JP2007131787A - 着色分散液、インク組成物、それを用いた画像形成方法、及び印刷物 - Google Patents

着色分散液、インク組成物、それを用いた画像形成方法、及び印刷物 Download PDF

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Abstract

【課題】 微細な着色剤の分散性及びその安定性に優れ、鮮明な色調と高い着色力を有する高画質の画像を形成することができ、活性エネルギー線の照射により硬化しうる、インクジェット記録用として好適なインク組成物、及び、該インク組成物を用いた画像形成方法を提供する。さらに、活性エネルギー線の照射により硬化可能であり、鮮明な色調と高い着色力を有するインク組成物を用いて得られた印刷物を提供する。
【解決手段】
少なくとも着色剤と、下記一般式(1)で表される化合物、高分子分散剤、および重合性分散剤を含む分散液であり、該重合性化合物の含有量が50質量%以上であることを着色分散液。および該分散液を含むインク組成物。
Figure 2007131787

〔式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基もしくは置換基を有していてもよいアリール基を表す。R〜Rのうち、いずれか2つが連結して環を形成していてもよい。〕
【選択図】 なし

Description

本発明は、着色分散液及びこれを用いたインク組成物に関するものであり、またインクジェット記録用として好適に用いられるインク組成物、画像形成方法、およびこれを用いた記録物に関するものである。詳しくは、着色剤の分散性が良好で発色性に優れ着色分散液と、それを用いた活性エネルギー線の照射により硬化し、高画質の画像を形成することが可能なインクジェット記録用に好適なインク組成物、それを用いた画像形成方法、および記録物に関するものである。
画像データ信号に基づき、紙などの被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。なかでも、インクジェット方式は、安価な装置で実施可能であり、且つ、必要とされる画像部のみにインクを吐出して被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。さらに、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
インクジェット方式によれば、普通紙のみならずプラスチックシート、金属板など非吸水性の被記録媒体にも印字可能であるが、印字する際の高速化及び高画質化が重要な課題となっており、印字後の液滴の乾燥、硬化に要する時間が、画像の鮮鋭度に大きく影響する性質を有している。
インクジェット方式の一つとして、活性エネルギー線の照射により、硬化可能なインクジェット記録用インクを用いた記録方式がある。この方法によれば、印字後直ちに活性エネルギー線照射し、インク液滴を硬化させることで鮮鋭な画像を形成することができる。
このような硬化性インク組成物は、発色性に優れた高精細画像を形成するため、重合性化合物中での高い顔料分散性とその経時的な安定性が求められる。インク組成物に鮮明な色調と高い着色力を付与するためには、顔料の微細化が必須である。特に、インクジェット記録用に用いられるインクでは、吐出されるインク液滴が画像の鮮鋭度に大きな影響を与えるため、吐出液滴も少量となり、且つ、該インクより形成されるインク硬化膜の膜厚よりも微細な粒子を用いることが必須となる。このように、高い着色力を得るために顔料粒子をより微細化していくと、微粒子の分散が困難になり、凝集体が発生しやすくなる。また、分散剤の添加により組成物の粘度が上昇するといった問題も生じる。顔料凝集体の発生やインク組成物の粘度上昇はいずれもインク吐出性に悪影響を与え、インク組成物への使用は好ましくない。
また、インク組成物をインクジェット記録用として用いる場合には、インク組成物はカートリッジ内に収納され、吐出時には加熱され、非吐出時、保存時には降温するため、加熱−冷却の繰り返し温度変化を受ける。この温度変化もまた、顔料分散性に悪影響を与え、経時的に顔料の分散性が低下し、増粘、凝集などが生じやすくなるという問題もあった。
従って、重合性化合物中で充分な流動性を有し、かつ微細化された顔料を安定に分散させ、さらに、顔料分散の経時安定性に優れるインク組成物が求められている。このような安定な顔料分散液を得るための分散剤については、種々の提案がなされている。
顔料との親和性を向上させるため、顔料誘導体を分散剤として使用したインク組成物(例えば、特許文献1および2参照。)や、フタロシアニン、キナクリドン系などの特定の顔料に対し、分散剤として塩基性基を有するポリマーを用いたインク組成物(例えば、特許文献3参照。)、ポリ(エチレンイミン)−ポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)グラフトポリマーなどの分散剤と該分散剤を溶解させる特定のモノマーを含有する、有機溶剤を用いないインク組成物(例えば、特許文献4参照。)が提案されている。
これらのインク組成物は該分散剤の機能により、確かに従来のものより顔料の分散安定性は向上しているものの、使用されている顔料の微細化への対応としては不十分であり、さらなる微小な顔料粒子における分散性向上の必要があった。さらに、長期間あるいは温度変化を繰り返した際の分散安定性が未だ不十分であるという問題があった。
さらに、特定のアミン化合物を分散剤として使用した顔料分散物が提案されている(例えば、特許文献5参照。)。しかし、該分散剤においても重合性化合物中での顔料分散液の安定性は未だ不十分であり、硬化性インク組成物として所望の着色分散液を得ることはできていない。
特開2003−119414号公報 特開2004−18656号公報 特開2003−321628号公報 特開2004−131589号公報 特開平9−272811号公報
本発明の目的は、微細な顔料の分散性及びその安定性に優れ、鮮明な色調と高い着色力を有する高画質の画像を形成することができ、活性エネルギー線の照射により硬化しうる、着色分散液、インクジェット記録用として好適なインク組成物、及び、該インク組成物を用いた画像形成方法を、それぞれ提供することにある。
また、本発明の他の目的は、活性エネルギー線の照射により硬化可能であり、鮮明な色調と高い着色力を有するインク組成物を用いて得られた記録物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、特定の塩基性化合物と高分子分散剤(以下高分子化合物ということがある。)を用いることで、重合性化合物中での着色剤分散性に優れ、また、長期の保存、或いは、繰り返し温度変化を経た後でも分散安定性の低下が効果的に抑制された着色剤分散安定性に優れた着色分散液及びインク組成物が得られることを見出し、この知見に基づきこの本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
<1>少なくとも顔料と、下記一般式(1)で表される化合物、高分子分散剤、および重合性化合物を含む分散液であり、該重合性化合物の含有量が50質量%以上であることを特徴とする着色分散液
Figure 2007131787
〔式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基もしくは置換基を有していてもよいアリール基を表す。R〜Rのうち、いずれか2つが連結して環を形成していてもよい。〕
<2>前記高分子分散剤がグラフト型高分子であることを特徴とする<1>に記載の着色分散液
<3>前記高分子分散剤がさらに複素環基を有することを特徴とする<1>または<2>に記載に分散液
<4>前記重合性化合物の25℃における粘度が30mPa・s以下であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の着色分散液
<5>前記分散液を含む<1>〜<4>のいずれかに記載のインク組成物
<6>前記インク組成物がさらに重合開始剤を含むことを特徴とする<5>に記載のインク組成物
<7>インクジェット用であることを特徴とする<5>または<6>に記載のインク組成物
<8> <5>〜<7>のいずれか1項に記載のインク組成物を用いて被記録媒体に画像記録する工程と前記画像記録工程において被記録媒体上に記録された画像に活性エネルギー線を照射する画像硬化工程を含むことを特徴とする画像形成方法
<9> <5>〜<7>のいずれか1項に記載のインク組成物を硬化させてなることを特徴とする記録物
<10> 被記録媒体上に、インク組成物をインクジェットプリンターにより記録した後、活性エネルギー線を照射してインク組成物を硬化させてなる<9>に記載の記録物
本発明のインク組成物は、通常の印刷に使用して、発色性に優れた鮮鋭な画像を形成することができる。さらにはレジスト、カラーフィルター、光ディスク、光造形材料としても有用な印刷物を提供することができる。
また、本発明の画像形成方法を適用することで、非吸収性の被記録媒体上にも、高品質の画像をデジタルデータに基づき直接形成しうることから、本発明のインク組成物は大面積の印刷物の作製にも好適に使用される。
本発明の着色分散液は、微細な顔料(着色剤)の分散性及びその安定性に優れ、鮮明な色調と高い着色力を有する高画質の画像を形成することができ、活性エネルギー線の照射により硬化しうる、そしてそれを用いてインクジェット記録用として好適なインク組成物、及び、該インク組成物を用いた画像記録方法を提供することができる。
また、本発明の上記画像記録方法による記録は、活性エネルギー線の照射により硬化可能であり、鮮明な色調と高い着色力を有するインク組成物を用いて得られた、高品質な画像が形成されているという効果を奏する。
本発明の着色分散液は、少なくとも顔料と、下記一般式(1)で表される化合物と、高分子分散剤と、重合性化合物を含む分散液であり、該重合性化合物の含有量が50質量%以上であることを特徴とする。
Figure 2007131787
〔式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基もしくは置換基を有していてもよいアリール基を表す。R〜Rのうち、いずれか2つが連結して環を形成していてもよい。〕
本発の着色分散液は、重合性化合物の機能により、何らかのエネルギーを付与することで硬化することが好ましく、より好ましくは重合開始剤を含有し、活性エネルギー線の照射により硬化する組成物である。ここで活性エネルギー線とは、その照射によりインク組成物中において開始種を発生させうるエネルギーを付与することができるものであれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含するものであるが、なかでも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線、LEDおよび電子線が好ましく、特に紫外線、LEDが好ましい。したがって、本発明のインク組成物としては、放射線として、紫外線を照射することにより硬化可能なインク組成物が好ましい。
以下、本発明の着色分散液に用いられる各構成成分について順次説明する。
[一般式(1)で表される化合物]
まず、本発明における特徴的な成分である一般式(1)で表される化合物について説明する。
Figure 2007131787
〔式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基もしくは置換基を有していてもよいアリール基を表す。R〜Rのうち、いずれか2つが連結して環を形成していてもよい。〕
式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基もしくはアリール基を表す。
アルキル基としては炭素数1以上32以下が好ましく、2以上20以下がより好ましく、4以上18以下が特に好ましい。前記アルキル基は置換基を有していても良く、置換基としては、アリール基、アルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、イミダゾリル基、ピリジル基等が挙げられる。
前記アルキル基としては、エチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基、2−ヒドロキシエチル基、6−ヒドロキシヘキシル基、8−ヒドロキシオクチル基、7,8−ジヒドロキシオクチル基、11,12−ジヒドロキシドデシル基、2−メトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、6−ブトキシヘキシル基、8−ブトキシオクチル基、3−カルボキシプロピル基、4−カルボキシブチル基、8−カルボキシオクチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル基、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル基、6−(N,N−ジメチルアミノ)ヘキシル基、8−(N,N−メチルアミノ)オクチル基、8−(N,N−ジエチルアミノ)オクチル基等が好ましく挙げられ、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基、8−ヒドロキシオクチル基、7,8−ジヒドロキシオクチル基、11,12−ジヒドロキシドデシル基、6−(N,N−ジメチルアミノ)ヘキシル基、8−(N,N−ジメチルアミノ)オクチル基、8−(N,N−ジエチルアミノ)オクチル基が特に好ましい。
アリール基としては、炭素数6以上32以下が好ましく、6以上20以下がより好ましく、6以上18以下が特に好ましい。前記アリール基は置換基を有していても良く、置換基としては、アリール基、アルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、イミダゾリル基、ピリジル基等が挙げられる。上記アリール基の具体例としてはフェニル基、ナフチル基、2−メトキシフェニル基、2−デシルオキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−オクチルオキシナフチル基、ジメチルアミノフェニル基、2−ドデシルチオフェニル基、4−(4−メチルフェニルチオキシ)フェニル基、2−メトキシ−4−ドデシルチオキシフェニル基、2−フェノキシエトキシフェニル基、2−ドデシルオキシフェニル基、2−オクタデシルオキシフェニル基、2,5−ジベンジルオキシフェニル基、2,5−ジシクロへキシルメチルオキシフェニル基、2−メトキシ−4−(2−エチルヘキサノイルアミノ)フェニル基、2−ブトキシ−4−ベンジルオキシカルボニルアミノフェニル基、2−オクチルオキシ−4−ブチルオキシカルボニルアミノフェニル基が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表される化合物の具体例としては、ジエチルアミン、ジヘプチルアミン、ジブチルヘキサデシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N,N’,N’−(テトラヒドロキシエチル)−1,2−ジアミノエタン、N,N,N’−トリ(ヒドロキシエチル)−1,2−ジアミノエタン、N,N,N’,N’−テトラ(ヒドロキシエチルポリオキシエチレン)−1、2−ジアミノエタン、1,4−ビス(2−ホドロキシエチル)ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−(3−アミノプロピルイミダゾール)、N,N−ジメチルベンジルアミン、等が挙げられる。
本発明の着色分散液における一般式(1)で表される化合物の含有量としては、着色剤(顔料)100質量部に対し、通常、0.1〜100質量部が好ましく、0.5〜50質量部がより好ましく、1〜30質量部が特に好ましい。上記含有量が、0.1質量部未満であると、分散組成物の粘度が上昇することがあり、100質量%を超えると、インク組成物としての硬化性が低下することがある。
本発明における分散液においては、さらに高分子分散剤を含む。高分子分散剤としては公知のものを使用することができ、具体的には、味の素ファインテクノ製「アジスパーPB821、PB822、PB817」、日本ルーブリゾール社製「ソルスパーズ24000GR、32000」、楠本化成製「ディスパロンDA―703―50、DA−705、DA−725」、BYK Chemie社製「Disperbyk−110、130、161、162、163、164、165、166、170」、Efka
CHEMICALS社製「エフカポリマー100、150、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、共栄社化学社製「フローレン
TG−710」等が挙げられる。
本発明における高分子分散剤としてはグラフト重合体のような高分子化合物であることが特に好ましい。グラフト鎖としては公知の重合体を使用することができ、例えばポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン類、ポリビニルエーテル類、ポリウレタン類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリエーテル類等が挙げられ、これらは使用する重合性化合物との親和性にあわせ適宜選択することができる。
本発明におけるグラフト重合体としては、特に末端にエチレン性不飽和二重結合を有するアルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートから形成される重合性オリゴマーを重合単位として含むグラフト重合体であることが好ましい。
前記重合性オリゴマーは、それ自身が既に高分子量を有する化合物であることからマクロモノマーとも呼ばれる。このようなマクロモノマーを使用してグラフトポリマーを作製することで、所望の溶解度や鎖長(分子量)の枝部を有するポリマーを容易に得ることができ、機能を勘案した分子設計に基づく分散剤を容易に得ることができる。
前記重合性オリゴマーは、ポリマー鎖部分とその末端のエチレン性不飽和二重結合を有する重合可能な官能基の部分からなる。このようなエチレン性不飽和二重結合を有する基は、ポリマー鎖の一方の末端にのみ有することが、所望のグラフト重合体を得るという観点から好ましい。
また、重合性オリゴマーは、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1000〜20000の範囲にあることが好ましく、特に、2000〜10000の範囲が好ましい。
前記ポリマー鎖の部分は、アルキル(メタ)アクリレートモノマーから形成される単独重合体あるいは共重合体であることが一般的である。尚、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」を意味するものとする。
エチレン性不飽和二重結合を有する基は、(メタ)アクリロイル基、ビニル基が好ましく、特に(メタ)アクリロイル基が好ましい。
前記重合性オリゴマーは、下記一般式(2)で表されるオリゴマーであることが好ましい。
Figure 2007131787
[但し、R11及びR13は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表し、R12は炭素原子数1〜12のアルキレン基(好ましくは炭素原子数2〜8のアルキレン基であり、置換基(例えば水酸基)を有していても良く、さらにエステル結合、エーテル結合、アミド結合等を介して連結していても良い。R11は水素原子またはメチル基が好ましく、R13は水素原子またはメチル基が好ましい。R12はエチレン基、トリメチレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、およびこれらがエステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、ウレタン結合、あるいはウレア結合を介して結合した連結基が好ましい。Yは、フェニル基、炭素原子数1〜4のアルキル基を有するフェニル基又は−COOR14(但し、R14は、炭素原子数1〜12のアルキル基、フェニル基又は炭素原子数7〜10のアリールアルキル基を表す)を表し、そしてqは20〜200である。]
前記重合性オリゴマー(マクロモノマー)の好ましい例としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート及びポリ−i−ブチル(メタ)アクリレートの分子末端の一個に(メタ)アクリロイル基が結合したポリマーを挙げることができる。市場で入手できるこのような重合性オリゴマーとしては、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー(Mn=6000、商品名:AS−6、東亜合成化学工業(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AA−6、東亜合成化学工業(株)製)及び片末端メタクリロイル化ポリ−n−ブチルアクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AB−6、東亜合成化学工業(株)製)を挙げることができる。
さらに本発明における高分子化合物は、複素環基を有していることが特に好ましい。該複素環残基としてはチオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、イミダゾール、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、キナクリドン、アントラキノン、フタルイミド、キナルジン、キノフタロン等が挙げられる。これらの内、ベンズイミダゾロン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノン、イミダゾールおよびフタルイミドが特に好ましい。
本発明における高分子化合物としては下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有する重合体であることが好ましい。
Figure 2007131787
〔Rは水素原子またはメチル基を表す。Jは−CO−、−COO−、−CONR−、−OCO−、またはフェニレン基を表し、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基をあらわす。Wは単結合または2価の連結基を表す。Pは複素環残基を表す。〕
式(3)中、Jは、−CO−、−COO−、−CONR−、−OCO−、またはフェニレン基を表し、Rは水素原子、アルキル基(好ましくは例えば炭素数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−ヒドロキシエチル基、など)、アリール基(好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えばフェニル基)を表す。これらの内、Jとしては−COO−、−CONH−、フェニレン基が好ましい。
Wは、単結合又は2価の連結基を表す。前記2価の連結基としては、例えば、直鎖、分岐若しくは環状のアルキレン基、アラルキレン基等が挙げられ、これらは置換基を有してもよい。前記Wで表されるアルキレン基としては、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましい。例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基等が挙げられ、中でもメチレン基、エチレン基、プロピレン基等は特に好ましい。前記Wで表されるアラルキレン基としては、炭素数7〜13のアラルキレン基が好ましく、例えば、ベンジリデン基、シンナミリデン基等が挙げられる。前記Wで表されるアリーレン基としては、炭素数6〜12のアリーレン基が好ましく、例えば、フェニレン基、クメニレン基、メシチレン基、トリレン基、キシリレン基等が挙げられ、中でもフェニレン基は特に好ましい。また、各2価の連結基中には、−NR−、−NR−、−COO−、−OCO−、−O−、−SONH−、−NHSO−、−NHCOO−、−OCONH−、又は複素環から誘導される基、が結合基として介在されていてもよい。前記R、Rは、それぞれ独立に水素又はアルキル基(好ましくは炭素数1〜12)を表し、水素、メチル基、エチル基、プロピル基等が好適に挙げられる。
前記Wで表される連結基の中でも、単結合、アルキレン基が特に好ましく、メチレン基、エチレン基、2−ヒドロキシプロピレン基が特に好ましい。
式(3)中、Pは複素環基を表し、該複素環基としては好ましくはヘテロ原子として、硫黄、酸素、窒素原子などを少なくとも1個含む4〜12員環の複素環基を表し、例えばチオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、イミダゾール、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、キナクリドン、アントラキノン、フタルイミド、キナルジン、キノフタロン等が挙げられる。これらの内、ベンズイミダゾロン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノン、およびフタルイミドが特に好ましい。さらに、これらの複素環基は使用する着色剤に類似する複素環基であることが特に好ましい。具体的には、キナクリドン系顔料に対してはアクリドン、アントラキノン等が本発明においては特に好適に用いられる。
上記高分子化合物の重量平均分子量(Mw)としては、2000〜100000の範囲が好ましく、特に3000〜20000の範囲が好ましい。上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(キャリア:テトラヒドロフラン)により測定されるポリスチレン換算重量平均分子量である。
上記高分子化合物の本発明の分散液中における含有量としては、0.1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。上記含有量が1質量%未満であると、分散中に増粘することがあり、30質量%を超えると増粘することがある。
また、本発明の顔料分散組成物における一般式(1)で表される化合物と上記高分子分散剤の配合比として、高分子分散剤は一般式(1)で表される化合物に対して0.5〜50倍量配合することが好ましく、1〜20倍量配合することがより好ましく、2〜10倍量配合することが特に好ましい。
〔重合性化合物〕
本発明における着色分散液に好適に用いられる重合性化合物としては、何らかのエネルギー付与により重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、モノマー、オリゴマー、ポリマーの種を問わず使用することができるが、特に、所望により添加される重合開始剤から発生する開始種により重合反応を生起する、カチオン重合性モノマー、ラジカル重合性モノマーとして知られる各種公知の重合性のモノマーが好ましい。これらのうち、溶解度パラメータが17〜21MPa1/2である重合性化合物を使用することが特に好ましい。さらに、25℃における粘度は30mPa・s以下であるモノマーが好ましく、20mPa・s以下であることが特に好ましい。
本発明のインク組成物には、前記分散液に用いられる重合性化合物と同じ化合物でもよく、異なる化合物でも好適に使用しうる。インク組成物中においては重合性化合物は反応速度や、インク物性、硬化膜物性等を調整する目的で1種または複数を混合して用いることができる。また、重合性化合物は重合に関与する基が一つの単官能化合物であっても、その重合に関与する基が2個以上複数ある多官能化合物であってもよい。
本発明において(a)重合性化合物として用いられるカチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシドなどが挙げられる。
本発明に用いうる単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
また、多官能エポキシ化合物の例としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等があげられる。
これらのエポキシ化合物のなかでも、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
本発明に用いうる単官能ビニルエーテルの例としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
また、多官能ビニルエーテルの例としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
本発明におけるオキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物を指し、特開2001−220526号、同2001−310937号、同2003−341217号の各公報に記載される如き、公知オキセタン化合物を任意に選択して使用できる。
本発明のインク組成物に使用しうるオキセタン環を有する化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。このような化合物を使用することで、インク組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインクの被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
本発明で用いられる単官能オキセタンの例としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル〕フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
多官能オキセタンの例としては、例えば、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等の多官能オキセタンが挙げられる。
このようなオキセタン環を有する化合物については、前記特開2003−341217号公報、段落番号〔0021〕乃至〔0084〕に詳細に記載され、ここに記載の化合物は本発明にも好適に使用しうる。
本発明で使用するオキセタン化合物のなかでも、インク組成物の粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1〜2個有する化合物を使用することが特に好ましい。
本発明のインク組成物には、これらの重合性化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよいが、インク硬化時の収縮を効果的に抑制するといった観点からは、少なくとも1種のオキセタン化合物と、エポキシ化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを併用することが好ましい。
本発明においては、(a)重合性化合物として光ラジカル開始剤から発生する開始種により重合反応を生じる各種公知のラジカル重合性のモノマーを使用することも好ましい。
ラジカル重合性モノマーとしては、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、芳香族ビニル類、等が挙げられる。なお、本明細書において「アクリレート」、「メタクリレート」の双方或いはいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」、「メタクリル」の双方或いはいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載することがある。
本発明に用いられる(メタ)アクリレート類としては、例えば以下のものが挙げられる。
単官能(メタ)アクリレート類の具体例としては、ヘキシル基(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2Hパーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、EO変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、PO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、EO変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレート類の具体例として、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレート類の具体例として、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート等を挙げることができる。
四官能の(メタ)アクリレート類の具体例として、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
五官能の(メタ)アクリレート類の具体例として、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
六官能の(メタ)アクリレート類の具体例として、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
本発明に用いられる(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリンが挙げられる。
本発明に用いられる芳香族ビニル類の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3―オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン等が挙げられる。
さらに本発明におけるラジカル重合性モノマーとしてはビニルエステル類[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなど]、アリルエステル類[酢酸アリルなど]、ハロゲン含有単量体[塩化ビニリデン、塩化ビニルなど]、ビニルエーテル[メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテルなど]、シアン化ビニル[(メタ)アクリロニトリルなど]、オレフィン類[エチレン、プロピレンなど]などが挙げられる。
これらのうち、本発明におけるラジカル重合性モノマーとしては硬化速度の点から、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類が好ましく、特に硬化速度の点から4官能以上の(メタ)アクリレート類が好ましい。さらに、インク組成物の粘度の観点から上記多官能(メタ)アクリレート類、と単官能もしくは2官能の(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類を併用することが好ましい。
インク組成物中の(a)重合性化合物の含量は、50〜95質量%が適当であり、好ましくは60〜92質量%、さらに好ましくは70〜90質量%の範囲である。
[顔料]
本発明の着色分散液は顔料を必須成分として含む。
前記顔料は、前記分散剤の機能により着色分散液中に、均一、且つ、安定に分散されることで、これをインク組成物を用いることにより、発色性に優れた鮮鋭な画像を形成することができる。
ここで用いることのできる顔料には、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の顔料、染料を適宜選択して用いることができる。特に、着色剤として顔料を用いることにより、本発明のインク組成物により得られる画像は耐候性に優れる。
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。さらに、市販の顔料分散体や表面処理された顔料等も、本発明の効果を損なわない限りにおいて用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
本発明において使用できる有機顔料及び無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等),C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。
赤あるいはマゼンタ色を呈するものとして、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)の如きモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G’レーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)の如きチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)の如きペリレン顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
青あるいはシアン色を呈する顔料として、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)の如きジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー等)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
緑色を呈する顔料として、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)等の如きアゾ金属錯体顔料等が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料として、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
黒色を呈する顔料として、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCOPb(OH)、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、さらに、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を併用してもよい。
顔料の分散には、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
ここで用いる顔料の体積基準平均粒径は、微細なほど発色性に優れるため、0.01〜0.4μm程度であることが好ましく、0.02〜0.2μm程度であることがより好ましく、0.02〜0.1μmの範囲であることが特に好ましい。最大粒径は3μm以下、好ましくは1μm以下となるよう、着色剤、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。本発明においては特定の化合物と重合性化合物を用いるため、微粒子着色剤を用いた場合でも、均一で安定な分散物が得られる。本発明に用いられる顔料微粒子は1次粒子であることが好ましい。
インク組成物とする場合の本発明に用いられる顔料微粒子は1次粒子であることが好ましい。分散液中の着色剤の粒径は、公知の測定方法で測定することができる。具体的には遠心沈降光透過法、X線透過法、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法により測定することができる。本発明においては、レーザー回折・散乱法を用いた測定により得られた値を採用する。
顔料は分散液中、2〜40質量%添加されることが好ましく、5〜30質量%添加されることが特に好ましい。またインク組成物中、1〜20質量%添加されることが好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
本発明の着色分散液には、前記の必須成分に加え、目的に応じて種々の添加剤を併用することができる。これらの任意成分について説明する。
[重合開始剤]
インク組成物に用いる場合、ラジカル重合、若しくは、カチオン重合の重合開始剤を含有することが好ましく、光重合開始剤を含有することが特に好ましい。
本発明における光重合開始剤は光の作用、または、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、化学変化を生じ、ラジカル、酸および塩基のうちの少なくともいずれか1種を生成する化合物であるが、中でも、ラジカル又は酸であることが好ましい。
光重合開始剤は、照射される活性光線、例えば、400〜200nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどに感度を有するものを適宜選択して使用することができる。
具体的な光重合開始剤は当業者間で公知のものを制限なく使用でき、具体的には、例えば、Bruce M. Monroeら著、Chemical Revue,93,435(1993).や、R.S.Davidson著、Journal of Photochemistry and biology A :Chemistry,73.81(1993).や、J.P.Faussier「Photoinitiated Polymerization−Theory and Applications」:Rapra Review vol.9,Report,Rapra Technology(1998).や、M.Tsunooka et al.,Prog.Polym.Sci.,21,1(1996).に多く、記載されている。また、(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)に化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が多く、記載されている。さらには、F.D.Saeva,Topics in Current Chemistry,156,59(1990).、G.G.Maslak,Topics in Current Chemistry,168,1(1993).、H.B.Shuster et al,JACS,112,6329(1990).、I.D.F.Eaton et al,JACS,102,3298(1980).等に記載されているような、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、酸化的もしくは還元的に結合解裂を生じる化合物群も知られる。
好ましい光重合開始剤としては(a)芳香族ケトン類、(b)芳香族オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(e)ケトオキシムエステル化合物、(f)ボレート化合物、(g)アジニウム化合物、(h)メタロセン化合物、(i)活性エステル化合物、(j)炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。
(a)芳香族ケトン類の好ましい例としては、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」J.P.FOUASSIER J.F.RABEK (1993)、p77〜117記載のベンゾフェノン骨格或いはチオキサントン骨格を有する化合物等が挙げられる。より好ましい(a)芳香族ケトン類の例としては、特公昭47−6416号公報記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号公報記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−22326号公報記載のα−置換ベンゾイン化合物、特公昭47−23664号公報記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号公報記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号公報記載のジアルコキシベンゾフェノン、特公昭60−26403号公報、特開昭62−81345号公報記載のベンゾインエーテル類、特公平1−34242号公報、米国特許第4,318,791号、欧州特許第0284561A1号記載のα−アミノベンゾフェノン類、特開平2−211452号公報記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号公報記載のチオ置換芳香族ケトン、特公平2−9597号公報記載のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号公報記載のアシルホスフィン、特公昭63−61950号公報記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号公報記載のクマリン類等を挙げることができる。
(b)芳香族オニウム塩としては、周期律表の第V、VIおよびVII族の元素、具体的にはN、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、Te、またはIの芳香族オニウム塩が含まれる。例えば、欧州特許第104143号明細書、米国特許第4837124号明細書、特開平2−150848号公報、特開平2−96514号公報に記載されるヨードニウム塩類、欧州特許第370693号、同233567号、同297443号、同297442号、同279210号、および同422570号各明細書、米国特許第3902144号、同4933377号、同4760013号、同4734444号、および同2833827号各明細書に記載されるスルホニウム塩類、ジアゾニウム塩類(置換基を有してもよいベンゼンジアゾニウム等)、ジアゾニウム塩樹脂類(ジアゾジフェニルアミンのホルムアルデヒド樹脂等)、N−アルコキシピリジニウム塩類等(例えば、米国特許4,743,528号明細書、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、および特公昭46−42363号各公報等に記載されるもので、具体的には1−メトキシ−4−フェニルピリジニウム テトラフルオロボレート等)、さらには特公昭52−147277号、同52−14278号、および同52−14279号各公報記載の化合物が好適に使用される。活性種としてラジカルや酸を生成する。
(c)「有機過酸化物」としては分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、その例としては、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレートなどの過酸化エステル系が好ましい。
(d)ヘキサアリールビイミダゾールとしては、特公昭45−37377号公報、特公昭44−86516号公報記載のロフィンダイマー類、例えば2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
(e)ケトオキシムエステルとしては3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
本発明における光重合開始剤の他の例である(f)ボレート塩の例としては米国特許第3,567,453号、同4,343,891号、欧州特許第109,772号、同109,773号に記載されている化合物が挙げられる。
光重合開始剤の他の例である(g)アジニウム塩化合物の例としては、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、特開昭63−143537号ならびに特公昭46−42363号各公報記載のN−O結合を有する化合物群を挙げることができる。
光重合開始剤の他の例である(h)メタロセン化合物の例としては、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−4705号各公報記載のチタノセン化合物ならびに、特開平1−304453号、特開平1−152109号各公報記載の鉄−アレーン錯体を挙げることができる。
上記チタノセン化合物の具体例としては、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチルビアロイル−アミノ)フェニル〕チタン等を挙げることができる。
(i)活性エステル化合物の例としては、欧州特許第0290750号、同046083号、同156153号、同271851号、および同0388343号各明細書、米国特許第3901710号、および同4181531号各明細書、特開昭60−198538号、および特開昭53−133022号各公報に記載されるニトロベンズルエステル化合物、欧州特許第0199672号、同84515号、同199672号、同044115号、および同0101122号各明細書、米国特許第4618564号、同4371605号、および同4431774号各明細書、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、および特開平4−365048号各公報記載のイミノスルホネート化合物、特公昭62−6223号、特公昭63−14340号、および特開昭59−174831号各公報に記載される化合物等が挙げられる。
(j)炭素ハロゲン結合を有する化合物の好ましい例としては、たとえば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許第1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許第3337024号明細書記載の化合物等を挙げることができる。
また、F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物等を挙げることができる。独国特許第2641100号に記載されているような化合物、独国特許第3333450号に記載されている化合物、独国特許第3021590号に記載の化合物群、あるいは独国特許第3021599号に記載の化合物群、等を挙げることができる。
上記(a)〜(j)で表される化合物の好ましい具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
Figure 2007131787
Figure 2007131787
Figure 2007131787
Figure 2007131787
Figure 2007131787
Figure 2007131787
Figure 2007131787
Figure 2007131787
重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
インク組成物中の重合開始剤の含有量は、インク組成物中、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
〔増感色素〕
本発明においては、前記光重合開始剤の感度を向上させる目的で、増感色素を添加しても良い。好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)。
より好ましい増感色素の例としては、下記一般式(IX)〜(XIII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007131787
式(IX)中、Aは硫黄原子またはNR50を表し、R50はアルキル基またはアリール基を表し、Lは隣接するA及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表し、R51、R52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子または硫黄原子を表す。
式(X)中、Ar及びArはそれぞれ独立にアリール基を表し、−L−による結合を介して連結している。ここでLは−O−または−S−を表す。また、Wは一般式(IX)に示したものと同義である。
式(XI)中、Aは硫黄原子またはNR59を表し、Lは隣接するA及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基またはアリール基を表す。
式(XII)中、A、Aはそれぞれ独立に−S−または−NR62−または−NR63−を表し、R62、R63はそれぞれ独立に置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基を表し、L、Lはそれぞれ独立に、隣接するA、A及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R60、R61はそれぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団であるか又は互いに結合して脂肪族性または芳香族性の環を形成することができる。
式(XIII)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環を表し、Aは酸素原子、硫黄原子または−NR67−を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表し、R67とR64、及びR65とR67はそれぞれ互いに脂肪族性または芳香族性の環を形成するため結合することができる。
一般式(IX)〜(XIII)で表される化合物の好ましい具体例としては、以下に示す例示化合物(A−1)〜(A−20)などが挙げられる。
Figure 2007131787
Figure 2007131787
〔共増感剤〕
さらに本発明のインク組成物には、感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えても良い。
このような共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
別の例としてはチオールおよびスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特開平8−65779号公報記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
本発明のインク組成物には、さらに、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤、射出物性の制御を目的としたチオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することができる。
インク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。
また、液物性調整のためにノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤や、有機フルオロ化合物などを添加することもできる
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
本発明のインク組成物は、射出性を考慮し、射出時の温度において、インク粘度が30mPa・s以下であることが好ましく、更に好ましくは5〜20mPa・sであり、上記範囲になるように適宜組成比を調整し決定することが好ましい。前記射出時の温度は、一般的に25〜90℃であり、好ましくは25〜80℃であり、特に好ましくは40〜80℃である。
なお、25〜30℃でのインク粘度は、200mPa・s以下、好ましくは7〜100mPa・sである。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、更にインク液滴着弾時のドット滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。25〜30℃におけるインク粘度が200mPa・sより大きいと、インク液のデリバリーに問題が生じる。
本発明のインク組成物の表面張力は、好ましくは20〜30mN/m、更に好ましくは23〜28mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点はで30mN/m以下が好ましい。
このようにして調整された本発明のインク組成物は、インクジェット記録用インクとして好適に用いられる。即ち、本発明のインク組成物を吐出することにより画像をインクジェット被記録媒体に記録し、好ましくはその後、記録された画像に活性エネルギー線を照射して硬化させる画像形成方法に用いられる。
本発明のインク組成物により得られた印刷物は、画像部が紫外線などの活性エネルギー線照射により硬化しており、画像部の強度に優れるため、インクによる画像形成以外にも、例えば、平版印刷版のインク受容層(画像部)の形成など、種々の用途に使用しうる。
前記照射される活性エネルギー線量としては、20〜2000mJ/cmが好ましい。
〔インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置〕
次に、本発明の画像形成方法に好適に採用され得るインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置について、以下説明する。
インクジェット記録方法においては、例えば上記インク組成物を40〜80℃に加熱して、インク組成物の粘度を30mPa・s以下に下げた後、射出することが好ましく、この方法を用いることにより高い射出安定性を実現することができる。一般に、活性エネルギー線硬化型インク組成物では、概して水性インクより粘度が高いため、印字時の温度変動による粘度変動幅が大きい。このインク組成物の粘度変動は、そのまま液滴サイズ、液滴射出速度に対して大きな影響を与え、これにより画質劣化を引き起こすため、印字時のインク組成物温度はできるだけ一定に保つことが必要である。インク組成物温度の制御幅は設定温度±5℃とすることが好ましく、より好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
インクジェット記録装置には、インク組成物温度の安定化手段を備えることが一つの特徴であり、一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
本発明のインク組成物に前記(d)重合開始剤として光重合開始剤を添加することで、活性エネルギー線硬化型のインク組成物となる。
このようなインク組成物における活性エネルギー線の照射条件について述べる。基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間をおいて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。WO99/54415号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明においては、これらの照射方法を用いることが可能である。
また本発明では、インク組成物を一定温度に加温するとともに、着弾から照射までの時間を0.01〜0.5秒とすることが望ましく、好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒後に活性エネルギー線を照射することにある。このように着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾インクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができる為、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。上記説明したインクジェット記録方法と本発明のインク組成物とを併せて用いることにより、大きな相乗効果をもたらすことになる。特に、25℃におけるインク粘度が200mPa・s以下のインク組成物を用いると大きな効果を得ることが出来る。このような記録方法を取ることで、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことが出来、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクを重ねると、下部のインクまで照射線が到達しにくく、硬化感度の阻害、残留モノマーの増加および臭気の発生、密着性の劣化が生じやすい。また、照射は、全色を射出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
本発明に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、市販のインクジェット記録装置が使用できる。即ち、本発明においては、市販のインクジェット記録装置を用いて被記録媒体へ記録することができる。
前記好ましい射出条件によれば、本発明のインク組成物は加温、降温を繰り返すことになるが、特定の重合性化合物と分散剤を組み合わせることにより、このような温度条件下で保存された場合でも、着色剤分散性の低下が抑制され、長期間にわたり優れた発色性が得られ、且つ、着色剤の凝集に起因する吐出性の低下も抑制されるという利点をも有する。
〔被記録媒体〕
本発明のインク組成物を適用しうる被記録媒体としては、特に制限はなく、通常の非コート紙、コート紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料あるいは、それをフィルム状に成形した樹脂フィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等を挙げることができる。その他、被記録媒体材料として使用しうるプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが挙げられる。また、金属類や、ガラス類も被記録媒体として使用可能である。
本発明のインク組成物をインクジェットプリンターにより被記録媒体に記録し、その後、好ましくは、記録されたインク組成物に活性エネルギー線を照射して硬化することで、本発明の記録物を得ることができる。本発明の記録物は、画像形成に用いられるインクが微細な着色剤粒子を均一、且つ、安定に分散して含むため、発色性と鮮鋭度に優れた高品質な画像を有し、画像の耐候性にも優れることから、広汎な分野に適用しうる。
以下実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例における形態に限定されるものではない。尚、特に断わらない限り、組成を示す、部、%は質量部、質量%を表す。
[合成例1]
(モノマー1の合成)
9(10H)アクリドン9.76部、t−ブトキシカリウムをジメチルスルホキシド30部に溶解させ、45℃に加熱する。これにクロロメチルスチレン15.26部を滴下し、50℃でさらに5時間加熱攪拌を行う。この反応液を蒸留水200部に攪拌しながら注ぎ、得られた析出物を濾別、洗浄することで、モノマー1を11.9部得た。
(重合体1の合成)
メチルエチルケトン15質量部を窒素置換した三口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して78℃まで昇温する。別に調製した、下記のモノマー溶液と開始剤溶液をそれぞれ2時間かけて同時に滴下した。滴下後、さらにV−65を0.08質量部添加し、78℃にて3時間加熱攪拌を行った。得られた反応液をヘキサン1000部に攪拌しながら注ぎ、生じた沈殿を加熱乾燥させることでグラフト重合体1を得た。
(モノマー溶液)
・モノマー1 3.0質量部
・末端にメタクリロイル基を有するポリブチルアクリレート
(数平均分子量6000、東亜合成化学(株)製AB−6) 21.0質量部
・3−(N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド) 6.0質量部
・メチルエチルケトン 45質量部
(開始剤溶液)
・2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
(和光純薬(株)製V−65) 0.04質量部
・メチルエチルケトン 9.6質量部
[合成例2]
合成例1におけるモノマー溶液を下記組成に変更した以外はすべて合成例1と同様にして重合体2を得た。
(モノマー溶液)
・N−ビニルイミダゾール 9.0質量部
・末端にメタクリロイル基を有するポリブチルアクリレート
(数平均分子量6000、東亜合成化学(株)製AB−6) 21.0質量部
・メチルエチルケトン 45質量部
〔実施例1〕
下記に示す分散剤を重合性化合物に溶解させ、顔料と共にモーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで6時間分散を行い、着色分散液(D−1)を得た。

・顔料〔PR122:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製〕 10.0部
・分散剤〔トリエタノールアミン〕 0.5部
・高分子分散剤
〔Solsperse32000:日本ルーブリゾール社製〕 3.0部
・重合性化合物オキセタン化合物
(OXT−221:東亜合成(株)製) 36.0部
〔実施例2〕
実施例1における分散剤トリエタノールアミンをN,N‘−ジメチルピペラジンに変更した以外はすべて実施例1と同様にして着色分散液(D−2)を得た
〔実施例3〕
実施例1における高分子分散剤Solsperse32000をbyk168((ビックケミー社製)に変更した以外はすべて実施例2と同様にして着色分散液(D−3)を得た。
〔実施例4、5〕
実施例1における高分子分散剤Solsperse32000をそれぞれ重合体1および重合体2に変更した以外はすべて実施例1と同様にして着色分散液(D−4、D−5)を得た。
〔実施例6、7〕
実施例4における顔料(PR122)をそれぞれPB15:4(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、PY120(クラリアント(株)製)に変更した以外はすべて実施例4と同様にして着色分散液(D−6、D−7)を得た。
〔実施例8〕
下記に示す分散剤を重合性化合物に溶解させ、顔料と共にモーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行い、顔料分散液(D−8)を得た。

・顔料〔PR122:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製〕 10.0部
・分散剤〔トリエタノールアミン〕 1.0部
・高分子分散剤高分子分散剤
〔Solsperse32000:日本ルーブリゾール社製〕 3.0部
・重合性化合物〔アクリレート化合物〕
(HDDA:ダイセルUCB(株)製)) 36.0部
〔比較例1〕
実施例1における分散剤(トリエタノールアミン)を使用しない以外はすべて実施例1と同様にして着色分散液(D−9)を得た。
〔比較例2〕
実施例3における分散剤(トリエタノールアミン)を使用しない以外はすべて実施例3と同様にして着色分散液(D−10)を得た。
〔比較例3〜5〕
実施例6〜8における分散剤(トリエタノールアミン)を使用しない以外はすべて実施例6〜8と同様にして着色分散液(D−11、D−12、D−13)を得た。
〔着色分散液の評価〕
得られた各分散液を下記の方法に従って評価した。その結果を表1に記す。
(1.粘度)
各分散液の25℃における粘度をE型粘度計(商品名RE−810、東機産業(株)製)を用いて測定した。
A:100mPas未満
B:100mPas以上、200mPas未満
C:200mPas以上
(2.安定性)
各分散液を50℃で1ヶ月保存後の分散状態を目視および粘度変化により評価した。
A:沈殿物の発生、粘度の増加がない
B:沈殿物の発生なし、粘度が増加する
C:沈殿物の発生が認められる
(3.平均粒径)
各分散液について、光散乱回折式の粒度分布測定装置(LA910、(株)堀場製作所製)を用いて体積基準平均粒径D50を測定し、評価した。
A:D50が100nm未満
B:D50が100nm以上、150nm未満
C:D50が150nm以上
Figure 2007131787
表1の結果から明らかなようにトクエタノールアミンを使用しない比較例の着色分散液は粘土が高いか、顔料粒子の粒径が大きいかのいずれか、もしくは両者であり、実用上不十分であった。
これに対し実施例の着色分散液は粘度、安定性、顔料粒子の粒径のいずれも実用上十分満足できるものであった。
〔実施例9〕
前記実施例1の着色分散液にさらに、重合性化合物、重合開始剤を加え、穏やかに混合させた後、これをメンブランフイルターで加圧濾過し、実施例9の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを得た。
・着色分散液(D−1) 20.0部
・重合性化合物 重合性化合物:エポキシ化合物
(セロキサイド3000:ダイセル化学(株)製) 45.0部
・重合性化合物:オキセタン化合物
(OXT−221:東亜合成(株)製) 30.0部
・重合開始剤: トリフェニルスルホニウム塩
(UVI−6992、ダウケミカル社製) 5.0部
〔実施例10〜15〕
実施例9において用いた着色分散液をそれぞれ着色分散液(D−2〜D−7)に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして実施例9〜13の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを得た。
〔実施例16〕
着色分散液D−8にさらに、重合性化合物、重合開始剤を加え、穏やかに混合させた後、これをメンブランフイルターで加圧濾過し、実施例12の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを得た。

・着色分散液(D−8) 20.0部
・重合性化合物〔ヘキサンジオールジアクリレート〕
(HDDA:ダイセルUCB(株)製) 45.0部
・重合性化合物〔カプトラクトン変性ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート、DPCA−60:日本化薬(株)製) 30.0部
・重合開始剤〔アシルフォスフィンオキサイド化合物
(LucirinTPO−L:BASF製) 5.0部
〔比較例5〜8〕
実施例9において用いた着色分散液D−1をそれぞれ着色分散液D−9〜D−12に変更した以外は、すべて実施例8と同様にして比較例5〜7の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを得た。
〔比較例9〕
実施例16において用いた着色分散液D−8を着色分散液D−13に変更した以外はすべて実施例16と同様にして比較例8の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを得た。
〔インク組成物の評価〕
得られたインクジェットインクを下記の方法に従って評価した。その結果を表2に記す。
(4.粘度)
各インクジェットインクの40℃における粘度をE型粘度計を用いて測定した。
A:30mPas未満
B:30mPas以上、100mPas未満
C:100mPas以上(吐出上問題のあるレベル)
(5.安定性)
各インクジェットインクを65℃で6週間保存後の分散状態を目視および粘度変化により評価した。
Aは問題のないレベル、Bは吐出性に問題ないレベル、Cは吐出性が低下し、実用上問題になるレベル、Dは吐出性が不可で実用上問題になるレベル。
A:沈殿物の発生、粘度の増加がない
B:沈殿物の発生なし、粘度が若干増加する
C:沈殿物の発生はないが、粘度が増加する
D:沈殿物の発生が認められる
(6.硬化性)
得られたインク組成物をインクジェットプリンター(印字密度300dpi、打滴周波数4kHz、ノズル数64、射出温度40℃)でアート紙上に印字してから、Deep UVランプ(ウシオ製、SP−7)で100mJ/cmのエネルギーとなる条件で露光し、印字サンプルを得た。硬化皮膜を指で触れて、べたつきの有無を以下の基準で評価した。Aは問題のないレベル、Bは実用上問題になるレベル、Cは、実用上問題のあるレベル。
A:べたつきがない
B:僅かにべたつきがある
C:著しくべたつく
(7.ヒートサイクル性)
得られたインク組成物を、25℃から60℃の昇温・降温サイクルを10回繰り返した後、前記インクジェットプリンターで印字を行いノズル欠の有無について観察し、以下の基準で評価を行った。Aは問題のないレベル、Bは実用上問題になるレベル、Cは、実用上問題のあるレベル。
A:ノズル欠が発生せず高品質の画像が形成された
B:一部でサテライトが発生し、画像欠陥が観察された
C:ノズル欠が発生し、画像欠陥が著しい
Figure 2007131787
表2の結果から明らかなように本発明の着色分散液を用いた、本発明のインク組成物は、放射線の照射に対して高感度で硬化し、べたつきのない高画質の画像を形成することができ、長期間の保存や繰り返し温度変化を受ける条件下で保存した場合も、顔料の分散性低下に伴う増粘が生じることなく、顔料の分散性、分散安定性のいずれも良好であった。また、LEDの照射に対しても、同様の結果が得られた。
一方、市販の高分子分散剤を用いた比較例は、当初の顔料分散性は良好であるが、特に高温度条件下での保存や、繰り返し加熱によるヒートサイクル性が劣り、実用上満足できるものではない。

Claims (10)

  1. 少なくとも顔料と、下記一般式(1)で表される化合物、高分子分散剤、および重合性化合物を含む分散液であり、該重合性化合物の含有量が50質量%以上であることを特徴とする着色分散液
    Figure 2007131787
    〔式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基もしくは置換基を有していてもよいアリール基を表す。R〜Rのうち、いずれか2つが連結して環を形成していてもよい。〕
  2. 前記高分子分散剤がグラフト型高分子であることを特徴とする請求項1に記載の着色分散液
  3. 前記高分子分散剤がさらに複素環基を有することを特徴とする請求項1または2に記載に分散液
  4. 前記重合性化合物の25℃における粘度が30mPa・s以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の着色分散液
  5. 前記分散液を含む請求項1〜4のいずれかに記載のインク組成物。
  6. 前記インク組成物がさらに重合開始剤を含むことを特徴とする請求項5に記載のインク組成物。
  7. インクジェット用であることを特徴とする請求項5または6に記載のインク組成物。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載のインク組成物を用いて被記録媒体に画像記録する工程と前記画像記録工程において被記録媒体上に記録された画像に活性エネルギー線を照射する画像硬化工程を含むことを特徴とする画像形成方法。
  9. 請求項5〜7のいずれか1項に記載のインク組成物を硬化させてなることを特徴とする記録物。
  10. 被記録媒体上に、インク組成物をインクジェットプリンターにより記録した後、活性エネルギー線を照射してインク組成物を硬化させてなる請求項9に記載の記録物。
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JP2013049832A (ja) * 2011-07-29 2013-03-14 Fujifilm Corp カーボンブラック組成物、カーボンブラック含有塗膜、およびこれを有する磁気記録媒体
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