JP2007121821A - 光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化を図る上で有利な光学素子を提供する。
【解決手段】第1の電極18は、少なくともその一部が第1の液体14に接触するように容器12の内部に臨ませて形成され第1の端面壁1202の外周に周方向に沿って円環状に延在形成されており、内側に開口1802が形成されている。第2の電極20は、収容室12Aに臨む側面壁1206の箇所に形成され、側面壁1206の周方向に沿って延在して設けられるとともに、容器12の厚さ方向における側面壁1206のほぼ全域にわたって延在している。第2の電極20は、側面壁1206の周方向に沿って切り離された複数の分割体22で構成され、各分割体22は同一形状を呈している。電源30は、各分割体22に対して異なる値の電圧を印加できるように構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は光学素子に関する。
デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像装置は、撮影光学系によって導かれた被写体像を撮像素子上に結像させることで被写体像を撮像する。
ところで、撮影中に撮像装置を持った手が動き、いわゆる手振れが生じると、撮像素子上に結像された被写体像に像振れが生じてしまう。
このような像振れを防止するために、撮影光学系の一部に撮影光学系の光軸と直交する平面に沿って移動可能に補正レンズを設けるとともに、その補正レンズを前記平面に沿って移動させる駆動機構を設け、像振れが発生した際に、駆動機構により補正レンズを移動させることで撮像素子上に結像される被写体像の像振れを防止する像振れ防止装置が提案されている(特許文献1、2参照)。
上記従来技術では、駆動機構がコイルとマグネットを有していることから構造が複雑で占有スペースが大きくなり小型化を図る上で不利があった。
このような不具合を解消するために、補正レンズを、エレクトロウエッティング効果を利用した光学素子で構成したものが提案されている(特許文献3参照)。
この光学素子は、有極性の液体と無極性の液体との2種類の液体とを容器に封入し、2つの液体の界面形状を球面状とすることでレンズを形成するものであり、有極性の液体に対して前記光軸と直交する平面にそって電位勾配を与えることによって前記光学素子で形成される補正レンズを撮影光学系の光軸と直交する平面に沿って移動させるように構成されている。
特許公報第2641172号公報 特開2000-258813号公報 特開2005-55286号公報
ところで上記光学素子で補正レンズを構成した従来技術では、補正レンズを撮影光学系の光軸と直交する平面に沿って移動させることから、撮影光学系の光軸と直交する方向における寸法を縮小する上で不利があり、小型化を図る上で限界があった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、小型化を図る上で有利な光学素子を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明は、厚さ方向において互いに対向する第1、第2の端面壁と、前記第1、第2の端面壁を接続する側面壁とを有し、それらの内部に密閉された収容室が形成された容器と、前記収容室に封入された有極性または導電性を有する第1の液体と、前記収容室に封入され前記第1の液体と互いに混合しない第2の液体と、前記第1の液体に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、前記電圧印加手段は、前記第1の端面壁に設けられ少なくともその一部が前記第1の液体に接触する第1の電極と、前記収容室に臨む前記側面壁の箇所に該側面壁の周方向に沿って延在して設けられ前記第2の液体に臨む第2の電極とを有し、前記電圧印加手段による電圧印加によりそれら前記第1の液体と第2の液体の界面形状を曲面状に変形させることで、前記第1、第2の端面壁を通り前記容器の厚さ方向に進行して前記界面を通過する光を屈折させる光学素子であって、前記第2の電極は、前記側面壁の周方向に沿って切り離された複数の分割体で構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、厚さ方向において互いに対向する第1、第2の端面壁と、前記第1、第2の端面壁を接続する側面壁とを有し、それらの内部に密閉された収容室が形成された容器と、前記収容室に封入された有極性または導電性を有する第1の液体と、前記収容室に封入され前記第1の液体と互いに混合しない第2の液体と、前記第1の液体に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、前記電圧印加手段は、前記第1の端面壁に設けられ少なくともその一部が前記第1の液体に接触するように前記第1の端面壁の周方向に沿って延在して設けられた第1の電極と、前記収容室に臨む前記側面壁の箇所に該側面壁の周方向に沿って設けられた第2の電極とを有し、前記電圧印加手段による電圧印加によりそれら前記第1の液体と第2の液体の界面形状を曲面状に変形させることで、前記第1、第2の端面壁を通り前記容器の厚さ方向に進行して前記界面を通過する光を屈折させる光学素子であって、前記第1の電極は、前記第1の端面壁の周方向に沿って切り離された複数の分割体で構成されていることを特徴とする。
本発明の光学素子によれば、光学素子の第2の電極あるいは第1の電極を複数の分割体で構成することにより、各分割体に分割体が並べられた方向に沿って値が次第に変化する電圧を印加することで、第1の液体と第2の液体の界面形状の中心を通る中心軸を傾動させることができ、従来の光学素子に比較して、撮影光学系の光軸と直交する方向における光学素子の寸法を縮小することができ、光学素子の小型化、ひいては、光学素子を有するレンズ鏡筒や撮像装置の小型化を図る上で有利となる。
まず、本発明の光学素子が用いる電気毛管現象(エレクトロウエッティング現象)の原理について説明する。
図13は電気毛管現象の原理説明図であり、(A)は電圧印加前の状態を示す図、(B)は電圧印加後の状態を示す図である。
図13(A)に示すように、基板1の表面上に第1の電極2が形成され、この電極2の上に絶縁膜3が形成されている。
この絶縁膜3の表面に有極性または導電性を有する第1の液体4が位置しており、第1の液体4には第2の電極5が電気的に接続されている。
図13(A)に示すように、第1の電極2と第2の電極5との間に電圧Eが印加されていない状態では、第1の液体4は表面張力によってその表面が上方に凸のほぼ球面をなしている。このときに絶縁膜3の表面と、第1の液体4が絶縁膜3に接触している部分における液面の角度θ、すなわち接触角θをθ0とする。なお、接触角θは液体が空気に面した状態で測定されるものであり、言い換えると、気液界面において測定されるものである。
ところが、図13(B)に示すように、第1の電極2と第2の電極5との間に電圧Eが印加された状態では、絶縁膜3の表面に例えばプラス電荷が帯電することで第1の液体4を構成する分子に電界(静電気力)が作用する。これにより、第1の液体4を構成する分子が引き寄せされることで、第1の液体4の絶縁膜3に対する濡れ性が良くなり、接触角θはθ0よりも小さなθ1となる。また、接触角θは電圧Eの値が大きくなるに従って小さくなる。
このような現象を電気毛管現象という。
次に、本実施の形態の光学素子10について説明する。
図1は光学素子10の構成を示す縦断面図、図2は図1のAA線断面図、図3は光学素子10の一部を省略した斜視図である。
図1に示すように、光学素子10は、容器12と、第1の液体14と、第2の液体16と、電圧印加手段を含んで構成されている。
容器12は、厚さ方向において互いに対向する第1の端面壁1202、第2の端面壁1204と、これら第1、第2の端面壁1202、1204を接続する側面壁1206とを有し、それら第1、第2の端面壁1202、1204を接続する側面壁1206とにより密閉された収容室12Aを有している。
本実施の形態では、第1、第2の端面壁1202、1204は同一径を有する円板状を呈し、側面壁1206は第1、第2の端面壁1202、1204の外径と同じ寸法の外径を有する円筒状を呈し、収容室12Aは扁平な円柱状を呈している。
また、第1、第2の端面壁1202、1204および側面壁1206は、絶縁性を有する材料で形成され、さらに、第1、第2の端面壁1202、1204は光を透過する透明な材料で形成されている。
第1、第2の端面壁1202、1204を構成する材料として、例えば、透明で絶縁性を有する合成樹脂材料あるいは透明なガラス材料を用いることができる。
第1の液体14は、有極性または導電性を有し収容室12Aに封入されている。
第2の液体16は、第1の液体14と互いに混合しないものであり収容室12Aに封入されている。
また、第1の液体14と第2の液体16は実質的に等しい比重を有しかつ第1の液体14の屈折率n1が第2の液体16の屈折率n2よりも高く形成されている。
本実施の形態では、第2の液体16はシリコンオイルで構成され、第1の液体14はエチレングリコールとエタノールの混合液で構成され、比重が上記のシリコンオイルと実質的に等しく、かつ、屈折率n1がシリコンオイルの屈折率n2よりも高く形成されている。
なお、第1の液体14として使用できる液体は、例えば、ニトロメタン、無水酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、メタノール、アセトニトリル、アセトン、エタノール、プロピオニトリル、テトロヒドロフラン、n−ヘキサン、2−プロパノール、2−ブタノン、n−ブチロニトリル、1−プロパノール、1−ブタノール、ジメチルスルホキシド、クロロベンゼン、エチレングリコール、ホルムアミド、ニトロベンゼン、炭酸プロピレン、1,2−ジクロロエタン、二硫化炭素、クロロホルム、ブロモベンゼン、四塩化炭素、トリクロロ酢酸無水物、トルエン、ベンゼン、エチレンジアミン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、リン酸トリブチル、ピリジン、ベンゾニトル、アニリン、1,4−ジオキサン、ヘキサメチルホスホルアミドなどが挙げられる。
また、第2の液体16として使用できる液体は、例えば、シリコン、デカン系、オクタン系、ノナン、ヘプタンなどが挙げられる。
また、第1の液体14および第2の液体16は、それぞれ単一の液体で形成してもよいし、複数の液体を混合して形成してもよい。要は、第1の液体14と第2の液体16が実質的に等しい比重を有しかつ第1の液体14の屈折率n1が第2の液体16の屈折率n2よりも高く形成されていればよい。
電圧印加手段は、第1の電極18と第2の電極20と電源30とを含んで構成されている。
図1に示すように、第1の電極18(正極電極)は、第1の液体14に電圧を印加するためのものであり、第1の端面壁1202に形成されている。
第1の電極18は、少なくともその一部が第1の液体14に接触するように容器12の内部に臨ませて形成され、本実施の形態では、第1の電極18は単一であり、第1の端面壁1202の外周に周方向に沿って円環状に延在形成されており、内側に開口1802が形成されている。
言い換えると、第1の液体14は、界面28の形状の変化に拘わらず常時第1の端面壁1202の外周部分に面する部分を有しており、第1の電極18は、第1の液体14が常時面する第1の端面壁1202の外周部分に形成されている。
図1、図2に示すように、第2の電極20(負極電極)は、収容室12Aに臨む側面壁1206の箇所に形成されている。
本実施の形態では、第2の電極20は、側面壁1206の周方向に沿って延在して設けられるとともに、容器12の厚さ方向における側面壁1206のほぼ全域にわたって延在している。
第1、第2の電極18、20は、例えば、銅メッキ、あるいは、ITO膜(Indium Tin Oxide膜)などの導電材料で形成されている。
図1に示すように、電源30は容器12の外部に設けられ出力電圧が可変であり、電源30の正電圧出力端子が第1の電極18に電気的に接続され、電源30の負電圧出力端子が第2の電極20に電気的に接続されている。
図2に示すように、第2の電極20が収容室12Aに臨む箇所の全域を覆うように絶縁膜24が形成され、本実施の形態では、絶縁膜24は第2の電極20の全域を覆うように円筒状に形成されている。
したがって、第1の電極18と第2の電極20に電圧が印加されることで絶縁膜24の表面に例えばプラス電荷が帯電され、これにより第1の液体14を構成する分子に電界(静電気力)が作用して電気毛管現象が発生するように構成されている。
本実施の形態では、第1の電極18、第2の電極20、絶縁膜24、電源30によって前記電圧印加手段が構成されている。
また、絶縁膜24を覆うように撥水膜26が形成されている。
撥水膜26は、第2の液体16に対する濡れ性が第1の液体14に対する濡れ性よりも高くなるように構成されたものである。
すなわち、図10(A)の場合と同様に空気中において(気液界面において)、撥水膜26に対する第2の液体16の接触角を測定すると、その接触角は、撥水膜26に対する第1の液体14の接触角よりも小さい値となる。
撥水膜26は、親油性を有する膜であり、例えば、シリコンを主成分とする材料を焼き付けることで、あるいは、非結晶フッ素樹脂からなる材料を成膜することで形成することができる。なお、撥水膜26としては、従来公知の様々な材料を採用可能である。
前記電圧印加手段による電圧印加がなされていない状態で、第1の液体14は、第1の端面壁1202上で第1の電極18に接触するとともに、第1の液体14が側面壁1206に臨む箇所が絶縁膜24および撥水膜26を介して第2の電極20上に位置し、かつ、第2の液体16は、第2の端面壁1204上に位置するとともに、第2の液体16が側面壁1206に臨む箇所が撥水膜26上に位置している。
したがって、電源30から第1の電極18、第2の電極20に電圧が印加されると、絶縁膜24の表面に電荷が帯電され、第1の液体14を構成する分子に電界(静電気力)が作用することになる。
また、前記電圧印加手段による電圧印加がなされていない状態で、図1、図3に示すように、第1の液体14と第2の液体16の界面28は、第1の液体14から第2の液体16に向かって凸状の曲面をなしている。なお、図3においては、図を簡略化するために、第1端面壁1202と第2の液体16を取り除くとともに、絶縁膜24と撥水膜26の境界線を省略している。
ここで、第1の液体14の屈折率n1が第2の液体16の屈折率n2よりも高く形成されていることから、第1、第2の端面壁1202、1204を通り容器12の厚さ方向に進行して界面28を通過する光は界面28で屈折され、したがって、光学素子10は光を収束させるパワーを有するレンズ32を構成している。
図2に示すように、第2の電極20は、側面壁1206の周方向に沿って切り離された複数の分割体22で構成され、各分割体22は同一形状を呈している。
本実施の形態では、各分割体22は8個設けられ、周方向に延在する延在長さが同一となるように形成されている。
そして、第1、第2端面壁1202、1204と直交し、第1、第2端面壁1202、1204の中心を通る中心軸と直交する平面上で前記中心軸を通り互いに直交するX軸とY軸を想定した場合、各分割体22はX軸に対して線対称となるように配置されるとともに、Y軸に対して線対称となるように配置されている。
なお、電源30は、各分割体22に対して異なる値の電圧を印加できるように構成されている。
次に、光学素子10の動作について説明する。
まず、光学素子10を通常のレンズとして使用する場合について説明する。
図4(A)、(B)は第1の液体14と撥水膜26がなす角度θの説明図、図5は図2のBB線断面図である。
電源30から第1の電極18、第2の電極20に電圧が印加されない状態(E=0V)では、第1、第2の液体14、16の界面28の形状は、図5に実線で示すように、第1、第2の液体14、16の表面張力、撥水膜26上の界面張力のバランスによって決定され、第1の液体14から第2の液体16に向かって凸状の曲面をなしている。
第1の液体14は第1の端面壁1202上に位置し、第2の液体16は第2の端面壁1204上に位置している。
そして、図4(A)に示すように、側面壁1206(撥水膜26)の部分では第2の液体16が側面壁1206に沿って第1の液体14に進入している。
この際、第1の液体14と絶縁膜26がなす角度θをθ0とする。
このような第1の液体14と第2の液体16の位置関係は、側面壁1206に撥水膜26が形成されていることによって生じるものであり、言い換えると、撥水膜26に対する第1、第2の液体14、16の接触角に差によって生じるものである。
この際、レンズ32の中心軸(レンズ32の光軸)L1、言い換えると界面28の形状の中心を通る中心軸は、第1、第2端面壁1202、1204の中心を通り、かつ、第1、第2端面壁1202、1204に対して直交している。
次に、電源30から第1の電極18と第2の電極20との間に電圧E1>0Vが印加されると、すなわち、各分割体22に対して同一の電圧E1が印加されると、電気毛管現象により、第1の液体14の撥水膜26に対する濡れ性が高まり(接触角が小さくなり)、図4(B)に示すように、第1の液体14が撥水膜26に対してなす角度θはθ0よりも大きな角度θ1となり、側面壁1206(撥水膜26)の部分では、第1の電極18、第2の電極20に電圧が印加されていない場合に比較して、第1の液体14が側面壁1206に沿って第2の液体16に対してより大きく進入する。したがって、界面28の凸状の曲面(球面)の湾曲の傾斜が小さくなる。
界面28の凸状の曲面(球面)の湾曲の傾斜は、電圧Eが増大するにつれて小さくなる。なお、電圧Eの増減に拘わらずレンズ32の中心軸L1は、第1、第2端面壁1202、1204の中心を通り、かつ、第1、第2端面壁1202、1204に対して直交した状態を保持している。
したがって、電圧Eを調整することにより界面28の曲率を変えてレンズ32の焦点距離を可変できる(レンズ32のパワーを可変できる)。
次に、第2の電極20の各分割体22に分割体22が並べられた方向に沿って値が次第に変化する電圧を印加する場合、言い換えると、第1の液体14が第2の電極20に臨む箇所に側面壁1206の周方向に沿って電圧の勾配を与えた場合の動作について説明する。
説明の都合上、図2において、各分割体22に符号22A、22B、22C、22D、22E、22F、22G、22Hを付して説明する。
なお、分割体22Aから側壁壁1206の周方向に沿って反時計回りに分割体22A、22B、22C、22D、22E、22F、22G、22Hがこの順番で位置し、かつ、X軸の両端に分割体22A、22Eが位置し、Y軸の両端に分割体22C、22Gが位置している。
図6は各分割体22に印加する電圧Eの大きさを示す図である。
図6に示すように、電源30から分割体22A、22B、22C、22D、22E、22F、22G、22Hに印加する電圧を、それぞれ電圧E1、E2、E3、E4、E5、E4、E3、E2とする。
そして、電源30によって各分割体22に印加する電圧の大きさをE1<E2<E3<E4<E5とすることで、各分割体22A乃至22Hにそれら分割体22A乃至22Hが並べられた方向に沿って値が次第に変化する電圧を印加する。すなわち、各分割体22に印加する電圧がX軸に沿って徐々に増加(減少)するような電圧の勾配をつけるとともに、X軸を挟んで対称となる位置の分割体22には同一の電圧を印加する。
すると、各分割体22A乃至22Hに臨む第1の液体14部分に作用する電界(静電気力)の大きさにも電圧の大きさに応じた勾配が生じる。
そのため、各分割体22A乃至22Hに臨む第1の液体14部分の撥水膜26に対する接触角にもそれぞれ勾配が生じ、各分割体22A乃至22Hに臨む第2の液体16部分に対して第1の液体14が進入する大きさにもそれぞれ勾配が生じる。
これにより、図5に破線で示すように界面28の曲面が変形することになる。
すなわち、各分割体22A乃至22Hに対して電圧勾配を与えることにより界面28の曲面が変形し、これにより界面28の曲面の先端が最も低い電圧E1が印加された分割体22A寄りに変位する。
この結果、レンズ32の中心軸L2は、上記中心軸L1と交差する方向に傾き、第1、第2端面壁1202、1204に対して傾斜した状態となり、言い換えると、レンズ32があおられた状態(傾けられた状態)となる。すなわち、界面28の形状の変形は、その界面形状の中心軸が傾動するようになされる。
つまり、各分割体22A乃至22Hに印加する電圧を調整することにより、光学素子10で構成されるレンズ32の中心軸の傾きを調整することができるのである。
次に、上述した光学素子10を適用した撮像装置40について説明する。
図7は撮像装置40の構成を示すブロック図である。
撮像装置40はデジタルスチルカメラであり、外装を構成するケース42を有し、ケース42には、撮影光学系44が組み込まれた鏡筒46が設けられ、鏡筒46の後端には撮影光学系44によって導かれた被写体像を撮像する撮像素子48などが収容されている。
鏡筒46には本発明に係る光学素子10が設けられ、撮影光学系44で導かれた被写体像が光学素子10を介して撮像素子48に結像されるように構成されている。
ケース42には画像などを表示する液晶表示パネルなどからなるディスプレイ49が設けられている。
撮像装置40には、映像信号増幅部50、映像信号処理部52、映像信号記録再生部54、制御部56、モニタドライバ58、内部メモリ60、メモリカード用インターフェース62、メモリカード用スロット64、外部入出力インターフェース66、外部入出力端子68、操作パネル部70、手振れ検出部72、手振れ信号処理部74、デバイス駆動部76などが設けられている。
撮像素子48で生成された撮像信号は映像増幅部50で増幅され、映像信号処理部52によって所定の信号処理がなされ映像信号として映像信号記録再生部54に供給される。
映像信号記録再生部54は、映像信号処理部52から供給された映像信号を制御部56の制御にしたがってインターフェース62を介してメモリスロット64に装着された記録媒体としてのメモリカード78に記録する。
また、映像信号記録再生部54は、映像信号処理部52から供給された映像信号、あるいは、インターフェース62を介してメモリカード78から供給される映像信号を、モニタドライバ58を介してディスプレイ49に供給して画像の表示を行わせる。
制御部56は、操作パネル部70に設けられたシャッタボタンや各種操作スイッチの操作に基づいて、映像信号記録再生部54の制御を行う。
内部メモリ60は、映像信号記録再生部54の動作のために必要なメモリエリアを提供する。
外部入出力インターフェース66は、外部入出力端子68に接続された外部の電子機器と映像信号記録再生部54との間で映像信号の授受を司る。
手振れ検出部72は、撮像装置40に加わった加速度、あるいは、振動などに基づいて手振れを検出するものであり、手振れの大きさに応じた手振れ検出信号を出力する。
手振れ検出部72としては、例えば、ジャイロセンサなど従来公知の様々なセンサを採用可能である。
手振れ信号処理部74は、手振れ検出部72から供給されるアナログ信号としての第1の手振れ検出信号を処理し、手振れの方向や手振れの大きさなどを示すデジタル信号としての第2の手振れ検出信号を生成して制御部56に供給する。
制御部56は、手振れ信号処理部74から供給された第2の手振れ補正信号に基づいて手振れ補正信号を生成しデバイス駆動部76に与える。
デバイス駆動部76は、前述した光学素子10の電源30を含んで構成され、制御部56から供給される手振れ補正信号に基づいて電源30を制御し、各分割体22に対して電圧を供給するように構成されている。
なお、光学素子10は、各分割体22に同一の電圧が印加されている状態で、レンズ32の中心軸L1が撮影光学系44の光軸と合致するように配置されている。
次に、撮像装置40における光学素子10を用いた手振れ補正(像振れ補正)の動作について説明する。
図8はレンズ32による像振れ補正の説明図であり、(A)は像振れの補正がなされていない状態を示し、(B)は像振れの補正がなされている状態を示す。
ユーザーが撮像装置40を把持して撮影を行っているものとする。
その際、手振れ信号検出部72によって手振れが検出され、手振れ信号処理部74から制御部56に第2の手振れ信号が供給されている。
制御部56は、第2の手振れ信号に基づいて生成した手振れ補正信号をデバイス駆動部76に与える。
これにより、デバイス駆動部76は、前記検出された手振れの大きさと方向に対応してレンズ32の中心軸が傾くように、言い換えると、前記手振れによって撮像素子48上に生じる像振れを解消するために必要な大きさと角度でレンズ32の中心軸が傾くように電源30を制御して各分割体22に対して電圧を供給する。
したがって、手振れが検出されていない状態では、図8(A)に示すように、光学素子10は、レンズ32の中心軸L1が撮影光学系44の光軸と合致した状態となっている。そのため、被写体からの光2はレンズ32の中心軸L1に沿って撮像素子48上に収束され結像される。
一方、手振れが検出されると、図8(B)に示すように、光学素子10は、レンズ32の中心軸L2が手振れによる像振れを解消するために必要な方向と角度で傾けられる。
そのため、被写体からの光2は傾けられたレンズ32の中心軸L2に沿って撮像素子48上に収束され結像される。
本実施の形態によれば、光学素子10の第2の電極20を容器12の側面壁1206の周方向に沿って切り離された複数の分割体22で構成することにより、それら分割体22が並べられた方向に沿って値が次第に変化する電圧を印加することで(第1の液体14が第2の電極20に臨む箇所に側面壁1206の周方向に沿って電圧の勾配を与えることで)、第1の液体14と第2の液体16の間に形成される界面28の形状を変化させることによりレンズ32の中心軸を傾けることができる。
すなわち、従来の光学素子は、撮影光学系の光軸に垂直な平面に沿ってレンズを移動させるものであったのに対して、本発明の光学素子10は、VAP(バリアブルアンングルプリズム)方式やアクティブプリズム方式と同様、撮影光学系の光軸に対してレンズ32の光軸を傾けている点が異なっている。
したがって、従来の光学素子に比較して、レンズ32をその光軸を傾けるだけで済むため、撮影光学系の光軸と直交する方向における光学素子10の寸法を縮小することができ、光学素子10の小型化、ひいては、レンズ鏡筒や撮像装置の小型化を図る上で有利となる。
なお、本実施の形態では、絶縁膜24を覆うように撥水膜26を設けたが、絶縁膜24が、第2の液体16に対する濡れ性が第1の液体14に対する濡れ性よりも高い性質を有していれば、絶縁膜24と撥水膜26を兼用することができる。
また、本実施の形態では、第2の電極20が8個の分割体22で構成されている場合について説明したが、分割体22の数は複数であればよく、限定されない。
ただし、分割体22の数を多くするとともに、隣り合う分割体22における電圧の差を小さくするほど、界面28の曲面の変化をなだらかにすることができ、したがって、レンズ32によって収束される被写体像に生じるひずみを抑制する上で有利となる。
また、手振れが水平方向に生じているにも拘わらず、レンズ32による像振れの補正が水平方向成分に加えて斜め方向の成分を含んでいる場合、あるいは、手振れが鉛直方向のみに生じているにも拘わらず、レンズ32による像振れの補正が鉛直方向成分に加えて斜め方向の成分を含んでいる場合には、補正後の画像に斜め方向の像振れが生じることになる。このような画像は、人間が見たときにその像振れが目立ちやすいことが知られている。
したがって、手振れが水平方向のみあるいは鉛直方向のみに生じた場合には、レンズ32による像振れの補正が斜め方向の成分を含まないようにすることが好ましい。
そのため、分割体22を4の倍数の数(4、8、16、……)だけ設けるとともに、撮像装置40の撮影光学系を被写体に向けている状態で光学素子10の水平方向(X軸方向)と、鉛直方向(Y軸方向)のそれぞれに対して分割体22が対称となるように配置させると、手振れが水平方向のみあるいは鉛直方向のみに生じた場合には、レンズ32による像振れの補正が斜め方向の成分を含まないようにすることができ、補正後の画像の品質を確保する上で有利となり好ましい。
また、本実施の形態では、第1の電極18は、第1端面壁1202上に円環状に形成され中央に開口1802が形成されているが、第1の電極18は第1の液体14に常時接触していればよい。例えば、第1の電極18が透過可能なITO膜などからなり第1端面壁1202の全域にわたって円板状に形成されていてもよいし、あるいは、第1の電極18が第1端面壁1202を貫通して第1の液体14に接触する棒状あるいは針状に形成されていてもよい。
しかしながら、本実施の形態のように第1の電極18に開口1802を形成すると、その開口1802の部分における光の透過度を確保する上で有利となる。
また、本実施の形態では、第2の電極20は、容器12の厚さ方向における側面壁1206のほぼ全域にわたって形成されているが、第2の電極20は第1の液体14に対して電界を与えることができればよく、したがって、第2の電極20は少なくとも容器12の厚さ方向において第2の液体16が移動する側面壁1206の部分にわたって延在していればよい。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なるのは、第1の実施の形態では第1の電極18が単一であり、第2の電極20が複数の分割体22で構成されていたのに対して、第2の実施の形態では第1の電極18が複数の分割体19で構成され、第2の電極20が単一である点であり、その他の点は第1の実施の形態と同様である。
図9は第2の実施の形態の光学素子10の構成を示す断面図、図10は第2の実施の形態における第2の電極20の平面図である。以下では第1の実施の形態と同様の部分、部材には同一の符号を付して説明する。
図9に示すように、第2の電極20は、側面壁1206の周方向に沿って延在して設けられ単一に形成されるとともに、容器12の厚さ方向における側面壁1206のほぼ全域にわたって延在している。
第1の電極18は、少なくともその一部が第1の液体14に接触するように容器12の内部に臨ませて形成され、第1の端面壁1202の外周に周方向に沿って円環状に延在形成され内側に開口1802が形成されている。
そして、第1の電極18は、周方向に沿って切り離された複数の分割体19で構成され、各分割体19は同一形状を呈している。
第2の実施の形態では、各分割体19は8個設けられ、周方向に延在する延在長さが同一となるように形成されている。
そして、第1、第2端面壁1202、1204と直交し、第1、第2端面壁1202、1204の中心を通る中心軸と直交する平面上で前記中心軸を通り互いに直交するX軸とY軸を想定した場合、各分割体19はX軸に対して線対称となるように配置されるとともに、Y軸に対して線対称となるように配置されている。
なお、電源30は、各分割体19に対して異なる値の電圧を印加できるように構成されている。
光学素子10の動作について説明すると、第1の実施の形態と同様に、電源30から第1の電極18、第2の電極20に電圧が印加されない状態(E=0V)では、第1、第2の液体14、16の界面28の形状は、図5に実線で示すように、第1、第2の液体14、16の表面張力、撥水膜26上の界面張力のバランスによって決定され、第1の液体14から第2の液体16に向かって凸状の曲面をなしており、レンズ32の中心軸(レンズ32の光軸)L1、言い換えると界面28の形状の中心を通る中心軸は、第1、第2端面壁1202、1204の中心を通り、かつ、第1、第2端面壁1202、1204に対して直交している。
次に、電源30から第1の電極18と第2の電極20との間に電圧E1>0Vが印加され、各分割体19に対して同一の電圧E1が印加されると、第1の実施の形態と同様に、電気毛管現象により、界面28の凸状の曲面(球面)の湾曲の傾斜が小さくなる。
界面28の凸状の曲面(球面)の湾曲の傾斜は、電圧Eが増大するにつれて小さくなる。なお、電圧Eの増減に拘わらずレンズ32の中心軸L1は、第1、第2端面壁1202、1204の中心を通り、かつ、第1、第2端面壁1202、1204に対して直交した状態を保持している。
したがって、電圧Eを調整することにより界面28の曲率を変えてレンズ32の焦点距離を可変できる(レンズ32のパワーを可変できる)。
次に、第1の電極18の各分割体19に印加する電圧に分割体19が並べられた方向に沿って値が次第に変化する電圧を印加する場合、言い換えると、各分割体19に印加する電圧に勾配をつけた場合の動作について説明する。
説明の都合上、図9、図10において、各分割体19に符号19A、19B、19C、19D、19E、19F、19G、19Hを付して説明する。
なお、分割体19Aから側壁壁1206の周方向に沿って反時計回りに分割体19A、19B、19C、19D、19E、19F、19G、19Hがこの順番で位置し、かつ、X軸の両端に分割体19A、19Eが位置し、Y軸の両端に分割体19C、19Gが位置している。
図11は各分割体19に印加する電圧Eの大きさを示す図である。
図11に示すように、電源30から分割体19A、19B、19C、19D、19E、19F、19G、19Hに印加する電圧を、それぞれ電圧E1、E2、E3、E4、E5、E4、E3、E2とする。
そして、電源30によって各分割体19に印加する電圧の大きさをE1<E2<E3<E4<E5とすることで、各分割体19A乃至19Hにそれら分割体19A乃至19Hが並べられた方向に沿って値が次第に変化する電圧を印加する。言い換えると、第1の液体14が第1の電極18に臨む箇所に第1の端面壁1202の周方向に沿って電圧の勾配を与える。
すなわち、各分割体19に印加する電圧がX軸に沿って徐々に増加(減少)するような勾配をつけるとともに、X軸を挟んで対称となる位置の分割体19には同一の電圧を印加する。
すると、各分割体19A乃至19Hに臨む第1の液体14部分に作用する電界(静電気力)の大きさにも電圧の大きさに応じた勾配が生じる。
そのため、各分割体19A乃至19Hに臨む第1の液体14部分の撥水膜26に対する接触角にもそれぞれ勾配が生じ、各分割体19A乃至19Hに臨む第2の液体16部分に対して第1の液体14が進入する大きさにもそれぞれ勾配が生じる。
これにより、第1の実施の形態と同様に、界面28の曲面が変形することになる。
すなわち、各分割体19A乃至19Hに対して電圧勾配を与えることにより界面28の曲面が変形し、これにより界面28の曲面の先端が最も低い電圧E1が印加された分割体19A寄りに変位する。
この結果、レンズ32の中心軸L2は、上記中心軸L1と交差する方向に傾き、第1、第2端面壁1202、1204に対して傾斜した状態となり、言い換えると、レンズ32があおられた状態(傾けられた状態)となる。すなわち、界面28の形状の変形は、その界面形状の中心軸が傾動するようになされる。
つまり、各分割体19A乃至19Hに印加する電圧を調整することにより、光学素子10で構成されるレンズ32の中心軸の傾きを調整することができるのである。
このような第2の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
なお、第2の実施の形態では、各分割体19が円環形状を周方向に沿って切り離されてそれぞれ同一形状を呈している場合について説明したが、各分割体19の形状はこれに限定されるものではなく、分割体19に臨む第1の液体14の部分に電圧を印加することができればよく、例えば、分割体19は、円形をその中心を通る放射線で分割した同一形状を呈するものであってもよい。
また、第2の実施の形態において、第2の電極20を単一に形成せず、第1の実施の形態と同様に複数の分割体22で構成し、例えば、第1の電極18の分割体19と第2の電極20の分割体22とを同数とし、かつ、各分割体19、22がそれぞれ周方向において同一の位置となるように構成し、各分割体19、22に印加する電圧を調整することにより、光学素子10で構成されるレンズ32の中心軸の傾きを調整してもよいことは無論である。
また、実施の形態では、第1の液体14と第2の液体16の界面28は、第1の液体14に対する電圧印加の有無に拘わらず、第1の液体14から第2の液体16に向かって凸状の曲面形状が維持されており、したがって、光学素子10によって形成されるレンズ32が光を収束するパワーを持ったレンズ、すなわち、凸レンズである場合について説明した。
しかしながら、第1の液体14と第2の液体16の界面28が第1の液体14に対する電圧印加の有無に拘わらず、第2の液体16から第1の液体14に向かって凸状の曲面形状が維持され、したがって、光学素子10によって形成されるレンズ32が光を発散するパワーを持ったレンズ、すなわち、凹レンズであっても、手振れによる像振れの補正を行うことができる。
図12は凹レンズによる像振れの補正の説明図であり、(A)は凹レンズの中心軸と撮影光学系44の光軸とが一致している状態を示し、(B)は凹レンズの中心軸が撮影光学系44の光軸と直交する面内で所定方向に移動した状態を示している。
すなわち、撮影光学系44は、2つのレンズ44A、44Bからなり、その2つのレンズ44A、44Bの間に、レンズ32が配置され、被写体からの光2は、レンズ44A、レンズ32、レンズ44Bを通過することにより、撮像素子48上に収束され結像される。
ここで、レンズ32の中心軸を撮影光学系44の光軸と直交する面内で所定方向に移動すると、撮像素子48上に結像される被写体像の位置が前記所定方向とは反対方向に移動する。
このように光学素子10によって形成されるレンズ32が凹レンズであっても像振れ補正が可能となる。そして、レンズ32が凹レンズである場合において、第1、第2の実施の形態と同様の構成によって、レンズ32の中心軸を撮影光学系44の光軸に対して傾けるようにしても、第1、第2の実施の形態と同様に像振れ補正が可能である。
なお、本実施の形態では、第1の液体14に直流電圧を印加することで電気毛管現象を発生させる場合について説明したが、第1の液体14に印加する電圧は直流電圧に限定されるものではなく、交流電圧やパルス電圧、あるいは、ステップ状に増減する電圧など、どのような電圧を用いてもよく、要は第1の液体14に電気毛管現象を発生させることができればよい。
光学素子10の構成を示す縦断面図である。 図1のAA線断面図である。 光学素子10の一部を省略した斜視図である。 (A)、(B)は第1の液体14と撥水膜26がなす角度θの説明図である。 図2のBB線断面図である。 各分割体22に印加する電圧Eの大きさを示す図である。 撮像装置40の構成を示すブロック図である。 レンズ32による像振れ補正の説明図であり、(A)は像振れの補正がなされていない状態を示し、(B)は像振れの補正がなされている状態を示す。 第2の実施の形態の光学素子10の構成を示す断面図である。 第2の実施の形態における第2の電極20の平面図である 各分割体19に印加する電圧Eの大きさを示す図である。 凹レンズによる像振れの補正の説明図であり、(A)は凹レンズの中心軸と撮影光学系44の光軸とが一致している状態を示し、(B)は凹レンズの中心軸が撮影光学系44の光軸と直交する面内で所定方向に移動した状態を示している。 電気毛管現象の原理説明図であり、(A)は電圧印加前の状態を示す図、(B)は電圧印加後の状態を示す図である。
符号の説明
10……光学素子、12……容器、1202……第1の端面壁、1204……第2の端面壁、1206……側面壁、14……第1の液体14……第2の液体、18……第1の電極、20……第2の電極、22……分割体、24……絶縁膜、26……撥水膜、28……界面。

Claims (15)

  1. 厚さ方向において互いに対向する第1、第2の端面壁と、前記第1、第2の端面壁を接続する側面壁とを有し、それらの内部に密閉された収容室が形成された容器と、
    前記収容室に封入された有極性または導電性を有する第1の液体と、
    前記収容室に封入され前記第1の液体と互いに混合しない第2の液体と、
    前記第1の液体に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
    前記電圧印加手段は、前記第1の端面壁に設けられ少なくともその一部が前記第1の液体に接触する第1の電極と、前記収容室に臨む前記側面壁の箇所に該側面壁の周方向に沿って延在して設けられ前記第2の液体に臨む第2の電極とを有し、
    前記電圧印加手段による電圧印加によりそれら前記第1の液体と第2の液体の界面形状を曲面状に変形させることで、前記第1、第2の端面壁を通り前記容器の厚さ方向に進行して前記界面を通過する光を屈折させる光学素子であって、
    前記第2の電極は、前記側面壁の周方向に沿って切り離された複数の分割体で構成されている、
    ことを特徴とする光学素子。
  2. 厚さ方向において互いに対向する第1、第2の端面壁と、前記第1、第2の端面壁を接続する側面壁とを有し、それらの内部に密閉された収容室が形成された容器と、
    前記収容室に封入された有極性または導電性を有する第1の液体と、
    前記収容室に封入され前記第1の液体と互いに混合しない第2の液体と、
    前記第1の液体に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
    前記電圧印加手段は、前記第1の端面壁に設けられ少なくともその一部が前記第1の液体に接触するように前記第1の端面壁の周方向に沿って延在して設けられた第1の電極と、前記収容室に臨む前記側面壁の箇所に該側面壁の周方向に沿って設けられた第2の電極とを有し、
    前記電圧印加手段による電圧印加によりそれら前記第1の液体と第2の液体の界面形状を曲面状に変形させることで、前記第1、第2の端面壁を通り前記容器の厚さ方向に進行して前記界面を通過する光を屈折させる光学素子であって、
    前記第1の電極は、前記第1の端面壁の周方向に沿って切り離された複数の分割体で構成されている、
    ことを特徴とする光学素子。
  3. 前記第1の液体と第2の液体は実質的に等しい比重を有しかつ前記第1の液体の屈折率が前記第2の液体の屈折率よりも高く形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の光学素子。
  4. 前記第2の電極を覆う絶縁膜が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の光学素子。
  5. 前記第2の電極を覆う絶縁膜が設けられ、前記絶縁膜を覆い前記第2の液体に対する濡れ性が前記第1の液体に対する濡れ性よりも高い撥水膜が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の光学素子。
  6. 前記第2の電極を覆う絶縁膜が設けられ、前記絶縁膜を覆い前記第2の液体に対する濡れ性が前記第1の液体に対する濡れ性よりも高い撥水膜が設けられ、前記電圧印加手段による電圧印加がなされていない状態で、前記第1の液体は、前記第1の端面壁上で前記第1の電極に接触するとともに、前記第1の液体が前記側面壁に臨む箇所が前記絶縁膜および前記撥水膜を介して前記第2の電極上に位置し、かつ、前記第2の液体は、前記第2の端面壁上に位置するとともに、前記第2の液体が前記側面壁に臨む箇所が前記撥水膜上に位置していることを特徴とする請求項1または2記載の光学素子。
  7. 前記電圧印加手段は、前記複数の分割体に、それら分割体が並べられた方向に沿って値が次第に変化する電圧を印加するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の光学素子。
  8. 前記電圧印加手段により前記複数の分割体に電圧印加がなされていない状態で、前記界面形状の中心を通る中心軸は、前記第1、第2の端面壁の中心を通り、前記電圧印加手段の電圧印加による界面形状の変形は、前記中心軸が傾動するようになされることを特徴とする請求項1または2記載の光学素子。
  9. 前記複数の分割体は、前記周方向に延在する延在長さが同一であることを特徴とする請求項1または2記載の光学素子。
  10. 前記複数の分割体は、前記周方向に延在する延在長さが同一であり、4N(Nは自然数)個設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の光学素子。
  11. 前記複数の分割体は、同一形状であることを特徴とする請求項1または2記載の光学素子。
  12. 前記第1の液体と第2の液体の界面は、前記第1の液体に対する電圧印加の有無に拘わらず、前記第1の液体から第2の液体に向かって凸状の曲面形状が維持されることを特徴とする請求項1または2記載の光学素子。
  13. 前記第1の液体と第2の液体の界面は、前記第1の液体に対する電圧印加の有無に拘わらず、前記第2の液体から第1の液体に向かって凸状の曲面形状が維持されることを特徴とする請求項1または2記載の光学素子。
  14. 前記第1の液体は、前記界面の形状の変化に拘わらず常時前記第1の端面壁の外周部分に面する部分を有し、前記第1の電極は、前記第1の液体が常時面する前記第1の端面壁の外周部分に形成されていることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  15. 前記第2の液体は、前記界面の形状の変化によって前記側面壁に面する部分が移動し、前記第2の電極は、少なくとも前記第2の液体が移動する前記側面壁の部分にわたって形成されていることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
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