JP2007136306A - トリガー式ポンプディスペンサ用の噴射ノズルバルブ及びこの噴射ノズルバルブを用いたトリガー式ポンプディスペンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バネ部11bと、該バネ部の一端側に形成されたスピンナー部11cと、前記バネ部の他端側に形成されたバルブ部11aと、を有する一体成形されたトリガー式ポンプディスペンサ1用の噴射ノズルバルブ11であって、前記スピンナー部11cには、前記バネ部に沿って前記バルブ部側に延出するスピンナー腕部11c1が形成され、前記バルブ部11aには、前記バネ部11bに沿って前記スピンナー部側に延出するバルブ腕部11a1が形成され、スピンナー腕部11c1とバルブ腕部11a1とが相互に切り離し可能に連結されていることを特徴とするトリガー式ポンプディスペンサ用の噴射ノズルバルブ。
【選択図】図3
Description
より詳しくは、一体成形され寸法安定性に優れたトリガー式ポンプディスペンサ用の噴射ノズルバルブ及びこの噴射ノズルバルブを用いたトリガー式ポンプディスペンサに関する。
この特許文献1に記載のポンプディスペンサには、トリガーを引いた時にノズルから液体を噴射させるために噴射ノズルバルブが、液体案内パイプの水平部に設けられている。
この噴射ノズルバルブとしては、例えば、図11に示す形態のものが公知となっている。
スピンナー部102は、液体の流路を絞り、液体を勢い良く噴射させるためのものであり、バルブ部103は、液体の流れをON/OFFするためのものである。
ここで、例えば、スピンナー部102やバルブ部103は樹脂製、またバネ部101は、金属製又は樹脂製のものが用いられる。
なお、上記噴射ノズルバルブ100は、スピンナー機能、バルブ機能及びスプリング機能とが、各部材101,102,103により発揮され、いわば三機能別体型のものである。
このようなことから、図12に示すように噴射ノズルバルブ200を一体成形品としたものが開発されたが、射出成形後の熱収縮によりバネ部200aが変形して噴射ノズルバルブ200の全長が安定せず、且つ、噴射ノズルバルブ200の同軸度が悪くなるという問題があった。
なお、上記噴射ノズルバルブ200は、スピンナー機能、バルブ機能及びスプリング機能とを、有する一体成形品であり、いわば三機能一体型のものである。
すなわち、本発明は、部品点数が少なく寸法安定性に優れ、且つバネ部の形状が安定したトリガー式ポンプディスペンサ用の噴射ノズルバルブ、及びこの噴射ノズルバルブを用いたトリガー式ポンプディスペンサを提供することを目的とする。
また、バネ部の捩れが生じなくバネの形状が安定した状態で使用することができる。
図1は、本発明のトリガー式ポンプディスペンサ用の噴射ノズルバルブを用いたトリガー式ポンプディスペンサの一実施形態を示している。
なお図1は、トリガー式ポンプディスペンサ1のバージンシールが解除される前の状態を示している。
この実施形態のトリガー式ポンプディスペンサ1は、容器の口部に螺合して取り付けられる円筒状のキャップ2と、この円筒状のキャップ2に内挿して固定される多段筒状の本体部3と、を有している。
また、本体部3には多段筒状のシリンダ4が内挿されている。
本体部3の上端付近において、液体を噴射させる際の引き金としての役割を果たすトリガー部材7が本体部3に取り付けられている。
トリガー部材7は取手部3aの直ぐ上に位置する回動軸Kを中心に回動自在である。
すると、ピストン部材8A、8B、8Cが下降し、ノズル口Nから液体が噴射される。
この延出部8Aaの内側の空間と、ピストン部材8A〜8Cで構成される流路とは連通されてL字状の流路が形成されている。
そして、このL字状の流路にシリンダ部材10が内挿され固定される。
また、シリンダ部材10の先端側の外周には螺子部10aが形成され、この螺子部10aには、雌螺子が形成された捩込みノズル9が螺着される。
そのため、捩込みノズル9を捩込んで回転させると、捩込みノズル9は、液体噴射方向と平行な方向(図1でいう右方向)に沿って移動する。
因みに、図1では、捩込みノズル9の捩込みによって、噴射ノズルバルブ11が図でいう右方向に押し込まれておりバルブ部11aが着座した状態となっている。
また、この捩込みノズル9の外周面には、捩込み易いように滑止め機能が付与されている。
図3は斜視図、及び図4は側面図であり、また図5は正面図(スピンナー部側から視た図)、及び図6は背面図(バルブ部側から視た図)である。
バネ部11bは帯体を蛇腹状に折り曲げた形状であり、このバネ部11bの一端側にスピンナー部11cが形成され、またバネ部11bの他端側にはバルブ部11aが形成されている。
蛇腹状のバネ部11bは、コイルバネ形状と異なって、抜き型が容易となる利点がある。
そして噴射ノズルバルブ11は、上記スピンナー部11c、バネ部11b、及びバルブ部11aとを一体に射出成形してなる成形品となっている。
同様に、バルブ部11aには、バネ部11bに沿ってスピンナー部11c側に延出するバルブ腕部11a1が二本形成されている。
スピンナー腕部11c1及びバルブ腕部11a1を二本ずつ形成したため、噴射ノズルバルブ11の幾何学的対称性が増し、射出成形時の熱収縮の対称性が向上し、全体的に均一な寸法精度が保証される。
また、図で分かるように、スピンナー腕部11c1とバルブ腕部11a1の間に支持されるようにバネ部11bが形成されているために、バネ部の温度変化による収縮が防止される。
このスピンナー手部11c1aとバルブ手部11a1aとには、それぞれ一方の手部が他方の手部に係合する段差部11c1b、段差部11a1bとして形成されている。
そのため、スピンナー部11cをどちらの方向(すなわち正又は逆方向)に回転させてもバルブ部11aと供回りするようになっている。
従って、バネ部11bが捩れることがないので、バネ力が不均一になるのを確実に防止することができる。
この薄肉部11dは、後述するように、バルブ部11aとスピンナー部11cとの接近により引き伸ばされて切断可能なような薄さとなっている。
このコーン状突起11a2は、組付け時におけるパーツフィーダでの方向性を高め、且つ搬送性を向上させる。
また、コーン状突起11a2の根元には環状溝11a3が形成されている。
この環状溝11a3により、バルブ部11aの一面を構成する球面11a5(すなわちシリンダ部材10の弁座に対する当接面)に、射出成形後の成形品の熱収縮の影響により、いわゆるヒケ現象が発生して変形するのを防止することができる。
すなわち環状溝11a3を設けることより、バルブ部11aの球面体の肉厚が薄くなってヒケ現象が発生し難くなるのである。
この羽部11a4により噴射ノズルバルブ11自体の動きが拘束され、また羽部11a4の相互間を液体が通過することができる。
同様に、スピンナー部11cにも四枚の羽部11c2が形成されており、バルブ部11aの羽部11a4と同じ役割を果たす。
なお、バージンシールとは、使い初めに解除されて使用可能となるためのシール機能をいう。
図8(a)の状態は、図1に示す製品出荷時であり、トリガー式ポンプディスペンサ1に組み込まれた噴射ノズルバルブ11の状態を示す。
この状態ではトリガー式ポンプディスペンサ1が使用できず、例えば不用意に液体が噴射することがないため、液体が殺虫剤等の有害物質である場合には、特に有効である。
この場合、噴射ノズルバルブ11の先端と捩込みノズル9の先端内面との摩擦力によって、噴射ノズルバルブ11は捩込みノズル9の回転に伴って一緒に回転する。
しかし、スピンナー部11cとバルブ部11aとがバネ部11bを介して一体に連結されているために、全体的に同体となって供回りしてバネ部11bに捩れが生ずることはない。
これでスピンナー部11c、バルブ部11a、及びバネ部11bは、相互に分離されて孤立化し、バネ部11bの弾圧機能が発揮されることとなる。
この状態では、バルブ部11a(詳しくはバルブ部11aの球面11a5)は、シリンダ部材10の弁座部10cから離脱することは不可能であり、いわゆる「ロック状態」となる。
なお、このロック状態で、捩込みノズル9は、それがシリンダ部材10の環状突起10bに当接して停止するような設計とすることが好ましい。
図9(a)は、捩込みノズル9を捩込み方向に回転させて噴射ノズルバルブ11を図でいう右方向(すなわち液体流出方向と逆方向)に移動させる途中の状態である。
この状態では、バルブ部11aは、液圧を受けることによりシリンダ部材10の弁座部10cから容易に離脱することができる。
スピンナー手部11c1aとバルブ手部11a1aとの間で相互に移動の自由度があるためである。
なお これら噴射ノズルバルブ11の移動は、シリンダ部材10内に配設されたガイド部材12に沿って摺動することで行われる。
すなわち、このトリガー式ポンプディスペンサ1が液体容器に取り付けられている場合、トリガー部材7を引くとシリンダ4からの液圧によってバルブ部11aの球面11a5は弁座部10cから容易に離れ、液体はノズル口Nから噴射することができる〔図9(c)参照〕。
ところで図9(c)の状態は液圧により噴射可能な状態であるが、この状態から、更にスピンナー手部11c1aとバルブ手部11a1aとが接触するまで捩込みノズル9を捩込むと、球面11a5は弁座部10cに着座して前述したロック状態となる。
図10は、そのロック状態を示す。
例えば、上述した実施形態では、スピンナー手部11c1aとバルブ手部11a1aを段差部により係合させた例について説明したが、目的に沿う限りこの係合部の形状の変更は当然可能である。
また、スピンナー部やバルブ部の形状も、当然、変形が可能である。
更にまた、実施の形態では薄肉部によるバージンシールを示したが、トリガー式ポンプディスペンサの一部に別のバージンシールを設けることも当然可能である。
2 キャップ
3 本体部
3a 取手部
4 シリンダ
5 チューブ
6 バルブ
7 トリガー部材
7a 窪み部
8A〜8C ピストン部材
8Aa 延出部
9 捩込みノズル
10 シリンダ部材
10a 螺子部
10b 環状突起
10c 弁座部
11 噴射ノズルバルブ
11a バルブ部
11a1 バルブ腕部
11a1a バルブ手部
11a1b 段差部
11a2 コーン状突起
11a3 環状溝
11a4 羽部
11a5 球面
11b バネ部
11c スピンナー部
11c1 スピンナー腕部
11c1a スピンナー手部
11c1b 段差部
11c2 羽部
11c3 円板部
11c3a スリット
11d 薄肉部
12 ガイド部材
100 噴射ノズルバルブ
101 バネ部
102 スピンナー部
103 バルブ部
200 噴射ノズルバルブ
200a バネ部
K 回動軸
N ノズル口
Claims (8)
- バネ部と、
該バネ部の一端側に形成されたスピンナー部と、
前記バネ部の他端側に形成されたバルブ部と、
を有する一体成形されたトリガー式ポンプディスペンサ用の噴射ノズルバルブであって、
前記スピンナー部には、前記バネ部に沿って前記バルブ部側に延出するスピンナー腕部が形成され、
前記バルブ部には、前記バネ部に沿って前記スピンナー部側に延出するバルブ腕部が形成され、
スピンナー腕部とバルブ腕部とが相互に切り離し可能に連結されていることを特徴とするトリガー式ポンプディスペンサ用の噴射ノズルバルブ。 - 前記スピンナー腕部の先端と前記バルブ腕部の先端とは薄肉部を介して連結されたことを特徴とする請求項1記載のトリガー式ポンプディスペンサ用の噴射ノズルバルブ。
- 前記スピンナー腕部及び前記バルブ腕部は、二本ずつ形成され、
前記二本ずつ形成されたスピンナー腕部及びバルブ腕部は、前記バネ部を挟んで対を成すように配置され、
前記スピンナー腕部及び前記バルブ腕部の先端にはそれぞれスピンナー手部及びバルブ手部が形成され、
前記スピンナー手部と前記バルブ手部とにはそれぞれ一方の手部が他方の手部に係合する段差部が形成され、
前記対を成す位置に配置された段差部は、前記スピンナー部の回転方向において互い違いの向きに形成され、前記スピンナー部をどちらの方向に回転させても前記バルブ部と供回りするようにしたことを特徴とする請求項1に記載のトリガー式ポンプディスペンサ用の噴射ノズルバルブ。 - 前記バネ部は帯材を蛇腹状に折り曲げた形状にされたことを特徴とする請求項1に記載のトリガー式ポンプディスペンサ用の噴射ノズルバルブ。
- 前記薄肉部は引っ張り力を受けることにより切断するものであることを特徴とする請求項2記載のトリガー式ポンプディスペンサ用の噴射ノズルバルブ。
- 前記薄肉部はスピンナー部とバルブ部とが接近することにより切断するものであることを特徴とする請求項5記載のトリガー式ポンプディスペンサ用の噴射ノズルバルブ。
- 前記請求項1に記載のトリガー式ポンプディスペンサ用の噴射ノズルバルブを組み込んだトリガー式ポンプディスペンサ。
- 回転することにより液体噴射方向に移動する捩込みノズルを備え、
前記捩込みノズルの押圧力によってスピンナー部とバルブ部とが接近しスピンナー腕部とバルブ腕部との連結が切断されることを特徴とする前記請求項7に記載のトリガー式ポンプディスペンサ用の噴射ノズルバルブを組み込んだトリガー式ポンプディスペンサ。
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