JP2007126117A - 車両用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】エアバッグが膨張した時に乗員に対して作用する衝撃を分散させることができるとともに、エアバッグがシートの硬質部品の影響を受けるような車両用シートよりもエアバッグの耐久性を向上させること。
【解決手段】シート1の座部2は、下側座クッション15と、下側座クッション15の上方に位置する上側座クッション16と、エアバッグ18と、を備える。そして、エアバッグ18は、下側座クッション15と上側座クッション16との間で展開及び膨張する。
【選択図】図1
【解決手段】シート1の座部2は、下側座クッション15と、下側座クッション15の上方に位置する上側座クッション16と、エアバッグ18と、を備える。そして、エアバッグ18は、下側座クッション15と上側座クッション16との間で展開及び膨張する。
【選択図】図1
Description
本発明は、着座した乗員の前滑りを防止する車両用シートに関する。
従来、車両が前方から衝撃を受けたときに、乗員の体がシートベルトの下をくぐり抜けるように前滑りしてしまう現象(サブマリン現象)が起きる場合のあることが知られている。
このような乗員の前すべりを防止するために、例えば、特許文献1〜3に記載の車両用シートが提案されている。
特許文献1に記載の車両用シートにおいてエアバッグは、膨張用ガスが吐出されると、シートの前部側において該シートの着座領域を直交するようにバッグが膨張し、乗員の前すべりを防止している。また、特許文献2に記載のエアバッグは、膨張用ガスが車両の後方側へ吐出されると、エアバッグがシートの前部側から後部側へ向かって膨張し、乗員の前すべりを防止している。また、特許文献3に記載の車両用シートでは、クッション体の一部を盛り上げて乗員の大腿部に対しクッション体を押圧させることで、クッション体に着座した乗員の前滑りを防止する前滑り防止手段としてのエアバッグを備えている。
特開平5−229378号公報
特開2002−079861号公報
特開2005−193844号公報
特許文献1に記載の車両用シートにおいてエアバッグは、膨張用ガスが吐出されると、シートの前部側において該シートの着座領域を直交するようにバッグが膨張し、乗員の前すべりを防止している。また、特許文献2に記載のエアバッグは、膨張用ガスが車両の後方側へ吐出されると、エアバッグがシートの前部側から後部側へ向かって膨張し、乗員の前すべりを防止している。また、特許文献3に記載の車両用シートでは、クッション体の一部を盛り上げて乗員の大腿部に対しクッション体を押圧させることで、クッション体に着座した乗員の前滑りを防止する前滑り防止手段としてのエアバッグを備えている。
しかしながら、特許文献1に記載の車両用シートでは、エアバッグの負荷がシートに着座する乗員に対して局部的に集中する。また、特許文献2に記載の車両用シートにおけるエアバッグの配置構成では、エアバッグは乗員の太腿部の途中から臀部の途中までの領域にしか対応していない。このような構成のエアバッグでは、クッションとエアバッグとが接触している部分は少ない。このため、エアバッグ膨張時にクッションを介して乗員の荷重が集中してエアバッグに対し作用する。このように乗員の荷重が集中してエアバッグに対し作用すると、例えばシートの内部に補強材としてワイヤのような硬質部品が配設されているような場合には、その硬質部品によってエアバッグが傷付けられないようエアバッグを保護する必要がある。
また、特許文献3に記載された車両用シートでは、乗員の大腿部に対してクッション体を押圧させることで着座した乗員の前滑りを防止しているため、エアバッグの一部が盛り上がったときに乗員の大腿部付近に偏って衝撃が作用することとなる。
本発明は、エアバッグが膨張した時に乗員に対して作用する衝撃を分散させることができるとともに、エアバッグがシートの硬質部品の影響を受けるような車両用シートよりもエアバッグの耐久性を向上させることができる車両用シートを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、着座した乗員の前すべりを防止する車両用シートにおいて、シートの座部は、下側座クッションと、前記下側座クッションの上方に位置する上側座クッションと、エアバッグと、を備え、前記エアバッグは、前記上側座クッションと前記下側座クッションとの間で展開及び膨張することを要旨とする。 この構成によれば、エアバッグの展開及び膨張は、弾力性を有する上側座クッションと下側座クッションとの間で行われる。すなわち、エアバッグは、上側座クッションと下側座クッションとの間を押し広げるように展開及び膨張することになるので、膨張時においては乗員に対し作用する衝撃を分散させることができる。また、展開及び膨張時のエアバッグが、シートの内部に配設された補強材に直接接することもない。したがって、展開及び膨張時にエアバッグがシートの硬質部品の影響を受け難く、エアバッグがシートの硬質部品の影響を受けるような車両用シートよりもエアバッグの耐久性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記エアバッグは、展開された状態で前記上側座クッションと前記下側座クッションとの間に収納されていることを要旨とする。
この構成によれば、エアバッグは、収納時においてすでに展開されているため、ガス発生源からガスが供給された際には、膨張することで上側座クッションを上方に持ち上げて乗員の前すべりを抑制できる。したがって、展開動作が行われない分だけ、素早く乗員の前滑りを防止することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記上側座クッションと前記下側座クッションとの間において予め設定された収納位置から前記エアバッグが位置ずれすることを抑制する位置ずれ抑制手段を備えていることを要旨とする。
この構成によれば、例えば座部に着座している乗員によって、上側座クッションと下側座クッションとの間において予め設定された収容位置から位置ずれするような力がエアバッグに加えられても、エアバッグが位置ずれすることは抑制される。したがって、予め設定された位置でエアバッグを膨張させることができるため、好適に前滑り防止機能を発揮させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記位置ずれ抑制手段は、一端が前記エアバッグの外周部に取り付けられ、他端が車体部に取り付けられたストラップを備えていることを要旨とする。
この構成によれば、エアバッグが、予め設定されたクッション内の収納位置から位置ずれすることをストラップによって抑制できる。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記位置ずれ抑制手段は、前記座部の左右両側に設けられるとともに上下方向に延設された溝と、端部が前記エアバッグの左右両端部に取り付けられ、一部分が前記溝に係止されるベルトとを備えていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記位置ずれ抑制手段は、前記座部の左右両側に設けられるとともに上下方向に延設された溝と、端部が前記エアバッグの左右両端部に取り付けられ、一部分が前記溝に係止されるベルトとを備えていることを要旨とする。
この構成によれば、ベルトの端部がエアバッグの左右両端部に取り付けられているとともに、ベルトの一部分が溝に係止されているため、エアバッグが予め設定された収納位置から位置ずれすることを抑制できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、未展開及び未膨張時における前記エアバッグは、前記上側座クッションと前記下側座クッションとによって形成される間隙の端部より下方において、折り畳まれた状態で収納されており、展開及び膨張時に前記エアバッグは、前記間隙の端部から前記間隙内に進入し、展開及び膨張することを要旨とする。
この構成によれば、未展開及び未膨張時のエアバッグが上側座クッションと下側座クッションとの間に位置していないため、上側座クッションと下側座クッションの柔軟性をエアバッグが阻害することはない。したがって、乗り心地が良好である。また、エアバッグは折り畳まれて収容されているので、収容スペースを小さくすることができる。したがって、小さい座部にも適用でき、取り扱いが容易である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記エアバッグは、車両の前方側から車両の後方側へ展開及び膨張することを要旨とする。
通常、乗員が着座している状況において、座部の前側には膝が位置し、座部の後側には臀部が位置する。この構成によれば、エアバッグが展開及び膨張した際には着座した乗員の膝から持ち上げることができるので、乗員の前滑りをより抑制することができる。
通常、乗員が着座している状況において、座部の前側には膝が位置し、座部の後側には臀部が位置する。この構成によれば、エアバッグが展開及び膨張した際には着座した乗員の膝から持ち上げることができるので、乗員の前滑りをより抑制することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の発明において、前記エアバッグは、少なくとも着座した乗員の膝から大腿部にかけて展開及び膨張することを要旨とする。
この構成によれば、エアバッグが展開及び膨張した時に、着座した乗員の膝から大腿部が持ち上げられる。したがって、車両の急減速時に着座した乗員に対してサブマリン現象が起きることは、好適に抑制される。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の発明において、前記エアバッグは、着座領域全域に対応して展開及び膨張することを要旨とする。
ここで、「着座領域全域」とは、座部の領域のうち、乗員が着座状態において、乗員の膝裏よりも後側の大腿部から臀部までの部分と接する領域のことである。この構成によれば、エアバッグの膨張時に生じる衝撃は、座部の乗員着座領域全域を介して乗員へと伝達されるため、乗員の大腿部付近のみを持ち上げようとする場合に比べて、乗員に対して作用する衝撃が確実に分散される。
ここで、「着座領域全域」とは、座部の領域のうち、乗員が着座状態において、乗員の膝裏よりも後側の大腿部から臀部までの部分と接する領域のことである。この構成によれば、エアバッグの膨張時に生じる衝撃は、座部の乗員着座領域全域を介して乗員へと伝達されるため、乗員の大腿部付近のみを持ち上げようとする場合に比べて、乗員に対して作用する衝撃が確実に分散される。
請求項10に記載の発明は、着座した乗員の前すべりを防止する車両用シートにおいて、シートの座部は、クッション体と、エアバッグと、前記クッション体の下方に配置され前記クッション体を支持する弾性部材と、前記クッション体と前記弾性部材との間に配置される保護部材と、を備え、前記エアバッグは、前記クッション体と前記保護部材との間で展開及び膨張することを要旨とする。
この構成によれば、エアバッグの展開及び膨張は、クッション体と保護部材との間で行われる。このため、エアバッグは、クッション体と保護部材との間を押し広げるように展開及び膨張することになるので、膨張時においては乗員に対し作用する衝撃を分散させることができる。そして、展開及び膨張時のエアバッグは、保護部材によって硬質部材としての弾性部材に直接接することもない。したがって、展開及び膨張時にエアバッグがシートの硬質部品の影響を受け難く、エアバッグがシートの硬質部品の影響を受けるような車両用シートよりもエアバッグの耐久性を向上させることができる。
本発明の車両用シートは、エアバッグが膨張した時に乗員に対して作用する衝撃を分散させることができるとともに、エアバッグがシートの硬質部品の影響を受けるような車両用シートよりもエアバッグの耐久性を向上させることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図4に従って説明する。なお、以下の説明では、車両の前進方向を前方と記載し、それを基準に前、後、上、下、左、右を規定し、シートの場合には、車両に装備された状態を基準に、車両の前記各方向と対応して前、後、上、下、左、右を規定している。
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図4に従って説明する。なお、以下の説明では、車両の前進方向を前方と記載し、それを基準に前、後、上、下、左、右を規定し、シートの場合には、車両に装備された状態を基準に、車両の前記各方向と対応して前、後、上、下、左、右を規定している。
図1に示すように、車両(図示略)の室内に配置されたシート1は、座部2と、リクライニング可能に構成された背もたれ部3と、ヘッドレスト4と、シートベルト5と、位置ずれ抑制手段としての後述するストラップ31,32(図2及び図3に図示する。)と、を備えている。
座部2は、板状のフレーム11と、クッション体12とを備える。また、座部2は、クロス製あるいはレザー製のカバー13によって被覆されており、座部2内には、エアバッグ装置14が収納されている。
クッション体12は、別体に構成された下側座クッション15と、上側座クッション16とを備える。下側座クッション15は、フレーム11上に配置されている。下側座クッション15は、後端が、フレーム11の後端と一致しており、前端が、フレーム11の中央位置よりも前側に位置している。
上側座クッション16は、下側座クッション15よりも上方に位置している。上側座クッション16は、後述するエアバッグ18の上面全体を覆うとともに、エアバッグ18の後縁部分から、フレーム11の前端に至るまで存在している。
エアバッグ装置14は、ガス発生源としてのインフレータ17と、大部分が下側座クッション15の上に載置されているエアバッグ18とからなる。
インフレータ17は、車両の幅方向と略平行に延設された、円柱状の部材である。インフレータ17は、袋状のエアバッグ18内に包み込まれるように配設されている。
インフレータ17は、車両の幅方向と略平行に延設された、円柱状の部材である。インフレータ17は、袋状のエアバッグ18内に包み込まれるように配設されている。
エアバッグ18は、下側座クッション15の上面全体を覆うように配置されている。また、エアバッグ18上には、上側座クッション16が載置されているため、内面同士が密接しているエアバッグ18の部分は、上側座クッション16と下側座クッション15との間に挟み込まれている。そして、エアバッグ18の後縁は、上側座クッション16の後端部16aよりも若干前側に位置している。エアバッグ18は、ガスが供給されていない未膨張状態では平面状になっている。言い換えれば、エアバッグ18は、折り畳まれることなく、平らに展開された状態で上側座クッション16と下側座クッション15との間に収納されている。また、未膨張状態のエアバッグ18は、少なくとも座部の乗員着座領域D全域に対応するように配置されている。すなわち、エアバッグ18は、上側座クッション16を介して乗員着座領域Dの下方に位置しており、エアバッグ18が配置されている領域は、車両の前後方向及び車両の幅方向において乗員着座領域Dよりも広くなるように構成されている。ここで、「乗員着座領域D」とは、座部2の領域のうち、乗員Pが着座状態において、乗員Pの膝裏よりも後側の大腿部から臀部までの部分と接する領域のことである。なお、エアバッグ18は、膨張すると、上側座クッション16と対向する面全体で該上側座クッション16を押圧する。すなわち、エアバッグ18は、膨張時において上側座クッション16を上方に向かって押圧することとなる面が平面的(平らな面)になるように形成されている。
シートベルト5は、シート1に着座した乗員Pを拘束するために設けられた3点固定式シートベルトである。シートベルト5のラップベルト部5aは、乗員着座時に乗員Pの腰部Kの一側方から水平方向に腰部Kの前を経由して他側方に架け渡される。シートベルト5のショルダベルト部5bは、乗員着座時に肩から斜めに胸の前を経由して腰部Kの側方に架け渡される。
そして、図2に示すように、位置ずれ抑制手段としてのストラップ31及びストラップ32は、エアバッグ18の外周部に設けられている。
ストラップ31は、一端31aがエアバッグ18の外周部としての後端部18aに取り付けられており、他端31b(図3に示す)が、エアバッグ18に対して車両の前後方向及び車両の幅方向(左右方向)において相対移動することのない車体部に取り付けられている。また、ストラップ32は、一端32aがエアバッグ18の外周部としての左右両端部18bに取り付けられており、他端32bが、エアバッグ18に対して相対移動することのない車体部に取り付けられている。ここで、「車体部」とは、車両を構成する部分のことを意味しており、座部2を構成する部分であってもよい。
ストラップ31は、一端31aがエアバッグ18の外周部としての後端部18aに取り付けられており、他端31b(図3に示す)が、エアバッグ18に対して車両の前後方向及び車両の幅方向(左右方向)において相対移動することのない車体部に取り付けられている。また、ストラップ32は、一端32aがエアバッグ18の外周部としての左右両端部18bに取り付けられており、他端32bが、エアバッグ18に対して相対移動することのない車体部に取り付けられている。ここで、「車体部」とは、車両を構成する部分のことを意味しており、座部2を構成する部分であってもよい。
具体的には、図3に示すように、座部2内には、車体部としての左右一対の支持プレート22が、前後方向に延設されているとともに、左右一対の支持プレート22間に、車幅方向に延設されたフロントロッド23とバックロッド24とが配置されている。また、一対の支持プレート22は、エアバッグ18及びフレーム11よりも下方に配置されている。そして、エアバッグ18は、座部2に対して移動することがないように収納されている。車体部としての複数のワイヤ21は、フロントロッド23とバックロッド24との間に張設されており、ワイヤ21は、エアバッグ18及びフレーム11よりも下方に位置している。
ストラップ31は、一端31aをエアバッグ18に固定し、他端31bをワイヤ21に固定した状態において、エアバッグ18及びストラップ31がたるまない程度の長さに設定されている。同様に、ストラップ32は、一端32aをエアバッグ18に固定し、他端32bをワイヤ21に固定した状態において、エアバッグ18及びストラップ32がたるまない程度の長さに設定されている。また、ストラップ31及びストラップ32は、布製である。ここで、本実施形態では、座部2内に配設されたワイヤ21に他端31b及び他端32bを固定したが、座部2が移動しないように構成されている場合には、座部2内に配設された部材でなくとも、他端31b及び他端32bを座部2の外に配置されている車体部に固定してもよい。
次に前記のように構成されたシート1の作用について説明する。
乗員着座時において、乗員Pが着座姿勢を変えるため臀部や太腿部の位置が座部2上でずれるように移動する時には、上側座クッション16を介してエアバッグ18の位置が予め設定された収納位置からずらされるような力がエアバッグ18に加えられる。しかし、ストラップ31の他端31b及びストラップ32の他端32bは、フレーム11のワイヤ21に固定されて、支持プレート22と同様にエアバッグ18に対して相対移動することはない。すなわち、ストラップ31及びストラップ32は、エアバッグ18が収納された位置から車両の前方や、車両の幅方向へ位置ずれすることを抑制するため、エアバッグ18の収納位置は安定するのである。
乗員着座時において、乗員Pが着座姿勢を変えるため臀部や太腿部の位置が座部2上でずれるように移動する時には、上側座クッション16を介してエアバッグ18の位置が予め設定された収納位置からずらされるような力がエアバッグ18に加えられる。しかし、ストラップ31の他端31b及びストラップ32の他端32bは、フレーム11のワイヤ21に固定されて、支持プレート22と同様にエアバッグ18に対して相対移動することはない。すなわち、ストラップ31及びストラップ32は、エアバッグ18が収納された位置から車両の前方や、車両の幅方向へ位置ずれすることを抑制するため、エアバッグ18の収納位置は安定するのである。
そして、図示しない衝突検出手段(例えば、異常加速度検出手段)が衝突(異常加速度)を検出すると、図示しない制御手段がインフレータ17を作動させ、インフレータ17から高圧ガスがエアバッグ18へ送られて、図4に示すように平面状のエアバッグ18が膨張する。この時、エアバッグ18は、上側座クッション16と下側座クッション15との間で膨張する。すなわち、エアバッグ18は、上側座クッション16と下側座クッション15との境界域(上側座クッション16と下側座クッション15との境界となる領域)で膨張することになる。エアバッグ18が膨張すると、上側座クッション16が持ち上げられて、座部2の乗員着座領域D全域も上方へ持ち上げられる。したがって、乗員Pの膝裏より後側の太腿部から臀部までの領域は押圧されて、乗員Pの腰部Kが、上方へと持ち上げられる。乗員Pの腰部Kが、上方へ持ち上げられると、乗員Pがラップベルト部5aに押し付けられラップベルト部5aの拘束力が高まる。
この第1の実施形態では、以下の効果を有する。
(1)車両の衝突時にエアバッグ18は、上側座クッション16と下側座クッション15との間で膨張する。このため、エアバッグ18は、上側座クッション16と下側座クッション15との間を押し広げるように膨張することになるので、膨張時においては乗員に対し作用する衝撃を分散させることができる。また、展開及び膨張時のエアバッグ18が、シート1の内部に配設された硬質部品としてのワイヤ21に直接接することはない。したがって、展開及び膨張時にエアバッグ18がワイヤ21の影響を受け難く、エアバッグ18がシート1の硬質部品の影響を受けるような車両用シートよりもエアバッグ18の耐久性を向上させることができる。
(1)車両の衝突時にエアバッグ18は、上側座クッション16と下側座クッション15との間で膨張する。このため、エアバッグ18は、上側座クッション16と下側座クッション15との間を押し広げるように膨張することになるので、膨張時においては乗員に対し作用する衝撃を分散させることができる。また、展開及び膨張時のエアバッグ18が、シート1の内部に配設された硬質部品としてのワイヤ21に直接接することはない。したがって、展開及び膨張時にエアバッグ18がワイヤ21の影響を受け難く、エアバッグ18がシート1の硬質部品の影響を受けるような車両用シートよりもエアバッグ18の耐久性を向上させることができる。
(2)エアバッグ18は、展開された状態で下側座クッション15と上側座クッション16との間に収納されている。エアバッグ18は、収納時においてすでに展開されているため、膨張することで下側座クッション15を上方に持ち上げて乗員Pの前すべりを抑制できる。したがって、展開動作が行われない分だけ、素早く乗員Pの前滑りを防止することができる。
(3)エアバッグ18には、位置ずれ抑制手段としてのストラップ31、ストラップ32が設けられている。したがって、予め想定していた位置でエアバッグ18を膨張させることができるため、好適に前滑り防止機能を発揮することができる。
(4)平面状のエアバッグ18が上方へ膨張すると、座部2の乗員着座領域D全体が上方へ持ち上げられて、乗員Pの膝裏より後側の大腿部から臀部までの領域が押圧される。乗員Pを押圧することで、エアバッグ18の膨張時に乗員Pの荷重によって生じる負荷がエアバッグ18に作用する。この時、エアバッグ18は、乗員着座領域Dに対応する部分全体で負荷を担うため、エアバッグ18の膨張時に生じる衝撃は、座部2の乗員着座領域D全域から乗員Pへと伝達されて、衝撃が乗員Pのある一部位に偏って作用することはない。したがって、乗員Pに対して作用する衝撃は分散される。
(5)また、エアバッグ18は、クッション体12内に収納されているため、例えば座部2内部に設けられた硬質部品がエアバッグ18に接触する可能性は低い。したがって、エアバッグ18が座部2内部の硬質部品(例えば、座部2を補強するために設けられたワイヤ)等によって傷付けられる可能性は低くなるため、エアバッグ18の耐久性は向上する。
(6)クッション体12は、平面状のエアバッグ18を収納している。エアバッグ18を平面状のままで収納することによって、クッション体12及び、エアバッグ18を備える座部2を、小型化することができる。
(7)エアバッグ18の上面全体は、上側座クッション16によって覆われており、エアバッグ18の後縁は、上側座クッション16の後端部16aよりも若干前側に位置している。したがって、座部2の外側の部材によってエアバッグ18が傷付けられることは抑制される。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態を図5に従って説明する。この実施形態では、ストラップ31及びストラップ32の替わりに位置ずれ抑制手段としてベルト41を用いている点が異なっている。第1の実施形態と実質上同一部分は同一の番号を付してその詳しい説明を省略する。
次に第2の実施形態を図5に従って説明する。この実施形態では、ストラップ31及びストラップ32の替わりに位置ずれ抑制手段としてベルト41を用いている点が異なっている。第1の実施形態と実質上同一部分は同一の番号を付してその詳しい説明を省略する。
図5に示すように、座部2の内部に配設された支持プレート22は、座部2の左右両側に位置しており、支持プレート22の外面に溝22aが設けられている。溝22aは、支持プレート22に対し上下方向に延びるように形成されており、座部2の左右両側に位置している。
そして、エアバッグ18の左右両端部18bには、位置ずれ抑制手段を構成する一対のベルト41が取り付けられている。各ベルト41は、端部としての一端41aが、それぞれエアバッグ18の左右両端部18bに固定されており、各ベルト41の他端41bにはバックル42が取り付けられている。そして、ベルト41は、その一部分が溝22aに対し係止された状態で、エアバッグ18及びフレーム11(図5では、図示を省略する。)の下方をくぐるように通されている。ベルト41のバックル42同士は、フレーム11よりも下方の位置において嵌め合わされている。バックル42同士が嵌め合わされた状態では、一対のベルト41は、緩みのない緊張状態となっている。
この第2の実施形態においては、第1の実施形態の効果(1)、(2)、(4)〜(7)と同様の効果を有する他に次の効果を有する。
(8)一対のベルト41の一端41aは、それぞれエアバッグ18の左右両端部18bに設けられている。そして、一対のベルト41の一部分が溝22aに対し係止された状態で、バックル42同士は、嵌め合わされている。
(8)一対のベルト41の一端41aは、それぞれエアバッグ18の左右両端部18bに設けられている。そして、一対のベルト41の一部分が溝22aに対し係止された状態で、バックル42同士は、嵌め合わされている。
したがって、クッション体12内の予め設定された収納位置から位置ずれするような力がエアバッグ18に対して加えられても、ベルト41が溝22aによって係止されるため、収納された座部2の所定の位置からエアバッグ18が位置ずれすることを抑制できる。
(第3の実施形態)
次に第3の実施形態を図6及び図7に従って説明する。この実施形態では、未展開及び未膨張時におけるエアバッグ18の収納状態が第1の実施形態と異なっている。また、上側座クッション16及び下側座クッション15の構成も第1の実施形態と異なっている。第3の実施形態では、第1の実施形態と実質上同一部分は同一の番号を付してその詳しい説明を省略する。
次に第3の実施形態を図6及び図7に従って説明する。この実施形態では、未展開及び未膨張時におけるエアバッグ18の収納状態が第1の実施形態と異なっている。また、上側座クッション16及び下側座クッション15の構成も第1の実施形態と異なっている。第3の実施形態では、第1の実施形態と実質上同一部分は同一の番号を付してその詳しい説明を省略する。
図6(a)に示すように、座部2は、底部に車両の前後方向に延びるシートパン60を備える。シートパン60は、前部にエアバッグ収容部61が凹設されており、エアバッグ収容部61は、底部に孔62(図6(b)に図示する)が形成されるとともに、上方が開放されている。図6(b)に示すように、エアバッグ収容部61には、ガス発生源としてのインフレータ17と、インフレータ17が内挿されるリテーナ63と、リテーナ63を内包するエアバッグ18とが収容されている。
インフレータ17は、内部に図示しないガス発生剤を収容している。また、インフレータ17には、下方に向かって雄ねじ部64が突設されている。雄ねじ部64は、孔62、エアバッグ18に設けられた取付け孔65及びリテーナ63の底部に形成された挿通孔66に挿通されている。そのうえで、雄ねじ部64にはナット67が螺合されている。
図6(a)に示すように、リテーナ63は、エアバッグ18の前端部に位置する。リテーナ63の後側上部にはガス供給口63aが設けられており、ガス供給口63aは、斜め後側上方を向いて開放されている。
エアバッグ18は、図6(a)に示すようにクッション体12の下方に位置するとともに、中折りされたうえで、内ロール折りされた状態で収容されている。エアバッグ18が収容された状態において、中折り及び内ロール折りされたエアバッグ18の折り畳み部68は、インフレータ17の上方に位置している。そして、エアバッグ18の上方には、上側座クッション69が配置されている。ここで、「中折り」とは、展開されて平らになっているエアバッグ18の一端を他端側に向けて入れ込むように折り畳む折り畳み方のことを意味する。「内ロール折り」とは、エアバッグ18の端部を巻き込むように折り畳む際、エアバッグ18の巻き込まれた部分が、巻き込まれていない部分より下方に位置するようにした折り畳み方のことを意味する。
下側座クッション70は、シートパン60の上面に設置される。下側座クッション70は、上面が前端から後端に向かって上方へ傾斜している。下側座クッション70の上面には、上面全体を覆うように下側保護布71が縫着されている。また、下側保護布71における車幅方向の長さは、エアバッグ18の車幅方向の長さより大きくなるように形成されており、下側保護布71は、エアバッグ収容部61の後端61aより後側から下側座クッション70の後縁に至るまで設けられている。
図6(a)に示すように、上側座クッション69の下面には上側保護布72が縫着されている。上側保護布72は、エアバッグ18の未展開膨張時には下側保護布71と接している。下側保護布71及び上側保護布72には、エアバッグ18で用いられる布材と同じ布材が用いられており、具体的にはナイロン製の布が用いられている。
上側座クッション69は、エアバッグ収容部61の開放部及び下側座クッション70を覆うように配置されている。上側座クッション69は、座部2の前端から下側座クッション70の後縁部分と対応する位置までは徐々に厚みが薄くなるとともに、下側座クッション70の後縁と対応する位置からは下側に厚くなるように形成されている。下側座クッション70と上側座クッション69とは別体に構成されており、上側保護布72と下側保護布71との間における間隙73は、下側座クッション70の下方から、着座した乗員Pの臀部に傾斜しつつ向かっている。
次に、第3の実施形態におけるシート1の作用について説明する。
図示しない衝突検出手段(例えば、異常加速度検出手段)が衝突(異常加速度)を検出すると、図示しない制御手段がインフレータ17を作動させ、インフレータ17から膨張ガスを噴出させる。そして、リテーナ63に設けられたガス供給口63aは、インフレータ17から噴出した膨張ガスをエアバッグ18へ供給する。エアバッグ18に膨張ガスが供給されると、折り畳まれた状態のエアバッグ18が展開及び膨張を開始する。エアバッグ18が展開及び膨張すると、エアバッグ18は、まず、図7に示すように内ロール折りされる前の状態、すなわち、中折りされた状態に移行する。また、収納された状態のエアバッグ18に膨張ガスが供給されると、エアバッグ18は、車両の前側から車両の後側へ展開及び膨張するとともに、端部がエアバッグ18より上方に位置する間隙73に進入する。間隙73に進入したエアバッグ18は、上側座クッション69と下側座クッション70とによって挟み込まれたうえ、間隙73を押し広げるように展開及び膨張する。この時、エアバッグ18は、上側保護布72及び下側保護布71と摺接しつつ展開及び膨張している。次に、中折りされた状態に移行したエアバッグ18は、端部が一気に後側に向かって突出することで速やかに展開される。エアバッグ18が展開及び膨張すると、下側座クッション70と別体に構成された上側座クッション69は上方に持ち上げられ、それに伴って乗員Pも上方へ持ち上げられる。したがって、座部2内に配設されたエアバッグ18が展開及び膨張すると、乗員Pに対するラップベルト部5aの拘束力は高められる。
図示しない衝突検出手段(例えば、異常加速度検出手段)が衝突(異常加速度)を検出すると、図示しない制御手段がインフレータ17を作動させ、インフレータ17から膨張ガスを噴出させる。そして、リテーナ63に設けられたガス供給口63aは、インフレータ17から噴出した膨張ガスをエアバッグ18へ供給する。エアバッグ18に膨張ガスが供給されると、折り畳まれた状態のエアバッグ18が展開及び膨張を開始する。エアバッグ18が展開及び膨張すると、エアバッグ18は、まず、図7に示すように内ロール折りされる前の状態、すなわち、中折りされた状態に移行する。また、収納された状態のエアバッグ18に膨張ガスが供給されると、エアバッグ18は、車両の前側から車両の後側へ展開及び膨張するとともに、端部がエアバッグ18より上方に位置する間隙73に進入する。間隙73に進入したエアバッグ18は、上側座クッション69と下側座クッション70とによって挟み込まれたうえ、間隙73を押し広げるように展開及び膨張する。この時、エアバッグ18は、上側保護布72及び下側保護布71と摺接しつつ展開及び膨張している。次に、中折りされた状態に移行したエアバッグ18は、端部が一気に後側に向かって突出することで速やかに展開される。エアバッグ18が展開及び膨張すると、下側座クッション70と別体に構成された上側座クッション69は上方に持ち上げられ、それに伴って乗員Pも上方へ持ち上げられる。したがって、座部2内に配設されたエアバッグ18が展開及び膨張すると、乗員Pに対するラップベルト部5aの拘束力は高められる。
第3の実施形態では、第1の実施形態の効果(1)、(2)、(4)及び(5)と同様の効果を有する他に次の効果を有する。
(9)エアバッグ18は、クッション体12の下方に位置するとともに、中折りされたうえで、内ロール折りされた状態で収容されている。そして、エアバッグ18は、展開及び膨張時に上側座クッション69と下側座クッション70との間にある間隙73に進入する。エアバッグ18は、クッション体12の下方において折り畳まれて収納されているため、エアバッグ18の未展開及び未膨張時にクッション体12の柔軟性をエアバッグ18が阻害することはない。したがって、乗り心地が良好である。また、エアバッグ18は折り畳まれて収容されているので、収容スペースを小さくすることができる。したがって、小さい座部2にも適用でき、取り扱いが容易である。
(9)エアバッグ18は、クッション体12の下方に位置するとともに、中折りされたうえで、内ロール折りされた状態で収容されている。そして、エアバッグ18は、展開及び膨張時に上側座クッション69と下側座クッション70との間にある間隙73に進入する。エアバッグ18は、クッション体12の下方において折り畳まれて収納されているため、エアバッグ18の未展開及び未膨張時にクッション体12の柔軟性をエアバッグ18が阻害することはない。したがって、乗り心地が良好である。また、エアバッグ18は折り畳まれて収容されているので、収容スペースを小さくすることができる。したがって、小さい座部2にも適用でき、取り扱いが容易である。
(10)エアバッグ18は、車両の前側から車両の後側へ展開及び膨張する。したがって、展開及び膨張したエアバッグ18は、着座した乗員Pの膝から持ち上げるので、乗員Pの前滑りをより抑制することができる。
(第4の実施形態)
次に第4の実施形態を図8に従って説明する。この実施形態では、クッション体12、エアバッグ18及びクッション体12の支持構造の構成が異なっている。第1の実施形態と実質上同一部分は同一の番号を付してその詳しい説明を省略する。
次に第4の実施形態を図8に従って説明する。この実施形態では、クッション体12、エアバッグ18及びクッション体12の支持構造の構成が異なっている。第1の実施形態と実質上同一部分は同一の番号を付してその詳しい説明を省略する。
座部2は、座部2の両側に設けられるとともに前後方向に延びる一対の支持板10を備える。一対の支持板10の間には座部2の後端寄りにバックロッド24が、座部2の前端部にエアバッグ収容部61がそれぞれ座部2の左右方向に沿って延びるように配設されている。バックロッド24とエアバッグ収容部61との間には、略S字状に屈曲されている弾性部材74が張架されているとともに、弾性部材74は、車幅方向に複数設けられている。
図8に示すように、エアバッグ収容部61には、ガス発生源としてのインフレータ17とインフレータ17を内部に収容するリテーナ63とが収容されている。
そして、リテーナ63を内包するエアバッグ18は、平面状に展開されたうえで弾性部材74上に載置されている。また、エアバッグ18上には、クッション体75が載置されているため、内面同士が密接しているエアバッグ18の部分は、クッション体75と弾性部材74との間に収容されている。すなわち、内面同士が密接しているエアバッグ18の部分は、クッション体75と弾性部材74との境界域に収容されている。そして、エアバッグ18は、着座した乗員Pの膝から大腿部までに対応する領域の下方に位置している。エアバッグ18の下面には保護部材としての保護布76が縫着されており、保護布76は弾性部材74と接している。すなわち、エアバッグ18は、クッション体75の下面と弾性部材74上に配置される保護布76との間で展開及び膨張する。保護布76は、耐摩耗性の高い布材(例えば、ナイロン製の布の表面をシリコーンコーティングした布)が用いられている。
そして、リテーナ63を内包するエアバッグ18は、平面状に展開されたうえで弾性部材74上に載置されている。また、エアバッグ18上には、クッション体75が載置されているため、内面同士が密接しているエアバッグ18の部分は、クッション体75と弾性部材74との間に収容されている。すなわち、内面同士が密接しているエアバッグ18の部分は、クッション体75と弾性部材74との境界域に収容されている。そして、エアバッグ18は、着座した乗員Pの膝から大腿部までに対応する領域の下方に位置している。エアバッグ18の下面には保護部材としての保護布76が縫着されており、保護布76は弾性部材74と接している。すなわち、エアバッグ18は、クッション体75の下面と弾性部材74上に配置される保護布76との間で展開及び膨張する。保護布76は、耐摩耗性の高い布材(例えば、ナイロン製の布の表面をシリコーンコーティングした布)が用いられている。
クッション体75は、エアバッグ18及び弾性部材74上に載置されている。なお、図8では、クッション体75と弾性部材74との間の境界域を誇張して描いている。
次に、第4実施形態におけるシート1の作用について説明する。
次に、第4実施形態におけるシート1の作用について説明する。
図示しない衝突検出手段(例えば、異常加速度検出手段)が衝突(異常加速度)を検出すると、図示しない制御手段がインフレータ17を作動させるとともにインフレータ17から膨張ガスを噴出させ、その噴出した膨張ガスをエアバッグ18へ供給する。エアバッグ18に膨張ガスが供給されると、平面状のエアバッグ18は、クッション体75と弾性部材74との間で膨張する。すなわち、エアバッグ18は、クッション体75と弾性部材74との境界域で膨張するのである。この時、エアバッグ18の下面には保護布76が設けられているため、エアバッグ18が膨張しても弾性部材74と直接接することはない。エアバッグ18が膨張すると、クッション体75は持ち上げられて、着座した乗員の膝から大腿部までと接している座部2の部分も上方へ持ち上げられる。したがって、乗員Pの膝裏から大腿部までの領域は押圧されて、乗員Pの膝が上方へと持ち上げられる。乗員Pの膝が上方へ持ち上げられると、乗員Pの下肢が座部2からずり落ちて、乗員Pが前滑りすることは抑制される。
第4の実施形態では、第1の実施形態の効果(1)、(2)、(6)、及び(7)と同様の効果を有する他に次の効果を有する。
(11)エアバッグ18の下面には保護布76が縫着されている。したがって、展開及び膨張時にエアバッグ18がシート1の弾性部材74の影響を受けることは少なく、エアバッグ18の耐久性を向上させることができる。
(11)エアバッグ18の下面には保護布76が縫着されている。したがって、展開及び膨張時にエアバッグ18がシート1の弾性部材74の影響を受けることは少なく、エアバッグ18の耐久性を向上させることができる。
(12)エアバッグ18は、着座した乗員Pの膝から大腿部までに対応する領域の下方に位置している。したがって、エアバッグ18が展開及び膨張した時には、着座した乗員Pの膝から大腿部までが持ち上げられるため、車両の急減速時に着座した乗員Pがシート1から前滑りするサブマリン現象が起きることは、好適に抑制される。
(第5の実施形態)
次に第5の実施形態を図9に従って説明する。この実施形態では、未展開及び未膨張時におけるエアバッグ18の収納状態が第4の実施形態と異なっている。第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態と実質上同一部分は同一の番号を付してその詳しい説明を省略する。
次に第5の実施形態を図9に従って説明する。この実施形態では、未展開及び未膨張時におけるエアバッグ18の収納状態が第4の実施形態と異なっている。第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態と実質上同一部分は同一の番号を付してその詳しい説明を省略する。
図9に示すように、エアバッグ収容部61には、ガス発生源としてのインフレータ17と、インフレータ17が内挿されるリテーナ63と、リテーナ63を内包するエアバッグ18とが収容されている。
エアバッグ18は、内ロール折りされたうえで収納されるとともに、エアバッグ18の上方には、クッション体75が配置されている。
クッション体75は、弾性部材74上に配置されるとともに、弾性部材74の全体を覆うように配設されている。なお、図9ではクッション体75と弾性部材74との間の隙間を誇張して描いている。
クッション体75は、弾性部材74上に配置されるとともに、弾性部材74の全体を覆うように配設されている。なお、図9ではクッション体75と弾性部材74との間の隙間を誇張して描いている。
次に、第5の実施形態におけるシート1の作用について説明する。
図示しない衝突検出手段(例えば、異常加速度検出手段)が衝突(異常加速度)を検出すると、図示しない制御手段がインフレータ17を作動させるとともにインフレータ17から膨張ガスを噴出させ、その噴出した膨張ガスをエアバッグ18へ供給する。エアバッグ18に膨張ガスが供給されると、内ロール折りされたエアバッグ18は展開及び膨張する。エアバッグ18が展開及び膨張すると、クッション体75が持ち上げられて、着座した乗員の膝から大腿部までと接している座部2の部分も上方へ持ち上げられる。この際、エアバッグ18の下面には保護布76が縫着されているため、エアバッグ18は、保護布76とクッション体75との間で展開及び膨張する。したがって、乗員Pの膝裏から大腿部までの領域は押圧されて、乗員Pの膝が上方へと持ち上げられる。乗員Pの膝が上方へ持ち上げられると、乗員Pの下肢が座部2からずり落ちて、乗員Pが前滑りすることは抑制される。
図示しない衝突検出手段(例えば、異常加速度検出手段)が衝突(異常加速度)を検出すると、図示しない制御手段がインフレータ17を作動させるとともにインフレータ17から膨張ガスを噴出させ、その噴出した膨張ガスをエアバッグ18へ供給する。エアバッグ18に膨張ガスが供給されると、内ロール折りされたエアバッグ18は展開及び膨張する。エアバッグ18が展開及び膨張すると、クッション体75が持ち上げられて、着座した乗員の膝から大腿部までと接している座部2の部分も上方へ持ち上げられる。この際、エアバッグ18の下面には保護布76が縫着されているため、エアバッグ18は、保護布76とクッション体75との間で展開及び膨張する。したがって、乗員Pの膝裏から大腿部までの領域は押圧されて、乗員Pの膝が上方へと持ち上げられる。乗員Pの膝が上方へ持ち上げられると、乗員Pの下肢が座部2からずり落ちて、乗員Pが前滑りすることは抑制される。
第5の実施形態では、第1の実施形態の効果(1)及び(2)と、第3の実施形態の効果(10)と、第4の実施形態の効果(11)及び(12)と同様の効果を奏する。
(変更例)
実施の形態は、前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
(変更例)
実施の形態は、前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
・ 第1の実施形態において、エアバッグ18は、少なくとも座部2の乗員着座領域D全域に対応して膨張するように構成されていたが変更してもよい。例えば、エアバッグ18が座部2に着座した乗員Pの膝から大腿部にかけて対応して膨張するように、エアバッグ18を構成してもよい。
・ 第4の実施形態及び第5の実施形態において、エアバッグ18は、着座した乗員Pの膝から大腿部までの領域に対応して展開及び膨張するように構成されていたが変更してもよい。例えば、エアバッグ18が座部2の乗員着座領域D全域に対応して展開及び膨張するように、エアバッグ18を構成してもよい。
・ 位置ずれ抑制手段として、エアバッグ18の後端部18aに一端31aが取り付けられたストラップ31、一端41aがエアバッグ18の両側端部に取り付けられたベルト41の両方を共用してもよい。
・ 座部2内に収納される上側座クッション16と下側座クッション15とは別体でなくともよい。例えば、図10及び図11に示すように、前方が開口するとともに、幅方向に開口していないスリット51をクッション体12に設け、エアバッグ18がスリット51内に配置されるように構成してもよい。このような構成によれば、前方に開口しているのみであるスリット51内にエアバッグ18を配置して、エアバッグ18の外周がクッション体12に当接するようにすることで、クッション体12によってエアバッグ18の位置ずれを抑制することができる。また、クッション体12に設けられたスリット51が幅方向にも開口するように延設したうえで、スリット51内にエアバッグ18が配置されるように構成してもよい。
・ エアバッグ18の形状は、平面状でなくともよい。例えば、図12に示すように、エアバッグ18の形状を凹部52が設けられた上側座クッション16と、凸部53が設けられた下側座クッション15との間に配置可能な形状にしてもよい。また、図13に示すように下側座クッション15の幅を、上側座クッション16の幅よりも小さくして、下側座クッション15の上面及び左右側面を覆うようなエアバッグ18を、下側座クッション15と上側座クッション16との間に配置してもよい。このように配置されたエアバッグ18は、幅方向において屈折した形状となり、エアバッグ18がクッション体12内の予め設定された収納位置から幅方向へ位置ずれすることは、抑制される。このように、エアバッグ18を下側座クッション15と上側座クッション16との間に配置する構成であっても、エアバッグ18を幅方向において屈折する形状とすることができれば位置ずれ抑制手段として構成することができる。
・ ストラップ31は二つ設けなくともよい。設ける数は、一つでもよいし三つ以上設けてもよい。
・ ストラップ31の他端31bは、ワイヤ21に固定しなくともよい。ストラップ31の他端31bを固定する個所は、エアバッグ18に対して相対移動することのない車体部であればどこでもよいため、例えばストラップ31の他端31bをバックロッド24に固定してもよい。
・ ストラップ31の他端31bは、ワイヤ21に固定しなくともよい。ストラップ31の他端31bを固定する個所は、エアバッグ18に対して相対移動することのない車体部であればどこでもよいため、例えばストラップ31の他端31bをバックロッド24に固定してもよい。
・ エアバッグ18は、座部2の乗員着座領域Dに対応するだけでなく、その他の領域においても対応するようにしてもよい。例えば、乗員着座領域Dに加えて、着座した乗員Pの膝裏が接する座部2の領域にまでエアバッグ18が対応するようにしてもよい。 以下の技術的思想は前記実施の形態及び変形例から把握できる。
・ 着座した乗員の前滑りを防止する車両用シートにおいて、シートの座部は、上側座クッションと、下側座クッションと、前記上側座クッションと前記下側座クッションとの間に収納されるエアバッグとを備え、前記エアバッグは、幅方向において屈折して収納されていることを特徴とする車両用シート。
・ 着座した乗員の前滑りを防止する車両用シートにおいて、シートの座部は、凹部が設けられた上側座クッションと凸部が設けられた下側座クッションとを備えるクッション体と、前記クッション体内に収納されたエアバッグとを備え、前記エアバッグは、少なくとも前記凹部と前記凸部との間に位置していることを特徴とする車両用シート。
・ 着座した乗員の前滑りを防止する車両用シートにおいて、シートの座部は、前方に開口するスリットが設けられたクッションと、前記クッション内に収納されるエアバッグとを備え、前記エアバッグは、前記スリット内に配置されていることを特徴とする車両用シート。
・ 着座した乗員の前滑りを防止する車両用シートにおいて、シートの座部は、クッション体と、前記クッション体内に収納されたエアバッグとを備え、前記エアバッグは、少なくとも前記座部の乗員着座領域全域に対応するように配置されていることを特徴とする車両用シート。
P…乗員、D…乗員着座領域、K…腰部、1…シート、2…座部、12、75…クッション体、15、70…下側座クッション、16、69…上側座クッション、18…エアバッグ、18a…後端部、18b…左右両端部、21…ワイヤ、22a…溝、31、32…ストラップ、31a,32a…一端、31b,32b…他端、41…ベルト、41a…一端、41b…他端、63a…ガス供給口、73…間隙、74…弾性部材。
Claims (10)
- 着座した乗員の前すべりを防止する車両用シートにおいて、
シートの座部は、下側座クッションと、前記下側座クッションの上方に位置する上側座クッションと、エアバッグと、を備え、
前記エアバッグは、前記上側座クッションと前記下側座クッションとの間で展開及び膨張する車両用シート。 - 前記エアバッグは、展開された状態で前記上側座クッションと前記下側座クッションとの間に収納されている請求項1に記載の車両用シート。
- 前記上側座クッションと前記下側座クッションとの間において予め設定された収納位置から前記エアバッグが位置ずれすることを抑制する位置ずれ抑制手段を備えている請求項1又は請求項2に記載の車両用シート。
- 前記位置ずれ抑制手段は、一端が前記エアバッグの外周部に取り付けられ、他端が車体部に取り付けられたストラップを備えている請求項3に記載の車両用シート。
- 前記位置ずれ抑制手段は、前記座部の左右両側に設けられるとともに上下方向に延設された溝と、端部が前記エアバッグの左右両端部に取り付けられ、一部分が前記溝に係止されるベルトとを備えている請求項3に記載の車両用シート。
- 未展開及び未膨張時における前記エアバッグは、前記上側座クッションと前記下側座クッションとによって形成される間隙の端部より下方において、折り畳まれた状態で収納されており、展開及び膨張時に前記エアバッグは、前記間隙の端部から前記間隙内に進入し、展開及び膨張する請求項1に記載の車両用シート。
- 前記エアバッグは、車両の前方側から車両の後方側へ展開及び膨張する請求項6に記載の車両用シート。
- 前記エアバッグは、少なくとも着座した乗員の膝から大腿部にかけて展開及び膨張する請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の車両用シート。
- 前記エアバッグは、着座領域全域に対応して展開及び膨張する請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の車両用シート。
- 着座した乗員の前すべりを防止する車両用シートにおいて、
シートの座部は、クッション体と、エアバッグと、前記クッション体の下方に配置され前記クッション体を支持する弾性部材と、前記クッション体と前記弾性部材との間に配置される保護部材と、を備え、
前記エアバッグは、前記クッション体と前記保護部材との間で展開及び膨張する車両用シート。
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- 2006-03-29 JP JP2006091982A patent/JP2007126117A/ja active Pending
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