JP2007127533A - 光学式絶対値エンコーダ - Google Patents

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和裕 小泉
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Abstract

【課題】高分解能化と絶対値化を同時に実現できると共にスケールと受光素子のギャップの管理を容易化すること。
【解決手段】事前にスケール板10と回路基板11とを相対移動させてM系列信号と補正値を対応させた補正値テーブルをメモリ内に格納する。位相補正手段19は、M系列用受光セルアレイ群43,44から出力されるM系列信号に基づいて対応する補正値をメモリから読み出して位相ずれを補正する。位置検出手段18は、M系列信号と補正された第1内挿倍信号及び第2内挿倍信号を組み合わせて絶対位置情報を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、直線位置又は回転角度の絶対変位量を計測するための光学式絶対値エンコーダに関する。
近年、直線位置又は回転角度の絶対変位量を計測するための光学式エンコーダは、高分解能化および絶対値化が図られている。
特許文献1には、M系列スリット列、第1内挿倍スリット列及び第2内挿倍スリット列からなる検出用トラックを有するスケールを介して、発光素子(LED)から照射される照射光を受光素子が検出する検出光学系が提案されている。受光素子を搭載するプリント基板にCPUを設け、該CPUにおいて受光素子からM系列スリット列、第1内挿倍スリット列及び第2内挿倍スリット列に対応して出力されるM系列信号、第1内挿倍信号、第2内挿倍信号を組み合わせて絶対値情報を得ている。
特許文献2には、第2内挿倍信号検出用のトラックを凹凸格子で構成し、M系列信号及び第1内挿倍信号を得る第1発光素子及び第1受光素子と、第2内挿倍信号を得る第2発光素子及び第2受光素子とで光学系を分離する構成が提案されている。第2発光素子及び第2受光素子で構成される干渉縞検出光学系で干渉縞を受光して、第2内挿倍信号を高周波化することで、高分解能化を実現している。
特開2001−194185号公報 特開2003−279384号公報
しかしながら、特許文献1に開示された光学式絶対値エンコーダにおいて、更なる高分解能化を実現するためには、第2内挿倍スリット列のスリットピッチを小さくしなければならない。そのためには、受光素子とスケールのギャップを非常に小さくしなければならず、ギャップの管理が困難になる問題がある。
また、特許文献2に開示された光学式絶対値エンコーダは、第2内挿倍信号検出用のトラック(凹凸格子)による干渉縞を検出するので、第2内挿倍信号はギャップに依存しない。しかし、第1内挿倍スリット列によって検出される第1内挿倍信号と第2内挿倍信号との位相を一致させなければならないので、依然としてスケールと受光素子のギャップの管理が要求され、僅かなギャップ変動によっても位置検出誤差が発生する問題がある。
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、高分解能化と絶対値化を同時に実現できると共にスケールと受光素子のギャップの管理を容易にし得る光学式絶対値エンコーダを提供することを目的とする。
本発明の光学式絶対値エンコーダは、M系列情報に基づいて反射と透過を繰り返すM系列トラックと、所定周期で反射と透過を繰り返す第1内挿倍トラックと、前記第1内挿倍トラックの1/N(Nは2以上の自然数)の周期の凹凸格子からなる第2内挿倍トラックと、が設けられたスケールと、前記M系列トラック及び前記第1内挿倍トラックと対向する位置に配置された第1発光素子と、前記M系列トラックと対向する位置に配置された複数の受光セルからなり前記M系列トラックからの光を検出してM系列信号を出力するM系列用受光セル群と、前記第1内挿倍トラックと対向する位置に配置された複数の受光セルからなり前記第1内挿倍トラックからの光を検出して第1内挿倍信号を出力する第1内挿倍用受光セル群とを備えた第1受光素子と、前記第2内挿倍トラックと対向する位置に配置された第2発光素子と、前記第2内挿倍トラックと対向する位置に配置された複数の受光セルからなり前記第2内挿倍トラックからの光を検出して第2内挿倍信号を出力する第2受光素子と、少なくとも前記第1受光素子、前記第2発光素子及び前記第2受光素子が搭載され前記スケールと相対移動する回路基板と、前記第1内挿倍信号と前記第2内挿倍信号との位相ずれを補正する位相補正手段と、前記M系列信号と前記位相補正手段で補正された第1内挿倍信号及び第2内挿倍信号を組み合わせて絶対位置情報を得る位置検出手段と、を具備したことを特徴とする。
以上のように構成された光学式絶対値エンコーダによれば、第1内挿倍信号と第2内挿倍信号との位相ずれを補正することにより、位置検出誤りを除去し、高分解能化及び製造コストの低減が可能となる。
また本発明の光学式絶対値エンコーダは、M系列情報に基づいて反射と透過を繰り返すM系列トラックと、所定周期で反射と透過を繰り返す第1内挿倍トラックと、前記第1内挿倍トラックの1/N(Nは2以上の自然数)の周期の凹凸格子からなる第2内挿倍トラックと、が円周方向に沿って設けられた回転板と、前記M系列トラック及び前記第1内挿倍トラックと対向する位置に配置された第1発光素子と、前記M系列トラックと対向する位置に配置された複数の受光セルからなり前記M系列トラックからの光を検出してM系列信号を出力するM系列用受光セル群と、前記第1内挿倍トラックと対向する位置に配置された複数の受光セルからなり前記第1内挿倍トラックからの光を検出して第1内挿倍信号を出力する第1内挿倍用受光セル群とを備えた第1受光素子と、前記第2内挿倍トラックと対向する位置に配置された第2発光素子と、前記第2内挿倍トラックと対向する位置に配置された複数の受光セルからなり前記第2内挿倍トラックからの光を検出して第2内挿倍信号を出力する第2受光素子と、少なくとも前記第1受光素子、前記第2発光素子及び前記第2受光素子が搭載され前記回転板と相対移動する回路基板と、前記第1内挿倍信号と前記第2内挿倍信号との位相ずれを補正する位相補正手段と、前記M系列信号と前記位相補正手段で補正された第1内挿倍信号及び第2内挿倍信号を組み合わせて絶対位置情報を得る位置検出手段と、を具備したことを特徴とする。
以上のように構成された光学式絶対値エンコーダによれば、第1内挿倍信号と第2内挿倍信号との位相ずれを補正することにより、位置検出誤りを除去し、高分解能化及び製造コストの低減が可能となる。
また本発明は、上記光学式絶対値エンコーダにおいて、前記回路基板上にM系列信号と補正値を対応させた補正値テーブルが格納されたメモリを備え、前記位相補正手段は、前記M系列用受光セル群から出力されるM系列信号に基づいて対応する補正値を前記メモリから読み出して位相ずれを補正することを特徴とする。
これにより、補正値テーブルにM系列信号と補正値を対応させて登録しているので、位置検出時に得られるM系列信号に基づいて対応する補正値を読み出して第1内挿倍信号と第2内挿倍信号との位相ずれを補正することにより、M系列信号が示す各絶対位置にしたがって各絶対位置での位相ずれを補正することができ。
なお、補正テーブルは、事前に前記スケール又は回転板と前記回路基板とを相対移動させて取り込んだ各M系列信号と、前記各M系列信号位置にて取り込まれた第1内挿倍信号と第2内挿倍信号との位相差からなる補正値と、で構成されることができる。
上記光学式絶対値エンコーダが組み込まれ、当該光学式絶対値エンコーダにて移動部の変位を検出することを特徴とする移動装置を構成することができる。
本発明によれば、光学式絶対値エンコーダにおいて高分解能化と絶対値化を同時に実現できると共にスケールと受光素子のギャップの管理を容易にすることができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は本実施の形態に係る光学式絶対値リニアエンコーダの概略構成を示す構成説明図であり、図2(a)は第1発光素子及び第1受光素子に沿った側断面構造を示す模式図、図2(b)は第2発光素子及び第2受光素子に沿った側断面構造を示す模式図である。図1及び図2を参照して本実施の形態に係る光学式絶対値リニアエンコーダの概略的な構成を説明する。
本実施の形態に係る光学式絶対値リニアエンコーダは、検出用トラック(M系列トラック、第1内挿倍トラック及び第2内挿倍トラック)を有するスケール板(図1には現れていない)10と、このスケール板10から所定距離だけ離れて対向配置された回路基板11と、この回路基板11に搭載又は独立して配置された平行光を発する第1発光素子12とを備えて構成される。スケール板10と回路基板11とは矢印80又は81方向に相対移動する。
図1に示すように、回路基板11には、第1発光素子12から移動方向と直交方向にずれた位置に第2発光素子13が設けられている。第1発光素子12に近接して第1受光素子14が設けられ、第2発光素子13に近接して第2受光素子15が設けられている。回路基板11にはマイクロコンピュータ20が搭載されている。マイクロコンピュータ20は第1及び第2受光素子14,15から出力される検出信号から位置検出を行う位置検出手段18としての機能と検出信号の位相を補正する位相補正手段19としての機能とを備える。
図2に示すように、第1発光素子12からスケール板10に対して照射された光がスケール板10で反射して第1受光素子14へ入射して検出されるM系列及び第1内挿倍光学系が構成される。また、第2発光素子13からスケール板10に対して照射された光がスケール板10で干渉して生成された干渉縞が第2受光素子15へ入射して検出される第2内挿倍光学系が構成される
図3(a)は回路基板11側からスケール板10を眺めた部分平面図であり、図3(b)は同図(a)に示すA−A´線矢視断面図である。スケール板10はガラス材料等の透光性基板で形成されている。このスケール板10の一方の面である回路基板11との対向面に検出用トラックが形成されている。検出用トラックは、M系列に従った反射パターンからなるM系列トラック70、周期的に光を反射及び遮光する明暗格子によって形成された第1内挿倍トラック60、線状の凹凸格子で形成された第2内挿倍トラック50から構成される。第2内挿倍トラック50は、第2発光素子13からの光の1/4波長の深さdを有し、所定周期でスケール移動方向80,81に沿って連続形成されている。以下、第2内挿倍トラック50の凹凸格子の周期Pdを位相差周期と呼ぶものとする。第2内挿倍トラック50の凹凸格子上には非常に薄い反射膜が形成されている。なお、第2内挿倍トラック50の凹凸格子の位相差周期Pdは、第1内挿倍トラック70の周期Paの1/p倍である。pは適当な整数である。
ここで、M系列とは、Nを自然数とし、1周期あたり2個の1,0の組み合わせで構成され、簡単な規則によって作られる確定的系列であるが、外観上不規則な系列に似ているものである。このM系列の特定位置から連続するN個の1,0情報(パターン)は、M系列内では1つしか存在しないため、2個の重複しない情報を持つ。このM系列トラックは、このM系列の1を反射部12a、0を透過部12bとして、2個の明暗格子を有する。
図4は第1受光素子14の構成を示す平面図である。図4の斜線で示した領域は、それぞれが光を感じる感帯部である受光セルを示し、その他の領域は光を検出しない不感帯を示している。第1受光素子14は、図4の最上段に位置する8個の受光セルから構成される受光セルアレイA群43、上から2段目に位置する8個の受光セルから構成される受光セルアレイB群44、左下に位置する6個の受光セルから構成される受光セルアレイA’群45、右下に位置する6個の受光セルから構成される受光セルアレイB’群46から構成される。
受光セルアレイA群43,B群44は、スケール板10のM系列トラックであるM系列トラック70(図3参照)に対向して配置されており、第1発光素子12から照射されてM系列トラック70の反射部12aで反射した反射光を検出してM系列信号を出力する。受光セルアレイA´群45,B´群46は、スケール板10の第1内挿倍トラック60(図3参照)に対向して配置されており、第1発光素子12から照射されて第1内挿倍トラック60の反射部13aで反射した反射光を検出して第1内挿倍信号を出力する。M系列用の受光セルアレイA群43,B群44では1群の受光セルアレイに受光セルが8個あることから1群で8ビットのM系列を検出できる。受光セルアレイA群43,B群44の受光セルは周期的に配置されるものであり、隣接する2つの受光セル間の距離である周期ピッチPa(以下、M系列用周期ピッチPaという。)は、電気角で360°である。受光セルアレイA群43、B群44の位相差を電気角で180°とするため、図4の位相差P5の距離は、M系列用周期ピッチPaの半分、つまり、Pa/2とする。
一方、第1内挿倍用の受光セルアレイA´群45の6個の受光セルと受光セルアレイB´群46の6個の受光セルは、それぞれ電気的に並列接続となっている(つまり6個の受光セルから出力される信号の和信号となる)。また、受光セルアレイA´群45,B’群の周期ピッチ(以下、第1内挿倍用周期ピッチという。)P2,P3はM系列検出用周期ピッチP1と同じ値、つまり、第1内挿倍用周期ピッチはPaとなるように設けられている。
第1内挿倍用周期ピッチPa(=P2=P3)を電気角で360°とした場合に、受光セルアレイA´群45,B群23B’の位相差を90°もしくは270°の電気角の位相差に設定するためには、図4の位相差となる距離P4を、Pa/4または3Pa/4とすることにより達成される。なお、本実施の形態では説明の具体化のため距離P4はPa/4であるとして説明する。
さらに、M系列用の受光セルアレイB群44と第1内挿倍検出用の受光セルアレイA´群45とは適当な位相差にて配置されるが、本実施の形態では、受光セルアレイB群44と受光セルアレイA´群45との機械角が同位相となるように配置されている。
続いて、第2発光素子13、第2受光素子15について説明する。図5(a)に第2発光素子13を、図5(b)に第2受光素子15をそれぞれ示す。この図でスケール板10の移動方向は矢印80,81の方向である。第2発光素子13は、数μmの発光領域24に、複数の遮光領域23を配置して明暗パターンが形成されている。この明暗パターンの周期は、第2内挿倍トラック50の位相差周期Pbと同じ周期である。発光領域24および遮光領域23は、スケール板10の移動方向80,81に対して垂直方向に形成されている。このような光は第2内挿倍トラック50(図3参照)上で干渉縞を生じることになる。
次に、図5(b)において、第2受光素子15は、それぞれ独立した光を検出するための4個の受光セルアレイA”群31,受光セルアレイB”群32,C”群33,D”群34が配置されている。これら4個の受光セルアレイA”群31,B”群32,C”群33,D”群34は、スケール板10の第2内挿倍トラック50(図3参照)の位相差周期Pbと同じ周期で、スケール板10の移動方向(矢印80,81方向)に対して垂直方向に形成された感帯部により構成される。
第2受光素子15は、詳しくは図6に示すように構成される。図6の斜線で示した領域は、それぞれが光を感じる感帯部である受光セルを示し、その他の領域は光を検出しない不感帯を示している。そして、第2受光素子15は、図6の下段左側に位置する6個の受光セルから構成される受光セルアレイA”群31、下段右側に位置する6個の受光セルから構成される受光セルアレイB”群32、上段左側に位置する6個の受光セルから構成される受光セルアレイC”群33、および、上段右側に位置する6個の受光セルから構成される受光セルアレイD”群34から構成されている。A”群31,B”群32,C”群33およびD”群34において、各受光セルは、それぞれ電気的に並列に接続されている(つまり同じ群にある6個の受光セルから出力される信号の和信号となる)。
隣接する2つの受光セル間のピッチP6(=Pb)とすると、P7は0.25Pb、P8は0.5Pb、P9は1.25Pbの距離となる。このように配置することで、スケール板10の第2内挿倍トラック50(図3参照)の1周期ピッチが電気角360゜に対応する周期信号であり、A”群とB”群との位相差は、(90+α×360)゜に、A”群とC”群との位相差は、(180+β×360)゜に、A”群とD”群との位相差は、(270+γ×360)゜にそれぞれなる。ここに、α,β,γは適当な任意の整数である。本実施の形態ではA”群とB”群との位相差は90゜であり、A”群とC”群との位相差は180゜であり、A”群とD”群との位相差は270゜である。
次に、以上のように構成された光学式絶対値エンコーダの動作について説明する。最初に、絶対値情報確立までの動作原理について説明する。
図2(a)で示すように、第1発光素子12からの照明光は、スケール板10のM系列トラック70と第1内挿倍トラック60を照明し、反射部での反射により光が多い領域(明領域)と透過部での透過により反射光が少ない領域(暗領域)とを含む反射光が第1受光素子14へ入射される。第1受光素子14の各受光セルは光量に比例して光電流信号を出力する。具体的には、図7に示すM系列信号71,72及び第1内挿倍信号75,76を出力する。
一方、第2発光素子13から照射された光線は、スケール板10を照明すると、スケール板10の第2内挿倍トラック50の凹凸格子(図3(b)参照)により回折しつつ反射膜により反射して発生した±1次回折光により、図8で示すように、所定の位置に干渉縞62が発生する。そして、この干渉縞62が第2受光素子15へ入射する。
なお、干渉縞62の明暗領域により第2受光素子15の各受光セルで光量が変化するが、干渉縞62が第2受光素子15の受光面でスケール板10の移動速度の2倍の速度で移動するように受光されるため、第2内挿倍トラック50の凹凸格子の位相差周期(=Pb)の1/2周期で、90゜位相差の4相光電流信号を得られる。このため、図7で示すように第1内挿倍信号75,76の一周期の信号を得る期間で第2内挿倍信号73,74を4周期得られている。
このように、第1受光素子14の受光セルアレイA群43,B群44は、M系列トラック70による反射光を受光して、光電流信号であるM系列信号71,72を出力する。第1受光素子14の受光セルアレイA’群45,B’群46は、第1内挿倍トラック60による反射光を受光して、光電流信号である第1内挿倍信号75,76を出力する。第2受光素子15の受光セルアレイA”群31,B”群32,C”群33,D”群34は、第2内挿倍トラック50による干渉縞を受光して、光電流信号である第2内挿倍信号73,74を出力する。図7では、M系列用の受光セルアレイA群の中の1個の受光セルからのM系列信号71、M系列用の受光セルアレイB群の中の一個の受光セルからのM系列信号72、第1内挿倍用の受光セルアレイA’群,B’群からの第1内挿倍信号75,76及び第2内挿倍用の受光セルアレイA”群,B”群からの第2内挿倍信号73,74が図示されている。その他の信号は省略している。
これらM系列信号,第1内挿倍信号,第2内挿倍信号は、電流電圧変換用抵抗でI/V変換され、コンパレータ等により波形整形されたのちに、マイクロコンピュータ20に取り込まれる。
次に、マイクロコンピュータ20の一機能である位相補正手段19の処理内容について詳しく説明する。
図9、図10はスケール板10と回路基板11(受光素子表面)とのギャップ変動を模式的に示した図である。設計上のギャップd0に対してギャップ変動により変動した変動後のギャップがd1、d2である。
図11はスケール板10と受光素子(14,15)のギャップが設計値d0での第1内挿倍信号75及び第2内挿倍信号73に対するd1又はd2での第1内挿倍信号及び第2内挿倍信号の位相ずれの様子を示す図である。同図に示すように、設計値d0での第1内挿倍信号75に対してギャップd1での第1内挿倍信号82は位相が左方向にずれ、ギャップd2での第1内挿倍信号83は位相が右方向にずれている。一方、第2内挿倍信号73の場合、第2内挿倍トラック50を形成する凹凸格子によってスケール板10から広い領域に亘り等しい干渉縞62が発生するため、ギャップ変動による第2内挿倍信号の位相ずれは生じない。
したがって、第1内挿倍信号の位相ずれに起因して、第1内挿倍信号と第2内挿倍信号との間に位相ずれ81又は84が生じ、この位相ずれ量が第2内挿倍信号の周期を超えると、第1内挿倍信号と第2内挿倍信号とを組み合わせて検出される絶対位置が第2内挿倍信号分だけずれてしまう。
そこで、本実施の形態では、位相補正手段19において、第1内挿倍信号と第2内挿倍信号の位相ずれ補正を行う。補正値取得処理とその補正値を用いた位相補正の2つに分けて説明する。
図12は補正値取得処理のフローチャートである。先ず、スケール板10と回路基板11とを矢印80又は81方向に相対移動させて、その時に得られるM系列信号、第1内挿倍信号及び第2内挿倍信号を用いて以下の処理を実行する。矢印80又は81方向に相対移動を開始後、ステップS1では、マイクロコンピュータ20に現在位置でのM系列信号m1を取り込み、ステップS2ではステップS1で取得したM系列信号m1を図13に示す補正値テーブルに書き込む。補正値テーブルはマイクロコンピュータ20内のメモリ又は回路基板11上の外部メモリ内に作成される。ステップS3では、M系列信号m1と同位置とみなせるタイミングでマイクロコンピュータ20に第1内挿倍信号を取り込み、ステップS4ではM系列信号m1と同位置とみなせるタイミングでマイクロコンピュータ20に第2内挿倍信号を取り込む。好ましくは、M系列信号m1、第1内挿倍信号、第2内挿倍信号を同時にサンプリングしてマイクロコンピュータ20に取り込むものとする。ステップS5では、ステップS3、S4で取り込んだ第1内挿倍信号と第2内挿倍信号との位相差h1を求め、ステップS6ではステップS5で求めた位相差h1を図13に示す補正テーブルのM系列検出信号m1に対応するアドレスに補正値として格納する。以上の処理により、図13に示す補正テーブルにM系列検出信号m1と補正値h1が格納される。以降、矢印80又は81方向への相対移動期間内に所定周期で図12に示す処理を繰り返し、図13に示す補正テーブルに各位置におけるM系列検出信号(m2、m3、m4、・・・)と補正値(h2、h3、h4、・・・)とを格納していく。
図14は第1内挿倍信号と第2内挿倍信号との位相ずれの補正処理に関するフローチャートである。ステップS11ではM系列信号m1を取得し、ステップS12において図13に示す補正値テーブルから当該M系列信号m1に対応する補正値h1を取得する。さらに、ステップS13でM系列信号m1に対応した第1内挿倍信号を取得し、ステップS14でM系列信号m1に対応した第2内挿倍信号を取得する。ステップS15では、ステップS12で取得した補正値h1を用いてM系列信号m1に対応した第1内挿倍信号と第2内挿倍信号との間の位相差を補正する。
ここで、図11に示すように設定値d0での第1内挿倍信号と第2内挿倍信号との位相差が0であったとする。この場合、設定値d0での第1内挿倍信号75とギャップ変動後のギャップd1での第1内挿倍信号82との位相ずれ量813は、第2内挿倍信号73とギャップ変動後の第1内挿倍信号82との位相ずれ量と同じ値となる。第2内挿倍信号73はギャップ変動の前後で位相が変化しないからである。したがって、第1内挿倍信号82と第2内挿倍信号73との位相差を補正値として用いて補正することによりギャップ変動に伴う位相差は完全に補正することができる。また、ギャップd2についても同様である。
マイクロコンピュータ20における位置検出手段18は、第2内挿倍信号及びM系列信号と位相補正手段19により補正された第1内挿倍信号とを組み合わせることにより絶対位置情報を得る。
このように本実施の形態によれば、第1内挿倍信号と第2内挿倍信号との位相差からギャップ変動後の第1内挿倍信号の位相ずれを検出し、第1内挿倍信号の位相ずれを、上記位相差を補正値として用いて補正し、補正後の第1内挿倍信号と第2内挿倍信号及びM系列信号との組み合わせで絶対位置情報を得るので、ギャップ変動に起因した検出誤差を防止することができる。
なお、本実施の形態では、光学式絶対値エンコーダの一具体例である光学式絶対値リニアエンコーダについて説明したが、本発明は光学式絶対値リニアエンコーダに限定するものではなく、電気角を検出するようにした光学式絶対値ロータリエンコーダにも勿論適用可能である。光学式絶対値リニアエンコーダは発光素子と受光素子を一体に取り付けた検出部とスケール板と相対的に移動させる構成であるのに対し、光学式絶対値ロータリエンコーダは上記検出用トラックの形成されたスリット円板を回転させる点で相違するものの下位信号は電気角θを用いるなどその原理は同じである。本発明を適用した光学式ロータリエンコーダでも高分解能化を実現できる。
本発明の光学式絶対値エンコーダは、半導体装置、製造装置、工作機械等において直線位置又は回転角度の絶対変位量を計測するセンサとして適用可能である。
本発明の一実施の形態に係る光学式絶対値エンコーダの概略構成図 (a)図1における第1発光素子及び第1受光素子に沿った側断面構造を示す模式図、(b)図1における第2発光素子及び第2受光素子に沿った側断面構造を示す模式図 (a)スケールの部分平面図、(b)図3(a)に示すA−A´線矢視断面図 上記実施の形態に係る光学式絶対値エンコーダが備える第1受光素子の受光セルアレイ群の概略構成図 (a)第2発光素子の斜視図、(b)第2受光素子の斜視図 第2受光素子の受光セルアレイの構成を示す平面図 本実施の形態に係る光学式絶対値エンコーダの検出信号の波形図 本実施の形態に係る光学式絶対値エンコーダにおける干渉縞検出光学系の原理図 スケール板と回路基板(受光素子)とのギャップ例を示す図 異なるギャップでの第1発光素子−スケール板−回路基板の光路を示す図 第1内挿倍信号と第2内挿倍信号との位相ずれを示す波形図 上記実施の形態に係る光学式絶対値エンコーダにおける補正値取得処理を示すフローチャート 上記実施の形態における補正値テーブルの構成図 上記実施の形態に係る光学式絶対値エンコーダにおける位相補正処理を示すフローチャート
符号の説明
10 スケール板
11 回路基板
12 第1発光素子
13 第2発光素子
14 第1受光素子
15 第2受光素子
18 位置検出手段
19 位相補正手段
20 マイクロコンピュータ
43 受光セルアレイA群
44 受光セルアレイB群
45 受光セルアレイA´群
46 受光セルアレイB´群
50 第2内挿倍トラック
60 第1内挿倍トラック
62 干渉縞
70 M系列トラック
71,72 M系列信号
73,74 第2内挿倍信号
75,76 第1内挿倍信号

Claims (5)

  1. M系列情報に基づいて反射と透過を繰り返すM系列トラックと、所定周期で反射と透過を繰り返す第1内挿倍トラックと、前記第1内挿倍トラックの1/N(Nは2以上の自然数)の周期の凹凸格子からなる第2内挿倍トラックと、が設けられたスケールと、
    前記M系列トラック及び前記第1内挿倍トラックと対向する位置に配置された第1発光素子と、
    前記M系列トラックと対向する位置に配置された複数の受光セルからなり前記M系列トラックからの光を検出してM系列信号を出力するM系列用受光セル群と、前記第1内挿倍トラックと対向する位置に配置された複数の受光セルからなり前記第1内挿倍トラックからの光を検出して第1内挿倍信号を出力する第1内挿倍用受光セル群とを備えた第1受光素子と、
    前記第2内挿倍トラックと対向する位置に配置された第2発光素子と、
    前記第2内挿倍トラックと対向する位置に配置された複数の受光セルからなり前記第2内挿倍トラックからの光を検出して第2内挿倍信号を出力する第2受光素子と、
    少なくとも前記第1受光素子、前記第2発光素子及び前記第2受光素子が搭載され、前記スケールと相対移動する回路基板と、
    前記第1内挿倍信号と前記第2内挿倍信号との位相ずれを補正する位相補正手段と、
    前記M系列信号と前記位相補正手段で補正された第1内挿倍信号及び第2内挿倍信号を組み合わせて絶対位置情報を得る位置検出手段と、
    を具備したことを特徴とする光学式絶対値エンコーダ。
  2. M系列情報に基づいて反射と透過を繰り返すM系列トラックと、所定周期で反射と透過を繰り返す第1内挿倍トラックと、前記第1内挿倍トラックの1/N(Nは2以上の自然数)の周期の凹凸格子からなる第2内挿倍トラックと、が円周方向に沿って設けられた回転板と、
    前記M系列トラック及び前記第1内挿倍トラックと対向する位置に配置された第1発光素子と、
    前記M系列トラックと対向する位置に配置された複数の受光セルからなり前記M系列トラックからの光を検出してM系列信号を出力するM系列用受光セル群と、前記第1内挿倍トラックと対向する位置に配置された複数の受光セルからなり前記第1内挿倍トラックからの光を検出して第1内挿倍信号を出力する第1内挿倍用受光セル群とを備えた第1受光素子と、
    前記第2内挿倍トラックと対向する位置に配置された第2発光素子と、
    前記第2内挿倍トラックと対向する位置に配置された複数の受光セルからなり前記第2内挿倍トラックからの光を検出して第2内挿倍信号を出力する第2受光素子と、
    少なくとも前記第1受光素子、前記第2発光素子及び前記第2受光素子が搭載され、前記回転板と相対移動する回路基板と、
    前記第1内挿倍信号と前記第2内挿倍信号との位相ずれを補正する位相補正手段と、
    前記M系列信号と前記位相補正手段で補正された第1内挿倍信号及び第2内挿倍信号を組み合わせて絶対位置情報を得る位置検出手段と、
    を具備したことを特徴とする光学式絶対値エンコーダ。
  3. 前記回路基板上にM系列信号と補正値を対応させた補正値テーブルが格納されたメモリを備え、前記位相補正手段は、前記M系列用受光セル群から出力されるM系列信号に基づいて対応する補正値を前記メモリから読み出して位相ずれを補正することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光学式絶対値エンコーダ。
  4. 前記補正テーブルは、事前に前記スケール又は回転板と前記回路基板とを相対移動させて取り込んだ各M系列信号と、前記各M系列信号位置にて取り込まれた第1内挿倍信号と第2内挿倍信号との位相差からなる補正値と、で構成されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の光学式絶対値エンコーダ。
  5. 請求項1から請求項4の何れかに記載の光学式絶対値エンコーダが組み込まれ、当該光学式絶対値エンコーダにて移動部の変位を検出することを特徴とする移動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013214475A (ja) * 2012-04-04 2013-10-17 Honda Motor Co Ltd 燃料電池系のインピーダンス演算方法、およびそのインピーダンス演算方法を実行するインピーダンス演算器を備える燃料電池車両

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