JP2007127155A - 発進補助装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両発進直後に、車両進行方向の勾配センサに不規則的な振動が生じることにより計測値が変動する影響を除去して、車両発進を安定に制御する装置を得る。
【解決手段】車両発進時の路面勾配について、車両に搭載した勾配センサの出力情報として、車両が安定に停車中の勾配センサの出力情報を一時保持しておき、車両速度が所定の値に達するまでの間は車両の勾配情報としてこの一時保持した値を利用する。車両が発進した後にこの一時保持した勾配情報をリセットするとともに、勾配センサの出力情報を直接利用する状態に切換える。
【選択図】図2

Description

本発明は、平坦な路面で、あるいは勾配のある路面で停車中の車両を発進させるときに、クラッチの接合状態を自動的に制御する発進補助装置の改良に関する。本発明は、坂道に停車した車両を登り坂方向に発進させる坂道発進補助装置として利用することができる。本発明の装置は、運転席にクラッチ・ペダルを設けない形式の車両にも、運転者が操作するクラッチ・ペダルを設ける形式の車両のいずれにも利用することができる。本発明の装置に設定される制御論理または演算論理は、その装置の演算回路にソフトウエアとして組み込まれる。
内燃機関を原動機とする車両にクラッチの接合状態を制御する発進補助装置が広く利用されている。車両が坂道に停止している状態、またはほとんど停止状態にある微速走行の状態から登り坂方向に車両を発進させるときには、運転者はブレーキ・ペダルおよびクラッチ・ペダルを踏込み、変速機を発進ギヤ(または後退ギヤ)に設定する。ついでクラッチ・ペダルを踏み代の浅い方向に操作しながら、クラッチが滑る状態になったときに、ブレーキ・ペダルを踏んでいる右足をアクセル・ペダルに踏み代えるようにして運転操作を行う。近年提供されている発進補助装置として、この運転操作が実行される際に自動的にプログラム制御回路を作動させてこの運転操作を補助する装置が知られている。すなわち上記運転操作の中で、クラッチ・ペダルの踏み代が浅くなったときに、ブレーキ・ペダルが解放されてもブレーキの有効状態を一時的に維持させるように制御し、アクセル・ペダルが踏み込まれて原動機出力が十分に大きくなってから、ブレーキを解放するように補助制御を行う装置が知られている。近年は貨物車両または乗用車で、機械式クラッチを利用するが、運転席のクラッチ・ペダルをなくし、アクセル・ペダルの踏込み量に対応してクラッチ制御を行う形態が広く利用されるようになった。そしてこのような装置にも上記の機械的な発進補助装置が利用されている。公知の車両発進補助装置の代表的な例を下記[特許文献1]ないし[特許文献5]に示す。
とくに下記[特許文献1](出願人、日野)にはクラッチ・ペダルの操作速度が変わるとブレーキ解除点をそれに応じて変更する技術が開示されている。下記[特許文献2](出願人、曙ブレーキ)には車両が停車した路面の勾配を検出する勾配センサを利用して、ブレーキの解除タイミングを変更して円滑なブレーキ解除を行う装置が開示されている。
特開平8−133032号公報 特開平8−282456号公報 特開平9−193762号公報 特開平11−236931号公報 特開2003−182543号公報
上記[特許文献2]には、車両が停車している路面の勾配を検出して、検出された路面勾配に応じて、ブレーキの解除タイミングを変更することが説明されている。これはきわめて合理的である。すなわち車両が停車している路面に勾配があり、その勾配を登る方向に車両を発進させようとするときには、勾配が急であるほどブレーキ解除のタイミングを遅らせて、車両が逆進することを防止することができる。
しかし現実にこのような制御を行うことにより車両が登り坂方向に発進すると、発進後に実際の路面傾斜は変わらなくとも、車両の勾配を検出している勾配センサは進行方向前向きの加速度が加わったことにより、車両勾配が急傾斜になった旨と同等の出力信号を送出する。これにより制御系はクラッチの接合をさらに遅らせるように制御することになり、車両は適正なあるいは円滑な発進を行うことができなくなることがある。
また上記の自動的な制御により車両を登り坂方向に発進させようとするときに、かりに何らかの事情によりブレーキ解放が早すぎて車両がわずかに逆進することがあると、現実の路面傾斜は変わらなくとも、車両の勾配を検出している勾配センサはその重りの慣性にしたがって、車両勾配が緩やかになった旨の出力信号を送出する。したがってクラッチ制御系はクラッチを速やかに接合させるように制御することになり、車両は不必要に急な発進を行うことになる。このような場合にも車両は適正な発進ができなくなる。また、上記制御は車両質量に対する適応がないため、積荷の状態により空荷の場合には急発ぎみになったり、積車の場合には逆進してしまう場合が発生し、使い勝手が悪化してしまう。
実用的な装置ではかりに上記に例示する不都合が発生しても、多くの場合にはこれは設計の余裕幅の範囲内に取込まれて発進が不能になることはないが、クラッチの摩耗が大きくなる、あるいはクラッチおよび回転軸に一時的に大きい荷重が加わるなどの不都合をまねくことになる。さらに運転操作、たとえばアクセルの踏込み量が車両の前後方向の振動に連動して変化するなどに影響することになると、前記のような現象は車両にはその発進時に前後方向に継続する振動を引き起こすことにもなる。
本発明は上記のような不具合を改良するものであって、発進制御時、クラッチにトルクが伝わることで発生する車両の揺れによる勾配センサの出力値が振動してもその影響を受けない、発進補助装置を提供することを目的とする。本発明は車両に搭載された勾配センサの出力値について、基本的に振動がなく確定的な出力値を供給して発進補助動作を行うことができる装置を提供することを目的とする。本発明は、車両が発進することにより車両に搭載された勾配センサ(すなわち車両の前後方向の加速度センサ)の出力に変化があっても、その影響を受けることがなく、円滑に車両を発進させることができる装置を提供することを目的とする。本発明は、車両に搭載された勾配センサの出力情報を取込み、この情報を一つの要素として車両発進の補助制御を行う装置について、その動作を円滑化することを目的とする。また本発明は車両の質量情報に基づいても発進補助動作の補正を行わない車両の積荷状態によらない円滑に車両を発進させることができる装置を提供することを目的とする。
本発明はこれを解決するものであって、上記のように発進に伴う複雑な振動を含むことがある車両発進後の勾配センサの出力値を利用するのではなく、車両を発進させる直前の停車状態における安定状態を判定し、その勾配センサの出力値を発進後まで利用して、その発進補助制御を実行することに最大の特徴がある。すなわち車両が停車中には、勾配センサの重りには原則的に振動はなくなる。かりに外乱により振動があっても停車後の短い時間にはその振動は消滅する。そしてその出力値は原則的に安定になる。車両が発進する時点の勾配センサの出力値として利用するために、その直前の停車中にこの勾配センサから送出された安定な値(またはこの安定な値に係る関数値)を情報として保持しておき、車両を発進させてから行う演算にはこの保持しておいた安定な値(その値に係る関数値を含む)を利用する。このような構成により、勾配センサの出力値が車両の振動の影響を受けて変動する現象を回避することができる。
すなわち本発明は、車両の勾配情報を含む情報に基づき車両の発進時にクラッチの滑り状態を制御する手段を備えた発進補助装置において、その車両の停車中の勾配情報をその車両の発進後まで記憶する手段を設け、前記制御する手段は車両の発進時に実行する発進補助のための演算に、その車両の勾配情報として前記記憶する手段に記憶された勾配情報を利用する手段を備えたことを特徴とする。また前記発進時に実行する発進補助のための演算に、その車両の質量情報を利用する手段を備えたことを特徴とする。
前記車両の勾配情報に加えてその車両の質量情報に基づき車両の加速時にクラッチの滑り状態を含むパラメタを制御する手段を備え、その質量情報を演算するために必要な車両の勾配情報についても前記記憶する手段に記憶された勾配情報を利用する手段を備えた構成とすることができる。車両の発進から適当な時間を経過した後に前記記憶する手段に記憶された勾配情報をリセットする手段を備えた構成とすることができる。前記「勾配情報」は勾配(角度θ)そのものの数値のほか勾配を変数とする関数情報を含むものとする。
本発明の装置により、加速時の車両のクラッチ制御およびアクセル制御に利用される車両の勾配情報は、車両発進時に生じる車両の振動その他による外乱の影響を排除することができるから、その制御は従来例装置に比べて安定であり相応に正確になる。これにより、この勾配情報を演算パラメタとして利用する車両質量の演算も安定する。よって、前記勾配および車両質量情報を演算パラメタとして利用する発進補助のための演算も安定し、正確になる。
(第一実施例)
図1は本発明第一実施例装置の要部ブロック構成図である。この第一実施例装置は、本発明を大型車両のクラッチ制御系およびブレーキ制御系に実施したものである。図1上段のクラッチ制御系を説明すると、電気信号として到来する制御入力信号をプログラム制御回路1が処理して、クラッチの断接制御を自動的に実行するものである。制御入力信号は、アクセルペダルの踏込み量を表す信号、車速信号、変速機の状態信号、温度信号、その他である。油圧アクチュエータ4には、その油圧駆動源として一対のモータ3が設けられている。このモータ3はモータドライバ2からその駆動電流が供給される。このモータドライバ2は上記プログラム制御回路1の制御出力により制御される。油圧アクチュエータ4の油圧出力はシリンダ6に供給される。シリンダ6にはオイルリザーバからオイルが供給され、クラッチブースタ5にその出力油圧が供給される。シリンダ6は油圧アクチュエータ4の出力油圧と、運転者がその左足で操作するクラッチペダル7の踏込み量を検出するマスタシリンダ8の油圧が入力する。このシリンダ6の出力油圧はクラッチブースタ5の入力端に供給される。クラッチブースタ5は、空気圧シリンダであり、前記シリンダ6から入力する油圧をエアタンク9から供給される空気圧により増幅して、図外のクラッチを機械的に駆動する。
この装置では、運転者の左足で操作するクラッチペダル7は、変速の都度踏まれなくとも、プログラム制御回路1がその入力情報にしたがって、図外の変速機の変速動作に同期してクラッチの接または断の操作が実行される。すなわち運転者は図外の変速レバーをドライブ位置に設定しておき、図外のアクセルペダルを踏み込むことにより、その時点の車速および必要なトルクにしたがって自動的な変速動作が適宜実行される。そのうえで運転者は、車速零からスタートするとき、あるいは微速走行時などにクラッチペダル7を意図的に使用することによって、上記の自動的な変速動作に割り込むことができる。このときには、クラッチペダル7を踏み込むことにより強制的にクラッチを断の状態にし、あるいはクラッチを適当に滑る状態に制御するなどができる。
図1の下段はブレーキ制御系のブロック構成図である。ブレーキ制御系のプログラム制御回路11はバスライン12によりクラッチ系のプログラム制御回路1と接続されている。プログラム制御回路11の制御出力はブレーキ電磁弁13を制御する。ブレーキ電磁弁13には上記エアタンク9から空気圧が入力し、この空気圧をブレーキペダル14にしたがって制御されるマスタシリンダ15の圧力に対応して、ブレーキブースタ16および17に供給する。
ここで本発明の特徴とするところは、勾配センサ10の検出出力の利用形態にある。すなわち勾配センサ10は車両の勾配にしたがってつねに出力値を送出しているが、本発明の装置は車両の停車時にこの出力勾配情報を取込み、この出力を制御回路内部に一時記憶し、この記憶した勾配情報を車両の発進後の適当な時間まで利用するところに特徴がある。勾配センサ10は車両の前後方向の加速度を計測し出力する。車両が停止中には勾配センサ10は車両の置かれた勾配情報を出力していることになる。そして車両が発進すると、その出力に現れる勾配情報は車両の前後方向の加速度が時々刻々変化することにより変化する。路面勾配は原理的には、車両が発進すると路面の形状にしたがって時々刻々と変化するものであるが、一般路面にはそれほど急激な勾配の変化はなく、路面勾配の変化より車両の発進加速による前後方向の加速度変化の方が大きくなるから、これが勾配情報としては雑音になる。本発明の装置では路面勾配の情報としてこの雑音を含む情報を利用するのではなく、停車状態の車両勾配がしばらく継続するものとして、制御回路内部に記憶された値を利用して内燃機関への燃料供給量およびクラッチの滑り量を制御する。記憶された値は車両の発進に伴う振動によりその値が変動することはなく安定である。すなわち安定な発進制御を実行することができる。
車両が発進した後には一時記憶した勾配センサ10の出力値をリセットするとともに、以降は路面勾配に応じて時々刻々変化する勾配センサ10の出力値を利用する。図2に本発明実施例装置の発進動作についてフローチャートを示す。
(第二実施例)
次に本発明の第二実施例装置について説明する。この第二実施例装置は、上記第一実施例装置として説明したクラッチ制御系の入力情報として、車両の勾配情報とともに車両の質量情報を併用する装置である。すなわち車両を発進させるときに必要な駆動力を推定するには、その路面の勾配情報に加えて車両の質量情報を利用することが望ましい。乗用車両では車両全体の質量に比べて乗客数の変動による車両質量の変動は小さいから、車両質量を一定値として制御しても大きい制御誤差は発生しない。しかし貨物車両では、最大許容積載量は空荷状態の車両質量により大きくなる。したがって、そのような車両の適正な発進制御を行うには、路面勾配とともに車両質量を入力情報として利用することが望ましい。このために車両質量を推定演算する装置を設ける。
図3は本発明第二実施例要部の質量推定演算装置を説明するブロック構成図である。質量推定演算装置の制御回路22(図面中央下段)は、第一実施例(図1)で説明した装置のバスライン12に共通に接続される。すなわち図3に示すバスライン12は図1のバスライン12であり、そのバスライン12の先に図1にブロック図で示す装置が接続された形態となる。図3に示す装置には勾配センサ10の出力情報がバスライン12を介して取得することができる。
この勾配センサ10は、車両の前後方向の勾配を計測するように配置され、その計測出力は制御回路22に接続されている。横方向加速度センサ23は車両の横方向の加速度を観測するように配置され、その計測出力は制御回路22に接続されている。制御回路22はプログラム制御回路であり、その入力は破線により、その出力は実線により表示されている。前輪24fおよび後輪24rにはそれぞれ車輪回転センサ25が設けられていて、車輪の回転にしたがって電気パルスを発生し、それぞれこれを制御回路22に送出する。各車輪にはブレーキ・ブースタ・アクチュエータ26が設けられていて、それぞれ上記制御回路22から送出される制御信号にしたがって調節された空気圧を車輪に設けられたブレーキ・シリンダ(図示せず)に供給する。操舵輪28には操舵角センサ29が設けられていてその操舵角を検出し、その検出出力を制御回路22に送出する。車体に取付けられたロールレイトセンサ30の出力、および同じくヨーレイトセンサ32の出力は、それぞれ制御回路22に接続される。内燃機関(図外)のガバナ31は制御回路22の出力電気信号により制御される。さらにガバナ31にはガバナの制御位置を観測するガバナセンサ33が設けられ、そのセンサ出力は制御回路22に接続される。アクセル・ストローク・センサ34、ギヤ選択センサ35、およびエンジン回転センサ36の出力はそれぞれ制御回路22に取込まれる。
この装置では、この車両が走行を開始したときに制御回路22に実装されたプログラム制御回路が、車両質量を推定演算する。すなわち車両は運行途中に停車すると貨物の積み下ろしがあり車両質量が変化する。車両質量は車両姿勢の制御に重要な要素であり、内燃機関の駆動力、車体が受ける空気抵抗、回転部分の質量、転がり抵抗、および車両加速度ならびに重力加速度などの要素から演算される。この実施例装置で採用した実用的な演算式を示すと、
A=駆動力−(空気抵抗+回転部分の質量×加速度)
B=(転がり抵抗×重力加速度)+(車両の勾配×重力加速度)+加速度
を求めて、
車両質量(M)=A/B
として演算する手段を含む構成とすることができる。
前記駆動力は内燃機関に供給される燃料流量から車種毎に設定された方式(数表または数式など)により演算される値であり、前記空気抵抗は車両の構造に基づき車種毎に設定(測定または演算)された定数であり、前記回転部分の質量は車種毎にあらかじめ設定された定数であり、前記転がり抵抗は車種毎にあらかじめ設定された定数とすることができる。
図4に本発明実施例装置の車両質量演算および設定に係る要部フローチャートを示す。ここで本発明の特徴とするところは、車両質量を演算するために必要な要素である車両の勾配について、車両に設けられた勾配センサ10のそのときの出力をそのまま利用するのではなく、車両質量を演算する直前の車両が停車している状態で勾配センサ10の出力に現れていた値を利用するように構成したところにある。すなわち車両の勾配センサ10は車両の前後方向の加速度を検出する装置であり、車両が発進するとその直後に当然に大きく変動する。そして変動中はその出力値は一義的に定まらず、変動中の一つの値を捉えてその出力とせざるを得ない。本願発明者はこれが従来装置で車両質量を演算するときの誤差の大きい要因であることに注目した。
そして本発明の装置では、勾配センサ10の出力は車両が走行を開始する前の安定な静止した状態の勾配センサ10の出力を利用することにしたところにその最大の特徴がある。すなわち勾配センサ10は車両が発進する前の安定な値を取込み、これを一時的にメモリに保持しておき、この値を上記演算式の車両の勾配値として利用することにした。車両が発進するとその路面は必ずしも一様な勾配とは限らないが、路面勾配が発進直後に大きく変化する場面はまれであり、多くの路面では車両発進直前の停車中の車両勾配の観測数値をそのまま車両発進時の路面勾配の数値として利用してほとんど問題はない。これは第一実施例の場合と同様である。したがって演算された車両質量推定値に大きい誤差は生じない。
まれに車両の発進直後にその路面勾配が急変する場合があるとすると、これは車両の停車発進を繰り返すつど上記のような質量推定演算を実行し、その演算結果の累積的な平均値を演算してゆくことによりこれを救済することができる。すなわち仮に、車両が凹凸路面のある貨物積み下ろし場に停車して積み荷が変更され、これが質量推定演算に影響を与えたとしても、その後その車両が通常の平坦道路を走行し、停車発進が繰り返され、そのつど質量推定演算を繰り返し累積的な平均値を更新すると、演算結果はしだいに正しい値に近づいてゆくことになる。上記の平均値演算は車両の積み荷が変更されたときにリセットされる。リセット操作は、手動で行う、一定時間を越える停車時に自動的に行う、車両質量がこれまでの計測値と所定幅を越えて変動したことが検出された時に自動的に行う、などの方法がある。
この構成により車両が発進することにより勾配センサの出力値が振動して、その値が一つに定まらないことにより生じる誤差はなくなる、またはきわめて小さくなる。
(第三実施例)
車両が停止し、発進補助装置が作動し、ドライバーがブレーキペダルを離しても制動力が保持され、第一実施例にて車両勾配を保存し、第二実施例にて車両質量の推定を行った状態からドライバーが発進するためにアクセルを踏むエンジン出力が上昇し、エンジントルクが上昇する。これが発進補助装置を解除してもずりさがることなく発進できるだけのクラッチトルクに変換されていれば実際に発進補助装置の解除を行うことができる。発進できる際のクラッチトルクは車両の諸元、勾配、質量から求められる駆動力から演算することができる。ここで実用的な演算式を示すと、
駆動力(A)=空気抵抗+転がり抵抗+勾配抵抗+加速抵抗
タイヤ軸トルク(B)=駆動力(A)×タイヤ動半径
発進補助装置解除に必要なクラッチトルク(C)
=B/(トランスミッションギヤ比×デファレンシャルギヤ比)
として演算する手段を含む構成とすることができる。また、実際に車両が発生しているエンジントルクからクラッチトルクに変換する演算式を示すと、
実際のクラッチトルク(D)=エンジントルク
×(エンジン回転部分イナーシャ×エンジン回転角加速度×2π/60)
として演算する手段を含む構成とすることができる。発進補助装置は下記条件が成立したときに解除を行う。
実際のクラッチトルク(D)>発進補助装置解除に必要なクラッチトルク(C)
これにより、発進補助装置を解除してもずりさがることなくスムーズに発進することが可能となる。
本発明第一実施例装置の制御系ハードウエアの構成図。 本発明第一実施例装置の要部フローチャート。 本発明第二実施例装置の制御系ハードウエアの構成図。 本発明第二実施例装置の要部フローチャート。
符号の説明
1 プログラム制御回路(クラッチ系)
2 モータドライバ
3 モータ
4 油圧アクチュエータ
5 クラッチブースタ
6 シリンダ
7 クラッチペダル
8 マスタシリンダ
9 エアタンク
10 勾配センサ
11 プログラム制御回路(ブレーキ系)
12 バスライン
13 ブレーキ電磁弁
14 ブレーキペダル
15 マスタシリンダ
16 ブレーキブースタ(フロント用)
17 ブースタブレーキ(リア用)
22 制御回路
23 横方向加速度センサ
24f 前輪
24r 後輪
25 車輪回転センサ
26 ブレーキ・ブースタ・アクチュエータ
27 ブレーキ圧センサ
28 操舵輪
29 操舵角センサ
30 ロールレイトセンサ
31 ガバナ
32 ヨーレイトセンサ
33 ガバナセンサ
34 アクセル・ストローク・センサ
35 ギヤ選択センサ
36 エンジン回転センサ

Claims (4)

  1. 車両の勾配情報を含む情報に基づき車両の加速時にクラッチの滑り状態を制御する手段を備えた発進補助装置において、
    その車両の停車中の勾配情報をその車両の発進後まで記憶する手段を設け、
    前記制御する手段は車両の発進時に実行する発進補助のための演算に、その車両の勾配情報として前記記憶する手段に記憶された勾配情報を利用する手段を備えたことを特徴とする発進補助装置。
  2. 前記車両の勾配情報に加えてその車両の質量情報に基づき車両の加速時にクラッチの滑り状態を含むパラメタを制御する手段を備え、
    その質量情報を演算するために必要な車両の勾配情報についても前記記憶する手段に記憶された勾配情報を利用する手段を備えた請求項1記載の発進補助装置。
  3. 車両の発進から適当な時間を経過した後に前記記憶する手段に記憶された勾配情報をリセットする手段を備えた請求項1または2記載の発進補助装置。
  4. 前記車両の勾配情報に加えて、車両質量情報を利用して、車両の発進時に実行する発進補助のための演算に利用する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の発進補助装置。
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