かご13,14,17に対応した単体制御装置25,26,27を介して群管理制御装置30に転送される。
単体制御装置25,26,27は、群管理制御装置30の制御の下で、それぞれの管理下にある各かご13,14,17の運転制御を個別に行う。
群管理制御装置30は、各かご13,14,17の運転を統括的に制御するものであり、メインコントローラとして存在する。この群管理制御装置30は、例えばビル最上部の機械室などに設置され、図示せぬケーブルを介して単体制御装置25,26,27に電気的に接続されている。なお、群管理制御装置30、単体制御装置25,26,27は共にコンピュータによって構成される。
ここで、本実施形態において、群管理制御装置30は、群管理制御部31、シミュレーション部32、マルチカー制御部33が備えられている。
群管理制御部31は、単体制御装置25,26,27から各かご13,14,17の運転情報(現在位置、運転方向、戸開閉の状態など)、かご呼び、乗場呼びの登録情報を収集する。また、乗場呼び登録装置21a,21b,21c…により新たな乗場呼びが登録されると、群管理制御部31は、上記各かご13,14,17の運転情報に基づいて、所定の評価関数式を用いて当該乗場呼びを割り当てた場合の最適さを表す評価値を各かご毎に算出し、最も評価の高いかごに対し、乗場呼びの割当信号を出力する。なお、上記評価値は、その数値が小さいほど評価が高く、その数値が大きいほど評価が低くなることを示す。
シミュレーション部32は、群管理制御部31から各かご13,14,17の運転情報と呼びの登録情報を取得し、これらの情報に基づいて各かご13,14,17の運行線図を作成する。この運行線図は、1つのシャフト内に1台のかごが上下に走行するものとして、他のかごとの干渉を考慮せずに作成される。したがって、シャフト間を移動できる特殊かご17についても、現時点で存在するシャフトを上下方向のみ走行するものとして運行線図を作成する。
また、シミュレーション部32は、この運行線図からかご同士の干渉が予測される場合に複数の干渉回避方法を想定してシミュレーションを実行し、そのシミュレーション結果から干渉回避のために要した時間(以後、無駄時間と称す)を算出し、無駄時間が最も少ない方法を最適な干渉回避方法として選択する。
マルチカー制御部33は、シミュレーション部32によって選択された干渉回避方法に従って各かご13,14,17の運転を制御する。
次に、第1の実施形態の動作を説明する。
図3は同実施形態におけるマルチカーエレベータの運転処理を示すフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理は、コンピュータである群管理制御装置30によって実行される。
群管理制御装置30に設けられたシミュレーション部32は、一定間隔(例えば0.1秒)毎に群管理制御部31から各かご13,14,17の運転情報および呼び(かご呼び/乗場呼び)の登録情報を得て、これらの情報に基づいて各かご13,14,17の運行線図を作成している(ステップS1→S4)。
また、新たな呼び(乗場呼び/かご呼び)が発生したとき(ステップS2のYES)、あるいは、運行線図上の各かご13,14,17の位置と実際の各かご13,14,17の位置とを比べて、予め設定された値以上のズレ(例えば1秒間のズレ)が発生したときには(ステップS3のYES)、シミュレーション部32は、現在の運行線図を更新するべく、その時点の運転情報および呼びの登録情報に基づいて運行線図を改めて作成する(ステップS4)。
運行線図が作成されると、シミュレーション部32は、その運行線図からかご同士の干渉の有無を判断する(ステップ5)。かご同士の干渉が検出されない場合には(ステップS5のNO)、その旨がマルチカー制御部33に送られる。これにより、マルチカー制御部33では、各かご13,14,17を上下方向にのみ走行させる平常運転を行う(ステップS6)。
一方、かご同士の干渉が予測される場合には(ステップS5のYES)、シミュレーション部32は、複数の干渉回避方法を想定してシミュレーションを行う(ステップS7)。なお、干渉回避方法については後に詳しく説明する。そして、シミュレーション部32は、シミュレーション結果から最適な干渉回避方法を選択し(ステップS8)、マルチカー制御部33に知らせる。
これにより、マルチカー制御部33は、上記シミュレーション結果から得られた最適な干渉回避方法に従って各かご13,14,17を回避運転する(ステップS9)。また、呼びの追加や運行線図とのズレが生じない場合は、マルチカー制御部33は平常運転または回避運転を継続する(ステップ10)。この一連の動作を例えば0.1秒毎に行う。
以下に、シミュレーションと干渉回避方法について詳しく説明する。
今、一般かご13をA号機、一般かご14をB号機、特殊かご17をX号機と定義する。また、一般かご13が走行するシャフト11をAシャフト、一般かご14が走行するシャフト12をBシャフトと定義する。
シミュレーションを行う必要があるのは、かご同士の干渉が予測される場合である。しがって、A号機の運行線図とAシャフトを走行するX号機の運行線図、B号機の運行線図とBシャフトを走行するX号機の運行線図を比較した結果、各号機の運行線が重なった部分(時間、階床が共に同じである状態)を干渉発生位置と予測できる。
まず、干渉回避方法を決定するためには、以下の3点を判断する必要がある。
・X号機がA号機とB号機のどちらと先にすれ違うか。
・X号機はどのタイミングでシャフトを移動できるか。
・X号機がシャフト移動するだけで回避できない場合には、どの号機を減速または停止させるか。
まず、2台の号機が干渉するケースを例にして説明する。
図4は同実施形態におけるマルチカーエレベータの干渉回避方法を説明するための図であり、2台の号機が干渉するケースを示す図である。図中の点線枠は干渉発生位置を表している。
AシャフトではA号機がDN方向(下降方向)に走行中、BシャフトではB号機がDN方向に走行中である。このとき、X号機がBシャフトでB号機に向かってUP方向(上昇方向)に走行中であるとする。
図5は、図4の2台の号機が干渉するケースに対応した各号機の運行線図である。なお、戸開から戸閉までに10秒、シャフト移動に6秒かかるものとする。X号機がBシャフトを走行しているため、B号機とX号機が干渉してしまう。したがって、X号機をAシャフトに移動させなければならない。しかし、X号機を移動させるタイミングによって無駄時間が変わってくる。X号機を他方のシャフトに移動させるタイミングは、大きく3パターンに分けることができる。
1つ目は、図6に示すような上下方向に走行中のときである。上下走行中にシャフト移動ができれば、X号機のシャフト移動に費やす時間は0秒である。図6の例では、B号機に干渉回避のための減速や停止もさせていないため、無駄時間の合計は0秒である。
2つ目は、図7に示すような戸開前の停止中のときである。戸開前の停止中では、シャフト移動に費やす時間全てが無駄時間となる。図7の例では、B号機には干渉回避のための減速や停止をさせていないが、X号機はシャフト移動の時間が無駄時間となるので、無駄時間の合計は6秒である。
3つ目は、図8に示すような戸閉後の停止中である。戸閉後の停止中では、シャフト移動に費やす時間全てが無駄時間となる。さらに、図8の例では、X号機がAシャフトヘの移動が完了するまでB号機に待機させることになる。X号機もシャフト移動の時間が無駄時間となるので、無駄時間の合計は16秒である。
したがって、上記3パターンをシミレーションした結果では、無駄時間が最も少ない図6の干渉回避方法が選択されることになる。なお、上記3パターンの他にも、X号機をシャフト移動させる階床によって無駄時間が異なり、また、走行中と停止中の両方でシャフト移動する方法や、停止ではなく減速させる方法などもある。できるだけ多くの干渉回避方法でシミュレーションを行うことにより、最適な干渉回避方法を選出することができる。
次に、3台の号機が干渉するケースについて説明する。
図9は同実施形態におけるマルチカーエレベータの干渉回避方法を説明するための図であり、3台の号機が干渉するケースを示す図である。図中の点線枠は干渉発生位置を表している。
AシャフトではA号機がDN方向に走行中、BシャフトではB号機がUP方向に走行中である。このとき、X号機がAシャフトでA号機に向かってUP方向に走行中であるとする。
図10は、図9の3台の号機が干渉するケースに対応した各号機の運行線図である。なお、戸開から戸閉までに10秒、シャフト移動に6秒かかるものとする。X号機がAシャフトに存在するが、X号機をいつBシャフトに移動させるかで無駄時間に違いが出る。
図11はB号機を待機させてX号機がB号機を追い抜いてからX号機をシャフト移動させた場合である。図12はX号機を待機させてA号機とB号機が交差してからX号機をシャフト移動させた場合である。図11での無駄時間の合計は22秒、図12での無駄時間の合計は4秒である。
したがって、この2つの例では図12の方法の方が有効である。ただし、実際には他の方法もいろいろとシミュレーションした結果から最適な干渉回避方法が選択されることになる。
このように第1の実施形態によれば、かご同士が干渉する場合に、シミュレーション結果から最適な干渉回避方法を選択することができる。これにより、運行効率の低下をできるだけ抑えて、かご同士の干渉を回避しながら安全に運行することが可能となる。
なお、上記第1の実施形態では、無駄時間の最も少なかった干渉回避方法を選択するものとしたが、例えば乗場呼びの未応答時間や利用者の乗車時間なども考慮して干渉回避方法を選択することでも良い。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
上記第1の実施形態では、予測可能な範囲で作成された運行線図から干渉の有無を判断し、その干渉回避方法を決めていた。この場合、干渉の発生時間については考慮されていない。しかし、あまり先の干渉については、呼びの追加などにより、シミュレーション結果から大きくずれる可能性が高いため、早めに干渉を回避する運行に切り替えると効率が悪くなることがある。そこで、第2の実施形態では、現時点から予め設定された時間の範囲内に発生する干渉だけを対象にして干渉回避方法を決めるものとする。
なお、システム構成については上記第1の実施形態と同様であるため、ここでは図13の運行線図を用いて説明する。
図13は第2の実施形態における干渉回避方法を説明するための図であり、上記図4の2台が干渉するケースに対応した運行線図である。この例では、現時点から予測可能な時間までの各号機の運行状態が示されている。AシャフトではA号機がDN方向に走行中、BシャフトではB号機がDN方向に走行中である。このとき、X号機がBシャフトでB号機に向かってUP方向に走行中である。
上記第1の実施形態では、X号機がB号機とすれ違ったあと、A号機との干渉を考慮して干渉回避方法を決めなければならない。そこで、現時点から例えば40秒先までの範囲内で干渉の有無を判断するものとする。これにより、B号機とX号機での干渉のみを考慮した干渉回避方法でシミュレーションを行い、最適な干渉回避方法を選択することができる。
以後は、定期的あるいは呼びの追加、ズレの発生により新たに作成(更新)される運行線図を用いて、その都度、現時点から40秒先までの範囲内で干渉の有無を判断して干渉回避方法を決めれば良い。
このように第2の実施形態によれば、現時点で作成された運行線図から大きくずれる可能性の高い干渉を無視してシミュレーションを実行することができ、シミュレーションに要する時間を削減して効率的に干渉回避を行うことができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、追い越し可能なマルチカーエレベータにおいて、VIP運転中のかごが存在する場合を想定したものである。ここで言う「VIP運転」とは、優先運転のことであり、乗場に設置された図示せぬVIP専用の呼びボタンの操作によって切り替えられる。VIP運転中の特殊なかご(以後、VIP運転号機と称す)は、一般の乗場呼びには応答せずに、乗客が指定した目的階に向かう。
なお、システム構成については上記第1の実施形態と同様であるため、ここでは図14のフローチャートを用いて説明する。
図14は第3の実施形態におけるマルチカーエレベータの運転処理を示すフローチャートである。なお、ステップS11〜S16までの処理は図3のステップS1〜S6までの処理と同様である。
すなわち、一定間隔あるいは呼びの追加、ズレが発生したときのタイミングで運行線図が作成され(ステップS11〜S14)、かご同士の干渉の有無が判断される(ステップS15)。かご同士の干渉が検出されない場合には(ステップS15のNO)、各かご13,14,17が上下方向にのみに平常運転される(ステップS16)。
ここで、かご同士の干渉が予測された場合において、群管理制御装置30に設けられたシミュレーション部32は、群管理制御部31から得られる各かご13,14,17の運転情報に基づいて、VIP運転号機の有無を判断する(ステップS21)。VIP運転号機が存在する場合には(ステップS21のYES)、シミュレーション部32は、VIP用として設定されたシミュレーションを行う(ステップS22)。
以下に、VIP用シミュレーションについて説明する。
まず、VIP運転号機ありの場合は、VlP運転号機にかかる無駄時間を最小にする。つまり、エレベータ全体の無駄時間よりもVIP運転号機の無駄時間を優先して、干渉回避の方法を決める必要がある。
図15は同実施形態におけるマルチカーエレベータの干渉回避方法を説明するための図であり、VIP運転号機が存在するケースを示す図である。図中の点線枠は干渉発生位置を表している。また、黒丸印はVIP呼びを表している。
AシャフトではA号機がDN方向に走行中、BシャフトではB号機がDN方向に走行中である。ここで、X号機がAシャフトでVIP呼びに応答した後、VIP運転号機としてA号機に向かってUP方向に走行するものとする。
図16は、上記図15のVIP運転号機が存在するケースに対応した各号機の運行線図である。なお、戸開から戸閉までに10秒、シャフト移動に6秒かかるものとする。VIP運転号機であるX号機がUP方向に走行しているときにA号機と干渉してしまうので、X号機をBシャフトに移動させる必要がある。
図17と図18のような2パターンの干渉回避方法を比べてみる。図17は、X号機をAシャフトからBシャフトに移動させながらVIP呼びに応答した後、BシャフトでUP方向に走行させた場合である。図18は、X号機をAシャフトのままでVIP呼びに応答した後、そのままBシャフトに移動させてUP方向に走行させた場合である。
ここで、図17の干渉回避方法では無駄時間の合計は2秒、図18の干渉回避方法では無駄時間の合計は14秒である。無駄時間が少ないのは図17の干渉回避方法であるが、VIP運転号機ありの場合には図18の干渉回避方法を選択する。
なぜならば、VIP運転号機であるX号機の無駄時間は、図17の干渉回避方法では2秒、図18の干渉回避方法では0秒であり、図18の干渉回避方法が短いためである。なお、VIP運転号機の無駄時間が同じ場合には、無駄時間の合計の小さい干渉回避方法を選択することとする。
すなわち、VIP運転号機ありの場合には、シミュレーション部32は、VIP運転号機の無駄時間が小さくなるような干渉回避方法でシミュレーションを行い、そのシミュレーション結果の中から最適な干渉回避方法を選択する(ステップS18)。マルチカー制御部33は、上記シミュレーション結果から得られた最適な干渉回避方法に従って各かご13,14,17を回避運転する(ステップS19)。また、呼びの追加や運行線図とのズレが生じない場合は、マルチカー制御部33は平常運転または回避運転を継続する(ステップ20)。この一連の動作を例えば0.1秒毎に行う。
このように第3の実施形態によれば、VIP運転号機が存在する場合に、VIP運転号機の無駄時間が最も少なくなる干渉回避方法を選択することで、VIP運転の特殊性を損ねることなく、かご同士の干渉を回避しながら安全に運行できる。また、干渉回避方法の種類も減少するため、シミュレーションに要する時間を減らして、早めに回避運転に移行することができる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、水平移動可能な特殊かごを備えたマルチカーエレベータにおいて、運行効率をできるだけ低下させずに、かご同士の干渉を回避しながら安全に運行することのできるマルチカーエレベータの群管理制御装置を提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11,12…シャフト、13,14…一般かご、15,16…ガイドレール、17…特殊かご、18,19…ガイドレール、20…水平移動用のガイドレール、21a,21b,21c…乗場呼び登録装置、22〜24…かご呼び登録装置、25〜27…単体制御装置、30…群管理制御装置、31…群管理制御部、32…シミュレーション部、33…マルチカー制御部。

Claims (7)

  1. 2つのシャフトが水平方向に並設され、上記各シャフト内を上下に固定的に走行する少なくとも2台の一般かごと、上記各シャフトの間を水平方向に移動可能な少なくとも1台の特殊かごとを備えたマルチカーエレベータの群管理制御装置において、
    上記各かごの運転情報と呼びの登録情報を収集する群管理制御手段と、
    この群管理制御手段から上記各かごの運転情報と呼びの登録情報を取得し、これらの情報に基づいて上記各かごの運行線図を作成すると共に、その運行線図からかご同士の干渉が予測される場合に複数の干渉回避方法を想定してシミュレーションを実行し、そのシミュレーション結果から最適な干渉回避方法を選択するシミュレーション手段と、
    このシミュレーション手段によって選択された干渉回避方法に従って上記各号機の運転を制御するマルチカー制御手段と
    を具備したことを特徴とするマルチカーエレベータの群管理制御装置。
  2. 上記シミュレーション手段は、
    複数の干渉回避方法でシミュレーションを実行し、そのシミュレーション結果から干渉回避に要する無駄時間を算出し、その中で無駄時間が最も少ない干渉回避方法を選択することを特徴とする請求項1記載のマルチカーエレベータの群管理制御装置。
  3. 上記シミュレーション手段は、
    上記運行線図の中で現時点から予め設定された時間の範囲内に生じる干渉を対象として、上記各かごの無駄時間を算出することを特徴とする請求項2記載のマルチカーエレベータの群管理制御装置。
  4. 上記シミュレーション手段は、
    上記各かごの中に優先運転すべき特殊なかごが存在する場合に、上記特殊なかごの無駄時間が最も少ない干渉回避方法を選択することを特徴とする請求項2記載のマルチカーエレベータの群管理制御装置。
  5. 上記シミュレーション手段は、
    一定時間間隔毎に上記各かごの運行線図を作成し、その運行線図からかご同士の干渉が予測される場合に複数の干渉回避方法を想定してシミュレーションを実行することを特徴とする請求項1記載のマルチカーエレベータの群管理制御装置。
  6. 上記シミュレーション手段は、
    新たな呼びが追加されたときに上記各かごの運行線図を作成し、その運行線図からかご同士の干渉が予測される場合に複数の干渉回避方法を想定してシミュレーションを実行することを特徴とする請求項1記載のマルチカーエレベータの群管理制御装置。
  7. 上記シミュレーション手段は、
    上記運行線図上のかご位置と実際のかご位置とを比べて、予め設定された値以上のズレが発生しているときに上記各かごの運行線図を作成し、その運行線図からかご同士の干渉が予測される場合に複数の干渉回避方法を想定してシミュレーションを実行することを特徴とする請求項1記載のマルチカーエレベータの群管理制御装置。
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