JP2007131018A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Nami Horiguchi
奈美 堀口
Masahiro Kubota
正博 久保田
Hiroki Shiozawa
裕樹 塩澤
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Abstract

【課題】 自車両に作用する空力による車両挙動変化に対し、最適なタイミングで操舵補助を行うことができる車両用操舵装置を提供する。
【解決手段】 操舵状態に応じて操舵補助力を制御する補助操舵コントローラ14を備えた車両用操舵装置において、自車両に作用する空気力の大きさと方向(以下、空力)を検出する空力検出部15を備え、補助操舵コントローラ14は、検出された空力に基づいて、操舵補助力を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自車両に作用する空力を考慮した操舵補助制御を行う車両用操舵装置の技術分野に属する。
従来の車両用操舵装置では、車両の直進走行性の向上を目的として、車両の受ける横風を検出して車両の重心に作用する横力および重心の周りのヨーイングモーメント(ヨーモーメント)を推定し、推定した横力もしくはヨーモーメントに基づき車輪を修正操舵している(例えば、特許文献1参照)。
実開昭63−98870号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、例えば、横風外乱による意図しないヨーレイト等の実現象が発生した後に修正操舵量が決定されるため、修正操舵に遅れが生じ、車両挙動変化に対し適切なタイミングで修正のための補助操舵を行うことができないという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、自車両に作用する空力による車両挙動変化に対し、最適なタイミングで操舵補助を行うことができる車両用操舵装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、
操舵状態に応じて操舵補助力を制御する操舵制御手段を備えた車両用操舵装置において、
自車両に作用する空気力の大きさと方向(以下、空力)を検出する空力検出手段を備え、
前記操舵制御手段は、検出された空力に基づいて、操舵補助力を制御することを特徴とする。
よって、本発明にあっては、自車両に作用する空力に基づいて操舵補助力が制御される。すなわち、空力による車両挙動変化が発生する前に、空力を考慮した操舵補助力を出力することで、自車両に作用する空力による車両挙動に対し、最適なタイミングで修正のための操舵補助を行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜5に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の車両用操舵装置の全体構成図であり、実施例1の車両用操舵装置は、ステアリングハンドル1、ステアリングシャフト2、ピニオン3、ステアリングラック4、タイロッド5、前輪6、操舵角センサ7、操舵トルクセンサ8、車速センサ(車両速度検出手段)9、ヨーレイトセンサ(車両挙動検出手段)10、モータ11、減速器12、モータ回転角センサ13、補助操舵コントローラ(操舵制御手段)14および空力検出部(空力検出手段)15を備えている。
補助操舵コントローラ14は、操舵角センサ7により検出された操舵角と、操舵トルクセンサ8により検出された操舵トルクと、車速センサ9により検出された車両速度と、空力検出部15により検出された自車両に作用する空気力の大きさと方向(空力)とに基づいて、目標操舵補助力を決定し、この目標操舵補助力に応じた目標モータ回転角を設定し、モータ回転角センサ13により検出されたモータ回転角が目標モータ回転角と一致するように、モータ11をサーボ制御する。
図2は、空力検出部15の具体的な構成と配置を示す図であり、実施例1では、車両の前後左右に空気の圧力を検出する計8つの圧力計(1)〜(8)を設け、自車両に作用する空力を検出している。
空力検出部15は、圧力計(1)と圧力計(8)、圧力計(1)と圧力計(2)、(3)および圧力計(8)と圧力計(6)、(7)のそれぞれの相対値により、車両進行方向に作用する空力の方向と大きさを判定している。また、圧力計(4)と圧力計(5)において、車両進行方向に垂直な方向(横方向)に作用する空力の方向と大きさを判定している。
なお、空力検出部15は、圧力計(1)および圧力計(8)の計測値を車両前後に作用する空力の絶対値とする。各圧力計(1)〜(8)では、計測した圧力の時間平均を取り、絶対圧力を検出する。そして、圧力計(1)での絶対圧力と圧力計(2),(3)での通常時の方向も含めた圧力との代表偏差δPRLを基準左右圧力偏差とする。また、圧力計(3)での圧力(圧力計(1)の関数)と圧力計(5)での通常時の方向も含めた圧力との偏差δPFRを基準前後圧力偏差とする。
次に、作用を説明する。
[操舵補助制御処理]
図3は、実施例1のシステムブロック図である。
ステップS1では、空力検出部15において、自車両に作用する空力を検出する。ステップS2では、車速センサ9において、車両の走行状態として、車両速度を検出する。ステップS3では、操舵角センサ7または操舵トルクセンサ8において、操舵角度または操舵トルクを検出する。
ステップS4では、補正演算器(空力補正手段)16において、ステップS1で検出した空力に対し、あらかじめ実験等によって得られた車両固有の空力特性に基づき、車両に及ぼす影響を考慮した値に補正演算する。このとき、図4(a)のように、風ベクトルを単純にピタゴラスの定理に基づいて分解するのではなく、図4(b)に示すように、横方向の力に対して車両速度に関する重み付けを行う。
すなわち、空気抵抗力は車両速度の二乗に比例し、かつ、一般に車両速度が高いほど、横力による車両挙動への影響は大きい(図5)ため、図6に示すような関数α(v)を設定し、横方向の力に対して車両速度に関する重みを付ける。
ステップS5では、補助操舵コントローラ14において、ステップS4で補正演算された空力と運転者の操舵状態(操舵トルク、操舵角)に基づき、操舵補助量(操舵補助力の大きさと方向)を決定する。
[操舵補助制御ロジック]
実施例1では、図7に示すように、車両に揚力が作用していると判断された場合には、付加する操舵補助量は通常の操舵補助量以下とし、車両にダウンフォース(押し付け力)が作用していると判断された場合には、付加する操舵補助量は通常の補助よりも大きくする。
コーナリングスティフネスは、輪荷重が小さくなるほど小さくなる(図8)。よって、輪荷重が小さくなる揚力発生時には、ステアリングハンドル1を重くして、運転者による過操舵を抑制し、輪荷重が大きくなるダウンフォース発生時には、操舵が過度に重くなり、車両の取り回し性が悪化するのを回避する。特に、車両に揚力が作用している場合には、過操舵に起因する走行不安定化、および操舵トルク抜けに起因する操舵感の悪化を招くことから、操舵補助量を小さくして操舵トルクを揚力の作用していない従来と同等にする必要性は大である。
なお、コーナリングスティフネスとは、タイヤがある横滑り角をもって旋回するとき接地面に発生する摩擦力のうち、タイヤの進行方向に直角に働く成分をいう。
また、実施例1では、空力検出部15の検出結果に基づき、操舵補助力を以下のように設定する。
δPf-right>δPRL∩δPf-left<δPRL 左回りヨーモーメント→左方向の操舵補助力発生
=δPRL∩δPf-left=δPRL ヨーモーメント発生せず→通常
<δPRL∩δPf-left>δPRL 右回りヨーモーメント→左方向の操舵補助力発生
δPr-left>δPFR∩δPf-right<δPFR 後輪荷重→操舵補助量小さく
=δPFR∩δPf-right=δPFR 荷重移動なし(通常Cp)→通常
<δPFR∩δPf-right>δPFR 前輪荷重→操舵補助量大きく
[従来技術の問題点]
一般に、車両走行中、特に高速走行中に横風などの外乱を受けると、この外乱により車両の走行に影響が発生し、車両の直進走行性が悪化する。このため、実開昭63−98870号公報に記載の技術では、車両の受ける横風を検出し、車両の重心に作用する横力および重心の周りのヨーモーメントを推定して推定された横力もしくはヨーモーメントに基づき車輪を修正操舵している。
また、特公平8−541号公報では、上記自動操舵修正に対する運転者の積極的な操作時(運転者が意図的に操縦している非定常時)の操舵違和感軽減のため、車両走行状態が一定のときのみ外乱に対する車輪の修正操舵を実施している。
ところが、実開昭63−98870号公報に記載の技術では、例えば、外乱による意図しないヨーレイト等の実現象が発生した後に修正操舵量が決定されるため、修正操舵に遅れが生じる。すなわち、外乱による車両挙動変化の発生後に修正操舵を行うため、最適なタイミングで修正のための操舵補助を行うことができない。
また、特開平8−541号公報に記載の技術では、定常走行(一定車速)時、車両の進行方向に対して垂直方向、つまり横方向に作用する風による外乱には対応できるが、車両が影響を受ける風の方向は、車両を囲む全方位が考えられ、前後方からの突風など、横方向以外の風の影響を打ち消すのは困難である。さらに、加減速時の横風外乱への対応は考えられていないため、修正操舵が適切になされず、車両の走行安定性が補償されないという問題があった。
[空力に応じた操舵補助作用]
これに対し、実施例1の車両用操舵装置では、車両に作用する全方向からの空力(風、空気抵抗)を検出し、検出結果を車両運動に与える影響の大きさに準じて適切に加工・補正し、該加工・補正結果に基づいた操舵補助を行う。すなわち、車両に作用する全方位からの空力(風速と風向)と、車両の空力特性に基づき、意図しない車両ヨーモーメントやその他車両挙動の起こる前に、横方向からの風などによる外乱に対して、直進走行安定性が図られると同時に、運転者の意図的な加速・減速時の車両操縦安定性が維持できる。よって、車両走行状態によらず、さらに車両挙動に対して適切なタイミングで修正のための補助操舵が実現されることと、車両不安定化の防止(特に横風安定性の向上)という効果を奏する。
例えば、車両進行方向に平行な方向からの空気抵抗力により車両の輪荷重移動が起こるが、後方から空気抵抗を受けた場合には、一般には前輪荷重が大きくなることから操舵補助量は通常よりも大きくする必要がある。また、一般に走行中の車両は車両進行方向に平行な方向に対する空気抵抗よりも、車両進行方向に垂直な方向に対する空気抵抗(いわゆる横風)に大きく影響を受けることから、空力検出結果に対して、横方向の重みを大きくするなどの特徴で補正された結果に基づいて補助操舵を行うことで、進行方向と進行方向に垂直な方向にバランスのとれた操舵補助が可能である。これにより、車両走行安定性の確保と操舵負担の軽減がなされるものである。
また、実施例1では、明らかに従来の車両挙動を打ち消す修正操舵を行う操舵制御装置に比して、横力をはじめ全方向からの力あるいはそれによってもたらされる車両挙動を正確に演算することができ、その影響を過不足なく確実に排除することが可能である。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用操舵装置にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
(1) 操舵状態に応じて操舵補助力を制御する補助操舵コントローラ14を備えた車両用操舵装置において、自車両に作用する空気力の大きさと方向(以下、空力)を検出する空力検出部15を備え、補助操舵コントローラ14は、検出された空力に基づいて、操舵補助力を制御する。よって、自車両に作用する空力による車両挙動変化に対し、最適なタイミングで操舵補助を行うことができる。
(2) 補助操舵コントローラ14は、あらかじめ実験等によって得られた車両固有の空力特性に基づいて操舵補助力を制御するため、車両固有の特性に応じた最適な操舵補助を実現できる。
(3) 自車両の速度を検出する車速センサ9を備え、補助操舵コントローラ14は、検出された車両速度に基づいて操舵補助力を制御するため、車両速度が高いほど車両挙動への影響が大きくなる横風に対し、車速にかかわらず車両の走行安定性を確保することができる。
(4) 車両挙動に及ぼす影響力の大きさに準じて、検出された自車両に作用する空力を補正する補正演算部16を備え、補助操舵コントローラ14は、補正された空力に基づいて操舵補助力を制御するため、車両挙動に及ぼす影響力を効果的に打ち消す操舵補助を実現できる。
(5) 補正演算部16は、検出された空力の車幅方向(横方向)成分を、車両速度の二乗に比例して大きくするため、車両挙動に及ぼす影響が車両速度の二乗に比例して大きくなる横方向の空力に対し、車両挙動への影響を効果的に打ち消すことができる。
(6) 補助操舵コントローラ14は、自車両に揚力が作用しているとき、操舵補助量を通常の操舵補助量以下とするため、輪荷重が軽くことで運転者の必要操舵力が小さくなるのに対し、操舵力を重くすることで、過操舵による走行不安定化および操舵感の悪化を抑制することができる。
(7) 前記補助操舵コントローラ14は、自車両にダウンフォースが作用しているとき、操舵補助量を通常の操舵補助量よりも大きくするため、輪荷重が重くなることで運転者の必要操舵力が大きくなるのに対し、操舵力を軽くすることで、車両の取り回し性の悪化を回避することができる。
実施例2は、車両モデルを用いて操舵補助力を制御する例である。なお、構成については、図1に示した実施例1と同様であるため、図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明する。
[操舵補助制御処理]
図9は、実施例2のシステムブロック図である。なお、図3に示した実施例1と同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS6では、車両モデル17において、運転者の操舵入力(操舵角、操舵トルク)に対する理想的な車両挙動(ヨーレイト、スリップ角、車両軌跡等)が推定される。
ステップS7では、比較器(モデル化誤差演算手段)18において、実際の車両挙動と車両モデルによって推定された理想的な車両挙動とが比較され、モデル化誤差が出力される。
ステップS8では、乗算器19において、モデル化誤差に応じた修正操舵量を出力する。例えば、横風外乱を受けた車両は意図しないヨーレイトが発生するが、運転者の操作入力に対する車両モデル17においては、入力分の挙動しか発生しない。よって、乗算器19では、実際の車両挙動と車両モデル17によって推定された理想的な車両挙動との偏差(モデル化誤差)が大きいほど、ゲインを大きくする。
ステップS9では、加算器20において、操舵入力に修正操舵が加算され、実際の車両挙動に対して理想状態に近づくよう修正操舵入力が行われる。
すなわち、実施例2では、車両モデル17を用いて横風をはじめとする外乱入力のない理想的な車両挙動を推定し、推定した車両挙動と実際の車両挙動とを比較してモデル化誤差を求め、モデル化誤差をフィードバックすることで、その影響を過不足なくより確実に排除することが可能である
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用操舵装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(7)に加え、以下の効果が得られる。
(8) 車両挙動を検出するヨーレイトセンサ10と、運転者の操舵入力に対する理想的な車両挙動を推定する車両モデル17と、検出された実際の車両挙動と推定された理想的な車両挙動との偏差であるモデル化誤差を算出する比較器18と、を備え、補助操舵コントローラ14は、モデル化誤差に基づいて操舵補助力を制御する。よって、空力の影響を過不足なくより確実に排除することができる。
実施例3は、サスペンション状態やロール角、ピッチ角等の車両姿勢に基づいて操舵補助力を制御する例である。なお、構成については、図1に示した実施例1と同様であるため、図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明する。
[操舵補助制御処理]
図10は、実施例3のシステムブロック図である。なお、図9に示した実施例2と同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS10(運転姿勢検出手段に相当)では、サスペンションの状態やロール角、ピッチ角の発生状態である車両姿勢を検出する。空気(抵抗)力による車両挙動への影響は、車両姿勢にも大きく依存するため、実施例3では、サスペンションの状態やロール角、ピッチ角などの車両姿勢と協調した操舵補助制御を行う。
例えば、図11に示すように、ローリングモーメント発生方向に対して、ステアリングハンドル1の切り増しを抑制する(ロール角方向への重力加速度の発生を抑制する)操舵補助量を付加する。
すなわち、実施例3では、ロール角やピッチ角等の車両姿勢が不安定方向へ変化する操舵を抑制する操舵トルクを瞬間的に補助することで、自車両に作用する空力によって車両姿勢が不安定方向へと変化するのを防止でき、車両の走行安定性、操縦安定性をより高めることができる。
次に、効果を説明する。
実施例3の車両用操舵装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(7)、実施例2の効果(8)に加え、以下の効果が得られる。
(9) サスペンション状態やロール角、ピッチ角等の車両姿勢を検出する車両姿勢検出手段(ステップS10)を備え、補助操舵コントローラ14は、検出された車両姿勢に基づいて操舵補助力を制御するため、車両姿勢が不安定となるのを抑制でき、車両の走行安定性、操縦安定性をより高めることができる。
実施例4は、自車両に作用する空力により車両不安定挙動が発生すると推測されたとき、予測されるヨーモーメント発生方向への操舵を抑制する方向へ操舵補助量を付加する例である。なお、構成については、図1に示した実施例1と同様であるため、図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明する。
[操舵補助制御]
自車両に作用する空力が車両運動に及ぼす影響の大きさ、方向は、共に空力検出部15の検出値から正確に推測可能であり、図12に示すように、右回りヨーモーメントをプラス(+)とすると、以下のようになる。
1. 車両進行方向前方受風時→輪荷重後方移動
(1) 進行方向垂直方向右側から受風→右回り(+)ヨーモーメント発生
(2) 進行方向垂直方向左側から受風→左回り(−)ヨーモーメント発生
2. 車両進行方向後方受風時→輪荷重前方移動
(3) 進行方向垂直方向右側から受風→左周り(−)ヨーモーメント発生
(4) 進行方向垂直方向左側から受風→右回り(+)ヨーモーメント発生
そこで、実施例4では、実験等によってあらかじめ知られた車両不安定挙動を引き起こす領域(不安定挙動域)の空力が、自車両に作用すると推測されたとき(図13の時点ts)、図14に示すように、その作用した力によって発生すると推測されたヨーモーメントを打ち消す操舵トルクを瞬間的に補助する。
すなわち、実施例4では、自車両に作用する全方位からの空力(風速と風向)と、車両の空力特性に基づき、車両不安定挙動の発生を事前に判断し、その作用した力によって発生すると推測されたヨーモーメントを打ち消す操舵トルクを瞬間的に補助することで、自車両に作用する空力に伴う車両挙動変化の抑制効果を高めることができる。
[車両挙動変化抑制作用]
図15は、実施例4の車両挙動変化抑制作用を示すタイムチャートであり、空力外乱(disturbance)、ヨーレイト(yawrate)および操舵補助量の時系列変化をそれぞれ示している。図15のタイムチャートにおいて、自車両に作用する空力は、時点t1で発生後、時点t3で最大となっている。また、空力の作用により、時点t2でヨーレイトが発生している。
実施例4では、不安定挙動の発生が予測された時点t1において、発生すると推測されるヨーモーメントを打ち消す操舵トルクが瞬間的に出力される。これにより、時点t2で発生する発生ヨーレイトの立ち上がり勾配が、制御なしの場合と比較して大幅に抑制され、結果として発生ヨーレイトの最大値が小さく抑えられているのがわかる。
図15には、参考として実施例2の操舵補助量を示している。実施例2の操舵補助制御におけるヨーレイト変化の時系列変化は、実施例4と同様の結果となる。言い換えると、実施例4では、予測された不安定挙動を打ち消す操舵トルクを瞬間的に出力することにより、車両モデルを用いた実施例2と同等の車両挙動変化抑制効果が得られるものである。
次に、効果を説明する。
実施例4の車両用操舵装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(7)に加え、以下の効果が得られる。
(10) 補助操舵コントローラ14は、自車両に作用する空力により車両不安定挙動が発生すると推測されたとき、予測されるヨーモーメント発生方向への操舵を抑制する方向へ操舵補助量を付加する。これにより、空力の作用による車両挙動変化の立ち上がり勾配を抑えることができ、車両の走行安定性を高めることができる。
実施例5は、突風等、所定値以上の空力を繰り返し受ける場合には、空力が作用している間の操舵補助量を通常の操舵補助量よりも小さくする例である。なお、構成については、図1に示した実施例1と同様であるため、図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明する。
[操舵補助制御]
一般的に、走行中の車両が瞬間的な突風を受けた場合、車両はヨーモーメント(回転運動)を発生させる前に横方向へ移動(平行運動)する。このとき、運転者が操舵を行うと、振動現象を誘発することが考えられる。
そこで、実施例5では、図16に示すように、車両が横移動するような突風が繰り返されるような場合には、突風が作用している間の補助操舵量を通常操舵補助量よりも小さくし、ステアリングハンドル1を重くする。よって、実施例5では、操舵補助量を決める補助操舵ゲインを、突風の大きさが所定値(例えば、15m/s)以上で一定値となるように設定する(図17)。これにより、突風を連続的に受けている場合には、操舵補助力が所定値以下に制限されるため、運転者の操舵による振動現象の誘発を抑制することができる。
次に、効果を説明する。
実施例5の車両用操舵装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(6)に加え、以下の効果が得られる。
(10) 補助操舵コントローラ14は、連続的な突風が車両に作用している場合には、突風が作用している間の操舵補助量を通常操舵補助量よりも小さくするため、運転者の操舵入力と外乱作用によって引き起こされる振動現象等の車両不安定化を防止することができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜5に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1〜5に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
実施例1では、操舵状態として操舵トルクと操舵角とを用いたが、操舵角センサ7を省き、操舵トルクのみに基づいて操舵補助を行う構成としてもよい。また、モータ回転角センサ13も必須の構成ではないため、省略してもよい。また、実施例1から実施例5において、各センサや空力検出部に不感帯を設ける、または各センサや空力検出部の後段にリミッターを設ける構成としてもよい。
実施例1の車両用操舵装置の全体構成図である。 空力検出部15の具体的な構成と配置を示す図である。 実施例1のシステムブロック図である。 実施例1の受風量と受風方向の変換方法を示す図である。 横力の車両挙動への影響を示す図である。 車両速度に対する横方向空力の変換関数である。 実施例1の車両進行方向に作用する力に対する操舵補助量を示す図である。 輪荷重変化に対するコーナリングスティフネス変化の特性図である。 実施例2のシステムブロック図である。 実施例3のシステムブロック図である。 実施例3の操舵補助制御における車両姿勢と操舵補助量との関係を示すタイムチャートである。 自車両に作用する空力が車両運動に及ぼす影響の大きさと方向とを示す図である。 自車両が受ける空力に対する不安定挙動発生域を示す図である。 実施例4の車両不安定挙動発生予測時の操舵補助量を示す図である。 実施例4の車両挙動変化抑制作用を示すタイムチャートである。 実施例5の突風を繰り返し受けている場合の操舵補助量を示すタイムチャートである。 実施例5の空力に応じた補助操舵ゲイン特性図である。
符号の説明
1 ステアリングハンドル
2 ステアリングシャフト
3 ピニオン
4 ステアリングラック
5 前輪
6 前輪
7 操舵角センサ
8 操舵トルクセンサ
9 車速センサ
10 ヨーレイトセンサ
11 モータ
12 減速器
13 モータ回転角センサ
14 補助操舵コントローラ
15 空力検出部
16 補正演算部
17 車両モデル
18 比較器
19 乗算器
20 加算器

Claims (12)

  1. 操舵状態に応じて操舵補助力を制御する操舵制御手段を備えた車両用操舵装置において、
    自車両に作用する空気力の大きさと方向(以下、空力)を検出する空力検出手段を備え、
    前記操舵制御手段は、検出された空力に基づいて、操舵補助力を制御することを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
    前記操舵制御手段は、あらかじめ実験等によって得られた車両固有の空力特性に基づいて操舵補助力を制御することを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用操舵装置において、
    自車両の速度を検出する車両速度検出手段を備え、
    前記操舵制御手段は、検出された車両速度に基づいて操舵補助力を制御することを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    車両挙動に及ぼす影響力の大きさに準じて、検出された自車両に作用する空力を補正する空力補正手段を備え、
    前記操舵制御手段は、補正された空力に基づいて操舵補助力を制御することを特徴とする車両用操舵装置。
  5. 請求項4に記載の車両用操舵装置において、
    前記空力補正手段は、検出された空力の車幅方向成分を、車両速度の二乗に比例して大きくすることを特徴とする車両用操舵装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    車両挙動を検出する車両挙動検出手段と、
    運転者の操舵入力に対する理想的な車両挙動を推定する車両モデルと、
    検出された実際の車両挙動と推定された理想的な車両挙動との偏差であるモデル化誤差を算出するモデル化誤差演算手段と、
    を備え、
    前記操舵制御手段は、前記モデル化誤差に基づいて操舵補助力を制御することを特徴とする車両用操舵装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    サスペンション状態やロール角、ピッチ角等の車両姿勢を検出する車両姿勢検出手段を備え、
    前記操舵制御手段は、検出された車両姿勢に基づいて操舵補助力を制御することを特徴とする車両用操舵装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記操舵制御手段は、自車両に揚力が作用しているとき、操舵補助量を通常の操舵補助量以下とすることを特徴とする車両用操舵装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記操舵制御手段は、自車両に押し付け力が作用しているとき、操舵補助量を通常の操舵補助量よりも大きくすることを特徴とする車両用操舵装置。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記操舵制御手段は、自車両に作用する空力により車両不安定挙動が発生すると推測されたとき、予測されるヨーモーメント発生方向への操舵を抑制する方向へ操舵補助量を付加することを特徴とする車両用操舵装置。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記操舵制御手段は、所定値以上の空力を繰り返し受ける場合には、空力が作用している間の操舵補助量を通常の操舵補助量よりも小さくすることを特徴とする車両用操舵装置。
  12. 操舵状態に応じて操舵補助力を制御する車両用操舵装置において、
    自車両に作用する空気力の大きさとその方向に基づいて、操舵補助力を制御することを特徴とする車両用操舵装置。
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JP2018043550A (ja) * 2016-09-12 2018-03-22 トヨタ車体株式会社 車両の制御装置

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